説明

経路計画装置及び経路計画システム

【課題】経路計画装置は、処理負荷をへらしつつ、電気自動車の充電スタンドに、たどり着くことができないリスクを緩和する経路をユーザーに提供する。
【解決手段】経路計画装置は、現在位置から目的地までの最小コスト経路を計算し(S002)、最小コスト経路周辺の充電スタンドを予め検索し、検索した充電スタンドへ誘導する経由地点(中間点)を計算し、経由地点から施設までの誘導経路と消費電力とを予め算出する(S003)。走行中に、自車位置から経由地点までの走行に要する消費電力と、予め算出した経由地点から施設までの走行に要する消費電力との和を、電気自動車のバッテリ−残量と比較した結果に応じて、電気自動車を施設へ誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車が出発地から目的地まで計算された経路を走行中に、周辺の充電スタンドまで到達可能かどうかを監視する経路計画装置及び経路計画システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電気自動車の航続距離は、内燃機関を有する自動車と比較して、短い。また、電気自動車の充電には、専用の充電スタンドが必要である。このため、目的地まで走行するためには、充電スタンドを頻繁に経由する必要がある。
【0003】
電気自動車の車載端末装置として、特許文献1の記載が知られている。この車載端末装置は、電気自動車のバッテリー残容量が少なくなったときに、自動的に、自車位置周辺の充電スタンドに案内する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電気自動車のバッテリー残容量が少なくなったときに、充電スタンドの情報を収集する方法では、周辺に到達可能な充電スタンドがない場合に、電気自動車が走行不能になる可能性がある。このため、周辺の充電スタンドに到達可能かどうかを常に監視する必要がある。しかし、自車位置が変化する度に、自車位置から充電スタンドまでの経路及び消費電力を計算すると、車載端末の処理負荷が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1に記載の経路計画装置は、バッテリーで駆動されるモーターを有する移動体に搭載される経路計画装置であって、ユーザーがユーザー入力を行うための入力手段と、入力手段を介してユーザーにより目的地が入力されると、地図情報に含まれる複数の道路リンクのコストを算出し、移動体の現在位置から目的地までのコストの合計が最小となる最小コスト経路を算出する最小コスト経路算出手段と、移動体に搭載したセンサを用いて現在位置を決定する位置計算手段と、地図情報から、最小コスト経路周辺でバッテリーの充電またはバッテリーの交換ができる複数の施設を検索する検索手段と、最小コスト経路上に、複数の施設の各々に誘導する経由地点を設定し、経由地点から複数の施設の各々までの誘導経路、及び誘導経路の移動に必要な第1の消費電力を予め算出する誘導経路算出手段と、最小コスト経路上における現在位置から経由地点までの移動に必要な第2の消費電力と予め算出された第1の消費電力とを足し合わせて得られる第3の消費電力と、バッテリーの残量とに基づき、複数の施設のうち、移動体を誘導する対象施設を特定する施設特定手段と、対象施設の位置と、対象施設に対する誘導経路とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項13に記載の経路計画システムは、経路計画送信装置と、バッテリーで駆動されるモーターを有する移動体に搭載される経路計画受信装置とを備え、経路計画送信装置は、地図情報に含まれる複数の道路リンクのコストを算出し、移動体の現在位置から目的地までのコストの合計が最小となる最小コスト経路を算出する最小コスト経路算出手段と、地図情報から、最小コスト経路周辺でバッテリーの充電またはバッテリーの交換ができる複数の施設を検索する検索手段と、最小コスト経路上に、複数の施設の各々に誘導する経由地点を設定し、経由地点から複数の施設の各々までの誘導経路及び、誘導経路の移動に必要な第1の消費電力を予め算出する誘導経路算出手段と、経路計画受信装置に対して、誘導経路算出手段により算出された経由地点、複数の施設の各々、誘導経路および第1の消費電力を含む第1の情報を送信するとともに、経路計画受信装置から第2の情報を受信する第1の通信手段とを備え、経路計画受信装置は、ユーザーがユーザー入力を行うための入力手段と、移動体に搭載したセンサを用いて現在位置を決定する位置計算手段と、第1の通信手段から送信された第1の情報を受信するとともに、入力手段を介してユーザーにより入力された目的地と現在位置とを含む第2の情報を経路計画送信装置へ送信する第2の通信手段と、最小コスト経路上における現在位置から経由地点までの移動に必要な第2の消費電力と予め受信した第1の消費電力とを足し合わせて得られる第3の消費電力と、バッテリーの残量とに基づき、複数の施設のうち、移動体を誘導する対象施設を特定する施設特定手段と、複数の施設の各々の位置と、対象施設に対する誘導経路とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ユーザーは、車両が探索経路を走行するに際して、車載端末の処理の負担を減らしつつ、バッテリー枯渇のリスクから解放される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の車載端末装置の全体構成を示す図である。
【図2】自車位置情報の構成を示す図である。
【図3】経路探索装置の構成を示す図である。
【図4】地図情報の構成を示す図である。
【図5】経路探索装置の処理フローを示す図である。
【図6】地図データ処理装置の処理様子を示す図である。
【図7】経路記憶装置の構成を示す図である。
【図8】充電スタンド検索装置と中間点計算装置の処理フローを示す図である。
【図9】中間点、充電スタンド、誘導経路の情報を格納した経路記憶装置の構成を表す図である。
