説明

脂質管理およびアテローム性動脈硬化症および脂肪肝の治療治療において使用される医薬組成物

本発明は、有効量の少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤(MTP)とを含む医薬組み合わせを提供する。一つの実施携帯において、本発明は、脂質管理を必要とする哺乳類の脂質を管理する方法を提供し、この方法は、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤とを含む有効量の医薬組み合わせを投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2006年9月5日に出願された、米国仮特許出願番号60/842,211号の優先権を主張する。この米国仮特許出願は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、有効量の医薬組成物を投与することによる、哺乳類たとえばヒトの脂質管理、およびアテローム性動脈硬化症および脂肪肝の治療において使用される医薬組成物に関する。この医薬組成物は、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤(CAI)と、ミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質(MTP)阻害剤とを含む。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
血管性疾患は、小動脈および大動脈、小静脈および大静脈を含む血管、ならびに血流の全ての疾患を広く包含する用語である。血管性疾患で最も頻繁に発生する形態は、動脈硬化症、つまり動脈壁の肥厚および硬化に関連する状態である。大血管の動脈硬化症は、アテローム性動脈硬化症と言われる。アテローム性動脈硬化症は、冠動脈疾患、大動脈瘤、下肢の動脈疾患および脳血管性疾患のような血管障害の支配的な根本原因である。
【0004】
動脈硬化症に関する主要な危険因子の1つは、血清コレステロールが高いことである。総コレステロール値が225〜250mg/dlを超えると、血管性疾患、特に冠動脈心疾患の危険性が大きく高まることになる。
【0005】
コレステリルエステルは、動脈硬化性病変の主要成分であり、動脈壁細胞中のコレステロールの主要な貯蔵形態である。また、コレステリルエステルの形成は、食事性コレステロールの腸管吸収における一段階である。したがって、コレステリルエステル形成の阻害および血清コレステロールの低下により、動脈硬化性病変形成の進行を阻止し、動脈壁中へのコレステリルエステルの蓄積を減らし、および食事性コレステロールの腸管吸収を遮断することができる。
【0006】
哺乳類および動物における全身コレステロール恒常性の調節には、食事性コレステロールの調節およびコレステロール生合成の変調、胆汁酸生合成およびコレステロール含有血漿リポ蛋白の異化が関与する。肝臓は、コレステロール生合成および異化に関与する主要な臓器であり、この理由のため、これは血漿コレステロール値の主要な決定因子である。肝臓は、超低密度リポ蛋白(VLDL)を合成および分泌する部位であり、これらは、引き続き血液循環内で代謝され、低密度リポ蛋白(LDL)となる。LDLは、血漿中の主要なコレステロール運搬リポ蛋白であり、それらの上昇は、アテローム性動脈硬化症の増加と相関する。腸管コレステロール吸収が、どんな手段であっても、減少した場合は、肝臓へ送達されるコレステロールが減少する。この作用の結果、肝臓のリポ蛋白(VLDL)産生が減少し、血漿コレステロール、主にLDLとしての肝クリアランスが増加する。したがって、腸管コレステロール吸収を阻害する基本的な効果は、血漿コレステロール値の減少である。
【0007】
特許文献1および特許文献2は、それぞれ、アテローム性動脈硬化症を阻害し、血漿コレステロール値を減少させるための治療であって、そのようなヒドロキシ置換アゼチジノン化合物または置換βラクタム化合物を、HMG−CoAレダクターゼ阻害化合物(これは、ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ(肝臓のコレステロール合成における律速酵素)を遮断することによって作用する)と組合わせて使用する治療を開示する。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、たとえば、ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチンのようなスタチン類は、冠状動脈および頚動脈内の動脈硬化性病変の進行を遅らせる。また、シンバスタチンおよびプラバスタチンは、高コレステロール血症および/またはアテローム硬化性冠動脈心疾患(CHD)を有する患者の冠動脈心疾患事態を起こす危険性を減らすことが示されている。
【0008】
シンバスタチンは世界的に上市され、米国では商標ZOCOR(登録商標)として販売されている。これを製造する方法は、特許文献3、特許文献4、特許文献5およびその他の特許および文献刊行物に記載されている。
【0009】
米国特許第5,698,527号は、コレステロール吸収阻害剤として、二糖類で置換されたエルゴスタノン(ergostanone)誘導体であって、単独でまたは他のコレステロール低下薬と組合わせて使用される、高コレステロール血症および関連障害の治療において有用な誘導体を開示する。
【0010】
アテローム性動脈硬化症と関連するコレステロール値には、他の血管性状態がしばしば共存する。これらの状態としてとして、高血圧、狭心症および/または不整脈が挙げられうる。
【0011】
たとえば、男性、女性両方のアテローム性動脈硬化症、循環器疾患および脳血管性疾患に関する危険因子として、血圧上昇の関連性が、数多くの疫学的研究において解明されている。
【0012】
たとえばカルシウムチャネル遮断剤を含む循環器疾患剤を使用して血圧を低下させる臨床試験では、早期アテローム性動脈硬化性病変の治療において、有益な効果を示している(たとえば、非特許文献1および非特許文献2参照)。Scott(特許文献6)は、アテローム性動脈硬化症および血管性疾患の危険性のある他の症状を治療するために、HMG CoAレダクターゼ阻害剤と降圧剤との併用を記載する。さらに、Egonら(特許文献7)は、心血管系疾患を治療するための、エプレレノンを始めとする降圧剤とアンジオテンシンIIアンタゴニストとの併用療法を記載する。
【0013】
インビトロでは、MTPは、リン脂質膜間の脂質分子の輸送を触媒する。特許文献8参照。インビボでは、MTPは、脂質分子をアポリポ蛋白B(ApoB)で結合することにより、腸管からのトリグリセリド吸収およびカイロミクロンの分泌、ならびに肝臓からのVLDL分泌を媒介することが報告されている(S.Williams & J.D.Bestのアブストラクト,Expert Opinion on Therapeutic Patents(2003年4月,第13巻,no.4,第470−488頁),www.expertopin.com/doi/abs/10.1517/13543776.13.4.479?cookieSet+1&journalCode参照)。要するに、MTPを阻害することによって、LDLを始めとする全てのApoB−含有タンパク質のレベルを減らすことができるということである。したがって、MTPを阻害する薬物は、アテローム生成的なリポ蛋白の全てのレベルを低下させることによって、アテローム硬化性血管性疾患を減らすのに効果的である可能性がある。ある解説者は、1つの阻害剤によるMTPの部分的な阻害は有用であるが、それを、脂質代謝を変える他の薬物と組合わせた場合、MTOの著しい阻害により、重大な有害作用を起こす可能性があると示唆する(Williams & Best)。
【0014】
MTPを阻害する物質は、当該分野で周知である。特許文献9および特許文献10参照。これらは参考として本明細書に組み込まれる。これは、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14および特許文献15を引用し、これらも参照により組み込まれる。非特許文献3は、MTP阻害剤であるインプリタピド(implitiapide)は、マウスにおいて、アテローム硬化性プラークの形成を防止すると報告している。
【0015】
特許文献16(参照により組み込まれる)は、高脂血症および/または高コレステロール血症を治療する方法および組成物であって、有効量のMTP阻害剤を対象に投与することを含み、ここで、この投与は、少なくとも3段階的にMTP阻害剤の投与量を増加するステップを含む方法または組成物を開示し、このMTP阻害剤は、HMG Co−Aレダクターゼ阻害剤またはエゼチミブのような、他の脂質改善化合物と組合せてもよいことを開示する。
【0016】
特許文献17(参照により組み込まれる)は、回腸の胆汁酸輸送阻害剤またはコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤を、フィブリン酸誘導体、ニコチン酸誘導体、ミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤、コレステロール吸収アンタゴニスト、フィトステロール、スタノール、降圧剤または胆汁酸封鎖剤と組合わせて含む循環器疾患の治療のための併用を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5,846,966号明細書
【特許文献2】米国特許第5,661,145号明細書
【特許文献3】米国特許第4,444,784号明細書
【特許文献4】米国特許第4,916,239号明細書
【特許文献5】米国特許第4,820,850号明細書
【特許文献6】国際公開第99/11260号パンフレット
【特許文献7】国際公開第96/40255号パンフレット
【特許文献8】米国特許第6,472,414B1号明細書
【特許文献9】米国特許公開第2006/0166999A1号明細書
【特許文献10】米国特許第6,472,414B2号明細書
【特許文献11】欧州特許第705831号明細書
【特許文献12】欧州特許第779279号明細書
【特許文献13】欧州特許第779276号明細書
【特許文献14】欧州特許第802198号明細書
【特許文献15】欧州特許第799828号明細書
【特許文献16】国際公開第2005/087234号パンフレット
【特許文献17】国際公開第2000/038725号パンフレット
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Lichtien,P.R.ら:Lancet,335:1109−1113(1990)
【非特許文献2】Waters,D.ら.Circulation 82:1940−1953(1990)
【非特許文献3】Zaissら,Circulation,100(18 Suppl.I):255 Abst.13423(1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ヒトのような哺乳類における脂質レベルの管理における、ならびにアテローム性動脈硬化症、高脂血症、高脂質血症、高トリグリセリド血症、他の血管性疾患および脂肪肝の治療に関する近年の改善にもかかわらず、当該分野では、これらの疾患状態のための組成物および治療法の改善が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(発明の要旨)
本発明は、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤とを含む医薬組み合わせを提供する。
【0021】
また、本発明は、脂質管理を必要とする哺乳類の脂質を管理する方法を提供し、この方法は、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤とを含む有効量の医薬組み合わせを投与することを含む。
【0022】
また、本発明の代替の実施形態は、アテローム性動脈硬化症の症状の治療、予防または改善を必要とする哺乳類において、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤、5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤とを含む有効量の組成物を投与することにより、上記症状を治療、予防または改善するための方法を提供する。
【0023】
本発明の他の実施形態は、脂肪肝の症状または発症の緩和、予防または改善を必要とする哺乳類において、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤とを投与することにより、脂肪肝の症状または発症を緩和、予防または改善するための方法を提供する。
【0024】
また、本発明の他の実施形態は、脂質管理を必要とする哺乳類の脂質を管理する方法を提供し、この方法は、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤と、少なくとも1種のコレステロール低下薬、たとえば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを含む有効量の医薬組み合わせを投与することを含む。
【0025】
さらに、本発明の実施形態は、アテローム性動脈硬化症の症状の治療、予防または改善を必要とする哺乳類において、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤と、少なくとも1種のコレステロール低下薬、たとえば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを含む有効量の組成物を投与することにより、上記症状を治療、予防または改善する方法を提供する。
【0026】
本発明の他の実施形態は、脂肪肝の症状または発症の緩和、予防または改善を必要とする哺乳類において、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤と、少なくとも1種のコレステロール低下薬、たとえば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを投与することにより、脂肪肝の症状または発症の緩和、予防または改善を提供する。
【0027】
また、本発明は、哺乳類の脂質管理、あるいはアテローム性動脈硬化症または脂肪肝の症状の治療、予防または改善のためのキットに関し、このキットは、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤と別個の形態で含む。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(詳細な説明)
本明細書で使用される用語は、それらの通常の意味であり、この用語の意味は、それらが使用される各場面で独立している。しかし、他に記載がある場合を除き、以下の定義は本明細書および請求項全体に適用され、化学名、一般名および化学構造は、同じ構造を記載するために、互換的に使用してもよい。これらの定義は、他に指示がない限り、用語が単独で用いられる場合、または他の用語と組合わせて用いられる場合に関係なく、適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」、ならびに「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」その他の「アルキル」部分に適用する。
【0029】
先に使用し、および明細書全体で使用する以下の用語は、他に指示がない限り、以下の意味を持つものと理解される。
【0030】
「患者」は、ヒトおよび動物の両方を含む。
【0031】
「哺乳類」は、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0032】
「アルキル」は、直鎖または分岐状でもよく、鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含有する。より好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含有する。分岐状は、メチル、エチルまたはプロピルのような低級アルキルが1個以上直鎖アルキル鎖に結合することを意味する。「低級アルキル」は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、これらは直鎖または分岐状でもよい。適切なアルキル基の限定ではない例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニルおよびデシルが挙げられる。R32−置換アルキル基として、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0033】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖または分岐状でもよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは鎖中に約2〜約6個の炭素原子を有する。分岐状は、メチル、エチルまたはプロピルのような低級アルキルが1個以上直鎖アルケニル鎖に結合することを意味する。「低級アルケニル」は、鎖中の炭素原子が約2〜約6個であることを意味し、これは、直鎖または分岐状であってもよい。適切なアルケニル基の限定ではない例として、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブタ−2−ニル、n−ペンテニル、オクテニル、およびデセニルが挙げられる。
【0034】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖または分岐状でもよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは、鎖中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分岐状は、メチル、エチルまたはプロピルのような低級アルキル基が1つ以上直鎖アルキル鎖に結合することを意味する。「低級アルキニル」は、鎖中の炭素原子が約2〜約6個であることを意味し、これらは直鎖または分岐状でもよい。適切なアルキニル基の限定ではない例として、エチニル、プロピニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニル、およびデシニルが挙げられる。
【0035】
「アリール」は、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む芳香族単環または多環式環構造を意味する。アリール基は、場合によっては、1個以上の置換基で置換される可能性があり、この置換基は、同じまたは異なってもよく、本明細書に定義する通りであり、または隣り合う炭素上の2個の置換基が結合し、
【0036】
【化1】

を形成してもよい。適切なアリール基の限定ではない例として、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0037】
「ヘテロアリール」は、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む芳香族単環または多環式環構造を意味し、上記環原子の1〜4個は、単独の炭素以外の元素(たとえば、窒素、酸素またはイオウ)またはこれらの組合せである。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含有する。「ヘテロアリール」は、場合によっては、1個以上の置換基で置換される可能性があり、この置換基は、同じまたは異なってもよく、本明細書に定義する通りである。ヘテロアリールの語幹名の前の接頭辞、アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素またはイオウ原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、場合によっては、対応するN−オキシドと酸化され得る。適切なヘテロアリールの限定ではない例として、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0038】
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族の単環または多環式環構造を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含有する。シクロアルキルは、場合によっては、1個以上の置換基で置換される可能性があり、この置換基は、同じまたは異なってもよく、先に規定する通りである。適切な単環式シクロアルキルの限定ではない例として、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの限定ではない例として、1−デカリン、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。さらに、シクロアルキルの限定ではない例として、以下のものが挙げられる。
【0039】
【化2】

「シクロアルキルエーテル」は、1個の酸素原子および2〜7個の炭素原子を含む3〜7員非芳香族環を意味する。環炭素原子は置換されうる。ただし、環酸素に隣接する置換基は、ハロ、あるいは酸素、窒素またはイオウ原子を介して環に結合する置換基を含まない。
【0040】
「シクロアルケニル」は、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する、非芳香族単環または多環式環構造を意味する。このシクロアルケニル環は、場合によっては、1個以上の置換基で置換される可能性があり、この置換基は、同じまたは異なってもよく、先に規定する通りである。好ましいシクロアルケニル環は、約5〜約7個の環原子を含有する。適切な単環式シクロアルケニルの限定ではない例として、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルケニルの限定ではない例として、ノルボルニレニルが挙げられる。
【0041】
「ヘテロシクレニル」(または「ヘテロシクロアルケニル」)は、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、環構造中の1個以上の原子は、単独の炭素以外の元素(たとえば、窒素、酸素またはイオウ)またはこれらの組合せであって、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する、非芳香族単環または多環式環構造を意味する。環構造中に、酸素原子および/またはイオウ原子が隣接して存在することはない。好ましいヘテロシクレニル環は、約5〜約6個の環原子を含有する。ヘテロシクレニルの語幹名の前の接頭辞、アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素またはイオウ原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクレニルは、場合によっては、1個以上の置換基で置換されうる。ヘテロシクレニルの窒素またはイオウ原子は、場合によっては、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化され得る。適切な単環式アザヘテロシクレニル基の限定ではない例として、1,2,3,4−テトラヒドロピリジル、1,2−ジヒドロピリジル、1,4−ジヒドロピリジル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニルなどが挙げられる。適切なオキサヘテロシクレニル基の限定ではない例として、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニルなどが挙げられる。適切な多環式オキサヘテロシクレニル基の限定ではない例として、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニルが挙げられる。適切な単環式チアヘテロシクレニル環の限定ではない例として、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0042】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を意味する。好ましいものは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、より好ましくは、フルオロおよびクロロである。
【0043】
「ハロアルキル」は、先に定義したアルキルであって、アルキルの1個以上の水素原子が、先に定義したハロ基で置換されているアルキルを意味する。
【0044】
「ヘテロシクリル」(またはヘテロシクロアルキル)は、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む非芳香族飽和単環または多環式環構造を意味し、環中の1〜3個、好ましくは1または2個の原子は、炭素以外の元素(たとえば、窒素、酸素またはイオウ)単独またはこれらの組合せである。環構造中に、酸素原子および/またはイオウ原子が隣接して存在することはない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含有する。ヘテロシクリルの語幹名の前の接頭辞、アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素またはイオウ原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリルは、場合によっては、1個以上で置換される可能性があり、この置換基は、同じまたはことなってもよく、先に規定する通りである。ヘテロシクリルの窒素またはイオウ原子は、場合によっては、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化され得る。適切な単環式ヘテロシクリル環の限定ではない例として、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0045】
「アリールアルキル」は、アリール−アルキル基を意味し、アリールおよびアルキルについては先に記載している。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の限定ではない例として、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分へは、アルキルを介して結合する。
【0046】
「アリールシクロアルキル」は、縮合アリールおよびシクロアルキル(本明細書で定義される)から誘導される基を意味する。好ましいアリールシクロアルキルは、アリールがフェニルであり、シクロアルキルが約5〜約6個の環原子で構成されるものである。アリールシクロアルキルは、場合によっては、1個以上の置換基によって置換されうる。適切なアリールシクロアルキルの限定ではない例として、インダニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。親部分へは、非芳香族炭素原子を介して結合する。
【0047】
「アリールヘテロシクロアルキル」は、縮合アリールおよびヘテロシクロアルキル(本明細書で定義される)から誘導される基を意味する。好ましいアリールシクロアルキルは、アリールがフェニルであり、ヘテロシクロアルキルが約5〜約6個の環原子で構成されるものである。アリールヘテロシクロアルキルは、場合によっては、1個以上の置換基で置換されうる。適切なアリールヘテロシクロアルキルの限定ではない例として、
【0048】
【化3】

