能動制御バルブおよび能動制御バルブの作動方法
本発明はハウジング(6)を備えた能動制御バルブ(1)に関する。前記能動制御バルブ(1)は、通路開口(4a)を有し、かつ移動可能に支持されたバルブプレート(4)と、前記ハウジング(6)に固定して配置され、かつ通路開口(2a)を有するカウンタープレート(2)とを備える。前記バルブプレート(4)は前記カウンタープレート(2)に対して摺動可能に支持され、前記通路開口(2a,4a)は開閉される通路(24)を形成する。前記能動制御バルブ(1)は前記バルブプレート(4)を駆動する駆動装置(8)を備え、前記バルブプレート(4)は駆動バネ(7)によって前記駆動装置(8)に連結され、前記バルブプレート(4)の位置を固定するために、駆動可能な挟持装置(10)が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前提部に記載の能動制御バルブに関し、また、請求項18の前提部に記載の能動制御バルブの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
100年以上用いられてきた従来の圧縮バルブにおいて、閉鎖体におけるバネの力と圧縮力との力の均衡は、この閉鎖体が流れの方向に沿ってバルブシートから離間するように移動するという結果をもたらす。閉鎖体は通常プレートであるが、ノブでもよい。流体が閉鎖体の周りを流動しなければならず、かつこの点において二度の方向の変化を受けるという事実は、この種の構成の欠点である。これにより、バルブにおいてより大きな圧力損失が生じるという結果を招き、さらに流体が速く流れる狭い流れ断面が形成されるという影響を有する。
【0003】
特許文献1はプレート型の構成の従来のバルブを開示している。プレートの移動は磁気コイルからの付加的な力によって影響を受け、プレートは開放位置から閉鎖位置へ遅れた状態で移動させられる。しかし、上述の欠点は依然として残っている。
【0004】
特許文献2はピストン式コンプレッサ用の能動制御バルブを開示している。バルブは、カウンタープレートに対して回転可能に支持されたバルブプレートを備え、回転によって通路開口を開放したり閉鎖したりする。これに際して、バルブプレートは外部駆動によって直接移動させられる。遅く、かつ不正確な駆動しかできないという事実は、これらの周知概念の欠点である。上述の特許を僅かに修正した形態について記載した特許文献3及び特許文献4によるバルブも同一の欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6149400号明細書
【特許文献2】欧州特許第0971160号明細書
【特許文献3】国際公開第01/65157号パンフレット
【特許文献4】国際公開第01/59266号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、より有利な作動特性を有する能動制御バルブを形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1の特徴を備えた能動制御バルブによって実現される。従属請求項2から17は能動制御バルブのさらに有利な実施形態に関する。目的は請求項18の特徴を有する能動制御バルブの作動方法によってさらに達成される。
【0008】
この目的は具体的にはハウジングを備えた能動制御バルブによって実現される。能動制御バルブは、通路開口を有し、かつ移動可能に支持されたバルブプレートと、ハウジングに対して固定して配置され、かつ通路開口を有するカウンタープレートとを備える。バルブプレートはカウンタープレートに対して移動可能に支持され、それによって通路開口は開放され、あるいは閉鎖される通路を形成する。能動制御バルブはバルブプレートを駆動する駆動装置を備え、バルブプレートは駆動バネを介して駆動装置に連結され、バルブプレートの位置が固定されるように、制御可能な保持装置が作動的に配置される。
【0009】
特に有利な実施形態において、バルブプレートは縦軸線の周りに旋回可能または回転可能に支持される。このようなバルブは回転バルブとも呼ばれる。駆動バネは、望ましくは、縦軸線に同心に延び、かつ駆動装置をバルブプレートに連結する捩じりバネとして設計される。
【0010】
さらなる実施形態において、バルブプレートは移動可能に支持され、特にバルブプレートの延びる方向に沿って移動可能に支持される。
目的は具体的には、移動可能に支持されたバルブプレートと、固定して配置されたカウンタープレートと、駆動バネ及び制御可能な保持装置を介してバルブプレートに連結された駆動装置とを備えた能動制御バルブの作動のための方法によってさらに実現される。バルブプレートは保持装置によって所定の位置に固定して保持され、その後、駆動バネは駆動装置によって張力を付与され、次にバルブプレートが保持装置から解放され、バルブプレートは駆動バネに蓄積されたエネルギーによって移動させられ、その後、バルブプレートは静止状態又はほぼ静止状態において保持装置によって再度保持される。保持装置は有利に非常に速く駆動でき、例えば、保持装置は保持装置を駆動する圧電駆動器を備える。このようなバルブは、1ミリ秒未満に至るほどの非常に短い時間で開放したり、閉鎖したりすることができる。
【0011】
本発明によるバルブ又は方法は、有利な実施形態において、バルブプレートを移動するのに必要な駆動エネルギーが少なくとも十分な量だけ、あるいは完全に駆動バネに蓄積され、かつ制御可能な保持装置が設けられ、保持装置は望ましくは非常に速く駆動されし、バルブプレートの位置を固定又は解放するという利点を有する。駆動バネに張力が付与されると、駆動装置の機械的慣性力はもはやバルブの切換え時間に影響しない。切換え時間は本質的に駆動バネに蓄積されたエネルギーと、移動する構成部品、特にバルブプレートの慣性力と、保持装置の速度とによって決まる。従って、この方法で設計した本発明によるバルブは、開放位置及び閉鎖位置の間の非常に短い切換え時間を有する。
【0012】
バルブの作動の間、それぞれバルブプレートを移動させるために十分なエネルギーが駆動バネに蓄積されることを保証することが駆動装置の目的である。このために、有利な実施形態において、バルブは静止状態において保持装置によって保持され、駆動装置はこの状態において付加的に駆動バネに張力を付与するように駆動し、保持装置の次の解放時にバルブプレートを移動するのに十分なエネルギーが駆動バネに再度蓄積される。
【0013】
本発明によるバルブは、望ましくは、保持装置の駆動時に、つまり保持装置の解放、又は固定した保持の際に、バルブプレートが静止状態、又はほぼ静止状態にある。
従って、保持装置は静止状態、又はほぼ静止状態において可動部に係合し、保持装置が受ける磨耗の影響が非常に小さいという利点を有する。故に、本発明によるバルブは長い期間保守不要の状態で作動可能であり、非常に長い寿命を有する。
【0014】
特に有利な実施形態において、バルブプレートは駆動バネと同心に延びる保持用バネを介してハウジングに連結されている。特に有利な実施形態において、バネエネルギーは保持用バネに十分に蓄積され、すなわち貯えられる。バルブプレートが保持装置によって固定して保持され、その後、駆動バネが駆動装置によって一方向に張力を付与され、保持装置がバルブを解放するとすぐに、バルブプレートが移動して、反対の位置に到達すると、保持装置によって再度固定して保持されるように、保持用バネによるバネエネルギーの蓄積が行われることが望ましい。この工程はその後、他の方向に繰返され、バルブプレート毎回、少しずつ遠くへ移動する。偏移が所定値を越えるとすぐに、保持装置はバルブプレートの位置を固定し、バルブプレートは保持用バネに張力が付与された状態で所定位置に保持される。このワインドアップ工程、即ち保持用バネの張力付与過程は1秒未満の時間で実行されることが望ましい。このワインドアップ工程の利点は、駆動装置によって供給されるエネルギーが保持用バネに蓄積され、比較的大きなバネエネルギーが保持用バネに蓄積できる点にある。さらに、駆動装置はバルブプレートの移動に必要な全トルクを付与可能である必要がなく、ひいては小型で、軽量、かつ費用効率良く設計される。
【0015】
本発明による能動制御バルブは圧力バルブ又は吸気バルブとして設計でき、特にピストン式コンプレッサに適している。本発明によるバルブでは、通路開口はバルブプレートの表面の30%までの比較的大きな断面面積を開放することができ、この断面面積は2ミリ秒未満に至るほどの非常に短い時間で開放可能であり、バルブは如何なる流れの変形も必要としない。
【0016】
さらに有利な実施形態において、駆動装置は移動可能なアーマチャを備え、アーマチャは複数の電磁石によって制御可能な状態で引付けられ、アーマチャは磁石の駆動によって移動させられる。有利な実施形態において、この駆動装置はさらに保持装置としても設計され、電磁石は所定時間に渡って駆動状態を保持し、アーマチャは所定位置において保持されることができる。電磁石の駆動を終えた後、アーマチャは再び移動可能となり、駆動装置及び保持装置の保持機能は無効化される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるバルブは以下の利点を有する。バルブの通路開口が大きな流れの断面積を有し、この断面積は従来のバルブのほぼ二倍の大きさであるため流れの損失が少ない。時間が1から2ミリ秒ほどの正確さで決定可能であるため、時間的に非常に正確なバルブの開閉により、効率が向上する。バルブはほとんど磨耗部を持たないか、非常に小さな磨耗にさらされるだけであるため、バルブはより長い寿命期間を有し、より少ない保守作業で、より長い使用寿命を有する。本発明によるバルブは従来のバルブと置き換えて使うことができ、バルブは全く修正する必要なく、もしくは重要でない修正だけでコンプレッサに用いることできるように設計可能である。本発明によるバルブとコンプレッサとは僅かな間隙のみを有する。バルブは各周期の間、開閉する必要はなく、少なくとも一周期の間、常に開放されたり、常に閉鎖されたりすることもできるため、本発明によるバルブはコンプレッサの容量を調節することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】開放状態における圧力バルブを概略的に示す縦断面図。
【図2】二つの保持装置の斜視図。
【図3】視線方向Cから見た保持装置の一部の断面図。
【図4a】シールプレートを備えたバルブプレートの分解図。
【図4b】組立てられた状態におけるシールプレートを備えた図4aに示すバルブプレートの側面図。
【図5】シールプレートを備えないバルブプレートを有する圧力バルブを概略的に示す縦断面図。
【図6】能動制御バルブのさらなる実施形態の縦断面図。
【図7】保持用バネの張力付与過程中の時間に対するバルブプレートの回転角度の図。
【図8】図7の過程中の時間に対する保持用バネ及び駆動バネに蓄積されたエネルギーの図。
【図9】異なる時間におけるバルブプレートの位置と保持用バネ及び駆動バネに蓄積されたエネルギーとを示す図。
【図10】開放状態における吸気バルブを概略的に示す断面図。
【図11】直線的に移動可能なバルブプレートを備えた能動制御バルブの平面略図。
