説明

自動分析装置および自動分析装置の攪拌良否判定方法

【課題】反応容器内の液体の攪拌の良否を簡単な構成で判定すること。
【解決手段】自動分析装置1は、反応容器内に液体(試薬)を分注する試薬分注機構17と、反応容器に取り付けた表面弾性波素子203を駆動し、音波を発生させて反応容器内の液体(反応液)を攪拌して反応させる攪拌装置23と、反応容器内の分光強度測定を行う測定光学系25とを備え、反応容器内の液体の吸光度を取得する。色素液分析処理部41は、所定のタイミングで自動分析装置1の各部の動作を制御し、試薬分注機構17によって反応容器内に色素液を分注し、攪拌装置23によって反応容器内の色素液を攪拌した後、測定光学系25による測定を行って測定結果から色素液の吸光度を取得する色素液分析処理を行う。攪拌良否判定部43は、色素液分析処理の結果取得した色素液の吸光度をもとに、攪拌装置23による攪拌位置での攪拌の良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応容器内で異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置および自動分析装置の攪拌良否判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、検体と試薬とを反応容器内に分注し、反応容器内で生じた反応を光学的に測定することによって検体の分析を行う自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、反応容器内の検体と試薬との反応を促進するため、これらの液体を攪拌して混合する攪拌装置を具備している。近年では、検体や試薬の微量化のため、反応容器の小型化が望まれており、この反応容器の小型化に伴い、音波を発生させて非接触の攪拌を行う攪拌装置が提案されている。例えば、圧電基板上に櫛型電極(IDT)を設けた表面弾性波素子を分析に用いる反応容器にそれぞれ取り付け、この表面弾性波素子を駆動して音波を発生させることによって反応容器内の液体を攪拌する攪拌装置が知られている。また、音波による非接触攪拌の場合、反応容器の内壁の状態や反応容器内の物質の状態が攪拌状態に影響を与える。このため、複数の標準試料および試薬を用いてこの攪拌装置による攪拌状態を測定し、測定結果をもとに攪拌装置による攪拌パラメータを変更するものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−172738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術を用いて攪拌装置による攪拌状態を測定すれば、この攪拌状態を基準値として用い、攪拌が正常に行われているか否かを判定することが可能である。しかしながら、攪拌の良否を判定するために複数種類の標準試料や試薬を用いるため取扱いが面倒であるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みて為されたものであって、反応容器内の液体の攪拌の良否を簡単な構成で判定することができる自動分析装置および自動分析装置の攪拌良否判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる自動分析装置は、反応容器内に液体を分注する分注手段と、前記反応容器に取り付けた音波発生手段を駆動し、該音波発生手段から音波を発生させて前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段と、前記反応容器に分析光を照射して前記反応容器内の液体の吸光度を取得する測定手段とを備え、前記反応容器内で異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置であって、所定のタイミングで、前記分注手段によって前記反応容器内に温度に依存して吸光度が変化する色素液を分注し、前記攪拌手段によって前記反応容器内の色素液を攪拌し、前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の吸光度を取得する色素液分析手段と、前記色素液分析手段によって取得した吸光度をもとに、前記攪拌手段による攪拌の良否を判定する攪拌良否判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記色素液分析手段は、前記攪拌手段による攪拌の後、前記測定手段による前記色素液の吸光度の取得を所定の回数行い、前記攪拌良否判定手段は、前記色素液分析手段によって前記所定の回数取得した前記色素液の吸光度をもとに前記攪拌手段による前記色素液の攪拌直後の吸光度変化を検出し、該検出した吸光度変化をもとに前記攪拌手段による攪拌の良否を判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記攪拌良否判定手段は、前記色素液分析手段によって前記所定の回数取得した前記色素液の吸光度から平均吸光度を算出し、該平均吸光度と前記攪拌手段による前記色素液の攪拌直後の吸光度との差をもとに前記吸光度変化を検出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記分注手段によって前記反応容器内に前記色素液を分注し、前記攪拌手段による前記反応容器内の色素液の攪拌を行わずに前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の無攪拌時吸光度を取得する無攪拌時吸光度取得手段を備え、前記攪拌良否判定手段は、前記色素液分析手段によって取得した前記色素液の吸光度と、前記無攪拌時吸光度取得手段によって取得した前記色素液の無攪拌時吸光度との差をもとに前記攪拌手段による攪拌の良否を判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記色素液は、フェノールレッドの緩衝溶液であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる自動分析装置の攪拌良否判定方法は、反応容器内に液体を分注する分注手段と、前記反応容器に取り付けた音波発生手段を駆動し、該音波発生手段から音波を発生させて前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段と、前記反応容器に分析光を照射して前記反応容器内の液体の吸光度を取得する測定手段とを備え、前記反応容器内で異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置の攪拌良否判定方法であって、所定のタイミングで、前記分注手段によって前記反応容器内に温度に応じて変色する色素液を分注し、前記攪拌手段によって前記反応容器内の色素液を攪拌し、前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の吸光度を取得する色素液分析ステップと、前記色素液分析ステップで取得した吸光度をもとに、前記攪拌手段による攪拌の良否を判定する攪拌良否判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
