説明

複数のファイバ相互混合層を備えてなる複合体製フライホイールリムならびにその製造方法

【課題】応力や歪みに耐え得る複合体ベースのリムを提供すること。
【解決手段】複合体ベースのリム(100)であって、複数のファイバ層(110〜140)を具備してなり、その中の少なくとも1つの層が、少なくとも1つの低弾性率ファイバと高弾性率ファイバとから形成されたファイバ相互混合層とされ、低弾性率ファイバの弾性率が、高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さく、各層のフープ応力に対する強度が、最内層(110)から最外層(140)に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、少なくとも1つのファイバ相互混合層のフープ応力に対する強度が、このファイバ相互混合層の全体にわたって実質的に一様なものとされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には、複合体ベースのリムおよびその製造方法に関するものである。より詳細には、本発明は、理想的にはフライホイールシステム内への組込に適しているような複合体ベースのリムに関するものである。というのは、このようなリムが、それらファイバ層の組成が層ごとに相違しているような複数のファイバ相互混合層を備えているからであり、また、各層の組成が、例えば径方向応力やリムに対して向けられた歪みといったようなフライホイールシステムの動作時に出くわすような寿命制限的リム条件を、従来の複合体ベースのリムと比較して、より効果的に制御し得るようにして、選択されているからである。
【背景技術】
【0002】
フライホイールシステムは、何年にもわたって当該技術分野において公知であり、運動エネルギーを貯蔵したり回収したりする能力が優秀であることのために、工業的環境(例えば、無停電電源として)において極度に有効なものであることが既にわかっている。典型的なフライホイールは、フライホイールと、このフライホイールをを固定するためのシャフトと、シャフトを回転可能に支持するための1つまたは複数のベアリングアセンブリと、を備えている。フライホイールシステムは、さらに、保護用外側リムを備えており、この保護用外側リムは、リムとシャフトとを連結するよう機能しているハブによって支持されている。
【0003】
動作時には、高出力型の高強度のモータが、シャフトを駆動する。シャフト自体は、回転子を非常に高速で駆動する。このことは、フライホイールシステムのリムを、急速に回転/スピンさせ、これにより、以下の式に従って、かなりの量の運動エネルギーが、生成される。
【0004】
エネルギー=1/2×(リム密度)×(リム容積)×(回転子の旋回半径)×(リムの回転速度)
【0005】
フライホイールの出現以来、当業者は、常に、フライホイールシステムの安全動作と妥協することなく、フライホイールシステムを、上記等式に従ってできる限り多くの運動エネルギーを生成し得るように構成することを目的としてきた。この目的のために、設計者たちは、金属ベースのリムから複合体ベースのリムへと切り換えつつ、実験を開始した。
【0006】
金属ベースのリムは、使用時に問題があることがわかった。それは、金属ベースのリムの耐力が比較的小さいことのために、回転速度の生成能力が制限されるということであり、そのため、フライホイールシステムによってかなり大きな量の運動エネルギーを生成するという能力が制限されるということである。金属ベースのリムは、大きな破損耐性を有していることがわかっているけれども、それらが実際に破損する際には、大きくかつ重い3つの破断片へと分裂する傾向がある。それら破断片は、フライホイールシステムから投げ出される。そのため、周囲の作業者には危険であって、周囲の設備にとっても同様に危険である。
【0007】
複合体ベースのリムは、金属ベースのリムよりも軽量であるだけでなく、強度および硬度が、金属ベースのリムと同程度であるかあるいは大きい場合すらある。よって、ずっと大きな高速回転速度を得ることができ、そのため、上述したリスク/欠点をもたらすことなく、金属ベースのリムに関する利点のすべてではないにしても大部分をもたらし得ることが明らかである。
【0008】
予想通り、ここ数年の間に、複合体ベースのリムが、フライホイールシステム産業において標準品となってきた。
【0009】