【図10】監視装置の中間点管理テーブルの構成を示す図である。
【図11】監視装置の処理フローを示す図である。
【図12】監視装置の充電スタンド到着可否テーブルの構成を示す図である。
【図13】デフォルメ化した経路の表示例を示す図である。
【図14】充電スタンドの使用状況の情報を追加した経路の表示例を示す図である。
【図15】お勧めの充電スタンドへ向かうかどうかを提示する表示例である。
【図16】本発明の車載端末装置とセンタ装置のシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を用いた車載端末装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
−−−第1の実施の形態−−−
図1は本発明を用いた第1の実施の形態における車載端末装置の全体構成を示す図である。本車載端末装置100は、入力装置110、自車位置算出装置130、地図情報140、経路探索装置150、経路記憶装置160、充電スタンド情報取得装置170、バッテリー情報取得装置190、監視装置200、表示装置210、誘導装置220を含む。
【0011】
また、車載端末装置100とセンサ類120及びバッテリー180とは、CANなどの車内ネットワークを介して各々接続されている。車載端末装置100とセンサ類120及びバッテリー180とは各々、直接接続されても良いし、中継装置を介して接続されても良い。
【0012】
入力装置110は、ユーザーが、車載端末のユーザーインターフェースを通して、目的地設定、各種選択といった命令を入力する手段である。目的地設定が入力された場合、目的地の情報は、経路探索装置150へ提供される。ユーザーは、目的地の住所、カテゴリ、電話番号等をキーに、目的地のPOIを検索し、設定する。POIとは、Point Of Interestの略で、店舗情報などの地点に関する情報である。
【0013】
センサ類120は、GPS、車速パルス、角速度センサなどをいう。このセンサを用いることで、車載端末装置100を搭載した車両の位置、車速、角速度を計測することができる。これらの情報は自車位置算出装置130へ提供する。
【0014】
自車位置算出装置130は、センサ類120の情報から、自車の位置を算出する。この算出には、公知の技術であるカルマンフィルタやデッドレコニングが用いられる。算出した自車位置の情報は、経路探索装置150及び監視装置200へ提供する。自車位置情報の構成を図2に示す。自車位置の情報は、自車位置が存在する道路リンクのIDと、その道路リンクの始点から自車位置が存在するまでの距離で構成される。例えば、図2の場合、リンクIDは「01」、始点からの距離は10mとなる。
【0015】
地図情報140は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶手段で、道路情報、POIの情報を、記憶している。経路探索装置150から、要求する地図領域が入力され、該当する道路情報、POI情報を経路探索装置150へ提供する。
【0016】
経路探索装置150の構成を図3に示す。経路探索装置150は、経路算出装置230、充電スタンド検索装置240、中間点計算装置250で構成される。経路探索装置150は、入力装置110からの目的地の情報、自車位置取得装置130からの自車位置の情報、地図情報140からの道路情報及びPOI情報、バッテリー情報取得装置190からのバッテリーの残容量情報を入力とし、現在地から目的地までの経路、および経路上の1つのノードから充電スタンドまでの経路を計算し、経路記憶装置160へ出力する。また、同時に目的地までの消費電力も計算する。充電スタンドまでの経路は、複数の充電スタンドを対象とし、経路上の1つのノードを出発地とし、周辺の充電スタンドを目的地として計算される。このとき、経路上のノード点を「中間点」と定義し、i番目の中間点をPiと表現する。また、中間点計算装置250では、中間点に対応した充電スタンドを1つ決める。このときの対応する充電スタンドをEiと定義する。また、中間点Piから充電スタンドEiまでの経路を「誘導経路(Li)」と定義する。すなわち、現在地から充電スタンドEiまでの経路は、中間点Piを経由地点とする経路として得られ、誘導経路Liを含む。現在地から中間点Piまでの経路は現在地から目的地までの経路に含まれる。
【0017】
経路探索装置150の実行のタイミングは、入力装置110から目的地の入力があった場合、または自車位置算出装置120からの自車位置が、経路記憶装置160に格納している目的までの経路から、一定距離離れた場合である。
【0018】
充電スタンド情報取得装置170は、充電スタンドの位置情報とその使用状況を、外部のプロバイダー175から取得する。この充電スタンドの位置情報は、地図情報140のPOIのIDや、緯度経度の情報である。
【0019】
バッテリー180は、電気自動車に搭載されている2次電池であり、鉛蓄電池、リチウムイオン電池などがある。
【0020】
バッテリー情報取得装置190は、バッテリー180の状態を監視し、バッテリーの残容量を監視している。バッテリーの残容量の情報を、経路探索装置150および監視装置200へ提供する。
【0021】
監視装置200は、バッテリー情報取得装置190からバッテリー残容量情報、経路記憶装置160から充電スタンドまでの消費電力量を取得し、電気自動車が充電スタンドに到達可能かどうかを監視し、経路記憶装置160に格納されている充電スタンドへ誘導するべきかどうかを判断する。そして、車載端末装置100が、充電スタンドEiへ車両を誘導する場合、充電スタンドEi、中間点Pi、誘導経路Liの情報を表示装置210及び誘導装置220へ提供する。監視処理200は、上述した経路探索装置150により出力されて経路記憶装置160に格納された経路計算結果を参照して、一定時間もしくは、車両の一定の走行距離毎に後述する図11に示す処理フローを繰り返し実行する。
【0022】