音波を発生させて反応容器内の液体を攪拌する場合、音波の発生に伴う発熱によって反応容器内の液体の温度が上昇する。本発明によれば、温度に依存して吸光度が変化する色素液を反応容器内に分注し、攪拌後の反応容器内の色素液の吸光度を取得して、該取得した吸光度をもとに攪拌の良否を判定することができる。したがって、反応容器内の液体の攪拌の良否を簡単な構成で判定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態の自動分析装置は、複数の検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う装置であり、分析対象の検体と試薬とを反応容器にそれぞれ分注し、反応容器内で生じた反応を光学的に測定する。図1は、本実施の形態にかかる自動分析装置1の内部構成の一例を示す概略斜視図であり、図2は、自動分析装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。自動分析装置1は、検体容器搬送機構11、検体分注機構13、2つの試薬テーブル15(15−1,15−2)、2つの試薬分注機構17(17−1,17−2)、反応テーブル19、5つの攪拌装置23(23−1,23−2,23−3,23−4,23−5)、測定光学系25、洗浄装置27等を備える。また、自動分析装置1は、図2に示すように、装置を構成する各部を制御し、各部への動作タイミングの指示やデータの転送等を行って装置全体の動作を統括的に制御する制御部40を備える。
【0014】
検体容器搬送機構11は、図1に示すように、血液や尿等の検体を収容した複数の検体容器121が搭載された複数の検体ラック12を収納する。検体容器搬送機構11は、制御部40の制御のもと、図1中の矢印方向に検体ラック12を順次移送し、検体容器搬送機構11上の所定位置に検体容器121を搬送する。そして、この所定位置に搬送された検体容器121内の検体が、検体分注機構13によって反応テーブル19上を配列して搬送される反応容器20に分注される。
【0015】
検体分注機構13は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム131を備え、このアーム131に、検体の吸引および吐出を行うプローブ133が取り付けられて構成されている。検体分注機構13は、制御部40の制御のもと、検体容器搬送機構11上の所定位置に搬送された検体容器121からプローブ133によって検体を吸引する。そして、アーム131を回動させ、反応テーブル19上の検体分注位置に搬送された反応容器20内に検体を吐出して分注を行う。検体分注機構13のプローブ133は、分注終了後、その移動経路上に配設された図示しない洗浄槽で流水・洗浄される。
【0016】
試薬テーブル15(15−1,15−2)は、制御部40の制御のもと、それぞれ不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした間欠的な回動が可能に構成されており、所望の試薬容器151を所定の位置まで搬送する。各試薬容器151には、それぞれ分析項目に応じた所定の試薬が収容され、例えば、一方の試薬テーブル15−1には、第1試薬を収容した試薬容器151が収納され、他方の試薬テーブル15−2には、第2試薬を収容した試薬容器151が収納される。また、試薬テーブル15−1には、温度変化に伴って変色し、吸光度が変化する色素液を収容した試薬容器151bが収納される。色素液としては、例えばフェノールレッドを緩衝液に溶解したものを用いる。なお、色素液は、フェノールレッドの緩衝液に限定されるものではなく温度によって吸光度が変化する色素液であれば使用可能であるが、フェノールレッドが特に好ましい。各試薬テーブル15の下方にはそれぞれ図示しない恒温槽が設けられており、各試薬容器151に収容された試薬を保冷して恒温状態に保つ。これにより、試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0017】
試薬分注機構17(17−1,17−2)は、分注手段に相当するものであり、検体分注機構13と同様に、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム171を備え、このアーム171に、それぞれ試薬の吸引および吐出を行うプローブ173が取り付けられて構成されている。一方の試薬分注機構17−1は、制御部40の制御のもと、試薬テーブル15−1上の所定位置に搬送された試薬容器151からプローブ173によって第1試薬を吸引する。または、試薬テーブル15上の所定位置に搬送された試薬容器151bからプローブ173によって色素液を吸引する。そして、アーム171を回動させ、反応テーブル19上の第1試薬分注位置に搬送された反応容器20内に第1試薬または色素液を吐出して分注を行う。同様にして、他方の試薬分注機構17−2は、制御部40の制御のもと、試薬テーブル15−2上の所定位置に搬送された試薬容器151からプローブ173によって第2試薬を吸引する。そして、アーム171を回動させ、反応テーブル19上の第2試薬分注位置に搬送された反応容器20内に第2試薬を吐出して分注を行う。各試薬分注機構17のプローブ173は、分注終了後、その移動経路上に配設された図示しない洗浄槽で流水・洗浄される。
【0018】
反応テーブル19には、検体や試薬、色素液が分注される複数の反応容器20が周方向に沿って等間隔で載置される。図3−1は、反応容器20の斜視図であり、図3−2は、反応容器20の外側面図である。図3−1に示すように、反応容器20は、内部に液体を保持する四角筒状の容器であり、光学的に透明な素材で成形される。具体的には、測定光学系25から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器20の外側面201には、音波発生手段としての表面弾性波素子203が取り付けられている。表面弾性波素子203は、図3−2に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電素材からなる圧電基板203a上に櫛型電極(IDT)からなる振動子203bが形成されて構成されたものであり、攪拌装置23の送電体231から送電される電力を表面弾性波に変換して音波を発生させる。また、振動子203bは、導体回路203cによって電気端子203dと接続されている。表面弾性波素子203は、振動子203bを外側に向け、エポキシ樹脂等の不図示の音響整合層を介して反応容器20の外側面201に取り付けられる。そして、反応容器20は、表面弾性波素子203を外側に向けて反応テーブル19に載置される。
【0019】
反応テーブル19は、制御部40の制御のもと、不図示の駆動機構によって反応テーブル19の中心を回転軸として回転自在に構成されており、一周期で(1周−1反応容器)/4周分回転し、四周期で(1周−1反応容器)回転する。この回転によって、反応テーブル19は、反応容器20を第1試薬分注位置や検体分注位置、第2試薬分注位置、攪拌機構、測定位置、洗浄位置等の各位置に搬送する。また、反応テーブル19には、測定光学系25による反応容器20内の液体の測光用の開口191が形成されている。なお、この反応テーブル31の下方には不図示の保温手段が設けられており、この保温手段によって反応容器20が体温程度の温度に保温されて恒温状態に保たれる。
【0020】
攪拌装置23(23−1,23−2,23−3,23−4,23−5)は、反応容器20内の反応を促進させるためのものであり、対応する攪拌位置に搬送された反応容器20内の液体の攪拌を行う。具体的には、攪拌装置23−1は第1の攪拌位置に搬送された反応容器20内の液体の攪拌を行い、攪拌装置23−2は第2の攪拌位置に搬送された反応容器20内の液体の攪拌を行い、攪拌装置23−3は第3の攪拌位置に搬送された反応容器20内の液体の攪拌を行い、攪拌装置23−4は第4の攪拌位置に搬送された反応容器20内の液体の攪拌を行い、攪拌装置23−5は第5の攪拌位置に搬送された反応容器20内の液体の攪拌を行う。これらの各攪拌装置23は、攪拌手段に相当するものであり、例えばその攪拌位置近傍の反応テーブル19の外周側に配設された送電体231および配置決定部材233と、反応容器20の外側面201に取り付けられた表面弾性波素子203とで構成される。
