説明

肥満症及び関連障害の治療用の新規アミノ酸誘導体

肥満症及び免疫疾患などの障害の管理に有用な新規アミノ酸誘導体を提供する。本誘導体は、高血糖性障害における血糖レベルの低減にも有用であり、体重増加、高い遊離脂肪酸、コレステロール及びトリグリセリドレベル等の関連障害並びに肥満によって悪化する他の障害の治療にも有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、新規アミノ酸誘導体、その立体異性体、水和物、及び医薬的に許容しうる塩並びにそれらを含有する医薬的に許容しうる組成物に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
ヒト肥満症は、米国内で臨床的に肥満とみなされる約8500万の人々によって認識されている健康の問題である。食物の摂取量とその日の活動で体が消費するエネルギーとの間の慢性的な不均衡が肥満症の基本原因である。過剰な脂肪の蓄積の結果が、過体重又は肥満の個体を脂質障害、2型糖尿病、高血圧、偏頭痛、冠動脈心疾患、脳卒中、骨関節炎等の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などの呼吸器の問題及び種々多様な他の代謝性疾患の高い危険にさらす。長期間の治療及び/又は予防の成功は確認されていない。食事及び行動の改変プログラムを採用するか又は医薬品を使用することによって、肥満症を部分的に逆転させるか又は予防することができる。最も広く投与されている承認薬には、シブトラミン及びXENICAL(登録商標)がある。
シブトラミン(MERIDIA(登録商標))は、肥満症の治療のためのCNS-活性治療薬であり、ノルエピネフリン、セロトニン及びドーパミン再取り込みインヒビターとして作用することによってその効果を発揮する。シブトラミン治療は体重減少のために指示され、カロリーを減らす食事制限と併用される。シブトラミンは、高血圧を十分にコントロールできない患者及び心臓血管に関する心臓病歴のある患者には禁忌である。
オーリスタット(XENICAL(登録商標))は、胃及び膵臓のリパーゼインヒビターとしてのその作用を通じたトリグリセリド加水分解の阻害によって脂肪酸の吸収を減らす。オーリスタットは、総コレステロール、低密度リポタンパク質、低密度タンパク質:高密度リポタンパク質の比、及び血糖コントロールを改善するので、減量のための食事制限だけより有効なことが分かった。オーリスタットの副作用として、脂溶性ビタミンの吸収不良及び脂肪便が挙げられる。
【0003】
ヒトの肥満症の低減のため種々の生物学的標的が臨床評価中である。G-タンパク質共役型受容体であるカンナビノイド受容体1(CB1)は、脳内報酬系(brain reward system)に作用することによって、食欲のコントロールに寄与する。選択的CB1内在性カンナビノイド受容体アンタゴニストであるAcomplia(アコンプリア)(リモナバン)が肥満治療のために開発中である。選択的セロトニン(5HT2C)アゴニストAPD356も肥満治療のために開発中である。
いくつかの選択的β3アゴニストが臨床試験で評価されている。β3-アドレナリン受容体は主に脂肪組織内で見られる。これはGI管内で脂肪分解、熱発生及び運動性などの種々の代謝機能を媒介する。該β3アゴニストは褐色及び白色脂肪組織内のcAMPレベルを上昇させ、ひいてはホルモン感受性リパーゼの活性化を引き起こし、褐色脂肪組織内のUCPの活性化による脂肪酸酸化の増加と熱発生の増加をもたらす。
ヒト肥満症の治療でのレプチンの潜在的な役割に焦点を当てた研究が進行中である。レプチンは脂肪細胞内で産生され、脂肪組織の量に比例した濃度で分泌される。ヒトの肥満は、一般的に高いレプチンレベルと関係がある。毎日組換えレプチンを皮下注射すると、体脂肪量として減量となる肥満個体もある。
ニューロサイトカイン繊毛様神経栄養因子(CNTF)の受容体サブユニットは、レプチンの受容体と配列類似性を共有する。アキソカイン(Axokine)は変性CNTFである。CNTFは、その他の点でレプチン治療に耐えるげっ歯類で食欲と体重に作用することが分かっていた。ヒトに皮下投与すると、CNTFは食欲と体重に有意に作用した。CNTFの使用で考えられる懸念は、単純ヘルペス潜在感染の用量依存性活性化に関係する。
【0004】
誘導性酸化窒素シンターゼ(iNOS)媒介NO過剰産生は肥満の糖尿病マウスでインスリン抵抗性を引き起こす(Pilon et al., J. Biol. Chem., 2004, 279, 20767-74)。酸化窒素(NO)はいくつかの多様な 生物学的事象を媒介するフリーラジカルである。酸化窒素は免疫系、中枢神経系及び心臓血管系の生理学及び病態生理学で中心的役割を有する。NOの、分子酸素、チオール、遷移金属中心及び他の生物学的標的に対する反応性は、NOをシグナル伝達分子として作用できるようにする。従って、NOは多様な生物学的機能をコントロールし、敗血症、出血性ショック、リウマチ性関節炎、骨関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症及びインスリンシグナル伝達経路の破壊といった自己免疫性及び炎症性疾患の病原に関与すると考えられる(Kapur et al., Diabetes, 1997, 46, 1691)。
誘導性NOS(iNOS)は骨格の筋肉及び脂肪内で炎症性サイトカインによって誘導される。このiNOS発現は肥満症の遺伝子及び食事モデルの筋肉と脂肪内で増加する。肥満の野生型マウスにおけるiNOS誘導は、筋肉内のインスリンによるホスファチジルイノシトール3-キナーゼとAktの活性化の機能障害と関係があった。この欠陥は肥満のNOS-2+マウスでは完全に阻止された。この知見はiNOSが食事誘発性肥満症における筋肉インスリン抵抗性の発生に関与するといういくつかの証拠を与える(Perreault and Marette, Nature Med., 2001, 7, 1138)。興味深いことに、iNOSインヒビターはラットのアジュバント関節炎を遮断しないことが観察された(Fletcher et al., J. Pharm. Exp. Ther., 1998, 284, 714)。
肥満連関糖尿病も、肥満のヒト対象及び肥満のいくつの動物モデルにおける炎症誘発性サイトカイン腫瘍壊死因子(TNF)-α及びインターロイキン(IL)-6の全身濃度及び組織濃度の増加によって反映されるように、サイトカイン媒介急性期応答又はストレス応答と関係がある(Hotamisligil and Spiegelman, Diabetes, 1994, 43, 1271)。TNF-αは骨格筋と脂肪組織の両方でインスリン作用とシグナル伝達と相互作用するので、肥満症におけるインスリン抵抗性の媒介因子でありうる。IL-1、IL-6及びインターフェロン(INF)-γ等の他の炎症性サイトカインが培養脂肪細胞内でインスリンシグナル伝達を阻害することも報告されている。
核内ホルモン受容体PPARのアゴニストは肥満の糖尿病モデルで強力な体重増加を示す。この化合物は、線維芽細胞内で体液貯留及び脂質生成(脂肪蓄積)を引き起こし、脂肪をたくさん抱えた脂肪細胞をもたらす。このPPARγ誘導脂肪蓄積を特異的に遮断するPPARγのアンタゴニストが肥満症の治療に有用であると仮定された(Mukherjee et al., Mol Endo, 2000, 14, 1425))。そのいくつかのアゴニストが3T3-L1線維芽細胞内でのPPARγ誘導脂質生成を遮断することも観察された。
【0005】
〔開示の概要〕
本発明は、下記一般式(I)の新規アミノ酸誘導体に関する。
【0006】
【化1】