表示装置210は、液晶ディスプレイ等で構成され、経路記憶装置160から監視装置200により読み出された経路探索結果、周辺の充電スタンドまでの誘導経路及び消費電力量を表示する。
【0023】
誘導装置220は、監視装置200からの判定結果を取得し、充電スタンドへ車両を誘導する。誘導は、表示装置210を用いて、地図上に充電スタンドまでの誘導経路を表示し、音声を用いて、充電スタンドへユーザーを案内する。
【0024】
以下、地図情報140、経路探索装置150、監視装置200、表示装置210の構成を説明する。
【0025】
地図情報140の構成図を図4に示す。図4(a)は、地図情報140に格納されている道路データの構成を示している。道路データはノードからノードまでのリンク単位で構成される。各道路データは、道路を特定するリンクID、その道路リンクの存在するメッシュID、道路リンクの始端のノードIDとその緯度・経度・高度情報、道路リンクの終端のノードIDとその緯度・経度・高度情報及び規制情報で構成される。規制情報は、制限速度情報、一方通行情報などである。なお、ノード間のリンク上に補間点が規定される場合、ノードと補間点との間および補間点同士の間にサブリンクを規定してもよい。また、道路リンクの高さは、始端・終端ノードの高度情報ではなく、勾配情報で表してもよい。
【0026】
ここで、メッシュとは、地図を緯度・経度に基づいて網の目状に区画する方法である。2次メッシュとは緯度差5分、経度差7分30秒で一辺の長さが約10kmのメッシュデータである。また3次メッシュは2次メッシュを緯度方向および経度方向に10等分してできる区域であり、緯度差30秒、経度差45秒で、一辺の長さが約1kmである。メッシュIDにより、メッシュを特定することができる。
【0027】
図4(b)は、地図情報140に格納されているPOI情報の構成を示している。POI情報は、POIのPOI ID、名称、カテゴリ、POIの存在するメッシュIDと緯度・経度情報、隣接する道路リンクIDで構成されている。POIの名称とは、POIが表示装置111にて表示される固有の名前である。カテゴリとは、施設の種類を表し、例えば充電スタンドを「1」、コンビニエンスストアは「2」、ガソリンスタンドは「3」のように表す。隣接する道路リンクIDとは、POIと道路リンクを結びつけるもので、経路探索時に使用される。経路探索は、目的地に設定したPOIから、隣接する道路リンクIDを抽出し、抽出した道路リンクまで経路探索を行う。これによりPOIを目的地とした経路探索が可能になる。
【0028】
図4(c)はメッシュ管理テーブルを示している。このメッシュ管理テーブルは、メッシュIDおよびそのメッシュの頂点の座標、左下、左上、右下、右上のそれぞれの座標(緯度・経度)が記憶されている(図4(d)参照)。
【0029】
経路探索装置150の処理フローを図5に従って説明する。この処理フローに従い、図3に示す経路探索装置150の内部処理を説明する。
【0030】
はじめに、入力装置110から目的地情報を、自車位置算出装置130から自車位置情報を取得し、周辺の道路情報を地図情報140から取得する(ステップS001)。ステップS001は、経路算出装置230にて実行される。地図情報140に、要求する地図領域はメッシュIDのリストで管理されている。要求するメッシュ群は、目的地の存在するメッシュと、自車位置の存在するメッシュを対角線にした長方形を作り、その長方形に含まれる全メッシュとする。ステップS001の処理の様子を図6に示す。自車位置のあるメッシュID00と、目的地のあるメッシュID21とを、対角とする2×3の長方形を作る。そして、長方形に含まれるメッシュID00、01、10、11、20、21を要求するメッシュIDとする。以上の処理により、経路探索に必要な地図データを取得することができる。
【0031】
次に、取得した地図情報とバッテリー情報取得装置190からのバッテリーの残容量の情報に基づき、自車位置算出装置130から取得した自車位置から入力装置110にて設定した目的地までの最小コスト経路を算出する(ステップS002)。ステップS002は、経路算出装置230にて実行される。最小コスト経路は、公知の技術であるダイクストラ法(Dijkstra's algorithm)を用いてコストが最小となる経路として算出されるものである。コストは、たとえば、経路の距離(走行距離)、所要時間、または消費電力である。算出した経路データは、経路記憶装置160へ格納される。ステップS0025において、経路走行に必要な消費電力を計算し、現在のバッテリーの残容量で車両が目的地に到達可能であるかどうかを判断する。目的地に到達できないと判断した場合は、本処理フローを終了し、公知の技術を用いて、周辺の充電スタンドを経由地として、再び経路探索を行う。
【0032】
また、消費電力の算出方法は公知の技術を用いる。ここでは、ある道路リンクの電力消費量は、その道路リンクを通過する速度及び道路勾配に依存するとする。このとき速度及び道路の勾配情報は、地図情報140から取得する。道路リンクの電力消費量Wを、道路リンクを走行する平均速度v、勾配θを用いて式(1)で求める。このとき速度は、リアルタイムな交通情報や、それを蓄積して統計的な処理を加えた統計交通情報から求めてもよい。
W=k_v・v+k_θ・θ ・・・(1)
【0033】
ここでk_v、k_θは、それぞれ速度を消費電力に、勾配を消費電力に変換する係数である。ステップS002で算出した経路のリンク列毎に式(1)を用いて、消費電力を求め、その和を、経路の総消費電力とする。
【0034】
図7(a)に経路のデータの構成を、図7(b)にその経路の一例を示す。経路のデータは、経路の種類、経路の距離、所要時間、消費電力、構成される道路リンク数とその道路リンクID、存在するメッシュID、始点ノードID、終点ノードID、消費電力で構成される。
【0035】
