説明

被介護者動作検出装置と被介護者動作検出方法

【課題】 例えば、被介護者に不快感を与えることなく離床や転倒・転落の危険性のある動きを的確に且つタイミング良く検出することができ、それによって、介護用ベッドから被介護者が不用意に転落・転倒してしまう事故を未然に防ぐことが可能な被介護者動作検出装置と被介護者動作検出方法を提供すること。
【解決手段】 予め設定された所定の場所に設置され被介護者より出力される赤外線を検出する赤外線センサと、上記赤外線センサに取り付けられたフレネルレンズと、上記赤外線センサの出力信号を入力して予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別する被介護者動作判別手段と、上記被介護者動作判別手段による判別に基づいて必要な場合に介護者に報知する報知手段と、を具備したもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者動作検出装置と被介護者動作検出方法に係り、例えば、介護用ベッド上に横たわっている被介護者の離床や転倒・転落の危険性のある動きを的確に且つタイミング良く検出し、それによって、被介護者が介護用ベッドから不用意に転落・転倒してしまう事故を未然に防止することができる装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
介護福祉施設や病院等では、被介護者や入院患者ら(以下、被介護者と称する)が介護用ベッドから不用意に転落・転倒したり、ポータブルトイレで転倒したりする事故の防止が重要な課題となっている。その種の事故が原因で症状が悪化したりさらには寝たきりになってしまうことがあるからである。又、介護福祉施設や病院等では徘徊する被介護者もおり、他者へ危害を及ぼす危険性もある。
【0003】
この種の事故を未然に防止するため、介護者や看護者(以下、介護者と称する)が部屋の見回りを実施しているが、全ての被介護者の部屋を絶え間なく見回るには相当数の人手を要するだけでなく介護者への負担も大きくなってしまう。又、全ての被介護者の動きを確実に確認するのは実質上不可能である。
【0004】
そこでこれらの問題を解決するために、以下に示す離床センサが提案されていて、離床を検出した場合には介護者に対してナースコール(有線)、PHS、一般無線を用いてその旨を報知している。
【0005】
まず、第1の離床センサとして、介護用ベッドの下にマットセンサを設置し、被介護者がセンサを踏んだ時にマットセンサから出力される信号により、被介護者が離床したことを報知するものがある。しかしながら、被介護者がマットセンサを踏む前に介護用ベッドから転落・転倒してしまう事故についてはこれを防止することはできないものである。
【0006】
第2の離床センサとして、介護用ベッドの上にマットセンサを敷き、マットセンサにより検出された圧力や静電容量に基づいて被介護者の離床を報知するものがある。しかしながら、介護用ベッド上での寝返りによって誤報知したり、介護用ベッドが濡れてしまうことによる絶縁性の問題や、接触式のため耐久性が劣るといった問題点がある。
【0007】
第3の離床センサとして、カメラで撮影した被介護者の動きを介護者が監視するものがある。しかしながら、プライバシーの問題やコストがかかる等の問題点がある。
【0008】
第4の離床センサとして、ビーム型赤外線センサを介護用ベッドの端に設置し、介護用ベッドから降りようとする動きを赤外線の授受通路の遮断によって検出するものがある。しかしながら、寝ている状態でも布団などが掛ってしまった場合などに誤報知するといった問題点がある。
【0009】
その他に、人の検知に広く用いられている焦電型赤外線センサを用いる方法も考えられている。例えば、2つの焦電型赤外線センサを用いて、被介護者を検出する時間差を利用して介護用ベッド上での被介護者の有無を判定する方法や、マットセンサと赤外線センサを組み合わせて介護用ベッドにおける被介護者の状態を検知する方法等がある。
【0010】
上記焦電型赤外線センサにおいては、赤外線の入射による温度変化により出力信号が発生して、一定の閾値を越えると検出するという方法が採られている。又、被介護者の存在を確実に検出するために、多分割視野をもつフレネルレンズ(集光レンズ)が多く用いられている。
【0011】
しかしながら、赤外線による温度変化を検出しているため、外気温度等の環境の急激な変化や、温度の変動による検出距離の変化によって誤報知してしまう問題も含んでいる。そのため、空調が整備されていない、多床部屋が多いといった以前の介護福祉施設では使い勝手が悪く、用いられてこなかった。
【0012】
ところが、最近の介護福祉施設では、空調設備により一定温度に保たれており、またプライバシー保護の観点から個室が増えてきている。このような現状から、焦電型赤外線センサの問題であった誤報知が起こりにくい環境に変わってきている。
【0013】
尚、この種の離庄監視システムを開示するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等がある。
【特許文献1】特開2006−288932号公報
【特許文献2】特開2004−105416号公報
【特許文献3】特開2005−185493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記従来の構成によると次のような問題があった。すなわち、従来の焦電型赤外線センサの検出方法では被介護者の存在の有無を検出することはできても、報知するタイミングが悪かったり、或いは的確な離床を検出することができず、又、若干の誤報知が発生してしまうという問題があった。
