説明

複合積層体にZ軸補強繊維を挿入する方法

複合積層体にz−x/y補強を提供するために、この複合積層体にz−x/y方向補強繊維を挿入する方法が開示される。この方法において、繊維(7)は、z−x/y方向で、x−y複合材料(30)内に配置され、ここで、繊維配置管16および通路配置プローブ(35)を含む繊維配置用具は、配置プロセスの間に、ある角度でずれている。1つの実施形態において、頂部プレートと底部プレートとの間の、x−y軸材料が送り込まれるチャンバに側部プレートが形成される。チャンバの側部プレートは、x−y軸材料の縁を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料の製造方法に関し、より具体的には、x−y軸複合材料に、z軸繊維補強材(reinforcement)を組み込むためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複合材料は、樹脂基材材料、および一定量の2次元繊維から構成され、これらは、x−y軸方向に連続しているが、層として積層されて、材料の厚さを生成している。ガラス繊維、炭素繊維、またはアラミド繊維のような繊維材料が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のような基材材料と合わされる、複合材料の構成は、従来の2次元構造の一例である。得られる構造は、2次元材料(層(ply)として公知)の「成層(layering)」から生成される。基材は、(多くの場合、少なくとも1桁だけ)繊維よりも強度が弱いので、その最終的な強度に対してテストが負荷をかける場合、これらの複合体が破損する機構は、基材材料の亀裂、座屈または分離である。これが生じると、複合体は、層割れしたか、または、繊維材料の層が分離したものと理解される。
【0003】
2次元複合材料の複数の層を、全ての層を一緒に結ぶz軸方向繊維を用いて一緒に織り込むか、または結ぶ試みがなされている。これによって、層割れが遅らされ得るか、または排除され得る。使用されているいくつかの技術としては、3D編み、3D織り、およびz軸ピニングが挙げられる。これらの方法の全ては、欠陥、欠点を有し、そして、費用がかさみ、徹底的な労力を要する。
【0004】
Fuscoらの特許文献1は、複合構造体に補強ピンを挿入するための方法およびシステムに関する。超音波エネルギーがピンに適用され、同時に、圧力が適用されて、ピンを複合構造体に挿入して、2つの積相体を接合するか、または、単一の複合構造体を補強する。
【0005】
Childressの特許文献2は、コアを通り、表面層の各々へと延びる複数のz軸ピンを利用する、織り交ぜられたz軸ピンサンドイッチ構造体に関する。これらのピンは、垂直からずれた織り交ぜられた配置で整列され、航空宇宙産業の用途において、この複合構造体を他の構造要素に接続するための締め具の周りに亀裂耐性を提供する。
【0006】
Boyceらの特許文献3は、z軸補強要素を利用する層貫通(translaminar)補強構造体、および、この補強構造体が高温および分解に供されるときに、これらの補強要素を複合構造体に入れるための方法を開示する。
【0007】
Campbellらの特許文献4は、補剛材により補強されたアセンブリ、およびその製造方法を開示する。Boyceらの特許文献5はまた、接合されるべき2つの複合接着材の厚さを貫通する補強要素を備えることによって、接合用複合体部品の使用を開示する。Campbellらの特許文献6はまた、補剛材による補強アセンブリ、およびその製造方法を開示する。
【0008】
発泡体コアの中に被包され、対向する表面層の間に延びて、一体になった複合構造体を形成するトウ(tow)部材の使用を教示する他の特許文献は、Boyceらの特許文献7およびBoyceらの特許文献8である。Boyceらの特許文献9は、積層体貫通型補強のための技術を教示し、この方法は、超音波エネルギーにより複合積層体を加熱および軟化し、次いで、その中に補強繊維を挿入する工程を包含する。
【特許文献1】米国特許第5,589,015号明細書
【特許文献2】米国特許第5,935,680号明細書
【特許文献3】米国特許第4,808,461号明細書
【特許文献4】米国特許第5,789,061号明細書
【特許文献5】米国特許第5,667,859号明細書
【特許文献6】米国特許第5,827,383号明細書
【特許文献7】米国特許第5,624,622号明細書
【特許文献8】米国特許第5,741,574号明細書
【特許文献9】米国特許第5,186,776号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
z軸補強のために、複合積層体に固定性のない(unstable)補強繊維を挿入する新規方法を提供することが、本発明の目的の1つである。
【0010】
複合積層体に固定性のないz軸補強繊維を挿入するための新規機械類を提供することもまた、本発明の目的の1つである。
【0011】
実質的にz軸の繊維補強を有する新しい型の複合材料を提供することが、本発明の別の目的である。
【0012】
連続した自動化様式で、3Dの棒材、シート、および複合サンドイッチ構造体の多量の層を製造するための新規方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