が挙げられる。親部分へは、非芳香族炭素原子を介して結合する。
【0049】
「アシル」は、カルボキシル基の−OHがある他の置換基で置き換えられている有機基を意味する。適切な限定ではない例として、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、アリール−C(O)−またはシクロアルキル−C(O)−基が挙げられ、上記例示中、種々の基は、先に記載されている通りである。親部分へは、カルボニルを介して結合する。好ましいアシルは、低級アルキルを含有する。適切なアシル基の限定ではない例として、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルおよびシクロヘキサノイルが挙げられる。
【0050】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基であって、アルキル基は先に記載されている基を意味する。適切なアルコキシ基の限定ではない例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシが挙げられる。親部分へは、エーテル酸素を介して結合する。
【0051】
「アルキルオキシアルキル」は、アルコキシおよびアルキル(本明細書に規定される)から誘導される基を意味する。親部分へは、アルキルを介して結合する。
【0052】
「アリールアルケニル」は、アリールおよびアルケニル(本明細書で規定される)から誘導される基を意味する。好ましいアリールアルケニルは、アリールがフェニルであり、アルケニルが約3〜約6個の原子で構成されるものである。アリールアルケニルは、場合によっては、1個以上の置換基で置換されうる。親部分へは、非芳香族炭素原子を介して結合する。
【0053】
「アリールアルキニル」は、アリールおよびアルケニル(本明細書に規定される)から誘導される基を意味する。好ましいアリールアルキニルは、アリールがフェニルであり、アルキニルが約3〜約6個の原子で構成されるものである。アリールアルキニルは、場合によっては、1個以上の置換基で置換されうる。親部分へは、非芳香族炭素原子を介して結合する。
【0054】
アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルなどの接尾辞「エン」は、2価の部分を示し、たとえば、−CHCH−はエチレンであり、
【0055】
【化4】

はパラ−フェニレンである。
【0056】
用語「場合によっては置換された」は、利用可能な位置における、特定の基、ラジカル、または部分による任意の置換を意味する。
【0057】
シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル部分の置換には、上記基の環部分および/またはアルキル部分の置換が含まれる。
【0058】
ある基の中で、変異可能物が複数回出現する場合、あるいはある構造中に複数の変異可能物が出現する場合、この変異可能物は、同じまたは異なってもよい。
【0059】
化合物中の部分(たとえば、置換基、基または環)の数に関して、他に規定がない限り、語句「1以上」および「少なくとも1の」は、化学的に可能な限り多くの部分が存在することが可能で、そのような部分の最高の数の決定は、当業者の知識の範囲内である。「少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤」または「少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤」のように、語句中に「少なくとも1の」という語句の使用を含む組成物および方法に関しては、1〜3種のコレステロール吸収阻害剤と、これとは独立して、1〜3種のミクロゾーム・トリグリセリドタンパク質阻害剤とを、同時に投与することができることを意味し、好ましくはそれぞれ1種投与する。
【0060】
本明細書で使用される用語「組成物」は、特定の成分を特定量で含む生成物、および特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものである。
【0061】
結合としての波線
【0062】
【化5】

は、一般的に、たとえば、(R)−および(S)−立体化学構造体を始めとする、可能な異性体の混合物、またはそれらのどちらかを示す。たとえば、
【0063】
【化6】

は、
【0064】
【化7】

を含むことを意味する。
【0065】
環構造中に描かれる線、たとえば、
【0066】
【化8】

は、示された線(結合)が、置換可能な環炭素原子のいずれに結合してもよいことを示す。
【0067】
式Iの炭素原子は、1〜3個のケイ素原子で置き換えられてもよいことが注意される。
【0068】
また、本明細書の文章または構造式において、不飽和の原子価を有する任意のヘテロ原子は、その原子価を満足するように水素原子を含むことが想定されるも注意されるすべきである。
【0069】
当業者は、本明細書で開示する構造式を持つ化合物のあるものは、互変異性体であり、この互変異性体形態は全て、本発明の一部として本明細書で企図されることを理解するであろう。
【0070】
本明細書で使用される用語「コレステロール吸収阻害剤」は、1種以上のステロール類、たとえば、コレステロール、フィトステロール(たとえば、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびアヴェノステロール(avenosterol))、5α−スタノール(たとえば、コレスタノール、5α−カンペスタノール、5α−シトスタノール)および/またはこれらの混合物(これらに限定されない)の吸収を阻害することができる任意の薬剤を意味し、投与される場合、これらは、治療的に有効な(ステロールおよび/または5α−スタノール吸収を阻害する)量で、哺乳類またはヒトに投与される。コレステロール吸収阻害剤の限定ではない例として、たとえば、ステロール吸収阻害剤または5−α−スタノール吸収阻害剤が挙げられる。「脂質低下剤」は、哺乳類における1種以上のステロールの吸収を妨害しないことにより、ヒトなどの哺乳類のコレステロール値を下げる。脂質低下剤として作用する化合物の限定ではない例として、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ニコチン酸および/またはニコチン酸受容体アゴニスト、またはペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)のアゴニストもしくは活性化剤などが挙げられる。「ミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤」は、MTPを阻害することができる任意の薬剤である。
【0071】
用語「併用療法」または「治療的組合せ」は、たとえば、哺乳類の脂質レベルを管理するため、哺乳類のアテローム性動脈硬化症を治療し、予防し、または改善するために、あるいは哺乳類の脂肪肝の症状または発生を緩和し、予防し、または改善するために、2種以上の治療剤、たとえば、ステロール吸収阻害剤およびMTPを投与することを意味する。本発明の組合せおよび治療は、これらの化合物が、対象(哺乳類、ヒトまたは他の動物)の血漿、肝臓または小腸のような体内の作用部位に接触する適切な方法によって施すことができる。このような投与として、たとえば、固定された比の活性成分を有する単一錠剤またはカプセルで、または複数の各治療剤が別個のカプセルで、実質的に同時にこれらの治療剤を投与する同時投与が挙げられる。また、このような投与として、各種の治療剤を逐次的に使用する方法も挙げられる。いずれの場合も、併用療法を用いる治療は、状態の治療において有益な効果をもたらすであろう。ここに開示する併用療法の利点は、状態を治療するのに有効な、個々の治療化合物の必要量、または治療化合物の全体の量を減らすことができることであろう。治療剤を併用することにより、単独療法に比較して個々の化合物の副作用を減らすことができ、患者の適応性を改善することができる。また、広い範囲の補完的効果または作用の補完的様式を提供するように、治療剤を選択することができる。
【0072】
先に検討したように、本発明の治療的組合せおよび方法は、後で詳細に検討するように、1種以上の置換アゼチジノンまたは置換β−ラクタムステロール吸収阻害剤を含んでもよい。本明細書で使用する「ステロール吸収阻害剤」は、治療的に有効な(ステロールおよび/または5α−スタノール吸収を阻害する)量を哺乳類またはヒトに投与する場合、1種以上のステロール類の吸収を阻害することができる化合物を意味し、コレステロール、フィトステロール類(たとえば、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびアヴェノステロール)、5α−スタノール類(たとえば、コレスタノール、5α−カンペスタノール、5α−シトスタノール)および/またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
適切な置換アゼチジノン類およびこれを製造する方法の限定ではない例として、
【0074】
【化9】

、米国特許公開公報第2003/0105028号、第2004/0180860号、第2004/0180861号および第2004/0198700号に開示されるもの、米国特許第4,983,597号に開示されるようなN−スルホニル−2−アゼチジノン類、Ramら,Indian J.Chem.Sect.B.29B,12(1990),第1134−7頁に開示されるようなエチル4−(2−オキソアゼチジン−4−イル)フェノキシ−アルカノエート類、および
【0075】
【化10】

に開示されるジフェニルアゼチジノン類および誘導体、ならびに米国特許公開公報第2004/0077623号、第2002/0137689号、第2004/0067913号に開示されるアゼチジノン類が挙げられる。これらの文献は、それぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0076】
一実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用な置換アゼチジノン類は、以下の式(I):
【0077】
【化11】

によって表わされるか、あるいは式(I)の化合物の医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であって、ここで、上記式(I)中、
ArおよびArは、独立して、アリールおよびR−置換アリールからなる群から選択され;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
RおよびRは、独立して、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NRからなる群から選択され;
およびRは、独立して、水素、低級アルキルおよびアリールからなる群から選択され;
qは0または1であり;rは0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0、1、2、3または4から選択され;ただし、qおよびrの少なくとも1つは1であり、m、n、p、qおよびrの合計は、1、2、3、4、5または6であり;pが0であり、かつrが1の場合は、m、qおよびnの合計は、1、2、3、4または5であり;
は、
【0078】
【化12】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
は、
【0079】
【化13】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;および
は、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルである。
【0080】
は、独立して選択された1〜3個の置換基であるのが好ましく、Rは、独立して選択された1〜3個の置換基であるのが好ましい。
【0081】
式(I)の化合物は、式中、ArがフェニルまたはR−置換フェニルである化合物が好ましく、(4−R)−置換フェニルがより好ましい。Arは、フェニルまたはR−置換フェニルが好ましく、(4−R)−置換フェニルがより好ましい。Arは、R−置換フェニルが好ましく、(4−R)−置換フェニルがより好ましい。Arが(4−R)−置換フェニルである場合、Rは、ハロゲンが好ましい。ArおよびArが、それぞれ、R−およびR−置換フェニルである場合、Rは、ハロゲンまたは−ORが好ましく、Rは、−OR(式中、Rは、低級アルキルまたは水素である)が好ましい。ArおよびArのそれぞれが4−フルオロフェニルであり、Arが4−ヒドロキシフェニルまたは4−メトキシフェニルである化合物が特に好ましい。
【0082】
X、YおよびZは、それぞれ、−CH−が好ましい。RおよびRは、それぞれ水素が好ましい。RおよびRは、−OR(式中、Rは水素、またはヒドロキシルへと容易に代謝可能である基(たとえば、先に定義した、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NR)である)が好ましい。
【0083】
m、n、p、qおよびrの合計は、2、3または4が好ましく、3がより好ましい。m、nおよびrがそれぞれ0であり、qが1であり、およびpが2である化合物が好ましい。
【0084】
式(I)(式中、p、qおよびnはそれぞれ0であり、rは1であり、mは、2または3である)の化合物も好ましい。m、nおよびrはそれぞれ0であり、qは1であり、pは2であり、Zは−CH−であり、Rは−ORである化合物がより好ましく、Rが水素である場合、特に好ましい。
【0085】
また、式(I)(式中、p、qおよびnは、それぞれ0であり、rは1であり、mは2であり、Xは−CH−であり、Rは−ORである)の化合物もより好ましく、Rが水素である場合、特に好ましい。
【0086】
式(I)の好ましい化合物の他の群は、Arが、フェニルまたはR−置換フェニルであり、Arが、フェニルまたはR−置換フェニルであり、Arが、R−置換フェニルである化合物である。また、ArはフェニルまたはR−置換フェニルであり、ArはフェニルまたはR−置換フェニルであり、ArはR−置換フェニルであり、m、n、p、qおよびrの合計は、2、3または4、より好ましくは3である化合物も好ましい。ArはフェニルまたはR−置換フェニルであり、ArはフェニルまたはR−置換フェニルであり、ArはR−置換フェニルであり、m、nおよびrは、それぞれ、0であり、qは1であり、pは2である化合物、あるいはp、qおよびnはそれぞれ0であり、rは1であり、mは2または3である化合物は、より好ましい。
【0087】
好ましい実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法で有用な、式(I)の置換アゼチジノンは、以下の式(II)
【0088】
【化14】

で表わされる(エゼチミブ)か、あるいは式(II)の化合物の医薬的に許容しうる塩または溶媒和物である。式(II)の化合物は、無水物または水和物の形態である可能性もある。エゼチミブ化合物を含有する製品は、ZETIA(登録商標)エゼチミブ製剤としてMSP Pharmaceuticalsから市販されている。
【0089】
式Iの化合物は、当業者に周知の種々の方法、たとえば、米国特許第RE37,721号、第5,631,365号、第5,767,115号、第5,846,966号、第6,207,822号、国際公開第02/079174号、および国際公開第93/02048号(これらの文献はそれぞれ、参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるような方法によって製造することができる。
【0090】
本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用な、代替の置換アゼチジノン類は、以下の式(III):
【0091】
【化15】

で表わされるか、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であって、ここで、上記式(III)中、
Arは、R−置換アリールであり;
Arは、R−置換アリールであり;
Arは、R−置換アリールであり;
YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
Aは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−から選択され;
は、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NRからなる群から選択され;Rは、水素、低級アルキルおよびアリールからなる群から選択され;あるいはRおよびRは、一緒になって=Oであり;
qは1、2または3であり;
pは、0、1、2、3または4であり;
は、
【0092】
【化16】

、o−ハロゲノ、m−ハロゲノ、o−低級アルキル、m−低級アルキル、−(低級アルキレン)−COORおよび−CH=CH−COORからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
およびRは、独立して、R、水素、p−低級アルキル、アリール、−NO、−CFおよびp−ハロゲノからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;およびRは、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルである。
【0093】
式IIIの好ましい化合物として、Arが、R−置換フェニル、特に(4−R)−置換フェニルである化合物が挙げられる。Arは、R−置換フェニル、特に(4−R)−置換フェニルが好ましい。Arは、R−置換フェニル、特に(4−R)−置換フェニルが好ましい。Ar、ArおよびArはそれぞれ、1置換が好ましい。
【0094】
YおよびZは、それぞれ、−CH−が好ましい。Rは、水素が好ましい。Rは、−OR(式中、Rは水素である)、またはヒドロキシルへと容易に代謝可能である基(たとえば、先に定義した−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NR)が好ましい。また、RおよびRが一緒になって=Oである化合物も好ましい。
【0095】
qおよびpの合計は1または2が好ましく、1がより好ましい。pが0であり、qが1である化合物が好ましい。pが0であり、qが1であり、Yが−CH−であり、Rが−ORである化合物がより好ましく、Rが水素の場合、特に好ましい。
【0096】
他の群の好ましい化合物は、ArがR−置換フェニルであり、ArがR−置換フェニルであり、ArがR−置換フェニルである化合物である。
【0097】
また、ArがR−置換フェニルであり、ArがR−置換フェニルであり、ArがR−置換フェニルであり、pおよびqの合計が1または2、特に1である化合物も好ましい。ArがR−置換フェニルであり、ArがR−置換フェニルであり、ArがR−置換フェニルであり、pが0であり、qが1である化合物はより好ましい。
【0098】
Aは−O−が好ましい。
【0099】
は、−COOR、−CONR、−COR、−SONR、S(O)0−2−アルキル、S(O)0−2−アリール、NOまたはハロゲノが好ましい。Rの定義として、ハロゲノ、特にフルオロまたはクロロがより好ましい。
【0100】
は、水素、低級アルキル、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O(CO)NR、−NR、CORまたはハロゲノが好ましく、ここで、RおよびRは、独立して、水素または低級アルキルが好ましく、Rは低級アルキルが好ましい。Rの定義として、水素またはハロゲノ、特にフルオロまたはクロロがより好ましい。
【0101】
は、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O(CO)NR、−NR、−(低級アルキレン)−COORまたは−CH=CH−COORが好ましく、ここで、RおよびRは、独立して、水素または低級アルキルが好ましく、Rは、低級アルキルが好ましい。Rの定義として、−OR、−(低級アルキレン)−COORまたは−CH=CH−COORがより好ましく、ここで、Rは、水素または低級アルキルが好ましい。
【0102】
式IIIの化合物を製造する方法は、当業者に周知である。適切な方法の限定ではない例が、米国特許第5,688,990号に開示され、これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0103】
他の実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用な置換アゼチジノン類は、式(IV):
【0104】
【化19】

