被検査基板、被検査基板の製造方法並びに欠陥検査装置
【課題】隣接するパターンと比較して、一致しない場合を不良として検出する方法が知られている。この方法を用いることで、拡大倍率の若干の誤差等の偽信号を抑制できる。しかし、この技術を用いるためには、同じパターンが繰り返された繰り返しパターンが要求される。そのため、アドレス番号等個別パターンを有するものには適用できず、上記した技術を用いることができるパターンは限られたものになるという課題があった。
【解決手段】アドレス番号部13(個別パターン)の情報を隣接するパターンと同形状の遮蔽層20で覆うことで個別情報を遮蔽し、繰り返しパターン14とアドレス番号部13とを合成した新たな繰り返しパターン14Aとして扱った。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥検出し得る被検査基板を提供可能とした。
【解決手段】アドレス番号部13(個別パターン)の情報を隣接するパターンと同形状の遮蔽層20で覆うことで個別情報を遮蔽し、繰り返しパターン14とアドレス番号部13とを合成した新たな繰り返しパターン14Aとして扱った。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥検出し得る被検査基板を提供可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査基板、被検査基板の製造方法並びに欠陥検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELと呼称する)基板や、液晶基板、メモリ基板等のパターンには、繰り返しパターンが用いられている領域があり、この繰り返しパターンの欠陥を検査する方法としては、特許文献1に記載されているように、隣接するパターンと比較して、一致しない場合を不良として検出する方法が知られている。この方法を用いることで、拡大倍率の若干の誤差や、位置ずれ、ピントのずれ等に起因する偽信号を抑制し、高い精度を持って欠陥検査を可能としている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−264464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す技術を用いるためには、同じパターンが繰り返された繰り返しパターンが要求される。そのため、たとえばリペアを行うためのアドレス番号や、寸法の一部を変えて電気的特性やエッチングの様子を調べるための、検査用パターン等を含む場合には適用することができず、上記した技術を用いることができるパターンは限られたものになるという課題がある。そのため、繰り返しパターンの検査範囲を拡張し得る被検査基板、当該被検査基板の製造方法、当該被検査基板の欠陥検査装置の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり以下の形態または適用例として実現することが可能である。ここで、「上」とは「被検査基板が有する2つの面に挟まれた領域から、繰り返しパターンが形成された面に向かう、被検査基板の法線方向」と定義する。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる被検査基板は、繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、光を照射して得られる反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を備えることを特徴とする。
【0007】
これによれば、個別パターンを覆う、隣接する個別パターンと揃えられた形状を有する遮蔽層と、繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥検出し得る被検査基板を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。なお、個別パターン情報は、被検査基板の裏側(遮蔽層が形成される面と反対側の面)から確認することで得ることが可能である。
【0008】
[適用例2]本適用例にかかる被検査基板は、繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、パターン認識を抑制し得る波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの情報に代えて遮蔽層のパターンとして認識される。個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥検出し得る被検査基板を提供することが可能となる。加えて、パターン認識を可能とせしめる波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの認識が可能となるため、個別パターン情報を容易に得ることが可能となる。
【0010】
[適用例3]本適用例にかかる被検査基板は、繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する干渉層を含む個別パターンと、を備え、前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層により構成されている。パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長を用い、閾値を適当に設定することで、個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能であるため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥を検出し得る被検査基板を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。加えて、パターン認識を可能とせしめる波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの認識が可能となるため、個別パターン情報を容易に得ることが可能となる。
【0012】
[適用例4]本適用例にかかる被検査基板の製造方法は、繰り返しパターンを製造する工程と、前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンを形成する工程と、前記個別パターンを覆う、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を形成する工程と、を備え、前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽するものであり、前記個別パターンよりも上層に位置する遮光性を有する領域と同時に形成されることを特徴とする。
【0013】
これによれば、遮光性を有する領域と同時に遮蔽層を形成するため、工程数を増やすことなく被検査基板を製造することが可能となる。
【0014】
[適用例5]本適用例にかかる欠陥検査装置は、繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を有するものであり、前記個別パターンの情報をマスクすることで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして扱うことで前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0015】
これによれば、個別パターンの情報は、遮蔽層により遮蔽される。そのため、個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う隣接する個別パターンと揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。
【0016】
このように、新たな繰り返しパターンとして個別パターンを含む被検査基板のパターンを認識し得る構成を備えることで、高速、高精度で欠陥検出を可能とする欠陥検査装置を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかる欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、前記被検査基板の裏面から個別パターン情報を検出することを特徴とする。
【0018】
上記した適用例によれば、欠陥が発生した領域の個別パターン情報を検出することが可能となる。欠陥は通常きわめて少ない頻度で検出されることから、個別パターン情報検出にかかる時間が多少長くかかっても検査に要する時間を短縮することが可能となる。
【0019】
[適用例7]本適用例にかかる欠陥検査装置は、繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に、前記繰り返しパターンに対応するように位置する個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像することで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして認識させた後、前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0020】
これによれば、パターン認識を抑制し得る波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの情報に代えて遮蔽層のパターンとして認識される。個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥を検出し得る欠陥検査装置を提供することが可能となる。
【0021】
[適用例8]本適用例にかかる欠陥検査装置は、繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する個別パターンと、を備え、前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像し、前記個別パターンの情報を遮蔽した領域を含めて新たな繰り返しパターンとして認識させて欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0022】
これによれば、個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層により構成されている。パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長を用い、閾値を適当に設定することで、個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能であるため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥を検出し得る欠陥検査装置を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかる欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長の光を照射し、個別パターン情報を検出することを特徴とする。
【0024】
上記した適用例によれば、パターン認識を可能とせしめる波長で被検査基板を観察した場合は、個別パターンの認識が可能となるため、個別パターン情報を容易に得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態:金属遮蔽層により個別パターンを埋めた被検査基板)
