説明

表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置

【課題】表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供する。
【解決手段】表皮ユニット11が可動本体10表面に貼設されることによってケーシングに情報を表示することができ、ソフトウェアの制御によって外皮の色、図案または文字情報を随時変化させることができる。可撓性ディスプレイ110には更にタッチセンサユニット112を設置することができ、入力される相互作用信号を感知できる。可動本体10には環境センサまたは情報識別装置を整合でき、有線または無線の技術によって環境情報、文字情報または画像音声情報の判断を入力信号とし、複数の入力信号と出力表現信号とを整合して可動本体10の相互作用性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互作用機能を備えるロボット等の可動装置に関し、特に、表皮ユニットが動作表現能力を備える可動本体(moving-object)の表面に貼設され、表面に相互作用メッセージを表示でき、可動本体には更に、環境センサまたは情報識別装置を整合でき、有線および無線技術を通じて環境情報、文字情報または画像音声情報の判断を入力信号とし、複数の入力信号と出力表現信号とを整合することができ、相互作用性を強化した表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種相互作用型のロボット等の可動本体は、日常生活への応用が進むに連れて、人とロボットとの相互作用および娯楽性も相対して重要な機能となっている。しかし、光信号、モニタまたは擬似生物の表情または動作機構以外の機械の外観の大部分を占めるケーシングの表面部分は未だ十分に利用されていない部位である。
【0003】
一般に機械のケーシングの機能は、遮蔽、保護およびデザインが基本機能とされ、ロボットの身体表面を使用して情報を表示したり、人間と相互作用させたりすることは少ない。
従来技術として、特許文献1では全面モニタ付きロボットが開示されており、その表面にはモニタが貼設され、ロボットのケーシングに機能を備えるが、この技術においては人間との相互作用機構、技術または表皮の図案または色の変化によってロボットの状態、皮膚の色または表情を反映させる技術は開示されていない。この技術の表面に貼設される表示装置の目的は二つある。その1は、360°どの方向においても必要なモニタリング情報を得ることができる点であり、その2は、表面に貼設された表示装置が逆投射技術によってロボットの表面に保護色を生成してロボットをカモフラージュできる点である。
従って、この技術においてはロボットの表面に情報を表示して人間と相互作用させることはできない。その他の技術として特許文献2において開示されたロボットは、モニタが設置されているが、平面のモニタであり、デザインに制限があり、情報表示機能しか備えない。
【0004】
相互作用機能に関しては、特許文献3においてはロボットの目、眉機構が開示され、相互作用機能を備えるが、この技術では機械動作によって相互作用的な表情を表示するのみであり、機構および制御が複雑であるという問題を有する。
【0005】
上述のことから分かるように、表示機能および相互作用機能を備えた装置によって従来技術における欠点を解決することが望まれていた。
【特許文献1】特開2005‐66766号(JP)
【特許文献2】特開2006‐026761号(JP)
【特許文献3】特開2003‐265869号(JP)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、可撓性ディスプレイの可撓性をロボットのケーシング表皮に応用し、可動本体またはロボットに様々な表情や図案を表示させ、可動本体またはロボットの人間との相互作用性を強化させ、生命のないロボットに更に多くの表現および反応をする能力を与える表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、可撓性ディスプレイの可撓性および薄くて軽い特性を利用することによって容易にタッチセンサと整合でき、人間とロボットとの相互作用およびヒューマンマシンインターフェイスを達成する表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、環境センサまたは情報識別装置と整合し、有線および無線の技術によって環境情報、文字情報または画像音声情報の判断を入力信号とし、複数の入力信号と出力表現信号とを整合し、可動本体の相互作用性を強化させる表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、複数の可動装置をネットワーク通信の環境の下、相互にコミュニケーションを行わせ、各可動装置に多様な情報の認知判断を整合させ、主動的な知覚的相互作用入力を行い、相互作用の結果の行為状態をケーシングの表面に表示し、相互作用性を強化させる表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を解決するために、本発明は表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供するものであり、単一動作または組み合わせた動作を行うことができる可動本体と、可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設でき、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示できる表皮ユニットと、可動本体上に設置され、各種知覚を解読した信号を受信できる知覚入力ユニットと、可動本体上に設置され、可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御でき、知覚入力ユニットが生成した信号に基づき、表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および相互作用効果を表示する制御ユニットとを備える。
