説明

素子の放熱構造及び方法

【課題】 素子の温度上昇を抑制する放熱性能を向上できる素子の放熱構造及び方法を提供すること。
【解決手段】 基板3に実装され、基板側の面に素子放熱部12が露呈するよう設けられた素子1と、実装面と実装面の裏側とを貫通する貫通穴32が、素子1の素子放熱部12を実装面の裏側に露呈させるように設けられた基板3と、貫通穴32を貫通して素子1の素子放熱部12に熱伝導材2を介して面接する突出部43が設けられ、且つ放熱面積を大きくする放熱フィン42が設けられた放熱器4を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子の放熱構造及び方法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、LEDランプを金属製の基板に実装し、絶縁性熱伝導シートを介して、放熱フィン上に載置しLEDランプの放熱を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−093206号公報(第2−3頁、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来にあっては、さらなる冷却の要求が強く、素子の温度上昇を抑制するには、放熱器(放熱フィン)をより低温に冷却しなければならなかった。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、素子の温度上昇を抑制する放熱性能を向上できる素子の放熱構造及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、素子の発熱を放熱器へ伝達して、放熱を行う素子の放熱構造において、基板に実装され、基板側の面に放熱部分が露呈するよう設けられた素子と、実装面と実装面の裏側とを貫通する貫通穴が、前記素子の放熱部分を実装面の裏側に露呈させるように設けられた基板と、前記貫通穴を貫通して前記素子の放熱部分に熱伝導材を介して面接する突出部が設けられ、且つ放熱面積を大きくする放熱部が設けられた放熱手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明にあっては、素子の温度上昇を抑制する放熱性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
【図2】実施例1の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
【図3】端子11の傾斜部分の説明図である。
【図4】素子の放熱構造を示す説明図である。
【図5】素子の放熱構造を示す説明図である。
【図6】素子の放熱構造を示す説明図である。
【図7】実施例2の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
【図8】実施例3の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
【図9】実施例4の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
【図10】実施例5の素子の放熱構造の説明斜視図である。
【図11】実施例6の素子の放熱構造の説明断面図である。
【図12】図11の一部拡大図である。
【図13】実施例6の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
【図14】実施例7の素子の放熱構造の説明断面図である。
【図15】図14の一部拡大図である。
【図16】実施例7の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
【図17】実施例8の素子の放熱構造の説明斜視図である。
【図18】実施例9の素子の放熱構造の説明断面図である。
【図19】実施例9の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
【図20】実施例10の実施例10の素子の放熱構造の説明断面図である。
【図21】実施例10の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
【図22】実施例11の素子の放熱構造の説明斜視図である。
【図23】実施例12の素子の放熱構造の説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の素子の放熱構造及び方法を実現する実施の形態を、請求項1,10に係る発明に対応する実施例1と、請求項1,2,10に係る発明に対応する実施例2と、請求項1,3,10に係る発明に対応する実施例3と、請求項1,3,4,10に係る発明に対応する実施例4と、請求項1,2,5,10に係る発明に対応する実施例5と、請求項1〜6,10に係る発明に対応する実施例6と、請求項1〜7,10に係る発明に対応する実施例7と、請求項1〜5,10に係る発明に対応する実施例8と、請求項1〜5,8,10に係る発明に対応する実施例9と、請求項1〜5,9,10に係る発明に対応する実施例10と、請求項1〜5,10に係る発明に対応する実施例11、実施例12とに基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の素子の放熱構造を示す説明断面図である。図2は実施例1の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
【0011】
実施例1の素子の放熱構造は、素子1、熱伝導材2、基板3、放熱器4、ネジ5を備えている。
素子1は、端子11、素子放熱部12を備え、基板3に実装される電子部品である。例えば、半導体素子、LEDなどがあり、その良好な駆動状態、あるいは長期間使用するために冷却を必要とする素子である。