ステップS0025において車両が目的地に到達できると判断した場合は、算出した経路周辺の充電スタンドのPOI情報を地図データから取得して中間点を計算し、誘導経路を決定するとともに、その誘導経路の走行に要する消費電力を算出する(ステップS003)。ステップS003は,充電スタンド検索装置240と中間点計算装置250にて実行される。ステップS003における処理は、ステップS0025において車両が目的地に到達できると判断された後に、突発的な渋滞等のために目的地に到達できないと判断された際に、後述する図11に示す処理フローを実行するために、予め実行される必要がある。ステップS003における処理の後、本処理フローを終了する。
【0036】
充電スタンド検索装置240と中間点計算装置250のステップS003における処理の詳細は処理フローを図8に従って説明する。
【0037】
始めに、経路記憶装置160を参照し、経路に含まれる全てのノードについて処理したかどうかを判定する(ステップS003−1)。この処理フローでは、出発地から目的地に向かって、または、目的地から出発地に向かって経路に含まれるすべてのノードを、順番に処理していく。全てのノードを処理していない場合(ステップS003−1でNo)、経路上のノードから一定距離の半径の円に含まれる充電スタンドの情報を全て取得する(ステップS003−2)。また、ステップ003−2では、一定距離の半径に含まれる充電スタンドの情報だけでなく、ユーザーの充電スタンドの利用履歴から、頻繁に利用する充電スタンドを選んでもよい。さらに、この距離は、経路上のノードにおけるバッテリー容量に応じて求めてもよい。例えば、経路上のノードにおけるバッテリー容量が最大値の50%の場合、経路上のノードから検索する範囲の円の半径の距離は、バッテリー容量が最大値の場合の距離の半分とする。経路上のノードにおけるバッテリー容量は、充電スタンド検索装置240が、経路算出装置230によりバッテリー情報取得装置190から取得されたバッテリー残容量情報を取得するとともに、出発地から経路上のノードまでの走行に伴う消費電力を算出することにより得られる。このステップS003−2は、中間点計算装置250にて実行される。
【0038】
次に、全ての充電スタンドを処理したかどうかを判定する(ステップS003−3)。全ての充電スタンドについて処理していない場合は(ステップS003−3でNo)、対象のノードから対象のノードの円内に含まれる全ての充電スタンドまで経路探索して、経路及びその走行距離、消費電力量を算出する(ステップS003−4)。経路探索は、公知の技術であるダイクストラ法を用いる。全ての充電スタンドについて処理した場合は(ステップS003−3でYes)、処理をした充電スタンドの中で、最小コストの充電スタンド、たとえば最小の走行距離の充電スタンドを選択する(ステップS003−5)。これは、ノード周辺の領域にある複数個の充電スタンドから1つの充電スタンドを抽出する処理である。この最小の走行距離の充電スタンドを求めるためには、はじめに、計算対象のノードから、充電スタンドまで経路探索を行う。次に、経路の走行距離および消費電力量を算出する。消費電力量は、式(1)で求める。最後に、複数の充電スタンドの中で、経路の走行距離が最小のものを抽出する。ここで、充電スタンドの中で、最小コストの充電スタンドとして、たとえば最小の消費電力の充電スタンドを抽出してもよい。ここでノード1つあたり、最大1つの充電スタンドが対応付けられる。最小走行距離の充電スタンドを選択した後、ステップS003−1へ進む。
【0039】
全てのノードについて処理した場合(ステップS003−1でYes)、抽出した複数の充電スタンド中で、同一のPOIIDを持つものは、1つの充電スタンドとして扱い、中間点及び誘導経路を決定する(ステップS003−6)。ここでは、重複している充電スタンドを削除し、充電スタンドに対応したノードを中間点として定義する。さらに、ステップ003−4にて算出した対応する充電スタンドまでの経路を誘導経路と定義する。最後に、算出した中間点毎の誘導経路データを経路記憶装置160へ格納する(ステップS003−7)。中間点毎の誘導経路データについては後述する。ステップS003−7の後に、処理を終了する。
【0040】
算出した中間点毎の誘導経路データの一例を図9(a)に、誘導経路の例を図9(b)に示す。誘導経路データには、該中間点に対応する充電スタンドのPOIID、誘導経路の走行距離、所要時間、誘導経路の移動に必要な消費電力、該中間点のノードID、誘導経路を構成する道路リンク数及び、その道路リンクデータが含まれる。この道路リンクデータは、道路リンクの存在するメッシュID、始点のノードID、終点のノードID、リンクID、道路リンク単位の消費電力を含む。
【0041】
以上に示した経路探索装置150により実行される処理は、経路探索時に行われる。監視処理200は、経路探索装置150により実行された処理結果が格納された経路記憶装置160を参照して、一定時間もしくは自車位置の一定走行距離毎に後述する図11に示す処理フローを繰り返し実行する。
【0042】
監視装置200は、経路探索装置150から取得した中間点Piと充電スタンドEiの情報から、中間点管理テーブルを作成し、このテーブルに従い、充電スタンドへの案内をするかどうかを判定する。中間テーブルは監視装置200の中にある記憶装置に格納される。中間点管理テーブルの構成を図10に示す。中間点管理テーブルは、中間点ごとに管理され、現在位置から中間点までの消費電力、中間点から充電スタンドまでの消費電力、現在位置から充電スタンドまでの消費電力の3つのカラムから構成される。
【0043】