【0007】
本発明は、式(I)の化合物、その誘導体、立体異性体、医薬的に許容しうる塩及びそれらを含有する医薬組成物の製造方法にも関する。ここで、---は、任意に、結合又は非結合を表し、
Aは、置換若しくは無置換の5〜18員アリール又はヘテロシクリルから選択され、限定するものではないが、フェニル、インドリル及びイミダゾリルが挙げられ;
Bは、置換若しくは無置換の5〜18員アリール、又はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和若しくは不飽和ヘテロシクリルから選択される環系を表し;
R1は-OR10(式中、R10は水素、又はアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、若しくは対イオンから選択される置換若しくは無置換基を表す);NR11R12(式中、R11及びR12は同一又は異なってよく、独立にH、又はアルキル、アルケニル若しくはアリールから選択される置換若しくは無置換基を表し;或いはR11とR12が窒素と一緒に置換若しくは無置換の単環式又は二環式の飽和若しくは不飽和環系(O、S又はNから選択される1又は2以上のヘテロ原子を含んでよい)を表すことがある)を表し;
R2及びR3は同一又は異なってよく、独立にH、COR13、又はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ若しくはヘテロシクリルから選択される置換若しくは無置換基を表し;ここで、R13はH、又はアルキル、アリール、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシ若しくはアラルコキシから選択される置換若しくは無置換基を表し;
R4は、水素、又はアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル若しくはアラアルキル(araalkyl)から選択される置換若しくは無置換基を表し;
R5は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、又はアルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイル、カルボン酸若しくはその誘導体から選択される置換若しくは無置換基を表し;
ZはO、S又はNR14を表し、R14は水素又はアルキルを表し;ZがO又はSを意味する場合、R6は水素、又はアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルから選択される置換若しくは無置換基を表し;ZがNR14を意味する場合、R6はH、ヒドロキシ、ヒドロキシル保護基、アミノ、又はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル若しくはヘテロシクリルから選択される置換若しくは無置換基を表し;
YはO、S又はNR14を表し;
mは0〜8の整数であり;
nは0〜4の範囲の整数であり;
R7、R8、及びR9は同一又は異なってよく、水素、ニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、ホルミル、アジド、ハロ、又はアルキル、アルコキシ、アシル、シクロアルキル、ハロアルキル、アミノ、ヒドラジン、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシアルキル、スルファモイル、カルボン酸及びその誘導体から選択される置換若しくは無置換基を表し;
Xは結合、O、S、SO又はSO2を表す。
【0008】
本発明の化合物は、肥満症及び免疫性疾患などの障害、特に誘導性酸化窒素シンターゼ(iNOS)及び炎症誘発性サイトカイン(例えばTNF-α、IL-1β及びIL-6)によって媒介される当該障害の管理に有用である。本発明の化合物は、糖尿病などの高血糖障害における血糖レベルの低減においても有用であり、かつ体重増加、高脂血症、異常な血清インスリンレベル、高い遊離脂肪酸、コレステロール若しくはトリグリセリドレベル等の関連障害;及び肥満によって悪化する障害、例えば偏頭痛;及び呼吸器の問題、例えば、慢性閉塞性肺疾患や喘息の治療のためにも有用である。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書で使用する場合、以下の語句は、それら語句が使用される文脈が別の意味を示す場合を除き、通常、以下に述べるとおりの意味を有するものとする。
“アルキル”は、直鎖、分岐、又は環式炭化水素構造及びその組合せを含む意である。低級アルキルは、1〜6個の炭素原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-及びt-ブチル等が挙げられる。好ましいアルキル基は、C20以下のものである。さらに好ましいアルキル基は、C13以下のものである。なおさらに好ましいアルキル基は、C6以下のものである。シクロアルキルはアルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子の環式炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例として、c-プロピル、c-ブチル、c-ペンチル、ノルボルニル、アダマンチル等が挙げられる。この出願では、アルキルはアルカニル、アルケニル及びアルキニル残基を表し;シクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、イソプレニル等を包含する意である。
“アルキレン”は、アルキルと同じ残基を表すアルキルの別のサブセットであるが、2つの結合点を有する。アルキレンの例として、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ジメチルプロピレン(-CH2C(CH3) 2CH2-)及びシクロヘキシルプロピレン(-CH2CH2CH(C6H13)-)が挙げられる。指定数の炭素を有するアルキル残基を名付ける場合、当該炭素数を有するすべての幾何異性体が含まれるものとする;従って、例えば、“ブチル”はn-ブチル、sec-ブチル、イソブチル及びt-ブチルを含む意であり;“プロピル”はn-プロピル及びイソプロピルを包含する。
用語“アルコキシ”又は“アルコキシル”は、親構造に酸素を介して結合している、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖、分岐、環式形状及びその組合せ形状の基-O-アルキルを意味する。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。低級-アルコキシは、1〜4個の炭素を含有する基を指す。
用語“アミノ”は基-NH2を意味する。用語“置換アミノ”は、一置換若しくは二置換されている基-NHR又は-NRR(各Rは下記基:任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルコキシ、任意に置換されていてもよいアミノ、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、アシル、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル及びスルホニルから独立に選択される)、例えば、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、フラニル-オキシ-スルホンアミノを意味する。
“アリール”及び“ヘテロアリール”は5〜18員環を意味する。例として、5、6若しくは7員の芳香族環、又はO、N若しくはSから選択される0〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロ芳香族環;二環式9若しくは10員の芳香族環系、又はO、N若しくはSから選択される0〜4個(又はそれより多く)のヘテロ原子を含有するヘテロ芳香族環系;又は三環式の12〜14員芳香族、又はO、N若しくはSから選択される0〜4個(又はそれより多く)のヘテロ原子を含有するヘテロ芳香族環系が挙げられる。芳香族炭素環式環として、例えば、フェニル、ナフタレン、インダン、テトラリン、及びフルオレンが挙げられ、芳香族ヘテロ環式環として、例えば、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、ピリジン、インドール、チオフェン、ベンゾピラノン、チアゾール、フラン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピリミジン、ピラジン、テトラゾール及びピラゾールが挙げられる。
“ハロゲン”又は“ハロ”は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。フッ素、塩素及び臭素が好ましい。ジハロアリール、ジハロアルキル、トリハロアリール等は、複数のハロゲンで置換されているアリール及びアルキルを意味するが、必ずしも複数の同じハロゲンでなく;従って4-クロロ-3-フルオロフェニルはジハロアリールの範囲内である。
“ヘテロ環”は、1〜4個の炭素が酸素、窒素又はイオウ等のヘテロ原子で置き換わっている、5〜14個の炭素原子のシクロアルキル残基を意味する。本発明の範囲に包含されるヘテロ環の例として、イミダゾリン、ピロリジン、ピラゾール、ピロール、インドール、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソール(置換基として存在する場合、通常メチレンジオキシフェニルと呼ばれる)、テトラゾール、モルフォリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサゾリン、イソキサゾール、オキサジアゾール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
“置換-”アルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルは、1又は2以上(約5まで、好ましくは約3まで)の水素原子が下記基:任意に置換されていてもよいアルキル(例えばフルオロアルキル)、任意に置換されていてもよいアルコキシ、アルキレンジオキシ(例えばメチレンジオキシ)、任意に置換されていてもよいアミノ(例えば、アルキルアミノ及びジアルキルアミノ)、任意に置換されていてもよいアミジノ、任意に置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)、任意に置換されていてもよいアラルキル(例えば、ベンジル)、任意に置換されていてもよいアリールオキシ(例えば、フェノキシ)、任意に置換されていてもよいアラルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボキシ(-COOH)、カルボアルコキシ(すなわち、アシルオキシ又は-OOCR)、カルボキシアルキル(すなわち、エステル又は-COOR)、カルボキサミド、アミノカルボニル、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ-アミノ)、シアノ、カルボニル、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアラルキル、任意に置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、任意に置換されていてもよいヘテロアラルコキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、及びチオから独立に選択される置換基と置き換わっている、それぞれアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルを意味する。
【0010】
用語“任意の”又は“任意に”は、その後に続いて記載される事象又は状況が存在しても存在しなくてもよいことを意味し、かつその記載は前記事象又は状況が存在する場合と存在しない場合を包含することを意味する。例えば、“任意に置換されていてもよいアルキル”は、“アルキル”又は以下に定義されるとおりの“置換アルキル”のどちらかを意味する。当業者には、1又は2以上の置換基を含有するいずれの基についても、該基が、立体的に実用的でない、合成的に実現できない及び/又は本質的に不安定な如何なる置換又は置換パターンも導入することを意図しないことが分かるだろう。
“異性体”は、同じ分子式を有する異なった化合物である。“立体異性体”は、原子の空間配置だけが異なる異性体である。“エナンチオマー”は、相互に重ね合わせることができない鏡像である1対の立体異性体である。1対のエナンチオマーの1:1混合物が“ラセミ”混合物である。用語“(±)”は、妥当な場合、ラセミ混合物を表す。“ジアステレオ異性体”は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、相互に鏡像でない立体異性体である。絶対的な立体化学は、カーン-インゴールド-プレローグ(Cahn-Ingold-Prelog)R-Sシステムに従って特定される。化合物が純粋なエナンチオマーの場合、R又はSで各キラル炭素における立体化学を特定しうる。その絶対配置が未知の分割化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる向き(右旋又は左旋)によって(+)又は(-)と命名される。本明細書で述べる特定化合物は1又は2以上の不斉中心を含むので、エナンチオマー、ジアステレオマー及び絶対的な立体化学について(R)-又は(S)-として定義しうる他の立体異性形態を生じさせうる。本発明は、ラセミ混合物、任意的に純粋な形態及び中間混合物を含め、すべてのこのような可能な異性体を包含することを意図する。キラルシントン又はキラル試薬を用いて光学活性な(R)-又は(S)-異性体を調製でき、或いは常法を用いて光学活性な(R)-又は(S)-異性体を分割できる。本明細書で述べる化合物がオレフィン性二重結合又は幾何学的に非対称な他の中心を含む場合、特に断らない限り、該化合物はE及びZ幾何異性体を包含するものとする。同様に、すべての互変異性形も含まれるものとする。
【0011】
用語“医薬的に許容しうる担体”又は“医薬的に許容しうる賦形剤”として、いずれのかつすべての溶媒、分散媒体、被覆剤、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などが挙げられる。医薬的に活性な物質用の該媒体及び薬剤の使用は技術上周知である。いずれの通常の媒体又は薬剤も活性成分と不適合性でない限り、治療用組成物でのその使用が考慮される。補助活性成分も本組成物に組み入れることができる。
用語“治療的に有効な量”又は“有効量”は、以下に定義するような治療が必要な、ヒトを含む哺乳動物に投与したとき、該治療を達成するのに十分な化合物の量を指す。治療的に有効な量は、対象及び治療すべき疾患状態、対象の体重と年齢、疾患状態の重症度、選択される特定化合物、従うべき投与計画、投与のタイミング、投与様式などによって変わり、すべて当業者が容易に決定できる。
用語“治療”又は“治療する”は、哺乳動物の疾患のいずれの治療をも意味し、例えば以下のことが挙げられる:
a) 疾患を予防すること、すなわち該疾患の臨床症状を発生させないこと;
b) 疾患を阻害すること、すなわち臨床症状の発生を遅くするか又は停止すること;及び/又は
c) 疾患を軽減すること、すなわち臨床症状の退行を生じさせること。
用語“類似体”は、O、S、又はN等の1又は2以上のヘテロ原子の異なったヘテロ原子との置換だけが相互に異なる1対の化合物を指す。
用語“互変異性体形”は、アセトフェノンのケト形とエノール形のような速い平衡状態にある構造異性体を指す。互変異性体形はどちらかの形によって反応することができる。
用語“多形”は、多形性化合物の形態を指す。多形性化合物は、2以上の結晶形のような2以上の形態で存在しうる当該化合物を指す。
用語“誘導体”は、別の化合物から簡単な化学プロセスで得られる化合物を指し;例えば、酢酸は酸化によるエタノールの誘導体であり;N-アセチルエチルアミンはアセチル化によるエチルアミンの誘導体である。
【0012】
式(I)中、Aで表される適切な基として、置換若しくは無置換フェニル、ピリジニル、インドリル、ジアジニル及びイミダゾリル基が挙げられる。
Bで表される適切な基として、アリール、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられ、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル等から選択される置換若しくは無置換の5〜6員の飽和若しくは不飽和ヘテロ環式環でさらに置換されていてもよい。有用な分類の化合物として、Bがフェニル、チアゾリル又はピリジニルである当該化合物が挙げられる。
好適な分類の化合物として、R1がジアルキルアミノ、アミノ、i-プロポキシル、ヒドロキシル、ベンジルオキシル、N-アセチル-ペルヒドロ-1,4-ジチアインジニル又はペルヒドロ-1,4-オキサアザインジニルである当該化合物が挙げられる。
R2及びR3で表される適切な基としてH、COR13、置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケニル、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル等;置換若しくは無置換アリールスルホニル基、例えばフェニルスルホニル、トリルスルホニル、又はナフチルスルホニル;置換若しくは無置換アルキルスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等;置換若しくは無置換アリールスルフィニル基、例えばフェニルスルフィニル又はナフチルスルフィニル;置換若しくは無置換アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ等;置換若しくは無置換アリールチオ基、例えばフェニルチオ、又はナフチルチオ;置換若しくは無置換ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等;置換若しくは無置換ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等(置換されていてもよい);ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等が挙げられる。好適な分類の化合物として、基R3が水素又はp-トルエンスルホニルである当該化合物が挙げられる。
【0013】
R4で表される適切な基として、H;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等;置換若しくは無置換ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等;及び置換若しくは無置換アラルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等が挙げられる。
R5で表される適切な基としてH、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素;ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケニル、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル等;置換若しくは無置換ハロアルキル、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル等;置換若しくは無置換アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ等;置換若しくは無置換モノアルキルアミノ基、例えば-NHCH3、-NHC2H5、-NHC3H7、-NHC6H13等;置換若しくは無置換ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C2H5)、-N(C2H5)2等;置換若しくは無置換アルカノイル基、例えば-C(=O)CH3、-C(=O)C2H5、-C(=O)C3H7、-C(=O)C6H13、ベンゾイル、-C(=S)CH3、-C(=S)C2H5、-C(=S)C3H7、-C(=S)C6H13等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等;置換若しくは無置換ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等;カルボン酸又はその誘導体、例えばエステル若しくはアミドが挙げられる。好適な分類の化合物として、R2、R4及びR5が水素である当該化合物が挙げられる。
【0014】
R6で表される適切な基として、H、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル基(エーテル、エステル置換ベンジルエチルエーテル等でよい)、アミノ、置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケニル、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル等;置換若しくは無置換アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ等;置換若しくは無置換アリールオキシ、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等;置換若しくは無置換ハロアルキル、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル等;置換若しくは無置換モノアルキルアミノ基、例えば-NHCH3、-NHC2H5、-NHC3H7、-NHC6H13等;置換若しくは無置換ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C2H5)、-N(C2H5)2等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換アラルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等;置換若しくは無置換シクロ(C3-C6)アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等;置換若しくは無置換ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等;置換若しくは無置換ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等;ヘテロアラルキル(該ヘテロアリール部分は上記定義どおり)が挙げられる。好適な分類の化合物として、R6がヒドロキシル、アルキル、水素又はジアルキルメチルである当該化合物が挙げられる。
R7、R8、及びR9で表される適切な基として、H、ニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、ホルミル、アジド、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ等;置換若しくは無置換アシル基、例えばC(=O)CH3、-C(=O)C2H5、-C(=O)C3H7、-C(=O)C6H13、ベンゾイル、-C(=S)CH3、-C(=S)C2H5、C(=S)C3H7、-C(=S)C6H13等;置換若しくは無置換シクロ(C3-C6)アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等;置換若しくは無置換ハロアルキル、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル等;置換若しくは無置換アミノ(置換されていてもよい);ヒドラジン、モノアルキルアミノ基、例えばNHCH3、-NHC2H5、-NHC3H7、-NHC6H13等;置換若しくは無置換ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C2H5)、-N(C2H5)2等;置換若しくは無置換アシルアミノ基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)C2H5、-NHC(=O)C3H7、-NHC(=O)C6H13等;置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル等;置換若しくは無置換アリールスルホニル基、例えばフェニルスルホニル又はナフチルスルホニル;置換若しくは無置換アルキルスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等;アリールスルフィニル基、例えばフェニルスルフィニル又はナフチルスルフィニル(該アリールスルフィニル基は置換されていてもよい);置換若しくは無置換アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ等;置換若しくは無置換アリールチオ基、例えばフェニルチオ、又はナフチルチオ;置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル等;置換若しくは無置換アリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル;置換若しくは無置換アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル等;スルファモイル、カルボン酸又はその誘導体が挙げられる。好適な群の化合物として、R7、R8及びR9が水素である当該化合物が挙げられる。
【0015】
R10で表される適切な基として、H、置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケニル、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換アラルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等;置換若しくは無置換ヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等;アルカリ金属(例えばLi、Na、及びK)、アルカリ土類金属(例えばCa及びMg)から選択される対イオン;塩基の塩、例えばアンモニウム若しくは置換アンモニウム塩、ジエタノールアミン、α-フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルフォリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、コリン等、アルミニウム、トロメタミン等が挙げられる。
R11及びR12で表される適切な基として、H、置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケニル、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;C1-C20アルカノイル基、例えば-C(=O)CH3、-C(=O)C2H5、-C(=O)C3H7、-C(=O)C6H13、ベンゾイル、-C(=S)CH3、-C(=S)C2H5、-C(=S)C3H7、-C(=S)C6H13等;C1-C20アルキルアミドが挙げられ;或いはR11とR12が窒素と一緒に、置換若しくは無置換ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ピロリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル等から選択される置換若しくは無置換の単環式又は二環式の飽和若しくは不飽和環系を表すこともある。前記置換基は、ニトロ、ヒドロキシ、ハロ、ホルミル、アジド、アルキル、アルコキシ、アシル、シクロアルキル、ハロアルキル、アミノ、ヒドラジン、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシアルキル、スルファモイル、カルボン酸又はその誘導体から選択され、ここで、R13は、H、置換若しくは無置換の直鎖又は分岐アルキル、アリール、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシ又はアラルコキシ基から選択されるH、置換若しくは無置換基を表す。R13で表される適切な基として、C1-C20アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケノキシ、例えばエテノキシ、プロペノキシ、ブテノキシ等;置換若しくは無置換アリールオキシ、例えばフェノキシ、ナフトキシ等;置換若しくは無置換アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ等;置換若しくは無置換アラルコキシ、例えばベンジルオキシ、フェニルエトキシ、フェニルプロポキシ等が挙げられる。
R13で表される適切な基として、H;無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等;置換若しくは無置換アリール、例えばフェニル、ナフチル等;置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C2-C20アルケニルオキシ、例えばエテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ等;置換若しくは無置換アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ等;置換若しくは無置換アリールオキシ、例えばフェノキシ、ナフトキシ等;又は置換若しくは無置換アラルオキシ基、例えばベンゾキシ、フェニルエトキシ、フェニルプロポキシ等が挙げられる。
R14で表される適切な基として、H及び置換若しくは無置換の直鎖又は分岐C1-C20アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
Xで表される適切な基として、結合、O、S、SO及びSO2が挙げられる。好適な化合物として、Xが結合又はOである当該化合物が挙げられる。
Yで表される適切な基として、O、S及びNR14が挙げられる。好適な化合物として、YがOである当該化合物が挙げられる。
適切なmは0〜8の整数である。mが0又は1である化合物が特に好適である。
適切なnは0〜4の整数である。nが0、1又は2である化合物が特に好適である。
Zで表される適切な基として、O、S及びNHが挙げられる。ZがNH又はOである化合物が特に好適である。
【0016】
本発明の医薬的に許容しうる塩として、対イオン、アルカリ金属(例えばLi、Na、及びK)、アルカリ土類金属(例えばCa及びMg)との塩、有機塩基(例えばジエタノールアミン、α-フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルフォリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、コリン等)の塩、アンモニウム若しくは置換アンモニウム塩及びアルミニウム塩が挙げられる。塩には、対イオンアミノ酸、例えばグリシン、アラニン、シスチン、システイン、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、グアニジン等との当該塩も含まれる。妥当な場合、塩として、酸付加塩、例えば硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化水素酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモエート(palmoate)、メタンスルホン酸塩、トシレート、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩などが挙げられる。医薬的に許容しうる溶媒和物は水和物でよく、或いは他の結晶化の溶媒、例えばアルコールを含みうる。
下記式(I)の好ましい化合物の代表は以下の化合物である。
【0017】
【化2】

