縮小されたビットセル寸法を有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダムアクセスメモリ
【課題】スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)のメモリセル寸法を縮小する。
【解決手段】ワード・ラインWLに対して実質的に平行にかつビット・ラインBLに対して実質的に垂直にソース・ラインSLを配列することによって、縮小されたビット・セル寸法が達成される。さらに、1つの実施の形態では、書込み動作時に、無効な書込み動作を防止するために、選択されないビット・セルのビット・ラインにハイ論理/電圧レベルが印加される。
【解決手段】ワード・ラインWLに対して実質的に平行にかつビット・ラインBLに対して実質的に垂直にソース・ラインSLを配列することによって、縮小されたビット・セル寸法が達成される。さらに、1つの実施の形態では、書込み動作時に、無効な書込み動作を防止するために、選択されないビット・セルのビット・ラインにハイ論理/電圧レベルが印加される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、ランダムアクセスメモリ(RAM)に関する。さらに詳細には、本発明の実施の形態は、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)における書込み動作に関する。
【背景技術】
【0002】
ランダム・アクセス・メモリ(RAM)は、現代のデジタルアーキテクチャの遍在する部品(ubiquitous component)である。認識されるように、RAMは、スタンド・アローン・デバイスであってもよく、あるいはマイクロプロセッサ、マイクロコントロラ、特定用途向け集積回路(ASICs)、システム・オン・チップ(SoC)、および他の同様のデバイスのような、RAMを使用するデバイス内に集積または埋込みされてもよい。RAMは揮発性または不揮発性でありうる。揮発性RAMは、電力が除去されると、それの記憶された情報を失う。不揮発性RAMは、そのメモリから電力が除去されても、それのメモリ内容を維持できる。不揮発性RAMは電力を適用されずにそれの内容を維持できるという利点を有するが、従来の不揮発性RAMは揮発性RAMよりも遅い読出し/書込み時間を有する。
【0003】
磁気抵抗ランダム・メモリ(MRAM)は、揮発性メモリに匹敵する応答(読出し/書込み)時間を有する不揮発性メモリ技術である。データを電荷または電流として記憶する従来のRAM技術とは異なり、MRAMは磁気的要素を使用する。図1Aおよび1Bに示されているように、磁気トンネル接合(MTJ)記憶要素100は、それぞれ絶縁(トンネル障壁)層120によって分離され、磁界を保持できる2つの磁性層110および130で形成されうる。2つの層のうちの1つ(例えば、固定層110)は、特定の極性にセットされる。他の層(例えば、自由層130)の極性132は、印加されうる外部磁界の極性と合致するように自由に変化する。自由層130の極性132の変化は、MTJ記憶要素100の抵抗を変化させるであろう。
【0004】
例えば、図1Aのように、それら極性が一致している場合には、低抵抗状態が存在する。図1Bのように極性が一致していない場合には、高抵抗状態が存在する。MTJ100の図示は簡略化されており、図示された各層は、技術的に知られているように、1つのまたは複数の材料層を具備しうることが理解されるであろう。
【0005】
図2Aを参照すると、従来のMRAMのメモリセル200が読出し動作について例示されている。セル200は、トランジスタ210、ビット・ライン220、デジット・ライン230およびワード・ライン240を含んでいる。セル200は、MTJの電気抵抗を測定することによって読出されうる。例えば、特定のMTJ100は、MTJ100を通るビット・ライン220からの電流を切り替えることができる関連したトランジスタ210を活性化することによって選択されうる。トンネル磁気抵抗効果により、MTJ100の電気抵抗は、上述のように、1つの磁性層における極性の配向に基づいて、変化する。任意の特定のMTJ100内の抵抗は、自由層の極性から生ずる電流から決定されうる。従来は、固定層110および自由層130が同じ極性を有する場合には、抵抗は低く、「0」が読出される。固定層110と自由層130が逆極性を有する場合には、抵抗は高く、「1」が読出される。
【0006】
図2Bを参照すると、従来のMRAMのメモリセル200が書込み動作について例示されている。MRAMの書込み動作は、磁気的動作である。したがって、トランジスタ210は、書込み動作時にはオフである。電流がビット・ライン220およびデジット・ライン230を通じて伝播され、MTJ100の極性、したがって、セル200の論理状態に影響を及ぼしうる磁界250および260を確立する。したがって、データがMTJ100に書込まれて記憶される。
【0007】
MRAMは、高速度、高密度(すなわち、小さいビット・セル寸法)、低電力消費、時間に伴う劣化が無いのような、それを普遍的なメモリの候補にするいくつかの望ましい特性を有する。しかし、MRAMはスケーラビリティ問題(scalability issues)を有する。具体的には、ビット・セルが小さくなるにつれて、メモリ状態を切り替えるために使用される磁界が増大する。したがって、より高い磁界を提供するために電流密度および電力消費が増加して、MRAMのスケーラビリティを制限する。
【0008】
従来のMRAMとは異なり、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)は、電子が薄膜(スピン・フィルタ)を通過する際にスピン偏極となる電子を使用する。STT−MRAMは、スピン注入トルクRAM(STT−RAM)、スピントルク注入磁化スイッチングRAM(Spin-RAM)およびスピン・モーメント注入(Spin Momentum Transfer)(SMT−RAM)としても知られている。書込み動作時に、スピン偏極された電子が自由層にトルクを加え、それがその自由層の極性を切り替えることができる。前述のように、読出し動作は、MTJ記憶要素の抵抗/論理状態を検知するために電流が使用される点において、従来のMRAMと類似している。図3Aに示されているように、STT−MRAMビット・セル300は、MTJ305、トランジスタ310、ビット・ライン320およびワード・ライン330を含む。トランジスタ310は、論理状態が読出しまたは書込みできるように、MTJ305を通じて電流を流すことができるようにするために、読出しおよび書込み動作の両方に対してオンに切り替えられる。
【0009】
図3Bを参照すると、読出し/書込み動作についてさらに論述するために、STT−MRAMセル301のさらに詳細な図が示されている。MTJ305、トランジスタ310、ビット・ライン320およびワード・ライン340のような前述した要素に加えて、ソース・ライン340、検知増幅器、読出し/書込み回路360およびビット・ライン基準370が示されている。上述のように、STT−MRAM内の書込み動作は電気的である。読出し/書込み回路360は、ビット・ライン320とソース・ライン30の間に書込み電圧を生成する。ビット・ライン320とソース・ライン340との間の電圧の極性に依存して、MTJ305の自由層の極性が変更され、そしてそれに対応して論理状態がセル301に書込まれうる。同様に、読出し動作時には、読出し電流が生成され、MTJ305を通じてビット・ライン320とソース・ライン340との間に流れる。電流がトランジスタ310を通じて流される場合には、MTJ305の抵抗(論理状態)は、基準370と比較され、そして検知増幅器350によって増幅されるビット・ライン320とソース・ライン340との間の電圧差に基づいて決定されうる。メモリセル301の動作および構成は公知であることが認識されるであろう。付加的な詳細は、例えば、IEDM会議(2005)のプロシーディングスにおけるエム ホソイ、外のスピン注入トルク磁気抵抗磁化し切り替えを伴う新規な不揮発性メモリ:スピンRAMに提供されており、その全体が参照によってここに取り入れられる。
【0010】
STT−MRAMの電気的書込み動作は、MRAMにおける磁気的書込み動作によるスケーリング問題を排除する。さらに、STT−MRAMでは回路設計がより複雑でなくなる。図4Aに示されているようなSTT−MRAMアレイの従来の構成では、ソース・ライン(SL)は、ワード・ラインに対して直交でありかつビット・ライン(BL)に対して平行である。この構成は、ビット・セル・アレイに対して使用される面積を増大させ、そして大きいビット・セル寸法となる。従来の構成は、安定した書込み動作を促進する。例えば、書込み動作時には、状態「1」書込み(または「1」書込み)の場合には、選択されたビット・セル410に対してWL=H、BL=LおよびSL=Hであり、そして適切な書込み動作が実行されうる。ここで使用されているように、Hはハイ電圧/論理レベルを表し、そしてLはロー電圧/論理レベルを表す。選択されないビットセル420では、WL=H、BL=LおよびSL=Lであり、したがって、選択されないビットセル上には無効な書込み動作は存在しない。しかし、無効な書込み動作を防止するのを助成している間には、ラインが共用できず、図4Bに示されているようにソースラインに対して付加的な金属1(例えば図示のSL(M1))を生ずるので、従来の構成は、ビットセル当たりの使用される面積において非効率的である。図4Bの回路レイアウトにさらに示されているように、各ビットライン(BL)は、ソースラインに対して実質的に平行に延長している他の金属層(例えば、Mx)上に配置されうる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の例示的な実施の形態は、STT−MRAMにおける改良された書込み安定性および減少されたビットセル寸法のためのシステム、回路および方法に関する。
【0012】
本発明の1つの実施の形態は、ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、そのソース・ラインはビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるビット・セル・アレイを具備したスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)を含むことができる。
【0013】
本発明の他の実施の形態は、ビット・セルの第1の行のワード・ラインに対して実質的に平行でかつビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直なソース・ラインを有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)ビット・セル・アレイを形成することを具備する方法を含むことができる。
【0014】
