説明

複合サイクル発電プラント

【課題】蒸気タービンのより正確なパワーロードアンバランスの検出法の提供。
【解決手段】高、中、低圧蒸気タービン3と、ガスタービン1と、発電機4とを同一軸上に直結し、ガスタービン1の排ガスを回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラ5とを備えた複合サイクル発電プラントにおいて、再熱蒸気加減弁20よりも下流の第1の圧力検出位置29a、第1の圧力検出位置よりも下流の第2の圧力検出位置31aでそれぞれ計測された第1の蒸気圧力30aおよび第2の蒸気圧力32aを加重平均して得た蒸気圧力に基づいて蒸気タービン出力を算出し、この蒸気タービン出力をガスタービン出力と加算してタービン出力を得、このタービン出力から発電機出力を減算し、タービン出力と発電機出力との偏差が予め設定されている規定値を超えるとパワーロードアンバランスを検知する遠方負荷遮断検出手段25-1を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合サイクル発電プラントに係り、特に遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の複合サイクル発電プラントのシステム構成図である。
図8の複合サイクル発電プラントは一軸タイプであり、ガスタービン1と、ガスタービン空気圧縮機(COMP)2と、蒸気タービン3と、発電機4とを同一軸上に直結しており、これにガスタービン1の排ガスを回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラ(HRSG)5を設置して構成されている。
【0003】
なお、前記ガスタービン空気圧縮機(COMP)2は、吸気フィルタ6で浄化された空気を吸引して高圧高温の圧縮空気を得て燃焼器7に送り、この燃焼器7で、圧縮空気によって燃料を燃焼させ、燃焼ガスを前記ガスタービン1に導入するようになっている。
また、蒸気タービン3は高圧タービン(HP)3a、中圧タービン(IP)3bおよび低圧タービン(LP)3cから構成されている。
【0004】
前記排熱回収ボイラ5は、例えば横長筒状のケーシング内に、排ガスの上流側から下流側に向かって、高圧第二過熱器8、再熱器9、高圧第一過熱器10、中圧過熱器11および低圧過熱器12を配置し、さらに、ケーシング外に高圧蒸気ドラム(HP)13、中圧蒸気ドラム(IP)14、低圧蒸気ドラム(LP)15を備えており、高圧蒸気ドラム13で発生した蒸気は高圧第一過熱器10および高圧第二過熱器8によって順次過熱されたのち、高圧主蒸気管16に設置されている高圧主蒸気止め弁(図示せず)や高圧主蒸気加減弁17を通って前記高圧タービン3aに導入され、当該高圧タービン3aを駆動する。
【0005】
高圧タービン3aで仕事を行った蒸気は、低圧再熱蒸気管18によって排気され、中圧蒸気ドラム14で発生して中圧過熱器11で過熱された後の中圧蒸気と合流し、前記再熱器9に導かれて加熱され、高温再熱蒸気管19に設置されている再熱蒸気加減弁20を通って前記中圧タービン3bに導入され、当該中圧タービン3bを駆動する。
【0006】
なお、中圧タービン3bには、低圧蒸気ドラム15で発生したのち低圧過熱器12で過熱された低圧蒸気が低圧主蒸気管21の低圧主蒸気加減弁22を経て途中段または排気側に導入され、中圧タービン3b内で仕事を終えた蒸気と合流したのち、クロスオーバー管によって低圧タービン3cに導入され、当該低圧タービン3cを駆動する。
23は復水器であり、低圧タービン3cで仕事を終えた蒸気を復水にする。24は、復水ポンプであり、復水を前記排熱回収ボイラ15の低圧蒸気ドラム15に給水する。
【0007】
図8中、29は前記低圧再熱蒸気管18上に設けた蒸気圧力検出器(圧力センサ)である。33は前記発電機4の出力回路に設置した発電機電流を検出するための変流器(CT)である。60は前記ガスタービン(GT)1の排ガス温度Tを計測する温度検出器(温度センサ)であり、61は前記ガスタービン燃焼器7に供給される燃料の流量Gを計測する流量検出器(流量センサ)である。
【0008】
上記のように構成された従来の複合サイクル発電プラントにおいて、発電機4から電力を供給している電力系統に事故が発生した場合、図示しない電力系統の保護継電システムは、機器保護のために遮断器を遮断して発電機4を電力系統から開放する。すると、この瞬間からガスタービン1および蒸気タービン3から成る一軸型タービンは、過出力状態となって過速するが、遮断器開放(負荷遮断発生)の検出により、蒸気タービンの回転数を制御する高圧主蒸気加減弁17、再熱蒸気加減弁20および低圧主蒸気加減弁22を急速に閉止し、蒸気タービン3の過速を抑制する。
【0009】