【0018】
【化3】

【0019】
【化4】

【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
下記スキームIによって一般式(I)の化合物の製法を提供する。
スキームI
【0023】
【化7】

【0024】
下記手順で一般式(I)の化合物を調製する。
工程-(I):トルエン、DMF、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル、o-ジクロロベンゼン又はそれらの混合物から選択される溶媒の存在下、塩基、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、DMAP、水酸化アルカリ、水酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の存在下で式(1)(式中、Pは保護基を表す)の化合物と置換ハロ-アリールアルデヒド(W=ハロ)とのアミノ酸誘導体の縮合を行って、式(2)の化合物を得る。この反応は、室温から還流温度0℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
工程-(II):m=1の場合、トルエン、DMF、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、o-ジクロロベンゼン又はそれらの混合物等の溶媒の存在下、水素化ナトリウム、水素化リチウム等の存在下で式(2)の化合物をトリエチルホスホノアセテート、トリメチルホスホノアセテート等と反応させて式(3)のエステルを生成する。
工程-(III):メタノール、エタノール、エチルアセテート、n-ブチルアセテート又はそれらの混合物等の溶媒の存在下でラネーニッケル、PD/Cなどの触媒を用いて式(3)の化合物を水素化する。この反応は0℃〜100℃で行われる。反応の持続時間は2〜24時間の範囲でよく、式(4)の化合物を生成する。
工程-(IV):THF、水、メタノール又はそれらの混合物のような溶媒の存在下で水酸化アルカリを用いて式(4)のエステルを脱エステル化して式(5)の化合物を生成する。
工程-(V):ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)から選択される試薬の存在下、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、DMAP等及び溶媒、例えばトルエン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル、o-ジクロロベンゼン又はそれらの混合物の存在下で式(5)の化合物をH2N-R6(式中、R6は上記定義どおり)と反応させて、式(6)の化合物を生成する。エステル(Z=O)又はチオエステル(Z=S)を調製するため、式(5)の化合物の適切な活性化形態、例えば活性化エステル又は酸ハライドを用いてZ-R6と反応させる。
工程-(VIa):溶媒の存在下でPd/C又はHClを用いて、式(6)の化合物の脱保護を行うことができる。或いは、アセトニトリル、ジクロロメタン、メタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、1-メチル-2-ピロリジノン、N,N-ジメチルアセトアミド等又はそれらの混合物から選択される溶媒を通じてHClガスを通すことによって脱保護を行ってもよい。
工程-(VIb):脱保護したアミドの窒素を常法によってR2及び/又はR3で誘導体化する。
上記いずれの反応においても基礎分子中のいずれの反応基も通常の化学プラクティスに従って保護しうることが分かる。上記いずれの反応で好適な保護基も技術上周知である。該保護基の形成及び除去の方法は、保護すべき分子に適した当該方法である。
本発明で使用する保護基Pは、t-ブトキシカルボニル(t-Boc)、トリチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)等の通常の保護基である。
エーテル、THF、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノール等の溶媒中、式(I)の化合物を1〜4当量の塩基、例えば水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等と反応させることによって、医薬的に許容しうる塩を調製する。溶媒の混合物を使用してよい。リジン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジン及びその誘導体などの有機塩基も使用しうる。或いは、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサン等のような溶媒中、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸などの酸との処理によって、酸付加塩を調製する。溶媒の混合物も使用しうる。
【0025】
本発明は、1又は2以上の上記一般式(I)の化合物、その誘導体、その類似体、その立体異性体、その医薬的に許容しうる塩を、医薬的に許容しうる希釈剤等と組み合わせて含有する医薬組成物をも提供する。
医薬組成物は、通常採用される形態、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、溶液、懸濁液などの形態でよい。医薬組成物は、調味料、甘味料などを適切な固形若しくは液状担体又は希釈剤中、或いは適切な無菌媒体中に含んで注射用溶液又は懸濁液を形成しうる。該組成物は、典型的に1〜25質量%、好ましくは1〜15質量%の活性化合物を含み、該組成物の残りが医薬的に許容しうる担体、希釈剤、賦形剤又は溶媒である。
好適な医薬的に許容しうる担体として、固形充填剤又は希釈剤及び無菌の水性又は有機溶液が挙げられる。活性化合物は、該医薬組成物中、上記範囲の所望用量を与えるのに十分な量で存在する。従って、経口投与のため、本化合物を適切な固形若しくは液状の担体又は希釈剤と併用してカプセル剤、錠剤、散剤、シロップ剤、溶液、懸濁液などを形成することができる。医薬組成物は、所望により、調味料、甘味料、賦形剤などの追加成分を含んでよい。非経口投与のため、本化合物を無菌の水性又は有機媒体と併用して注射用溶液又は懸濁液を形成することができる。例えば、ゴマ油又はピーナツ油中の溶液、水性プロピレングリコール等を使用でき、並びに本化合物の水溶性の医薬的に許容しうる酸付加塩又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩の水溶液も使用することができる。従って、このように調製した注射用溶液を静脈内、腹腔内、皮下、又は筋肉内投与することができ、ヒトでは、筋肉内投与が好ましい。
【0026】
本発明の医薬組成物は、肥満症、炎症及び自己免疫疾患の治療に有効である。さらに、本発明の医薬組成物は、インスリン抵抗性と関係がある障害、例えば多嚢胞性卵巣症候群、並びに高脂血症、冠状動脈疾患及び末梢血管疾患の治療に有用であり、かつ炎症及び免疫疾患、特にTNF-α、IL-1、及びIL-6等のサイトカインによって媒介される当該疾患の治療に有用である。これら化合物は、酸化窒素媒介障害、例えばインスリン抵抗性、肥満症、敗血性ショック、リウマチ性関節炎、骨関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症及び関連疾患の治療にも有効である。本発明の化合物は、糖尿病などの高血糖障害における血糖レベルの低減においても有用であり、かつ体重増加;異常な血清インスリンレベル;高い遊離脂肪酸、コレステロール若しくはトリグリセリドレベル等の関連障害;及び肥満によって悪化する障害、例えば偏頭痛;及び呼吸器の問題、例えば、慢性閉塞性肺疾患や喘息の治療のためにも有用である。
本発明は、代謝障害の治療が必要な対象に有効量の式Iの化合物を投与することによって、代謝障害を治療する方法を提供する。
本明細書で熟考される治療で使うため、治療的に有効な量の式Iの1又は2以上の化合物と、医薬的又は生理学的に許容しうる担体とを含有する医薬組成物も提供する。
本発明を以下の実施例で提供するが、実施例は説明の目的だけのために提供するもであり、本発明の範囲を限定するものと考えるべきでない。
【0027】
〔実施例1〕
L-2-アミノ-3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(9)の合成
【0028】
【化8】

【0029】
工程-I:
2-tertブトキシカルボニルアミノ-3-[4-(4-ホルミルフェノキシ)-フェニル]-プロピオン酸(2)の調製
【0030】
【化9】

【0031】
炭酸カリウム(14.74g,107mmol)と4-フルオロベンズアルデヒド(18.6mL,180mmol)をアミノ酸(1)(10.0g,36mmol)の無水DMF(35mL)中の溶液に加えた。結果の懸濁液を75±5℃にてアルゴン雰囲気下で還流させた。48時間後、反応混合物を室温に冷まし、水(200mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2×100mL)。水層を集め、5.0M HClで酸性にしてpHを約2.0としてEtOAcで抽出した(2×150mL)。結果として生じたEtOAc層を水(1×150mL)と食塩水(1×150mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して所望のアルデヒドを低融点固体として得た(13.7g,約99%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 9.89 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.00 (重複したd, J = 9.0 Hz, 4H), 4.63 (m, 1H), 3.2 (m, 1H), 3.06 (m, 1H), 1.40 (s, 9H)。
工程II:
3-{4-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-カルボキシ-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-アクリル酸メチルエステル(3)の調製
【0032】
【化10】

【0033】
アルゴンの雰囲気下、水素化ナトリウム(鉱油中60%,3.06g,76.0mmol)を無水ヘキサン(3×30mL)で洗浄した。乾燥THF(140mL)を加えて0〜5℃に冷却した。撹拌しながら上記混合物に、乾燥THF(30mL)中のトリメチルホスホノアセテート(6.2mL,38.0mmol)の溶液を滴加した。約5分後、乾燥THF(30mL)中の前記アルデヒド(2)(13.4g,35.0mmol)の溶液を加えてから反応混合物を室温に戻して撹拌した。30分後、清澄反応混合物を10%のクエン酸(50mL)でクエンチし、さらに2.0M HClで酸性にしてpHを約2.0とした。減圧下でTHFを蒸発させ、結果として生じた油状物質をEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を水(3×200mL)、及び食塩水(1×200mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して不飽和エステル(14.0g,91.0%)を粗生成物として得、さらに精製せずに次工程で用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.6 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.11 (m, 1H), 3.03 (dd, J = 14.0 及び 4.4 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 14.0 及び 10.4 Hz, 1H), 1.33 (s, 9H)。
【0034】
工程III:
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2-メトキシカルボニル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(4)の調製
【0035】
【化11】

