説明

経路登録装置及び経路登録方法

【課題】日常的に走行する走行経路以外の他の走行経路の登録を抑制することができる経路登録装置及び経路登録方法を提供する。
【解決手段】制御部は、今回の車両走行開始時における出発地及び予め設定された規定値Nth以上の走行回数Nを含む管理データがデータ記憶領域に記憶済みである場合(ステップS28,S31:YES)、自車両の走行ルートの取得を開始し(ステップS32)、当該管理データに含まれる到着地に自車両が到着した場合(ステップS33:YES)、走行ルートの取得を終了する。そして、制御部は、取得した走行ルートをルート記憶領域に記憶(登録)させる(ステップS41)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が日常的に走行する走行経路を登録する経路登録装置及び経路登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の経路登録装置として、例えば特許文献1に記載の車載ナビゲーション装置が提案されている。この車載ナビゲーション装置では、自車両が走行する走行経路が走行履歴として登録されるようになっている。
【0003】
このように登録された走行履歴は、様々な車両制御で利用される。例えば、走行履歴として登録された走行経路を車両が走行する際には、燃費が向上するように、燃料の供給態様を適切に制御できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−249536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自車両の走行履歴を登録可能なナビゲーション装置の中には、自車両が走行する度に走行経路を取得するものがある。こうしたナビゲーション装置では、自車両が目的地に到着する度に、取得した走行経路を登録するか否かが乗員に報知される。そして、乗員が登録を許可した場合には、取得した走行経路がメモリに登録される。つまり、ナビゲーション装置のメモリには、自車両が日常的に走行する走行経路(「日常経路」ともいう。)だけではなく、一度しか走行しない走行経路も登録される可能性がある。そのため、多数の走行経路がメモリに登録される可能があることから、大容量のメモリをナビゲーション装置に搭載する必要が生じる。したがって、日常経路以外の走行経路がメモリに登録される機会を制限する技術が希求されていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、日常的に走行する走行経路以外の他の走行経路の登録を抑制することができる経路登録装置及び経路登録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の経路登録装置は、出発地及び到着地と当該出発地から当該到着地まで車両が走行した走行回数とを含む管理データを記憶するデータ記憶手段と、車両が走行した際における出発地及び到着地を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段によって取得された出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に未記憶である場合に、当該管理データを前記データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、前記位置取得手段によって取得された出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数を更新する更新手段と、今回の車両走行開始時における出発地及び予め設定された規定値以上の走行回数を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合には車両の走行経路の取得を開始し、当該管理データに含まれる到着地に車両が到着した場合には走行経路の取得を終了する経路取得手段と、前記経路取得手段によって取得された走行経路が記憶される経路記憶手段と、を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、車両が走行した場合には、車両の出発地と到着地とが取得される。そして、取得された出発地及び到着地を含む管理データがデータ記憶手段に記憶されていない場合には、当該管理データがデータ記憶手段に登録される。一方、取得された出発地及び到着地を含む管理データがデータ記憶手段に記憶される場合には、当該管理データに含まれる走行回数が更新される。そして、今回の車両走行時における出発地及び規定値以上の走行回数を有する管理データ(「今回の管理データ」ともいう。)がデータ記憶手段に記憶される場合には、車両の走行経路の取得が開始される。この状態で、今回の管理データに含まれる到着地に車両が到着した場合には、車両の走行経路の取得が終了され、該走行経路が経路記憶手段に記憶される。
【0009】
ここで、「規定値」を、これから車両が走行する走行経路が日常的に走行する経路(「日常経路」ともいう。)であるか否かを判断するための判定値とした場合、車両が日常経路を走行しない可能性がありと判断されたときには、走行経路が取得されない。すなわち、走行経路を登録させるための機会すら与えられない。したがって、日常経路以外の他の走行経路の登録を抑制することができ、ひいては経路記憶手段に記憶される記憶量の増大を抑制することができる。
【0010】
本発明の経路登録装置は、前記経路取得手段による走行経路の取得を強制的に終了するか否かの判定に用いられる判定情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された判定情報に基づき、強制終了条件が成立したか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、前記経路取得手段は、前記判定手段によって強制終了条件が成立したと判定された場合には、走行経路の取得を終了し、前記強制終了条件が成立する前までに取得された走行経路を前記経路記憶手段に記憶させない。
【0011】
車両の走行経路の取得開始条件が成立し、走行経路の取得が開始されたとしても、実際には、読み出された管理データ(今回の管理データ)に含まれる到着地とは異なる地点に車両が向かっている可能性がある。また、今回の管理データに含まれる到着地に車両が向かっていたとしても、日常経路とは異なる走行経路を車両が走行する可能性もある。こうした場合、走行経路の取得を強制的に終了し、該走行経路の経路記憶手段への記憶を規制することが好ましい。そこで、本発明では、取得された判定情報に基づき、車両が日常経路を走行していないと判断された場合には、走行経路の取得が強制的に終了され、該走行経路が経路記憶手段に記憶されない。そのため、車両が日常経路を走行していないと判断された時点で走行経路の取得が強制的に終了される分、走行経路の取得に伴う経路登録装置の制御負荷を軽減させることができる。
