表示装置
【課題】ゲート絶縁層として要求される耐圧や容量を確保しつつ、外光反射率によるコントラストの劣化を抑えやすくした表示装置を提供する。
【解決手段】透明基板GAと、透明基板GAの上側に形成されるゲート電極GTと、ゲート電極GTの上側に形成される微結晶半導体層MSと、ゲート電極GTと微結晶半導体層MSの間に形成されて、微結晶半導体層MSの外方に延在するゲート絶縁層GIと、ゲート絶縁層GIの微結晶半導体層MSの外方に延在する部分の上面に接して、窒化ケイ素で形成される第2の窒化ケイ素層NI2と、を有し、ゲート絶縁層GIは、第1の窒化ケイ素層NI1と、第1の窒化ケイ素層NI1の上側に形成されて微結晶半導体層MSに接する酸化ケイ素層OIと、を含み、ゲート絶縁層GIは、微結晶半導体層MSの下側の部分よりも第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分で薄く形成される、ことを特徴とする表示装置。
【解決手段】透明基板GAと、透明基板GAの上側に形成されるゲート電極GTと、ゲート電極GTの上側に形成される微結晶半導体層MSと、ゲート電極GTと微結晶半導体層MSの間に形成されて、微結晶半導体層MSの外方に延在するゲート絶縁層GIと、ゲート絶縁層GIの微結晶半導体層MSの外方に延在する部分の上面に接して、窒化ケイ素で形成される第2の窒化ケイ素層NI2と、を有し、ゲート絶縁層GIは、第1の窒化ケイ素層NI1と、第1の窒化ケイ素層NI1の上側に形成されて微結晶半導体層MSに接する酸化ケイ素層OIと、を含み、ゲート絶縁層GIは、微結晶半導体層MSの下側の部分よりも第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分で薄く形成される、ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アモルファスシリコンよりも移動度が高い微結晶シリコンをチャネル層に用いる薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が知られており、微結晶シリコンを用いることで、閾値電圧(Vth)の変動を抑えることができる。
【0003】
また、微結晶シリコンをチャネル層に用いた薄膜トランジスタにおいては、窒化ケイ素(SiNx)の絶縁膜と酸化ケイ素(SiOx)の絶縁膜の順次積層膜をゲート絶縁層として構成し、酸化ケイ素の絶縁層とチャネル層とを接するようにすることで、界面での電荷蓄積が低減されて閾値電圧の変動をさらに抑えることができる。
【0004】
なお特許文献1には、ゲート絶縁層に、窒化ケイ素膜と酸化ケイ素膜との順次積層膜が用いられた微結晶シリコンの薄膜トランジスタの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−283522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、SiNxの絶縁層とSiOxの絶縁層の2層を含むゲート絶縁層を構成する場合には、ゲート絶縁層に必要とされる絶縁耐圧や電気容量を考慮してそれぞれの膜厚が設定される。
【0007】
しかしながら、SiNx/SiOxの積層膜をゲート絶縁層として用いると、表示パネルの外部からの光による外光反射率が増大し、明所コントラストの低下が生じることもある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みて、ゲート絶縁層として要求される耐圧や容量を確保しつつ、外光反射率によるコントラストの劣化を抑えやすくした表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる表示装置は、上記課題に鑑みて、透明基板と、前記透明基板の上側に形成されるゲート電極と、前記ゲート電極の上側に形成される微結晶半導体層と、前記ゲート電極と前記微結晶半導体層の間に形成されて、前記微結晶半導体層の外方に延在するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層の前記微結晶半導体層の外方に延在する部分の上面に接して、窒化ケイ素で形成される第2の窒化ケイ素層と、を有し、前記ゲート絶縁層は、第1の窒化ケイ素層と、前記第1の窒化ケイ素層の上側に形成されて前記微結晶半導体層に接する酸化ケイ素層と、を含み、前記ゲート絶縁層は、前記微結晶半導体層の下側の部分よりも前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分で薄く形成される、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも30nm以上薄く形成される、ことを特徴としてもよい。
【0011】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも50nm以上薄く形成される、ことを特徴としてもよい。
【0012】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層における前記酸化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成され、前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記酸化ケイ素層が25nm以下の厚みで形成される、ことを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層における前記第1の窒化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成される、ことを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記第1の窒化ケイ素層が130nm以上165nm以下の厚みで形成される、ことを特徴としてもよい。
【0015】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記微結晶半導体層の下側における前記酸化ケイ素層の厚みをh1(nm)とし、前記微結晶半導体層の下側における前記第1の窒化ケイ素層の厚みをh2(nm)とする場合に、320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1と、20≦h1≦60と、の2つの条件を満たす、ことを特徴としてもよい。
【0016】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記微結晶半導体層には、前記第2の窒化ケイ素層の上側に形成される画素電極が電気的に接続され、前記画素電極は、前記画素電極が配置される画素が表示する輝度を制御する、ことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲート絶縁層として要求される耐圧や容量を確保しつつ、外光反射率によるコントラストの劣化を抑えやすくした表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の等価回路を示す図である。
【図2】第1の実施形態における薄膜トランジスタ基板の画素領域を示す拡大平面図である。
【図3】図2のIII−III切断面における断面図である。
【図4】画素表示領域において生じうる外光反射を説明するための図である。
【図5】ゲート絶縁層の絶縁容量を一定に維持し、第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の膜厚を変化させた場合の外光の波長に対する反射率の波長依存性を測定した結果を示す図である。
