説明

薄膜バルブ装置及びその制御装置

薄膜バルブ装置の本体のホールまたはチャンネルを、熱発生装置から発生する熱及び遠心力によって開閉する薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置が提供される。該薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置は、例えば、流体中の微量の物質を検出できる診断ラボオンチップと、蛋白質チップ及びDNAチップのようなバイオチップが集積されている回転可能なバイオディスクなどに適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体中の微量の物質を検出できる診断分析装置内の流体の流動及び流量の制御に関するものである。
【0002】
本発明は、流体の流動及び流量を制御するための薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置に係り、特に、ホール(hole)とバルブが、熱発生装置から発生する熱及び遠心力により開閉される薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置に関するものである。
【0003】
本発明の一実施例による薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置は、流体中の微量の物質を検出できる診断ラボオンチップ(lab−on−a−chip)用の、そして蛋白質チップ及びDNAチップのようなバイオチップが集積されている回転可能なバイオディスク(bio−disc)用のバルブ及びその制御装置の製造に適用可能である。例えば、本発明の一実施例による薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置は、薄膜形態で形成された本体に設けられたチャンネル及びホールを開閉するように使用される、CD−ROM及びDVDのような一般ディスク装置を変形させることによってマイクロバルブ装置の製造に適用可能である。
【背景技術】
【0004】
いままで、流体中の少量の分析物質(analyte)の検出のための大部分の診断分析装置と関連して、多数の試料を同時に識別するための多重試料前処理(preparation)及び自動試薬添加装置、または多重試料分析装置が効率改善及び費用減少を目的として互いに並行してまたは順次に設計されてきた。このような自動試薬前処理装置及び自動分析装置は総じて単一薄膜型装置に統合される。この薄膜型診断分析装置は、微量の試料及び試薬を使用して時間当り数百個の分析物質を自動的にまたは半自動的に正確に分析することができる。薄膜型分析装置は、試料または試薬(酵素及び緩衝剤)を自動的に供給するためのバルブを必要とする。しかし、薄膜型分析装置用のこのようなバルブは設計が複雑であり、よって、薄膜型分析装置に適当な簡単な薄膜バルブを設計する必要がある。
【0005】
薄膜基板形態のCD及びDVDと関連して、標準CDは、例えば、12cmのポリカーボネート基板、反射金属層そして保護ラッカー(lacquer)コーティングで形成されている。DVD、CD及びCD−ROMのフォーマット(format)はISO9660に説明されている。このポリカーボネート基板は、光学性能を備えた透明ポリカーボネート基板である。DVD及びCDのデータ層がポリカーボネート基板の一部に設けられることができ、データは射出成形工程でスタンパー(stamper)により一連のピット(pit)形態で刻まれることができる。スタンピングマスターは主にガラスである。このようなポリカーボネート基板は、流体中の微量の物質を検出するバイオディスクのような薄膜型診断分析装置に変形されることもできる。この場合、射出成形工程では、ピットの代わりに、流体流路形態のチャンネルと緩衝剤貯蔵所形態のチャンバがディスクの表面に形成されることもできる。また、薄膜型ディスクに形成されたチャンネルを通過する流体の流動及び流量を円滑に制御できる薄膜型バルブが要求される。
【0006】
以下では、流体中の微量の物質を検出する診断ラボオンチップ、薄膜バルブが蛋白質チップ及びDNAチップのようなバイオチップと共に集積されているディスク、そして薄膜バルブが集積されているとともに流体中の微量の物質を検出するために生物学的工程及び化学的工程が行われる診断ディスクを“バイオディスク”または“薄膜バルブ装置”と総称し、これらの装置は、CD−ROM、DVDなどのような一般ディスクを変形させて製造する。
【0007】
ディスクの注入ホール内に注入される流体試料を遠心力を用いてディスクの表面内で流動させるための装置、そしてディスクの注入ホール内に注入される流体試料を遠心力を用いてチャンネル及びチャンバ内に流動させて試料を分離するための装置が広く知られている。しかし、これらの装置は、薄膜型構造体の製造上の難題を克服することができず、よって、正確な流量制御を保障しない。
【0008】
電磁石を使用する一般のバルブは、磁力により移動するシリンダーまたはプランジャーを用いてチャンネルを開閉する。シリンダーまたはプランジャーを移動させるように磁力を増大させるためには、適切な大きさの強誘電性コアそしてコアの周りに巻き取られる多数のワイヤーが必要である。また、バルブをオン・オフさせ、シリンダーまたはプランジャーを移動させるためには多量の電気が必要である。電磁石を使用するバルブは、電磁石の大きさによって薄膜型バルブとすることができない他、多量の電気を消費することから過量の熱を発生させる。したがって、このようなバルブは薄膜バルブとしては適当でない。
【0009】
上記の問題点を解消するために、本発明の一実施例で、バルブは、熱発生装置から発生する熱を用いる他、薄膜バルブ装置の回転によって発生する遠心力を用いて開放される。その結果、外部磁石の体積が減少し、バルブの開放信頼性が保障される。また、チャンネルの代わりにホールが開放されるから、流体はバルブと接触しない。これにより、熱の発生によって流体の特性が変更される可能性が減少する。
【0010】
全体循環周期の間に液状物質をチャンバ内に安定的に貯蔵するにはバイオディスクが要求される。しかし、バイオディスクの本体は、温度のような環境的な要因により長期間の循環周期の間に収縮及び膨脹し、これにより、バルブに間隙を誘発することもできる。その結果、チャンバ内に貯蔵された流体がバルブの間隙から蒸発し、バルブの密封信頼性が低下する。このような問題を解決するために、本発明の一実施例は、後述するように、ホールを開閉する薄膜バルブ装置を提供する。接着剤(adhesive)(粘着剤(gluing agent))のコーティングされている、ビーズ(bead)(ボール(ball))栓(stopple)、非磁性栓、磁性栓、または熱収縮性栓、または薄膜接着テープが循環周期の間にホールを緊密に閉鎖するようにホールに付着される。また、ホールを開放する場合、熱発生装置から発生する熱により接着剤の接着強度(拘束力)が低下し、その後、ビーズ(ボール)栓、非磁性栓、磁性栓、熱収縮性栓、または薄膜接着テープが遠心力により発生する流体の油圧によりホールから分離される。
【0011】
以下、ホールを開閉するように使用される、ビーズ(ボール)栓、非磁性栓、磁性栓、熱収縮性栓、そして薄膜接着テープにより形成されるホール閉鎖膜を‘薄膜バルブ’と総称する。
【0012】
薄膜バルブは薄膜形態で形成される。また、薄膜バルブ用コーティング剤として使われる接着剤は、温度のような環境的な要因によって薄膜バルブ装置の本体の膨脹及び収縮に応じてたわむことができ、循環周期の間に本体の膨脹及び収縮により生じる密封問題を防止する。
【0013】
本発明の一実施例による薄膜バルブ装置は、薄膜形態のバルブを含む。また、単位面積当たり多数のバルブが集積されることもできる。これにより、薄膜バルブ装置は、流体中の微量の物質を検出できるラボオンチップまたはDNAチップのような薄膜診断装置用バルブの製造に適用可能である。例えば、薄膜バルブ装置は、薄膜バルブ装置本体のチャンネル及びホールを開閉するようにまたは流体の流量を制御するようにCD−ROM、DVDなどのような一般ディスク装置を変形させる方式でバルブ装置の製造に適用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の一実施例による薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置は、流体中の微量の物質を検出できる診断ラボオンチップ用の、そして蛋白質チップ及びDNAチップのようにバイオチップが集積されている回転可能なバイオディスク用のバルブ及びその制御装置の製造に適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施例は、熱発生装置から発生する熱及び遠心力を用いてビーズ(ボール)栓、熱収縮性栓、非磁性栓、または磁性栓により閉鎖されたホールを開放する薄膜バルブ装置を含む。
【0016】
本発明の他の実施例は、熱発生装置から発生する熱、遠心力及び/または磁力を用いて磁性栓により閉鎖されたホールを開放する薄膜バルブ装置を含む。
【0017】
本発明の他の実施例は、熱発生装置から発生する熱を用いて磁性栓の接着強度を弱化させることによって且つ本体下部に配置された移動可能な永久磁石を用いることによって、磁性栓により閉鎖されたホールを開放する機能;そして、熱発生装置から発生する熱を用いて磁性栓の接着強度を復旧させることによって且つ同時にホール上部に配置された永久磁石と磁性栓間のけん引力を用いることによってホールを再び閉鎖する機能を含む可逆開閉機能を有する薄膜バルブ装置を含む。
【0018】
本発明の他の実施例は、熱発生装置から発生する熱を用いて熱収縮性栓により閉鎖されたホールまたはチャンネルを開放する薄膜バルブ装置を含む。
【0019】
本発明の他の実施例によれば、ビーズ(ボール)栓、熱収縮性栓、磁性栓及び非磁性栓の表面は、接着剤でコーティングされることができる。
【0020】
以下では、本発明の明細書全体にわたって、接着剤、薄膜接着テープ及びテープが相互交換可能に使われている。
【0021】
本発明の他の実施例は、ホールが、薄膜接着テープで形成されたホール閉鎖膜により閉鎖され、また、熱発生装置からの熱及び遠心力により発生する流体そのものの作動力(hydraulic force)(または、油圧(hydraulic pressure))によりホール閉鎖膜が破裂して開放される薄膜バルブ装置を含む。
【0022】
熱発生装置は、局所UV照明ユニット、UV光源及びレーザービーム発生装置を含むこともできる。
【0023】
ビーズ(ボール)栓は、強磁性ビーズ、常磁性ビーズ、反磁性ビーズ、金属ボール、金属コートプラスチックビーズ及びガラスビーズからなるグループより選択することができる。ビーズ栓の直径は、1μm乃至1mmにすることができる。ビーズ栓及び熱収縮性栓は、球形粒子または非球形粒子を含むこともできる。球形粒子の例には、薄膜円筒形粒子、円筒形粒子または薄膜四辺形粒子を含む。
【0024】