【0012】
本発明の経路登録装置において、前記情報取得手段は、現在の時刻を前記判定情報として取得し、前記判定手段は、前記情報取得手段によって取得された現在の時刻が、前記位置取得手段によって取得された出発地及び到着地を含む管理データに基づき設定された判定時刻を超えた場合に、前記強制終了条件が成立したと判定する。
【0013】
上記構成によれば、車両の走行経路の取得開始条件が成立し、走行経路の取得が開始された場合には、現在の時刻が判定情報として取得される。そして、取得された現在の時刻が、読み出された管理データ(今回の管理データ)に基づき設定された判定時刻を超えた場合には、強制終了条件が成立したと判定され、該走行経路が経路記憶手段に記憶されない。そのため、車両が日常経路を走行していないと判断された時点で走行経路の取得が強制的に終了される分、走行経路の取得に伴う経路登録装置の制御負荷を軽減させることができる。
【0014】
本発明の経路登録装置において、前記管理データは、出発地を車両が出発した時点の出発時刻をさらに含んでおり、前記位置取得手段は、車両が走行した際における出発地及び到着地と共に、該出発地を車両が出発した時点の出発時刻を取得し、前記データ登録手段は、前記位置取得手段によって取得された出発地、到着地及び出発時刻を含む管理データが前記データ記憶手段に未記憶である場合に、当該管理データを前記データ記憶手段に登録し、前記更新手段は、前記位置取得手段によって取得された出発地、到着地及び出発時刻を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数を更新し、前記経路取得手段は、今回の車両走行時における出発地、出発時刻及び前記規定値以上の走行回数を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、車両の走行経路の取得を開始する。
【0015】
車両が日常経路を走行する場合、当該車両の出発時刻は、前回までに車両が日常経路を走行した際の出発時刻と同時刻となることが多い。そこで、本発明では、今回の車両走行時における出発地、出発時刻及び上記規定値以上の走行回数を含む管理データ(今回の管理データ)がデータ記憶手段に記憶される場合には、車両の走行経路の取得が開始される。その一方で、今回の車両の走行経路が日常経路以外の他の走行経路である可能性がある場合、今回の車両の走行経路は取得されない。したがって、日常経路以外の他の走行経路の取得を抑制することができる。
【0016】
本発明は、車両が走行した走行経路を取得し、該走行経路を制御装置の経路記憶手段に記憶させる経路登録方法であって、前記制御装置には、出発地及び到着地と当該出発地から当該到着地まで車両が走行した走行回数とを含む管理データを記憶するデータ記憶手段が設けられており、車両が走行した際における出発地及び到着地を取得させる位置取得ステップと、前記位置取得ステップで取得した出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に未記憶である場合に、当該管理データを前記データ記憶手段に登録させるデータ登録ステップと、前記位置取得ステップで取得した出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数を更新させる更新ステップと、今回の車両走行開始時における出発地及び予め設定された規定値以上の走行回数を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合には車両の走行経路の取得を開始させ、当該管理データに含まれる到着地に車両が到着した場合には走行経路の取得を終了させる経路取得ステップと、前記経路取得ステップでの取得が終了された走行経路を前記経路記憶手段に記憶させる経路記憶ステップと、を有することを要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、上記経路登録装置と同等の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の経路登録装置を備えるナビゲーション装置の一実施形態を示すブロック図。
【図2】登録された管理データの内容を説明するテーブル。
【図3】IGオンオフ情報取得処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図4】日常ルート登録処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。
【図5】日常ルート登録処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、車両のナビゲーション装置11は、表示装置12と、該表示装置12を制御する経路登録装置の一例としての制御装置20とを備えている。表示装置12には、車両の乗員(ユーザ)に各種情報を視認可能な状態で提供するディスプレイ13と、該ディスプレイ13の前面に配置される液晶のタッチパネル14とが設けられている。また、表示装置12においてディスプレイ13の側方には、複数種類の操作ボタン15が設けられている。
【0020】
こうした表示装置12は、乗員による操作ボタン15及びタッチパネル14の操作を受付けた場合、その操作内容に応じた信号を制御装置20に出力する。そして、表示装置12では、出力した信号の返答として制御装置20からの画像データが入力されると、該画像データに基づいた画像がディスプレイ13に表示される。
【0021】
制御装置20には、位置検出部30が情報を送信可能な状態で車両側I/F21を介して接続されている。位置検出部30は、GPS受信部31、車速センサ32及びジャイロセンサ33を有している。制御装置20は、GPS受信部31によって受信された受信信号に基づき、電波航法によって緯度・経度などの絶対位置を検出する。また、制御装置20は、車速センサ32及びジャイロセンサ33からの検出信号に基づき、自律航法を用いて基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御装置20は、検出した絶対位置及び算出した相対位置を組み合わせて自車両の現在地を特定する。なお、GPSとは、「Global Positioning System 」の略記である。
【0022】
制御装置20は、制御部22、画像処理プロセッサ23、情報記憶装置24及び履歴情報記憶部25を備えている。また、制御装置20には、車載のバッテリ(図示略)から電力が供給されなくなっても、後述するIGオンオフ情報取得処理ルーチンを一回だけ実行できる程度の電力を蓄電する図示しない二次電池が設けられている。なお、制御装置20は、二次電池の代わりにコンデンサを設けた構成であってもよい。