本発明は更に表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供するものであり、単一動作または組み合わせた動作を行うことができる可動本体と、可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設でき、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示できる表皮ユニットと、可動装置外部の操作環境の状況を感知して感知信号を生成できる環境センサと、可動本体上に設置され、可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御でき、操作環境の信号に基づき、表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および四肢動作の相互作用効果を表示する制御ユニットとを備える。
本発明は更に表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供するものであり、単一動作または組み合わせた動作を行うことができる可動本体と、可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設でき、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示できる表皮ユニットと、電子データ情報を受信し、判断分析を行って解析結果である信号を制御装置に与える情報識別装置と、可動本体上に設置され、可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御でき、解析結果の信号に基づき、表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および四肢動作の相互作用効果を表示する制御ユニットとを備える。
【0008】
すなわち。請求項1の発明は、単一動作または組み合わせた動作を行う可動本体と、前記可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設され、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示する表皮ユニットと、前記表皮ユニット上に設置され、接触強弱および接触位置を測定するタッチセンサユニットと、前記可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、前記タッチセンサユニットが生成した信号に基づき、前記表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および相互作用効果を表示する制御ユニットとを備えることを特徴とする表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
【0009】
請求項2の発明は、前記タッチセンサユニットは、単点のタッチセンサ、多点のタッチセンサまたはアレイ式に配列したタッチセンサであり、接触強弱および接触位置を測定でき、接触強弱情報および位置情報を前記制御ユニットに伝達し、制御装置にロジック判断の依拠を提供することを特徴とする請求項1記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項3の発明は、前記タッチセンサは、圧電式のタッチセンサ、電気抵抗式のタッチセンサ、コンデンサ式のタッチセンサまたは弾性体であり、接触強弱および接触位置を感知し、信号を出力することを特徴とする請求項2記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項4の発明は、前記タッチセンサは、複数の柔軟なガスバッグが設置されたセンサであり、ガスバッグ内が押圧による圧力変化を受けることによって接触圧力の測定を行い、同時に接触時の柔軟性を提供し、その後、接触強弱およびセンサ位置の情報を前記制御ユニットに伝達し、制御ユニットにロジック判断の依拠を提供することを特徴とする請求項2記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項5の発明は、単一動作または組み合わせた動作を行う可動本体と、前記可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設され、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示する表皮ユニットと、可動装置外部の操作環境の状況を感知し、感知信号を生成する環境センサと、前記可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、前記タッチセンサユニットが生成した信号に基づき、前記表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および四肢動作の相互作用効果を表示する制御ユニットとを備えることを特徴とする表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項6の発明は、前記環境センサは、環境の温度変化、環境の音声、環境の色の変化、環境の空気成分、環境の振動変化またはそれらを組み合わせたものを選択的に感知することを特徴とする請求項5記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項7の発明は、前記環境センサは、入力インターフェイスを備え、使用者の生理信号入力、使用者の心情変化の信号またはそれらを組み合わせたものの信号の入力を受信することを特徴とする請求項5記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