積層体のz軸補強のために、複合積層体に固定性のない補強繊維を挿入する方法は、z軸繊維の配置材料を必要とする。頂部プレートと底部プレートとの間の、x−y軸材料が送り込まれるチャンバに側部プレートが形成される。チャンバの側部プレートは、x−y軸材料の縁を制限する。複数のz軸繊維が、同時にx−y軸材料内に配置され得るような、複数の側方に間隔を空けたz軸繊維配置機が存在する。この各々は、頂部プレートと底部プレートにそれぞれ独自の開口部を有し、そして、これらは、整列している。底部プレート内の各開口部の下には、テーパ付けされた前先端部を有する、細長の固体ロッドがある。このロッドは、「通路配置プローブ(PDP)」として知られる。PDPは、モータにより回転され、次いで、底部プレート内の開口部、x−y軸材料、そして頂部プレート内の開口部を通って上向きに動かされる。頂部プレート内の開口部の各々の上には、可動性の中空管が設置され、この最初の位置では、その底端部が頂部プレート内の開口部内にわずかに挿入されている。z軸繊維束が、静置されたロールに収容され、そして、この束は、このロールから連続的に自由に引き出される。z軸繊維束の各々の前端部は、可動性の中空管の1つを通って下向きに、その底端部に隣接する位置まで通される。新しい長さが必要になると、可動性の中空管の各々に、規定の長さのz軸繊維束を再供給するための構造体が存在する。
【0014】
PDPは、その最も上の位置まで上向きに動かされた後、次いで、その最初の位置まで下向きに引き戻され、そして同時に、可動性の中空管が、x−y軸材料内に作製された穴を通して下向きに移動する。これが起こっている間、PDPの先端部は、可動性の中空管の底端部内に挿入されたままであり、PDPにより作製されたx−y軸材料内の開口部を通る、中空管の滑らかな進入を保証する。z軸繊維配置ユニットの各々は、可動性の中空管が上向きに引き出されるときに、x−y軸材料からz軸繊維が引き出されることを防止するための機構を有する。一旦可動性の中空管がその上側の位置まで上昇すると、x−y軸材料に挿入されたz軸繊維の頂端部が、切断される。これにより、全サイクルが完了する。同時に、ハウジングの幅全体にわたって、他のz軸繊維配置ユニットの各々が、そのサイクルを完了する。続いて、x−y軸材料が、前向きに進められて、z軸繊維が配置されるための新しい位置を提供する。あるいは、この方法は、x−y軸複合材料を前向きに進める代わりに、ハウジングを後向きに進めるための構造体を提供し得る。
【0015】
x−y軸材料の内部にz軸繊維が配置された後、x−y軸材料は、引抜ダイに向かって順方向に移動する。ここで、加熱されたダイは、層の複合材料を硬化し、そして、この層の複合材料は、硬化した3D繊維複合材料として、ダイを出る。この材料は、動作制御液圧シリンダーに取り付けられた複数のグリッパーの互い違いの把持縁部によって、ダイから連続的に引き出される。
【0016】
x−y材料は、3D繊維の挿入前に樹脂を含浸され得るか、3D繊維の挿入後に樹脂を含浸され得るか、または、x−y材料が作製される工場、および/もしくは3D繊維材料が作製される工場で、「プレプレグ(pre−preg)」樹脂に染み込まされ得ることに注意すべきである。後者の場合、3D繊維材料の挿入の前後のいずれにおいても、プロセスにおいて樹脂の含浸は必要とされない。
【0017】
本発明の別の局面は、複合積層体のz軸補強のために、複合積層体にz軸補強繊維を挿入する方法を包含する。この方法は、以下の工程を包含する:z軸補強繊維を少なくとも1層の材料に組み込む前に、x軸繊維およびy軸繊維から構成される少なくとも1層の材料を提供する工程であって、この少なくとも1層は、頂部表面、底部表面、および規定の厚さを有する、工程;前先端部、シャンク部分、後端部、およびz軸を有する細長通路配置デバイスを提供し、この通路配置デバイスの前先端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面の一方の直ぐ側に位置決めする工程;前端部、後端部、内壁表面およびz軸を有する細長の可動性z軸繊維挿入要素を提供する工程;可動性のz軸繊維挿入要素の前端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面のもう一方の直ぐ側に位置決めする工程;前端部を有するz軸補強繊維束を提供し、このz軸補強繊維束の前端部が、実質的に可動性のz軸繊維挿入要素の前端部まで移動するまで、このz軸補強繊維束の前端部を可動性のz軸繊維挿入要素の後端部内に挿入する工程;少なくとも1層内に、そして、この層を通して所定の距離だけ、通路配置デバイスを挿入する工程;z軸補強繊維束が、z軸繊維挿入要素と共に移動するように、z軸補強繊維束を、z軸繊維挿入要素の内壁に一時的に固定する工程;z軸繊維挿入要素の前端部が通路配置デバイスの先端部と合うまで、z軸繊維挿入要素をz軸方向に移動させる工程;z軸繊維挿入要素およびこれに固定されたz軸補強繊維束を、少なくとも1層の材料から通路配置デバイスを引き抜くのと同時に、少なくとも1層の材料の全厚さを通して移動させる工程;z軸補強繊維束をz軸繊維挿入要素の内壁から外し、次いで、z軸繊維挿入要素を少なくとも1層の材料から引き抜き、それにより、z軸補強繊維束を、z軸繊維挿入要素が引き抜かれるときに、少なくとも1層の材料の内側に残す工程;ならびに、少なくとも1層の材料内にあるz軸補強繊維を、z軸補強繊維束から切断する工程。
【0018】
