自己免疫疾患、免疫−アレルギー疾患及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において使用する新規な化合物
本発明は、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び移植後の臓器又は組織拒絶反応の治療のための化合物、製薬組成物及び方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、自己免疫疾患、免疫-アレルギー疾患及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において有用な新規な化合物に関する。
(背景技術)
免疫系の疾病は、そのような疾病が人類に対して有する潜在的に悲惨な作用故に、多大な脅威をもたらしている。免疫系に関連する1つの群の疾病は、免疫-アレルギー疾患である。免疫-アレルギー疾患は、主要な懸念要因であり、そのような疾病の治療において有効である強力な化合物を開発するために多くの研究がなされている。アレルギーは、特定の抗原(アレルゲン)への暴露によって誘発される過敏状態であり、引続く暴露時に有害な免疫反応をもたらす。免疫-アレルギー疾患の1つの例は、アレルギー性鼻炎(花粉症)である。アレルギー性鼻炎は、アメリカ人の5人に1人に影響を与える一般的な免疫-アレルギー症状である。米国においては、10億ドル超がこの症状を治療するのに毎年費やされている。くしゃみ、鼻詰まり、及び眼への刺激は、幾つかのアレルギー性鼻炎の症状である。免疫-アレルギー疾患のもう1つの例は、気管支ぜんそく(肺気道(気管支)壁を取巻く筋肉のけいれん(気管支けいれんに由来する呼吸問題)である。アレルギー性ぜんそくは、最も一般的なタイプのぜんそくであり、典型的には小児において最初に発症する。
免疫-アレルギー疾患のもう1つの例は、乾癬(鱗屑化と炎症に特徴を有する慢性皮膚病)であり、該疾病は、米国人口の1.5〜2%、即ち、ほぼ5百万人に影響を与えている。乾癬は、全年齢群において発症し、男女間でおよそ同率である。乾癬を有する人々は、不快感、関節部運動の制限、及び精神的苦痛を被り得る。
もう1つのタイプの免疫-アレルギー疾患は、腸の慢性炎症性疾病であるクローン病である。クローン病は、主として小腸と大腸内に潰瘍を発症させるが、口から肛門までのどの消化系にも影響を与え得る。該疾病は、男女間で等頻度で見出され、通常、10代又は20代早期の若年層患者に影響を与える。該疾病は、一旦発症すると、寛解と疾病悪化の周期を有する慢性の再発性症状となる傾向を有する。
【0002】
免疫系に関連する第3群の疾病は、自己免疫疾患である。自己免疫疾患は、身体組織がそれ自体の免疫系によって攻撃されるときに発症する病気である。免疫系は、通常身体の侵入物、とりわけ感染を捜し出し破壊するように設計された身体内の複雑な機構である。これらの疾病を示す患者は、これら患者自身の身体組織をターゲットとする異常抗体を血液中に有する。自己免疫疾患の1つの例は、全身性エリテマトーデスである、狼瘡は、自己免疫疾患によって生ずる慢性炎症症状であり、皮膚、心臓、肺、腎臓、関節部及び神経系の疾病を引起こす。内部器官に関連するとき、その症状は、全身性エリテマトーデスと称される。もう1つのタイプの自己免疫疾患は、自己免疫性甲状腺炎であり、甲状腺の自己免疫疾患である。もう1つのタイプの自己免疫疾患は、関節リウマチであり、関節部、関節部周辺の組織並びに身体内の他の器官の慢性炎症を引起こす。
自己免疫系のもう1つの例は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)である。EAEは、中枢神経系の炎症症状であり、多発性硬化症と等価のネズミである。
免疫系に関連する第4群の症状は、移植後の臓器又は組織拒絶反応である。臓器又は組織拒絶反応は、移植を受けている患者において発症する主要な併発症である。例えば、同種骨髄移植後の患者において発症する主要併発症である慢性移植片対宿主疾病(cGvHD)は、免疫応答T細胞が介在する自己免疫様過程の結果であると信じられている。慢性GvHDは、多くの場合、強皮性線維(sclerodermoid-fibrotic)皮膚病変を発症させる(例えば、Chosidow et al., Sclerodermatous chronic graft-versus-host disease. analysis of seven cases. J Am Acad Dermatol 26、49-53, 1992参照)。移植後の臓器又は組織拒絶反応の他の例としては、皮膚移植片拒絶反応及び心臓移植片拒絶反応がある。
自己免疫疾患及び免疫-アレルギー疾患は、社会に多大な問題を課している。移植後の臓器又は組織拒絶反応は、医療における組織及び臓器移植の使用及び応用を大幅に制約するもう1つの問題を提起している。
【0003】
(発明の概要)
本発明は、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び移植後の臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理において有用な新規な化合物に関する。
本発明は、下記の式Iの構造で示される化合物を提供する。
【化1】
式中、点線は、一重又は二重結合を示す。
1つの実施態様においては、R1及びR2は、同一又は異なるものであり、そして、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化2】
で示される基を示し、R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、R5は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、そして、A-Bは、下記の式、
【化3】
で示される基である。
種々の実施態様においては、Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、そして、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。
mは、0又は1の整数であり、nは、0〜50の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式Iの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
【0004】
1つの実施態様においては、R1は、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又は-CH(OR4)CH3である。もう1つの実施態様においては、R1は、下記である。
【化4】
(式中、R5は、H又はOHである)。
もう1つの実施態様においては、R1は、フェニルである。もう1つの実施態様においては、R1は、下記である。
【化5】
1つの実施態様においては、R2は、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又は-H(OR4)CH3である。もう1つの実施態様においては、R2は、下記である。
【化6】
(式中、R5は、H又はOHである)。
もう1つの実施態様においては、R2は、フェニルである。もう1つの実施態様においては、R2は、下記である。
【化7】
もう1つの局面においては、本発明は、下記の式IIの構造で示される化合物を提供する。
【化8】
式中、点線は、一重又は二重結合を示し、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)である。
種々の実施態様においては、Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。mは、0又は1の整数であり、そして、nは、0〜50の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式IIの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
1つの実施態様においては、Xは、-CH2Oである。
1つの実施態様においては、mは0である。もう1つの実施態様においては、mは1である。
【0005】
さらに、本発明は、下記の式IIIの構造で示される化合物も提供する。
【化9】
式中、点線は、一重又は二重結合を示し、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、nは、0〜50の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式IIIの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
1つの実施態様においては、Zは、-CH(CH3)CH2Oである。
さらに、本発明は、下記の式IVの構造で示される化合物も提供する。
【化10】
式中、点線は、一重又は二重結合を示し、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、nは、0〜50の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式IVの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
1つの実施態様においては、R5は、Hである。もう1つの実施態様においては、R5は、OHである。
1つの実施態様においては、R5'は、Hである。もう1つの実施態様においては、R5'は、OHである。
1つの実施態様においては、nは、1〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、10〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、17である。
【0006】
さらに、本発明は、下記の式Aの化合物も提供する。
【化11】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Bの化合物も提供する。
【化12】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Cの化合物も提供する。
【化13】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0007】
さらに、本発明は、下記の式Dの化合物も提供する。
【化14】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Eの化合物も提供する。
【化15】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Fの化合物も提供する。
【化16】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0008】
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む組成物も提供する。もう1つの実施態様においては、活性成分としての式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を、1種以上の製薬上許容し得る賦形剤なたはアジュバントと一緒に含む製薬組成物も提供する。
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物及び/又は式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法も提供する。1つの実施態様においては、上記免疫-アレルギー疾患は、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である。
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物及び/又は式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法も提供する。1つの実施態様においては、上記自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である。
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物及び/又は式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法も提供する。1つの実施態様においては、上記臓器又は組織移植拒絶反応は、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である。
【0009】
特に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術における通常の熟練者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本明細書において説明するのと同様な又は等価の方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用し得るけれども、適切な方法及び材料については、以下で説明する。本明細書において引用する全ての刊行物、特許出願、特許及びその他の文献は、参考としてその全体を本明細書に合体させる。矛盾する場合は、各定義を含む本明細書によって統制されるであろう。さらに、材料、方法及び実施例は、例示のみであって、限定を意図するものではない。
上記の説明は、以下の詳細な説明を理解し得且つ本発明の当該技術に対する貢献をより一層良好に認識できるように、本発明のより重要な特徴をかなり広範囲に説明している。本発明の他の目的及び特徴は、添付図面に関連して考慮する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、各図面は、単に例示目的で設計されており、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきであり、本発明の範囲については、特許請求の範囲を参照すべきである。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において有用な新規な化合物及び製薬組成物を提供する。さらに、本発明は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造で示される1種以上の化合物を投与することを特徴とする、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法も提供する。
1つの実施態様においては、本発明は、下記の式Iの構造で示される化合物及びその塩又は水和物を提供する。
【化17】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化18】
で示される基を示し、
R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、
R5は、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
A-Bは、下記の式、
【化19】
で示される基であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0011】
もう1つの実施態様においては、本発明は、下記の式IIの構造で示される化合物及びその塩又は水和物をさらに提供する。
【化20】
(式中、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、下記の式IIIの構造で示される化合物及びその塩又は水和物を提供する。
【化21】
(式中、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0012】
本発明は、下記の式IVの構造で示される化合物及びその塩又は水和物を提供する。
【化22】
(式中、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
本明細書において意図するとき、“アルキル”基は、直鎖、枝分れ鎖及び環状アルキル基のような飽和脂肪族炭化水素を称する。1つの実施態様においては、上記アルキル基は、1〜4個の炭素を有する。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、メチル基である。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、エチル基である。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、プロピル基である。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、ブチル基である。上記アルキル基は、置換されてなくても、或いはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオ及びチオアルキルから選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい。
【0013】
1つの実施態様においては、R1及びR2は、本発明の化合物において同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化23】
で示される基を示す。
1つの実施態様においては、R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである。
1つの実施態様においては、A-Bは、下記の各式で示される基である。
【化24】
1つの実施態様においては、Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。
1つの実施態様においては、mは、0又は1の整数である。
1つの実施態様においては、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。
1つの実施態様においては、nは、1〜50の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、10〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、17である。種々の他の実施態様においては、nは、7、12又は34である。他の実施態様においては、nは、1〜100の整数、1〜200の整数、1〜500の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
1つの実施態様においては、R5は、H、OH又はOR6である。
1つの実施態様においては、R5'は、H、OH又はOR6である。
1つの実施態様においては、R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである。
【0014】
上記の化合物を得るための合成の方法論は、下記の実施例の章において詳細に開示している。しかしながら、本発明の化合物は任意の実施可能な合成方法によって調製し得ること並びに実験の詳細の項で説明する合成に全く限定されないことは、当業者に対して明白にすべきことである。これらの化合物の各種合成方法は、当業者にとって公知である。本発明の化合物は、化学法則によって可能であるように、さらに修飾し得る。そのような修飾としては、種々の置換基の付加(例えば、ヒドロキシル化、カルボキシル化、メチル化等)、光学異性体の生成、酸-又は塩基-付加塩の生成等がある。他の修飾としては、ポリアルキレングリコールポリマーの付加がある。
本発明の化合物は、ポリアルキレングリコール(PAG)接合体として合成し得る。接合に使用する典型的なポリマー類としては、ポリ(エチレンオキサイド) (PEO)としても知られるポリ(エチレングリコール) (PEG)及びポリプロピレングリコール(ポリイソプロピレングリコールを含む)がある。これらの接合体は、多くの場合、溶解性及び安定性を増強させるため、さらには分子の血液循環半減期を長引かせるために使用する。
その最も一般的な形においては、PEGのようなポリアルキレングリコール(PAG)は、ヒドロキシル基によって各末端で終端した線状ポリマーである。
HO-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-OH
上記ポリマー、即ち、アルファ-,オメガ-ジヒドロキシルポリ(エチレングリコール)は、HO-PEG-OHとしても示すことができ、その場合、記号-PEG-は、下記の構造単位を表すものと理解されたい。
-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-
式中、nは、典型的には、約4〜約10,000の範囲である。PEGは、一端が相対的に不活性のメトキシ基であり他端が容易に化学修飾を受けるヒドロキシル基であるメトキシ-PEG-OH又はmPEGとして一般に使用する。さらに、化学論において密接に関連する種々のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)のランダム又はブロックコポリマーも、多くの用途においてPEGに置換わり得る。
【0015】
PAG類は、水及び多くの有機溶媒中での溶解特性を典型的に有し、毒性がなく、さらに免疫原性のないポリマー類である。PAG類の1つの用途は、該ポリマーを不溶性分子に共有結合させて得られるPAG分子“接合体”を可溶性にすることである。例えば、水不溶性薬物パクリタキセルは、PEGに結合させたとき、水溶性となることが証明されている。Greenwald, et al., J. Org. Chem., 60、331-336 (1995)。
本発明のポリアルキル化化合物は、1〜500個のモノマー単位を典型的に含有する。本発明の他のPAG化合物は、1〜200個のモノマー単位を含有する。本発明のさらに他のPAG化合物は、1〜100個のモノマー単位を含有する。例えば、該ポリマーは、1、10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100個のモノマー単位を含有し得る。本発明の幾つかの化合物は、5〜75個又は1〜50個のモノマー単位を含むポリマーを含有する。例えば、該ポリマーは、2、3、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75個のモノマー単位を含有し得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。該ポリマーは、線状又は枝分れであり得る。
PAG成分の付加によって修飾されている化合物は、種々の数のモノマー単位を有するポリマー類の混合物を含み得るものと理解すべきである。典型的には、PAG修飾化合物(例えば、PAG接合体)の合成は、接合体中のポリマー毎に多数のモノマー単位のポアソン分布を有する分子の集団を生成させるであろう。即ち、N = 7のモノマー単位のポリマーを有するものと説明される化合物は、集団がN = 7のモノマー単位を有するものと説明される実際のポリマー類のみならず分布のピークが7である分子集団も称する。与えられた集団におけるモノマー単位の分布は、例えば、核磁気共鳴(NMR)により或いは質量分析(MS)によって測定し得る。
【0016】
本出願全体を通して、以下で説明するように、また当業者に既知の適切な教科書(例えば、Principles in Biochemistry, Lehninger (ed.), page 99-100, Worth Publishers, Inc. (1982) New York, NY、Organic Chemistry, Morrison and Boyd, 3rd Edition, Chap. 4, Allyn and Bacon, Inc., Boston, MA (1978)参照)におけるようにして、通常の専門用語を使用して異性体類を表示する。
本発明のある種の化合物は、とりわけ幾何又は立体異性体形で存在し得る。本発明は、シス-及びトランス-異性体、R-及びS-鏡像体、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物を含むそのような化合物全てを、本発明の範囲内に属させることを意図する。更なる不斉炭素原子もアルキル基のような置換基中に存在し得る。そのような異性体類並びにそれらの混合物は、全て本発明に包含されるものとする。
4個の異なる置換基を含有する炭素原子は、キラル中心と称する。キラル中心は、2つの異なる異性体形において生じ得る。これらの形状は、1つの例外、即ち、これらの形状が平面偏光の回転を起し得る方向を除いて、全て化学的及び物理的性質において同一である。これらの化合物は、“光学的に活性”であると称する、即ち、これらの化合物は、平面偏光を1つの方向又は他の方向に回転させ得る。
炭素に結合した4個の異なる置換基は、空間的に2つの異なる配置を占め得る。これらの配置は、互いの重ね合せ可能な鏡像ではなく、光学異性体、鏡像異性体又は立体異性体と称する。ある化合物の1つの立体異性体の溶液は、平面偏光を左の方に回転させ、左旋性異性体と称し[(-)で表示]、その化合物の他の立体異性体は、平面偏光を同じ程度に回転させるが右方向であり、右旋性異性体と称する[(+)で表示]。
【0017】
RSシステムは、化合物が2個以上のキラル中心を含有するときのあいまいさを回避するために考案された。一般に、該システムは、不斉炭素原子の周りの4個の異なる置換原子を順位付けして、最小又は最低順位基が観察者から直接離れて向かうときに原子番号を低下させるか又はバランス密度(valance density)を低下させるように設計されている。種々の順位付けが当該技術において周知であり、Lehningerの99頁に記載されている。低下する順位が時計回りとして観察された場合は、キラル中心周りの配置は、Rと称し、低下する順位が反時計回りである場合、その配置は、Sと称する。従って、各キラル中心は、このシステムを使用して命名する。
例えば、本発明の化合物の特定の鏡像異性体を望む場合、該鏡像異性体は、不斉合成により又はキラル補助基による誘導によって調製し、得られるジアステレオマー混合物を分離し、補助基を開裂して純粋な所望鏡像異性体を得ることができる。また、分子がアミノのような塩基性官能基又はカルボキシルのような酸性官能基を含有する場合、ジアステレオマー塩を適切な光学活性酸又は塩基によって調製し、次いで、このようにして調製したジアステレオマーを当該技術において周知の分別晶出又はクロマトグラフィー手段によって分解し、その後、純粋鏡像異性体を回収する。