端子11は、対向する側方2箇所から斜め下方に進出した形状であり、基板3の通電パターンに電気的に接続される。例えばはんだ付けで接合される。また、この端子11は、図1に示すように、基板3への接続部、つまり先端が傾斜させた形状になっている。
素子放熱部12は、素子の裏側、つまり基板側に露出させた金属部分である。図1においては、説明上、基板側に厚みを持つように示す。
【0012】
熱伝導材2は、熱効率よく熱を伝達する部材である。例えば、接着性のあるシート状のものを例として挙げておく。
基板3は、端子部31、貫通穴32を備え、素子1が実装されるものである。実施例1では、基板3として回路基板(PCB基板)を用いる。
端子部31は、素子1の端子11に対応する位置大きさで、例えば通電パターンで形成したものである。これにより基板3に形成する回路と素子1の電気的接続を行う。
【0013】
貫通穴32は、素子1の両側に設けられる端子11に対応させて、基板3に2対に設けられた端子部31の間に設ける。また、この貫通穴32は、素子の素子放熱部12の位置、大きさに対応させた位置と大きさで設けられる。
放熱器4は、板状部41、放熱フィン42、突出部43、取付孔44を備えている。これらは一部材として形成される。
板状部41は、基板3の下方に重ねるように配置する板状の部分である。
放熱フィン42は、板状部41から下方にフィンを複数突出させたもので、周囲空気との接触面積を大きくしたものである。そのため、フィン形状は、他の形状であってよい。
【0014】
突出部43は、板状部41の上面、つまり放熱フィン42の側と反対側面から円柱状に突出させた部分である。この突出部43は、基板3の貫通穴32を通過できる直径で、その厚さは、基板3を貫通して、熱伝導材2を介して素子1の素子放熱部12に接触できる厚さにする。
熱伝導材2の形状は、この突出部43に合わせた円形とする。
取付孔44、は、板状部41の端を上下に貫通させた孔であり、ネジ5が貫通する。
【0015】
次に実施例1の素子の放熱構造の実装状態について説明する。
素子1は、両側へ進出させた端子11を基板3の端子部31にはんだ付けで接合して、実装する。この状態では、基板3の貫通穴32を通して、素子の素子放熱部12が下方に露出した状態となる。
放熱器4の突出部43の上面には、突出部43と同じ平面形状にした熱伝導材2を取り付ける。そして、この突出部43及び熱伝導材2を基板3の貫通穴32に下方から上方へ貫通させ、熱伝導材2が素子1の素子放熱部12に面接する状態にする。熱伝導材2と素子放熱部12との面接は接着していることが好ましい。放熱器4は、ネジ5により、基板3に固定される。基板3の下面には、このネジ5を固定する固定具を備えるようにする。図示は省略する。
【0016】
図3は端子11の傾斜部分の説明図である。
なお、素子1の基板3への実装と放熱器4の基板への取り付け順序は、逆であってもよい。その際には、素子1は、図3に示すように、端子11の傾斜させた先端の傾斜を平面に近づけるようにして、基板3の実装面、つまり上面から上下位置を調整する。これによりはんだ付けによる端子接合の際に、素子放熱部12と熱伝導材2が良好に面接する状態に実装するようにしてもよい。
なお、図1、図3にははんだ付け部分を符号6で示す。
【0017】
作用を説明する。
[素子の温度上昇を抑制する性能の向上作用]
実施例1の素子1は、その駆動により樹脂パッケージされている内部の例えば半導体や発光素子などが発熱する。この発熱は、素子1の下面に露出させた金属部分である素子放熱部12に、素子内部で伝達される。
素子放熱部12の熱は、基板3に設けた貫通穴32の部分で、熱伝導材2を介して放熱器4の突出部43に伝達され、放熱フィン42により空気と熱交換される。
【0018】
なお、実施例1では、素子1に一つの放熱器4が割り当てられるため、熱伝導材2が多少の電気伝導性を有しても他の電気部品や回路パターンへ電気を伝えることはない。
このように実施例1では、素子1は、熱伝導材2を介するのみで放熱器4へ伝熱するため、より直接的に放熱を行うことになる。そのため部材間の伝熱損失が省略され、素子1の温度上昇を抑制する性能が向上する。
【0019】
実施例1の作用を明確にするために、さらに説明を加える。
図4は素子の放熱構造を示す説明図である。
実装した素子の放熱を行う構造としては、次のようなものを考えることができる。回路用基板(PCB基板)を直接冷却するものである。しかし、回路用基板(PCB基板)は樹脂製で、基板自体は熱伝導性が良好でない。そのため、図4に示すように、素子放熱部12とはんだ部分61で接合する回路パターンの銅箔部分33を基板3に設ける。そして、基板3の素子と反対側の下面には、放熱器4aとの接触面となるよう広く銅箔部分35を設ける。
【0020】
そして、銅箔部分33と銅箔部分35を電気的に接続するよう基板3に貫通させたスルーホール34を設ける。そして、このスルーホール34内、及び銅箔部分33と素子放熱部12の間をはんだ部分61で満たすように接合することにより、基板下面の銅箔部分35が熱伝導材2aを介して放熱器4aへ熱を伝導する構成である。
この構造では、素子1の素子放熱部12からの熱は、はんだを通して銅箔部分33へ伝導し、スルーホール34を介して下面の銅箔部分35へ伝導する。そして、銅箔部分35から熱伝導材2aを介して放熱器4aへ伝導し、放熱器4aが空気中に放熱する。
【0021】
この構造では、熱を伝達する部材が多いため、部材間の熱伝達損失が多い分、放熱器4aをより低温にしなければならない。これに対して、実施例1では、熱伝達する部材数が少なく、効率的に放熱が行える。また、実施例1では、この構造と比較して熱を基板3の裏側へ伝達する必要がないので、スルーホール34を設ける必要がなく、片面基板を使うことができるため、コスト低減になる。
【0022】
また、実装した素子の放熱を行う構造としては、次のようなものを考えることもできる。
図5は素子の放熱構造を示す説明図である。