で表わされるか、またはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であって、ここで、上記式(IV)中、
Aは、R−置換ヘテロシクロアルキル、R−置換ヘテロアリール、R−置換ベンゼン縮合ヘテロシクロアルキルおよびR−置換ベンゼン縮合ヘテロアリールからなる群から選択され;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
Qは、結合、またはアゼチジノンの3位の環炭素とともに、スピロ基:
【0105】
【化20】

を形成し;そして
は、
−(CH−(式中、qは、2〜6であり、ただし、Qがスピロ環を形成する場合、qは、0または1でもありうる);
−(CH−G−(CH−(式中、Gは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−NR−または−S(O)0−2−であり、eは0〜5であり、rは0〜5であり、ただし、eおよびrの合計は1〜6である);
−(C−Cアルケニレン)−;および
−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは1〜5であり、gは0〜5であり、ただし、fおよびgの合計は、1〜6である)からなる群から選択され;
は、
【0106】
【化21】

から選択され;
およびRは、独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−、−C(ジ−(C−C)アルキル)、−CH=CH−および−C(C−Cアルキル)=CH−からなる群から選択され;またはRは、隣接するRと一緒になって、あるいは隣接するRと一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(C−Cアルキル)−基を形成し;
aおよびbは、独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;Rが−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、aは1であり;Rが−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、bは1であり;aが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;およびbが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;そして
Qが結合の場合、Rは、
【0107】
【化22】

から選択されてもよく、
(ここで上記式中、
Mは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−および−C(ジ−(C−C)アルキル)からなる群から選択され;
10およびR12は、独立して、−OR14、−O(CO)R14、−O(CO)OR16および−O(CO)NR1415からなる群から選択され;
11およびR13は、独立して、水素、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;あるいはR10およびR11は一緒になって、=Oであり、またはR12およびR13は一緒になって、=Oであり;
dは1、2または3であり;
hは0、1、2、3または4であり;
sは0または1であり;tは0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0〜4であり;ただし、sおよびtの少なくとも1つは1であり、m、n、p、sおよびtの合計は、1〜6であり;pが0で、tが1の場合、m、sおよびnの合計は、1〜5であり;pが0で、sが1の場合、m、tおよびnの合計は、1〜5であり;
vは0または1であり;
jおよびkは、独立して、1〜5であり、ただしj、kおよびvの合計は、1〜5である);
は、水素、(C−C10)アルキル、(C−C10)アルケニル、(C−C10)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、R17−置換アリール、R17−置換ベンジル、R17−置換ベンジルオキシ、R17−置換アリールオキシ、ハロゲノ、−NR1415、NR1415(C−Cアルキレン)−、NR1415C(O)(C−Cアルキレン)−、−NHC(O)R16、OH、C−Cアルコキシ、−OC(O)R16、−COR14、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、NO、−S(O)0−216、−SONR1415および−(C−Cアルキレン)COOR14からなる群から選択される1〜3個の環炭素原子上の置換基であり;Rがヘテロシクロアルキル環上の置換基である場合、Rは、規定された通りであり、あるいは=Oまたは
【0108】
【化23】

であり;Rが置換可能な環窒素上の置換基の場合、それは、水素、(C−C)アルキル、アリール、(C−C)アルコキシ、アリールオキシ、(C−C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヒドロキシ、−(CH1−6CONR1818
【0109】
【化24】

(式中、Jは、−O−、−NH−、−NR18−または−CH−である)であり;
およびRは、独立して、(C−C)アルキル、
【0110】
【化25】

からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;
は、水素、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)R14または−COOR14であり;
およびR17は、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−COOH、NO、−NR1415、OHおよびハロゲノからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり;
14およびR15は、独立して、水素、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール置換(C−C)アルキルからなる群から選択され;
16は、(C−C)アルキル、アリールまたはR17−置換アリールであり;
18は、水素または(C−C)アルキルであり;そして
19は、水素、ヒドロキシまたは(C−C)アルコキシである。
【0111】
式IVの化合物を製造する方法は、当業者に周知である。適切な方法の限定ではない例は、米国特許第5,656,624号に開示され、これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0112】
上記式(IV)で使用される「A」は、1または2個の窒素原子を含有する、R−置換された6員ヘテロシクロアルキル環が好ましい。好ましいヘテロシクロアルキル環は、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニル基である。環「A」は、環窒素を介してフェニル環に結合するのが好ましい。好ましいR−置換基は、水素および低級アルキルである。R19は、水素が好ましい。
【0113】
Arは、フェニルまたはR−フェニルが好ましく、(4−R)−置換フェニルが特に好ましい。Rの定義は、低級アルコキシが好ましく、メトキシおよびハロゲノ、とりわけフルオロが特に好ましい。
【0114】
Arは、フェニルまたはR−置換フェニルが好ましく、(4−R)−置換フェニルが特に好ましい。
【0115】
変異可能物の−R−Q−組合せに関する好ましい定義がいくつか存在する。
【0116】
Qは結合であり、かつRは低級アルキレン、好ましくはプロピレンである;
Qは先に定義したようなスピロ基であり、ここで、RおよびRはそれぞれエチレンであり、R
【0117】
【化26】

であるのが好ましい;
Qは結合であり、かつRは、
【0118】
【化27】

(式中、変異可能物は、Rが−O−CH−CH(OH)−となるように選択される)である;
Qは結合であり、かつRは、
【0119】
【化28】

(式中、変異可能物は、Rが−CH(OH)−(CH−となるように選択される)である;
およびQは結合であり、かつRは、
【0120】
【化29】

(式中、変異可能物は、Rが−CH(OH)−CH−S(O)0−2−となるように選択される)である。
【0121】
他の実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用な置換アゼチジノン類は、式(V):
【0122】
【化30】

で表わされるか、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であり、ここで、上記式(V)中、
Arは、アリール、R10−置換アリールまたはヘテロアリールであり;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
XおよびYは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
Rは、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORまたは−O(CO)NRであり;Rは、水素、低級アルキルまたはアリールであり;あるいはRおよびRは一緒になって、=Oであり;
qは、0または1であり;
rは、0、1または2であり;
mおよびnは、独立して、0、1、2、3、4または5であり;ただし、m、nおよびqの合計は、1、2、3、4または5であり;
は、
【0123】
【化31】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
は、
【0124】
【化32】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;
は、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルであり;および
10は、
【0125】
【化33】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基である。
【0126】
式Vの範囲内で、2種の好ましい構造体が挙げられる。式VAにおいて、qは0であり、残りの変異可能物は、先に定義した通りであり、式VBにおいて、qは1であり、残りの変異可能物は、先に定義した通りである。
【0127】
【化34】

、RおよびR10は、それぞれ、先に記載したように、1〜3個の独立して選択された置換基が好ましい。好ましい化合物は、Arがフェニル、R10−置換フェニルまたはチエニルであり、特に(4−R10)−置換フェニルまたはチエニルである式(V)の化合物である。Arは、R−置換フェニル、特に(4−R10)−置換フェニルが好ましい。Arは、フェニルまたはR−置換フェニルが、特に(4−R)−置換フェニルが好ましい。ArがR10−置換フェニルである場合、R10は、ハロゲノ、特にフルオロが好ましい。ArがR−置換フェニルである場合、Rは、−ORが好ましく、特に、Rは水素または低級アルキルが好ましい。ArがR−置換フェニルである場合、Rは、ハロゲノ、特にフルオロが好ましい。特に好ましい化合物は、式(V)(式中、Arは、フェニル、4−フルオロフェニルまたはチエニルであり、Arは、4−(アルコキシまたはヒドロキシ)フェニルであり、Arは、フェニルまたは4−フルオロフェニルである)の化合物である。
【0128】
XおよびYは、それぞれ、−CH−が好ましい。m、nおよびqの合計は、2、3または4が好ましく、2がより好ましい。qが1の場合、nは1〜5が好ましい。
【0129】
式(VA)および(VB)のそれぞれにおいて、X、Y、Ar、ArおよびArは同じであるのが好ましい。
【0130】
式(VA)の化合物において、mおよびnの合計は、2、3または4が好ましく、2がより好ましい。また、mおよびnの合計が2であり、rが0または1である化合物も好ましい。
【0131】
式(VB)の化合物において、mおよびnの合計は、1、2または3が好ましく、1がより好ましい。mが0であり、nが1である化合物が特に好ましい。Rは水素が好ましく、Rは、−OR(式中、Rは、水素、またはヒドロキシルへと簡単に代謝可能である基(たとえば、上記−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NR)が好ましく、あるいはRおよびRが一緒になって=O基を形成する。
【0132】
式Vの化合物を製造する方法は、当業者に周知である。適切な方法の限定ではない例が、米国特許第5,624,920号に開示され、これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0133】
他の実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法で有用な置換アゼチジノン類は、式(Vl):
【0134】
【化35】

で表わされ、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であって、ここで、式中、
は、
【0135】
【化36】

であり;
およびRは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−C(ジ低級アルキル)−、−CH=CH−および−C(低級アルキル)=CH−からなる群から選択され;あるいはRおよび隣接するRが一緒になって、またはRおよび隣接するRが一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(低級アルキル)−基を形成し;
uおよびvは、独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;Rが−CH=CH−または−C(低級アルキル)=CH−である場合、vは1であり;Rが−CH=CH−または−C(低級アルキル)=CH−の場合、uは1であり;vが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;uが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;
は、B−(CHC(O)−(式中、mは、0、1、2、3、4または5である);B−(CH−(式中、qは、0、1、2、3、4、5または6である);B−(CH−Z−(CH(式中、Zは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−N(R)−または−S(O)0−2−であり、eは、0、1、2、3、4または5であり、およびrは、0、1、2、3、4または5であり、ただし、eおよびrの合計は、0、1、2、3、4、5または6である);B−(C−Cアルケニレン)−;B−(C−Cアルカジエニレン)−;B−(CH−Z−(C−Cアルケニレン)−(式中、Zは先に規定した通りであり、tは、0、1、2または3であり、ただし、tおよびアルケニレン鎖中の炭素原子の数の合計は、2、3、4、5または6である);B−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは、1、2、3、4または5であり、gは、0、1、2、3、4または5であり、ただし、fおよびgの合計は、1、2、3、4、5または6である);B−(CH−V−(C−Cアルケニレン)−またはB−(C−Cアルケニレン)−V−(CH−(式中、Vおよびtは先に規定した通りであり、ただし、tおよびアルケニレン鎖中の炭素原子の数の合計は、2、3、4、5または6である);B−(CH−Z−(CH−V−(CH−(式中、ZおよびVは先に規定した通りであり、a、bおよびdは、独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、ただし、a、bおよびdの合計は、0、1、2、3、4、5または6である);あるいはT−(CH−(式中、Tは、3〜6個の炭素原子のシクロアルキルであり、sは、0、1、2、3、4、5または6である)から選択され;あるいは
およびRは、一緒になって、基:
【0136】
【化37】

を形成し、
Bは、インダニル、インデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、ヘテロアリールまたはW置換ヘテロアリールから選択され、ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリルおよびフラニル、および窒素含有ヘテロアリールに関してはそのN−オキシドまたは
【0137】
【化38】

からなる群から選択され;
Wは、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、(低級アルコキシイミノ)−低級アルキル、低級アルカンジオイル、低級アルキル低級アルカンジオイル、アリルオキシ、−CF、−OCF、ベンジル、R−ベンジル、ベンジルオキシ、R−ベンジルオキシ、フェノキシ、R−フェノキシ、ジオキソラニル、NO、−N(R)(R)、N(R)(R)−低級アルキレン−、N(R)(R)−低級アルキレニルオキシ−、OH、ハロゲノ、−CN、−N、−NHC(O)OR10、−NHC(O)R10、R11SNH−、(R11S)N−、−S(O)NH、−S(O)0−2、tert−ブチルジメチル−シリルオキシメチル、−C(O)R12、−COOR19、−CON(R)(R)、−CH=CHC(O)R12、−低級アルキレン−C(O)R12、R10C(O)(低級アルキレニルオキシ)−、N(R)(R)C(O)(低級アルキレニルオキシ)−および環炭素原子上の置換基に関しては、
【0138】
【化39】

からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり、そして
置換ヘテロアリール環窒素原子上の置換基が存在する場合、これらは、低級アルキル、低級アルコキシ、−C(O)OR10、−C(O)R10、OH、N(R)(R)−低級アルキレン、N(R)(R)−低級アルキレニルオキシ−、−S(O)NHおよび2−(トリメチルシリル)−エトキシメチルからなる群から選択され;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、−COOH、NO、−N(R)(R)、OHおよびハロゲノからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり;
およびRは、独立して、Hまたは低級アルキルから選択され;
10は、低級アルキル、フェニル、R−フェニル、ベンジルまたはR−ベンジルから選択され;
11は、OH、低級アルキル、フェニル、ベンジル、R−フェニルまたはR−ベンジルから選択され;
12は、H、OH、アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、
【0139】
【化40】

、−N(R)(R)、低級アルキル、フェニルまたはR−フェニルから選択され;
13は、−O−、−CH−、−NH−、−N(低級アルキル)−または−NC(O)R19から選択され;
15、R16およびR17は、独立して、H、およびWに関して規定した基からなる群から選択され;あるいはR15は水素であり、かつR16およびR17は、これらが結合する隣接する炭素原子と一緒になって、ジオキソラニル環を形成し;
19は、H、低級アルキル、フェニルまたはフェニル低級アルキルであり;および
20およびR21は、独立して、フェニル、W−置換フェニル、ナフチル、W−置換ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、ベンゾジオキソリル、ヘテロアリール、W−置換ヘテロアリール、ベンゼン縮合ヘテロアリール、W−置換ベンゼン縮合ヘテロアリールおよびシクロプロピルからなる群から選択され、ここで、ヘテロアリールは、先に規定した通りである。
【0140】
式VIの好ましい化合物の一群は、R21が、フェニル、W−置換フェニル、インダニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、テトラヒドロナフチル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリルまたはシクロプロピル(ここで、Wは、低級アルキル、低級アルコキシ、OH、ハロゲノ、−N(R)(R)、−NHC(O)OR10、−NHC(O)R10、NO、−CN、−N、−SH、−S(O)0−2−(低級アルキル)、−COOR19、−CON(R)(R)、−COR12、フェノキシ、ベンジルオキシ、−OCF、−CH=C(O)R12またはtert−ブチルジメチルシリルオキシであり、R、R、R10、R12およびR19は、式IVに関し定義した通りである)から選択される化合物である。Wが2または3個の置換基である場合、これらの置換基は、同じまたは異なってもよい。
【0141】
式VIの好ましい化合物の他の群は、R20がフェニルまたはW−置換フェニル(ここで、Wの好ましい意味は、R21の好ましい定義に関し先に定義した通りである)である化合物である。
【0142】
式VI(式中、R20は、フェニルまたはW−置換フェニルであり、R21は、フェニル、W−置換フェニル、インダニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、テトラヒドロナフチル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリルまたはシクロプロピルであり;Wは、低級アルキル、低級アルコキシ、OH、ハロゲノ、−N(R)(R)、−NHC(O)OR10、−NHC(O)R10、NO、−CN、−N、−SH、−S(O)0−2−(低級アルキル)、−COOR19、−CON(R)(R)、−COR12、フェノキシ、ベンジルオキシ、−CH=CHC(O)R12、−OCFまたはtert−ブチル−ジメチル−シリルオキシであり、ここで、Wが2または3個の置換基である場合、これらの置換基は、同じまたは異なってもよく、R、R、R10、R12およびR19は、式VIで定義した通りである)の化合物がより好ましい。
【0143】
また、式VI(式中、R
【0144】
【化41】

である)の化合物も好ましい。
【0145】
式VIの好ましい化合物の他の群は、RおよびRがそれぞれ−CH−であり、uおよびvの合計が、2、3または4である化合物であり、ここでu=v=2の化合物がより好ましい。
【0146】
は、B−(CH−またはB−(CH−Z−(CH−(式中、B、Z、q、eおよびrは、先に定義した通りである)が好ましい。Bは、
【0147】
【化42】