本発明の他の実施の形態は、ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインは、ビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)にデータを書き込む方法であって、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立すること、および、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビットラ・イン上にハイ電圧を確立することとを具備する方法を含むことができる。
【0015】
本発明の他の実施の形態は、ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)であって、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にろー電圧を確立するための手段と、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立するための手段とを具備するSTT−MRAMを含むことができる。
【0016】
添付図面は、本発明の実施の形態の説明を助長するために提示され、かつ実施の形態の限定のためではなく例示のためのみに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、磁気トンネル接合(MTJ)記憶要素の図である。
【図1B】図1Bは、磁気トンネル接合(MTJ)記憶要素の図である。
【図2A】図2Aは、読出し動作時における磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)の図である。
【図2B】図2Bは、書込み動作時における磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)の図である。
【図3A】図3Aは、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)ビット・セルの図である。
【図3B】図3Bは、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)ビット・セルの図である。
【図4A】図4Aは、STT−MRAMのための従来のビット・セル構成の概略図である。
【図4B】図4Bは、STT−MRAMのための従来のビット・セル構成のレイアウトである。
【図5】図5は、STT−MRAMビット・セルの簡略化された概略図である。
【図6A】図6Aは、従来の書込み論理回路を使用したSTT−MRAMのための小型(reduced size)ビット・セル構成の概略図である。
【図6B】図6Bは、小型(reduced size)ビット・セル構成のレイアウトである。
【図7】図7は、書込み論理レベルを含むSTT−MRAMのための小型(reduced size)ビット・セル構成の図である。
【図8】図8は、STT−MRAMアレイの図である。
【図9】図9は、図8のSTT−MRAMアレイにおけるブロック・メモリのためのシグナリング・タイミングの図である。
【図10A】図10Aは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうるビット・ライン・セレクタの図である。
【図10B】図10Bは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうるビット・ライン・ドライバの図である。
【図11A】図11Aは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうる組み合わせられたワード・ライン・ドライバおよびソ−ス・ライン・セレクタの図である。
【図11B】図11Bは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうるソース・ライン・ドライバの図である。
【詳細な説明】
【0018】
本発明の実施の形態の態様が、本発明の特定の実施の形態に関する下記の説明および関連した図面において開示される。本発明の範囲から逸脱することなしに、他の実施形態が案出されうる。
【0019】
さらに、本発明の実施の形態の関連詳細を不明瞭にしないように、本発明の公知の要素は詳細には説明されないか、あるいは、省略される。
【0020】
「例示的な」という用語は、ここでは「例、事例、または例示として機能すること」を意味するように使用される。ここにおいて「例示的」として記述される実施の形態はいずれも、必ずしも他の実施の形態よりも好ましいまたは有益であるとして解釈されるべきではない。同様に、「本発明の実施の形態」という用語は、本発明のすべての実施の形態が論述された特徴、利益または動作モードを含むことを要求しない。
【0021】
ここにおいて使用される用語は、特定の実施の形態を記述する目的のためにすぎず、本発明の実施の形態を限定するようには意図されていない。ここで使用されるように、単数の形式、「1つの」(”a”)、「1つの」(”an”)、「その」(”the”)は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、複数の形式をも含むように意図されている。「具備する」(”comprises”)、「具備すること」(”comprising”)、「含む」(”includes”)および/または「含むこと」(”including”)という用語は、ここで使用される場合には、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0022】
さらに、実施の形態は、例えば、コンピューティング・デバイスの要素によって実行される動作のシーケンスに関して記述されうる。ここで記述される種々の動作は、特定の回路(例えば、特定用途集積回路(ASICs))により、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、あるいは両者の組み合わせによって行なわれうることが認識されるであろう。さらに、ここにおいて記述されるこれらの動作シーケンスは、実行されると、ここにおいて記述される機能性を関連プロセッサに実行させるコンピュータ命令の対応するセットを記憶された任意の形式のコンピュータ読取り可能記憶媒体内で完全に具現さると考えられうる。したがって、本発明の種々の態様は、すべて請求された主題の範囲内にあると意図された複数の異なる形式で具現されうる。さらに、ここに記述される実施の形態のそれぞれについて、各実施の形態の対応する形式が、例えば、上記の動作を実行する「ように構成された論理回路」("logic configured to”)として記述されうる。
【0023】
図5は、STT−MRAMビット・セルの簡略化された概略図である。そのビット・セルは、ワード・ライン・トランジスタ510に結合されたワード・ライン(WL)を含む。記憶要素520(例えば、MTJ)は、単純な抵抗として表示されている。トランジスタ510および記憶要素520は、ビット・ライン(BL)とソース・ライン(SL)との間に配置されている。状態「0」の場合の書込み動作時には、WL=H、BL=HおよびSL=Lであり、状態「1」の場合には、WL=H、BL=LおよびSL=Hである。ここにおいて使用されるように、Hはハイ電圧/論理レベルであり、そしてLはロー電圧/論理レベルである。電圧レベルは、供給電圧レベル(例えば、Vddおよび0)であってもよく、あるいは供給電圧レベルよりも高いかあるいは低くてもよい。上記の構成および状態条件は、本発明の実施の形態の論述のためのみに提供されており、論述された例示の構成または状態条件に実施の形態を限定するようには意図されていないことが理解されるであろう。
【0024】
図6Aを参照すると、縮小されたまたは最小のビットセル寸法を生成する、本発明の1つの実施の形態によるSTT−MRAMビット・セル・アレイの1つの構成が例示されている。図4に示されたような従来のデザインとは対照的に、ワード・ライン(WL)およびソース・ライン(SL)は、ビット・ライン(BL)に対して実質的に平行にかつ実質的に垂直に配列されている。
【0025】
例えば、図4Bに示されたレイアウトと比較すると、ソース・ラインに対して使用された、ビット・ラインに対して平行でかつワード・ラインに対して垂直な垂直金属1は、除去することができ、したがって、図6Bに示されているように、ビット・セル面積が大幅に縮小されうる。図4Bと対比すると、ソース・ライン(例えば、SL(M1))はビット・ラインに対してもはや平行ではないことが明らかである。したがって、図6Bの構成は、図4のソース・ラインに対して使用された付加的な平行金属ラインおよび接続の除去を可能にすることによって、縮小されたセル寸法を提供する。さらに、例示された構成を使用すると、ソース・ラインが所定のワード・ライン方向に沿ってすべてのセルに対して共用されうる。本発明のいくつかの実施の形態では、ソース・ラインは2つの隣接したビット・セルの間で共用することができ、かつ図示のようにワード・ライン(例えば、WL(Gp))の間に配置されうる。
【0026】
しかし、書込み動作のために従来の論理回路を使用することは、選択されないセル上に潜在的な無効の書込み動作を生ずる。例えば、“1”の書込み動作では、選択されたセル610は、WL=H、BL=LおよびSL=Hを有する。しかし、選択されないビット・セル620はまた、それぞれが同様の信号を印加される(すなわち、WL=H、BL=LおよびSL=H)ので、無効な書込みを受けることになるであろう。したがって、縮小ビット・セル寸法デザイン(reduced bit cell size design)において従来の書込み論理回路を使用することは、メモリ書込み動作時に問題を生ずるおそれがある。
【0027】
図7は、本発明の実施の形態によるSTT−MRAMの縮小ビット・セル・デザインにおける書込み動作に対する上記の問題に対する解決策を示す。図7を参照すると、選択されないビット・ライン725は、選択されないビット・セル720に対する無効な書込み動作を解決するために、書込み“1”動作時にハイ状態に駆動されうる。例えば、選択されたビットセル710に“1”を書込む場合には、書込みロジックは、WL(730)=H、BL(715)=LおよびSL(740)=Hをセットする。したがって、選択されないビット・セル720も、ビット・セル710の書込み動作時には、WL(730)=HおよびSL(740)=Hを有する。その場合、選択されないビット・セル720における無効な書込み動作を防止するために、選択されたビット・セル710に“1”を書込むための書込みサイクルの間に、選択されないBLs725がハイにセットされる。選択されないビット・ラインに対する書込み制御論理回路は、書込み動作時にハイ(H)電圧/論理レベルを適用するように設計されるであろうことが理解されうる。あるいは、選択されないビット・ラインは、その選択されないビット・ラインを通る電流を阻止するハイ・インピーダンス状態に置かれてもよい。書込み制御論理回路は、ここにおいて記述された機能性を実行可能な任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせを使用してインプリメントされうる。したがって、本発明の実施の形態は、記述された機能性を実行するために、ここにおいて例示された特定の回路または論理回路には限定されない。