本発明の別の局面は、複合積層体のz軸補強のために、複合積層体にz軸補強繊維を提供する方法を包含する。この方法は、以下の工程を包含する:z軸補強繊維を少なくとも1層の材料に組み込む前に、x軸繊維およびy軸繊維から構成される少なくとも1層の材料を提供する工程であって、この少なくとも1層は、頂部表面、底部表面、および規定の厚さを有する、工程;前先端部、シャンク部分、後端部およびz軸を有する細長の通路配置デバイスを提供し、そして、この通路配置デバイスの前先端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面の一方の直ぐ側に提供する工程;前端部、後端部、内壁表面およびz軸を有する細長のz軸繊維挿入要素を提供し、そして、この可動性のz軸繊維挿入要素の前端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面のもう一方の直ぐ側に提供する工程;前端部を有するz軸補強繊維束を提供し、そして、このz軸補強繊維束の前端部が、実質的にz軸繊維挿入要素の前端部まで移動するまで、このz軸補強繊維束の前端部をz軸繊維挿入要素の後端部内に挿入する工程;少なくとも1層内に、そして、この層を通して、通路配置デバイスが提供されるように、少なくとも1層の材料を所定の距離だけ移動させる工程;z軸繊維挿入要素の前端部と通路配置デバイスの先端部とが合うように、z軸繊維挿入要素および通路配置デバイスの少なくとも1つをz軸方向に移動させる工程;z軸補強繊維束およびz軸繊維挿入要素が、少なくとも1層の材料の全厚さを通って配置されるように、少なくとも1層の材料を移動させる工程;z軸繊維挿入要素と、少なくとも1層の材料とを分離し、それによって、z軸補強繊維束を、少なくとも1層の材料内に残す工程;ならびに、z軸補強繊維束から、少なくとも1層の材料内にあるz軸補強繊維を切断する工程。
【0019】
本発明のさらなる局面は、複合積層体のz軸補強のために、複合積層体にz軸補強繊維を挿入する方法を包含する。この方法は、以下の工程を包含する:z軸補強繊維を少なくとも1層の材料に組み込む前に、少なくとも1層の複合積層体材料を提供する工程であって、この少なくとも1層は、頂部表面、底部表面、および規定の厚さを有する、工程;前先端部、本体部分、後端部、およびz軸を有する細長通路配置デバイスを提供し、そして、この通路配置デバイスの前先端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面の一方の直ぐ側に提供する工程;前端部、後端部およびz軸を有する細長の可動性のz軸繊維挿入要素を提供し、そして、可動性のz軸繊維挿入要素の前端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面のもう一方の直ぐ側に提供する工程;可動性のz軸繊維挿入要素に、z軸補強繊維束を提供する工程;少なくとも1層内に、そして、この層を通して、通路配置デバイスを所定の距離だけ挿入する工程;z軸繊維挿入要素の前端部が通路配置デバイスの先端部と合うまで、通路配置デバイスおよびz軸繊維挿入要素の少なくとも1つをz軸方向に移動させる工程;z軸繊維挿入要素およびz軸補強繊維束を、少なくとも1層の材料から通路配置デバイスを引き抜くのと同時に、少なくとも1層の材料の全厚さを通して移動させる工程;z軸繊維挿入要素を少なくとも1層の材料から引き抜き、それにより、z軸補強繊維束を、z軸繊維挿入要素が引き抜かれるときに、少なくとも1層の材料の内側に残す工程;ならびにz軸補強繊維束からz軸補強繊維を切断する工程。
【0020】
本発明のさらなる局面は、本発明のさらなる局面は、z−x方向の補強繊維またはz−y方向の補強繊維(本明細書中で以降z−x/y)を、複合積層体のz−x/y方向の補強のために、複合積層体に挿入する方法を包含する。この方法は、以下の工程を包含する:z−x/y方向の補強繊維を少なくとも1層の材料に組み込む前に、少なくとも1層の複合積層体材料を提供する工程であって、この少なくとも1層は、頂部表面、底部表面、および規定の厚さを有する、工程;z−x/y方向に方向付けられ、かつ前先端部、本体部分、後端部およびz−x/y軸を有する細長の通路配置デバイスを提供し、この通路配置デバイスの前先端部を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面の一方の直ぐ側に提供する工程;z−x/y方向に向けられ、かつ前端部、後端部およびz−x/y軸を有する細長の可動性z−x/y方向繊維挿入要素を提供し、この可動性z−x/y軸繊維挿入要素を、少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面のもう一方の直ぐ側に提供する工程;可動性のz−x/y方向繊維挿入要素内に、z−x/y方向補強繊維を提供する工程;少なくとも1層の材料内に、そして、この1層の材料を通して、通路配置デバイスをz−x/y方向に所定の距離だけ挿入する工程;通路配置デバイスおよびz−x/y方向繊維挿入要素の少なくとも1つを、z−x/y方向繊維挿入要素の前端部が、通路配置デバイスの先端部と合うまで、z−x/y方向に移動させる工程;z−x/y方向繊維挿入要素およびz−x/y方向の補強繊維束を、少なくとも1層の材料から通路配置デバイスを引き抜くのと同時に、少なくとも1層の材料の全厚さを通して移動させる工程;z−x/y方向繊維挿入要素を少なくとも1層の材料から引き抜き、それにより、z−x/y方向の補強繊維束を、z−x/y方向繊維挿入要素が引き抜かれるときに、少なくとも1層の材料内でz−x/y方向に残す工程;ならびにz−x/y方向の補強繊維束からz−x/y方向の補強繊維を切断する工程。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(好ましい実施形態の説明)
ここで、図面の図1〜6を参照して、複合積層体にz軸補強繊維を挿入する方法が説明される。
【0022】
図1は、新規のz軸繊維配置プロセス、および関連する機械の概略立面図を示す。たった1つのz軸繊維配置ユニットの主要な要素が、この図面に図示される。図1の描写に続いて、複数のz軸繊維配置複合体のより詳細な拡張された描写が議論される。
【0023】
