説明

置換ピラゾリン化合物、その調製および医薬品としてのその使用

本発明は、置換ピラゾリン化合物、その調製方法、これらの化合物を含む医薬品はもちろんのこと、ヒトおよび動物の処置のための医薬品の調製へのその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ピラゾリン化合物、その調製方法、これらの化合物を含む医薬品はもちろんのこと、ヒトおよび動物の処置のための医薬品の調製へのその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
トリグリセリドは、食物中にはもちろんのこと、体内においても大半の脂質が存在する化学形である。トリグリセリドは、血漿中に存在して、コレステロールと共に血漿脂質を形成する。血漿中のトリグリセリドは、消費された脂肪に直接由来するか、または例えば炭水化物から合成される。過剰な食物摂取は、トリグリセリドに変換され、運搬されて脂肪細胞に貯蔵される。トリグリセリドの上昇は、疾患状態、例えば未処置真性糖尿病の結果でもあり得る。血漿中の過剰なリグリセリド(トリグリセリド過剰血)は、冠状動脈疾患およびおそらく他の障害の発生に関係している。
【0003】
したがって、特に血漿中のトリグリセリドに効果を有する化合物は、関連障害の防止および/または処置において有用である。
【0004】
したがって本発明の目的は、血漿中トリグリセリド濃度の調節、特に低下に適切である、医薬品中の活性物質として使用するための新規な化合物を提供することである。
【0005】
前記目的は、以下に与える一般式Iの置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、その対応する塩および対応する溶媒和化合物を提供することによって達成される。
【0006】
これらの化合物が、血漿中のトリグリセリドの濃度に対して顕著な効果を有することが見出されている。
【0007】
したがって本発明は、その態様の1つにおいて、一般式
【化1】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
5およびR6は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10ならびに−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
7は、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10ならびに−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物に関する。
【0008】
式Iによるこれらの化合物に対して、以下の条件:
1およびR7が、Hであり、R5およびR6の両方が、フェニル環の3および4位置においてClを表す場合、R2、R3およびR4の残りの2つが、どちらもHを表すならば、R2、R3およびR4のいずれもフェニル環の4位置においてFを表さないという条件が適用されると非常に好ましい。
【0009】
これらの化合物は、食事関連物質、例えばトリグリセリドの血中濃度に驚くべき効果があった。
【0010】
1つ以上の置換基によって置換できる好ましい直鎖または分岐、飽和または不飽和脂肪族基は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、ビニル、エチニル、プロペニル、プロピニル、ブテニルおよびブチニルからなる群より選択されてもよい。
【0011】
本発明の状況において、アルキルおよびシクロアルキルラジカルは、非置換、1置換または多置換であり得る、飽和および不飽和(しかし芳香族ではない)、分岐、非分岐および環式の炭化水素を意味するとして理解される。これらのラジカルにおいて、C1-2アルキルは、C1またはC2アルキルを表し、C1-3アルキルは、C1、C2またはC3アルキルを表し、C1-4アルキルは、C1、C2、C3またはC4アルキルを表し、C1-5アルキルは、C1、C2、C3、C4、またはC5アルキルを表し、C1-6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5またはC6アルキルを表し、C1-7アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、C6またはC7アルキルを表し、C1−8アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7またはC8アルキルを表し、C1-10アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9またはC10アルキルを表し、そしてC1-18アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、またはC18アルキルを表す。さらにC3-4シクロアルキルは、C3またはC4シクロアルキルを表し、C3-5シクロアルキルは、C3、C4またはC5シクロアルキルを表し、C3-6シクロアルキルは、C3、C4、C5またはC6シクロアルキルを表し、C3-7シクロアルキルは、C3、C4、C5、C6またはC7シクロアルキルを表し、C3-8シクロアルキルは、C3、C4、C5、C6、C7またはC8シクロアルキルを表し、C4-5シクロアルキルは、C4またはC5シクロアルキルを表し、C4-6シクロアルキルは、C4、C5またはC6シクロアルキルを表し、C4-7シクロアルキルは、C4、C5、C6またはC7シクロアルキルを表し、C5-6シクロアルキルは、C5またはC6シクロアルキルを表し、C5-7シクロアルキルは、C5、C6またはC7シクロアルキルを表す。シクロアルキルについては、用語は、1または2個の炭素原子がヘテロ原子S、NまたはOによって置換された飽和シクロアルキルも含む。しかしながら、環内にヘテロ原子のないモノ不飽和または多不飽和、好ましくはモノ不飽和シクロアルキルも特に、該シクロアルキルが芳香族系でない限り、用語シクロアルキルに該当する。アルキルおよびシクロアルキルラジカルは、好ましくはメチル、エチル、ビニル(エテニル)、プロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、および、ピラゾリノン、オキソピラゾリノン、[1,4]−ジオキサンまたはジオキソランはもちろんのこと、アダマンチル、(置換された場合には、CHF2、CF3またはCH2OHも)もである。
【0012】
ここでアルキルおよびシクロアルキルに関連して、別途明示的に定義しない限り、本発明の状況において置換されたという用語は、少なくとも1個の水素ラジカルのF、Cl、Br、I、NH2、SHまたはOHによる置換を意味すると理解され、「多置換」ラジカルは、置換が、同じまたは異なる置換基によって、異なる原子および同じ原子の両方に複数回、例えば同じC原子に3回ならば、CF3の場合のように、または、異なる箇所に3回ならば、−CH(OH)−CH=CH−CHCl2の場合にように実施されることを意味するとして理解される。ここで特に好ましい置換基は、F、ClおよびOHである。シクロアルキルについては、水素ラジカルは、OC1-3アルキルまたはC1-3アルキル(それぞれの場合で一置換または多置換または非置換)、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、CF3、メトキシまたはエトキシによっても置換できる。
【0013】
用語(CH23-6は、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−および−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−を意味するとして理解され、(CH21-4は、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−および−CH2−CH2−CH2−CH2−を意味するとして理解され、(CH24-5は、−CH2−CH2−CH2−CH2−および−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−などを意味するとして理解される。
【0014】
アリールラジカルは、少なくとも1つの芳香環を持つが、環の1つにおいてでさえヘテロ原子を持たない環系を意味するとして理解される。例としては、フェニル、ナフチル、フルオランテニル、フルオレニル、テトラリニルまたはインダニル、特に9H−フルオレニルまたはアントラセニルラジカルであり、それは非置換または一置換または多置換できる。
【0015】
ヘテロアリールラジカルは、少なくとも1つの不飽和環を有し、窒素、酸素および/または硫黄からなる群より選択される1つ以上のヘテロ原子を含有することが可能であり、モノまたは多置換できる、ヘテロ環系を意味するとして理解される。ヘテロアリールの群から挙げられる例は、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、カルバゾール、およびキナゾリンである。
【0016】
ここでアリールおよびヘテロアリールに関連して、「置換された」は、アリールまたはヘテロアリールの、R、OR、ハロゲン、好ましくはFおよび/またはCl、CF3、CN、NO2、NRR、C1-6アルキル(飽和)、C1-6アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C3-8シクロアルキルまたはC2-6アルキレンによる置換を意味するとして理解される。
【0017】
「塩」という用語は、イオン形を取るか、または荷電されて、対イオン(カチオンまたはアニオン)と結合するか、または溶解している、本発明によって使用された活性化合物のいずれの形も意味するとして理解される。このことは、活性化合物の他の分子およびイオンとの錯体、特にイオン性相互作用によって錯化される錯体も意味するとして理解される。
【0018】
「生理学的に許容される塩」という用語は、本発明の状況では、処置に適切に使用される場合、特にヒトおよび/または哺乳類に使用または塗布した場合、生理学的に容認される塩を意味する(ほとんどの場合、常に毒性でないこと、特に毒性が対イオンによって引き起こされないことを意味する)。
【0019】
これらの生理学的に許容される塩は、カチオンまたは塩基を用いて形成可能であり、本発明の状況では、特にヒトおよび/または哺乳類に使用した場合に生理学的に容認される、アニオンとして少なくとも1つの好ましくは無機のカチオンと共に本発明によって使用される化合物、普通は(脱プロトン化された)酸の少なくとも1つの塩を意味するとして理解される。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩は特に、そしてNH4を含む塩も好ましいが、特に(モノ)−または(ジ)ナトリウム、(モノ)−または(ジ)カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩が好ましい。
【0020】
アニオンまたは酸によって形成できるこれらの生理学的に許容される塩は、本発明の状況では、特にヒトおよび/または哺乳類に使用した場合に生理学的に容認される、カチオンとして少なくとも1つのアニオンと共に本発明によって使用される、普通は例えば窒素上で脱プロトン化された化合物の少なくとも1つの塩を意味するとして理解される。このことにより、特に本発明の状況では、特にヒトおよび/または哺乳類に使用した場合に生理学的に容認される塩、すなわち生理学的に容認される酸によって形成される、特定の活性化合物の無機または有機酸との塩が理解される。特定の酸の生理学的に容認される塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸またはクエン酸の塩である。
【0021】
本発明による「溶媒和化合物」という用語は、本発明による活性化合物のいずれかの形を意味するとして理解され、そこでは本化合物は、非共有結合を介してそれに結合した、特にヒドレートおよびアルコラート、例えばメタノラートを含む別の分子(たいていは極性溶媒)を有する。
【0022】
別途記載しない限り、本発明の化合物は、1つ以上の同位体標識原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことにもなっている。例えば、重水素または三重水素により水素が置換されていることを除いて、あるいは、13Cもしくは14C標識炭素または15N標識窒素により炭素が置換されていることを除いて本構造と同じ構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
【0023】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R2、R3またはR4の少なくとも1つは、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つは、水素とは異なる。
【0024】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R7は水素を表す。
【0025】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R2、R3およびR4は互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1−C6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0026】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R5およびR6は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R5およびR6は、互いに独立して、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0027】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R2は、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4は、水素を表す。
【0028】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R5およびR6は、それぞれ、フェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7は、水素を表す。
【0029】
式Iによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R1は、水素、メチルまたはエチル、好ましくは、水素を表す。
本発明の非常に好ましいさらなる態様において、一般式Iの化合物は、一般式II
【化2】