このうち「現在位置から中間点までの消費電力」(Xi)は、自車位置が更新されたときに、経路記憶装置160の目的地までの経路において、自車位置の存在する道路リンクから、中間点Piまでの道路リンクの消費電力の和を算出することで求められる。この自車位置のある道路リンクから、中間点Piまでの道路リンクの消費電力量を求めるためには、はじめに、自車位置算出装置130から自車位置が存在する道路リンクIDと、その道路リンクの始点からの自車位置が存在する距離を取得する。次に、自車位置が存在する道路リンクIDと一致する、経路記憶装置160の経路を構成する道路リンクIDを抽出する。次に、抽出した道路リンクIDから、中間点PiのノードIDまでに通過する複数の道路リンクの消費電力量をすべて足し合わせる。このとき足し合わせた消費電力量をAとする。しかし、消費電力量Aは、自車が道路リンクの始点にいるとして計算したものである。このため、余分な消費電力量A’を計算する。消費電力量A’は、自車位置算出装置130から取得した道路リンクIDと道路リンクの始点からの距離から式(1)を用いて計算する。最後に、消費電力量(A−A’)を求め、現在位置から中間点までの消費電力」(Xi)とする。
【0044】
「中間点から充電スタンドまでの消費電力」(Yi)は、経路記憶装置160が記憶する中間点Piから充電スタンドまでの消費電力の値を、そのまま使用する。「現在位置から充電スタンドまでの消費電力」(Zi)は、現在位置から中間点Piを通過して、充電スタンドEiまで走行するときの消費電力であり、「現在位置から中間点までの消費電力」と「中間点から充電スタンドまでの消費電力」の和で求められる。監視装置200は、「現在位置から充電スタンドまでの消費電力」と、バッテリー情報取得装置190から取得したバッテリー残容量と比較する。
【0045】
監視装置200の処理フローを図11に従って説明する。この処理フローに従い、監視装置200の内部処理を説明する。
【0046】
はじめに、バッテリー情報取得装置190から、電気自動車のバッテリー残容量を取得する(ステップS101)。このバッテリー残容量の情報は、ステップS101以降で算出する充電スタンドまでの消費電量と比較するために使用する。
【0047】
次に、自車位置算出装置130から自車位置の情報、経路記憶装置160から中間点の情報を取得し、中間点管理テーブルの情報を更新する(ステップ102)。ここでは、「中間点から充電スタンドまでの消費電力」は、経路情報記憶装置160から取得して一定であるため、「現在位置から中間点までの消費電力」と「現在位置から充電スタンドまでの消費電力」を更新する。
【0048】
ステップS1025においては、ステップS101で取得したバッテリー残容量の情報と、ステップS102で更新した中間点管理テーブルの情報とに基づき、現在のバッテリーの残容量で車両が目的地に到達可能であるかどうかを判断する。目的地に到達不可能の場合は、ステップS102で更新した中間点管理テーブルの「現在位置から充電スタンドまでの消費電力」と、ステップS101で取得した電気自動車のバッテリー残容量情報とに基づき、どの充電スタンドに寄るべきかを決定する(ステップS103)。目的地に到達可能の場合は、ステップS103における処理をスキップする。
【0049】
ステップS103では、中間点毎に、消費電力Ziとバッテリー残容量を比較する。実際の比較判定では、式(2)に示すように、消費電力Ziを用いる代わりに、消費電力Ziに安全率kを掛けた値Zi’を用いる。
Zi’=k・Zi・・・(2)
【0050】
式(2)において、安全率kを1より大きな値で設定することで、充電スタンドにたどり着けないリスクを軽減する。立ち寄る充電スタンドを選ぶために、中間点毎に到達可能かどうかを判定する。バッテリー残容量から算出した消費電力をAとした場合、(Zi’≦A)の場合は、充電スタンドEiに到着することができ、(Zi’>A)の場合は、充電スタンドEiに到着することができない。
【0051】
この到着の可否を充電スタンド到着可否テーブルで管理する。この充電スタンド到着可否テーブルの構成を図12に示す。充電スタンド到着可否テーブルは、現在位置から充電スタンドまでの消費電力、到着可否、および到着直後のバッテリー残容量のカラムから構成される。到着可否のカラムにおいては、「1」はOK判定、すなわち車両が充電スタンドに到着できることを表し、「0」はNG判定、すなわち車両が充電スタンドに到着できないことを表している。
【0052】
監視装置200は、到着可能な充電スタンドが1つになったら、その到着可能な充電スタンドへ案内するように、誘導装置220に指令を出し(ステップS103)、本処理フローを終了する。監視装置200は、到着可能な充電スタンド数が、一定数以下になったときに到着直後のバッテリー残容量が多い充電スタンドへ誘導するように、誘導装置220に指令を出してもよい。監視装置200は、到着直後のバッテリー残容量が一定値以下となった充電スタンド数が、一定数以下になった場合、到着直後のバッテリー残容量が最も多い充電スタンドへ誘導するように、誘導装置220に指令を出してもよい。ステップS1025において目的地に到達可能の場合は、直ちに本処理フローを終了するが、誘導装置220に出した指令を取り消すこととしてもよい。
【0053】
以上、監視処理200は、常に充電スタンドに到達可能かどうかを監視することで、充電スタンドにたどり着けないというリスクを軽減し、ユーザーに安心なルートを提供することができる。
【0054】
表示装置210では、経路記憶装置160を参照し、充電スタンドまでの消費電力をディスプレイ上に表示し、ユーザーに提示する。表示の一例を図13に示す。図13(a)は、目的地まで経路探索したときに、簡易表示態様で表した目的地までの経路と、その周辺の充電スタンドまでの距離及び消費電力を提示している。このときの充電スタンドまでの消費電力は、図12の充電スタンド到着可否テーブルの「現在位置から充電スタンドまでの消費電力」である。図13(b)は、車両が目的地に向かって経路上を進んだとき、監視装置200が充電スタンド2、3に到達できないと判断したときの表示である。このとき、充電スタンド2、3の情報は、到達可能な充電スタンドと異なり、破線で表示する。他にも、到達できない充電スタンドを薄く表示したり、到達可能な充電スタンドのアイコンを点滅させる・大きく表示するなどで、到達可能な充電スタンドの情報を目立たせて表示させる方法もある。
【0055】