図5に示す放熱構造では、回路基板をPCB基板よりも薄いフレキシブル基板3a(FPC基板)を用い、フレキシブル基板3aに設けた銅箔36と素子放熱部12をはんだ部分62で接合する。フレキシブル基板3aは接着剤7により放熱器4aへ接合される。
【0023】
この構造では、素子1の素子放熱部12からの熱は、はんだ部分62、銅箔36、フレキシブル基板3a、接着剤7、放熱器4aの順に伝達する。
しかし、この構造では、フレキシブル基板3aにおいて、熱伝導性が金属より劣るフィルム及び接着剤7を介して熱伝達を行うため、熱伝達損失が多くなり、その分、放熱器4aをより低温にしなければならない。これに対して、実施例1では、素子放熱部12と放熱器4の間は、熱伝導材2を介するのみであり、効率的に放熱が行える。
この構造では、フレキシブル基板3aの基材に耐熱性が要求されるため、コストが増大することになる。
実施例1では、基板の基材へこのような要求がないため、コストは抑制される。
【0024】
また、実装した素子の放熱を行う構造としては、次のようなものを考えることもできる。
図6は素子の放熱構造を示す説明図である。
図6に示す放熱構造では、回路基板をアルミ基板3bとする。アルミ基板3bは導電性があるため、上面に絶縁層8を設け、銅箔36がその上に設けられる。アルミ基板3bと放熱器4aは密着性、熱導電性を高めるために、熱伝導材2aにより接合する。
【0025】
この構造では、素子1の素子放熱部12からの熱は、はんだ部分62、銅箔36、絶縁層8、アルミ基板3b、熱伝導材2a、放熱器4aの順に伝達する。
しかし、この構造では、熱を伝達する部材が多いため、部材間の熱伝達損失が多い分、放熱器4aをより低温にしなければならない。これに対して、実施例1では、熱伝達する部材数が少なく、効率的に放熱が行える。
また、アルミ基板は高価であるが、実施例1ではPCB基板を用いてコストが抑制される。
このように実施例1では、熱が伝達する部材数を少なくして、より直接的に冷却を行う。また、コストに特段の増加がなく抑制されつつ行う。
【0026】
次に、効果を説明する。
実施例1の素子の放熱構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0027】
(1)素子1の発熱を放熱器4へ伝達して、放熱を行う素子1の放熱構造において、基板3に実装され、基板側の面に素子放熱部12が露呈するよう設けられた素子1と、実装面と実装面の裏側とを貫通する貫通穴32が、素子1の素子放熱部12を実装面の裏側に露呈させるように設けられた基板3と、貫通穴32を貫通して素子1の素子放熱部12に熱伝導材2を介して面接する突出部43が設けられ、且つ放熱面積を大きくする放熱フィン42が設けられた放熱器4を備えたため、素子の温度上昇を抑制する放熱性能を向上できる。
【0028】
(10)素子1の発熱を放熱器4へ伝達して、放熱を行う素子1の放熱方法において、素子1の素子放熱部12を基板側に露呈させるように、素子1を基板3に実装し、基板3には、実装面と実装面の裏側とを貫通する貫通穴32を設け、実装した素子1の素子放熱部12を基板3の裏側に露呈させ、放熱面積を大きくする放熱フィン42が設けられた放熱器4に突出部43を設け、突出部43が貫通穴32を貫通して素子1の素子放熱部12に熱伝導材2を介して面接するようにし、素子1の発熱を基板3の貫通穴32を貫通させた放熱器4の突出部43へ伝達して放熱したため、素子の温度上昇を抑制する放熱性能を向上できる。
【実施例2】
【0029】
実施例2は、基板と放熱器を接着剤で接合した例である。
構成を説明する。
図7は実施例2の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
実施例2では、基板3の下面と放熱器4の間の数箇所を接着剤9で接着する。
基板3の下面と放熱器4の間は多くの部分で間隙となる構造である。
その他構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
作用を説明する。
実施例1、実施例2の素子の放熱構造では、基板3に設けられる回路パターン(銅箔)は、放熱器4に熱を伝達しない。そのため、基板3と放熱器4は密着させる必要がない。そのため、実施例2のように、放熱器4の上面と基板3の下面の間に間隙を設け、部分的に接着する構成にしても、放熱性能に影響がない。そのため、コストが抑制する取付構造にすることができ、また、基板3と放熱器4の間に電子部品を実装することもできる。
【0031】
効果を説明する。
実施例2の素子の放熱構造にあっては、上記(1),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(2)上記(1)において、基板3の実装面の裏側と、放熱器4の上面を離間させたため、部分的に接着剤9で接着するなど、さらにコストを抑制する構造にすることができる。
その他作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0032】
実施例3は基板としてフレキシブル基板を用いた例である。
構成を説明する。
図8は実施例3の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
実施例3では、基板としてフレキシブル基板37を用いている。フレキシブル基板37には、突出部43を貫通させるための貫通穴371を設けるようにしる。そして、フレキシブル基板37の下面は、接着剤91により放熱器45の上面に接着で接合する。なお、フレキシブル基板37は基板3より薄くなるため、これに合わせて突出部43の高さを変えるものとする。
その他構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0033】
作用を説明する。
実施例3では、フレキシブル基板37を用いているが、フレキシブル基板37には熱を伝導する機能が要求されないために、フレキシブル基板37の基材のコストを抑制する。