【図6】相対視感度曲線を示す図である。
【図7】図5において酸化ケイ素層の膜厚が60nm〜120nmとなる場合の反射率の測定結果に、相対視感度を乗じたものを示す図である。
【図8】図5における酸化ケイ素層の膜厚と平均反射率の関係を示すグラフである。
【図9】ゲート絶縁層の絶縁容量を一定に維持して、第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の膜厚を変化させた場合のドレイン−ゲート電極間の絶縁耐圧を示す図である。
【図10】ゲート絶縁層の絶縁耐圧及び絶縁容量が望ましい値となる第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の厚みの関係を示すグラフである。
【図11】平均反射率、及び、絶縁耐圧と絶縁容量を好適な値にするための第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の膜厚を示すグラフである。
【図12】第2の実施形態に係る表示装置を説明するための図である。
【図13】参考例に係る表示装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る表示装置は、IPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であって、走査信号線、映像信号線、薄膜トランジスタ、画素電極、及びコモン電極が配置された薄膜トランジスタ基板と、当該薄膜トランジスタ基板と対向し、カラーフィルタが設けられた対向基板と、両基板に挟まれた領域に封入された液晶材料と、を含んで構成される。この薄膜トランジスタ基板では、ガラスを材料とする透明基板上に複数の薄膜トランジスタが配置されている。
【0021】
図1は、上記の液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板SUBの等価回路図を示す図であり、図2は、薄膜トランジスタ基板SUBの1つの画素領域の拡大平面図を示す図である。
【0022】
これらの図において、薄膜トランジスタ基板SUBでは、多数の走査信号線GLが互いに等間隔を置いて図中横方向に延びており、また、多数の映像信号線DLが互いに等間隔をおいて図中縦方向に延びている。そして、これら走査信号線GL及び映像信号線DLにより碁盤状に並ぶ画素のそれぞれが区画されている。また、各走査信号線GLと平行に、共通信号線CLが図中横方向に延びている。
【0023】
走査信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素領域には、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を有する薄膜トランジスタTFTが形成されており、そのゲート電極GTは走査信号線GLに接続され、ドレイン電極DTは映像信号線DLに接続されている。また、各画素領域には一対の画素電極PX及び対向電極CTが形成されており、画素電極PXは、コンタクトホールCHおよびソース電極STを介して薄膜トランジスタTFTの微結晶半導体層MSに電気的に接続され、対向電極CTは共通信号線CLに接続されている。
【0024】
以上の回路構成において、各画素の対向電極CTに共通信号線CLを介して基準電圧を印加し、走査信号線GLにゲート電圧を印加することにより、画素行が選択される。また、その選択のタイミングにおいて、各映像信号線DLに映像信号を供給することにより、各画素の画素電極PXに映像信号の電圧が印加される。これにより、画素電極PXと対向電極CTの間に映像信号の電圧に応じた強度の横電界が発生して液晶分子の配向が決定され、液晶表示装置において発光する輝度が制御されることになる。
【0025】
次に、図3は、図2におけるIII−III断面の様子を示す図である。同図で示されるように、本実施形態の薄膜トランジスタは、ガラスを材料とする透明基板GA上に形成されたゲート電極GTの上側(対向基板側)に、チャネル層として機能する微結晶半導体層MSが形成されるボトムゲート型の薄膜トランジスタとなっている。
【0026】
微結晶半導体層MSは、CVD法によって積層された非晶質のシリコンに熱処理が施されて形成される微結晶シリコン(μc−Si)層である。この微結晶シリコンは、CVD成膜時のガス組成やパワー、基板温度等を最適化することで直接的に形成しても良い。また、本実施形態の薄膜トランジスタは、微結晶半導体層MSの上側に、非晶質のシリコンによって形成される非晶質半導体層ASと、ソース電極STおよびドレイン電極STとオーミック接続するための不純物半導体層OCとが配置されるチャネルエッチング型の薄膜トランジスタになっている。このため非晶質半導体層ASは、不純物半導体層OCを加工する際のプロセス等を考慮して比較的厚く形成される。
【0027】
微結晶半導体層MSとゲート電極GTの間には、ゲート絶縁層GIが形成され、本実施形態におけるゲート絶縁層GIは、窒化ケイ素で形成される第1の窒化ケイ素層NI1と、酸化ケイ素で形成される酸化ケイ素層OIとによる順次積層膜になっている。ゲート絶縁層GIは、ゲート電極GTと微結晶半導体層MSの間から、平面的にみて微結晶半導体層MSの外方となる領域に広がって、画素電極PXによって表示する輝度が制御される領域(以下、画素表示領域ともいう)に延在する。ゲート絶縁層GIは、透明基板GAの上面、および、後述する保護絶縁層として形成される第2の窒化ケイ素層NI2の下面と接して形成される。このゲート絶縁層GIの膜厚等についての詳細は後述する。
【0028】
ソース電極STおよびドレイン電極DTは、微結晶半導体層MSと非晶質半導体層ASと不純物半導体層OCの積層膜の側面に接して、当該積層膜に乗り上げるようにして形成される。また、ソース電極STは、コンタクトホールCHを介して画素電極PXと接続されて、映像信号線DLから入力される映像信号が、微結晶半導体層MSおよびソース電極STを経て画素電極PXに入力されるようになっている。すなわち画素電極PXは、微結晶半導体層MSに電気的に接続されており、映像信号が入力されることで液晶層に横電界を発生させて、表示する輝度を制御するものとなっている。
【0029】
また図3で示される薄膜トランジスタの上層には、共に窒化シリコンで形成される第2の窒化ケイ素層NI2および第3の窒化ケイ素層NI3が保護絶縁層として配置され、第2の窒化ケイ素層NI2は、非晶質半導体層ASのエッチングされた部分を保護し、ソース電極STおよびドレイン電極DTを上側から覆うものとなっている。また、本実施形態では、第2の窒化ケイ素層NI2は、画素表示領域において対向電極CTの下地として形成され、第3の窒化ケイ素層NI3は、画素表示領域において画素電極PXの下地として形成される。図3で示されるように、第2の窒化ケイ素層NI2および第3の窒化ケイ素層NI3は画素領域全体にわたって形成されて、第2の窒化ケイ素層NI2がゲート絶縁層GIを下地として形成される。そして、画素電極PXが平坦に形成される部分の下側において、第2の窒化ケイ素層NI2の下面は、ゲート絶縁層GIの上面と接するようになっている。
【0030】
本実施形態においては、図3で示されるように、酸化ケイ素層OIが微結晶半導体層MSの下地になるように形成されるため、微結晶半導体層MSの界面での電荷蓄積が低減される。しかしながら、ゲート絶縁層GIの一部を構成する第1の窒化ケイ素層NI1と、保護絶縁層として形成される第2の窒化ケイ素層NI2の間に、窒化ケイ素よりも屈折率が低い酸化ケイ素層OIが介在することになるため、外光反射に悪影響に及ぼす場合が生じるものと考えられる。
【0031】