薄膜接着テープは、単面テープ、両面テープなどのような接着テープに使われる接着剤を含むことができる。接着剤は、熱融解接着剤、シリコン接着剤、ゴム系接着剤、変性シリコン系接着剤、アクリル接着剤、ポリアミド接着剤、ポリオレフィン接着剤、テフロン(登録商標)系接着剤、エポキシ接着剤、UV硬化可能な接着剤、UV接着剤、熱可塑性接着剤、ゲル(gel)、ワックスなどの材料とすることもできる。
【0025】
例えば、接着剤は、熱融解テープ、熱硬化性テープ、または熱可塑性テープとすることができる。ゲルは、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリビニルアミドとすることができる。熱可塑性樹脂は、COC、PMMA、PC、PS、POM、PFA、PVC、PP、PET、PEEK、PA、PSUまたはPVDFとすることができる。ワックスは、パラフィンワックス、合成ワックスまたは微晶質ワックスとすることができる。接着剤は、熱発生装置から発生する熱により融解されたり接着強度を失うこともできる。熱融解テープ、熱可塑性テープまたはUV硬化可能な接着剤が、熱発生装置から発生する熱により融解されて接着強度を失うこともできる。接着剤は、熱発生装置から発生するエネルギーを吸収することによって熱を発生させる複数個のマイクロサイズの熱発生粒子をさらに含むことができる。熱発生装置からの照射作用により熱を発生させる複数個のマイクロサイズの熱発生粒子は、接着剤の融解及び膨脹(swelling)を促進して接着剤の接着強度を弱化させることができる。マイクロサイズの熱発生粒子は、強磁性材料と金属酸化物との間で選択された少なくとも一つの粒子でありうる。強磁性材料は、Fe、Ni、Cr及びこれら成分の酸化物からなるグループより選択された少なくとも一つとすることができる。金属酸化物は、Al、TiO、Ta、Fe、Fe及びHfOからなるグループより選択されることができる。単面テープまたは両面テープは、紙、ビニル、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、または合成バッキング(synthetic backing)の一面または両面に特殊接着剤(粘着剤)をコーティングして形成することができる。高い密封及び緩衝能力と、振動緩和効果、耐衝撃性、耐熱性、吸着能力、接着強度などを備えた接着材料が必要に応じて使用されるように選択されることができる。熱収縮性栓は、テフロン(登録商標)系材料、シリコン系材料及びポリオレフィン系材料の中から選択された材料にすることができる。熱収縮性材料は、50%〜350%の弾性を有することができる。
【0026】
本発明の他の実施例は、生物学的、化学的または生化学的分析に必要な流体を貯蔵し、生物学的、化学的または生化学的反応が行われる少なくとも一つのチャンバと;少なくとも一つのチャンバを連結するチャンネルと;試料の生物学的、化学的または生化学的反応が行われる分析サイトまたは生化学的反応チャンバと;チャンネルの中間に位置してチャンネルを相互連結するホールと;前記ホールを開閉する薄膜バルブと;前記チャンネル、少なくとも一つのチャンバ、分析サイト、生化学的反応チャンバ、ホール及び薄膜バルブが集積されている本体と;を含む。
【0027】
前記生物学的、化学的または生化学的反応は、特定接合反応、リガンド−受容体(ligand−receptor)反応、抗原−抗体反応、免疫反応、交配反応または二つの生体適合物質間の生化学的反応、または反応による3次元構造の変更を含むことができる。生化学的反応は、血液中のGOT、GPT、ALP、LDH、GGT、CPK、アミラーゼ、T−蛋白質、アルブミン、ブドウ糖、T−コレステロール、トリグリセリド(triglycerides)、T−ビリルビン(bilirubin)、D−ビリルビン、BUN、クレアチニン(creatinine)、I−燐、カルシウム、尿酸などを分析するための反応を含むこともできる。
【0028】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置は、流体中の微量の生物学的または化学的材料を検出するための診断分析装置、例えば、ELISA/CLISA分析方法が適用されるラボオンチップ、急速検査方法が適用されるラボオンチップ、または食中毒菌、残留抗生物質、残留農薬、汚染水中の重金属、遺伝子組み換え食品、食物アレルギー、汚染物質、大腸菌及びサルモネラ菌のようなバクテリア、実子確認、肉類の種類及び原産地識別試験に関するラボオンチップに適用することもできる。
【0029】
細菌学的試験は、大腸菌、緑膿菌、葡萄状球菌、ビブリオ及びサルモネラ菌の試験を含む。残留農薬試験は、野菜及び果物用の農薬のうち、最も広範囲に使われる有機りん酸及びカルバメート殺虫剤の試験を含むことができる。生体適合物質(試料)は、DNA、オリゴヌクレオシド(oligonucleotide)、RNA、PNA、リガンド、受容体、抗原、抗体、牛乳、小便、唾液、毛髪、農作物及び野菜試料、肉類試料、魚類試料、鳥類試料、汚染水、家畜試料、食物材料、食品試料、口腔細胞、組織細胞、精液、蛋白質及びその生体適合物質の中から選択された一つ以上を含むことができる。食物材料は、食べ物の用意に使用される材料を含むことができ、例えば、シチュー材料、そば材料、キムチ材料、スープ材料及び液体含有食べ物材料を含むことができる。小便の試験時に、薄膜バルブ装置は、白血球、血液、蛋白質、窒酸塩、pH、比重、ブドウ糖、ケトン、アスコルビン酸(ascorbic acid)、ウロビリノーゲン(urobilinogen)、ビリルビンを分析することができる。毛髪の試験時に、ミネラルを含む身体の営養素及び毒性物質の蓄積による履歴を、血液または小便分析に比べてより正確に測定することができる。また、長期にわたる無機材料の過剰及び欠乏が正確にわかり、毒性重金属の量を確認するための試料として使用することができる。
【0030】
薄膜バルブ装置の本体は、120mm、80mm、60mmまたは32mmの直径を有する円形ディスクを含むことができる。
【0031】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブ装置の本体は、二つまたは三つの基板を上下に積層し、共に接合して形成することができる。
【0032】
本発明の他の実施例によれば、本体は、上部基板、中間基板そして下部基板を上下に積層し、共に接合して形成することができ、チャンネル、ホール及びチャンバが本体に形成されることができる。例えば、一つのチャンバ及び該チャンバとホールとを連結する上部チャンネルが上部基板に深さをもって凹入形成されることができ、他のチャンバ及び該チャンバとホールとを連結する下部チャンネルが下部基板に深さをもって凹入形成されることができる。ホールは、中間基板に形成されることができる。
【0033】
本発明の他の実施例によれば、チャンネルは、薄膜チャンネルとすることができる。薄膜チャンネルは、凹入形成される代わりに、薄膜接着テープにより形成されることもできる。
【0034】
本発明の他の実施例によれば、薄膜チャンネルは、チャンネルパターンを有する薄膜接着テープにより基板層間に形成されることもできる。基板は、薄膜接着テープを用いて単一本体内に共に接合される。この場合、薄膜接着テープが付着されない基板間の領域に薄膜チャンネルが形成されることができる。薄膜チャンネルは狭く形成することができ、これにより、流体のより容易な流動を可能にする毛細管現象を引き起こすことができる。
【0035】
本発明の他の実施例によれば、本体は、流体が円滑に流動できるように、空気が通じるように形成された通風口をさらに含むことができる。この場合、通風口は、流体が流動したり遠心力が加えられる方向と反対方向に形成されることができる。
【0036】
本発明の他の実施例によれば、本体は、ビーズ栓、熱収縮性栓、非磁性栓または磁性栓がホールから遠ざかる方向に自由に移動することを防止するように閉じ込め(confining)溝または閉じ込めチャンネルをさらに含むことができる。
【0037】
本発明の他の実施例によれば、本体は、シリコン、プラスチック、エアロゲル、ポリメタクリレート(PMMA)、ガラス、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、環状オレフィン共重合体(COC)、そしてポリカーボネートからなるグループより選択される材料で形成されることができる。
【0038】
本発明の他の実施例によれば、本体は、シリコン、ポリプロピレン、COCまたはポリカーボネートで形成されることができる。また、本体の表面は、チャンバに貯蔵された流体の蒸発を防止するようにアルミニウムまたはアルミニウムシートでコーティングされることもできる。
【0039】
本発明の他の実施例によれば、チャンネル及びホールは、本体の隣接チャンバの間に形成されることができる。ホールは、薄膜バルブにより閉鎖されることができ、熱発生装置から発生する熱を用いて薄膜バルブの接着強度を弱化させることによって且つ本体が回転することによって発生する遠心力を用いて開放されることができる。
【0040】
本発明の他の実施例によれば、チャンネル及びホールは、本体の隣接チャンバの間に形成されることができる。ホールは、薄膜バルブにより閉鎖することもでき、熱発生装置から発生する熱及び本体が回転するにつれて発生する遠心力を用いて薄膜バルブの接着強度を弱化させることによって開放することもできる。
【0041】
本発明の他の実施例によれば、チャンネル及びホールは、本体の隣接チャンバの間に形成されることができる。ホールは、薄膜バルブにより閉鎖されることもでき、熱発生装置から発生する熱を用いてまたは熱発生装置から発生する熱及び遠心力を用いて薄膜バルブの接着強度を弱化させることによって、また、磁性栓と本体下部に配置された移動可能な永久磁石とのけん引力を用いて開放することができる。磁性栓は、永久磁石にすることができる。
【0042】
本発明の他の実施例によれば、薄膜接着テープは、基板の表面に単面テープ(または両面テープ)を付着し、保護ストリップを除去することによって、薄膜接着剤として基板の表面上にコーティングされることができる。選択的に、薄膜接着剤は、ディスペンサー、スプレーまたはシルクスクリーンを用いて接着剤をプリンティングすることによって基板の表面にコーティングされることができる。換言すると、薄膜接着テープは、接着剤(粘着剤)そのものであり、基板に接着剤がコーティングされることもできる。薄膜接着テープは、ホール閉鎖膜を含み、保護ストリップの除去後にホール閉鎖膜がホールの周りに残されることができる。ホール閉鎖膜がホールの周りに形成されて、基板が単一本体として一緒に接合される場合にホールを閉鎖する。
【0043】
本発明の他の実施例によれば、接着剤が薄膜形態でコーティングされた複数個の基板が単一本体として一緒に接合されることができる。
【0044】
本発明の他の実施例によれば、それぞれの薄膜バルブに対応するように複数個の熱発生装置が本体に設置されることができる。本体ホール付近に設置された熱発生装置は、材料の抵抗特性に応じて製造される熱線または金属熱発生構成要素でありうる。
【0045】