【0015】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、例えば、被介護者に不快感を与えることなく離床や転倒・転落の危険性のある動きを的確に且つタイミング良く検出することができ、それによって、介護用ベッドから被介護者が不用意に転落・転倒してしまう事故を未然に防ぐことが可能であり、又、被介護者の行動パターンによって報知するタイミングを容易に変更することが可能な被介護者動作検出装置と被介護者動作検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による被介護者動作検出装置は、予め設定された所定の場所に設置され被介護者より出力される赤外線を検出する赤外線センサと、上記赤外線センサに取り付けられたフレネルレンズと、上記赤外線センサの出力信号を入力して予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別する被介護者動作判別手段と、上記被介護者動作判別手段による判別に基づいて必要な場合に介護者に報知する報知手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記フレネルレンズは単視野型のものであることを特徴とするものである。
又、請求項3による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記フレネルレンズは水平方向分割視野型のものであることを特徴とするものである。
又、請求項4による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記被介護者動作判別手段は予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別するものであることを特徴とするものである。
又、請求項5による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記被介護者動作判別手段は予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別し、予め設定された回数に達した場合において、設定された回数における閾値以上になった時間を積分しその積分時間が予め設定された時間に達したか否かを判別するものであることを特徴とするものである。
又、請求項6による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、介護用ベッドからの被介護者の離床や転倒・転落の危険性のある動きを検出するものであることを特徴とするものである。
又、請求項7による被介護者動作検出装置は、請求項6記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは上記介護用ベッドの上方であって介護用ベッドの端から少し離れた場所に設置されていて、その高さは起き上がった時の被介護者の首から頭程度の高さであることを特徴とするものである。
又、請求項8による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは焦電型赤外線センサであることを特徴とするものである。
又、請求項9による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記報知手段はZigBee又はRFIDによって報知するものであることを特徴とするものである。
又、請求項10による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは金属シート上に薄膜を形成した薄膜センサ素子を使用したものであることを特徴とするものである。
又、請求項11による被介護者動作検出装置は、請求項10記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは非鉛系であることを特徴とするものである。
又、請求項12による被介護者動作検出方法は、予め設定された所定の場所に設置されフレネルレンズを備えた赤外線センサによって被介護者より出力される赤外線を検出し、上記赤外線センサの出力信号を予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別し、上記判別に基づいて必要な場合に介護者に報知するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項13による被介護者動作検出方法は、請求項12記載の被介護者動作検出方法において、予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別するものであることを特徴とするものである。
又、請求項14による被介護者動作検出方法は、請求項12記載の被介護者動作検出方法において、予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別し、予め設定された回数に達した場合において、設定された回数における閾値以上になった時間を積分しその積分時間が予め設定された時間に達したか否かを判別するものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