つまり、耐熱温度の低い基材の使用が可能となる。また、接着剤91の耐熱温度も低いものが使用可能となり、コストが抑制する。
なお、フレキシブル基板37と放熱器45の固定は、空隙を空けて、部分的に接着するものであってもよい。
フレキシブル基板37には、その配置、形状、立体的な回路構造に有利な点がある。このような条件であっても素子1の放熱を効率よく行える。
【0034】
効果を説明する。
実施例3の素子の放熱構造にあっては、上記(1),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(3)上記(1)又は(2)において、基板はフレキシブル基板37であるため、フレキシブル基板37の基材の耐熱温度を低くできる。
その他作用効果は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【実施例4】
【0035】
実施例4は、突出部を熱伝導材で形成した例である。
構成を説明する。
図9は実施例4の素子の放熱構造を示す説明断面図である。
実施例4では、放熱器46の上面を、突出部を設けずに平面とする。そして、フレキシブル基板37の下面と、放熱器46の上面を接着性のある熱伝導材21で接合する。そして、この熱伝導材21の上面に、貫通穴371を貫通して素子1の素子放熱部12に面接する突出部211を熱伝導材21として設ける。
その他構成は、実施例3と同様であるので説明を省略する。
【0036】
作用を説明する。
実施例4では、熱伝導材21の一部として突出部211を設けているので、この突出部211が、その接着性で素子放熱部12に密着する。貫通穴371が設けられるフレキシブル基板37は、厚みが薄いため、熱伝導材21で突出部211を形成できるほうが、製造が容易となる。これによりさらにコストが抑制される。
また、素子1の素子放熱部12と放熱器4の固定、放熱器4とフレキシブル基板37の固定を同一部材によるものとすることができ、さらにコストが抑制される。
【0037】
効果を説明する。実施例4の素子の放熱構造にあっては、上記(1),(3),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(4)上記(3)において、突出部211は、熱伝導材21と一体に形成され、熱伝導材21は、接着性のある部材とし、素子1の素子放熱部12への放熱器46の固定、フレキシブル基板37への放熱器46の固定を行う構造にしたため、さらにコストを抑制することができる。
その他作用効果は実施例3と同様であるので説明を省略する。
【実施例5】
【0038】
実施例5は、複数の素子を同一の基板に設置する例である。
構成を説明する。
図10は実施例5の素子の放熱構造の説明斜視図である。
実施例5では、基板38に端子部31と貫通穴32を複数配置し、複数の素子を基板38へ実装する。
放熱器47は、複数の素子1の放熱を行う大きさのものにし、上面に複数の突出部43を設ける。突出部43の上面には、熱伝導材2を設ける。
その他構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0039】
作用を説明する。
実施例5では、複数の素子1の熱を基板38で放熱する。回路構成上、冷却を必要とする複数の素子1を基板38に実装する必要がある場合には、このように共通の放熱器47にしてもよい。共通の放熱器47にすることで、作業が容易で、部品点数を減らすことになる。
【0040】
効果を説明する。
実施例5の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(4),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(5)上記(1)〜(4)において、基板38は、複数の貫通穴32を備え、放熱器47は、複数の突出部43を備え、複数の素子1を共通の放熱器47により放熱するため、作業を容易にし、部品点数を減らすことができる。
【実施例6】
【0041】
実施例6は、環状の素子固定用銅箔部を設け、素子放熱部と接合する例である。
構成を説明する。
図11は実施例6の素子の放熱構造の説明断面図である。図12は図11の一部拡大図である。図13は実施例6の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
実施例6では、基板3の素子側の面で、貫通穴32の周囲に、環状の素子固定用銅箔部301を設ける。素子固定用銅箔部301は、基板3に通電パターンとして設けられるものと同様の銅箔部分である。
【0042】
なお、実施例6では、図11〜図13に示すように、円形の素子放熱部12、熱伝導材2、及び放熱器4の突出部43の径方向の大きさの関係は、素子放熱部12の外径より、熱伝導材2及び放熱器4の突出部43の外径を小さくする。
さらに、円形の素子放熱部12と素子固定用銅箔部301の径方向の大きさの関係は、素子固定用銅箔部301の内径より素子放熱部12の外径を大きくし、素子固定用銅箔部301の外径より素子放熱部12の外径を小さくする。
これにより、素子放熱部12の外周端部は、素子固定用銅箔部301の内径側と面が対向する構成となる。
【0043】
そして、実施例6では、まず、放熱器4の突出部43を基板3の貫通穴32に挿入するようにし、図13に示すように、ネジ5で放熱器4を基板3に固定する。次に、基板3の貫通穴32から突出している突出部43の端面に設けられている熱伝導材2に素子1の素子放熱部12を貼着する。熱伝導材2は接着性のある部材であることが作業性の点から望ましい。
そして、素子1の端子11と基板3の端子部31、素子放熱部12と素子固定用銅箔部301をはんだ接合する。素子放熱部12と素子固定用銅箔部301のはんだ部分61は、環状のはんだ部分となる組付構成である。