一方、送電系統の事故が、より遠方で発生した場合には、遠方であるが故に複合サイクル発電プラントを有する発電所で、事故発生系統の遮断器開放(遠方負荷遮断)を検出することが困難である。この問題を解消するためにタービン出力(パワー)45と発電機出力(ロード)35との偏差(パワーロードアンバランス)を比較して負荷遮断発生を検知する遠方負荷遮断検出回路25が設けられている。
【0010】
以下、図9を参照して従来技術の遠方負荷遮断検出装置25について具体的に説明する。まず、タービン出力(パワー)45は、次のようにして求められる。まず、蒸気タービン出力を算出するために圧力代表計測点としての高圧タービン3aの排気蒸気が流れる低温再熱蒸気管18に設置した蒸気圧力検出器29の高圧タービン排気蒸気圧力信号30を、蒸気タービン出力演算部40に導入し演算によって蒸気タービン出力41を求める。次に、ガスタービン1の排ガス温度検出器60からの測定温度T、またはガスタービン燃焼器7に供給される燃料の流量検出器61からの流量信号Gをガスタービン出力演算部42に導入し演算によってガスタービン出力43を求める。そして、これらを加算器44で加算することによってタービン出力(パワー)45が得られる。
【0011】
一方、発電機出力(ロード)35は、発電機4の端子に設けた変流器33で計測した電流33aを発電機出力演算部34に導入し演算によって求められる。
そして、減算器46にてタービン出力(パワー)45から発電機出力(ロード)35を減算し、その偏差δを規定値以下検出コンパレータ47に入力する。規定値以下検出コンパレータ47は、入力された偏差δが予め定めてある規定値(例えば、40%)を超えると論理値「1」なる出力信号をアンド回路49の一方の入力端子に出力する。
【0012】
一方、発電機出力変化率演算部36は前記発電機出力35を入力して発電機出力変化率37を求め、これを規定値以下検出コンパレータ38に入力する。この規定値以下検出コンパレータ38は、発電機出力変化率37が予め定めてある規定値(例えば、−40%/20msec)以下の場合(すなわち、発電機出力変化率37の絶対値が規定値の絶対値以上である場合)、論理値「1」なる出力信号39を前記アンド回路49の他方の入力端子に出力する。
【0013】
アンド回路49は、タービン出力45と発電機出力35との偏差δが40%を超えたという条件と、発電機出力変化率37が−40%/20msec以下であるという条件とを同時に満たしたとき、パワーロードアンバランス発生を検出し、論理値「1」なる出力信号を、SRフリップフロップ回路で構成されたホールド回路50のセット端子Sに入力する。ホールド回路50は、アンド回路49の出力信号を一旦セット端子Sに入力すると、タービン出力45と発電機出力35との偏差δが規定値以下検出コンパレータ47の検出レベル未満まで減少したことにより、ノット回路48からリセット端子Rに規定値以下検出コンパレータ47の反転信号が入力される迄の間、継続して出力信号51を出力する。この出力信号は高圧主蒸気加減弁制御装置52、再熱蒸気加減弁制御装置53および低圧主蒸気加減弁制御装置54に入力され、高圧主蒸気加減弁操作指令26、再熱蒸気加減弁操作指令27および低圧主蒸気加減弁操作指令28を出力する。
【0014】
なお、図9で示した従来の複合サイクル発電プラントの遠方負荷遮断検出装置25は、例えば、特許文献1に記載の負荷遮断時制御装置と同等の機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−227610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前述したように従来の複合サイクル発電プラントにおいては、蒸気タービン出力41を算出するための圧力代表計測点として、高圧タービン3aの排気側の低温再熱蒸気管18に設置した蒸気圧力検出器29で計測される高圧タービン排気蒸気圧力信号30を用いている。
【0017】
しかしながら、実際には高圧タービン3aで仕事をした蒸気は、中圧ドラム14から発生した蒸気との合流後に再熱器9で過熱されて中圧タービン3bに導入されてここで仕事をし、さらに低圧ドラム15から発生した蒸気と中圧タービン3bの途中段または排気側で合流した後に低圧タービン3cで仕事をする。
【0018】
このように、高圧タービン3aの排気側の蒸気圧力検出器29で計測された高圧タービン排気蒸気圧力信号30から算出される蒸気タービン出力41は、中圧ドラム14および低圧ドラム15から発生する蒸気により生成される出力分を計上していないため、実出力を反映していない。
【0019】