【0018】
本発明の組成物及び製薬組成物は、1種以上の本発明の化合物を純粋形又は部分純粋形で含む。同様に、本発明の方法も1種以上の化合物を使用することを含み、その化合物は、純粋形又は部分純粋形である。
1つの実施態様においては、本発明の組成物は、少なくとも1種の本発明の化合物、即ち、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される少なくとも2種の化合物の混合物を含む。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される少なくとも5種の化合物の混合物を含む。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される少なくとも10種の化合物の混合物を含む。
今回、驚くべきことに、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物が、極めて広範囲の免疫-アレルギー疾患及び症状に対し有効であるを見出した。免疫-アレルギー疾患は、免疫系のアレルギー関連疾病である。本発明の化合物が活性である免疫-アレルギー疾患の非限定的な例は、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である。
即ち、1つの実施態様においては、本発明は、ヒト並びに動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法を提供する。1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を投与することを含む。もう1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを含む。
【0019】
今回、さらに驚くべきことに、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物が、極めて広範囲の自己免疫疾患及び症状に対し有効であるを見出した。自己免疫疾患は、身体組織がそれ自体の免疫系によって誤って攻撃されるときに発症する疾病である。免疫系は、身体の侵入物、とりわけ感染を“捜し出し破壊する”ように通常設計されている細胞及び抗体の複雑な機構である。これらの疾患を有する患者は、患者自身の身体組織をターゲットとする血中抗体を有し、これらの抗体は炎症に関連し得る。本発明の化合物が活性である自己免疫疾患の非限定的な例は、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である。
即ち、1つの実施態様においては、本発明は、ヒト並びに動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法を提供する。1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を投与することを含む。もう1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを含む。
今回、さらに驚くべきことに、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物が、臓器又は組織移植拒絶反応に対し有効であるを見出した。1つの実施態様においては、臓器又は組織移植拒絶反応は、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である。
即ち、1つの実施態様においては、本発明は、ヒト並びに動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法を提供する。1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を投与することを含む。もう1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを含む。
【0020】
投与方法は、当業者にとって周知である。投与方法としては、限定するものではないが、非経口、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、鼻内、皮下、腹腔内、脳室内又は直腸内がある。投与方法及び手段は、当業者にとって公知である。例えば、米国特許第5,693,622号、第5,589,466号、第5,580,859号、第5,566,064号、これらの米国特許は、参考としてその全体を本明細書に引用する。
さらに、本発明は、活性成分としての本発明の1種以上の化合物を1種以上の製薬上許容し得る賦形剤と一緒に含む製薬組成物も提供する。本明細書において使用するとき、“製薬組成物”とは、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において有用な、適切な賦形剤及び/又は担体と一緒の治療上有効量の1種以上の本発明の化合物を意味する。本明細書において使用するときの“治療上有効量”とは、所定の条件及び投与療法において治療効果を有する量を称する。そのような組成物は、上述した方法の任意の1つによって投与し得る。
本発明の更なる局面は、本発明の他の化合物と併用した本発明の1つの化合物を含む。また、本発明の化合物は、抗炎症剤、免疫抑制剤、又は抗ウイルス剤等と併用して投与し得る。さらにまた、本発明の化合物は、上述したようなアルキル化剤、抗代謝剤、分裂抑制剤又は細胞毒性抗生剤のような化学療法剤と併用して投与し得る。一般に、そのような併用での使用においては上記既知の治療剤の現在利用し得る投与量剤形が適し得るであろう。
【0021】
“併用療法”(即ち、“同時療法”)は、本発明の化合物と特定の治療方法の1部としての少なくとも第2の薬剤とのこれら治療剤の共作用に由来する有益な効果を得ることを意図する投与を含む。併用の有益な効果としては、限定するものではないが、複数の治療剤の併用に由来する薬物動態学及び薬力学的共作用がある。これら治療薬の併用投与は、定めた時間(通常、選択した組合せに依存する分数、時間数、日数又は週数)に亘って典型的に実施する。“併用療法”は、一般的ではないが、付随的に又は裁量的に本発明の併用をもたらす個々の単一療法の1部として2種以上のこれら治療剤の投与を含ませることも意図し得る。
“併用療法”は、これらの治療剤の順次的な、即ち、各治療剤を異なる時間で投与する方法での投与、並びに実質的に同時の形でのこれら治療剤又は少なくとも2種の治療剤の投与を採用することも意図する。実質的に同時の投与は、例えば、対象者に、一定比の各治療剤を含む単一カプセルを又は各治療剤を含む単一カプセルを複数で投与することによって達成し得る。
各治療剤の順次的又は実質的に同時の投与は、限定するものではないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路及び粘膜組織による直接吸収のような任意の適切な経路によって実施し得る。各治療剤は、同じ経路又は異なる経路によって投与し得る。例えば、選択した組合せの第1の治療剤を静脈内注射により投与し、組合せの他の治療剤を経口投与することができる。また、例えば、全ての治療剤を経口投与してもよく、或いは全ての治療剤を静脈内注射によって投与してもよい。各治療剤を投与する順序は、狭義に臨界的ではない。
【0022】
また、“併用療法”は、上述したような各治療剤の他の生物学的活性成分及び非薬物療法(例えば、手術又は放射線治療)との更なる併用での投与も使用し得る。併用治療が非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療剤と非薬物治療の併用の共作用からの有益な効果が達成される限りの任意の適切な時点で実施し得る。例えば、適切な場合には、有益な効果は、非薬物治療が治療剤の投与から一時的に、おそらくは数日又は数週間切り離されたときでさえも達成される。
本発明の化合物及び他の薬理活性剤は、患者に同時に、順次的に又は併用して投与し得る。本発明の併用を使用する場合、本発明の化合物と他の薬理活性剤は、同じ製薬上許容し得る担体中に存在し、従って、同時に投与し得る。本発明の化合物と他の治療剤は、同時に服用する通常の経口投与量剤形のような別々の製薬用担体中に存在し得る。用語“併用”とは、各化合物を別々の投与量剤形において調製し順次的に投与する場合もさらに称する。
本発明の組成物及び併用治療は、本明細書において説明したような安定剤、担体及び/又はカプセル化用配合物を含む種々の製薬用賦形剤と組合せて投与し得る。
【0023】
1つの実施態様においては、本発明の組成物は、無コーティング錠剤、コーティング錠剤、ピル剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、分散液又は懸濁液のような経口又は非経口投与量剤形として調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、静脈内投与用に調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の化合物は、経皮投与用の軟膏、クリーム又はゲル形で調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の化合物は、鼻内投与用のエアゾール又はスプレー剤として調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、液体投与量剤形で調製する。適切な液体投与量剤形の例としては、水、製薬上許容し得る油脂類、アルコール類又はエステル類のような他の有機溶媒類中の溶液又は懸濁液、エマルジョン、シロップ又はエリキシル剤、溶液及び/又は懸濁液がある。
適切な賦形剤及び担体は固形物又は液体であり得、そのタイプは、一般に、使用する投与のタイプに基づき選定する。リポソーム類も上記組成物を伝達させるのに使用し得る。適切な固形担体の例としては、ラクトース、サクロース、ゼラチン及び寒天がある。経口投与量剤形は、適切な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、風味料、流動誘発剤、及び溶融剤を含有し得る。液体投与量剤形は、例えば、適切な溶媒、防腐剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味化剤、増粘剤及び溶融剤を含有し得る。また、非経口及び静注用剤形は、これらの剤形を選択する注入又は伝達システムのタイプに適合可能にするミネラル類及び他の物質も含むべきである。
本発明を以下の実施例の章においてさらに具体的に説明する。この章は、本発明の理解を助けるための説明であって特許請求の範囲に示すような本発明を如何なる形でも限定するものではなく、またそのように解釈してはならない。
【0024】
実施例
実施例1
化合物の合成
本発明の化合物を、以下で説明するようにして合成し特性決定した。
AV 23
【化25】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて黄色固形物を得、これに、0.9gr (4mM)のフェニルアラニンエチルエステルHCl、30mlのジクロロメタン及び1mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて淡黄色粘稠油状物を得、これを摩砕しエタノールで再結晶化して0.25gr (18%)の白色固形物(mp、213)を得た。
NMR CDCl3、7.30〜6.9 (9H、m)、4.20 (2H、q、J=7.0 Hz)、3.30 (1H、m)、3.10 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.90 (2H、m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)、1.35 (3H、t、J=7.0 Hz)。
MS、341 (M+、10%)、277 (15)、194 (20)、165 (M-フェネチルエステル、100%)、149 (65) m/e。
AV 24
【化26】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、0.5gr (4.1mM)のフェネチルアミン、30mlのジクロロメタン及び0.6mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.3grの白色固形物(28%、mp、165)を得た。
NMR アセトン d6、7.35〜6.75 (9H、m)、3.40 (2H、q、J=7.1 Hz)、2.90 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.75 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.42(2H、t、J=7.1 Hz)。フェネチルアミン-NMR アセトン d6、7.2 (5H、m)、2.96 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.75 (2H、t、J=7.2 Hz)。
MS、269 (M+、100%)、178 (M-ベンジル) m/e。
【0025】
AV 26
【化27】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、0.5gr (4.1mM)のヒスチジンアミン、30mlのジクロロメタン及び0.5mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.15grの白色固形物(15%、mp、245)を得た。
NMR アセトン d6、7.35-(6H、m)、3.42 (2H、q、J=7.1 Hz)、2.93 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.73 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.45 (2H、t、J=7.1 Hz)。
MS、259 ( M+,17%)、239 (25)、213 (18)、194 (100%)、185 (37) m/e。
AV 27
【化28】
3.2grのDLフェニルアラニン、20mlのエチレングリコール及び7mlの塩化チオニルを2時間還流させた。上記のように処理して1.3grの油状物を得、これをAV 28の合成において使用した。
NMR アセトン d6、7.35-(5H、m)、4.50、3.27、2.90 (3H、12線 ABX)、4.32 (2H、t、J=7.0 Hz)、3.76 (2H、t、J=7.0 Hz)。
AV 28
【化29】
30mlのシクロヘキサン中の1gr (6mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と5mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の1.2grのAV 27と1mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.18grの白色固形物(8%、mp、224)を得た。
NMR アセトン d6、7.35〜6.8 (9H、m)、3.73〜2.50 (12H、m)。
【0026】
AV 29
【化30】
30mlのシクロヘキサン中の0.22gr (1.3mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と2mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.2gr (1.4mM)のトリプトアミンと0.3mlのトリエチルアミンを添加した。室温で1.5時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.11grの白色固形物(27%、mp、136)を得た。
NMR アセトン d6、7.36 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.0 (8H、m)、3.48 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.05 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.88 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.52 (2H、t、J=7.1 Hz)。
AV 30
【化31】
30mlのシクロヘキサン中の0.22gr (1.3mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と2mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、0.2gr (1.5mM)のチラミン、30mlのジクロロメタン及び0.3mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して85mgの白色固形物(23%)を得た。
NMR アセトン d6、7.36 (4H、ABq、J=8.8 Hz)、7.20 (4H、Abq、J=8.6 Hz)、3.48 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.05 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.88 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.52 (2H、t、J=7.1 Hz)。
【0027】
AV 32
【化32】
A) 40mlのメタノール中の0.8grの4-ヒドロキシ桂皮酸と10滴のHClを12時間還流させた。上記のように処理して、0.6grの油状物を得た(収率68%)。
NMR CDCl3、7.02、6.75 (4H、Abq、J=8.6 Hz)、3.66 (3H、s)、2.86 (2H、t、J=7.4 Hz)、2.60 (2H、t、J=7.4 Hz)。
B) 0.6gr (3.3mM)の工程Aからのエステルと0.26gr (4.2mM)のエタノールアミンを開放容器内で100で3時間加熱した。クロマトグラフィーにより、0.3grの回収エステル、次いでアミドを得た。この粘稠油状物をアセトン-塩化メチレンで摩砕し、濾過して160mgの白色固形物を得た(収率23%、mp、102)。
NMR アセトン d6、8.10 (1H、s、OH)、7.03、6.74 (4H、Abq、J=8.8 Hz)、3.90 (1H、t、J=5.2 Hz、NH)、3.54 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.28 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.80 (2H、t、J=8.2 Hz)、2.41 (2H、t、J=8.2 Hz)。
AV 33
【化33】
30mlのジクロロメタン中の0.9gr (6mM)のヒドロ桂皮酸と0.6gr (6当量)のトリホスゲン、及び1.5mlのトリエチルアミンを室温で10分間攪拌し、0.7grのフェネチルアミンを添加した。室温で2時間後に、処理(HCl)を行って粘稠油状物を得、これをヘキサン-塩化メチレンで再結晶化して166mgの白色固形物を得た(11%、mp、91)。
NMR アセトン d6、7.35 (10H、m)、3.40 (2H、q、J=7.2 Hz)、2.90 (2H、t、J=7.4 Hz)、2.74 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.46 (2H、t、J=7.4 Hz)。
AV 34
【化34】
同じ量であるが、フェネチルアミンの代りにチラミンを使用してAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びベンゼン-ヘキサンによる摩砕によって、220mgの白色固形物を得た(14%、mp、98)。
NMR アセトン d6、7.25 (5H、m)、6.96、6.75 (4H、Abq、J=8.4 Hz)、3.43 (2H、q、J=6.8 Hz)、2.94 (2H、t、J=7.6 Hz)、2.65 (2H、t、J=6.8 Hz)、2.42 (2H、t、J=7.6 Hz)。
【0028】
AV 35
【化35】
インドールプロピオン酸とトリプトアミンから、3mMでAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びエタノールによる摩砕によって162mgの白色固形物を得た(16%、mp、142)。
NMR アセトン d6、7.57 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.36 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.0 (8H、m)、3.48 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.05 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.88 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.52 (2H,t,J=7.1 Hz)。
AV 38
【化36】
インドールプロピオン酸とフェネチルアミンから、2mMでAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びエタノールによる摩砕によって220mgの白色粘稠油状固形物を得た(37%)。
NMR アセトン d6、7.57 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.25〜6.97 (9H、m)、3.44 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.10 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.66 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.51 (2H、t、J=7.1 Hz)。
AV 43
【化37】
30mlのジクロロメタン中の0.9gr (6mM)のヒドロ桂皮酸と0.6gr (6当量)のトリホスゲン、及び1mlのトリエチルアミンを室温で10分間攪拌し、0.6grのエタノールアミンを添加した。室温で2時間後に、処理(HCl)を行って粘稠油状物を得、これをヘキサンで再結晶化して124mgの白色固形物を得た(11%、mp、91)。
NMR アセトン d6、7.30 (5H、m)、3.63 (2H、t、J=5.2 Hz)、3.36 (2H、q、J=5.2 Hz)、2.97 (2H、t、J=7.3 Hz)、2.50 (2H、t、J=7.3 Hz)。
【0029】
AV 45
【化38】
6mMのインドールプロピオン酸、AV 27から、AV 28同様であるがトリホスゲン法により調製した。クロマトグラフィーにより、0.35grの粘稠油状物を得た(収率13%)。
NMR CDCl3、7.95 (1H(br.s)、7.57 (2H、d、J=8.0 Hz)、7.36〜6.90 (9H、m)、4.36 (2H、t、J=7.1 Hz)、4.17 (2H、q、J=7.0 Hz)、3.5〜2.8 (7H、m)。
AV 46
【化39】
0.65gr (3.9mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸、15mlのエチレングリコール及び5mlの塩化チオニルを3時間還流させた。処理して0.5gr (61%)の油状物を得た。
NMR アセトン d6、7.02、6.76 (4H、ABq、J=8.6 Hz)、4.28 (2H、t、J=7.1 Hz)、3.63 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.85、2.63 (4H、m)。
AV 48
【化40】
インドールプロピオン酸とチラミンから、3mMでAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びエタノール-ヘキサンによる摩砕によって120mgの桃白色固形物を得た(13%)。
NMR アセトン d6、7.57 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.25〜6.97 (8H、m)、3.44 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.10 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.66 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.51 (2H、t、J=7.1 Hz)。
AV 49
【化41】
20mlのメタノール中の0.7gr (5mM)のヒドロ桂皮酸アルデヒドと0.7gr (5mM)のチラミンに、0.4grのNaBH4を添加し、反応を1時間還流させた。処理して0.7grの粘稠油状物を得た(収率55%)。
NMR アセトン d6、7.35 (5H、m)、7.15、6.85 (4H、ABq、J=8.6 Hz)、2.85 (2H、t、J=6.7 Hz)、2.70 (6H、m)、1.80 (2H、quin.、J=7.2 Hz)。
【0030】
実施例2
ポリアルキレングリコール化合物の合成
ポリアルキレン化合物を、適切なアルコール化合物(例えば、実施例1に記載した化合物の1つ、又はそのヒドロキシル化誘導体)を調製し、次いで、該アルコールを所望の長さのポリアルキレングリコール(PAG)ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG))と接合させることによって一般的に合成した。
化合物1、フェニルアラニノール
1.2gr (32mM)のLiAlH4を50mlの乾燥エーテル中の2.3gr (10mM)のフェニルアラニンエチルエステルHClに添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加し、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。蒸発させた後、0.8grの化合物1である淡黄色油状物を得た。
【化42】
化合物1は、放置中に結晶化した。mp、70.