【0021】
図2に示すように、送電体231は、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源(RF電源)231aや駆動制御回路231b等を備え、RF電源231aから供給される電力を表面弾性波素子203に送電する。駆動制御回路231bは、制御部40の制御のもと、RF電源231aによる電力の供給を制御して表面弾性波素子203を駆動する。具体的には、駆動制御回路231bは、例えば、表面弾性波素子203が発生する音波の特性(周波数、強度、位相、波の特性等)や波形(正弦波や三角波、矩形波、バースト波等)、変調(振幅変調や周波数変調等)、表面弾性波素子203の駆動時間等を制御する。図4は、送電体231が反応容器20の表面弾性波素子203に当接した状態を示す図である。図4に示すように、送電体231は、表面弾性波素子203の電気端子203dと接触するブラシ状の接触子232を有し、この接触子232が表面弾性波素子203の電気端子203dと接触する。そして、電気端子203dを介してRF電源231aからの電力を振動子203bに送電し、表面弾性波素子203を駆動する。より具体的には、送電体231は、配置決定部材233に支持されており、制御部40の制御のもと、反応テーブル19の回転が停止したときに電気端子203dを介して振動子203bに電力を送電する。
【0022】
配置決定部材233は、制御部40の制御のもと、送電体231から振動子203bに電力を送電する送電時に送電体231を移動させ、接触子232と電気端子203dとの反応テーブル19の周方向並びに半径方向における相対配置を調整・決定するもので、例えば、2軸ステージが使用される。具体的には、配置決定部材233は、反応テーブル19の回転時には、接触子232と電気端子203dとを一定の距離に保つように支持する。そして、配置決定部材233は、反応テーブル19が停止して送電体231から振動子203bに電力を送電する送電時には、送電体231を移動させ、接触子232と電気端子203dとが対向するように反応テーブル19の周方向に沿った送電体231の位置を調整するとともに、送電体231を電気端子203dに近接させて接触子232と電気端子203dとを接触させる。接触子232と電気端子203dとの相対配置は、例えば、送電体231側に反射センサを設け、反応容器20或いは表面弾性波素子203の特定個所に設けた反射体からの反射を利用する等して検出する。
【0023】
測定光学系25は、測定手段に相当するものであり、制御部40の制御のもと、測定位置に搬送された反応容器20に分析光を照射し、反応容器20内の反応液や色素液等の液体を透過した光を受光して分光強度測定を行う。例えば、図1に示すように、反応容器20内の反応液または色素液を分析するための分析光(340〜800nm)を出射する光源251と、光源251から出射されて反応容器20内の反応液または色素液を透過した光量を測光する測光センサ253とを備える。この測定光学系25による測定結果は、制御部40に出力され、この制御部40と接続された分析部410によって分析される。
【0024】
洗浄装置27は、測定光学系25による測定が終了して装置下方の洗浄位置に搬送された反応容器20を洗浄対象として、この反応容器20内部の反応液または色素液を吸引して排出するとともに、反応容器20内に洗浄水等の洗浄液を吐出および吸引することによってその内部を洗浄・乾燥する。洗浄・乾燥された反応容器20は、再び分析に使用される。
【0025】
制御部40は、分析結果の他、自動分析装置1の動作に必要な各種データを保持するメモリを内蔵したマイクロコンピュータ等で構成され、装置内の適所に収められる。制御部40は、自動分析装置1の各部を制御して分析処理を行う。また、制御部40は、自動分析装置1の各部を制御して色素液分析処理を行う色素液分析手段としての色素液分析処理部41と、色素液分析処理によって取得した吸光度をもとに、各攪拌装置23による攪拌位置での攪拌の良否を判定する攪拌良否判定手段としての攪拌良否判定部43とを備える。この制御部40は、図2に示すように、分析部410と接続されており、測定光学系25による測定結果が適宜出力されるようになっている。
【0026】
分析部410は、測定光学系25によって測定された分析対象の反応容器20内の反応液に関する光量から、その吸光度を算出する。そして、算出した吸光度から検体中の分析対象成分の濃度等を分析し、分析結果を制御部40に出力する。また、分析部410は、測定光学系25によって測定された攪拌良否判定対象の反応容器20内の色素液に関する光量から、その吸光度を算出する。そして、算出結果を制御部40に出力する。
【0027】
また、制御部40は、検体数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部430や、分析結果画面や警告表示画面、各種設定入力のための入力画面等を表示するためのLCDやELD等の表示装置で構成される表示部450と接続されている。
【0028】
図5は、反応テーブル19上の反応容器20の搬送経路を示す図であり、制御部40は、自動分析装置1の各部の動作を制御し、各位置P1〜P10に反応容器20を順次搬送して分析処理を行う。分析処理では、反応容器20は先ず第1試薬分注位置P1に搬送され、試薬分注機構17−1がこの反応容器20内に試薬容器151中の第1試薬を分注する。次いで、反応容器20は第1の攪拌位置P2に搬送され、攪拌装置23−1がこの反応容器20内の液体(第1試薬)を攪拌する。具体的には、先ず配置決定部材233が送電体231の位置を調整して接触子232を表面弾性波素子203の電気端子203dと接触させる。そして、送電体231が表面弾性波素子203の振動子203bに電力を送電し、表面弾性波素子203を駆動する。これによって音波が発生され、反応容器20の外側面201内へと伝搬して音響インピーダンスが近い液体試料中へ漏れ出してゆく。この結果、反応容器20内の液体が攪拌される。そして、第1の攪拌位置P2で攪拌された反応容器20は測定位置P3を通過する。このとき、測定光学系25がこの反応容器20内の液体の分光強度測定を行う。測定結果は制御部40を介して分析部410に出力され、分析される。
【0029】
次いで、反応容器20は検体分注位置P4に搬送され、検体分注機構13が検体容器121中の検体をこの反応容器20内に分注する。次いで、反応容器20は第2の攪拌位置P5に搬送され、攪拌装置23−2がこの反応容器20内の液体(第1試薬および検体)を攪拌する。さらに、反応容器20は第3の攪拌位置P6に搬送され、攪拌装置23−3がこの反応容器20内の液体を攪拌する。そして、第3の攪拌位置P6で攪拌された反応容器20は測定位置P3を通過する。このとき、測定光学系25がこの反応容器20内の液体(反応液)の分光強度測定を行う。この後、反応容器20は内部に反応液を保持したまま反応テーブル19上を9周して9回測定位置P3を通過する。測定光学系25は、その都度この反応容器20内の反応液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部410に出力され、分析される。
【0030】