【0010】
請求項8の発明は、単一動作または組み合わせた動作を行う可動本体と、前記可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設され、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示する表皮ユニットと、電子データ情報を受信し、判断解析を行い、解析結果の信号を生成して制御装置に与える情報識別装置と、前記可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、前記タッチセンサユニットが生成した信号に基づき、前記表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および四肢動作の相互作用効果を表示する制御ユニットとを備えることを特徴とする表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項9の発明は、前記可動本体は、動作表現能力を備えた複数の部材が組み合わさった機械であり、前記機械は、工業ロボットアーム、移動式ロボット、相互作用ロボット、案内ロボット、ガードマンロボット、介護ロボット、教育ロボットまたは娯楽用ロボットなどであることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項10の発明は、前記可動本体は、動作表現能力を備えた玩具、動作表現能力を備えた携帯式電子製品、動作表現能力を備えた曲面を備えた看板または動作表現能力を備えた演技器具であることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項11の発明は、前記可撓性ディスプレイは、グレイスケールまたはカラー表現能力を備え、可撓性電子ディスプレイまたは可撓性電子ペーパであることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項12の発明は、前記相互作用情報は、色、図案または文字などの情報であり、前記図案は二次元の平面図または三次元の立体図であることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項13の発明は、前記情報識別装置は、文字情報の解析および判断を行い、前記文字情報分類の結果または意味を前記解析結果の信号とすることを特徴とする請求項8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項14の発明は、前記情報識別装置は、ボイス情報の解析および分類判断を行い、特定の語彙または音声を取得し、結果を特定の分類特性とし、前記解析結果の信号とすることを特徴とする請求項8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
請求項15の発明は、前記情報識別装置は、静態または動態の画像または図案情報の解析および分類判断を行い、特定画像の識別結果を取得し、前記解析結果の信号とすることを特徴とする請求項8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表皮ユニットが可動本体表面に貼設されることによってケーシングに情報を表示することができ、ソフトウェアの制御によって外皮の色、図案または文字情報を随時変化させることができる。また、可撓性ディスプレイには更にタッチセンサユニットを設置することができ、入力される相互作用信号を感知できる。更に、可動本体には環境センサまたは情報識別装置を整合でき、有線または無線の技術によって環境情報、文字情報または画像音声情報の判断を入力信号とし、複数の入力信号と出力表現信号とを整合して可動本体の相互作用性を高めることができる。
その結果、生命のないロボットに更に多くの表現および反応をする能力を与えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の特徴、目的および機能を更に明白にするために、本発明の装置の詳細な構造および設計理念の好適な実施例を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施例を示す斜視図である。
可動装置1は、可動本体10(moving object)、知覚入力ユニット14および制御ユニット(図示せず)を備える。可動本体10は動作表現能力を備えた複数の身体部材が組み合わさった機械であり、単一動作または組み合わせた動作を行うものである。この機械は、工業ロボットアーム、移動式ロボット、相互作用ロボット、案内ロボット、ガードマンロボット、介護ロボット、教育ロボットまたは娯楽用ロボットなどである。この他、可動本体は動作表現能力を備えた玩具、動作表現能力を備えた携帯式電子製品、動作表現能力を備えた曲面を備えた看板または動作表現能力を備えた演技器具などを採用することができる。
