説明

自動呼発生の操作方法及びマルチ−ネットワークモバイル装置上のシステム決定

【課題】自動呼発生の操作方法及びマルチ−ネットワークモバイル装置上のシステム決定。
【解決手段】通信に関しシステム及び技術が開示されている。システム及び技術は、呼の発生リクエストを受信すること、発生リクエストの関数として、複数の無線ネットワークの各々に関し呼が許可されるかどうかを決定すること、複数のネットワークから選択されたネットワークで呼を発生すること、を含む。サーチャー又は他の読者が本開示の主題を速く把握するのを可能にする要約書を要求するルールに従うためにこの要約書は提供される、ということが強調される。それが特許請求の範囲又は意味を解釈し又は制限するために使用されないとの理解で提出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年9月25日に出願され、「マルチ−モード及びマルチ−SIM/U−SIM/R−UIMカードモバイル装置の自動呼出し発生操作の方法とシステム決定」(”Method of Handling Automatic Call Origination And System Determination of Multi-Mode and Multi-SIM/U-SIM/R-UIM Card Mobile Devices”)と題されたGuangming Shi他によるシリアル番号第60/506,342号の米国仮特許出願、2003年9月25日に出願され、「マルチ−モード及びマルチ−SIM/U−SIM/R−UIMカードモバイル装置の自動呼出し発生操作の代替方法とシステム決定」(”Alternative Method of Handling Automatic Call Origination And System Determination of Multi-Mode and Multi-SIM/U-SIM/R-UIM Card Mobile Devices”)と題されたGuangming Shi他によるシリアル番号第60/506,362号の米国仮特許出願、2003年9月26日に出願され、「マルチ−モード及びマルチ−SIM/U−SIM/R−UIMカードモバイル装置の自動呼出し発生操作の方法とシステム決定」(”Method of Handling Automatic Call Origination And System Determination of Multi-Mode and Multi-SIM/U-SIM/R-UIM Card Mobile Devices”)と題されたGuangming Shi他によるシリアル番号第60/506,224号の米国仮特許出願、の出願日の利益(benefit)に関係しておりこの利益を主張し、これら米国仮特許出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
(分野)
本開示は、マルチ−モードネットワーク環境における呼発生用のシステム及び技術(systems and techniques for originating calls)に関する。
【背景技術】
【0003】
無線サービスに対する需要は、絶えず増加する数の無線ネットワークの開発に至っている。そのようなネットワークの1つは、スペクトラム拡散技術を使う無線音声及びデータサービスをサポートするCDMA 1X(符号分割多元接続(Code-Division Multiple Access))システムである。欧州及びアジアにおいてデファクトスタンダード(de facto standard)になっている競合ネットワークはGSM(汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(Global System for Mobile communications))である。CDMA 1Xと異なり、GSMは、無線音声及びデータサービスをサポートするために狭帯域のTDMA(時分割多元接続(Time-Division Multiple Access))を使用する。長年にわたって発展してきた他のネットワークは、スペクトラム拡散技術をベースにした高速データサービス用のCDMA 1xEV−DO、e−メール及びウエブ閲覧アプリケーション(web browsing application)用に適するデータレートを備えた高速データサービスをサポートするGPRS(汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service))、及び、音声及びビデオアプリケーション用の広帯域の音声及びビデオアプリケーションを配信できるUMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(Universal Mobile Telecommunications System))を含む。
【0004】
一般に、一無線ネットワークと互換性がある通信装置は、他の無線ネットワークと互換性がない。これは、各ネットワークの、互換通信装置間通信のための夫々の固有のプロトコルの使用に、一部起因する。加えて、各無線ネットワークは、夫々の固有のサービスセットを有するかもしれない、例えば、CDMA 1X、GSM、及び、UMTSは、無線音声及びデータサービスの両方をサポートするが、一方、CDMA 1xEV−DOとGPRSとは、無線データサービスに限定されている。同じサービスをサポートする無線ネットワークでさえ、異なる動作パラメータのために、互いに互換性がない可能性がある。
【0005】
これらの本質的に異なるネットワークは、地理的地形全域にわたり、一連の無線サービスのアイランド(islands)を創設しており、各々は夫々の固有のプロトコル、サービス、データレートのセットを有する。従って、ユーザーが単純で且つ効率的な方法で異なる無線ネットワークと通信出来る方式(a methodology)に対し必要性がある。その特定の方式は、複数のネットワーク(the multiple networks)の内の任意の1つで呼を発生できる機能(an ability to originate a call)を提供できる必要がある。
【発明の開示】
【0006】
[要約]
【0007】
本発明の一面では、通信の方法は、呼の発生リクエスト(an origination request for a call)を受信することと、複数の通信ネットワークから通信ネットワーク(a network)を選択することと、前記発生リクエスト及び情報の関数として(as a function)前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されることを決定するために前記情報にアクセスすることと、前記選択された通信ネットワークで前記呼を発生すること(originating the call)と、を含む。
【0008】
本発明の別の面では、通信の方法は、呼の発生リクエストを受信することと、複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択することと、前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されないことを決定するために前記情報にアクセスすることと、前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で発生されないように防ぐことと、を含む。
【0009】