本発明の他の実施例によれば、熱収縮性材料は円筒形に形成されることができる。熱収縮性材料は、ホールまたはチャンネルが開放されるように熱発生装置から発生する熱によって収縮することができる。
【0046】
本発明の他の実施例は、遠心力及び熱発生装置から発生する熱を用いて薄膜バルブ装置のバルブを開閉する薄膜バルブ制御装置を提供する。薄膜バルブ制御装置は、薄膜バルブ装置を回転させるスピンドルモーターと;スライダーに装着された熱発生装置を空間的に移動させるスライダーと;スライダーの移動を制御するスライダーモーターと;を含む。
【0047】
スライダーに装着された熱発生装置は、レーザービーム発生装置または発光ダイオード(LED)光源にすることができる。熱発生装置はスライダーに装着される。薄膜バルブに対する半径方向への熱発生装置の移動が、他の方向への移動に先行することができる。磁性栓とのけん引力が及ぶ永久磁石がさらにスライダーに装着されることができる。スライダーに装着されたレーザービーム発生装置は、半径方向に空間的に移動することができ、接着剤の接着強度を弱化させるようにパルスビームまたは連続ビームを発生させることができる。スライダーに装着されたレーザービーム発生装置は、半径方向に空間的に移動することができ、熱収縮性栓を収縮させるようにパルスビームまたは連続ビームを発生させることもできる。スライダーに装着されたレーザービーム発生装置は、半径方向に空間的に移動することができ、パルスビームの効率(duty)、連続レーザービームの強度、またはレーザービームの放射時における薄膜バルブ装置の回転速度を制御することによって、接着剤の接着強度を弱化させることができる。薄膜バルブ装置が回転するにつれてスライダーに装着されたレーザービーム発生装置が特定薄膜バルブに対応するようになると、レーザービームが薄膜バルブに照射される。薄膜バルブに照射されたレーザービームの量は、薄膜バルブ装置の回転速度及びレーザービームの強度の関数である。以下では、薄膜バルブ装置の回転時に薄膜バルブにレーザービームを周期的に放射する作動は“パルスビーム”作動という。パルスビーム作動は、薄膜バルブ装置が回転するにつれて発生する遠心力によりチャンバ内に高粘性流体を移動させる場合に適用可能である。血液プラズマのような高粘性流体は、薄膜バルブが開放される場合にもほとんど流動しない傾向がある。この場合、薄膜バルブ装置の回転中にホールが開放されると、流体が遠心力により容易に移動することができる。薄膜バルブ装置の停止状態で、スライダーに装着されたレーザービーム発生装置が薄膜バルブに対面するように整列された後に薄膜にレーザービームを放射する場合、薄膜バルブに照射されたレーザービームの量は、レーザービームの強度及び照射期間の関数である。この場合、レーザービームの強度は、レーザービームのローカルポイント(local point)、レーザービーム発生装置及び薄膜バルブ間の距離、レーザービーム発生装置の電流量、またはレーザービームのオン・オフ動作率を制御することによって変更されることができる。以下では、レーザービーム発生装置と薄膜バルブを整列させ、薄膜バルブ装置の回転停止状態で薄膜バルブの接着強度(接合力)を弱化させるようにレーザービームを照射する作動を“スキャニングビーム(scanning beam)”作動という。熱発生装置から発生する熱は“パルスビーム”または“スキャニングビーム”作動により薄膜バルブに供給されることができる。
【発明の効果】
【0048】
前述したように、本発明の一つ以上の実施例は、流体の流動または流量を制御するように接着剤、熱収縮性材料、または薄膜接着テープがコーティングされた栓(stopple)を使用する薄膜バルブ装置及びこの薄膜バルブ装置を制御するための薄膜バルブ制御装置を提供する。薄膜バルブ装置で、薄膜バルブ装置の本体のホール及びチャンネルは、熱発生装置から発生する熱及び遠心力により開閉されることができる。例えば、薄膜バルブ装置は、流体中の微量の物質を検出するための診断ラボオンチップ、蛋白質チップまたはDNAチップのようなバイオチップが集積されている回転可能なバイオディスクに適用可能である。例えば、本発明の一実施例による薄膜バルブ装置及び薄膜バルブ制御装置は、チャンネル及びホールを開閉するように使われる、CD−ROM及びDVDのような一般ディスク装置を変形して製造されるマイクロバルブ装置及び制御装置でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】薄膜接着テープを使用する薄膜バルブ装置の一実施例を示す図である。
【図2】薄膜接着テープを使用する薄膜バルブ装置の一実施例を示す図である。
【図3】薄膜接着テープを使用する薄膜バルブ装置の一実施例を示す図である。
【図4】熱収縮性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置の作動状態を示す図である。
【図5】熱収縮性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置の作動状態を示す図である。
【図6】非磁性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図7】非磁性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図8】非磁性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図9】磁性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図10】磁性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図11】磁性栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図12】ビーズ(ボール)栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図13】ビーズ(ボール)栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図14】ビーズ(ボール)栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図15】ビーズ(ボール)栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図16】ビーズ(ボール)栓を使用する本発明の実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【図17】薄膜バルブ装置の作動を制御するための薄膜バルブ制御装置の実施例を示す図である。
【図18】薄膜バルブ装置の作動を制御するための薄膜バルブ制御装置の実施例を示す図である。
【図19】薄膜バルブ装置の作動を制御するための薄膜バルブ制御装置の実施例を示す図である。
【図20】薄膜バルブ装置の作動を制御するための薄膜バルブ制御装置の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0051】
図1乃至図3は、薄膜接着テープを使用する薄膜バルブ装置の一実施例を示す図である。
【0052】
図1は、薄膜バルブ装置の本体100内の薄膜バルブを示す、線a−bに沿って切断した分解断面図であり、この薄膜バルブは、薄膜接着テープにより形成されている。本体100は、上部基板1、中間基板2、そして下部基板3で構成することができる。上部基板1、中間基板2及び下部基板3が射出成形により形成される場合、流路を形成するチャンネル22、緩衝剤貯蔵所を形成するチャンバ20,21、及びチャンネル22を互いに連結するホール10を形成することができる。上部基板1、中間基板2、そして下部基板3は、単一本体100を形成するように、薄膜接着テープ層を使って共に接合することができる。例えば、下部基板3と中間基板2はチャンバ20,21を形成する。チャンバ20,21を互いに連結するチャンネル22は、下部基板3に深さをもって凹んで形成される。チャンバ20,21を互いに連結するホール10は、チャンネル22の端部に形成することができる。ホール10は、ホール閉鎖膜13aにより閉鎖することができる。上部基板1、中間基板2そして下部基板3が組立工程で一緒に接合される場合、ホール閉鎖膜13aが薄膜接着テープ10によりホール10の周りに形成されることができる。
【0053】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、ホール閉鎖膜13aは、熱可塑性接着剤にすることができ、ホール閉鎖膜13a以外のそれぞれの基板の基板接合部は、熱硬化性接着剤を用いて薄膜接着テープ層として形成することができる。
【0054】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、ホール閉鎖膜13aは、熱融解(hot melt)接着剤で形成された薄膜接着テープ層にすることもでき、それぞれの基板の基板接合部は、アクリル接着剤を用いて薄膜接着テープ層として形成することもできる。
【0055】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、熱硬化性接着剤の軟化温度は120℃以上にし、熱可塑性接着剤の軟化温度は60℃〜80℃にすることができる。
【0056】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、ホール閉鎖膜13aを形成する接着剤の軟化点を、それぞれの基板の残りの基板接合部を形成する接着剤の軟化点よりも低くすることができる。ホール閉鎖膜13aは熱可塑性テープにすることもでき、それぞれの基板の残りの基板接合部は、熱硬化性テープ材料を使って薄膜接着テープ層として形成することもできる。これにより、上部基板1、中間基板2そして下部基板3を共に接合する場合、これら3つの基板は全体的に熱可塑性テープの軟化温度より高いまたは等しい温度に加熱または予熱することができる。この場合、熱硬化性テープの軟化点が熱可塑性テープの軟化点よりも相当高いため、熱硬化性テープを用いた基板接合部の接合が加熱にかかわらずに行われることができる。ホール閉鎖膜13aは、熱発生装置から発生する熱によって容易に軟化してその接着強度が弱まる傾向がある反面、それと隣り合う部分及び残りの基板接合部は熱硬化性テープにより接合されるため、その接着強度が熱発生装置から発生する熱によって弱まることを防止することができる。ホール10がホール閉鎖膜13aにより閉鎖されているので、ホール10は循環周期全体にわたって完璧に閉鎖されていることができる。このような薄膜バルブ装置の使用時に、ホール閉鎖膜13aが、熱発生装置から発生する熱、本体100が高速で回転することによって発生する遠心力、そしてチャンバ20に貯蔵された流体の油圧により破裂されることによって、ホール10が開放され、流体がチャンバ21内に移動することができる。なお、このホール閉鎖膜13bは可撓性であるため、温度のような環境的な要因に反応して膨脹及び収縮することができる。したがって、密封問題に起因する流体の蒸発のような問題が循環周期の間に発生することを防止することができる。