【0023】
制御部22は、CPU220、ROM221及びRAM222などで構成されている。ROM221には、目的地までのルート(経路)の探索や案内をするためのプログラムなどが記憶されている。RAM222には、CPU220の作業領域、探索されたルートなどを記憶する記憶領域、及び走行中の走行ルート(走行経路)を一時記憶する記憶領域が形成される。
【0024】
画像処理プロセッサ23は、制御部22からの制御信号に基づいてディスプレイ13に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データを表示装置12に出力する。例えば、自車両の現在位置から目的地までのルートが制御部22で探索された場合、画像処理プロセッサ23は、探索されたルートと、該ルートに沿った案内の開始の許可を求める画面となどを表示させるための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。
【0025】
情報記憶装置24は、ハードディスクや光ディスクなどの外部記憶媒体である。こうした情報記憶装置24には、地図データ記憶部240、探索データ記憶部241及び施設データ記憶部242が形成されている。地図データ記憶部240は、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。探索データ記憶部241は、所定の地点(「ノード」ともいう。)間の道路(「リンク」ともいう。)、その道路の交通規制情報、その道路の距離及び通行料金といった各種道路情報に関するデータを記憶している。施設データ記憶部242は、飲食店、ガソリンスタンド、病院、駐車場などの各種施設及び該各種施設の住所や電話番号などの施設データを記憶している。
【0026】
履歴情報記憶部25は、自車両が日常的に走行する走行ルートを日常ルート(日常経路)として記憶させるための記憶部であって、EEPROMなどの不揮発性のメモリなどによって構成されている。こうした履歴情報記憶部25には、図2に示す日常ルート予測管理テーブルなどを記憶するデータ記憶手段としてのテーブル記憶領域250と、日常ルートが記憶される経路記憶手段としてのルート記憶領域251と、自車両の前回走行時における出発地及び到着地を記憶するIGオンオフ記憶領域252とが形成されている。
【0027】
次に、日常ルート予測管理テーブルについて、図2を参照して説明する。
この日常ルート予測管理テーブルには、自車両が今回に走行するルートを取得するか否かの判断するために必要な管理データが記憶されている。図2に示すように、日常ルート予測管理テーブルは、最大でM個(Mは2以上の整数であって、例えば10個)の管理データを管理可能である。管理データは、自車両の出発地PS及び出発時刻TSを特定するための出発地関係情報、到着地PG及び到着時刻TGを特定するための到着地関係情報、走行回数N及びルート登録の有無を含んだデータ構成となっている。走行回数Nは、出発地関係情報が示す出発地PSを出発時刻TS頃に自車両が出発し、到着地関係情報が示す到着地PGに到着時刻TG頃に自車両が到着した回数のことである。また、ルート登録の有無とは、出発地関係情報が示す出発地PSから到着地関係情報が示す到着地PGまでの走行ルートが日常ルートとしてルート記憶領域251に記憶(登録)されているか否かを判断するものである。
【0028】
次に、図2に示す各管理データについて説明する。
候補番号Pが「1」の管理データにおいて、出発時刻TSが「8時00分」と設定されると共に、出発地PSが「自宅」と設定される。また、到着時刻TGが「9時00分」と設定されると共に、到着地PGが「○×町」と設定される。さらに、走行回数Nが「20回」と設定されると共に、ルート登録の有無が有りに設定される。候補番号Pが「2」の管理データにおいて、出発時刻TSが「7時30分」と設定されると共に、出発地PSが「自宅」と設定される。また、到着時刻TGが「8時30分」と設定されると共に、到着地PGが「○△町」と設定される。さらに、走行回数Nが「10回」と設定されると共に、ルート登録の有無が有りに設定される。
【0029】
候補番号Pが「3」の管理データにおいて、出発時刻TSが「8時30分」と設定されると共に、出発地PSが「○△町」と設定される。また、到着時刻TGが「10時00分」と設定されると共に、到着地PGが「○×町」と設定される。さらに、走行回数Nが「10回」と設定されると共に、ルート登録の有無が無しに設定される。候補番号Pが「4」の管理データにおいて、出発時刻TSが「18時30分」と設定されると共に、出発地PSが「○×町」と設定される。また、到着時刻TGが「19時30分」と設定されると共に、到着地PGが「自宅」と設定される。さらに、走行回数Nが「30回」と設定されると共に、ルート登録の有無が有りに設定される。
【0030】
候補番号Pが「5」の管理データにおいて、出発時刻TSが「12時10分」と設定されると共に、出発地PSが「□△町」と設定される。また、到着時刻TGが「18時00分」と設定されると共に、到着地PGが「××町」と設定される。さらに、走行回数Nが「1回」と設定されると共に、ルート登録の有無が無しに設定される。なお、候補番号Pが「10」の管理データは、設定されていない。
【0031】
本実施形態のナビゲーション装置11は、自車両が日常的に走行する走行ルートを日常ルートとして登録する機能を有している。日常ルートを登録するためには、車両の出発地(即ち、図示しないイグニッションスイッチがオンとなった地点)から、車両の到着地(即ち、イグニッションスイッチがオフとなった地点)までの走行ルートを取得する必要がある。その一方で、日常的に走行しない走行ルートは登録させる必要がない。本実施形態では、上記日常ルート予測管理テーブルを用いて、今回の車両走行時における走行ルートの取得の可否が判断される。
【0032】
そこで、本実施形態の制御部22が実行する各種制御処理ルーチンについて、図3、図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図3に示すフローチャートは、自車両の走行時における出発地と到着地とを取得するためのIGオンオフ情報取得処理ルーチンを説明するためのフローチャートである。また、図4及び図5に示すフローチャートは、自車両の今回の走行時における走行ルートを取得させるための日常ルート登録処理ルーチンを説明するためのフローチャートである。
【0033】
始めに、IGオンオフ情報取得処理ルーチンについて、図3を参照して説明する。
