説明

緊急通報システム

【課題】緊急通報に対する対応を簡潔にするとともに、緊急対応が確実に行われる緊急通報システムの提供。
【解決手段】児童Aが携帯する児童用携帯端末装置1の緊急信号の発信先は、監視センタ7と、児童が通う学校3に設けた情報の送受信可能なパーソナルコンピュータで構成される受信端末4と、児童Aの保護者の携帯電話6とし、緊急信号を受信した監視センタ7は、児童Aの防犯管理を行う受信端末4及び保護者の携帯電話6へ受信確認メールを発信し、所定時間内の返信にて緊急信号の受信を確認する受信対応確認手段S17〜S19と、受信対応確認手段S17〜S19で受信無の場合、該当地域に予め定めた出動員に出動を指示する出動指令手段S20とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緊急通報システムに係り、特に児童の安全確保に好適な緊急通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の児童の登下校時の防犯システムとして、端末と階層構造に配置された複数の中継機と受信機からなるシステムにおいて、通学途中に有事が発生した場合に受信機に通知し、受信機を監視する監視員は、通報地域の防犯管理を行うボランティアの守護者に通報して児童の安全を確保する技術があった(特許文献1参照)。
【0003】
また、子供や高齢者の保持する端末から緊急通報があったときには、その通報元を識別したうえで、適切な連絡先に対して連絡するシステムが知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−243002公報
【特許文献2】特開2003−30769公報(段落0029、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特開2005−243002号公報に記載された登下校時防犯システムでは、端末からの通報は全て受信機へ通知され、受信機の監視員が通報に対するボランティアの守護者への連絡を実施するため、受信対応に手間と時間が掛かる問題や、対応依頼を受けたボランティアの守護者も通報時の初期対応や真報と誤報の判断及び真報時の救援依頼など全て対応するため、対応が煩雑となり、有事に対する対応に迅速に対応できない虞れもある。
【0005】
また、上述の特開2003−30769号公報においても、最適なる守護者へ送信はするものの、確実に対応するか否かの確認する必要があり、受信、守護者の選択、守護者への出動依頼、対応の確認等の煩雑なる監視業務をしなければいけない問題があった。
【0006】
本発明の目的は、緊急通報に対する対応を簡潔にするとともに、緊急対応が確実に行われる緊急通報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1〜請求項3の発明は、児童が携帯し、操作により緊急信号の発信機能を有する児童用携帯端末装置と、当該緊急信号を通信回線を介し送信することで救助対応の実施依頼をするようにした緊急通報システムにおいて、前記児童用携帯端末装置の緊急信号の発信先は、建物の設備機器を遠隔的に監視する監視センタと、前記児童が通う学校に設けられ、情報を送受信可能なパーソナルコンピュータで構成される受信端末と、前記児童の保護者が所有する携帯電話との、少なくとも前記監視センタと前記受信端末とし、前記緊急信号を受信した前記監視センタは、前記受信端末及び前記携帯電話の少なくとも前記受信端末に対して受信確認メールを発信し、所定時間内の返信にて当該緊急信号の受信を確認する受信対応確認手段と、この受信対応確認手段で受信が無しの場合、該当地域に予め定めた緊急対応委託者に出動を指示する出動指令手段とを備えたものである。
【0008】