第3の攪拌位置P6での攪拌の後、測定光学系25によって反応容器20内の反応液の測定が合計10回されたならば、反応容器20は、続いて第2試薬分注位置P7に搬送され、試薬分注機構17−2が試薬容器151中の第2試薬をこの反応容器20内に分注する。次いで、反応容器20は第4の攪拌位置P8に搬送され、攪拌装置23−4がこの反応容器20内の液体(第1試薬、検体および第2試薬)を攪拌する。さらに、反応容器20は第5の攪拌位置P9に搬送され、攪拌装置23−5がこの反応容器20内の液体を攪拌する。そして、第5の攪拌位置P9で攪拌された反応容器20は測定位置P3を通過する。このとき、測定光学系25がこの反応容器20内の液体(反応液)の分光強度測定を行う。この後、反応容器20は内部に反応液を保持したまま反応テーブル19上を17週して17回測定位置P3を通過する。測定光学系25は、その都度この反応容器20内の反応液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部410に出力され、分析される。
【0031】
第5の攪拌位置P9での攪拌の後、測定光学系25によって反応容器20内の反応液の測定が合計27回されたならば、反応容器20は洗浄位置に搬送され、洗浄装置27がこの反応容器20内の反応液を排出し、内部の洗浄・乾燥を行う。洗浄位置P10で吸引・乾燥された反応容器20は再び第1試薬分注位置P1に搬送され、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0032】
また、本実施の形態の自動分析装置1では、所定のタイミングで色素液分析処理部41が色素液分析処理を行う。具体的には、色素液分析処理部41は、自動分析装置1の各部の動作を制御し、反応テーブル19上の攪拌良否判定対象の反応容器20内に第1試薬にかえて色素液を分注する。そして、各攪拌装置23によって反応容器20内の色素液を攪拌し、測定光学系25による測定結果をもとに各攪拌装置23による攪拌後の色素液の吸光度を得る。この色素液分析処理では、攪拌良否判定対象の反応容器20は、先ず第1試薬分注位置P1に搬送され、試薬分注機構17−1が試薬容器151b中の色素液をこの反応容器20内に分注する。試薬分注機構17−1は、測定光学系25による測定が可能な最小量の色素液を試薬容器151bから吸引し、反応容器20内に吐出する。次いで、反応容器20は第1の攪拌位置P2に搬送され、攪拌装置23−1がこの反応容器20内の色素液を攪拌する。攪拌装置23−1は、発生させる音波の強度を最大とし、最長の攪拌時間で攪拌を行う。そして、第1の攪拌位置P2で攪拌された反応容器20は測定位置P3を通過する。このとき、測定光学系25がこの反応容器20内の色素液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部410に出力され、吸光度が得られる。ここで、試薬分注機構17−1が測定光学系25によって測定可能な最小量の色素液を反応容器20内に分注するとともに、攪拌装置23−1が表面弾性波素子203から発生させる音波の強度を最大とし、最長の攪拌時間で攪拌を行うため、正常時の温度上昇を顕著にでき、吸光度変化の検出精度を向上させることができる。
【0033】
次いで、反応容器20は検体分注位置P4に搬送されるが、色素液分析処理では、検体分注機構13はこの反応容器20への検体の分注は行わない。次いで、反応容器20は第2の攪拌位置P5に搬送され、攪拌装置23−2がこの反応容器20内の色素液を攪拌する。さらに、反応容器20は第3の攪拌位置P6に搬送され、攪拌装置23−3がこの反応容器20内の色素液を攪拌する。攪拌装置23−2,3は、それぞれ発生させる音波の強度を最大とし、最長の攪拌時間で攪拌を行う。そして、第3の攪拌位置P6で攪拌された反応容器20は測定位置P3を通過する。このとき、測定光学系25がこの反応容器20内の色素液の分光強度測定を行う。この後、反応容器20は内部に色素液を保持したまま反応テーブル19上を9週して9回測定位置P3を通過する。測定光学系25は、その都度この反応容器20内の色素液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部410に出力され、吸光度が得られる。
【0034】
第3の攪拌位置P6での攪拌の後、測定光学系25によってこの反応容器20内の色素液の測定が合計10回されたならば、反応容器20は、続いて第2試薬分注位置P7に搬送されるが、色素液分析処理では、試薬分注機構17−2はこの反応容器20への第2試薬の分注は行わない。次いで、反応容器20は第4の攪拌位置P8に搬送され、攪拌装置23−4がこの反応容器20内の色素液を攪拌する。さらに、反応容器20は第5の攪拌位置P9に搬送され、攪拌装置23−5がこの反応容器20内の色素液を攪拌する。攪拌装置23−4,5は、それぞれ発生させる音波の強度を最大とし、最長の攪拌時間で攪拌を行う。そして、第5の攪拌位置P9で攪拌された反応容器20は測定位置P3を通過する。このとき、測定光学系25がこの反応容器20内の色素液の分光強度測定を行う。この後、反応容器20は内部に色素液を保持したまま反応テーブル19上を17週して17回測定位置P3を通過する。測定光学系25はその都度この反応容器20内の色素液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部410に出力され、吸光度が得られる。
【0035】
そして、反応容器20は洗浄位置に搬送され、洗浄装置27がこの反応容器20内の色素液を排出し、内部の洗浄・乾燥を行う。
【0036】
図6は、色素液分析処理によって得られた色素液の吸光度変化の一例を示す図であり、横軸を測定ポイントとし、縦軸を吸光度(OD値)として正常時のグラフG11と異常時(攪拌不良時)のグラフG13とを併せて示している。ここで、測定ポイントは、色素液分析処理中に測定光学系25が行う分光強度測定の順に割り振った通し番号であり、図5に示して説明した第1の攪拌位置P2での攪拌の後の測定が測定ポイント「1」に対応し、第3の攪拌位置P6での攪拌後の10回の測定が測定ポイント「2」〜「11」に対応し、第5の攪拌位置P9での攪拌後の17回の測定が測定ポイント「12」〜「28」に対応する。また、得られた吸光度(OD値)が高い程色素液の温度が低く、吸光度(OD値)が低い程色素液の温度が高いことを示している。
【0037】
各攪拌装置23による攪拌が正常に行われている場合には、表面弾性波素子203による音波の発生に伴う発熱によって反応容器20内の色素液の温度が上昇する。このため、図6の正常時のグラフG11に示すように、第1、第3、第5の各攪拌位置での攪拌直後の測定ポイント「1」「2」「12」で得られる吸光度が低くなる。なお、色素液分析処理では、各攪拌装置23は、表面弾性波素子203から発生させる音波の強度を最大とし、最長の攪拌時間で攪拌を行うため、正常時の温度上昇を顕著にでき、吸光度変化の検出精度を向上させることができる。
【0038】
これに対し、攪拌が正常に行われていない場合、例えばRF電源231aの故障等に起因する電力の伝送経路上での異常や、具体的には表面弾性波素子203と反応容器20との間の接着不良や剥離等に起因する音波の伝搬経路上での異常が生じた場合には、表面弾性波素子203から音波が発生せず、あるいは表面弾性波素子203からの音波が反応容器20内の色素液に十分に伝播されず、攪拌の前後で反応容器20内の色素液の温度が変化しない。このため、図6の異常時のグラフG13に示すように、攪拌が正常に行われていない場合、吸光度がほとんど変化しない。ここで、測定ポイント「1」〜「4」で吸光度(OD値)が低下しているのは、色素液が試薬テーブル15−1内で保冷されている一方、反応テーブル19が体温程度の温度に保たれているため、分注直後ではその温度が低く、時間経過とともに恒温化されるまで上昇するためである。
【0039】