図4は、画素表示領域において生じうる外光反射を説明するための図である。図4で示されるように、本実施形態では、屈折率が1.8〜1.9となる第1の窒化ケイ素層NI1および第2の窒化ケイ素層NI2(屈折率は、組成および膜内水素量に依存)の間に挟まれて、屈折率が1.45となる酸化ケイ素層OIが配置され、さらに、第1の窒化ケイ素層NI1の下側には透明基板GA(屈折率が1.5〜1.55)が配置されて光学干渉膜が形成される。このため、酸化ケイ素層OIや第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚によっては、光が強めあって明所コントラストの低下が生じることになる。
【0032】
以上のような外光反射を抑えるため、本実施形態においては、図3で示されるように、ゲート絶縁層GIにおける微結晶半導体層MSの下面に接する部分の厚みよりも、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接して形成される部分の厚みが薄くなるように形成する。これにより、2つの部分における膜厚が異なるように形成されて設計的な負荷が緩和され、ゲート絶縁層GIに必要とされる容量や耐圧を維持しつつ、外光反射を抑制できる。
【0033】
このようなゲート絶縁層GIの厚みを薄くする加工としては、例えば、微結晶半導体層MSと非晶質半導体層ASと不純物半導体層OCの3層を成膜した後、これらを島状に加工するエッチングを継続して、さらに、微結晶半導体層MSの下側の部分以外の酸化ケイ素層OIをエッチングすることが考えられる。また、この際には、3層のみをエッチングする場合よりもレジストを厚く形成して、酸化ケイ素層OIに対するエッチングを継続できるようにする。また、ソース電極STやドレイン電極DTの形状を加工する際のエッチングを継続することにより、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分の酸化ケイ素層OIを薄くしてもよいし、不純物半導体層OCおよび非晶質半導体層ASをチャネルエッチングする際のエッチングにより、酸化ケイ素層OIを薄くしても良い。また、これらのエッチングを組み合わせることにより、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接するゲート絶縁層GIを薄く加工するようにしても良い。
【0034】
第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分のゲート絶縁層GIを、微結晶半導体層MSの下側の部分よりも30nm以上、あるいは50nm以上薄く形成することにより、外光反射による悪影響を及ぼす酸化ケイ素層OIの膜厚を少なくして、明所コントラストの低下を防ぐことが出来ると考えられる。
【0035】
また、外光反射による悪影響を低減する上では、視感度の強い波長の反射率を低くさせるようにゲート絶縁層GIの膜厚を設定するのが望ましい。
【0036】
図5は、ゲート絶縁層GIの絶縁容量を一定に維持して、第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIの膜厚を変化させた場合の外光に対する反射率の波長依存性を測定した結果を示す図である。同図のグラフにおいては、酸化ケイ素層OIの比誘電率を4.2、第1の窒化ケイ素層NI1の比誘電率を6.7とし、酸化ケイ素層OIの膜厚が0nmかつ第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚が350nmとなる場合の絶縁容量を維持して、ゲート絶縁層GIにおける2つの絶縁層の膜厚を変化させている。
【0037】
また、図6は、相対視感度曲線を示す図であり、図7は、図5における60nm〜120nmの場合の反射率波長依存性に、相対視感度を乗じた結果を示すものである。さらに、図8は、図5における酸化ケイ素層OIの膜厚と平均反射率の関係を示すグラフである。図8における平均反射率は、図5の反射率波長依存性に相対視感度を乗じたものを積分し、可視波長領域の範囲の大きさで除すことにより得られる(すなわち、図7の各グラフが有する面積を、可視波長領域の範囲の大きさで除して得られる)ものであり、平均反射率は外光反射率の大きさを示す指標となっている。図8で示されるように、酸化ケイ素層OIが90nm程度となる場合に平均反射率が最も大きくなり、酸化ケイ素層OIの膜厚が50nmよりも大きく120nmよりも小さい場合に、平均反射率が1.0%以上となる。このため図5の場合に、平均反射率を1.0%以下にするには、酸化ケイ素層OIの膜厚を50nm以下、あるいは120nm以上とする。
【0038】
一方、図9および図10は、絶縁耐圧と絶縁容量とが望ましい値となるゲート絶縁層GIの膜厚を説明するためのグラフである。
【0039】
まず、図9は、ゲート絶縁層GIの絶縁容量を一定に維持しつつ、第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIの膜厚を変化させた場合のドレイン−ゲート電極間の絶縁耐圧を示すグラフである。同図で示されるように、酸化ケイ素層OIの膜厚が増大することにより絶縁耐圧が徐々に減少する。ゲート絶縁層GIの絶縁耐圧としては、200V以上にするのが望ましいため、酸化ケイ素層OIの膜厚は160nm以下に設定するのが望ましい。
【0040】
次に、図10は、ゲート絶縁層GIの絶縁耐圧と絶縁容量とが望ましい値となる第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIの厚みの関係を示すグラフである。酸化ケイ素層OIの厚みをh1(nm)とし、第1の窒化ケイ素層NI1の厚みをh2(nm)とすると、これらの比誘電率も考慮して、320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1を満足する範囲内で絶縁耐圧と絶縁容量が望ましい値となる。また、酸化ケイ素層OIとしては、成膜に20nm以上の厚みが必要とされ、絶縁耐圧の観点から160nm以下に設定されることから(図9参照)、図10では、h1の下限を20に、h1の上限を160としている。
【0041】
そして図11は、平均反射率、および、絶縁耐圧および絶縁容量を好適な値にするための2つの絶縁層の膜厚を示すグラフであり、第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚と酸化ケイ素層OIの膜厚と平均反射率の関係、および、絶縁耐圧と絶縁容量とが望ましい値となる第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚と酸化ケイ素層OIの膜厚の範囲を示すものとなっている。同図においては、図10と同様に、望ましい絶縁耐圧と絶縁容量となる膜厚の範囲が破線枠によって示される。また、平均反射率1.0%、1.5%、2.0%となる範囲が等高線状に示されており、平均反射率としては1.0%以下にするのが好適である。
【0042】
図11で示されるように、例えば、ゲート絶縁層GIを、第1の窒化ケイ素層NI1を200nm、酸化ケイ素層OIを120nmとして成膜をした場合には、島状加工やチャネル加工により、薄膜トランジスタが形成されない部分のゲート絶縁層GIの膜厚を50nm以上エッチングすることで、平均反射率を2.0%よりも低くすることができるようになる。このため、絶縁耐圧と絶縁容量が望ましい値となるようにゲート絶縁層GIの膜厚を設定した場合に、平均反射率が2.0%以上となったとしても、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する酸化ケイ素層OIを50nm以上エッチングすることで、平均反射率を2.0%よりも低くすることができる。
