説明

表示装置、表示方法、表示プログラム及び表示プログラムを記録した記録媒体

【課題】 本発明は、表示装置、表示方法、表示プログラム及び表示プログラムを記録した記録媒体に関し、例えばカーナビゲーション装置に適用して、表示のスクロールに関して、従来に比して使い勝手を向上する。
【解決手段】 本発明は、スクロールの指示により表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、元の大きさにズームインさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、表示プログラム及び表示プログラムを記録した記録媒体に関し、例えばカーナビゲーション装置に適用することができる。本発明は、スクロールの指示により表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、元の大きさにズームインさせることにより、表示のスクロールに関して、従来に比して使い勝手を向上する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置においては、地図を表示してユーザーを目的地に道案内するようになされている。このようなカーナビゲーション装置においては、ユーザーによる操作に応動してこの地図の表示をスクロールさせるようになされており、これにより目的地の検索、確認等に利用できるようになされている。
【0003】
このようなスクロールに関しては種々の工夫が提案されるようになされており、例えば特開2000−292194号公報には、ユーザーによる操作に応動してスクロールの速度を切り換えることにより、スクロールに係る操作性を向上する方法が提案されるようになされている。
【0004】
ところが従来のカーナビゲーション装置においては、表示のスクロールにより現在表示されている地点より遠くの地点を表示する場合、その分、長い時間、表示をスクロールさせる必要があり、これにより使い勝手が悪い問題がある。因みに、この問題を解決するために、スクロールの速度を速くすると、表示内容を把握することが困難になり、却って使い勝手が悪くなる。
【0005】
またこのように長い距離をスクロールさせると、それまで表示していた地点と目的の地点とに関して、位置関係が把握しにくくなり、これによっても使い勝手が悪い問題があった。なおこのような位置関係の把握は、それまで表示していた地点、目的の地点に関して、土地勘の無い場合、さらには縮尺が表示されていない場合等に、顕著となる。
【0006】
このような場合に、従来のカーナビゲーション装置では、表示をズームアウトさせて地図表示の縮尺を小さくした後、目的の地点が表示の中心となるように表示をスクロールさせ、その後、ズームインさせて地図表示を元の縮尺に戻すことが考えられる。このようにすれば、ズームアウトした分、スクロールに要する時間を短くすることができる。またズームアウトの表示により、それまで表示していた地点と目的の地点との位置関係も容易に把握することができる。しかしながらこのようにズームアウト、スクロール、ズームインの操作を実行する場合にあっては、操作が極めて煩雑になる問題がある。特に、走行中にあっては、運転の妨げともなる。
【特許文献1】特開2000−292194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、表示のスクロールに関して、従来に比して使い勝手を向上することができる表示装置、表示方法、表示プログラム及び表示プログラムを記録した記録媒体を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、ユーザーの指示により、表示対対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示装置に適用して、前記ユーザーによる指示を受け付ける入力手段と、前記入力手段による入力により、表示手段における前記表示対象の表示を切り換える制御手段とを有し、前記制御手段は、前記入力手段によるスクロールの指示により、前記表示手段における前記表示象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるようにする。
【0009】
また請求項7の発明においては、ユーザーの指示により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示方法に適用して、スクロールの指示により、表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始するズームアウトによるスクロールのステップと、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるズームインのステップとを有するようにする。
【0010】
また請求項8の発明においては、演算処理手段による処理手順の実行により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示方法のプログラムに適用して、前記処理手順は、スクロールの指示により、表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始するズームアウトによるスクロールのステップと、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるズームインのステップとを有するようにする。
【0011】
また請求項9の発明においては、演算処理手段による処理手順の実行により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示方法のプログラムを記録した記録媒体に適用して、前記処理手順は、スクロールの指示により、表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始するズームアウトによるスクロールのステップと、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるズームインのステップとを有するようにする。
【0012】