(式中、R16およびR17は、それぞれ水素であり、R15は、H、OH、低級アルコキシ、特にメトキシまたはハロゲノ、とりわけクロロが好ましい)が好ましい。
【0148】
Zが−O−であり、eが0であり、rが0であるのが好ましい。
【0149】
qは0〜2が好ましい。
【0150】
20は、フェニルまたはW−置換フェニルが好ましい。
【0151】
20のW置換基は、低級アルコキシ、特にメトキシおよびエトキシ、OHならびに−C(O)R12(式中、R12は低級アルコキシが好ましい)が好ましい。
【0152】
21は、フェニル、低級アルコキシ置換フェニルおよびF−フェニルから選択されるのが好ましい。
【0153】
式VI(式中、R
【0154】
【化43】

であり、RおよびRは、それぞれ、−CH−であり、u=v=2であり、RはB−(CH−(式中、Bは、フェニル、あるいは低級アルコキシまたはクロロで置換されたフェニル、qは0〜2)、R20は、フェニル、OH−フェニル、低級アルコキシ−置換フェニルまたは低級アルコキシカルボニル−置換フェニルであり、R21は、フェニル、低級アルコキシ−置換フェニルまたはF−フェニルである)の化合物が特に好ましい。
【0155】
式VIの他の有用な化合物の例は、下記式VIaで示される。
【0156】
【化44】

式Vlの化合物を製造する方法は、当業者に周知である。適切な方法の限定ではない例は、米国特許第5,698,548号に開示され、これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0157】
他の実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用な置換アゼチジノン類は、式(VIIA)および(VIIB):
【0158】
【化45】

で表わされるか、その医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であって、式中、
Aは、−CH=CH−、−C≡C−または−(CH−(式中、pは、0、1または2である)であり;
Bは、
【0159】
【化46】

であり
B’は、
【0160】
【化47】

であり
Dは、−(CHC(O)−または−(CH−(式中、mは、1、2、3または4であり、qは、2、3または4である)であり;
Eは、C10〜C20アルキルまたは−C(O)−(C〜C19)−アルキル(式中、アルキルは、直鎖または分岐状であり、飽和であるか1個以上の二重結合を含む)であり;
Rは、水素、直鎖または分岐状であり、飽和であるか1個以上の二重結合を含むC−C15アルキル、またはB−(CH−(式中、rは、0、1、2または3である)であり;
、R、R、R1’、R2’およびR3’は、独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、NO、NH、OH、ハロゲノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、−NHC(O)OR、RSNH−および−S(O)NHからなる群から選択され;
は、
【0161】
【化48】

(式中、nは、0、1、2または3である)であり;
は、低級アルキルであり;および
は、OH、低級アルキル、フェニル、ベンジルまたは置換フェニル(ここで、置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、NO、NH、OH、ハロゲノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から独立して選択される1〜3個の基である)である。
【0162】
他の実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用なステロール吸収阻害剤は、式(VIII):
【0163】
【化49】

で表わされるか、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であり、ここで、上記式(VIII)中、
26は、HまたはOGであり;
GおよびGは、独立して、H、
【0164】
【化50】

および
【0165】
【化51】

からなる群から選択され、ただし、R26がHまたはOHである場合、GはHではなく;
R、RおよびRは、独立して、H、−OH、ハロゲノ、−NH、アジド、(C−C)アルコキシ(C−C)−アルコキシまたは−W−R30からなる群から選択され;
Wは、独立して、−NH−C(O)−、−O−C(O)−、−O−C(O)−N(R31)−、−NH−C(O)−N(R31)−および−O−C(S)−N(R31)−からなる群から選択され;
およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され;
、R、R、R、R3aおよびR4aは、独立して、H、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)(C−C)アルキルおよび−C(O)アリールからなる群から選択され;
30は、R32−置換T、R32−置換−T−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)アルケニル、R32−置換−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)シクロアルキルおよびR32−置換−(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルからなる群から選択され;
31は、Hおよび(C−C)アルキルからなる群から選択され;
Tは、フェニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピリジルからなる群から選択され;
32は、独立して、ハロゲノ、(C−C)アルキル、−OH、フェノキシ、−CF、−NO、(C−C)アルコキシ、メチレンジオキシ、オキソ、(C−C)アルキルスルファニル、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、−N(CH、−C(O)−NH(C−C)アルキル、−C(O)−N((C−C)アルキル)、−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルコキシおよびピロリジニルカルボニルからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基から選択され;あるいはR32は共有結合であり、かつR31、R31が結合する窒素およびR32は、ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基、または(C−C)アルコキシカルボニル置換ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基を形成し;
Arは、アリールまたはR10−置換アリールであり;
Arは、アリールまたはR11−置換アリールであり;
Qは、結合、またはアゼチジノンの3位の環炭素とともに、スピロ基:
【0166】
【化52】

を形成し;そして
は、
−(CH−(式中、qは、2〜6であり、ただしQがスピロ環を形成する場合は、qは、0または1でもありえる);
−(CH−E−(CH−(式中、Eは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−NR22−または−S(O)0−2−であり、eは0〜5であり、rは0〜5であり、ただし、eおよびrの合計は、1〜6である);
−(C−C)アルケニレン−;および
−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは1〜5であり、gは0〜5であり、ただし、fおよびgの合計は1〜6である)からなる群から選択され;
12は、
【0167】
【化53】

であり;
13およびR14は、独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−、−C(ジ−(C−C)アルキル)、−CH=CH−および−C(C−Cアルキル)=CH−からなる群から選択され;あるいはR12は、隣接するR13と一緒になって、または隣接するR14と一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(C−Cアルキル)−基を形成し;
aおよびbは、独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;
13が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、aは1であり;
14が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、bは1であり;
aが2または3の場合、複数のR13は、同じまたは異なってもよく;および
bが2または3の場合、複数のR14は、同じまたは異なってもよく;
Qが結合の場合、Rは、
【0168】
【化54】

であってもよく;
Mは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(C−C)アルキル−および−C(ジ−(C−C)アルキル)からなる群から選択され;
10およびR11は、独立して、
【0169】
【化55】

からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;
15およびR17は、独立して、−OR19、−O(CO)R19、−O(CO)OR21および−O(CO)NR1920からなる群から選択され;
16およびR18は、独立して、H、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;またはR15およびR16は、一緒になって、=Oであり、あるいはR17およびR18は、一緒になって=Oであり;
dは、1、2または3であり;
hは、0、1、2、3または4であり;
sは、0または1であり;tは、0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0〜4であり;
ただし、sおよびtの少なくとも1つは1であり、かつm、n、p、sおよびtの合計は1〜6であり;pが0であり、かつtが1の場合、m、sおよびnの合計は1〜5であり;pが0であり、かつsが1の場合、m、tおよびnの合計は、1〜5であり;
vは、0または1であり;
jおよびkは、独立して、1〜5であり、ただし、j、kおよびvの合計は、1〜5であり;
Qが結合であり、Rが、
【0170】
【化56】

である場合、Arは、ピリジル、イソオキサゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであってもよく;
19およびR20は、独立して、H、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール置換(C−C)アルキルからなる群から選択され、;
21は、(C−C)アルキル、アリールまたはR24−置換アリールであり;
22は、H、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)R19または−COOR19であり;
23およびR24は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−COOH、NO、−NR1920、−OHおよびハロゲノからなる群から選択される1〜3個の基であり;および
25は、H、−OHまたは(C−C)アルコキシである。
【0171】
式VIIIの化合物を製造する方法は、当業者に周知である。適切な方法の限定ではない例は、米国特許第5,756,470号に開示され、これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0172】
他の実施形態では、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法において有用な置換アゼチジノン類は、以下の式(IX):
【0173】
【化57】

で表わされるか、その医薬的に許容しうる塩または溶媒和物であり、ここで、式(IX)中、
は、H、G、G、G、−SOHおよび−POHからなる群から選択され;
Gは:
H、
【0174】
【化58】

からなる群から選択され、
(上記式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、−OH、ハロ、−NH、アジド、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシまたは−W−R30からなる群から選択され;
Wは、独立して、−NH−C(O)−、−O−C(O)−、−O−C(O)−N(R31)−、−NH−C(O)−N(R31)−および−O−C(S)−N(R31)−からなる群から選択され;
およびRは、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、アセチル、アリールおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され;
、R、R、R、R3aおよびR4aは、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、アセチル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)(C−C)アルキルおよび−C(O)アリールからなる群から選択され;
30は、独立して、R32−置換T、R32−置換−T−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)アルケニル、R32−置換−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)シクロアルキルおよびR32−置換−(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルからなる群から選択され;
31は、独立して、Hおよび(C−C)アルキルからなる群から選択され;
Tは、独立して、フェニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピリジルからなる群から選択され;
32は、H、ハロ、(C−C)アルキル、−OH、フェノキシ、−CF、−NO、(C−C)アルコキシ、メチレンジオキシ、オキソ、(C−C)アルキルスルファニル、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、−N(CH、−C(O)−NH(C−C)アルキル、−C(O)−N((C−C)アルキル)、−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルコキシおよびピロリジニルカルボニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基から独立して選択され;あるいはR32は共有結合であり、かつR31、R31が結合する窒素およびR32は、ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチル−ピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基、あるいは(C−C)アルコキシカルボニル置換ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基を形成し;
は、構造式:
【0175】
【化59】

で表わされ、(式中、R33は、独立して、非置換アルキル、R34−置換アルキル、(R35)(R36)アルキル−、
【0176】
【化60】

【0177】
【化61】

からなる群から選択され;
34は、1〜3個の置換基であり、各R34は、独立して、HOOC−、HO−、HS−、(CH)S−、HN−、(NH)(NH)C(NH)−、(NH)C(O)−およびHOOCCH(NH)CHSS−からなる群から選択され;
35は、独立して、HおよびNH−からなる群から選択され;
36は、独立して、H、非置換アルキル、R34−置換アルキル、非置換シクロアルキルおよびR34−置換シクロアルキルからなる群から選択される);
は、構造式:
【0178】
【化62】

で表わされ、(式中、
37およびR38は、それぞれ独立して、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;
26は、1〜5個の置換基であり、各R26は、
a)H;
b)−OH;
c)−OCH
d)フッ素;
e)塩素;
f)−O−G;
g)−O−G
h)−O−G
i)−SOH;および
j)−POHからなる群から独立して選択され;
ただし、RがHの場合、R26は、H、−OH、−OCHおよび−O−Gではく;
Arは、アリール、R10−置換アリール、ヘテロアリールまたはR10−置換ヘテロアリールであり;
Arは、アリール、R11−置換アリール、ヘテロアリールまたはR11−置換ヘテロアリールであり;
Lは、
a)共有結合;
b)−(CH−(式中、qは1〜6である);
c)−(CH−E−(CH−(式中、Eは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−NR22−または−S(O)0−2であり、eは0〜5であり、およびrは0〜5であり、ただし、eおよびrの合計は1〜6である);
d)−(C−C)アルケニレン−;
e)−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは1〜5であり、およびgは0〜5であり、ただし、fおよびgの合計は1〜6である);および
f)
【0179】
【化63】

(式中、Mは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;
X、YおよびZは、それぞれ独立して、−CH−、−CH(C−C)アルキル−および−C(ジ−(C−C)アルキル)−からなる群から選択される)からなる群から選択され;
は、Hおよびアルキルからなる群から選択され;
10およびR11は、それぞれ独立して、(C−C)アルキル、
【0180】
【化64】

からなる群からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;
15およびR17は、それぞれ独立して、−OR19、−OC(O)R19、−OC(O)OR21、−OC(O)NR1920からなる群から選択され;
16およびR18は、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;または
15およびR16は一緒になって、=Oであり、あるいはR17およびR18は、一緒になって、=Oであり;
dは、1、2または3であり;
hは、0、1、2、3または4であり;
sは、0または1であり;
tは、0または1であり;
m、nおよびpは、それぞれ独立して、0〜4から選択され;
ただし、sおよびtの少なくとも1つは、1であり、m、n、p、sおよびtの合計は、1〜6であり;pが0であり、tが1の場合、m、nおよびpの合計は、1〜5であり;pが0であり、sが1の場合、m、tおよびnの合計は、1〜5であり;
vは、0または1であり;
jおよびkは、それぞれ独立して、1〜5であり、ただし、j、kおよびvの合計は、1〜5であり;
Qは、結合、−(CH−(式中、qは1〜6である)あるいは、アゼチジノンの3位の環炭素とともに、スピロ基:
【0181】
【化65】

を形成し、(式中、
12は、
【0182】
【化66】

であり、
13およびR14は、それぞれ独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−、−C(ジ−(C−C)アルキル)、−CH=CH−および−C(C−Cアルキル)=CH−からなる群から選択され;あるいは、R12は、隣接するR13と一緒になって、または隣接するR14と一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(C−Cアルキル)−基を形成し;
aおよびbは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;R13が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、aは1であり;R14が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、bは1であり;aが2または3の場合、複数のR13は、同じまたは異なってもよく;bが2または3の場合、複数のR14は同じまたは異なってもよい);そして
Qが結合であり、かつLが
【0183】
【化67】

の場合、Arは、ピリジル、イソオキサゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであってもよく;
19およびR20は、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール置換(C−C)アルキルからなる群から選択され;
21は、(C−C)アルキル、アリールまたはR24−置換アリールであり;
22は、H、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)R19または−COOR19であり;
23およびR24は、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−COOH、NO、−NR1920、−OHおよびハロからなる群からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;および
25は、H、−OHまたは(C−C)アルコキシである。
【0184】
本発明の組成物、治療的組合せおよび方法および組合せにおいて有用な式(IX)の化合物の例、およびそのような化合物を製造する方法は、2002年6月11日に出願の米国特許出願公開第2003/0105028A1号に開示され、これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0185】
本発明の有用な化合物の例は、式X:
【0186】
【化68】

(式中、Rは、先に定義した通りである)で表わされるものである。
【0187】
より好ましい化合物は、式XI:
【0188】
【化69】

で表わされるものである。
【0189】
他の有用な化合物は、式XII:
【0190】
【化70】

で表わされる。
【0191】
他の有用な置換アゼチジノン化合物として、米国特許第4,983,597号に開示されるような、N−スルホニル−2−アゼチジノン類、Ramら,Indian J.Chem.Sect.B.29B,12(1990),第1134−7頁に開示されるような、エチル4−(2−オキソアゼチジン−4−イル)フェノキシ−アルカノエート類、および米国特許出願公開第2002/0039774号、第2002/0128252号、第2002/0128253号および第2002/0137689号、および国際公開第2002/066464号に開示されるような、ジフェニルアゼチジノン類およびそれらの誘導体が挙げられる。これらの文献はそれぞれ、参考として本明細書に組み込まれる。
【0192】
式I〜XIIの化合物は、先に検討した方法を含む公知の方法によって製造することができ、たとえば、国際公開第93/02048号は、−R−Q−が、アルキレン、アルケニレン、またはヘテロ原子、フェニレンまたはシクロアルキレンによって中断されたアルキレンである化合物の製造を記載し;国際公開第94/17038号は、Qがスピロ環基である化合物の製造を記載し;国際公開第95/08532号は、−R−Q−が、ヒドロキシ−置換アルキレン基である化合物の製造を記載し;PCT/US95/03196号は、−R−Q−が、−O−またはS(O)0−2基を介してAr部分に結合するヒドロキシ−置換アルキレンである化合物を記載し;および米国特許第5,633,246号は、−R−Q−が、−S(O)0−2−基によってアゼチジノン環を結合するヒドロキシ−置換アルキレン基である化合物の製造を記載する。先に記載した文献はそれぞれ、参考として組み込まれる。
【0193】
先に検討したように、本発明の組成物、治療的組合せおよび方法は、少なくとも1種のMTP阻害剤を含む。MTP阻害剤は当該分野で周知であり、たとえば、米国特許公開公報第2006/0166999A1号および米国特許第6,472,414B1号に開示されている。これらの公報は参考として本明細書に組み込まれる。MTP阻害剤を開示する公報の他の限定ではない例として、以下のものがある:
【0194】
【化71】

MTP阻害剤を記載する別の公報として、CA2,092,201号およびEP0643057号が挙げられる。先に列挙した公報は、それぞれ、参考として本明細書に組み込まれる。
【0195】
好ましいMTP阻害剤として、インプリタピド(BAY13−9952または2,2−(S)−シクロペンチル−2−{[4−(2,4−ジメチル−アルファ−カルボリン−9−イル)メチル]フェニル}酢酸−(R)−フェニル−グリシノール−アミド)、以下の構造式:
【0196】
【化72】

で表わされるミトラタピド(Janssen)、T−0126(Tanabe)、CP−3959919(Pfizer)、JTT−130(BMC Cardiovalscular Discord530(2005))、BMS201038(Bristol−Myers Squibb)および以下の構造式:
【0197】
【化73】