【0030】
(式中、
1は、水素または直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
12またはR13は、互いに独立して、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表し、
14またはR15は、互いに独立して、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
の化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物によって表される。
【0031】
式IIによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R12およびR13は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R12およびR13は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0032】
式IIによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R14およびR15は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R14およびR15は、互いに独立して、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0033】
式IIによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R13はClを表し、R12は水素を表す。
【0034】
式IIによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R14およびR15はそれぞれClを表す。
【0035】
式IIによる化合物のための本発明の好ましい実施形態において、R1は水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表す。
【0036】
別の好ましい実施形態において、式IまたはIIによる化合物は、
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択される。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態は、上述の本発明の化合物を含むいずれの医薬品およびそのいずれの使用も対象とするのはもちろんのこと、特にそのエステルおよびエーテルを含む、本発明の化合物のいかなるプロドラッグも対象とする。所与の作用化合物のプロドラッグを生成する周知の方法の例は、当業者に既知であり、例えばKrogsgaard−Larsen et al.,Textbook of Drugdesign and Discovery,Taylor & Francis(April 2002)に見出すことができる。
【0038】
本発明の別の態様は、一般式I
【化3】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10および−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
一般式X
【化4】

(式中、
16は、場合により少なくとも一置換のフェニル基を表し、
17は、場合により少なくとも一置換のフェニル基を表し、
18は、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、場合により少なくとも一置換のアリールまたはヘテロアリール基;あるいは−NR1920−部分を表し、
19およびR20は、R19およびR20は等しく水素を表さないという条件のもとで、同一または異なり、水素原子、非分岐または分岐、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の脂肪族ラジカル、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、および/または、直鎖もしくは分岐アルキレン基部分を介して結合できる、場合により少なくとも一置換のアリールまたはヘテロアリール基;−SO2−R21−部分;または−NR2223−部分を表し、
21は、直鎖または分岐、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の脂肪族基;単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは単環または多環系と縮合していてもよい、および/または、直鎖もしくは分岐アルキレン基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換のアリールまたはヘテロアリール基を表し、
22およびR23は、同一または異なり、水素原子、非分岐または分岐、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、および/または、直鎖もしくは分岐アルキレン基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
を含む、化合物の組合せである。
【0039】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つは、水素とは異なる。
【0040】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R5、R6またはR7の少なくとも1つは、水素とは異なる。
【0041】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0042】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0043】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R2は、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4は、水素を表す。
【0044】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R5およびR6は、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7は、水素を表す。
【0045】
式Iによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R1は、水素、メチル、またはエチル、好ましくは水素を表す。
【0046】
本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、一般式Iの化合物は、一般式II
【化5】

(式中、
1は、水素または直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
12、R13、R14またはR15は、互いに独立して、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
の化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物によって表される。
【0047】
式IIによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R12およびR13は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R12およびR13は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0048】
式IIによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R14およびR15は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R14およびR15は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0049】
式IIによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R13はClを表し、R12は水素を表す。
【0050】
式IIによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R14およびR15はそれぞれClを表す。
【0051】
式IIによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R1は水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表す。
【0052】
本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、式IまたはIIによる化合物は、
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択される。
【0053】
式Xによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R16は、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R’、SH、SR’、SOR’、SO2R’、NH2、NHR’、NR’R”、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR’および−(C=O)−NR’R”からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、それにより各置換基のR’およびR”は、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、好ましくは、R16はメチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3からなる群より選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、さらに好ましくは、R16は塩素原子によって4位置で一置換されたフェニル基を表す。
【0054】
式Xによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R17は、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R’、SH、SR’、SOR’、SO2R’、NH2、NHR’、NR’R”、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR’および−(C=O)−NR’R”からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、それにより各置換基のR’および場合によりR”は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、好ましくは、R17はメチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、さらに好ましくは、R17は2個の塩素原子によってその2および4位置で二置換されたフェニル基を表す。
【0055】
式Xによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R18は、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、場合により少なくとも一置換の5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基;あるいは−NR1920−部分を表し、好ましくは、R18は場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により1つ以上の窒素原子を環員として含有するC3-8脂環式基;または−NR1920−部分を表し、さらに好ましくは、R18はそれによりこれらの基がそれぞれ1つ以上のC1-6アルキル基によって置換できるピロリジニル基、ピペリジニル基またはピペラジニル基、あるいは−NR1819−部分を表す。
【0056】
式Xによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R19およびR20は、同一または異なり、水素原子、非分岐または分岐、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換のC1-6脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、および/または、メチレン(−CH2−)もしくはエチレン(−CH2−CH2)基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換の、5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基;−SO2−R21−部分;あるいは−NR2223−部分を表し、
好ましくは、これらの残基R19およびR20の一方が水素原子を表し、これらの残基R19およびR20の他方が場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、場合により少なくとも一置換の、5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基;−SO2−R21−部分;あるいは、−NR2223−部分を表し、
あるいはR19およびR20は、同一または異なり、それぞれC1-6アルキル基を表し、
さらに好ましくは、これらの残基R19およびR20の一方は水素原子を表し、これらの残基R19およびR20の他方は、場合により少なくとも一置換されたピロリジニル基、場合により少なくとも一置換されたピペリジニル基、場合により少なくとも一置換されたピペラジニル基、場合により少なくとも一置換されたチアゾリル基、−SO2−R21−部分、または、−NR2223−部分を表し、
あるいはR19およびR20は、同一もしくは異なり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表す。
【0057】
式Xによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R21は、直鎖または分岐、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換のC1-6脂肪族基、単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは単環または多環系と縮合していてもよい、および/または、メチレン(−CH2−)もしくはエチレン(−CH2−CH2−)基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換の5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基を表し、
好ましくは、R21は、C1-6アルキル基;単環または多環系と縮合していてもよい、飽和の、場合により少なくとも一置換の脂環式基;または、場合により1つ以上のC1-6アルキル基によって置換されるフェニル基を表す。
【0058】
式Xによる化合物のための本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、R22およびR23は、同一または異なり、水素原子、非分岐または分岐、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換のC1-6脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換された単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは、場合により少なくとも1つの一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、および/または、メチレン(−CH2−)もしくはエチレン(−CH2−CH2−)基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換された5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基を表し、
好ましくは、R22およびR23は、同一もしくは異なり、水素原子またはC1-6アルキルラジカルを表す。
【0059】
本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、一般式Xによる化合物は、
16が、ハロゲン原子、好ましくは塩素原子によってその4位置で一置換されるフェニル環を表し、
17が、2個のハロゲン原子、好ましくは塩素原子によってその2および4位置で二置換されるフェニル環を表し、
18が、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、モルホリニル基、または、−NR1920−部分を表し、
19が、水素原子または直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基を表し、
20が、直鎖または分岐C1-6アルキル基、−SO2−R21−部分、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、モルホリニル基、トリアゾリル基を表し、それによりヘテロ環のそれぞれが1つ以上の、同一または異なるC1-6アルキル基によって置換され、
21が、同一または異なる1つ以上のC1-6アルキル基によって場合により置換される、フェニル基を表す、構造であって、
場合により立体異性体、好ましくはエナンチオマーまたはジアステレオマー、の1つの形態、ラセミ体、または、立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの少なくとも2つの、任意の混合比の混合物の形での構造、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒和化合物によって表される。
【0060】
本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、化合物の組合せは、
N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸−[1,2,4]−トリアゾール−4−イル−アミド、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アミド、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジエチルアミド、
[5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]−ピペリジン−1−イル−メタノン、
N−[5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボニル]−4−メチルフェニルスルホンアミド
からなる群より選択される、場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、式Xによる少なくとも1つの化合物を含む。
【0061】
本発明による化合物の組合せの好ましい実施形態において、化合物の組合せは、場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸、
および
N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
から選択される、式Xによる、少なくとも1つの化合物を含む。
【0062】
別の態様において、本発明は、上で挙げたR1が水素である一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物の調製方法も提供し、該方法では、一般式III
【化6】