NMR CDCl3、7.30 (5H、m)、3.64 (1H、dd、J=10.5、3.8 Hz)、3.40 (1H、dd、J=10.5、7.2 Hz)、3.12 (1H、m)、2.81 (1H、dd、J=13.2、5.2 Hz)、2.52 (1H、dd、J=13.2、8.6 Hz)。
NMR アセトン d6、7.30 (5H、m)、3.76 (1H、dt)、3.60 (1H、m)、3.30 (1H、t)、2.85 (2H、m)。
Helv. Chim. Acta, 31, 1617 (1948). Biels. E3, Vol. 13, p 1757。
化合物2、チロシノール
【化43】
50mlの乾燥エーテル中の3gr (12mM)のL-チロシンエチルエステルHClに、1.2gr (32mM)のLiAlH4を添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加し、反応を酢酸エチルで抽出した。蒸発させて、1.1grの淡黄色油状物(収率54%)を得、これは放置中に結晶化した。mp、85。
NMR CDCl3、7.20 (4H、AB q、J=8.6 Hz)、 3.50 (2H、m)、3.20 (1H、m)、2.81 (2H、m)。
NMR チロシンエチルエステル遊離塩基 CDCl3、7.0、6.56 (4H、AB q、J=8.8 Hz)、4.20 (2H、q、J=7.0 Hz)、3.70、3.0、2.80 (3H、12線、ABXm)、1.28 (3H、t、J=7.0 Hz)。
JACS, 71, 305 (1949). Biels. E3, Vol. 13, p 2263。
【0031】
化合物3、トリプトファノール
【化44】
50mlの乾燥エーテル中の3gr (12.9mM)のL-トリプトファンメチルエステルHClに、1.2gr (32mM)のLiAlH4を添加した。室温で6時間攪拌後、水とKOHを添加し、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。蒸発させて、1.23grの淡黄色油状物を得た(収率50%)。放置中に結晶化した。mp、65。
NMR CDCl3、7.30(5H、m)、3.64 (1H、dd、J=10.5、3.8 Hz)、3.40 (1H、dd、J=10.5、7.2 Hz)、3.12 (1H、m)、2.81 (1H、dd、J=13.2、5.2 Hz)、2.52 (1H、dd、J=13.2、8.6 Hz)。
J. Het. Chem, 13, 777 (1976), Biels. E5, 22, Vol. 12, p 90。
化合物4、AV 22
30mlのシクロヘキサン中の0.66grの4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させた後、白色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.65grの化合物1の油状物(4.3mM)と、0.4mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加してpHを中性化した。反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.8grの淡黄色粘稠油状物の化合物4を得た。この生成物の1部を摩砕し、エタノールで再結晶化して白色固形物を得た。mp、149。
NMR CDCl3、7.30〜6.9 (9H、m)、3.50 (2H、m)、3.30 (2、t、J=7.2 Hz)、2.90 (3H、m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)。
【化45】
化合物5、AV 57
【化46】
30mlのシクロヘキサン中の0.75gr (5mM)のヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて白色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.83gr (5.5mM)のフェニルアラニノールと、0.5mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.57grの淡黄色粘稠油状物を得た(収率40%)。
NMR CDCl3、7.40〜7.10 (10H、m)、3.60 (2H、m)、3.35 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.95 (3H、m)、2.50 (2H、t、J=7.2 Hz)。
【0032】
化合物6、AV 58
【化47】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを3時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.72gr (4.3mM)のチロシノールと、0.5mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.53grの淡黄色粘稠油状物を得た(収率42%)。
NMR CDCl3、7.30、7.20 (8H、2 ABq、J=8.6 Hz)、3.40 (2H、m)、3.30 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.90 (3H、m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)。
化合物7、AV 59
【化48】
30mlのシクロヘキサン中の0.45gr (3mM)のヒドロ桂皮酸と3mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.66gr (3.5mM)のトリプトファノールと、0.4mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.61grの粘稠油状物を得た(収率63%)。
NMR CDCl3、7.50〜7.05 (10H、m)、3.65 (2H、m)、3.32 (2H、t、J=7.3 Hz)、2.92 (3H、m)、2.53 (2H、t、J=7.3 Hz)。
化合物8、AV 72
【化49】
30mlのシクロヘキサン中の0.45gr (3mM)のヒドロ桂皮酸と3mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.58gr (3.5mM)のチロシノールと、0.4mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で2.5時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHを得、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.57grの淡黄色粘稠油状物を得た(収率63%)。
NMR CDCl3、7.40〜7.10 (9H、m)、3.60 (2H、m)、3.35 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.95 (3H、m)、2.50 (2H、t、J=7.2 Hz)。
化合物9、AV 73
【化50】
30mlのシクロヘキサン中の0.38gr (2mM)の3-インドールプロピオン酸と2mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.4gr (2.6mM)のフェニルアラニノールと、0.3mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で2.5時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.47grの桃色固形物を得た(収率75%)。
NMR CDCl3、7.58 (1H、d、J=8.0 Hz)、7.40 (1H、d、J=8.0 Hz)、7.30〜6.9 (8H、m)、3.50 (2H、m)、3.30 (2H、t、J=7.5 Hz)、2.95 (3H、m)、2.70 (2H、t、J=7.5 Hz)。
【0033】
化合物10
0.3grの化合物4(AV 22)、0.8grのトリフェニルホスフィン及び0.55grのエチルジアゾカルボキシレートを、60mlのジクロロメタン中の1grのポリ(プロピレングリコール) (平均分子量約1000)に添加した。室温での2時間の攪拌、蒸発及びクロマトグラフィーにより、0.65grの化合物10(式VII)を粘稠油状物として得た。
【化51】
フェニルアラニノールから合成した更なる化合物
これらの化合物としては、下記の式で示される化合物がある、
【化52】
この化合物は、下記の式Aとしても示され得、式中、Rはポリプロピレングリコールポリマーであり、Nはポリマー中のポリプロピレンモノマーの総数である、
【化53】
AV 61
R = PPG (ポリプロピレングリコール)、N = 7、MW、706
0.3grのAV 22 (1mM)、0.8gr (3mM)のトリフェニルホスフィン及び0.55gr (3.2mM)のエチルジアゾカルボキシレートを、60mlのジクロロメタン中の1grのポリ(プロピレングリコール) (平均分子量424、N = 7)に添加した。室温での4時間の攪拌、蒸発及びクロマトグラフィーの後、0.55grの粘稠油状物を得た(収率73%)。
NMR CDCl3、7.30〜6.9 (9H、m)、4.1〜3.0 (m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)、1.2〜1.1 (m)。
AV 62
R = PPG、N = 12、MW、996
0.2grのAV 22から上記のようにして調製し、0.3grを得た(収率46%)。
AV 60
R = PPG、N = 12、MW、1286
0.1grのAV 22から上記のようにして調製し、0.2grを得た(収率48%)。
AV 63
R = PPG、N = 34、MW、2274
0.1grのAV 22から上記のようにして調製し、0.25grを得た(収率34%)。
【0034】
化合物5、AV 57から合成した化合物
【化54】
AV 86
R = PPG、N = 7、MW、690
0.22grのAV 57から上記のようにして調製し、0.25grを得た(収率47%)。
AV 87
R = PPG、N = 17、MW、1270
0.2grのAV 57から上記のようにして調製し、0.33grを得た(収率33%)。
化合物9、AV 73から合成した化合物
【化55】
AV 76
R = PPG、N = 7、MW、729
0.22grのAV 73から上記のAV 61と同様に調製し、0.23grを得た(収率47%)。
AV 77
R = PPG、N = 34、MW、2297
0.2grのAV 73から上記のようにして調製し、0.35grを得た(収率25%)。
【0035】
チロシノールから合成した化合物
化合物6、AV 58から合成した化合物
【化56】
AV 64
R = PPG、N = 7、MW、722
0.2grのAV 58から上記のようにして調製し、0.21grを得た(収率46%)。
AV 65
R = PPG、N = 17、MW、1302
0.23grのAV 58から上記のようにして調製し、0.28grを得た(収率29%)。
化合物8、AV 72から合成した化合物
【化57】
AV 74
R = PPG、N = 7、MW、706
0.22grのAV 72から上記のAV 61と同様に調製し、0.26grを得た(収率50%)。
AV 75
R = PPG、N = 34、MW、2274
0.2grのAV 72から上記のようにして調製し、0.35grを得た(収率23%)。
AV 131
R = PPG、N = 69、MW、4307
AV 72とポリ(プロピレングリコール) (平均分子量4,000)から上記のようにして調製した。
トリプトファノールから合成した化合物
化合物7、AV 59から合成した化合物
【化58】
AV 81
R = PPG、N = 7、MW、729
0.22grのAV 59から上記のAV 61と同様に調製し、0.26grを得た(収率53%)。
AV 82
R = PPG、N = 34、MW、2297
0.2grのAV 59から上記のようにして調製し、0.35grを得た(収率41%)。
【0036】
実施例3
脾臓細胞の増殖応答に対する各化合物の効果
原生マウス又はコンカナバリンA (ConA)処置マウスから得られた脾臓細胞を、そのT細胞依存性マイトジェンに対する応答について生体外試験を実施した。各細胞を、5%加熱不活化FCS、2mMのL-グルタミン、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン及び各種濃度の化合物10 (100μg/ml〜100pg/ml)を補充したRPMI-1640培地中で、96ウェル平底マイクロタイタープレート中に4複製で入れた(4×105細胞/0.2ml/ウェル)。全てのプレートを空気中5%CO2の湿潤化雰囲気内で37℃で48時間インキュベートし、その後、1mCiの3[H]チミジンと一緒に18時間脈動させた。各ミクロ培養からの細胞を、マルチハーベスターを使用してガラス繊維フィルター上に採取し、取込み放射能を、標準のシンチレーション法を使用して測定した。
化合物10とのインキュベーションは、脾臓細胞の増殖において有意の抑制をもたらしている(表1)。
表1
【0037】
AV 75、AV 77、AV 82、AV 86、AV 87及びAV 75とAV 77の併用の脾臓細胞に対する効果も試験した。
AV 75試験からのデータは、表2に示し、図1に要約している。AV 77試験からのデータは、表3に示し、図2に要約している。AV 75+AV 77試験からのデータは、表4に示し、図3に要約している。各試験の比較は、図4にグラフで示している。本明細書の全ての図面において、“粗製物”とは、粗“アンチバイラン(Antiviran)”、即ち、バチルス スブチリス var. インドラサス(Bacillus subtilis var. indolasus)からの抽出物を称する。例えば、PCT公報WO 99/03350号を参照されたい。
表2
【0038】
表3
表4
【0039】
更なるAV 75試験も実施した。これらのAV 75試験からのデータは、表5及び6に示し、図5及び6に要約している。
表5
表6
【0040】
AV 81試験からのデータは、表7に示し、図7に要約している。AV 82試験からのデータは、表8に示し、図8に要約している。AV 86試験からのデータは、表9に示し、図9に要約している。AV 87試験からのデータは、表10に示し、図10に要約している。
表7
表8
【0041】
表9
表10
これらの化合物による生体外試験は、1pg/ml〜100ng/mlの範囲及びそれ以上の投与量において、脾臓細胞増殖に対する抑制効果を明らかに示している。
【0042】
同様な効果は、PHA(フィトヘムアグルチニン)処理ヒトPMBC細胞のAV 74、AV 75、AV 76による暴露によっても示されている。これらの試験は、脾臓細胞試験として実施した。結果は、AV 75及びAV 77の顕著な抑制効果を示しており、100及び10mg/mlの濃度で最高の抑制に達し、それよりも低い濃度での投与量関連抑制を示している。
AV 74試験からのデータは、表11に示し、図11に要約している。AV 75試験からのデータは、表12に示し、図12に要約している。AV 76試験からのデータは、表13に示し、図13に要約している。AV 77試験からのデータは、表14に示し、図14に要約している。
表11
【0043】
表12
表13
表14
【0044】
実施例4
T細胞の増殖に対する各化合物の効果
T細胞を、同意している健常ヒト供与者(Hadassah Hospital Blood Bank)の軟膜(BC)から分離した。BC調製物を、10U/mLのヘパリンを含有しているリン酸緩衝生理食塩水(PBS)により1、4に希釈した。末梢血単核球を、Ficoll/Paque密度遠心分離により分離した。単球及びB細胞を、それぞれ、ナイロンウールカラムによるプラスチック付着及び通過によって欠損させた。小Tリンパ球を、不連続パーコール(Percoll)勾配のペレットから採取した。該細胞は、FACS分析により、>80%のCD3+であることが判明した。細胞を、各種濃度の化合物及び/又はフィトヘムアグルチニン(PHA) (1μg/ml) T細胞マイトジェンの存在下で培養した。増殖は、96ウェル平底マイクロタイタープレートの各ウェル中で1×105個の細胞を培養することによって測定した。化合物添加後の48時間及び7日目で、1μCiの3[H]チミジンを各ウェルに添加し、培養物をさらに24時間インキュベートした。各サンプルを採取し、取込み放射能を測定した。化合物と一緒の7日インキュベーションは、PHA単独に対してPHA刺激T細胞の増殖における有意の増大をもたらしていた。
PHA(フィトヘムアグルチニン)処理ヒト末梢血単核球(PMBCs)に対するAV 74、AV 75、AV 76及びAV 77の効果を試験した。AV 74試験からのデータは、表15に示し、図15に要約している。AV 75試験からのデータは、表16に示し、図16に要約している。AV 76試験からのデータは、表17に示し、図17に要約している。AV 77試験からのデータは、表18に示し、図18に要約している。
【0045】
表15
表16
【0046】
表17
表18
【0047】
実施例5
各化合物の免疫抑制効果
ヒトT細胞を上述のようにして分離した。CsA (シクロスポリンA)で処理した細胞と対比したPMBCs(非活性化及びConA活性化の双方)に対するAV 72、AV 72、AV 74、AV 75、AV 76及びAV 77の免疫抑制効果を、それぞれ、図19、20、21、22及び23に示す。Av 75及びAV 77と対比したAV 61の効果は、図24に示している。結果は、AV 75及びAV 77のPBMCsに対する免疫抑制効果を明白に示しており、AV 75においては100ng/mlで、AV 77においては100pg/mlで最高抑制効果に達している。
CsA (シクロスポリンA)で処理した細胞と対比した樹状細胞(非活性化及びConA活性化の双方)に対するAV 61、AV 75及びAV 77の免疫抑制効果を図25に示す。即ち、AV 77の抑制効果は、PBMCsのみならず樹状細胞のような抗原提示細胞(APCs)に対しても示されており、1pg/mlにおいて65%の抑制効果に達している。
【0048】
実施例6
実験的自己免疫性脳脊髄炎に対するAV 75の効果
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、中枢神経系(CNS)内の白質の脱髄をもたらす臓器特異性T細胞介在自己免疫疾患である。その臨床及び組織病理学局面の多くにおいては、EAEは、ヒト多発性硬化症(MS)及び急性散在性脳脊髄炎に類似している。該疾病の早期組織病理学的徴候は、CNCの白質内の脱髄領域を有する、脳及び脊髄内の浸潤性単球病変その後の浸潤性リンパ球病変である。AV 75の急性EAEの病原を失効させる能力を試験した。
動物
6〜12週齢の24匹の雌SJL/Jマウスをこの試験において使用した、これらのマウスは、頂部フィルター付きケ−ジ内での標準条件下に囲い、抗生剤を含まない標準食餌を給餌した。
EAEの誘発及び臨床評価
SJLマウスにおける急性EAEの誘発は、バーナード手順(Bernard et al., J. Immunol. 114, 1537-1540 (1975))の修正に基づく。要するに、等容量のPBS中100mg/mlのマウス脊髄ホモジネート(MSCH)と結核菌(Mycobacterium tuberculosis) H37Raを富化(6 mg/ml)したCFAを乳化した。得られたエマルジョン(50〜100μl)を、各マウスの4本の足の裏側に皮下投与した。直後及び2日後に、マウスに百日咳毒素を静脈内注射した。全ての動物を疾病徴候について毎日検査した。最初の臨床兆候は、接種後11〜12日目で現れ、以下の6点測度に従って点数付けした、0、異常無し、1、軽微な尾部脆弱、2、尾部麻痺、3、尾部麻痺と後肢麻痺、4、後肢麻痺又は軽微な前肢麻痺、5、四肢麻痺又は瀕死状態、6、死亡。
AV 75治療
AV 75を、動物当り1μg及び100μgの二通りの投与量レベルで、試験期間中週3回腹腔内投与した。投与は、EAE誘発のためのMSCH接種直後の0日目で開始した。マウスの飲料水中の100pg/mlとして週2回交換して投与(無制限で)したAV 75も、MSの急性EAEモデルにおいてプラス結果をもたらした。
【0049】
リンパ球の生体外増殖応答
排液性リンパ節を、EAE及び対照マウスから、接種後10日目で切除した。リンパ球の単一細胞懸濁液を、[3H]チミジン取込みによってアッセイした。アッセイは、2.5%胎仔ウシ血清、L-グルタミン、抗生剤及び最適濃度の下記の抗原を補った0.2mlのRPMI培地中に4×105細胞/ウェルを接種することによって実施した、PLP (プロテオリピドたんぱく質、ミエリンペプチド)、PPD (ツベルクリン精製たんぱく質誘導体)、ConA (コンカナバリン A)、SEB (スタフィロコッカスエンテロトキシンB)、MOG (ミエリン乏突起膠細胞糖たんぱく質)及びLPS (リポ多糖体)。
結果
24匹のマウスを3群に分けた、対照としての8匹のマウス、試験中週3回注入毎に、動物当り1μgを受けた8匹のマウス及び動物当り100μgを受けた8匹のマウス。10日目に、各群からの2匹のマウスを殺処分し、それらの排液性リンパ節を、抗原類に対する応答について生体外増殖アッセイにおいてアッセイする目的で切除した。
残りの群毎の6匹の動物は、試験を続行した。100μg群の1匹の動物は、未知の理由で死亡した。試験の結果は、図26A、B及びCに提示している、対照群は、予想通り疾病を発症した。各AV 75治療群において僅かに2匹のみが比較的軽微な疾病徴候を発症しており、グラフにおいては、治療群と未治療群間の差を明らかに観察し得る。
排液性リンパ節から得られたリンパ球の各抗原に対する増殖応答の結果は、図27Aに要約している。個々の抗原試験からのデータは、図27B〜Fに提示している。対照(抗原無し)試験からのデータは、図27Gに示している。これらの結果は、各群からの2個のリンパ節の平均を示している。試験した全ての抗原に対するAV 75の二通りの投与量の抑制効果は、明白である。とりわけ顕著であり得るのは、EAEにおける最も独特な抗原であるPLP抗原に対する効果である。
【0050】
実施例7
移植拒絶反応に対するAV 75及びAV 77の効果
移植拒絶反応に対するAV 75及びAV 77の効果を、ラット急性腎同種移植片拒絶反応モデルにおいて生体内試験した。Brown-Norwayラット(供与体)からの腎臓をLewisラット(受容体)中に同所移植し、その後受容体の右腎臓摘出を行った。移植後0日目及び4日目でラット当り100ngのAV 75の2回の注入を受けた群においては、拒絶反応の予防が、長期間観察されている(例えば、対照の4日までの生存に比較したときに53日間まで)。データは、表19に要約している。
【0051】
表19
【0052】
本発明は、上述した細目に限定されないこと及び全てが本発明の範囲内に属する多くの修正が存在することを認識されたい。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】脾臓細胞±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図2】脾臓細胞±ConAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図3】脾臓細胞±ConAに対するAV 75+AV77の効果を示す棒グラフである。
【図4】脾臓細胞±ConAに対するAV 75及びAV 77の効果を要約する棒グラフである。
【図5】脾臓細胞±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図6】脾臓細胞±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図7】脾臓細胞±ConAに対するAV 81の効果を示す棒グラフである。
【図8】脾臓細胞±ConAに対するAV 82の効果を示す棒グラフである。
【図9】脾臓細胞±ConAに対するAV 86の効果を示す棒グラフである。
【図10】脾臓細胞±ConAに対するAV 87の効果を示す棒グラフである。
【図11】脾臓細胞±PHAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図12】脾臓細胞±PHAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図13】脾臓細胞±PHAに対するAV 76の効果を示す棒グラフである。
【図14】脾臓細胞±PHAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図15】PMBCs±PHAに対するAV 74の効果を示す棒グラフである。
【図16】PMBCs±PHAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図17】PMBCs±PHAに対するAV 76の効果を示す棒グラフである。