以上述べたように本願発明の請求項1による被介護者動作検出装置は、上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による被介護者動作検出装置は、予め設定された所定の場所に設置され被介護者より出力される赤外線を検出する赤外線センサと、上記赤外線センサに取り付けられたフレネルレンズと、上記赤外線センサの出力信号を入力して予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別する被介護者動作判別手段と、上記被介護者動作判別手段による判別に基づいて必要な場合に介護者に報知する報知手段と、を具備した構成になっているので、被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
又、請求項2による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記フレネルレンズは単視野型のものであるので、比較的簡単な構成で被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
又、請求項3による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記フレネルレンズは水平方向分割視野型のものであるので、被介護者の状態をより正確に監視して把握することができる。
又、請求項4による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記被介護者動作判別手段は予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別するように構成されているので、判別精度が向上することになり、誤検出を防止して被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
又、請求項5による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記被介護者動作判別手段は予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別し、予め設定された回数に達した場合において、設定された回数における閾値以上になった時間を積分しその積分時間が予め設定された時間に達したか否かを判別するように構成されているので、判別精度がさらに向上することになり、誤検出を防止して被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
又、請求項6による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、介護用ベッドからの被介護者の離床や転倒・転落の危険性のある動きを検出するものとして構成されているので、被介護者の介護用ベッドからの離床や転倒・転落の危険性のある動きを、的確に優れたタイミングで検出することができ、介護用ベッドから転落・転倒してしまう事故を未然に防ぐことができる。
又、請求項7による被介護者動作検出装置は、請求項6記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは上記介護用ベッドの上方であって介護用ベッドの端から少し離れた場所に設置されていて、その高さは起き上がった時の被介護者の首から頭程度の高さであるので、誤検出をなくすことができ、被介護者の介護用ベッドからの離床や転倒・転落の危険性のある動きを、的確にタイミング良く検出することができ、介護用ベッドから転落・転倒してしまう事故を未然に防ぐことができる。
又、請求項8による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは焦電型赤外線センサであるので、上記効果をより確実に得ることができる。
又、請求項9による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記報知手段はZigBee又はRFIDによって報知するものであるので、低消費電力で信頼性の高い報知ができるだけでなく、被介護者の位置情報も併せて報知することが可能となる。
又、請求項10による被介護者動作検出装置は、請求項1記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは金属シート上に薄膜を形成した薄膜センサ素子を使用したものであるので、小型化と同時に応答速度が向上し、被介護者3の動きにさらに的確に対応した出力波形が得られ、より正確な検出・解析処理を行うことが可能になる。
又、請求項11による被介護者動作検出装置は、請求項11記載の被介護者動作検出装置において、上記赤外線センサは非鉛系であるので、環境衛生上クリーンなセンサシステムを提供することができる。
又、請求項12による被介護者動作検出方法は、予め設定された所定の場所に設置されフレネルレンズを備えた赤外線センサによって被介護者より出力される赤外線を検出し、上記赤外線センサの出力信号を予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別し、上記判別に基づいて必要な場合に介護者に報知するようにしたので、被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