また、請求項4の発明は、児童が携帯し、操作により緊急信号の発信機能を有する児童用携帯端末装置と、当該緊急信号を通信回線を介し送信することで救助対応の実施依頼をするようにした緊急通報システムにおいて、前記児童用携帯端末装置の緊急信号の発信先を建物の設備機器を遠隔的に監視する監視センタとし、この監視センタは、受信した緊急信号の情報から当該児童が通学する学校及び保護者を特定する配信先特定手段と、前記学校に設けた情報の送受信可能なパーソナルコンピュータで構成される受信端末及び当該児童の保護者が所有する携帯電話の少なくとも一方へ当該緊急信号を配信する緊急信号配信手段と、この緊急信号配信手段の配信に対して所定時間内に返信がなかったとき、該当地域に予め定めた緊急対応委託者に出動を指示する出動指令手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜請求項3の発明によれば、監視センタは、児童用携帯端末装置の緊急信号の送信先である受信端末及び保護者の携帯電話へ当該緊急信号の受信を確認し、対応なしと判断したときのみ、出動指令手段を起動させて出動指示を行うことで、監視センタの監視員の受信件数を削減できるので、緊急通報の対応業務の負荷も軽減でき、緊急信号の対応漏れもなくなる。
【0010】
また、請求項4の発明によれば、児童用携帯端末装置の緊急通報を受信した監視センタは、該当の受信端末や保護者所有の携帯電話へ緊急通報を配信し、この配信に対する返信で受信対応を実施済と判断することで、緊急通報の配信先と配信に対する返信を監視センタで把握でき、受信確認信号の送受信が不要となるため、通信手順を簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図を用いて説明する。図1〜図3は請求項1〜請求項3の発明に係る一実施形態を示す図で、図1は全体構成図、図2は動作の一例を示すフローチャートで、図3はディスプレイへの表示例である。
【0012】
図1において、児童用携帯端末装置1はPHSや携帯電話または無線LANなどの無線通信手段を有し、児童Aの首に掛けられるネックストラップ1aやハンドストラップ1bを引いたり、押釦1cを押すことで通信回線2へ緊急通報信号を送信する。
【0013】
通信回線2は、無線や有線の電話やインターネットから構成されるネットワークで、児童用携帯端末装置1とは無線通信手段よって接続される。
【0014】
通信回線2を介して送信される児童用携帯端末装置1の緊急通報信号は、児童Aが通う学校3に設けた送受信装置4a、制御装置4b、ディスプレイ4c等で構成される受信端末であるパーソナルコンピュータ4(学校パソコン4)や、児童Aの保護者5が所有する携帯電話や、図示しないビル設備機器を通信回線2を介して遠隔的に監視する監視センタ7に設けられる監視センタ装置8が、それぞれ受信するよう児童用携帯端末装置1に送信先を予め設定している。
【0015】
ここで、学校パソコン4はパーソナルコンピュータ以外に専用のハードウエアによるものであっても良い。また携帯電話6は保護者が所有し、図示しない通信機能付のパーソナルコンピュータであっても良い。さらに、ビル設備機器とは空調やポンプや水槽などの機器のほかに、機械警備システムのような防犯設備機器、自動火災報知システムのような防災設備機器なども含む。また、監視センタ7は、専任の監視員により常時ビル設備機器の有人監視が行なわれており、監視員が監視に用いる監視センタ装置8は、通信回線2との送受信を行う送受信装置8aと、サーバ8bと、複数台の監視制御装置8c1〜8cn及びディスプレイ8d1〜8dn等で構成され、これらはネットワーク8eに接続されている。また、携帯電話6が緊急通報信号を受信することは必ずしも必須ではなく、学校パソコン4または監視センタ装置8のみで緊急通報信号を受信する構成であってもよい。
【0016】
緊急通報信号は、予め録音または機械合成による音声で内容を伝える音声通話によるもの、あるいは児童用携帯端末装置1に予め記憶される児童用携帯端末装置1を特定する端末装置情報や緊急対応要請を文字内容で伝える電子情報(電子メール)によるもの等が可能であり、本実施の形態では電子情報での説明を行う。ここで、緊急通報信号を送信した児童用携帯端末装置1は、前者の音声通話の場合には通知する電話番号から、後者の電子メールの場合にはメールアドレスから特定ができる。
【0017】
また、学校パソコン4及び携帯電話6は、児童用携帯端末装置1から通信回線2を介して送信される緊急通報信号を送受信装置4aで受信し、送信された緊急情報をディスプレイ4cに表示する緊急通報信号受信手段と、送信された緊急情報から児童を特定する送信先検出手段と、監視センタ装置8から児童用携帯端末装置1からの緊急通報があった旨の連絡(電子メール)を受信する受信確認信号受信手段と、手動操作となるが、監視センタ装置8からの連絡(電子メール)に対する返信を行う受信確認回答信号送信手段と、を有している。