以下、本実施形態にかかる被検査基板について図面を用いて説明する。図1(a)は、個別パターンとしてのアドレス番号部を有するパターンを、薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極層(たとえばTi/Al/Tiの3層構造)に形成し、ゲート電極層よりも上層の金属配線層を用いてマスクした被検査基板の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A’線断面図である。本実施形態では、対角5インチ(12.7cm)程度の有機EL装置への適用について例示するが、これは液晶装置等、被検査基板1にガラス等光学的に透明な基板を用いるものに対して適用可能である。なお、画面サイズは一例を示すものであり、たとえばテレビ等への応用であれば、対角1mを越す場合もある。ここで、被検査基板1は、無アルカリガラス等を用いた基板30上に形成されている。典型的な例として被検査基板1の中央部には、画素19が並べられた表示領域11がある。そして表示領域11を囲うように番号領域12が配置されている。番号領域12には、点線で囲われた領域で示される繰り返しパターン14が配置されており、表示領域11の画素19に不良が発生した場合には、このアドレス番号部13に示されたアドレス番号を読み取り、このアドレス番号と関連がある領域を救済すべくリペア処理を行う。アドレス番号部13は、文字として認識できれば良いので、この部分を遮蔽して検査を行っても、実用上の問題は発生しない。
【0026】
本実施形態においては、アドレス番号部13は遮蔽層20により覆われており、アドレス番号部13は上から見て隠される形となり、欠陥検出を行う場合には、アドレス番号部13は隣接する別のアドレス番号部と同じパターンとして認識される。なお、遮蔽層20の厚みを薄くして、若干アドレス番号部13が見える状態としても適用可能である。この場合には、アドレス番号部13は薄く見えることとなるが、遮蔽層20の存在によりコントラスト比は低下する。そのため、後述する欠陥検査装置を用いる場合に、パターン有無を判定する閾値を調整することで、遮蔽層20の下に位置する領域を遮蔽層20により隠した状態として欠陥検査装置に認識させることが可能となる。
【0027】
そして、番号領域12を囲うように、回路領域15が備えられている。回路領域15と表示領域11とは、番号領域12を介して接続されており、番号領域12のアドレス番号部13に対応させて回路領域15と表示領域11との接続部位を変えることでリペア処理が行えるよう構成されている。図1(a)の吹き出し部は、番号領域12のパターンを拡大したものを記載している。番号領域12には、たとえばソース線16とゲート線17とが位置しており、表示領域11に位置する画素19のパターンの端部を安定した状態に保つためのダミー画素18が配置されている。ダミー画素18を配置することで表示領域11の端に位置する画素19に発生する、フォトレジストパターンを形成すべく行われる露光工程やエッチング工程等でのパターン不連続性に起因する不良の発生が抑制できる。そして、ソース線16とゲート線17は協働して表示すべき画素19を選択する機能を有している。
【0028】
なお、図1(a)では、遮蔽層20の下側に位置する番号領域12が透けて見えているが、これは説明を行う都合上このように記載したものであり、実際には遮蔽層20により遮蔽されている。なお、後述するように、遮蔽層20を通して若干アドレス番号部13が見える状態とした場合には、図1(a)で示したように認識される。
【0029】
次に、図1(b)を用いて被検査基板1の断面構造について説明する。アドレス番号部13は、たとえばゲート電極層(たとえばTi/Al/Tiの3層構造)に用いられる金属配線を用いて形成される。アドレス番号部13は、文字として認識できれば良い。そのため、繰り返しパターン14と異なり、詳細な検査を行う必要がなく、この部分を除いて検査しても障害は生じない。
【0030】
そして、アドレス番号部13は、酸窒化珪素等を含む第1層間絶縁層31により覆われる。
【0031】
そして、第1層間絶縁層31上には、ソース線16が形成されており、図1(a)に示す回路領域15と表示領域11とを電気的に接続している。そしてソース線16は、アクリル樹脂等を用いた平坦化層としても機能する第2層間絶縁層32によって覆われる。
【0032】
第2層間絶縁層32上には、画素19を電気的に駆動すると共に、アルミニウムにネオジムを添加した合金(以下AlNdと呼称する)等の光を反射する材質を含む金属を用いた遮蔽層20により覆われる。このようにアドレス番号部13、遮蔽層20を構成することで、アドレス番号部13は、上側から見た場合には隣接する当該領域と同じ形状の遮蔽層20によりマスクされる。そのため上側から見た場合、繰り返しパターン14の一部として認識される。そして、下側(裏面側)から見た場合、アドレス番号部13を認識することが可能となる。そして、第3層間絶縁層33により遮蔽層20は覆われる。第3層間絶縁層33で覆うことで、外部からの水分の浸入は防止される。
【0033】
上記した構成を用いることで、遮蔽層20と繰り返しパターン14のORを取った形状を、ハッチングされた領域として示される新しい繰り返しパターン14Aとして扱うことが可能となる。繰り返しパターン14Aを採用することで、高速、高精度で欠陥検出が可能となる。よって、量産性に優れた被検査基板1を提供することが可能となる。
【0034】
上記した例では、アドレス番号部13を遮蔽層20により覆うことで、新しい繰り返しパターン14Aとして認識させる場合について説明したが、これはアドレス番号部13に限定されるものではなく、例えば一部のパターン長を変えて電気的特性やパターン形状の変化を調べるための測定用パターンや、別途分析を行うための検査パターンを遮蔽層20の下側に配置しても良い。遮蔽層20よりも下層に位置する構造体の情報は遮蔽層20により隠されるため、任意のパターンを用いることが可能である。なお、測定用パターンや検査パターンに異常が生じた場合でも、製品としての被検査基板1の不良とは関連しないため、この部分を除いて検査しても障害は生じない。
【0035】
ここで、これらのパターンは、アドレス番号部13と遮蔽層20との間の層に設けられることが好ましく、この場合にはアドレス番号を被検査基板1の裏面から読み出すことが可能となる。また、アドレス番号部13よりも下層で測定用パターンや検査パターンを設ける場合には、アドレス番号部13が被検査基板1の裏面から認識できるようアドレス番号部13の領域を空けてパターン形成されていることが好ましい。
【0036】
また、遮蔽層20の厚みを薄くして、若干アドレス番号部13が見える状態とした場合には、被検査基板1の表面(「上」側)から認識させることが可能となり、不透明基板上に対しての応用が可能となる。そのため、シリコン基板(不透明基板)を用いたメモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等のデバイスに対しても適用可能となる。
ここで、本実施形態では矩形の島状パターンにした遮蔽層20を用いた場合について説明したが、これは、アドレス番号部13を覆い、繰り返しパターン14の少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を用いても良い。
【0037】
(第2の実施形態:干渉層により個別パターンを覆った被検査基板)
以下、本実施形態にかかる被検査基板について図面を用いて説明する。本実施形態は第1の実施形態と共通する部分があるため、その部分については説明を省略し、重複を避ける。図2(a)は、アドレス番号部を下層に形成し、上層の干渉層を用いてマスクした被検査基板の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A’線断面図である。第1の実施形態との相違点は、遮蔽層21として上層の金属配線層を用いた遮蔽層20に代えて、光反射率に波長依存性がある干渉層を用いた点である。
【0038】
干渉層を用いた遮蔽層21は、第2層間絶縁層32上に、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層21A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層21B、ITO(インジウム・錫・酸化物)を用いた層厚120nmmの第3干渉層21Cとで構成される。遮蔽層21は、600nm程度の波長を有する光を反射し、500nm程度の波長を有する光を透過させる。波長600nm程度の光を用いた場合、第1の実施形態同様、遮蔽層21と繰り返しパターン14のORを取った形状を新しい繰り返しパターン14Aとして扱うことが可能となる。繰り返しパターン14Aを採用することで、高速、高精度で欠陥検出が可能であり、量産性に優れた被検査基板1を提供することが可能となる。加えて、本実施形態では500nm程度の波長を有する光を透過させてアドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、アドレス番号部13を表面側(「上」側)から認識することが可能となり、不透明基板に対しての応用が可能となる。そのため、シリコン基板(不透明基板)を用いたメモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等のデバイスに対しても適用可能である。
【0039】
上記した例では、アドレス番号部13を遮蔽層21により覆うことで、新しい繰り返しパターン14Aとして認識させる場合について説明したが、これはアドレス番号部13に限定されるものではなく、例えば一部のパターン長を変えて電気的特性やパターン形状の変化を調べるための測定用パターンや、別途分析を行うための検査パターンを遮蔽層21の下側に配置しても良い。遮蔽層21よりも下層に位置する構造体の情報は遮蔽層21により隠されるため、任意のパターンを用いることが可能である。ここで、本実施形態では矩形の島状パターンにした遮蔽層21を用いた場合について説明したが、これは、アドレス番号部13を覆い、繰り返しパターン14の少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を用いても良い。
【0040】
(第3の実施形態:干渉層により個別パターンを形成した被検査基板)
以下、本実施形態にかかる被検査基板について図面を用いて説明する。本実施形態は第1の実施形態と共通する部分があるため、その部分については説明を省略し、重複を避ける。図3(a)は、干渉層を用いてアドレス番号部を構成した被検査基板の平面図、図3(b)は、図3(a)のA−A’線断面図である。第1の実施形態との相違点は、遮蔽層20(図1(a)参照)を用いずに、アドレス番号部13を光反射率に波長依存性がある干渉層を用いて形成した点である。
【0041】