(式中、R2、R3およびR4は上述した意味を有する)
の少なくとも1つのベンズアルデヒド化合物を一般式(IV)
【化7】

(式中、GはOR基を表し、Rは分岐もしくは非分岐C1-6アルキルラジカルであるか、またはGはO-K基を表し、Kはカチオン、好ましくは無機カチオン、さらに好ましくはアルカリ金属カチオン、最も好ましくはナトリウムである)
のピルビン酸化合物と反応させて、一般式(V)
【化8】

の化合物を得て、これを場合により単離および/または場合により精製し、これを一般式(VI)
【化9】

(式中、R5、R6およびR7は上述の意味を有する)
で表される、場合により置換されたフェニルヒドラジン、または、その対応する塩と不活性雰囲気下で反応させて、一般式(VII)
【化10】

(式中、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上述の意味を有する)
を得て、これを場合により単離および/または場合により精製し、本発明による一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物において、R1が、直鎖または分岐C1-4アルキル基である場合は、場合によりエステル化してアルキルエステルとする。
【0063】
本発明の方法を以下に与えるスキームにも示す。
【化11】

スキームI:
【0064】
一般式IIIのベンズアルデヒド化合物と一般式IVのピルビン酸化合物との反応は、例えば、Synthetic communications,26(11),2229−33,(1996)で述べられているように、好ましくは、少なくとも1つの塩基の存在下で、さらに好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルキル金属水酸化物、またはナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属メトキシドの存在下で実施される。それぞれの記述は参照により本明細書に組み入れられており、開示の一部を成す。好ましくは、前記反応はC1-4アルキルアルコールなどのプロトン性反応溶媒またはこれらの混合物中で実施される。
【0065】
反応温度は、反応期間と同様に広い範囲に渡って変化し得る。好ましい反応温度は、−10℃から反応溶媒の沸点までの範囲である。適切な反応時間は、例えば数分から数時間まで変化し得る。
【0066】
また好ましい一般式IIIのベンズアルデヒド化合物と一般式IVのピルビン酸化合物との反応は、例えばSynlett,(1),147−149,2001で述べられているように、酸触媒化された条件下で、さらに好ましくは、銅(II)トリフルオロメタンスルホナートの存在下にてジクロロメタン中で混合物を還流させることによって実施される。それぞれの記述は参照により本明細書に組み入れられており、開示の一部を成す。
【0067】
一般式(V)の化合物と一般式(VI)の場合により置換されたフェニルヒドラジンとの反応は、好ましくはC1-4アルコール、または、ジオキサンもしくはテトラヒドロフランなどのエーテル、または、これらの上述の化合物の少なくとも2つの混合物などの、適切な反応溶媒中で実施される。また好ましくは、前記反応は酸の存在下で実施され、それにより酸は、酢酸などの有機酸および/または塩酸などの無機酸でもよい。さらに反応は、ピペリジン、ピペラジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下でも実施され、あるいはこれらの塩基の少なくとも2つの混合物も使用できる。
【0068】
反応温度は、反応期間と同様に広い範囲に渡って変化し得る。適切な反応温度は、室温、すなわち約25℃から反応溶媒の沸点までの範囲である。適切な反応時間は、例えば数分から数時間まで変化し得る。
【0069】
一般式(VII)の化合物のカルボキシル基は、当業者に周知の従来方法に従う適切な離脱基の導入によって、さらなる反応のために活性化できる。好ましくは、一般式(VII)の化合物は、酸塩化物、酸無水物、混合無水物、C1-4アルキルエステル、p−ニトロフェニルエステルなどの活性化エステルに変換される。酸活性化の他の周知の方法は、N,N−ジクロロヘキシルカルボジイミドまたはベンゾトリアゾール−N−オキソトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP))による活性化を含む。
【0070】
一般式(VIl)の前記活性化化合物が酸塩化物である場合、それは好ましくは一般式(VII)の対応する酸と塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応によって調製され、それにより前記塩素化剤も溶媒として使用される。また好ましくは、追加の溶媒が使用できる。適切な溶媒は、ベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはジメトキシエタンなどのエーテルを含む。1つのクラスからの2つ以上の溶媒または異なるクラスからの2つ以上の溶媒の混合物も使用できる。好ましい反応温度は、0℃から反応溶媒の沸点までの、反応時間は数分から数時間までの範囲である。
【0071】
一般式(VII)の前記活性化化合物が混合無水物である場合、前記無水物は好ましくは、例えばトリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下での適切な溶媒中での、一般式(VII)の対応する酸のクロロギ酸エチルとの反応によって調製できる。
【0072】
その後に、活性化化合物をアルキルアルコールと反応させて、R1が、直鎖または分岐C1-4アルキル基である、一般式IまたはIIによる化合物を得ることができる。
【0073】
上述の工程の間に、感受性基または試薬の保護が、必要および/または所望であり得る。従来の保護基の導入は、その除去と同様に、当業者に周知の方法によって実施できる。
【0074】
一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物それ自体が立体異性体、特にエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物の形で得られる場合、前記混合物は当業者に既知の標準手順、例えばクロマトグラフィー法またはキラル試薬による分割結晶化によって分離できる。立体選択的合成によって、純粋な立体異性体を得ることもできる。
【0075】
さらなる態様において、本発明は、一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物の塩およびその立体異性体の調製方法も提供し、該方法では少なくとも1つの塩基性基を有する一般式IまたはIIの少なくとも1つの化合物を、少なくとも1つの無機酸および/または有機酸と、好ましくは適切な反応溶媒の存在下で反応させる。適切な反応溶媒は例えば、上で挙げた溶媒のいずれも含む。適切な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸を含み、適切な有機酸は例えば、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、またはその誘導体、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、またはカンファースルホン酸を含む。
【0076】
なおさらなる態様において、本発明は、一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物の塩またはその立体異性体の調製方法も提供し、該方法では少なくとも1つの酸性基を有する一般式IまたはIIの少なくとも1つの化合物を1つ以上の適切な塩基と、好ましくは適切な反応溶媒の存在下で反応させる。適切な塩基は例えば水酸化物、炭酸塩またはアルコキシドであり、これはアルカリ金属、アルカリ土類金属または有機カチオン、例えば[NHn4-n+(式中、nは0、1、2、3または4であり、Rは分岐または非分岐C1-4アルキルラジカルを表す)に由来する適切なカチオンを含む。適切な反応溶媒は例えば、上で挙げた溶媒のいずれかである。
【0077】
一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物の溶媒和化合物、好ましくは水和物;その対応する立体異性体の溶媒和化合物、好ましくは水和物;対応するN−オキシドの溶媒和化合物、好ましくは水和物;または対応する塩の溶媒和化合物、好ましくは水和物も、当業者に既知の標準手順によって得られる。
【0078】
窒素原子を含有する飽和環、窒素原子を含有する不飽和環または窒素原子を含有する芳香環を含む一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物は、当業者に周知の方法によって、そのN−オキシドの形で得ることもできる。
【0079】
一般式IまたはIIの本発明の置換ピラゾリン化合物の、対応する立体異性体、または塩、または溶媒和化合物あるいはそのいずれか中間体の精製および単離は必要であれば、当業者に既知の従来方法、例えばクロマトグラフィー法または再結晶によって実施できる。
【0080】
以下に与える一般式IおよびIIの置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、対応するN−オキシド、その対応する塩および対応する溶媒和化合物は、毒物学的に許容され、したがって医薬品調製用の製薬活性物質として適切である。
【0081】
以下に与える一般式(I)および(II)の置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、そのN−オキシド、対応する塩および対応する溶媒和化合物は、血漿中トリグリセリド濃度を調節する特性を有することが見出されている。
【0082】
以下に与える一般式(I)および(II)の置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、対応するN−オキシド、その対応する塩および対応する溶媒和化合物を含む化合物の組合せ、ならびに、以下に与える一般式(X)の置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、対応するN−オキシド、その対応する塩および対応する溶媒和化合物の組合せは、毒物学的に許容され、したがって医薬品調製用の製薬活性物質として適切である。
【0083】
以下に与える一般式Xの置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、そのN−オキシド、対応する塩および対応する溶媒和化合物が、カンナビノイドレセプタ、特にカンナビノイド1(CB1)レセプタに対して高い親和性を有すること、すなわちそれらがこれらのレセプタに対してアンタゴニストとして作用することが見出されている。特にこれらのピラゾリン化合物は、特に食物摂取に関する処置中に耐性の発現を殆どまたは全く示さない。ピラゾリン化合物による処置の終了後、処置前濃度と比較して体重の増加の抑制が見出された。
【0084】
したがって本発明の別の態様は、本発明による一般式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物と、場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤とを含む医薬品に関する。
【0085】
したがって本発明の別の態様は、一般式I
【化12】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10および−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤と
を含む医薬品に関する。
【0086】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つは、水素とは異なる。
【0087】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R5、R6またはR7の少なくとも1つは、水素とは異なる。
【0088】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0089】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0090】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R2は、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4は、水素を表す。
【0091】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R5およびR6は、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7は、水素を表す。
【0092】
式Iによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R1は、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表す。
【0093】
本発明による医薬品の実施形態において、式Iによる化合物は、一般式(II)
【化13】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
12、R13、R14またはR15は、互いに独立して、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
による化合物であって、