【0043】
また、図11で示されるように、画素表示領域の酸化ケイ素層OIの膜厚を、40nm以下に設定することで平均反射率が1.5%以下となり、さらに、25nm以下に設定することで平均反射率が1.0%以下となって画素表示領域で生じる外光反射を抑えることができる。また、画素表示領域の第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚を105nm以上190nm以下となるように設定することで平均反射率が2.0%以下となり、130nm以上165nm以下となるように設定することで平均反射率が1.0%以下となって、画素表示領域で生じる外光反射を抑えることができる。
【0044】
また、ゲート絶縁層GIの微結晶半導体層MSの下側の部分における、酸化ケイ素層OIの厚みをh1(nm)とし、第1の窒化ケイ素層NI1の厚みをh2(nm)とすると、20≦h1≦60と、320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1との2つの条件を満足するようにh1とh2を成膜するのが好適である。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態の表示装置について説明をする。
【0046】
上記の第1の実施形態では、図3で示されるように、ゲート絶縁層GIを第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIによって構成し、ゲート絶縁層GIにおける酸化ケイ素層OIと、保護絶縁層としての第2の窒化ケイ素層NI2とが互いに接するようになっている。しかしながら第2の実施形態では、図12で示されるように、微結晶半導体層MSから露出する部分の酸化ケイ素層OIが、島状加工の際のエッチングにより全て削られるようにしているため、第2の窒化ケイ素層NI2の下面と、第1の窒化ケイ素層NI1とが接するようになっている。第2の実施形態は、かかる点で第1の実施形態と異なっており、かかる点以外の構成は第1の実施形態とほぼ同様であるため説明を省略するものとする。
【0047】
第2の実施形態では、画素表示領域において、第2の窒化ケイ素層NI2と第1の窒化ケイ素層NI1の間に介在する酸化ケイ素層OIが存在しないため、外光反射による悪影響が抑えられることになる。
【0048】
なお、上記の各実施形態においては、第2の窒化ケイ素層NI2よりもさらに上層に形成される保護絶縁層である第3の窒化ケイ素層NI3も窒化ケイ素によって形成されるとしているが、第3の窒化ケイ素層NI3は、たとえば有機系の絶縁層によって形成されても良い。また、第2の窒化ケイ素層NI2と対向電極CTの間には、さらに、有機系の絶縁層が介在しても良い。また、上記の各実施形態では、対向電極CTの上側に画素電極PXが形成されるとしているが、対向電極CTと画素電極PXの配置が逆転して、画素電極PXの上側に対向電極CTが形成されても良い。
【0049】
なお、上記の各実施形態における表示装置は、IPS型の液晶表示装置となっているが、VA(Vertical Alignment)型やTN(Twisted Nematic)型などの他の方式の液晶表示装置であっても良いし、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置であってもよい。また、上記の各実施形態では、チャネルエッチング型の薄膜トランジスタとなっているが、例えば、チャネルストッパー型の薄膜トランジスタであってもよい。
【0050】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、各実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成、又は同一の目的を達成することができる構成でおきかえることが出来る。
【0051】
[参考例]
以下においては、参考例に係る表示装置について説明をする。参考例に係る表示装置では、図13で示されるように、図3における第2の窒化ケイ素層NI2の位置に、保護絶縁層として第2の酸化ケイ素層OI2が形成されている。参考例にかかる表示装置は、このような点で上記の各実施形態と異なっているが、第1の酸化ケイ素層OI1の上面に接して、保護絶縁層として第2の酸化ケイ素層OI2が形成されることで、微結晶半導体層MSの下側に形成される酸化ケイ素層の厚みと、画素表示領域における酸化ケイ素層の厚みを異ならせることができ、これにより設計的な負荷を緩和できる。
【0052】
なお、第2の酸化ケイ素層OI2と対向電極CTの間には、他の有機系の絶縁層が形成されても良いし、窒化ケイ素層が配置されてもよい。また、参考例におけるゲート絶縁層GIでは、微結晶半導体層MSの下側の部分と、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分とで厚みが同じとなっても良い。
【符号の説明】
【0053】
SUB 薄膜トランジスタ基板、TFT 薄膜トランジスタ、PX 画素電極、 CT 対向電極、CL 共通信号線、GL 走査信号線、DL 映像信号線、DT ドレイン電極、ST ソース電極、CH コンタクトホール、MS 微結晶半導体層、AS 非晶質半導体層、OC 不純物半導体層、GA 透明基板、GI ゲート絶縁層、OI 酸化ケイ素層、NI1 第1の窒化ケイ素層、NI2 第2の窒化ケイ素層、NI3 第3の窒化ケイ素層、OI1 第1の酸化ケイ素層、OI2 第2の酸化ケイ素層。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アモルファスシリコンよりも移動度が高い微結晶シリコンをチャネル層に用いる薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が知られており、微結晶シリコンを用いることで、閾値電圧(Vth)の変動を抑えることができる。
【0003】
また、微結晶シリコンをチャネル層に用いた薄膜トランジスタにおいては、窒化ケイ素(SiNx)の絶縁膜と酸化ケイ素(SiOx)の絶縁膜の順次積層膜をゲート絶縁層として構成し、酸化ケイ素の絶縁層とチャネル層とを接するようにすることで、界面での電荷蓄積が低減されて閾値電圧の変動をさらに抑えることができる。
【0004】
なお特許文献1には、ゲート絶縁層に、窒化ケイ素膜と酸化ケイ素膜との順次積層膜が用いられた微結晶シリコンの薄膜トランジスタの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−283522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、SiNxの絶縁層とSiOxの絶縁層の2層を含むゲート絶縁層を構成する場合には、ゲート絶縁層に必要とされる絶縁耐圧や電気容量を考慮してそれぞれの膜厚が設定される。
【0007】