【0018】
また、監視センタ装置8は、児童用携帯端末装置1から通信回線2を介して送信される緊急通報信号を送受信装置8aで受信する緊急通報信号受信手段と、送信された緊急情報から児童を特定する送信先検出手段と、この送信先検出手段で特定した児童Aの通学する学校3及び保護者5を検索し、該当する学校パソコン4及び携帯電話6へ児童Aから緊急通報が送信された旨の所定の連絡(電子メール)を送信する受信確認信号送信手段と、この受信確認信号送信手段にて送信した電子メールに対する返信を受信する受信対応確認手段である受信確認回答信号受信手段と、電子メールに対する返信が送信してから所定時間である例えば30分経過しても返信を受信しないと、学校パソコン4及び携帯電話6での対応無と判定する受信確認回答信号判定手段と、この受信確認回答信号判定手段が学校パソコン4及び携帯電話6での対応無と判定すると、監視業務を行っていない監視制御装置8c1へ情報を送信しディスプレイ8d1へ表示させ、図示しない監視員が緊急通報発生地域を担当する図示しない委託者に出動連絡を行う出動指令手段である受信対応手段と、を有している。この受信対応手段は、学校パソコン4または携帯電話6の機能として搭載することも可能である。ここで、監視センタ装置8が有する送信先検出手段、受信確認信号送信手段、受信確認回答信号判定手段、受信対応手段が行う処理はサーバ8bの図示しないデータベースに記憶される情報に基づいて行われる。
【0019】
次に、請求項1〜請求項3の発明に係る一実施形態の動作の説明を図2のフローチャートを用いて説明する。
【0020】
今、児童Aが児童用携帯端末装置1のネックストラップ1aを引くと、児童用携帯端末装置1を特定する緊急情報を含む緊急通報信号が通信回線2に送信され(ステップS1)、学校パソコン4の送受信装置4a、携帯電話6、監視センタ装置8の送受信装置8aがそれぞれ緊急通報信号を受信する(ステップS2〜ステップS4)。ここで、監視センタ装置8の送受信装置8aが緊急通報信号を受信すると、サーバ8bの図示しないデータベースから児童用携帯端末装置1及び所有する児童Aを特定するとともに、特定した児童Aが通う学校3及び保護者5を特定して、緊急通報が送信された旨の所定の連絡(電子メール)を送信すべき学校パソコン4と携帯電話6を検索し(ステップS5)、児童Aより緊急通報信号が送信されたことを連絡する(ステップS6)。
【0021】
次に、学校パソコン4は監視センタ装置8の送受信装置8aから児童Aによる緊急通報信号の送信に関する電子メールを受信すると(ステップS7)、監視センタ装置8へ対して受信した旨の返信を学校の教員が手作業で行い(ステップS8)、送信された緊急情報よりディスプレイ4cへ特定した児童Aの氏名の表示や、地図に緊急通報を送信した時点の位置をマーキングして表示を行い(ステップS9)、児童用携帯端末装置1緊急通報に対する対応および対応指示を行う(ステップS10)。
【0022】
児童用携帯端末装置1からの緊急通報の対応が終了すると、その内容を監視センタ装置8へ送信して(ステップS11)完了する。
【0023】
また、携帯電話6は監視センタ装置8の送受信装置8aから児童Aによる緊急通報信号の送信に関する電子メールを受信すると(ステップS12)、監視センタ装置8へ対して受信した旨の返信を保護者が手作業で行い(ステップS13)、児童用携帯端末装置1からの緊急通報信号に基づき、緊急事態発生の旨の表示や児童用携帯端末装置1が緊急通報信号を送信した時点の位置情報より表示した地図にマーキングをして(ステップS14)、緊急通報に対する対応を行い(ステップS15)、その対応結果を監視センタ装置8へ送信して(ステップS16)完了する。
【0024】
一方、監視センタ装置8は、ステップS8及びステップS13における学校パソコン4及び携帯電話6からの児童用携帯端末装置1が緊急通報信号を受信した旨の返信の有無を確認し(ステップS17)、返信有の場合は対応結果を受信して完了し、返信無の場合はステップS6の学校パソコン4及び携帯電話6へ児童Aより緊急通報信号を送信した時点から、所定時間である例えば30分を計時し(ステップS18)、30分を過ぎると学校パソコン4及び携帯電話6共に未対応であると判断し(ステップS19)、緊急通報発生地域を担当する委託者に出動依頼を行う(ステップS20)。
【0025】