【0057】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、上部基板1、中間基板2そして下部基板3が組立工程で薄膜接着テープ層1a,2aを介して接合されることによってホール閉鎖膜13bがホール10の周りに形成されることができる。
【0058】
図2には、図1における薄膜接着テープ層1a,1bの例を示す。
【0059】
図2の例で、薄膜接着テープ層1a,1bは、ポリエチレンテレフタレート(PET)膜またはバッキング200bの上下部面をそれぞれ熱硬化性接着層200a,200cでコーティングして形成することができる。図面符号200aは、PET膜200bの上部面にコーティングされた熱硬化性接着層を表し、図面符号200cは、PET膜200bの下部面にコーティングされた熱硬化性接着層を表す。ホール閉鎖膜13aは、PET膜200bの上部面に形成された熱硬化性接着層200d上に熱可塑性接着層200dをさらにコーティングして形成することができる。
【0060】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、ホール閉鎖膜13a用の熱可塑性接着層200dは、ホール閉鎖膜13aを形成すべき部分を露出させるマスクパターンを用いたシルクスクリーンプリンティング、拡散機(disperser)工程、スプレープリンティングを通じて形成することができる。マスクパターンは、ホール閉鎖膜13aを形成する部分のみを露出させる開口を備えることができる。図面符号63は、薄膜接着テープにより形成される薄膜チャンネルを表す。
【0061】
図3には、本体100が回転することによって発生する遠心力、流体(図示せず)そのものの油圧、そして熱発生装置から発生する熱によってホール閉鎖膜13aが破裂されることでホール10が開放され、チャンバ20に貯蔵された流体がチャンバ21内に移動する状態を示す。図4及び図5は、本発明の本実施例による薄膜バルブ装置の作動状態を示す断面図である。図面符号1,2,3は、本体100を構成する基板を表す。本体100は、上部基板1、中間基板2そして下部基板3で構成することができる。上部基板1、中間基板2そして下部基板3が射出成形により形成される場合、流路を形成するチャンネル22、緩衝剤貯蔵所を形成するチャンバ20,22、そしてチャンネル22を互いに連結するホール10が形成されることができる。上部基板1、中間基板2そして下部基板3は単一本体100を形成するように一緒に接合される。
【0062】
図4には、ホール10が熱収縮性栓70aで塞がれてチャンネル22が閉鎖されている状態を示す。図5には、熱収縮性栓70aが熱発生装置から発生する熱によって収縮してホール10が開放されている状態を示す。この場合、隣接チャンバ20,21は、チャンネル22を通じて相互連結されることができる。また、本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、本体100に形成されたチャンネル22が狭いから、流体が抵抗無しでチャンネル22を通して円滑に流動できるように、上部基板1に通風口12が形成されている。また、ホール10の開放時に押されて下部基板3と接触する熱収縮性栓70aを閉じ込めるように閉じ込め溝101aが形成される。このような閉じ込め溝101aは、開放されているホール10が熱収縮性栓70aにより閉鎖されることを防止するように、熱収縮性栓70aに移動可能な空間を提供することができる。
【0063】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、閉じ込め溝101aの直径を、収縮する熱収縮性栓70aの直径よりも20%〜70%大きくすることができる。
【0064】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、閉じ込め溝101aは、閉じ込め溝101aの周縁に沿って加圧段部102aをさらに含むことができる。この加圧段部102aの直径は、収縮されていない状態の熱収縮性栓70aの元の直径より小さい。本体100の組立時に、熱収縮性栓70aが下部基板3に形成された加圧段部102aにより外側ホール10a内に押し込まれることによって、熱収縮性栓70aによりホール10aが閉鎖される。図面符号10は、熱収縮性栓70aと中間基板2とが接触する領域を表す。このような接触領域は、ホール10が閉鎖される場合に流体の漏れを防止するように、熱収縮性栓70aの形状に対応する形状に形成される。これにより、薄膜バルブ装置の製造工程において外部圧力が印加されることによって加圧段部102によりホール10が閉鎖されることができる。
【0065】
図面符号10aは、熱収縮性栓70aと中間基板2との接触領域の外周縁(“外側ホール”)を表し、図面符号10bは、接触領域の内周縁(“内側ホール”)を表す。外側ホール10bと熱収縮性栓70aとの接触領域が大きいほど流体の漏れをより確実に防止することができる。外側ホール10bと内側ホール10aとの直径差が大きいほど、熱収縮性栓70aと中間基板2との接触面積が大きくなり、流体の漏れを防止することができる。
【0066】
本発明の他の実施例において、熱収縮性栓70aの直径は0.1mm〜5mmとし、厚さは0.5mm〜2mmとすることができる。また、熱収縮性栓70aがホール10を閉鎖する場合、熱収縮性栓70aの密封能力を増大させるために、熱収縮性栓70aを接着剤でコーティングすることもできる。
【0067】
図6乃至図8には、非磁性栓70bを使用する本発明の一実施例による薄膜バルブ装置を示す。図面符号1,2,3はそれぞれ、本体100を形成する上部基板、中間基板及び下部基板を表す。図8は、非磁性栓70bまたは磁性栓70cの詳細図である。図8に示す栓は、図面符号81で表した構成要素の材料によって非磁性栓70bまたは磁性栓70cになりうる。非磁性栓70bまたは磁性栓70cの表面は、接着剤80でコーティングすることができる。接着剤80のコーティングされた表面は、中間基板20のホール10と接触してホール10を閉鎖することができる。接着剤80は、熱可塑性接着剤とすることができる。図6には、ホール10が非磁性栓70bにより閉鎖されることによってチャンネル22が閉鎖される状態を示す。図7には、非磁性栓70bが、熱発生装置から発生する熱及び本体100が回転することによって発生する遠心力によりホール10から分離され、ホール10が開放される状態を示す。この場合、隣接チャンバ20,21は、チャンネル22を介して相互連結されることができる。また、ホール10が開放される場合、下部基板3の非磁性栓70bを安定的に閉じ込めるように、下部基板3に閉じ込め溝101bを形成することができる。このような閉じ込め溝101bは、ホール10から分離された非磁性栓70bが、ホールから自由に遠ざかることを防止することができる。本発明の本実施例において、閉じ込め溝101bの直径は、非磁性栓70bの直径よりも20%〜70%大きくすることができる。非磁性または磁性要素81は、円筒形の薄膜またはドーナッツ状の薄膜形態の金属材料にすることができる。
【0068】
図8は、非磁性栓70bまたは磁性栓70cの詳細図である。図8には、ドーナッツ状の薄膜形態の金属要素を含む非磁性栓70bまたは磁性栓70cの一実施例を示す。ドーナッツ状の薄膜形態の金属要素を含む磁性栓70cの場合、金属要素のドーナッツホール82を貫通してレーザービームを照射することができ、磁性栓70cの磁性がレーザービームにより失われることを防止することができる。
【0069】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、磁性要素81は、接着剤80の軟化点よりも相当高いキュリー点(Curie point)(キュリー温度)を有する磁性材料からなることができる。
【0070】
図9乃至図11は、磁性栓70cを使用する本発明の一実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。図面符号1,2,3はそれぞれ、本体100を形成する上部基板、中間基板及び下部基板を表す。磁性栓70cは、図8に詳細に示されている。磁性要素81は、円筒形の薄膜またはドーナッツ状の薄膜形態の永久磁石または金属材料にすることができる。
【0071】
図9には、薄膜バルブ装置の本体100内の隣接チャンバ20,21の間にチャンネル22及びホール10が形成されている本発明の一実施例による薄膜バルブ装置を示す。さらに、図9には、磁性栓70cによりホール10が閉鎖されている状態と、熱発生装置107から発生した熱によって且つ本体100の下部に配置された永久磁石5aによって磁性栓70の接着強度が弱まることによってホール20が開放され、隣接チャンバ20,22が相互連通している状態と、を示す。図9の上図は、ホール10が磁性栓70cにより閉鎖されてチャンネル22が塞がれている状態を示す。図9の下図は、(i)熱発生装置から発生する熱そして遠心力により、(ii)熱発生装置107から発生する熱そして永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により、または、(iii)熱発生装置107から発生する熱、遠心力そして永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により磁性栓70cがホール10から分離されてホール10が開放される状態を示す。この場合、隣接チャンバ20,21はチャンネル22を介して相互連結されることができる。
【0072】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、永久磁石5aと熱発生装置107を移動可能なスライダー211上に装着することができ、永久磁石5a及び熱発生装置107がホール10に対して空間的に移動することができる。
【0073】
図10には、可逆開閉機能を備えた本発明の一実施例による薄膜バルブ装置を示す。
【0074】
図10の薄膜バルブ装置において、薄膜バルブ装置の本体100内の隣接チャンバ20,21の間に、チャンネル22及びホール10が形成されている。図10の薄膜バルブ装置の可逆開閉機能は、磁性栓70cを用いてホール10を閉鎖する機能と、隣接チャンバ20,22がチャンネル22を介して相互連結されるように、熱発生装置107から発生する熱を用いて且つ本体100の下部に配置された永久磁石5aを用いて磁性栓70cの接着強度を弱化させてホール10を開放する機能と、熱発生装置107から発生する熱を用いて磁性栓70cの接着強度を復旧させ、かつ、本体100の上部に配置された永久磁石4a(以下、上部永久磁石4aという。)が磁性栓70cを引き寄せるようにホール10の中心から遠ざかる方向に永久磁石5cを移動させることによって、磁性栓70cによりホール10を再び閉鎖する機能と、が含まれる。
【0075】