【0014】
可動本体10の表面または一部表面には表皮ユニット11が貼設され、主に、可撓性ディスプレイから構成され、種々の情報を表示する。この可撓性ディスプレイは有機ELによって形成された可撓性ディスプレイまたは可撓性電子ペーパなどであり、軽くて薄く、可撓性を備えたディスプレイであるがそれだけに制限されない。可撓性ディスプレイが表示する相互作用情報は色、図案または文字などの情報であるがそれだけに制限されない。図案は二次元の平面または三次元の立体の図案である。
【0015】
図2は、本発明の実施例の表面に、情報表示および相互作用機能を備える可動装置の表皮ユニットの断面図である。図2において、可撓性電子ディスプレイ110の可撓性および薄いという特性によって、表皮ユニット11と可動本体10との間は(背)糊剤111またはその他粘着固定方式によって密着するように固定される。
このように、可撓性ディスプレイ110を可動本体10のケーシングの平坦面または曲面表面に設置した後、可撓性電子ディスプレイ110上に更に知覚入力ユニット14が貼設される。なお、可撓性ディスプレイである可撓性電子ディスプレイ110が情報を表示する表皮ユニット11は、必要に応じて、可動本体10の外部表面または一部表面に選択的に敷設される。
本実施例において、知覚入力ユニット14は更にタッチセンサユニット112を備え、タッチ操作によって生成されたタッチ制御信号を受信することができる。タッチセンサユニット112の表面には保護膜113を設置でき、表皮ユニット11全体を保護する。タッチセンサユニット112によってタッチ位置の感知を行うことができ、更に、可動本体10またはロボットの表面に色、図案または文字の情報などを生成することができる。その他、タッチ位置感知能力を備えたタッチセンサユニット112によって可動装置1と周囲の環境との相互作用性を強化することができる。
【0016】
タッチセンサユニット112はタッチパネルシートとすることができ、タッチパネルシートは電気抵抗式、コンデンサ式、音波式、光学式または電磁感応式とすることができ、タッチ位置信号をタッチ信号に変換することができる。また、タッチセンサユニット112はタッチセンサアレイとすることができ、接触の強弱および接触位置信号を測定することができ、強弱情報を制御ユニットに送信して判断を行い、接触位置を制御ユニット内に記録し、制御装置にロジック判断の依拠を提供する。タッチセンサアレイは単点機械式のON/OFF二段式強弱スイッチまたは多点式のスプリングスイッチとすることができる。それ以外に、タッチセンサアレイは圧電式タッチセンサ、コンデンサ式タッチセンサまたは弾性体とすることができ、タッチ強弱を感知し、タッチ制御信号を出力する。前述のタッチセンサは全て従来技術を直接応用することができ、これ以上の説明は行わない。
【0017】
図3は、本発明の表面に、情報表示および相互作用機能を備える可動装置のタッチセンサユニットの実施例を示す模式図である。タッチセンサユニット112は複数の配列されたタッチセンサ1120を備え、接触の圧力状況を測定し、タッチ強弱および位置データを制御ユニットに伝達し、制御ユニットにロジック判断の依拠を提供する。
【0018】
図4は、本発明の表面に、情報表示および相互作用機能を備える可動装置のタッチセンサユニットのその他実施例を示す模式図である。タッチセンサ112aは複数の柔軟なガスバッグ1121が設置されたセンサとすることができ、ガスバッグ1121によって押圧されたときの圧力変化を測定でき、同時に接触時の柔軟性を提供でき、接触強弱および位置情報を制御ユニット13に伝達し、制御ユニット13にロジック判断の依拠を提供する。ガスバッグ1121は管路1122によって気圧提供装置1123と接続され、管路1122上には圧力センサ1124が設けられ、ガスバッグ1121が受けた圧力および位置データを感知し、制御ユニット13に信号を伝達することができる。
【0019】
図5は、本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の制御ユニットの実施例を示すブロック図である。この制御ユニット13は可動本体10(図1、図2参照)上に設置され、制御ユニット13は可動本体10の単一動作または組み合わせた動作を制御でき、表皮ユニット11の状況に応じた相互作用情報の表示を制御でき、制御ユニット13はタッチセンサユニットが生成するタッチ感知信号、その他のセンサが測定した入力信号および通信コミュニケーション信号を受信して相互作用効果を生成することができる。
【0020】
本実施例において、制御ユニット13は、プロセッサ130、表示インターフェイス131、センサインターフェイス132、命令出力制御インターフェイス134およびI/Oインターフェイス133を備える。表示インターフェイス131は表皮ユニット11の可撓性ディスプレイ110と接続され、センサインターフェイス132は表皮ユニット11のタッチセンサユニット112と接続される。プロセッサ130は信号の実行および演算処理を行うことによって表皮ユニット11の関連した相互作用情報の表示を制御する。プロセッサ130は制御信号を生成でき、命令出力制御インターフェイス134および駆動回路素子100を通じて可動本体上の関連するアクチュエータ101に伝達し、可動本体の相互作用効果を備えた動作を制御する。メモリ135を通じてデータ保存またはデータの一時保存が行われる。
【0021】