図1において、代表的なx−y軸材料の断面が、数字30により識別される。材料30は、x−y軸材料の連続的に移動する積層体である。引き抜きの方向および連続的な処理が、x軸方向に、そして、左から右に規定される。y軸方向は、紙面を表から裏の方向である。z軸方向は、3D材料30を通って頂部から底部の方向である。x−y軸材料30のほんの2〜3の層(layer)、または「層(ply)」が示されるが、明らかに、さらなる層が示され得る。単一層の材料30は、x軸材料およびy軸材料から構成され、z軸繊維配置プロセスに組み込まれる前に、他のプロセスにより製造される。このx−y軸材料は、織ったガラス繊維、もしくは縫ったガラス繊維、またはこの各々の組み合わせであり得るか、あるいは、艶なし、または一方向性の織物(woving)であり得るか、あるいは、炭素もしくはアラミドのような他の繊維であり得る。材料30はまた、粗紡であり得る。
【0024】
材料30は、頂部プレート20および底部プレート21によってのみ示されるハウジング内のチャンバにより、z軸方向に収容される。示されないが、ハウジングの側部プレートは、材料30の縁を制限する。y軸に沿って複数のz軸配置点が存在し、そして、図1は、これらの点のうち1つのみを示すので、封じ込めハウジング内のチャンバの縁、およびx−y軸材料の縁は示されない。プレート20および21は、層30の非常にコンパクトなセットがハウジングを通して引き出され、z軸繊維を受容するか、引抜ダイに入る前に、x−y軸材料30をそのほぼ最終的なz軸方向の圧縮まで圧縮するように、予め間隔が空けられている。材料30は、樹脂材料に含浸され得、そして、熱硬化性である場合、材料は、プレート20よび21により規定される収容封じ込めハウジング内のチャンバに入る前に減量され得る。
【0025】
先に言及されたように、材料30はまた、操作もプロセスも変更することなく、サンドイッチ構造であり得る。図1に示されるように、材料30は、x−y軸繊維材料の層のスタックであり、この材料は、z軸方向の繊維の配置後に、擬似等方性の棒材に加工される。材料30が(例えば)1インチの厚さである場合、1インチの厚さを構成する、36層のx−y軸材料が存在し得る。x−y軸材料の中間層の代わりに、コア材料28(例えば、発泡プラスチック、ポリイソシアヌレート発泡体、ハニカム材料、またはバルサ材)を使用することは、単純な構成上の事項である(図4〜6を参照のこと)。これらのコア材料は、低密度であり、そしてサンドイッチ構造の構築において使用される。この様式で、材料30は、頂部の6層のx−y軸材料、0.75インチの厚さのコア材料、および底部の6層のx−y軸材料を有し得る。本明細書中に記載される、z軸繊維配置方法は、材料30が100%x−y軸繊維材料であっても、コア材料ならびに頂部「スキン」材料27および底部「スキン」材料29を有するサンドイッチ材料であっても、同じである。
【0026】
z軸繊維配置機構の主要な要素が、図1に示されているが、いずれの特定の機構が支持されるか、または作動されるかに関する詳細の全ては、示されていない。このプロセスの最初の工程は、材料30が、上部表面20および下部表面21の間の収容ハウジング内のチャンバに引き込まれることを包含する。材料30は、停止される。なぜなら、この機械は、引き抜き速度と同期して動くからである。このことにより、「通路配置プローブ」(PDP)35が、材料30に通して挿入されることが可能になる。あるいは、この材料は、連続的に動き得、そしてこの配置プロセスは、ガントリー(gantry)であり得、そしてこの引き抜き速度と同期し得る。PDP 35は、細長い頑丈な棒であり、テーパ状の前先端部、シャンク部分、および後端部を有する。PDP 35は、最初に、モータ50によって回転され、次いで、アクチュエータ61によって、上方に起動される。
【0027】
次いで、プロセスが開始し、このプロセスにおいて、繊維束(1本の線7によって示される)が、x−y軸材料30のスタック内に配置される。この繊維束は、1本の線として示されているが、実際には、この繊維束は、何百または何千でさえもの連続した繊維フィラメントを含む、ガラス繊維束、炭素繊維束、または他の繊維束であり得る。このプロセスは、z軸繊維配置プロセスと称される。z軸繊維束7は、静止ロール5に含まれ、この繊維束は、ロール5から自由に連続的に引き出される。この繊維束は、案内ブシュ10および2つの管を通して供給される。これらの管のうちの一方は、静止外側管15であり、そして他方は、可動管16である。静止外側管15および可動内側管16は、非常に厳密な許容差で同心状であり、そして両方が、繊維クランプ12Aおよび繊維クランプ12Bを受容するために、2つの位置で穿孔されている。繊維クランプ12Aは、静止外側管15を穿孔するので、定義上、静止している。繊維クランプ12Bは、可動内側管16のz軸方向での機構の動きと共に動かなければならないので、定義上、可動である。可動繊維クランプ12Bは、管16が動いている際に、延長しても延長しなくてもよい。クランプ12Bの起動機構は、管16のための起動機構とは独立しており、これらの機構の両方が、図1において、明白にするために示されている。繊維クランプ12Aおよび12Bの目的は、異なる時点および異なる目的での、それぞれ管15および16の内部への繊維束の能動的なクランピングを提供することである。
【0028】
一旦、PDP 35が回転され、z軸方向に起動され、そしてx−y軸繊維層30に完全に貫入すると、PDP 35は、外側可動管16にまだ連絡せず、材料30を完全に通過している。この時点で、PDP 35は、回転を停止している。
【0029】