図10の上側から1番目の図には、ホール10が磁性栓70cにより閉鎖されることによってチャンネル22が塞がれている状態を示す。図10の上側から2番目の図には、(i)熱発生装置から発生する熱そして遠心力により、(ii)熱発生装置107から発生する熱そして永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により、または(iii)熱発生装置107から発生する熱、遠心力そして永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により磁性栓70cがホール10から分離され、ホール10が開放される状態を示す。この場合、隣接チャンバ20,21はチャンネル22を通じて相互連結されることができる。図10の上側から3番目の図には、熱発生装置107から発生する熱、そして上部永久磁石4aと磁性栓70cとのけん引力により、ホール10が磁性栓70cにより再び閉鎖される状態を示す。換言すると、一応、接着剤80の接着強度が、熱発生装置107から発生する熱によって回復すると、スライダー211がホール10の中心から遠ざかる方向に移動する間に熱発生装置107はオフされ、上部永久磁石4aと磁性栓70cとのけん引力により上部永久磁石4aが磁性栓70cを引き寄せ、ホール10を閉鎖することができる。その後、接着剤80が硬化することによって、磁性栓70cによりホール10が緊密に閉鎖される。
【0076】
図11には、可逆開閉機能を備えた本発明の他の実施例による薄膜バルブ装置を示す。図11の薄膜バルブ装置において、薄膜バルブ装置の本体100内の隣接チャンバ20,21の間にチャンネル22及びホール10が形成されている。ホール10は、循環周期の間に磁性栓70cにより閉鎖されることができる。このような薄膜バルブ装置の使用時に、ホール10は、熱発生装置107から発生する熱によってかつ本体100の下部に配置された永久磁石5aによって磁性栓70の接着強度が弱化して開放されることができ、隣接チャンバ20,22のチャンネル22が相互連通することができる。また、本体100の上部に配置された上部永久磁石4aが磁性栓70cを引き寄せるように、ホール10の中心から遠ざかる方向に永久磁石5cを移動させることによって、磁性栓70cによりホール10が再び閉鎖されることができる。ホール10は、上部永久磁石4aと磁性栓70cとのけん引力により再び閉鎖されることができる。また、本体100の下部に配置された永久磁石5aをホール10の中心に向けて移動させることによってホール10を再び開放することができる。薄膜バルブ装置の可逆開閉機能は、前述した通りである。すなわち、循環周期以降、第1時間の間にホール10を開放する場合、熱発生装置107から発生する熱そして磁性栓70cと下部永久磁石5aとのけん引力が用いられる。しかし、一応、ホール10が第1時間開放された後には、熱発生装置107の助け無しで、単に磁性栓70cと上部永久磁石4aまたは下部永久磁石5a間のけん引力を用いてホール10を再び開放することができる。ホール10は、循環周期の間にチャンバ20に貯蔵された流体の蒸発を防止するために、接着剤により緊密に密封される必要がある。ホール10が第1時間の間に緊密に密封された状態の薄膜バルブ装置を開放するためには、熱発生装置107から発生する熱を必要とすることがある。
【0077】
図11の上側から1番目の図には、循環周期の間にホール10が磁性栓70cにより閉鎖されることによってチャンネル22が塞がれている状態を示す。図10の上側から2番目の図には、(i)熱発生装置107から発生する熱そして遠心力により、(ii)熱発生装置107から発生する熱、遠心力、そして永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により、または(iii)熱発生装置107から発生する熱、遠心力そして永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により磁性栓70cがホール10から分離され、ホール10が第1時間の間に開放される状態を示す。この場合、隣接チャンバ20,21はチャンネル22を通じて相互連結されることができる。図11の上側から3番目の図には、上部永久磁石4aと磁性栓70cとのけん引力により、ホール10が磁性栓70cにより再び閉鎖される状態を示す。図11の上側から4番目の図には、下部永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力により磁性栓70cがホール10から分離され、ホール10が再び開放される状態を示す。以降の薄膜バルブ装置の可逆開閉作動は、図11の3番目及び4番目の図に示す通りになる。
【0078】
ホール10を閉鎖してチャンネル22を塞ぐために、図11の3番目の図に示すように、磁性栓70cが上部永久磁石4aの磁力により上側に引き付けられてホール10を閉鎖できるように、下部永久磁石5aがホール10の中心から遠ざかる方向に移動する。換言すると、上部永久磁石4aと磁性栓70cとのけん引力によりホール10を閉鎖することができる。一方、ホール10を開放するために、図11の2番目及び4番目の図に示すように、磁性栓70cが永久磁石5aにより下側に引き付けられるように、下部永久磁石5aがホール10の中心に向けて移動する。換言すると、下部永久磁石5aと磁性栓70cとのけん引力が上部永久磁石4aと磁性栓70cとのけん引力よりも強くなることによってホール10が開放されることができる。このような作動は、下部永久磁石5aを上部永久磁石4aに比べて強い磁力を有するように設計することによって、または、下部永久磁石5aを上部永久磁石4aに比べて磁性栓70cに近く配置することによってなされることができる。
【0079】
図9乃至図11を参照すると、ホール10が開放される場合、下部基板3に磁性栓70cを安定的に閉じ込めるように、下部基板3に閉じ込め溝101cを形成することができる。このような閉じ込め溝101cは、ホール10から分離された磁性栓70cがホールから遠ざかる方向に自由に移動することを防止することができる。本発明の本実施例において、閉じ込め溝101cの直径を磁性栓70cの直径よりも20%〜200%大きくすることができる。
【0080】
図12及び図16は、ビーズ(ボール)栓を使用する本発明の各実施例による薄膜バルブ装置を示す図である。
【0081】
特に、図12及び図13には、円筒形のビーズ(ボール)栓を使用する薄膜バルブ装置を示し、図14乃至図16には、球状のビーズ(ボール)栓を使用する薄膜バルブ装置を示す。本体100は、上部基板1、中間基板2、そして下部基板3で構成されることができる。上部基板1、中間基板2及び下部基板3が射出成形により形成される場合、流路を形成するチャンネル22、緩衝剤貯蔵所を形成するチャンバ20,22、そしてチャンネル22を互いに連結するホール10が形成されることができる。上部基板1、中間基板2、そして下部基板3は、薄膜バルブ装置の単一本体100を形成するように一緒に接合されている。ホール10は、循環周期の間にホール10付近に挿入されているビーズ(ボール)栓60により完璧に閉鎖される。一方、薄膜バルブ装置の使用時に、ビーズ(ボール)栓60は、熱発生装置から発生する熱及び遠心力により補助チャンネル23に向けて移動してホール10を開放する。
【0082】
図13には、図12の薄膜バルブ装置の作動を示す。
【0083】
図13の左図には、ビーズ(ボール)栓60によりホール10が閉鎖されることによってチャンネル22が塞がれている状態を示す。図13の右図には、本体100が回転することによって発生する遠心力及び熱発生装置から発生する熱によってビーズ(ボール)栓60がホール10から分離されることによってホール10が開放される状態を示す。
【0084】
図14及び図15には、球状のビーズ(ボール)栓60を使用する本発明の各実施例による薄膜バルブ装置を示す。ホール10がビーズ(ボール)栓60により閉鎖されている状態で、熱発生装置から発生する熱及び遠心力によりビーズ(ボール)栓60がホール10から分離された後に、補助チャンネル23に向けて移動する。この場合、ビーズ(ボール)栓60がホール10からより容易に分離されるように、ビーズ(ボール)栓60の曲率に合わせたビーズ(ボール)チャンネル10cが補助チャンネル23内に形成されることもできる。補助チャンネル23及びビーズ(ボール)チャンネル10cは、ホール10から分離されたビーズ(ボール)栓60をホールドまたは移動させる役割を果たすことができる。図14及び図15の左図には、ビーズ(ボール)栓60によりホール10が閉鎖されることによってチャンネル22が塞がれている状態を示す。図14及び図15の右図には、本体100が回転することによって発生する遠心力及び熱発生装置から発生する熱によってビーズ(ボール)栓60がホール10から分離されることによってホール10が開放される状態を示す。
【0085】
図16には、ビーズ(ボール)チャンネル10cが示されている。図面符号10aは、ビーズ(ボール)栓60と中間基板2との接触領域の外周縁“外側ホール”を表し、図面符号10bは、この接触領域の内周縁“内側ホール”を表す。外側ホール10bと内側ホール10aとの直径差が大きくほど、ビーズ(ボール)栓60と中間基板2との接触面積が増加し、流体の漏れを防止することができる。図面符号61aは、ビーズ(ボール)61bにコーティングされた接着剤を表す。
【0086】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、薄膜バルブ用接着剤は、熱可塑性接着剤とし、基板を接合するための薄膜接着テープ層は、熱硬化性接着剤とすることができる。この場合、薄膜バルブ上の熱可塑性接着剤は、熱発生装置から発生する熱により容易に軟化してその接着強度が弱まる傾向がある反面、その隣接部分及び残りの基板接合部は熱硬化性接着剤により接合され、その接着強度が熱発生装置から発生する熱によって弱まらない傾向がある。
【0087】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、熱可塑性接着剤テープは、熱融解接着剤とし、熱硬化性接着剤テープはアクリル接着剤とすることができる。
【0088】
本発明の本実施例による薄膜バルブ装置において、熱硬化性テープ接着剤の軟化温度は120℃以上とし、熱可塑性テープ接着剤の軟化温度は60℃〜80℃とすることができる。薄膜バルブ上の接着剤は熱可塑性接着剤であり、基板の基板接合部は熱硬化性接着剤を含む薄膜接着テープ層とする。これにより、薄膜バルブは、熱可塑性接着剤の軟化温度より高いまたは等しい温度に予熱されて中間基板2のホール10と接触することとなる。その後、上部基板1と下部基板3が共に接合される。熱硬化性テープの軟化点が熱可塑性テープの軟化点よりも高いため、熱硬化性テープで形成された基板部分の接合を加熱にかかわらずに行うことができる。
【0089】
図17乃至図20は、以上の本発明の実施例のいずれかによる薄膜バルブ装置の作動を制御するための薄膜バルブ制御装置の実施例を示す図である。
【0090】
図17には、熱発生装置をレーザービーム発生装置とした本発明の一実施例を示す。
【0091】