請求項1の構成により、ユーザーの指示により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示装置に適用して、前記ユーザーによる指示を受け付ける入力手段と、前記入力手段による入力により、表示手段における前記表示対象の表示を切り換える制御手段とを有し、前記制御手段は、前記入力手段によるスクロールの指示により、前記表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるようにすれば、ズームアウトしてスクロールした分、スクロールに必要な時間を短くすることができ、ユーザーにおいては、表示内容を容易に把握することができる。またズームアウトにより目的地の間の位置関係も容易に把握することができる。
【0013】
これにより請求項7、請求項8、請求項9の構成によれば、表示のスクロールに関して、従来に比して使い勝手を向上することができる表示方法、表示方法のプログラム、表示方法のプログラム記録した記録媒体を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示のスクロールに関して従来に比して使い勝手を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0016】
(1)実施例の構成
図2は、本発明の実施例に係るカーナビゲーション装置1に係るカーナビゲーションシステムを示す斜視図である。このカーナビゲーション装置1は、カーナビゲーション装置の機能に加えて、オーディオ、ビデオを再生するコンテンツ提供装置の機能を有するマルチメディア端末であり、所定厚みによる板形状により形成され、矢印Aにより示すように、車両のセンタコンソールに設けられた車載用クレードル2Aにセットして使用できるようになされている。
【0017】
このためこのカーナビゲーション装置1においては、下側端面に各種データの入出力に係る端子等が設けられ、車載用クレードル2Aにセットした場合には、この下側端面の端子により車載用クレードル2Aに接続されて電源の供給等を受け、さらに動作に必要な各種のデータ等を入出力する。
【0018】
またカーナビゲーション装置1は、この車載用クレードル2Aから取り外して持ち帰り、矢印Bにより示すように、例えば家庭に設けられた家庭用クレードル2Bにセットすることにより、この家庭用クレードル2Bを介してコンピュータ3、テレビジョン受像機4に接続できるように構成される。
【0019】
カーナビゲーション装置1は、このような家庭用クレードル2Bを介したコンピュータ3との接続においては、マルチメディア端末としての動作に必要な各種ファイルのアップロード、ダウンロードに供される。このためコンピュータ3においては、このカーナビゲーション装置1に対応するアプリケーションプログラムの起動により、家庭用クレードル2Bを介してコンピュータ3に保持された所定のファイルをカーナビゲーション装置1にアップロードし、またこれとは逆にカーナビゲーション装置1から所定のファイルをダウンロードできるようになされている。このカーナビゲーション装置1においては、このようなアップロード、ダウンロードに供するファイルとして、AVコンテンツに係るファイル、電子メール、ナビゲーションに供する地図のファイルが適用され、さらにAVコンテンツに係るファイルとしては、映画、テレビ番組等のファイル、音楽ファイルが適用されるようになされている。
【0020】
カーナビゲーション装置1は、このような家庭用クレードル2Bを介したテレビジョン受像機4との接続においては、マルチメディア端末として各種コンテンツをテレビジョン受像機4を介してユーザーに提供できるようになされ、さらにはテレビジョン受像機4に地図を表示してナビゲーションの機能に係るルート検索等の処理を実行できるようになされている。
【0021】
これらのためこのカーナビゲーション装置1は、車載時にコンテンツ等を表示する表示画面11が正面に形成され、この表示画面11の上に、ユーザーによる操作を検出するタッチパネル39が設けられ、さらに表示画面11の右側、上方に電源スイッチ12が設けられる。またこの電源スイッチ12とは逆側の操作パネルに、上方より、順次、ソース、プログラム、メニュー、ディスプレイ、地図、音量の操作子13P〜18Pが設けられるようになされている。
【0022】
図3は、このカーナビゲーション装置1を関連する構成と共に示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、車載用クレードル2Aを介して、外部ユニット21に接続される。ここでこの外部ユニット21は、例えば座席の下に設けられ、チュナー部23、光ディスクドライブ24等が設けられる。
【0023】
ここでチュナー部23は、カーナビゲーション装置1の制御により、テレビジョン放送波、道路交通情報通信システム(VICS: Vehicle Information and Communication System )に係る交通情報を受信し、受信結果に係るビデオデータ、オーディオデータ、交通情報を車載用クレードル2Aに出力する。これによりこのカーナビゲーション装置1では、車載用クレードル2Aにセットして、テレビジョン放送を楽しむことができるようになされ、また交通情報を取得してユーザーに通知できるようになされている。
【0024】
光ディスクドライブ24は、同様のカーナビゲーション装置1の制御により、DVD(Digital Versatile Disk)、コンパクトディスク等の光ディスクを再生してビデオデータ、オーディオデータを車載用クレードル2Aに出力する。これによりこのカーナビゲーション装置1は、車載用クレードル2Aにセットして、AUX入力により各種光ディスクによるAVコンテンツを楽しむことができるようになされている。
【0025】
これに対して車載用クレードル2Aは、GPS部22、オーディオの出力部27が設けられる。ここでGPS部22は、GPS(Global Positioning System )に係る現在位置検出装置であり、カーナビゲーション装置1の制御により、現在位置を検出して出力する。これによりカーナビゲーション装置1では、車載用クレードル2Aにセットした場合には、このGPS部22で検出される現在位置の情報によりナビゲーションの処理を実行できるようになされている。
【0026】