【図12】バルブプレートと共に湾曲して延びるベースプレートの縦断面図。
【図13】バルブプレートと共にV字状に延びるベースプレートの縦断面図。
【図14】バルブのさらなる実施形態の縦断面図。
【図15】図14の線B−Bに沿ったバルブの平面図。
【図16】第一位置においてアーマチャが引付けられた状態の図15に示す平面図。
【図17】第二位置においてアーマチャが引付けられた状態の図15に示す平面図。
【図18】アーマチャが離間している状態のポットマグネットの概略的断面図。
【図19】アーマチャが引付けられている状態のポットマグネットの概略的断面図。
【図20】バルブのさらなる実施形態の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明について実施形態を参照して説明する。
図1は能動制御バルブ1を縦断面図で示している。バルブ1はランタンとも呼ばれるハウジング6を備え、ハウジング6の底部には典型的なバルブではバルブシートと呼ばれているカウンタープレート2が配置され、カウンタープレート2は通路開口2aを備え、ハウジング6の上部には駆動装置8が固定して連結されている。通路開口4aを有するディスク状のバルブプレート4が、ハウジング6内にバルブプレート4に対して垂直に延びる縦軸線Aの周りに回転可能に配置されている。閉鎖体とも呼ばれるバルブプレート4はさらにラジアル軸受6aに回転可能に支持されている。バルブプレート4及びカウンタープレート2の両方は複数の通路開口2a,4aを備え、図に示すように、それらの通路開口2a,4aは周方向に沿って縦軸線Aから離間しており、開放された通路24を形成するように相対的に配置され、それによって流体が通って流れ、また、バルブプレート4が回転することによって閉鎖された通路34を形成し、かつ流体の流れを抑制する。捩じりバネとして設計された駆動バネ7が縦軸線Aと同心に延び、かつ駆動装置8に固定して結合され、かつ連結部9aを介してバルブプレート4に固定して結合され、あるいはバルブプレート4に固定して連結されている。中空円筒形状であり、かつ同様に捩じりバネとして設計された追加の保持用バネ5が同様に縦軸線Aと同心に延び、ハウジング6に固定して連結され、かつ連結部9aを介してバルブプレート4に固定して連結されている。さらに、ディスクとして設計された保持部9が縦軸線Aと同心に配置され、かつ連結部9aを介してバルブプレート4に回転可能に固定して連結されている。保持装置10がハウジング6内に配置され、かつアクチュエータ10c及び保持部10aを備えている。アクチュエータ10cが駆動されると、保持用ディスク9がアクチュエータ10c及び保持部10aの間に挟持されることによって、保持用ディスク9は移動を阻止され、ひいてはバルブプレート4がそれに対応する位置に保持される。アクチュエータ10cは圧電変換器、即ち圧電アクチュエータとして設計されることが望ましい。このようなアクチュエータ<it>は非常に高速な駆動、即ち非常に高速な保持及び解放がミリ秒単位で可能であり、かつ比較的大きな保持力、即ち挟持力を発生可能であり、それによって保持用ディスク9、ひいてはバルブプレート4の固定保持を保証できるという利点を有する。挟持具として設計された保持装置10は様々な可能性をもって設計することができ、例えば電磁アクチュエータ10c、あるいは空気圧又は油圧アクチュエータ10cで設計することが可能である。駆動装置8は、本実施形態において、電気モータとして設計される。例えば油圧駆動システム又は空気圧駆動システム等の複数の他の駆動システムも駆動装置8として用いることができる。
【0020】
図2は互いに近接して配置された二つの保持装置10の実施形態を斜視図で概略的に示している。各保持装置10はU字形連結手段10dを備え、U字形連結手段10dは一方において圧電変換器10cに連結され、かつ他方において保持用ジョー10bに連結されている。さらに、保持部10aがウェブ10eに固定して連結され、ウェブ10eはハウジング6に固定して連結されている。保持用ディスク9は回転軸線Aの周りに回転可能に支持され、保持用ディスク9はウェブ10e及び保持用ジョー10bの間に延び、保持用ディスク9は変換器10cの作動によって挟持されたり、解放されたりする。特にバルブの個々の構成要素が、例えば温度の変動等によって、別々に拡大する場合、保持装置10は、保持用ディスク9の固定保持を可能とするように、保持用ディスク9に対して浮遊して配置されているか、軸線Aの延びる方向に沿って移動可能に配置されていることが望ましい。
【0021】
図3は保持装置10の細部を側面図で示す。ウェブ10eはハウジング6に固定して連結されている。保持部10aはウェブ10eに固定して連結されている。保持用ジョー10b及びウェブ10eの間に保持用ディスク9が配置されている。圧電変換器10cの作動は変換器10c及び保持用ジョー10bの閉鎖又は開放をもたらす。
【0022】
図4aはバルブプレート4のさらなる実施形態を分解図で示している。バルブプレート4は回転軸線Aへ向かって放射状に延びる複数のスリット状通路開口4aを有している。バルブプレート4は三つのバネ要素4cをさらに備え、バネ要素4cはバルブプレート4の周方向に分布して配置され、かつシールプレート4bを保持している。シールプレート4bは同様に通路開口4dを有し、通路開口4dは完全に同じように、かつ通路開口4aと同一平面上に設計されて、配置されていることが望ましい。
【0023】
図4bは図4aで示したバルブプレートを組立た状態において側面図で示している。ここでは、バルブプレート4は負荷を受け、かつその変形を誇張した状態で示されている。シールプレート4bは底部に突出したガイドピン4eを備え、ガイドピン4eは図1に示すラジアル軸受6aに支持されている。シールプレート4bはバルブプレート4に対してバネ要素4cを介して回転軸線Aの方向に沿って弾性的に支持されている。この実施形態は、バルブ1が閉鎖され、かつ加圧された状態で、シールプレート4bがカウンタープレート2に向かって強く押圧されて、緊密に接触し、カウンタープレート2の通路開口2aが非常に緊密に閉鎖されるという利点を有している。
【0024】
図5は、バルブ1のさらなる実施形態を示し、このバルブ1は、図1に示すバルブとは対照的に、保持用バネ5を備えていない。さらに、図5に概略的に示すように、バルブプレート4はシールプレート4b及びバネ要素4cを設けずに設計し、それによって、バルブプレート4がカウンタープレート2に直接接触し、通路開口4a及び通路開口2aの相対位置によって通路24を形成するか、通路開口2aを閉鎖することもできる。この方法で設計されたバルブプレート4は図1に示す実施形態に用いることも可能である。
【0025】
図6は能動制御バルブ1のさらなる実施形態を縦断面図で詳細に示す。バルブ1はハウジング6を備え、駆動装置8は図示していないが、ハウジング6の上端面に配置されている。通路開口2aを有するカウンタープレート2はハウジング6に配置されている。通路開口4aを有するバルブプレート4はカウンタープレート2の上方に回転可能に配置されている。ハウジング6は側面開口6bを備え、通路開口2a,4aと側面開口6bとの間には流体を案内する連通Fが形成されている。駆動バネ7として設計された捩じれロッドが保持用ディスク9に固定して連結されている。保持用ディスク9は中空円筒状の保持用バネ5を介してハウジング6にさらに固定して連結されている。圧電アクチュエータ10c及びブレーキシュー10bを備える保持装置10が保持用ディスク9に対してハウジング6に配置され、保持用ディスク9は圧電アクチュエータ10cによって固定して保持されたり、開放されたりすることができる。保持用ディスク9はバルブプレート4と回転を固定して連結されている。さらに、バルブプレート4の回転角度を検出するために、位置センサ11がバルブプレート4に結合されている。完全なバルブ1において、駆動バネ7は、図1に概略的に示すように、例えば、上向きに突出する端部において駆動バネ7に係合する駆動装置8に連結されている。
【0026】
図6のバルブは、保持装置10の作動により、時間内に迅速に、さらに非常に正確に、かつ再生可能にバルブ1を開閉するために、保持用バネ5に蓄積されたバネエネルギーを利用する。従って、図6のバルブ1において、所望時間内にバルブプレート4を移動させるためにそれぞれ十分なエネルギーが保持用バネ5に蓄積されることが最も重要である。駆動装置8は、本質的に、保持用バネ5に十分なバネエネルギーを供給するように、即ちバルブ1の作動のために十分なバネエネルギーが保持用バネ5に蓄積される角度範囲前後までバルブプレート4を回転させるように作用する。図6に示す実施形態において、このバネエネルギーは駆動バネ7を介して駆動装置8によってバルブプレート4又は保持用バネ5へ伝達される。駆動装置8は、例えば、50Nm程度の必要な総トルクを付与可能なほど強力に作られることができる。しかしながら、このような駆動装置8は比較的大型であるという欠点を有する。従って、バルブ1の特に有利な実施形態において、最大発生可能なトルクが保持用バネ5に張力を付与するのに必要なトルクよりも小さく、かつより小型な駆動装置8が用いられる。さて、図6に示すバルブ1のこのような作動方法を、図7,8及び9aから9hを参照して詳細に説明する。図7及び8は保持用バネ5の最初の張力付与過程を示している。
【0027】
図7は図1及び6の実施形態の時間に対するバルブプレート4の回転角度の図を示し、バルブプレート4は時刻0において、保持用バネ5にも駆動バネ7にもバネエネルギーが蓄積されていない中立静止位置に配置されている。本実施形態において、端部において+4.5度の角度だけバルブプレート4を回転させ、かつこの位置でバルブプレート4を固定することがこの方法の目的である。この目的のために、駆動装置8は第一工程において駆動バネ7にトルクを付与し、12aで示すようにバルブプレート4は負の角度分回転させられ、12bで示すように保持装置10によってこの位置に保持される。その後、駆動装置8は第二工程において駆動バネ7を介してバルブプレート4に反対のトルクをもたらす。次に、12cで示すように、保持装置10は正の角度の方向に移動するバルブプレート4が静止位置又はほぼ静止位置に配置されるとすぐに開放し、再度閉鎖する。その後、バルブプレート4は12dで示すように示した位置において保持される。バルブプレート4の回転の絶対量は、駆動バネ7のトルクに加えて、バルブプレート4に作用する保持用バネ5のトルクによって、12dの位置において12bの位置よりも増加しており、図7に示すように、バルブプレート4は、それぞれのさらなる工程でより大きく回転する。この工程は連続して複数回実行され、本実施形態においてはバルブプレート4が少なくとも+4.5度の回転角度まで回転すると終了し、この位置において固定して保持される。従って、バルブ1を作動するために十分なバネエネルギーは、保持用バネ5に蓄積され、バルブプレート4は作動位置12zに配置される。本実施形態において、バルブプレート4を静止位置12から作動位置12zへ移動する全工程は約145ミリ秒続く。この工程は、ワインドアップ、又はワインドアップ工程とも呼ばれる。
【0028】