図17には、チャンバ、チャンネル及び薄膜バルブが集積されている薄膜バルブ装置100を制御するための薄膜バルブ制御装置100aの一実施例を示す。このチャンバは、各種分析用緩衝液を貯蔵しており、各種化学反応のための空間とされる。チャンネルは、流体及び緩衝液の流路である。薄膜バルブは、チャンネル及びホールを開閉する。薄膜バルブ制御装置100aは、複数個の薄膜バルブを選択的に開閉するように薄膜バルブ装置100の回転、そして永久磁石5a及びレーザービーム発生装置107の空間的移動を制御する。図面符号100は、上部基板1、中間基板2及び下部基板3が上下に積層されてなる薄膜バルブ装置の本体を表す。上部基板1、中間基板2そして下部基板3が射出成形により形成される場合、流路を形成するチャンネル、緩衝剤貯蔵所を形成するチャンバ、そしてチャンネルを互いに連結する複数個のホールが形成される。上部基板1、中間基板2そして下部基板3は単一本体100を形成するように一緒に接合される。チャンバ130,131,132,133,140,141,142,143に対するバルブ作動は、薄膜バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6,V7により行うことができ、このような薄膜バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6,V7は前述のその他類型の薄膜バルブのうち、図11の磁性栓70cを使用する。薄膜バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6,V7は、上部永久磁石4a,4b,4c及び移動可能な永久磁石5aの磁力により開閉されるように別々に制御することができる。図面符号120は、ディスペンサー、ピペット(pipette)、注射器またはランセット(lancet)のような試料注入要素を表す。図面符号121は、試料注入ホールを表し、図面符号170は、ディスク開口を表す。図面符号130は、分析する分析材料(生体適合物質)(biomaterial)の試料を前処理するための前処理チャンバを表し、図面符号131は、試料の増幅、試料の希釈または混合、または試料のラベリング(labeling)のための緩衝チャンバを表し、図面符号132は、生物学的、化学的または生化学的反応に使われ、緩衝チャンバ内部の試料を分析するための捕獲探針が基板に付着されたり固定(immobilizing)要素により基板に固定されている分析サイト(site)となるチャンバを表し、図面符号133は、洗浄工程で発生する廃棄物を捕集するための廃棄物チャンバを表す。この捕獲探針は、単一分析材料または試料から多重分析物質を検出するためのアレイ(array)の形態で付着または固定されることができる。DNAチップ、蛋白質チップ、バイオチップ、多孔性メンブレインまたは96−ウェルプレート(96−well plate)が分析サイト132に集積されることができる。多孔性メンブレインの例には、試料の拡散を引き起こすニトロセルロース(NC)メンブレイン、ナイロンメンブレインまたはナノチューブが含まれる。96−ウェルプレート、384−ウェルプレートまたは1536−ウェルプレートは、新規薬剤または材料を選別処理するために、生化学的及び分子生物学的分析に使われることができる。前処理チャンバ130は、血液からDNAを抽出するために、本体100が高速で回転することによる遠心分離により血液から血清または血液プラズマを抽出するために、または、農作物から農薬、バクテリアまたは重金属成分を抽出するために使用することができる。増幅工程は、DNA増幅のためのポリメラーゼ(polymerase)連鎖反応(PCR)工程または増菌バッチでバクテリアを増殖させるための工程を含むことができる。図面符号140,141,142,143は、分析材料から試料を抽出するための抽出液と、増幅工程用ポリメラーゼ及びプライマー(primer)を含む各種酵素と、交配用酵素と、試料を希釈するための希釈液と、ラベリング材料と、生化学的反応のための生化学材料と、洗浄液などを貯蔵することができる。図面符号102は、薄膜バルブ装置100を回転させるためのスピンドルモーターを表す。図面符号211は、移動可能な永久磁石とレーザービーム発生装置107が装着され、スライダーモーター109及びウォームギヤ連結ユニット109a,109bにより作動が制御されうるスライダーを表す。それぞれの工程(前処理工程、増幅工程、混合工程、希釈工程、ラベリング工程、生物学的、化学的または生化学的反応工程または洗浄工程)の開始及び終了時点に、薄膜バルブの開閉は、薄膜バルブに対する、スライダー211に装着された永久磁石5a及びレーザービーム発生装置107の空間的な移動によって且つ本体100が回転することによって発生する遠心力によって制御されることができる。
【0092】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブの開放または閉鎖時に、半径方向及び方位方向の薄膜バルブに対する空間的な移動(空間的アドレッシング(addressing))を先行することができる。空間的アドレッシングは、薄膜バルブに対する半径方向及び方位アドレッシングを含む。
【0093】
半径方向にスライダーを逆方向移動させうるスライダーモーター109によって薄膜バルブに対する半径方向の空間的移動を行うことができる。スライダー211は、スライダーモーター109によって半径方向に本体100の中心から外側にまたは外側から本体100の中心に移動することができる。
【0094】
本発明の他の実施例によれば、半径方向の空間的移動が完了すると、レーザービーム発生装置107から出力されるパルスビームまたは連続ビームを回転本体100上に放射することによって薄膜バルブに対する方位方向の空間的移動を行うことができる。パルスビームは、レーザービーム発生装置107が、方位角検出器99により獲得される基準トリガー(trigger)信号によって計算される対応薄膜バルブの方位位置で周期的にオンされることによって発生することができる。基準トリガー信号は、本体100の基準方位角を表す。
【0095】
本発明の他の実施例によれば、パルスビームまたは連続ビームの温度は、熱可塑性接着剤の軟化温度と略同様にすることができる。パルスビームまたは連続ビームは、ホール周りの接着剤の他に、基板の接合に使用される接着剤を加熱して、これらの接着剤の接着強度を弱化させることができる。しかし、実際には、熱硬化性接着剤の軟化温度がホール周りの熱可塑性接着剤の軟化温度よりも高いので、基板を接合する熱硬化性接着剤の接着強度はパルスビームまたは連続ビームによって弱化されない。
【0096】
本発明の他の実施例によれば、方位角検出器99は、フォトカプラーとすることができる。
【0097】
本発明の他の実施例によれば、方位角検出器99は、光反射性または光透過性の光検出器とすることができる。
【0098】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブを開閉するためのレーザービーム発生装置107及び永久磁石5aがスライダー211に装着されている間、スライダー211は、複数個の薄膜バルブの開閉を選択的に(個別的に)または独立的に制御するように半径方向及び方位方向に空間的に移動する。
【0099】
本発明の他の実施例によれば、本体100と永久磁石5a間の間隙が制御されるように、永久磁石5aが上下運動制御要素103により上方及び下方に移動することができる。上下運動制御要素103は、電磁石を通して流れる電流の量及びギアの回転を制御することによって、上方及び下方に移動するように永久磁石5aを制御することができる。図面符号110bは、スライダー211に装着されたレーザービーム発生装置107及び上下運動制御要素103に必要な各種制御信号を伝送するための可撓性ケーブルを表す。可撓性ケーブル110bは、ウエハーまたはハーネス110aを介して中央制御ユニット101に連結されることができる。図面符号181は、薄膜バルブ装置100が配置される回転台を表す。薄膜バルブ装置100は、ディスク開口170を通して回転台181に前方または上側から装填することができる。図面符号188は、薄膜バルブ装置100用プロトコル、分析アルゴリズム、基準制御値、分析サイトの位置情報、バイオインフォマティクス情報及び自家診断関連情報を含むことができる内蔵メモリを備えた無線方式の無線周波数集積回路(RFIC)を表す。また、不正使用を防止するように、薄膜バルブ装置のID情報及び個人暗号化情報を記憶することができる。この無線方式のRFIC 188は、スマートICカードとすることもできる。無線方式のRFIC 188に記憶された情報は、無線方式で中央制御ユニット101に提供することができ、個人データの暗号化に使用することもできる。図面符号110は、無線方式のRFIC 188に動力を供給するための無線周波数発生ユニットを表す。無線方式のRFIC 188内の誘導コイルがフレミングの法則によって無線周波数発生ユニット110により発生するウェーブに応答して十分な量の電力が発生して、無線方式のRFIC 188に供給されることができる。
【0100】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブ制御装置は、無線方式のRFIC 188に動力を供給するための太陽電池189をさらに含むことができる。
【0101】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブ制御装置は、薄膜バルブ装置100の太陽電池189に光エネルギーを供給するための照明ユニット108をさらに含むことができる。照明装置108は、多重高輝度の発光ダイオード(LED)が集積されている高輝度発光ダイオードモジュールまたはランプを含むことができる。
【0102】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブ装置100が薄膜バルブ制御装置100a上に装填されると、薄膜バルブ装置100のIDが無線RFIC 188を通じて中央制御ユニット101に無線方式で伝送されることができ、中央制御ユニット101は、現在装填されたディスクを薄膜バルブ装置と認識することができる。
【0103】
本発明の他の実施例によれば、薄膜バルブ制御装置は、入出力ユニット111をさらに含むことができる。
【0104】
本発明の他の実施例によれば、入出力装置111は、汎用直列バス(USB)、IEEE1394、ATAPI、SCSI、IDEまたは有無線インターネット連結部の通信標準にしたがうことができる。
【0105】
図18には、光検出器99の一実施例を示す。光検出器99を透過性光検出器とした場合、光検出器99は、回転本体100の基準ホール98aがフォトカプラー99a,99bの間を通過する度に基準トリガー信号を発生させ、この基準トリガー信号を中央制御ユニット101に提供することができる。光検出器99を反射性光検出器とした場合、光検出器99は、回転本体100の基準リフレクター98bがフォトカプラー99a,99bを通過する度に基準トリガー信号を発生させ、この基準トリガー信号を中央制御ユニット101に提供することができる。特定薄膜バルブがレーザービーム発生装置100に対応するように配置されて、本体100の回転時に単独で選択的に加熱される場合、中央制御ユニット101は、基準トリガー信号と同期してレーザービーム発生装置107をオンさせることができる。