場合により立体異性体、好ましくはエナンチオマーまたはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの少なくとも2つの、任意の混合比の混合物の形での化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒和化合物によって表される。
【0094】
式IIによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R12およびR13は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R12およびR13は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0095】
式IIによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R14およびR15は互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R14およびR15は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す。
【0096】
式IIによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R13はClを表し、R12は水素を表す。
【0097】
式IIによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R14およびR15はそれぞれClを表す。
【0098】
式IIによる化合物に関する本発明による医薬品の実施形態において、R1は水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表す。
【0099】
本発明による医薬品の実施形態において、式IまたはIIによる化合物は、
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択される。
【0100】
本発明の別の態様は、本発明による化合物の少なくとも1つの組合せと、場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤とを含む医薬品である。
【0101】
本発明による医薬品の実施形態において、医薬品は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のため、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中、心臓血管系の障害、および食物摂取障害、好ましくは過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のためである。
【0102】
本発明による式IまたはIIによる化合物を含む医薬品の実施形態において、医薬品は、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害あるいは生殖障害の予防および/または処置のためである。
【0103】
本発明による組合せを含む医薬品の実施形態において、医薬品は、カンナビノイドレセプタ、好ましくはカンナビノイド1(CB1)レセプタの調節のため、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害あるいは生殖障害の予防および/または処置のためである。
【0104】
本発明による医薬品の実施形態において、医薬品は、食物摂取障害、好ましくは過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満の予防および/または処置のためである。
【0105】
本発明による医薬品の実施形態において、医薬品は精神病の予防および/または処置のためである。
【0106】
本発明による医薬品の実施形態において、医薬品は、アルコール乱用および/もしくは依存症、ニコチン乱用および/もしくは依存症、薬物乱用および/もしくは依存症、ならびに/または、医薬品乱用および/もしくは依存症、好ましくは、薬物乱用および/もしくは依存症ならびに/またはニコチン乱用ならびに/もしくは依存症の予防および/または処置のためである。
【0107】
本発明による医薬品の実施形態において、医薬品は、統合失調症、不安、うつ病、てんかん、神経変性障害、小脳障害、脊髄小脳障害、認知障害、頭蓋外傷、パニック発作、末梢神経障害、緑内障、片頭痛、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、レイノー病、振戦障害、強迫性障害、老人性認知症、胸腺障害、遅発性ジスキネジー、双極性障害;骨粗鬆症または骨のパジェット病を含む骨障害;癌、好ましくは脳腫瘍,骨肉腫、口唇癌、口腔癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、腸癌および前立腺からなる群より選択される1種類以上の癌の予防および/または処置のため、さらに好ましくは結腸癌、腸癌および前立腺癌からなる群より選択される1種類以上の癌の予防および/または処置のため;医薬品誘発運動障害、失調、内毒素性ショック、出血性ショック、低血圧、不眠症、免疫障害、強膜プラーク、嘔吐、下痢、ぜんそく、記憶障害、掻痒、疼痛からなる群より選択される1つ以上の障害の予防および/または処置のため、あるいは麻薬性および非麻薬性鎮痛剤の鎮痛効果増強のため、あるいは腸通過に影響を及ぼすためである。
【0108】
前記医薬品は、上で与えた一般式Iの置換ピラゾリン化合物、その立体異性体、その対応するN−オキシド、その生理学的に許容される塩またはその生理学的に許容される溶媒和化合物の1つ以上のいずれかの組合せも含むことができる。
【0109】
特に好ましくは、前記医薬品は、アルコール乱用、薬物乱用および/または医薬品乱用の、好ましくは薬物乱用の予防および/または処置ならびに肥満の処置に適切である。
【0110】
しばしば誤用の対象である医薬品および/または薬物は、オピオイド、バルビツール、カンナビス、コカイン、アンフェタミン、フェンシクリジン、幻覚剤およびベンゾジアゼピンを含む。
【0111】
本発明による医薬品は、ヒトおよび/または動物、好ましくは、乳児、小児および成人を含むヒトへの利用に適切ないずれの形でもよく、当業者に既知である標準手順によって生成できる。医薬品の組成は、投与経路によって変わる。
【0112】
本発明の医薬品は例えば、従来の注射用液体担体、例えば水または適切なアルコールと組合せて非経口的に投与できる。注射用の従来の製薬賦形剤、例えば安定剤、可溶化剤、および緩衝剤をそのような注射用組成物に含めることができる。これらの医薬品は例えば筋肉内に、腹腔内に、または静脈内に注射できる。
【0113】
固体経口組成物(液体組成物と同様に好ましい)は、従来のブレンド、充填または打錠方法によって調製され得る。反復ブレンド操作を使用して、大量の充填剤を利用するこれらの組成物全体に活性剤を分布させる。そのような操作は当分野で従来的である。錠剤は例えば、湿式または乾式造粒によって調製され、場合により、通常の製薬プラクティスで周知の方法に従って、特に腸溶コーティングを用いてコーティングされる。
【0114】
上記の製剤は、スペインおよび米国の薬局方ならびに同様の参考文書で記述および言及されている方法などの標準方法を使用して調製されるであろう。
【0115】
本発明による医薬品は、1つ以上の生理学的に適合する担体または賦形剤を含有する、固体または液体形の経口投与用組成物に処方することもできる。これらの組成物は、結合剤、充填剤、潤滑剤、および、許容される湿潤剤などの従来の成分を含有できる。組成物は、いずれの使用しやすい形態も取ることができ、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、菱形錠、水性または油性液剤、懸濁剤、乳剤、あるいは即時または遅延放出のための水または他の適切な液体溶媒による使用前の復元に適切な乾燥粉末形も取ることができる。
【0116】
液体経口投与形は、甘味料、着香料、保存料、および乳化剤などのある添加剤も含有できる。食用油を含有する経口投与用非水性液体組成物も処方できる。そのような液体組成物は都合よく、例えば、ゼラチンカプセル内に単位投薬量でカプセル化される。
【0117】
本発明の組成物は、局所的にまたは坐剤によっても投与できる。
【0118】
ヒトおよび動物の1日投薬量は、それぞれの種においてその基準を有する因子または他の因子、例えば年齢、性別、体重または疾病の程度などによって変わる。ヒトの1日投薬量は、好ましくは1日当たり1回〜数回の摂取の間に投与される活性物質の1〜2000ミリグラム、好ましくは、1〜1500ミリグラム、さらに好ましくは、1〜1000ミリグラムの範囲である。
【0119】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または本発明による化合物の少なくとも1つの組合せ(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)
の、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための、ならびに中枢神経系、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)
の、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0120】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)の、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害または生殖障害の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0121】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による化合物の少なくとも1つの組合せ(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)の、カンナビノイドレセプタ、好ましくはカンナビノイド1(CB1)レセプタの調節のための、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害または生殖障害の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0122】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または本発明による化合物の少なくとも1つの組合せ(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)の、食物摂取障害、好ましくは過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0123】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または本発明による化合物の少なくとも1つの組合せ(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)の、精神病の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0124】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または本発明による化合物の少なくとも1つの組合せ(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)の、アルコール乱用および/もしくは依存症、ニコチン乱用および/もしくは依存症、医薬品乱用および/もしくは依存症、ならびに/または、薬物乱用および/または依存症、
好ましくは、薬物乱用および/もしくは依存症あるいはニコチン乱用および/もしくは依存症の予防ならびに/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0125】
本発明の別の好ましい態様は、本発明による式IもしくはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または本発明による化合物の少なくとも1つの組合せ(および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤)の、統合失調症、不安、うつ病、てんかん、神経変性障害、小脳障害、脊髄小脳障害、認知障害、頭蓋外傷、パニック発作、末梢神経障害、緑内障、片頭痛、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、レイノー病、振戦障害、強迫性障害、老人性認知症、胸腺障害、遅発性ジスキネジー、双極性障害;骨粗鬆症または骨のパジェット病を含む骨障害;癌、好ましくは、脳腫瘍、骨肉腫、口唇癌、口腔癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、腸癌および前立腺癌からなる群より選択される1つ以上の種類の癌の予防および/または処置のための、さらに好ましくは、結腸癌、腸癌および前立腺癌からなる群より選択される1種類以上の癌の予防ならびに/または処置のための;医薬品誘発運動障害、失調、内毒素性ショック、出血性ショック、低血圧、不眠症、免疫障害、強膜プラーク、嘔吐、下痢、ぜんそく、記憶障害、掻痒、疼痛からなる群より選択される1つ以上の障害の予防および/または処置のための、あるいは麻薬性および非麻薬性鎮痛剤の鎮痛効果増強のための、あるいは腸通過に影響を及ぼすための医薬品の調製への使用である。
【0126】
本発明の別の好ましい態様は、一般式I
【化14】