【0028】
図8を参照すると、STT−MRAMアレイの一例が示されている。上述のように、1つの書込み構成において、アレイ内の選択されないビット・ライン(BLs)はハイ状態にセットされ、一方、セル801および811と関連した選択されたPLsはロー状態にセットされる。選択された信号は、矩形のボックスで示され、選択されたセルは円で示されている。したがって、ビット・セル801および811が選択されるために、ワード・ライン(WL)ドライバ820がWL1821を駆動する。WL1 821は、ワード・ライン821に沿ったセル801、811および他のセルと関連したアクセス(ワードライン)トランジスタを駆動する。同様に、ソース・ライン・セレクタ830は、ソース・ラインSL01およびSL11に結合されたセレクト・ライン831を駆動する。特に、セレクト・ライン831は、ソース・ライン・ドライバ803および813にそれぞれ結合されたソース・ラインSL01およびSL11に関連したトランジスタを駆動する。さらに、ビット・ライン・セレクタ804および814は、ビット・ライン・ドライバ802および812をそれぞれ選択する。上述のように、この例では、ビット・ライン・ドライバ802および812は、ロー・レベルにセットされることができ、そして残りの選択されないビット・ライン・ドライバはハイ・レベルにセットされることができるであろう。したがって、ビット・セル801および811がアレイ800から選択されうる。上記の例は、ブロック0およびブロック1において選択された特定のセルについて記述するが、例示された論理回路を使用して任意のセルが選択されることができたであろうことが理解されるであろう。さらに、両方のブロック内のセルが選択されなくてもよい。さらに、アレイ寸法は任意であり、必要に応じてスケール・アップまたはダウンでき、そして種々のドライバ/セレクタは、個々のビット・セルを選択する場合に多かれ少なかれ解決策を与えるように再設定されうることが理解されるであろう。例示された論理ブロックの具体的なインプリメンテーションについてのさらに詳細な論述が下記に提供される。しかし、これらの詳細は、事例として提供されているものであり、例示された回路、論理または上述した特徴に本発明の実施の形態を限定するようには意図されていない。
【0029】
図9は、図8のブロック0に関連したシグナリングのタイミング図を示す。さらに、下記は、ビット・ライン(BL)/ソース・ライン(SL)が0またはローレ・ベルに予めチャージされておりかつセルが図8に示されているように選択されているという仮定に基づいた種々の信号に対する条件のリストである。
【0030】
●データLを書込む
○ 選択されたBL=H
○ 選択されないBLs=フローティングL
○ 選択されたBL=Hに対するBL選択信号
○ 選択されないBL=Lに対するBL選択信号
○ 選択されたSL=L
○ 選択されないSL=フローティングL
○ 選択されたSL=Hに対するSL選択信号
○ 選択されないSL=Lに対するSL選択信号
●データHを書込む
○ 選択されたBL=L
○ 選択されないBLs=H
○ 選択されたBL=Hに対するBL選択信号
○ 選択されないBL=Hに対するBL選択信号
○ 選択されたSL=H
○ 選択されないSL=フローティングL
○ 選択されたSL=Hに対するSL選択信号
○ 選択されないSL=Lに対するSL選択信号
上記のように、Hはハイ電圧/論理レベルであり、Lはロー電圧/論理レベルであり、そしてこれらのレベルは供給電圧レベルであってもよく、あるいは供給電圧レベルより高いかあるいは低くてもよい。フローティングLという用語は、ラインがロー電圧源から切り離される前にロー電圧であったことを一般的に示す。
【0031】
上記のリストは、例示のためのみに提供されたものであり、それは、図9の例示されたタイミング信号と関連して、図8におけるブロック0のビット・セルの上記の選択を示す。例えば、上述のように、データ“H”また“1”を書込む場合には、選択されないビット・ライン(例えば、BL00、BL02.BL03)はハイ・レベルにセットされ、選択されたビット・ライン(例えば、BL01)はロー・レベルにセットされ、そして関連したソース・ライン(SL00)はハイ・レベルにセットされる。それに対して、データ“L”または“0”を書込む場合には、選択されないビット・ライン(例えば、BL00、BL02、BL03)はロー・レベルにセットされ、選択されたビット・ライン(例えば、BL01)はハイ・レベルにセットされ、そして関連したソース・ライン(SL00)はロー・レベルにセットされる。ビット・ライン・ドライバ(BLドライバ)、ビット・ライン・セレクト信号(BLセレクト)、ソース・ライン・ドライバ(SLドライバ)、およびソース・ライン・セレクト(SLセレクト)に対する対応信号も示されている。これらの機能をインプリメントするための回路および論理は下記においてさらに詳細に説明される。したがって、各信号の詳細な説明は提供されない。
【0032】
異なるデータ(データLまたはデータH)がブロック0およびブロック1に書込まれうることも注目されるべきである。例えば、データLをブロック0にそしてデータHをブロック1に書込むためには、図9のデータL書込み信号およびタイミングはブロック0に適用されることができ、そして図9のデータH書込み信号およびタイミングはブロック1に適用されることができる。
【0033】
図10Aは、ビット・ライン・セレクタ回路の一例を示す。例えば、インバータ842、NORゲート843、インバータ844と組み合わせたNANDゲート841に対する入力として、列アドレス入力(CAiおよびCAj)およびそれらのコンプリメント(complements)(CAib、CAjb)およびデータ信号DH0(ブロック0におけるデータ・ハイ(H))を使用して、適切なビット・ラインが選択でき、そしてレベル(例えば、H/L)が提供されうる。例えば、4つのビット・ラインの1つを選択するために、CAi、j(00、01、10、11)の2ビット入力が使用できる。データ・ハイ論理信号はインバータによってバッファされ、そしてインバータ842の出力と一緒にNORゲート843に提供されうる。したがって、データ信号DH0がハイである場合には、すべてのNORゲート843の出力が0(ロー)となり、そしてインバータ844の対応する出力はハイとなるであろう。しかし、出力データ信号DH0がローである場合には、NORゲート843の出力は、インバータ844の出力をも制御するであろうインバータ842の出力により(列アドレス入力に基づいて)制御されるであろう。したがって、その信号は、NORゲート843の出力がインバータ844に提供され、1つのビット・セルだけが選択される(または残りのビット・ライン選択信号とは異なる値にセットされる)ように、設定されうる。ビット・ライン・セレクタ804の出力(BLsel100−BLsel103)は、各ビット・ラインをイネーブル(enable)にするために対応するビット・ライン・ドライバ(例えば、BLドライバ00−03)と直列のトランジスタに与えられる。
【0034】
例えば、DH0がローである場合には、回路はセルにデータ“0”を書込むように構成される。選択されたBLはハイであり、ソース・ラインはローである。さらに、選択されたWLを使用するセルのすべてのソース・ラインはローである。選択されないセルでは、ビット・ラインは、選択されないセルへの無効なデータ“0”の書込みを阻止するためにローであるべきである。
【0035】
したがって、選択されたビット・ラインはハイであるが、他のラインはローであり、これは図7に示された状態とは逆の状態である。
【0036】
図10Bは、ビット・ライン・ドライバの一例を示す。列アドレス入力(CAiおよびCAj)から導出された信号(例えば、CAibjb、CAibj、CAijb、CAij)およびそれらのコンプリメント(CAib、CAjb)は、ビット・ライン・ドライバ(例えば、802に入力として与えられうる。例えば、これらの信号は別々に導出されうるかあるいは図10Aにおけるゲート841から取得されうる。インバータ852は、入力ノード851とトランジスタ(またはスイッチ)853(b)との間に結合される。他の経路が入力ノード851とトイランジスタ853(a)との間に提供される。トランジスタ853(a)および853(b)はインバータ854にも結合される。テータ信号DH0は、トランジスタ853(b)および853(a)の入力(ゲート)にそれぞれ与えられるコンプリメント(DH0b)およびノンコンプリメント信号(Dh0d)の両方を提供するために使用される。したがって、DH0がローのときには、853(b)を通るコンプリメント経路がアクティブであり、DH0がハイのときには、853(a)を通るノンコンプリメント経路がアクティブである。このようにして、適切なビット・ライン・レベル(例えば、H/L)が各ビット・ライン・ドライバ(BLドライバ00/01/02/03)から提供されうる。例えば、DH0=0である場合には(書込みデータがLであるときに)、BL00d=CAibjb/BL01d=CAibj/BL02d=CAijb/CA03d=CAijである。CAibjb/CAibj/CAijb/CAijのうちの1つだけがハイであるから、BL00d/01d/02d/03dのうちの1つだけばハイである。しかし、DH0=1である場合には(書込みデータがHであるときに)、BL00d=コンプリメント(CAibjb)/BL01d=コンプリメント(CAibj)/BL02=コンプリメント(CAijb)/CA03=コンプリメント(CAij)である。したがって、CAibjb/CAibj/CAijb/CAijのうちの1つだけがハイであるから、BL00d/01d/02d/03dのうちの1つだけばローとなるであろう。
【0037】
図11Aは、ワード・ライン・ドライバ(例えば、820)に対しておよびソース・ライン・セレクタ(例えば、830)に対しても使用されうる回路の一例を示す。例えば、図示のように、4つのワード・ラインおよび2つのソース・セレクト・ラインを仮定すると、NANDゲート825は、行アドレスiおよびj入力(RAiおよびRAj)およびそれらのコンプリメントを受け取ることができる。NANDゲート825の出力は、信号を反転させかつバッファしそして各ワード・ラインを駆動するためにインバータ826に与えられる。NANDゲートの出力はまた、適切なソース・ラインを選択するためにNANDゲートに対をなして(in pairs)与えられる。ソース・ラインは2つのセル間で共用されるので、ソース・ライン・セレクタは、2つの隣接したワード・ラインのいずれかがイネーブルされた場合にイネーブルされるように構成されうる。しかし、上記の回路は、2つまたはそれより多い独立の回路として構成されてももよい。たとえば、行アドレスiおよびj入力(RAiおよびRAj)は、NANDゲート825およびNANDゲート835を含むソース・セレクト回路に直接与えられてもよく、そしてNANDゲート835はワード・ライン・ドライバ回路から除去されてもよい。したがって、本発明の実施の形態は、ここに含まれた例示の構成には限定されない。
【0038】