攪拌良否判定部43は、このような色素液分析処理の結果得られる攪拌直後の色素液の吸光度変化を検出し、各攪拌位置での攪拌の良否を判定する。具体的には、測定ポイント「1」「2」「12」それぞれについて予め閾値として基準吸光度差を設定しておき、この基準吸光度差に従って攪拌の良否を判定する。図7−1および図7−2は、攪拌良否判定処理について説明するための図であり、それぞれ平均吸光度と、攪拌直後の測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度、吸光度差、基準吸光度差および判定結果の一例を示している。ここで、平均吸光度は、最終的に安定した吸光度の値であり、例えば第5の攪拌位置での攪拌の後の測定ポイント「24」〜「28」の5回の測定結果から得られた吸光度の平均値である。また、吸光度差は、各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度から平均吸光度を差し引いた値である。攪拌良否判定部43は、この吸光度差と、対応する攪拌直後の測定ポイントについて設定された基準吸光度差とを比較して攪拌の良否を判定する。なお、基準吸光度差の値は一例であって、適宜設定できる。なお、各測定ポイントにそれぞれ共通の値を基準吸光度差として設定することとしてもよいが、図7−1および図7−2に例示したように、それぞれ個別の値を設定することにより、攪拌の良否判定の精度を向上させることができる。
【0040】
すなわち、攪拌良否判定部43は、各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度に基づく吸光度差が基準吸光度差より小さい場合には、その攪拌位置の攪拌装置23による攪拌が正常に行われていると判定する。図7−1に示す例では、各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度に基づく吸光度差が、それぞれ対応する測定ポイントについて設定された基準吸光度差未満である。したがって、第1、第3、第5の各攪拌位置での攪拌が良好であり、各攪拌装置23−1〜5による攪拌が正常に行われていると判定する。
【0041】
一方、攪拌良否判定部43は、測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度に基づく吸光度差が基準吸光度差以上の場合には、対応する攪拌位置での攪拌が不良であり、その攪拌位置の攪拌装置23による攪拌が正常に行われていないと判定する。例えば、攪拌良否判定部43は、図7−2に示すように、各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度に基づく吸光度差が、それぞれ対応する測定ポイントについて設定された基準吸光度差以上の場合には、第1、第3、第5の各攪拌位置での攪拌を不良と判定する。ただし、第3、第5の各攪拌位置での攪拌を不良と判定した場合、第2および第3のいずれか一方の攪拌位置での攪拌が不良なのか、双方の攪拌位置での攪拌が不良なのかが不明である。同様に、第4および第5のいずれか一方の攪拌位置での攪拌が不良なのか、双方の攪拌位置での攪拌が不良なのかが不明である。このため、第3の攪拌位置での攪拌を不良と判定した場合には、色素液分析処理部41が、攪拌装置23−2を動作させ、攪拌装置23−3を動作させずに色素液分析処理を行い、次いで攪拌装置23−3を動作させ、攪拌装置23−2を動作させずに色素液分析処理を行う。そして、攪拌良否判定部43が、各色素液分析処理の結果をもとに、第2および第3のいずれの攪拌位置での攪拌が不良なのかを判定する。攪拌装置23−2を動作させ、攪拌装置23−3を動作させずに色素液分析処理を行った結果、測定ポイント「2」で得られた吸光度に基づく吸光度差が対応する基準吸光度差以上ならば、第2の攪拌位置での攪拌を不良とする。また、攪拌装置23−3を動作させ、攪拌装置23−2を動作させずに色素液分析処理を行った結果、測定ポイント「2」で得られた吸光度に基づく吸光度差が対応する基準吸光度差以上ならば、第3の攪拌位置での攪拌を不良とする。同様にして、第5の攪拌位置での攪拌を不良と判定した場合には、色素液分析処理部41が、攪拌装置23−4を動作させ、攪拌装置23−5を動作させずに色素液分析処理を行い、次いで攪拌装置23−5を動作させ、攪拌装置23−4を動作させずに色素液分析処理を行う。そして、攪拌良否判定部43が、第4および第5のいずれの攪拌位置での攪拌が不良なのかを判定する。
【0042】
図8は、第5の攪拌位置での攪拌直後の測定ポイント「12」の吸光度から攪拌不良と判定した場合であって、攪拌装置23−4を動作させ、攪拌装置23−5を動作させずに色素分析処理を行った結果第4の攪拌位置の攪拌装置23−4による攪拌が正常に行われていると判定され、攪拌装置23−5を動作させ、攪拌装置23−4を動作させずに色素分析処理を行った結果第5の攪拌位置の攪拌装置23−5による攪拌が正常に行われていないと判定された場合の色素液の吸光度変化の一例を示す図であり、この吸光度変化のグラフG23を、正常時のグラフG21とを併せて示している。
【0043】
この場合には、第4の攪拌位置での攪拌は正常に行われているため、反応容器20内の色素液の温度が上昇する。このため、第5の各攪拌位置での攪拌直後の測定ポイント「12」で得られる吸光度は低下しているが、第5の攪拌位置での攪拌が不良であるため、正常時のグラフG21と比較して吸光度の値が高い。このとき、攪拌良否判定部43は、例えばこの測定ポイント「12」の吸光度に基づく吸光度差が対応する基準吸光度差以上と判定し、第5の攪拌位置での攪拌を不良と判定する。この結果色素液分析処理部41が、攪拌装置23−4を動作させ、攪拌装置23−5を動作させずに色素液分析処理を行い、次いで攪拌装置23−5を動作させ、攪拌装置23−4を動作させずに色素液分析処理を行う。そして、攪拌良否判定部43が、各色素液分析処理の結果をもとに第4および第5のいずれの攪拌位置での攪拌が不良なのかを判定し、例えば第4の攪拌位置での攪拌は良好であり、第5の攪拌位置での攪拌は不良であると判定する。
【0044】
ここで、制御部40の処理手順について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。色素液分析処理部41は、所定のタイミング、例えば分析処理の開始前や終了時、あるいは分析処理中に定期的に、自動分析装置1の各部の動作を制御し、攪拌良否判定対象の反応容器20内に色素液を分注し、この反応容器20内の色素液を攪拌し、この反応容器20に分析光を照射して分光強度測定を行い、色素液の吸光度を測定する色素液分析処理を行う(ステップS1)。続いて、攪拌良否判定部43が、得られた吸光度変化をもとに、各攪拌装置23による各攪拌位置での攪拌の良否を判定する攪拌良否判定処理を行う。すなわち、攪拌良否判定部43は、先ず測定ポイント「24」〜「28」の吸光度をもとに平均吸光度を算出する(ステップS2)。続いて、攪拌良否判定部43は、第1、第3、第5の各攪拌位置での攪拌直後の各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度から平均吸光度を減算して吸光度差を算出する(ステップS3)。
【0045】
そして、攪拌良否判定部43は、算出した吸光度差と、対応する測定ポイントについてそれぞれ設定された基準吸光度差とを比較して攪拌の良否を判定する閾値判定処理を行う(ステップS4)。そして、攪拌良否判定部43は、各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度に基づく吸光度差が基準吸光度差より小さい場合には、各攪拌装置23による攪拌が正常に行われていると判定し(ステップS5:No)、本処理を終了する。
【0046】