【0036】
MeOH(100mL)中の不飽和エステル(3)(14.7g)の脱気溶液にラネーニッケル2800(15.4g)を加え、結果の懸濁液を大気圧で18時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮した。生じた残留物をフラッシュクロマトグラフ処理(1%の酢酸を含有するヘキサン中30-50%の酢酸エチル)して所望の飽和エステル(4)(8.1g,55%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.7 (br, 1H), 7.22 (重複したd, J = 8.4 Hz, 4H), 7.08 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.88 (重複したd, J = 8.0 Hz, 4H), 4.07 (br, 1H), 3.00 (m, 1H), 2.82 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.79 (m, 1H), 2.62 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.33 (s, 9H)。
【0037】
工程IV:
3-{4-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ジメチルカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(5)の調製
【0038】
【化12】

【0039】
水素化化合物(4)(8.0g,18.0mmol)をCH2Cl2に溶かし、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌した。トリエチルアミン(3.02mL,21.6mmol)とベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬,8.78g,20.0mmol)を加え、反応混合物を15分間撹拌した。ジメチルアミン(THF中2.0M溶液,45.2mL,90.0mmol)を加え、結果の溶液を室温で約2〜3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、結果として生じた油をEtOAc(200mL)に取った。有機層を0.5N NaOH(1×30mL)、水(2×100mL)及び食塩水(1×100mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望アミド(5)(8.4g,約98%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.86 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 4.23 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 2.70-2.86 (m, 7H), 2.62 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0040】
工程V:
3-{4-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ジメチルカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(6)の調製
【0041】
【化13】

【0042】
アミド(5)(8.4g,17.0mmol)をTHF(60mL)に溶かして水(60mL)で希釈した。水酸化リチウム(1.66g,69.0mmol)を加えて反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させて結果として生じた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×100mL)中に抽出した。有機層を水(1×100mL)と食塩水(1×100mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望の酸化合物(6)(8.0g,97%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.15 (br, 1H), 7.22 (重複したd, J = 8.4 Hz, 4H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.53 (m, 1H), 2.91 (s, 3H), 2.73-2,83 (m, 9H), 1.31 (s, 9H)。
【0043】
工程VI:
(2-{4-[4-(2-ベンジルオキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-1-ジメチルカルバモイル-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(7)の調製
【0044】
【化14】

【0045】
酸化合物(6)(4.8g,10.5mmol)を乾燥DMFに溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.56g,11.5mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI,2.0g,10.5mmol)、及びトリエチルアミン(4.4mL,31.6mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.85g,11.5mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(100mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×20mL)、飽和NaHCO3(1×20mL)、及び食塩水(1×50mL)で抽出した。結果として生じたEtOAc層を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(1%の酢酸を含有するヘキサン中30-70%の酢酸エチル)により所望のベンジルヒドロキサメート(7)(4.7g,78%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.96 (s, 1H), 7.32-7.38 (m, 5H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.86 (重複したd, J = 8.4 Hz, 4H), 4.72 (s, 2H), 4.53 (m, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.69-2.86 (m, 7H), 2.25 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.30 (s, 9H)。
【0046】
工程VII:
(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(8)の調製
【0047】
【化15】

【0048】
BaSO4上パラジウム(5%,4.0g)をMeOH(200mL)中のベンジルヒドロキサメート(7)(4.6g)の脱気溶液に加え、懸濁液を大気圧で6時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望のヒドロキサメート(8)(3.5g,93%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): 10.37 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.54 (ddd, J = 14.8, 8.8, 及び 6.0 Hz, 1H), 2.91 (s, 3H), 2.70-2.87 (m, 7H), 2.24 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.32 (s, 9H)。
【0049】
工程VIII:
2-アミノ-3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(9)
【0050】
【化16】

【0051】
ヒドロキサメート(8)(3.4g)をCH2Cl2に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立てた。泡立てを中止し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(9)を白色非晶質固体として得た(2.9g,98%)。1H NMR (DMSO-d6): 10.39 (s, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.55 (m, 1H), 2.95-2.99 (m, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.80 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.25 (t, J = 8.0 Hz, 2H); LCMS (m/e):観測値 372.0, 計算値 371.43
【0052】
〔実施例2〕
3-{4-[4-(2-アミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸塩酸塩(10)の合成
【0053】
【化17】

【0054】
酸化合物(6)(0.8g)をCH2Cl2(20mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立てた。泡立てを中止し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(10)を白色の非晶質固体として得た(0.6g,87%)。1H NMR (DMSO-d6): 12.20 (br, 1H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.53 (m, 1H), 3.04 (dd, J = 13.2 及び 6.0 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 14.0 及び 8.0 Hz, 1H), 2.81 (m, 5H), 2.71 (s, 3H), 2.53 (t, J = 7.6 Hz, 2H). LCMS (m/e): 観測値 357.0, 計算値 356.42
【0055】
〔実施例3〕
2-アミノ-3-{4-[4-(2-カルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩(12)の合成
【0056】
【化18】

【0057】
工程I:
(2-{4-[4-(2-カルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-1-ジメチルカルバモイルエチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(11)
【0058】
【化19】

【0059】
酸化合物(6)(1.5g,3.3mmol)をDCM(25mL)に溶かした。トリエチルアミン(0.55mL,3.94mmol)とBOP試薬(1.6g,3.61mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で15分間撹拌した。次に、溶液全体にアンモニアを穏やかに15〜20分間泡立てて反応を完了させた。過剰のアンモニアを脱気し、減圧下で溶媒を除去し、残留物をEtOAc(75mL)中で懸濁させた。有機層を0.5N NaOH(2×10mL)、水(2×25mL)、及び食塩水(1×30mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮してアミド化合物(11)(1.5g,約99%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): 7.27 (br, 1H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.75 (br, 1H), 4.53 (m, 1H), 2.91 (s, 3H), 2.75-2.83 (m, 7H), 2.33 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.32 (s, 9H)
【0060】
工程II:
2-アミノ-3-{4-[4-(2-カルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩(12)の調製
【0061】
【化20】

【0062】
アミド化合物(11)(1.5g)をCH2Cl2(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立てた。泡立てを中止し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(12)を極端に吸湿性の白色非晶質固体として得た(1.0g,77%)。1H NMR (DMSO-d6): 7.29 (br, 1H), 7.20 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 7.19 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.88 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 6.87 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 6.87 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.76 (br, 1H), 4.63 (m, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.54-2.78 (m, 7H), 2.34 (t, J = 8.4 Hz, 2H)。
【0063】
〔実施例4〕
3-{4-[4-(2-アミノ-3-モルフォリン-4-イル-3-オキソ-プロピル)-フェノキシ]-フェニル}-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩(17)の合成
【0064】
【化21】

【0065】
工程I:
3-{4-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-モルフォリン-4-イル-3-オキソ-プロピル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(13)の調製
【0066】
【化22】

【0067】
化合物(4)(2.0g,4.6mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下で室温にて撹拌した。トリエチルアミン(0.94mL,6.76mmol)とBOP試薬(2.19g,4.96mmol)を加えて反応混合物を15分間撹拌した。モルフォリン(0.79mL,9.02mmol)を加え、結果の溶液を室温で約1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、結果として生じた油をEtOAc(60mL)に取った。有機層を1.0N NaOH(1×10mL)、水(2×20mL)及び食塩水(1×20mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望アミド(13)を得た(1.7g,約74%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.56 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 3.24-3.54 (m, 8H), 2.74-2.87 (m, 4H), 2.62 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.32 (s, 9H)。
【0068】
工程II:
3-{4-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-モルフォリン-4-イル-3-オキソプロピル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(14)の調製
【0069】
【化23】

【0070】
アミド(13)(2.2g,4.3mmol)をTHF(25mL)に溶かして水(25mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.41g,17.0mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させ、得られた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×50mL)中に抽出した。有機層を水(1×50mL)と食塩水(1×50mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望の酸化合物(14)(2.0g,93.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.1 (br, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.52 (m, 1H), 3.22-3.47 (m, 8H), 2.72-2.80 (m, 4H), 1.28 (s, 9H)。
【0071】
工程III:
(1-{4-[4-(2-ベンジルオキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-ベンジル}-2-モルフォリン-4-イル-2-オキソエチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(15)の調製
【0072】
【化24】

【0073】
酸(14)(2.0g,4.0mmol)を乾燥DMF(35mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.6g,4.4mmol)、EDCI(0.77g,4.0mmol)、及びトリエチルアミン(1.68mL,12.0mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.7g,4.4mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(100mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×20mL)、飽和NaHCO3(1×20mL)、及び食塩水(1×50mL)で抽出した。結果として生じたEtOAc層を乾燥かつ濃縮して粗生成物を得た。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル−1:1(1%の酢酸含有))により所望のベンジルヒドロキサメート(15)を得た(1.6g,66%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.93 (s, 1H), 7.28-7.35 (m, 5H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.68 (s, 2H), 4.52 (m, 1H), 3.21-3.49 (m, 8H), 2.72-2.80 (m, 4H), 2.21 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.29 (s, 9H)。
【0074】
〔工程IV〕
(1-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-ベンジル}-2-モルフォリン-4-イル-2-オキソエチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(16)の調製
【0075】
【化25】

【0076】
MeOH(50mL)中ベンジルヒドロキサメート(15)(1.6g)の脱気溶液にBaSO4上パラジウム(5%,0.5g)を加え、この懸濁液を大気圧で6時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望ヒドロキサメート(16)を得た(1.1g,81%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.35 (s, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13-7.17 (m, 3H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.52 (m, 1H), 3.21-3.49 (m, 8H), 2.69-2.83 (m, 4H), 2.20 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.28 (s, 9H)。
【0077】
工程V:
3-{4-[4-(2-アミノ-3-モルフォリン-4-イル-3-オキソプロピル)-フェノキシ]-フェニル}-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩(17)の調製
【0078】
【化26】

【0079】
化合物16(1.1g)をCH2Cl2(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立てた。泡立てを中止し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×25mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(17)を白色非晶質固体として得た(0.82g,85%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.40 (s, 1H), 7.23 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 7.20 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.62 (m, 1H), 3.35-3.54 (m, 8H), 2.91-3.07 (m, 2H), 2.80 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 8.0 Hz, 2H); LCMS: 観測値 414, 計算値 413.47。
【0080】
〔実施例5〕
3-(4-{4-[3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-2-アミノ-3-オキソプロピル]-フェノキシ}-フェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩(22)の合成
【0081】
【化27】

【0082】
工程I:
3-(4-{4-[3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-オキソ-プロピル]-フェノキシ}-フェニル)-プロピオン酸メチルエステル(18)の調製
【0083】
【化28】

【0084】
水素化化合物(4)(2.0g,4.6mmol)をCH2Cl2(20mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌した。トリエチルアミン(0.75mL,5.4mmol)とBOP試薬(2.19g,4.96mmol)を加えて反応混合物を15分間撹拌した。1-アセチルピペラジン(1.16g,9.02mmol)を加え、結果溶液を室温で2時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、結果として生じた油をEtOAc(75mL)に取った。有機層を1.0N NaOH(1×10mL)、水(2×30mL)及び食塩水(1×30mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望のアミド(18)を得た(2.4g,約96%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.58 (m, 1H), 3.50 (s, 3H), 3.27-3.46 (m, 8H), 3.08-3.13 (m, 1H), 2.77-2.83 (m, 3H), 2.61 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.99 (s, 3H), 1.32 (s, 9H)。
【0085】
工程II:
3-(4-{4-[3-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-オキソ-プロピル]-フェノキシ}-フェニル)-プロピオン酸(19)の調製
【0086】
【化29】

【0087】
アミド化合物(18)(2.3g,4.15mmol)をTHF(20mL)に溶かして水(20mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.4g,17.0mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させ、得られた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×30mL)中に抽出した。有機層を水(1×40mL)と食塩水(1×40mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望酸化合物(19)(2.0g,89%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.16 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.47 (dd, J = 12.8 及び 8.4 Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 4.81 (m, 1H), 3.32-3.57 (m, 6H), 2.92-3.00 (m, 6H), 2.66 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.08 (d, J = 7.6 Hz, 3H), 1.43 (s, 9H)。
【0088】
工程III:
(2-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-1-{4-[4-(2-ベンジルオキシ カルバモイルエチル)-フェノキシ]-ベンジル}-2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(20)の調製
【0089】
【化30】