【0106】
図19には、レーザービーム発生装置107、永久磁石5a及び上下運動制御要素103が装着されるスライダー211の一実施例を示す。スライダー211の移動は、スライダーモーター109のシャフトに連結されたウォームギヤ連結ユニット109a,109bにより制御されることができる。スライダー211は、ガイドとしてのスライドアーム108a,108bを用いて円滑に移動することができる。スライドアーム108a,108bは、スクリュー110a,110b,110c,110dにより薄膜バルブ制御装置100aの本体に結合することができる。図面符号100bは、ウエハーまたはハーネス110aを介して中央制御ユニット101に連結されうる可撓性ケーブルを表す。図面符号181は、スピンドルモーター102によって回転する回転台を表す。
【0107】
図20には、以上の本発明の実施例のいずれかによる薄膜バルブ装置の薄膜バルブ開閉を制御するための薄膜バルブ制御装置100aの一実施例を示す。図面符号300は、薄膜バルブ制御装置100aを支持するための本体を表す。薄膜バルブ制御装置100aの底部を形成する回路ボード140が、薄膜バルブ制御装置100aの本体300に接合される。薄膜バルブ制御装置1001、無線周波数発生ユニット110、照明ユニット108及び入出力ユニット111を制御するための中央制御ユニット101が回路ボード140に配列されることができる。中央制御ユニット101は、薄膜バルブ装置100を回転または停止させるようにスピンドルモーター102を制御することができ、レーザービーム発生装置107を空間的に移動させるようにスライドモーター109を制御することができ、方位角検出器99により獲得された基準トリガー信号によって計算される方位角位置に薄膜バルブが位置する場合に周期的にパルスビームを出力するようにレーザービーム発生装置107を制御することができる。
【0108】
本発明の他の実施例によれば、中央制御ユニット101は、使用者に、使用者ガイド及び薄膜バルブ制御装置100aに装填された薄膜バルブ装置の種類によるそれぞれの工程の追加説明を提供するための音声合成要素をさらに含むことができる。図面符号104は、ディスク開口の周りに装填された薄膜バルブ装置100を圧縮する圧縮要素を表す。薄膜バルブ装置100が磁性けん引力により圧縮されうるように圧縮要素104は回転台181に磁性けん引力を加えるとともに、薄膜バルブ装置100の垂直移動及び空回転を許容するアイドル(idle)回転台の形態で設計されることができる。
【符号の説明】
【0109】
1:上部基板
1a,1b,2a:薄膜接着テープ層
2:中間基板
2a:薄膜接着テープ層
3:下部基板
4a,4b,4c,5a:永久磁石
10,10a,10b:ホール
10c:ビーズ(ボール)チャンネル
12:通風口
13a,13b:ホール閉鎖膜
20,21:チャンバ
22:チャンネル
23:補助チャンネル
60:ビーズ(ボール)栓
61b:ビーズ(ボール)
70a:熱収縮性栓
70b:非磁性栓
70c:磁性栓
80:接着剤
81:非磁性または磁性材料
82:ドーナッツホール
98a:基準ホール
98b:基準リフレクター
99:光検出器または方位角検出器
99a,99b:フォトカプラー
100:薄膜バルブ装置の本体
100a:薄膜バルブ制御装置
101:中央制御ユニット
102:スピンドルモーター
101a,101b,101c:閉じ込め溝
102a:加圧段部
103:上下運動制御ユニット
104:圧縮要素
107:熱発生装置またはレーザービーム発生装置
108:照明ユニット
108a,108b:スライドアーム
109:スライダーモーター
109a,109b:ウォームギヤ連結ユニット
110:無線周波数発生ユニット
110a:ウエハーまたはハーネス(harness)
110b:可撓性ケーブル
110a,110b,110c,110d:スクリュー
111:入力/出力ユニット
121:試料注入ホール
140:回路ボード
170:開口
181:回転台(turntable)
130,131,132,133,140,141,142,143:チャンバ
188:内蔵メモリを備えた無線RFIC
189:太陽電池
200a,200c:熱硬化性接着層
200d:熱可塑性接着層
200b:PETバッキング
211:スライダー
V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7:バルブ
300:薄膜バルブ制御装置の本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的または生化学的分析に必要な流体を貯蔵し、生物学的または生化学的反応が行われる少なくとも一つのチャンバと、
試料を注入するための試料注入要素と、
少なくとも一つのチャンバを連結し、流体が通過して移動するチャンネルと、
チャンネルの中間に位置し、チャンネルの上部と下部とを連結するホールと、
前記ホールを閉鎖し、接着剤がコーティングされている薄膜バルブと、
前記チャンネル、ホール及び少なくとも一つのチャンバを含む少なくとも一つの基板と、
少なくとも一つの基板を共に接合する薄膜接着テープと、
薄膜接着テープを使用する少なくとも一つの基板を接合して形成され、前記チャンネル、ホール、少なくとも一つのチャンバ、試料注入要素及び薄膜バルブが集積されている本体と、
薄膜バルブに熱を放射する熱発生装置と、
を含むことを特徴とする薄膜バルブ装置。
【請求項2】
前記ホールは、
薄膜バルブがホールから分離されるように本体が回転することによって発生する遠心力及び熱発生装置から発生する熱を用いて接着剤の接着強度を弱化させることによって、
薄膜バルブがホールから分離されるように熱発生装置から発生する熱及び本体が回転することによって発生する遠心力を用いて接着剤の接着強度を弱化させることによって、
薄膜バルブがホールから分離されるように熱発生装置から発生する熱及び磁力を用いて接着剤の接着強度を弱化させることによって、
熱発生装置から発生する熱を用いて接着剤の接着強度を弱化させることによってそして磁力を用いてホールから薄膜バルブを分離させることによって、または、
本体が回転することによって発生する遠心力及び熱発生装置から発生する熱を弱化させることによってそして磁力を用いてホールから薄膜バルブを分離させることによって、
開放されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つのチャンバは、
分析する分析材料(生体適合物質)から試料を前処理するための工程用の前処理チャンバと、
試料を増幅し、試料を希釈または混合し、または試料をラベリングするための工程用の緩衝チャンバと、
生物学的または生化学的反応用であり、緩衝チャンバ内の試料を分析するための捕獲探針が基板に付着されたり固定要素により固定される分析サイトであるチャンバと、
洗浄工程で発生する廃棄物を捕集するための廃棄物チャンバと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項4】
前記捕獲探針は、単一分析材料または試料から多重分析物質を検出するためのアレイ形態で付着または固定されることを特徴とする、請求項3に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項5】
DNAチップ及び蛋白質チップを含むバイオチップ、多孔性メンブレインまたはウェルプレートが前記分析サイトに集積されていることを特徴とする、請求項3に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのチャンネルは、薄膜接着テープにより形成される薄膜チャンネルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの基板は、上下に積層される上部基板、中間基板、そして下部基板を含み、
前記本体は、少なくとも一つの基板の表面に薄膜接着テープをコーティングするように、少なくとも一つの基板に薄膜接着テープを付着したり、ディスペンサー、スプレーまたはシルクスクリーンを用いて薄膜接着テープを印刷し、前記少なくとも一つの基板を上下に積層して共に接合することによって組み立てられることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項8】
前記薄膜接着テープは、ホール閉鎖膜を含むことを特徴とする、請求項7に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項9】
前記薄膜接着テープは、少なくとも一つの基板が一緒に接合されて本体として組み立てられる場合、ホールの周りにホール閉鎖膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項10】
前記薄膜接着テープは、ホール閉鎖膜と基板接合部を含み、前記ホール閉鎖膜は、熱可塑性接着剤で形成され、前記基板接合部は、熱硬化性接着膜で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項11】
前記薄膜接着テープは、ホール閉鎖膜及び基板接合部を含み、前記ホール閉鎖膜は、熱融解接着剤で形成され、前記基板接合部は、アクリル接着剤で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項12】
前記ホール閉鎖膜を形成する接着剤の軟化点は、基板接合部を形成する接着剤の軟化点よりも低いことを特徴とする、請求項9に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項13】
前記薄膜接着テープは、ポリエチレンテレフタレート(PET)膜の上下面上に熱硬化性接着剤をコーティングして形成され、前記ホール閉鎖膜は、ホールの周りにさらに熱可塑性接着剤をコーティングして形成されることを特徴とする、請求項9に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項14】
前記ホール閉鎖膜は、該ホール閉鎖膜を形成する領域のみを露出させる開口を有するマスクパターンによるシルクスクリーンプリンティング、ディスペンサー工程、またはスプレープリンティングを用いて薄膜接着テープ上に熱可塑性接着剤をコーティングして形成されることを特徴とする、請求項9に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項15】
前記薄膜バルブは、ビーズ(ボール)栓、熱収縮性栓、非磁性栓、磁性栓及び薄膜接着テープで形成されたホール閉鎖膜からなるグループより選択されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項16】
前記非磁性栓は、円筒形の薄膜またはドーナッツ状の薄膜形態の金属材料で形成されることを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項17】