さて、IGオンオフ情報取得処理ルーチンは、自車両のイグニッションスイッチ(図示略)がオンである間、予め設定された所定周期毎(例えば、0.1秒毎)に実行される。そして、IGオンオフ情報取得処理ルーチンにおいて、制御部22は、IGフラグFLGがオフであるか否かを判定する(ステップS10)。このIGフラグFLGは、自車両のイグニッションスイッチ(図示略)がオンとなった直後には「オフ」となっている。すなわち、ステップS10では、イグニッションスイッチ(図示略)がオンになった直後であるか否かが判定される。
【0034】
IGフラグFLGがオンである場合(ステップS10:NO)、制御部22は、イグニッションスイッチ(図示略)がオンになった直後ではないため、その処理を後述するステップS13に移行する。一方、IGフラグFLGがオフである場合(ステップS10:YES)、制御部22は、自車両の現在位置及び現在時刻を出発地及び出発時刻として取得する(ステップS11)。続いて、制御部22は、IGフラグFLGをオンにセットし(ステップS12)、その処理を次のステップS13に移行する。
【0035】
ステップS13において、制御部22は、IGオフになったか否か、即ちイグニッションスイッチ(図示略)がオフになったか否かを判定する。IGオフになっていない場合(ステップS13:NO)、制御部22は、自車両が走行中であると判断し、IGオンオフ情報取得処理ルーチンを一旦終了する。一方、IGオフになった場合(ステップS13:YES)、制御部22は、自車両の現在位置及び現在時刻を到着地及び到着時刻として取得する(ステップS14)。続いて、制御部22は、ステップS11で取得した出発地及び出発時刻を特定するための出発地関係情報と、ステップS14で取得した到着地及び到着時刻を特定するための到着地関係情報をIGオンオフ記憶領域252に記憶させる記憶処理を行い(ステップS15)、IGオンオフ情報取得処理ルーチンを終了する。
【0036】
次に、本実施形態の制御部22が実行する日常ルート登録処理ルーチンについて、図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、日常ルート登録処理ルーチンは、自車両のイグニッションスイッチ(図示略)がオンとなったタイミングで開始される。そして、日常ルート登録処理ルーチンにおいて、制御部22は、自車両の前回走行時の出発地関係情報をIGオンオフ記憶領域252から取得し(ステップS20)、自車両の前回走行時の到着地関係情報をIGオンオフ記憶領域252から取得する(ステップS21)。すなわち、各ステップS20,S21では、出発地関係情報が示す前回走行時の出発地及び出発時刻と、到着地関係情報が示す前回走行時の到着地及び到着時刻とが取得される。したがって、本実施形態では、制御部22が、車両が走行した際における出発地及び到着地を取得する位置取得手段として機能する。また、ステップS20,S21により、位置取得ステップが構成される。
【0037】
続いて、制御部22は、取得した出発地、出発時刻、到着地及び到着時刻を含む管理データが日常ルート予測管理テーブル(図2参照)にあるか否かを判定する(ステップS22)。例えば、ステップS22では、以下に示す4つの条件を全て満たす管理データが日常ルート予測管理テーブルにあるか否かが判定される。
(第1の条件)ステップS20で取得した出発地を中心とした半径が基準値(例えば、100m)の領域内に位置する出発地PSを含む管理データであること。
(第2の条件)ステップS21で取得した到着地を中心とした半径が基準値の領域内に位置する到着地PGを含む管理データであること。
(第3の条件)ステップS20で取得した出発時刻から基準時間(例えば、30分)を減算した時刻と当該出発時刻から基準時間を加算した時刻との間となる出発時刻TSを含む管理データであること。
(第4の条件)ステップS21で取得した到着時刻から基準時間を減算した時刻と当該到着時刻から基準時間を加算した時刻との間となる到着時刻TGを含む管理データであること。
【0038】
そして、全ての条件を満たす管理データがある場合、制御部22は、ステップS20,S21で取得した出発地、出発時刻、到着地及び到着時刻を含む管理データが日常ルート予測管理テーブルにあると判定する(ステップS22:YES)。そして、制御部22は、該当する管理データ(「前回の管理データ」ともいう。)に含まれる走行回数Nを「1」だけインクリメントする(ステップS23)。したがって、本実施形態では、制御部22が、取得された出発地及び到着地を含む管理データ(前回の管理データ)がテーブル記憶領域250(予測管理テーブル)に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数Nを更新する更新手段としても機能する。また、ステップS23が、更新ステップに相当する。続いて、制御部22は、その処理を後述するステップS27に移行する。
【0039】
一方、全ての条件を満たす管理データがない場合、制御部22は、ステップS20,S21で取得した出発地、出発時刻、到着地及び到着時刻を含む前回の管理データが日常ルート予測管理テーブルにないと判定する(ステップS22:NO)。続いて、制御部22は、日常ルート予測管理テーブルに新たな管理データ(前回の管理データ)を記憶させるための空きがあるか否かを判定する(ステップS24)。そして、空きがあると判定した場合(ステップS24:YES)、制御部22は、その処理を後述するステップS26に移行する。一方、空きがないと判定した場合(ステップS24:NO)、制御部22は、日常ルート予測管理テーブルにある全ての管理データのうち、走行回数Nが最少となる管理データを破棄する(ステップS25)。その後、制御部22は、その処理を次のステップS26に移行する。
【0040】
ステップS26において、制御部22は、ステップS20,S21で取得した出発地、出発時刻、到着地及び到着時刻を含む前回の管理データを日常ルート予測管理テーブルに登録(記憶)させる登録処理を行う。このとき、新たに登録された前回の管理データに含まれる走行回数Nは「1」に設定される。したがって、本実施形態では、制御部22が、取得された出発地及び到着地を含む前回の管理データがテーブル記憶領域250(予測管理テーブル)に未記憶である場合に、当該前回の管理データをテーブル記憶領域250(予測管理テーブル)に登録するデータ登録手段としても機能する。また、ステップS26が、データ登録ステップに相当する。そして、制御部22は、その処理を次のステップS27に移行する。
【0041】
ステップS27において、制御部22は、自車両の現在位置及び現在時刻を、今回の走行開始時の出発地及び出発時刻として取得する。続いて、制御部22は、取得した今回の走行開始時の出発地及び出発時刻を含む管理データが予測管理テーブルにあるか否かを判定する(ステップS28)。例えば、ステップS28では、以下に示す2つの条件を全て満たす管理データが日常ルート予測管理テーブルにあるか否かが判定される。なお、以降の記載において、「今回の走行開始時の出発地及び出発時刻を含む管理データ」のことを、「今回の管理データ」というものとする。