図11Bは、ソース・ライン・ドライバの一例を示す。そのドライバは、インバータ836によってバッファされた信号DH0を受け取ることができる。2つのインバータが直列に存在しているから、DH0は図示のようにソース・ライン・ドライバ803によって反転されない。しかし、この構成は、単一の非反転増幅器/ドライバによって置換されうることが理解されるであろう。同様に、上記の回路はいずれも、同様の機能性を達成するために技術的に公知の部品を使用して修正されうる。したがって、ここに例示された実施の形態は、単に実例を提示することおよび説明のためのものであり、本発明の実施の形態の範囲を限定するように意図されたものではない。
【0039】
上記のことを考慮すると、本発明の実施の形態は、ここに論述された機能性を実現するための方法、ステップ、動作、シーケンス、アルゴリズム、および/またはプロセスを含むことも理解されるであろう。たとえば、1つの実施の形態は、共有ソース・ライン構成を有するSTT−MRAMアレイを形成するための方法を含むことができる。したがって、1つの実施の形態は、ビット・セルの第1の行のワード・ラインに対して実質的に平行でかつビット・ラインに対して実質的に垂直なソース・ラインを有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(Spin Transfer Torque Magnetoresistive Random Access Memory)(STT−MRAM)ビット・セル・アレイを形成することを備えた方法を含むことができる。態様は、ワード・ラインに対して実質的に平行なビット・セルの第2の行のワード・ラインを形成すること、およびビット・セルの第1および第2の行のうちの一方に結合されたビット・セルにソース・ラインを結合することをさらに含むことができる。メモリ・アレイに書込むための実施の形態は、ワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立すること、および第1のビット・セルのワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立することを含むことができる(例えば、図7および9を参照)。
【0040】
上記の開示は、本発明の例示的な実施の形態を示すが、添付請求項に定義された本発明の実施形態の範囲から逸脱することなしに、種々の変更および修正がここにおいてなされうることが留意されるべきである。ここにおいて記述された本発明の実施の形態による方法の機能、ステップおよび/または動作は、いかなる特定の順序で実施される必要はない。さらに、本発明の要素は単数で記述されまたは請求されうるが、単数に限定されことが明示的に記述されないかぎり、複数が意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、ランダムアクセスメモリ(RAM)に関する。さらに詳細には、本発明の実施の形態は、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)における書込み動作に関する。
【背景技術】
【0002】
ランダム・アクセス・メモリ(RAM)は、現代のデジタルアーキテクチャの遍在する部品(ubiquitous component)である。認識されるように、RAMは、スタンド・アローン・デバイスであってもよく、あるいはマイクロプロセッサ、マイクロコントロラ、特定用途向け集積回路(ASICs)、システム・オン・チップ(SoC)、および他の同様のデバイスのような、RAMを使用するデバイス内に集積または埋込みされてもよい。RAMは揮発性または不揮発性でありうる。揮発性RAMは、電力が除去されると、それの記憶された情報を失う。不揮発性RAMは、そのメモリから電力が除去されても、それのメモリ内容を維持できる。不揮発性RAMは電力を適用されずにそれの内容を維持できるという利点を有するが、従来の不揮発性RAMは揮発性RAMよりも遅い読出し/書込み時間を有する。
【0003】
磁気抵抗ランダム・メモリ(MRAM)は、揮発性メモリに匹敵する応答(読出し/書込み)時間を有する不揮発性メモリ技術である。データを電荷または電流として記憶する従来のRAM技術とは異なり、MRAMは磁気的要素を使用する。図1Aおよび1Bに示されているように、磁気トンネル接合(MTJ)記憶要素100は、それぞれ絶縁(トンネル障壁)層120によって分離され、磁界を保持できる2つの磁性層110および130で形成されうる。2つの層のうちの1つ(例えば、固定層110)は、特定の極性にセットされる。他の層(例えば、自由層130)の極性132は、印加されうる外部磁界の極性と合致するように自由に変化する。自由層130の極性132の変化は、MTJ記憶要素100の抵抗を変化させるであろう。
【0004】
例えば、図1Aのように、それら極性が一致している場合には、低抵抗状態が存在する。図1Bのように極性が一致していない場合には、高抵抗状態が存在する。MTJ100の図示は簡略化されており、図示された各層は、技術的に知られているように、1つのまたは複数の材料層を具備しうることが理解されるであろう。
【0005】
図2Aを参照すると、従来のMRAMのメモリセル200が読出し動作について例示されている。セル200は、トランジスタ210、ビット・ライン220、デジット・ライン230およびワード・ライン240を含んでいる。セル200は、MTJの電気抵抗を測定することによって読出されうる。例えば、特定のMTJ100は、MTJ100を通るビット・ライン220からの電流を切り替えることができる関連したトランジスタ210を活性化することによって選択されうる。トンネル磁気抵抗効果により、MTJ100の電気抵抗は、上述のように、1つの磁性層における極性の配向に基づいて、変化する。任意の特定のMTJ100内の抵抗は、自由層の極性から生ずる電流から決定されうる。従来は、固定層110および自由層130が同じ極性を有する場合には、抵抗は低く、「0」が読出される。固定層110と自由層130が逆極性を有する場合には、抵抗は高く、「1」が読出される。
【0006】
図2Bを参照すると、従来のMRAMのメモリセル200が書込み動作について例示されている。MRAMの書込み動作は、磁気的動作である。したがって、トランジスタ210は、書込み動作時にはオフである。電流がビット・ライン220およびデジット・ライン230を通じて伝播され、MTJ100の極性、したがって、セル200の論理状態に影響を及ぼしうる磁界250および260を確立する。したがって、データがMTJ100に書込まれて記憶される。
【0007】
MRAMは、高速度、高密度(すなわち、小さいビット・セル寸法)、低電力消費、時間に伴う劣化が無いのような、それを普遍的なメモリの候補にするいくつかの望ましい特性を有する。しかし、MRAMはスケーラビリティ問題(scalability issues)を有する。具体的には、ビット・セルが小さくなるにつれて、メモリ状態を切り替えるために使用される磁界が増大する。したがって、より高い磁界を提供するために電流密度および電力消費が増加して、MRAMのスケーラビリティを制限する。
【0008】
従来のMRAMとは異なり、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)は、電子が薄膜(スピン・フィルタ)を通過する際にスピン偏極となる電子を使用する。STT−MRAMは、スピン注入トルクRAM(STT−RAM)、スピントルク注入磁化スイッチングRAM(Spin-RAM)およびスピン・モーメント注入(Spin Momentum Transfer)(SMT−RAM)としても知られている。書込み動作時に、スピン偏極された電子が自由層にトルクを加え、それがその自由層の極性を切り替えることができる。前述のように、読出し動作は、MTJ記憶要素の抵抗/論理状態を検知するために電流が使用される点において、従来のMRAMと類似している。図3Aに示されているように、STT−MRAMビット・セル300は、MTJ305、トランジスタ310、ビット・ライン320およびワード・ライン330を含む。トランジスタ310は、論理状態が読出しまたは書込みできるように、MTJ305を通じて電流を流すことができるようにするために、読出しおよび書込み動作の両方に対してオンに切り替えられる。
【0009】
図3Bを参照すると、読出し/書込み動作についてさらに論述するために、STT−MRAMセル301のさらに詳細な図が示されている。MTJ305、トランジスタ310、ビット・ライン320およびワード・ライン340のような前述した要素に加えて、ソース・ライン340、検知増幅器、読出し/書込み回路360およびビット・ライン基準370が示されている。上述のように、STT−MRAM内の書込み動作は電気的である。読出し/書込み回路360は、ビット・ライン320とソース・ライン30の間に書込み電圧を生成する。ビット・ライン320とソース・ライン340との間の電圧の極性に依存して、MTJ305の自由層の極性が変更され、そしてそれに対応して論理状態がセル301に書込まれうる。同様に、読出し動作時には、読出し電流が生成され、MTJ305を通じてビット・ライン320とソース・ライン340との間に流れる。電流がトランジスタ310を通じて流される場合には、MTJ305の抵抗(論理状態)は、基準370と比較され、そして検知増幅器350によって増幅されるビット・ライン320とソース・ライン340との間の電圧差に基づいて決定されうる。メモリセル301の動作および構成は公知であることが認識されるであろう。付加的な詳細は、例えば、IEDM会議(2005)のプロシーディングスにおけるエム ホソイ、外のスピン注入トルク磁気抵抗磁化し切り替えを伴う新規な不揮発性メモリ:スピンRAMに提供されており、その全体が参照によってここに取り入れられる。
【0010】
STT−MRAMの電気的書込み動作は、MRAMにおける磁気的書込み動作によるスケーリング問題を排除する。さらに、STT−MRAMでは回路設計がより複雑でなくなる。図4Aに示されているようなSTT−MRAMアレイの従来の構成では、ソース・ライン(SL)は、ワード・ラインに対して直交でありかつビット・ライン(BL)に対して平行である。この構成は、ビット・セル・アレイに対して使用される面積を増大させ、そして大きいビット・セル寸法となる。従来の構成は、安定した書込み動作を促進する。例えば、書込み動作時には、状態「1」書込み(または「1」書込み)の場合には、選択されたビット・セル410に対してWL=H、BL=LおよびSL=Hであり、そして適切な書込み動作が実行されうる。ここで使用されているように、Hはハイ電圧/論理レベルを表し、そしてLはロー電圧/論理レベルを表す。選択されないビットセル420では、WL=H、BL=LおよびSL=Lであり、したがって、選択されないビットセル上には無効な書込み動作は存在しない。しかし、無効な書込み動作を防止するのを助成している間には、ラインが共用できず、図4Bに示されているようにソースラインに対して付加的な金属1(例えば図示のSL(M1))を生ずるので、従来の構成は、ビットセル当たりの使用される面積において非効率的である。図4Bの回路レイアウトにさらに示されているように、各ビットライン(BL)は、ソースラインに対して実質的に平行に延長している他の金属層(例えば、Mx)上に配置されうる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の例示的な実施の形態は、STT−MRAMにおける改良された書込み安定性および減少されたビットセル寸法のためのシステム、回路および方法に関する。