そこで本発明は、上述課題を解決するため、排熱回収ボイラの中圧ドラムおよび低圧ドラムから発生する蒸気により生成される出力分を蒸気タービン出力に反映させることにより、より正確なパワーロードアンバランスの検出を行えるようにした遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、高圧タービン、中圧タービンおよび低圧タービンにより構成される蒸気タービンと、前記蒸気タービンと同軸に配置されたガスタービンと、前記蒸気タービンおよび前記ガスタービンと同軸に配置された発電機と、前記ガスタービンの排ガスを回収して蒸気を発生させ、高圧ドラム、中圧ドラム、低圧ドラムおよび再熱器を有する排熱回収ボイラと、を備え、前記高圧ドラムで発生した蒸気を高圧主蒸気加減弁を経て前記高圧タービンに導入してこれを駆動し、当該高圧タービンの排気蒸気を前記中圧ドラムで発生した蒸気と合流後に前記再熱器に供給して加熱し、当該再熱器で再熱された蒸気を再熱蒸気加減弁を経て前記中圧タービンに導いて当該中圧タービンを駆動し、前記低圧ドラムで発生し低圧蒸気加減弁を通過した低圧蒸気を前記中圧タービンに導かれて仕事をした蒸気とともに前記低圧タービンに導いて当該低圧タービンを駆動するように構成し、前記ガスタービンの出力を算出するガスタービン出力算出手段と、前記蒸気タービンの出力を算出する蒸気タービン出力算出手段と、ガスタービン出力および蒸気タービン出力を加算してタービン出力を得るタービン出力算出手段と、前記発電機の発生する発電機出力を得る発電機出力検出手段と、前記タービン出力と前記発電機出力の偏差を検出する出力偏差検出手段と、前記出力偏差検出手段にて検出した前記偏差が予め設定されている規定値を超えると遠方負荷遮断を検知して遠方負荷遮断信号を出力する遠方負荷遮断検出手段と、前記遠方負荷遮断検出手段の出力した前記遠方負荷遮断信号により前記蒸気タービンの蒸気加減弁に対し急速閉止指令を出力する弁制御装置と、をさらに備えた複合サイクル発電プラントにおいて、前記蒸気タービン出力算出手段は、前記再熱蒸気加減弁よりも下流の第1の圧力検出位置およびこの第1の圧力検出位置よりも下流の第2の圧力検出位置でそれぞれ計測された第1の蒸気圧力および第2の蒸気圧力を加重平均して得た蒸気圧力に基づいて蒸気タービン出力を算出することを特徴とする。
【0021】
また、請求項2に係る発明は、高圧タービン、中圧タービンおよび低圧タービンにより構成される蒸気タービンと、前記蒸気タービンと同軸に配置された第1の発電機と、前記蒸気タービンとは別の軸に配置されたガスタービンと、前記ガスタービンと同軸に配置された第2の発電機と、前記ガスタービンの排ガスを回収して蒸気を発生させ、高圧ドラム、中圧ドラム、低圧ドラムおよび再熱器を有する排熱回収ボイラと、を備え、前記高圧ドラムで発生した蒸気を高圧主蒸気加減弁を経て前記高圧タービンに導入してこれを駆動し、当該高圧タービンの排気蒸気を前記中圧ドラムで発生した蒸気と合流後に前記再熱器に供給して加熱し、当該再熱器で再熱された蒸気を再熱蒸気加減弁を経て前記中圧タービンに導いて当該中圧タービンを駆動し、前記低圧ドラムで発生し低圧蒸気加減弁を通過した低圧蒸気を前記中圧タービンに導かれて仕事をした蒸気とともに前記低圧タービンに導いて当該低圧タービンを駆動するように構成し、前記ガスタービンの出力を算出するガスタービン出力算出手段と、前記蒸気タービンの出力を算出する蒸気タービン出力算出手段と、ガスタービン出力および蒸気タービン出力を加算してタービン出力を得るタービン出力算出手段と、前記第1および第2の発電機の出力を合計した発電機出力を得る発電機出力検出手段と、前記タービン出力と前記発電機出力の偏差を検出する出力偏差検出手段と、前記出力偏差検出手段にて検出した前記偏差が予め設定されている規定値を超えると遠方負荷遮断を検知して遠方負荷遮断信号を出力する遠方負荷遮断検出手段と、前記遠方負荷遮断検出手段の出力した前記遠方負荷遮断信号により前記蒸気タービンの蒸気加減弁に対し急速閉止指令を出力する弁制御装置と、をさらに備えた複合サイクル発電プラントにおいて、前記蒸気タービン出力算出手段は、前記再熱蒸気加減弁よりも下流の第1の圧力検出位置およびこの第1の圧力検出位置よりも下流の第2の圧力検出位置でそれぞれ計測された第1の蒸気圧力および第2の蒸気圧力を加重平均して得た蒸気圧力に基づいて蒸気タービン出力を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、従来技術における高圧タービンの排気蒸気の圧力に替えて、再熱蒸気加減弁の下流に位置する中圧タービンに設置した第1の圧力検出信号30aおよび第2の圧力検出信号32aの2点により蒸気圧力を検出し、それらを加重平均して蒸気圧力信号59aを得るようにしたので、蒸気圧力信号59aと蒸気タービン出力41とは相関関係があることから従来の高圧タービンの排気蒸気の圧力信号のみを検出する場合に比べて、さらに信頼性の高い複合サイクル発電プラントにおけるパワーロードアンバランス(遠方負荷遮断)発生の検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図。