(第5の条件)今回の走行開始時の出発地を中心とした半径が基準値の領域内に位置する出発地PSを含む管理データであること。
(第6の条件)今回の走行開始時の出発時刻から基準時間(例えば、30分)を減算した時刻と当該出発時刻から基準時間を加算した時刻との間となる出発時刻TSを含む管理データであること。
【0042】
今回の管理データが予測管理テーブルにない場合(ステップS28:NO)、制御部22は、日常ルート登録処理ルーチンを終了する。一方、今回の管理データが予測管理テーブルにある場合(ステップS28:YES)、制御部22は、今回の管理データに含まれる出発地から到着地までの日常ルートが登録済みであるか否かを判定する(ステップS29)。日常ルートが未登録である場合(ステップS29:NO)、制御部22は、その処理を後述するステップS31に移行する。一方、日常ルートが登録済みである場合(ステップS29:YES)、今回の管理データの候補番号P(例えば1)を登録済み番号Fとして取得し(ステップS30)、その後、その処理を次のステップS31に移行する。
【0043】
ステップS31において、制御部22は、今回の管理データに含まれる走行回数Nが予め設定された規定値Nth(例えば10)以上であるか否かを判定する。この規定値Nthは、これから自車両が走行する走行ルートが日常ルートであるか否かを判断するための判定値である。走行回数Nが規定値Nth未満である場合(ステップS31:NO)、制御部22は、日常ルート登録処理ルーチンを終了する。一方、走行回数Nが規定値Nth以上である場合(ステップS31:YES)、制御部22は、自車両の走行ルートの取得開始条件が成立したと判断し、自車両の今回の出発地からの走行ルートを取得する(ステップS32)。このとき、制御部22は、走行ルートをRAM222の所定の記憶領域に記憶させる。
【0044】
そして、制御部22は、自車両が今回の管理データに含まれる到着地PGに到着したか否かを判定する(ステップS33)。例えば、今回の管理データが、候補番号Pが「1」の管理データである場合、制御部22は、「○×町」に到着したか否かを判定する。具体的には、自車両の現在位置が、今回の管理データに含まれる到着地PGを中心とした半径が上記基準値の領域内に位置することが成立した場合に、制御部22は、到着地PGに到着したと判定する。
【0045】
自車両が到着地PGに到着した場合(ステップS33:YES)、制御部22は、走行ルートの取得を終了し、その処理を後述するステップS36に移行する。したがって、本実施形態では、制御部22が、経路取得手段としても機能する。また、ステップS32,S33により、経路取得ステップが構成される。
【0046】
一方、自車両が到着地PGに未到着である場合(ステップS33:NO)、制御部22は、走行ルートの取得を強制的に終了するか否かの判定に用いられる強制終了判定情報を取得する(ステップS34)。そして、制御部22は、取得した強制終了判定情報に基づき、強制終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS35)。強制終了条件が成立した場合(ステップS35:YES)、制御部22は、ここまで取得してきた走行ルートをルート記憶領域251に記憶させることなく、日常ルート登録処理ルーチンを終了する。一方、強制終了条件が未成立である場合(ステップS35:NO)、制御部22は、その処理を前述したステップS32に移行する。すなわち、制御部22は、走行ルートの取得を継続させる。したがって、本実施形態では、制御部22が、情報取得手段及び判定手段としても機能する。
【0047】
なお、本実施形態では、強制終了判定情報として現在時刻(現在の時刻)が取得される。また、強制終了条件としては、現在時刻が今回の管理データに基づき設定された判定時刻を超えたという条件に設定される。例えば、この判定時刻は、今回の管理データに含まれる到着時刻TGに上記基準時間を加算した時刻である。つまり、今回の管理データが、候補番号Pが「1」の管理データである場合、判定時刻は、「9時00分」に基準時間(例えば、30分)を加算した時刻(例えば、9時30分)である。よって、ステップS35では、現在時刻が「9時30分」を超えたか否かが判定される。そして、現在時刻が「9時30分」を超えていない場合には、走行ルートの取得が継続される。一方、現在時刻が「9時30分」を超えた場合には、判定時刻である「9時30分」までに自車両が到着地PGに到着できないため、今回の走行ルートが日常ルートではないと判断され、走行ルートの取得が強制的に終了される。
【0048】
ステップS36において、制御部22は、登録済み番号Fが取得されていないか否かを判定する。登録済み番号Fが未取得である場合(ステップS36:YES)、制御部22は、今回に取得された走行ルート(以下、「今回の走行ルート」ともいう。)を日常ルートとして登録するか否かの判断を自車両の乗員に促す登録確認処理を行う(ステップS37)。このとき、制御部22は、今回の走行ルートの登録の許可を乗員に求める旨のメッセージをディスプレイ13に表示させる。その後、制御部22は、その処理を後述するステップS40に移行する。
【0049】
一方、登録済み番号Fが取得済みである場合(ステップS36:NO)、制御部22は、登録済み番号Fに対応する日常ルートをルート記憶領域251から読み出す。そして、制御部22は、今回の走行ルートが、読み出した日常ルートと一致していないか否かを判定する(ステップS38)。したがって、本実施形態では、制御部22が、走行ルートの取得が終了した場合に、該走行ルート(今回の走行ルート)がルート記憶領域251に記憶される走行ルート(日常ルート)と異なるルートであるか否かを判定する経路判定手段としても機能する。
【0050】
今回の走行ルートが、読み出した日常ルートと一致する場合(ステップS38:NO)、制御部22は、今回の走行ルートを新たに記憶(登録)させる必要がないと判断し、日常ルート登録処理ルーチンを終了する。一方、今回の走行ルートが、読み出した日常ルートと一致しない場合(ステップS38:YES)、制御部22は、今回の走行ルートを日常ルートとしてルート記憶領域251に記憶(登録)させることを許可する。したがって、本実施形態では、制御部22が、今回の走行ルートがルート記憶領域251に記憶される走行ルート(日常ルート)と異なるルートであると判定された場合に、取得された今回の走行ルートのルート記憶領域251への記憶を許可する許可手段としても機能する。
【0051】