先に言及されたように、PDP 35の回転は、最小の力、およびx−y軸材料30に対する最小の繊維損傷での、材料30への貫入を補助する。このプロセスにおける次の工程は、以下のとおりである:繊維クランプ12Aのクランプが解除され、そして繊維クランプ12Bがクランプされる。繊維クランプ12Bを起動することによって、クランプされた位置において、繊維束7が、可動管16の内壁に固定され、そして繊維束7が管16と一緒に動くことを可能にする。代替の実施形態において、可動管16が材料30の内部に動く場合に、繊維束7は、可動管16に固定されなくてもよい。例えば、限定としてではないが、PDP 35および管16は、最初に、材料30内に繊維束通路を作製し得る。一旦、この繊維束通路が作製されると、繊維束7は、この繊維束通路に、好ましくは、管17が繊維束通路内にある間に、管17を介して挿入され得る。次いで、管17は、この繊維束通路から取り除かれ得、繊維束7を、材料30内の繊維束通路内に残す。管17が取り除かれるにつれて、繊維束7は、PDP 35または別の保持機構によって保持され、繊維束7が、それに従って、管17が取り除かれると同時に繊維束通路から取り除かれることを防止し得る。
【0030】
一旦、クランプ12Bが繊維束7を可動内側管16に固定すると、管16の底端部がPDP 35(これは、すでにx−y軸材料30に貫入している)の外側と連絡するまで、機構(図示せず)が、内側管16を、z軸方向下向きに動かすが、今回は、回転しない。あるいは、管16とPDP 35との連絡は、上記のように管16とPDP 35とが接触して管16とPDP 35との連絡が起こる代わりに、管16とPDP 35とが接触することなく起こり得る。
【0031】
次に、内側管16を動かす機構は、繊維束7およびPDP 35を、x−y軸材料30全体を通して動かす。PDP 35は、内側管16が材料30を通して挿入されるための通路を、作製している。PDP 35に対する、ある量の低い起動力は、内側管16が、PDP 35に密接に接触したままであることを保証する。この技術は、管16およびクランプされた繊維束7が、x−y軸材料30を通って滑らかに入ることを保証する。繊維束7は、このプロセスによって、スプール5から引き出される。
【0032】
次に、繊維クランプ12Bは、クランプが解除された位置に解放され、そして繊維クランプ12Aは、クランプ位置に起動される。この様式で、繊維クランプ12Aは、繊維束7を、静止管15の内部に対して固定する。このことは、繊維束7が静止を維持し、そしてx−y軸材料30の内壁に配置されたままになることを確実にする。これに続いて、可動内側管16が、x−y軸材料30から引き抜かれ、そしてz軸方向で上方に起動され、図1に示される最初の位置に戻る。この工程がなされるときに、繊維束7は、動かない。繊維束7は、z軸方向で完全に配置された繊維束として残る。次に、繊維束7は、x−y軸材料30の頂部において、せん断プレート25および26によって、せん断される。せん断プレートの静止部品26は、全く動かない。可動部品25は、アクチュエータ60によって起動される。これにより、繊維束7を、鋏での切断と非常に類似して切断し、繊維束7が(スプール5によって運ばれる)が、z軸繊維を配置された束から分離されることを可能にする(あるいは、このz軸繊維は、挿入後ではなく、挿入前に、繊維束7から切断され得る)。このことは、第二のz軸繊維の配置のための準備を可能にする。この準備は、繊維束7の端部を、せん断プレート26の端部に対して調節する工程を包含する。図1に示されるように、繊維束7の端部は、管16の底端部からわずかに内側に引き込まれる。このことは、繊維が内側管16とPDP 35との接点の間に捕捉されることなく、PDP 35の先端部の点が管16に入ることを可能にするために、必要である。これは、以下のように達成される:
一旦、せん断プレート25が、繊維束7から配置されたz軸繊維を切断すると、繊維束7の端部は、内側管16の下方にわずかに伸ばされる。次に、繊維クランプ12Aが解放され、そして繊維クランプ12Bが起動されて、クランプされる。内側管16は、繊維束7の端部が図1に示される位置と同じ相対位置にくるまで、図1に示されるように、z軸方向で上方にさらに起動される。次に、クランプ12Aが起動されてクランプされ、そしてクランプ12Bが解放され、クランプを解除される。これに続いて、内側管16が、図1に示される位置まで、z軸方向で下方に動かされ、これによって、可動内側管16の端部と繊維束7の端部との相対位置が、図1に示されるような位置になる。このサイクルは、ここで、繰り返されるように設定される。
【0033】
先に記載された作動の全ては、迅速に行われ得る。図1に示されるようなデバイスの幾つかのユニットは、横に並べて設置される。図1のデバイスの全てを収容するハウジング全体の動きは、x−y軸材料30ならびにプレート25および26が静止したままで起こる。この様式で、例えば、材料30が停止している間に、過剰のz軸繊維が、第一のサイクルにおいて配置された2つのz軸繊維の間の位置に配置され得る。材料30が静止している間に、1列に多数のz軸繊維束が、実際に、配置され得る。一旦、列(これは、y方向で線状に配置されたz軸繊維として定義される)が完了すると、材料30は、図1の機械に対して動かされ得、そしてz軸繊維の第二の列が、配置され得る。この新たな列は、必要に応じて、同じパターンまたは互い違いのパターンを有し得る。
【0034】
図1における1つの他のデバイスは、言及を必要とする。ばね40は、基部PDP 35およびPDPとモータ50との間に位置し、特殊な目的を有する。内側管16がPDP 35と接触し、引き続いて、PDP 35をx−y軸材料30の層を通して後方に押す場合、この管とPDPとの間の相対的な力が特定の値を超えると、この管の端部の広がりが起こり得る。管16の端部の広がりは、この機構の故障を引き起こす。ばね40は、この過剰な差の力を防止し、これによって、管16の端部において、広がりを生じさせない。
【0035】