【図2】実施形態1の遠方負荷遮断検出装置の一例を示す構成図。
【図3】本発明の実施形態2に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図。
【図4】実施形態2の遠方負荷遮断検出装置の一例を示す構成図。
【図5】本発明の実施形態3に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図。
【図6】実施形態3の遠方負荷遮断検出装置の一例を示す構成図。
【図7】本発明の実施形態4に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図。
【図8】従来の遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図。
【図9】従来の遠方負荷遮断検出装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントについて説明する。
【0025】
[実施形態1]
図1は発明の実施形態1に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図であり、図2は本実施形態1に適用した遠方負荷遮断検出装置の一例を示す図である。
図1中、前述の図8および図9で説明した部品や要素と同一の部品や要素には同一符号を付けて説明する。
【0026】
図1において、本実施形態1の複合サイクル発電プラントも、図8に示すシステム構成と同様にガスタービン1、圧縮機2、蒸気タービン3および発電機4は回転軸が一軸に結合されて一軸型コンバインドプラントを構成している。そして、ガスタービン1の排ガスは、排熱回収ボイラ5に導入されて順次、高圧第二過熱器8、再熱器9、高圧第一過熱器10、中圧過熱器11、低圧過熱器12および図示しない各圧力の蒸発器等を流通する給水や蒸気と熱交換した後、煙突を経て大気中に放散されるようになっている。
【0027】
高圧ドラム13で発生した蒸気は、高圧第一過熱器10および高圧第二過熱器8で過熱された後、高圧主蒸気管16上の図示しない高圧主蒸気止め弁、高圧主蒸気加減弁17を経て高圧タービン3aに導入されてここで仕事を行う。仕事を行った高圧蒸気は低温再熱蒸気管18から排気され、中圧過熱器11からの蒸気と合流して再熱器9に導入される。この再熱器9で再熱された蒸気は、高温再熱蒸気管19を通り、再熱蒸気加減弁20を介して中圧タービン3bに導入される。
【0028】
この中圧タービン3bで仕事を行った蒸気は、低圧ドラム15から低圧過熱器12、低圧主蒸気管21および低圧蒸気加減弁22を介して導入される低圧蒸気と中圧タービンの途中段または排気側で合流した後に低圧タービン3cに導入されてここで仕事を行う。
【0029】
このようにして、ガスタービン1と、高圧タービン3a、中圧タービン3bおよび低圧タービン3cからなる蒸気タービン3との駆動力によって発電機4が回転駆動され、電力を発生する。
【0030】
本実施形態1が従来技術と異なる点は、蒸気タービン出力41を算出するための蒸気圧力の代表計測点を、図8の高圧タービン3a排気側低温再熱蒸気管18に替えて、中圧タービン3bの2箇所(第1の圧力検出点29aおよびこの第1の圧力検出点29aよりも下流側に位置する第2の圧力検出点31a)にしたこと、さらにその2箇所で計測された蒸気圧力信号を入力処理する遠方負荷遮断検出装置の構成を一部変更したことである。
【0031】
以下、遠方負荷遮断検出装置25-1の詳細について、図2を参照して説明する。
図2において、本実施形態1の遠方負荷遮断検出装置25-1に発電機4の端子に設けた変流器33で計測した電流33aを発電機出力演算部34に導入し、ここで所定の演算式によって発電機出力(ロード)35を求める。求められた発電機出力(ロード)35を、後述する減算器46に入力するとともに、発電機出力変化率演算部36に導入して発電機出力変化率37を求める。求められた発電機出力変化率37は、規定値以下検出コンパレータ38に入力されて予め定められている規定値(例えば、−40%/20msec)と比較される。規定値以下検出コンパレータ38は、発電機出力変化率37が規定値以下の場合(すなわち、発電機出力変化率37の絶対値が規定値の絶対値以上である場合)、論理値「1」なる出力信号39をアンド回路49の一方の入力端子に出力する。
【0032】
一方、遠方負荷遮断検出装置25-1に前記第1の圧力検出点29aおよび第2の圧力検出点31aにそれぞれ設置された2つの蒸気圧力計測器29a、31a(便宜上、計測点とそこに設置される計測器とに同一符号を用いる)によってそれぞれ計測された第1圧力信号30aおよび第2圧力信号32aを導入する。
【0033】