干渉層を用いたアドレス番号部13は、第2層間絶縁層32上に、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層21A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層21B、ITOを用いた層厚120nmmの第3干渉層21Cとで構成される。アドレス番号部13は、600nm程度の波長を有する光を反射し、500nm程度の波長を有する光を透過させる。波長500nm程度の光を用いた場合、アドレス番号部13の情報を除いたものを新しい繰り返しパターン14Aとして扱うことが可能となる。繰り返しパターン14Aを採用することで、高速、高精度で欠陥検出が可能であり、量産性に優れた被検査基板1を提供することが可能となる。加えて、本実施形態では波長600nm程度の光を反射させて、アドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、アドレス番号部13を表面側(「上」側)から認識することが可能となり、不透明基板上に対しての応用が可能となる。そのため、シリコン基板(不透明基板)を用いたメモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等のデバイスに対しても適用可能となる。
【0042】
(第4の実施形態:被検査基板の製造方法)
以下、本実施形態にかかる被検査基板の製造方法について図面を用いて説明する。図4(a)〜(c)は、本実施形態にかかる製造工程を示す工程断面図、図5(a)、(b)は、本実施形態にかかる製造工程を示す平面図である。
【0043】
まず、工程1として、ガラスやプラスチックを用いてなる基板50上に、TFT51(図4(b)参照)を構成する半導体層やゲート絶縁層等を形成し、続けてゲート電極前駆体52Aを形成する。次に、工程2として、ゲート電極前駆体52A上にパターニングしたフォトレジスト層53を形成する。ここまでの工程を終えた工程断面図を図4(a)に示す。また、平面図を図5(a)に示す。図5(a)に示すように、フォトレジスト層53をマスクとしてエッチングすることで、ゲート電極52と同時にアドレス番号部54を形成することができる。そのため、アドレス番号部54を別工程で形成する必要がなくなり、製造工程を短縮することが可能となる。
【0044】
次に、工程3として、フォトレジスト層53をマスクとしてゲート電極前駆体52Aをエッチングした後、フォトレジスト層53を除去する。
【0045】
次に、工程4として、第1層間絶縁層55を形成し、コンタクトホールを開口した後ドレイン・ソース金属層56を形成する。そして、ドレイン・ソース金属層56をアクリル樹脂等を用いた平坦化層としても機能する第2層間絶縁層57によって覆う。
【0046】
次に、工程5として、ネオジムを添加したアルミニウム層をスパッタ法等により形成し、有機EL層62(図4(c)参照)から基板50側に向けて発光した光を基板50と反対側に反射させる反射層58と、遮蔽層59の部分を残してフォトリソグラフ・エッチング工程を行うことで光を反射させる反射層58と、遮蔽層59を同時に形成する。ここまでの工程を終えた工程断面図を図4(b)に示す。また、平面図を図5(b)に示す。なお、図5(b)では説明のため、アドレス番号部54が透過されるように記載しているが、本実施形態では、このアドレス番号部54は遮蔽層59により遮蔽され、視認できぬよう形成されている。ここで、遮蔽層59に半透過性を与えることで、アドレス番号部54のコントラストを低下させるようにしても良い。この場合には、図5(b)のように視認できる状態となる。
【0047】
次に、工程6として、コンタクトホールを開口し、窒化珪素層60を堆積する。そして、次に、工程7として、ドレイン・ソース金属層56がある領域の窒化珪素層60をエッチング除去し、マグネシウム−銀合金を30nm程度に積層して陽極61を形成する。窒化珪素層60は、陽極61と反射層58(遮蔽層59)とを物理的に離し、両金属が直接接触した場合に発生する電蝕を防ぐ層として形成される。
【0048】
次に、工程8として、第2層間絶縁層65を形成し、コンタクトホールを空けて陽極61の一部を露出させる。次に、有機EL層62を形成し、共通陰極63を形成した後、複層構造を有する第3層間絶縁層64を形成し、被検査基板70が形成される。ここまでの工程を終えた工程断面図を図4(c)に示す。本実施形態を用いて被検査基板70を形成することで、工程数を増やすことなくアドレス番号部54と遮蔽層59とを形成することが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、有機EL素子を形成する工程について説明したが、これは液晶素子を形成する工程に対しても対応可能である。
【0050】
(変形例:第4の実施形態)
以下、第4の実施形態についての変形例について図面を用いて説明する。図6(a)、(b)は第4の実施形態における変形例を説明するための断面図である。ここで、工程4までは、同じ工程を用いる。次に、工程5Aとして、ネオジムを添加したアルミニウム層をスパッタ法等により形成し、フォトリソグラフ・エッチング工程を行うことで、反射層58を形成する。次に、再びネオジムを添加したアルミニウム層を、厚さ10nm程度にスパッタ法等を用いて形成し、フォトリソグラフ・エッチング工程を行うことで第1干渉層71Aを形成する。この工程を終えた工程断面図を図6(a)に示す。次に、工程6を行う。ただし、工程6で積層する窒化珪素層60の厚さは50nmに制御する。工程6を行うことで、窒化珪素層60の第1干渉層71A上には、第2干渉層71Bが形成される。
【0051】
次に、工程7Aとして、70nm程度の厚さを有するITO層を形成し、第1干渉層71Aと重なる部分にITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。
【0052】
次に、工程7Bとして、50nm程度の厚さを有するITO層を形成し、反射層58上の領域と、第1干渉層71Aの部分のITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。工程7A、工程7Bを行うことで、第3干渉層71Cが形成される。次に、工程8を行うことで、被検査基板70Aが形成される。この工程を終えた工程断面図を図6(b)に示す。
【0053】
この場合、遮蔽層71は、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層71A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層71B、ITOを用いた層厚120nmmの第3干渉層71Cとで構成される。
【0054】
また、別の変形例について、図面を用いて説明する。図7(a)、(b)は、第4の実施形態における別の変形例を説明するための断面図である。まず、工程1Aを行う。工程1とは、アドレス番号部54(図4(b)参照)を形成しないことで異なっている。
【0055】
次に、工程2〜4を行う。次に工程5Bとして、ネオジムを添加したアルミニウム層をスパッタ法等により形成し、フォトリソグラフ・エッチング工程を行う。工程5Aと異なる点は、第1干渉層71Aがアドレス番号部54の一部として機能する点である。この工程を終えた工程断面図を図7(a)に示す。次に工程6を行う。ただし、工程6で積層する窒化珪素層60の厚さは50nmに制御する。
【0056】
次に、工程7Aとして、70nm程度の厚さを有するITO層を形成し、第1干渉層71Aと重なる部分にITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。
【0057】
次に、工程7Bとして、50nm程度の厚さを有するITO層を形成し、反射層58上の領域と、第1干渉層71Aの部分のITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。次に、工程8を行うことで、被検査基板70Bが形成される。この工程を終えた工程断面図を図7(b)に示す。
【0058】
この場合、アドレス番号部54は、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層71A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層71B、ITOを用いた層厚120nmmの第3干渉層71Cとで構成される。
【0059】
(第5の実施形態:金属マスクにより個別パターンを埋めた被検査基板を調べる欠陥検査装置)
以下、本実施形態にかかる欠陥検査装置について図面を用いて説明する。図8は、本実施形態にかかる欠陥検査装置100を示す模式図であり、図9は、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートである。欠陥検査装置100は、被検査基板1を繰り返しパターン14(図1(a)参照)のピッチに合わせて送るステージ101、被検査基板1の繰り返しパターン14を撮像する撮像装置102、撮像装置102により撮影された情報を記憶する記憶装置103、記憶装置103に蓄えられたパターン情報と、繰り返しパターン14(図1(a)参照)とを重ね合わせる演算を行い、繰り返しパターン14の欠陥情報を出力するCPU104と、被検査基板1に光を照射する光源105と、被検査基板1を裏面から観察する裏面撮像装置106と、を有している。
【0060】
まず、ステップ1(S1)として、繰り返しパターン14を検出して、繰り返しパターン14の起点に焦点を合わせる。これは、被検査基板1に配置された図示せぬアライメントマーク等を用いて自動測定し位置合わせを行い、焦点を合わせることで対応できるが、CPU104が備える画面を参照して合わせても良い。
【0061】
次に、ステップ2(S2)として、繰り返しパターン14と、遮蔽層20(図1(a)参照)とを合わせて繰り返しパターン14Aとして認識させ、記憶装置103に記憶させる。この際に、アドレス番号部13の信号を遮蔽層20の信号でマスクするようコントラストを調整する。この工程はCPU104が自動的に実行できるよう事前にコントラストの閾値を設定しておくことが好ましい。
【0062】
次に、ステップ3(S3)として、ステージ101を繰り返しパターン14Aのピッチ分だけ送り、被検査基板1の位置をずらし、繰り返しパターン14Aと、次の繰り返しパターン14Aとの形状を比較する。この場合に、若干の位置ずれ、拡大倍率の変動等をCPU104により補正して比較することが好ましい。ここで、繰り返しパターン14Aとして、記憶装置103に記憶された最初のパターンを用い続けても良いが、順次更新する、あるいは積算していく等の処理をしても良い。
【0063】
そして、ステップ4(S4)として、良否判定を行う。ここで、繰り返しパターン14Aに不良が見つかった場合には、ステップ5(S5)として、ステージ101側(被検査基板1の裏面側)から裏面撮像装置106によりアドレス番号を読み取り、アドレス番号を記憶装置103に記憶させる。そして、ステップ6(S6)として、繰り返しパターン14Aのパターン終了を検知したところで終了する。
【0064】
(第6の実施形態:干渉層により個別パターンを形成した被検査基板を調べる欠陥検査装置)
以下、本実施形態にかかる欠陥検査装置について図面を用いて説明する。図10は、本実施形態にかかる欠陥検査装置100を示す模式図であり、図11は、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートである。第5の実施形態との相違点は、裏面撮像装置106を含まないことと、光源105に代えて照射波長の変更が可能な光源105Aを用いている点である。
【0065】
まず、ステップ1(S1)として、光源105Aの波長を、干渉層を用いた遮蔽層20が反射する光の波長に合わせて照射し、繰り返しパターン14に焦点を合わせる。これは、被検査基板1に配置された図示せぬアライメントマーク等を用いて自動測定し位置合わせを行い、焦点を合わせることで対応できるが、CPU104が備える画面を参照して合わせても良い。