本発明の更に別の面では、コンピュータプログラムによって実行可能なインストラクションのプログラムを具現化するコンピュータ可読媒体(computer readable media)は、通信の方法を実施するようにコンフィギュレーションされることが出来(may be configured)、前記方法は、呼の発生リクエストを受信することと、複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択することと、前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されるかどうかを決定するために前記情報にアクセスすることと、前記呼が許可されることが決定される場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼を発生し、前記呼が許可されないことが決定される場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼が発生されないように防ぐことと、を含む。
【0010】
本発明の更なる面では、通信装置は、呼の発生リクエストを受信するようにコンフィギュレーションされた(configured)入力装置と、情報を保存するメモリ装置と、複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択し、前記情報にアクセスし、前記発生リクエスト及び前記情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されるかどうかを決定し、前記呼が許可されるとプロセッサが決定する場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼を発生し、前記呼が許可されないと前記プロセッサが決定する場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼が発生されないように防ぐ、ようにコンフィギュレーションされた前記プロセッサと、を含む。
【0011】
本発明のなお更なる面では、通信装置は、呼の発生リクエストを受信する手段と、複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択する手段と、前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されるかどうかを決定するために前記情報にアクセスする手段と、前記呼が許可されることが決定される場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼を発生する手段と、前記呼が許可されないことが決定される場合は前記呼を前記選択された通信ネットワーク上で阻止する手段と、を含む。
【0012】
本発明の他の実施例は、本発明の様々な実施例が例証として示され説明されている以下の詳細の説明から、当業者には容易に明らかになるであろうことが理解される。理解されるように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明は他の異なる実施例が可能であり、その幾つかの細部は様々な他の観点において修正が可能である。従って、図面及び詳細な説明は、制限するものとしてではなく、本質的に例示的なものとして見なされるべきである。
【0013】
[詳細な説明]
【0014】
本発明の面は、添付の図面において、限定のためではなく、例として説明されている。
【0015】
添付された図面と共に以下に記載される詳細な説明は、本発明の例示的な実施例の説明として意図されており、本発明が実施され得るのは実施例だけであることを示すことは意図されていない。この説明全体にわたって使用される用語「例示的な(exemplary)」は、「例(example)、実例(instance)、又は例証(illustration)として役目をしている」を意味しており、他の実施例よりも好ましい又は有利であるとして必ずしも解釈されるべきでない。詳細な記載は、本発明の完全な理解を提供する目的のために特定の細部を含んでいる。然しながら、これらの特定の細部なしに本発明が実施されることが出来ることは当業者には明らかであろう。ある例では、本発明の概念を分かりにくくすることを避けるために、よく知られている構成や装置はブロック図の形式で示されている。
【0016】
例示的な無線通信装置、例えば携帯電話又は同様な装置など、は様々な無線ネットワークと通信されることが出来る。これらのネットワークへのアクセスは、ユーザーにトランスペアレントな(transparent)方法で装置により管理され得る。更に具体的には,どのネットワークで呼が発生されるのか或いは呼を発生するためにどのように呼発生リクエストが処理されるのかをユーザーが知ることを必要とせずに、通信装置は、様々な無線装置ネットワークの各々で呼が入れられることが出来るかどうかを、又どんな形式かを指定できる。無線ネットワークが指定される方法は、装置毎に変わるかもしれず、当業者は、特定のアプリケーションに最も相応しい選択の基準を容易に決定できるであろう。
【0017】
通信装置の一実施例においては、ユーザーによる呼発生リクエスト又はブラウザのようなアプリケーションによる呼発生リクエストに基づき、呼が様々な無線ネットワーク上で許可されるかどうかを決定するために、アルゴリズム又は同様な方式が使用されることが出来る。呼発生リクエストの自動フォーマッティング(the automatic formatting)及び互換性ある無線ネットワークの選択がそのときされることが出来る。特定のネットワーク上で呼が許可されるかどうかの決定は、ユーザーのプリファレンスの関数(as a function of user preference)としてされることが出来る。プリファレンスは、呼を行う前にユーザーによって、例えば、装置の通信カード(card or cards)にプログラミングすることによって、通信装置にプログラムされることが出来る。或いは、ユーザープリファレンスは、工場での製造によって、又は、キャリア(the carriers)、電話サービス、又は販売前に販売店によって、設定されることが出来る。実際のところ、様々な無線ネットワークへのアクセスを管理するために任意のアルゴリズムが実施されることが出来るであろう。この概念は、任意の衛星又は地球上のアプリケーションを含む他の無線技術に拡張出来る。
【0018】
無線通信装置におけるネットワークアクセスは、ソフトウェアベースのプロセッサシステムで、又は本技術分野で知られている任意の他のコンフィギュレーションで、管理されることが出来る。ソフトウェアベースのプロセッサシステム用の例示的なハードウェアコンフィギュレーションが、図1に示されている。プロセッサシステムは、不揮発性メモリ104と共にコアとしてマイクロプロセッサ102を有する。不揮発性メモリは、通信装置所上に常駐するメモリを、又は通信装置に挿入されることが出来る通信カード上のメモリを備えることが出来る。マイクロプロセッサ102は、(1)不揮発装置104の中にプログラムされることが出来るユーザーのプリファレンス、(2)様々なネットワーク上で呼が許可されるかどうかを示す他の情報、及び(3)それらのネットワークとユーザーによって発生されるような呼とのプロトコル互換性、に基づき、様々なネットワーク上で、他のものの中で、呼発生を管理するソフトウェアプログラムを走らせるためのプラットフォーム(platform)を提供できる。
【0019】