【0012】
本発明の1つの実施の形態は、ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、そのソース・ラインはビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるビット・セル・アレイを具備したスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)を含むことができる。
【0013】
本発明の他の実施の形態は、ビット・セルの第1の行のワード・ラインに対して実質的に平行でかつビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直なソース・ラインを有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)ビット・セル・アレイを形成することを具備する方法を含むことができる。
【0014】
本発明の他の実施の形態は、ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインは、ビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)にデータを書き込む方法であって、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立すること、および、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビットラ・イン上にハイ電圧を確立することとを具備する方法を含むことができる。
【0015】
本発明の他の実施の形態は、ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・セルの第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)であって、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にろー電圧を確立するための手段と、ビット・セルの第1の行のワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立するための手段とを具備するSTT−MRAMを含むことができる。
【0016】
添付図面は、本発明の実施の形態の説明を助長するために提示され、かつ実施の形態の限定のためではなく例示のためのみに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、磁気トンネル接合(MTJ)記憶要素の図である。
【図1B】図1Bは、磁気トンネル接合(MTJ)記憶要素の図である。
【図2A】図2Aは、読出し動作時における磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)の図である。
【図2B】図2Bは、書込み動作時における磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)の図である。
【図3A】図3Aは、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)ビット・セルの図である。
【図3B】図3Bは、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)ビット・セルの図である。
【図4A】図4Aは、STT−MRAMのための従来のビット・セル構成の概略図である。
【図4B】図4Bは、STT−MRAMのための従来のビット・セル構成のレイアウトである。
【図5】図5は、STT−MRAMビット・セルの簡略化された概略図である。
【図6A】図6Aは、従来の書込み論理回路を使用したSTT−MRAMのための小型(reduced size)ビット・セル構成の概略図である。
【図6B】図6Bは、小型(reduced size)ビット・セル構成のレイアウトである。
【図7】図7は、書込み論理レベルを含むSTT−MRAMのための小型(reduced size)ビット・セル構成の図である。
【図8】図8は、STT−MRAMアレイの図である。
【図9】図9は、図8のSTT−MRAMアレイにおけるブロック・メモリのためのシグナリング・タイミングの図である。
【図10A】図10Aは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうるビット・ライン・セレクタの図である。
【図10B】図10Bは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうるビット・ライン・ドライバの図である。
【図11A】図11Aは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうる組み合わせられたワード・ライン・ドライバおよびソ−ス・ライン・セレクタの図である。
【図11B】図11Bは、図8のSTT−MRAMアレイにおいて使用されうるソース・ライン・ドライバの図である。
【詳細な説明】
【0018】
本発明の実施の形態の態様が、本発明の特定の実施の形態に関する下記の説明および関連した図面において開示される。本発明の範囲から逸脱することなしに、他の実施形態が案出されうる。
【0019】
さらに、本発明の実施の形態の関連詳細を不明瞭にしないように、本発明の公知の要素は詳細には説明されないか、あるいは、省略される。
【0020】
「例示的な」という用語は、ここでは「例、事例、または例示として機能すること」を意味するように使用される。ここにおいて「例示的」として記述される実施の形態はいずれも、必ずしも他の実施の形態よりも好ましいまたは有益であるとして解釈されるべきではない。同様に、「本発明の実施の形態」という用語は、本発明のすべての実施の形態が論述された特徴、利益または動作モードを含むことを要求しない。
【0021】
ここにおいて使用される用語は、特定の実施の形態を記述する目的のためにすぎず、本発明の実施の形態を限定するようには意図されていない。ここで使用されるように、単数の形式、「1つの」(”a”)、「1つの」(”an”)、「その」(”the”)は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、複数の形式をも含むように意図されている。「具備する」(”comprises”)、「具備すること」(”comprising”)、「含む」(”includes”)および/または「含むこと」(”including”)という用語は、ここで使用される場合には、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0022】
さらに、実施の形態は、例えば、コンピューティング・デバイスの要素によって実行される動作のシーケンスに関して記述されうる。ここで記述される種々の動作は、特定の回路(例えば、特定用途集積回路(ASICs))により、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、あるいは両者の組み合わせによって行なわれうることが認識されるであろう。さらに、ここにおいて記述されるこれらの動作シーケンスは、実行されると、ここにおいて記述される機能性を関連プロセッサに実行させるコンピュータ命令の対応するセットを記憶された任意の形式のコンピュータ読取り可能記憶媒体内で完全に具現さると考えられうる。したがって、本発明の種々の態様は、すべて請求された主題の範囲内にあると意図された複数の異なる形式で具現されうる。さらに、ここに記述される実施の形態のそれぞれについて、各実施の形態の対応する形式が、例えば、上記の動作を実行する「ように構成された論理回路」("logic configured to”)として記述されうる。
【0023】
図5は、STT−MRAMビット・セルの簡略化された概略図である。そのビット・セルは、ワード・ライン・トランジスタ510に結合されたワード・ライン(WL)を含む。記憶要素520(例えば、MTJ)は、単純な抵抗として表示されている。トランジスタ510および記憶要素520は、ビット・ライン(BL)とソース・ライン(SL)との間に配置されている。状態「0」の場合の書込み動作時には、WL=H、BL=HおよびSL=Lであり、状態「1」の場合には、WL=H、BL=LおよびSL=Hである。ここにおいて使用されるように、Hはハイ電圧/論理レベルであり、そしてLはロー電圧/論理レベルである。電圧レベルは、供給電圧レベル(例えば、Vddおよび0)であってもよく、あるいは供給電圧レベルよりも高いかあるいは低くてもよい。上記の構成および状態条件は、本発明の実施の形態の論述のためのみに提供されており、論述された例示の構成または状態条件に実施の形態を限定するようには意図されていないことが理解されるであろう。
【0024】
図6Aを参照すると、縮小されたまたは最小のビットセル寸法を生成する、本発明の1つの実施の形態によるSTT−MRAMビット・セル・アレイの1つの構成が例示されている。図4に示されたような従来のデザインとは対照的に、ワード・ライン(WL)およびソース・ライン(SL)は、ビット・ライン(BL)に対して実質的に平行にかつ実質的に垂直に配列されている。
【0025】
例えば、図4Bに示されたレイアウトと比較すると、ソース・ラインに対して使用された、ビット・ラインに対して平行でかつワード・ラインに対して垂直な垂直金属1は、除去することができ、したがって、図6Bに示されているように、ビット・セル面積が大幅に縮小されうる。図4Bと対比すると、ソース・ライン(例えば、SL(M1))はビット・ラインに対してもはや平行ではないことが明らかである。したがって、図6Bの構成は、図4のソース・ラインに対して使用された付加的な平行金属ラインおよび接続の除去を可能にすることによって、縮小されたセル寸法を提供する。さらに、例示された構成を使用すると、ソース・ラインが所定のワード・ライン方向に沿ってすべてのセルに対して共用されうる。本発明のいくつかの実施の形態では、ソース・ラインは2つの隣接したビット・セルの間で共用することができ、かつ図示のようにワード・ライン(例えば、WL(Gp))の間に配置されうる。
【0026】
しかし、書込み動作のために従来の論理回路を使用することは、選択されないセル上に潜在的な無効の書込み動作を生ずる。例えば、“1”の書込み動作では、選択されたセル610は、WL=H、BL=LおよびSL=Hを有する。しかし、選択されないビット・セル620はまた、それぞれが同様の信号を印加される(すなわち、WL=H、BL=LおよびSL=H)ので、無効な書込みを受けることになるであろう。したがって、縮小ビット・セル寸法デザイン(reduced bit cell size design)において従来の書込み論理回路を使用することは、メモリ書込み動作時に問題を生ずるおそれがある。