図8は、図7で示した同一の時間軸上で、時間に対する保持用バネ5に蓄積されたバネエネルギー14と、時間に対する駆動バネ7によって付与されるバネエネルギー15とを示している。駆動バネ7は、工程の開始時における一時的な振動を除いて、ほぼ同一のバネエネルギーで駆動装置8により、連続的に繰返し張力が付与される。駆動バネ7のこのバネエネルギーは、図示したように工程の間、保持用バネ5に蓄積される。本発明による方法は保持用バネ5に張力を付与するために一つの駆動装置8で十分であり、かつ駆動装置が保持用バネ5に張力を付与するために必要な最大トルクよりも実質的に小さなトルクを生成するだけでも良いという利点を有する。この事実は駆動装置8の小さな構成を可能とし、駆動装置8が小型で、廉価であり、かつより小さな慣性力によってより高速な動作が可能となるという利点をもたらす。十分な工程12a,12b,12c,12dが実行可能であれば、保持用バネ5は非常に弱い駆動装置8でも張力を付与可能である。すなわち、保持用バネ5に張力を付与するための最大利用可能時間が、駆動装置8が伝達しなければならないトルクを決定する。
【0029】
図9aから9hはバルブ1の切換え動作の間に変化するバルブプレート4の位置をバルブプレート4の平面図で概略的に示している。駆動装置8に連結される駆動バネ7のヘッド端部の位置が同様に示されている。バルブプレート4は、図9aにおいて閉鎖位置に位置し、示されているバネエネルギー5aが保持用バネ5に蓄積されている。駆動装置8は、示されているバネエネルギー7aが駆動バネ7に蓄積されるように、バルブ1の開放位置のために必要な位置へ駆動バネ7をすでに移動している。バネエネルギー5a及び7aの領域は各時刻において保持用バネ5又は駆動バネ7に蓄積されたエネルギーに比例している。これらの領域は、単に概略的に示されており、領域5a即ち保持用バネ5に通常蓄積されるエネルギーは、図9aに示す状態において、領域7a即ち駆動バネ7に蓄積されるエネルギーより実質的に大きい。領域5a即ち蓄積されたエネルギーは領域7aより少なくとも10倍大きいことが望ましい。
【0030】
図9bにおいて、保持装置10は解放され、バルブプレート4は開放位置の方向へ移動し、バネ5及び7に蓄積されたエネルギーは、特にバルブプレート4、保持用ディスク9、及び連結部9aの移動で一部用いられる運動エネルギーによって減少する。
【0031】
図9cにおいて、運動エネルギーは再度増加して、バネ5及び7に伝達される。全運動エネルギーを消費し終わるとすぐに、バルブプレート4は、図9dに示すように、開放位置において静止し、保持装置10によってこの位置において固定される。図9aの駆動バネ7によって付与されたバネエネルギー7aは、バルブプレート4が静止するとすぐにバルブプレート4の通路開口4aがカウンタープレート2の通路開口2aと連通するように、定められるのが望ましい。そうでない場合、バルブプレート4の位置は保持装置10を駆動することによって、静止状態へ直接至らせることができる。バルブプレート4の位置は、位置センサ11によって測定可能である。図9aの状態において付与されるバネエネルギー7aは、望ましくは、バルブプレート4が先に示した理想的な位置において静止するように制御されるか、定められる。これにより、バルブプレート4の移動阻止が冗長的に持続することがほとんどなくなるか、全くなくなるという利点をもたらす。このために、制御装置13が設けられ、制御装置13は位置センサ11の信号11aを検出し、かつ配線8aを介して、駆動装置8を制御する。制御装置13は、図6に示すように、例えば、データバス13aを介して、上位の制御装置に接続される。
【0032】
バルブプレート4を閉鎖するために、図9eに示すように、駆動装置8は駆動され、これによって、駆動バネ7は移動を阻止されたバルブプレート4と共に回転し、それによって、バネエネルギーは駆動バネ7に伝達され、かつ駆動装置8の駆動の終期においてバネエネルギー7aを有する。その後、図9fに示すように、保持装置10は開放され、バルブプレート4は閉鎖位置に移動し、バネエネルギー5a及び7aは運動エネルギーに変換され、運動エネルギーは、バルブプレートが図9hに示すように静止し、かつ保持装置10の駆動によって固定されるまで、図9gに示す作動状態でバネエネルギー5a及び7aに再度変換される。
【0033】
図9aから9gに示すこの工程は、バルブ1の各開放、又は各閉鎖において繰返される。図9a及び9dに示す閉鎖位置及び開放位置の間、あるいは図9e及び9hに示す開放位置及び閉鎖位置の間のバルブ1の切換え時間は非常に短くでき、例えば、バルブ1の設計に応じて1ミリ秒にすることができる。望ましくは、1ミリ秒から10ミリ秒までの範囲の切換え時間が用いられる。バルブ1の開閉は、例えば、ピストン式コンプレッサ等の対応する機械の作動サイクルに自然に同期する。本発明によるバルブ1は非常に単純に制御され、ピストン式コンプレッサの各サイクルで開放したり閉鎖したりせず、むしろ、例えば各二番目、三番目、あるいは四番目の作動サイクルで開放したり閉鎖したりすることもできる。これは例えば、保持装置10が対応する作動サイクルの間、閉鎖状態に保持され、かつバルブ1が各位置に保持されることによって実現される。故に、バルブ1の開閉のサイクルはピストン式コンプレッサの作動サイクルに対する要望に応じて変更することができる。
【0034】
本発明によるバルブは吸気バルブ又は圧力バルブの形態で設計することができる。ピストン式コンプレッサと組合せ、吸気バルブは媒質をピストン空間内へ流動可能とするように構成され、圧力バルブは媒体をピストン空間から流動可能とするように構成される。
【0035】
図10は吸気バルブ1の概略的な縦断面図を示している。このバルブ1は、図1に示すバルブ1とほぼ同一の設計であり、バルブプレート4がカウンタープレート2の反対側に配置されている。同一の工程又は同一の装置が、図1による圧力バルブ及び図10による吸気バルブにおけるバルブプレート4の開閉に用いられる。
【0036】
図11はバルブ1のさらなる実施形態を概略的に示し、そのバルブプレート4は方向Bに沿った直線的運動によって駆動される。バルブ1は通路開口2aを有するカウンタープレート2と、カウンタープレート2に対して直線的に移動可能であり、かつ通路開口4aを有するバルブプレート4とを備えている。バルブプレート4は駆動バネ7を介して線形モータ8に連結されている。保持装置10はバルブプレート4の移動を阻止し、かつ解放することができる。本実施形態は、必要に応じて、カウンタープレート2及びバルブプレート4の間の作動連結として、単に概略的に示されている保持用バネ5を追加的に備えることができる。図11に示す保持用バネ5を備えたバルブ1は図7,8及び9aから9hまでに示すように作動することができ、唯一の相違点はバルブプレートが回転的な移動を実行せず、線形的な移動Bを実行するということである。
【0037】
保持用バネ5は、図1,6,10,及び11に示すバルブ1においても、図5に示すように、省くことができる。図1に示すバルブ1が保持用バネ5を備えないと仮定すると、これは図9aから9hに示す表記において、バネエネルギー7aだけが存在し、バネエネルギー5aは存在しないことを意味する。駆動バネ7は図9a及び9eに示す位置へ駆動装置8によって回転させられ、その後バルブプレート4は保持装置10に解放され、それにより、バルブプレート4は図9a及び9hにそれぞれ示された位置へ移動し、その位置において保持装置10は再度バルブプレート4の移動を阻止する。保持用バネ5を備えないバルブ1の実施形態は、駆動装置8がバルブ1の切換えに必要な全バネエネルギー7a、即ちこのために必要なトルクを伝達しなければならず、比較的大型で、重く、高価な駆動装置8を必要とするという欠点を有する。
【0038】
バルブ1のバルブプレート4及びカウンタープレート2は回転移動、又は直線的移動によって相対的な移動が可能な様々な方法で設計することができる。図12は、球状に延びるバルブプレート4をカウンタープレート2と共に縦断面図で概略的に示し、バルブプレート4は、軸線Aの周りの回転移動、又は方向Bに沿った横移動のどちらかを介して、カウンタープレート2に対して移動可能に支持され、この移動によって通路24を開閉する。図13は円錐形状に延びた支持面を備えたバルブプレート4及びカウンタープレート2を有するさらなる実施形態を示している。バルブプレート4は軸線Aの周りに回転可能に支持され、通路24を開閉する。
【0039】
図14はバルブ1のさらなる実施形態を縦断面図で示す。バルブ1は入口開口6dと、出口開口6bと、いわゆるランタン6cとを備えたハウジング6を一体化バルブシート及びカウンタープレート2と共に有する。バルブ1は、さらに保持装置10として設計された駆動装置8を有する。これら二つの装置8,10は、トルクが駆動バネ7の上部に作用するように設計される。バルブプレート4は駆動バネ7の下端において駆動バネ7に固定して連結され、バルブプレート4は回転軸線Aの周りに回転可能に支持されている。バルブプレート4は通路開口4aを有し、通路開口4aはカウンタープレート2の通路開口2aに対して移動可能に支持され、通路開口2a、ひいては通路24はバルブプレート4の回転によってそれぞれ開閉されることができる。好適な実施形態において、通路開口4aが通路開口2aの上方に位置するバルブプレート4の第一位置において通路開口2aが完全に開放され、かつ通路開口2aがバルブプレート4に完全に覆われているバルブプレート4の第二位置において通路開口2aが完全に閉鎖されるように、バルブプレート4は回転する。しかしながら、全通路開口2aの一部の領域だけが通路24として利用可能で、通路開口2aの残りの部分はバルブプレート4によって覆われるように、通路開口2aに対して、バルブプレート4、ひいては通路開口4aも回転させることも望ましい。
【0040】
有利な実施形態において、バルブ1は中空棒状の捩じりバネ5を備え、中空棒状の捩じりバネ5は底部においてバルブプレート4と、上部においてハウジング6と固定して連結されている。しかしながら、バルブ1は中空棒状の捩じりバネ5なしで設計されることもできる。中実棒状の捩じりバネ7は中空棒状の捩じりバネ5内に配置され、かつ底部においてバルブプレート4と、上部において駆動装置及び保持装置8,10と固定して連結されている。
【0041】
図14に示すバルブ1は、本質的に、二質量式の振動子として設計され、一つの質量は特にバルブプレート4から形成され、他の質量は特にアーマチャ8eから形成される。バルブ1は実質的に二つのバネ、即ち駆動バネ7及び保持用バネ5を備え、二質量式の振動子は、バルブプレート4が保持用バネ5を介して定位置のハウジング6に連結され、かつバルブプレート4が駆動バネ7を介してアーマチャ8eに連結されるように設計される。望ましい実施形態において、バルブプレート4とアーマチャ8eとの固有周波数は実数の比を有し、固有周波数は特にバネ5とバネ7とのバネ剛性、及びバルブプレート4とアーマチャ8eとの質量に依存する。
【0042】
図1にも示されるように、バルブプレート4を設け、シールプレート4bが図14に示していないバネ手段を介してバルブプレート4に弾性的に連結されることは有利である。駆動装置及び保持装置8,10を、例えば汚れからの保護として、保護キャップ20で覆うことは有利である。図14に示すように、駆動装置及び保持装置8,10は、望ましくは、バルブ1内のガスの流れと接触しないように、ハウジング6の外側に配置される。