デジタルシグナルプロセッサ(DSP)108は、マイクロプロセッサ102上の処理需要を削減するために特定用途向けアルゴリズムを走らす具現化された通信ソフトウェア層で実施されることが出来る。例えば、呼発生の期間、DSP108は、キーパッド106からのテキストメッセージがアナログフロントエンド(an analog front end)112を通して離れたエンドユーザー(a far end user)に伝送される前に、キーパッド106からのテキストメッセージの符号化及び変調を提供するために使用されることが出来る。DSP108は又、ディスプレィ110への提供の前に、アナログフロントエンド112を通して受信された離れたエンドユーザーからのテキストメッセージの復号化及び復調を提供する。ソフトウェア層は又、DSPハードウェアをマイクロプロセッサ102にインタフェースし、ローレベルのサービス、例えば、より高いレベルのソフトウェアプログラムが走るのを可能にするリソースの割り当てなど、を提供できる。
【0020】
例示的なプロセッサシステムは、ユーザーエントリ及び編集機能をサポートできる。そそのような機能は、例えば、ユーザープリファレンスを通信装置又はメモリカード(memory card(s))にプログラムするために使用されることが出来る。ユーザーインタフェースは、十分にメニュー方式にされることが出来(can be fully menu driven)、又は、任意の他の様式で実施されることが出来る。メニュー方式ユーザーインタフェース(the menu driven user interface)においては、画面上のオプションは、通信装置をプログラミングするためにメインメニューの形式で、ディスプレィ10に提供されることが出来る。メインメニューから、ユーザーは、様々なキーパッド操作を通してユーザーネットワークプレファレンスをプログラミングするために画面上のオプションを選択できる。一度この画面上のオプションがユーザーによって選択されると、マイクロプロセッサ102は、不揮発性メモリ104からネットワークリストを検索し、サブメニュー形式でリストをディスプレィ114に提供する。
【0021】
サブメニューは、通信装置によってサポートされる全ネットワークのリストを含めることが出来、又は、データサービスから分離して音声サービス用のネットワークのリストを表示できるサブメニューメニュー形式が、呼が特定のネットワーク上で許可されるかどうかを決定するための、例示的なタイプの情報と共に、図2に示される。「固定ダイヤルリスト」(”fixed dialing list”)は、例示的な通信装置によって又は通信装置内のカードによって許可される、全ての電話番号を備える。この例では、各電話番号は、ユーザーが電話をかけたい時にユーザーによる容易な識別及び選択を可能にする、ユーザー定義のコードによって表さられる。このように、自宅202、事務所204、医者206、学校208、及び緊急210、によって表さられる電話番号は、図示された例では許可される。然しながら、電話番号の任意の組み合わせは、ユーザープリファレンスに応じて許可される。ユーザーが、特定のネットワークで許可されない番号を含む「ブロックリスト」(a “block list”)をプログラムできることも又可能である。その場合、もしユーザーがブロックリストに位置する番号をダイヤルすれば、通信装置はその電話を拒否する。通信装置は、多重の(multiple)通信カードを含むことが出来、それによって、多重の、異なる固定のダイヤル(dialing)、ブロック、又は、他のそのような許可方式のリスト(permission-driven lists)によって制約される、ということが理解される。任意の一通信装置は、多重のカードのため、ダイヤルされた電話番号がそのカードの固定ダイヤルリスト上に表される第一ネットワーク上で呼を発生することが許可されるが、ダイヤルされた電話番号がそのカードのブロックリスト上に表される第二ネットワーク上では該同じ呼を発生することが禁止される、ということが更に理解される。このように、通信装置によって受信された、どのダイヤルストリング入力(any dialing string input)に対しても、各カードは、その能力が呼を許可するかどうかテストされなければならない。
【0022】
例示的なマイクロプロセッサ多層ソフトウェアアーキテクチャが図3に示されている。ソフトウェアアーキテクチャは、マイクロプロセッサプラットフォーム上で走るユーザーインタフェース302、呼マネジャ304、及びプロトコル層を含む。DSP108及びアナログフロントエンド112は完全のために示されているが、これ以上は説明されない。或いは、各ソフトウェア層は、別のプロセッサ又は任意の組み合わせのプロセッサ上で実行されることが出来る。プロセッサは、通信装置の内部にあることがあるし、又は、1以上のプロセッサが、例えば通信装置に接続されるラップトップコンピュータのように、外部装置に置かれることもあるであろう。当業者が理解するように、実施の細部は、特定の通信アプリケーション及び全体的な設計上の制限に依存し変わるかもしれない。
【0023】
ユーザーインタフェース302は、ユーザーと通信装置との間の相互作用に構成を提供する。ユーザーネットワークプレフェランスのプログラミングの間、ユーザーインタフェース302は、不揮発性メモリ104中に保存されたデータから、ディスプレィに提供されるメニュー及びサブメニューを生成するために使用されることが出来る。ユーザーインタフェース302は又、メニュー及びサブメニューに応じ、不揮発性メモリ104内でユーザー常用ネットワーク(user preferred networks)を削除すること、追加すること、及び再整理すること、に責任を持つ。
【0024】
ユーザーインタフェース302は、ソフトウェアプログラム又はプログラムのセットであってもよく、呼マネジャ304の上の層に位置する。ソフトウェアプログラムは、例えば、電話帳、SAT(SIMアプリケーションツールキット)、SAT CC(SAT呼制御)、SMS、ブラウザ。e−メール、又は任意の他のソフトウェアプログラム、のようなアプリケーションであり得る。ユーザーが呼を発生する、或いは呼を開始するアプリケーションを起動する時、ユーザーインタフェース302は、例えば、サービスパラメータ及びダイヤルストリング入力情報を含む、キーパッドエントリからの呼のパラメータを決定する。サービスパラメータは、典型的には、他のものの中で、リクエストされたサービスのタイプを含む。例えば、リクエストされたサービスは、音声呼び出し(a voice cal)、データコール(a data call)、又はキャリア(the carrier)によって提供される任意の他のサービスであり得る。ダイヤルストリング入力情報は、典型的には、通信装置のキーパッド上の電話番号をダイヤルしたユーザーによりエンターされた番号を表すデータを含む。ユーザーインタフェース302は又、他のサービスパラメータ、例えば、呼をサポートするために必要とされるサービスの質など、も含む。例えば、もしユーザーがビデオアプリケーションを始めるとき、ユーザーインタフェース202は、呼が64kbits/s又はより速いデータレートを必要とすることを決定することが出来る。
【0025】