また、学校パソコン4及び携帯電話6における緊急通報信号受信手段はステップS2,ステップS3の機能を示し、受信確認信号受信手段はステップS7,ステップS12の機能を示し、受信確認回答信号送信手段はステップS8,ステップS13の機能を示し、送信先検出手段はステップS9,ステップS14の機能を示している。
【0026】
また、監視センタ装置8における緊急通報信号受信手段はステップS4の機能を示し、送信先検出手段はステップS5の機能を示し、受信確認信号送信手段はステップS6の機能を示し、受信対応確認手段である受信確認回答信号受信手段はステップS17の機能を示し、受信確認回答信号判定手段はステップS18,ステップS19の機能を示し、出動指令手段である受信対応手段はステップS20の機能を示している。
【0027】
ここで、ステップS20にて監視センタ7は受信対応を行う場合、ディスプレイ8d1に表示する表示情報の一例の説明を図3にて行う。
【0028】
図3において、ステップS4での児童用携帯端末装置1からの緊急通報信号を受信し、ステップS19で学校パソコン4と携帯電話6からの返信がなくステップS20で受信対応を行うこととなると、サーバ8bは監視制御装置8c1〜8cnから監視対応を行っていない監視制御装置8c1を選択し、受信対応に必要な情報を送信してディスプレイ8d1の画面9に必要な情報を表示させる。
【0029】
このディスプレイ8d1の画面9は、児童用携帯端末装置1の緊急通報に対して対応すべき学校パソコン4と携帯電話6の情報を表示する対応情報9aと、児童用携帯端末装置1を所有する児童Aの情報を表示する児童情報9bと、児童Aが居住する地域及び児童用携帯端末装置1の緊急通報が送信された地域において、緊急対応を委託している委託者の情報を表示する対応者情報9cとで構成される。
【0030】
対応情報9aは、学校パソコン4が設置される学校名と、携帯電話6の所有者名と、学校パソコン4と携帯電話6の受信確認回答信号判定手段の結果とを表示する。
【0031】
児童情報9bは、児童用携帯端末装置1を所有する児童Aの氏名と緊急通報を受信した時刻を表示する送信受信情報9b1と、児童用携帯端末装置1を所有する児童Aの連絡先の氏名、住所、電話番号を表示する児童用携帯端末所有者情報9b2と、児童用携帯端末装置1が緊急通報信号を送信した時点の位置情報より選択表示した地図にマーキング(×印)をした地図情報9b3とを表示する。
【0032】
対応者情報9cは、児童Aが居住する地域または緊急通報が送信された地域の緊急対応委託者の氏名、住所、電話番号とを表示する。
【0033】
受信対応を行う図示しない監視員は、これらの情報から緊急対応委託者を選択し、図示しないマウスでクリックすることで、緊急対応委託者へ電話が掛り、表示された情報の提示して出動依頼を行う。
【0034】
請求項1〜請求項3の実施形態によれば、児童用携帯端末装置1は緊急通報信号を学校パソコン4及び携帯電話6、監視センタ装置8の3個所へ送信し、監視センタ装置8は緊急通報信号が送信されたことを該当する学校パソコン4及び携帯電話6へ連絡し、学校パソコン4または携帯電話6から返信があった場合は、緊急対応が成されると判断し、返信がなかった場合は監視センタ7による緊急対応を行うようにしたので、監視センタ7の緊急対応業務が軽減できるとともに、緊急対応を忘れることはなく必ず実施される。
【0035】
次に、請求項4の発明に係る一実施形態を図4、図5を用いて説明する。図4は全体構成図、図5は動作の一例を示すフローチャートである。尚、図4における図1と同一構成のものは同一符号を記し、説明を省略する。
【0036】
図4において、監視センタ装置8は、児童用携帯端末装置1から通信回線2を介して送信される緊急通報信号を送受信装置8aで受信する緊急通報信号受信手段と、送信された緊急情報から児童を特定し、児童Aの通学する学校3及び保護者5を検索し配信先特定手段である送信先検出手段と、この送信先検出手段で特定した学校パソコン4及び携帯電話6へ児童Aから緊急通報が送信された旨の所定の連絡(電子メール)を配信する緊急信号配信手段である緊急通報信号配信手段と、この緊急通報信号配信手段にて送信した電子メールに対する返信を受信する緊急通報信号回答受信手段と、電子メールの配信が所定時間である例えば30分経過しても返信の受信がないと、学校パソコン4及び携帯電話6での対応無と判定する緊急通報信号回答判定手段と、この緊急通報信号回答判定手段が学校パソコン4及び携帯電話6での対応無と判定すると、監視業務を行っていない監視制御装置8c1へ情報を送信しディスプレイ8d1へ表示させ、図示しない監視員が緊急通報発生地域を担当する図示しない委託者に出動連絡を行う出動指令手段である受信対応手段と、を有している。