その他構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0044】
作用を説明する。
実施例6では、素子1と基板3のはんだ付けは、概ね所定温度の炉内で一様に行われる。その際、素子1の下面が環状に接合されるため、素子1が安定する。これによって、素子1が傾いてはんだ接合されることが防止される。
そして、接合された素子放熱部12と素子固定用銅箔部301ははんだ部分61を介して熱伝導するため、素子の放熱性が向上する。
【0045】
また、熱伝導材2は弾性を有するため、素子1と充分に密着させると、素子1を上方へ付勢する力、つまり素子1を基板3から離間させる力を加えることになる。これに対して、実施例6では、環状のはんだ部分61で接合した素子固定用銅箔部301がこの付勢力を充分に受ける。そのため、素子1の端子11と基板3の端子部31とのはんだ部分6に応力が生じ、クラックやはんだ部分6及び端子部31の剥離を生じさせることが確実に防止される。つまり、端子11のはんだ部分6の応力を軽減する。
【0046】
また、素子1と基板3、放熱器4等が一体となった構造の全体に振動が加わる場合、素子1は放熱器4の突出部43から熱伝導材2を介して、素子1を上方へ付勢する力、つまり素子1を基板3から離間させる力が加わることになる。
これに対しても、環状のはんだ部分61で接合した素子固定用銅箔部301がこの付勢力を充分に受ける。そのため、端子11のはんだ部分6の応力を軽減する。
【0047】
効果を説明する。
実施例6の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(5),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(6)上記(1)〜(5)において、基板3は、貫通穴32の周囲を囲む形状に通電パターンを形成した素子固定用銅箔部301を備え、素子1の素子放熱部12と基板3の素子固定用銅箔部301をはんだ部分61で接合する構造にしたため、端子部分のはんだクラックや剥離を防止することができ、はんだ接合時に素子が傾いて接合することを防止することができる。
その他作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例7】
【0048】
実施例7は、環状の素子固定用銅箔部を基板の貫通穴の内壁まで延長させた例である。
構成を説明する。
図14は実施例7の素子の放熱構造の説明断面図である。図15は図14の一部拡大図である。図16は実施例7の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
実施例7では、環状の素子固定用銅箔部301の内周方向の端部を、基板3の貫通穴32の内壁となるように下方、つまり放熱器4側へ延長した形状の内壁部302を設ける。内壁部302は、素子固定用銅箔部301と一体で、基板3に同様の銅箔部分である。なお、内壁部302は円筒形状で、基板3の貫通穴32の内壁に密着する通電パターンとして設けられる。
この内壁部302の下端は、図14、図15に示すように、貫通穴32の内部に位置させる。
その他構成は、実施例6と同様であるので説明を省略する。
【0049】
作用を説明する。
実施例7では、基板3に設けた素子固定用銅箔部301を、貫通穴32の内壁まで延長する内壁部302を設けている。この素子固定用銅箔部301及び内壁部302は、通電パターン同様の銅箔部分であり、基板3に固着しているので、面積を増やすことによって、素子1を基板3から離間させる方向の力を、さらに強く受けるようになる。これにより、素子1の端子11と基板3の端子部31とのはんだ部分6に生じる応力がさらに軽減され、クラックやはんだ部分6及び端子部31の剥離を生じさせることがさらに確実に防止される。
【0050】
効果を説明する。
実施例7の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(6),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(7)上記(6)において、素子固定用銅箔部301は、内周側の端部を貫通穴の内壁まで延長する内壁部302を設けたため、端子部分のはんだクラックや剥離を防止することができる。
【実施例8】
【0051】
実施例8は、基板に複数の貫通穴と素子固定用銅箔部を設け、複数の素子を同一の基板に設置する例である。
構成を説明する。
図17は実施例8の素子の放熱構造の説明斜視図である。
実施例8では、基板38に端子部31と貫通穴32を複数配置し、貫通穴32の周囲に、環状の素子固定用銅箔部301を設ける。そして、複数の素子1を基板38へ実装する。
放熱器47は、複数の素子1の放熱を行う大きさのものにし、上面に複数の突出部43を設ける。突出部43の上面には、熱伝導材2を設ける。
その他構成は、実施例6と同様であるので説明を省略する。
【0052】
作用を説明する。
回路構成上、複数の素子1を基板38に実装する場合に、このように共通の放熱器47にすると、作業が容易で、部品点数を減らすことになる。そして、この共通化により放熱器47が大きくなるが、その振動が素子1のはんだ部分6にクラックや剥離を生じさせることがないように、各素子1の素子放熱部12と基板3の素子固定用銅箔部301のはんだ部分61で応力の軽減を充分に行う。
【0053】
効果を説明する。
実施例8の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(4),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(5)´上記(1)〜(4)において、基板38は、複数の貫通穴32と、貫通穴32の周囲を囲む形状に通電パターンを形成した素子固定用銅箔部301を備え、素子1の放熱器47と基板3の素子固定用銅箔部301をはんだ部分61で接合する構造にし、放熱器47は、複数の突出部43を備え、複数の素子1を共通の放熱器47により放熱するため、作業を容易にし、部品点数を減らすことができる。また、共通化により大きくなった放熱器47の振動等により素子1の端子部分のはんだ部分6で生じる応力を軽減することができる。