呼マネジャ304は、ユーザーにトランスペアレントな方法で様々なネットワークへのアクセスを管理するように使用されることが出来る。ユーザーの呼発生リクエストから導き出されるパラメータに基づき、呼マネジャ304は、呼が様々なネットワークの夫々で許可されるかどうかを決定する。呼マネジャ304は又、他のネットワーク選択パラメータ、例えば、通信装置によってサポートされる全てのネットワークのサービス互換性など、も決定してよい。そのあと、呼が許可されるかどうかの決定は、呼と互換性があると最初に決定されたネットワークのみに対しされることが出来る。例えば、もし通信装置がCDMA 1X、CDMA 1xEV−DO、GSM、GPRS、及びUMTSのネットワークをサポートし、リクエストされたサービスがビデオアプリケーションである場合は、呼マネジャ304は、CDMA 1xEV−DOとUMTSのネットワークのみこのアプリケーションをサポートできると決定できる。その場合には、呼マネジャ304は、呼がこれらの2つの互換性あるネットワークだけに許可されるのかどうかに関する調査を限定するであろう。選択アルゴリズムで管理される特定のネットワーク上で呼が許可されるかどうかを決定するために使用される基準(criteria)、これは、更に詳細に、図5を参照して、下記に説明される。
【0026】
図4は、呼マネジャの動作を示すフローチャートである。パワーが通信装置に最初に加えられる時、呼マネジャは、ステップ402において、不揮発性メモリ中に保存されたユーザー常用ネットワークに登録することを試みることが出来る。一旦登録されると、呼マネジャは、ステップ404において、ユーザーインタフェースを通してのユーザーからの呼発生リクエストを承認する(accepts)。呼発生リクエストは、様々なパラメータ、例えば、サービスパラメータ(例、ユーザーによってリクエストされたサービスのタイプ、及び、呼をサポートするために必要とされるサービスの質)、ダイヤルストリング入力情報など、を含む。ステップ406において、呼マネジャは、呼発生リクエストとサービス互換性のある通信装置によってサポートされるネットワークを識別出来る。或いは、呼が許可される(allowed)かどうかの決定(下記で説明される)は、それがサービス互換性があるのであろうとなかろうと、各ネットワークに対しされることが出来るように、このステップは省略されてもよい。
【0027】
ステップ408において、呼マネジャは、呼発生リクエストで識別された呼が現在登録されているネットワーク上で許可されるかどうかを決定する。この決定は、識別アルゴリズムの出力の関数として(as a function of the output)なされ、この詳細は図5を参照して下記で説明される。もし識別アルゴリズム出力が、呼が登録されたネットワーク上で許可されること、を示す場合は、呼マネジャは、ステップ410において、そのネットワーク上で呼を発生することを試みる。もし登録されたネットワークが、呼が許可されるネットワークの中にない場合は、又は、もし登録されたネットワークに対するサービスが失われている(is lost)場合は、そのとき、呼マネジャは、ステップ412において、再登録のために、他の「許可された」ネットワークの内の1つを選択する。その場合には、呼マネジャは、何れかの他のネットワークが識別アルゴリズム出力によって「許可された」として識別されたのかどうかを先ず決定し、もしそうであれば、それらのネットワークの何れかがサービス互換性のある中にあるのかどうかを決定する。一旦、代替のネットワークが選択されると、ステップ414において、呼マネジャは、通信装置の登録を現在のネットワークから取り消し、新たに選択されたネットワークに登録することを試みる。もし呼マネジャが通信装置を新たに選択されたネットワークに登録することに失敗する場合は、呼マネジャは、ステップ412におけるサービス互換性のあるネットワークの中から登録用に別のネットワークを選択する。最終的に、呼マネジャは、ステップ416において、登録されたネットワーク上で呼を発生することを試みる。
【0028】
図5は、その出力が上記で説明された呼マネジャによって利用される、例示的な識別アルゴリズムを示すフローチャートである。通信装置が互換性を持つネットワークの内のどれが、ダイヤルされた呼をサポートするために通信装置によって許可されるのか、を識別するための方法を識別アルゴリズムは実施する。識別アルゴリズムは又、呼が異なるネットワーク上で発生されることが出来るように、呼発生リクエストをフォーマットする(formatting)ための手続きを実施する。通信装置は、特定のネットワーク又はネットワーク群に適応される通信カードの手段によって、ある特定のネットワーク上で動作することが出来る。通信装置は又、多重ネットワーク又はネットワーク群上でそれが動作することを可能にするような多重カードを持つことが出来る。例えば、通信装置は、それがGSM及びGPRSネットワーク上で動作することを可能にするSIM(加入者識別モジュール)カード、それがCDMAネットワーク或いはハイブリッドCDMA/GSMネットワーク上で動作することを可能にするR−UIM(取り外し可能ユーザー識別モジュール)カード、及び。それがUMTSネットワーク上で動作することを可能にするUSIM(UTMS SIM)カード、の両方を同時にサポートできる。勿論、本発明は何れかの特別のタイプのカード又はカード組み合わせに限定されず、しかし任意の複数の現存する又は後で開発される無線装置ネットワーク上で動作するように適合され得る通信カードに適用できる、ということは理解されるべきである。
【0029】
ユーザーの呼発生リクエストが受信される時(図4中のブロック404で示されるように)、図5中で示される識別アルゴリズムは、ブロック500で入力としてユーザーがダイヤルするストリング(the user’s dialing string)を承認する。ブロック502で、アルゴリズムは、ダイヤルストリング入力(the dialing string input)が緊急電話番号(an emergency number)を示しているかどうかを検討する。例えば、米国のある地域では、デジットシーケンス「911」は緊急電話番号を示す。もしリクエストが緊急呼(an emergency call)のためである場合は、呼マネジャは、ブロック504で、全ての利用可能なネットワークに対し「許可された」マークを呼につけ、呼が任意の利用可能且つサービス互換性があるネットワーク上で発生されることが出来ることを示す。サービス互換性があるネットワークは、通信装置内の通信カードと互換性があるものである。アルゴリズムは、緊急呼の場合には残りの通常のステップをスキップでき、呼マネジャに現在登録されているネットワーク上で緊急呼を発生するように指示し、呼が成功裏にかけられるまで任意の利用可能なネットワーク上で呼発生を試みることを続けることが出来る。他方では、もし、呼発生リクエストが緊急電話番号を備えていないとブロック502で決定される場合は、そのときブロック506で、アルゴリズムは、複数の通信カードから1つのカードを選択し、選択されたカードと互換性があるネットワーク上で呼が拒否される又はかけられることが出来るように、呼発生リクエストをテスト及びフォーマットするため次に進む。
【0030】