出力部27は、このカーナビゲーション装置1からオーディオデータ、音声データを取得し、これらデータをアナログ信号に変換してFM放送波により、さらには外部出力端子を介して出力する。これによりカーナビゲーション装置1においては、車載用クレードル2Aにセットされた場合には、この出力部27からの有線、無線によるオーディオ出力によりこのカーナビゲーション装置1が搭載されている車両のカーオーディオ装置28にオーディオ信号、音声信号を出力し、このカーオーディオ装置28を介してオーディオ信号及び音声信号を出力する。
【0027】
なお家庭用クレードル2Bにおいては、同様の出力部が設けられ、このようなオーディオ信号、音声信号、ビデオ信号を有線により出力できるように構成され、これによりカーナビゲーション装置1をセットしてテレビジョン受像機4により各種AVコンテンツを提供できるようになされている。
【0028】
これらによりカーナビゲーション装置1では、車載用クレードル2Aへのセットによりこの車載用クレードル2Aのインターフェース25に接続されて、このインターフェース(I/F)25との間で外部ユニット21に係る各種のデータを入出力するインターフェース26が設けられるようになされている。
【0029】
しかしてこのインターフェース26は、コントローラ33の制御により動作し、このカーナビゲーション装置1が車載用クレードル2Aにセットされた場合、外部ユニット21との間で種々のデータを入出力し、またこの入出力に係るデータをバスBUSとの間で入出力するようになされている。これに対してこのカーナビゲーション装置1が家庭用クレードル2Bにセットされた場合、コンピュータ3との間でアップロード、ダウンロードに係るデータを入出力するようになされている。
【0030】
またカーナビゲーション装置1において、インターフェース(I/F)31は、コントローラ33の制御により、このカーナビゲーション装置1の側面に設けられたカードスロットから挿入されるメモリカード32との間で種々のデータを入出力し、またこのデータをバスBUSとの間で入出力する。これによりカーナビゲーション装置1では、メモリカード32を介して例えば電子スチルカメラで取得した静止画を取り込むことができるようになされ、またこれとは逆に取り込んだ静止画をメモリカード32に記録できるようになされている。
【0031】
通信ユニット34は、無線通信LAN(Local Area Network)に係る送受信装置であり、コントローラ33の制御によりバスBUSに出力されるデータをネットワークに送出し、またネットワークを介して所望するデータを取得してバスBUSに出力する。これによりこのカーナビゲーション装置1では、この通信ユニット34を介してインターネットに接続し、また電子メールを送受できるようになされている。
【0032】
ハードディスク装置(HDD)35は、このカーナビゲーション装置1の処理に係るプログラム、コンテンツ等を記録して保持し、コントローラ33の制御によりこれらのデータをバスBUSに出力する。これによりハードディスク装置35は、インターフェース26、31を介して外部機器から入力される各種ファイルのデータ、通信ユニット34を介して取得した各種のデータ、これら外部機器に出力するデータ、電子メールに係るデータ等を保持し、必要に応じてバスBUSに出力するようになされている。なおこのプログラムにおいては、事前のインストールにより提供されるようになされているものの、これに代えて、インターフェース26、31を介した記録媒体からのダウンロードにより、又は通信ユニット34を用いたネットワークからのダウンロードによりハードディスク装置35に記録するようにしてもよい。なおこの場合、記録媒体においては、光ディスク、メモリカード、磁気テープ等、種々の記録媒体を広く適用することができる。
【0033】
表示部37は、図2について上述した表示画面11を形成する例えば液晶表示装置により構成され、コントローラ33の制御により各種コンテンツ、地図等を表示する。
【0034】
入力部38は、この表示画面11に配置されたタッチパネル39による操作を検出するタッチパネルに係る構成、リモートコマンダ40から出力される遠隔制御信号を受信する受信部41、ソース、プログラム等の操作子13P〜18Pの操作を検出するインターフェースにより構成され、これらで検出されるユーザーによる操作をコントローラ33に通知する。これによりこのカーナビゲーション装置1では、表示画面11の側方に設けられた操作子13P〜18Pの操作により、表示画面11に設けられたタッチパネル39の操作により、さらにはリモートコマンダ40の操作により、動作の切り換え等を実行できるようになされている。
【0035】
しかしてリモートコマンダ40は、カーナビゲーション装置1に設けられた操作子13P〜18Pに対応する操作子、表示画面11におけるメニューの選択に係るスクロール等の操作子が設けられ、これら操作子の操作に応動して赤外線による遠隔制御信号を出力するようになされている。
【0036】
コントローラ33は、演算処理手段であり、入力部38を介して検出されるリモートコマンダ40等の操作に応動してハードディスク装置35に記録されたプログラムを実行することにより、ユーザーの操作に応動してナビゲーションの処理を実行し、また各種コンテンツをユーザーに提供する。なおここでこの実施例において、このコントローラ33の処理に係るプログラムにおいては、事前に、このカーナビゲーション装置1にインストールされて提供されるものの、このような事前のインルトールに代えて、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよく、また種々の記録媒体を用いたインストールにより提供するようにしてもよい。因みにこのような記録媒体は、光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等、種々の記録媒体を広く適用することができる。
【0037】
すなわちコントローラ33は、ユーザーによりコンテンツの提供が指示されると、ユーザーによる操作に応動してチュナー部23、光ディスクドライブ24、ハードディスク装置35より得られる映像コンテンツ、音楽コンテンツ等を表示部37、カーオーディオ装置28を介して提供する。またインターネットの閲覧が指示されると、ブラウザソフトを起動して通信ユニット34によりインターネットに接続し、通信ユニット34より得られる映像等を表示部37で表示し、また音声データを出力部27により出力する。また電子メールに係る処理が指示されると、メーラーを起動してハードディスク装置35に保持された電子メールを表示部37で表示し、またこのような表示に供する電子メールを通信ユニット34を介して取得する。またユーザーによる電子メールの入力を受け付け、この電子メールを通信ユニット34を介して送信する。また静止画の閲覧が指示されると、メモリカード32、ハードディスク装置35から処理対象に係る静止画ファイルを取得し、この静止画ファイルに係る静止画を表示部37で表示する。