(式中、
1は、水素または直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10および−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤との、
血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の調製への、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用である。
【0127】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための、式I(式中、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素とは異なる)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の医薬品の製造への使用である。
【0128】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための、式I(式中、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素とは異なる)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0129】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満および糖尿病の予防ならびに/または処置のための、式I(式中、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0130】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための、式I(式中、R5、R6およびR7は互いに独立して、水素、直鎖または分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R5、R6およびR7は互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0131】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式I(式中、R2はフェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4は水素を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0132】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式I(式中、R5およびR6は、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7は水素を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0133】
本発明の別の好ましい態様は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および、食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式I(式中、R1は水素、メチル、またはエチル、好ましくは水素を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0134】
本発明の別の好ましい態様は、一般式(I)の化合物が、一般式(II)
【化15】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
12、R13、R14またはR15は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
の化合物によって表され、
場合により立体異性体、好ましくはエナンチオマーまたはジアステレオマーのうちの1つの形態、ラセミ体、または、立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの少なくとも2つの、任意の混合比の混合物の形での化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒和化合物によって表される、式の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満および糖尿病の予防および/または処置のための使用である。
【0135】
本発明の別の実施形態は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための、式II(式中、R12およびR13は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R12およびR13は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0136】
本発明の別の実施形態は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための、式II(式中、R14およびR15は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R14およびR15は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0137】
本発明の別の実施形態は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式II(式中、R13はClを表し、R12は水素を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0138】
本発明の別の好ましい実施形態は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および、食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式II(式中、R14およびR15はそれぞれClを表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0139】
本発明の別の好ましい実施形態は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための医薬品の製造への、ならびに、中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および、食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式II(式中、R1は水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表す)の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用である。
【0140】
本発明の別の実施形態は、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および、食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは、肥満ならびに糖尿病の予防および/または処置のための、式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物の使用であって、そのために式IまたはIIによる化合物は、
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択される。
【0141】
実施例を用いて本発明は以下に説明する。これらの例示は単に一例として与えられ、本発明を制限するものではない。
【0142】
実施例1は、式IまたはIIによる化合物を表す。
【実施例1】
【0143】
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸
a)4−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−3−ブテン酸
【化16】

3口フラスコに、p−クロロベンズアルデヒド(13.3g、95ミリモル)およびピルビン酸エチル(10g、86ミリモル)を無水エタノール150mlに溶解させた。溶液を0℃まで氷冷して、温度を10℃以下に維持しながらNaOHの水溶液(水45mL中に3.8g)を滴加すると、それにより黄色−橙色沈殿が形成した。反応混合物を0℃にて1時間、そして室温(約25℃)にてさらに1.5時間撹拌した。その後、反応混合物を約5℃まで冷却して、4−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−3−ブテン酸の不溶性ナトリウム塩を濾過によって単離した。
【0144】
濾液を冷蔵庫に一晩放置すると、それによりさらなる沈殿が形成して、これを濾過し、塩の第1の画分と合せて、ジエチルエーテルで洗浄した。次に4−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−3−ブテン酸のナトリウム塩を2N HClの溶液で処理して、数分間撹拌し、固体4−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−3−ブテン酸を濾過によって分離して、乾燥させて所望の生成物12.7gを得た(理論収率の70%)。
【0145】
IR(KBr,cm-1):3500−2500,1719,3,1686,5,1603,4,1587,8,1081,9.
1H NMR(CDCl3,δ):7,4(d,J=8,4Hz,2H),7,5(d,J=16,1Hz,1H),7,6(d,J=8,4Hz,2H),8,1(d,J=16,1Hz,1H).
【0146】
a2)5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸
代わりの経路では、ピルビン酸エチルを使用する代わりに、塩CH3−C(O)−C(O)−O-Na+(ピルビン酸ナトリウム)を使用して、エタノール性の水に溶解させた。
【0147】
b)5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸
【化17】

工程a)によって得た4−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−3−ブテン酸(12.6g、60ミリモル)、2,4−ジクロロフェニルヒドラジンヒドロクロライド(12.8g、60ミリモル)および氷酢酸(200mL)を窒素雰囲気下で混合して、4時間に渡って還流まで加熱し、室温(約25℃)まで冷却して、氷水中に入れ、それにより得られた粘着性塊を塩化メチレンで抽出した。合せた塩化メチレン画分を水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して、乾燥まで蒸発させて、薄黄色固体を得た(12.7g、理論収率の57%)。
【0148】
IR(KBr,cm-1):3200−2200,1668,4,1458,1251,4,1104,8.
1H NMR(CDCl3,δ):3,3(dd,1H),3,7(dd,1H),5,9(dd,1H),7,09−7,25(m,7H).
実施例2〜7は、式Xによる化合物を表す。
【実施例2】
【0149】
N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
(a)5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸クロライド
【化18】

窒素雰囲気下にて、実施例1によって得られた5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸(2.5g、6.8ミリモル)を塩化チオニル4mLに溶解させて、2.5時間に渡って還流まで加熱した。過剰な塩化チオニルを減圧下で反応混合物から除去して、得られた粗残留物(2.6g)をさらに精製せずに使用する。
【0150】
IR(KBr,cm-1):1732,3,1700,1533,3,1478,1,1212,9,826,6.
【0151】
この化合物から開始し、この化合物を適切なアルキルアルコールと反応させて、R1が直鎖または分岐C1-4アルキル基である一般式IおよびIIによる化合物を調製できる。
【0152】
(b)N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−3−カルボキサミド
【化19】