監視装置200が、誘導する充電スタンドを決定せずに、各充電スタンドの誘導経路の距離、消費電力を参考に、ユーザー自らが、タッチパネルなどの入力部を用いて選択してもよい。目的地までの経路は、簡易表示態様によらずに、実際の地図上に表示されることとしてもよい。
【0056】
また表示装置210では、図14のように、外部からの充電スタンドの使用状況を表示し、ユーザー自らが、充電スタンドを選択する方法もある。図14(a)は、充電スタンドの使用状況を表示している。この使用状況は、充電スタンドの使用状況を管理する外部のセンタから取得した情報である。図14(b)はタッチパネルなどの入力装置110を介して、ユーザー自らが充電スタンド2を選択した後、充電スタンド2まで誘導するときの表示例である。
【0057】
また、車載端末装置が、充電スタンドの使用状況と、充電スタンド到着可否テーブルの到着可否情報から、到達可能な充電スタンドが複数個あった場合、最も待ち時間の短い充電スタンドを提示し、その充電スタンドへ向かうかどうかをユーザーに選ばせてもよい。図15は、車載端末装置が充電スタンド2を充電の待ち時間が少ないため、お勧め充電スタンドと定義しており、ユーザーに、お勧めの充電スタンドへの誘導して欲しいか否かの選択肢を提示している表示例である。また、充電料金が安い充電スタンド、過去の履歴から、ユーザーが良く利用している充電スタンドを、お勧めの充電スタンドとしてもよい。
【0058】
第1の実施の形態の車載端末装置100は、立ち寄る充電スタンドの候補を、それらの充電スタンドへの誘導経路とともに予め決定しておくこととした。これにより、充電スタンドへ車両を誘導することとなった際の経路計算負荷が低減されるとともに、自車位置が変化する度に、ディスプレイに表示されている、充電スタンドまでの経路が変化するようなことが無く、ユーザーが混乱することを防止できるという作用効果を奏する。
【0059】
−−−第2の実施の形態−−−
本発明の第2の実施の形態は、経路探索システムである。図16は、図16(a)に示す車載端末装置100と図16(b)に示すセンタ−装置300とで構成される経路探索システムを示している。車載端末装置100は、入力装置110、自車位置算出装置130、地図情報140、経路記憶装置160、充電スタンド情報取得装置170、バッテリー情報取得装置190、監視装置200、表示装置210、誘導装置220、通信装置310を含む。
【0060】
センタ−装置300は、地図情報140、経路探索装置150、経路記憶装置160、通信装置310を含む。
【0061】
車載端末装置100とセンタ−装置300とは通信装置310によって接続されている。通信装置310は、携帯電話機、無線LANモジュール、PDA(Personal Digital Assistance)あるいは車載端末装置100と一体化されたモデムでも構わない。装置300が経路探索装置150を実行することで、経路探索時の車載端末100の処理負荷を軽減できる。センタ−装置300で算出した経路と充電スタンドまで誘導経路を、通信装置310を介して、車載端末装置100へ送付される
【0062】
車載端末装置100は、通信装置310を介して、入力装置110からの目的地情報、自車位置算出装置130からの位置情報、バッテリー情報取得装置190からのバッテリ−残容量を入力とし、センタ−装置300へ送信する。
【0063】
センタ−装置300は、通信装置310を介して、これらの情報を受け取り、経路探索装置150へ入力させる。
【0064】
センタ−装置300の経路探索装置150で出力された経路探索結果は、通信装置310を介して、車載端末装置100へ送信する。車載端末装置100は、通信装置310を介して、経路探索結果の情報、すなわち目的地までの経路および充電スタンドまでの誘導経路を受信する。さらに経路探索結果を表示装置210のディスプレイ上に表示し、ユーザーに提示する。
【0065】
監視装置200およびその他の図1と同一の符号を付した各装置は、第1の実施の形態と同様の処理を行うため、説明を省略する。
【0066】
第2の実施の形態の経路探索システムは、第1の実施の形態の車載端末装置100と同様の作用効果を奏する。
【0067】
−−−変形例−−−
(1)上述の第2の実施形態において、センタ−装置300の経路探索装置150は、目的地までの経路と充電スタンドまでの誘導経路とを同時に、通信装置310を介して、車載端末装置100へ送付したが、目的地までの経路と誘導経路とは、別々のタイミングで送信してもよい。例えば、はじめに車載端末装置100からの目的地情報および自車位置情報に基づき、目的地までの経路を経路探索装置150が算出し、通信装置310が車載端末装置100へ送信する。次に、経路探索装置150が周辺の充電スタンドを検索した後、通信装置310が、経路探索装置150により出力された中間点と充電スタンドと誘導経路の情報とを、車載端末装置100へ送信する。
【0068】
(2)上述の実施の形態の説明において、充電スタンド検索装置240と中間点計算装置250の処理フローを表す図8のステップS003−5は、経路上のノード周辺の複数の充電スタンドから、充電スタンドまでの経路で最小の経路コストを有する経路を抽出する処理を示している。この変形例として、経路上のノードから充電スタンドまでのコストCAに加えて、充電スタンドを出発地とし、入力装置110を介して設定される目的地までの経路のコストCBを使用してもよい。この場合、ノード周辺の複数の充電スタンドのコストをCAとCBとの和とし、この和が最小となる充電スタンドを抽出する。
【0069】
(3)上述の実施の形態の説明においては、車両を充電スタンドに誘導するか否かを監視し、誘導するときは誘導経路を用いて誘導することとしたが、誘導先の施設は充電スタンド以外に、たとえばバッテリー交換所であっても良い。
【0070】
(4)上述の実施の形態の説明においては、本発明を車載端末装置100に適用した実施の形態を説明したが、車載端末装置100は、たとえば、PND(Personal Navigation Device)のような着脱可能な装置であって、電気自動車に搭載可能なものであっても良い。