【0066】
次に、ステップ2(S2)として、繰り返しパターン14と、遮蔽層20(図1(a)参照)とを合わせて繰り返しパターン14Aとして認識させ、記憶装置103に記憶させる。この際に、アドレス番号部13の信号を遮蔽層20の信号でマスクするようコントラストを調整する。この工程はCPU104が自動的に実行できるよう事前にコントラストの閾値を設定しておくことが好ましい。
【0067】
次に、ステップ3(S3)として、ステージ101を繰り返しパターン14Aのピッチ分だけ送る。次に、ステップ4(S4)として、被検査基板1の位置をずらし、繰り返しパターン14Aと、次の繰り返しパターン14Aとの形状を比較する。この場合に、若干の位置ずれ、拡大倍率の変動等をCPU104により補正して比較することが好ましい。ここで、繰り返しパターン14Aとして、記憶装置103に記憶された最初のパターンを用い続けても良いが、順次更新する、あるいは積算していく等の処理をしても良い。
【0068】
そして、良否判定を行う。ここで、繰り返しパターン14Aに不良が見つかった場合にはステップ5(S5)として、光源105Aからの照射光波長を遮蔽層20を透過する波長に切り替えてアドレス番号を読み取り、アドレス番号を記憶装置103に記憶させる。
【0069】
そして、ステップ6(S6)として、繰り返しパターン14Aのパターンが終了したところで終了する。この場合、遮蔽層20を透過する光を照射することでアドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、不透明基板上に形成されたパターンに対しても有効であり、メモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等、シリコン基板を用いたデバイスに対しても適用可能となる。
【0070】
(第7の実施形態:干渉層により個別パターンを形成した被検査基板を調べる欠陥検査装置)
以下、本実施形態にかかる欠陥検査装置について図面を用いて説明する。欠陥検査装置100は図10と同じ構成を有しており、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートが異なっている。図12は、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートである。まず、ステップ1(S1)として、光源105Aの波長を、干渉層を用いたアドレス番号部13が透過する光の波長に合わせて照射し、繰り返しパターン14に焦点を合わせる。これは、被検査基板1に配置された図示せぬアライメントマーク等を用いて自動測定し位置合わせを行い、焦点を合わせることで対応できるが、CPU104が備える画面を参照して合わせても良い。
【0071】
次に、ステップ2(S2)として、繰り返しパターン14と、干渉層を用いたアドレス番号部13の領域(透明となり見えなくなっている)とを合わせて繰り返しパターン14Aとして認識させ、記憶装置103に記憶させる。この際に、アドレス番号部13の信号を透明なものとして認識されるようコントラストを調整する。この工程はCPU104が自動的に実行できるよう事前にコントラストの閾値を設定しておくことが好ましい。
【0072】
次に、ステップ3(S3)として、ステージ101を繰り返しパターン14Aのピッチ分だけ送り、被検査基板1の位置をずらし、繰り返しパターン14Aと、次の繰り返しパターン14Aとの形状を比較する。この場合に、若干の位置ずれ、拡大倍率の変動等をCPU104により補正して比較することが好ましい。ここで、繰り返しパターン14Aとして、記憶装置103に記憶された最初のパターンを用い続けても良いが、順次更新する、あるいは積算していく等の処理をしても良い。
【0073】
そして、ステップ4(S4)として、良否判定を行う。ここで、繰り返しパターン14Aに不良が見つかった場合には、ステップ5(S5)として光源105Aからの照射光波長を、干渉層を用いたアドレス番号部13が反射する波長に切り替え、アドレス番号部13を読み取り、アドレス番号を記憶装置103に記憶させる。
【0074】
そして、ステップ6(S6)として、繰り返しパターン14Aのパターンが終了したところで終了する。この場合、アドレス番号部13が反射する光を照射することで、アドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、不透明基板上に形成されたパターンに対しても有効であり、メモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等、シリコン基板を用いたデバイスに対しても適用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は、アドレス番号部を上層の金属配線層を用いてマスクした被検査基板の平面図、(b)は、図1(a)のA−A’線断面図。
【図2】(a)は、アドレス番号部を上層の干渉層を用いてマスクした被検査基板の平面図、(b)は、図2(a)のA−A’線断面図。
【図3】(a)は、干渉層を用いてアドレス番号部を構成した被検査基板の平面図、(b)は、図3(a)のA−A’線断面図。
【図4】(a)〜(c)は、第4の実施形態にかかる製造工程を示す工程断面図。
【図5】(a)、(b)は、第4の実施形態にかかる製造工程を示す平面図。
【図6】(a)、(b)は、第4の実施形態における変形例を説明するための断面図。
【図7】(a)、(b)は、第4の実施形態における別の変形例を説明するための断面図。
【図8】第5の実施形態にかかる欠陥検査装置を示す模式図。
【図9】欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行うためのフローチャート。
【図10】第6の実施形態にかかる欠陥検査装置を示す模式図。
【図11】欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行うためのフローチャート。
【図12】欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行うためのフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
1…被検査基板、11…表示領域、12…番号領域、13…アドレス番号部、14…繰り返しパターン、14A…繰り返しパターン、15…回路領域、16…ソース線、17…ゲート線、18…ダミー画素、19…画素、20…遮蔽層、21…遮蔽層、21A…第1干渉層、21B…第2干渉層、21C…第3干渉層、30…基板、31…第1層間絶縁層、32…第2層間絶縁層、33…第3層間絶縁層、50…基板、51…TFT、52…ゲート電極、52A…ゲート電極前駆体、53…フォトレジスト層、54…アドレス番号部、55…第1層間絶縁層、56…ドレイン・ソース金属層、57…第2層間絶縁層、58…反射層、59…遮蔽層、60…窒化珪素層、61…陽極、62…有機EL層、63…共通陰極、64…第3層間絶縁層、65…第2層間絶縁層、70…被検査基板、70A…被検査基板、70B…被検査基板、71…遮蔽層、71A…第1干渉層、71B…第2干渉層、71C…第3干渉層、100…欠陥検査装置、101…ステージ、102…撮像装置、103…記憶装置、104…CPU、105…光源、105A…光源、106…裏面撮像装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査基板、被検査基板の製造方法並びに欠陥検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELと呼称する)基板や、液晶基板、メモリ基板等のパターンには、繰り返しパターンが用いられている領域があり、この繰り返しパターンの欠陥を検査する方法としては、特許文献1に記載されているように、隣接するパターンと比較して、一致しない場合を不良として検出する方法が知られている。この方法を用いることで、拡大倍率の若干の誤差や、位置ずれ、ピントのずれ等に起因する偽信号を抑制し、高い精度を持って欠陥検査を可能としている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−264464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す技術を用いるためには、同じパターンが繰り返された繰り返しパターンが要求される。そのため、たとえばリペアを行うためのアドレス番号や、寸法の一部を変えて電気的特性やエッチングの様子を調べるための、検査用パターン等を含む場合には適用することができず、上記した技術を用いることができるパターンは限られたものになるという課題がある。そのため、繰り返しパターンの検査範囲を拡張し得る被検査基板、当該被検査基板の製造方法、当該被検査基板の欠陥検査装置の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり以下の形態または適用例として実現することが可能である。ここで、「上」とは「被検査基板が有する2つの面に挟まれた領域から、繰り返しパターンが形成された面に向かう、被検査基板の法線方向」と定義する。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる被検査基板は、繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、光を照射して得られる反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を備えることを特徴とする。
【0007】
これによれば、個別パターンを覆う、隣接する個別パターンと揃えられた形状を有する遮蔽層と、繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥検出し得る被検査基板を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。なお、個別パターン情報は、被検査基板の裏側(遮蔽層が形成される面と反対側の面)から確認することで得ることが可能である。
【0008】
[適用例2]本適用例にかかる被検査基板は、繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、パターン認識を抑制し得る波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの情報に代えて遮蔽層のパターンとして認識される。個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥検出し得る被検査基板を提供することが可能となる。加えて、パターン認識を可能とせしめる波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの認識が可能となるため、個別パターン情報を容易に得ることが可能となる。
【0010】