【0090】
化合物(19)(1.95g,3.61mmol)を乾燥DMF(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.54g,4.0mmol)、EDCI(0.7g,3.61mmol)、及びトリエチルアミン(1.5mL,11.0mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.64g,4.0mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(60mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×20mL)、飽和NaHCO3(1×20mL)、及び食塩水(1×40mL)で抽出した。結果として生じたEtOAc層を乾燥かつ濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH−49:1)により所望のベンジルヒドロキサメート(15)(1.0g,44%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.93 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.28-7.33 (m, 5H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.69 (s, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.07-3.42 (m, 8H), 2.60-2.85 (m, 4H), 2.21 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.28 (s, 9H)。
【0091】
工程IV:
(2-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-1-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-ベンジル}-2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(21)の調製
【0092】
【化31】

【0093】
MeOH(75mL)中の ベンジルヒドロキサメート(20)(0.9g)の脱気溶液にBaSO4上パラジウム(5%,0.4g)を加え、該懸濁液を大気圧で6時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望のヒドロキサメート(21)を得た(約0.8g,定量的収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.38 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.58 (m, 1H), 3.10-3.45 (m, 8H), 2.76-2.85 (m, 4H), 2.24 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.32 (s, 9H)。
【0094】
工程V:
3-(4-{4-[3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-2-アミノ-3-オキソ-プロピル]-フェノキシ}-フェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩(22)の調製
【0095】
【化32】

【0096】
酸化合物(21)(0.8g)をCH2Cl2(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立てた。泡立てを中止し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×25mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(22)を白色非晶質固体として得た(0.82g,85%)。1H NMR (CD3OD): 7.26 (重複したd, J = 8.8 Hz, 1H), 7.25 (重複したd, J = 8.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.97 (重複したd, J = 8.4 Hz, 1H), 6.95 (重複したd, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (重複したd, J = 8.4 Hz, 1H), 6.88 (重複したd, J = 8.4 Hz, 1H), 4.65 (m, 1H), 3.3-3.6 (m, 6H), 3.0-2.8 (m, 4H), 2.91 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.39 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.10(d, J = 11.2 Hz, 3H). LCMS: 観測値 455.0, 計算値 454.52
【0097】
〔実施例6〕
3-(4-{4-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-フェノキシ}-フェニル)-プロピオン酸(25)の合成
【0098】
【化33】

【0099】
工程I:
3-{4-[4-(2-アミノ-2-ジメチルカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(23)の調製
【0100】
【化34】

【0101】
アミド化合物(5)(1.8g)をCH2Cl2(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立てた。泡立てを中止し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存の粘着性固体を真空下で乾燥させ、さらに精製せずに粗製塩酸塩(23)を得た(1.5g,定量的収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.20 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.50 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.98-3.04 (m, 3H), 2.91 (dd, J = 14.0 及び 8.0 Hz, 1H), 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.59 (t, J = 7.2 Hz, 2H)。
【0102】
工程II:
3-(4-{4-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-フェノキシ}-フェニル)-プロピオン酸メチルエステル(24)の調製
【0103】
【化35】

【0104】
塩酸塩化合物(23)(1.5g,3.69mmol)をCH2Cl2(50mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。N,N'-ジイソプロピルエチルアミン(1.28mL,7.74mmol)を上記溶液に添加後、p-トルエンスルホニルクロリド(0.58g,3.06mmol)そ少しずつ加えた。次に、反応混合物を室温に戻して一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残存油をEtOAc(75mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×10mL)、水(1×50mL)、及び食塩水(2×50mL)で洗浄した。結果として生じたEtOAc層を乾燥させ、減圧下で濃縮して油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル−3:2(1%の酢酸を含有))により所望のスルホンアミド(24)を得た(0.9g,47%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.39 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.72-2.92 (m, 4H), 2.69 (s, 3H), 2.57-2.64 (m, 4H), 2.47 (s, 3H), 2.35 (s, 3H)。
【0105】
工程III:
3-(4-{4-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-フェノキシ}-フェニル)-プロピオン酸(25)の調製
【0106】
【化36】

【0107】
スルホンアミド化合物(24)(0.9g,1.72mmol)をTHF(10mL)に溶かして水(10mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.16,6.86mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させ、得られた水層を2.0M HClで酸性にし、EtOAc(2×25mL)中に抽出した。有機層を水(1×25mL)と食塩水(1×25mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望の酸化合物(25)(0.9g,定量的)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.2 (br, 1H), 8.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.28 (m, 1H), 2.75-2.81 (m, 3H), 2.69 (s, 3H), 2.60 (dd, J = 13.2 及び 7.6 Hz, 1H), 2.52 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H). LCMS (m/e): 観測値 526, 計算値 525.62
【0108】
〔実施例7〕
3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド(27)の合成
【0109】
【化37】

【0110】
工程I:
3-{4-[4-(2-ベンジルオキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド(26)の調製
【0111】
【化38】

【0112】
酸化合物25(0.85g,1.66mmol)を乾燥DMF(20mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.25g,1.82mmol)、EDCI(0.32g,1.66mmol)、及びトリエチルアミン(0.7mL,5.0mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.3g,1.83mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(50mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×10mL)、飽和NaHCO3(1×10mL)、及び食塩水(1×25mL)で抽出した。結果として生じたEtOAc層を乾燥かつ濃縮して粗生成物を得た。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル−1:1(1%の酢酸を含有))により所望のベンジルヒドロキサメート(26)(0.8g,78%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.06 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30-7.36 (m, 5H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.72 (s, 2H), 4.26-4.32 (m, 1H), 2.75-2.82 (m, 3H), 2.68 (s, 3H), 2.57-2.63 (dd, J = 13.6 及び 7.6 Hz, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.25 (t, J = 7.2 Hz, 2H)。
【0113】
工程II:
3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド(27)の調製
【0114】
【化39】

【0115】
MeOH(50mL)中のベンジルヒドロキサメート(26(0.8g)の脱気溶液にBaSO4上パラジウム(5%,0.5g)を加え、この懸濁液を大気圧で4時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望のヒドロキサメート(27)を得た(0.4g,59%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.36 (s, 1H), 8.70 (br, 1H), 8.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.29 (m, 1H), 2.73-2.80 (m, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.59 (dd, J = 13.2 及び 7.6 Hz, 1H), 2.99 (s, 3H), 2.24 (t, J = 8.0 Hz, 2H). LCMS (m/e): 観測値 511, 計算値 510.6
【0116】
〔実施例8〕
D-2-アミノ-3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩(28)の合成
【0117】
【化40】

【0118】
化合物(9)の方法と同様の方法に従い、白色非晶質固体としてBoc-D-チロシンから出発して表題化合物(28)を調製した。1H NMR (DMSO-d6): 10.43 (s, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.53 (dd, J = 12.4 及び 6.8 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 13.6 及び 6.4 Hz, 1H), 2.94 (dd, J = 13.6 及び 7.6 Hz, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.79 (重複したt, J = 8.0 Hz, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.25 (t, J = 8.0 Hz, 2H)。
【0119】
〔実施例9〕
3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N-ヒドロキシ-プロピオンアミド塩酸塩(36)の合成:
【0120】
【化41】

【0121】
工程I:
tert-ブトキシカルボニルアミノ-[4-(4-ホルミルフェノキシ)-フェニル]-酢酸(29)の調製
【0122】
【化42】

【0123】
炭酸カリウム(23.11g,140mmol)と4-フルオロベンズアルデヒド(25.0mL,233mmol)をtert-ブトキシカルボニルアミノ-(4-ヒドロキシ-フェニル)-酢酸(12.5g,46.7mmol)の無水DMF(40mL)中の溶液に加えた。結果の懸濁液をアルゴン雰囲気下75±5℃で還流させた。72時間後、反応混合物を室温に戻し、水(200mL)で希釈し、EtOAc(2×150mL)で抽出した。水層を集め、5.0M HClで酸性にしてpHを約2.0としてEtOAc(3×150mL)で抽出した。得られたEtOAc層を水(2×300mL)と食塩水(1×300mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して所望のアルデヒド(29)を低融点固体として得た(12.0g,69%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.9 (br, 1H), 9.93 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.13 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 7.13 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 5.16 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H)。
【0124】
工程II:
3-{4-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノcカルボキシメチル)-フェノキシ]-フェニル}-アクリル酸メチルエステル(30)の調製
【0125】
【化43】

【0126】
水素化ナトリウム(鉱油中60%,4.03g,100.0mmol)をアルゴン雰囲気下、無水ヘキサン(3×50mL)で洗浄した。乾燥THF(200mL)を加えて0〜5℃に冷却した。撹拌しながら上記混合物に、トリメチルホスホノアセテート(8.2mL,50.0mmol)の乾燥THF(35mL)中の溶液を滴加した。約5分後、アルデヒド(29)(17.0g,46.0mmol)の乾燥THF(35mL)中の溶液を加えてから反応混合物を室温に戻して撹拌した。30分後、この清澄反応混合物を10%のクエン酸(50mL)でクエンチし、さらに2.0M HClで酸性にしてpHを約2.0とした。減圧下でTHFを蒸発させ、得られた油状物質をEtOAc(2×400mL)で抽出した。有機層を水(3×500mL)と食塩水(1×500mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して不飽和エステル(30)(20.0g,定量的収率)を粗生成物として得、さらに精製せずに次工程で用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.9 (br, 1H), 7.75 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.56 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 1.40 (s, 9H)。
【0127】
工程III:
3-{4-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノカルボキシメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(31)の調製
【0128】
【化44】

【0129】
MeOH(100mL)中の不飽和エステル(30)(20.0g)の脱気溶液にラネーニッケル2800(21.9g)を加え、結果の懸濁液を大気圧で18時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮した。水素化の完了をNMRで判定した。生じた残留物のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜50%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望の飽和エステル(31)を得た(15.1g,75%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.8 (br, 1H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 3.59 (s, 3H), 2.84 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.63 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H)。
【0130】
工程IV:
3-{4-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノジメチル カルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(32)の調製
【0131】
【化45】

【0132】
水素化化合物(31)(4.0g,9.3mmol)をCH2Cl2(60mL)に溶かしてアルゴン雰囲気下で室温にて撹拌した。トリエチルアミン(1.56mL,11.0mmol)とBOP試薬(4.53g,10.0mmol)を反応混合物に加えて15分間撹拌した。ジメチルアミン(THF中の2.0M溶液,23.3mL,47.0mmol)を加え、結果の溶液を室温で約2〜3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、得られた油をEtOAc(200mL)に取った。有機層を0.5N NaOH(1×30mL)、水(2×100mL)及び食塩水(1×100mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望のアミド(32)(3.7g,87%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.93 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.92 (重複したd, J = 8.0 Hz, 2H), 5.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.59 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 2.80-2.84 (m. 5H), 2.63 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H)。
【0133】
工程V:
3-{4-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(33)の調製
【0134】
【化46】

【0135】
アミド(32)(3.6g,7.9mmol)をTHF(40mL)に溶かして水(40mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.76g,31.0mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させ、得られた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×100mL)中に抽出した。有機層を水(1×150mL)と食塩水(1×200mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望の酸化合物(33)(3.4g,97%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.2 (br, 1H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.84 (s, 3H), 2.81 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H)。
【0136】
工程VI:
({4-[4-(2-ベンゾイルオキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-ジメチルカルバモイルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(34)の調製
【0137】
【化47】

【0138】
酸化合物(33)(1.5g,3.4mmol)を乾燥DMF(20mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.5g,3.73mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.65g,3.4mmol)、及びトリエチルアミン(1.42mL,10.0mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.6g,3.73mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(100mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×10mL)、飽和NaHCO3(1×10mL)、及び食塩水(1×50mL)で抽出した。得られたEtOAc層を乾燥かつ濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜70%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望のベンジルヒドロキサメート(34)(1.6g,84%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.97 (s, 1H), 7.32-7.36 (m, 7H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.93 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 6.91 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 5.50 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.73 (s, 2H), 2.89 (s, 3H), 2.80-2.83 (m, 5H), 2.26 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H)。
【0139】
工程VII:
(ジメチルカルバモイル-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-メチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(35)の調製
【0140】
【化48】