窒素雰囲気下にて、N−アミノピペリジン(0.6mL、5.6ミリモル)およびトリエチルアミン(4mL)を塩化メチレン(25mL)に溶解させた。得られた混合物を0℃まで氷冷して、工程(c)で得られた5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸クロライドの塩化メチレンによる溶液(15mL)を滴下した。得られた反応混合物を室温(約25℃)にて一晩撹拌した。その後、反応混合物を水で、続いて重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で、次に再び水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発器で乾燥まで蒸発させた。得られた粗固体をエタノールから結晶化した。結晶化した固体を濾過によって除去し、母液を濃縮して、結晶化生成物の第2の画分を得た。2つの画分を合せて、融点183〜186℃のN−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−3−カルボキサミド1.7gの総量を得た(理論収率の57%)。
【0153】
IR(KBr,cm-1):3222,9,2934,9,1647,4,1474,7,1268,3,815,6.
1H NMR(CDCl3,δ):1,4(m,2H),1,7(m,4H),2,8(m,4H),3,3(dd,J=6,1 y 18,3Hz,1H),3,7(dd,J=12,5および18,3Hz,1H),5,7(dd,J=6,1および12,5Hz,1H),7,0−7,2(m,6H),7,4(s,1H).
【0154】
以下の実施例3〜7による化合物は、実施例1と合せて実施例2で述べた方法と同じように調製されている。
【実施例3】
【0155】
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミド
融点:134〜138℃。
IR(KBr,cm-1):3448,1686,1477,1243,1091,821.
1H NMR(CDCl3,δ):3,1(dd,J=6,2および17,9Hz,1H),3,7(dd,J=12,3および17,9Hz,1H),5,9(dd,J=6,2および12,3Hz,1H),7,2−7,5(m,7H),8,7(s,2H),12,0(bs,1H)。
【実施例4】
【0156】
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アミドヒドロクロライド
融点:150〜155℃。
IR(KBr,cm-1):3433,1685,1477,1296,1246,1088,1014,825.
1H NMR(CDCl3,δ):2,7(d,J=4,2Hz,3H),3,0−3,4(m,9H),3,6(dd,J=11,9および17,9Hz,1H),5,8(dd,J=5,5および11,9Hz,1H),7,1(d,J=8,4Hz,2H),7,25(2d,J=8,4および8,7Hz,3H),7,4(d,J=2,2Hz,1H),7,5(d,J=8,7Hz,1H),9,8(s,1H),11,2(bs).
【実施例5】
【0157】
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジエチルアミド
この化合物は油の形で得られた。
【0158】
IR(film,cm-1):2974,1621,1471,1274,1092,820.
1H NMR(CDCl3,δ):1,2(m,6H),3,3−3,9(m,6H),5,6(dd,J=5,8および11,7Hz,1H),7−7,25(m,7H).
【実施例6】
【0159】
[5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
融点:105〜110℃。
IR(KBr,cm-1):2934,1622,1470,1446,1266,1010,817.
1H NMR(CDCl3,δ):1,7(m,6H),3,4(dd,J=5,7および17,9Hz,1H),3,7(m,3H),3,9(m,2H),5,6(dd,J=6,1 y 11,9Hz,1H),7−7,25(m,7H).
【実施例7】
【0160】
N−[5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボニル]−4−メチル−フェニルスルホンアミド
この化合物はアモルファス固体の形で得た。
IR(KBr,cm-1):1697,1481,1436,1340,1169,1074,853.
1H NMR(CDCl3,δ):2,4(s,3H),3,2(dd,J=6,6および18,3Hz,1H),3,6(dd,J=12,8および18,3Hz,1H),5,8(dd,J=6,6および12,8Hz,1H),7(d,J=8,2Hz,2H),7,2(s,1H),7,3−7,4(m,6H),8(d,J=8,1Hz,2H),9(s,1H).
【実施例8】
【0161】
N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−3−カルボキサミドのN−オキシド
不活性雰囲気としての窒素ガス下で、N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−3−カルボキサミド(0,15g、332ミリモル)をジクロロメタン7mlに溶解させた。得られた溶液を0℃まで氷冷して、m−クロロ過安息香酸(0,204g、0,83ミリモル)を複数回に分けて添加した。15分間撹拌した後、薄層クロマトグラフィーによる対照は、開始物質が残存していないことを示した。次に重炭酸ナトリウムの飽和水溶液をゆっくりと添加して、有機相を分離し、水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過した。濾液を乾燥まで蒸発させて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−3−カルボキサミドのN−オキシド78mgを、115〜120℃の融点を有する白色固体の形で得た(理論収率の50%)。
【0162】
IR(KBr,cm-1):3202,1678,1654,1474,1309,1107.
1H−NMR(CDCl3,δ):1.6(m,2H),1.8−2.0(m,4H),2.55(m,2H),3.3(dd,J=6.3Hzおよび18.2Hz,1H),3.7(m,3H),5.8(dd,J=6.3Hzおよび12.5Hz,1H),7.0−7.3(m,7H),8.5(s,1H.)
【0163】
薬理学的データ/試験:
実施例1による化合物は、トリグリセリドの高い血中濃度のインヒビタである。この効果は、高脂肪食を給餌された肥満マウスで調査された。以下の段落では、方法および本試験で得られた結果について述べる。
【0164】
I.血漿中のトリグリセリドの調節のためのインビボ試験
試験は、Charles River(フランス)より入手した6週齢雄マウスB6 Lep ob/obを使用して実施した。マウスを3つのグループ:I(対照)、II(ビヒクル)、III(実施例1)に分けた。
グループI:
グループIの動物には、標準食(D−12450B、Research Diets,ニュージャージー州、米国)を与えた。
グループII:
グループIIおよびIIIの動物には、高脂肪食(D−12492、Research Diets,ニュージャージー州、米国)をどちらの場合も7週間与えた(参考文献1および2)。
グループIII:
グループIIIの動物には、高脂肪食(D−12492、Research Diets,ニュージャージー州、米国)をどちらの場合も7週間与えた(参考文献1および2)。
【0165】
7週間の給餌期間の終わりに、処置期間(14日間)を開始した:グループIIマウスにはビヒクルを与えた(10ml/kg/日、経口、アラビアゴム水溶液、5%W/V)。グループIIIに実施例1による本発明の化合物5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸を30mg/kg/日、経口で投与した。グループIには一切処置を与えなかった。3つのグループのマウスは、前の期間と同じ食餌を取った。
【0166】
14日間の処置期間の終わりに、動物のトリグリセリド血中濃度を決定した。
【0167】
全血サンプルの分析は、試験片「Lipid panel」およびPA Instruments Polymer Technology Systems、インディアナポリス、IN−46268、米国による光度分析器Cardio−Check Test System(スペインではNovalab Iberica S.A.L,マドリード、スペインが供給)を使用して実施した。
【0168】
得られた結果は以下の通りである。
【表1】

【0169】
結果は、高脂肪食を与えられたグループIIのマウスが対照グループIよりも著しく高いトリグリセリド血中濃度を有することを示した。しかし実施例1による化合物の投与により(グループIII)、トリグリセリド血中濃度が改善され、これは標準食を与えられたグループIとの濃度と違いがなかった。
【0170】
図1は、血漿中トリグリセリド濃度の明らかな低下を示す。濃度(グループIII)は、実施例1による化合物による処置なしのグループIIで見出される明らかな濃度の上昇と比較して、グループIの対照濃度に戻る。
【0171】
したがってそれは、本発明の実施例1による化合物5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸の、高いトリグリセリド血中濃度に対する阻害効果を証明している。
【0172】
参考文献
1. Lambert P.D. et al..「Cyliary neurotrophic factor activates leptin−like pathways and reduces body fat」
P.N.A.S. 2001, 28(8):4652−4657
2. Grasa M.M. et al「Oleoyl−Estrone lowens the body weight of both ob/ob and db/db mice」
Hozm. Metab. Res 2000, 32:246−250
【0173】
II.血漿中のトリグリセリドの調節のためのインビボ試験
上で示した試験と同様に実施した第2の実験セットでは、食餌誘発肥満マウスのTG(トリグリセリド)血中濃度を決定した。高脂肪食を与えたマウスは、6日間の給餌期間後に、ビヒクル(0,5% HPMC)によって、または実施例1による化合物(30mg/kg/日、経口)によって経口で処置した。
【0174】
処置開始後、28日目にTG血中濃度を決定した。
【0175】
TG(トリグリセリド)濃度は、ビヒクルで処置したグループにおいて1.28±25ミリモル/リットル、本発明の実施例1による化合物5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸で処置したグループにおいて、たった0.80±0.07ミリモル/リットルであった。結果は統計的に非常に有意であり、要因分散分析、フィシャーのpost−hoc検定により、p<0.005対ビヒクルであった。
【0176】
したがって、本発明の実施例1による化合物5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−3−カルボン酸の、高いトリグリセリド血中濃度に対する阻害効果が再び証明された。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】図1は、血漿中トリグリセリド濃度の明らかな低下を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

(式中、R1およびR7が、Hであり、R5およびR6の両方が、フェニル環の3および4位置においてClを表す場合、R2、R3およびR4の残りの2つが、どちらもHを表すならば、R2、R3およびR4のいずれもフェニル環の4位置においてFを表さないという条件で、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキルを表し、
5およびR6は互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10ならびに−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキル基を表し、
7は、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10ならびに−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す。)
の置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物。
【請求項2】
2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
7が、水素を表すことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
5およびR6が、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R5およびR6が、互いに独立して、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
2が、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4が、水素を表すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
5およびR6が、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7が、水素を表すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
1が、水素、メチル、またはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8の一項以上に記載の一般式II
【化2】

(式中、
1は、水素または直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
12またはR13は互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表し、
14またはR15は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
の化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物。
【請求項10】
12およびR13が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R12およびR13が互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
14およびR15が、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R14およびR15が互いに独立して、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項9または10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
13が、Clを表し、R12が、水素を表すことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
14およびR15が、それぞれClを表すことを特徴とする、請求項9〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
1が、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項9〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択される、請求項1〜14の一項以上に記載の化合物。
【請求項16】
一般式I
(式中、
1は、水素、または、直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10および−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
一般式X
【化3】