【0043】
図15は図14に示すバルブ1のB−B線に沿った平面図を示している。図14はC−C線に沿った断面図を示している。図15に示す駆動装置8は四つの磁石8a,8b,8c,8dと、移動方向8fに沿って両方向に回転可能に支持されたアーマチャ8eとを備える。駆動バネ7が軸受6eによってハウジング6に対して回転可能に支持され、かつアーマチャ8eが駆動バネ7の端部に固定して連結されることによって、駆動バネ7の延びる方向は回転軸線Aを画定し、アーマチャ8eは回転軸線Aの周りを回転可能に支持されている。磁石8a,8b,8c,8dの対応する作動によって、アーマチャ8eは移動方向8fに沿って両方向に移動可能である。
【0044】
有利な実施形態において、磁石8a,8b,8c,8dが無電流状態の時、アーマチャ8eは図15に従う静止位置に位置し、静止位置は特に中空棒状の捩じりバネ5によって決定される。有利な実施形態において、通路24はこの静止位置において半分開放される。図16及び17は図15に示す平面図を示し、アーマチャ8eは図16において第一保持位置に位置し、図17において第二保持位置に位置する。図15に示すアーマチャ8eの位置から開始し、磁石8a,8b,8c,8dは、望ましくは、アーマチャが、角度の広がり12を伴った図7に示すような状態で、移動方向8fに沿って振動するように、交互に制御され、アーマチャ8eが図16及び17に示す第一又は第二保持位置に配置されるまで、アーマチャ8eは回転に対してワインドアップされ、かつ時間が進むにつれて回転角度が増大する。第一又は第二保持位置において、アーマチャ8eは対応の磁石8a,8b,8c,8dに接触し、磁石8a,8b,8c,8dはもはや切換えられず、むしろ常にアーマチャ8eを引付け、それによって、駆動装置8は保持装置10として作用し、アーマチャ8eはそれぞれ図16及び17に示す位置において保持される。しかし、このワインドアップ工程は、図7に示す角度及び時間の広がりとは異なり、いかなる保持段階12b,12dも有しておらず、アーマチャ8eが磁石によって固定されて保持可能となるほど、磁石8a,8b,8c,8dに近接するまで、アーマチャ8eは移動方向8fに沿って連続的に増加する振幅を伴って励起される。詳細には示していないが、磁石の制御に必要な制御装置は、望ましくは、アーマチャ8eの偏向を検知するセンサを備えている。通路開口2a,4aは、例えば、第一保持位置で完全に通路24が閉鎖され、かつ第二保持位置で完全に通路24が開放されるように、相互に適応して設計され、かつ配置されることが望ましい。磁石8a,8b,8c,8d及びアーマチャ8eを備えた駆動装置8は、磁石8a,8b,8c,8dの一回の駆動で第一及び第二保持位置を切換えるように設計されることが望ましく、これは図16及び17に示す両保持位置を非常に迅速に切換えることができるという利点を有し、あるいはバルブ1又はその通路24が非常に迅速に開放又は閉鎖することができるように設計されることが望ましい。
【0045】
図18及び19は磁石8aの実施形態を断面図で示している。磁石8aは磁心8i、電気巻線8h、及び磁気伝導性外部ハウジング8gを備える。磁界は破線で示されている。本実施形態において、磁石8aはポットマグネットとして設計されている。この実施形態は比較的大きな磁力、特に大きな保持力を発生し、かつポットマグネットは比較的小さな体積を必要とし、即ち比較的小型の構成を有するという利点を有する。図18において、アーマチャ8eは磁石8aに対して離間しており、図19において、アーマチャ8eは磁石8aに固定して保持されている。大きな保持力を得るために、アーマチャ8eが図18に示すように全面にわたって磁石8aに接触するように、アーマチャ8eが設計され、かつ配置されることが望ましい。
【0046】
図14から19に示す実施形態において、アーマチャ8fは直接駆動バネ7に連結されている。しかし、アーマチャ8fを備えた駆動装置8は、駆動装置8により駆動バネ7を移動するために、例えばシャフトや伝達ベルト等の作動連結部材を介して駆動バネ7に連結された分離ユニットから製造することも可能である
図20はバルブ1のさらなる実施形態を縦断面において示す。
図1に示す実施形態と比較して、図20に示す実施形態は、保持用ディスク9及び保持装置10が本実施形態においてハウジング6の上部外側に配置されている点で異なる。この点を除いては、図20に示すバルブ1は図1に示すバルブ1と実質的に同様に設計されている。図20に示すバルブ20は、保持用ディスク9及び保持装置10がハウジング6の内部空間に存在するガスや汚染物質にさらされず、とりわけ作動の安全性を保証するという利点を有する。
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前提部に記載の能動制御バルブに関し、また、請求項18の前提部に記載の能動制御バルブの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
100年以上用いられてきた従来の圧縮バルブにおいて、閉鎖体におけるバネの力と圧縮力との力の均衡は、この閉鎖体が流れの方向に沿ってバルブシートから離間するように移動するという結果をもたらす。閉鎖体は通常プレートであるが、ノブでもよい。流体が閉鎖体の周りを流動しなければならず、かつこの点において二度の方向の変化を受けるという事実は、この種の構成の欠点である。これにより、バルブにおいてより大きな圧力損失が生じるという結果を招き、さらに流体が速く流れる狭い流れ断面が形成されるという影響を有する。
【0003】
特許文献1はプレート型の構成の従来のバルブを開示している。プレートの移動は磁気コイルからの付加的な力によって影響を受け、プレートは開放位置から閉鎖位置へ遅れた状態で移動させられる。しかし、上述の欠点は依然として残っている。
【0004】
特許文献2はピストン式コンプレッサ用の能動制御バルブを開示している。バルブは、カウンタープレートに対して回転可能に支持されたバルブプレートを備え、回転によって通路開口を開放したり閉鎖したりする。これに際して、バルブプレートは外部駆動によって直接移動させられる。遅く、かつ不正確な駆動しかできないという事実は、これらの周知概念の欠点である。上述の特許を僅かに修正した形態について記載した特許文献3及び特許文献4によるバルブも同一の欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6149400号明細書
【特許文献2】欧州特許第0971160号明細書
【特許文献3】国際公開第01/65157号パンフレット
【特許文献4】国際公開第01/59266号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、より有利な作動特性を有する能動制御バルブを形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1の特徴を備えた能動制御バルブによって実現される。従属請求項2から17は能動制御バルブのさらに有利な実施形態に関する。目的は請求項18の特徴を有する能動制御バルブの作動方法によってさらに達成される。
【0008】
この目的は具体的にはハウジングを備えた能動制御バルブによって実現される。能動制御バルブは、通路開口を有し、かつ移動可能に支持されたバルブプレートと、ハウジングに対して固定して配置され、かつ通路開口を有するカウンタープレートとを備える。バルブプレートはカウンタープレートに対して移動可能に支持され、それによって通路開口は開放され、あるいは閉鎖される通路を形成する。能動制御バルブはバルブプレートを駆動する駆動装置を備え、バルブプレートは駆動バネを介して駆動装置に連結され、バルブプレートの位置が固定されるように、制御可能な保持装置が作動的に配置される。
【0009】
特に有利な実施形態において、バルブプレートは縦軸線の周りに旋回可能または回転可能に支持される。このようなバルブは回転バルブとも呼ばれる。駆動バネは、望ましくは、縦軸線に同心に延び、かつ駆動装置をバルブプレートに連結する捩じりバネとして設計される。
【0010】
さらなる実施形態において、バルブプレートは移動可能に支持され、特にバルブプレートの延びる方向に沿って移動可能に支持される。
目的は具体的には、移動可能に支持されたバルブプレートと、固定して配置されたカウンタープレートと、駆動バネ及び制御可能な保持装置を介してバルブプレートに連結された駆動装置とを備えた能動制御バルブの作動のための方法によってさらに実現される。バルブプレートは保持装置によって所定の位置に固定して保持され、その後、駆動バネは駆動装置によって張力を付与され、次にバルブプレートが保持装置から解放され、バルブプレートは駆動バネに蓄積されたエネルギーによって移動させられ、その後、バルブプレートは静止状態又はほぼ静止状態において保持装置によって再度保持される。保持装置は有利に非常に速く駆動でき、例えば、保持装置は保持装置を駆動する圧電駆動器を備える。このようなバルブは、1ミリ秒未満に至るほどの非常に短い時間で開放したり、閉鎖したりすることができる。
【0011】
本発明によるバルブ又は方法は、有利な実施形態において、バルブプレートを移動するのに必要な駆動エネルギーが少なくとも十分な量だけ、あるいは完全に駆動バネに蓄積され、かつ制御可能な保持装置が設けられ、保持装置は望ましくは非常に速く駆動されし、バルブプレートの位置を固定又は解放するという利点を有する。駆動バネに張力が付与されると、駆動装置の機械的慣性力はもはやバルブの切換え時間に影響しない。切換え時間は本質的に駆動バネに蓄積されたエネルギーと、移動する構成部品、特にバルブプレートの慣性力と、保持装置の速度とによって決まる。従って、この方法で設計した本発明によるバルブは、開放位置及び閉鎖位置の間の非常に短い切換え時間を有する。
【0012】
バルブの作動の間、それぞれバルブプレートを移動させるために十分なエネルギーが駆動バネに蓄積されることを保証することが駆動装置の目的である。このために、有利な実施形態において、バルブは静止状態において保持装置によって保持され、駆動装置はこの状態において付加的に駆動バネに張力を付与するように駆動し、保持装置の次の解放時にバルブプレートを移動するのに十分なエネルギーが駆動バネに再度蓄積される。
【0013】
本発明によるバルブは、望ましくは、保持装置の駆動時に、つまり保持装置の解放、又は固定した保持の際に、バルブプレートが静止状態、又はほぼ静止状態にある。
従って、保持装置は静止状態、又はほぼ静止状態において可動部に係合し、保持装置が受ける磨耗の影響が非常に小さいという利点を有する。故に、本発明によるバルブは長い期間保守不要の状態で作動可能であり、非常に長い寿命を有する。
【0014】