又、請求項13による被介護者動作検出方法は、請求項12記載の被介護者動作検出方法において、予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別するようにしたので、判別精度が向上することになり、誤検出を防止して被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
又、請求項14による被介護者動作検出方法は、請求項12記載の被介護者動作検出方法において、予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別し、予め設定された回数に達した場合において、設定された回数における閾値以上になった時間を積分しその積分時間が予め設定された時間に達したか否かを判別するようにしたので、判別精度がさらに向上することになり、誤検出を防止して被介護者の状態を正確に監視して把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。この第1の実施の形態は、本発明を介護用ベッドからの被介護者の離床や転倒・転落の危険性のある動きを検出する装置に適用したものである。
図1に示すように、まず、介護用ベッド1があり、この介護用ベッド1上には被介護者3が横たわっている。
【0019】
一方、上記介護用ベッド1に対する所定位置には焦電型赤外線センサ部5が設置されている。上記所定位置とは次のような位置である。すなわち、上記介護用ベッド1の上方であって介護用ベッド1の端から少し離れた場所(被介護者3の頭側において介護用ベッド1の端から少し離れた場所)に設置されている。又、その高さは被介護者3が起き上がった時の被介護者3の首から頭程度の高さである。
【0020】
上記焦電型赤外線センサ部5は図2に示すような構成をなしている。図2(a)に示すように、まず、赤外線センサ素子7があり、この赤外線センサ素子7の先端にはフレネルレンズ9が取り付けられている。このフレネルレンズ9は単視野型のものであり、介護用ベッド1の上方の狭い限定部分を検知エリアとするようにしている。具体的には、介護用ベッド1の幅の1/2〜2/3程度、若しくは30〜50cm程度の範囲で検知エリアが任意に設定されている。上記赤外線センサ素子7による検出信号はA/D変換器11を介してCPU(中央演算処理装置)13に入力される。上記CPU13は入力した信号に基づいて所定の判別を行い、離床や転倒・転落の危険性のある動きが発生していて「報知要」と判別した場合には無線通信器15を介して遠隔地にいる介護者に報知するものである。
【0021】
上記赤外線センサ素子7は、図2(b)に示すような断面をもつ構成のものである。まず、上記赤外線センサ素子7は薄膜化された構成になっている。それによって、赤外線センサ素子7の小型化を図ると共に、応答速度を向上させ、被介護者3の動きに対して的確に対応した出力波形を得るようにしている。それによって、より正確な検出・解析処理が可能になる。具体的には、金属シート、例えば、プラチナ(Pt)シート7a上に薄膜7bを形成し、その上に受光電極7cを設置したものである。上記薄膜7bとしては従来広く用いられている鉛を含んだセンサ材料を用いるのではなく、鉛を含まない材料を用いることで環境衛生上クリーンなセンサシステムを得ることができる。具体的には、例えば、チタン酸ビスマス、ランタン、ニオブ、ネオジムを含んだ材料である。又、上記プラチナ(Pt)のような金属ではなくシリコン基板を用いることも考えられる。
【0022】
そして、上記CPU13の処理によって、被介護者3の動きから得られる赤外線センサ素子7の出力信号を、所定の閾値に達してから所定の時間以内における設定閾値以上の到達回数を検出・解析処理し、それによって、被介護者3の動きを判別するようにしている。つまり、被介護者3が介護用ベッド1から離床や転倒・転落の危険性のある動きをしようとしているか否かを判別するものである。
【0023】
又、上記CPU13の判別によって被介護者3が離床や転倒・転落の危険性のある動きをしようとしていると判別された場合には、前述したように無線通信器15を介して介護者に報知するようにしているものである。
尚、報知の手段としては、ZigBee、RFID、電力線通信、ナースコール、無線、PHS、携帯電話等を介して介護者に報知する手法を用いることができる。
【0024】
上記ZigBeeとは家電向けの短距離無線通信規格の一つである。最近では、位置情報検知もでき得る技術が開発されており、携帯端末を持った人が大凡どの辺りに居るといった情報を得ることができる。新しい無線通信ネットワークZigBeeを用いることで、センサシステムの小型化、低コスト化、低消費電力、ネットワーク化が可能となる。センサの情報は、ZigBeeセンサ端末から無線通信によって、中継端末に伝達されて介護者の報知端末に報知される。端末間の無線通信距離は、10〜80m程度(環境によって異なる)が可能で、中継端末を施設内にいくつか設置することで通信距離は広範囲にすることができる。
最近開発されたZigBeeの位置情報検知技術を組み合わせることで、被介護者に携帯端末を保持してもらうことにより、常に被介護者の施設内の位置情報も同時に得ることの可能な離床センサシステムとなる。被介護者の携帯端末が、どの中継端末やどのセンサ端末に近いかによって位置情報を常に検知・報知することができる。センサの反応からも被介護者を特定でき、万一、見失ってもすぐに見つけることができる。