【0038】
これに対してユーザーにより地図の表示が指示されると、GPS部22から現在位置の情報を取得し、この現在位置の情報を基準にしてハードディスク装置35に記録した地図データをロードする。またこのロードした地図データにより表示部37で地図を表示する。またユーザーによりナビゲーションの処理が指示されると、ユーザーにより目的地等の入力を受け付け、またGPS部22から現在位置の情報を取得し、これらの情報によりルート検索の処理を実行する。コントローラ33は、このようにして検出したルートによりユーザーを道案内するように、ユーザーの設定に応じて地図を表示して各種の情報を出力する。
【0039】
コントローラ33は、このようにして地図を表示した状態で、リモートコマンダ40の操作により、又はタッチパネル39の操作により、この地図の表示を拡大、縮小し、また地図の表示形式を例えば鳥瞰図の形式に切り換える。これらの処理において、ユーザーにより地図表示のスクロールが指示されると、図1の処理手順の実行により地図表示をズームアウトさせながらスクロールさせた後、元の縮尺に地図表示をズームインする。ここでリモートコマンダ40によるスクロールの指示においては、例えばリモートコマンダ40に設けられたジョイステックの操作、スクロール方向を指示する押圧操作子の操作等である。またタッチパネル39の操作によるスクロールの指示においては、スクロールにより表示させたい方向に、スクロールの時間の間だけ表示画面の中央から変位した位置を指等を接触させる操作、スクロールにより表示させたい方向に、画面中央から接触された指等をスライドさせた後、スクロールの時間の間だけタッチパネル39に接触させておく等の操作である。
【0040】
コントローラ33は、ユーザーによるリモートコマンダ40、タッチパネル39の操作が検出されると、この処理手順を開始してステップSP1からステップSP2に移り、ここでこのユーザーによる操作がスクロールを指示する操作か否か判断する。ここで否定結果が得られると、コントローラ33は、ステップSP2からステップSP3に移り、この処理手順を終了する。
【0041】
これに対してステップSP2で肯定結果が得られると、コントローラ33は、ステップSP2からステップSP4に移り、ここでユーザーによる指示に係るスクロール方向に画面の表示をスクロールさせる。また続くステップSP5において、このスクロール時における現在のズームアウトの縮尺が事前に設定された制限値か否か判断し、ここで否定結果が得られると、コントローラ33は、ステップSP5からステップSP6に移る。ここでコントローラ33は、ステップSP4によるスクロールの分だけ、地図表示の縮尺を低減して地図表示をズームアウトさせる。これらによりコントローラ33は、図4により符号L1との対比により符号L2により表示部37により表示される地図を示すように、スクロールさせる分だけ、ズームアウトの中心を変位させて、表示部37の表示をズームアウトさせ、ユーザーにより指示されたスクロールの方向に、地図により表示する領域を拡大する。
【0042】
これに対してステップSP5で肯定結果が得られると、コントローラ33は、ステップSP5から直接ステップSP7に移る。これによりコントローラ33は、地図表示の縮尺がこの制限値となると、ズームアウトの処理を中止して、単に地図表示をスクロールさせる。
【0043】
続いてコントローラ33は、ステップSP7において、ユーザーによるスクロールの操作が中止されたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP7からステップSP4に戻る。
【0044】
これらによりコントローラ33は、ステップSP4−SP5−SP6−SP7−SP4の処理手順を繰り返し、図4において符号L1〜L5により表示部37により表示される地図の変化を大まかに示すように、ユーザーによるスクロールの指示により、スクロールさせる方向とは逆方向に、ズームアウトの中心を順次変位させて、表示部37の表示をズームアウトさせ、これによりユーザーにより指示されたスクロールの方向に、地図により表示する領域を順次拡大し、ズームアウトさせながら地図表示をスクロールさせる。またこのようなズームアウトによる縮尺が事前に設定された制限値となると、ステップSP4−SP5−SP7−SP4の処理手順を繰り返し、ズームアウトを中止して地図表示をスクロールさせる。
【0045】
なおこれらによりステップSP5の判断に係る制限値にあっては、ユーザーによる事前の設定、この一連の処理に係るプログラムの設定等による、最大にズームアウトした場合における地図表示の縮尺値である。この制限値にあっては、単に縮尺値により設定する場合の他に、スクロール開始時における地図表示の縮尺に対して一定の倍率となるように設定するようにしてもよい。また例えば過去の使用の記録より、制限値となって地図表示を単にスクロールさせる過去の距離に応じて、適宜、制限値の設定を変更するようにして、いわゆる学習機能によりユーザーの使用に適した制限値に設定するようにしてもよい。
【0046】
このようにして順次表示をズームアウトさせて、ユーザーによりスクロールの指示が中止されると、コントローラ33は、ステップSP7からステップSP8に移り、ズームアウトの場合とは逆に、地図表示の縮尺を増大させ、これによりズームインの処理を実行する。ここでこの実施例において、コントローラ33は、ズームインの中心を表示部37による表示画面の中央に設定して、ズームインの処理を実行する。また続くステップSP9において、このズームインの処理によりこの処理手順の開始前の縮尺に地図表示の縮尺が戻ったか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP7に戻る。
【0047】
これにより図4との対比により図5において符号L6〜L10により表示部37により表示される地図の変化を大まかに示すように、地図表示を元の縮尺に戻すようになされている。
【0048】