ブロック508で、選択されたカードに対し呼リクエストが許可されるかどうかが決定される。例えば、もし、呼発生リクエストと共に受信されたダイヤルストリング入力が、ユーザーが通信カードにプログラムした固定ダイヤルリスト中に含まれる場合は、呼は許可されることが出来る。そのような状況は、例えば、親が子供に無線通信装置を提供し、子供が特定の電話番号をダイヤルするのを許可するだけのために通信カードをプログラムする時に発生し得る。これは、通信装置が、それらの番号をダイヤルする目的のためのみに動作させる効果を有する。勿論、そのような許可ダイヤルリストが作成される他の状況がある。このように、ブロック508では、情報、例えば、固定ダイヤルリスト、ブロックされた呼リスト、又は他のユーザー定義の情報など、が、ダイヤルストリング入力を該情報と比較しそして呼が許可されるかどうかを決定する目的のために、アクセスされる。ブロック508で、例えば、ダイヤルストリングが固定ダイヤルリストに含まれる番号を表わさないので、或いは、ブロックされた呼リストに含まれる番号を表すので、呼は許可されないと決定される場合は、このあとブロック510で、呼は、選択されたカードと互換性のあるネットワークに対して「許可されない」とマークされる。ブロック512では、通信装置内の他の通信カードと互換性がある更なるネットワークが呼をサポートするのに利用できるのかどうかが調べられる。出来ないのであれば、呼は、ブロック514で拒否され、呼は決して発生されない。そうでなければ、アルゴリズムはブロック506に戻り、ここでは、次のカード及びその互換性あるネットワークが、呼をサポートするための利用可能性をテストするために、選択される。そのような状況は、通信装置が2つの別々の通信カードを含み、各々はそれ自体の固定ダイヤルリストを有し、ダイヤルストリング入力によって表わされる電話番号がリストの内の一方に現れるが他方には現れない時に、発生し得る。その場合では、呼は、一方のカードでアクセスできるネットワークに対しては、「許可されない」であろうが、他方のカードでアクセスされるネットワーク上では許可されるかもしれない。
【0031】
ブロック506に戻り、呼リクエストが第一選択カードに対し許可されると判断される場合には、アルゴリズムはブロック516で、ダイヤルストリングが新しい番号に変更されなければならない (must be converted)のかどうかをチェックする。例えば、もし、ブロック500で受信されたダイヤルストリング入力が、よく使われる電話番号を表わすためユーザーによって通信カードにプログラムされたプリセットコマンドを表わす場合は、それは、実際の電話番号を表わす新しいダイヤルストリングに変更されなければならない。又は、長距離電話として入れられるためにそれが適切なデジットを含むようにそれは変更されることが必要かもしれない。もし、何らかの理由のために、ダイヤルストリングが変更されなければならないと決定される場合、そのあとそれはブロック517で新しいダイヤルストリングに変更され、ブロック518で、新しいダイヤルストリングはそれが緊急番号であるかどうかを決定するためにチェックされる。もしそうならば、選択されたモードに対しそれが「許可された新しい緊急番号」であることを示すために、呼はブロック520でマークされる。これは、ダイヤルストリングが緊急番号用のユーザー定義コードを表わす場合に、発生し得る。そのユーザー定義の緊急コードは、そのあと、実際の緊急番号に変更されなければならない、そしてこの番号は、緊急番号としてブロック518で認識されるであろう。そうでなければ、呼は、選択されたカードに対しそれが「許可された新しいノーマル番号」であることを示すために、ブロック522でマークされる。ここで、「ノーマル」は、呼が緊急呼でないことを示している。
【0032】
ブロック516に戻って、もし、その代わりに、ダイヤルストリング入力が新しい番号に変更されることが必要でないと決定される場合は、そのあとブロック524で、アルゴリズムは、ダイヤルストリング入力がSS(補助的サービスリクエスト(Supplementary Service request))或いはUSSD(非構造化SSデータリクエスト(Unstructured SS Data request))であるかどうかを調べる。例えば、ダイヤルストリング内のある情報は、選択されたネットワークに関連するキャリア(a carrier)に、サービスリクエストがダイヤルされていることを示すかもしれない。その場合には、ダイヤルストリングはSS又はUSSDリクエストコードに変換され(converted)、その呼は、それが選択されたネットワークに対し「許可されたSS/USSD」であることを示すためにブロック526でマークされる。そうでなければ、その呼は、それが選択されたカードに互換性あるネットワークに対し「許可されたオリジナル番号("allowed original number")」であることを示すためにブロック528でマークされる。
【0033】
上記に説明された例示的な識別アルゴリズムにおいて、着信呼リクエストは、ブロック504、514、520、522、526、及び528で示されるように、選択されたカード上でそれが許可されたかどうかを且つどの形式によるかを示す、少なくとも6つの異なるマーキング(markings)の内の1つという結果になる。更に、通信装置が多重通信カードを備える場合は、呼リクエストは、ブロック504、514、520、522、526、及び528で示される状態を表わすマーキングの内の2以上の任意の組み合わせでマークされることが出来る。識別アルゴリズム入力が、ダイヤルストリング入力を含んだ、少なくとも1データフィールドを備えるが、一方、出力は、2以上のデータフィールドを備えることが出来る。一出力データフィールドはダイヤルストリングを含んでおり、これは、ダイヤルストリング入力と同一であるかもしれないし、或いは、アルゴリズムの動作ステップの結果として変更されるかもしれない。第二データフィールドは、ブロック504、514、520、522、526、及び528で示される状態を表わすマーキング状態(the marking conditions)を示すための1以上のビットを含むことが出来る。ビットは、識別アルゴリズムの決定に従い適切にセットされることが出来る。第三データフィールドは、呼をマーキングするための、第二データフィールドと同じ数のビットを含むことが出来、2つのフィールド間の相違は、ビットがセットされるのがカード用かネットワーク用かである。例えば、3−フィールド選択アルゴリズム出力は、第一フィールドにダイヤルストリングを、第二フィールドに、第一ネットワーク用のマーキング状態の1つを示すようにセットされた一組のビット(a set of bits)を、又、第二フィールドに、第二ネットワーク用のマーキング状態の1つを示すようにセットされた一組のビットを含むことが出来る。更に、余分のフィールド(extra fields)が、代替ダイヤルストリング(alternate dialing strings)を含むように使用されることが出来、それは、異なる通信カードの各々に対するアルゴリズム出力において相違し得る。或いは、選択アルゴリズムは、各ネットワークに1つの別々の出力を2以上生成できる。その場合、各出力は2データフィールドを備えることが出来、1つはダイヤルストリング用(オリジナルか変更されたかどうか)で、1つはマーキング状態用である。勿論、当業者は、他の変形が可能であることを、そして、何れの特定のネットワーク、通信カード、モバイル装置、又はそれらの組み合わせに対しても、呼発生リクエストは、そのネットワーク上で発生される能力を示すために沢山の異なるマーキングの何れかを要求することが出来ることを、認識されるであろう。
【0034】
ダイヤルストリング入力が選択されたネットワークに対し、承認された、又は変更された、及び/又は、マークされた後に、アルゴリズムは、ブロック530で、呼を処理するために他のネットワークが利用可能であるかどうかをチェックする。もしそうでれば、アルゴリズムは、次のネットワークが選択されるブロック506に戻る。新たに選択されたネットワークに対し、前に説明されたのと同じ手続きがこのあと続き、そして、この処理は、通信装置が互換性を持つ利用可能な各ネットワークに対し呼が適切にマークされるまで続く。一旦、各ネットワーク又はカードが検討されると、ブロック530で、これ以上のネットワークは利用できないことが決定されるであろう。ブロック531では、何れかの呼が緊急呼としてマークされているかどうかを検討する。例えば、ブロック520でマークされた呼は、新しいダイヤルストリングが緊急呼を示すようにそのダイヤルストリングが変更されたものである。もし、ブロック531で、緊急呼があると決定される場合は、そのあと呼は、ブロック533で、全てのネットワーク上で許可されたとしてマークされる。