第1圧力信号30aは乗算器57に入力されて重み係数(α)55と乗算され、同様に第2の圧力検出点31で検出された第2圧力信号32aは乗算器58に入力されて重み係数(β)56と乗算される。
【0034】
そして、これら乗算器57および58の乗算結果(30a×α)および(32a×β)を加重平均回路59に入力して加重平均{(30a×α+32a×β)/(α+β)}する。この加重平均により求められた圧力信号59aは、蒸気タービン出力41と相関関係を有していることから、蒸気タービン3の出力の変化率と同じ変化率となるような圧力信号である。
【0035】
尚、本実施形態1は中圧タービンの任意の第1の圧力検出点29aと第2の圧力検出点31aにて検出される第1圧力信号30aと第2圧力信号32aを加重平均するものであるが、加重平均に当たって用いる上述のαとβの具体的な値(比率)に関しては、選択した第1の圧力検出点29aと第2の圧力検出点31aの位置に基づき、タービンヒートバランス計算上、最適な、すなわち精度の高い比率を選ぶようにする。このようなαとβの比率については、シミュレーションなどによって得ることが可能である。
さらに、この加重平均化された圧力信号59aを蒸気タービン出力演算部40に導入し、蒸気タービン出力41を得る。
【0036】
また、ガスタービン1からの排ガス温度Tまたはガスタービン燃焼器7に供給される燃料の流量Gのいずれか一方の信号をガスタービン出力演算部42に導入してガスタービン出力43を得、蒸気タービン出力41とガスタービン出力43とを加算器44で加算してタービン出力(パワー)45を得る。
【0037】
そして減算器46で、加算器44で求められたタービン出力(パワー)45から前記発電機出力(ロード)35を減算して偏差δを求める。このタービン出力(パワー)45と発電機出力(ロード)35との偏差δは、規定値以下検出コンパレータ47で規定値(例えば、40%)と比較され、その規定値を超えると論理値「1」なる出力信号を前記アンド回路49の他方の入力端子に出力する。
【0038】
アンド回路49は、タービン出力(パワー)45と発電機出力(ロード)35との偏差δが40%を超えたという条件と、発電機出力変化率37が−40%/20msec以下であるという条件とを満たしたときに、パワーロードアンバランス発生を検出し、論理値「1」なる出力信号を、SRフリップフロップ回路で構成されたホールド回路50のセット端子Sに入力する。
【0039】
ホールド回路50は、アンド回路49の出力信号を一旦セット端子Sに入力すると、ノット回路48からリセット端子Rにリセット信号が入力される迄の間、継続して信号51を出力する。リセット信号がノット回路48から入力されるのは、タービン出力(パワー)45と発電機出力(ロード)35との偏差δが規定値以下検出コンパレータ47の検出レベル未満まで減少したときである。
【0040】
ホールド回路50の出力信号51は、高圧主蒸気加減弁制御装置52、再熱蒸気加減弁制御装置53および低圧主蒸気加減弁制御装置54にそれぞれ入力され、高圧主蒸気加減弁操作指令26、再熱蒸気加減弁操作指令27および低圧主蒸気加減弁操作指令28を出力し、高圧主蒸気加減弁17、再熱蒸気加減弁20および低圧主蒸気加減弁の開度を絞りタービンの過速を抑制する。
【0041】
本実施形態1は、以上のように蒸気タービン出力と相関関係にある第1の蒸気圧力信号30aおよび第2の蒸気圧力信号32aにそれぞれ適宜な重み係数(α)55、(β)56を乗じて加重平均して求めた圧力信号59aから蒸気タービン出力41をより正確に演算するようにしたので、この蒸気タービン出力41は、実際の蒸気タービン出力の変化率と同じ変化率となり、タービン実出力との間の偏差δが少ない出力信号51を出力することができる。この結果、パワーロードアンバランス発生時に最適な高圧主蒸気加減弁操作指令26、再熱蒸気加減弁操作指令27および低圧主蒸気加減弁操作指令28を出力することができる。
【0042】
したがって、例え中圧ドラム14及び低圧ドラム15から発生する蒸気流量が増減し、第1圧力信号30aの変化率と前記第2圧力信号32aの変化率のうち、一方が大きく他方が小さくなったとしても、第1の蒸気圧力信号30aおよび第2の蒸気圧力信号32aにそれぞれ適宜な重み係数(α)55、(β)56を乗じて加重平均して圧力信号59aを求めこれによって蒸気タービン出力41を演算するようにしたので、正確なパワーロードアンバランスの検出ができる。
【0043】
以上述べたように、本実施形態1によれば、従来技術における高圧タービンの排気蒸気の圧力に替えて、再熱蒸気加減弁の下流に位置する中圧タービンに設置した第1の圧力検出信号30aおよび第2の圧力検出信号32aの2点により蒸気圧力を検出し、それらを加重平均して蒸気圧力信号59aを得るようにしたので、蒸気圧力信号59aと蒸気タービン出力41とは相関関係があることから従来の高圧タービンの排気蒸気の圧力信号のみを検出する場合に比べて、さらに信頼性の高い複合サイクル発電プラントにおけるパワーロードアンバランス(遠方負荷遮断)発生の検出が可能となる。