【図18】PMBCs±PHAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図19】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 72及びAV 73の効果を示す棒グラフである。
【図20】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 74の効果を示す棒グラフである。
【図21】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【0054】
【図22】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 76の効果を示す棒グラフである。
【図23】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図24】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 61、AV75、及びAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図25】シクロスポリンAで処理したものと対比した樹状細胞±ConAに対するAV 61、AV75、及びAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図26】図26A、B及びCは、実験的自己免疫性脳脊髄炎に対するAV 75の効果を示す線グラフである。病理学点数を治療後の日数の関数として記録している。
【図27】図27Aは、マウスリンパ節から得られたリンパ球による各種抗原に対する増殖応答についてのAV 75の効果を要約する棒グラフであり、図27Bは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるLPSに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Cは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるSEBに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Dは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるConAに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Eは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるPPDに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Fは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるPLPに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Gは、マウスリンパ節から得られた対照処理リンパ球に対する増殖応答についてのAV 75の効果を示す。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、自己免疫疾患、免疫-アレルギー疾患及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において有用な新規な化合物に関する。
(背景技術)
免疫系の疾病は、そのような疾病が人類に対して有する潜在的に悲惨な作用故に、多大な脅威をもたらしている。免疫系に関連する1つの群の疾病は、免疫-アレルギー疾患である。免疫-アレルギー疾患は、主要な懸念要因であり、そのような疾病の治療において有効である強力な化合物を開発するために多くの研究がなされている。アレルギーは、特定の抗原(アレルゲン)への暴露によって誘発される過敏状態であり、引続く暴露時に有害な免疫反応をもたらす。免疫-アレルギー疾患の1つの例は、アレルギー性鼻炎(花粉症)である。アレルギー性鼻炎は、アメリカ人の5人に1人に影響を与える一般的な免疫-アレルギー症状である。米国においては、10億ドル超がこの症状を治療するのに毎年費やされている。くしゃみ、鼻詰まり、及び眼への刺激は、幾つかのアレルギー性鼻炎の症状である。免疫-アレルギー疾患のもう1つの例は、気管支ぜんそく(肺気道(気管支)壁を取巻く筋肉のけいれん(気管支けいれんに由来する呼吸問題)である。アレルギー性ぜんそくは、最も一般的なタイプのぜんそくであり、典型的には小児において最初に発症する。
免疫-アレルギー疾患のもう1つの例は、乾癬(鱗屑化と炎症に特徴を有する慢性皮膚病)であり、該疾病は、米国人口の1.5〜2%、即ち、ほぼ5百万人に影響を与えている。乾癬は、全年齢群において発症し、男女間でおよそ同率である。乾癬を有する人々は、不快感、関節部運動の制限、及び精神的苦痛を被り得る。
もう1つのタイプの免疫-アレルギー疾患は、腸の慢性炎症性疾病であるクローン病である。クローン病は、主として小腸と大腸内に潰瘍を発症させるが、口から肛門までのどの消化系にも影響を与え得る。該疾病は、男女間で等頻度で見出され、通常、10代又は20代早期の若年層患者に影響を与える。該疾病は、一旦発症すると、寛解と疾病悪化の周期を有する慢性の再発性症状となる傾向を有する。
【0002】
免疫系に関連する第3群の疾病は、自己免疫疾患である。自己免疫疾患は、身体組織がそれ自体の免疫系によって攻撃されるときに発症する病気である。免疫系は、通常身体の侵入物、とりわけ感染を捜し出し破壊するように設計された身体内の複雑な機構である。これらの疾病を示す患者は、これら患者自身の身体組織をターゲットとする異常抗体を血液中に有する。自己免疫疾患の1つの例は、全身性エリテマトーデスである、狼瘡は、自己免疫疾患によって生ずる慢性炎症症状であり、皮膚、心臓、肺、腎臓、関節部及び神経系の疾病を引起こす。内部器官に関連するとき、その症状は、全身性エリテマトーデスと称される。もう1つのタイプの自己免疫疾患は、自己免疫性甲状腺炎であり、甲状腺の自己免疫疾患である。もう1つのタイプの自己免疫疾患は、関節リウマチであり、関節部、関節部周辺の組織並びに身体内の他の器官の慢性炎症を引起こす。
自己免疫系のもう1つの例は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)である。EAEは、中枢神経系の炎症症状であり、多発性硬化症と等価のネズミである。
免疫系に関連する第4群の症状は、移植後の臓器又は組織拒絶反応である。臓器又は組織拒絶反応は、移植を受けている患者において発症する主要な併発症である。例えば、同種骨髄移植後の患者において発症する主要併発症である慢性移植片対宿主疾病(cGvHD)は、免疫応答T細胞が介在する自己免疫様過程の結果であると信じられている。慢性GvHDは、多くの場合、強皮性線維(sclerodermoid-fibrotic)皮膚病変を発症させる(例えば、Chosidow et al., Sclerodermatous chronic graft-versus-host disease. analysis of seven cases. J Am Acad Dermatol 26、49-53, 1992参照)。移植後の臓器又は組織拒絶反応の他の例としては、皮膚移植片拒絶反応及び心臓移植片拒絶反応がある。
自己免疫疾患及び免疫-アレルギー疾患は、社会に多大な問題を課している。移植後の臓器又は組織拒絶反応は、医療における組織及び臓器移植の使用及び応用を大幅に制約するもう1つの問題を提起している。
【0003】
(発明の概要)
本発明は、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び移植後の臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理において有用な新規な化合物に関する。
本発明は、下記の式Iの構造で示される化合物を提供する。
【化1】
式中、点線は、一重又は二重結合を示す。
1つの実施態様においては、R1及びR2は、同一又は異なるものであり、そして、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化2】
で示される基を示し、R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、R5は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、そして、A-Bは、下記の式、
【化3】
で示される基である。
種々の実施態様においては、Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、そして、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。
mは、0又は1の整数であり、nは、0〜50の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式Iの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
【0004】
1つの実施態様においては、R1は、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又は-CH(OR4)CH3である。もう1つの実施態様においては、R1は、下記である。
【化4】
(式中、R5は、H又はOHである)。
もう1つの実施態様においては、R1は、フェニルである。もう1つの実施態様においては、R1は、下記である。
【化5】
1つの実施態様においては、R2は、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又は-H(OR4)CH3である。もう1つの実施態様においては、R2は、下記である。
【化6】
(式中、R5は、H又はOHである)。
もう1つの実施態様においては、R2は、フェニルである。もう1つの実施態様においては、R2は、下記である。
【化7】
もう1つの局面においては、本発明は、下記の式IIの構造で示される化合物を提供する。
【化8】
式中、点線は、一重又は二重結合を示し、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)である。
種々の実施態様においては、Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。mは、0又は1の整数であり、そして、nは、0〜50の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式IIの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
1つの実施態様においては、Xは、-CH2Oである。
1つの実施態様においては、mは0である。もう1つの実施態様においては、mは1である。
【0005】
さらに、本発明は、下記の式IIIの構造で示される化合物も提供する。
【化9】
式中、点線は、一重又は二重結合を示し、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、nは、0〜50の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式IIIの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
1つの実施態様においては、Zは、-CH(CH3)CH2Oである。
さらに、本発明は、下記の式IVの構造で示される化合物も提供する。
【化10】
式中、点線は、一重又は二重結合を示し、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、nは、0〜50の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、式IVの構造で示される化合物の塩又は水和物も提供する。
1つの実施態様においては、R5は、Hである。もう1つの実施態様においては、R5は、OHである。
1つの実施態様においては、R5'は、Hである。もう1つの実施態様においては、R5'は、OHである。
1つの実施態様においては、nは、1〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、10〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、17である。
【0006】
さらに、本発明は、下記の式Aの化合物も提供する。
【化11】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Bの化合物も提供する。
【化12】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Cの化合物も提供する。
【化13】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0007】
さらに、本発明は、下記の式Dの化合物も提供する。
【化14】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Eの化合物も提供する。
【化15】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
さらに、本発明は、下記の式Fの化合物も提供する。
【化16】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
1つの実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリイソプロピレングリコールである。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0008】
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む組成物も提供する。もう1つの実施態様においては、活性成分としての式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を、1種以上の製薬上許容し得る賦形剤なたはアジュバントと一緒に含む製薬組成物も提供する。
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物及び/又は式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法も提供する。1つの実施態様においては、上記免疫-アレルギー疾患は、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である。
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物及び/又は式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法も提供する。1つの実施態様においては、上記自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である。
さらにまた、1つの実施態様においては、本発明は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物及び/又は式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法も提供する。1つの実施態様においては、上記臓器又は組織移植拒絶反応は、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である。
【0009】
特に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術における通常の熟練者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本明細書において説明するのと同様な又は等価の方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用し得るけれども、適切な方法及び材料については、以下で説明する。本明細書において引用する全ての刊行物、特許出願、特許及びその他の文献は、参考としてその全体を本明細書に合体させる。矛盾する場合は、各定義を含む本明細書によって統制されるであろう。さらに、材料、方法及び実施例は、例示のみであって、限定を意図するものではない。
上記の説明は、以下の詳細な説明を理解し得且つ本発明の当該技術に対する貢献をより一層良好に認識できるように、本発明のより重要な特徴をかなり広範囲に説明している。本発明の他の目的及び特徴は、添付図面に関連して考慮する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、各図面は、単に例示目的で設計されており、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきであり、本発明の範囲については、特許請求の範囲を参照すべきである。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において有用な新規な化合物及び製薬組成物を提供する。さらに、本発明は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造で示される1種以上の化合物を投与することを特徴とする、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法も提供する。
1つの実施態様においては、本発明は、下記の式Iの構造で示される化合物及びその塩又は水和物を提供する。
【化17】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化18】
で示される基を示し、
R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、
R5は、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
A-Bは、下記の式、
【化19】
で示される基であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0011】
もう1つの実施態様においては、本発明は、下記の式IIの構造で示される化合物及びその塩又は水和物をさらに提供する。
【化20】
(式中、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
もう1つの実施態様においては、本発明は、下記の式IIIの構造で示される化合物及びその塩又は水和物を提供する。
【化21】
(式中、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
【0012】
本発明は、下記の式IVの構造で示される化合物及びその塩又は水和物を提供する。
【化22】
(式中、R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
nは、0〜50の整数である)。
もう1つの実施態様においては、nは、1〜100の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜200の整数である。さらにもう1つの実施態様においては、nは、1〜500の整数である。
もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
本明細書において意図するとき、“アルキル”基は、直鎖、枝分れ鎖及び環状アルキル基のような飽和脂肪族炭化水素を称する。1つの実施態様においては、上記アルキル基は、1〜4個の炭素を有する。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、メチル基である。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、エチル基である。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、プロピル基である。もう1つの実施態様においては、上記アルキル基は、ブチル基である。上記アルキル基は、置換されてなくても、或いはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオ及びチオアルキルから選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい。
【0013】
1つの実施態様においては、R1及びR2は、本発明の化合物において同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化23】
で示される基を示す。
1つの実施態様においては、R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである。
1つの実施態様においては、A-Bは、下記の各式で示される基である。
【化24】
1つの実施態様においては、Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。
1つの実施態様においては、mは、0又は1の整数である。
1つの実施態様においては、Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oである。
1つの実施態様においては、nは、1〜50の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、1〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、10〜20の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、17である。種々の他の実施態様においては、nは、7、12又は34である。他の実施態様においては、nは、1〜100の整数、1〜200の整数、1〜500の整数である。もう1つの実施態様においては、nは、5〜75の整数である。例えば、nは、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75であり得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。
1つの実施態様においては、R5は、H、OH又はOR6である。
1つの実施態様においては、R5'は、H、OH又はOR6である。
1つの実施態様においては、R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである。
【0014】
上記の化合物を得るための合成の方法論は、下記の実施例の章において詳細に開示している。しかしながら、本発明の化合物は任意の実施可能な合成方法によって調製し得ること並びに実験の詳細の項で説明する合成に全く限定されないことは、当業者に対して明白にすべきことである。これらの化合物の各種合成方法は、当業者にとって公知である。本発明の化合物は、化学法則によって可能であるように、さらに修飾し得る。そのような修飾としては、種々の置換基の付加(例えば、ヒドロキシル化、カルボキシル化、メチル化等)、光学異性体の生成、酸-又は塩基-付加塩の生成等がある。他の修飾としては、ポリアルキレングリコールポリマーの付加がある。
本発明の化合物は、ポリアルキレングリコール(PAG)接合体として合成し得る。接合に使用する典型的なポリマー類としては、ポリ(エチレンオキサイド) (PEO)としても知られるポリ(エチレングリコール) (PEG)及びポリプロピレングリコール(ポリイソプロピレングリコールを含む)がある。これらの接合体は、多くの場合、溶解性及び安定性を増強させるため、さらには分子の血液循環半減期を長引かせるために使用する。
その最も一般的な形においては、PEGのようなポリアルキレングリコール(PAG)は、ヒドロキシル基によって各末端で終端した線状ポリマーである。
HO-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-OH
上記ポリマー、即ち、アルファ-,オメガ-ジヒドロキシルポリ(エチレングリコール)は、HO-PEG-OHとしても示すことができ、その場合、記号-PEG-は、下記の構造単位を表すものと理解されたい。
-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-
式中、nは、典型的には、約4〜約10,000の範囲である。PEGは、一端が相対的に不活性のメトキシ基であり他端が容易に化学修飾を受けるヒドロキシル基であるメトキシ-PEG-OH又はmPEGとして一般に使用する。さらに、化学論において密接に関連する種々のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)のランダム又はブロックコポリマーも、多くの用途においてPEGに置換わり得る。
【0015】