これらの処理において、コントローラ33は、縮尺の変化が連続するように、ズームアウト、ズームインの処理を実行し、これによりズームアウト、ズームインによる画像の変化が滑らかに見て取られるようにする。また縮尺の変化が直線的になるように、すなわち時間を変数に設定した一時関数により縮尺が表現されるように、ズームアウト、ズームインの処理を実行し、これによりズームアウト、ズームイン時において違和感を感じないようにする。
【0049】
また表示部37における地図表示において、画面中央における地図表示の移動速度が一定値となるようにスクロール量を設定してズームアウトの処理を実行し、これにより何らズームアウトしないでスクロールの処理を実行する場合に比して、目的地を表示するまでの時間を短縮するようになされている。なお、これによりこの実施例においては、画面中央に対応する実際の地形にあっては、縮尺の減少により、移動速度が順次増大するようになされている。
【0050】
また図6(A)〜(C)により順次縮尺を縮小した状態を示すように、元の縮尺において表示されていた領域を示すマークを表示する。具体的にこの実施例では、元の表示に対する縮尺が所定値以下の場合、図6(A)に示すように、元の縮尺において表示されていた領域を、この領域の4隅みを示す囲みにより表示する。またこの縮尺がさらに小さくなった場合には、図6(B)に示すように、元の縮尺において表示されていた領域を、矩形のハッチングにより表示し、さらに縮尺が小さくなった場合には、図6(C)に示すように、元の縮尺において表示されていた領域の位置を、水平方向及び垂直方向に延長する線分によるカーソルにより表示する。
【0051】
またコントローラ33は、これらの各縮尺に対応して地図の縮尺を示す表示を併せて表示部37の表示画面上に形成する。なおこの図6(A)〜(C)の例では、この表示を地図表示における距離により表示するようになされている。
【0052】
しかしてこのようにして順次ズームインして、元の縮尺に戻ると、コントローラ33は、ステップSP9からステップSP3に移ってこの処理手順を終了する。これに対してズームインしている途中で、ユーザーが再びスクロールを指示した場合、ズームインの処理において、目的値が表示部37による表示画面からはみ出す場合等であると考えられ、この場合、コントローラ33は、ステップSP7で否定結果が得られることにより、ステップSP4に戻り、ユーザーによるスクロールの指示に従って、再びズームアウトさせながら地図表示をスクロールさせる。
【0053】
これらによりこの実施例においては、地図のスクロールにより目的地を検出する場合等にあっては、ズームアウトしながらスクロールさせた分、ユーザーにより表示内容を把握可能に設定して、スクロールに要する時間を短くするようになされている。また目的地に対する位置関係を従来に比して容易に把握できるようになされている。
【0054】
しかしてコントローラ33は、ユーザーによる操作に応動して、このようにして表示した地図上にカーソル、アイコン等を表示して、ナビゲーションの処理に係る目的地の設定を受け付け、さらには施設、店舗の詳細情報を表示するようになされている。
【0055】
これに対してナビゲーションに係る操作において、ユーザーによりルートシュミレーションが指示されると、コントローラ33は、現在位置から目的地までのルートを辿るように、表示画面をスクロールさせる。このスクロールの処理において、コントローラ33は、ユーザーによるスクロールの操作について上述したと同様にして、ズームアウトさせながら地図表示をスクロールさせる。また目的地の近傍においてズームインさせて地図表示を元の縮尺に戻してスクロールを終了する。またこのスクロールの際に、ルート上の注目度に応じて、地図表示を一時的にズームインさせる。
【0056】
ここで注目度は、このカーナビゲーション装置1により表示される地図上の地点について、ユーザーに注意を促す程度を示すパラメータである。注目度は、運転する上で注意を要する地点については、大きい値が設定され、これにより例えば市街地、交差点、分岐点、有料道路のゲート等にあっては、大きな値に設定されるのに対し、曲がりくねった一本道、急なカーブ等にあっては、中程度の値に設定され、直線道路、山間部、高速道路等の一本道等にあっては、小さな値に設定される。また注目度は、移動する際に、ユーザーの利用が予測される施設、店舗等についても設定され、この場合は、利用が予測される程度に応じて、例えばパーキングエリア、サービスエリアは大きな値が設定されるのに対し、一般道路に面したガソリンスタンド、コンビニエンスストアについては、中程度の値が設定される。なおこれら以外の、例えば飲食店等、各種娯楽施設についても、注目度の設定対象に加えるようにしてもよい。なおこの場合、ユーザーによる各種目的地、経由地、立ち寄りの履歴等から、ユーザーの好みを判定し、この好みに応じてジャンル毎に注目度を設定すること等が考えられる。コントローラ33は、これら注目度が設定された地点、施設等が注目度と共に事前に登録されて保持されるようになされている。
【0057】
コントローラ33は、図7に示す処理手順の実行により、この注目度に応じて地図表示を一時的にズームインさせる。すなわちコントローラ33は、ユーザーによりルートシュミレーションが指示されると、この処理手順を開始してステップSP11からステップSP12に移る。ここでコントローラ33は、登録された注目度に係る地点、施設等から、現在位置から目的地までのルートの道路沿い、所定範囲に存在する地点、施設等を検出する。また続くステップSP13において、このようにして検出した各地点、施設の注目度から対応する地点、施設を表示部37の表示画面中央に表示する際の縮尺を決定する。ここでこの実施例において、注目度は、ユーザーに注意を促す程度を示すパラメータであることにより、ユーザーの注意を喚起する程度が大きい程、大きな値に設定され、これによりコントローラ33は、注目度が大きい程、表示の縮尺を増大させる。
【0058】
これにより例えば図8に示すように、三角印により示す現在位置から丸印により示す目的地までのルートシュミレーションが指示された場合、符号A〜Gにより示す矩形により表示の領域を示すように、注目度の設定に係る各地点の地図表示の縮尺を設定する。しかしてこの図8に示す例では、符号A及びGにより示す現在位置及び目的地においては、注目度が最も高い場合の縮尺に設定され、また符号C、D、Fにより示す交差点等にあっては、それぞれ現在位置及び目的地に比して値の小さな注目度が設定され、これによりこれら符号C、D、Fの地点では、現在位置及び目的地に比して表示の縮尺が小さく設定されるようになされている。