【0035】
ブロック532では、上記で説明されたようなアルゴリズムの各繰り返しに対し生成される様々なマーキングが検討される。アルゴリズムは、呼がマーキングの関数として(as a function of the marking)生成されるべき適切なネットワークを選択する。例えば、もし、呼が、第一ネットワークに対し許可されるとマークされ、且つ、第二ネットワークに対し許可されるとマークされる場合は、アルゴリズムは、呼マネジャに、第一又は第二ネットワークの何れか現在登録されている方で呼を発生するように指示することが出来る。別の例として、もし、呼が第一ネットワーク上で許可され且つ第二ネットワーク上で拒否されるとマークされるが、第二ネットワークが現在アクティブ(active)である場合は、アルゴリズムは、呼マネジャに、第二ネットワークの接続を切り、第一ネットワークを再登録し、そして、次にアクティブな(now-active)第一ネットワーク上で呼を発生するように指示することが出来る。或いは、もし呼が緊急としてマークされている場合は、それは全てのネットワーク上で許可され、従って、現在登録されているネットワーク上で発生される。
【0036】
勿論、ネットワークがブロック532でどのように選択されることが出来るかに関し、更なる例も又、ブロック520、522、528、526、504、及び530で生成されていたかもしれない様々なマーキングの検討を含み、可能である。例えば、ダイヤル入力ストリング(the dialing input string)が緊急番号を備える時、アルゴリズムは、ブロック532で、呼マネジャに現在のアクティブネットワーク上で呼を発生することを試みるように指示することが出来る。もし、発生の試みが、例えばネットワークキャリア、通信装置製造者、又は何らかの他のソースによってセットされ得る一定の時間後に失敗する場合は、アルゴリズムは、呼マネジャに、現在のネットワークをアクティブネットワークとして維持し、呼発生リクエストを繰り返すように指示出来る、或いは、呼マネジャに、現在のネットワークから接続を切り、新しいアクティブネットワークに切り替え、新アクティブネットワーク上で呼を発生することを試みるように指示出来る。呼マネジャは、互換性を持つネットワーク上で緊急呼が成功裏に生成されるまで、状況又はこれらの状況の任意の組み合わせのいずれかを繰り返すことが出来る。
【0037】
第二のあり得るケースでは、ダイヤル入力ストリングが、第一通信カードに対しては新しい緊急番号に変更されるかもしれないし、第二通信カードに対しては新しいノーマル番号に変更されるか又はオリジナルのノーマル番号として維持されるかもしれない。この場合は、アルゴリズムは、呼マネジャに、第一通信カードと互換性のあるネットワーク上で緊急呼を発生するように指示する。もし、それが現在アクティブなネットワークである場合は、呼は直ちに発生されることが出来る。そうでなければ、呼マネジャは、アクティブネットワークから接続を切り、第一呼と互換性があるネットワークを登録し、そのあと、次にアクティブなネットワーク上で、緊急呼を発生することを試みることが出来る。上記に説明されたように、緊急呼は、各々が所定時間後に時間切れとなる(time out)かもしれない一連の発生試みを経由して発生されることが出来る。或いは、もし、緊急呼を発生しようとする試みが失敗する場合は、それがアルゴリズムによって変更されてしまっているであろうとなかろうと、或いは、オリジナルのダイヤルストリング入力として維持されているであろうとなかろうと、呼マネジャは、他のネットワークに切り替え、ノーマル番号を使って呼を発生するように試みるかもしれない。どのネットワークが使用されようとも、又、ダイヤルストリングがノーマルであろうと或いは緊急ダイヤルストリングであろうと、呼発生は通信装置のユーザーにトランスペアレントにされることが出来る。例えば、ユーザーインタフェースは、「緊急呼」として何れのネットワーク上にも呼発生を表示出来る。呼の終わりで、呼マネジャは、システム選択プリファレンスに従って、アクティブネットワーク上に留まるか、又は、通信装置の他のカードに互換性がある別のネットワークに切り替えることが出来る。そのようなプリファレンスは、ユーザーによって、又は、通信装置製造者によってなされるデフォルト設定(default setting)によって、或いは、何らかの他の方法によって決定されることが出来る。
【0038】
別のケースでは、アルゴリズムは、ダイヤルストリング入力に、第一通信カードに対して、新しい緊急番号に変更されるようにし、又、第二通信カードに対して、SS又はUSSDに変更されるか拒否されるようにすることが出来る。この場合、上記で説明されたように、アルゴリズムは、呼マネジャに、第一通信カードと互換性のあるネットワーク上で緊急番号を発生させることが出来る。或いは、呼マネジャは、第一通信カードに互換性があるネットワーク上に緊急呼を発生することの試みと、第二通信カードに互換性があるネットワーク上にSS又はSSDを発生することの試みと、の間を交互に繰り返すことが出来る。
【0039】
更に別のケースでは、ダイヤルストリング入力は、アルゴリズムによって、通信装置中の2つの異なるカードの各々に対し、新しい緊急番号に変更されることが出来る。この場合、アルゴリズムは、呼マネジャに、現在アクティブのどのネットワーク上でも、緊急呼を発生することを試みるように指示出来る。もし呼発生試みが失敗する場合は、呼マネジャは、呼を発生することを再度試みるか他の通信カードに互換性があるネットワークに切り替えるかの何れかを行うことが出来、そして、次に登録されるネットワーク上で他の緊急番号を使って呼を発生することを試みることが出来る。引き続き起こる発生試みは、同じネットワーク上で連続であろうが、多重ネットワーク間で交互であろうが、或いは、それらの何らかの組み合わせであろうが、緊急呼が成功裏に発生されるまで続くことが出来る。呼の最後で、呼マネジャは、システム選択プリファレンスに従い、元々からアクティブなネットワーク(the originally active network)の登録又は再登録を保証する(insure)ことが出来、或いは、現在アクティブなネットワークを維持できる。
【0040】
同様なケースにおいて、ダイヤルストリング入力は、2つの通信カードの各々に対しノーマル番号であるかもしれないし、又、アルゴリズムによっても不変(unchanged)かもしれない。上記ケースとして、番号が両方のカードに対し緊急番号であった場合は、呼マネジャは、現在アクティブなネットワーク上で呼を発生することを試みることが出来、その後に続く何れの発生試みも、同じネットワーク上か、或いは互換性のあるネットワーク間で交互に繰り返すことによるか、の何れかで行うことが出来る。呼が終了された後、呼マネジャは、システム選択プリファレンスに従って、通信装置に、何れのネットワークも登録されるようにさせる。
【0041】