【実施例9】
【0054】
実施例9は、素子を支持する印刷部とブラケットを設けた例である。
構成を説明する。
図18は実施例9の素子の放熱構造の説明断面図である。図19は実施例9の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
実施例9では、基板3の素子側の面で、貫通穴32の周囲に、環状の固定用シルク印刷部303を設ける。固定用シルク印刷部303は、シルク印刷によって、その上面が素子1の下面に当接して支持する高さに設けられる印刷部分である。
なお、実施例9では、図18に示すように、円形の素子放熱部12の径方向の大きさは、固定用シルク印刷部303の内径より小さくし、径方向に間隙を有する構成にする。
【0055】
さらに、実施例9の基板3には、貫通穴32を中央とし、一対の端子部31を設けた方向に対して、略直交する方向にブラケット用銅箔部304を設ける。ブラケット用銅箔部304は、貫通穴32を挟み対向する配置で設ける。ブラケット用銅箔部304は基板3に通電用に設けられるパターンと同様の銅箔部分である。
そして、実施例9では、ブラケット305を設ける。ブラケット305は、図18、図19に示すように、素子の上面に当接する平面部分と、この平面部分の両端から斜め下方に伸延する部分と、斜め下方に伸延させた部分の端からさらに伸延させて設けた平面部分305aを備える形状である。そして、両端に設けた平面部分305aが、基板3のブラケット用銅箔部304とのはんだ接合を行う部分となる。
【0056】
そして、実施例9では、まず、放熱器4の突出部43を基板3の貫通穴32に挿入するようにし、図13に示すように、ネジ5で放熱器4を基板3に固定する。次に、基板3の貫通穴32から突出している突出部43の端面に設けられている熱伝導材2に素子1の素子放熱部12を貼着する。この際に素子1の下面が固定用シルク印刷部303に当接する。次に、ブラケット305を素子1に組み合わせて配置し、素子1の端子11と基板3の端子部31、ブラケット305の両端の平面部分305aと基板3のブラケット用銅箔部304をはんだ接合する組付構成である。ブラケット305の両端の平面部分305aと基板3のブラケット用銅箔部304のはんだ部分をはんだ部分62とする。
その他構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0057】
作用を説明する。
実施例9では、炉内等でおいて行われるはんだ付けの際に、素子1の下面で、素子放熱部12より外周方向の部分が、固定用シルク印刷部303に当接し、支持されているため、素子1が安定し、素子1が傾いてはんだ接合されることが防止される。そして、金属製のブラケット305が素子1の上方から当接しているため、素子1の発熱がブラケット305にも伝達するので、放熱性が向上する。
【0058】
また、熱伝導材2による付勢力や振動等により、素子1を基板3から離間させようとする力は、ブラケット305により受ける。これにより、素子1の端子11と基板3の端子部31とのはんだ部分6に生じる応力が軽減され、クラックやはんだ部分6及び端子部31の剥離を生じさせることが確実に防止される。
【0059】
効果を説明する。実施例9の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(5),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(8)上記(1)〜(5)において、基板3は、貫通穴32の周囲を囲む形状にシルク印刷部分を形成した固定用シルク印刷部303を備え、素子1の基板3から離間する方向への移動を制限するように素子1を覆うブラケット305を設けたため、端子部分のはんだクラックや剥離を防止することができ、はんだ接合時に素子が傾いて接合することを防止することができる。
その他作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例10】
【0060】
実施例10は、素子を支持し、且つ基板から離間する方向への移動を制限するブラケットを設ける例である。
構成を説明する。
図20は実施例10の実施例10の素子の放熱構造の説明断面図である。図21は実施例10の素子の放熱構造を示す説明斜視図である。
実施例10では、基板3の貫通穴32を中央とし、一対の端子部31を設けた方向に対して、略直交する方向にブラケット用銅箔部304を設け、ブラケット306を設ける。
【0061】
ブラケット306は、図20、図21に示すように、対称な形状のブラケット306aとブラケット306bからなり、素子1を横方向から挟むように組み付ける構造である。
ブラケット306a,306bは、図20に示すように素子の左右方向の端部を固定する略U字状あるいは略コ字状の部分と、基板3のブラケット用銅箔部304とのはんだ接合を行う平面部分を備えている。なお、素子1を固定する部分の開口は素子側、つまり横方向を向く形状である。
また、素子1を固定する部分は、素子1の両端部分を支持及び覆う大きさ形状にする。素子1の中央は自由状態の部分を設ける構造にする。
【0062】
そして実施例10では、まず、放熱器4の突出部43を基板3の貫通穴32に挿入するようにし、放熱器4を基板3に固定する。次に、素子1の左右両端部をそれぞれブラケット306a,306bに差し込むように組付け、基板3の貫通穴32から突出している突出部43の端面に設けられている熱伝導材2に素子1の素子放熱部12を貼着する。そして、素子1の端子11と基板3の端子部31、ブラケット306の両端の平面部分と基板3のブラケット用銅箔部304をはんだ接合する組付構成である。