図6は、本発明の実施例の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の顔面表情を示す模式図である。図7は本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施状態を示す斜視図である。表皮ユニット11上のタッチセンサユニットが操作人員のタッチ動作を感知したとき、制御ユニットは表皮ユニット上のタッチセンサユニットのタッチ強弱および位置に基づいて対応する動作の判断をしたり、または可撓性ディスプレイに生物の皮膚に類似した柔軟性を達成させ、皮膚の色または図案の変化を表示させたりする。タッチセンサユニットはヒューマンマシンインターフェイスとすることができ、本発明において更に重要なのは、人間型ロボット相互作用インターフェイスである。
【0022】
図6に示すように、例えば、操作人員が表皮ユニット上のタッチセンサユニットに触れたとき、可動本体上の顔部上の表皮ユニットは喜怒哀楽または赤面などの表情を表示することができる。また、可動本体が玩具のとき、使用者はタッチ操作制御によって玩具の色または衣装の変更を随時行うことができ、娯楽性を増強できる。図7に示すように、可動装置1がサービスロボットの場合、ロボットの可動本体の身体部分を礼服にすることができ、顔部の表情もサービスの状況に合わせて変更することができ、人間性のあるサービスを行うことができる。
【0023】
図8は、本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の知覚入力ユニットのその他の実施例を示すブロック図である。知覚入力ユニット14はI/Oインターフェイス133を通じて制御ユニット13と接続され、図9に示すように、知覚入力ユニット14は可動本体10上に設置される。図8に示すように、知覚入力ユニット14は環境センサ140および情報識別装置141を備える。環境センサ140は外部環境の状況を感知して感知信号を生成して制御ユニット13に与え、制御ユニット13は感知信号に基づいて表皮ユニット11を制御し、状況に基づいて相互作用情報および相互作用効果を表示する。
【0024】
環境センサ140は環境の温度変化、環境の音声、環境の色の変化、環境の空気成分、環境の振動変化またはそれらを組み合わせたものを感知できる。例えば、環境センサ140は気温を感知でき、温度が低いとき、身体部分の表皮ユニットが厚い服を表示して気温が低いことを知らせ、顔面の表情も寒そうな表情を表示する。また、図9に示すように、環境センサ140は入力インターフェイスを備え、生理信号の入力、使用者の神経に伝達される電子信号、使用者の心情変化の信号またはそれらを組み合わせた信号入力を受信することができる。例えば、使用者が生理信号の入力を感知できるアームバンド1402またはセンサマット1401をセットしたとき、可動装置1は使用者の生理状態、緊張または怒りを知ることができ、相互作用動作または表皮ユニットを通じて対応する色または図案によって使用者を慰めたり、励ましたりして使用者の心情を調節する。図9においては無線方式によって伝送が行われているが、当然図10に示すように、有線方式を採用することもできる。
【0025】
知覚入力ユニット14が情報識別装置141のとき、情報識別装置141は入力情報を受信し、判断解析を行い、解析信号を生成して制御ユニット13に与え、制御ユニット13は解析信号に基づいて表皮ユニット11を制御して状況に基づいて相互作用情報および相互作用効果を表示する。情報識別装置141はネットワークから入力情報を取得することができる。入力情報は、文字情報、ボイス情報、画像情報またはそれらを組み合わせたものとすることができ、例えば、環境路面高低変化、環境路面幅変化、環境画像、ボイス入力信号、回答の語句指令などである。入力情報が文字情報の場合、情報識別装置は文字情報の解析および分類判断を行い、文字情報分類の結果から解析信号を形成する。入力情報がボイス情報の場合、情報識別装置はボイス情報の解析および分類判断を行うことができ、特定の語彙または音声を取得し、結果を特定の分類特性とし、解析信号を形成する。また、入力情報が画像情報の場合、情報識別装置は静態または動態の画像情報の解析および分類判断を行い、特定画像の認識結果を取得し、解析信号を形成する。
【0026】
図11は、本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施状態のその他の実施例を示す模式図である。可動装置1はネットワーク環境90(有線または無線)を通じて入力プラットフォーム40〜43と接続することができる。可動装置上にはアンテナモジュール15が設けられ、無線環境の下、情報交流および伝送が行われる。入力プラットフォームはコンピュータ、ワークステーション、携帯電話またはパーソナルデジタル装置などである。入力プラットフォーム40〜43はネットワーク環境90を通じて文字、音声または画像などの情報を可動装置に伝送し、可動装置は情報の内容に基づいて可動装置の身体に相互作用動作を行わせたり、表皮ユニットに相互作用情報を表示したりすることができる。
【0027】
図12は本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置群を示す図であり、複数の可動装置から構成される。各可動装置5は可動本体を備え、各可動本体は単一動作または組み合わせた動作を行い、各可動本体はコミュニケーション信号によって相互にコミュニケーションを行うことができる。本実施例において、可動装置5は動物ロボットであり、動物ロボットの表面には表皮ユニット50が敷設される。表皮ユニット50の構造は前述のものと同一であるので説明は行わない。可動本体内には制御ユニットが設けられ、可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、コミュニケーション信号の解析および判断を行って可動本体とその他の可動本体とを相互作用させる。制御ユニットの構造は図5に示すものと同一であるので説明は行わない。