更に別のあり得るケースにおいては、ダイヤルストリング入力は、第一通信カード上で拒否されるかもしれないが、第二カード上では承認されるか或いは新しいノーマル番号、SS又はUSSDに変更されるかもしれない。そのような場合、呼マネジャは、第二カードに互換性のあるネットワーク上で、そのネットワークが現在アクティブであるであろうが、或いは最初に登録されなければならないであろうが、SS又はUSSDを発生することを試みることが出来る。呼マネジャは、システム選択プリファレンスに従って、SS又はUSSD呼が入れられるまで(until the SS or USSD call is placed)、発生試みを繰り返し、そのあと、どのネットワーク(either of the networks)にも呼の終了後に登録されるようにする。
【0042】
更に別の可能性では、ダイヤルストリング入力が両方の通信カードに対しアルゴリズムによって拒否されるかもしれない。この場合、呼は単純に拒否され、何れのネットワークに対しても発生試みはされない。
【0043】
勿論、通信装置が互換性を持つ可能性がある複数のネットワーク(例、多重通信カード)、及び複数の可能性のあるマーキングについては、例示的なものは上記で説明されたが、何れの受信される呼リクエストに対しても、マーキングの多数の変形及び組み合わせが可能である、ということが理解されるべきである。上記で説明された例示的なシナリオは2つの通信カード及び2つのネットワークを伴ったが、一方、本発明の概念は、任意の別の数の通信カードを収容し任意の数の通信ネットワークと互換性がある通信装置に適用できる、ということも又理解されるべきである。例示的アルゴリズムは、緊急呼を何れかの利用可能なネットワーク上に直ちに入れるように、又は、許可された呼を最初に入れるために現在アクティブなネットワークを選択するように、普通進むことができるが、任意の順番のネットワーク選択が実施され得る。そのような実施は、様々な基準の関数(a function of various criteria)、例えば、効率性、ユーザープリファレンス、及びそのような類など、であり得る。どっちのネットワークが呼を処理するために最終的に選択されようが、ブロック534で(又、図4中のブロック410で示されるように)、呼は選択されたネットワーク上で発生される。
【0044】
ここで開示された実施例に関連して説明された、種々の説明のための論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、又は他のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はここで説明された機能を達成するように設計されたこれらの任意の組み合わせで実施或いは実行されることが出来る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよい、しかし別の方法では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械でもよい。プロセッサは又、計算装置の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用された1以上のマイクロプロセッサ、又は他のそのようなコンフィグレーション(configuration)として実施されることが出来る。
【0045】
ここで開示された実施例と関連して説明された方法又はアルゴリズムは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、又は、上記2つの組み合わせで実施されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能なディスク、CD−ROM、又は本技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体、に常駐できる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、又、に情報を書き込むことが出来るように、プロセッサに結合される。別の方法では、記憶媒体はプロセッサと一体となっていてもよい。プロセッサと記憶媒体はASICに常駐してもよい。ASICはユーザー端末に常駐してもよい。別の方法では、プロセッサと記憶媒体は、ユーザー端末中のディスクリート部品として常駐してもよい。
【0046】
開示された実施例の以上の説明は、どんな当業者も本発明を作り又は使用できるように提供されている。これら実施例の様々な変形は当業者には容易に明らかであり、ここに定義された包括的な原理は、本発明の精神或いは範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることが出来る。従って、本発明は、ここで示された実施例に限定されるように意図されてはおらず、ここに開示された原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、マルチ−モード無線通信装置において動作するソフトウェアベースのプロセッサシステムをサポートする例示的なハードウェアコンフィギュレーションの機能ブロック図を示す。
【図2】図2は、サブメニュー選択スクリーンを提供するディスプレィを備えた例示的な通信装置の上面図である。
【図3】図3は、図1のソフトウェアベースのプロセッサシステムのための例示的な多層ソフトウェアアーキテクチャの機能ブロック図である。
【図4】図4は、図3の多層ソフトウェアアーキテクチャ内で動作する例示的な呼マネジャの機能を示すフローチャートである。
【図5】図5は、例示的な呼マネジャによって実施される例示的な識別アルゴリズムを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼の発生リクエストを受信することと、
複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択することと、
前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されることを決定するために前記情報にアクセスすることと、
前記選択された通信ネットワークで前記呼を発生することと、
を備える、通信方法。
【請求項2】
前記情報の少なくとも一部分は、SIMカードとR−UINカードとUSIMカードの内の少なくとも1つからアクセスされる、前記請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記呼発生リクエストは、前記呼が緊急呼であることの表示を備える、前記請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記呼が前記の複数の通信ネットワークの各々で許可されることを示すこと、を更に備える前記請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記呼発生リクエストはダイヤルストリング入力を備える前記請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記呼を発生する前に前記のダイヤルストリングを変更することを、更に備える前記請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記のダイヤルストリングを変更することは、前記のダイヤルストリングを新しいダイヤルストリングに取り替えることを備える、前記請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記のダイヤルストリングを変更することは、前記のダイヤルストリングをサービスリクエストコードに取り替えることを備える、前記請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記呼は前記選択された通信ネットワーク上で許可されることを示すこと、を更に備える前記請求項1記載の方法。