その他構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0063】
作用を説明する。
実施例10では、金属製のブラケット306が素子1の両端部で上方、下方から当接しているため、素子1の発熱がブラケット306にも伝達するので、放熱性が向上する。
そして、素子1はブラケット306によって、基板へ近接する方向及び離間する方向に固定されるため、素子1の端子11のはんだ接合の際に、素子1が安定し、素子1が傾いてはんだ接合されることが防止される。
【0064】
また、熱伝導材2による付勢力や振動等により、素子1を基板3から離間させようとする力は、ブラケット306により受ける。これにより、素子1の端子11と基板3の端子部31とのはんだ部分6に生じる応力が軽減され、クラックやはんだ部分6及び端子部31の剥離を生じさせることが確実に防止される。
【0065】
効果を説明する。
実施例10の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(5),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(9)素子1の基板3から近接する方向及び離間する方向への移動を制限するように素子1を固定するブラケット306を設けたため、端子部分のはんだクラックや剥離を防止することができ、はんだ接合時に素子が傾いて接合することを防止することができる。
その他作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例11】
【0066】
実施例11は、基板に複数の貫通穴と固定用シルク印刷部、及びブラケット用銅箔部を設け、ブラケットを素子に組みつけて数の素子を同一の基板に設置する例である。
構成を説明する。
図22は実施例11の素子の放熱構造の説明斜視図である。
実施例11では、基板38に端子部31と貫通穴32を複数配置し、貫通穴32の周囲に、環状の固定用シルク印刷部303を設ける。そして、素子1にブラケット305を組み付けて、複数の素子1を基板38へ実装する。
放熱器47は、複数の素子1の放熱を行う大きさのものにし、上面に複数の突出部43を設ける。突出部43の上面には、熱伝導材2を設ける。
その他構成は、実施例9と同様であるので説明を省略する。
【0067】
作用を説明する。
回路構成上、複数の素子1を基板38に実装する場合に、このように共通の放熱器47にすると、作業が容易で、部品点数を減らすことになる。そして、この共通化により放熱器47が大きくなるが、その振動が素子1のはんだ部分6にクラックや剥離を生じさせることがないように、ブラケット305で応力の軽減を充分に行う。
【0068】
効果を説明する。
実施例11の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(4),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(5)´上記(1)〜(4)において、基板38は、複数の貫通穴32と、貫通穴32の周囲を囲む形状に印刷部分を形成した固定用シルク印刷部303を備え、固定用シルク印刷部303で素子1を支持し、ブラケット305で素子1の基板3から離間する方向の移動を制限する構造にし、放熱器47は、複数の突出部43を備え、複数の素子1を共通の放熱器47により放熱するため、作業を容易にし、部品点数を減らすことができる。また、共通化により大きくなった放熱器47の振動等により素子1の端子部分のはんだ部分6で生じる応力を軽減することができる。
その他作用効果は実施例9と同様であるので、説明を省略する。
【実施例12】
【0069】
実施例12は、基板に複数の貫通穴と固定用シルク印刷部、及びブラケット用銅箔部を設け、複数の素子を1つブラケットに組みつけて数の素子を同一の基板に設置する例である。
構成を説明する。
図23は実施例12の素子の放熱構造の説明斜視図である。
実施例12では、基板38に端子部31と貫通穴32を複数配置し、貫通穴32の周囲に、環状の固定用シルク印刷部303を設ける。ブラケット307は、間隔を空けて一列に配置した複数の素子1の上面を覆う長い平面部分と、それぞれの素子1の両側ではんだ接合する部分を備えている。
そして、複数の素子1にブラケット307を組み付けて、複数の素子1を基板38へ実装する。
放熱器47は、複数の素子1の放熱を行う大きさのものにし、上面に複数の突出部43を設ける。突出部43の上面には、熱伝導材2を設ける。
その他構成は、実施例9と同様であるので説明を省略する。
【0070】
作用を説明する。
回路構成上、複数の素子1を基板38に実装する場合に、このように共通の放熱器47にすると、作業が容易で、部品点数を減らすことになる。そして、この共通化により放熱器47が大きくなるが、その振動が素子1のはんだ部分6にクラックや剥離を生じさせることがないように、ブラケット307で応力の軽減を充分に行う。
また、ブラケット307は複数の素子1に掛け渡すように長い平面を有するため、素子1の放熱性をさらに向上させる。
【0071】
効果を説明する。
実施例12の素子の放熱構造にあっては、上記(1)〜(4),(10)に加えて、以下の効果を有する。
(5)´上記(1)〜(4)において、基板38は、複数の貫通穴32と、貫通穴32の周囲を囲む形状に印刷部分を形成した固定用シルク印刷部303を備え、複数の素子1の基板3から離間する方向への移動を制限するブラケット307を設け、固定用シルク印刷部303で素子1を支持し、ブラケット307で素子1の基板3から離間する方向の移動を制限する構造にし、放熱器47は、複数の突出部43を備え、複数の素子1を共通の放熱器47により放熱するため、作業を容易にし、部品点数を減らすことができる。また、共通化により大きくなった放熱器47の振動等により素子1の端子部分のはんだ部分6で生じる応力を軽減することができる。