特に有利な実施形態において、バルブプレートは駆動バネと同心に延びる保持用バネを介してハウジングに連結されている。特に有利な実施形態において、バネエネルギーは保持用バネに十分に蓄積され、すなわち貯えられる。バルブプレートが保持装置によって固定して保持され、その後、駆動バネが駆動装置によって一方向に張力を付与され、保持装置がバルブを解放するとすぐに、バルブプレートが移動して、反対の位置に到達すると、保持装置によって再度固定して保持されるように、保持用バネによるバネエネルギーの蓄積が行われることが望ましい。この工程はその後、他の方向に繰返され、バルブプレート毎回、少しずつ遠くへ移動する。偏移が所定値を越えるとすぐに、保持装置はバルブプレートの位置を固定し、バルブプレートは保持用バネに張力が付与された状態で所定位置に保持される。このワインドアップ工程、即ち保持用バネの張力付与過程は1秒未満の時間で実行されることが望ましい。このワインドアップ工程の利点は、駆動装置によって供給されるエネルギーが保持用バネに蓄積され、比較的大きなバネエネルギーが保持用バネに蓄積できる点にある。さらに、駆動装置はバルブプレートの移動に必要な全トルクを付与可能である必要がなく、ひいては小型で、軽量、かつ費用効率良く設計される。
【0015】
本発明による能動制御バルブは圧力バルブ又は吸気バルブとして設計でき、特にピストン式コンプレッサに適している。本発明によるバルブでは、通路開口はバルブプレートの表面の30%までの比較的大きな断面面積を開放することができ、この断面面積は2ミリ秒未満に至るほどの非常に短い時間で開放可能であり、バルブは如何なる流れの変形も必要としない。
【0016】
さらに有利な実施形態において、駆動装置は移動可能なアーマチャを備え、アーマチャは複数の電磁石によって制御可能な状態で引付けられ、アーマチャは磁石の駆動によって移動させられる。有利な実施形態において、この駆動装置はさらに保持装置としても設計され、電磁石は所定時間に渡って駆動状態を保持し、アーマチャは所定位置において保持されることができる。電磁石の駆動を終えた後、アーマチャは再び移動可能となり、駆動装置及び保持装置の保持機能は無効化される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるバルブは以下の利点を有する。バルブの通路開口が大きな流れの断面積を有し、この断面積は従来のバルブのほぼ二倍の大きさであるため流れの損失が少ない。時間が1から2ミリ秒ほどの正確さで決定可能であるため、時間的に非常に正確なバルブの開閉により、効率が向上する。バルブはほとんど磨耗部を持たないか、非常に小さな磨耗にさらされるだけであるため、バルブはより長い寿命期間を有し、より少ない保守作業で、より長い使用寿命を有する。本発明によるバルブは従来のバルブと置き換えて使うことができ、バルブは全く修正する必要なく、もしくは重要でない修正だけでコンプレッサに用いることできるように設計可能である。本発明によるバルブとコンプレッサとは僅かな間隙のみを有する。バルブは各周期の間、開閉する必要はなく、少なくとも一周期の間、常に開放されたり、常に閉鎖されたりすることもできるため、本発明によるバルブはコンプレッサの容量を調節することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】開放状態における圧力バルブを概略的に示す縦断面図。
【図2】二つの保持装置の斜視図。
【図3】視線方向Cから見た保持装置の一部の断面図。
【図4a】シールプレートを備えたバルブプレートの分解図。
【図4b】組立てられた状態におけるシールプレートを備えた図4aに示すバルブプレートの側面図。
【図5】シールプレートを備えないバルブプレートを有する圧力バルブを概略的に示す縦断面図。
【図6】能動制御バルブのさらなる実施形態の縦断面図。
【図7】保持用バネの張力付与過程中の時間に対するバルブプレートの回転角度の図。
【図8】図7の過程中の時間に対する保持用バネ及び駆動バネに蓄積されたエネルギーの図。
【図9】異なる時間におけるバルブプレートの位置と保持用バネ及び駆動バネに蓄積されたエネルギーとを示す図。
【図10】開放状態における吸気バルブを概略的に示す断面図。
【図11】直線的に移動可能なバルブプレートを備えた能動制御バルブの平面略図。
【図12】バルブプレートと共に湾曲して延びるベースプレートの縦断面図。
【図13】バルブプレートと共にV字状に延びるベースプレートの縦断面図。
【図14】バルブのさらなる実施形態の縦断面図。
【図15】図14の線B−Bに沿ったバルブの平面図。
【図16】第一位置においてアーマチャが引付けられた状態の図15に示す平面図。
【図17】第二位置においてアーマチャが引付けられた状態の図15に示す平面図。
【図18】アーマチャが離間している状態のポットマグネットの概略的断面図。
【図19】アーマチャが引付けられている状態のポットマグネットの概略的断面図。
【図20】バルブのさらなる実施形態の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明について実施形態を参照して説明する。
図1は能動制御バルブ1を縦断面図で示している。バルブ1はランタンとも呼ばれるハウジング6を備え、ハウジング6の底部には典型的なバルブではバルブシートと呼ばれているカウンタープレート2が配置され、カウンタープレート2は通路開口2aを備え、ハウジング6の上部には駆動装置8が固定して連結されている。通路開口4aを有するディスク状のバルブプレート4が、ハウジング6内にバルブプレート4に対して垂直に延びる縦軸線Aの周りに回転可能に配置されている。閉鎖体とも呼ばれるバルブプレート4はさらにラジアル軸受6aに回転可能に支持されている。バルブプレート4及びカウンタープレート2の両方は複数の通路開口2a,4aを備え、図に示すように、それらの通路開口2a,4aは周方向に沿って縦軸線Aから離間しており、開放された通路24を形成するように相対的に配置され、それによって流体が通って流れ、また、バルブプレート4が回転することによって閉鎖された通路34を形成し、かつ流体の流れを抑制する。捩じりバネとして設計された駆動バネ7が縦軸線Aと同心に延び、かつ駆動装置8に固定して結合され、かつ連結部9aを介してバルブプレート4に固定して結合され、あるいはバルブプレート4に固定して連結されている。中空円筒形状であり、かつ同様に捩じりバネとして設計された追加の保持用バネ5が同様に縦軸線Aと同心に延び、ハウジング6に固定して連結され、かつ連結部9aを介してバルブプレート4に固定して連結されている。さらに、ディスクとして設計された保持部9が縦軸線Aと同心に配置され、かつ連結部9aを介してバルブプレート4に回転可能に固定して連結されている。保持装置10がハウジング6内に配置され、かつアクチュエータ10c及び保持部10aを備えている。アクチュエータ10cが駆動されると、保持用ディスク9がアクチュエータ10c及び保持部10aの間に挟持されることによって、保持用ディスク9は移動を阻止され、ひいてはバルブプレート4がそれに対応する位置に保持される。アクチュエータ10cは圧電変換器、即ち圧電アクチュエータとして設計されることが望ましい。このようなアクチュエータ<it>は非常に高速な駆動、即ち非常に高速な保持及び解放がミリ秒単位で可能であり、かつ比較的大きな保持力、即ち挟持力を発生可能であり、それによって保持用ディスク9、ひいてはバルブプレート4の固定保持を保証できるという利点を有する。挟持具として設計された保持装置10は様々な可能性をもって設計することができ、例えば電磁アクチュエータ10c、あるいは空気圧又は油圧アクチュエータ10cで設計することが可能である。駆動装置8は、本実施形態において、電気モータとして設計される。例えば油圧駆動システム又は空気圧駆動システム等の複数の他の駆動システムも駆動装置8として用いることができる。
【0020】
図2は互いに近接して配置された二つの保持装置10の実施形態を斜視図で概略的に示している。各保持装置10はU字形連結手段10dを備え、U字形連結手段10dは一方において圧電変換器10cに連結され、かつ他方において保持用ジョー10bに連結されている。さらに、保持部10aがウェブ10eに固定して連結され、ウェブ10eはハウジング6に固定して連結されている。保持用ディスク9は回転軸線Aの周りに回転可能に支持され、保持用ディスク9はウェブ10e及び保持用ジョー10bの間に延び、保持用ディスク9は変換器10cの作動によって挟持されたり、解放されたりする。特にバルブの個々の構成要素が、例えば温度の変動等によって、別々に拡大する場合、保持装置10は、保持用ディスク9の固定保持を可能とするように、保持用ディスク9に対して浮遊して配置されているか、軸線Aの延びる方向に沿って移動可能に配置されていることが望ましい。
【0021】
図3は保持装置10の細部を側面図で示す。ウェブ10eはハウジング6に固定して連結されている。保持部10aはウェブ10eに固定して連結されている。保持用ジョー10b及びウェブ10eの間に保持用ディスク9が配置されている。圧電変換器10cの作動は変換器10c及び保持用ジョー10bの閉鎖又は開放をもたらす。
【0022】
図4aはバルブプレート4のさらなる実施形態を分解図で示している。バルブプレート4は回転軸線Aへ向かって放射状に延びる複数のスリット状通路開口4aを有している。バルブプレート4は三つのバネ要素4cをさらに備え、バネ要素4cはバルブプレート4の周方向に分布して配置され、かつシールプレート4bを保持している。シールプレート4bは同様に通路開口4dを有し、通路開口4dは完全に同じように、かつ通路開口4aと同一平面上に設計されて、配置されていることが望ましい。
【0023】
図4bは図4aで示したバルブプレートを組立た状態において側面図で示している。ここでは、バルブプレート4は負荷を受け、かつその変形を誇張した状態で示されている。シールプレート4bは底部に突出したガイドピン4eを備え、ガイドピン4eは図1に示すラジアル軸受6aに支持されている。シールプレート4bはバルブプレート4に対してバネ要素4cを介して回転軸線Aの方向に沿って弾性的に支持されている。この実施形態は、バルブ1が閉鎖され、かつ加圧された状態で、シールプレート4bがカウンタープレート2に向かって強く押圧されて、緊密に接触し、カウンタープレート2の通路開口2aが非常に緊密に閉鎖されるという利点を有している。
【0024】
図5は、バルブ1のさらなる実施形態を示し、このバルブ1は、図1に示すバルブとは対照的に、保持用バネ5を備えていない。さらに、図5に概略的に示すように、バルブプレート4はシールプレート4b及びバネ要素4cを設けずに設計し、それによって、バルブプレート4がカウンタープレート2に直接接触し、通路開口4a及び通路開口2aの相対位置によって通路24を形成するか、通路開口2aを閉鎖することもできる。この方法で設計されたバルブプレート4は図1に示す実施形態に用いることも可能である。
【0025】