【符号の説明】
【0071】
100 車載端末装置
110 目的地入力装置
120 センサー類
130 自車位置算出装置
140 地図情報
150 経路探索装置
160 経路記憶装置
170 充電スタンド情報取得装置
175 プロバイダー
180 バッテリー
190 バッテリー情報取得装置
200 監視装置
210 表示装置
220 誘導装置
230 経路算出装置
240 充電スタンド検索装置
250 中間点計算装置
300 センタ装置
310 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーで駆動されるモーターを有する移動体に搭載される経路計画装置であって、
ユーザーがユーザー入力を行うための入力手段と、
前記入力手段を介して前記ユーザーにより目的地が入力されると、地図情報に含まれる複数の道路リンクのコストを算出し、前記移動体の現在位置から前記目的地までの前記コストの合計が最小となる最小コスト経路を算出する最小コスト経路算出手段と、
前記移動体に搭載したセンサを用いて前記現在位置を決定する位置計算手段と、
前記地図情報から、前記最小コスト経路周辺で前記バッテリーの充電または前記バッテリーの交換ができる複数の施設を検索する検索手段と、
前記最小コスト経路上に、前記複数の施設の各々に誘導する経由地点を設定し、前記経由地点から前記複数の施設の各々までの誘導経路、及び前記誘導経路の移動に必要な第1の消費電力を予め算出する誘導経路算出手段と、
前記最小コスト経路上における前記現在位置から前記経由地点までの移動に必要な第2の消費電力と予め算出された前記第1の消費電力とを足し合わせて得られる第3の消費電力と、前記バッテリーの残量とに基づき、前記複数の施設のうち、前記移動体を誘導する対象施設を特定する施設特定手段と、
前記対象施設の位置と、前記対象施設に対する前記誘導経路とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする経路計画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路計画装置において、
前記経由地点は前記最小コスト経路に含まれるノードであり、
前記複数の施設は、前記検索手段による所定の検索条件を満たし、
前記複数の施設の各々に対する前記誘導経路の前記コストは、前記経由地点から前記所定の検索条件を満たす他の施設までの前記誘導経路の前記コストよりも小さいことを特徴とする経路計画装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経路計画装置において、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々が前記経由地点から一定距離内に位置することを特徴とする経路計画装置。
【請求項4】
請求項2に記載の経路計画装置において、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々が前記ユーザーにより頻繁に利用された履歴を有することを特徴とする経路計画装置。
【請求項5】
請求項2に記載の経路計画装置において、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々が、前記経由地点から、前記バッテリーの残量に基づき算出された前記移動体の移動可能距離内に位置することを特徴とする経路計画装置。
【請求項6】
請求項2に記載の経路計画装置において、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々に対する前記誘導経路の前記コストと、前記複数の施設の各々から前記目的地までの経路の前記コストとの合計が最小であることを特徴とする経路計画装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の経路計画装置において、
前記複数の施設のうち、前記対象施設に該当する施設の数が一定値を下回ったとき、前記誘導経路に基づき、前記移動体を前記対象施設に該当する施設のうちの所定の施設へ誘導する経路誘導手段をさらに備えることを特徴とする経路計画装置。
【請求項8】
請求項7に記載の経路計画装置において、
前記対象施設に該当する施設のうちから前記所定の施設を、前記ユーザーが前記入力手段を介して選択する選択手段をさらに備えることを特徴とする経路計画装置。
【請求項9】
請求項7に記載の経路計画装置において、
前記対象施設の使用状況を取得する取得手段をさらに備え、
前記経路誘導手段は、前記取得手段により取得された前記使用状況に基づき、前記所定の施設を決定することを特徴とする経路計画装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の経路計画装置において、
前記表示手段は、前記複数の施設の各々の位置と前記誘導経路とを、前記第3の消費電力とともに、前記最小コスト経路の経路表示画面に重ねて表示することを特徴とする経路計画装置。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の経路計画装置において、
前記表示手段は、前記対象施設の位置と、前記対象施設に対する前記誘導経路とを、前記第3の消費電力とともに、前記最小コスト経路の経路表示画面に重ねて表示することを特徴とする経路計画装置。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の経路計画装置において、
前記複数の施設の使用状況を取得する取得手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記複数の施設の各々の位置と前記誘導経路とを、前記第3の消費電力と前記使用状況とともに、前記最小コスト経路の経路表示画面に重ねて表示することを特徴とする経路計画装置。
【請求項13】
経路計画送信装置と、
バッテリーで駆動されるモーターを有する移動体に搭載される経路計画受信装置とを備え、