【0028】
図12において、複数の可動装置5間で相互作用させたり、または操作人員と相互作用をさせたりし、有線または無線の信号伝達によって、相互間における入力の信号変化を伝達し、表皮ユニット50上の可撓性ディスプレイに内部状態の情報を表示する。複数の可動装置はネットワーク環境90の下、相互にコミュニケーションを行うことができる。各可動装置も同様に前述のタッチセンサユニット、環境センサおよび情報識別装置を備え、多様化情報データを整合して認知判断を行い、主動的な知覚相互作用入力とし、複数の可動本体にそれぞれ自己の状態を表現させ、ケーシング全体に表示して全体の相互作用性を強化できる。
【0029】
以上の説明は、本発明の好適な実施例を示すものであり、本発明の範囲を制限するものではない。即ち、本発明の特許申請の範囲に基づく変化および修飾は全て本発明の範囲に含まれ、例えば、本発明の知覚入力ユニットはタッチパネルシート、複数のタッチセンサ、環境センサおよび情報識別装置などとすることができ、相互作用的にコミュニケーションされる情報交流を行うことができる。
【0030】
以上の説明から分かるように、本発明は表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置を提供するものであり、可動本体と人間との相互作用性を提供でき、無生物であるロボットに更に多くの表現および状態の反応を行わせる能力を与えることができる。本発明は業界の要求を満足させることができるものであり、産業の発展に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の表皮ユニットを示す断面図である。
【図3】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置のタッチセンサユニットの実施例を示す模式図である。
【図4】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置のタッチセンサユニットのその他実施例を示す模式図である。
【図5】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の制御ユニットの実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の顔面表情を示す模式図である。
【図7】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の知覚入力ユニットのその他の実施例を示すブロック図である。
【図9】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置の実施状態のその他の実施例を示す模式図である。
【図12】本発明の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置群を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1 可動装置
10 可動本体
100 駆動回路素子
101 アクチュエータ
11、11a 表皮ユニット
110 可撓性(電子)ディスプレイ
111 背糊
112 タッチセンサユニット
1120タッチセンサ
113 保護膜
112aタッチセンサ
1121ガスバック
1122管路
1123気圧提供装置
1124圧力センサ
13 制御ユニット
130 プロセッサ
131 表示インターフェイス
132 センサインターフェイス
133 I/Oインターフェイス
134 命令出力制御インターフェイス
135 メモリ
136 通信インターフェイス
14 知覚入力ユニット
140 環境センサー
141 情報識別装置
1401センサマット
1402アームバンド
15 アンテナモジュール
40、41、42、43 入力プラットフォーム
5 可動装置
50 表皮ユニット
90 ネットワーク環境

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一動作または組み合わせた動作を行う可動本体と、
前記可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設され、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示する表皮ユニットと、
前記表皮ユニット上に設置され、接触強弱および接触位置を測定するタッチセンサユニットと、
前記可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、前記タッチセンサユニットが生成した信号に基づき、前記表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および相互作用効果を表示する制御ユニットと
を備えることを特徴とする表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項2】
前記タッチセンサユニットは、単点のタッチセンサ、多点のタッチセンサまたはアレイ式に配列したタッチセンサであり、接触強弱および接触位置を測定でき、接触強弱情報および位置情報を前記制御ユニットに伝達し、制御装置にロジック判断の依拠を提供することを特徴とする請求項1記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項3】
