説明

表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法

【課題】表面にシボ模様を有する成形体を効率良く製造する。
【解決手段】熱可塑性プラスチック材からなるものであって表面側にシボパターン面11を有し、裏面側には模様層12を有するシボ付きシート1と離型フィルム3との重合わせにて形成されるラミネート材30を、所定の温度に加熱する予熱工程(A)と、予熱されたラミネート材30を真空引き手段99を有する凹型91のところに密閉状態を保って設置するセッティング工程(B)と、凹型91側から真空引きを行ないラミネート材30を成形加工する真空成形工程(C)と、ラミネート材30を形成するシボ付きシート1の裏面側に熱可塑性プラスチック材を注入するインジェクション成形工程(D)と、両型91、92を開いて成形加工物5を取出すとともに、取出された成形加工物5の表面側に存在する離型フィルム3を引き剥がす離型フィルム除去工程(E)と、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法に関するものであり、特に、上記シボ付きラミネート材を用いることによって、表面にシボ模様を有するプラスチック成形体を効率良く形成させるようにしたシボ模様付きプラスチック成形体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、プラスチック成形体の表面にシボ模様を有するものの、その製造方法としては、表皮材の表面層に予めシボ模様の設けられたシート状部材を用意し、このような表皮材の裏面側に、例えばインジェクション成形手段等を初めとした所定の成形手段にて熱可塑性プラスチック材を設け、これによって所定の形態からなるプラスチック成形体の表面にシボ模様を有するものを形成させるようにしているものが挙げられる。ところで、この従来の方法においては、表面にシボ模様を有する表皮材を予め用意しておき、このような表皮材を金型内に設置するとともに、その裏面側に所定のプラスチック材を注入すること等によってシボ模様付きのプラスチック成形体を形成(製造)するようにしているものであり、製造工程が大きく2工程に分かれる等、その全体の効率(生産性)が良くないと言う問題点を有する。このような2工程に分割されるのを避けるために、一方の金型内に予めシボ模様パターンを形成させておき、このような金型内に上記表皮材を設置するとともに、真空引き手段にて上記表皮材を金型側へ吸引してシボ模様パターンを転写させ、その後、裏面側からプラスチック材を注入してシボ模様付きプラスチック成形体を製造するようにした方法が提案されている。
【特許文献1】特開2003―117990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような従来の方法においては、一方の金型である凹型のキャビティ面側に所定のシボパターンを予め設けておく必要がある。従って、シボ柄に変更等が生じた場合には、それに応じて、その都度上記シボパターンを変更しなければならず、シボパターンの異なる複数種類の凹型を予め用意しておく必要がある。このことは、シボ柄の変更に伴う型費の増大化をまねき、製造コストの上昇をまねくと言う問題点がある。このような問題点を解決するために、金型、特に、凹型のキャビティ面側にはシボパターンを形成させないようにした共通の凹型を用意しておくとともに、このような凹型のキャビティ面のところに、所定のプラスチック素材からなるものであって所定のシボ模様の形成されたシボ付きシートまたはシボ付きフィルムと、これらのシボ模様面を保護するために設けられる離型フィルムとの重ね合わされたラミネート材を凹型内に設置することによって、シボ模様を有するプラスチック成形体を形成させるようにした表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明である第一の発明においては、シボ模様付きラミネート材を用いることによって行なわれる表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法に関して、透明性を有する熱可塑性プラスチック材からなるものであって、その一方の面側には所定のシボパターンを有するシボ付きシートまたはシボ付きフィルムと、当該シボ付きシートまたはシボ付きフィルムのシボパターンを有する面(以下シボパターン面と言う)側に設けられるものであって当該シボパターン面を保護する役目を果たすとともに、当該シボパターン面との間において離型性に優れた性状を有する離型フィルムまたは離型シートとが、一体的に重ね合わされた状態で形成されるラミネート材を、所定の温度にて予熱する予熱工程と、当該予熱工程にて所定の温度に予熱された上記ラミネート材を、所定のキャビティ形態を有するものであって真空引き手段を有する凹型のところに、上記離型フィルムまたは離型シート側が凹型の真空引き手段を有する側に来るように設置するとともに、所定の密閉状態を保持するように設置するセッティング工程と、このように所定の密閉状態に保持された状態にて、上記凹型側から真空引きを行ない、上記ラミネート材を一体的に上記凹型側のキャビティ形態に合せて成形加工する真空成形工程と、このように一体的に真空成形されたもののうちの上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルム側へ所定の形態からなる凸型を設置して型締めを行なうとともに、上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルム側に形成されるキャビティ空間内へ、上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルムとの間において接着性に優れた性状を有する所定の熱可塑性プラスチック材を注入するインジェクション成形工程と、当該インジェクション成形工程が済んだ後に上記両型を開いて成形加工物を取出すとともに、当該取出された成形加工物の表面側に存在する離型フィルムまたは離型シートを引き剥がす離型フィルム・シート除去工程と、からなるようにした。