一方、攪拌良否判定部43は、吸光度差が基準吸光度差以上の場合には、その攪拌位置での攪拌が不良であると判定する(ステップS5:Yes)。この場合には、攪拌不良位置検出処理が実行される(ステップS6)。図10は、図9のステップS6による攪拌不良位置検出処理の手順を示すフローチャートである。この攪拌不良位置検出処理では、攪拌不良と判定した測定ポイントに応じた処理を行う。すなわち、第1の攪拌位置での攪拌直後の測定ポイント「1」の吸光度から攪拌不良と判定した場合には(ステップS601:Yes)、その旨の報知を行う(ステップS603)。例えば、制御部40は、第1の攪拌位置での攪拌が不良であり、攪拌装置23−1による攪拌が正常に行われていない旨のメッセージを表示部450に表示する制御を行う。
【0047】
第3の攪拌位置での攪拌直後の測定ポイント「2」の吸光度から攪拌不良と判定した場合には(ステップS605:Yes)、制御部40は、先ず、攪拌装置23−2を動作させ、攪拌装置23−3を動作させずに色素液分析処理を行う(ステップS607)。そして、制御部40は、測定ポイント「24」〜「28」の吸光度をもとに平均吸光度を算出し、測定ポイント「2」で得られた吸光度との吸光度差が対応する基準吸光度差以上ならば、第2の攪拌位置での攪拌が不良と判定し(ステップS609:Yes)、その旨の報知を行う(ステップS611)。続いて、制御部40は、攪拌装置23−3を動作させ、攪拌装置23−2を動作させずに色素液分析処理を行う(ステップS613)。そして、制御部40は、測定ポイント「24」〜「28」の吸光度をもとに平均吸光度を算出し、測定ポイント「2」で得られた吸光度との吸光度差が対応する基準吸光度差以上ならば、第3の攪拌位置での攪拌が不良と判定し(ステップS615:Yes)、その旨の報知を行う(ステップS617)。
【0048】
第5の攪拌位置での攪拌直後の測定ポイント「12」の吸光度から攪拌不良と判定した場合には(ステップS619:Yes)、制御部40は、先ず、攪拌装置23−4を動作させ、攪拌装置23−5を動作させずに色素液分析処理を行う(ステップS621)。そして、制御部40は、測定ポイント「24」〜「28」の吸光度をもとに平均吸光度を算出し、測定ポイント「12」で得られた吸光度との吸光度差が対応する基準吸光度差以上ならば、第4の攪拌位置での攪拌が不良と判定し(ステップS623:Yes)、その旨の報知を行う(ステップS625)。続いて、制御部40は、攪拌装置23−5を動作させ、攪拌装置23‐4を動作させずに色素液分析処理を行う(ステップS627)。そして、制御部40は、測定ポイント「24」〜「28」の吸光度をもとに平均吸光度を算出し、測定ポイント「12」で得られた吸光度との吸光度差が基準吸光度差以上ならば、第5の攪拌位置での攪拌が不良と判定し(ステップS629:Yes)、その旨の報知を行う(ステップS631)。そして、図9のステップS6にリターンし、その後処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態によれば、攪拌装置23による攪拌直後の吸光度変化をもとに、攪拌の良否を判定することができる。したがって、各攪拌装置23による各攪拌位置での反応容器20内の液体の攪拌の良否を簡単な構成で判定することができる。また、各攪拌位置での攪拌の良否を個別に判定できるので、いずれの攪拌位置(すなわち、いずれの攪拌装置23−1〜5)で攪拌不良が生じているのかを容易に特定できる。このとき、例えば、第1の攪拌位置での攪拌が不良であり、これ以外の攪拌位置での攪拌が良好と判定した場合には、第1の攪拌位置における攪拌不良が、電力の伝送経路上での異常、すなわちこの攪拌位置の攪拌装置23の装置側の構成(送電体231または配置決定部材233)の異常に起因するものと判定できる。
【0050】
なお、複数の反応容器20を攪拌良否判定対象として各攪拌位置での攪拌の良否判定を行うこととしてもよい。これによれば、ある攪拌位置での攪拌が不良と判定した場合に、この攪拌不良が、電力の伝送経路上での異常によるものなのか、音波の伝搬経路上での異常によるものなのかを判定することができる。例えば、一の反応容器20を攪拌良否判定対象の反応容器20として各攪拌位置での攪拌の良否判定を行った結果、攪拌が良好であると判定した攪拌位置について、他の反応容器20を攪拌良否判定対象とした攪拌の良否判定の結果が不良であれば、この攪拌不良が、他の反応容器20に取り付けられた表面弾性波素子203からの音波の伝播経路上の異常、すなわち、攪拌装置23の反応容器20側の構成(表面弾性波素子203)の異常に起因するものと判定することができる。この場合には、例えば、この反応容器20を使用禁止容器とし、分析処理に使用しない、あるいはこの他の反応容器20が異常である旨のメッセージを表示部450に表示する制御を行ってユーザに交換を促すといったことができる。
【0051】
またこのとき、反応テーブル19上の各反応容器20を順番に攪拌の良否判定対象とし、全ての反応容器20について攪拌の良否を判定することとしてもよい。例えば、一の反応容器20を攪拌良否判定対象として各攪拌位置での攪拌の良否判定を行った結果、攪拌が良好であると判定した攪拌位置での攪拌の良否を、反応テーブル19上の各反応容器20それぞれについて判定する。この処理を定期的に行って反応テーブル19上の使用禁止容器をチェックすれば、攪拌が不良である反応容器20を用いて分析処理を行うといった事態を防止することができる。
【0052】
また、上記した実施の形態では、平均吸光度を算出し、平均吸光度から攪拌直後の測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度を差し引いた吸光度差が基準吸光度差以上か否かによって各攪拌位置での攪拌不良を判定する場合について説明したが、攪拌前の色素液の吸光度と、攪拌後の色素液の吸光度とを比較して攪拌直後の吸光度変化を検出し、吸光度変化が検出されない場合に攪拌不良と判定することとしてもよい。例えば、攪拌の前後で測定光学系による測定を行う。そして、取得した攪拌前の吸光度と攪拌後の吸光度との差が予め設定された閾値より小さい場合に、攪拌の前後で吸光度が変化しないと判定し、攪拌不良とする。あるいは、今回取得した吸光度を前回の取得した吸光度と比較し、吸光度変化を検出することによって、攪拌の良否を判定することとしてもよい。
【0053】
また、上記した実施の形態では、反応容器20が1周する度に測定光学系25による測定結果からこの反応容器20内の色素液の吸光度を取得する場合について説明したが、攪拌から所定の時間が経過した後、測定位置の通過時に測定光学系によって得られた測定結果から色素液の吸光度を取得する構成とし、このときに取得した吸光度をもとに攪拌の良否を判定することとしてもよい。
【0054】
また、装置を自動的に診断するダイアグモードを備えた自動分析装置では、特定の攪拌位置での攪拌の良否を個別に確認することができる。ユーザは、分析処理の開始前や終了後、中断時等の所定のタイミングで、検査対象の攪拌位置を指定して、ダイアグモード動作の開始を指示する。ここで、指定された検査対象の攪拌位置を「指定攪拌位置」と呼ぶ。このダイアグモードでは、先ず、所定の攪拌良否判定対象の反応容器が洗浄位置に搬送され、洗浄装置が反応容器内部の洗浄を行う。事前に洗浄が行われている場合には、ここでの洗浄動作を省略できる。続いて反応容器は、第1試薬分注位置に搬送する。第1試薬分注位置では、試薬分注機構が、色素液を収容した試薬容器から色素液を吸引し、この反応容器内に吐出して分注する。この反応容器は測定位置に搬送され、所定の時間が経過して内部の色素液が恒温化した時点で、測定光学系がこの反応容器内の色素液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部に出力され、攪拌前の吸光度が得られる。続いて、反応容器は指定攪拌位置に搬送され、指定攪拌位置の攪拌装置がこの反応容器内の色素液を攪拌する。なお、反応容器を第1〜第5のいずれかの攪拌位置に搬送し、この攪拌位置の攪拌装置が予備攪拌を行うことによって恒温温度に近づけるように構成することも可能であり、これによれば、攪拌良否の判定に要する時間を削減できる。そして、指定攪拌位置で攪拌された反応容器は測定位置に搬送され、攪拌の後所定の時間が経過した時点で、測定光学系がこの反応容器内の色素液の分光強度測定を行う。測定結果は分析部に出力され、攪拌後の吸光度が得られる。攪拌後の分光強度測定の後、反応容器は洗浄位置に搬送され、洗浄装置がこの反応容器内の色素液を排出し、内部の洗浄・乾燥を行う。