図6は能動制御バルブ1のさらなる実施形態を縦断面図で詳細に示す。バルブ1はハウジング6を備え、駆動装置8は図示していないが、ハウジング6の上端面に配置されている。通路開口2aを有するカウンタープレート2はハウジング6に配置されている。通路開口4aを有するバルブプレート4はカウンタープレート2の上方に回転可能に配置されている。ハウジング6は側面開口6bを備え、通路開口2a,4aと側面開口6bとの間には流体を案内する連通Fが形成されている。駆動バネ7として設計された捩じれロッドが保持用ディスク9に固定して連結されている。保持用ディスク9は中空円筒状の保持用バネ5を介してハウジング6にさらに固定して連結されている。圧電アクチュエータ10c及びブレーキシュー10bを備える保持装置10が保持用ディスク9に対してハウジング6に配置され、保持用ディスク9は圧電アクチュエータ10cによって固定して保持されたり、開放されたりすることができる。保持用ディスク9はバルブプレート4と回転を固定して連結されている。さらに、バルブプレート4の回転角度を検出するために、位置センサ11がバルブプレート4に結合されている。完全なバルブ1において、駆動バネ7は、図1に概略的に示すように、例えば、上向きに突出する端部において駆動バネ7に係合する駆動装置8に連結されている。
【0026】
図6のバルブは、保持装置10の作動により、時間内に迅速に、さらに非常に正確に、かつ再生可能にバルブ1を開閉するために、保持用バネ5に蓄積されたバネエネルギーを利用する。従って、図6のバルブ1において、所望時間内にバルブプレート4を移動させるためにそれぞれ十分なエネルギーが保持用バネ5に蓄積されることが最も重要である。駆動装置8は、本質的に、保持用バネ5に十分なバネエネルギーを供給するように、即ちバルブ1の作動のために十分なバネエネルギーが保持用バネ5に蓄積される角度範囲前後までバルブプレート4を回転させるように作用する。図6に示す実施形態において、このバネエネルギーは駆動バネ7を介して駆動装置8によってバルブプレート4又は保持用バネ5へ伝達される。駆動装置8は、例えば、50Nm程度の必要な総トルクを付与可能なほど強力に作られることができる。しかしながら、このような駆動装置8は比較的大型であるという欠点を有する。従って、バルブ1の特に有利な実施形態において、最大発生可能なトルクが保持用バネ5に張力を付与するのに必要なトルクよりも小さく、かつより小型な駆動装置8が用いられる。さて、図6に示すバルブ1のこのような作動方法を、図7,8及び9aから9hを参照して詳細に説明する。図7及び8は保持用バネ5の最初の張力付与過程を示している。
【0027】
図7は図1及び6の実施形態の時間に対するバルブプレート4の回転角度の図を示し、バルブプレート4は時刻0において、保持用バネ5にも駆動バネ7にもバネエネルギーが蓄積されていない中立静止位置に配置されている。本実施形態において、端部において+4.5度の角度だけバルブプレート4を回転させ、かつこの位置でバルブプレート4を固定することがこの方法の目的である。この目的のために、駆動装置8は第一工程において駆動バネ7にトルクを付与し、12aで示すようにバルブプレート4は負の角度分回転させられ、12bで示すように保持装置10によってこの位置に保持される。その後、駆動装置8は第二工程において駆動バネ7を介してバルブプレート4に反対のトルクをもたらす。次に、12cで示すように、保持装置10は正の角度の方向に移動するバルブプレート4が静止位置又はほぼ静止位置に配置されるとすぐに開放し、再度閉鎖する。その後、バルブプレート4は12dで示すように示した位置において保持される。バルブプレート4の回転の絶対量は、駆動バネ7のトルクに加えて、バルブプレート4に作用する保持用バネ5のトルクによって、12dの位置において12bの位置よりも増加しており、図7に示すように、バルブプレート4は、それぞれのさらなる工程でより大きく回転する。この工程は連続して複数回実行され、本実施形態においてはバルブプレート4が少なくとも+4.5度の回転角度まで回転すると終了し、この位置において固定して保持される。従って、バルブ1を作動するために十分なバネエネルギーは、保持用バネ5に蓄積され、バルブプレート4は作動位置12zに配置される。本実施形態において、バルブプレート4を静止位置12から作動位置12zへ移動する全工程は約145ミリ秒続く。この工程は、ワインドアップ、又はワインドアップ工程とも呼ばれる。
【0028】
図8は、図7で示した同一の時間軸上で、時間に対する保持用バネ5に蓄積されたバネエネルギー14と、時間に対する駆動バネ7によって付与されるバネエネルギー15とを示している。駆動バネ7は、工程の開始時における一時的な振動を除いて、ほぼ同一のバネエネルギーで駆動装置8により、連続的に繰返し張力が付与される。駆動バネ7のこのバネエネルギーは、図示したように工程の間、保持用バネ5に蓄積される。本発明による方法は保持用バネ5に張力を付与するために一つの駆動装置8で十分であり、かつ駆動装置が保持用バネ5に張力を付与するために必要な最大トルクよりも実質的に小さなトルクを生成するだけでも良いという利点を有する。この事実は駆動装置8の小さな構成を可能とし、駆動装置8が小型で、廉価であり、かつより小さな慣性力によってより高速な動作が可能となるという利点をもたらす。十分な工程12a,12b,12c,12dが実行可能であれば、保持用バネ5は非常に弱い駆動装置8でも張力を付与可能である。すなわち、保持用バネ5に張力を付与するための最大利用可能時間が、駆動装置8が伝達しなければならないトルクを決定する。
【0029】
図9aから9hはバルブ1の切換え動作の間に変化するバルブプレート4の位置をバルブプレート4の平面図で概略的に示している。駆動装置8に連結される駆動バネ7のヘッド端部の位置が同様に示されている。バルブプレート4は、図9aにおいて閉鎖位置に位置し、示されているバネエネルギー5aが保持用バネ5に蓄積されている。駆動装置8は、示されているバネエネルギー7aが駆動バネ7に蓄積されるように、バルブ1の開放位置のために必要な位置へ駆動バネ7をすでに移動している。バネエネルギー5a及び7aの領域は各時刻において保持用バネ5又は駆動バネ7に蓄積されたエネルギーに比例している。これらの領域は、単に概略的に示されており、領域5a即ち保持用バネ5に通常蓄積されるエネルギーは、図9aに示す状態において、領域7a即ち駆動バネ7に蓄積されるエネルギーより実質的に大きい。領域5a即ち蓄積されたエネルギーは領域7aより少なくとも10倍大きいことが望ましい。
【0030】
図9bにおいて、保持装置10は解放され、バルブプレート4は開放位置の方向へ移動し、バネ5及び7に蓄積されたエネルギーは、特にバルブプレート4、保持用ディスク9、及び連結部9aの移動で一部用いられる運動エネルギーによって減少する。
【0031】
図9cにおいて、運動エネルギーは再度増加して、バネ5及び7に伝達される。全運動エネルギーを消費し終わるとすぐに、バルブプレート4は、図9dに示すように、開放位置において静止し、保持装置10によってこの位置において固定される。図9aの駆動バネ7によって付与されたバネエネルギー7aは、バルブプレート4が静止するとすぐにバルブプレート4の通路開口4aがカウンタープレート2の通路開口2aと連通するように、定められるのが望ましい。そうでない場合、バルブプレート4の位置は保持装置10を駆動することによって、静止状態へ直接至らせることができる。バルブプレート4の位置は、位置センサ11によって測定可能である。図9aの状態において付与されるバネエネルギー7aは、望ましくは、バルブプレート4が先に示した理想的な位置において静止するように制御されるか、定められる。これにより、バルブプレート4の移動阻止が冗長的に持続することがほとんどなくなるか、全くなくなるという利点をもたらす。このために、制御装置13が設けられ、制御装置13は位置センサ11の信号11aを検出し、かつ配線8aを介して、駆動装置8を制御する。制御装置13は、図6に示すように、例えば、データバス13aを介して、上位の制御装置に接続される。
【0032】
バルブプレート4を閉鎖するために、図9eに示すように、駆動装置8は駆動され、これによって、駆動バネ7は移動を阻止されたバルブプレート4と共に回転し、それによって、バネエネルギーは駆動バネ7に伝達され、かつ駆動装置8の駆動の終期においてバネエネルギー7aを有する。その後、図9fに示すように、保持装置10は開放され、バルブプレート4は閉鎖位置に移動し、バネエネルギー5a及び7aは運動エネルギーに変換され、運動エネルギーは、バルブプレートが図9hに示すように静止し、かつ保持装置10の駆動によって固定されるまで、図9gに示す作動状態でバネエネルギー5a及び7aに再度変換される。
【0033】
図9aから9gに示すこの工程は、バルブ1の各開放、又は各閉鎖において繰返される。図9a及び9dに示す閉鎖位置及び開放位置の間、あるいは図9e及び9hに示す開放位置及び閉鎖位置の間のバルブ1の切換え時間は非常に短くでき、例えば、バルブ1の設計に応じて1ミリ秒にすることができる。望ましくは、1ミリ秒から10ミリ秒までの範囲の切換え時間が用いられる。バルブ1の開閉は、例えば、ピストン式コンプレッサ等の対応する機械の作動サイクルに自然に同期する。本発明によるバルブ1は非常に単純に制御され、ピストン式コンプレッサの各サイクルで開放したり閉鎖したりせず、むしろ、例えば各二番目、三番目、あるいは四番目の作動サイクルで開放したり閉鎖したりすることもできる。これは例えば、保持装置10が対応する作動サイクルの間、閉鎖状態に保持され、かつバルブ1が各位置に保持されることによって実現される。故に、バルブ1の開閉のサイクルはピストン式コンプレッサの作動サイクルに対する要望に応じて変更することができる。
【0034】
本発明によるバルブは吸気バルブ又は圧力バルブの形態で設計することができる。ピストン式コンプレッサと組合せ、吸気バルブは媒質をピストン空間内へ流動可能とするように構成され、圧力バルブは媒体をピストン空間から流動可能とするように構成される。
【0035】
図10は吸気バルブ1の概略的な縦断面図を示している。このバルブ1は、図1に示すバルブ1とほぼ同一の設計であり、バルブプレート4がカウンタープレート2の反対側に配置されている。同一の工程又は同一の装置が、図1による圧力バルブ及び図10による吸気バルブにおけるバルブプレート4の開閉に用いられる。
【0036】
図11はバルブ1のさらなる実施形態を概略的に示し、そのバルブプレート4は方向Bに沿った直線的運動によって駆動される。バルブ1は通路開口2aを有するカウンタープレート2と、カウンタープレート2に対して直線的に移動可能であり、かつ通路開口4aを有するバルブプレート4とを備えている。バルブプレート4は駆動バネ7を介して線形モータ8に連結されている。保持装置10はバルブプレート4の移動を阻止し、かつ解放することができる。本実施形態は、必要に応じて、カウンタープレート2及びバルブプレート4の間の作動連結として、単に概略的に示されている保持用バネ5を追加的に備えることができる。図11に示す保持用バネ5を備えたバルブ1は図7,8及び9aから9hまでに示すように作動することができ、唯一の相違点はバルブプレートが回転的な移動を実行せず、線形的な移動Bを実行するということである。
【0037】
保持用バネ5は、図1,6,10,及び11に示すバルブ1においても、図5に示すように、省くことができる。図1に示すバルブ1が保持用バネ5を備えないと仮定すると、これは図9aから9hに示す表記において、バネエネルギー7aだけが存在し、バネエネルギー5aは存在しないことを意味する。駆動バネ7は図9a及び9eに示す位置へ駆動装置8によって回転させられ、その後バルブプレート4は保持装置10に解放され、それにより、バルブプレート4は図9a及び9hにそれぞれ示された位置へ移動し、その位置において保持装置10は再度バルブプレート4の移動を阻止する。保持用バネ5を備えないバルブ1の実施形態は、駆動装置8がバルブ1の切換えに必要な全バネエネルギー7a、即ちこのために必要なトルクを伝達しなければならず、比較的大型で、重く、高価な駆動装置8を必要とするという欠点を有する。