【0059】
コントローラ33は、このようにして各注目度設定箇所について表示の縮尺を設定すると、ステップSP14に移り、この設定によりこのルートシュミレーションに係るルートについて表示縮尺の変化を設定する。ここでコントローラ33は、図9に示すように、各注目度設定箇所の地図をこの設定に係る縮尺により一定の期間だけ表示するようにして、各注目度設定箇所の前後、現在位置近傍、目的地近傍において、所定の変化率により縮尺が変化するように設定する。またこのとき図1の処理手順について上述したと同様にしてズームアウトに制限値を設けるようにして、ルートに係る縮尺を設定する。なおコントローラ33は、この場合も、縮尺の変化が直線的になるように、すなわち時間を変数に設定した一時関数により縮尺が表現されるように、縮尺を設定する。
【0060】
これによりコントローラ33は、続くステップSP15において、このようにして設定した縮尺によりズームアウト、ズームインさせて地図を表示し、またこの地図の表示上における移動速度が一定値となるように、表示に供する地図上の位置をルートに沿って移動させ、これにより表示の縮尺を適宜変更しながらスクロールの処理を実行した後、ステップSP16に移ってこの処理手順を終了する。なおこれにより図1の処理手順に係るスクロールの処理においては、スクロールの終了によりズームインするのに対し、このルートシュミレーションによるスクロールの処理においては、元の倍率にズームインしてスクロールを終了するようになされている。
【0061】
(2)実施例の動作
以上の構成において、このカーナビゲーション装置1では、ユーザーによる指示により表示部37に地図が表示され、この地図を用いてユーザーを目的地に道案内する。またこれによりユーザーにおいては、この地図の表示により、現在位置を確認し、さらには地図の表示をスクロールさせて周辺地理を確認したり、目的の施設を発見することになる。また場合によっては、この地図の表示をスクロールさせて目的地を設定することになる。
【0062】
これらの場合に、従来のように表示画面を単にスクロールさせていたのでは、スクロールに時間を要し、さらには現在位置と発見した目的地との関係が把握困難になる。またこのような状況を避けるためには、ズームアウト、スクロール、ズームインの操作を繰り返すことが必要になる。
【0063】
このためこの実施例においては、ユーザーによりスクロールが指示されると、地図の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、スクロールの終了により、元の大きさにズームインする。これによりこの地図の表示においては、簡易な操作により、元の縮尺のままでスクロールさせる場合に比して、ズームアウトさせた分、高速度によりスクロールさせてユーザーにおける視認性の劣化を防止することができ、これによりスクロールに要する時間を従来に比して短縮して使い勝手を向上することができる。
【0064】
またこのようにスクロールする場合にあって、スクロールを中止する場合にあっては、一定の縮尺に倍率を落とした状態で目的地を発見した場合であり、これにより現在位置との関係についても容易に把握することができ、これによっても使い勝手を向上することができる。
【0065】
またこのようにしてズームアウトさせながらスクロールするようにして、ズームアウトの縮尺にあっては、一定の制限値が設けられ、これにより例えば目的地を見つけられないで上下、左右に方向を切り換えてスクロールを長時間実行するような場合にあっても、著しい縮尺の低下を防止して実用上十分な縮尺により目的地等を検索することができ、これによっても使い勝手を向上することができる。
【0066】
これに対してスクロールの方向が既に既知の場合のスクロールの処理であるルートシュミレーションの処理においては、ユーザーがルートの確認に供する処理であることにより、注目度が設定された箇所がルートに沿って検出され、この検出した注目度に対応する縮尺によりこの注目度が設定された箇所の地図を表示するように、一時的にズームイン、ズームアウトの処理が実行されてスクロールの処理が実行される。またこの場合には、地図の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、元の大きさにズームインさせてスクロールを終了する。これによっても、元の縮尺のままでスクロールさせてルートシュミレーションする場合に比して、ユーザーにおける視認性の劣化を防止して高速度でスクロールさせることができ、これによりスクロールに要する時間を従来に比して短縮して使い勝手を向上することができる。また現在位置との関係についても、容易に把握可能とすることができる。また注目度に応じて一時的にズームインさせることにより、ルートシュミレーショにより必要とされる各種の情報を有効かつ確実にユーザーに通知することができ、これによっても一段と使い勝手を向上することができる。
【0067】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、スクロールの指示により表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、元の大きさにズームインさせることにより、表示のスクロールに関して、従来に比して使い勝手を向上することができる。
【0068】
またこのようにしてスクロールする際に、注目度に対応する大きさである縮尺により対応箇所の地図を表示するように、一時的にズームイン、ズームアウトの処理を実行することにより、このように短時間でスクロールできるようにして、ユーザーの必要とする各種の情報を有効かつ確実に通知することができ、これによっても一段と使い勝手を向上することができる。
【0069】
またこのようなスクロールに供する表示対象が地図であることにより、地図の表示に適用して、さらにはカーナビゲーション装置に適用して、使い勝手を向上することができる。
【実施例2】
【0070】