【0055】
そして、制御部の攪拌良否判定部が、取得した攪拌前の吸光度と攪拌後の吸光度とをもとに、指定攪拌位置での攪拌の良否を判定する。例えば、攪拌良否判定部は、取得した攪拌後の吸光度から攪拌前の吸光度を減算して吸光度差を算出し、算出した吸光度差が予め設定された基準吸光度差より小さい場合に、指定攪拌位置での攪拌が良好であり、この指定攪拌位置の攪拌装置による攪拌が正常に行われていると判定する。一方、攪拌良否判定部は、算出した吸光度差が予め設定された基準吸光度差以上の場合には、指定攪拌位置での攪拌が不良であり、この指定攪拌位置の攪拌装置による攪拌が正常に行われていないと判定する。そして、攪拌良否判定部は、算出した吸光度とともに、攪拌の良否の判定結果を表示部に表示する制御を行う。
【0056】
また、このようにして指定攪拌位置での攪拌の良否を判定し、この指定攪拌位置での攪拌が良好と判定した場合に、この指定攪拌位置を指定するとともに、特定の反応容器を攪拌良否判定対象として指定して上記の処理を再度行うことにより、指定した反応容器についての攪拌の良否を判定することとしてもよい。この結果、指定攪拌位置での攪拌が不良と判定した場合には、この攪拌不良が、指定した反応容器に取り付けられた表面弾性波素子からの音波の伝播経路上の異常であり、反応容器側の異常に起因するものと判定することができる。
【0057】
また、無攪拌時吸光度を取得し、この無攪拌時吸光度を用いて各攪拌装置23による攪拌の良否を判定することとしてもよい。図11は、本変形例にかかる攪拌良否判定処理について説明するための図である。本変形例では、自動分析装置の制御部は、予め試薬分注機構17−1によって反応容器20内に色素液を分注し、各攪拌装置23−1〜5による攪拌を行わずに測定光学系25によって色素液を測定して、測定ポイント「1」「2」「12」での無攪拌時の色素液の吸光度(無攪拌時吸光度)を取得するための制御を行う。一方、測定ポイント「1」「2」「12」それぞれについて、上記した実施の形態と同様に、閾値である基準吸光度差を設定しておく。そして、各測定ポイント「1」「2」「12」で得られた吸光度から無攪拌時吸光度を差し引いた値を吸光度差として求め、この吸光度差と、対応する攪拌直後の測定ポイントについて設定された基準吸光度差とを比較して攪拌の良否を判定する。これによれば、無攪拌時の測定値を用いて、攪拌の良否を判定することができる。
【0058】
また、上記した実施の形態では、第3の攪拌位置での攪拌直後に測定した吸光度から攪拌不良と判定した場合に、図10のステップS607〜S617の処理を行って第2の攪拌位置および第3のいずれの攪拌位置での攪拌が不良なのかを判定することとしたが、反応容器20の搬送経路が第2の攪拌位置で停止した後第3の攪拌位置で停止するまでの間に測定位置を通過し、第3の攪拌位置で停止した後測定位置を通過するように設計されている場合には、第2の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定し、第3の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定することができる。したがってこの場合には、第2の攪拌位置および第3の攪拌位置での攪拌の良否判定を2段階で行う必要がない。
【0059】
同様にして、第5の攪拌位置での攪拌直後に測定した吸光度から攪拌不良と判定した場合に、図10のステップS621〜S631の処理を行って第4の攪拌位置および第5のいずれの攪拌位置での攪拌が不良なのかを判定することとしたが、反応容器20の搬送経路が第4の攪拌位置で停止した後第5の攪拌位置で停止するまでの間に測定位置を通過し、第5の攪拌位置で停止した後測定位置を通過するように設計されている場合には、第4の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定し、第5の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定することができる。したがってこの場合には、第4の攪拌位置および第5の攪拌位置での攪拌の良否判定を2段階で行う必要がない。
【0060】
あるいは、上記したダイアグモードのような診断モードにおいて、反応容器20が第2の攪拌位置で停止した後第3の攪拌位置で停止するまでの間に測定位置を通過し、第3の攪拌位置で停止した後測定位置を通過するように反応テーブル19の回転を制御することとしてもよい。そして、第2の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定し、第3の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定することとしてもよい。この場合も同様に、第2の攪拌位置および第3の攪拌位置での攪拌の良否判定を2段階で行う必要がない。同様にして、反応容器20が第4の攪拌位置で停止した後第5の攪拌位置で停止するまでの間に測定位置を通過し、第5の攪拌位置で停止した後測定位置を通過するように反応テーブル19の回転を制御することとしてもよい。そして、第4の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定し、第5の攪拌位置での攪拌直後の吸光度の測定結果をもとに攪拌の良否を判定することとしてもよい。この場合も同様に、第4の攪拌位置および第5の攪拌位置での攪拌の良否判定を2段階で行う必要がない。
【0061】
また、上記した各実施の形態では、自動分析装置1に具備される試薬テーブルが2つの場合について説明したが、試薬テーブルは1つであっても構わない。
【0062】
(付記1)
反応容器内に液体を分注する分注手段と、前記反応容器に取り付けた音波発生手段を駆動し、該音波発生手段から音波を発生させて前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段と、前記反応容器に分析光を照射して前記反応容器内の液体の吸光度を取得する測定手段とを備え、前記反応容器内で異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置の攪拌良否判定方法であって、
所定のタイミングで、前記分注手段によって前記反応容器内に温度に応じて変色する色素液を分注し、前記攪拌手段によって前記反応容器内の色素液を攪拌し、前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の吸光度を取得する色素液分析ステップと、
前記色素液分析ステップで取得した吸光度をもとに、前記攪拌手段による攪拌の良否を判定する攪拌良否判定ステップと、
を含むことを特徴とする自動分析装置の攪拌良否判定方法。
【0063】
(付記2)
前記色素液分析ステップは、前記攪拌手段による攪拌の後、前記測定手段による前記色素液の吸光度の取得を所定の回数行い、