【0038】
バルブ1のバルブプレート4及びカウンタープレート2は回転移動、又は直線的移動によって相対的な移動が可能な様々な方法で設計することができる。図12は、球状に延びるバルブプレート4をカウンタープレート2と共に縦断面図で概略的に示し、バルブプレート4は、軸線Aの周りの回転移動、又は方向Bに沿った横移動のどちらかを介して、カウンタープレート2に対して移動可能に支持され、この移動によって通路24を開閉する。図13は円錐形状に延びた支持面を備えたバルブプレート4及びカウンタープレート2を有するさらなる実施形態を示している。バルブプレート4は軸線Aの周りに回転可能に支持され、通路24を開閉する。
【0039】
図14はバルブ1のさらなる実施形態を縦断面図で示す。バルブ1は入口開口6dと、出口開口6bと、いわゆるランタン6cとを備えたハウジング6を一体化バルブシート及びカウンタープレート2と共に有する。バルブ1は、さらに保持装置10として設計された駆動装置8を有する。これら二つの装置8,10は、トルクが駆動バネ7の上部に作用するように設計される。バルブプレート4は駆動バネ7の下端において駆動バネ7に固定して連結され、バルブプレート4は回転軸線Aの周りに回転可能に支持されている。バルブプレート4は通路開口4aを有し、通路開口4aはカウンタープレート2の通路開口2aに対して移動可能に支持され、通路開口2a、ひいては通路24はバルブプレート4の回転によってそれぞれ開閉されることができる。好適な実施形態において、通路開口4aが通路開口2aの上方に位置するバルブプレート4の第一位置において通路開口2aが完全に開放され、かつ通路開口2aがバルブプレート4に完全に覆われているバルブプレート4の第二位置において通路開口2aが完全に閉鎖されるように、バルブプレート4は回転する。しかしながら、全通路開口2aの一部の領域だけが通路24として利用可能で、通路開口2aの残りの部分はバルブプレート4によって覆われるように、通路開口2aに対して、バルブプレート4、ひいては通路開口4aも回転させることも望ましい。
【0040】
有利な実施形態において、バルブ1は中空棒状の捩じりバネ5を備え、中空棒状の捩じりバネ5は底部においてバルブプレート4と、上部においてハウジング6と固定して連結されている。しかしながら、バルブ1は中空棒状の捩じりバネ5なしで設計されることもできる。中実棒状の捩じりバネ7は中空棒状の捩じりバネ5内に配置され、かつ底部においてバルブプレート4と、上部において駆動装置及び保持装置8,10と固定して連結されている。
【0041】
図14に示すバルブ1は、本質的に、二質量式の振動子として設計され、一つの質量は特にバルブプレート4から形成され、他の質量は特にアーマチャ8eから形成される。バルブ1は実質的に二つのバネ、即ち駆動バネ7及び保持用バネ5を備え、二質量式の振動子は、バルブプレート4が保持用バネ5を介して定位置のハウジング6に連結され、かつバルブプレート4が駆動バネ7を介してアーマチャ8eに連結されるように設計される。望ましい実施形態において、バルブプレート4とアーマチャ8eとの固有周波数は実数の比を有し、固有周波数は特にバネ5とバネ7とのバネ剛性、及びバルブプレート4とアーマチャ8eとの質量に依存する。
【0042】
図1にも示されるように、バルブプレート4を設け、シールプレート4bが図14に示していないバネ手段を介してバルブプレート4に弾性的に連結されることは有利である。駆動装置及び保持装置8,10を、例えば汚れからの保護として、保護キャップ20で覆うことは有利である。図14に示すように、駆動装置及び保持装置8,10は、望ましくは、バルブ1内のガスの流れと接触しないように、ハウジング6の外側に配置される。
【0043】
図15は図14に示すバルブ1のB−B線に沿った平面図を示している。図14はC−C線に沿った断面図を示している。図15に示す駆動装置8は四つの磁石8a,8b,8c,8dと、移動方向8fに沿って両方向に回転可能に支持されたアーマチャ8eとを備える。駆動バネ7が軸受6eによってハウジング6に対して回転可能に支持され、かつアーマチャ8eが駆動バネ7の端部に固定して連結されることによって、駆動バネ7の延びる方向は回転軸線Aを画定し、アーマチャ8eは回転軸線Aの周りを回転可能に支持されている。磁石8a,8b,8c,8dの対応する作動によって、アーマチャ8eは移動方向8fに沿って両方向に移動可能である。
【0044】
有利な実施形態において、磁石8a,8b,8c,8dが無電流状態の時、アーマチャ8eは図15に従う静止位置に位置し、静止位置は特に中空棒状の捩じりバネ5によって決定される。有利な実施形態において、通路24はこの静止位置において半分開放される。図16及び17は図15に示す平面図を示し、アーマチャ8eは図16において第一保持位置に位置し、図17において第二保持位置に位置する。図15に示すアーマチャ8eの位置から開始し、磁石8a,8b,8c,8dは、望ましくは、アーマチャが、角度の広がり12を伴った図7に示すような状態で、移動方向8fに沿って振動するように、交互に制御され、アーマチャ8eが図16及び17に示す第一又は第二保持位置に配置されるまで、アーマチャ8eは回転に対してワインドアップされ、かつ時間が進むにつれて回転角度が増大する。第一又は第二保持位置において、アーマチャ8eは対応の磁石8a,8b,8c,8dに接触し、磁石8a,8b,8c,8dはもはや切換えられず、むしろ常にアーマチャ8eを引付け、それによって、駆動装置8は保持装置10として作用し、アーマチャ8eはそれぞれ図16及び17に示す位置において保持される。しかし、このワインドアップ工程は、図7に示す角度及び時間の広がりとは異なり、いかなる保持段階12b,12dも有しておらず、アーマチャ8eが磁石によって固定されて保持可能となるほど、磁石8a,8b,8c,8dに近接するまで、アーマチャ8eは移動方向8fに沿って連続的に増加する振幅を伴って励起される。詳細には示していないが、磁石の制御に必要な制御装置は、望ましくは、アーマチャ8eの偏向を検知するセンサを備えている。通路開口2a,4aは、例えば、第一保持位置で完全に通路24が閉鎖され、かつ第二保持位置で完全に通路24が開放されるように、相互に適応して設計され、かつ配置されることが望ましい。磁石8a,8b,8c,8d及びアーマチャ8eを備えた駆動装置8は、磁石8a,8b,8c,8dの一回の駆動で第一及び第二保持位置を切換えるように設計されることが望ましく、これは図16及び17に示す両保持位置を非常に迅速に切換えることができるという利点を有し、あるいはバルブ1又はその通路24が非常に迅速に開放又は閉鎖することができるように設計されることが望ましい。
【0045】
図18及び19は磁石8aの実施形態を断面図で示している。磁石8aは磁心8i、電気巻線8h、及び磁気伝導性外部ハウジング8gを備える。磁界は破線で示されている。本実施形態において、磁石8aはポットマグネットとして設計されている。この実施形態は比較的大きな磁力、特に大きな保持力を発生し、かつポットマグネットは比較的小さな体積を必要とし、即ち比較的小型の構成を有するという利点を有する。図18において、アーマチャ8eは磁石8aに対して離間しており、図19において、アーマチャ8eは磁石8aに固定して保持されている。大きな保持力を得るために、アーマチャ8eが図18に示すように全面にわたって磁石8aに接触するように、アーマチャ8eが設計され、かつ配置されることが望ましい。
【0046】
図14から19に示す実施形態において、アーマチャ8fは直接駆動バネ7に連結されている。しかし、アーマチャ8fを備えた駆動装置8は、駆動装置8により駆動バネ7を移動するために、例えばシャフトや伝達ベルト等の作動連結部材を介して駆動バネ7に連結された分離ユニットから製造することも可能である
図20はバルブ1のさらなる実施形態を縦断面において示す。
図1に示す実施形態と比較して、図20に示す実施形態は、保持用ディスク9及び保持装置10が本実施形態においてハウジング6の上部外側に配置されている点で異なる。この点を除いては、図20に示すバルブ1は図1に示すバルブ1と実質的に同様に設計されている。図20に示すバルブ20は、保持用ディスク9及び保持装置10がハウジング6の内部空間に存在するガスや汚染物質にさらされず、とりわけ作動の安全性を保証するという利点を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(6)を有する能動制御バルブ(1)であって、
該能動制御バルブ(1)は、通路開口(4a)を有するとともに移動可能に支持されたバルブプレート(4)と、ハウジング(6)に対して固定して配置され、かつ通路開口(2a)を有するカウンタープレート(2)とを備え、前記バルブプレート(4)は前記カウンタープレート(2)に対して移動可能に支持され、それによって前記通路開口(2a,4a)は開閉される通路(24)を形成し、
前記バルブプレート(4)を駆動する駆動装置(8)を備える能動制御バルブ(1)において、
前記バルブプレート(4)は駆動バネ(7)を介して前記駆動装置(8)に連結され、制御可能な保持装置(10)は前記バルブプレート(4)の位置を固定可能に作動するように配置されることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記バルブプレート(4)は、前記カウンタープレート(2)に対して垂直に延びる縦軸線(A)の周りに回転可能に支持されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記バルブプレート(4)は前記カウンタープレート(2)の延びる方向に沿って移動可能に支持されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記駆動バネ(7)は、前記縦軸線(A)と同心に延びる捩じりバネとして設計されることを特徴とする、請求項2に記載のバルブ。
【請求項5】
前記バルブプレート(4)は追加の保持用バネ(5)を介して前記ハウジング(6)に連結することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
前記保持用バネ(5)は前記縦軸線(A)と同心に延び、かつ特に中空棒状の捩じりバネとして設計されることを特徴とする、請求項5に記載のバルブ。
【請求項7】
前記駆動装置(8)は前記駆動バネ(7)と作動連結されるアーマチャ(8f)を備え、前記駆動装置(8)は、前記アーマチャ(8f)を引付けるように前記アーマチャ(8f)に対して配置された磁石(8a,8b,8c,8d)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記アーマチャ(8f)は前記駆動バネ(7)に固定して連結され、かつ前記縦軸線(A)の周りに回転可能に支持されることを特徴とする、請求項7に記載のバルブ。