【0141】
パラジウム(BaSO4上5%,2.0g)をMeOH(100mL)中のベンジルヒドロキサメート(34)(1.5g)の脱気溶液に加え、この懸濁液を大気圧で6時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望ヒドロキサメート(35)を得た(1.1g,90%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.42 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.93 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.92 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 5.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.84 (s, 3H), 2.80 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H)。
【0142】
工程VIII:
3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩(36)の調製
【0143】
【化49】

【0144】
ヒドロキサメート(35)(1.1g)をCH2Cl2に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(36)を白色非晶質固体として得た(0.87g,92%)。1H NMR (DMSO-d6): 10.44 (s, 1H), 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 2.81 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.26 (t, J = 8.0 Hz, 2H). LCMS (m/e): 観測値 [M + Na]+ 380, 計算値 357.4
【0145】
〔実施例10〕
3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(37)の合成
【0146】
【化50】

【0147】
酸化合物(33)(0.3g)をCH2Cl2(20mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(37)を白色非晶質固体として得た(0.15g,59%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.2 (br, 1H), 7.47 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.49 (s, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.81-2.84 (m, 5H), 2.54 (t, J = 8.0 Hz, 2H)。
【0148】
〔実施例11〕
3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオンアミド塩酸塩(39)の合成
【0149】
【化51】

【0150】
工程I:
({4-[4-(2-カルバモイルエチル)フェノキシ]-フェニル}-ジメチルカルバモイルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(38)の調製
【0151】
【化52】

【0152】
酸化合物(33)(0.7g,1.58mmol)をDCM(25mL)に溶かした。トリエチルアミン(0.26mL,1.89mmol)とBOP試薬(0.77g,1.74mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で15分間撹拌した。次に、溶液全体にアンモニアを穏やかに15〜20分間泡立たせて反応を完了させた。過剰のアンモニアを脱気し、減圧下で溶媒を除去し、残留物をEtOAc(75mL)に懸濁させた。有機層を0.5N NaOH(2×10mL)、水(2×25mL)、及び食塩水(1×30mL)で洗浄し、減圧下で濃縮してアミド化合物(38)を得た(0.7g,定量的収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30 (br, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.93 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H0, 6.92 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 6.78 (br, 1H), 5.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.84 (s, 3H), 2.79 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.35 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H)。
【0153】
工程II:
3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオンアミド塩酸塩(39)の調製
【0154】
【化53】

【0155】
アミド化合物(38)(0.6g)をCH2Cl2(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(39)を極端に吸湿性の白色非晶質固体として得た(0.44g,86%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.47 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.34 (br, 1H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.78 (br, 1H), 5.51 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.83 (s, 3H), 2.80 (2.80 (t, J = 8.0 Hz,2H), 2.36 (t, J = 8.0 Hz, 2H)。
【0156】
〔実施例12〕
3-{4-[4-アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N, N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(41)の合成
【0157】
【化54】

【0158】
工程I:
(ジメチルカルバモイル-{4-[4-(2-ジメチルカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-メチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(40)の調製
【0159】
【化55】

【0160】
酸化合物33(0.7g,1.58mmol)をDCM(20mL)に溶かしてアルゴン雰囲気下で室温にて撹拌した。トリエチルアミン(0.26mL,1.9mmol)とBOP試薬(0.77g,1.74mmol)を加えて反応混合物を15分間撹拌した。ジメチルアミン(THF中2.0M溶液,4.0mL,7.9mmol)を加え、結果の溶液を室温で約2〜3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、得られた油をEtOAc(200mL)に取った。有機層を0.5N NaOH(1×30mL)、水(2×100mL)及び食塩水(1×100mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望のアミド(40)を得た(0.7g,94.5%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.33 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.93 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 6.92 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 5.50 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.93 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 2.84 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 2.79 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H)。
【0161】
工程II:
3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(41)の調製
【0162】
【化56】

【0163】
アミド化合物(40)(0.6g)をCH2Cl2(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(41)を極端に吸湿性の白色非晶質固体として得た(0.43g,83%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 2.81 (s, 3H), 2.80 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 8.0 Hz, 2H). LCMS (m/e): 観測値 469, 計算値 369.46。
【0164】
〔実施例13〕
2-アミノ-3-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(49)の合成
工程I:
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4'-ホルミルビフェニル-4-イル)-プロピオン酸(42)の調製
【0165】
【化57】

【0166】
前記アミノ酸(5.0g,15.0mmol)と4-ホルミルフェニルボロン酸(2.18g)をトルエン(120mL)に溶かした。これにK2CO3(2.0M,21.8mL)とエタノール(12mL)の水溶液を添加後、パラジウム触媒を加え、結果の溶液をアルゴン雰囲気下で85℃にて18時間加熱した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、有機層を分けた。水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×100mL)で抽出した。EtOAc層を連続して水(2×75mL)と食塩水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜40%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望のアルデヒド化合物(42)を得た(4.0g,74.6%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.23 (br, 1H), 10.05 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.14 (ddd, J = 12.8, 10.4, 及び 4.4 Hz, 1H), 3.09 (dd, J = 13.6 及び 4.4 Hz, 1H), 2.89 (dd, J = 13.6 及び 10.4 Hz, 1H), 1.32 (d, 9H)。
【0167】
工程II:
3-[4'-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-カルボキシエチル)-ビフェニル-4-イル]-アクリル酸メチルエステル(43)の調製
【0168】
【化58】

【0169】
水素化ナトリウム(鉱油中60%,1.02g,26.0mmol)をアルゴン雰囲気下で無水ヘキサン(3×15mL)にて洗浄した。乾燥THF(20mL)を加えて0〜5℃に冷却した。撹拌しながら上記混合物に、乾燥THF(20mL)中のトリメチルホスホノアセテート(2.1mL,13.0mmol)の溶液を滴加した。約5分後、乾燥THF(20mL)中のアルデヒド(42)(4.3g,10.6mmol)の溶液を加えてから反応混合物を室温に戻して撹拌した。30分後、この清澄反応混合物を10%のクエン酸(25mL)でクエンチし、さらに2.0M HClで酸性にしてpHを約2.0とした。減圧下でTHFを蒸発させ、得られた油状物質をEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を水(3×75mL)と食塩水(1×100mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して不飽和エステル(43)(4.6g,93%)を粗生成物として得、さらに精製せずに次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.66 (br, 1H), 7.80 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.72 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 7.70 (重複したd, J = 16.0 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.13 (ddd, J = 12.8, 10.4, 及び 4.8 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.07 (dd, J = 14.0 及び 4.8 Hz, 1H), 2.88 (dd, J = 13.6 及び 10.0 Hz, 1H), 1.32 (s, 9H)
【0170】
工程III:
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[4'-(2-メトキシカルボニルエチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオン酸(44)の調製
【0171】
【化59】

【0172】
MeOH(150mL)中の不飽和エステル(43)(4.1g)の脱気溶液にラネーニッケル2800(4.0g)を加え、結果の懸濁液を大気圧で18時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮した。生成残留物のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜50%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望の飽和エステル(44)を得た(3.8g,94.5%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.54 (d, J = 7.6 Hz, 4H), 7.31 (重複したd, J = 8.8 Hz, 2H), 7.29 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 4.12 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.87 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.65 (t, J 7.6 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0173】
工程IV:
3-[4'-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオン酸メチルエステル(45)の調製
【0174】
【化60】

【0175】
水素化化合物(44)(4.3g,10.0mmol)をCH2Cl2(50mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下て室温にて撹拌した。トリエチルアミン(1.68mL,12.0mmol)とBOP試薬(4.9g,11.0mmol)を加え、反応混合物を15分間撹拌した。ジメチルアミン(THF中2.0M溶液,25.0mL,50.0mmol)を加え、結果の溶液を室温で約2〜3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、結果として生じた油をEtOAc(100mL)に取った。有機層を0.5N NaOH(1×10mL)、水(2×50mL)及び食塩水(1×50mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望のアミド(45)(4.4g,96%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.56 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 7.55 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.58 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 2.94 (s, 3H), 2.89 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.79-2.83 (m, 5H), 2.67 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0176】
工程V:
3-[4'-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオン酸(46)の調製
【0177】
【化61】

【0178】
アミド(45)(4.3g,9.46mmol)をTHF(35mL)に溶かして水(35mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.91g,38.0mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させ、得られた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×100mL)中に抽出した。有機層を水(1×100mL)と食塩水(1×100mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望の酸化合物(46)(3.9,93.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.22 (br, 1H), 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.32 (重複したd, J = 8.0 Hz, 2H), 7.31 (重複したd, J = 8.0 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.56 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.75-2.90 (m, 7H), 2.57 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0179】
工程VI:
{1-ジメチルカルバモイル-2-[4'-(2-フェノキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-エチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル(47)の調製
【0180】
【化62】

【0181】
酸化合物(46)(1.9g,4.3mmol)を乾燥DMF(30mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.64g,4.74mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.83g,4.3mmol)、及びトリエチルアミン(1.8mL,13.0mmol)を上記混合物に添加後、15分撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.76g,4.74mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(75mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×10mL)、飽和NaHCO3(1×10mL)、及び食塩水(1×50mL)で抽出した。結果のEtOAc層を乾燥かつ濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜70%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望のベンジルヒドロキサメート(47)を得た(1.2g,53%)。
【0182】
工程VII:
{1-ジメチルカルバモイル-2-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-ビフェニル-4-イル]-エチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル(48)の調製
【0183】
【化63】

【0184】
BaSO4上パラジウム(5%,1.0g)をMeOH(60mL)中のベンジルヒドロキサメート(47)(1.2g)の脱気溶液に加え、この懸濁液を大気圧で4時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望のヒドロキサメート(48)を得た(1.0g,97%)。 1H NMR (DMSO-d6): 10.42 (br, 1H), 7.55 (d, J = 7.6 Hz, 4H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.57 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.73-2.91 (m, 7H), 2.29 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0185】
工程VIII:
2-アミノ-3-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(49)の調製
【0186】
【化64】

【0187】
ヒドロキサメート(48)(0.9g)をCH2Cl2(25mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×30mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(49)を白色非晶質固体として得た(0.68g,88%)。1H NMR (DMSO-d6): 10.45 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.58 (m, 1H), 3.09 (dd, J = 14.0 及び 8.4 Hz, 1H), 3.01 (dd, J = 14.0 及び 7.2 Hz, 1H), 2.84 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.81 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 2.29 (t, J = 7.2 Hz, 2H). LCMS (m/e): 観測値 [MH]+ 356, 計算値 355.4
【0188】
〔実施例14〕
3-[4'-(2-アミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオン酸塩酸塩(50)の合成
【0189】
【化65】

【0190】
酸化合物(46)(0.9g)をCH2Cl2(25mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×25mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(50)を白色非晶質固体として得た(0.64g,83%)。1H NMR (DMSO-d6): 12.2 (br, 1H), 7.62 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.58 (m, 1H), 3.02-3.08 (m, 2H), 2.85 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.81 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 2.57 (t, J = 7.6 Hz, 2H).LCMS (m/e): 観測値 [MH]+ 341, 計算値 340.4。
【0191】
〔実施例15〕
2-アミノ-3-[4'-(2-カルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(52)の合成
【0192】
【化66】

【0193】
工程I:
{2-[4'-(2-カルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-1-ジメチルカルバモイルエチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル(51)の調製
【0194】
【化67】

【0195】
酸化合物(46)(1.2g,2.73mmol)をDCM(30mL)に溶かした。トリエチルアミン(0.46mL,3.27mmol)とBOP試薬(1.33g,3.0mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下で室温にて15分間撹拌した。次に、溶液全体にアンモニアを穏やかに15〜20分間泡立たせて反応を完了させた。過剰のアンモニアを脱気し、減圧下で溶媒を除去し、残留物をEtOAc(75mL)に懸濁させた。有機層を0.5N NaOH(2×10mL)、水(2×25mL)、及び食塩水(1×30mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮してアミド化合物(51)を得た(1.1g,92%)。1H NMR (DMSO-d6): 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.77 (br, 1H), 4.56 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.75-2.90 (m, 7H), 2.74 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 1.30 (s, 9H)。
【0196】
工程II:
2-アミノ-3-[4'-(2-カルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(52)の調製
【0197】
【化68】

【0198】
アミド化合物(51)(1.0g)をCH2Cl2(25mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(52)を極端に吸湿性の白色非晶質固体として得た(0.68g,79.5%)。1H NMR (DMSO-d6): 7.62 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.78 (br, 1H), 4.58 (m, 1H), 2.95 (m, 2H), 2.81-2.85 (m, 5H), 2.72 (s, 3H), 2.38 (t, J = 8.0 Hz, 2H). LCMS (m/e): 観測値 [MH]+ 340, 計算値 339.4。
【0199】
〔実施例16〕
3-{4'-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-ビフェニル-4-イル}-プロピオン酸(69)の合成
【0200】
【化69】