[適用例3]本適用例にかかる被検査基板は、繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する干渉層を含む個別パターンと、を備え、前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層により構成されている。パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長を用い、閾値を適当に設定することで、個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能であるため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥を検出し得る被検査基板を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。加えて、パターン認識を可能とせしめる波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの認識が可能となるため、個別パターン情報を容易に得ることが可能となる。
【0012】
[適用例4]本適用例にかかる被検査基板の製造方法は、繰り返しパターンを製造する工程と、前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンを形成する工程と、前記個別パターンを覆う、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を形成する工程と、を備え、前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽するものであり、前記個別パターンよりも上層に位置する遮光性を有する領域と同時に形成されることを特徴とする。
【0013】
これによれば、遮光性を有する領域と同時に遮蔽層を形成するため、工程数を増やすことなく被検査基板を製造することが可能となる。
【0014】
[適用例5]本適用例にかかる欠陥検査装置は、繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を有するものであり、前記個別パターンの情報をマスクすることで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして扱うことで前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0015】
これによれば、個別パターンの情報は、遮蔽層により遮蔽される。そのため、個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う隣接する個別パターンと揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。
【0016】
このように、新たな繰り返しパターンとして個別パターンを含む被検査基板のパターンを認識し得る構成を備えることで、高速、高精度で欠陥検出を可能とする欠陥検査装置を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかる欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、前記被検査基板の裏面から個別パターン情報を検出することを特徴とする。
【0018】
上記した適用例によれば、欠陥が発生した領域の個別パターン情報を検出することが可能となる。欠陥は通常きわめて少ない頻度で検出されることから、個別パターン情報検出にかかる時間が多少長くかかっても検査に要する時間を短縮することが可能となる。
【0019】
[適用例7]本適用例にかかる欠陥検査装置は、繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に、前記繰り返しパターンに対応するように位置する個別パターンと、前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像することで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして認識させた後、前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0020】
これによれば、パターン認識を抑制し得る波長で被検査基板を観察した場合には、個別パターンの情報に代えて遮蔽層のパターンとして認識される。個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能である。そのため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥を検出し得る欠陥検査装置を提供することが可能となる。
【0021】
[適用例8]本適用例にかかる欠陥検査装置は、繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する個別パターンと、を備え、前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像し、前記個別パターンの情報を遮蔽した領域を含めて新たな繰り返しパターンとして認識させて欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0022】
これによれば、個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層により構成されている。パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長を用い、閾値を適当に設定することで、個別パターンの情報に代えて、個別パターンを覆う互いに揃えられた形状を有する遮蔽層のパターンと繰り返しパターンとを合成して新たな繰り返しパターンとして扱うことが可能となる。繰り返しパターンは、高速、高精度で欠陥検出が可能であるため、個別パターンを内包するパターンに対しても高速、高精度に欠陥を検出し得る欠陥検査装置を提供することが可能となる。この場合、個別パターンについては検査がなされないが、個別パターンに要求されるパターン精度が低いため支障はない。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかる欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長の光を照射し、個別パターン情報を検出することを特徴とする。
【0024】
上記した適用例によれば、パターン認識を可能とせしめる波長で被検査基板を観察した場合は、個別パターンの認識が可能となるため、個別パターン情報を容易に得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態:金属遮蔽層により個別パターンを埋めた被検査基板)
以下、本実施形態にかかる被検査基板について図面を用いて説明する。図1(a)は、個別パターンとしてのアドレス番号部を有するパターンを、薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極層(たとえばTi/Al/Tiの3層構造)に形成し、ゲート電極層よりも上層の金属配線層を用いてマスクした被検査基板の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A’線断面図である。本実施形態では、対角5インチ(12.7cm)程度の有機EL装置への適用について例示するが、これは液晶装置等、被検査基板1にガラス等光学的に透明な基板を用いるものに対して適用可能である。なお、画面サイズは一例を示すものであり、たとえばテレビ等への応用であれば、対角1mを越す場合もある。ここで、被検査基板1は、無アルカリガラス等を用いた基板30上に形成されている。典型的な例として被検査基板1の中央部には、画素19が並べられた表示領域11がある。そして表示領域11を囲うように番号領域12が配置されている。番号領域12には、点線で囲われた領域で示される繰り返しパターン14が配置されており、表示領域11の画素19に不良が発生した場合には、このアドレス番号部13に示されたアドレス番号を読み取り、このアドレス番号と関連がある領域を救済すべくリペア処理を行う。アドレス番号部13は、文字として認識できれば良いので、この部分を遮蔽して検査を行っても、実用上の問題は発生しない。
【0026】
本実施形態においては、アドレス番号部13は遮蔽層20により覆われており、アドレス番号部13は上から見て隠される形となり、欠陥検出を行う場合には、アドレス番号部13は隣接する別のアドレス番号部と同じパターンとして認識される。なお、遮蔽層20の厚みを薄くして、若干アドレス番号部13が見える状態としても適用可能である。この場合には、アドレス番号部13は薄く見えることとなるが、遮蔽層20の存在によりコントラスト比は低下する。そのため、後述する欠陥検査装置を用いる場合に、パターン有無を判定する閾値を調整することで、遮蔽層20の下に位置する領域を遮蔽層20により隠した状態として欠陥検査装置に認識させることが可能となる。
【0027】
そして、番号領域12を囲うように、回路領域15が備えられている。回路領域15と表示領域11とは、番号領域12を介して接続されており、番号領域12のアドレス番号部13に対応させて回路領域15と表示領域11との接続部位を変えることでリペア処理が行えるよう構成されている。図1(a)の吹き出し部は、番号領域12のパターンを拡大したものを記載している。番号領域12には、たとえばソース線16とゲート線17とが位置しており、表示領域11に位置する画素19のパターンの端部を安定した状態に保つためのダミー画素18が配置されている。ダミー画素18を配置することで表示領域11の端に位置する画素19に発生する、フォトレジストパターンを形成すべく行われる露光工程やエッチング工程等でのパターン不連続性に起因する不良の発生が抑制できる。そして、ソース線16とゲート線17は協働して表示すべき画素19を選択する機能を有している。
【0028】
なお、図1(a)では、遮蔽層20の下側に位置する番号領域12が透けて見えているが、これは説明を行う都合上このように記載したものであり、実際には遮蔽層20により遮蔽されている。なお、後述するように、遮蔽層20を通して若干アドレス番号部13が見える状態とした場合には、図1(a)で示したように認識される。
【0029】
次に、図1(b)を用いて被検査基板1の断面構造について説明する。アドレス番号部13は、たとえばゲート電極層(たとえばTi/Al/Tiの3層構造)に用いられる金属配線を用いて形成される。アドレス番号部13は、文字として認識できれば良い。そのため、繰り返しパターン14と異なり、詳細な検査を行う必要がなく、この部分を除いて検査しても障害は生じない。
【0030】
そして、アドレス番号部13は、酸窒化珪素等を含む第1層間絶縁層31により覆われる。
【0031】
そして、第1層間絶縁層31上には、ソース線16が形成されており、図1(a)に示す回路領域15と表示領域11とを電気的に接続している。そしてソース線16は、アクリル樹脂等を用いた平坦化層としても機能する第2層間絶縁層32によって覆われる。
【0032】
第2層間絶縁層32上には、画素19を電気的に駆動すると共に、アルミニウムにネオジムを添加した合金(以下AlNdと呼称する)等の光を反射する材質を含む金属を用いた遮蔽層20により覆われる。このようにアドレス番号部13、遮蔽層20を構成することで、アドレス番号部13は、上側から見た場合には隣接する当該領域と同じ形状の遮蔽層20によりマスクされる。そのため上側から見た場合、繰り返しパターン14の一部として認識される。そして、下側(裏面側)から見た場合、アドレス番号部13を認識することが可能となる。そして、第3層間絶縁層33により遮蔽層20は覆われる。第3層間絶縁層33で覆うことで、外部からの水分の浸入は防止される。