その他作用効果は実施例9と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
以上、本発明の素子の放熱構造及び方法を実施例1〜実施例12に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0073】
例えば、実施例では、放熱手段として、放熱器を用いたが、ユニットなどの筐体やブラケットを用いるようにしてもよい。
また例えば、実施例6〜実施例12の基板3は、フレキシブル基板であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 素子
11 端子
12 素子放熱部
2 熱伝導材
2a 熱伝導材
21 熱伝導材
211 突出部
3 基板
31 端子部
32 貫通穴
33 銅箔部分
34 スルーホール
35 銅箔部分
36 銅箔
37 フレキシブル基板
371 貫通穴
38 基板
3a フレキシブル基板
3b アルミ基板
301 素子固定用銅箔部
302 内壁部
303 固定用シルク印刷部
304 ブラケット用銅箔部
305 ブラケット
305a 平面部分
306 ブラケット
306a,306b ブラケット
307 ブラケット
4 放熱器
41 板状部
42 放熱フィン
43 突出部
44 取付孔
4a 放熱器
45 放熱器
46 放熱器
47 放熱器
5 ネジ
6 はんだ部分
61 はんだ部分
62 はんだ部分
7 接着剤
8 絶縁層
9 接着剤
91 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子の発熱を放熱手段へ伝達して、放熱を行う素子の放熱構造において、
基板に実装され、基板側の面に放熱部分が露呈するよう設けられた素子と、
実装面と実装面の裏側とを貫通する貫通穴が、前記素子の放熱部分を実装面の裏側に露呈させるように設けられた基板と、
前記貫通穴を貫通して前記素子の放熱部分に熱伝導材を介して面接する突出部が設けられ、且つ放熱面積を大きくする放熱部が設けられた放熱手段と、
を備えた、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項2】
請求項1に記載の素子の放熱構造において、
前記基板の実装面の裏側と、前記放熱手段の上面を離間させた、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の素子の放熱構造において、
前記基板は、フレキシブル基板である、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項4】
請求項3に記載の素子の放熱構造において、
前記突出部は、前記熱伝導材と一体に形成され、
前記熱伝導材は、接着性のある部材とし、前記素子の放熱部分への前記放熱手段の固定、前記フレキシブル基板への前記放熱手段の固定を行う構造にした、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の素子の放熱構造において、
前記基板は、複数の前記貫通穴を備え、
前記放熱手段は、複数の前記突出部を備え、
複数の素子を共通の放熱手段により放熱する、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の素子の放熱構造において、
前記基板は、前記貫通穴の周囲を囲む形状に通電パターンを形成した素子固定手段を備え、
前記素子の放熱手段と前記基板の素子固定手段を接合する構造にした、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項7】
請求項6に記載の素子の放熱構造において、
前記素子固定手段は、内周側の端部を前記貫通穴の内壁まで延長した、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項8】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の素子の放熱構造において、
前記基板は、前記貫通穴の周囲を囲む形状に印刷部分を形成した素子固定手段を備え、
前記素子の前記基板から離間する方向への移動を制限するように前記素子を覆うブラケットを設けた、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項9】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の素子の放熱構造において、
前記素子の前記基板から近接する方向及び離間する方向への移動を制限するように前記素子を固定するブラケットを設けた、
ことを特徴とする素子の放熱構造。
【請求項10】
素子の発熱を放熱手段へ伝達して、放熱を行う素子の放熱方法において、
素子の放熱部分を基板側に露呈させるように、前記素子を基板に実装し、
前記基板には、実装面と実装面の裏側とを貫通する貫通穴を設け、実装した素子の放熱部分を基板の裏側に露呈させ、
放熱面積を大きくする放熱部が設けられた放熱手段に突出部を設け、突出部が前記貫通穴を貫通して前記素子の放熱部分に熱伝導材を介して面接するようにし、
前記素子の発熱を前記基板の貫通穴を貫通させた前記放熱手段の突起部へ伝達して放熱した、
ことを特徴とする素子の放熱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−141279(P2010−141279A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10519(P2009−10519)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】