この実施例に係るカーナビゲーション装置においては、図1及び図2について上述した構成において、リモートコマンダ40、タッチパネル39の操作によりスクロールの速度を操作できるように構成され、これらリモートコマンダ40、タッチパネル39の操作により指示されるスクロールの操作に応動してスクロール速度、スクロール時におけるズームの処理を切り換える。なおここでリモートコマンダ40に係るスクロール速度の操作においては、例えばリモートコマンダ40に設けられたジョイステックの操作量の可変、スクロール方向を指示する押圧操作子の押圧力の可変等である。またタッチパネル39に係るスクロール速度の操作においては、例えばタッチパネル39の押圧力の可変等である。このためこの実施例に係るカーナビゲーション装置1においては、スクロール方向を検出する機構に加えて、これらスクロール量を検出する機構がリモートコマンダ40、タッチパネル39等の構成に設けられるようになされている。なおこの実施例に係るカーナビゲーション装置は、これらスクロール速度の処理に係る構成が異なる点を除いて、実施例1に係るカーナビゲーション装置1と同一に構成されることにより、以下の説明においては、適宜、図2及び図3の構成を流用して説明する。
【0071】
この実施例において、コントローラ33は、地図を表示した状態でユーザーによるリモートコマンダ40、タッチパネル39の操作によりスクロールが指示されと、図1、図4〜図6について上述したと同様にしてズームアウトしながらスクロールを開始し、スクロールの終了により、元の縮尺に地図表示をズームアップさせる。
【0072】
この一連の処理において、ユーザーにより指示されるスクロール速度に応じて、スクロールにより表示されるようになった地点について、注目度を設定し、この注目度により図8及び図9について上述したと同様にして地図表示を一時的にズームインさせる。これによりユーザーによりゆっくりとした速度によるスクロールが指示された場合には、その分、大きな縮尺により詳細な地図を表示する。またこれとは逆に、ユーザーにより速い速度によるスクロールが指示された場合には、その分、小さな縮尺により大きな領域を地図表示する。なおこのような注目度の設定に代えて、上述したスクロール時における制限値の可変により、ユーザーにより指示されるスクロール速度に応じてズームイン、ズームアウトの処理を実行するようにしてもよい。
【0073】
またこの実施例においては、スクロールの方向が既に既知の場合のスクロールの処理であるルートシュミレーションの処理においても、ユーザーによるスクロール速度の指示を受け付けるようになされ、この場合、スクロール速度に応じた注目度の設定により、又はスクロール速度に応じた制限値の可変により、さらには図9について上述した表示速度の変化特性による縮尺を、ユーザーによるスクロール速度の指示により全体的にバイアスさせることにより、同様に、ユーザーにより指示されるスクロール速度に応じてズームイン、ズームアウトの処理を実行する。
【0074】
この実施例によれば、スクロールの指示により表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、元の大きさにズームインさせるようにして、ユーザーにより指示されるスクロールの速度に応じて、さらにズームイン、ズームアウトの処理を実行することにより、スクロールの処理に一段とユーザーの意思を反映させて、一段と使い勝手を向上することができる。
【0075】
すなわちスクロールの速度が遅い場合には、ユーザーが詳細に地図表示を確認したいと考える場合であり、この場合に、縮尺が大きくなるようにそれまでの状態からズームインして地図を表示することにより、ユーザーの使い勝手を向上することができる。またスクロールの速度が速い場合には、迅速に地図をスクロールさせて目的地近傍等を表示させたい場合であると考えられることにより、この場合、スクロールの速度が遅い場合に比して、大きな縮尺により地図を表示してスクロールすることにより、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【実施例3】
【0076】
なお上述の実施例においては、縮尺の変化が直線的となるように、すなわち時間を変数に設定した一次関数によりズームアウト、ズームイン時の縮尺を設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一次関数に代えて、二次関数、指数関数等を適用する場合等、ズームアウト、ズームイン時における縮尺の変化の特性にあっては必要に応じて種々に設定することができる。また表示に係る縮尺に代えて、時間を変数に設定して表示する領域の大きさを表現するようにして、ズームアウト、ズームイン時における縮尺の変化を設定するようにしてもよい。
【0077】
また上述の実施例においては、ルートシュミレーションの場合に限って注目度に応じて一時的に地図表示をズームイン、ズームアウトする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図1について上述した通常のスクロール処理においても注目度に応じて一時的にズームイン、ズームアウトを実行するようにしてもよい。
【0078】
また上述の実施例においては、通常の平面的な地図表示に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、いわゆる鳥瞰図形式による地図表示にも広く適用することができる。
【0079】
また上述の実施例においては、スクロールする方向に表示に供する領域が拡大するようにズームアウトし、表示画面の中央を中心にズームインする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、このようなズームアウト、ズームインの中心にあっては、必要に応じて種々に変更するようにしてもよい。
【0080】
また上述の実施例においては、本発明をカーナビゲーション装置における地図の表示に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばパーソナルコンピュータ等における地図表示等、種々の装置における地図表示に広く適用することができる。またこのような地図を表示対象とする場合の他に、配線パターン図等の各種設計図、航空写真等の各種写真、さらには3次元構造物、3次元物体の視点を移動させた表示等に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、表示装置、表示方法、表示プログラム及び表示プログラムを記録した記録媒体に関し、例えばカーナビゲーション装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施例に係るカーナビゲーション装置のコントローラにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例に係るカーナビゲーション装置によるシステム構成を示す略線図である。