【0033】
上記した構成を用いることで、遮蔽層20と繰り返しパターン14のORを取った形状を、ハッチングされた領域として示される新しい繰り返しパターン14Aとして扱うことが可能となる。繰り返しパターン14Aを採用することで、高速、高精度で欠陥検出が可能となる。よって、量産性に優れた被検査基板1を提供することが可能となる。
【0034】
上記した例では、アドレス番号部13を遮蔽層20により覆うことで、新しい繰り返しパターン14Aとして認識させる場合について説明したが、これはアドレス番号部13に限定されるものではなく、例えば一部のパターン長を変えて電気的特性やパターン形状の変化を調べるための測定用パターンや、別途分析を行うための検査パターンを遮蔽層20の下側に配置しても良い。遮蔽層20よりも下層に位置する構造体の情報は遮蔽層20により隠されるため、任意のパターンを用いることが可能である。なお、測定用パターンや検査パターンに異常が生じた場合でも、製品としての被検査基板1の不良とは関連しないため、この部分を除いて検査しても障害は生じない。
【0035】
ここで、これらのパターンは、アドレス番号部13と遮蔽層20との間の層に設けられることが好ましく、この場合にはアドレス番号を被検査基板1の裏面から読み出すことが可能となる。また、アドレス番号部13よりも下層で測定用パターンや検査パターンを設ける場合には、アドレス番号部13が被検査基板1の裏面から認識できるようアドレス番号部13の領域を空けてパターン形成されていることが好ましい。
【0036】
また、遮蔽層20の厚みを薄くして、若干アドレス番号部13が見える状態とした場合には、被検査基板1の表面(「上」側)から認識させることが可能となり、不透明基板上に対しての応用が可能となる。そのため、シリコン基板(不透明基板)を用いたメモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等のデバイスに対しても適用可能となる。
ここで、本実施形態では矩形の島状パターンにした遮蔽層20を用いた場合について説明したが、これは、アドレス番号部13を覆い、繰り返しパターン14の少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を用いても良い。
【0037】
(第2の実施形態:干渉層により個別パターンを覆った被検査基板)
以下、本実施形態にかかる被検査基板について図面を用いて説明する。本実施形態は第1の実施形態と共通する部分があるため、その部分については説明を省略し、重複を避ける。図2(a)は、アドレス番号部を下層に形成し、上層の干渉層を用いてマスクした被検査基板の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A’線断面図である。第1の実施形態との相違点は、遮蔽層21として上層の金属配線層を用いた遮蔽層20に代えて、光反射率に波長依存性がある干渉層を用いた点である。
【0038】
干渉層を用いた遮蔽層21は、第2層間絶縁層32上に、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層21A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層21B、ITO(インジウム・錫・酸化物)を用いた層厚120nmmの第3干渉層21Cとで構成される。遮蔽層21は、600nm程度の波長を有する光を反射し、500nm程度の波長を有する光を透過させる。波長600nm程度の光を用いた場合、第1の実施形態同様、遮蔽層21と繰り返しパターン14のORを取った形状を新しい繰り返しパターン14Aとして扱うことが可能となる。繰り返しパターン14Aを採用することで、高速、高精度で欠陥検出が可能であり、量産性に優れた被検査基板1を提供することが可能となる。加えて、本実施形態では500nm程度の波長を有する光を透過させてアドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、アドレス番号部13を表面側(「上」側)から認識することが可能となり、不透明基板に対しての応用が可能となる。そのため、シリコン基板(不透明基板)を用いたメモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等のデバイスに対しても適用可能である。
【0039】
上記した例では、アドレス番号部13を遮蔽層21により覆うことで、新しい繰り返しパターン14Aとして認識させる場合について説明したが、これはアドレス番号部13に限定されるものではなく、例えば一部のパターン長を変えて電気的特性やパターン形状の変化を調べるための測定用パターンや、別途分析を行うための検査パターンを遮蔽層21の下側に配置しても良い。遮蔽層21よりも下層に位置する構造体の情報は遮蔽層21により隠されるため、任意のパターンを用いることが可能である。ここで、本実施形態では矩形の島状パターンにした遮蔽層21を用いた場合について説明したが、これは、アドレス番号部13を覆い、繰り返しパターン14の少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を用いても良い。
【0040】
(第3の実施形態:干渉層により個別パターンを形成した被検査基板)
以下、本実施形態にかかる被検査基板について図面を用いて説明する。本実施形態は第1の実施形態と共通する部分があるため、その部分については説明を省略し、重複を避ける。図3(a)は、干渉層を用いてアドレス番号部を構成した被検査基板の平面図、図3(b)は、図3(a)のA−A’線断面図である。第1の実施形態との相違点は、遮蔽層20(図1(a)参照)を用いずに、アドレス番号部13を光反射率に波長依存性がある干渉層を用いて形成した点である。
【0041】
干渉層を用いたアドレス番号部13は、第2層間絶縁層32上に、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層21A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層21B、ITOを用いた層厚120nmmの第3干渉層21Cとで構成される。アドレス番号部13は、600nm程度の波長を有する光を反射し、500nm程度の波長を有する光を透過させる。波長500nm程度の光を用いた場合、アドレス番号部13の情報を除いたものを新しい繰り返しパターン14Aとして扱うことが可能となる。繰り返しパターン14Aを採用することで、高速、高精度で欠陥検出が可能であり、量産性に優れた被検査基板1を提供することが可能となる。加えて、本実施形態では波長600nm程度の光を反射させて、アドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、アドレス番号部13を表面側(「上」側)から認識することが可能となり、不透明基板上に対しての応用が可能となる。そのため、シリコン基板(不透明基板)を用いたメモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等のデバイスに対しても適用可能となる。
【0042】
(第4の実施形態:被検査基板の製造方法)
以下、本実施形態にかかる被検査基板の製造方法について図面を用いて説明する。図4(a)〜(c)は、本実施形態にかかる製造工程を示す工程断面図、図5(a)、(b)は、本実施形態にかかる製造工程を示す平面図である。
【0043】
まず、工程1として、ガラスやプラスチックを用いてなる基板50上に、TFT51(図4(b)参照)を構成する半導体層やゲート絶縁層等を形成し、続けてゲート電極前駆体52Aを形成する。次に、工程2として、ゲート電極前駆体52A上にパターニングしたフォトレジスト層53を形成する。ここまでの工程を終えた工程断面図を図4(a)に示す。また、平面図を図5(a)に示す。図5(a)に示すように、フォトレジスト層53をマスクとしてエッチングすることで、ゲート電極52と同時にアドレス番号部54を形成することができる。そのため、アドレス番号部54を別工程で形成する必要がなくなり、製造工程を短縮することが可能となる。
【0044】
次に、工程3として、フォトレジスト層53をマスクとしてゲート電極前駆体52Aをエッチングした後、フォトレジスト層53を除去する。
【0045】
次に、工程4として、第1層間絶縁層55を形成し、コンタクトホールを開口した後ドレイン・ソース金属層56を形成する。そして、ドレイン・ソース金属層56をアクリル樹脂等を用いた平坦化層としても機能する第2層間絶縁層57によって覆う。
【0046】
次に、工程5として、ネオジムを添加したアルミニウム層をスパッタ法等により形成し、有機EL層62(図4(c)参照)から基板50側に向けて発光した光を基板50と反対側に反射させる反射層58と、遮蔽層59の部分を残してフォトリソグラフ・エッチング工程を行うことで光を反射させる反射層58と、遮蔽層59を同時に形成する。ここまでの工程を終えた工程断面図を図4(b)に示す。また、平面図を図5(b)に示す。なお、図5(b)では説明のため、アドレス番号部54が透過されるように記載しているが、本実施形態では、このアドレス番号部54は遮蔽層59により遮蔽され、視認できぬよう形成されている。ここで、遮蔽層59に半透過性を与えることで、アドレス番号部54のコントラストを低下させるようにしても良い。この場合には、図5(b)のように視認できる状態となる。
【0047】
次に、工程6として、コンタクトホールを開口し、窒化珪素層60を堆積する。そして、次に、工程7として、ドレイン・ソース金属層56がある領域の窒化珪素層60をエッチング除去し、マグネシウム−銀合金を30nm程度に積層して陽極61を形成する。窒化珪素層60は、陽極61と反射層58(遮蔽層59)とを物理的に離し、両金属が直接接触した場合に発生する電蝕を防ぐ層として形成される。
【0048】
次に、工程8として、第2層間絶縁層65を形成し、コンタクトホールを空けて陽極61の一部を露出させる。次に、有機EL層62を形成し、共通陰極63を形成した後、複層構造を有する第3層間絶縁層64を形成し、被検査基板70が形成される。ここまでの工程を終えた工程断面図を図4(c)に示す。本実施形態を用いて被検査基板70を形成することで、工程数を増やすことなくアドレス番号部54と遮蔽層59とを形成することが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、有機EL素子を形成する工程について説明したが、これは液晶素子を形成する工程に対しても対応可能である。
【0050】
(変形例:第4の実施形態)
以下、第4の実施形態についての変形例について図面を用いて説明する。図6(a)、(b)は第4の実施形態における変形例を説明するための断面図である。ここで、工程4までは、同じ工程を用いる。次に、工程5Aとして、ネオジムを添加したアルミニウム層をスパッタ法等により形成し、フォトリソグラフ・エッチング工程を行うことで、反射層58を形成する。次に、再びネオジムを添加したアルミニウム層を、厚さ10nm程度にスパッタ法等を用いて形成し、フォトリソグラフ・エッチング工程を行うことで第1干渉層71Aを形成する。この工程を終えた工程断面図を図6(a)に示す。次に、工程6を行う。ただし、工程6で積層する窒化珪素層60の厚さは50nmに制御する。工程6を行うことで、窒化珪素層60の第1干渉層71A上には、第2干渉層71Bが形成される。