【0201】
工程I:
3-[4'-(2-アミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(53)の調製
【0202】
【化70】

【0203】
アミド化合物(45)(2.7g)をCH2Cl2(50mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で2時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存粘着性固体を真空下で乾燥させ、さらに精製せずに粗製塩酸塩(53)を得た(2.2g,94.8%)。1H NMR (DMSO-d6): 10.55 (b, 1H), 7.61 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.31 (重複したd, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.57 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.99-3.20 (m, 2H), 2.88 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.69 (s, 3H), 2.66 (t, J = 7.6 Hz, 2H)。
【0204】
工程II:
3-{4'-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-ビフェニル-4-イル}-プロピオン酸メチルエステル(54)の調製
【0205】
【化71】

【0206】
塩酸塩化合物(53)(2.1g,5.37mmol)をCH2Cl2(35mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。N,N-ジイプロピルエチルアミン(1.87mL,11.0mmol)を上記溶液に添加後、p-トルエンスルホニルクロリド(0.85g,4.46mmol)を少しずつ加えた。次に、反応混合物を室温に戻して一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残存油をEtOAc(50mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×10mL)、飽和NaHCO3(1×10mL)、及び食塩水(1×25mL)で洗浄した。得られたEtOAc層を乾燥させ、減圧下で濃縮して油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜50%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望のスルホンアミド(54)を得た(1.1g,40%)。1H NMR (DMSO-d6): 8.10 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.33 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 2.81-2.90 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.62-2.68 (m, 3H), 2.53 (s, 3H), 2.26(s, 3H)。
【0207】
工程III:
3-{4'-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-ビフェニル-4-イル}-プロピオン酸(55)の調製
【0208】
【化72】

【0209】
スルホンアミド化合物(54)(1.1g,2.06mmol)をTHF(30mL)に溶かして水(30mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.2g,8.26mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させ、得られた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×25mL)中に抽出した。有機層を水(1×25mL)と食塩水(1×25mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望の酸化合物(55)(1.05g,98%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.2 (br, 1H), 8.09 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.33 (m, 1H), 2.81-2.87 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.61-2.67 (m, 1H), 2.56 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.27 (s, 3H)。
【0210】
〔実施例17〕
3-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド(57)の合成
【0211】
【化73】

【0212】
工程I:
N,N-ジメチル-3-[4'-(2-フェノキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド(56)の調製
【0213】
【化74】

【0214】
化合物3-{4'-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-ビフェニル-4-イル}-プロピオン酸(55)(1.05g,2.1mmol)を乾燥DMF(20mL)に溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.32g,2.34mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.41g,2.13mmol)、及びトリエチルアミン(0.9mL,6.37mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.37g,2.34mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をCHCl3(50mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×10mL)、飽和NaHCO3(1×10mL)、及び食塩水(1×25mL)で抽出した。得られたCHCl3層を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜70%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望のベンジルヒドロキサメート(56)を得た(0.8g,64.5%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.97 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30-7.35 (m, 5H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.73 (s, 2H), 4.33 (m, 1H), 2.81-2.89 (m, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.64 (dd, J = 14.0 及び 8.0 Hz, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.27 (s, 3H)。
【0215】
工程II:
3-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド(57)の調製
【0216】
【化75】

【0217】
パラジウム(BaSO4上5%)(0.5g)をMeOH(50mL)中のベンジルヒドロキサメート(56)(0.8g)の脱気溶液に加え、この懸濁液を大気圧で4時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望のヒドロキサメート(57)を得た(0.2g,29%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.39 (br, 1H), 8.09 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.33 (m, 1H), 2.81-2.86 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.61-2.67 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.28 (s, 3H)。
【0218】
〔実施例18〕
L-2-アミノ-3-{4-[2-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N, N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(65)の合成
【0219】
【化76】

【0220】
工程I:
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[4-(2-ホルミルフェノキシ)-フェニル]-プロピオン酸(58)の調製
【0221】
【化77】

【0222】
炭酸カリウム(7.36g,53.31mmol)と-2-フルオロベンズアルデヒド(9.3mL,88.85mmol)を無水DMF(20mL)中のBoc-チロシン(5.0g,17.77mmol)の溶液に加えた。結果の懸濁液をアルゴン雰囲気下で75±5℃にて還流させた。48時間後、反応混合物を室温に戻し、水(100mL)で希釈し、EtOAc(2×50.0mL)で抽出した。水層を収集し、5.0M HClで酸性にしてpHを約2.0としてEtOAc(2×100mL)で抽出した。結果のEtOAc層を水(1×100mL)と食塩水(1×100mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して所望のアルデヒド(58)を低融点固体として得た(6.4g,約99%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.62(s, 1H), 10.38 (s, 1H), 7.84 (dd, J = 8.0 及び 2.0 Hz, 1H), 7.64 (dt, J = 7.2 及び 1.6 Hz, 1H) 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.27 (t, J = 7.6 Hz, 2Hz), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H) 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.09 (ddd, J = 12.8, 10.8 及び 4.4 Hz, 1H), 3.02 (dd, J = 13.6 及び 4.4 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 13.6 及び 10.4 Hz, 1H) 1.32 (s, 9H)。
【0223】
工程II:
3-{2-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-カルボキシエチル)-フェノキシ]-フェニル}-アクリル酸メチルエステル(59)の調製
【0224】
【化78】

【0225】
水素化ナトリウム(鉱油中60%,0.57g,14.278mmol)をアルゴン雰囲気下で無水ヘキサン(3×30mL)にて洗浄した。乾燥THF(50mL)を加えて0〜5℃に冷却した。乾燥THF(8.0mL)中のトリメチルホスホノアセテート(1.30mL,7.139mmol)の溶液を上記混合物に撹拌しながら滴加した。約5分後、乾燥THF(20mL)中のアルデヒド(58)(2.5g,6.486mmol)の溶液を加えてから反応混合物を室温に戻して撹拌した。30分後、この清澄反応混合物を10%のクエン酸(50mL)でクエンチし、さらに2.0M HClで酸性にしてpHを約2.0とした。減圧下でTHFを蒸発させ、得られた油状物質をEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を水(3×200mL)と食塩水(1×200mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中で濃縮して不飽和エステル(59)を得た(2.7g,98.0%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.62 (s, 1H), 7.91 (dd, J = 7.6 及び 1.6 Hz, 1H) 7.85 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 7.42 (dt, J = 8.4 及び 1.2 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 13.6, 2H), 7.17 (t, 8.0 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 6.93 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.03 (dd, J = 13.6 及び 4.4 Hz, 1H), 2.80 (dd, J = 13.6 及び 10.0 Hz, 1H), 1.32 (s, 9H)。
【0226】
工程III:
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[2-(2-メトキシカルボニルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(60)の調製
【0227】
【化79】

【0228】
ラネーニッケル2800(2.5g)をMeOH(50.0mL)中の不飽和エステル(59)(2.5g)の脱気溶液に加え、結果の懸濁液を大気圧で18時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮した。結果残留物のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜50%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望の飽和エステル(60)を得た(2.2g,98%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.63 (s, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6 及び 1.6 Hz, 1H), 7.21 (m, 3H), 7.08 (m, 2H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.77 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.0 (m, 1H), 2.84 (t, J = 7.2 Hz, 2H) 2.76 (m, 1H) 2.61 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)
【0229】
工程IV:
3-{2-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(61)の調製
【0230】
【化80】

【0231】
水素化化合物(60)(2.2g,4.96mmol)をCH2Cl2に溶かしてアルゴン雰囲気下で室温にて撹拌した。トリエチルアミン(0.829mL,5.95mmol)とベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬,2.413g,5.456mmol)を加え、反応混合物を15分間撹拌した。ジメチルアミン(THF中2.0M溶液,12.4mL,24.8mmol)を加え、結果の溶液を室温で約2〜3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、得られた油をEtOAc(100mL)に取った。有機層を0.5N NaOH(1×30mL)、水(2×50.0mL)及び食塩水(1×50.0mL)で抽出した。有機層の乾燥と濃縮により所望のアミド粗生成物を得た(1.2g,約98%)。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム 1%-2%)により所望のアミド(75)を得た(0.8g,98%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.32 (dd, J = 7.6 及び 2HZ, 1H), 7.21 (m, 3H), 7.08 (dd, J = 14 及び 7.2 Hz, 2H), 6.83 (d, J = 8.8Hz, 2H), 6.75 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.53 (m, 1H) 3.55 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.85-2.58 (m, 7H), 2.59 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0232】
工程V:
3-{2-[4-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(62)の調製
【0233】
【化81】

【0234】
エステル(61)(0.8g,1.65mmol)をTHF(10mL)に溶かして水(10mL)で希釈した。水酸化リチウム(0.158g,6.6mmol)を加え、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。THFを蒸発させて得られた水層を2.0M HClで酸性にしてEtOAc(2×100mL)中に抽出した。有機層を水(1×100mL)と食塩水(1×100mL)で洗浄し、乾燥かつ濃縮して所望酸化合物(62)を得た(0.7g,97%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 12.1 (s, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6 及び 1.6 Hz, 1H) 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.08 (m, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.52 (m, 1H), 2.88 - 2.81 (m, 10H), 1.31 (s, 9H)。
【0235】
工程VI:
(2-{4-[2-(2-ベンジルオキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-1-ジメチルカルバモイルエチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(63)の調製
【0236】
【化82】

【0237】
酸化合物(62)(0.7g,1.533mmol)を乾燥DMFに溶かして0〜5℃に冷却した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.227g,1.686mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI,0.293g,1.533mmol)、及びトリエチルアミン(0.641mL,4.59mmol)を上記混合物に添加後、15分間撹拌した。O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.269g,1.686mmol)を加え、混合物を室温に戻して18時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残存油をEtOAc(100mL)に取った。有機層を2.0M HCl(1×20mL)、飽和NaHCO3(1×20mL)、及び食塩水(1×50mL)で抽出した。得られたEtOAc層を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜50%の酢酸エチル(1%の酢酸含有))により所望のベンジルヒドロキサメート(63)を得た(0.8g,98%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.9 (s, 1H), 7.37-7.2 (m, 9H), 7.07 (t, J =7.2 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.71 (s, 2H), 4.54 (m, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.81- 2.72 (m, 7H), 2.49 (t, J = 1.6 Hz, 2H), 1.30 (s, 9H)。
【0238】
工程VII:
(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[2-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(64)の調製
【0239】
【化83】

【0240】
BaSO4上パラジウム(5%,0.24g)をMeOH(20.0mL)中のベンジルヒドロキサメート(63)(0.7g)の脱気溶液に加え、この懸濁液を大気圧で6時間水素で処理した。懸濁液をCelite(登録商標)層上でろ過し、濃縮して所望のヒドロキサメート(64)を得た(0.7g,97%)。1H NMR (DMSO-d6): 10.37 (s, 1H), 7.28 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.23-7.16 (m, 3H), 7.06 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.53 (m, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.79-2.75 (m, 7H), 2.23 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 1.30 (s, 9H)。
工程VIII:
L-2-アミノ-3-{4-[2-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N, N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(65)の調製
【0241】
【化84】