【0027】
図7は、本発明の実施の形態によるSTT−MRAMの縮小ビット・セル・デザインにおける書込み動作に対する上記の問題に対する解決策を示す。図7を参照すると、選択されないビット・ライン725は、選択されないビット・セル720に対する無効な書込み動作を解決するために、書込み“1”動作時にハイ状態に駆動されうる。例えば、選択されたビットセル710に“1”を書込む場合には、書込みロジックは、WL(730)=H、BL(715)=LおよびSL(740)=Hをセットする。したがって、選択されないビット・セル720も、ビット・セル710の書込み動作時には、WL(730)=HおよびSL(740)=Hを有する。その場合、選択されないビット・セル720における無効な書込み動作を防止するために、選択されたビット・セル710に“1”を書込むための書込みサイクルの間に、選択されないBLs725がハイにセットされる。選択されないビット・ラインに対する書込み制御論理回路は、書込み動作時にハイ(H)電圧/論理レベルを適用するように設計されるであろうことが理解されうる。あるいは、選択されないビット・ラインは、その選択されないビット・ラインを通る電流を阻止するハイ・インピーダンス状態に置かれてもよい。書込み制御論理回路は、ここにおいて記述された機能性を実行可能な任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせを使用してインプリメントされうる。したがって、本発明の実施の形態は、記述された機能性を実行するために、ここにおいて例示された特定の回路または論理回路には限定されない。
【0028】
図8を参照すると、STT−MRAMアレイの一例が示されている。上述のように、1つの書込み構成において、アレイ内の選択されないビット・ライン(BLs)はハイ状態にセットされ、一方、セル801および811と関連した選択されたPLsはロー状態にセットされる。選択された信号は、矩形のボックスで示され、選択されたセルは円で示されている。したがって、ビット・セル801および811が選択されるために、ワード・ライン(WL)ドライバ820がWL1821を駆動する。WL1 821は、ワード・ライン821に沿ったセル801、811および他のセルと関連したアクセス(ワードライン)トランジスタを駆動する。同様に、ソース・ライン・セレクタ830は、ソース・ラインSL01およびSL11に結合されたセレクト・ライン831を駆動する。特に、セレクト・ライン831は、ソース・ライン・ドライバ803および813にそれぞれ結合されたソース・ラインSL01およびSL11に関連したトランジスタを駆動する。さらに、ビット・ライン・セレクタ804および814は、ビット・ライン・ドライバ802および812をそれぞれ選択する。上述のように、この例では、ビット・ライン・ドライバ802および812は、ロー・レベルにセットされることができ、そして残りの選択されないビット・ライン・ドライバはハイ・レベルにセットされることができるであろう。したがって、ビット・セル801および811がアレイ800から選択されうる。上記の例は、ブロック0およびブロック1において選択された特定のセルについて記述するが、例示された論理回路を使用して任意のセルが選択されることができたであろうことが理解されるであろう。さらに、両方のブロック内のセルが選択されなくてもよい。さらに、アレイ寸法は任意であり、必要に応じてスケール・アップまたはダウンでき、そして種々のドライバ/セレクタは、個々のビット・セルを選択する場合に多かれ少なかれ解決策を与えるように再設定されうることが理解されるであろう。例示された論理ブロックの具体的なインプリメンテーションについてのさらに詳細な論述が下記に提供される。しかし、これらの詳細は、事例として提供されているものであり、例示された回路、論理または上述した特徴に本発明の実施の形態を限定するようには意図されていない。
【0029】
図9は、図8のブロック0に関連したシグナリングのタイミング図を示す。さらに、下記は、ビット・ライン(BL)/ソース・ライン(SL)が0またはローレ・ベルに予めチャージされておりかつセルが図8に示されているように選択されているという仮定に基づいた種々の信号に対する条件のリストである。
【0030】
●データLを書込む
○ 選択されたBL=H
○ 選択されないBLs=フローティングL
○ 選択されたBL=Hに対するBL選択信号
○ 選択されないBL=Lに対するBL選択信号
○ 選択されたSL=L
○ 選択されないSL=フローティングL
○ 選択されたSL=Hに対するSL選択信号
○ 選択されないSL=Lに対するSL選択信号
●データHを書込む
○ 選択されたBL=L
○ 選択されないBLs=H
○ 選択されたBL=Hに対するBL選択信号
○ 選択されないBL=Hに対するBL選択信号
○ 選択されたSL=H
○ 選択されないSL=フローティングL
○ 選択されたSL=Hに対するSL選択信号
○ 選択されないSL=Lに対するSL選択信号
上記のように、Hはハイ電圧/論理レベルであり、Lはロー電圧/論理レベルであり、そしてこれらのレベルは供給電圧レベルであってもよく、あるいは供給電圧レベルより高いかあるいは低くてもよい。フローティングLという用語は、ラインがロー電圧源から切り離される前にロー電圧であったことを一般的に示す。
【0031】
上記のリストは、例示のためのみに提供されたものであり、それは、図9の例示されたタイミング信号と関連して、図8におけるブロック0のビット・セルの上記の選択を示す。例えば、上述のように、データ“H”また“1”を書込む場合には、選択されないビット・ライン(例えば、BL00、BL02.BL03)はハイ・レベルにセットされ、選択されたビット・ライン(例えば、BL01)はロー・レベルにセットされ、そして関連したソース・ライン(SL00)はハイ・レベルにセットされる。それに対して、データ“L”または“0”を書込む場合には、選択されないビット・ライン(例えば、BL00、BL02、BL03)はロー・レベルにセットされ、選択されたビット・ライン(例えば、BL01)はハイ・レベルにセットされ、そして関連したソース・ライン(SL00)はロー・レベルにセットされる。ビット・ライン・ドライバ(BLドライバ)、ビット・ライン・セレクト信号(BLセレクト)、ソース・ライン・ドライバ(SLドライバ)、およびソース・ライン・セレクト(SLセレクト)に対する対応信号も示されている。これらの機能をインプリメントするための回路および論理は下記においてさらに詳細に説明される。したがって、各信号の詳細な説明は提供されない。
【0032】
異なるデータ(データLまたはデータH)がブロック0およびブロック1に書込まれうることも注目されるべきである。例えば、データLをブロック0にそしてデータHをブロック1に書込むためには、図9のデータL書込み信号およびタイミングはブロック0に適用されることができ、そして図9のデータH書込み信号およびタイミングはブロック1に適用されることができる。
【0033】
図10Aは、ビット・ライン・セレクタ回路の一例を示す。例えば、インバータ842、NORゲート843、インバータ844と組み合わせたNANDゲート841に対する入力として、列アドレス入力(CAiおよびCAj)およびそれらのコンプリメント(complements)(CAib、CAjb)およびデータ信号DH0(ブロック0におけるデータ・ハイ(H))を使用して、適切なビット・ラインが選択でき、そしてレベル(例えば、H/L)が提供されうる。例えば、4つのビット・ラインの1つを選択するために、CAi、j(00、01、10、11)の2ビット入力が使用できる。データ・ハイ論理信号はインバータによってバッファされ、そしてインバータ842の出力と一緒にNORゲート843に提供されうる。したがって、データ信号DH0がハイである場合には、すべてのNORゲート843の出力が0(ロー)となり、そしてインバータ844の対応する出力はハイとなるであろう。しかし、出力データ信号DH0がローである場合には、NORゲート843の出力は、インバータ844の出力をも制御するであろうインバータ842の出力により(列アドレス入力に基づいて)制御されるであろう。したがって、その信号は、NORゲート843の出力がインバータ844に提供され、1つのビット・セルだけが選択される(または残りのビット・ライン選択信号とは異なる値にセットされる)ように、設定されうる。ビット・ライン・セレクタ804の出力(BLsel100−BLsel103)は、各ビット・ラインをイネーブル(enable)にするために対応するビット・ライン・ドライバ(例えば、BLドライバ00−03)と直列のトランジスタに与えられる。
【0034】
例えば、DH0がローである場合には、回路はセルにデータ“0”を書込むように構成される。選択されたBLはハイであり、ソース・ラインはローである。さらに、選択されたWLを使用するセルのすべてのソース・ラインはローである。選択されないセルでは、ビット・ラインは、選択されないセルへの無効なデータ“0”の書込みを阻止するためにローであるべきである。
【0035】
したがって、選択されたビット・ラインはハイであるが、他のラインはローであり、これは図7に示された状態とは逆の状態である。
【0036】
図10Bは、ビット・ライン・ドライバの一例を示す。列アドレス入力(CAiおよびCAj)から導出された信号(例えば、CAibjb、CAibj、CAijb、CAij)およびそれらのコンプリメント(CAib、CAjb)は、ビット・ライン・ドライバ(例えば、802に入力として与えられうる。例えば、これらの信号は別々に導出されうるかあるいは図10Aにおけるゲート841から取得されうる。インバータ852は、入力ノード851とトランジスタ(またはスイッチ)853(b)との間に結合される。他の経路が入力ノード851とトイランジスタ853(a)との間に提供される。トランジスタ853(a)および853(b)はインバータ854にも結合される。テータ信号DH0は、トランジスタ853(b)および853(a)の入力(ゲート)にそれぞれ与えられるコンプリメント(DH0b)およびノンコンプリメント信号(Dh0d)の両方を提供するために使用される。したがって、DH0がローのときには、853(b)を通るコンプリメント経路がアクティブであり、DH0がハイのときには、853(a)を通るノンコンプリメント経路がアクティブである。このようにして、適切なビット・ライン・レベル(例えば、H/L)が各ビット・ライン・ドライバ(BLドライバ00/01/02/03)から提供されうる。例えば、DH0=0である場合には(書込みデータがLであるときに)、BL00d=CAibjb/BL01d=CAibj/BL02d=CAijb/CA03d=CAijである。CAibjb/CAibj/CAijb/CAijのうちの1つだけがハイであるから、BL00d/01d/02d/03dのうちの1つだけばハイである。しかし、DH0=1である場合には(書込みデータがHであるときに)、BL00d=コンプリメント(CAibjb)/BL01d=コンプリメント(CAibj)/BL02=コンプリメント(CAijb)/CA03=コンプリメント(CAij)である。したがって、CAibjb/CAibj/CAijb/CAijのうちの1つだけがハイであるから、BL00d/01d/02d/03dのうちの1つだけばローとなるであろう。