【0051】
次に、工程7Aとして、70nm程度の厚さを有するITO層を形成し、第1干渉層71Aと重なる部分にITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。
【0052】
次に、工程7Bとして、50nm程度の厚さを有するITO層を形成し、反射層58上の領域と、第1干渉層71Aの部分のITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。工程7A、工程7Bを行うことで、第3干渉層71Cが形成される。次に、工程8を行うことで、被検査基板70Aが形成される。この工程を終えた工程断面図を図6(b)に示す。
【0053】
この場合、遮蔽層71は、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層71A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層71B、ITOを用いた層厚120nmmの第3干渉層71Cとで構成される。
【0054】
また、別の変形例について、図面を用いて説明する。図7(a)、(b)は、第4の実施形態における別の変形例を説明するための断面図である。まず、工程1Aを行う。工程1とは、アドレス番号部54(図4(b)参照)を形成しないことで異なっている。
【0055】
次に、工程2〜4を行う。次に工程5Bとして、ネオジムを添加したアルミニウム層をスパッタ法等により形成し、フォトリソグラフ・エッチング工程を行う。工程5Aと異なる点は、第1干渉層71Aがアドレス番号部54の一部として機能する点である。この工程を終えた工程断面図を図7(a)に示す。次に工程6を行う。ただし、工程6で積層する窒化珪素層60の厚さは50nmに制御する。
【0056】
次に、工程7Aとして、70nm程度の厚さを有するITO層を形成し、第1干渉層71Aと重なる部分にITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。
【0057】
次に、工程7Bとして、50nm程度の厚さを有するITO層を形成し、反射層58上の領域と、第1干渉層71Aの部分のITO層が残るようにフォトリソグラフ・エッチング工程を行う。次に、工程8を行うことで、被検査基板70Bが形成される。この工程を終えた工程断面図を図7(b)に示す。
【0058】
この場合、アドレス番号部54は、AlNdを用いた10nm程度の層厚を有する第1干渉層71A、窒化珪素を用いた層厚50nmの第2干渉層71B、ITOを用いた層厚120nmmの第3干渉層71Cとで構成される。
【0059】
(第5の実施形態:金属マスクにより個別パターンを埋めた被検査基板を調べる欠陥検査装置)
以下、本実施形態にかかる欠陥検査装置について図面を用いて説明する。図8は、本実施形態にかかる欠陥検査装置100を示す模式図であり、図9は、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートである。欠陥検査装置100は、被検査基板1を繰り返しパターン14(図1(a)参照)のピッチに合わせて送るステージ101、被検査基板1の繰り返しパターン14を撮像する撮像装置102、撮像装置102により撮影された情報を記憶する記憶装置103、記憶装置103に蓄えられたパターン情報と、繰り返しパターン14(図1(a)参照)とを重ね合わせる演算を行い、繰り返しパターン14の欠陥情報を出力するCPU104と、被検査基板1に光を照射する光源105と、被検査基板1を裏面から観察する裏面撮像装置106と、を有している。
【0060】
まず、ステップ1(S1)として、繰り返しパターン14を検出して、繰り返しパターン14の起点に焦点を合わせる。これは、被検査基板1に配置された図示せぬアライメントマーク等を用いて自動測定し位置合わせを行い、焦点を合わせることで対応できるが、CPU104が備える画面を参照して合わせても良い。
【0061】
次に、ステップ2(S2)として、繰り返しパターン14と、遮蔽層20(図1(a)参照)とを合わせて繰り返しパターン14Aとして認識させ、記憶装置103に記憶させる。この際に、アドレス番号部13の信号を遮蔽層20の信号でマスクするようコントラストを調整する。この工程はCPU104が自動的に実行できるよう事前にコントラストの閾値を設定しておくことが好ましい。
【0062】
次に、ステップ3(S3)として、ステージ101を繰り返しパターン14Aのピッチ分だけ送り、被検査基板1の位置をずらし、繰り返しパターン14Aと、次の繰り返しパターン14Aとの形状を比較する。この場合に、若干の位置ずれ、拡大倍率の変動等をCPU104により補正して比較することが好ましい。ここで、繰り返しパターン14Aとして、記憶装置103に記憶された最初のパターンを用い続けても良いが、順次更新する、あるいは積算していく等の処理をしても良い。
【0063】
そして、ステップ4(S4)として、良否判定を行う。ここで、繰り返しパターン14Aに不良が見つかった場合には、ステップ5(S5)として、ステージ101側(被検査基板1の裏面側)から裏面撮像装置106によりアドレス番号を読み取り、アドレス番号を記憶装置103に記憶させる。そして、ステップ6(S6)として、繰り返しパターン14Aのパターン終了を検知したところで終了する。
【0064】
(第6の実施形態:干渉層により個別パターンを形成した被検査基板を調べる欠陥検査装置)
以下、本実施形態にかかる欠陥検査装置について図面を用いて説明する。図10は、本実施形態にかかる欠陥検査装置100を示す模式図であり、図11は、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートである。第5の実施形態との相違点は、裏面撮像装置106を含まないことと、光源105に代えて照射波長の変更が可能な光源105Aを用いている点である。
【0065】
まず、ステップ1(S1)として、光源105Aの波長を、干渉層を用いた遮蔽層20が反射する光の波長に合わせて照射し、繰り返しパターン14に焦点を合わせる。これは、被検査基板1に配置された図示せぬアライメントマーク等を用いて自動測定し位置合わせを行い、焦点を合わせることで対応できるが、CPU104が備える画面を参照して合わせても良い。
【0066】
次に、ステップ2(S2)として、繰り返しパターン14と、遮蔽層20(図1(a)参照)とを合わせて繰り返しパターン14Aとして認識させ、記憶装置103に記憶させる。この際に、アドレス番号部13の信号を遮蔽層20の信号でマスクするようコントラストを調整する。この工程はCPU104が自動的に実行できるよう事前にコントラストの閾値を設定しておくことが好ましい。
【0067】
次に、ステップ3(S3)として、ステージ101を繰り返しパターン14Aのピッチ分だけ送る。次に、ステップ4(S4)として、被検査基板1の位置をずらし、繰り返しパターン14Aと、次の繰り返しパターン14Aとの形状を比較する。この場合に、若干の位置ずれ、拡大倍率の変動等をCPU104により補正して比較することが好ましい。ここで、繰り返しパターン14Aとして、記憶装置103に記憶された最初のパターンを用い続けても良いが、順次更新する、あるいは積算していく等の処理をしても良い。
【0068】
そして、良否判定を行う。ここで、繰り返しパターン14Aに不良が見つかった場合にはステップ5(S5)として、光源105Aからの照射光波長を遮蔽層20を透過する波長に切り替えてアドレス番号を読み取り、アドレス番号を記憶装置103に記憶させる。
【0069】
そして、ステップ6(S6)として、繰り返しパターン14Aのパターンが終了したところで終了する。この場合、遮蔽層20を透過する光を照射することでアドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、不透明基板上に形成されたパターンに対しても有効であり、メモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等、シリコン基板を用いたデバイスに対しても適用可能となる。
【0070】
(第7の実施形態:干渉層により個別パターンを形成した被検査基板を調べる欠陥検査装置)
以下、本実施形態にかかる欠陥検査装置について図面を用いて説明する。欠陥検査装置100は図10と同じ構成を有しており、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートが異なっている。図12は、欠陥検査装置100を用いて欠陥検査を行うためのフローチャートである。まず、ステップ1(S1)として、光源105Aの波長を、干渉層を用いたアドレス番号部13が透過する光の波長に合わせて照射し、繰り返しパターン14に焦点を合わせる。これは、被検査基板1に配置された図示せぬアライメントマーク等を用いて自動測定し位置合わせを行い、焦点を合わせることで対応できるが、CPU104が備える画面を参照して合わせても良い。
【0071】
次に、ステップ2(S2)として、繰り返しパターン14と、干渉層を用いたアドレス番号部13の領域(透明となり見えなくなっている)とを合わせて繰り返しパターン14Aとして認識させ、記憶装置103に記憶させる。この際に、アドレス番号部13の信号を透明なものとして認識されるようコントラストを調整する。この工程はCPU104が自動的に実行できるよう事前にコントラストの閾値を設定しておくことが好ましい。
【0072】
次に、ステップ3(S3)として、ステージ101を繰り返しパターン14Aのピッチ分だけ送り、被検査基板1の位置をずらし、繰り返しパターン14Aと、次の繰り返しパターン14Aとの形状を比較する。この場合に、若干の位置ずれ、拡大倍率の変動等をCPU104により補正して比較することが好ましい。ここで、繰り返しパターン14Aとして、記憶装置103に記憶された最初のパターンを用い続けても良いが、順次更新する、あるいは積算していく等の処理をしても良い。
【0073】
そして、ステップ4(S4)として、良否判定を行う。ここで、繰り返しパターン14Aに不良が見つかった場合には、ステップ5(S5)として光源105Aからの照射光波長を、干渉層を用いたアドレス番号部13が反射する波長に切り替え、アドレス番号部13を読み取り、アドレス番号を記憶装置103に記憶させる。
【0074】
そして、ステップ6(S6)として、繰り返しパターン14Aのパターンが終了したところで終了する。この場合、アドレス番号部13が反射する光を照射することで、アドレス番号部13を見ることが可能である。そのため、不透明基板上に形成されたパターンに対しても有効であり、メモリや、ゲートアレイ、ASIC、FPGA等、シリコン基板を用いたデバイスに対しても適用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は、アドレス番号部を上層の金属配線層を用いてマスクした被検査基板の平面図、(b)は、図1(a)のA−A’線断面図。
【図2】(a)は、アドレス番号部を上層の干渉層を用いてマスクした被検査基板の平面図、(b)は、図2(a)のA−A’線断面図。
【図3】(a)は、干渉層を用いてアドレス番号部を構成した被検査基板の平面図、(b)は、図3(a)のA−A’線断面図。
【図4】(a)〜(c)は、第4の実施形態にかかる製造工程を示す工程断面図。
【図5】(a)、(b)は、第4の実施形態にかかる製造工程を示す平面図。
【図6】(a)、(b)は、第4の実施形態における変形例を説明するための断面図。