しかしながら、SiNx/SiOxの積層膜をゲート絶縁層として用いると、表示パネルの外部からの光による外光反射率が増大し、明所コントラストの低下が生じることもある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みて、ゲート絶縁層として要求される耐圧や容量を確保しつつ、外光反射率によるコントラストの劣化を抑えやすくした表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる表示装置は、上記課題に鑑みて、透明基板と、前記透明基板の上側に形成されるゲート電極と、前記ゲート電極の上側に形成される微結晶半導体層と、前記ゲート電極と前記微結晶半導体層の間に形成されて、前記微結晶半導体層の外方に延在するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層の前記微結晶半導体層の外方に延在する部分の上面に接して、窒化ケイ素で形成される第2の窒化ケイ素層と、を有し、前記ゲート絶縁層は、第1の窒化ケイ素層と、前記第1の窒化ケイ素層の上側に形成されて前記微結晶半導体層に接する酸化ケイ素層と、を含み、前記ゲート絶縁層は、前記微結晶半導体層の下側の部分よりも前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分で薄く形成される、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも30nm以上薄く形成される、ことを特徴としてもよい。
【0011】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも50nm以上薄く形成される、ことを特徴としてもよい。
【0012】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層における前記酸化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成され、前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記酸化ケイ素層が25nm以下の厚みで形成される、ことを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層における前記第1の窒化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成される、ことを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記第1の窒化ケイ素層が130nm以上165nm以下の厚みで形成される、ことを特徴としてもよい。
【0015】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記微結晶半導体層の下側における前記酸化ケイ素層の厚みをh1(nm)とし、前記微結晶半導体層の下側における前記第1の窒化ケイ素層の厚みをh2(nm)とする場合に、320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1と、20≦h1≦60と、の2つの条件を満たす、ことを特徴としてもよい。
【0016】
また、本発明に係る表示装置の一態様では、前記微結晶半導体層には、前記第2の窒化ケイ素層の上側に形成される画素電極が電気的に接続され、前記画素電極は、前記画素電極が配置される画素が表示する輝度を制御する、ことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲート絶縁層として要求される耐圧や容量を確保しつつ、外光反射率によるコントラストの劣化を抑えやすくした表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の等価回路を示す図である。
【図2】第1の実施形態における薄膜トランジスタ基板の画素領域を示す拡大平面図である。
【図3】図2のIII−III切断面における断面図である。
【図4】画素表示領域において生じうる外光反射を説明するための図である。
【図5】ゲート絶縁層の絶縁容量を一定に維持し、第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の膜厚を変化させた場合の外光の波長に対する反射率の波長依存性を測定した結果を示す図である。
【図6】相対視感度曲線を示す図である。
【図7】図5において酸化ケイ素層の膜厚が60nm〜120nmとなる場合の反射率の測定結果に、相対視感度を乗じたものを示す図である。
【図8】図5における酸化ケイ素層の膜厚と平均反射率の関係を示すグラフである。
【図9】ゲート絶縁層の絶縁容量を一定に維持して、第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の膜厚を変化させた場合のドレイン−ゲート電極間の絶縁耐圧を示す図である。
【図10】ゲート絶縁層の絶縁耐圧及び絶縁容量が望ましい値となる第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の厚みの関係を示すグラフである。
【図11】平均反射率、及び、絶縁耐圧と絶縁容量を好適な値にするための第1の窒化ケイ素層と酸化ケイ素層の膜厚を示すグラフである。
【図12】第2の実施形態に係る表示装置を説明するための図である。
【図13】参考例に係る表示装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る表示装置は、IPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であって、走査信号線、映像信号線、薄膜トランジスタ、画素電極、及びコモン電極が配置された薄膜トランジスタ基板と、当該薄膜トランジスタ基板と対向し、カラーフィルタが設けられた対向基板と、両基板に挟まれた領域に封入された液晶材料と、を含んで構成される。この薄膜トランジスタ基板では、ガラスを材料とする透明基板上に複数の薄膜トランジスタが配置されている。
【0021】
図1は、上記の液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板SUBの等価回路図を示す図であり、図2は、薄膜トランジスタ基板SUBの1つの画素領域の拡大平面図を示す図である。
【0022】
これらの図において、薄膜トランジスタ基板SUBでは、多数の走査信号線GLが互いに等間隔を置いて図中横方向に延びており、また、多数の映像信号線DLが互いに等間隔をおいて図中縦方向に延びている。そして、これら走査信号線GL及び映像信号線DLにより碁盤状に並ぶ画素のそれぞれが区画されている。また、各走査信号線GLと平行に、共通信号線CLが図中横方向に延びている。
【0023】
走査信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素領域には、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を有する薄膜トランジスタTFTが形成されており、そのゲート電極GTは走査信号線GLに接続され、ドレイン電極DTは映像信号線DLに接続されている。また、各画素領域には一対の画素電極PX及び対向電極CTが形成されており、画素電極PXは、コンタクトホールCHおよびソース電極STを介して薄膜トランジスタTFTの微結晶半導体層MSに電気的に接続され、対向電極CTは共通信号線CLに接続されている。
【0024】
以上の回路構成において、各画素の対向電極CTに共通信号線CLを介して基準電圧を印加し、走査信号線GLにゲート電圧を印加することにより、画素行が選択される。また、その選択のタイミングにおいて、各映像信号線DLに映像信号を供給することにより、各画素の画素電極PXに映像信号の電圧が印加される。これにより、画素電極PXと対向電極CTの間に映像信号の電圧に応じた強度の横電界が発生して液晶分子の配向が決定され、液晶表示装置において発光する輝度が制御されることになる。
【0025】
次に、図3は、図2におけるIII−III断面の様子を示す図である。同図で示されるように、本実施形態の薄膜トランジスタは、ガラスを材料とする透明基板GA上に形成されたゲート電極GTの上側(対向基板側)に、チャネル層として機能する微結晶半導体層MSが形成されるボトムゲート型の薄膜トランジスタとなっている。