で表わされるCP−346086(Pfizer)が挙げられる。
【0198】
コレステロール低下薬のクラスとして、以下の限定ではない薬剤のクラス、すなわち、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;胆汁酸封鎖剤;PPARアゴニストまたは活性化剤;回腸胆汁酸輸送(「IBAT」)阻害剤(またはアピカルナトリウム共依存性胆汁酸輸送(apical sodium co−dependent bile acid transport)(「ASBT」)阻害剤;ニコチン酸(ナイアシン)および/またはニコチン酸受容体アゴニスト;アシルCoA:コレステロールO−アシル転移酵素(「ACAT」)阻害剤;コレステリルエステル転移タンパク質(「CETP」)阻害剤;プロブコールまたはその誘導体;低密度リポ蛋白(「LDL」)受容体活性化剤;オメガ3脂肪酸(「3−PUFA」);天然の水溶性繊維;植物ステロール類、植物スタノール類および/または植物スタノールの脂肪酸エステル類が挙げられる。
【0199】
適切なコレステロール生合成阻害剤の限定ではない例として、HMG−CoAレダクターゼの競合的阻害剤、コレステロール生合成における律速段階、スクレアレン合成阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤およびこれらの混合物が挙げられる。適切なHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の限定ではない例として、スタチン類、たとえば、ロバスタチン(たとえば、Merck社から入手しうるMEVACOR(登録商標))、プラバスタチン(たとえば、Bristol Meyers Squibbから入手しうるPRAVACHOL(登録商標))、フルバスタチン、シンバスタチン(たとえば、Merck社から入手しうるZOCOR(登録商標))、アトルバスタチン、セリバスタチン、Cl−981、レスバスタチン(resuvastatin)、リバスタチンおよびピタバスタチン(たとえば、Negma Kowa of JapanのNK−104)、ロスバスタチン;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、たとえば、L−659,699((E,E)−11−[3’R−(ヒドロキシ−メチル)−4’−オキソ−2’R−オキセタニル]−3,5,7R−トリメチル−2,4−ウンデカジエン酸);スクアレン合成阻害剤、たとえば、スクアレスタチン1;およびスクアレンエポキシダーゼ阻害剤、たとえば、NB−598((E)−N−エチル−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−3−[(3,3’−ビチオフェン−5−イル)メトキシ]ベンゼン−メタンアミン塩酸塩)、および他のステロール生合成阻害剤、たとえば、DMP−565が挙げられる。好ましいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤として、ロバスタチン、プラバスタチンおよびシンバスタチンが挙げられる。最も好ましいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤はシンバスタチンである。
【0200】
一般的に、コレステロール生合成阻害剤の総一日投与量は、約0.1〜約160mg/日、好ましくは約0.2〜約80mg/日の範囲で、1回または2、3回に分割して投与しうる。
【0201】
本発明で考慮されている他のコレステロール低下薬として、ある種の胆汁酸封鎖剤が挙げられる。胆汁酸封鎖剤は、腸で胆汁酸に結合し、胆汁酸の腸肝循環を妨害し、ステロイド類の糞便排出を増加させる。
【0202】
適切な胆汁酸封鎖剤の限定ではない例として、コレスチラミン、(胆汁酸を結合することができる四級アンモニウムカチオン基を含有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、たとえば、QUESTRAN(登録商標)またはQUESTRAN LIGHT(登録商標)コレスチラミン、これらはBristol−Myers Squibbから入手しうる)、コレスチポール(ジエチレントリアミンと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとの共重合体、たとえば、COLESTID(登録商標)錠剤、これはPharmaciaから入手しうる)、塩酸コレセベラム(たとえば、WelChol(登録商標)Tablet(エピクロロヒドリンで架橋され、1−ブロモデカンおよび(6−ブロモヘキシル)−トリメチルアンモニウムブロマイドでアルキル化されたポリ(アリルアミン塩酸塩))これらはSankyoから入手しうる)、水溶性誘導体、たとえば、3,3−イオエン、N−(シクロアルキル)アルキルアミン類およびポリグルサム、不溶性四級化ポリスチレン類、サポニンおよびこれらの混合物が挙げられる。適切な無機コレステロール封鎖剤として、サリチル酸ビスマス+モンモリロナイト粘土、水酸化アルミニウムおよび炭酸カルシウム制酸剤が挙げられる。
【0203】
本発明の他の実施形態として、PPARの活性化剤またはアゴニストが挙げられる。この活性化剤は、ペルオキシソーム増殖活性化受容体のアゴニストとして作用する。PPARは、3種の亜型が同定されており、これらは、ペルオキシソーム増殖活性化受容体アルファ(PPARα)、ペルオキシソーム増殖活性化受容体ガンマ(PPARγ)およびペルオキシソーム増殖活性化受容体デルタ(PPARδ)と命名されている。PPARδは、文献では、PPARβおよびNUC1とも呼ばれ、これらの名前はそれぞれ、同じ受容体を意味することに留意すべきである。
【0204】
PPARαは、脂質の代謝を調節する。PPARαは、フィブラートおよび多数の中鎖および長鎖脂肪酸により活性化され、脂肪酸のβ−酸化の刺激に関与している。PPARγ受容体の亜型は、脂肪細胞分化のプログラムの活性化には関与するが、肝臓でのペルオキシソーム増殖の刺激には関与しない。PPARδは、ヒトにおいて、高密度リポ蛋白(HDL)レベルを高めるのに有用であることが確認されている。たとえば、国際公開第97/28149号参照。
【0205】
PPARα活性化化合物は、とりわけ、トリグリセリドを低下させ、LDLレベルを適度に低下させ、HDLレベルを上昇させるのに有用である。PPARα活性化剤の有用な例として、フィブラートが挙げられる。
【0206】
適切なフィブリン酸誘導体(「フィブラート」)の限定ではない例として、クロフィブラート(たとえば、エチル2−(p−クロロフェノキシ)−2−メチル−プロピオネート、たとえば、Wyeth−Ayerstから市販されているATROMID−S(登録商標)Capsule);ゲムフィブロジル(たとえば、5−(2,5−ジメチルフェノキシ)−2,2−ジメチルペンタン酸、たとえば、Pfizerから市販されているLOPID(登録商標)錠剤);シプロフィブラート(C.A.S.Registry No.52214−84−3、米国特許第3,948,973号参照。これは参考として本明細書に組み込まれる);ベザフィブラート(C.A.S.Registry No.41859−67−0、米国特許第3,781,328号参照。これは参考として本明細書に組み込まれる);クリノフィブラート(C.A.S.Registry No.30299−08−2、米国特許第3,716,583号参照。これは参考として本明細書に組み込まれる);ビニフィブラート(C.A.S.Registry No.69047−39−8、BE884722号参照。これは参考として本明細書に組み込まれる);リフィブロール(C.A.S.Registry No.96609−16−4);フェノフィブラート(たとえば、Abbott Laboratoriesから市販されているTRICOR(登録商標)微粉化フェノフィブラート(2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、1−メチルエチルエステル)またはLabortoire Founier,Franceから市販されているLIPANTHYL(登録商標)微粉化フェノフィブラート)、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、酸形態、塩形態、ラセミ体、鏡像異性体、双性イオンおよび互変異性体(これらに限定されない)を始めとする種々の形態で使用することができる。
【0207】
本発明の実施に有用なPPARα活性化剤の他の例として、米国特許第6,028,109号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるような適切なフルオロフェニル化合物;国際公開第00/75103号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなある種の置換フェニルプロピオン酸化合物、および国際公開第98/43081号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなPPARアルファ活性化化合物が挙げられる。
【0208】
適切なPPARγ活性化剤の限定ではない例として、グリタゾンまたはチアゾリジンジオンの誘導体、たとえば、トログリタゾン;ロシグリタゾン(たとえば、SmithKline Beechamから市販されているAVANDIA(登録商標)ロシグリタゾンマレエート(−5−[[4−[2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン−2−ブテンジオエート))およびピオグリタゾン(たとえば、Takeda Pharmaceuticalsから市販されているACTOS(商標)ピオグリタゾン塩酸塩(5−[[4−[2−(5−エチル−2−ピリジニル)エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−]チアゾリジンジオン一塩酸塩))が挙げられる。他の有用なチアゾリジンジオン類として、国際公開第98/05331号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているようなシグリタゾン、エングリタゾン、ダルグリタゾンおよびBRL49653;国際公開第00/76488号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるPPARγ活性化化合物;および米国特許第5,994,554号(これは参考として本明細書に組み込まれる)PPARy活性化化合物が挙げられる。
【0209】
他の有用なPPARγ活性化化合物として、米国特許第5,859,051号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているようなある種のアセチルフェノール類;国際公開第99/20275号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているようなある種のキノリンフェニル化合物;国際公開第99/38845号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているようなアリール化合物;国際公開第00/63161号に開示されているようなある種の1,4−ジ置換フェニル化合物;国際公開第01/00579号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているようなある種のアリール化合物;国際公開第01/12612号および国際公開第01/12187号(これらは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているような安息香酸化合物;および国際公開第97/31907号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているような置換4−ヒドロキシ−フェニルアルコン酸(phenylalconic acid)化合物が挙げられる。
【0210】
PPARδ化合物は、とりわけ、トリグリセリドレベルを低下させ、HDLレベルを上昇させるのに有用である。PPARδ活性化剤の限定ではない例として、適切なチアゾールおよびオキサゾール誘導体、たとえば、国際公開第01/00603号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなC.A.S.Registry No.317318−32−4;国際公開第97/28149号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなある種のフルオロ、クロロまたはチオフェノキシフェニル酢酸;米国特許第5,093,365号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるような適切な非−β−酸化可能脂肪酸類縁体;および国際公開第99/04815号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなPPARδ化合物が挙げられる。
【0211】
さらに、PPARα、PPARγおよびPPARδの種々の組合せを活性化する複数の官能基を有する化合物も、本発明の実施において有用である。限定ではない例として、米国特許第6,248,781号;国際公開第00/23416号;国際公開第00/23415号;国際公開第00/23425号;国際公開第00/23445号;国際公開第00/23451号;および国際公開第00/63153号(これらは全て、参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなある種の置換アリール化合物が挙げられ、これらは、有用なPPARαおよび/またはPPARγ活性化化合物であることが記載されている。有用なPPARαおよび/またはPPARγ活性化化合物の他の限定ではない例として、国際公開第97/25042号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示される活性化化合物;国際公開第00/63190号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示される活性化化合物;国際公開第01/21181号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示される活性化化合物;国際公開第01/16120号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるビアリール−オキサ(チア)ゾ−ル化合物;国際公開第00/63196号および国際公開第00/63209号(これらは参考として本明細書に組み込まれる)に開示される化合物;米国特許第6,008,237号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示される置換5−アリール−2,4−チアゾリジンジオン化合物;国際公開第00/78312号および国際公開第00/78313G号(これらは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるアリールチアゾリジンジオンおよびアリールオキサゾリジンジオン化合物;国際公開第98/05331号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるGW2331または(2−(4−[ジフルオロフェニル]−1−ヘプチルウレイド)エチル]フェノキシ)−2−メチル酪酸化合物;米国特許第6,166,049号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるアリール化合物;国際公開第01/17994号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるオキサゾール化合物;および国際公開第01/25225号および国際公開第01/25226号(これらは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるジチオラン化合物が挙げられる。
【0212】
他の有用なPPAR活性化化合物として、国際公開第01/14349号、国際公開第01/14350号および国際公開第01/04351号(これらは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるような置換ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン化合物;国際公開第00/50392号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなメルカプトカルボン酸化合物;国際公開第00/53563号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなアスコフラノン化合物;国際公開第99/46232号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなカルボン酸化合物;国際公開第99/12534号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるような化合物;国際公開第99/15520号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなベンゼン化合物;国際公開第01/21578号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなo−アニスアミド化合物;および国際公開第01/40192号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなPPAR活性化化合物が挙げられる。
【0213】
ペルオキシソーム増殖活性化受容体の活性化剤は、特定の状態を治療するために、治療的に有効な量、たとえば、好ましくは約50〜約3000mg/日、より好ましくは約50〜約2000mg/日の範囲の1日用量で、1回または2〜4回に分割して投与される。しかし、正確な投与量は、担当の臨床医によって決定され、投与される化合物の効力、患者の年齢、体重、状態および反応のような因子に依存する。
【0214】
代替の実施形態では、本発明は、1種以上のIBAT阻害剤またはASBT阻害剤の使用を含む。IBAT阻害剤は、胆汁酸輸送を阻害し、LDLコレステロール値を下げることができる。適切なIBAT阻害剤の限定ではない例として、ベンゾチエピン類、たとえば国際公開第00/38727号(これは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されるような、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾチエピン1,1−ジオキシド構造を含む治療化合物が挙げられる。
【0215】
一般的に、IBAT阻害剤の総1日投与量は、約0.01〜約1000mg/日、好ましくは約0.1〜約50mg/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与されうる。
【0216】
他の代替の実施形態では、本発明の方法は、さらに、ニコチン酸(ナイアシン)および/またはニコチン酸受容体(「NAR」)アゴニストを脂質低下剤として含むことができる。
【0217】
本明細書で使用される「ニコチン酸受容体アゴニスト」は、ニコチン酸受容体に対するアゴニストとして作用する化合物を含む任意の化合物を意味する。この化合物として、ピリジン−3−カルボン酸構造またはピラジン−2−カルボン酸構造を有する化合物が挙げられ、可能な場合は、酸形態、塩、エステル、双性イオンおよび互変異性体も含む。ニコチン酸受容体アゴニストの例として、ニセリトロール、ニコフラノースおよびアシピモックス(5−メチルピラジン−2−カルボン酸4−オキシド)が挙げられる。ニコチン酸およびNARアゴニストは、VLDLおよびその代謝産物であるLDLの肝臓での産生を阻害し、HDLおよびアポA−1のレベルを上げる。適切なニコチン酸製品の例は、Kosから入手可能な、NIASPAN(登録商標)(ナイアシン持続放出錠剤)である。
【0218】
一般的に、ニコチン酸の総1日投与量は、約500〜約10,000mg/日、好ましくは約1000〜約8000mg/日、より好ましくは約3000〜約6000mg/日の範囲で、1回または分割して投与しうる。一般的に、NARアゴニストの総1日投与量は、約1〜約100mg/日/の範囲であり得る。
【0219】
他の代替の実施形態では、本発明の方法は、さらに、脂質低下剤として、1種以上のACAT阻害剤を含むことができる。ACAT阻害剤は、LDLおよびVLDLレベルを下げる。ACATは、過剰な細胞内コレステロールのエステル化に関与する酵素であり、コレステロールエステル化の産物であるVLDLの合成、およびアポB−100−含有リポ蛋白の過剰産生を減らすことができる。
【0220】
有用なACAT阻害剤の限定ではない例として、アバシミブ([[2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニル]アセチル]スルファミン酸、2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニルエステル(以前は、CI−1011として公知)、HL−004、レシミビド(DuP−128)およびCL−277082(N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[[4−(2,2−ジメチルプロピル)フェニル]メチル]−N−ヘプチルウレア)が挙げられる。P.Changら,「Current, New and Future Treatments in Dyslipidaemia and Atherosclerosis」,Drugs 2000 Jul;60(1);55−93参照(これは参考として本明細書に組み込まれる)参照。
【0221】
一般的に、ACAT阻害剤の総1日投与量は、約0.1〜約1000mg/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与されうる。
【0222】
他の代替の実施形態では、使用される組成物および本発明の方法は、さらに、先に検討した式I−Xの化合物と同時投与または組合わせて、1種以上のコレステリルエステル転移タンパク質(「CETP」)阻害剤を含むことができる。CETPは、HDLおよびVLDL中のトリグリセリドを運搬することによって、コレステリルエステルの運搬の変換および転移に関与する。
【0223】
適切なCETP阻害剤の限定ではない例は、国際公開第00/38721号および米国特許第6,147,090号(これらは参考として本明細書に組み込まれる)に開示されている。また、膵性コレステリルエステル加水分解酵素(pCEH)阻害剤、たとえば、WAY−121898も、先に検討したフィブリン酸誘導体およびステロール吸収阻害剤と同時投与または組合わせることができる。
【0224】
一般的に、CETP阻害剤の総1日投与量は、約0.01〜約1000mg/日、好ましくは約0.5〜約20mg/kg体重/日の範囲で、1回または分割して投与されうる。
【0225】
他の代替の実施形態では、本発明の方法は、さらに、コレステロール低下薬として、LDLおよびHDLレベルを下げることができる、プロブコールまたはその誘導体(たとえば、AGI−1067および米国特許第6,121,319号および第6,147,250号に開示する他の誘導体)を含むことができる。
【0226】
一般的に、プロブコールまたはその誘導体の総1日投与量は、約10〜約2000mg/日、好ましくは約500〜約1500mg/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与しうる。
【0227】
他の代替の実施形態では、本発明の発明は、さらに、脂質低下剤として、1種以上の低密度リポ蛋白(LDL)受容体活性化剤を含むことができる。適切なLDL−受容体活性化剤の限定ではない例として、HOE−402、LDL受容体活性を直接刺激するイミダゾリジニル−ピリミジン誘導体が挙げられる。M.Huettingerら,「Hypolipidemic activity of HOE−402 is Mediated by Stimulation of the LDL Receptor Pathway」,Arterioscler.Thromb.1993;13:1005−12参照。
【0228】
一般的に、LDL受容体活性化剤の総1日投与量は、約1〜約1000mg/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与しうる。
【0229】
他の代替の実施形態では、本発明の方法は、さらに、脂質低下剤として、オメガ3脂肪酸(3−PUFA)を含有し、VLDLおよびトリグリセリドレベルを下げることができる、魚油を含むことができる。一般的に、魚油またはオメガ3脂肪酸の総1日投与量は、約1〜約30グラム/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与しうる。
【0230】
他の代替の実施形態では、本発明の方法は、さらに、コレステロール値を下げることができる、天然の水溶性繊維、たとえば、サイリウム、グアー、オート麦およびペクチンを含むことができる。一般的に、天然の水溶性繊維の総1日投与量は、約0.1〜約10グラム/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与しうる。
【0231】
他の代替の実施形態では、本発明の発明は、さらに、コレステロール値を下げることができる、植物ステロール、植物スタノールおよび/または植物スタノールの脂肪酸エステル、たとえば、BENECOL(登録商標)で使用されるシトスタノールエステルおよびマーガリンを含むことができる。一般的に、植物ステロール、植物スタノールおよび/または植物スタノールの脂肪酸エステルの総1日投与量は、約0.5〜約20グラム/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与しうる。
【0232】
また、本発明の組合せは、H受容体アンタゴニスト/逆アゴニストを含有してもよい。限定ではないH受容体アンタゴニスト/逆アゴニストは、米国仮出願第60/692,110号および第60/692,175号(両方とも2005年6月20日に出願)、
【0233】
【化74】

(これらはそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる)に開示されている。H受容体アンタゴニスト/逆アゴニストの限定ではない例は、米国仮出願第60/752,636号(代理人整理番号:CV06410L01US、発明の名称「ヒスタミンHアンタゴニストとして有用なフェノキシピペリジン類およびその類縁体」)および米国仮出願第60/752637号(代理人整理番号:CV06411L01US)、発明の名称「ヒスタミンHアンタゴニストとして有用な置換アニリン誘導体」)(両方とも、本出願と同日に出願)に開示されている。特に好ましいHアンタゴニスト/逆アゴニストとして、
【0234】
【化75】

および
【0235】
【化76】

からなる群から選択される化合物が挙げられる。
【0236】
本発明の組成物、治療的組合せまたは方法は、さらに、1種以上の肥満コントロール薬物治療を含むことができる。有益な肥満コントロール薬物治療として、エネルギー摂取量を減らすまたは食欲を抑える薬物、エネルギー消費を増す薬物、および栄養分配剤(nutrient− partitioning agent)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な肥満コントロール薬物治療として、ノルアドレナリン作動性剤(たとえば、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、フェンテルミン、フェンジメトラジン、酒石酸フェンダミン(phendamine tartrate)、メタンフェタミン、フェンジメトラジンおよび酒石酸塩);CB1受容体アンタゴニスト(たとえば、リモナバント);トピラメート;セロトニン作用薬(たとえば、スブトラミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルオキセチン、フルボキサミンおよびパロキセチン);熱発生剤(thermogenic agent)(たとえば、エフェドリン、カフェイン、テオフィリンおよび選択性β3−アドレナリン刺激薬);アルファ−遮断剤;カイナイトまたはAMPA受容体アンタゴニスト;レプチン−脂肪分解を刺激された受容体;ホスホジエステラーゼ酵素阻害剤;マホガニー遺伝子のヌクレオチド配列を有する化合物;線維芽細胞増殖因子−10ポリペプチド;モノアミン酸化酵素阻害剤(たとえば、ベフロキサトン、モクロベミド、ブルファロミン、フェノキサチン、エスプロン、ベフォール(befol)、トロキサトン、ピルリンドール、アミフラミン、セルクロレミン、バジナプリン、ラザベミド、ミラセミドおよびカロキサゾン);脂質代謝を増加させる化合物(たとえば、エボジアミン化合物);およびリパーゼ阻害剤(たとえば、オーリスタット)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0237】
本発明に従う方法において使用してもよい好ましい医薬組成物として、少なくとも1種のコレステロール低下薬、たとえば、ステノール(sternol)または式I〜XIIによる5−α−スタノール、場合によってはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤と、少なくとも1種のMTP阻害剤とを含む組合せが挙げられる。特に好ましい組合せは、エゼチミブ、場合によってはシンバスタチンと、BMS201038と、インプリタピドとを含む。
【0238】
一般的に、上記肥満コントロール薬物治療の総投与量は、1〜3,000mg/日、望ましくは約1〜1,000mg/日、より望ましくは約1〜200mg/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与しうる。
【0239】
本発明の他の実施形態は、コレステロール吸収阻害剤と、MTP阻害剤と、コレステロール低下薬とを含む治療的組合せである。好ましい組合せは、コレステロール吸収阻害剤、たとえば式I〜XIIに記載される阻害剤と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、PPAR活性化剤、ニコチン酸(ナイアシン)および/またはニコチン酸受容体アゴニストまたは胆汁酸封鎖剤とを含む。好ましいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤として、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、Cl−981、ピタバスタチンおよびロスバスタチンが挙げられる。式I〜XIIで記載される阻害剤のようなコレステロール吸収阻害剤とともに使用される他の好ましいコレステロール低下薬として、コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジルおよびフェノフィブラートが挙げられる。特に好ましい治療的組合せは、エゼチミブおよびシンバスタチンの組合わせであるVYTORIN(米国特許第5,846,946号参照、これは参考として本明細書に組み込まれる)とMTP阻害剤との組合せである。
【0240】
本発明の他の実施形態は、上記治療のキットおよび方法を考慮し、これらは、(a)少なくとも1種の吸収剤、たとえば、ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤と、(b)少なくとも1種のMTP阻害剤とを含む。適切なコレステロール吸収阻害剤として、式I〜XIIにおいて先に検討した化合物の任意のものと、適切なMTP阻害剤とを含む。キットは、少なくとも2種の別個のユニットを組合わせる時に考慮され、少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤を含む医薬組成物と、少なくとも1種のMTP阻害剤を含む別の医薬組成物とを含む。キットは、別々の成分を投与するための説明書を含むのが好ましい。キットの形態は、別々の成分を異なる投与形態(たとえば、経口および非経口投与)で投与しなければならない時、または異なる投与間隔で投与される時、特に有利である。
【0241】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も、ここで考慮される。本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、対象に投与された時、代謝または化学プロセスによって化学的変換を受け、式Iの化合物、またはその塩および/または溶媒和物を生成する薬物前駆体である化合物を言う。プロドラッグに関する検討は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems (1987)the A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressにあり、両文献は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0242】
たとえば、式I〜XIIの化合物、またはこの化合物の医薬的に許容しうる塩、水和物または溶媒和物が、カルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸基の水素原子を、たとえば、(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、ガンマ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(たとえば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C−C)アルキルなどのような基で置き換えることによって形成されたエステルを含むことができる。
【0243】
同様に、式I〜XIIの化合物が、アルコール性官能基を含有する場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、たとえば、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(ここで、各α−アミノアシル基は独立して天然L−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール型からヒドロキシル基の脱離によって得られるラジカル)から選択される)などのような基で置き換えることによって、形成することができる。
【0244】
式I〜XIIの化合物が、アミン官能基を含む場合、プロドラッグは、アミン基の水素原子を、たとえば、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、(C−C10)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ベンジルであり、またはR−カルボニルは、天然α−アミノアシルまたは天然α−アミノアシルである)、-C(OH)C(O)OY(式中、YはH、(C−C)アルキルまたはベンジルである)、−C(OY)Y(式中、Yは(C−C)アルキルであり、Yは(C−C)アルキルである)、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、あるいはモノ−N-またはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキル、-C(Y)Y(式中、YはHまたはメチルであり、Yは、モノ−N-またはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである)などのような基で置き換えることによって形成することができる。
【0245】
式I〜XIIの化合物は、非溶媒和物形態としてでも溶媒和物形態としてでも存在してよい。「溶媒和物」は、本発明の化合物と、1個以上の溶剤分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は、様々な程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含む)を含む。ある場合では、溶媒和物は、たとえば、1個以上の溶剤分子が結晶性固体中の結晶格子に導入された場合、単離されうる。「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物および分離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の限定ではない例として、エタノラート、メタノラートなどが挙げられる。「水和物」は、溶剤分子がHOである溶媒和物である。
【0246】
「有効量」または「治療的に有効な量」は、治療されている疾患状態の治療に有効な、したがって、適切な患者に目的とする治療効果を生み出す本発明の化合物または組成物の量を記載することを意味する。
【0247】
式I〜XIIの化合物は塩を形成し、これらも本発明の範囲内である。本明細書の式I〜XIIの化合物の言及は、他に記載がない限り、その塩への言及も含まれると理解される。本明細書で使用される用語「塩」は、無機酸および/または有機酸を用いて形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基を用いて形成される塩基性塩を言う。さらに、式I〜XIIの化合物が、塩基性部分、たとえば、ピリジンまたはイミダゾール(これらに限定されない)および酸性部分、たとえば、カルボン酸(これに限定されない)の両方を含有する場合、双性イオン(「内部類」)を形成してもよく、これらも本明細書で使用される用語「塩」に含まれる。医薬的に許容しうる(すなわち、非毒性で、生理学的に許容しうる)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式I〜XIIの化合物の塩は、たとえば、式I〜XIIの化合物を、ある量、たとえば等量の酸または塩基と、塩が析出するような溶媒、または水性溶媒中で反応させ、次いで凍結乾燥することによって、形成してもよい。一般的に、塩基性(または酸性)の医薬化合物から医薬的に有用な塩の形成に適切であると考えられる酸(および塩基)に関しては、たとえば、S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;The Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.on their website);およびP.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth(Eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(2002)Int’l.Union of Pure and Applied Chemistry,第330〜331頁に検討されている。これらの開示は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0248】
代表的な酸付加塩として、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマール酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩(たとえば、本明細書で記載されたもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知)、ウンデカン酸塩などが挙げられる。
【0249】
代表的な塩基性塩として、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、たとえば、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえば、カルシウムおよびマグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、有機塩基(たとえば有機アミン)、たとえば、ベンザチン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンで形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミン、ピペラジン、フェニルシクロヘキシルアミン、コリン、トロメタミンとの塩、およびアミノ酸、たとえば、アルギニン、リシンとの塩などが挙げられる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(たとえば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル)、ジアルキル硫酸塩(たとえば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル)、長鎖ハライド(たとえば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、およびヨウ化ステアリル塩化物)、アラルキルハライド(たとえば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)、その他のような試薬で四級化されてもよい。
【0250】
このような酸塩および塩基塩は全て、本発明の範囲内の医薬的に許容しうる塩であることが意図され、全ての酸および塩基塩は、本発明の目的に関し、対応する化合物の遊離の形態と等価であると考えられる。
【0251】
本発明の化合物(この化合物の塩類、溶媒和物およびプロドラッグ、ならびにプロドラッグの塩類および溶媒和物を含む)の全ての立体異性体(たとえば、幾何異性体、光学異性体など)、たとえば、鏡像異性体(不斉炭素が存在しなくても存在することがある)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマーを含む、種々の置換基の不斉炭素のため存在する異性体は、本発明の範囲内であると考える。たとえば、式I〜XIIの化合物が、二重結合または縮合環を含む場合、シス型もトランス型も、さらに混合物も、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の独立した立体異性体は、たとえば、他の異性体を実質的に含まなくてもよいし、あるいは、たとえばラセミ体として、または他の全ての立体異性体または他の選択された立体異性体と混合されてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC1974推奨規定によって規定されている、SまたはR配置を有することができる。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語を使用する場合、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグにも同じように適用されるものである。
【0252】
ジアステレオマーの混合物は、それらの物理化学的相違に基づいて、当業者に周知の方法、たとえば、クロマトグラフィーおよび/または分別晶析によって、個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、鏡像異性体の混合物を、適切な光学活性化合物(たとえば、キラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物のようなキラル補助剤)との反応によって、ジアステレオマー混合物に変換し、このジアステロマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換(たとえば加水分解)することによって、分離することができる。また、式I〜XVIIの化合物の中には、アトロプ異性体(たとえば、置換ビアリール)もあり、これらも本発明の一部と考えられる。また、鏡像異性体は、キラルHPLCカラムを使用して分離することもできる。
【0253】
式I〜XIIの化合物、および式I〜XIIの化合物の塩類、溶媒和物およびプロドラッグの多型形態も、本発明に含まれる。
【0254】
また、本発明は、同位体的に標識された本発明の化合物も含み、これらは、本明細書で列挙した化合物と同じであるが、1種以上の原子が、自然界で普通発見される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を持つ原子によって置き換えられた点で異なる。本発明の化合物に導入することができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位元素、たとえば、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げられる。
【0255】
ある種の同位体的に標識された式I〜XVIIの化合物(たとえば、Hおよび14Cで標識された化合物)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、それらの製造および検出が容易であるため、特に好ましい。さらに、重水素(すなわちH)のようなより重い同位体に置換することにより、より大きな代謝安定性の結果生じるある種の治療的利点(たとえば、インビボでの半減期の増加または必要投与量の減少)がもたらされ、したがって、ある状況では好ましい場合がある。同位体的に標識された式I〜XIIの化合物は、一般的に、当該分野で開示された手順に類似する手順に倣い、非同位体的に標識された試薬を、適切な同位体的に標識された試薬に代えることにより、製造することができる。
【0256】
本明細書およびこれに添付される請求項全体を通し、原子価が不足する式、化合物、部分または化学的説明図はいかなるものも、文脈が結合を示していない限り、原子価を満足する水素原子を有することが仮定されていることを注意すべきである。
【0257】
用語「治療的有効量」は、投与する者(たとえば、研究者、医者または獣医)によって探索されている対象、組織、システム、動物または哺乳類の生物学的または医療的応答を引き出す置換アゼチジノン、MTP阻害剤および他の薬理学的作用剤または治療剤のような、本発明の治療剤の量を意味し、上記応答として、症状の軽減、予防、脂質管理、アテローム性硬化症または脂肪肝に伴う1種以上の状態の進行の緩慢化または停止が挙げられる。
【0258】
哺乳類に投与される式I〜XIIの1日投与量は、約1〜約1000mg/日、好ましくは約1〜約mg/日、より好ましくは約100mg/日の範囲で、1回または2〜4回に分割して投与されうる。しかし、正確な投与量は、担当の臨床医によって決定され、投与される化合物の効力、患者の年齢、体重、状態および反応に依存する。
【0259】
一般的に、MTP阻害剤の1日投与量の範囲は、参照により本明細書に組み込まれた刊行物に基づいて、当業者によって決定できる。しかし、正確な投与量は、担当の臨床医によって決定され、投与される化合物の効力、患者の年齢、体重、状態および反応に依存する。
【0260】
上記化合物の医薬的に許容しうる塩の投与に関し、先に示した重さは、上記塩から誘導される治療化合物の酸当量または塩基当量の重さである。
【0261】
本発明によって記載された化合物から医薬組成物を製造する場合、不活性な、医薬的に許容しうる担体は、固体でも液体でもよい。固体形態製剤として、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ剤および坐剤が挙げられる。この粉末および錠剤は、約0.1〜約7.5パーセントの活性成分で構成されていてもよい。適切な固体担体は、当該分野で公知であり、たとえば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースが挙げられる。錠剤、粉末、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適切な固体投与形態として使用することができる。医薬的に許容しうる担体および種々の組成物を製造する方法の例は、A.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,(1990),Mack Publishing社,Easton,Pennsylvaniaに見出される。
【0262】
液体形態製剤としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。非経口注射用または甘味剤の添加用の水または水−プロピレングリコール溶液、および経口溶液、懸濁液およびエマルジョンのための不透明化剤が例として記載される。また、液体形態製剤は、鼻腔投与用の溶液が含まれる。
【0263】
吸入に適切なエアゾール製剤として、溶液、懸濁液、粉末形態の固体が挙げられ、これらは、圧縮ガス、たとえばHFAのような医薬的に許容しうる担体と組合わせてもよい。
【0264】
また、使用の直前に、経口あるいは非経口投与用の液体形態製剤に変換される固体形態製剤も含まれる。そのような液体形態として、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0265】
また、本発明の化合物は、経皮的に送達できるものでもよい。経皮的組成物は、クリーム、ローション、エアゾールおよび/またはエマルジョンの形態を取ることができ、マトリックスの経皮パッチ、またはこの目的のために従来より使用されているリザーバータイプも含むことができる。
【0266】
化合物は経口的に投与されるのが好ましい。
【0267】
医薬製剤は、単位投与形態であるのが好ましい。そのような形態では、製剤を、適切な量、たとえば所望の目的を達成する有効量の活性成分を含有する、適切な大きさの用量単位に小分けする。
【0268】
製剤の用量単位の活性化合物の量は、変更してもよく、特定の用途に従って、約1〜約500mg、好ましくは約1mg〜約250mg、より好ましくは約1mg〜約100mgに調製する。
【0269】
使用される実際の投与量は、患者の要求、および治療される状態の重篤度によって変化する。特定の状況のための適正な用量レジメンの決定は、当業者の範囲内である。便宜上、総1日投与量は、要求に応じ、分割し1日の間に複数回で投与してもよい。
【0270】
本発明の化合物および/またはその医薬的に許容しうる塩の投与の量および回数は、患者の年齢、状態および大きさ、ならびに治療される症状の重篤度のような因子を考慮して、担当の臨床医の判断に従って調整する。経口投与用の代表的な勧められる1日投与レジメンは、約1mg/日〜約500mg/日、好ましくは1mg/日〜100mg/日の範囲で、2〜4回に分割して投与しうる。
【0271】
いくつかの有用な用語を以下に記載する。
【0272】
カプセルは、活性成分を含む組成物を保持または含有するための、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンまたはデンプンで作られた特別な容器または収納器を言う。硬質シェルカプセルは、普通、比較的高いゲル強度の骨とブタの皮のゼラチンとの混合物で造られる。カプセルそれ自体は、少量の染料、不透明剤、可塑剤および防腐剤を含有してもよい。
【0273】
錠剤は、適切な希釈剤とともに活性成分を含有する、圧縮または成型された固体投与形態を言う。錠剤は、湿式顆粒化、乾式顆粒化、または乾式ブレンドによって得られた、混合物または顆粒を圧縮することによって、製造することができる。
【0274】
経口ゲルは、親水性半固体マトリックスに分散または可溶化された活性成分を言う。
【0275】
構成用粉末は、活性成分、および水またはジュースに分散または溶解されうる適切な希釈剤を含有する粉末ブレンドを言う。
【0276】
希釈剤は、通常、組成物または投与形態の主な部分を占める物質を言う。適切な希釈剤として、糖、たとえば、ラクトース、サッカロース、マンニトールおよびソルビトール;コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモから誘導されるデンプン;およびセルロース、たとえば、微結晶性セルロースが挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、全組成物の約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75%、より好ましくは約30〜約60重量%、さらにより好ましくは約12〜約60%の範囲内で変化しうる。
【0277】
崩壊剤は、薬剤をばらばらに壊し(崩壊させ)、放出させるのを助けるために、組成物に加えられる物質を言う。適切な崩壊剤として、デンプン;「冷水溶性」変性デンプン、たとえば、ナトリウムカルボキシメチルデンプン;天然および合成ガム、たとえば、ローカストビーン、カラヤ、グアー、トラガカントおよびアガー;セルロース誘導体、たとえば、メチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース;微結晶性セルロースおよび架橋微結晶性セルロース、たとえば、ナトリウムクロスカルメロース;アルギナート、たとえば、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム;クレイ、たとえば、ベントナイト;および発泡性混合物が挙げられる。組成物中の崩壊剤の量は、組成物の約2〜約15重量%、より好ましくは約4〜約10重量%の範囲内で変化しうる。
【0278】
結合剤は、粉末同士を結合または「接着」して顆粒を形成することにより、粉末を凝集させ、したがって配合組成物中で「接着剤」として作用する物質を言う。結合剤は、希釈剤またはバルク剤ですでに与えられている凝集強度を増加する。適切な結合剤として、糖、たとえば、サッカロース;コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモから誘導されるデンプン;天然ゴム、たとえば、アカシア、ゼラチンおよびトラガカント;海草の誘導体、たとえば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸アンモニウムカルシウム;セルロース系物質、たとえば、メチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース;ポリビニルピロリドン;および無機物、たとえば、ケイ酸マグネシウムアルミニウムが挙げられる。組成物中の結合剤の量は、組成物の約2〜約20重量%、より好ましくは約3〜約10重量%、さらにより好ましくは約3〜約6重量%の範囲内で変化しうる。
【0279】
潤滑剤は、圧縮した後、錠剤、顆粒などを、摩擦や磨耗を減らすことによって、モールドまたはダイから放出できるようにするために、投与形態に加えられる物質を言う。適切な潤滑剤として、ステアリン酸の金属塩、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸カリウム;ステアリン酸;高融点ワックス;および水溶性潤滑剤、たとえば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd’l−ロイシンが挙げられる。潤滑剤は、顆粒の表面および顆粒と錠剤プレスの部品との間に存在しなければならないので、通常、圧縮の直前のステップで加えられる。組成物中の潤滑剤の量は、組成物の約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2%、より好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲内で変化しうる。
【0280】
流動促進剤は、流れがなめらかに、均等になるように、固まるのを防止し、顆粒の流動性を改善する物質を言う。適切な流動促進剤として、シリコンジオキシドおよびタルクが挙げられる。組成物中の流動促進剤の量は、総組成物の約0.1%〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲内で変化しうる。
【0281】
着色剤は、色を組成物または投与形態に与える医薬品添加物である。そのような添加物として、食品用の染料、およびクレイまたは酸化アルミニウムのような適切な吸着剤に吸着された食品用の染料を挙げることができる。着色剤の量は、組成物の約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1%で変化しうる。
【0282】
バイオアベイラビリティは、活性薬物成分または治療的部分が、投与された投与形態から全身循環に吸収される、標準またはコントロールと比較した速度または程度を言う。
【0283】
本発明の広い概念から逸脱しない限り、先に記載された実施形態に変化がなされうることは、当業者は理解するだろう。このことから、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないことは理解されるが、添付の請求項で定義された本発明の精神および範囲の内での変更をカバーするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の少なくとも1種のコレステロール吸収阻害剤と、少なくとも1種のミクロゾーム・トリグリセリド転移タンパク質阻害剤(MTP)とを含む医薬組み合わせ。
【請求項2】
前記コレステロール吸収が、ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤である請求項1に記載の医薬組み合わせ。
【請求項3】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(I):
【化77】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式中、
ArおよびArは、独立して、アリールおよびR−置換アリールからなる群から選択され;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
RおよびRは、独立して、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NRからなる群から選択され;
およびRは、独立して、水素、低級アルキルおよびアリールからなる群から選択され;
qは0または1であり;rは0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0、1、2、3または4から選択され;ただし、qおよびrの少なくとも1つは1であり、かつm、n、p、qおよびrの合計は、1、2、3、4、5または6であり;およびpが0の場合、rは1であり、m、qおよびnの合計は1、2、3、4または5であり;
は、
【化78】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
は、
【化79】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;および
は、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルである。)
【請求項4】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(II):
【化80】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物である請求項3に記載の医薬組み合わせ。
【請求項5】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(III):
【化81】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩またはその溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式(III)中、
Arは、R置換アリールであり;
Arは、R置換アリールであり;
Arは、R置換アリールであり;
YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
Aは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−から選択され;
は、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NRからなる群から選択され;Rは、水素、低級アルキルおよびアリールからなる群から選択され;あるいはRおよびRは、一緒になって=Oであり;
qは1、2または3であり;
pは0、1、2、3または4であり;
は、
【化82】