【請求項10】
呼の発生リクエストを受信することと、
複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択することと、
前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されないことを決定するために前記情報にアクセスすることと、
前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で発生されないように防ぐことと、
を備える、通信方法。
【請求項11】
前記情報の少なくとも一部分は、SIMカードとR−UINカードとUSIMカードの内の少なくとも1つからアクセスされる、前記請求項10記載の方法。
【請求項12】
通信の方法を実施するコンピュータプログラムによって実行可能なインストラクションのプログラムを具現化するコンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
呼の発生リクエストを受信することと、
複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択することと、
前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されるかどうかを決定するために前記情報にアクセスすることと、
前記呼が許可されることが決定される場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼を発生し、前記呼が許可されないことが決定される場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼が発生されないように防ぐことと、
を備える、コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記情報の少なくとも一部分は、SIMカードとR−UINカードとUSIMカードの内の少なくとも1つからアクセスされる、前記請求項12記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記呼発生リクエストは、前記呼が緊急呼であることの表示を備える、前記請求項12記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記呼が前記の複数の通信ネットワークの各々で許可されることを示すことを、前記方法が更に備える前記請求項14記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記呼発生リクエストはダイヤルストリング入力を備える前記請求項12記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記呼を発生する前に前記のダイヤルストリングを変更することを、前記方法が更に備える前記請求項16記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記のダイヤルストリングを変更することは、前記のダイヤルストリングを新しいダイヤルストリングに取り替えることを備える、前記請求項17記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記のダイヤルストリングを変更することは、前記のダイヤルストリングをサービスリクエストコードに取り替えることを備える、前記請求項17記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記呼は前記選択された通信ネットワーク上で許可されることを示すことを、前記方法が更に備える前記請求項12記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
呼の発生リクエストを受信するようにコンフィギュレーションされた入力装置と、
情報を保存するメモリ装置と、
複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択し、前記情報にアクセスし、前記発生リクエスト及び前記情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されるかどうかを決定し、前記呼が許可されるとプロセッサが決定する場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼を発生し、前記呼が許可されないと前記プロセッサが決定する場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼が発生されないように防ぐ、ようにコンフィギュレーションされた前記プロセッサと、
を備える通信装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、SIMカードとR−UINカードとUSIMカードの内の少なくとも1つを備え、前記カードの内の前記の少なくとも1つは、前記プロセッサによってアクセスされる情報の少なくとも一部分を有する、前記請求項21記載の通信装置。
【請求項23】
前記呼発生リクエストは、前記呼が緊急呼であることの表示を備える、前記請求項21記載の通信装置。
【請求項24】
前記プロセッサは更に、前記呼が前記の複数の通信ネットワークの各々で許可されることを示すように、コンフィギュレーションされている前記請求項23記載の通信装置。
【請求項25】
前記呼発生リクエストは、ダイヤルストリング入力を備える前記請求項21記載の通信装置。
【請求項26】
前記プロセッサは更に、前記呼を発生する前に前記のダイヤルストリングを変更するように、コンフィギュレーションされている前記請求項25記載の通信装置。
【請求項27】
前記プロセッサは更に、前記のダイヤルストリングを新しいダイヤルストリングに取り替えることによって、前記のダイヤルストリングを変更するように、コンフィギュレーションされている前記請求項26記載の通信装置。
【請求項28】
前記プロセッサは更に、前記のダイヤルストリングをサービスリクエストコードに取り替えることによって、前記のダイヤルストリングを変更するように、コンフィギュレーションされている前記請求項26記載の通信装置。
【請求項29】
呼の発生リクエストを受信する手段と、
複数の通信ネットワークから通信ネットワークを選択する手段と、
前記発生リクエスト及び情報の関数として前記呼が前記選択された通信ネットワーク上で許可されるかどうかを決定するために前記情報にアクセスする手段と、
前記呼が許可されることが決定される場合は前記選択された通信ネットワーク上で前記呼を発生する手段と、
前記呼が許可されないことが決定される場合は前記呼を前記選択された通信ネットワーク上で阻止する手段と、
を備える、通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516642(P2007−516642A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528056(P2006−528056)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/030104
【国際公開番号】WO2005/034566
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】