【0025】
又、RFID (Radio Frequency
IDentification)は、ID情報を埋め込んだタグから、電磁界や電波等を用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般のことをいう。又、電力線通信(Power
Line Communications)は、電力配線(電灯線)を通信回線として利用する技術である。RFIDの位置情報検知技術を組み合わせて(センサの検知情報もRFIDのリーダーに送る)、被介護者にRFID携帯端末を保持してもらうことにより、常に被介護者の施設内の位置情報も同時に得ることの可能な離床センサシステムとなる。
【0026】
以上の構成を基に、図3のフローチャートを参照しながらその作用を説明する。まず、ステップS1において、赤外線センサ素子7の出力信号が予め設定された閾値Y1(例えば、±200mmV)以上か否かを判別する。赤外線センサ素子7の出力信号が予め設定された閾値Y1(±200mmV)以上であると判別された場合にはステップS2に移行する。
【0027】
このステップS2においては、所定時間S(例えば、10秒)タイマーをスタートさせる。次に、ステップS3に移行する。ステップS3においては、上記所定時間S(10秒)以内に赤外線センサ素子7の出力信号の閾値Y2(例えば、±200mmV)以上の到達回数がN回(例えば、2回)以上有ったか否かを判別する。上記所定時間S(10秒)以内に赤外線センサ素子7の出力信号の閾値Y2(±200mmV)以上の到達回数がN回(2回)以上有ったと判別された場合は、ステップS4に移行して、報知が実行される。
尚、ステップS1において赤外線センサ素子7の出力信号が予め設定された閾値Y1(±200mmV)以上ではないと判別された場合、又はステップS3において所定時間S(10秒)以内に赤外線センサ素子7の出力信号の閾値Y2(±200mmV)以上の到達回数がN回(2回)以上なかったと判別された場合には、ステップS1に戻って同様の処理が繰り返し実行されることになる。
【0028】
上記閾値Y1、閾値Y2、所定時間S、到達回数Nについては任意に設定することになる。但し、到達回数Nについては1回目の到達回数を含まないものとする。
【0029】
次に、具体例を説明する。図4は実際の赤外線センサ素子7の出力の例を示すものである。図4(a)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が寝ている場合であり、この場合には赤外線センサ素子7の出力はなく、よって、報知しないということになる。
尚、図4(a)において閾値を符号a、bで示す。又、図4(b)〜(h)においても同様の線図が閾値を示しているものである。
次に、図4(b)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が寝返りを打っている場合であり、この場合にもほとんど赤外線センサ素子7の出力はなく、よって、報知しないということになる。次に、図4(c)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が両手を挙げている場合であり、この場合には赤外線センサ素子7の出力はあるが、図3のステップS3による判別によれば、報知しないということになる。次に、図4(d)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が起き上がっただけの場合であり、この場合にも赤外線センサ素子7の出力はあるが、図3のステップS3による判別によれば、報知しないということになる。
【0030】
次に、図4(e)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が起き上がって離床しようとしている場合であり、この場合には図3のステップS3による判別によれば、報知するということになる。次に、図4(f)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が立ち上がろうとしている場合であり、この場合には図3のステップS3による判別によれば、報知するということになる。次に、図4(g)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が起き上がった状態で動いている場合であり、この場合には図3のステップS3による判別によれば、報知するということになる。次に、図4(h)に示す場合には、介護用ベッド1上で被介護者3が起き上がってじっとした状態から離床しようとしている場合であり、この場合には図3のステップS3による判別によれば、報知するということになる。
【0031】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
図4に示すように、介護用ベッド1上で被介護者3が寝ていたり、寝返りを打ったりしても誤報知することはない。又、介護用ベッド1上で起き上がっただけの場合、又、手を挙げるといった単発的な行為と、介護用ベッド1上で被介護者3が起き上がった状態で且つ動きがある行為とを判別することができる。つまり、事故に至る恐れの少ない単発的な行為だけでは報知せず、介護用ベッド1から離床しようとする動きまたは転落・転倒する危険性のあるような動きだけを的確にタイミング良く報知することが可能となる。