、o−ハロゲノ、m−ハロゲノ、o−低級アルキル、m−低級アルキル、−(低級アルキレン)−COORおよび−CH=CH−COORからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
およびRは、独立して、R、水素、p−低級アルキル、アリール、−NO、−CFおよびp−ハロゲノからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;およびRは、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルである。)
【請求項6】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(IV):
【化83】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩またはその溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式中、
Aは、R−置換ヘテロシクロアルキル、R−置換ヘテロアリール、R−置換ベンゼン縮合ヘテロシクロアルキルおよびR置換ベンゼン縮合ヘテロアリールからなる群から選択され;
Arは、アリールまたはR置換アリールであり;
Arは、アリールまたはR置換アリールであり;
Qは、結合、またはアゼチジノンの3位の環炭素とともに、スピロ基:
【化84】

を形成し;および
は、
−(CH−(式中、qは、2〜6であり、ただし、Qがスピロ環を形成する場合、qは、0または1でもありうる);
−(CH−G−(CH−(式中、Gは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−NR−または−S(O)0−2−であり、eは0〜5であり、rは0〜5であり、ただし、eおよびrの合計は1〜6である);
−(C−Cアルケニレン)−;および
−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは1〜5であり、gは0〜5であり、ただし、fおよびgの合計は、1〜6である)からなる群から選択され;
は、
【化85】

または
【化86】

から選択され;
およびRは、独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−、−C(ジ−(C−C)アルキル)、−CH=CH−および−C(C−Cアルキル)=CH−からなる群から選択され;またはRは、隣接するRと一緒になって、あるいは隣接するRと一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(C−Cアルキル)−基を形成し;
aおよびbは、独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;Rが−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、aは1であり;Rが−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、bは1であり;aが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;およびbが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;および
Qが結合の場合、Rは、
【化87】

または
【化88】

から選択されてもよく、
(ここで式中、
Mは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−および−C(ジ−(C−C)アルキル)からなる群から選択され;
10およびR12は、独立して、−OR14、−O(CO)R14、−O(CO)OR16および−O(CO)NR1415からなる群から選択され;
11およびR13は、独立して、水素、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;あるいはR10およびR11は一緒になって、=Oであり、またはR12およびR13は一緒になって、=Oであり;
dは1、2または3であり;
hは0、1、2、3または4であり;
sは0または1であり;tは0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0〜4であり;ただし、sおよびtの少なくとも1つは1であり、m、n、p、sおよびtの合計は、1〜6であり;pが0で、tが1の場合、m、sおよびnの合計は、1〜5であり;pが0で、sが1の場合、m、tおよびnの合計は、1〜5であり;
vは0または1であり;
jおよびkは、独立して、1〜5であり、ただしj、kおよびvの合計は、1〜5である);
は、水素、(C−C10)アルキル、(C−C10)アルケニル、(C−C10)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、R17置換アリール、R17置換ベンジル、R17置換ベンジルオキシ、R17置換アリールオキシ、ハロゲノ、−NR1415、NR1415(C−Cアルキレン)−、NR1415C(O)(C−Cアルキレン)−、−NHC(O)R16、OH、C−Cアルコキシ、−OC(O)R16、−COR14、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、NO、−S(O)0−216、−SONR1415および−(C−Cアルキレン)COOR14からなる群から選択される環炭素原子上の1〜3個の置換基であり;Rがヘテロシクロアルキル環上の置換基である場合、Rは、規定された通りであり、あるいは=Oまたは
【化89】

であり;Rが置換可能な環窒素上の置換基の場合、水素、(C−C)アルキル、アリール、(C−C)アルコキシ、アリールオキシ、(C−C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヒドロキシ、−(CH1−6CONR1818
【化90】

または
【化91】

(式中、Jは、−O−、−NH−、−NR18−または−CH−である)であり;
およびRは、独立して、(C−C)アルキル、
【化92】

からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;
は、水素、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)R14または−COOR14であり;
およびR17は、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−COOH、NO、−NR1415、OHおよびハロゲノからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり;
14およびR15は、独立して、水素、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール置換(C−C)アルキルからなる群から選択され;
16は、(C−C)アルキル、アリールまたはR17置換アリールであり;
18は、水素または(C−C)アルキルであり;および
19は、水素、ヒドロキシまたは(C−C)アルコキシである。)
【請求項7】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(V):
【化93】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩またはその溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式(V)中、
Arは、アリール、R10置換アリールまたはヘテロアリールであり;
Arは、アリールまたはR置換アリールであり;
Arは、アリールまたはR置換アリールであり;
XおよびYは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
Rは、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORまたは−O(CO)NRであり;Rは、水素、低級アルキルまたはアリールであり;あるいはRおよびRは一緒になって、=Oであり;
qは、0または1であり;
rは、0、1または2であり;
mおよびnは、独立して、0、1、2、3、4または5であり;ただし、m、nおよびqの合計は、1、2、3、4または5であり;
は、
【化94】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
は、
【化95】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;
は、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルであり;および
10は、
【化96】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基である。)
【請求項8】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式:
【化97】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩またはその溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式(VI)中、
は、
【化98】

【化99】

であり;
およびRは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−、−C(ジ低級アルキル)−、−CH=CH−および−C(低級アルキル)=CH−からなる群から選択され;あるいはRと隣接するRが一緒になって、またはRと隣接するRが一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(低級アルキル)−基を形成し;
uおよびvは、独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;Rが−CH=CH−または−C(低級アルキル)=CH−である場合、vは1であり;Rが−CH=CH−または−C(低級アルキル)=CH−の場合、uは1であり;vが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;uが2または3の場合、複数のRは、同じまたは異なってもよく;
は、B−(CHC(O)−(式中、mは、0、1、2、3、4または5である);B−(CH−(式中、qは、0、1、2、3、4、5または6である);B−(CH−Z−(CH−(式中、Zは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−N(R)−または−S(O)0−2−であり、eは、0、1、2、3、4または5であり、およびrは、0、1、2、3、4または5であり、ただし、eおよびrの合計は、0、1、2、3、4、5または6である);B−(C−Cアルケニレン)−;B−(C−Cアルカジエニレン)−;B−(CH−Z−(C−Cアルケニレン)−(式中、Zは先に規定した通りであり、tは、0、1、2または3であり、ただし、tおよびアルケニレン鎖中の炭素原子の数の合計は、2、3、4、5または6である);B−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは、1、2、3、4または5であり、gは、0、1、2、3、4または5であり、ただし、fおよびgの合計は、1、2、3、4、5または6である);B−(CH−V−(C−Cアルケニレン)−またはB−(C−Cアルケニレン)−V−(CH−(式中、Vおよびtは先に規定した通りであり、ただし、tおよびアルケニレン鎖中の炭素原子の数の合計は、2、3、4、5または6である);B−(CH−Z−(CH−V−(CH−(式中、ZおよびVは先に規定した通りであり、a、bおよびdは、独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、ただし、a、bおよびdの合計は、0、1、2、3、4、5または6である);あるいはT−(CH−(式中、Tは、3〜6個の炭素原子のシクロアルキルであり、sは、0、1、2、3、4、5または6である)から選択され;あるいは
およびRは、一緒になって、基:
【化100】

(式中、Bは、インダニル、インデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、ヘテロアリールまたはW置換ヘテロアリールから選択され、ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリルおよびフラニル、および窒素含有ヘテロアリールに関してはそのN−オキシド、あるいは
【化101】

からなる群から選択される)を形成し;
Wは、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、(低級アルコキシイミノ)低級アルキル、低級アルカンジオイル、低級アルキル低級アルカンジオイル、アリルオキシ、−CF、−OCF、ベンジル、R−ベンジル、ベンジルオキシ、R−ベンジルオキシ、フェノキシ、R−フェノキシ、ジオキソラニル、NO、−N(R)(R)、N(R)(R)−低級アルキレン−、N(R)(R)−低級アルキレニルオキシ−、OH、ハロゲノ、−CN、−N、−NHC(O)OR10、−NHC(O)R10、R11SNH−、(R11S)N−、−S(O)NH、−S(O)0−2、tert−ブチルジメチル−シリルオキシメチル、−C(O)R12、−COOR19、−CON(R)(R)、−CH=CHC(O)R12、−低級アルキレンC(O)R12、R10C(O)(低級アルキレニルオキシ)−、N(R)(R)C(O)(低級アルキレニルオキシ)−および環炭素原子上の置換基に関しては
【化102】

からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり、
そして置換ヘテロアリール環窒素原子上の置換基が存在する場合、これは、低級アルキル、低級アルコキシ、−C(O)OR10、−C(O)R10、OH、N(R)(R)−低級アルキレン、N(R)(R)−低級アルキレニルオキシ−、−S(O)NHおよび2−(トリメチルシリル)−エトキシメチルからなる群から選択され;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、−COOH、NO、−N(R)(R)、OHおよびハロゲノからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり;
およびRは、独立して、Hまたは低級アルキルから選択され;
10は、低級アルキル、フェニル、R−フェニル、ベンジルまたはR−ベンジルから選択され;
11は、OH、低級アルキル、フェニル、ベンジル、R−フェニルまたはR−ベンジルから選択され;
12は、H、OH、アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、
【化103】