(式中、
16は、場合により少なくとも一置換のフェニル基を表し、
17は、場合により少なくとも一置換のフェニル基を表し、
18は、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、場合により少なくとも一置換のアリールまたはヘテロアリール基;あるいは−NR1920−部分を表し、
19およびR20は、同一または異なり、水素原子;非分岐もしくは分岐、飽和もしくは不飽和の、場合により少なくとも一置換の脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい飽和または不飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは、場合により少なくとも一置換の単環もしくは多環系と縮合していてもよい、および/または、直鎖もしくは分岐アルキレン基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換のアリールもしくはヘテロアリール基;−SO2−R21−部分;または−NR2223−部分を表し、ただしR19およびR20は、等しく水素を表さないという条件であり、
21は、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい直鎖または分岐、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の脂肪族基;飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基、あるいは、単環もしくは多環系と縮合していてもよい、および/または、直鎖もしくは分岐アルキレン基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換のアリールもしくはヘテロアリール基を表し、
22およびR23は、同一または異なり、水素原子、非分岐もしくは分岐、飽和もしくは不飽和の、場合により少なくとも一置換の脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換の単環もしくは多環系と縮合していてもよい、飽和もしくは不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する脂環式基;あるいは、場合により少なくとも一置換の単環もしくは多環系と縮合していてもよい、および/または、直鎖もしくは分岐アルキレン基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換のアリールもしくはヘテロアリール基を表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物)と
を含む、化合物の組合せ。
【請求項17】
2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項16に記載の化合物の組合せ。
【請求項18】
5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項16または17のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項19】
2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項20】
5、R6およびR7が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R5、R6およびR7が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項21】
2が、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4が、水素を表すことを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項22】
5およびR6が、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7が、水素を表すことを特徴とする、請求項16〜21のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項23】
1が、水素、メチル、またはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項16〜22のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項24】
一般式Iの化合物が一般式II
【化4】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
12、R13、R14またはR15は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
の化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物によって表されることを特徴とする、請求項16〜23のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項25】
12およびR13が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R12およびR13が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項24に記載の化合物の組合せ。
【請求項26】
14およびR15が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、好ましくは、R14およびR15が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項24または25のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項27】
13が、Clを表し、R12が、水素を表すことを特徴とする、請求項24〜26のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項28】
14およびR15が、それぞれClを表すことを特徴とする、請求項24〜27のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項29】
1が、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項24〜28のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項30】
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択される一般式IまたはIIによる化合物であることを特徴とする、請求項16〜29の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項31】
16が、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R’、SH、SR’、SOR’、SO2R’、NH2、NHR’、NR’R”、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR’、ならびに、−(C=O)−NR’R”からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、それにより各置換基のR’およびR”が、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
好ましくは、R16が、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3からなる群より選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、
さらに好ましくは、R16が、塩素原子によって4位置で一置換されたフェニル基を表すことを特徴とする、請求項16〜30のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項32】
17が、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R’、SH、SR’、SOR’、SO2R’、NH2、NHR’、NR’R”、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR’、ならびに、−(C=O)−NR’R”からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、それにより各置換基のR’および場合によりR”が独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
好ましくは、R17が、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3からなる群より選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されるフェニル基を表し、
さらに好ましくは、R17が、2個の塩素原子によってその2および4位置で二置換されたフェニル基を表すことを特徴とする、請求項16〜31のいずれか一項に記載の化合物の組合せ。
【請求項33】
18が、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、場合により少なくとも一置換の5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基;あるいは、−NR1920−部分を表し、
好ましくは、R18が、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和の、場合により少なくとも一置換の、場合により1つ以上の窒素原子を環員として含有するC3-8脂環式基;または、−NR1920−部分;を表し、
さらに好ましくは、R18が、それによりこれらの基がそれぞれ1つ以上のC1-6アルキル基によって置換できるピロリジニル基、ピペリジニル基またはピペラジニル基、あるいは−NR1819−部分を表すことを特徴とする、請求項16〜32の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項34】
19およびR20が、同一または異なり、水素原子;非分岐もしくは分岐、飽和もしくは不飽和、場合により少なくとも一置換のC1-6脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換の単環もしくは多環系と縮合していてもよい、飽和もしくは不飽和、場合により少なくとも一置換の場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、および/またはメチレン(−CH2−)またはエチレン(−CH2−CH2)基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換の、5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基、−SO2−R21−部分、あるいは−NR2223−部分を表し、
好ましくは、
これらの残基R19およびR20の一方が、水素原子を表し、
これらの残基R19およびR20の他方が、場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは場合により少なくとも一置換の単環または多環系と縮合していてもよい、場合により少なくとも一置換の、5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基;−SO2−R21−部分;あるいは、−NR2223−部分を表すか、あるいは、
19およびR20が、同一または異なり、それぞれC1-6アルキル基を表し、
さらに好ましくは、
これらの残基R19およびR20の一方は、水素原子を表し、
これらの残基R19およびR20の他方が、場合により少なくとも一置換されたピロリジニル基、場合により一置換されたピペリジニル基、場合により少なくとも一置換されたピペラジニル基、場合により少なくとも一置換されたチアゾリル基、−SO2−R21−部分、または−NR2223−部分を表すか、
あるいはR19およびR20は、同一または異なり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表すことを特徴とする、請求項16〜33の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項35】
21が、直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和、場合により少なくとも一置換のC1-6脂肪族基;単環もしくは多環系と縮合していてもよい、飽和もしくは不飽和、場合により少なくとも一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは単環もしくは多環系と縮合していてもよい、および/または、メチレン(−CH2−)もしくはエチレン(−CH2−CH2−)基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換の5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基を表し、
好ましくは、R21が、C1-6アルキル基;単環または多環系と縮合していてもよい、飽和の、場合により少なくとも一置換の脂環式基;あるいは場合により1つ以上のC1-6アルキル基によって置換されたフェニル基を表すことを特徴とする、請求項16〜34の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項36】
22およびR23が、同一または異なり、水素原子、非分岐もしくは分岐、飽和もしくは不飽和、場合により少なくとも一置換のC1-6脂肪族ラジカル;場合により少なくとも一置換された単環もしくは多環系と縮合していてもよい、飽和または不飽和、場合により一置換の、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有するC3-8脂環式基;あるいは場合により少なくとも1つの一置換の単環もしくは多環系と縮合していてもよい、および/または、メチレン(−CH2−)もしくはエチレン(−CH2−CH2−)基を介して結合できる、場合により少なくとも一置換された5もしくは6員アリールまたはヘテロアリール基を表し、
好ましくは、R22およびR23が、同一または異なり、水素原子またはC1-6アルキルラジカルを表す、請求項16〜35の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項37】
一般式Xによる化合物が、
16が、ハロゲン原子、好ましくは塩素原子によってその4位置で一置換されるフェニル環を表し、
17が、2個のハロゲン原子、好ましくは塩素原子によってその2および4位置で二置換されるフェニル環を表し、
18が、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、モルホリニル基、または−NR1920−部分を表し、
19が、水素原子または直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基を表し、
20が、直鎖または分岐C1-6アルキル基、−SO2−R21−部分、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、モルホリニル基、トリアゾリル基を表し、それによりヘテロ環のそれぞれが1つ以上の、同一または異なるC1-6アルキル基によって置換され、
21が、同一または異なる1つ以上のC1-6アルキル基によって場合により置換される、フェニル基を表す構造によって表され、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物によって表されることを特徴とする、請求項16〜36のいずれかに記載の化合物の組合せ。
【請求項38】
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、
N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸−[1,2,4]−トリアゾール−4−イル−アミド、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アミド、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ジエチルアミド、
[5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]−ピペリジン−1−イル−メタノン、
N−[5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボニル]−4−メチルフェニルスルホンアミド
からなる群より選択される、式Xによる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項16〜37の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項39】
各化合物が、場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸、
および
N−ピペリジニル−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項16〜38の一項以上に記載の化合物の組合せ。
【請求項40】
一般式III
【化5】

(式中、R2、R3およびR4は、請求項1〜8の一項以上に記載の意味を有する)
の少なくとも1つのベンズアルデヒド化合物を一般式(IV)
【化6】

(式中、Gは、ORを表し、Rは、分岐または非分岐C1-6アルキルラジカルであるか、またはGはO-K基を表し、Kは、カチオンである)
のピルビン酸化合物と反応させて、
一般式(V)
【化7】

の化合物を得て、これを場合により単離および/または場合により精製し、これを一般式(VI)
【化8】

(式中、R5、R6およびR7は、請求項1〜8の一項以上に記載の意味を有する)
で表される場合により置換されたフェニルヒドラジンまたはその対応する塩と不活性雰囲気下で反応させて、一般式(VII)
【化9】