【0037】
また、学校パソコン4及び携帯電話6は、監視センタ装置8から通信回線2を介して緊急通報信号配信手段で配信された緊急通報信号を送受信装置4aで受信する緊急通報信号配信受信手段と、送信された緊急情報から緊急通報を送信した児童Aを特定してディスプレイ4cへの表示や、ディスプレイ4cに表示した地図に緊急通報を送信した時点の位置をマーキングを行う送信先検出手段と、監視センタ装置8へ緊急通報が配信された旨の連絡(電子メール)を送信する緊急通報信号回答送信手段と、を有している。
【0038】
次に、請求項4の発明に係る一実施形態の動作の説明を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
今、児童Aが児童用携帯端末装置1のネックストラップ1aを引くと、児童用携帯端末装置1を特定する緊急情報を含む緊急通報信号が通信回線2に送信され(ステップSA1)、監視センタ装置8の送受信装置8aが緊急通報信号を受信する(ステップSA2)。ここで、監視センタ装置8の送受信装置8aが緊急通報信号を受信すると、サーバ8bの図示しないデータベースから児童用携帯端末装置1及び所有する児童Aを特定するとともに、特定した児童Aが通う学校3及び保護者5を特定して、緊急通報が送信された旨の所定の連絡(電子メール)を配信すべき学校パソコン4と携帯電話6を検索し(ステップSA3)、児童Aより緊急通報信号が送信されたことを連絡する(ステップSA4)。
【0040】
次に、学校パソコン4は監視センタ装置8の送受信装置8aから児童Aによる緊急通報信号の送信に関する電子メールの配信を受信すると(ステップSA5)、監視センタ装置8へ対して受信した旨の返信を学校の教員が手作業で行い(ステップSA6)、配信された緊急情報よりディスプレイ4cへ特定した児童Aの氏名の表示や、地図に緊急通報を送信した時点の位置をマーキングして表示を行い(ステップSA7)、これら表示した情報に基づき緊急通報に対する対応および対応指示を行う(ステップSA8)。
【0041】
児童用携帯端末装置1からの緊急通報の対応が終了すると、その内容を監視センタ装置8へ送信して(ステップSA9)完了する。
【0042】
また、携帯電話6は監視センタ装置8の送受信装置8aから児童Aによる緊急通報信号の送信に関するの電子メールの配信を受信すると(ステップSA10)、監視センタ装置8へ対して受信した旨の返信を保護者が手作業で行い(ステップSA11)、配信された緊急情報より、緊急事態発生の旨の表示や児童用携帯端末装置1が緊急通報信号を送信した時点の位置情報よりマーキングした地図を表示させ(ステップSA12)、緊急通報に対する対応を行い(ステップSA13)、その対応結果を監視センタ装置8へ送信して(ステップSA14)完了する。
【0043】
一方、監視センタ装置8は、ステップSA6及びステップSA11における学校パソコン4及び携帯電話6からの緊急通報配信に対して、受信した旨の返信の有無を確認し(ステップSA15)、返信有の場合は対応結果を受信して完了し、返信無の場合はステップSA4の学校パソコン4及び携帯電話6へ児童Aより緊急通報信号を配信した時点から、所定時間である例えば30分を計時し(ステップSA16)、30分を過ぎると学校パソコン4及び携帯電話6共に未対応であると判断し(ステップSA17)、緊急通報発生地域を担当する委託者に出動依頼を行う(ステップSA18)。
【0044】
また、監視センタ装置8における緊急通報信号受信手段はステップSA2の機能を示し、配信先特定手段である送信先検出手段はステップSA3の機能を示し、緊急信号配信手段である緊急通報信号配信手段はステップSA4の機能を示し、緊急通報信号回答受信手段はステップSA15の機能を示し、緊急通報信号回答判定手段はステップSA16,ステップSA17の機能を示し、出動指令手段である受信対応手段はステップSA18の機能を示している。
【0045】