材料30は、x−y面内にあり、そして管16およびPDP 35は、z方向に動くと記載されてきたが、代替的に、この方法は、z軸補強繊維を材料30内に提供するために、管16およびPDP 35がz方向に動くことの代わりに、またはそれに加えて、z方向に動く材料30を包含し得る。例えば、この方法は、細長通路規定デバイス35を、材料30の頂部表面または底部表面のうちの一方に近く接近させて提供する工程;細長z軸繊維挿入要素16を、材料30の頂部表面または底部表面のうちの他方に近く接近させて提供する工程;z軸補強繊維束7を、z軸繊維挿入要素16の内部に提供する工程;通路配置デバイス35が、材料30の内部を通って所定の距離だけ提供されるように、材料30を動かす工程;z軸繊維挿入要素16の前端部と通路配置デバイス35の先端部とが連絡するように、z軸繊維挿入要素16および通路配置デバイス35のうちの少なくとも一方を、z軸方向に動かす工程;z軸補強繊維束7およびz軸繊維挿入要素16が材料30の全厚さを通して配置されるように、材料30を動かす工程;z軸繊維挿入要素16と材料30とを分離し、これによって、z軸補強繊維束7を材料30の内部に残す工程;ならびに材料30の内部にあるz軸補強繊維を、z軸補強繊維束7から切断する工程を包含し得る。
【0036】
図2は、引抜プロセスと機械的に統合された、z軸繊維配置機械の概略側面立面図である。x−y軸材料30の2Dの層が、ローラ70に格納される。これらの層は、樹脂タンク31を通して引かれ、このタンクにおいて、この2Dの材料は、この樹脂を含浸される。次いで、これらの層は、嵩減少(debulking)ブシュ72を通して引かれ、このブシュにおいて、連続的に、これらの層が積み重ねられ、そしてx−y軸材料30がz軸繊維配置機械73の方へと進むにつれて、各連続するブシュ72が、x−y軸材料30のスタックから、もう少しの樹脂を次第に搾り出す。一旦、機械73を通ると、(z軸繊維が内部に配置されたので)3Dの繊維の複合材料(ここで、番号31として識別される)は、引抜ダイ74へと進む。ここで、加熱されたダイ74は、この3Dの繊維の複合材料31を、たなびかせながら硬化させ、そしてこの材料は、硬化した3Dの繊維の複合材料32として、ダイ74から出る。材料32は、ダイ74から、2つのグリッパー75の交互に把持する作用によって、連続的に引かれる。これらのグリッパーは、運動制御液圧シリンダー76に取り付けられている。シリンダー76は、CNC型のシリンダーであり、そしてz軸配置のために、材料30を正確に位置決めし得、そしてタイミングを合わせ得る。
【0037】
x−y材料30は、3Dの繊維の挿入の前に、樹脂を含浸されると記載されたが、図7を参照すると、樹脂タンク71は、ラインにおいて、z軸繊維配置機械73の下流に位置し得、その結果、3Dの複合繊維材料31は、3Dの繊維の挿入後に、樹脂を含浸される。あるいは、x−y材料30は、x−y材料30が作製された工場、および/または3Dの繊維の材料が作製された工場において、「プリプレグ」樹脂を含浸され得る。この場合、樹脂の含浸は、このプロセスにおいて、3Dの繊維の材料の挿入の前にも後にも、必要とされない。
【0038】
図1において先に記載され、そしてクランプ12Aおよび12B、ならびに外側管15および内側管16によって図示された、供給機構に対する代替物は、図3に図示される供給機構で置き換えられ得る。この供給機構は、以下の記載において明らかになるように、図1のクランプシステムより洗練された運動制御を必要とする。
【0039】
上に示された図3の構成要素であるキャリアプレート20は、上に示された図1の構成要素であるキャリアプレート20を置き換える。主要な新たな構成要素は、管16、ウレタンリール19、遊びベアリング18、ばね17、駆動ベルト22、およびCNC型運動制御モータ23である。これらの構成要素の全ては、フレーム(図示せず)に密接に接続され、このフレームは、キャリアプレート20および21を介して、CNC型のモータおよびボールねじ(これも図示せず)によって、駆動される。この様式で、構成要素16、19、18、17、22および23の全ては、同期したユニットとして、一緒に動く。
【0040】
図3に示される実施形態は、同じ繊維ロール5、繊維のトウまたは束7、および案内ブシュ10を有する。遊びベアリング18およびウレタンホイール19は、繊維束7の積極的なクランプを提供する。ばね17は、既知の量の横方向の力を保証し、そして繊維束7をクランプする。運動制御モータ23が、ロックされた位置(回転しない)にある場合、繊維束7がクランプされ、そして動くことができない。モータ23が回転する場合、繊維束7は、管16に対して動く。なぜなら、管16の位置は、常に、図3の他の構成要素19、18、17、22および23と同じであるからである。この様式で、繊維束7は、管16の内部で動くことができないようにクランプされ得るか、または運動制御モータ23の回転によって、管16の内部で動き得るかの、いずれかである。
【0041】
図3に示される機構は、図1において識別される機構に対する置換であり得ることが、ここで明らかであるはずである。管16が、繊維束7がクランプされた状態で、CNCモータ(図示せず)によって、x−y軸材料30を通して動かされる場合、モータ23は、回転しない。しかし、管16がx−y軸材料30から引き出される場合、モータ23は、PDP 35の引き抜きと全く同じ速度で回転する。このことは、現在洗練された運動制御ハードウェアおよびソフトウェアを用いて、達成され得る。このことを行う際に、繊維束7は、管16が引き抜かれている場合でさえも、x−y軸材料30に対して静止したままである。
【0042】
図3における機構の利点は、図1の対応物と同じ機能を提供するが、クランプ12Aおよび12Bの交互のクランプを排除することによって、プロセスの速度が改善され得ることである。それにもかかわらず、いずれかのセットの機構が、開示される発明のために利用可能である。