PAG類は、水及び多くの有機溶媒中での溶解特性を典型的に有し、毒性がなく、さらに免疫原性のないポリマー類である。PAG類の1つの用途は、該ポリマーを不溶性分子に共有結合させて得られるPAG分子“接合体”を可溶性にすることである。例えば、水不溶性薬物パクリタキセルは、PEGに結合させたとき、水溶性となることが証明されている。Greenwald, et al., J. Org. Chem., 60、331-336 (1995)。
本発明のポリアルキル化化合物は、1〜500個のモノマー単位を典型的に含有する。本発明の他のPAG化合物は、1〜200個のモノマー単位を含有する。本発明のさらに他のPAG化合物は、1〜100個のモノマー単位を含有する。例えば、該ポリマーは、1、10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100個のモノマー単位を含有し得る。本発明の幾つかの化合物は、5〜75個又は1〜50個のモノマー単位を含むポリマーを含有する。例えば、該ポリマーは、2、3、5、6、7、8、10、11、12、13、15、16、17、18、20、25、30、33、34、35、40、45、50、60、65、68、69、70又は75個のモノマー単位を含有し得る。好ましくは、nは、7、12、17、34又は69である。該ポリマーは、線状又は枝分れであり得る。
PAG成分の付加によって修飾されている化合物は、種々の数のモノマー単位を有するポリマー類の混合物を含み得るものと理解すべきである。典型的には、PAG修飾化合物(例えば、PAG接合体)の合成は、接合体中のポリマー毎に多数のモノマー単位のポアソン分布を有する分子の集団を生成させるであろう。即ち、N = 7のモノマー単位のポリマーを有するものと説明される化合物は、集団がN = 7のモノマー単位を有するものと説明される実際のポリマー類のみならず分布のピークが7である分子集団も称する。与えられた集団におけるモノマー単位の分布は、例えば、核磁気共鳴(NMR)により或いは質量分析(MS)によって測定し得る。
【0016】
本出願全体を通して、以下で説明するように、また当業者に既知の適切な教科書(例えば、Principles in Biochemistry, Lehninger (ed.), page 99-100, Worth Publishers, Inc. (1982) New York, NY、Organic Chemistry, Morrison and Boyd, 3rd Edition, Chap. 4, Allyn and Bacon, Inc., Boston, MA (1978)参照)におけるようにして、通常の専門用語を使用して異性体類を表示する。
本発明のある種の化合物は、とりわけ幾何又は立体異性体形で存在し得る。本発明は、シス-及びトランス-異性体、R-及びS-鏡像体、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物を含むそのような化合物全てを、本発明の範囲内に属させることを意図する。更なる不斉炭素原子もアルキル基のような置換基中に存在し得る。そのような異性体類並びにそれらの混合物は、全て本発明に包含されるものとする。
4個の異なる置換基を含有する炭素原子は、キラル中心と称する。キラル中心は、2つの異なる異性体形において生じ得る。これらの形状は、1つの例外、即ち、これらの形状が平面偏光の回転を起し得る方向を除いて、全て化学的及び物理的性質において同一である。これらの化合物は、“光学的に活性”であると称する、即ち、これらの化合物は、平面偏光を1つの方向又は他の方向に回転させ得る。
炭素に結合した4個の異なる置換基は、空間的に2つの異なる配置を占め得る。これらの配置は、互いの重ね合せ可能な鏡像ではなく、光学異性体、鏡像異性体又は立体異性体と称する。ある化合物の1つの立体異性体の溶液は、平面偏光を左の方に回転させ、左旋性異性体と称し[(-)で表示]、その化合物の他の立体異性体は、平面偏光を同じ程度に回転させるが右方向であり、右旋性異性体と称する[(+)で表示]。
【0017】
RSシステムは、化合物が2個以上のキラル中心を含有するときのあいまいさを回避するために考案された。一般に、該システムは、不斉炭素原子の周りの4個の異なる置換原子を順位付けして、最小又は最低順位基が観察者から直接離れて向かうときに原子番号を低下させるか又はバランス密度(valance density)を低下させるように設計されている。種々の順位付けが当該技術において周知であり、Lehningerの99頁に記載されている。低下する順位が時計回りとして観察された場合は、キラル中心周りの配置は、Rと称し、低下する順位が反時計回りである場合、その配置は、Sと称する。従って、各キラル中心は、このシステムを使用して命名する。
例えば、本発明の化合物の特定の鏡像異性体を望む場合、該鏡像異性体は、不斉合成により又はキラル補助基による誘導によって調製し、得られるジアステレオマー混合物を分離し、補助基を開裂して純粋な所望鏡像異性体を得ることができる。また、分子がアミノのような塩基性官能基又はカルボキシルのような酸性官能基を含有する場合、ジアステレオマー塩を適切な光学活性酸又は塩基によって調製し、次いで、このようにして調製したジアステレオマーを当該技術において周知の分別晶出又はクロマトグラフィー手段によって分解し、その後、純粋鏡像異性体を回収する。
【0018】
本発明の組成物及び製薬組成物は、1種以上の本発明の化合物を純粋形又は部分純粋形で含む。同様に、本発明の方法も1種以上の化合物を使用することを含み、その化合物は、純粋形又は部分純粋形である。
1つの実施態様においては、本発明の組成物は、少なくとも1種の本発明の化合物、即ち、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される少なくとも2種の化合物の混合物を含む。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される少なくとも5種の化合物の混合物を含む。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される少なくとも10種の化合物の混合物を含む。
今回、驚くべきことに、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物が、極めて広範囲の免疫-アレルギー疾患及び症状に対し有効であるを見出した。免疫-アレルギー疾患は、免疫系のアレルギー関連疾病である。本発明の化合物が活性である免疫-アレルギー疾患の非限定的な例は、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である。
即ち、1つの実施態様においては、本発明は、ヒト並びに動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法を提供する。1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を投与することを含む。もう1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを含む。
【0019】
今回、さらに驚くべきことに、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物が、極めて広範囲の自己免疫疾患及び症状に対し有効であるを見出した。自己免疫疾患は、身体組織がそれ自体の免疫系によって誤って攻撃されるときに発症する疾病である。免疫系は、身体の侵入物、とりわけ感染を“捜し出し破壊する”ように通常設計されている細胞及び抗体の複雑な機構である。これらの疾患を有する患者は、患者自身の身体組織をターゲットとする血中抗体を有し、これらの抗体は炎症に関連し得る。本発明の化合物が活性である自己免疫疾患の非限定的な例は、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である。
即ち、1つの実施態様においては、本発明は、ヒト並びに動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法を提供する。1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を投与することを含む。もう1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを含む。
今回、さらに驚くべきことに、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物が、臓器又は組織移植拒絶反応に対し有効であるを見出した。1つの実施態様においては、臓器又は組織移植拒絶反応は、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である。
即ち、1つの実施態様においては、本発明は、ヒト並びに動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法を提供する。1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を投与することを含む。もう1つの実施態様においては、該方法は、対象者に、式I、II、III、IV、VII、A、B、C、D、E又はFの構造によって示される1種以上の化合物を含む製薬組成物を投与することを含む。
【0020】
投与方法は、当業者にとって周知である。投与方法としては、限定するものではないが、非経口、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、鼻内、皮下、腹腔内、脳室内又は直腸内がある。投与方法及び手段は、当業者にとって公知である。例えば、米国特許第5,693,622号、第5,589,466号、第5,580,859号、第5,566,064号、これらの米国特許は、参考としてその全体を本明細書に引用する。
さらに、本発明は、活性成分としての本発明の1種以上の化合物を1種以上の製薬上許容し得る賦形剤と一緒に含む製薬組成物も提供する。本明細書において使用するとき、“製薬組成物”とは、免疫-アレルギー疾患、自己免疫疾患、及び臓器又は組織移植拒絶反応の治療において有用な、適切な賦形剤及び/又は担体と一緒の治療上有効量の1種以上の本発明の化合物を意味する。本明細書において使用するときの“治療上有効量”とは、所定の条件及び投与療法において治療効果を有する量を称する。そのような組成物は、上述した方法の任意の1つによって投与し得る。
本発明の更なる局面は、本発明の他の化合物と併用した本発明の1つの化合物を含む。また、本発明の化合物は、抗炎症剤、免疫抑制剤、又は抗ウイルス剤等と併用して投与し得る。さらにまた、本発明の化合物は、上述したようなアルキル化剤、抗代謝剤、分裂抑制剤又は細胞毒性抗生剤のような化学療法剤と併用して投与し得る。一般に、そのような併用での使用においては上記既知の治療剤の現在利用し得る投与量剤形が適し得るであろう。
【0021】
“併用療法”(即ち、“同時療法”)は、本発明の化合物と特定の治療方法の1部としての少なくとも第2の薬剤とのこれら治療剤の共作用に由来する有益な効果を得ることを意図する投与を含む。併用の有益な効果としては、限定するものではないが、複数の治療剤の併用に由来する薬物動態学及び薬力学的共作用がある。これら治療薬の併用投与は、定めた時間(通常、選択した組合せに依存する分数、時間数、日数又は週数)に亘って典型的に実施する。“併用療法”は、一般的ではないが、付随的に又は裁量的に本発明の併用をもたらす個々の単一療法の1部として2種以上のこれら治療剤の投与を含ませることも意図し得る。
“併用療法”は、これらの治療剤の順次的な、即ち、各治療剤を異なる時間で投与する方法での投与、並びに実質的に同時の形でのこれら治療剤又は少なくとも2種の治療剤の投与を採用することも意図する。実質的に同時の投与は、例えば、対象者に、一定比の各治療剤を含む単一カプセルを又は各治療剤を含む単一カプセルを複数で投与することによって達成し得る。
各治療剤の順次的又は実質的に同時の投与は、限定するものではないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路及び粘膜組織による直接吸収のような任意の適切な経路によって実施し得る。各治療剤は、同じ経路又は異なる経路によって投与し得る。例えば、選択した組合せの第1の治療剤を静脈内注射により投与し、組合せの他の治療剤を経口投与することができる。また、例えば、全ての治療剤を経口投与してもよく、或いは全ての治療剤を静脈内注射によって投与してもよい。各治療剤を投与する順序は、狭義に臨界的ではない。
【0022】
また、“併用療法”は、上述したような各治療剤の他の生物学的活性成分及び非薬物療法(例えば、手術又は放射線治療)との更なる併用での投与も使用し得る。併用治療が非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療剤と非薬物治療の併用の共作用からの有益な効果が達成される限りの任意の適切な時点で実施し得る。例えば、適切な場合には、有益な効果は、非薬物治療が治療剤の投与から一時的に、おそらくは数日又は数週間切り離されたときでさえも達成される。
本発明の化合物及び他の薬理活性剤は、患者に同時に、順次的に又は併用して投与し得る。本発明の併用を使用する場合、本発明の化合物と他の薬理活性剤は、同じ製薬上許容し得る担体中に存在し、従って、同時に投与し得る。本発明の化合物と他の治療剤は、同時に服用する通常の経口投与量剤形のような別々の製薬用担体中に存在し得る。用語“併用”とは、各化合物を別々の投与量剤形において調製し順次的に投与する場合もさらに称する。
本発明の組成物及び併用治療は、本明細書において説明したような安定剤、担体及び/又はカプセル化用配合物を含む種々の製薬用賦形剤と組合せて投与し得る。
【0023】
1つの実施態様においては、本発明の組成物は、無コーティング錠剤、コーティング錠剤、ピル剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、分散液又は懸濁液のような経口又は非経口投与量剤形として調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、静脈内投与用に調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の化合物は、経皮投与用の軟膏、クリーム又はゲル形で調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の化合物は、鼻内投与用のエアゾール又はスプレー剤として調製する。もう1つの実施態様においては、本発明の組成物は、液体投与量剤形で調製する。適切な液体投与量剤形の例としては、水、製薬上許容し得る油脂類、アルコール類又はエステル類のような他の有機溶媒類中の溶液又は懸濁液、エマルジョン、シロップ又はエリキシル剤、溶液及び/又は懸濁液がある。
適切な賦形剤及び担体は固形物又は液体であり得、そのタイプは、一般に、使用する投与のタイプに基づき選定する。リポソーム類も上記組成物を伝達させるのに使用し得る。適切な固形担体の例としては、ラクトース、サクロース、ゼラチン及び寒天がある。経口投与量剤形は、適切な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、風味料、流動誘発剤、及び溶融剤を含有し得る。液体投与量剤形は、例えば、適切な溶媒、防腐剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味化剤、増粘剤及び溶融剤を含有し得る。また、非経口及び静注用剤形は、これらの剤形を選択する注入又は伝達システムのタイプに適合可能にするミネラル類及び他の物質も含むべきである。
本発明を以下の実施例の章においてさらに具体的に説明する。この章は、本発明の理解を助けるための説明であって特許請求の範囲に示すような本発明を如何なる形でも限定するものではなく、またそのように解釈してはならない。
【0024】
実施例
実施例1
化合物の合成
本発明の化合物を、以下で説明するようにして合成し特性決定した。
AV 23
【化25】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて黄色固形物を得、これに、0.9gr (4mM)のフェニルアラニンエチルエステルHCl、30mlのジクロロメタン及び1mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて淡黄色粘稠油状物を得、これを摩砕しエタノールで再結晶化して0.25gr (18%)の白色固形物(mp、213)を得た。
NMR CDCl3、7.30〜6.9 (9H、m)、4.20 (2H、q、J=7.0 Hz)、3.30 (1H、m)、3.10 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.90 (2H、m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)、1.35 (3H、t、J=7.0 Hz)。
MS、341 (M+、10%)、277 (15)、194 (20)、165 (M-フェネチルエステル、100%)、149 (65) m/e。
AV 24
【化26】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、0.5gr (4.1mM)のフェネチルアミン、30mlのジクロロメタン及び0.6mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.3grの白色固形物(28%、mp、165)を得た。
NMR アセトン d6、7.35〜6.75 (9H、m)、3.40 (2H、q、J=7.1 Hz)、2.90 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.75 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.42(2H、t、J=7.1 Hz)。フェネチルアミン-NMR アセトン d6、7.2 (5H、m)、2.96 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.75 (2H、t、J=7.2 Hz)。
MS、269 (M+、100%)、178 (M-ベンジル) m/e。
【0025】
AV 26
【化27】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、0.5gr (4.1mM)のヒスチジンアミン、30mlのジクロロメタン及び0.5mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.15grの白色固形物(15%、mp、245)を得た。
NMR アセトン d6、7.35-(6H、m)、3.42 (2H、q、J=7.1 Hz)、2.93 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.73 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.45 (2H、t、J=7.1 Hz)。
MS、259 ( M+,17%)、239 (25)、213 (18)、194 (100%)、185 (37) m/e。
AV 27
【化28】
3.2grのDLフェニルアラニン、20mlのエチレングリコール及び7mlの塩化チオニルを2時間還流させた。上記のように処理して1.3grの油状物を得、これをAV 28の合成において使用した。
NMR アセトン d6、7.35-(5H、m)、4.50、3.27、2.90 (3H、12線 ABX)、4.32 (2H、t、J=7.0 Hz)、3.76 (2H、t、J=7.0 Hz)。
AV 28
【化29】
30mlのシクロヘキサン中の1gr (6mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と5mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の1.2grのAV 27と1mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.18grの白色固形物(8%、mp、224)を得た。
NMR アセトン d6、7.35〜6.8 (9H、m)、3.73〜2.50 (12H、m)。
【0026】
AV 29
【化30】
30mlのシクロヘキサン中の0.22gr (1.3mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と2mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.2gr (1.4mM)のトリプトアミンと0.3mlのトリエチルアミンを添加した。室温で1.5時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して0.11grの白色固形物(27%、mp、136)を得た。
NMR アセトン d6、7.36 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.0 (8H、m)、3.48 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.05 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.88 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.52 (2H、t、J=7.1 Hz)。
AV 30
【化31】
30mlのシクロヘキサン中の0.22gr (1.3mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と2mlの塩化チオニルを1.5時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、0.2gr (1.5mM)のチラミン、30mlのジクロロメタン及び0.3mlのトリエチルアミンを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて粘稠油状物を得、これをエタノールで再結晶化して85mgの白色固形物(23%)を得た。
NMR アセトン d6、7.36 (4H、ABq、J=8.8 Hz)、7.20 (4H、Abq、J=8.6 Hz)、3.48 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.05 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.88 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.52 (2H、t、J=7.1 Hz)。
【0027】
AV 32
【化32】
A) 40mlのメタノール中の0.8grの4-ヒドロキシ桂皮酸と10滴のHClを12時間還流させた。上記のように処理して、0.6grの油状物を得た(収率68%)。
NMR CDCl3、7.02、6.75 (4H、Abq、J=8.6 Hz)、3.66 (3H、s)、2.86 (2H、t、J=7.4 Hz)、2.60 (2H、t、J=7.4 Hz)。
B) 0.6gr (3.3mM)の工程Aからのエステルと0.26gr (4.2mM)のエタノールアミンを開放容器内で100で3時間加熱した。クロマトグラフィーにより、0.3grの回収エステル、次いでアミドを得た。この粘稠油状物をアセトン-塩化メチレンで摩砕し、濾過して160mgの白色固形物を得た(収率23%、mp、102)。
NMR アセトン d6、8.10 (1H、s、OH)、7.03、6.74 (4H、Abq、J=8.8 Hz)、3.90 (1H、t、J=5.2 Hz、NH)、3.54 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.28 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.80 (2H、t、J=8.2 Hz)、2.41 (2H、t、J=8.2 Hz)。
AV 33
【化33】
30mlのジクロロメタン中の0.9gr (6mM)のヒドロ桂皮酸と0.6gr (6当量)のトリホスゲン、及び1.5mlのトリエチルアミンを室温で10分間攪拌し、0.7grのフェネチルアミンを添加した。室温で2時間後に、処理(HCl)を行って粘稠油状物を得、これをヘキサン-塩化メチレンで再結晶化して166mgの白色固形物を得た(11%、mp、91)。
NMR アセトン d6、7.35 (10H、m)、3.40 (2H、q、J=7.2 Hz)、2.90 (2H、t、J=7.4 Hz)、2.74 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.46 (2H、t、J=7.4 Hz)。
AV 34
【化34】
同じ量であるが、フェネチルアミンの代りにチラミンを使用してAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びベンゼン-ヘキサンによる摩砕によって、220mgの白色固形物を得た(14%、mp、98)。