また、学校パソコン4及び携帯電話6における緊急通報信号配信受信手段はステップSA5,ステップSA10の機能を示し、緊急通報信号回答送信手段はステップSA6,ステップSA11の機能を示し、送信先検出手段はステップSA7,ステップSA12の機能を示している。
【0046】
請求項4の実施形態によれば、児童用携帯端末装置1は緊急通報信号を監視センタ装置8へ送信し、監視センタ装置8は緊急通報信号を該当する学校パソコン4及び携帯電話6へ配信し、学校パソコン4及び携帯電話6から返信があった場合は、緊急対応が成されると判断し、返信がなかった場合は監視センタ7による緊急対応を行うようにしたので、監視センタは配信先を把握できるため、受信確認信号の送受信が不要となり、通信手順が簡略される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】請求項1〜請求項3の発明に係る緊急通報システムの全体構成図である。
【図2】請求項1〜請求項3の発明に係る緊急通報システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】緊急通報システムのディスプレイへの表示例である。
【図4】請求項4の発明に係る緊急通報システムの全体構成図である。
【図5】請求項4の発明に係る緊急通報システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 児童用携帯端末装置
2 通信回線
3 学校
4 学校パソコン
4a 送受信装置
4b 制御装置
4c ディスプレイ
5 保護者
6 携帯電話
7 監視センタ
8 監視センタ装置
8a 送受信装置
8b サーバ
8c1〜8cn 監視制御装置
8d1〜8dn ディスプレイ
8e ネットワーク
9 画面
A 児童

【特許請求の範囲】
【請求項1】
児童が携帯し、操作により緊急信号の発信機能を有する児童用携帯端末装置と、当該緊急信号を通信回線を介し送信することで救助対応の実施依頼をするようにした緊急通報システムにおいて、
前記児童用携帯端末装置の緊急信号の発信先は、建物の設備機器を遠隔的に監視する監視センタと、
前記児童が通う学校に設けられ、情報を送受信可能なパーソナルコンピュータで構成される受信端末と、
前記児童の保護者が所有する携帯電話との、少なくとも前記監視センタと前記受信端末としたことを特徴とする緊急通報システム。
【請求項2】
請求項1記載の緊急通報システムにおいて、
前記緊急信号を受信した前記監視センタは、前記受信端末及び前記携帯電話の少なくとも前記受信端末に対して当該緊急信号の受信の有無を確認する受信対応確認手段と、
この受信対応確認手段で受信が無しの場合、該当地域に予め定めた緊急対応委託者に出動を指示する出動指令手段とを備えたことを特徴とする緊急通報システム。
【請求項3】
請求項1記載及び請求項2記載の緊急通報システムにおいて、
前記受信対応確認手段は、前記受信端末及び前記携帯電話への受信確認メールに対する所定時間内の返信の有無にて判断することを特徴とする緊急通報システム。
【請求項4】
児童が携帯し、操作により緊急信号の発信機能を有する児童用携帯端末装置と、当該緊急信号を通信回線を介し送信することで救助対応の実施依頼をするようにした緊急通報システムにおいて、
前記児童用携帯端末装置の緊急信号の発信先を建物の設備機器を遠隔的に監視する監視センタとし、
この監視センタは、受信した緊急信号の情報から当該児童が通学する学校及び保護者を特定する配信先特定手段と、
前記学校に設けた情報の送受信可能なパーソナルコンピュータで構成される受信端末及び当該児童の保護者が所有する携帯電話の少なくとも一方へ当該緊急信号を配信する緊急信号配信手段と、
この緊急信号配信手段の配信に対して所定時間内に返信がなかったとき、該当地域に予め定めた緊急対応委託者に出動を指示する出動指令手段とを備えたことを特徴とする緊急通報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−211322(P2008−211322A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43845(P2007−43845)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】