【0005】
次に、請求項2記載の発明である第二の発明においては、請求項1記載の表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法に関して、上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルムのシボパターンを有する面であるシボパターン面とは反対の側に形成される面側に、所定の模様層を設けるようにした。
【発明の効果】
【0006】
第一の発明によれば、上記工程を採ることによって、表面にシボ模様を有するプラスチック成形体を効率良く生産(製造)することができるようになる。特に、本発明のものにおいては、シボ模様は、基礎となるプラスチック成形体の最表面部に形成されるとともに、その裏面側には透明体からなる中間層を介してプラスチック成形体の基板が存するようになり、シボ模様(シボ柄)に奥行き感が形成されることとなる。その結果、奥行き感のある見栄えに優れたシボ模様を形成させることができるようになり、延いては優れた見栄えを有するプラスチック成形体を効率良く形成する(製造する)ことができるようになる。
【0007】
また、第二の発明のものにおいても、上記第一の発明と同様、奥行き感のあるシボ模様をプラスチック成形体の表面側に効率良く形成させることができるようになる。特に、本発明のものにおいては、シボ柄を透明体からなる表面層に形成させるとともに、その下側(裏面側)に所定の模様柄層を形成させるようにしたので、シボ柄模様に立体感をもたせるようにすることができるとともに、シボ模様と模様柄との組合わせ如何によってシボ柄模様の種類を簡単に増やすことができるようになり、見栄えに優れたシボ柄模様を有するプラスチック成形体を顧客の要望に応じて簡単に形成する(製造する)ことができるようになる。また、このようなシボ柄模様の形成されたものを、初めからラミネート材として予め用意しておくとともに、このようなラミネート材を凹型内に設置することによって、表面にシボ柄模様を有するプラスチック成形体を効率良く形成させる(製造する)ことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を実施するための最良の形態について、図1ないし図5を基に説明する。本実施の形態に関するものは、図1に示す如く、表面にシボ模様を有するシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’と、その表面側に保護膜として設けられる離型フィルム3と、からなるラミネート材30を基礎に、表面にシボ模様を有するプラスチック成形体を効率良く形成させるようにした、シボ模様付きプラスチック成形体の製造方法に関するものである。その具体的例について説明する。まず、図4の(X)に示す如く、透明性を有する熱可塑性プラスチック材からなるものであって、その一方の面側には所定のシボパターンを有するシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’と、当該シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’のシボパターンを有する面(シボパターン面)11側に設けられるものであって当該シボパターン面11を保護する役目を果たすとともに、当該シボパターン面11との間において離型性に優れた、かつ、上記シボパターン面11よりも柔らかな性状を有するフィルム状またはシート状部材からなる部材(以下これらを離型フィルム3と呼ぶ)とを用意し、これらを図4の(Y)に示す如く、一体的に重ね合わせてラミネート材30を形成させる。
【0009】
次に、このようなラミネート材30を、図1の(A)に示す予熱工程において、所定の温度に加熱(予熱)する。次に、このように所定の温度に予熱された上記ラミネート材30を、所定のキャビティ形態を有するものであって真空引き手段を有する凹型91のところに、上記離型フィルム3側が凹型91の真空引き手段99を有する側に来るように設置するとともに、所定のクランプ手段98を用いて密閉状態を保持するように設置する(セッティング工程(B))。次に、このように密閉状態に保持された状態にて、上記凹型91側から真空引きを行ない、上記ラミネート材30を一体的に上記凹型91側のキャビティ形態に合せて成形加工する(真空成形工程(C))。そして、このように一体的に真空成形されたもののうちの上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’側へ所定の形態からなる凸型92を設置して型締めを行なうとともに、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’側に形成されるキャビティ空間95内へ、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’との間において接着性に優れた性状を有する所定の熱可塑性プラスチック材を注入する(インジェクション成形工程(D))。そして更に、このようなインジェクション成形工程(D)が済んだ後に、上記両型91、92を開いて成形加工物を取出すとともに、当該取出された成形加工物5の表面側に存在する離型フィルム3を引き剥がす(離型フィルム・シート除去工程(E))。
【0010】
このような工程からなるものにおいて、離型フィルム3としては、予め所定のシボパターンの形成されたシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’の上記シボパターン面11を保護するとともに、当該シボパターン面11との間において離型性に優れた、かつ、上記シボパターン面11を形成する上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’よりも柔らか性状を有するもの(素材)が採用されることとなる。具体的には、上記性状を有する離型フィルムまたは離型シート等が採用されることとなる。