【0242】
ヒドロキサメート(64)(0.5g)をCH2Cl2に溶かして0〜5℃に冷却した。この溶液全体に塩化水素ガスを20分間泡立たせた。泡立てを中止して反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残存固体をEtOAc(2×50mL)と摩砕し、デカントし、乾燥させて所望化合物(65)を白色非晶質固体として得た(0.4g,98%)。1H NMR (DMSO-d6): 10.42 (s, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6 及び 1.6 Hz, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (dt, J=7.2 及び1.2Hz, 1H), 6.88(d, J=8.4 Hz, 2H), 6.82 (dd, J=8.0 及び 0.8 Hz, 1H), 4.53 (m, 1H), 3.0 (dd, J= 13.2 及び 6 Hz, 1H) 2.93(dd, J=13.2 及び 7.2 Hz, 1H), 2.81(s, 3H), 2.76 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.25 (t, J = 7.6 Hz, 2H); LCMS (m/e): 観測値 372.0, 計算値 371.43。
【0243】
生物学的試験の手順:
本発明の化合物を、炎症性サイトカインレベル、酸化窒素、誘導性酸化窒素酵素(iNOS)の低減について試験し、動物モデルの有意な体重減少を示した。添付図面1〜7は、代表化合物の活性プロフィールを示す。
図1. ヒト末梢血単球細胞(hPBMC)内でのTNF-αの阻害
本発明の化合物は、ボランティアから単離したヒト末梢血単球細胞内における主要炎症誘発性サイトカインTNF-αの阻害を示す。ヒトPBMC細胞を培養し、1μM濃度の化合物及びポジティブコントロールであるデキサメタゾン(10μM)とインキュベートした。細胞(1×106/mL)をリポ多糖(LPS)(100ng/mLの濃度)で20時間誘発した。細胞上清をTNF-αの存在について抗体指向型酵素結合イムノアッセイ(antibody directed enzyme-linked immunoassay)(R & D Systems, MN, USA)で分析した。
図2. ヒト末梢血単球細胞(hPBMC)内でのIL-6及びIL-1βの阻害
この図は、ボランティアから単離したヒト末梢血単球細胞内における主要炎症誘発性サイトカインIL-6及びIL-1βの、化合物(9)による阻害を示す。ヒトPBMC細胞を培養し、1μM濃度の化合物及びポジティブコントロールであるデキサメタゾン(10μM)とインキュベートした。細胞(1×106/mL)をリポ多糖(LPS)(100ng/mLの濃度)で20時間誘発した。細胞上清をIL-6及びIL-1βの存在について抗体指向型酵素結合イムノアッセイ(R & D Systems, MN, USA)で分析した。
図3. RAW-264.7細胞におけるiNOS発現の選択的阻害
炎症性刺激因子、LPSは、この系内で誘導性酸化窒素シンターゼ(iNOS)酵素を誘発し、結果として酸化窒素(NO)が産生される。マウスマクロファージ細胞、RAW-264.7を化合物(9)と1時間インキュベートしてから次の6時間LPSで誘発した。総細胞ライセートをウエスタンブロットで抗-iNOS抗体(Transduction Laboratories, BD Pharmingen)を用いて分析した。
図4. マウス腹膜マクロファージ内でのLPS-誘導NOの阻害
温かいPBSを腹膜に注射することによってマウス腹膜マクロファージを単離し、注射器で細胞を出して管に貯蔵した。PBSで2回洗浄後、細胞を96ウェルプレートに蒔き、化合物(9)と1時間インキュベートしてからLPS(10μg/mL)で48時間誘発した。上清をNOについてELISAキット(R&D Biosystems)で分析した。この試験では、LPS誘発後、これら細胞内におけるNOの産生を化合物(9)は用量依存的に阻害した。
図5. PPARγアゴニスト誘導脂肪細胞分化の阻害
脂質生成は線維芽細胞からの脂肪をたくさん抱えた脂肪細胞の産生として定義される。すべての既知PPARγアゴニストは、長期治療後に脂質生成を誘発する。この転写因子PPARγの既知アゴニストであるロシグリタゾンは、3T3-L1細胞と呼ばれるマウス線維芽細胞内で脂肪細胞の分化を強く誘発する。この試験では、細胞をロシグリタゾン(1μM)又は化合物(9)(10μM)のみで処理し、或いはそれらを同じウェル内で混合して処理してその併用効果を調べた。細胞を11日間培養し、48時間毎に新鮮な薬物を与えながら培地を変えた。化合物(9)は脂質生成しないにもかかわらず、ロシグリタゾンはオイルレッドO(Oil red O)で染色後に脂肪細胞の強力な分化を示した。ロシグリタゾンはPPARγアゴニストによって誘発される脂質生成プロセスを遮断し、肥満コントロールのために使用できることを示している。
図6. 化合物(9)とシブトラミンは高脂肪食誘発肥満(DIO)モデルにおいて体重増加を低減した。
6週齢のC57BL/6Jオスマウスに高脂肪(60%)食を14日間与えた。日15から動物に50mg/kg(体重)の用量の化合物(9)又はシブトラミン(5mg/kg(bw))で60日間処理した。すべての動物に日15まで朝の時間中に1日1回投与した。日16から研究の最後まで、夜の時間中に動物に投与した。化合物(9)は、食物と水の摂取の有意な変化なしで体重を減らした。化合物(9)は、コントロール動物に比べて遊離脂肪酸及びトリグリセリドレベルを有意に低減し、かつ経口糖負荷を向上させた。
図7. 正常なやせたマウスにおける血糖降下作用
やせたC57BL/6Jオスマウスに適宜研究用げっ歯類食と精製水を与えた。動物を60日間、化合物(9)で50mg/kg(体重)の用量で処理した。血糖をACCUCHECK(登録商標)グルコースメーターで3日毎に朝の時間中に測定した。血糖レベルの変化は観察されなかった。
【図面の簡単な説明】
【0244】
【図1】本発明の7種の化合物によるヒト末梢血単球細胞内のTNF-αの阻害を示す2つの棒グラフ群である。
【図2】本発明の化合物によるヒト末梢血単球細胞内のIL-6及びIL-1βの阻害を示す2つの棒グラフ群である。
【図3】本発明の化合物によるiNOS発現の阻害を示すウエスタンブロットである。
【図4】マウス腹膜マクロファージ内での本発明の化合物によるLPS-誘導NOの阻害を示す棒グラフである。
【図5】本発明の化合物による線維芽細胞内におけるPPARγアゴニスト-誘導脂肪細胞分化の阻害を示す6つの写真群である。
【図6】本発明の化合物によるマウスモデルにおける高脂肪誘導肥満症の体重増加の低減を示すグラフである。
【図7】正常のやせたマウスにおける本発明の化合物の血糖降下作用を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物、その誘導体、立体異性体、医薬的に許容しうる塩及び医薬組成物。
【化1】

(式中、
---は、結合又は非結合を表し;
Aは置換及び無置換の5〜18員アリール及びヘテロシクリルから成る群より選択され;
Bは、置換及び無置換の5〜18員アリール、N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和及び不飽和ヘテロシクリルから成る群より選択され;
R1は-OR10又はNR11R12を表し;
R2及びR3は同一又は異なってよく、独立にH、COR13、又はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ若しくはヘテロシクリルから選択される置換若しくは無置換基を表し;
R4は、水素、又はアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアラアルキルから成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;
R5は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、又はアルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイル及びカルボン酸とその誘導体から成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;
R7、R8、及びR9は同一又は異なってよく、水素、ニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、ホルミル、アジド、ハロ、又はアルキル、アルコキシ、アシル、シクロアルキル、ハロアルキル、アミノ、ヒドラジン、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシアルキル、スルファモイル及びカルボン酸とその誘導体から成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;
R10は、水素、又はアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及び対イオンから成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;
R11及びR12は同一又は異なってよく、独立にH、又はアルキル、アルケニル及びアリールから成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し、或いは
R11とR12が窒素と一緒に置換若しくは無置換の単環式又は二環式の飽和若しくは不飽和環系(O、S又はNから選択される1又は2以上のヘテロ原子を含んでよい)を表すことがあり;
R13は、H、又はアルキル、アリール、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシ及びアラルコキシから成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;
ZはO、S又はNR14を表し、R14は水素又はアルキルを表し;ZがO又はSを意味する場合、R6は水素、又はアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル及びヘテロシクリルから成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;ZがNR14を意味する場合、R6はH、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル基、アルキルオキシ、アリールオキシ、アミノ、又はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル及びヘテロシクリルから成る群より選択される置換若しくは無置換基を表し;
R14は水素又はアルキルを表し;
YはO、S又はNR14を表し;
mは0〜8の整数であり;
nは0〜4の整数であり;
Xは結合、O、S、SO又はSO2を表す。)
【請求項2】
Bで表される前記環系が、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル等から選択される置換若しくは無置換の5〜6員の飽和若しくは不飽和ヘテロ環式環でさらに置換されていてもよい、フェニル、ナフチル等から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、フェニル、ピリジニル、インドリル及びジアジニルから成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Bが、フェニル、チアゾリル及びピリジニルから成る群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、ジアルキルアミノ、アミノ、i-プロポキシル、ヒドロキシル、ベンジルオキシル、N-アセチル-ペルヒドロ-1,4-ジチアインジニル及びペルヒドロ-1,4-オキサアザインジニルから成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R3が、水素及びp-トルエンスルホニルから成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R2、R4及びR5が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R6が、ヒドロキシル、アルキル、水素及びジアルキルメチルから成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R7、R8及びR9が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Xが、結合又はOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
YがOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Zが、NH又はOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
mが0又は1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが0、1又は2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
下記化合物:
a. L-2-アミノ-3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩;(9)
b. 3-{4-[4-(2-アミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸塩酸塩;(10)
c. 2-アミノ-3-{4-[4-(2-カルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩;(12)
d. 3-{4-[4-(2-アミノ-3-モルフォリン-4-イル-3-オキソ-プロピル)-フェノキシ]-フェニル}-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩;(17)
e. 3-(4-{4-[3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-2-アミノ-3-オキソプロピル]-フェノキシ}-フェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド塩酸塩;(22)
f. 3-(4-{4-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-フェノキシ}-フェニル)-プロピオン酸;(25)
g. 3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド;(27)
h. D-2-アミノ-3-{4-[4-(2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩;(28)
i. 3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N-ヒドロキシ-プロピオンアミド塩酸塩;(36)
j. 3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸;(37)
k. 3-{4-[4-(アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオンアミド塩酸塩;(39)
l. 3-{4-[4-アミノジメチルカルバモイルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N, N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩;(41)
m. 2-アミノ-3-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩;(49)
n. 3-[4'-(2-アミノ-2-ジメチルカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-プロピオン酸塩酸塩;(50)
o. 2-アミノ-3-[4'-(2-カルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩;(52)
p. 3-{4'-[2-ジメチルカルバモイル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-エチル]-ビフェニル-4-イル}-プロピオン酸;(69)
q. 3-[4'-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-ビフェニル-4-イル]-N,N-ジメチル-2-(トルエン-4-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド;(57)
r. L-2-アミノ-3-{4-[2-(2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-フェノキシ]-フェニル}-N, N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩;(65)
から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
医薬的に有効な量の請求項1に記載の下記式(I)の化合物と、医薬的に許容しうる担体、希釈剤、賦形剤又は溶媒とを含んでなる医薬組成物。
【化2】

【請求項17】
錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、溶液、エアロゾル又は懸濁液の形態の、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
宿主に請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することによって、血糖、遊離脂肪酸、コレステロール、トリグリセリドのレベル又は血漿中におけるこれらのいずれか1つのレベルを低減する方法。
【請求項19】
肥満症及び高脂血症の治療方法であって、治療が必要な患者に、有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む方法。
【請求項20】
肥満によって悪化する障害の治療方法であって、治療が必要な患者に、有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む方法。
【請求項21】
前記障害が偏頭痛を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記障害が呼吸器の問題を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記呼吸器の問題が喘息を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記呼吸器の問題が慢性閉塞性肺疾患を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
免疫疾患の治療方法であって、治療が必要な患者に、有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む方法。
【請求項26】
前記免疫疾患がサイトカインによって媒介される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記医薬的に許容しうる塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、カリウム塩及びマグネシウム塩から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
下記式
【化3】

(式中、A、B、X、Z、R1〜R9、m及びnは請求項1の定義どおりであり、Pは保護基である)
の化合物の製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式
【化4】

の化合物を下記式
【化5】

(式中、Wはハロである)
の化合物と反応させて下記式
【化6】

の化合物を形成する工程;
(b)工程(a)の生成物をトリアルキルホスホノアセテートと反応させて下記式
【化7】

の化合物を形成する工程;
(c)工程(b)の生成物を水素化する工程;
を含む方法。
【請求項29】
以下の工程:
(d)工程(c)の生成物を加水分解して下記式
【化8】

の化合物を形成する工程;
(e)工程(d)の生成物をZ-R6と反応させて下記式
【化9】

の化合物を形成する工程;
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
工程(e)の生成物から前記基Pを除去することによって、カルボキサミド基を脱保護する工程(f)をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
工程(f)の生成物をW'R2及び/又はW'R3(式中、W'はハロである)と反応させて、下記式の生成物を形成する工程(g)をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【化10】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−500350(P2009−500350A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519667(P2008−519667)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/025883
【国際公開番号】WO2007/005774
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(505268758)ベクセル ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】