【0037】
図11Aは、ワード・ライン・ドライバ(例えば、820)に対しておよびソース・ライン・セレクタ(例えば、830)に対しても使用されうる回路の一例を示す。例えば、図示のように、4つのワード・ラインおよび2つのソース・セレクト・ラインを仮定すると、NANDゲート825は、行アドレスiおよびj入力(RAiおよびRAj)およびそれらのコンプリメントを受け取ることができる。NANDゲート825の出力は、信号を反転させかつバッファしそして各ワード・ラインを駆動するためにインバータ826に与えられる。NANDゲートの出力はまた、適切なソース・ラインを選択するためにNANDゲートに対をなして(in pairs)与えられる。ソース・ラインは2つのセル間で共用されるので、ソース・ライン・セレクタは、2つの隣接したワード・ラインのいずれかがイネーブルされた場合にイネーブルされるように構成されうる。しかし、上記の回路は、2つまたはそれより多い独立の回路として構成されてももよい。たとえば、行アドレスiおよびj入力(RAiおよびRAj)は、NANDゲート825およびNANDゲート835を含むソース・セレクト回路に直接与えられてもよく、そしてNANDゲート835はワード・ライン・ドライバ回路から除去されてもよい。したがって、本発明の実施の形態は、ここに含まれた例示の構成には限定されない。
【0038】
図11Bは、ソース・ライン・ドライバの一例を示す。そのドライバは、インバータ836によってバッファされた信号DH0を受け取ることができる。2つのインバータが直列に存在しているから、DH0は図示のようにソース・ライン・ドライバ803によって反転されない。しかし、この構成は、単一の非反転増幅器/ドライバによって置換されうることが理解されるであろう。同様に、上記の回路はいずれも、同様の機能性を達成するために技術的に公知の部品を使用して修正されうる。したがって、ここに例示された実施の形態は、単に実例を提示することおよび説明のためのものであり、本発明の実施の形態の範囲を限定するように意図されたものではない。
【0039】
上記のことを考慮すると、本発明の実施の形態は、ここに論述された機能性を実現するための方法、ステップ、動作、シーケンス、アルゴリズム、および/またはプロセスを含むことも理解されるであろう。たとえば、1つの実施の形態は、共有ソース・ライン構成を有するSTT−MRAMアレイを形成するための方法を含むことができる。したがって、1つの実施の形態は、ビット・セルの第1の行のワード・ラインに対して実質的に平行でかつビット・ラインに対して実質的に垂直なソース・ラインを有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(Spin Transfer Torque Magnetoresistive Random Access Memory)(STT−MRAM)ビット・セル・アレイを形成することを備えた方法を含むことができる。態様は、ワード・ラインに対して実質的に平行なビット・セルの第2の行のワード・ラインを形成すること、およびビット・セルの第1および第2の行のうちの一方に結合されたビット・セルにソース・ラインを結合することをさらに含むことができる。メモリ・アレイに書込むための実施の形態は、ワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立すること、および第1のビット・セルのワード・ラインおよびソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立することを含むことができる(例えば、図7および9を参照)。
【0040】
上記の開示は、本発明の例示的な実施の形態を示すが、添付請求項に定義された本発明の実施形態の範囲から逸脱することなしに、種々の変更および修正がここにおいてなされうることが留意されるべきである。ここにおいて記述された本発明の実施の形態による方法の機能、ステップおよび/または動作は、いかなる特定の順序で実施される必要はない。さらに、本発明の要素は単数で記述されまたは請求されうるが、単数に限定されことが明示的に記述されないかぎり、複数が意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・ラインの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるビット・セル・アレイを具備する、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)。
【請求項2】
ビット・セルの第2の行に結合されたワード・ラインをさらに具備し、前記ソース・ラインは、ビット・セルの前記第2の行に結合される、請求項1のSTT−MRAM。
【請求項3】
前記ソース・ラインは、ビット・セルの前記第1の行とビット・セルの第2の行の前記ワード・ラインとの間に配置される、請求項1のSTT−MRAM。
【請求項4】
前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合されたビット・セルの前記第1の行における選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立巣量に構成されかつ前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合されたビット・ラインの前記第1の行における選択されないビット・セルのビット・セル上にハイ電圧を確立するように構成された論理回路をさらに具備する、請求項1のSTT−MRAM。
【請求項5】
前記ハイ電圧は供給電圧レベルであり、そして前記ロー電圧は接地レベルである、請求項4のSTT−MRAM。
【請求項6】
前記選択されたセルのビット・ライン上にロー電圧を確立するように構成された前記論理回路は、複数のビット・ライン・ドライバに結合されたビット・ライン・セレクト論理回路を具備する、請求項4のSTT−MRAM。
【請求項7】
前記ビット・ライン・セレクト論理回路は、複数の列アドレス信号および1つのデータ・ハイ信号を受信するように構成される、請求項6のSTT−MRAM。
【請求項8】
前記複数のビット・ライン・ドライバのそれぞれは、前記ビット・ライン・セレクト論理回路からのセレクト信号に基づいて関連ビット・ラインに結合される、請求項7のSTT−MRAM。
【請求項9】
前記セレクト信号は、前記列セレクト・アドレス信号および前記列セレクト・信号のコンプリメントから導出される、請求項8のSTT−MRAM。
【請求項10】
前記列セレクト・アドレス信号およびそれらのコンプリメントは、NANDゲートに与えられ、そして前記NAND回路の出力は、各ビット・ライン・ドライバに入力される、請求項9のSTT−MRAM。
【請求項11】
ビット・セルの前記第1および第2の行の前記ワード・ラインを駆動するように構成された論理回路および前記ソース・ラインを選択するように構成された論理回路をさらに具備する、請求項2のSTT−MRAM。
【請求項12】
前記ワード・ラインを駆動するための前記論理回路および前記ソース・ラインを選択するように構成された前記論理回路は結合される、請求項11のSTT−MRAM。
【請求項13】
ビット・セルの前記第1および第2の行の前記ワード・ラインを駆動するように構成された前記論理回路は、行アドレス入力に結合され、そして前記ソース・ラインを選択するように構成された前記論理回路は、前記ワード・ラインを駆動するように構成された前記論理回路に結合される、請求項12のSTT−MRAM。
【請求項14】
ビット・セルの前記第1および第2の行の前記ダード・ラインを駆動するように構成された論理回路は、
2つの行アドレス入力に結合されかつビット・セルの前記第1の行の前記ワード・ラインを駆動するために第1のインバータに結合された出力を有する第1のNANDゲート;および
2つの行アドレス入力に結合されかつビット・セルの前記第2の行の前記ワード・ラインを駆動するために第2のインバータに結合された出力を有する第2のNANDゲート
を具備する、請求項13のSTT−MRAM。
【請求項15】
前記ソース・ラインを選択するように構成された前記論理回路は、前記第1および第2のNANDゲートの出力に結合された入力およびソース・ライン・セレクト信号を生成するための出力を有する第3のNANDゲートを具備する、請求項13のSTT−MRAM。
【請求項16】
ビット・セルの第1の行のワード・ラインに対して実質的に平行でかつビット・セルの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して垂直なソース・ラインを有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)を形成すること、
を具備する方法。
【請求項17】
ビット・セルの前記第1の行と実質的に平行にビット・セルの第2の行に結合されたワード・ラインを形成すること、および
前記ソース・ラインをビット・セルの前記第2の行に結合すること、
をさらに具備する、請求項16の方法。
【請求項18】
ビット・セルの前記第1および第2の行の間に前記ソース・ラインを配置することをさらに具備する、請求項16の方法。
【請求項19】
ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・ラインの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)にデータを書込むための方法であって、
ビット・セルの前記第1の行の前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立すること、および
ビット・セルの前記第1の行の前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立すること、
を具備する方法。
【請求項20】
前記ハイ電圧は供給電圧レベルであり、そして前記ロー電圧は接地レベルである、請求項19の方法。
【請求項21】
前記選択されたセルのビット・ライン上にロー電圧を確立することは、
ビット・ライン・セレクト信号を生成すること、および
前記ビット・ライン・セレクト信号に基づいてビット・ライン・ドライバをアクティブにすることまたは非アクティブにすること、
を具備する、請求項19の方法。
【請求項22】
前記ビット・ライン・セレクト信号は、複数の列アドレス信号および1つのデータ・ハイ信号から生成される、請求項21の方法。
【請求項23】
前記複数のビット・ライン・ドライバのそれぞれは、前記ビット・ライン・セレクト信号のうちの1つに基づいて関連ビット・ラインに結合される、請求項22の方法。
【請求項24】
前記ビット・ライン・セレクト信号は、前記列アドレス信号および前記列アドレス信号のコンプリメントから導出される、請求項22の方法。
【請求項25】