【0026】
微結晶半導体層MSは、CVD法によって積層された非晶質のシリコンに熱処理が施されて形成される微結晶シリコン(μc−Si)層である。この微結晶シリコンは、CVD成膜時のガス組成やパワー、基板温度等を最適化することで直接的に形成しても良い。また、本実施形態の薄膜トランジスタは、微結晶半導体層MSの上側に、非晶質のシリコンによって形成される非晶質半導体層ASと、ソース電極STおよびドレイン電極STとオーミック接続するための不純物半導体層OCとが配置されるチャネルエッチング型の薄膜トランジスタになっている。このため非晶質半導体層ASは、不純物半導体層OCを加工する際のプロセス等を考慮して比較的厚く形成される。
【0027】
微結晶半導体層MSとゲート電極GTの間には、ゲート絶縁層GIが形成され、本実施形態におけるゲート絶縁層GIは、窒化ケイ素で形成される第1の窒化ケイ素層NI1と、酸化ケイ素で形成される酸化ケイ素層OIとによる順次積層膜になっている。ゲート絶縁層GIは、ゲート電極GTと微結晶半導体層MSの間から、平面的にみて微結晶半導体層MSの外方となる領域に広がって、画素電極PXによって表示する輝度が制御される領域(以下、画素表示領域ともいう)に延在する。ゲート絶縁層GIは、透明基板GAの上面、および、後述する保護絶縁層として形成される第2の窒化ケイ素層NI2の下面と接して形成される。このゲート絶縁層GIの膜厚等についての詳細は後述する。
【0028】
ソース電極STおよびドレイン電極DTは、微結晶半導体層MSと非晶質半導体層ASと不純物半導体層OCの積層膜の側面に接して、当該積層膜に乗り上げるようにして形成される。また、ソース電極STは、コンタクトホールCHを介して画素電極PXと接続されて、映像信号線DLから入力される映像信号が、微結晶半導体層MSおよびソース電極STを経て画素電極PXに入力されるようになっている。すなわち画素電極PXは、微結晶半導体層MSに電気的に接続されており、映像信号が入力されることで液晶層に横電界を発生させて、表示する輝度を制御するものとなっている。
【0029】
また図3で示される薄膜トランジスタの上層には、共に窒化シリコンで形成される第2の窒化ケイ素層NI2および第3の窒化ケイ素層NI3が保護絶縁層として配置され、第2の窒化ケイ素層NI2は、非晶質半導体層ASのエッチングされた部分を保護し、ソース電極STおよびドレイン電極DTを上側から覆うものとなっている。また、本実施形態では、第2の窒化ケイ素層NI2は、画素表示領域において対向電極CTの下地として形成され、第3の窒化ケイ素層NI3は、画素表示領域において画素電極PXの下地として形成される。図3で示されるように、第2の窒化ケイ素層NI2および第3の窒化ケイ素層NI3は画素領域全体にわたって形成されて、第2の窒化ケイ素層NI2がゲート絶縁層GIを下地として形成される。そして、画素電極PXが平坦に形成される部分の下側において、第2の窒化ケイ素層NI2の下面は、ゲート絶縁層GIの上面と接するようになっている。
【0030】
本実施形態においては、図3で示されるように、酸化ケイ素層OIが微結晶半導体層MSの下地になるように形成されるため、微結晶半導体層MSの界面での電荷蓄積が低減される。しかしながら、ゲート絶縁層GIの一部を構成する第1の窒化ケイ素層NI1と、保護絶縁層として形成される第2の窒化ケイ素層NI2の間に、窒化ケイ素よりも屈折率が低い酸化ケイ素層OIが介在することになるため、外光反射に悪影響に及ぼす場合が生じるものと考えられる。
【0031】
図4は、画素表示領域において生じうる外光反射を説明するための図である。図4で示されるように、本実施形態では、屈折率が1.8〜1.9となる第1の窒化ケイ素層NI1および第2の窒化ケイ素層NI2(屈折率は、組成および膜内水素量に依存)の間に挟まれて、屈折率が1.45となる酸化ケイ素層OIが配置され、さらに、第1の窒化ケイ素層NI1の下側には透明基板GA(屈折率が1.5〜1.55)が配置されて光学干渉膜が形成される。このため、酸化ケイ素層OIや第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚によっては、光が強めあって明所コントラストの低下が生じることになる。
【0032】
以上のような外光反射を抑えるため、本実施形態においては、図3で示されるように、ゲート絶縁層GIにおける微結晶半導体層MSの下面に接する部分の厚みよりも、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接して形成される部分の厚みが薄くなるように形成する。これにより、2つの部分における膜厚が異なるように形成されて設計的な負荷が緩和され、ゲート絶縁層GIに必要とされる容量や耐圧を維持しつつ、外光反射を抑制できる。
【0033】
このようなゲート絶縁層GIの厚みを薄くする加工としては、例えば、微結晶半導体層MSと非晶質半導体層ASと不純物半導体層OCの3層を成膜した後、これらを島状に加工するエッチングを継続して、さらに、微結晶半導体層MSの下側の部分以外の酸化ケイ素層OIをエッチングすることが考えられる。また、この際には、3層のみをエッチングする場合よりもレジストを厚く形成して、酸化ケイ素層OIに対するエッチングを継続できるようにする。また、ソース電極STやドレイン電極DTの形状を加工する際のエッチングを継続することにより、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分の酸化ケイ素層OIを薄くしてもよいし、不純物半導体層OCおよび非晶質半導体層ASをチャネルエッチングする際のエッチングにより、酸化ケイ素層OIを薄くしても良い。また、これらのエッチングを組み合わせることにより、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接するゲート絶縁層GIを薄く加工するようにしても良い。
【0034】
第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分のゲート絶縁層GIを、微結晶半導体層MSの下側の部分よりも30nm以上、あるいは50nm以上薄く形成することにより、外光反射による悪影響を及ぼす酸化ケイ素層OIの膜厚を少なくして、明所コントラストの低下を防ぐことが出来ると考えられる。
【0035】
また、外光反射による悪影響を低減する上では、視感度の強い波長の反射率を低くさせるようにゲート絶縁層GIの膜厚を設定するのが望ましい。
【0036】
図5は、ゲート絶縁層GIの絶縁容量を一定に維持して、第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIの膜厚を変化させた場合の外光に対する反射率の波長依存性を測定した結果を示す図である。同図のグラフにおいては、酸化ケイ素層OIの比誘電率を4.2、第1の窒化ケイ素層NI1の比誘電率を6.7とし、酸化ケイ素層OIの膜厚が0nmかつ第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚が350nmとなる場合の絶縁容量を維持して、ゲート絶縁層GIにおける2つの絶縁層の膜厚を変化させている。
【0037】