そして、制御部22は、登録されている日常ルートを、今回の走行ルートに変更してもよいか否かを自車両の乗員に確認するルート差替え確認処理を行う(ステップS39)。このとき、制御部22は、日常ルートの差替えの許可を乗員に求める旨のメッセージをディスプレイ13に表示させる。その後、制御部22は、その処理を次のステップS40に移行する。
【0052】
ステップS40において、制御部22は、自車両の乗員による入力操作によって、今回の走行ルートの記憶が乗員に許可されたか否かを判定する。乗員による入力操作によって、今回の走行ルートの記憶が許可されなかった場合(ステップS40:NO)、制御部22は、今回の走行ルートをルート記憶領域251に記憶させることなく、日常ルート登録処理ルーチンを終了する。一方、乗員による入力操作によって、今回の走行ルートの記憶が許可された場合(ステップS40:YES)、制御部22は、今回の走行ルートを日常ルートとしてルート記憶領域251に記憶させる(ステップS41)。このとき、制御部22は、今回の走行ルートを、今回の管理データに付された候補番号Pに関連付けてルート記憶領域251に記憶させる。したがって、本実施形態では、ステップS41が、経路記憶ステップに相当する。その後、制御部22は、日常ルート登録処理ルーチンを終了する。
【0053】
次に、走行ルートが取得される際の作用について説明する。なお、ここでは、「自宅」を「8時00分」頃に出発し、「9時00分」頃に「○×町」に自車両が到着するものとする。
【0054】
さて、自車両が自宅を出発すると、ナビゲーション装置11では、今回の出発地PS及び出発時刻TSを含む今回の管理データとして、候補番号Pが「1」の管理データが日常ルート予測管理テーブルから読み出される(図2参照)。すると、今回の走行ルートの取得が開始される。
【0055】
そして、今回の管理データに含まれる到着地PGを中心とした半径が上記基準値(例えば、100m)の半径の地域内に、自車両の現在位置が位置するようになると、走行ルートの取得が終了される。このとき、自車両が目的地である到着地PG付近に位置するため、運転手は、自車両を減速させていることがある。
【0056】
すると、ナビゲーション装置11のディスプレイ13には、今回の走行ルートを日常ルートとして登録するか否かを確認するメッセージが表示される。このメッセージは自車両の減速途中(即ち、停車前)にディスプレイ13に表示されることが多い。そして、自車両の乗員が登録を許可する旨を入力すると、今回の走行ルートが日常ルートとしてルート記憶領域251に登録される。
【0057】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)自車両が走行した場合には、自車両の出発地と到着地とが取得される。そして、取得された出発地及び到着地を含む管理データがテーブル記憶領域250(日常ルート予測管理テーブル)に記憶されていない場合には、当該管理データがテーブル記憶領域250に登録される。一方、取得された出発地及び到着地を含む管理データがテーブル記憶領域250に記憶される場合には、当該管理データに含まれる走行回数Nが更新される。そして、今回の車両走行時における出発地PS及び規定値Nth以上の走行回数Nを有する管理データ(今回の管理データ)がテーブル記憶領域250に記憶される場合には、自車両の走行ルートの取得が開始される。この状態で、今回の管理データに含まれる到着地PGに自車両が到着した場合には、自車両の走行ルートの取得が終了され、該走行ルートを日常ルートとしてルート記憶領域251に記憶させることが許可される。
【0058】
本実施形態では、「規定値Nth」は、これから自車両が走行する走行ルートが日常ルートであるか否かを判断するための判定値である。そのため、自車両が日常ルートを走行しない可能性がありと判断された場合には、走行ルートが取得されない。すなわち、走行ルートを登録させるための機会すら与えられない。したがって、日常ルート以外の他の走行ルートの登録を抑制することができ、ひいてはルート記憶領域251に記憶される記憶量の増大を抑制することができる。
【0059】
(2)本実施形態では、走行ルートの取得時において、現在時刻が、今回の走行ルートに含まれる到着時刻TGを基準とする判定時刻を越えたか否かが判定される。そして、現在時刻が判定時刻を越えた場合において、自車両の現在位置が到着地PGではないときには、自車両が日常ルートを走行していないと判断し、自車両の走行ルートの取得が強制的に終了される。そして、これまでに取得してきた走行ルートのルート記憶領域251への記憶(登録)が規制される。そのため、自車両が日常ルートを走行していないと判断された時点で走行ルートの取得が強制的に終了される分、走行ルートの取得に伴う制御装置20の制御負荷を軽減させることができる。
【0060】
(3)本実施形態では、今回の車両走行時における出発地PS、出発時刻TS及び規定値Nth以上の走行回数Nを含む管理データ(今回の管理データ)がテーブル記憶領域250に記憶される場合には、自車両の走行ルートの取得が開始される。その一方で、今回の車両走行時における出発地PS、出発時刻TS及び規定値Nth以上の走行回数Nを含む管理データ(今回の管理データ)がテーブル記憶領域250に記憶されていない場合には、今回の車両の走行ルートが日常ルート以外の他の走行ルートである可能性があると判断され、今回の車両の走行ルートが取得されない。したがって、日常ルート以外の他の走行ルートの取得を抑制することができる。
【0061】
(4)今回の車両走行時における出発地PS及び出発時刻TSを含むと共に、走行回数Nが規定値Nth以上となる管理データ(今回の管理データ)がテーブル記憶領域250に記憶される場合には、今回の管理データがテーブル記憶領域250から読み出されると共に、自車両の走行ルートの取得が開始される。そして、今回の管理データに含まれる到着時刻TGを基準とする判定時刻までに、今回の管理データに含まれる到着地PGに自車両が到着した場合に、走行ルートの取得が終了される。こうして取得が終了した走行ルートのルート記憶領域251への記憶(登録)が許可される。
【0062】
また、走行ルートを取得する状態で、今回の管理データに含まれる到着地PG以外の地点で自車両のイグニッションスイッチ(図示略)がオフになった場合には、今回の走行ルートがルート記憶領域251に記憶(登録)されることはない。これは、次回にイグニッションスイッチ(図示略)がオンになった場合には、前回の走行ルートがRAM222から消去されるためである。したがって、日常ルート以外の他の走行ルートが登録される可能性を低くすることができる。
【0063】
(5)今回の管理データに対応する走行ルートがルート記憶領域251に記憶されている場合であっても、今回の走行ルートがルート記憶領域251に記憶される走行ルート(日常ルート)とは異なるときには、今回の走行ルートのルート記憶領域251への記憶(登録)が許可される。そのため、新たに取得された走行ルートを、日常ルートとしてルート記憶領域251に記憶(登録)させることができるようになる。