このように、被介護者3の介護用ベッド1からの離床や転倒・転落の危険性のある動きを的確に且つタイミング良く検出することができるので、被介護者3が介護用ベッド1から不用意に転落・転倒してしまう事故を未然に防ぐことができる。
又、CPU13は閾値Y1、閾値Y2、所定時間S、到達回数Nについて任意に設定することにより所定の判別を行うようにしているので、誤検出をなくすことができると共に、被介護者の行動パターンによって報知するタイミングを自由に簡単に変えることができる。
又、フレネルレンズ9は単視野型のものであり、且つ、介護用ベッド1の上方の狭い限定部分を検知エリアとするようにしているので、それによっても、誤検出をなくすことができる。
又、焦電型赤外線センサ5が、介護用ベッド1の上方であって介護用ベッド1の端から少し離れた場所(被介護者3の頭側において介護用ベッド1の端から少し離れた場所)に設置されていて、且つ、その高さは被介護者3が起き上がった時の被介護者3の首から頭程度の高さになっているので、誤検出をなくすとともに、判別処理がしやすくなる。
又、焦電型赤外線センサ5の赤外線センサ素子7は、従来用いられているバルク材ではなく、薄膜化された構成になっているので、小型化と同時に応答速度が向上し、被介護者3の動きにさらに的確に対応した出力波形が得られ、より正確な検出・解析処理を行うことが可能になる。
又、焦電型赤外線センサ5の赤外線センサ素子7は、従来広く用いられている鉛を含んだセンサ材料ではなく、鉛を含まない材料から構成されているので、環境衛生上クリーンなセンサシステムを提供することができる。
【0032】
次に、図5を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この場合はCPU13による判別の手法が異なるものである。
まず、ステップS11において、赤外線センサ素子7の出力信号が閾値Y(例えば、±200mmV)以上であるか否かが判別される。赤外線センサ素子7の出力信号が閾値Y(±200mmV)以上であると判別された場合には、ステップS12に移行する。そして、所定時間S(例えば、10秒)タイマーをスタートする。
【0033】
次に、ステップS13に移行する。このステップS13においては、所定時間S(10秒)以内に閾値Y(±200mmV)以上の到達回数がN1回(例えば、3回)以上有ったか否かを判別する。判別の結果、所定時間S(10秒)以内に閾値Y(±200mmV)以上の到達回数がN1回(3回)以上有ったと判別された場合には、ステップS14に移行する。ステップS14においては、閾値Y(±200mmV)以上の所定到達回数N2(例えば、3回)までにおいて、閾値に到達している時間を積分して、その積分時間がT(例えば、2秒)以上であるか否かを判別する。
【0034】
そして、閾値Y(±200mmV)以上の所定到達回数N2(3回)までの閾値到達積分時間がT(2秒)以上であると判別された場合には、ステップS15に移行する。そして、ステップS15において報知することになる。これに対して、ステップS11において、センサ出力信号が閾値Y(±200mmV)以上ではないと判別された場合、又はステップS13において、所定時間S(10秒)以内に閾値Y(±200mmV)以上の到達回数がN1回(3回)以上なかったと判別された場合、若しくはステップS14において、閾値Y(±200mmV)以上の所定到達回数N2(3回)までの閾値到達積分時間がT(2秒)以上ではないと判別された場合には、ステップS11に戻って同様の処理を繰り返すことになる。
【0035】
尚、上記閾値Y、所定時間S、到達回数N1、N2、閾値到達積分時間Tについては任意に設定することになる。但し、到達回数Nについては1回目の到達回数を含む。
【0036】
したがって、前記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができると共に、さらに誤検出を完全になくし検出精度を高めることができる。
【0037】
次に、図6を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。前記第1、第2の実施の形態の場合には、フレネルレンズとして単視野型のものを使用したが、この第3の実施の形態の場合には、分割視野型のものを使用する。すなわち、図6に示すように、水平方向に三分割されているフレネルレンズ109を使用するようにしている。上記フレネルレンズ109は分割部109aを水平方向に3個備えた構成になっている。
【0038】
すなわち、介護用ベッド1上で被介護者3が起き上った状態での水平方向への動きを検出することを目的としたものであり、水平方向に対して少ない視野で分割することにより検出精度、判別精度を向上させようとするものである。
因みに、垂直方向に関しては、被介護者3が起き上ったか否かを検出できればよく、したがって、水平方向のように分割する必要はない。
尚、分割数についてはこれを特に限定するものではないが、分割視野があまり多くなると判別解析処理が複雑になって困難になるので、例えば、2〜5の範囲で設定することが考えられる。
【0039】
したがって、前記第1、第2の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができると共に、水平方向に対して、検出精度、判別精度が高くなったことにより、被介護者3の離床や転倒・転落の危険性のある動きを的確に且つタイミング良く検出することができるものである。