前記攪拌良否判定ステップは、前記色素液分析ステップで前記所定の回数取得した前記色素液の吸光度をもとに前記攪拌手段による前記色素液の攪拌直後の吸光度変化を検出し、該検出した吸光度変化をもとに前記攪拌手段による攪拌の良否を判定することを特徴とする付記1に記載の自動分析装置の攪拌良否判定方法。
【0064】
(付記3)
前記攪拌良否判定ステップは、前記色素液分析ステップで前記所定の回数取得した前記色素液の吸光度から平均吸光度を算出し、該平均吸光度と前記攪拌手段による前記色素液の攪拌直後の吸光度との差をもとに前記吸光度変化を検出することを特徴とする付記2に記載の自動分析装置の攪拌良否判定方法。
【0065】
(付記4)
前記分注手段によって前記反応容器内に前記色素液を分注し、前記攪拌手段による前記反応容器内の色素液の攪拌を行わずに前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の無攪拌時吸光度を取得する無攪拌時吸光度取得ステップを含み、
前記攪拌良否判定ステップは、前記色素液分析ステップで取得した前記色素液の吸光度と、前記無攪拌時吸光度取得ステップで取得した前記色素液の無攪拌時吸光度との差をもとに前記攪拌手段による攪拌の良否を判定することを特徴とする付記1に記載の自動分析装置の攪拌良否判定方法。
【0066】
(付記5)
前記色素液は、フェノールレッドの緩衝溶液であることを特徴とする付記1〜付記4のいずれか一つに記載の自動分析装置の攪拌良否判定方法。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施の形態にかかる自動分析装置の内部構成の一例を示す概略斜視図である。
【図2】自動分析装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3−1】反応容器の斜視図である。
【図3−2】反応容器の外側面図である。
【図4】送電体が反応容器の表面弾性波素子に当接した状態を示す図である。
【図5】反応テーブル上の反応容器の搬送経路を示す図である。
【図6】色素液分析処理によって得られた色素液の吸光度変化の一例を示す図である。
【図7−1】攪拌良否判定処理について説明するための図である。
【図7−2】攪拌良否判定処理について説明するための図である。
【図8】色素液分析処理によって得られた色素液の吸光度変化の一例を示す図である。
【図9】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】攪拌不良位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】変形例にかかる攪拌良否判定処理について説明するための図である。
【符号の説明】
【0068】
1 自動分析装置
11 検体容器搬送機構
13 検体分注機構
15(15−1,2) 試薬テーブル
17(17−1,2) 試薬分注機構
19 反応テーブル
23(23−1,2,3,4,5) 攪拌装置
231 送電体
231a RF電源
231b 駆動制御回路
233 配置決定部材
25 測定光学系
27 洗浄装置
40 制御部
41 色素液分析処理部
43 攪拌良否判定部
410 分析部
430 入力部
450 表示部
12 検体ラック
121 検体容器
151,151b 試薬容器
20 反応容器
203 表面弾性波素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内に液体を分注する分注手段と、前記反応容器に取り付けた音波発生手段を駆動し、該音波発生手段から音波を発生させて前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段と、前記反応容器に分析光を照射して前記反応容器内の液体の吸光度を取得する測定手段とを備え、前記反応容器内で異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置であって、
所定のタイミングで、前記分注手段によって前記反応容器内に温度に依存して吸光度が変化する色素液を分注し、前記攪拌手段によって前記反応容器内の色素液を攪拌し、前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の吸光度を取得する色素液分析手段と、
前記色素液分析手段によって取得した吸光度をもとに、前記攪拌手段による攪拌の良否を判定する攪拌良否判定手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記色素液分析手段は、前記攪拌手段による攪拌の後、前記測定手段による前記色素液の吸光度の取得を所定の回数行い、
前記攪拌良否判定手段は、前記色素液分析手段によって前記所定の回数取得した前記色素液の吸光度をもとに前記攪拌手段による前記色素液の攪拌直後の吸光度変化を検出し、該検出した吸光度変化をもとに前記攪拌手段による攪拌の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記攪拌良否判定手段は、前記色素液分析手段によって前記所定の回数取得した前記色素液の吸光度から平均吸光度を算出し、該平均吸光度と前記攪拌手段による前記色素液の攪拌直後の吸光度との差をもとに前記吸光度変化を検出することを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記分注手段によって前記反応容器内に前記色素液を分注し、前記攪拌手段による前記反応容器内の色素液の攪拌を行わずに前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の無攪拌時吸光度を取得する無攪拌時吸光度取得手段を備え、
前記攪拌良否判定手段は、前記色素液分析手段によって取得した前記色素液の吸光度と、前記無攪拌時吸光度取得手段によって取得した前記色素液の無攪拌時吸光度との差をもとに前記攪拌手段による攪拌の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記色素液は、フェノールレッドの緩衝溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
反応容器内に液体を分注する分注手段と、前記反応容器に取り付けた音波発生手段を駆動し、該音波発生手段から音波を発生させて前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段と、前記反応容器に分析光を照射して前記反応容器内の液体の吸光度を取得する測定手段とを備え、前記反応容器内で異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置の攪拌良否判定方法であって、
所定のタイミングで、前記分注手段によって前記反応容器内に温度に応じて変色する色素液を分注し、前記攪拌手段によって前記反応容器内の色素液を攪拌し、前記測定手段によって前記反応容器内の色素液の吸光度を取得する色素液分析ステップと、
前記色素液分析ステップで取得した吸光度をもとに、前記攪拌手段による攪拌の良否を判定する攪拌良否判定ステップと、
を含むことを特徴とする自動分析装置の攪拌良否判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−42048(P2009−42048A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206866(P2007−206866)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】