また、図6は、相対視感度曲線を示す図であり、図7は、図5における60nm〜120nmの場合の反射率波長依存性に、相対視感度を乗じた結果を示すものである。さらに、図8は、図5における酸化ケイ素層OIの膜厚と平均反射率の関係を示すグラフである。図8における平均反射率は、図5の反射率波長依存性に相対視感度を乗じたものを積分し、可視波長領域の範囲の大きさで除すことにより得られる(すなわち、図7の各グラフが有する面積を、可視波長領域の範囲の大きさで除して得られる)ものであり、平均反射率は外光反射率の大きさを示す指標となっている。図8で示されるように、酸化ケイ素層OIが90nm程度となる場合に平均反射率が最も大きくなり、酸化ケイ素層OIの膜厚が50nmよりも大きく120nmよりも小さい場合に、平均反射率が1.0%以上となる。このため図5の場合に、平均反射率を1.0%以下にするには、酸化ケイ素層OIの膜厚を50nm以下、あるいは120nm以上とする。
【0038】
一方、図9および図10は、絶縁耐圧と絶縁容量とが望ましい値となるゲート絶縁層GIの膜厚を説明するためのグラフである。
【0039】
まず、図9は、ゲート絶縁層GIの絶縁容量を一定に維持しつつ、第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIの膜厚を変化させた場合のドレイン−ゲート電極間の絶縁耐圧を示すグラフである。同図で示されるように、酸化ケイ素層OIの膜厚が増大することにより絶縁耐圧が徐々に減少する。ゲート絶縁層GIの絶縁耐圧としては、200V以上にするのが望ましいため、酸化ケイ素層OIの膜厚は160nm以下に設定するのが望ましい。
【0040】
次に、図10は、ゲート絶縁層GIの絶縁耐圧と絶縁容量とが望ましい値となる第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIの厚みの関係を示すグラフである。酸化ケイ素層OIの厚みをh1(nm)とし、第1の窒化ケイ素層NI1の厚みをh2(nm)とすると、これらの比誘電率も考慮して、320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1を満足する範囲内で絶縁耐圧と絶縁容量が望ましい値となる。また、酸化ケイ素層OIとしては、成膜に20nm以上の厚みが必要とされ、絶縁耐圧の観点から160nm以下に設定されることから(図9参照)、図10では、h1の下限を20に、h1の上限を160としている。
【0041】
そして図11は、平均反射率、および、絶縁耐圧および絶縁容量を好適な値にするための2つの絶縁層の膜厚を示すグラフであり、第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚と酸化ケイ素層OIの膜厚と平均反射率の関係、および、絶縁耐圧と絶縁容量とが望ましい値となる第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚と酸化ケイ素層OIの膜厚の範囲を示すものとなっている。同図においては、図10と同様に、望ましい絶縁耐圧と絶縁容量となる膜厚の範囲が破線枠によって示される。また、平均反射率1.0%、1.5%、2.0%となる範囲が等高線状に示されており、平均反射率としては1.0%以下にするのが好適である。
【0042】
図11で示されるように、例えば、ゲート絶縁層GIを、第1の窒化ケイ素層NI1を200nm、酸化ケイ素層OIを120nmとして成膜をした場合には、島状加工やチャネル加工により、薄膜トランジスタが形成されない部分のゲート絶縁層GIの膜厚を50nm以上エッチングすることで、平均反射率を2.0%よりも低くすることができるようになる。このため、絶縁耐圧と絶縁容量が望ましい値となるようにゲート絶縁層GIの膜厚を設定した場合に、平均反射率が2.0%以上となったとしても、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する酸化ケイ素層OIを50nm以上エッチングすることで、平均反射率を2.0%よりも低くすることができる。
【0043】
また、図11で示されるように、画素表示領域の酸化ケイ素層OIの膜厚を、40nm以下に設定することで平均反射率が1.5%以下となり、さらに、25nm以下に設定することで平均反射率が1.0%以下となって画素表示領域で生じる外光反射を抑えることができる。また、画素表示領域の第1の窒化ケイ素層NI1の膜厚を105nm以上190nm以下となるように設定することで平均反射率が2.0%以下となり、130nm以上165nm以下となるように設定することで平均反射率が1.0%以下となって、画素表示領域で生じる外光反射を抑えることができる。
【0044】
また、ゲート絶縁層GIの微結晶半導体層MSの下側の部分における、酸化ケイ素層OIの厚みをh1(nm)とし、第1の窒化ケイ素層NI1の厚みをh2(nm)とすると、20≦h1≦60と、320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1との2つの条件を満足するようにh1とh2を成膜するのが好適である。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態の表示装置について説明をする。
【0046】
上記の第1の実施形態では、図3で示されるように、ゲート絶縁層GIを第1の窒化ケイ素層NI1と酸化ケイ素層OIによって構成し、ゲート絶縁層GIにおける酸化ケイ素層OIと、保護絶縁層としての第2の窒化ケイ素層NI2とが互いに接するようになっている。しかしながら第2の実施形態では、図12で示されるように、微結晶半導体層MSから露出する部分の酸化ケイ素層OIが、島状加工の際のエッチングにより全て削られるようにしているため、第2の窒化ケイ素層NI2の下面と、第1の窒化ケイ素層NI1とが接するようになっている。第2の実施形態は、かかる点で第1の実施形態と異なっており、かかる点以外の構成は第1の実施形態とほぼ同様であるため説明を省略するものとする。
【0047】
第2の実施形態では、画素表示領域において、第2の窒化ケイ素層NI2と第1の窒化ケイ素層NI1の間に介在する酸化ケイ素層OIが存在しないため、外光反射による悪影響が抑えられることになる。
【0048】
なお、上記の各実施形態においては、第2の窒化ケイ素層NI2よりもさらに上層に形成される保護絶縁層である第3の窒化ケイ素層NI3も窒化ケイ素によって形成されるとしているが、第3の窒化ケイ素層NI3は、たとえば有機系の絶縁層によって形成されても良い。また、第2の窒化ケイ素層NI2と対向電極CTの間には、さらに、有機系の絶縁層が介在しても良い。また、上記の各実施形態では、対向電極CTの上側に画素電極PXが形成されるとしているが、対向電極CTと画素電極PXの配置が逆転して、画素電極PXの上側に対向電極CTが形成されても良い。
【0049】
なお、上記の各実施形態における表示装置は、IPS型の液晶表示装置となっているが、VA(Vertical Alignment)型やTN(Twisted Nematic)型などの他の方式の液晶表示装置であっても良いし、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置であってもよい。また、上記の各実施形態では、チャネルエッチング型の薄膜トランジスタとなっているが、例えば、チャネルストッパー型の薄膜トランジスタであってもよい。
【0050】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、各実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成、又は同一の目的を達成することができる構成でおきかえることが出来る。
【0051】
[参考例]