【0040】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。前記第1〜第3の実施の形態の場合には、赤外線センサとして、薄膜センサ素子を用いた焦電型赤外線センサを使用した例を説明したが、この第4の実施の形態の場合には、バルク材を用いた焦電型赤外線センサを使用した例を示すものである。このバルクタイプの焦電型赤外線センサは図7に示すような構成になっている。まず、バルク材107aがあり、このバルク材107aの両面に電極107bと受光電極107cが設置されている。
図8は、バルクタイプの焦電型赤外線センサ素子の出力の例を示すものであり、
介護用ベッド1上で被介護者3が起き上がって離床しようとしている場合を示している。この場合でも、図3の判別解析処理によって離床を報知することが可能である。薄膜タイプの赤外線センサ素子の出力に比べると、応答速度が遅いために出力波形は緩慢であるが、バルクタイプの焦電型赤外線センサでも判別が可能である。
【0041】
尚、本発明は前記第1〜第4の実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記第1〜第4の実施の形態の場合には、被介護者3の介護用ベッド1からの離床や転倒・転落の危険性のある動きの検出に適用した例を挙げて説明したが、それに限定されるものではない。例えば、トイレや個室における被介護者3の動作の監視、その他介護施設内における被介護者3の様々な動作を監視して、危険な状況になることを事前に察知して介護者に報知することができるものである。
又、介護施設だけではなく、病院、知的障害者施設、在宅ケア、独居老人宅、高齢者向けマンションなどにおける様々な監視に対しても同様に適用可能である。
又、独居老人住宅や高齢者向けマンションにおいて、よく居る部屋(居間やベッドやトイレなど)に設置して、高齢者の動きを検出・解析処理することで、単発的な動きと一連の繋がった動きである人間活動的な動きを判別することができ、人間活動的な動きをしているか否かを検知できる。検知したデータは、ZigBeeやRFIDなどの無線通信でサーバーなどに記録し、その検知記録(例えば、検知回数)を1日一回、インターネットや携帯電話を介してホームヘルパーや管理者等に報知する。もしくは、1日動きがなかったら報知する。これによって高齢者が正常に生活しているか否かを知ることができる。
又、上記の離床センサシステムと圧力検知型マットセンサの組み合わせも想定される。その場合には離床センサシステムの検出・解析処理(人の動き)とマットセンサの検出(寝ている人の呼吸や脈拍などの状態の検出)により、被介護者の状態を詳細に、介護者に報知することができる。
又、上記の離床センサシステムとビーム型赤外線センサの組み合わせも想定される。離床センサシステムの検出・解析処理(人の動き)とビーム型赤外線センサの検出(人の存在)により、介護者に報知する。それによって、検出精度が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、被介護者動作検出装置と被介護者動作検出方法に係り、例えば、介護用ベッド上に横たわっている被介護者の離床や転倒・転落の危険性のある動きを的確に且つタイミング良く検出し、それによって、ベッドから転落・転倒してしまう事故を未然に防ぐことができるようにした装置及び方法に関し、例えば、介護用ベッドからの離床検出に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、被介護者動作検出装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2(a)は焦電型赤外線センサ及びそれに付随する制御部の構成を示すブロック図、図2(b)は薄膜を用いた焦電型赤外線センサ素子の断面図である。
【図3】本発明の第1、第4の実施の形態を示す図で、作用を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、焦電型赤外線センサによる実際の出力信号を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図で、作用を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す図で、水平方向分割視野型のフレネルレンズを示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す図で、バルク材を用いた焦電型赤外線センサ素子の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す図で、バルク材を用いた焦電型赤外線センサによる実際の出力信号を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 介護用ベッド
3 被介護者
5 焦電型赤外線センサ
7 赤外線センサ素子
9 フレネルレンズ
11 A/D変換器
13 CPU(中央演算処理器)
15 無線通信機



【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された所定の場所に設置され被介護者より出力される赤外線を検出する赤外線センサと、
上記赤外線センサに取り付けられたフレネルレンズと、