【0044】
なお、本実施形態はガスタービン、圧縮機、蒸気タービンおよび発電機が一軸に結合された一軸型の複合サイクル発電プラントを例にとって説明したが、本パワーロードアンバランス検出方法はガスタービンおよび圧縮機と蒸気タービンが別軸に設置され、それぞれに発電機を備えたことを特徴とする複合サイクル発電プラントにも適用可能である。
【0045】
[実施形態2]
図3は、本実施形態2に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図であり、図4は本実施形態2の遠方負荷遮断検出装置の一例を示す図である。なお、実施形態1の図1、2の構成部分と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0046】
先ず、図3では、実施形態1の第1の圧力検出位置29aに替えて、再熱蒸気加減弁20の下流に位置する中圧蒸気タービン3b入口の再熱蒸気リード管(再熱蒸気加減弁20から蒸気を中圧タービン3bに導く配管)19L上に圧力検出点29bを設け、また、実施形態1の第2の圧力検出点31aに替えて、低圧蒸気供給系統の低圧加減弁22の下流である低圧蒸気リード管(低圧主蒸気加減弁22から蒸気を低圧タービン3cに導く配管)21L上に圧力検出点31bを設けることにより、それぞれの圧力検出点での圧力信号30b、32bを使用することとしている。これら以外については実施形態1の図1、2の構成と同様である。
【0047】
次に、本実施形態2の遠方負荷遮断検出装置25-2の詳細について、図4を参照して説明する。
図4において、本実施形態2の遠方負荷遮断検出装置25-2は、第1の圧力検出位置29bにおける第1の蒸気圧力を検知する第1圧力信号30bと、前記第2の圧力検出位置31bにおける第2の蒸気圧力を検知する第2圧力信号32bとを導入する。
第1圧力信号30bは乗算器57に入力されて重み係数(α)55と乗算され、同様に第2圧力信号32aは乗算器58に入力されて重み係数(β)56と乗算される。
【0048】
そして、これら乗算器57および58の乗算結果(30a×α)および(32a×β)を加重平均回路59に入力して加重平均{(30a×α+32a×β)/(α+β)}する。本実施形態2においても、加重平均により求められた圧力信号59aは、蒸気タービン出力41と相関関係を有していることから、蒸気タービン3の出力の変化率と同じ変化率となるような圧力信号であり、蒸気タービン出力演算部40に導入されて、蒸気タービン出力41を得る。
これ以降の動作は上述した実施形態1の場合と同じなので、説明を省略する。
【0049】
以上述べたように、本実施形態2によれば、従来技術における高圧タービンの排気蒸気の圧力に代わってこれら第1の圧力検出信号30bおよび第2の圧力検出信号32bの2点から圧力信号はそれぞれが蒸気タービン出力と相関関係があることから、従来の高圧タービンの排気蒸気の圧力信号のみを検出する場合に比べて、さらに信頼性の高い複合サイクル発電プラントにおけるパワーロードアンバランス(遠方負荷遮断)発生の検出が可能となる。
【0050】
また、本実施形態2は、第1の蒸気圧力検出点29bおよび第2の蒸気圧力検出点31bがそれぞれ再熱蒸気リード管と低圧蒸気リード管への取付けとなっていることから、前記実施形態1に比べて、蒸気圧力計測器の保守・点検時に検出器を取り扱い易いという特長を有する。
【0051】
[実施形態3]
図5は、実施形態3に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図であり、図6は本実施形態3の遠方負荷遮断検出装置の一例を示す図である。
【0052】
本実施形態3は、前述した実施形態1,2のようにガスタービン1、蒸気タービン3および発電機4を一軸上に並べた方式ではなく、図5で示すように、高圧蒸気タービン3a、中圧蒸気タービン3bおよび低圧蒸気タービン3cで構成される蒸気タービン3と、ガスタービン1および空気圧縮機2とをそれぞれ異なる軸に設置し、蒸気タービン3側の軸に発電機4aを、ガスタービン1側の軸に発電機4bを設置するように構成された複合サイクル発電プラントであり、高圧主蒸気管16、高温再熱蒸気管19および低圧主蒸気管21にそれぞれ他缶から高圧主蒸気、高温再熱蒸気および低圧主蒸気を供給されるようにしている。
【0053】
さらに、各発電機4a、4bの出力側にそれぞれ変流器33a、33bを設け、各変流器で計測した発電機電流33a、33aを33aに替えて遠方負荷遮断検出装置25-3に入力するようにした点において、実施形態1の図1と異なるが、その他の構成は、実施形態1の図1と同様である。