【0064】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、今回の走行ルートの取得が終了した場合において、登録済み番号Fが取得されたときには(ステップS33,S36:YES)、取得が終了した時点の時刻と、今回の管理データに含まれる到着時刻TGとを比較してもよい。取得が終了した時点の時刻が今回の管理データに含まれる到着時刻TGよりも前の時刻である場合には、出発地PSから到着地PGまでの最短ルートを自車両が走行した可能性がある。そのため、取得が終了した時点の時刻が、今回の管理データに含まれる到着時刻TG以前である場合には、日常ルートの今回の走行ルートへの差し替えを許可してもよい。この場合、出発地PSから到着地PGまでに要する所要時間が最短となる走行ルートを、日常ルートとしてルート記憶領域251段に記憶(登録)させることができるようになる。
【0065】
・実施形態において、今回の走行ルートの取得が終了した場合において、登録済み番号Fが取得されたときには(ステップS33,S36:YES)、今回の走行に要した時間を走行時間(「今回の走行時間」ともいう。)として取得してもよい。そして、今回の管理データに含まれる出発時刻TSと到着時刻TGとに基づいた予想走行時間(=TG−TS)を算出し、該予想走行時間と今回の走行時間とを比較してもよい。今回の走行時間が予想走行時間未満である場合には、出発地PSから到着地PGまでの最短ルートを自車両が走行した可能性がある。そのため、今回の走行時間が予想走行時間未満である場合には、日常ルートの今回の走行ルートへの差し替えを許可してもよい。この場合、出発地PSから到着地PGまでに要する所要時間が最短となる走行ルートを、日常ルートとしてルート記憶領域251段に記憶(登録)させることができるようになる。
【0066】
・実施形態において、管理データは、到着時刻TGを含まないデータ構成であってもよい。この場合、判定時刻を以下に示すように設定してもよい。例えば、今回の管理データに含まれる出発地PSから到着地PGまでの推奨ルート(推奨経路)を探索し、該推奨ルートに沿って出発地PSから到着地PGまで車両が走行した際に要する走行時間(「推定走行時間」ともいう。)を推定する。そして、今回の管理データに含まれる出発時刻TSに推定走行時間を加算し、該加算結果に基づいた時刻に基づき判定時刻を設定してもよい。なお、判定時刻は、今回の管理データに含まれる出発時刻TSに推定走行時間を加算した時刻であってもよい。また、判定時刻は、今回の管理データに含まれる出発時刻TSに対して、推定走行時間及び基準時間(例えば、30分)を加算した時刻であってもよい。
【0067】
また、判定時刻は、走行ルートの取得が開始された時点の時刻に対して上記推定走行時間を加算した値に基づいた時刻であってもよい。なお、判定時刻は、走行ルートの取得が開始された時点の時刻に対して、推定走行時間及び基準時間(例えば、30分)を加算した時刻であってもよい。
【0068】
・実施形態において、管理データは、出発時刻TSを含まないデータ構成であってもよい。この場合、ステップS28では、今回の走行開始時の出発地を含む管理データが日常ルート予測管理テーブルにあるか否かが判定される。
【0069】
・実施形態において、走行ルートの取得中には、現在位置から到着地PGまでの予想到着時刻を強制終了判定情報として取得するようにしてもよい。この場合、強制終了条件としては、「予想到着時刻が、到着時刻TGを基準とした判定時刻を越えたこと」としてもよい。このように構成すると、上記実施形態の場合よりも早いタイミングで、走行ルートの取得を強制的に終了させることができる。
【0070】
・実施形態において、走行ルートの取得中には、自車両が現在走行しているルートが交通渋滞中であるか否かを、強制終了判定情報として取得するようにしてもよい。交通渋滞などの道路交通情報は、VICS(登録商標)などで取得してもよい。こうした場合の強制終了条件としては、「自車両が現在走行しているルートが交通渋滞中であること」としてもよい。なお、VICS(登録商標)は「Vehicle Information and Communication System」の略記である。
【0071】
・実施形態において、今回の管理データに含まれる出発地PSから到着地PGまでの推奨ルートを探索してもよい。そして、この推奨ルートから自車両の現在位置までの最短距離を取得し、当該最短距離が予め設定された規定距離(例えば、300m)以上である場合に、走行ルートの取得を強制的に終了させてもよい。この場合、推奨ルートから自車両の現在位置までの最短距離が強制終了判定情報に相当し、「最短距離が規定距離以上であること」が強制終了条件に相当する。なお、自車両が推奨ルートを走行中である場合、最短距離は「0(零)」又は「0(零)」に近い値となる。
【0072】
このとき、今回の管理データに含まれる出発地PSから到着地PGまでの推奨ルートは、1つであってもよいし、複数(例えば、5つ)であってもよい。
・実施形態において、ステップS34,S35の各処理を省略してもよい。
【0073】
・実施形態において、ステップS36の判定結果がYESの場合には、今回の走行ルートを自動的に日常ルートとしてルート記憶領域251に記憶させてもよい。
・実施形態において、ステップS36の判定結果がNOであって且つステップS38の判定結果がYESの場合には、今までの日常ルートを今回の走行ルートに自動的に差し替えてもよい。
【0074】
・実施形態において、規定値Nthは、「2」以上の整数であれば「10」以外の他の任意の整数(例えば、15)であってもよい。
・本発明の経路登録装置を、車載のナビゲーション装置11と通信可能なサーバ装置に具体化してもよい。この場合、サーバ装置は、車両の現在位置を取得できる機能を有することが好ましい。
【0075】
・本発明の経路登録装置を、車両の位置を特定する機能を有するサーバ装置と、該サーバ装置と通信する情報端末とを含むシステムに具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0076】
(イ)前記経路取得手段による走行経路の取得が終了した時点の今回の到着時刻が、前記経路取得手段によって読み出された管理データに含まれる到着時刻以前である場合に、前記経路取得手段によって取得された走行経路の前記経路記憶手段への記憶を許可する許可手段をさらに備えることを特徴とする経路登録装置。
【0077】
上記構成によれば、今回の車両の走行経路の取得が終了した時点の今回の到着時刻が、読み出された管理データ(今回の管理データ)に含まれる到着時刻以前である場合には、出発地から到着地までの最短経路を車両が走行した可能性がある。そのため、こうした最短経路が取得された場合には、経路記憶手段に記憶される走行経路の更新が許可される。したがって、出発地から到着地までに要する所要時間が最短となる走行経路を、日常経路として経路記憶手段に記憶させておくことができるようになる。