前記列セレクト・アドレス信号およびそれらのコンプリメントはNANDゲートに与えられ、そして前記NANDゲートの出力は各ビット・ライン・ドライバに入力される、請求項24の方法。
【請求項26】
ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・セルの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)であって、
ビット・セルの前記第1の行のワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立するための手段、および
ビット・セルの前記第1の行のワード・ライン及び前記ソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立するための手段、
を具備するSTT−MRAM。
【請求項27】
前記選択されたセルのビット・ライン上にロー電圧を確立するための手段は、
ビット・ライン・セレクト信号を生成するための手段、および
前記ビット・ライン・セレクト信号に基づいてビット・ライン・ドライバをアクティブにするまたは非アクティブにするための手段、
を具備する、請求項26のSTT−MRAM。
【請求項28】
前記ビット・ライン・セレクト信号を生成するための前記手段は、複数の列アドレス信号および1つのデータ・ハイ信号を受け取る、請求項27のSTT−MRAM。
【請求項29】
前記ビット・ライン・ドライバは、列アドレス信号および前記列アドレス信号のコンプリメントに結合される、請求項27のSTT−MRAM。
【請求項1】
ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・ラインの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるビット・セル・アレイを具備する、スピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)。
【請求項2】
ビット・セルの第2の行に結合されたワード・ラインをさらに具備し、前記ソース・ラインは、ビット・セルの前記第2の行に結合される、請求項1のSTT−MRAM。
【請求項3】
前記ソース・ラインは、ビット・セルの前記第1の行とビット・セルの第2の行の前記ワード・ラインとの間に配置される、請求項1のSTT−MRAM。
【請求項4】
前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合されたビット・セルの前記第1の行における選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立巣量に構成されかつ前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合されたビット・ラインの前記第1の行における選択されないビット・セルのビット・セル上にハイ電圧を確立するように構成された論理回路をさらに具備する、請求項1のSTT−MRAM。
【請求項5】
前記ハイ電圧は供給電圧レベルであり、そして前記ロー電圧は接地レベルである、請求項4のSTT−MRAM。
【請求項6】
前記選択されたセルのビット・ライン上にロー電圧を確立するように構成された前記論理回路は、複数のビット・ライン・ドライバに結合されたビット・ライン・セレクト論理回路を具備する、請求項4のSTT−MRAM。
【請求項7】
前記ビット・ライン・セレクト論理回路は、複数の列アドレス信号および1つのデータ・ハイ信号を受信するように構成される、請求項6のSTT−MRAM。
【請求項8】
前記複数のビット・ライン・ドライバのそれぞれは、前記ビット・ライン・セレクト論理回路からのセレクト信号に基づいて関連ビット・ラインに結合される、請求項7のSTT−MRAM。
【請求項9】
前記セレクト信号は、前記列セレクト・アドレス信号および前記列セレクト・信号のコンプリメントから導出される、請求項8のSTT−MRAM。
【請求項10】
前記列セレクト・アドレス信号およびそれらのコンプリメントは、NANDゲートに与えられ、そして前記NAND回路の出力は、各ビット・ライン・ドライバに入力される、請求項9のSTT−MRAM。
【請求項11】
ビット・セルの前記第1および第2の行の前記ワード・ラインを駆動するように構成された論理回路および前記ソース・ラインを選択するように構成された論理回路をさらに具備する、請求項2のSTT−MRAM。
【請求項12】
前記ワード・ラインを駆動するための前記論理回路および前記ソース・ラインを選択するように構成された前記論理回路は結合される、請求項11のSTT−MRAM。
【請求項13】
ビット・セルの前記第1および第2の行の前記ワード・ラインを駆動するように構成された前記論理回路は、行アドレス入力に結合され、そして前記ソース・ラインを選択するように構成された前記論理回路は、前記ワード・ラインを駆動するように構成された前記論理回路に結合される、請求項12のSTT−MRAM。
【請求項14】
ビット・セルの前記第1および第2の行の前記ダード・ラインを駆動するように構成された論理回路は、
2つの行アドレス入力に結合されかつビット・セルの前記第1の行の前記ワード・ラインを駆動するために第1のインバータに結合された出力を有する第1のNANDゲート;および
2つの行アドレス入力に結合されかつビット・セルの前記第2の行の前記ワード・ラインを駆動するために第2のインバータに結合された出力を有する第2のNANDゲート
を具備する、請求項13のSTT−MRAM。
【請求項15】
前記ソース・ラインを選択するように構成された前記論理回路は、前記第1および第2のNANDゲートの出力に結合された入力およびソース・ライン・セレクト信号を生成するための出力を有する第3のNANDゲートを具備する、請求項13のSTT−MRAM。
【請求項16】
ビット・セルの第1の行のワード・ラインに対して実質的に平行でかつビット・セルの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して垂直なソース・ラインを有するスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)を形成すること、
を具備する方法。
【請求項17】
ビット・セルの前記第1の行と実質的に平行にビット・セルの第2の行に結合されたワード・ラインを形成すること、および
前記ソース・ラインをビット・セルの前記第2の行に結合すること、
をさらに具備する、請求項16の方法。
【請求項18】
ビット・セルの前記第1および第2の行の間に前記ソース・ラインを配置することをさらに具備する、請求項16の方法。
【請求項19】
ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・ラインの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)にデータを書込むための方法であって、
ビット・セルの前記第1の行の前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立すること、および
ビット・セルの前記第1の行の前記ワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立すること、
を具備する方法。
【請求項20】
前記ハイ電圧は供給電圧レベルであり、そして前記ロー電圧は接地レベルである、請求項19の方法。
【請求項21】
前記選択されたセルのビット・ライン上にロー電圧を確立することは、
ビット・ライン・セレクト信号を生成すること、および
前記ビット・ライン・セレクト信号に基づいてビット・ライン・ドライバをアクティブにすることまたは非アクティブにすること、
を具備する、請求項19の方法。
【請求項22】
前記ビット・ライン・セレクト信号は、複数の列アドレス信号および1つのデータ・ハイ信号から生成される、請求項21の方法。
【請求項23】
前記複数のビット・ライン・ドライバのそれぞれは、前記ビット・ライン・セレクト信号のうちの1つに基づいて関連ビット・ラインに結合される、請求項22の方法。
【請求項24】
前記ビット・ライン・セレクト信号は、前記列アドレス信号および前記列アドレス信号のコンプリメントから導出される、請求項22の方法。
【請求項25】
前記列セレクト・アドレス信号およびそれらのコンプリメントはNANDゲートに与えられ、そして前記NANDゲートの出力は各ビット・ライン・ドライバに入力される、請求項24の方法。
【請求項26】
ビット・セルの第1の行に結合されたワード・ラインに対して実質的に平行なソース・ラインを有し、前記ソース・ラインはビット・セルの前記第1の行に結合されたビット・ラインに対して実質的に垂直であるスピン注入トルク磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(STT−MRAM)であって、
ビット・セルの前記第1の行のワード・ラインおよび前記ソース・ラインに結合された選択されたビット・セルのビット・ライン上にロー電圧を確立するための手段、および
ビット・セルの前記第1の行のワード・ライン及び前記ソース・ラインに結合された選択されないビット・セルのビット・ライン上にハイ電圧を確立するための手段、
を具備するSTT−MRAM。
【請求項27】
前記選択されたセルのビット・ライン上にロー電圧を確立するための手段は、
ビット・ライン・セレクト信号を生成するための手段、および
前記ビット・ライン・セレクト信号に基づいてビット・ライン・ドライバをアクティブにするまたは非アクティブにするための手段、
を具備する、請求項26のSTT−MRAM。
【請求項28】
前記ビット・ライン・セレクト信号を生成するための前記手段は、複数の列アドレス信号および1つのデータ・ハイ信号を受け取る、請求項27のSTT−MRAM。
【請求項29】
前記ビット・ライン・ドライバは、列アドレス信号および前記列アドレス信号のコンプリメントに結合される、請求項27のSTT−MRAM。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【公開番号】特開2013−93592(P2013−93592A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−270584(P2012−270584)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2011−516470(P2011−516470)の分割
【原出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270584(P2012−270584)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2011−516470(P2011−516470)の分割
【原出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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