、−N(R)(R)、低級アルキル、フェニルまたはR−フェニルから選択され;
13は、−O−、−CH−、−NH−、−N(低級アルキル)−または−NC(O)R19から選択され;
15、R16およびR17は、独立して、HおよびWに関して規定した基からなる群から選択され;あるいはR15は水素であり、かつR16およびR17は、これらが結合する隣接する炭素原子と一緒になって、ジオキソラニル環を形成し;
19は、H、低級アルキル、フェニルまたはフェニル低級アルキルであり;および
20およびR21は、独立して、フェニル、W−置換フェニル、ナフチル、W−置換ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、ベンゾジオキソリル、ヘテロアリール、W−置換ヘテロアリール、ベンゼン縮合ヘテロアリール、W−置換ベンゼン縮合ヘテロアリールおよびシクロプロピルからなる群から選択され、ここで、ヘテロアリールは、先に規定した通りである。)
【請求項9】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(VIIA)または(VIIB):
【化104】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩またはその溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式(VIIA)または(VIIB)中、
Aは、−CH=CH−、−C≡C−または−(CH(式中、pは、0、1または2である)であり;
Bは、
【化105】

であり
B’は、
【化106】

であり
Dは、−(CHC(O)−または−(CH−(式中、mは、1、2、3または4であり、qは、2、3または4である)であり;
Eは、C10〜C20アルキルまたは−C(O)−(C〜C19)−アルキル(式中、アルキルは、直鎖または分岐状であるか、飽和または1個以上の二重結合を含む)であり;
Rは、水素、直鎖または分岐状であるか、飽和または1個以上の二重結合を含むC−C15アルキル、またはB−(CH−(式中、rは、0、1、2または3である)であり;
、R、R、R1’、R2’およびR3’は、独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、NO、NH、OH、ハロゲノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、−NHC(O)OR、RSNH−および−S(O)NHからなる群から選択され;
は、
【化107】

(式中、nは、0、1、2または3である)であり;
は、低級アルキルであり;および
は、OH、低級アルキル、フェニル、ベンジルまたは置換フェニル(ここで、置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、NO、NH、OH、ハロゲノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から独立して選択される1〜3個の基である)である。)
【請求項10】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(VIII):
【化108】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩またはその溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式(VIII)中、
26は、HまたはOGであり;
GおよびGは、独立して、H
【化109】

および
【化110】

からなる群から選択され、ただし、R26がHまたはOHである場合、GはHではなく;
R、RおよびRは、独立して、H、−OH、ハロゲノ、−NH、アジド、(C−C)アルコキシ(C−C)−アルコキシまたは−W−R30からなる群から選択され;
Wは、独立して、−NH−C(O)−、−O−C(O)−、−O−C(O)−N(R31)、−NH−C(O)−N(R31)−および−O−C(S)−N(R31)−からなる群から選択され;
およびRは、独立して、H、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され;
、R、R、R、R3aおよびR4aは、独立して、H、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)(C−C)アルキルおよび−C(O)アリールからなる群から選択され;
30は、R32−置換T、R32−置換−T−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)アルケニル、R32−置換−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)シクロアルキルおよびR32−置換−(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルからなる群から選択され;
31は、Hおよび(C−C)アルキルからなる群から選択され;
Tは、フェニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピリジルからなる群から選択され;
32は、独立して、ハロゲノ、(C−C)アルキル、−OH、フェノキシ、−CF、−NO、(C−C)アルコキシ、メチレンジオキシ、オキソ、(C−C)アルキルスルファニル、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、−N(CH、−C(O)−NH(C−C)アルキル、−C(O)−N((C−C)アルキル)、−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルコキシおよびピロリジニルカルボニルからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基から選択され;あるいはR32は、共有結合であり、そしてR31、R31が結合する窒素およびR32は、ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基、または(C−C)アルコキシカルボニル置換ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基を形成し;
Arは、アリールまたはR10置換アリールであり;
Arは、アリールまたはR11置換アリールであり;
Qは、結合、またはアゼチジノンの3位の環炭素とともに、スピロ基:
【化111】

を形成し;および
は、
−(CH−(式中、qは、2〜6であり、ただしQがスピロ環を形成する場合は、qは、0または1でもありえる);
−(CH−E−(CH−(式中、Eは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−NR22−または−S(O)0−2−であり、eは0〜5であり、rは0〜5であり、ただし、eおよびrの合計は、1〜6である);
−(C−C)アルケニレン−;および
−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは1〜5であり、gは0〜5であり、ただし、fおよびgの合計は1〜6である)からなる群から選択され;
12は、
【化112】

または
【化113】

であり;
13およびR14は、独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−、−C(ジ−(C−C)アルキル)、−CH=CH−および−C(C−Cアルキル)=CH−からなる群から選択され;あるいはR12は、隣接するR13と一緒になって、または隣接するR14と一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(C−Cアルキル)−基を形成し;
aおよびbは、独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;R13が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、aは1であり;
14が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、bは1であり;
aが2または3の場合、複数のR13は、同じまたは異なってもよく;および
bが2または3の場合、複数のR14は、同じまたは異なってもよく;
Qが結合の場合、Rは、
【化114】

または
【化115】

であってもよく;
Mは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(C−C)アルキル−および−C(ジ−(C−C)アルキル)からなる群から選択され;
10およびR11は、独立して、
【化116】

からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;
15およびR17は、独立して、−OR19、−O(CO)R19、−O(CO)OR21および−O(CO)NR1920からなる群から選択され;
16およびR18は、独立して、H、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;またはR15およびR16は、一緒になって、=Oであり、あるいはR17およびR18は、一緒になって=Oであり;
dは、1、2または3であり;
hは、0、1、2、3または4であり;
sは、0または1であり;tは、0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0〜4であり;ただし、sおよびtの少なくとも1つは1であり、かつm、n、p、sおよびtの合計は1〜6であり;pが0であり、かつtが1の場合、m、sおよびnの合計は1〜5であり;pが0であり、かつsが1の場合、m、tおよびnの合計は、1〜5であり;
vは、0または1であり;
jおよびkは、独立して、1〜5であり、ただし、j、kおよびvの合計は、1〜5であり;
Qが結合であり、Rが、
【化117】

である場合、Arは、ピリジル、イソオキサゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであってもよく;
19およびR20は、独立して、H、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール置換(C−C)アルキルからなる群から選択され、;
21は、(C−C)アルキル、アリールまたはR24置換アリールであり;
22は、H、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)R19または−COOR19であり;
23およびR24は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−COOH、NO、−NR1920、−OHおよびハロゲノからなる群から選択される1〜3個の基であり;および
25は、H、−OHまたは(C−C)アルコキシである。)
【請求項11】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(IX):
【化118】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物である請求項2に記載の医薬組み合わせ。
(式(IX)中、
は、H、G、G、G、−SOHおよび−POHからなる群から選択され;
Gは:
H、
【化119】

【化120】

からなる群から選択され、
(上記式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、−OH、ハロ、−NH、アジド、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシまたは−W−R30からなる群から選択され;
Wは、独立して、−NH−C(O)−、−O−C(O)−、−O−C(O)−N(R31)−、−NH−C(O)−N(R31)−および−O−C(S)−N(R31)−からなる群から選択され;
およびRは、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、アセチル、アリールおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され;
、R、R、R、R3aおよびR4aは、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、アセチル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)(C−C)アルキルおよび−C(O)アリールからなる群から選択され;
30は、独立して、R32−置換T、R32−置換−T−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)アルケニル、R32−置換−(C−C)アルキル、R32−置換−(C−C)シクロアルキルおよびR32−置換−(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルからなる群から選択され;
31は、独立して、Hおよび(C−C)アルキルからなる群から選択され;
Tは、独立して、フェニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピリジルからなる群から選択され;
32は、H、ハロ、(C−C)アルキル、−OH、フェノキシ、−CF、−NO、(C−C)アルコキシ、メチレンジオキシ、オキソ、(C−C)アルキルスルファニル、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、−N(CH、−C(O)−NH(C−C)アルキル、−C(O)−N((C−C)アルキル)、−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルコキシおよびピロリジニルカルボニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基から独立して選択され;あるいはR32は共有結合であり、かつR31、これが結合する窒素およびR32は、ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基、(C−C)アルコキシカルボニル置換ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペラジニル、インドリニルまたはモルホリニル基を形成する);
は、構造式:
【化121】

で表わされ、(ここで、式中、R33は、独立して、非置換アルキル、R34−置換アルキル、(R35)(R36)アルキル−、
【化122】

【化123】

からなる群から選択され;
34は、1〜3個の置換基であり、各R34は、独立して、HOOC−、HO−、HS−、(CH)S−、HN−、(NH)(NH)C(NH)−、(NH)C(O)−およびHOOCCH(NH)CHSS−からなる群から選択され;
35は、独立して、HおよびNH−からなる群から選択され;
36は、独立して、H、非置換アルキル、R34−置換アルキル、非置換シクロアルキルおよびR34−置換シクロアルキルからなる群から選択される);
は、構造式:
【化124】

で表わされ(式中、
37およびR38は、それぞれ独立して、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択される);
26は、1〜5個の置換基であり、各R26は、
a)H;
d)−OH;
e)−OCH
d)フッ素;
e)塩素;
f)−O−G;
k)−O−G
l)−O−G
m)−SOH;および
n)−POHからなる群から独立して選択され;
ただし、RがHの場合、R26は、H、−OH、−OCHおよび−O−Gではなく;
Arは、アリール、R10−置換アリール、ヘテロアリールまたはR10−置換ヘテロアリールであり;
Arは、アリール、R11−置換アリール、ヘテロアリールまたはR11−置換ヘテロアリールであり;
Lは、
f)共有結合;
g)−(CH−(式中、qは1〜6である);
h)−(CH−E−(CH−(式中、Eは、−O−、−C(O)−、フェニレン、−NR22−または−S(O)0−2であり、eは0〜5であり、およびrは0〜5であり、ただし、eおよびrの合計は1〜6である);
i)−(C−C)アルケニレン−;
j)−(CH−V−(CH−(式中、Vは、C−Cシクロアルキレンであり、fは1〜5であり、およびgは0〜5であり、ただし、fおよびgの合計は1〜6である);および
f)
【化125】

または
【化126】

(式中、Mは、−O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;
X、YおよびZは、それぞれ独立して、−CH−、−CH(C−C)アルキル−および−C(ジ−(C−C)アルキル)−からなる群から選択される)からなる群から選択され;
は、Hおよびアルキルからなる群から選択され;
10およびR11は、それぞれ独立して、(C−C)アルキル
【化127】

からなる群からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;
15およびR17は、それぞれ独立して、−OR19、−OC(O)R19、−OC(O)OR21、−OC(O)NR1920からなる群から選択され;
16およびR18は、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;または
15およびR16は一緒になって、=Oであり、あるいはR17およびR18は、一緒になって、=Oであり;
dは、1、2または3であり;
hは、0、1、2、3または4であり;
sは、0または1であり;
tは、0または1であり;
m、nおよびpは、それぞれ独立して、0〜4から選択され;
ただし、sおよびtの少なくとも1つは、1であり、m、n、p、sおよびtの合計は、1〜6であり;pが0であり、tが1の場合、m、nおよびpの合計は、1〜5であり;pが0であり、sが1の場合、m、tおよびnの合計は、1〜5であり;
vは、0または1であり;
jおよびkは、それぞれ独立して、1〜5であり、ただし、j、kおよびvの合計は、1〜5であり;
Qは、結合、−(CH−(式中、qは1〜6である)あるいは、アゼチジノンの3位の環炭素とともに、スピロ基:
【化128】

を形成し、(ここで、式中、
12は、
【化129】

または
【化130】

であり、
13およびR14は、それぞれ独立して、−CH−、−CH(C−Cアルキル)−、−C(ジ−(C−C)アルキル)、−CH=CH−および−C(C−Cアルキル)=CH−からなる群から選択され;あるいは、R12は、隣接するR13と一緒になって、または隣接するR14と一緒になって、−CH=CH−または−CH=C(C−Cアルキル)−基を形成し;
aおよびbは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、ただし、両方が0であることはなく;R13が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、aは1であり;R14が−CH=CH−または−C(C−Cアルキル)=CH−の場合、bは1であり;aが2または3の場合、複数のR13は、同じまたは異なってもよく;bが2または3の場合、複数のR14は同じまたは異なってもよい);および
Qが結合であり、かつLが
【化131】

の場合、Arは、ピリジル、イソオキサゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであってもよく;
19およびR20は、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、アリールおよびアリール置換(C−C)アルキルからなる群から選択され;
21は、(C−C)アルキル、アリールまたはR24−置換アリールであり;
22は、H、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、−C(O)R19または−COOR19であり;
23およびR24は、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−COOH、NO、−NR1920、−OHおよびハロからなる群からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基からなる群から選択され;および
25は、H、−OHまたは(C−C)アルコキシである。)
【請求項12】
前記MTP阻害剤が、インプリタピド、ミトラタピド、T−0126、CP−346086、BMS201038およびCP−395919からなる群から選択される請求項2に記載の医薬組み合わせ。
【請求項13】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、式(I):
【化132】

の化合物、あるいはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物である請求項12に記載の医薬組み合わせ。
(式(I)中、
ArおよびArは、独立して、アリールおよびR−置換アリールからなる群から選択され;
Arは、アリールまたはR−置換アリールであり;
X、YおよびZは、独立して、−CH−、−CH(低級アルキル)−および−C(ジ低級アルキル)−からなる群から選択され;
RおよびRは、独立して、−OR、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NRからなる群から選択され;
およびRは、独立して、水素、低級アルキルおよびアリールからなる群から選択され;
qは、0または1であり;rは、0または1であり;m、nおよびpは、独立して、0、1、2、3または4から選択され;ただし、qおよびrの少なくとも1つは、1であり、m、n、p、qおよびrの合計は、1、2、3、4、5または6であり;pが0であり、かつrが1の場合、m、qおよびnの合計は、1、2、3、4または5であり;
は、
【化133】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
は、
【化134】

からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリールおよびアリール置換低級アルキルからなる群から選択され;および
は、低級アルキル、アリールまたはアリール置換低級アルキルである。)
【請求項14】
前記ステロールまたは5−α−スタノール吸収阻害剤が、エゼチミブである請求項13に記載の医薬組み合わせ。
【請求項15】
シンバスタチンをさらに含む請求項14に記載の医薬組み合わせ。
【請求項16】
有効量のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤をさらに含む請求項1に記載の医薬組み合わせ。
【請求項17】
前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンからなる群から選択される請求項16に記載の医薬組み合わせ。
【請求項18】
有効量のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤をさらに含み、該阻害剤がシンバスタチンである請求項17に記載の医薬組み合わせ。
【請求項19】
PPAR活性化剤、ニコチン酸および/またはニコチン酸受容体アゴニスト、または胆汁酸封鎖剤をさらに含む請求項1に記載の医薬組み合わせ。
【請求項20】
脂質管理を必要とする哺乳類における脂質管理のための方法であって、該方法が、有効量の請求項1に記載の医薬組み合わせを、該哺乳類に投与することを含む方法。
【請求項21】
前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブであり、前記MTPが、インプリタピド、ミトラタピド、T−0126、CP−346086、BMS201038およびCP−395919からなる群から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記医薬組み合わせが、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンからなる群から選択されるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であるコレステロール低下薬をさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記HMG Co−Aレダクターゼ阻害剤が、シンバスタチンである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
アテローム性動脈硬化症の症状の治療、予防または改善を必要とする哺乳類において該症状を治療、予防または改善するための方法であって、有効量の請求項1に記載の治療組み合わせを該哺乳類に投与することを含む方法。
【請求項25】
前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブであり、前記MTPが、インプリタピド、ミトラタピド、T−0126、CP−346086、BMS201038およびCP−395919からなる群から選択される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記医薬組み合わせが、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンからなる群から選択されるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であるコレステロール低下薬をさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記HMG Co−Aレダクターゼ阻害剤が、シンバスタチンである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
脂肪肝の症状または発症の予防または改善を必要とする哺乳類において該症状または発症を予防または改善するための方法であって、有効量の請求項1に記載の医薬組み合わせを該哺乳類に投与することを含む方法。
【請求項29】
前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブであり、前記MTPが、インプリタピド、ミトラタピド、T−0126、CP−346086、BMS201038およびCP−395919からなる群から選択される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記医薬組み合わせが、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンからなる群から選択されるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であるコレステロール低下薬をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がシンバスタチンである請求項30に記載の方法。

【公表番号】特表2010−502702(P2010−502702A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527363(P2009−527363)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/019065
【国際公開番号】WO2008/030382
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】