上記赤外線センサの出力信号を入力して予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別する被介護者動作判別手段と、
上記被介護者動作判別手段による判別に基づいて必要な場合に介護者に報知する報知手段と、
を具備したことを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記フレネルレンズは単視野型のものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項3】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記フレネルレンズは水平方向分割視野型のものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項4】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記被介護者動作判別手段は予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別するものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項5】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記被介護者動作判別手段は予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別し、予め設定された回数に達した場合において、設定された回数における閾値以上になった時間を積分しその積分時間が予め設定された時間に達したか否かを判別するものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項6】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
介護用ベッドからの被介護者の離床や転倒・転落の危険性のある動きを検出するものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項7】
請求項6記載の被介護者動作検出装置において、
上記赤外線センサは上記介護用ベッドの上方であって介護用ベッドの端から少し離れた場所に設置されていて、その高さは起き上がった時の被介護者の首から頭程度の高さであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項8】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記赤外線センサは焦電型赤外線センサであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項9】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記報知手段はZigBee又はRFIDによって報知するものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項10】
請求項1記載の被介護者動作検出装置において、
上記赤外線センサは金属シート上に薄膜を形成した薄膜センサ素子を使用したものであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項11】
請求項10記載の被介護者動作検出装置において、
上記赤外線センサは非鉛系であることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項12】
予め設定された所定の場所に設置されフレネルレンズを備えた赤外線センサによって被介護者より出力される赤外線を検出し、
上記赤外線センサの出力信号を予め設定されている閾値との関係で解析処理することにより上記被介護者の動きを判別し、
上記判別に基づいて必要な場合に介護者に報知するようにしたことを特徴とする被介護者動作検出方法。
【請求項13】
請求項12記載の被介護者動作検出方法において、
予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別するものであることを特徴とする被介護者動作検出方法。
【請求項14】
請求項12記載の被介護者動作検出方法において、
予め設定された時間内において上記赤外線センサからの出力信号が予め設定された閾値以上になった回数を計数してその計数した回数が予め設定された回数に達したか否かを判別し、予め設定された回数に達した場合において、設定された回数における閾値以上になった時間を積分しその積分時間が予め設定された時間に達したか否かを判別するものであることを特徴とする被介護者動作検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−77908(P2009−77908A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249212(P2007−249212)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(590002389)静岡県 (173)
【出願人】(507099066)株式会社オーエステクノロジー (5)
【出願人】(000154196)株式会社富士セラミックス (12)
【Fターム(参考)】