【図3】本発明の実施例に係るカーナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図4】図1の処理手順による地図表示のズームアウトの説明に供する平面図である。
【図5】図1の処理手順による地図表示のズームインの説明に供する平面図である。
【図6】図2の各部における地図表示を示す平面図である。
【図7】ルートシュミレーションに係るコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図7の処理手順による地図表示の説明に供する平面図である。
【図9】図7の処理手順による地図表示の縮尺を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
【0083】
1……カーナビゲーション装置、37……表示部、33……コントローラ、39……タッチパネル、40……リモートコマンダ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの指示により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示装置において、
前記ユーザーによる指示を受け付ける入力手段と、
前記入力手段による入力により、表示手段における前記表示対象の表示を切り換える制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記入力手段によるスクロールの指示により、前記表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始し、
前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記入力手段によるスクロールの指示により、前記表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始して、前記表示手段における前記表示対象の表示の大きさが制限値となると、ズームアウトの処理を中止して前記表示手段における前記表示対象の表示をスクロールさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記入力手段を介した前記ユーザーにより指示されるスクロールの速度に応じて、スクロール時における表示の大きさを可変する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記表示対象の各部に、ユーザーに注意を促す程度を示す注目度を設定し、
前記各部を表示する際の前記表示対象の表示の大きさが、表示に係る前記各部の注目度に対応する大きさとなるように、前記表示対象の表示をスクロールさせる際に、一時的にズームインさせた後、ズームアウトさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示対象が地図である
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
現在位置を検出する現在位置検出手段を有し、
前記制御手段は、
前記現在位置検出手段で検出される現在位置から、前記入力手段を介して設定される目的地までのルート検索の処理を実行し、
該ルート検索の処理により検出されたルートに沿って、前記地図の表示をスクロールさせる
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
ユーザーの指示により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示方法において、
スクロールの指示により、表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始するズームアウトによるスクロールのステップと、
前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるズームインのステップと
を有することを特徴とする表示方法。
【請求項8】
演算処理手段による処理手順の実行により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示方法のプログラムにおいて、
前記処理手順は、
スクロールの指示により、表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始するズームアウトによるスクロールのステップと、
前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるズームインのステップと
を有することを特徴とする表示方法のプログラム。
【請求項9】
演算処理手段による処理手順の実行により、表示対象の一部を拡大して表示し、また前記表示対象における表示箇所をスクロールさせる表示方法のプログラムを記録した記録媒体において、
前記処理手順は、
スクロールの指示により、表示手段における前記表示対象の表示をズームアウトさせながらスクロールを開始するズームアウトによるスクロールのステップと、
前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせてスクロールを終了し、又はスクロールの終了により、前記表示手段における前記表示対象の表示を元の大きさにズームインさせるズームインのステップと
を有することを特徴とする表示方法のプログラムを記録した記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−146643(P2006−146643A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337007(P2004−337007)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】