【0043】
図8は、繊維配置ユニットの別の実施形態の概略側面立面図であり、ここで、繊維7は、z−x/y方向で、x−y複合材料30内に配置される。本明細書中において使用される場合、z−x/y方向補強繊維、または繊維7をz−x/y方向に配置するとは、繊維7が、z−x方向、z−y方向、またはz−x−y方向でx−y材料30内に配置され得ることを意味する。図8に示される繊維配置ユニットは、図3に関して上に記載されたz軸繊維配置ユニットと類似であるが、x−y複合材料30上に位置する繊維配置設備(例えば、管16、ウレタンリール19、遊びベアリング18、ばね17、駆動ベルト22、CNC型の運動制御モータ23)が、全体として、x−y複合材料の下方に位置する繊維配置設備(例えば、PDP 35、ばね40、モータ50、アクチュエータ61)に対して、x方向(またはy方向、あるいはx方向とy方向との両方)に沿ってずれていることを除く。さらに、繊維配置ユニットの設備のうちのあるもの(例えば、繊維7を有する管16、PDP 35)は、z−x/y方向に、ある角度で配置される。x−y材料30内での繊維7の配置は、図3に関して上に記載された様式と同じ様式で行われるが、繊維7が、x−y材料30の内部で、z−x/y方向のある角度で(すなわち、x−y材料の1つ以上の層を通るが、z軸に対して垂直ではなく)配置されることを除く。繊維7を、z−x/y方向のある角度で、x−y材料30の内部で配向させることは、z方向でこの複合材料の強度を補強するのみでなく、この複合材料のせん断強度、せん断モジュラス、慣性モーメントもまた増加させる。このことは、得られる複合材料を、曲げ堅さおよびせん断堅さを必要とする用途のために理想的にする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、z軸繊維配置ユニットの概略側面立面図である。
【図2】図2は、引き抜きプロセスと一体になった、z軸繊維配置ユニットの概略側面立面図である。
【図3】図3は、z軸繊維配置ユニットの第1の代替的な実施形態の概略側面立面図である。
【図4】図4は、x−y軸繊維材料から形成されたそれぞれのスキンで頂部表面および底部表面上が覆われたコアを有するサンドイッチ構造体を図示する、概略部分断面図である。
【図5】図5は、図4の線5−5に沿って取った、概略拡大断面図である。
【図6】図6は、図5の線6−6に沿って取った、概略拡大断面図である。
【図7】図7は、引き抜きプロセスと一体になった、z軸繊維配置ユニットの概略側面立面図であり、ここで、x−y材料は、3D繊維の挿入後に、樹脂を含浸される。
【図8】図8は、繊維配置ユニットの別の実施形態の概略側面立面図であり、ここでは、繊維は、x−y複合材料内にz−x/y方向で配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合積層体のz−x/y方向の補強のために、該複合積層体にz−x/y方向の補強繊維を挿入する方法であって、該方法は、以下:
z−x/y方向の補強繊維を少なくとも1層の複合積層材料に組み込む前の、該少なくとも1層の複合積層材料を提供する工程であって;該少なくとも1つの層は、頂部表面、底部表面、および所定の厚さを有する、工程;
細長通路配置デバイスを提供する工程であって、該デバイスは、z−x/y方向に配向しており、そして前先端部、本体部分、後端部およびz−x/y軸を有し、該通路配置デバイスの該前先端部を、該少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面のうちの一方に近く接近させて提供する、工程;
細長い可動の、z−x/y方向繊維挿入要素を提供する工程であって、該要素は、z−x/y方向に配向しており、そして前端部、後端部、およびz−x/y軸を有し、該可動z−x/y軸繊維挿入要素の該前端部を、該少なくとも1層の材料の該頂部表面または底部表面のうちの他方に近く接近させて提供する、工程;
z−x/y方向補強繊維束を、該可動z−x/y方向繊維挿入要素の内部に提供する工程;
該通路配置デバイスを、該少なくとも1層の材料に挿入し、そして該z−x/y方向に所定の距離だけ通す工程;
該z−x/y方向繊維挿入要素の該前端部が、該通路配置デバイスの該先端部と連絡するまで、該通路配置デバイスと該z−x/y方向繊維挿入要素とのうちの少なくとも一方を、z−x/y方向に動かす工程;
該z−x/y方向挿入要素および該z−x/y方向繊維束を、該少なくとも1層の材料の全厚さを通して動かし、同時に、該通路配置デバイスを、該少なくとも1層の材料から引き抜く工程;
該z−x/y方向繊維挿入要素を、該少なくとも1層の材料から引き抜く工程であって、これによって、該z−x/y方向繊維挿入要素が引き抜かれる際に、該z−x/y方向補強繊維束を、該少なくとも1層の材料の内部に、z−x/y方向で保持する工程;
該z−x/y方向補強繊維を、該z−x/y方向補強繊維束から切断する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記通路配置デバイスが、前記少なくとも1層の材料の内部に導入される間にスピンされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらなるz−x/y方向補強繊維を前記少なくとも1層の材料の内部に配置するために、先行する工程が繰り返され得るように、該少なくとも1層の材料を前方に進める工程をさらに包含する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1層の材料が、最初に前方に動かされ、次いで、さらなるz−x/y方向補強繊維を該少なくとも1層の材料の内部に配置する目的で静止させられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1層の材料を前方に進める工程、および前記さらなるz−x/y方向補強繊維を該少なくとも1層の材料の内部に配置する工程が、同時に行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