【0054】
図5において、遠方負荷遮断検出装置25-3は、変流器33a、33bで検出した発電機電流33a、33aを導入して加算部62で加算し、その加算結果を発電機出力演算部34に入力して発電機出力35を演算するように構成されている。
図5のその他の構成は、図2の構成と同じなので説明を省略する。
【0055】
本実施形態3においても遠方負荷遮断検出装置25-3に蒸気タービン出力と相関関係にある2箇所の蒸気圧力検出点から圧力検出信号を導入して加重平均して蒸気圧力を求めるとともに、ガスタービン側軸、蒸気タービン側軸にそれぞれ設置された各発電機の出力電流を導入して加算するようにしたので、前述した実施形態1または実施形態2と同様に、従来の高圧タービンの排気蒸気の圧力信号のみを検出する場合に比べて、さらに信頼性の高い複合サイクル発電プラントにおけるパワーロードアンバランス(遠方負荷遮断)発生の検出が可能となる。
【0056】
[実施形態4]
図7は、実施形態4に係る遠方負荷遮断検出装置を備えた複合サイクル発電プラントのシステム構成図である。なお、本実施形態4の遠方負荷遮断検出装置は、実施形態1の遠方負荷遮断検出装置と同じなので図示を省略する。
【0057】
本実施形態4は、図7で示すように高圧蒸気タービンの排気側の低温再熱蒸気管18から分岐した冷却蒸気系統63により、ガスタービンの高温部(例えば、動翼や静翼)を冷却するようにした複合サイクル発電プラントシステムである。
【0058】
本実施形態4の場合も、実施形態1または実施形態2にて説明した2箇所の圧力検出点からの圧力検出信号はそれぞれが蒸気タービン出力と相関関係があることから、従来技術のように高圧タービンの排気蒸気の圧力信号のみを検出する場合に比べて、さらに信頼性の高い複合サイクル発電プラントにおけるパワーロードアンバランス(遠方負荷遮断)発生の検出が可能となる。
【0059】
しかも、第1の蒸気圧力転29aおよび第2の蒸気圧力検出点31aは冷却蒸気系統63内の図示しないガスタービンの冷却ユニットよりも主蒸気下流の中圧タービン3b内にあるので、ガスタービン冷却ユニットによる影響を殆ど受けることはない。
【符号の説明】
【0060】
1…ガスタービン、2…圧縮機、3…蒸気タービン、4…発電機、4a…蒸気タービン用発電機、4b…ガスタービン用発電機、5…燃焼器、6…吸気フィルタ、7…排熱回収ボイラ、8…高圧第二過熱器、9…再熱器、10…高圧第一過熱器、11…中圧過熱器、12…低圧過熱器、13…高圧ドラム、14…中圧ドラム、15…低圧ドラム、16…高圧主蒸気管、17…高圧主蒸気加減弁、18…低温再熱蒸気管、19…高温再熱蒸気管、19L…再熱蒸気リード管、20…再熱蒸気加減弁、21…低圧主蒸気管、21L…低圧蒸気リード管、22…低圧主蒸気加減弁、23…復水器、24…復水ポンプ、25…遠方負荷遮断検出装置、26…高圧主蒸気加減弁操作指令、27…再熱蒸気加減弁操作指令、28…低圧主蒸気加減弁操作指令、29a…第1の圧力検出点、29b…第1の圧力検出点、30a…第1の圧力検出信号、30b…第1の圧力検出信号、31a…第2の圧力検出点、31b…第2の圧力検出点、32a…第2の圧力検出信号、32b…第2の圧力検出信号、33…発電機電流、34…発電機出力演算部、35…発電機出力、36…発電機出力変化率演算部、37…発電機出力変化率、38…規定値以下検出コンパレータ、39…発電機出力変化率規定値以下検出、40…蒸気タービン出力演算部、41…蒸気タービン出力、42…ガスタービン出力演算部、43…ガスタービン出力、44…加算器、45…タービン出力、46…減算器、47…規定値以下検出コンパレータ、48…ノット回路、49…アンド回路、50…ホールド回路、51…パワーロードアンバランス発生、52…高圧主蒸気加減弁制御装置、53…再熱蒸気加減弁制御装置、54…低圧主蒸気加減弁制御装置、55…重み、56…重み、57…乗算器、58…乗算器、59…加重平均回路、60…排気ガス温度検出器、61…燃料流量検出器、62…加算器、63…冷却蒸気系統。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧タービン、中圧タービンおよび低圧タービンにより構成される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンと同軸に配置されたガスタービンと、
前記蒸気タービンおよび前記ガスタービンと同軸に配置された発電機と、
前記ガスタービンの排ガスを回収して蒸気を発生させ、高圧ドラム、中圧ドラム、低圧ドラムおよび再熱器を有する排熱回収ボイラと、を備え、