前記タッチセンサは、圧電式のタッチセンサ、電気抵抗式のタッチセンサ、コンデンサ式のタッチセンサまたは弾性体であり、接触強弱および接触位置を感知し、信号を出力することを特徴とする請求項2記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項4】
前記タッチセンサは、複数の柔軟なガスバッグが設置されたセンサであり、ガスバッグ内が押圧による圧力変化を受けることによって接触圧力の測定を行い、同時に接触時の柔軟性を提供し、その後、接触強弱およびセンサ位置の情報を前記制御ユニットに伝達し、制御ユニットにロジック判断の依拠を提供することを特徴とする請求項2記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項5】
単一動作または組み合わせた動作を行う可動本体と、
前記可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設され、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示する表皮ユニットと、
可動装置外部の操作環境の状況を感知し、感知信号を生成する環境センサと、
前記可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、前記タッチセンサユニットが生成した信号に基づき、前記表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および四肢動作の相互作用効果を表示する制御ユニットと
を備えることを特徴とする表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項6】
前記環境センサは、環境の温度変化、環境の音声、環境の色の変化、環境の空気成分、環境の振動変化またはそれらを組み合わせたものを選択的に感知することを特徴とする請求項5記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項7】
前記環境センサは、入力インターフェイスを備え、使用者の生理信号入力、使用者の心情変化の信号またはそれらを組み合わせたものの信号の入力を受信することを特徴とする請求項5記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項8】
単一動作または組み合わせた動作を行う可動本体と、
前記可動本体の外部表面または一部表面に選択的に敷設され、可撓性ディスプレイを備えて情報を表示する表皮ユニットと、
電子データ情報を受信し、判断解析を行い、解析結果の信号を生成して制御装置に与える情報識別装置と、
前記可動本体の単一動作または組み合わせた動作を制御し、前記タッチセンサユニットが生成した信号に基づき、前記表皮ユニットを制御し、状況に基づいて相互作用情報および四肢動作の相互作用効果を表示する制御ユニットと
を備えることを特徴とする表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項9】
前記可動本体は、動作表現能力を備えた複数の部材が組み合わさった機械であり、前記機械は、工業ロボットアーム、移動式ロボット、相互作用ロボット、案内ロボット、ガードマンロボット、介護ロボット、教育ロボットまたは娯楽用ロボットなどであることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項10】
前記可動本体は、動作表現能力を備えた玩具、動作表現能力を備えた携帯式電子製品、動作表現能力を備えた曲面を備えた看板または動作表現能力を備えた演技器具であることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項11】
前記可撓性ディスプレイは、グレイスケールまたはカラー表現能力を備え、可撓性電子ディスプレイまたは可撓性電子ペーパであることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項12】
前記相互作用情報は、色、図案または文字などの情報であり、前記図案は二次元の平面図または三次元の立体図であることを特徴とする請求項1、5または8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項13】
前記情報識別装置は、文字情報の解析および判断を行い、前記文字情報分類の結果または意味を前記解析結果の信号とすることを特徴とする請求項8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項14】
前記情報識別装置は、ボイス情報の解析および分類判断を行い、特定の語彙または音声を取得し、結果を特定の分類特性とし、前記解析結果の信号とすることを特徴とする請求項8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。
【請求項15】
前記情報識別装置は、静態または動態の画像または図案情報の解析および分類判断を行い、特定画像の識別結果を取得し、前記解析結果の信号とすることを特徴とする請求項8記載の表面に情報表示および相互作用機能を備える可動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−149442(P2008−149442A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8772(P2007−8772)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】