(式中、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、上述の意味を有する)
の化合物を得て、これを場合により単離および/または場合により精製し、請求項1〜15の一項以上に記載の一般式Iの置換ピラゾリン化合物において、R1が、直鎖または分岐C1-4アルキル基である場合は、場合によりエステル化してアルキルエステルとする、
一般式IまたはIIの置換ピラゾリン化合物の製造方法。
【請求項41】
請求項1〜15の一項以上に記載の一般式IまたはIIの少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物と、場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤とを含む医薬品。
【請求項42】
一般式I
【化10】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は、独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表し、
5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10および−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤と
を含む医薬品。
【請求項43】
2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項42に記載の医薬品。
【請求項44】
5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項42または43のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項45】
2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項42〜44のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項46】
5、R6およびR7が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R5、R6およびR7が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項42〜45のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項47】
2が、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4が、水素を表すことを特徴とする、請求項42〜46のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項48】
5およびR6が、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7が、水素を表すことを特徴とする、請求項42〜47のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項49】
1が、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項42〜48のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項50】
一般式(I)の化合物が、一般式(II)
【化11】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖または分岐C1-4アルキル基を表し、
12、R13、R14またはR15は、互いに独立して、直鎖または分岐C1-6アルキル基、直鎖または分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
による化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物によって表されることを特徴とする、請求項42〜49の一項以上に記載の医薬品。
【請求項51】
12およびR13が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R12およびR13が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項50に記載の医薬品。
【請求項52】
14およびR15が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R14およびR15が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項50または51のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項53】
13がClを表し、R12が水素を表すことを特徴とする、請求項50〜52のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項54】
14およびR15が、それぞれClを表すことを特徴とする、請求項50〜53のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項55】
1が、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項50〜54のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項56】
式IまたはIIによる化合物が、
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択されることを特徴とする、請求項42〜55の一項以上に記載の医薬品。
【請求項57】
請求項16〜39の一項以上に記載の少なくとも1つの化合物の組合せと、場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤とを含む医薬品。
【請求項58】
血漿中トリグリセリド濃度の調節のための、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害、および食物摂取障害、好ましくは過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための、請求項42〜57に記載の医薬品。
【請求項59】
中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害または生殖障害の予防および/または処置のための、請求項42〜56の一項以上に記載の医薬品。
【請求項60】
カンナビノイドレセプタ、好ましくはカンナビノイド1(CB1)レセプタの調節のための、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害または生殖障害の予防および/または処置のための、請求項57に記載の医薬品。
【請求項61】
食物摂取障害、好ましくは過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満の予防および/または処置のための、請求項42〜57の一項以上に記載の医薬品。
【請求項62】
精神病の予防および/または処置のための、請求項42〜57の一項以上に記載の医薬品。
【請求項63】
アルコール乱用および/もしくは依存症、ニコチン乱用および/もしくは依存症、薬物乱用および/もしくは依存症、ならびに/または、医薬品乱用および/もしくは依存症、好ましくは薬物乱用ならびに/もしくは依存症ならびに/またはニコチン乱用および/もしくは依存症の予防および/または処置のための、請求項42〜57の一項以上に記載の医薬品。
【請求項64】
統合失調症、不安、うつ病、てんかん、神経変性障害、小脳障害、脊髄小脳障害、認知障害、頭蓋外傷、パニック発作、末梢神経障害、緑内障、片頭痛、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、レイノー病、振戦障害、強迫性障害、老人性認知症、胸腺障害、遅発性ジスキネジー、双極性障害;骨粗鬆症または骨のパジェット病を含む骨障害;癌、好ましくは脳腫瘍,骨肉腫、口唇癌、口腔癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、腸癌および前立腺からなる群より選択される1種類以上の癌の予防および/または処置のための、さらに好ましくは結腸癌、腸癌および前立腺癌からなる群より選択される1種類以上の癌の予防および/または処置のための、医薬品誘発運動障害、失調、内毒素性ショック、出血性ショック、低血圧、不眠症、免疫障害、強膜プラーク、嘔吐、下痢、ぜんそく、記憶障害、掻痒、疼痛からなる群より選択される1つ以上の障害の予防および/または処置のための、あるいは麻薬性および非麻薬性鎮痛剤の鎮痛効果増強のための、あるいは腸通過に影響を及ぼすための、請求項42〜57の一項以上に記載の医薬品。
【請求項65】
請求項1〜15の一項以上に記載の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または請求項16〜39の一項以上に記載の化合物の少なくとも1つの組合せおよび場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための、中枢神経系、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用。
【請求項66】
請求項1〜15の一項以上に記載の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物および場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害または生殖障害の予防および/または処置の医薬品の調製への使用。
【請求項67】
請求項16〜39の一項以上に記載の化合物の少なくとも1つの組合せおよび場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、カンナビノイドレセプタ、好ましくはカンナビノイド1(CB1)レセプタの調節のための、中枢神経系の障害、免疫系の障害、心臓血管系の障害、内分泌系の障害、呼吸器系の障害、胃腸管の障害または生殖障害の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用。
【請求項68】
請求項1〜15の一項以上に記載の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または請求項16〜39の一項以上に記載の化合物の少なくとも1つの組合せおよび場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、および食物摂取障害、好ましくは過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用。
【請求項69】
請求項1〜15の一項以上に記載の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または請求項16〜39の一項以上に記載の化合物の少なくとも1つの組合せおよび場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、精神病の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用。
【請求項70】
請求項1〜15の一項以上に記載の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または請求項16〜39の一項以上に記載の化合物の少なくとも1つの組合せおよび場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、アルコール乱用および/または依存症、ニコチン乱用および/または依存症、医薬品乱用および/または依存症および/または薬物乱用および/または依存症、好ましくは薬物乱用および/または依存症あるいはニコチン乱用ならびに/あるいは依存症の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用。
【請求項71】
請求項1〜15の一項以上に記載の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物または請求項16〜39の一項以上に記載の化合物の少なくとも1つの組合せおよび場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤の、統合失調症、不安、うつ病、てんかん、神経変性障害、小脳障害、脊髄小脳障害、認知障害、頭蓋外傷、パニック発作、末梢神経障害、緑内障、片頭痛、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、レイノー病、振戦障害、強迫性障害、老人性認知症、胸腺障害、遅発性ジスキネジー、双極性障害;骨粗鬆症または骨のパジェット病を含む骨障害;癌、好ましくは脳腫瘍、骨肉腫、口唇癌、口腔癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、腸癌および前立腺癌からなる群より選択される1つ以上の種類の癌の予防および/または処置のための、さらに好ましくは結腸癌、腸癌および前立腺癌からなる群より選択される1種類以上の癌の予防および/または処置のための;医薬品誘発運動障害、失調、内毒素性ショック、出血性ショック、低血圧、不眠症、免疫障害、強膜プラーク、嘔吐、下痢、ぜんそく、記憶障害、掻痒、疼痛からなる群より選択される1つ以上の障害の予防および/または処置のための、あるいは麻薬性および非麻薬性鎮痛剤の鎮痛効果増強のための、あるいは腸通過に影響を及ぼすための医薬品の調製への使用。
【請求項72】
一般式I
【化12】

(式中、
1は、水素あるいは直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R8、SH、SR8、SOR8、SO28、NH2、NHR8、NR89、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR8または−(C=O)−NR89を表し、それにより各置換基のR8およびR9は独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキルを表し、
5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、−(C=O)−R10、SH、SR10、SOR10、NH2、NHR10、NR1011、−(C=O)−NH2、−(C=O)−NHR10および−(C=O)−NR1011を表し、それにより各置換基のR10、そして場合によりR11は独立して、直鎖または分岐C1-6アルキルを表す)
の少なくとも1つの置換ピラゾリン化合物であって、
場合によりその立体異性体の好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物と、
場合により1つ以上の製薬的に許容される賦形剤との、血漿中トリグリセリド濃度の調節のための、ならびに中枢神経系の障害、特に脳卒中の、心臓血管系の障害の、および食物摂取障害、特に過食症、拒食症、悪液質、肥満、II型真性糖尿病(非インスリン依存性真性糖尿病)、好ましくは肥満および糖尿病の予防および/または処置のための医薬品の調製への使用。
【請求項73】
2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R2、R3またはR4の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項72に記載の使用。
【請求項74】
5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素を表すのに対して、R5、R6またはR7の少なくとも1つが、水素とは異なることを特徴とする、請求項72または73のいずれか一項に記載の使用。
【請求項75】
2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項72〜74のいずれか一項に記載の使用。
【請求項76】
5、R6およびR7が互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R5、R6およびR7が、互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項72〜75のいずれか一項に記載の使用。
【請求項77】
2が、フェニル環の4位置の塩素原子を表すのに対して、R3およびR4が、水素を表すことを特徴とする、請求項72〜76のいずれか一項に記載の使用。
【請求項78】
5およびR6が、それぞれフェニル環の2および4位置の塩素原子を表すのに対して、R7が、水素を表すことを特徴とする、請求項72〜77のいずれか一項に記載の使用。
【請求項79】
1が、水素、メチル、またはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項72〜78のいずれか一項に記載の使用。
【請求項80】
一般式(I)の化合物が、一般式(II)
【化13】

(式中、
1は、水素または直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を表し、
12、R13、R14またはR15は、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、CH2F、CHF2、CF3、CN、OH、NO2、SH、NH2、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表す)
の化合物であって、
場合によりその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの1つの形態、ラセミ体、または、その立体異性体の好ましくはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの任意の混合比の混合物の形態で存在する置換ピラゾリン化合物、あるいはその対応するN−オキシド、あるいはその対応する塩、あるいは対応する溶媒和化合物によって表されることを特徴とする、請求項72〜79の一項以上に記載の使用。
【請求項81】
12およびR13が、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R12およびR13が互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項80に記載の使用。
【請求項82】
14およびR15が、互いに独立して、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、ハロゲン原子、または、CF3を表し、
好ましくは、R14およびR15が互いに独立して、水素、メチル、エチル、F、Cl、BrおよびCF3を表すことを特徴とする、請求項80または81のいずれか一項に記載の使用。
【請求項83】
13が、Clを表し、R12が、水素を表すことを特徴とする、請求項80〜82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項84】
14およびR15が、それぞれClを表すことを特徴とする、請求項80〜83のいずれか一項に記載の使用。
【請求項85】
1が、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素を表すことを特徴とする、請求項80〜84のいずれか一項に記載の使用。
【請求項86】
式IまたはIIによる化合物が、
場合により対応するN−オキシド、対応する塩または対応する溶媒和化合物の形である、5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸からなる群より選択されることを特徴とする、請求項72〜85の一項以上に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−522252(P2007−522252A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553505(P2006−553505)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001465
【国際公開番号】WO2005/077909
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】