NMR アセトン d6、7.25 (5H、m)、6.96、6.75 (4H、Abq、J=8.4 Hz)、3.43 (2H、q、J=6.8 Hz)、2.94 (2H、t、J=7.6 Hz)、2.65 (2H、t、J=6.8 Hz)、2.42 (2H、t、J=7.6 Hz)。
【0028】
AV 35
【化35】
インドールプロピオン酸とトリプトアミンから、3mMでAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びエタノールによる摩砕によって162mgの白色固形物を得た(16%、mp、142)。
NMR アセトン d6、7.57 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.36 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.0 (8H、m)、3.48 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.05 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.88 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.52 (2H,t,J=7.1 Hz)。
AV 38
【化36】
インドールプロピオン酸とフェネチルアミンから、2mMでAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びエタノールによる摩砕によって220mgの白色粘稠油状固形物を得た(37%)。
NMR アセトン d6、7.57 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.25〜6.97 (9H、m)、3.44 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.10 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.66 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.51 (2H、t、J=7.1 Hz)。
AV 43
【化37】
30mlのジクロロメタン中の0.9gr (6mM)のヒドロ桂皮酸と0.6gr (6当量)のトリホスゲン、及び1mlのトリエチルアミンを室温で10分間攪拌し、0.6grのエタノールアミンを添加した。室温で2時間後に、処理(HCl)を行って粘稠油状物を得、これをヘキサンで再結晶化して124mgの白色固形物を得た(11%、mp、91)。
NMR アセトン d6、7.30 (5H、m)、3.63 (2H、t、J=5.2 Hz)、3.36 (2H、q、J=5.2 Hz)、2.97 (2H、t、J=7.3 Hz)、2.50 (2H、t、J=7.3 Hz)。
【0029】
AV 45
【化38】
6mMのインドールプロピオン酸、AV 27から、AV 28同様であるがトリホスゲン法により調製した。クロマトグラフィーにより、0.35grの粘稠油状物を得た(収率13%)。
NMR CDCl3、7.95 (1H(br.s)、7.57 (2H、d、J=8.0 Hz)、7.36〜6.90 (9H、m)、4.36 (2H、t、J=7.1 Hz)、4.17 (2H、q、J=7.0 Hz)、3.5〜2.8 (7H、m)。
AV 46
【化39】
0.65gr (3.9mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸、15mlのエチレングリコール及び5mlの塩化チオニルを3時間還流させた。処理して0.5gr (61%)の油状物を得た。
NMR アセトン d6、7.02、6.76 (4H、ABq、J=8.6 Hz)、4.28 (2H、t、J=7.1 Hz)、3.63 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.85、2.63 (4H、m)。
AV 48
【化40】
インドールプロピオン酸とチラミンから、3mMでAV 33のようにして調製した。クロマトグラフィー及びエタノール-ヘキサンによる摩砕によって120mgの桃白色固形物を得た(13%)。
NMR アセトン d6、7.57 (2H、d、J=7.8 Hz)、7.25〜6.97 (8H、m)、3.44 (2H、q、J=7.1 Hz)、3.10 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.66 (2H、t、J=7.1 Hz)、2.51 (2H、t、J=7.1 Hz)。
AV 49
【化41】
20mlのメタノール中の0.7gr (5mM)のヒドロ桂皮酸アルデヒドと0.7gr (5mM)のチラミンに、0.4grのNaBH4を添加し、反応を1時間還流させた。処理して0.7grの粘稠油状物を得た(収率55%)。
NMR アセトン d6、7.35 (5H、m)、7.15、6.85 (4H、ABq、J=8.6 Hz)、2.85 (2H、t、J=6.7 Hz)、2.70 (6H、m)、1.80 (2H、quin.、J=7.2 Hz)。
【0030】
実施例2
ポリアルキレングリコール化合物の合成
ポリアルキレン化合物を、適切なアルコール化合物(例えば、実施例1に記載した化合物の1つ、又はそのヒドロキシル化誘導体)を調製し、次いで、該アルコールを所望の長さのポリアルキレングリコール(PAG)ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG))と接合させることによって一般的に合成した。
化合物1、フェニルアラニノール
1.2gr (32mM)のLiAlH4を50mlの乾燥エーテル中の2.3gr (10mM)のフェニルアラニンエチルエステルHClに添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加し、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。蒸発させた後、0.8grの化合物1である淡黄色油状物を得た。
【化42】
化合物1は、放置中に結晶化した。mp、70.
NMR CDCl3、7.30 (5H、m)、3.64 (1H、dd、J=10.5、3.8 Hz)、3.40 (1H、dd、J=10.5、7.2 Hz)、3.12 (1H、m)、2.81 (1H、dd、J=13.2、5.2 Hz)、2.52 (1H、dd、J=13.2、8.6 Hz)。
NMR アセトン d6、7.30 (5H、m)、3.76 (1H、dt)、3.60 (1H、m)、3.30 (1H、t)、2.85 (2H、m)。
Helv. Chim. Acta, 31, 1617 (1948). Biels. E3, Vol. 13, p 1757。
化合物2、チロシノール
【化43】
50mlの乾燥エーテル中の3gr (12mM)のL-チロシンエチルエステルHClに、1.2gr (32mM)のLiAlH4を添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加し、反応を酢酸エチルで抽出した。蒸発させて、1.1grの淡黄色油状物(収率54%)を得、これは放置中に結晶化した。mp、85。
NMR CDCl3、7.20 (4H、AB q、J=8.6 Hz)、 3.50 (2H、m)、3.20 (1H、m)、2.81 (2H、m)。
NMR チロシンエチルエステル遊離塩基 CDCl3、7.0、6.56 (4H、AB q、J=8.8 Hz)、4.20 (2H、q、J=7.0 Hz)、3.70、3.0、2.80 (3H、12線、ABXm)、1.28 (3H、t、J=7.0 Hz)。
JACS, 71, 305 (1949). Biels. E3, Vol. 13, p 2263。
【0031】
化合物3、トリプトファノール
【化44】
50mlの乾燥エーテル中の3gr (12.9mM)のL-トリプトファンメチルエステルHClに、1.2gr (32mM)のLiAlH4を添加した。室温で6時間攪拌後、水とKOHを添加し、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。蒸発させて、1.23grの淡黄色油状物を得た(収率50%)。放置中に結晶化した。mp、65。
NMR CDCl3、7.30(5H、m)、3.64 (1H、dd、J=10.5、3.8 Hz)、3.40 (1H、dd、J=10.5、7.2 Hz)、3.12 (1H、m)、2.81 (1H、dd、J=13.2、5.2 Hz)、2.52 (1H、dd、J=13.2、8.6 Hz)。
J. Het. Chem, 13, 777 (1976), Biels. E5, 22, Vol. 12, p 90。
化合物4、AV 22
30mlのシクロヘキサン中の0.66grの4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させた後、白色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.65grの化合物1の油状物(4.3mM)と、0.4mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で2時間攪拌後、水とKOHを添加してpHを中性化した。反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.8grの淡黄色粘稠油状物の化合物4を得た。この生成物の1部を摩砕し、エタノールで再結晶化して白色固形物を得た。mp、149。
NMR CDCl3、7.30〜6.9 (9H、m)、3.50 (2H、m)、3.30 (2、t、J=7.2 Hz)、2.90 (3H、m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)。
【化45】
化合物5、AV 57
【化46】
30mlのシクロヘキサン中の0.75gr (5mM)のヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて白色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.83gr (5.5mM)のフェニルアラニノールと、0.5mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.57grの淡黄色粘稠油状物を得た(収率40%)。
NMR CDCl3、7.40〜7.10 (10H、m)、3.60 (2H、m)、3.35 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.95 (3H、m)、2.50 (2H、t、J=7.2 Hz)。
【0032】
化合物6、AV 58
【化47】
30mlのシクロヘキサン中の0.66gr (4mM)の4-ヒドロキシヒドロ桂皮酸と4mlの塩化チオニルを3時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.72gr (4.3mM)のチロシノールと、0.5mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.53grの淡黄色粘稠油状物を得た(収率42%)。
NMR CDCl3、7.30、7.20 (8H、2 ABq、J=8.6 Hz)、3.40 (2H、m)、3.30 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.90 (3H、m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)。
化合物7、AV 59
【化48】
30mlのシクロヘキサン中の0.45gr (3mM)のヒドロ桂皮酸と3mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.66gr (3.5mM)のトリプトファノールと、0.4mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で3時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.61grの粘稠油状物を得た(収率63%)。
NMR CDCl3、7.50〜7.05 (10H、m)、3.65 (2H、m)、3.32 (2H、t、J=7.3 Hz)、2.92 (3H、m)、2.53 (2H、t、J=7.3 Hz)。
化合物8、AV 72
【化49】
30mlのシクロヘキサン中の0.45gr (3mM)のヒドロ桂皮酸と3mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.58gr (3.5mM)のチロシノールと、0.4mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で2.5時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHを得、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.57grの淡黄色粘稠油状物を得た(収率63%)。
NMR CDCl3、7.40〜7.10 (9H、m)、3.60 (2H、m)、3.35 (2H、t、J=7.2 Hz)、2.95 (3H、m)、2.50 (2H、t、J=7.2 Hz)。
化合物9、AV 73
【化50】
30mlのシクロヘキサン中の0.38gr (2mM)の3-インドールプロピオン酸と2mlの塩化チオニルを2時間還流させた。蒸発させて淡黄色固形物を得、これに、30mlのジクロロメタン中の0.4gr (2.6mM)のフェニルアラニノールと、0.3mlのトリエチルアミンとを添加した。室温で2.5時間攪拌後、水とKOHを添加して中性pHとし、反応生成物をジクロロメタンで抽出した。蒸発させて、0.47grの桃色固形物を得た(収率75%)。
NMR CDCl3、7.58 (1H、d、J=8.0 Hz)、7.40 (1H、d、J=8.0 Hz)、7.30〜6.9 (8H、m)、3.50 (2H、m)、3.30 (2H、t、J=7.5 Hz)、2.95 (3H、m)、2.70 (2H、t、J=7.5 Hz)。
【0033】
化合物10
0.3grの化合物4(AV 22)、0.8grのトリフェニルホスフィン及び0.55grのエチルジアゾカルボキシレートを、60mlのジクロロメタン中の1grのポリ(プロピレングリコール) (平均分子量約1000)に添加した。室温での2時間の攪拌、蒸発及びクロマトグラフィーにより、0.65grの化合物10(式VII)を粘稠油状物として得た。
【化51】
フェニルアラニノールから合成した更なる化合物
これらの化合物としては、下記の式で示される化合物がある、
【化52】
この化合物は、下記の式Aとしても示され得、式中、Rはポリプロピレングリコールポリマーであり、Nはポリマー中のポリプロピレンモノマーの総数である、
【化53】
AV 61
R = PPG (ポリプロピレングリコール)、N = 7、MW、706
0.3grのAV 22 (1mM)、0.8gr (3mM)のトリフェニルホスフィン及び0.55gr (3.2mM)のエチルジアゾカルボキシレートを、60mlのジクロロメタン中の1grのポリ(プロピレングリコール) (平均分子量424、N = 7)に添加した。室温での4時間の攪拌、蒸発及びクロマトグラフィーの後、0.55grの粘稠油状物を得た(収率73%)。
NMR CDCl3、7.30〜6.9 (9H、m)、4.1〜3.0 (m)、2.60 (2H、t、J=7.2 Hz)、1.2〜1.1 (m)。
AV 62
R = PPG、N = 12、MW、996
0.2grのAV 22から上記のようにして調製し、0.3grを得た(収率46%)。
AV 60
R = PPG、N = 12、MW、1286
0.1grのAV 22から上記のようにして調製し、0.2grを得た(収率48%)。
AV 63
R = PPG、N = 34、MW、2274
0.1grのAV 22から上記のようにして調製し、0.25grを得た(収率34%)。
【0034】
化合物5、AV 57から合成した化合物
【化54】
AV 86
R = PPG、N = 7、MW、690
0.22grのAV 57から上記のようにして調製し、0.25grを得た(収率47%)。
AV 87
R = PPG、N = 17、MW、1270
0.2grのAV 57から上記のようにして調製し、0.33grを得た(収率33%)。
化合物9、AV 73から合成した化合物
【化55】
AV 76
R = PPG、N = 7、MW、729
0.22grのAV 73から上記のAV 61と同様に調製し、0.23grを得た(収率47%)。
AV 77
R = PPG、N = 34、MW、2297
0.2grのAV 73から上記のようにして調製し、0.35grを得た(収率25%)。
【0035】
チロシノールから合成した化合物
化合物6、AV 58から合成した化合物
【化56】
AV 64
R = PPG、N = 7、MW、722
0.2grのAV 58から上記のようにして調製し、0.21grを得た(収率46%)。
AV 65
R = PPG、N = 17、MW、1302
0.23grのAV 58から上記のようにして調製し、0.28grを得た(収率29%)。
化合物8、AV 72から合成した化合物
【化57】
AV 74
R = PPG、N = 7、MW、706
0.22grのAV 72から上記のAV 61と同様に調製し、0.26grを得た(収率50%)。
AV 75
R = PPG、N = 34、MW、2274
0.2grのAV 72から上記のようにして調製し、0.35grを得た(収率23%)。
AV 131
R = PPG、N = 69、MW、4307
AV 72とポリ(プロピレングリコール) (平均分子量4,000)から上記のようにして調製した。
トリプトファノールから合成した化合物
化合物7、AV 59から合成した化合物
【化58】
AV 81
R = PPG、N = 7、MW、729
0.22grのAV 59から上記のAV 61と同様に調製し、0.26grを得た(収率53%)。
AV 82
R = PPG、N = 34、MW、2297
0.2grのAV 59から上記のようにして調製し、0.35grを得た(収率41%)。
【0036】
実施例3
脾臓細胞の増殖応答に対する各化合物の効果
原生マウス又はコンカナバリンA (ConA)処置マウスから得られた脾臓細胞を、そのT細胞依存性マイトジェンに対する応答について生体外試験を実施した。各細胞を、5%加熱不活化FCS、2mMのL-グルタミン、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン及び各種濃度の化合物10 (100μg/ml〜100pg/ml)を補充したRPMI-1640培地中で、96ウェル平底マイクロタイタープレート中に4複製で入れた(4×105細胞/0.2ml/ウェル)。全てのプレートを空気中5%CO2の湿潤化雰囲気内で37℃で48時間インキュベートし、その後、1mCiの3[H]チミジンと一緒に18時間脈動させた。各ミクロ培養からの細胞を、マルチハーベスターを使用してガラス繊維フィルター上に採取し、取込み放射能を、標準のシンチレーション法を使用して測定した。
化合物10とのインキュベーションは、脾臓細胞の増殖において有意の抑制をもたらしている(表1)。
表1
【0037】
AV 75、AV 77、AV 82、AV 86、AV 87及びAV 75とAV 77の併用の脾臓細胞に対する効果も試験した。
AV 75試験からのデータは、表2に示し、図1に要約している。AV 77試験からのデータは、表3に示し、図2に要約している。AV 75+AV 77試験からのデータは、表4に示し、図3に要約している。各試験の比較は、図4にグラフで示している。本明細書の全ての図面において、“粗製物”とは、粗“アンチバイラン(Antiviran)”、即ち、バチルス スブチリス var. インドラサス(Bacillus subtilis var. indolasus)からの抽出物を称する。例えば、PCT公報WO 99/03350号を参照されたい。
表2
【0038】
表3
表4
【0039】
更なるAV 75試験も実施した。これらのAV 75試験からのデータは、表5及び6に示し、図5及び6に要約している。
表5
表6
【0040】
AV 81試験からのデータは、表7に示し、図7に要約している。AV 82試験からのデータは、表8に示し、図8に要約している。AV 86試験からのデータは、表9に示し、図9に要約している。AV 87試験からのデータは、表10に示し、図10に要約している。
表7
表8
【0041】
表9
表10
これらの化合物による生体外試験は、1pg/ml〜100ng/mlの範囲及びそれ以上の投与量において、脾臓細胞増殖に対する抑制効果を明らかに示している。
【0042】
同様な効果は、PHA(フィトヘムアグルチニン)処理ヒトPMBC細胞のAV 74、AV 75、AV 76による暴露によっても示されている。これらの試験は、脾臓細胞試験として実施した。結果は、AV 75及びAV 77の顕著な抑制効果を示しており、100及び10mg/mlの濃度で最高の抑制に達し、それよりも低い濃度での投与量関連抑制を示している。
AV 74試験からのデータは、表11に示し、図11に要約している。AV 75試験からのデータは、表12に示し、図12に要約している。AV 76試験からのデータは、表13に示し、図13に要約している。AV 77試験からのデータは、表14に示し、図14に要約している。
表11
【0043】
表12
表13
表14
【0044】
実施例4
T細胞の増殖に対する各化合物の効果
T細胞を、同意している健常ヒト供与者(Hadassah Hospital Blood Bank)の軟膜(BC)から分離した。BC調製物を、10U/mLのヘパリンを含有しているリン酸緩衝生理食塩水(PBS)により1、4に希釈した。末梢血単核球を、Ficoll/Paque密度遠心分離により分離した。単球及びB細胞を、それぞれ、ナイロンウールカラムによるプラスチック付着及び通過によって欠損させた。小Tリンパ球を、不連続パーコール(Percoll)勾配のペレットから採取した。該細胞は、FACS分析により、>80%のCD3+であることが判明した。細胞を、各種濃度の化合物及び/又はフィトヘムアグルチニン(PHA) (1μg/ml) T細胞マイトジェンの存在下で培養した。増殖は、96ウェル平底マイクロタイタープレートの各ウェル中で1×105個の細胞を培養することによって測定した。化合物添加後の48時間及び7日目で、1μCiの3[H]チミジンを各ウェルに添加し、培養物をさらに24時間インキュベートした。各サンプルを採取し、取込み放射能を測定した。化合物と一緒の7日インキュベーションは、PHA単独に対してPHA刺激T細胞の増殖における有意の増大をもたらしていた。
PHA(フィトヘムアグルチニン)処理ヒト末梢血単核球(PMBCs)に対するAV 74、AV 75、AV 76及びAV 77の効果を試験した。AV 74試験からのデータは、表15に示し、図15に要約している。AV 75試験からのデータは、表16に示し、図16に要約している。AV 76試験からのデータは、表17に示し、図17に要約している。AV 77試験からのデータは、表18に示し、図18に要約している。
【0045】
表15
表16
【0046】
表17
表18
【0047】
実施例5
各化合物の免疫抑制効果
ヒトT細胞を上述のようにして分離した。CsA (シクロスポリンA)で処理した細胞と対比したPMBCs(非活性化及びConA活性化の双方)に対するAV 72、AV 72、AV 74、AV 75、AV 76及びAV 77の免疫抑制効果を、それぞれ、図19、20、21、22及び23に示す。Av 75及びAV 77と対比したAV 61の効果は、図24に示している。結果は、AV 75及びAV 77のPBMCsに対する免疫抑制効果を明白に示しており、AV 75においては100ng/mlで、AV 77においては100pg/mlで最高抑制効果に達している。
CsA (シクロスポリンA)で処理した細胞と対比した樹状細胞(非活性化及びConA活性化の双方)に対するAV 61、AV 75及びAV 77の免疫抑制効果を図25に示す。即ち、AV 77の抑制効果は、PBMCsのみならず樹状細胞のような抗原提示細胞(APCs)に対しても示されており、1pg/mlにおいて65%の抑制効果に達している。
【0048】
実施例6
実験的自己免疫性脳脊髄炎に対するAV 75の効果
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、中枢神経系(CNS)内の白質の脱髄をもたらす臓器特異性T細胞介在自己免疫疾患である。その臨床及び組織病理学局面の多くにおいては、EAEは、ヒト多発性硬化症(MS)及び急性散在性脳脊髄炎に類似している。該疾病の早期組織病理学的徴候は、CNCの白質内の脱髄領域を有する、脳及び脊髄内の浸潤性単球病変その後の浸潤性リンパ球病変である。AV 75の急性EAEの病原を失効させる能力を試験した。
動物