前記高圧ドラムで発生した蒸気を、高圧主蒸気加減弁を経て前記高圧タービンに導入してこれを駆動し、当該高圧タービンの排気蒸気を前記中圧ドラムで発生した蒸気と合流後に前記再熱器に供給して加熱し、当該再熱器で再熱された蒸気を再熱蒸気加減弁を経て前記中圧タービンに導いて当該中圧タービンを駆動し、前記低圧ドラムで発生し低圧蒸気加減弁を通過した低圧蒸気を前記中圧タービンに導かれて仕事をした蒸気とともに前記低圧タービンに導いて当該低圧タービンを駆動するように構成し、
前記ガスタービンの出力を算出するガスタービン出力算出手段と、
前記蒸気タービンの出力を算出する蒸気タービン出力算出手段と、
ガスタービン出力および蒸気タービン出力を加算してタービン出力を得るタービン出力算出手段と、
前記発電機の発生する発電機出力を得る発電機出力検出手段と、
前記タービン出力と前記発電機出力の偏差を検出する出力偏差検出手段と、
前記出力偏差検出手段にて検出した前記偏差が予め設定されている規定値を超えると遠方負荷遮断を検知して遠方負荷遮断信号を出力する遠方負荷遮断検出手段と、
前記遠方負荷遮断検出手段の出力した前記遠方負荷遮断信号により前記蒸気タービンの蒸気加減弁に対し急速閉止指令を出力する弁制御装置と、をさらに備えた複合サイクル発電プラントにおいて、
前記蒸気タービン出力算出手段は、前記再熱蒸気加減弁よりも下流の第1の圧力検出位置およびこの第1の圧力検出位置よりも下流の第2の圧力検出位置でそれぞれ計測された第1の蒸気圧力および第2の蒸気圧力を加重平均して得た蒸気圧力に基づいて蒸気タービン出力を算出することを特徴とする複合サイクル発電プラント。
【請求項2】
高圧タービン、中圧タービンおよび低圧タービンにより構成される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンと同軸に配置された第1の発電機と、
前記蒸気タービンとは別の軸に配置されたガスタービンと、
前記ガスタービンと同軸に配置された第2の発電機と、
前記ガスタービンの排ガスを回収して蒸気を発生させ、高圧ドラム、中圧ドラム、低圧ドラムおよび再熱器を有する排熱回収ボイラと、を備え、
前記高圧ドラムで発生した蒸気を、高圧主蒸気加減弁を経て前記高圧タービンに導入してこれを駆動し、当該高圧タービンの排気蒸気を前記中圧ドラムで発生した蒸気と合流後に前記再熱器に供給して加熱し、当該再熱器で再熱された蒸気を再熱蒸気加減弁を経て前記中圧タービンに導いて当該中圧タービンを駆動し、前記低圧ドラムで発生し低圧蒸気加減弁を通過した低圧蒸気を前記中圧タービンに導かれて仕事をした蒸気とともに前記低圧タービンに導いて当該低圧タービンを駆動するように構成し、
前記ガスタービンの出力を算出するガスタービン出力算出手段と、
前記蒸気タービンの出力を算出する蒸気タービン出力算出手段と、
ガスタービン出力および蒸気タービン出力を加算してタービン出力を得るタービン出力算出手段と、
前記第1および第2の発電機の出力を合計した発電機出力を得る発電機出力検出手段と、
前記タービン出力と前記発電機出力の偏差を検出する出力偏差検出手段と、
前記出力偏差検出手段にて検出した前記偏差が予め設定されている規定値を超えると遠方負荷遮断を検知して遠方負荷遮断信号を出力する遠方負荷遮断検出手段と、
前記遠方負荷遮断検出手段の出力した前記遠方負荷遮断信号により前記蒸気タービンの蒸気加減弁に対し急速閉止指令を出力する弁制御装置と、をさらに備えた複合サイクル発電プラントにおいて、
前記蒸気タービン出力算出手段は、前記再熱蒸気加減弁よりも下流の第1の圧力検出位置およびこの第1の圧力検出位置よりも下流の第2の圧力検出位置でそれぞれ計測された第1の蒸気圧力および第2の蒸気圧力を加重平均して得た蒸気圧力に基づいて蒸気タービン出力を算出することを特徴とする複合サイクル発電プラント。
【請求項3】
前記第1の圧力検出位置は前記高圧蒸気供給系統のうち前記再熱蒸気加減弁の下流であり、かつ前記中圧蒸気タービンの上流に位置する再熱蒸気リード管に設けられ、前記第2の圧力検出位置は前記低圧蒸気供給系統のうち前記低圧主蒸気加減弁の下流に位置する低圧リード管に設けられたことを特徴とする請求項1記載の複合サイクル発電プラント。
【請求項4】
前記高圧タービンの排気蒸気が流れる低温再熱蒸気系統に、前記ガスタービンの高温部を冷却するための冷却蒸気系統が分岐して設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の複合サイクル発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−111967(P2011−111967A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268824(P2009−268824)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】