z−x/y方向の補強のために複合積層体にz−x/y方向の補強繊維を挿入する作動を実施する機械を、後方に進める工程をさらに包含し、前記少なくとも1層の材料は静止したままである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
新たに挿入されたz−x/y方向補強繊維を有する、前記少なくとも1層の材料を、複合材料を硬化させるための引抜ダイに通す工程をさらに包含する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
互いに積み重なった複数の層の材料をさらに備え、該材料の内部に、z−x/y方向補強繊維が挿入される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記材料の層のうちのいくつかが、材料のコア層によって、互いから垂直に間隔を空けている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記材料のコア層が、発泡プラスチックおよびポリイソシアヌレート発泡体のうちの少なくとも1つから作製されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記材料のコア層が、バルサ材から作製されている、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記材料のコア層が、ハニカム材料から作製されている、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記z−x/y方向補強繊維束が、ガラス繊維から作製されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記z−x/y方向補強繊維束が、炭素繊維から作製されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記z−x/y方向補強繊維束が、アラミド繊維から作製されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記通路配置デバイスの前記後端部が、緩衝ばねを有し、前記z−x/y方向繊維挿入要素の前記前端部が広がることを防止する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1層の材料が、x軸繊維およびy軸繊維から作製されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1層の材料が、ロービングから作製されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
複合積層体のz軸の補強のために、該複合積層体にz軸の補強繊維を提供する方法であって、該方法は、以下:
z方向の補強繊維を、x軸繊維およびy軸繊維から作製された少なくとも1層の材料に組み込む前の、該少なくとも1層の材料を提供する工程であって;該少なくとも1つの層は、頂部表面、底部表面、および所定の厚さを有する、工程;
細長通路配置デバイスを提供する工程であって、該デバイスは、前先端部、シャンク部分、後端部およびz軸を有し、該通路配置デバイスの該前先端部を、該少なくとも1層の材料の頂部表面または底部表面のうちの一方に近く接近させて提供する、工程;
細長いz軸繊維挿入要素を提供する工程であって、該要素は、前端部、後端部、内壁表面およびz軸を有し、該可動z軸繊維挿入要素の該前端部を、該少なくとも1層の材料の該頂部表面または底部表面のうちの他方に近く接近させて提供する、工程;
前端部を有するz軸補強繊維束を提供し、そして該z軸補強繊維束の該前端部を、該z軸繊維挿入要素の後端部に、該z軸繊維挿入要素の該前端部まで実質的に移動するまで挿入する工程;
該通路配置デバイスが、該少なくとも1層の材料の内部を通して所定の距離だけ提供されるように、該少なくとも1層の材料を動かす工程;
該z軸繊維挿入要素の該前端部と、該通路配置デバイスの該先端部とが連絡するまで、該z軸繊維挿入要素と該通路配置デバイスとのうちの少なくとも一方を、z軸方向に動かす工程;
該z軸補強繊維束および該z軸繊維挿入要素が、該少なくとも1層の材料の全厚さを通して配置されるように、該少なくとも1層の材料を動かす工程;
該z軸繊維挿入要素と該少なくとも1層の材料とを分離し、これによって、該z軸補強繊維束を、該少なくとも1層の材料の内部に残す工程;
該少なくとも1層の材料の内部にある該z軸補強繊維を、該z軸補強繊維束から切断する工程、
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−511391(P2007−511391A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539524(P2006−539524)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/034620
【国際公開番号】WO2005/062747
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504033175)エバート コンポジッツ コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】