【0078】
(ロ)前記経路取得手段による走行経路の取得が終了した場合に、該走行経路が前記経路記憶手段に記憶される走行経路と異なる経路であるか否かを判定する経路判定手段と、
前記経路判定手段によって、前記経路取得手段によって取得された走行経路が前記経路記憶手段に記憶される走行経路と異なる経路であると判定された場合に、取得された前記走行経路の前記経路記憶手段への記憶を許可する許可手段と、をさらに備えることを特徴とする経路登録装置。
【0079】
上記構成によれば、経路記憶手段に記憶される走行経路(日常経路)とは異なる走行経路が取得された場合には、該走行経路の経路記憶手段への記憶が許可される。そのため、新たに取得された日常経路を、経路記憶手段に記憶させることができるようになる。
【符号の説明】
【0080】
20…経路登録装置としての制御装置、22…位置取得手段、データ登録手段、更新手段、経路取得手段、情報取得手段、判定手段、経路判定手段、許可手段の一例としての制御部、250…データ記憶手段の一例としてのテーブル記憶領域、251…経路記憶手段の一例としてのルート記憶領域、N…走行回数、Nth…規定値、PG…到着地、PS…出発地、TG…到着時刻、TS…出発時刻。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地及び到着地と当該出発地から当該到着地まで車両が走行した走行回数とを含む管理データを記憶するデータ記憶手段と、
車両が走行した際における出発地及び到着地を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段によって取得された出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に未記憶である場合に、当該管理データを前記データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記位置取得手段によって取得された出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数を更新する更新手段と、
今回の車両走行開始時における出発地及び予め設定された規定値以上の走行回数を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合には車両の走行経路の取得を開始し、当該管理データに含まれる到着地に車両が到着した場合には走行経路の取得を終了する経路取得手段と、
前記経路取得手段によって取得された走行経路が記憶される経路記憶手段と、を備えることを特徴とする経路登録装置。
【請求項2】
前記経路取得手段による走行経路の取得を強制的に終了するか否かの判定に用いられる判定情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された判定情報に基づき、強制終了条件が成立したか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、
前記経路取得手段は、前記判定手段によって強制終了条件が成立したと判定された場合には、走行経路の取得を終了し、前記強制終了条件が成立する前までに取得された走行経路を前記経路記憶手段に記憶させないことを特徴とする請求項1に記載の経路登録装置。
【請求項3】
前記情報取得手段は、現在の時刻を前記判定情報として取得し、
前記判定手段は、前記情報取得手段によって取得された現在の時刻が、前記位置取得手段によって取得された出発地及び到着地を含む管理データに基づき設定された判定時刻を超えた場合に、前記強制終了条件が成立したと判定することを特徴とする請求項2に記載の経路登録装置。
【請求項4】
前記管理データは、出発地を車両が出発した時点の出発時刻をさらに含んでおり、
前記位置取得手段は、車両が走行した際における出発地及び到着地と共に、該出発地を車両が出発した時点の出発時刻を取得し、
前記データ登録手段は、前記位置取得手段によって取得された出発地、到着地及び出発時刻を含む管理データが前記データ記憶手段に未記憶である場合に、当該管理データを前記データ記憶手段に登録し、
前記更新手段は、前記位置取得手段によって取得された出発地、到着地及び出発時刻を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数を更新し、
前記経路取得手段は、今回の車両走行時における出発地、出発時刻及び前記規定値以上の走行回数を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、車両の走行経路の取得を開始することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の経路登録装置。
【請求項5】
車両が走行した走行経路を取得し、該走行経路を制御装置の経路記憶手段に記憶させる経路登録方法であって、
前記制御装置には、出発地及び到着地と当該出発地から当該到着地まで車両が走行した走行回数とを含む管理データを記憶するデータ記憶手段が設けられており、
車両が走行した際における出発地及び到着地を取得させる位置取得ステップと、
前記位置取得ステップで取得した出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に未記憶である場合に、当該管理データを前記データ記憶手段に登録させるデータ登録ステップと、
前記位置取得ステップで取得した出発地及び到着地を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合に、当該管理データに含まれる走行回数を更新させる更新ステップと、
今回の車両走行開始時における出発地及び予め設定された規定値以上の走行回数を含む管理データが前記データ記憶手段に記憶済みである場合には車両の走行経路の取得を開始させ、当該管理データに含まれる到着地に車両が到着した場合には走行経路の取得を終了させる経路取得ステップと、
前記経路取得ステップでの取得が終了された走行経路を前記経路記憶手段に記憶させる経路記憶ステップと、を有することを特徴とする経路登録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−202690(P2012−202690A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64423(P2011−64423)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】