【図7】(a)、(b)は、第4の実施形態における別の変形例を説明するための断面図。
【図8】第5の実施形態にかかる欠陥検査装置を示す模式図。
【図9】欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行うためのフローチャート。
【図10】第6の実施形態にかかる欠陥検査装置を示す模式図。
【図11】欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行うためのフローチャート。
【図12】欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行うためのフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
1…被検査基板、11…表示領域、12…番号領域、13…アドレス番号部、14…繰り返しパターン、14A…繰り返しパターン、15…回路領域、16…ソース線、17…ゲート線、18…ダミー画素、19…画素、20…遮蔽層、21…遮蔽層、21A…第1干渉層、21B…第2干渉層、21C…第3干渉層、30…基板、31…第1層間絶縁層、32…第2層間絶縁層、33…第3層間絶縁層、50…基板、51…TFT、52…ゲート電極、52A…ゲート電極前駆体、53…フォトレジスト層、54…アドレス番号部、55…第1層間絶縁層、56…ドレイン・ソース金属層、57…第2層間絶縁層、58…反射層、59…遮蔽層、60…窒化珪素層、61…陽極、62…有機EL層、63…共通陰極、64…第3層間絶縁層、65…第2層間絶縁層、70…被検査基板、70A…被検査基板、70B…被検査基板、71…遮蔽層、71A…第1干渉層、71B…第2干渉層、71C…第3干渉層、100…欠陥検査装置、101…ステージ、102…撮像装置、103…記憶装置、104…CPU、105…光源、105A…光源、106…裏面撮像装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、光を照射して得られる反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を備えることを特徴とする被検査基板。
【請求項2】
繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えていることを特徴とする被検査基板。
【請求項3】
繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する干渉層を含む個別パターンと、を備え、
前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えることを特徴とする被検査基板。
【請求項4】
繰り返しパターンを製造する工程と、
前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンを形成する工程と、
前記個別パターンを覆う、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を形成する工程と、を備え、
前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽するものであり、
前記個別パターンよりも上層に位置する遮光性を有する領域と同時に形成されることを特徴とする被検査基板の製造方法。
【請求項5】
繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、
前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、
前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を有するものであり、
前記個別パターンの情報をマスクすることで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして扱うことで前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、前記被検査基板の裏面から個別パターン情報を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項7】
繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、
前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、
前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に、前記繰り返しパターンに対応するように位置する個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像することで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして認識させた後、前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項8】
繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、
前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、
前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する個別パターンと、を備え、
前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、
パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像し、前記個別パターンの情報を遮蔽した領域を含めて新たな繰り返しパターンとして認識させて欠陥検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長の光を照射し、個別パターン情報を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項1】
繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、光を照射して得られる反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を備えることを特徴とする被検査基板。
【請求項2】
繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えていることを特徴とする被検査基板。
【請求項3】
繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する干渉層を含む個別パターンと、を備え、
前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とし得る光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えることを特徴とする被検査基板。
【請求項4】
繰り返しパターンを製造する工程と、
前記繰り返しパターンに隣り合う領域内に位置する個別パターンを形成する工程と、
前記個別パターンを覆う、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層を形成する工程と、を備え、
前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽するものであり、
前記個別パターンよりも上層に位置する遮光性を有する領域と同時に形成されることを特徴とする被検査基板の製造方法。
【請求項5】
繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、
前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、
前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、入射光を照射し、当該入射光の反射に起因する反射光を用いてパターン認識する際に、前記個別パターンの情報を遮蔽する遮光性を有するものであり、
前記個別パターンの情報をマスクすることで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして扱うことで前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、前記被検査基板の裏面から個別パターン情報を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項7】
繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、
前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、
前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に、前記繰り返しパターンに対応するように位置する個別パターンと、
前記個別パターンを覆い、形状が揃えられた島状形状、または前記個別パターンを覆い前記繰り返しパターンの少なくとも一部を残して覆う、一連なりの形状を有する遮蔽層と、を備え、
前記遮蔽層は、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像することで、前記個別パターンの情報を遮蔽し、前記遮蔽層のパターンとして認識させた後、前記繰り返しパターンに繰り込み、新たな繰り返しパターンとして欠陥検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項8】
繰り返しパターンが規則的に配列された被検査基板を走査して前記繰り返しパターンを取り込む撮像装置と、
前記繰り返しパターンと、前記繰り返しパターンと隣り合う繰り返しパターンとを比較する比較手段を備える欠陥検査装置であって、
前記被検査基板は、前記繰り返しパターンと、
前記繰り返しパターンと隣り合う領域内に位置する個別パターンと、を備え、
前記個別パターンは、パターン認識を抑制し得る光反射率を示す波長と、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長と、を含む波長依存性を有する干渉層を備えており、
パターン認識を抑制し得る波長条件で撮像し、前記個別パターンの情報を遮蔽した領域を含めて新たな繰り返しパターンとして認識させて欠陥検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の欠陥検査装置であって、前記欠陥検査の結果、欠陥が検出された場合には、パターン認識を可能とせしめる光反射率を示す波長の光を照射し、個別パターン情報を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−160038(P2010−160038A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2238(P2009−2238)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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