前記経路計画送信装置は、
地図情報に含まれる複数の道路リンクのコストを算出し、前記移動体の現在位置から目的地までの前記コストの合計が最小となる最小コスト経路を算出する最小コスト経路算出手段と、
前記地図情報から、前記最小コスト経路周辺で前記バッテリーの充電または前記バッテリーの交換ができる複数の施設を検索する検索手段と、
前記最小コスト経路上に、前記複数の施設の各々に誘導する経由地点を設定し、前記経由地点から前記複数の施設の各々までの誘導経路及び、前記誘導経路の移動に必要な第1の消費電力を予め算出する誘導経路算出手段と、
前記経路計画受信装置に対して、前記誘導経路算出手段により算出された前記経由地点、前記複数の施設の各々、前記誘導経路および前記第1の消費電力を含む第1の情報を送信するとともに、前記経路計画受信装置から第2の情報を受信する第1の通信手段とを備え、
前記経路計画受信装置は、
ユーザーがユーザー入力を行うための入力手段と、
前記移動体に搭載したセンサを用いて前記現在位置を決定する位置計算手段と、
前記第1の通信手段から送信された前記第1の情報を受信するとともに、前記入力手段を介して前記ユーザーにより入力された前記目的地と前記現在位置とを含む前記第2の情報を経路計画送信装置へ送信する第2の通信手段と、
前記最小コスト経路上における前記現在位置から前記経由地点までの移動に必要な第2の消費電力と予め受信した前記第1の消費電力とを足し合わせて得られる第3の消費電力と、前記バッテリーの残量とに基づき、前記複数の施設のうち、前記移動体を誘導する対象施設を特定する施設特定手段と、
前記複数の施設の各々の位置と、前記対象施設に対する前記誘導経路とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする経路計画システム。
【請求項14】
請求項13に記載の経路計画システムにおいて、
前記経由地点は前記最小コスト経路に含まれるノードであり、
前記複数の施設は、前記検索手段による所定の検索条件を満たし、
前記経由地点から前記複数の施設の各々までの前記誘導経路の前記コストは、前記経由地点から前記所定の検索条件を満たす他の施設までの前記誘導経路の前記コストよりも、小さいことを特徴とする経路計画システム。
【請求項15】
請求項14に記載の経路計画システムにおいて、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々が前記経由地点から一定距離内に位置することを特徴とする経路計画システム。
【請求項16】
請求項14に記載の経路計画システムにおいて、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々が前記ユーザーにより頻繁に利用された履歴を有することを特徴とする経路計画システム。
【請求項17】
請求項14に記載の経路計画システムにおいて、
前記第2の情報は前記バッテリーの残量をさらに含み、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々が、前記経由地点から、前記バッテリーの残量に基づき算出された前記移動体の移動可能距離内に位置することを特徴とする経路計画システム。
【請求項18】
請求項14に記載の経路計画システムにおいて、
前記所定の検索条件は、前記複数の施設の各々に対する前記誘導経路の前記コストと、前記複数の施設の各々から前記目的地までの経路の前記コストとの合計が最小であることを特徴とする経路計画システム。
【請求項19】
請求項13〜18のいずれか1項に記載の経路計画システムにおいて、
前記経路計画受信装置は、前記複数の施設のうち、前記対象施設に該当する施設の数が一定値を下回ったとき、前記誘導経路に基づき、前記移動体を前記対象施設に該当する施設のうちの所定の施設へ誘導する経路誘導手段をさらに備えることを特徴とする経路計画装置。
【請求項20】
請求項19に記載の経路計画システムにおいて、
前記経路計画受信装置は、前記対象施設に該当する施設のうちから前記所定の施設を、前記ユーザーが前記入力手段を介して選択する選択手段をさらに備えることを特徴とする経路計画システム。
【請求項21】
請求項19に記載の経路計画システムにおいて、
前記経路計画受信装置は、前記対象施設の使用状況を取得する取得手段をさらに備え、
前記経路誘導手段は、前記取得手段により取得された前記使用状況に基づき、前記所定の施設を決定することを特徴とする経路計画システム。
【請求項22】
請求項13〜21のいずれか1項に記載の経路計画システムにおいて、
前記表示手段は、前記複数の施設の各々の位置と前記誘導経路とを、前記第3の消費電力とともに、前記最小コスト経路の経路表示画面に重ねて表示することを特徴とする経路計画システム。
【請求項23】
請求項13〜21のいずれか1項に記載の経路計画システムにおいて、
前記表示手段は、前記対象施設の位置と、前記対象施設に対する前記誘導経路とを、前記第3の消費電力とともに、前記最小コスト経路の経路表示画面に重ねて表示することを特徴とする経路計画システム。
【請求項24】
請求項13〜18のいずれか1項に記載の経路計画システムにおいて、
前記経路計画受信装置は、前記複数の施設の使用状況を取得する取得手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記複数の施設の各々の位置と前記誘導経路とを、前記第3の消費電力と前記使用状況とともに、前記最小コスト経路の経路表示画面に重ねて表示することを特徴とする経路計画システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−185785(P2011−185785A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52122(P2010−52122)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】