前記磁性栓は、円筒形の薄膜またはドーナッツ状の薄膜形態の磁性材料または永久磁性材料で形成されることを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項18】
前記磁性材料は、接着剤の軟化点よりも高いキュリー点(キュリー温度)を有することを特徴とする、請求項17に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項19】
前記本体は、薄膜バルブがホールから遠ざかる方向に自由に移動することを防止するように閉じ込め溝または閉じ込めチャンネルをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項20】
前記閉じ込め溝は、収縮後には熱収縮性栓の直径よりも大きく、収縮前には熱収縮性栓の元の直径よりも小さい直径を有する圧力段部をさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項21】
熱発生装置から発生する熱を用いて磁性栓の接着強度を弱化させることによって、且つ本体下部に配置された永久磁石をホールの中心に向けて移動させることによって発生する磁性を用いて、磁性栓により閉鎖されたホールを開放する機能と、
熱発生装置から発生する熱を用いて磁性栓の接着強度を復旧させることによって、且つホールの上部に配置された永久磁石の磁力が磁性栓に加えられてホールを閉鎖するように、ホール下部に配置された永久磁石をホールの中心から遠ざかる方向に移動させることによって、ホールを再び閉鎖する機能と、
を含む可逆開閉機能を有することを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項22】
熱発生装置から発生する熱を用いて磁性栓の接着強度を弱化させることによって、且つ本体下部に配置された永久磁石をホールの中心に向けて移動させることによって発生する磁力を用いて、磁性栓により閉鎖されたホールを初めて開放する機能、
本体上部に配置された永久磁石の磁力が磁性栓に加えられるように、ホール下部に配置された永久磁石をホールの中心から遠ざかる方向に移動させることによって、磁性栓を用いてホールを閉鎖する機能と、
磁力が磁性栓に加えられてホールを開放するように、本体下部に配置された永久磁石をホールの中心に向けて移動させることによって、ホールを再び開放する機能と、
を含む可逆開閉機能を有することを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項23】
前記本体は、ホールから分離されているビーズ(ボール)栓を移動またはホールドするための補助チャンネルまたはビーズ(ボール)チャンネルをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項24】
前記薄膜バルブ上にコーティングされた接着剤は、熱可塑性接着剤を含み、前記少なくとも一つの基板を接合する薄膜接着テープは、熱硬化性接着剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項25】
前記熱可塑性接着剤は、熱融解接着剤を含み、前記熱硬化性接着剤は、アクリル接着剤を含むことを特徴とする、請求項24に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項26】
前記熱硬化性接着剤の軟化温度は、約120℃以上であり、熱可塑性接着剤の軟化温度は、約60℃〜約80℃であることを特徴とする、請求項10または24に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項27】
前記本体は、無線方式の無線周波数集積回路(RFIC)または無線方式の無線周波数集積回路に動力を供給するための太陽電池をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項28】
前記薄膜バルブは、接着剤の接着強度及びホール上部に配置された永久磁石の磁力によって循環周期の間に閉鎖されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項29】
前記薄膜バルブは、接着剤の接着強度によって循環周期の間に閉鎖されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項30】
前記接着剤は、熱融解接着剤、シリコン接着剤、ゴム系接着剤、変性シリコン系接着剤、アクリル接着剤、ポリアミド接着剤、ポリオレフィン接着剤、テフロン(登録商標)系接着剤、エポキシ接着剤、UV硬化可能な接着剤、UV接着剤、熱可塑性接着剤、ゲル(gel)、ワックス、熱硬化性テープ、熱可塑性テープからなるグループより選択されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項31】
前記ゲルは、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びポリビニルアミドからなるグループより選択される材料を含むことを特徴とする、請求項30に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項32】
前記熱可塑性樹脂は、COC、PMMA、PC、PS、POM、PFA、PVC、PP、PET、PEEK、PA、PSU及びPVDFからなるグループより選択される材料を含むことを特徴とする、請求項30に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項33】
前記ワックスは、パラフィンワックス、合成ワックス及び微晶質ワックスからなるグループより選択される材料を含むことを特徴とする、請求項30に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項34】
前記接着剤は、熱発生装置から発生するエネルギーを吸収して熱を発生させる複数個のマイクロサイズの熱発生粒子をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項35】
前記熱収縮性栓は、テフロン(登録商標)系材料、シリコン系材料及びポリオレフィン系材料からなるグループより選択される材料を含むことを特徴とする、請求項15に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項36】
前記本体は、シリコン、プラスチック、エアロゲル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ガラス、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、環状オレフィン共重合体(COC)、そしてポリカーボネートからなるグループより選択される材料で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項37】
前記本体の表面は、少なくとも一つのチャンバに貯蔵された流体の蒸発を防止するように、アルミニウムまたはアルミニウムシートでコーティングされることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルブ装置。
【請求項38】
請求項1乃至請求項37のいずれか1項に記載の薄膜バルブ装置と、
前記薄膜バルブ装置を回転させるスピンドルモーターと、
熱発生装置及び永久磁石が装着され、これら熱発生装置と永久磁石を移動させるスライダーと、
半径方向のスライダーの移動を制御するスライドモーターと、
熱発生装置と、スライドモーター及びスピンドルモーターの作動を制御し、薄膜バルブ装置のホールを選択的に開閉する薄膜バルブに対する空間的アドレッシングを行う中央制御ユニットと、
を含むことを特徴とする薄膜バルブ制御装置。
【請求項39】
前記熱発生装置は、レーザービーム発生装置、発光ダイオード(LED)光源、紫外線(UV)光源からなるグループより選択されることを特徴とする、請求項38に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項40】
前記空間的アドレッシングは、薄膜バルブに対する半径方向及び方位アドレッシングを含むことを特徴とする、請求項38に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項41】
前記スライダーに装着されたレーザービーム発生装置は、薄膜バルブに対する半径方向アドレッシング後に接着剤の接着強度を弱化させるようにパルスビームまたは連続ビームを発生させることを特徴とする、請求項39に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項42】
半径方向アドレッシングが完了すると、レーザービーム発生装置から発生するパルスビームまたは連続ビームが回転本体に照射される間に薄膜バルブに対する方位アドレッシングが行われることを特徴とする、請求項40に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項43】
レーザービーム発生装置が薄膜バルブの方位位置で周期的にオンされることによってパルスビームが生成される方位角検出器をさらに含み、前記方位位置は、方位角検出器により獲得される基準トリガー信号によって計算されることを特徴とする、請求項42に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項44】
無線方式の無線周波数集積回路(RFIC)に動力を供給する無線周波数発生ユニット、または
太陽電池に光エネルギーを供給する照明ユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項38に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項45】
前記中央制御ユニットは、薄膜バルブ装置が薄膜バルブ制御装置に装填される場合、無線RFICから伝送される薄膜バルブ装置のIDを無線方式で受信して、現在装填されたディスクを薄膜バルブ装置と認識することを特徴とする、請求項38に記載の薄膜バルブ制御装置。
【請求項46】
汎用直列バス(USB)、IEEE1394、ATAPI、SCSI、IDEまたは有無線インターネット連結部の通信標準にしたがう入出力装置をさらに含むことを特徴とする、請求項38に記載の薄膜バルブ制御装置。

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2011−505548(P2011−505548A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534879(P2010−534879)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006631
【国際公開番号】WO2009/066897
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】