6〜12週齢の24匹の雌SJL/Jマウスをこの試験において使用した、これらのマウスは、頂部フィルター付きケ−ジ内での標準条件下に囲い、抗生剤を含まない標準食餌を給餌した。
EAEの誘発及び臨床評価
SJLマウスにおける急性EAEの誘発は、バーナード手順(Bernard et al., J. Immunol. 114, 1537-1540 (1975))の修正に基づく。要するに、等容量のPBS中100mg/mlのマウス脊髄ホモジネート(MSCH)と結核菌(Mycobacterium tuberculosis) H37Raを富化(6 mg/ml)したCFAを乳化した。得られたエマルジョン(50〜100μl)を、各マウスの4本の足の裏側に皮下投与した。直後及び2日後に、マウスに百日咳毒素を静脈内注射した。全ての動物を疾病徴候について毎日検査した。最初の臨床兆候は、接種後11〜12日目で現れ、以下の6点測度に従って点数付けした、0、異常無し、1、軽微な尾部脆弱、2、尾部麻痺、3、尾部麻痺と後肢麻痺、4、後肢麻痺又は軽微な前肢麻痺、5、四肢麻痺又は瀕死状態、6、死亡。
AV 75治療
AV 75を、動物当り1μg及び100μgの二通りの投与量レベルで、試験期間中週3回腹腔内投与した。投与は、EAE誘発のためのMSCH接種直後の0日目で開始した。マウスの飲料水中の100pg/mlとして週2回交換して投与(無制限で)したAV 75も、MSの急性EAEモデルにおいてプラス結果をもたらした。
【0049】
リンパ球の生体外増殖応答
排液性リンパ節を、EAE及び対照マウスから、接種後10日目で切除した。リンパ球の単一細胞懸濁液を、[3H]チミジン取込みによってアッセイした。アッセイは、2.5%胎仔ウシ血清、L-グルタミン、抗生剤及び最適濃度の下記の抗原を補った0.2mlのRPMI培地中に4×105細胞/ウェルを接種することによって実施した、PLP (プロテオリピドたんぱく質、ミエリンペプチド)、PPD (ツベルクリン精製たんぱく質誘導体)、ConA (コンカナバリン A)、SEB (スタフィロコッカスエンテロトキシンB)、MOG (ミエリン乏突起膠細胞糖たんぱく質)及びLPS (リポ多糖体)。
結果
24匹のマウスを3群に分けた、対照としての8匹のマウス、試験中週3回注入毎に、動物当り1μgを受けた8匹のマウス及び動物当り100μgを受けた8匹のマウス。10日目に、各群からの2匹のマウスを殺処分し、それらの排液性リンパ節を、抗原類に対する応答について生体外増殖アッセイにおいてアッセイする目的で切除した。
残りの群毎の6匹の動物は、試験を続行した。100μg群の1匹の動物は、未知の理由で死亡した。試験の結果は、図26A、B及びCに提示している、対照群は、予想通り疾病を発症した。各AV 75治療群において僅かに2匹のみが比較的軽微な疾病徴候を発症しており、グラフにおいては、治療群と未治療群間の差を明らかに観察し得る。
排液性リンパ節から得られたリンパ球の各抗原に対する増殖応答の結果は、図27Aに要約している。個々の抗原試験からのデータは、図27B〜Fに提示している。対照(抗原無し)試験からのデータは、図27Gに示している。これらの結果は、各群からの2個のリンパ節の平均を示している。試験した全ての抗原に対するAV 75の二通りの投与量の抑制効果は、明白である。とりわけ顕著であり得るのは、EAEにおける最も独特な抗原であるPLP抗原に対する効果である。
【0050】
実施例7
移植拒絶反応に対するAV 75及びAV 77の効果
移植拒絶反応に対するAV 75及びAV 77の効果を、ラット急性腎同種移植片拒絶反応モデルにおいて生体内試験した。Brown-Norwayラット(供与体)からの腎臓をLewisラット(受容体)中に同所移植し、その後受容体の右腎臓摘出を行った。移植後0日目及び4日目でラット当り100ngのAV 75の2回の注入を受けた群においては、拒絶反応の予防が、長期間観察されている(例えば、対照の4日までの生存に比較したときに53日間まで)。データは、表19に要約している。
【0051】
表19
【0052】
本発明は、上述した細目に限定されないこと及び全てが本発明の範囲内に属する多くの修正が存在することを認識されたい。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】脾臓細胞±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図2】脾臓細胞±ConAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図3】脾臓細胞±ConAに対するAV 75+AV77の効果を示す棒グラフである。
【図4】脾臓細胞±ConAに対するAV 75及びAV 77の効果を要約する棒グラフである。
【図5】脾臓細胞±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図6】脾臓細胞±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図7】脾臓細胞±ConAに対するAV 81の効果を示す棒グラフである。
【図8】脾臓細胞±ConAに対するAV 82の効果を示す棒グラフである。
【図9】脾臓細胞±ConAに対するAV 86の効果を示す棒グラフである。
【図10】脾臓細胞±ConAに対するAV 87の効果を示す棒グラフである。
【図11】脾臓細胞±PHAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図12】脾臓細胞±PHAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図13】脾臓細胞±PHAに対するAV 76の効果を示す棒グラフである。
【図14】脾臓細胞±PHAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図15】PMBCs±PHAに対するAV 74の効果を示す棒グラフである。
【図16】PMBCs±PHAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【図17】PMBCs±PHAに対するAV 76の効果を示す棒グラフである。
【図18】PMBCs±PHAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図19】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 72及びAV 73の効果を示す棒グラフである。
【図20】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 74の効果を示す棒グラフである。
【図21】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 75の効果を示す棒グラフである。
【0054】
【図22】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 76の効果を示す棒グラフである。
【図23】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図24】シクロスポリンAで処理したものと対比したPMBCs±ConAに対するAV 61、AV75、及びAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図25】シクロスポリンAで処理したものと対比した樹状細胞±ConAに対するAV 61、AV75、及びAV 77の効果を示す棒グラフである。
【図26】図26A、B及びCは、実験的自己免疫性脳脊髄炎に対するAV 75の効果を示す線グラフである。病理学点数を治療後の日数の関数として記録している。
【図27】図27Aは、マウスリンパ節から得られたリンパ球による各種抗原に対する増殖応答についてのAV 75の効果を要約する棒グラフであり、図27Bは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるLPSに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Cは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるSEBに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Dは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるConAに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Eは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるPPDに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Fは、マウスリンパ節から得られたリンパ球によるPLPに対する増殖応答についてのAV 75の効果を示し、図27Gは、マウスリンパ節から得られた対照処理リンパ球に対する増殖応答についてのAV 75の効果を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式Iの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化1】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R1及びR2は、同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化2】
で示される基を示し、
R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、
R5は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
A-Bは、下記の式、
【化3】
で示される基であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項2】
R1が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が、下記である、請求項1記載の化合物、
【化4】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項4】
R1が、フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R1が、下記である、請求項1記載の化合物。
【化5】
【請求項6】
R2が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R2が、下記である、請求項1記載の化合物、
【化6】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項8】
R2が、フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R2が、下記である、請求項1記載の化合物、
【化7】
【請求項10】
A-Bが、下記である、請求項1記載の化合物、
【化8】
【請求項11】
Xが、-CH2Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
mが、0である、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
mが、1である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
nが、1〜20の整数である、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
nが、10〜20の整数である、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
nが、17である、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
下記の式IIの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化9】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項19】
R5が、Hである、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
R5が、OHである、請求項18記載の化合物。
【請求項21】
R5'が、Hである、請求項18記載の化合物。
【請求項22】
R5'が、OHである、請求項18記載の化合物。
【請求項23】
Xが、-CH2Oである、請求項18記載の化合物。
【請求項24】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項18記載の化合物。
【請求項25】
mが、0である、請求項18記載の化合物。
【請求項26】
mが、1である、請求項18記載の化合物。
【請求項27】
nが、1〜20の整数である、請求項18記載の化合物。
【請求項28】
nが、10〜20の整数である、請求項18記載の化合物。
【請求項29】
nが、17である、請求項18記載の化合物。
【請求項30】
下記の式IIIの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化10】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項31】
R5が、Hである、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
R5が、OHである、請求項30記載の化合物。
【請求項33】
R5'が、Hである、請求項30記載の化合物。
【請求項34】
R5'が、OHである、請求項30記載の化合物。
【請求項35】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項30記載の化合物。
【請求項36】
nが、1〜20の整数である、請求項30記載の化合物。
【請求項37】
nが、10〜20の整数である、請求項30記載の化合物。
【請求項38】
nが、17である、請求項30記載の化合物。
【請求項39】
下記の式IVの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化11】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項40】
R5が、Hである、請求項39記載の化合物。
【請求項41】
R5が、OHである、請求項39記載の化合物。
【請求項42】
R5'が、Hである、請求項39記載の化合物。
【請求項43】
R5'が、OHである、請求項39記載の化合物。
【請求項44】
nが、1〜20の整数である、請求項39記載の化合物。
【請求項45】
nが、10〜20の整数である、請求項39記載の化合物。
【請求項46】
nが17である、請求項39記載の化合物。
【請求項47】
下記の式Iの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化12】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R1及びR2は、同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化13】
で示される基を示し、
R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、
R5は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
A-Bは、下記の式、
【化14】
で示される基であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、1であり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項48】
R1が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項47記載の化合物。
【請求項49】
R1が下記である、請求項47記載の化合物、
【化15】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項50】
R1がフェニルである、請求項47記載の化合物。
【請求項51】
R1が、下記である、請求項47記載の化合物。
【化16】
【請求項52】
R2が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項47記載の化合物。
【請求項53】
R2が、下記である、請求項47記載の化合物、
【化17】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項54】
R2が、フェニルである、請求項47記載の化合物。
【請求項55】
R2が、下記である、請求項47記載の化合物、
【化18】
【請求項56】
A-Bが、下記である、請求項47記載の化合物、
【化19】
【請求項57】
Xが、-CH2Oである、請求項47記載の化合物。
【請求項58】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項47記載の化合物。
【請求項59】
nが、1〜200の整数である、請求項47記載の化合物。
【請求項60】
nが、5〜75の整数である、請求項47記載の化合物。
【請求項61】
nが、69である、請求項47記載の化合物。
【請求項62】
下記の式IIの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化20】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
mは、1であり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項63】
R5が、Hである、請求項62記載の化合物。
【請求項64】
R5が、OHである、請求項62記載の化合物。
【請求項65】
R5'が、Hである、請求項62記載の化合物。
【請求項66】
R5'が、OHである、請求項62記載の化合物。
【請求項67】
Xが、-CH2Oである、請求項62記載の化合物。
【請求項68】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項62記載の化合物。
【請求項69】
nが、1〜200の整数である、請求項62記載の化合物。
【請求項70】
nが、5〜75の整数である、請求項62記載の化合物。
【請求項71】
nが、69である、請求項62記載の化合物。
【請求項72】
下記の式IIIの構造で示される化合物及びその塩又は水和物。
【化21】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項73】
R5が、Hである、請求項72記載の化合物。
【請求項74】
R5が、OHである、請求項72記載の化合物。
【請求項75】
R5'が、Hである、請求項72記載の化合物。
【請求項76】
R5'が、OHである、請求項72記載の化合物。
【請求項77】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項72記載の化合物。
【請求項78】
nが、1〜200の整数である、請求項72記載の化合物。
【請求項79】
nが、5〜75の整数である、請求項72記載の化合物。
【請求項80】
nが、69である、請求項72記載の化合物。
【請求項81】
下記の式IVの構造で示される化合物又はその塩又は水和物、
【化22】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項82】
R5が、Hである、請求項81記載の化合物。
【請求項83】
R5が、OHである、請求項81記載の化合物。
【請求項84】
R5'が、Hである、請求項81記載の化合物。
【請求項85】
R5'が、OHである、請求項81記載の化合物。
【請求項86】
nが、1〜200の整数である、請求項81記載の化合物。
【請求項87】
nが、5〜75の整数である、請求項81記載の化合物。
【請求項88】
nが、69である、請求項81記載の化合物。
【請求項89】
請求項1記載の1種以上の化合物を含む組成物。
【請求項90】
活性成分としての請求項1又は47記載の1種以上の化合物を、1種以上の製薬上許容し得る賦形剤又はアジュバントと一緒に含む製薬組成物。
【請求項91】
経口又は非経口投与用に調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項92】
無コーティング錠剤、コーティング錠剤、ピル剤、カプセル剤、粉末剤又は懸濁液として調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項93】
静脈内投与用に調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項94】
経皮投与用に調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項95】
軟膏、クリーム又はゲル形で調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項96】
対象者に、請求項1又は47記載の1種以上の化合物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項97】
前記免疫-アレルギー疾患が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である、請求項96記載の方法。
【請求項98】
対象者に、請求項90記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項99】
前記免疫-アレルギー疾患が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である、請求項98記載の方法。
【請求項100】
対象者に、請求項1又は47記載の1種以上の化合物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項101】
前記自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である、請求項100記載の方法。
【請求項102】
対象者に、請求項90記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項103】
前記自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である、請求項102記載の方法。
【請求項104】
対象者に、請求項1又は47記載の1種以上の化合物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法。
【請求項105】
前記臓器又は組織移植拒絶反応が、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である、請求項104記載の方法。
【請求項106】
対象者に、請求項90記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法。
【請求項107】
前記臓器又は組織移植拒絶反応が、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である、請求項106記載の方法。
【請求項108】
下記の式Aの化合物。
【化23】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項109】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項108記載の化合物。
【請求項110】
nが、5〜75の整数である、請求項109記載の化合物。
【請求項111】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項109記載の化合物。
【請求項112】
下記の式Bの化合物、
【化24】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項113】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項112記載の化合物。
【請求項114】
nが、5〜75の整数である、請求項113記載の化合物。
【請求項115】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項113記載の化合物。
【請求項116】
下記の式Cの化合物。
【化25】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項117】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項116記載の化合物。
【請求項118】