【請求項9】
前記駆動装置(8)は前記ハウジング(6)に固定して連結された電気モータとして設計されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項10】
前記電気モータのロータは前記縦軸線(A)と同心に延びるように配置され、かつ前記駆動バネ(7)に固定して連結されることを特徴とする、請求項11に記載のバルブ。
【請求項11】
前記保持装置(10)は圧電駆動器を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項12】
前記バルブプレート(4)又は前記駆動バネ(7)に保持部(9)が連結され、前記保持装置(10)は前記保持部(9)に係合することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項13】
前記保持装置(10)は前記ハウジング(6)において浮遊した状態で配置されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項14】
前記駆動装置(8)は制御可能な保持装置(10)としても設計されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項15】
前記バルブプレート(4)は通路開口(4d)を有するシールプレート(4b)を備え、前記シールプレート(4b)はバネ要素(4c)を介して前記バルブプレート(4)に連結することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項16】
前記駆動装置(8)によって生成可能な最大トルクは、前記保持用バネ(5)に付与される最大トルクよりも小さいことを特徴とする、請求項5から15のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項17】
制御装置(13)と、前記バルブプレート(4)の位置を測定する位置センサ(11)とを備え、かつ前記駆動装置(8)によって付与されるエネルギーが前記保持用バネ(5)に蓄積されるように前記駆動装置(8)を制御する前記制御装置(13)の制御プログラムを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項18】
移動可能に支持されたバルブプレート(4)と、固定して配置されたカウンタープレート(2)と、駆動バネ(7)を介して前記バルブプレート(4)に連結された駆動装置(8)と、制御可能な保持装置(10)とを備えた、特に請求項1から17のいずれか一項に記載の、能動制御バルブ(1)の作動方法であって、前記バルブプレート(4)は前記保持装置(10)によって所定位置に固定して保持される工程と、前記バルブプレートは前記保持装置(10)によって解放され、前記バルブプレート(4)は前記駆動バネ(7)に蓄積されたエネルギーによって移動させられる工程と、前記駆動バネ(7)は前記駆動装置(8)によって付与される工程と、前記バルブプレート(4)は静止時またはほぼ静止時に前記保持装置(10)によって再度保持される工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
保持用バネ(5)は前記カウンタープレート(2)と前記バルブプレート(4)との間に作動連結され、前記バルブプレート(4)は段階的に移動し、かつ再度保持され、前記駆動装置によって付与されるエネルギーを上回るバネエネルギーが前記保持用バネ(5)に蓄積されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか一項に記載のバルブを備えたコンプレッサ、特にピストン式コンプレッサ。
【請求項1】
ハウジング(6)を有する能動制御バルブ(1)であって、
該能動制御バルブ(1)は、通路開口(4a)を有するとともに移動可能に支持されたバルブプレート(4)と、ハウジング(6)に対して固定して配置され、かつ通路開口(2a)を有するカウンタープレート(2)とを備え、前記バルブプレート(4)は前記カウンタープレート(2)に対して移動可能に支持され、それによって前記通路開口(2a,4a)は開閉される通路(24)を形成し、
前記バルブプレート(4)を駆動する駆動装置(8)を備える能動制御バルブ(1)において、
前記バルブプレート(4)は駆動バネ(7)を介して前記駆動装置(8)に連結され、制御可能な保持装置(10)は前記バルブプレート(4)の位置を固定可能に作動するように配置されることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記バルブプレート(4)は、前記カウンタープレート(2)に対して垂直に延びる縦軸線(A)の周りに回転可能に支持されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記バルブプレート(4)は前記カウンタープレート(2)の延びる方向に沿って移動可能に支持されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記駆動バネ(7)は、前記縦軸線(A)と同心に延びる捩じりバネとして設計されることを特徴とする、請求項2に記載のバルブ。
【請求項5】
前記バルブプレート(4)は追加の保持用バネ(5)を介して前記ハウジング(6)に連結することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
前記保持用バネ(5)は前記縦軸線(A)と同心に延び、かつ特に中空棒状の捩じりバネとして設計されることを特徴とする、請求項5に記載のバルブ。
【請求項7】
前記駆動装置(8)は前記駆動バネ(7)と作動連結されるアーマチャ(8f)を備え、前記駆動装置(8)は、前記アーマチャ(8f)を引付けるように前記アーマチャ(8f)に対して配置された磁石(8a,8b,8c,8d)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記アーマチャ(8f)は前記駆動バネ(7)に固定して連結され、かつ前記縦軸線(A)の周りに回転可能に支持されることを特徴とする、請求項7に記載のバルブ。
【請求項9】
前記駆動装置(8)は前記ハウジング(6)に固定して連結された電気モータとして設計されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項10】
前記電気モータのロータは前記縦軸線(A)と同心に延びるように配置され、かつ前記駆動バネ(7)に固定して連結されることを特徴とする、請求項11に記載のバルブ。
【請求項11】
前記保持装置(10)は圧電駆動器を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項12】
前記バルブプレート(4)又は前記駆動バネ(7)に保持部(9)が連結され、前記保持装置(10)は前記保持部(9)に係合することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項13】
前記保持装置(10)は前記ハウジング(6)において浮遊した状態で配置されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項14】
前記駆動装置(8)は制御可能な保持装置(10)としても設計されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項15】
前記バルブプレート(4)は通路開口(4d)を有するシールプレート(4b)を備え、前記シールプレート(4b)はバネ要素(4c)を介して前記バルブプレート(4)に連結することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項16】
前記駆動装置(8)によって生成可能な最大トルクは、前記保持用バネ(5)に付与される最大トルクよりも小さいことを特徴とする、請求項5から15のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項17】
制御装置(13)と、前記バルブプレート(4)の位置を測定する位置センサ(11)とを備え、かつ前記駆動装置(8)によって付与されるエネルギーが前記保持用バネ(5)に蓄積されるように前記駆動装置(8)を制御する前記制御装置(13)の制御プログラムを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項18】
移動可能に支持されたバルブプレート(4)と、固定して配置されたカウンタープレート(2)と、駆動バネ(7)を介して前記バルブプレート(4)に連結された駆動装置(8)と、制御可能な保持装置(10)とを備えた、特に請求項1から17のいずれか一項に記載の、能動制御バルブ(1)の作動方法であって、前記バルブプレート(4)は前記保持装置(10)によって所定位置に固定して保持される工程と、前記バルブプレートは前記保持装置(10)によって解放され、前記バルブプレート(4)は前記駆動バネ(7)に蓄積されたエネルギーによって移動させられる工程と、前記駆動バネ(7)は前記駆動装置(8)によって付与される工程と、前記バルブプレート(4)は静止時またはほぼ静止時に前記保持装置(10)によって再度保持される工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
保持用バネ(5)は前記カウンタープレート(2)と前記バルブプレート(4)との間に作動連結され、前記バルブプレート(4)は段階的に移動し、かつ再度保持され、前記駆動装置によって付与されるエネルギーを上回るバネエネルギーが前記保持用バネ(5)に蓄積されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか一項に記載のバルブを備えたコンプレッサ、特にピストン式コンプレッサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2011−501797(P2011−501797A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529378(P2010−529378)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063914
【国際公開番号】WO2009/050215
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(592229502)ブルクハルト コンプレッション アーゲー (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063914
【国際公開番号】WO2009/050215
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(592229502)ブルクハルト コンプレッション アーゲー (4)
【Fターム(参考)】
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