【0011】
次に、例えば図4に示す如く、上記離型フィルム(離型シートを含む)3と共にラミネート材30を形成する上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’の素材としては、成形性に優れているとともに、成形加工時におけるシボパターン面11の保持性に優れたPMMA、PC(ポリカーボネート樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)等が採用されることとなる。このようなシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’と上記離型フィルム3とが、図4の(X)に示すように用意され、更には、これらが図4の(Y)に示す如く、一体的に重ね合わされてラミネート材30が形成されることとなる。このようなラミネート材30が、図1の(A)に示す予熱工程(A)において、所定のヒータ8にて所定の温度に加熱(予熱)されることとなる。なお、この予熱工程においては、約100℃〜160℃の温度にて、特に好ましくは120℃〜140℃の温度にて予熱される(加熱される)こととなる。
【0012】
次に、このようにして所定の温度に予熱されたシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’と離型フィルム3との一体化されたラミネート材30を、次のセッティング工程(B)において、真空引き手段99につながる凹型91のところに上記離型フィルム3側が凹型91の真空引き手段99につながる側に来るように設置する。そして、このような状態において、所定のクランプ手段98にて密閉を保った状態で保持する。このような状態において、次の真空成形工程(C)において、凹型91側から真空引き手段99を介して真空引きを行なう。その結果、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’と離型フィルム3とが重ね合わされた状態で形成されるラミネート材30は、一体的に上記凹型91のキャビティ面に沿って所定の形態に真空成形加工されることとなる。なお、この真空引き工程(真空成形工程)は、既存の一般的な真空引き手段(真空成形手段)を用いて行なわれる。
【0013】
次に、このようにして所定の形態に成形加工されたラミネート材30の、そのシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’側へ、所定の形態からなる凸型92を設置するとともに両型91、92の型締めを行なう(型締め工程)。そして、このような状態において、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’側に形成されるキャビティ空間95内へ、所定のプラスチック素材を注入する(インジェクション工程)。このようにして、図1の(D)に示すインジェクション成形工程が行なわれることとなる。なお、このインジェクション成形工程(D)において注入される素材としては、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’との間において接着性に優れたプラスチック材が選択される。例えば、本実施の形態においては、ポリプロピレン樹脂(PE)、ポリカーボネート樹脂(PC)、あるいはABS樹脂等が採用されることとなる。
【0014】
次に、このようにして、上記キャビティ空間95内へ所定のプラスチック材が注入されて、所定の形態からなるプラスチック成形体が形成された状態において、図1の(D)に示す工程にて、両型91、92を型開きして、上記プラスチック成形体(成形加工物)を取出す。このように取出されたプラスチック成形体(成形加工物)5の表面側には、上記ラミネート材30を形成する離型フィルム3が張付いた状態となっている。従って、このような状態のものを、次の図1に示す(E)工程において、上記表面に張り付いた状態の離型フィルム3を引き剥がす。
【0015】
この離型フィルム・シート除去工程(E)にて離型フィルム3の引き剥がされたプラスチック成形体5の表面側のところには、例えば図2に示す如く、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’の表面に形成されていたシボパターン面11が存在することとなる。具体的にはプラスチック成形体からなる成形基板5の表面側には透明体からなるシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’が一体化された状態で存在することとなる。そして、このようなシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’の表面側にはシボパターン面11が存在することとなる。このようにして表面に所定のシボパターを有するプラスチック成形体がインジェクション成形手段によって効率良く生成されることとなる。
【0016】