以下においては、参考例に係る表示装置について説明をする。参考例に係る表示装置では、図13で示されるように、図3における第2の窒化ケイ素層NI2の位置に、保護絶縁層として第2の酸化ケイ素層OI2が形成されている。参考例にかかる表示装置は、このような点で上記の各実施形態と異なっているが、第1の酸化ケイ素層OI1の上面に接して、保護絶縁層として第2の酸化ケイ素層OI2が形成されることで、微結晶半導体層MSの下側に形成される酸化ケイ素層の厚みと、画素表示領域における酸化ケイ素層の厚みを異ならせることができ、これにより設計的な負荷を緩和できる。
【0052】
なお、第2の酸化ケイ素層OI2と対向電極CTの間には、他の有機系の絶縁層が形成されても良いし、窒化ケイ素層が配置されてもよい。また、参考例におけるゲート絶縁層GIでは、微結晶半導体層MSの下側の部分と、第2の窒化ケイ素層NI2の下面に接する部分とで厚みが同じとなっても良い。
【符号の説明】
【0053】
SUB 薄膜トランジスタ基板、TFT 薄膜トランジスタ、PX 画素電極、 CT 対向電極、CL 共通信号線、GL 走査信号線、DL 映像信号線、DT ドレイン電極、ST ソース電極、CH コンタクトホール、MS 微結晶半導体層、AS 非晶質半導体層、OC 不純物半導体層、GA 透明基板、GI ゲート絶縁層、OI 酸化ケイ素層、NI1 第1の窒化ケイ素層、NI2 第2の窒化ケイ素層、NI3 第3の窒化ケイ素層、OI1 第1の酸化ケイ素層、OI2 第2の酸化ケイ素層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の上側に形成されるゲート電極と、
前記ゲート電極の上側に形成される微結晶半導体層と、
前記ゲート電極と前記微結晶半導体層の間に形成されて、前記微結晶半導体層の外方に延在するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層の前記微結晶半導体層の外方に延在する部分の上面に接して、窒化ケイ素で形成される第2の窒化ケイ素層と、を有し、
前記ゲート絶縁層は、
第1の窒化ケイ素層と、
前記第1の窒化ケイ素層の上側に形成されて前記微結晶半導体層に接する酸化ケイ素層と、
を含み、
前記ゲート絶縁層は、前記微結晶半導体層の下側の部分よりも前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分で薄く形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも30nm以上薄く形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも50nm以上薄く形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層における前記酸化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成され、
前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記酸化ケイ素層が25nm以下の厚みで形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層における前記第1の窒化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記第1の窒化ケイ素層が130nm以上165nm以下の厚みで形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記微結晶半導体層の下側における前記酸化ケイ素層の厚みをh1(nm)とし、
前記微結晶半導体層の下側における前記第1の窒化ケイ素層の厚みをh2(nm)とする場合に、
320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1と、
20≦h1≦60と、の2つの条件を満たす、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記微結晶半導体層には、前記第2の窒化ケイ素層の上側に形成される画素電極が電気的に接続され、
前記画素電極は、前記画素電極が配置される画素が表示する輝度を制御する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の上側に形成されるゲート電極と、
前記ゲート電極の上側に形成される微結晶半導体層と、
前記ゲート電極と前記微結晶半導体層の間に形成されて、前記微結晶半導体層の外方に延在するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層の前記微結晶半導体層の外方に延在する部分の上面に接して、窒化ケイ素で形成される第2の窒化ケイ素層と、を有し、
前記ゲート絶縁層は、
第1の窒化ケイ素層と、
前記第1の窒化ケイ素層の上側に形成されて前記微結晶半導体層に接する酸化ケイ素層と、
を含み、
前記ゲート絶縁層は、前記微結晶半導体層の下側の部分よりも前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分で薄く形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも30nm以上薄く形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層では、前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分が前記微結晶半導体層の下側の部分よりも50nm以上薄く形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層における前記酸化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成され、
前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記酸化ケイ素層が25nm以下の厚みで形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層における前記第1の窒化ケイ素層は、前記微結晶半導体層の外方に延在して前記第2の窒化ケイ素層の下面に接して形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記ゲート絶縁層の前記第2の窒化ケイ素層の下面に接する部分では、前記第1の窒化ケイ素層が130nm以上165nm以下の厚みで形成される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記微結晶半導体層の下側における前記酸化ケイ素層の厚みをh1(nm)とし、
前記微結晶半導体層の下側における前記第1の窒化ケイ素層の厚みをh2(nm)とする場合に、
320−1.8h1≦h2≦380−1.5h1と、
20≦h1≦60と、の2つの条件を満たす、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載された表示装置であって、
前記微結晶半導体層には、前記第2の窒化ケイ素層の上側に形成される画素電極が電気的に接続され、
前記画素電極は、前記画素電極が配置される画素が表示する輝度を制御する、
ことを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−26455(P2013−26455A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160124(P2011−160124)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
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