nが、5〜75の整数である、請求項117記載の化合物。
【請求項119】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項117記載の化合物。
【請求項120】
下記の式Dの化合物。
【化26】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項121】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項120記載の化合物。
【請求項122】
nが、5〜75の整数である、請求項121記載の化合物。
【請求項123】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項121記載の化合物。
【請求項124】
下記の式Eの化合物、
【化27】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項125】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項124記載の化合物。
【請求項126】
nが、5〜75の整数である、請求項125記載の化合物。
【請求項127】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項125記載の化合物。
【請求項128】
下記の式Fの化合物。
【化28】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項129】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項128記載の化合物。
【請求項130】
nが、5〜75の整数である、請求項129記載の化合物。
【請求項131】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項129記載の化合物。
【請求項132】
請求項108〜131記載の1種以上の化合物を含む組成物。
【請求項133】
活性成分としての請求項108〜131記載の1種以上の化合物を、1種以上の製薬上許容し得る賦形剤又はアジュバントと一緒に含む製薬組成物。
【請求項134】
経口又は非経口投与用に調製した、請求項133記載の組成物。
【請求項135】
対象者に、請求項132記載の組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項136】
前記免疫-アレルギー疾患が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である、請求項135記載の方法。
【請求項137】
対象者に、請求項132記載の組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項138】
前記自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である、請求項137記載の方法。
【請求項139】
対象者に、請求項132記載の組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法。
【請求項140】
前記臓器又は組織移植拒絶反応が、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である、請求項139記載の方法。
【請求項1】
下記の式Iの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化1】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R1及びR2は、同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化2】
で示される基を示し、
R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、
R5は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
A-Bは、下記の式、
【化3】
で示される基であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項2】
R1が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が、下記である、請求項1記載の化合物、
【化4】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項4】
R1が、フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R1が、下記である、請求項1記載の化合物。
【化5】
【請求項6】
R2が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R2が、下記である、請求項1記載の化合物、
【化6】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項8】
R2が、フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R2が、下記である、請求項1記載の化合物、
【化7】
【請求項10】
A-Bが、下記である、請求項1記載の化合物、
【化8】
【請求項11】
Xが、-CH2Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
mが、0である、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
mが、1である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
nが、1〜20の整数である、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
nが、10〜20の整数である、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
nが、17である、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
下記の式IIの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化9】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、0又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項19】
R5が、Hである、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
R5が、OHである、請求項18記載の化合物。
【請求項21】
R5'が、Hである、請求項18記載の化合物。
【請求項22】
R5'が、OHである、請求項18記載の化合物。
【請求項23】
Xが、-CH2Oである、請求項18記載の化合物。
【請求項24】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項18記載の化合物。
【請求項25】
mが、0である、請求項18記載の化合物。
【請求項26】
mが、1である、請求項18記載の化合物。
【請求項27】
nが、1〜20の整数である、請求項18記載の化合物。
【請求項28】
nが、10〜20の整数である、請求項18記載の化合物。
【請求項29】
nが、17である、請求項18記載の化合物。
【請求項30】
下記の式IIIの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化10】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項31】
R5が、Hである、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
R5が、OHである、請求項30記載の化合物。
【請求項33】
R5'が、Hである、請求項30記載の化合物。
【請求項34】
R5'が、OHである、請求項30記載の化合物。
【請求項35】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項30記載の化合物。
【請求項36】
nが、1〜20の整数である、請求項30記載の化合物。
【請求項37】
nが、10〜20の整数である、請求項30記載の化合物。
【請求項38】
nが、17である、請求項30記載の化合物。
【請求項39】
下記の式IVの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化11】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
nは、0〜50の整数である)。
【請求項40】
R5が、Hである、請求項39記載の化合物。
【請求項41】
R5が、OHである、請求項39記載の化合物。
【請求項42】
R5'が、Hである、請求項39記載の化合物。
【請求項43】
R5'が、OHである、請求項39記載の化合物。
【請求項44】
nが、1〜20の整数である、請求項39記載の化合物。
【請求項45】
nが、10〜20の整数である、請求項39記載の化合物。
【請求項46】
nが17である、請求項39記載の化合物。
【請求項47】
下記の式Iの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化12】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R1及びR2は、同一又は異なるものであって、互いに個々に、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、-CH(OR4)CH3、又は下記の式、
【化13】
で示される基を示し、
R4は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルであり、
R5は、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
A-Bは、下記の式、
【化14】
で示される基であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、1であり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項48】
R1が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項47記載の化合物。
【請求項49】
R1が下記である、請求項47記載の化合物、
【化15】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項50】
R1がフェニルである、請求項47記載の化合物。
【請求項51】
R1が、下記である、請求項47記載の化合物。
【化16】
【請求項52】
R2が、-CH2OH、-CH2OR4、-CH(OH)CH3、又はCH(OR4)CH3である、請求項47記載の化合物。
【請求項53】
R2が、下記である、請求項47記載の化合物、
【化17】
(式中、R5は、H又はOHである)。
【請求項54】
R2が、フェニルである、請求項47記載の化合物。
【請求項55】
R2が、下記である、請求項47記載の化合物、
【化18】
【請求項56】
A-Bが、下記である、請求項47記載の化合物、
【化19】
【請求項57】
Xが、-CH2Oである、請求項47記載の化合物。
【請求項58】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項47記載の化合物。
【請求項59】
nが、1〜200の整数である、請求項47記載の化合物。
【請求項60】
nが、5〜75の整数である、請求項47記載の化合物。
【請求項61】
nが、69である、請求項47記載の化合物。
【請求項62】
下記の式IIの構造で示される化合物又はその塩又は水和物。
【化20】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Xは、O、-CH2O、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又はCH2CH(CH3)Oであり、
mは、1であり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項63】
R5が、Hである、請求項62記載の化合物。
【請求項64】
R5が、OHである、請求項62記載の化合物。
【請求項65】
R5'が、Hである、請求項62記載の化合物。
【請求項66】
R5'が、OHである、請求項62記載の化合物。
【請求項67】
Xが、-CH2Oである、請求項62記載の化合物。
【請求項68】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項62記載の化合物。
【請求項69】
nが、1〜200の整数である、請求項62記載の化合物。
【請求項70】
nが、5〜75の整数である、請求項62記載の化合物。
【請求項71】
nが、69である、請求項62記載の化合物。
【請求項72】
下記の式IIIの構造で示される化合物及びその塩又は水和物。
【化21】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
Zは、-CH2CH2O、-CH(CH3)CH2O、又は-CH2CH(CH3)Oであり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項73】
R5が、Hである、請求項72記載の化合物。
【請求項74】
R5が、OHである、請求項72記載の化合物。
【請求項75】
R5'が、Hである、請求項72記載の化合物。
【請求項76】
R5'が、OHである、請求項72記載の化合物。
【請求項77】
Zが、-CH(CH3)CH2Oである、請求項72記載の化合物。
【請求項78】
nが、1〜200の整数である、請求項72記載の化合物。
【請求項79】
nが、5〜75の整数である、請求項72記載の化合物。
【請求項80】
nが、69である、請求項72記載の化合物。
【請求項81】
下記の式IVの構造で示される化合物又はその塩又は水和物、
【化22】
(式中、点線は、一重又は二重結合を示し、
R5及びR5'は、互いに個々に、H、OH又はOR6 (R6は、線状又は枝分れのC1〜C4アルキルである)であり、
nは、1〜500の整数である)。
【請求項82】
R5が、Hである、請求項81記載の化合物。
【請求項83】
R5が、OHである、請求項81記載の化合物。
【請求項84】
R5'が、Hである、請求項81記載の化合物。
【請求項85】
R5'が、OHである、請求項81記載の化合物。
【請求項86】
nが、1〜200の整数である、請求項81記載の化合物。
【請求項87】
nが、5〜75の整数である、請求項81記載の化合物。
【請求項88】
nが、69である、請求項81記載の化合物。
【請求項89】
請求項1記載の1種以上の化合物を含む組成物。
【請求項90】
活性成分としての請求項1又は47記載の1種以上の化合物を、1種以上の製薬上許容し得る賦形剤又はアジュバントと一緒に含む製薬組成物。
【請求項91】
経口又は非経口投与用に調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項92】
無コーティング錠剤、コーティング錠剤、ピル剤、カプセル剤、粉末剤又は懸濁液として調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項93】
静脈内投与用に調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項94】
経皮投与用に調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項95】
軟膏、クリーム又はゲル形で調製した、請求項90記載の組成物。
【請求項96】
対象者に、請求項1又は47記載の1種以上の化合物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項97】
前記免疫-アレルギー疾患が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である、請求項96記載の方法。
【請求項98】
対象者に、請求項90記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項99】
前記免疫-アレルギー疾患が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である、請求項98記載の方法。
【請求項100】
対象者に、請求項1又は47記載の1種以上の化合物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項101】
前記自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である、請求項100記載の方法。
【請求項102】
対象者に、請求項90記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項103】
前記自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である、請求項102記載の方法。
【請求項104】
対象者に、請求項1又は47記載の1種以上の化合物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法。
【請求項105】
前記臓器又は組織移植拒絶反応が、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である、請求項104記載の方法。
【請求項106】
対象者に、請求項90記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法。
【請求項107】
前記臓器又は組織移植拒絶反応が、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である、請求項106記載の方法。
【請求項108】
下記の式Aの化合物。
【化23】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項109】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項108記載の化合物。
【請求項110】
nが、5〜75の整数である、請求項109記載の化合物。
【請求項111】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項109記載の化合物。
【請求項112】
下記の式Bの化合物、
【化24】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項113】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項112記載の化合物。
【請求項114】
nが、5〜75の整数である、請求項113記載の化合物。
【請求項115】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項113記載の化合物。
【請求項116】
下記の式Cの化合物。
【化25】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項117】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項116記載の化合物。
【請求項118】
nが、5〜75の整数である、請求項117記載の化合物。
【請求項119】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項117記載の化合物。
【請求項120】
下記の式Dの化合物。
【化26】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項121】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項120記載の化合物。
【請求項122】
nが、5〜75の整数である、請求項121記載の化合物。
【請求項123】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項121記載の化合物。
【請求項124】
下記の式Eの化合物、
【化27】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項125】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項124記載の化合物。
【請求項126】
nが、5〜75の整数である、請求項125記載の化合物。
【請求項127】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項125記載の化合物。
【請求項128】
下記の式Fの化合物。
【化28】
(式中、Rは、n単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは、1〜100の整数である)。
【請求項129】
前記ポリアルキレングリコールポリマーが、ポリイソプロピレングリコールである、請求項128記載の化合物。
【請求項130】
nが、5〜75の整数である、請求項129記載の化合物。
【請求項131】
nが、7、12、17、34及び69からなる群から選ばれる、請求項129記載の化合物。
【請求項132】
請求項108〜131記載の1種以上の化合物を含む組成物。
【請求項133】
活性成分としての請求項108〜131記載の1種以上の化合物を、1種以上の製薬上許容し得る賦形剤又はアジュバントと一緒に含む製薬組成物。
【請求項134】
経口又は非経口投与用に調製した、請求項133記載の組成物。
【請求項135】
対象者に、請求項132記載の組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における免疫-アレルギー疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項136】
前記免疫-アレルギー疾患が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、乾癬又はクローン病である、請求項135記載の方法。
【請求項137】
対象者に、請求項132記載の組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における自己免疫疾患の治療、予防及び管理方法。
【請求項138】
前記自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症又は実験的自己免疫性脳脊髄炎である、請求項137記載の方法。
【請求項139】
対象者に、請求項132記載の組成物を投与することを特徴とする、ヒト及び動物用途における臓器又は組織移植拒絶反応の治療、予防及び管理方法。
【請求項140】
前記臓器又は組織移植拒絶反応が、腎拒絶反応、骨髄拒絶反応、皮膚移植片拒絶反応、心臓移植片拒絶反応又は慢性移植片対宿主疾病である、請求項139記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図27E】
【図27F】
【図27G】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図27A】
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【図27C】
【図27D】
【図27E】
【図27F】
【図27G】
【公表番号】特表2006−501298(P2006−501298A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541124(P2004−541124)
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004993
【国際公開番号】WO2004/031129
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505123907)ニュー エラ バイオテック リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004993
【国際公開番号】WO2004/031129
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505123907)ニュー エラ バイオテック リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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