なお、このようなシボパターン面11の生成において、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’を、例えば図5に示すような構成にて形成させることも考えられる。具体的には、図5の(X)に示す如く、透明体からなるものであって所定の厚さを有するとともに、表面側には所定の形態からなるシボパターン面11を有し、更に、その裏面側には、印刷手段またはスパッタリング等の蒸着手段にて設けられるものであって所定の模様柄を有する模様層12を有するシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’を用意する。そして、次に、このようなシボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’と離型フィルム3とを、図5の(Y)に示す如く、重合わせ状に一体化させてラミネート材30を形成させる。このようにして形成されたラミネート材30を、図1に示す各工程を経させるようにする。このような各工程を経させることによって、最終的にプラスチック成形体(成形基板)5の表面側には、例えば図3に示すような、最表面部に透明体からなるシボパターン面11を有するとともに、その裏面側には所定の模様柄の形成された模様層12を有する被膜が形成されることとなる。その結果、奥行き感のあるシボ模様をプラスチック成形体の表面側に効率良く形成させることができるようになる。特に、本実施の形態のものにおいては、シボ柄を透明体からなる表面側(シボパターン面11側)に形成させるとともに、その下側(裏面側)に所定の模様層12を形成させるようにしたので、シボ柄模様に立体感をもたせることができるようになるとともに、シボ柄と模様柄との組合わせ如何によって、シボ柄模様の種類を簡単に増やすことができるようになる。その結果、見栄えに優れたシボ柄模様を有するプラスチック成形体を顧客の要望に応じて簡単に形成する(製造する)ことができるようになる。
【0017】
このような工程を採ることによって、本実施の形態のものにおいては、所定の形態を有するように成形加工された成形加工物を金型から取出すとともに、このようにして取出された成形加工物の表面側に付着している離型フィルム3を引き剥がすことによって、表面にシボ柄模様を有するプラスチック成形体が効率良く生成されることとなる。また、シボパターン等に変更等があった場合においては、金型91、92には変更を加えず、上記シボ付きシート1またはシボ付きフィルム1’のみを変えることによって、プラスチック成形体の製造をすることができるようになり、設計変更、仕様変更等に、迅速に、かつ、効率良く対応することができるようになる。その結果、多品種生産に効率良く対応することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の全体構成を示す工程説明図である。
【図2】本発明の工程にて製造されたプラスチック成形体の全体構成を示す断面図である。
【図3】本発明の工程において製造されたプラスチック成形体のうちの別の形態のもの(変形例)についての、その全体構成を示す断面図である。
【図4】本発明において用いられるシボ付きシートまたはシボ付きフィルムと離型フィルムとが重ね合わされて形成されるラミネート材の態様を示す展開斜視図である。
【図5】本発明において用いられるラミネート材についての別の形態のもの(変形例)を示す展開斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 シボ付きシート
1’ シボ付きフィルム
11 シボパターン面
12 模様層
3 離型フィルム
30 ラミネート材
5 プラスチック成形体(成形基板)
8 ヒータ
91 凹型(金型)
92 凸型(金型)
95 キャビティ空間
98 クランプ手段
99 真空引き手段























【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性を有する熱可塑性プラスチック材からなるものであって、その一方の面側には所定のシボパターンを有するシボ付きシートまたはシボ付きフィルムと、当該シボ付きシートまたはシボ付きフィルムのシボパターンを有する面(以下シボパターン面と言う)側に設けられるものであって当該シボパターン面を保護する役目を果たすとともに、当該シボパターン面との間において離型性に優れた性状を有する離型フィルムまたは離型シートとが、一体的に重ね合わされた状態で形成されるラミネート材を、所定の温度にて予熱する予熱工程と、当該予熱工程にて所定の温度に予熱された上記ラミネート材を、所定のキャビティ形態を有するものであって真空引き手段を有する凹型のところに、上記離型フィルムまたは離型シート側が凹型の真空引き手段を有する側に来るように設置するとともに、所定の密閉状態を保持するように設置するセッティング工程と、このように所定の密閉状態に保持された状態にて、上記凹型側から真空引きを行ない、上記ラミネート材を一体的に上記凹型側のキャビティ形態に合せて成形加工する真空成形工程と、このように一体的に真空成形されたもののうちの上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルム側へ所定の形態からなる凸型を設置して型締めを行なうとともに、上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルム側に形成されるキャビティ空間内へ、上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルムとの間において接着性に優れた性状を有する所定の熱可塑性プラスチック材を注入するインジェクション成形工程と、当該インジェクション成形工程が済んだ後に上記両型を開いて成形加工物を取出すとともに、当該取出された成形加工物の表面側に存在する離型フィルムまたは離型シートを引き剥がす離型フィルム・シート除去工程と、からなることを特徴とする表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法において、上記シボ付きシートまたはシボ付きフィルムのシボパターンを有する面側であるシボパターン面とは反対の側に形成される面側に、所定の模様層を設けるようにしたことを特徴とする表面にシボ模様を有するプラスチック成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−160841(P2007−160841A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363109(P2005−363109)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】