しかしながら、より最近においては、複合体ベースのリムが、使用時に問題点を有していることが判明した。重大な問題点は、フライホイールシステムの動作時に発生する径方向応力および歪みのために、破損を受けやすいことである。
【0010】
上述したように、複合体ベースのリムを具備したフライホイールシステムは、金属ベースのリムと比較した際には、軽量であることのためにより高速で回転できる点において、そのために、同等寸法の金属ベースリムの場合よりもより大きな貯蔵エネルギーを生成し得るという点において、主要な利点を有している。しかしながら、フライホイールシステムにおけるリム(金属ベースのリムであろうが、あるいは、複合体ベースのリムであろうが)の回転速度が増大するにつれて、リムに対して印加される望ましくない歪みやフープ応力/径方向応力も、また、次式に従って、増大する。
【0011】
フープ応力=(リム密度)×(リム半径)×(リム回転速度)
=(フープ歪み)×(フープ弾性率)
径方向応力〜(リム密度)×(リム厚さ)×(リム回転速度)
【0012】
よって、例えば、第2の式によれば、第2回転リムよりも厚さが2倍であるような第1回転リムは、第2回転リムのピーク径方向応力よりも約4倍のピーク径方向応力を有することとなる。これは、フープ強度と比較して径方向強度が比較的小さな複合体ベースのリムにとっては、応力および歪みの生成に関して深刻な増大である。
【0013】
このため、リムの回転速度の増大化という利点を(したがって、運動エネルギーの増大化という利点を)犠牲にすることとなって望ましくないけれども、設計者によっては、複合体ベースのリムの全体長さを増大させつつ、複合体ベースのリムの全体厚さを低減することを提案している。
【0014】
そうすることのもっともらしい理論的根拠は、リム厚さの2乗が、リム内に発生する歪みおよび径方向応力の量に比例することである。この場合、リム厚さの減少分が、リムの回転速度の増大化によって十分に補償されるべきであり、それによって、リム内に発生する歪みおよび径方向応力の量を、管理可能な範囲内に維持することができる。リムの長さ(リム容積の一要因であって、リムによって生成される運動エネルギーの量に比例する)を増大することによって、リムによる運動エネルギー量に直接的に比例する要素であるリム横断面積が低減することに基づくエネルギー減少分を補償する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開昭54−065266号公報
【特許文献2】特開平09−267402号公報
【特許文献3】特開平10−337787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
うまくないことに、厚さを低減させかつ長さを増大させたリムを具備したフライホイールシステムは、製造という観点からだけでなく使用環境における実施および動作という観点において不当に高価であり、そのため、当業者の興味をそいでしまうものとなる。
【0017】
したがって、フライホイールシステムにおいて使用するための複合体ベースのリムであって、リムの構成が、管理不能な径方向応力および歪みの生成のために悪影響を受けることがなく、リムのエネルギー生成能力や、リムの寿命や、リムを具備したフライホイールシステムの安全動作、に対して良好な影響をもたらすような、複合体ベースのリムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、複合体ベースのフライホイールシステム用のリムであって、複数のファイバ相互混合層を具備してなるリムに関するものである。また、本発明は、上記要求および他の要求を満たすそのようなリムを製造するための方法に関するものである。本発明による複合体ベースのリムについて、フライホイールをベースとしたエネルギー貯蔵システムに対する応用を例にとって主に説明するけれども、本発明によるリムは、応力や歪みが発生するとともにそのような応力や歪みを管理的に制御することが望ましいような他の環境下においても使用することができる。
【0019】
本発明の例示としての一見地においては、複合体ベースのリムは、組成調整されかつ相互混合されたファイバをベースとした複数の層から構成される。本発明によるリムは、少なくとも2つのファイバ層を具備するべきであり、最大で10個の層をあるいはそれ以上の層さえをも具備することができる。本発明の例示としての特別の見地においては、リムは、4つの層を具備し、それらの少なくとも2つの層は、ファイバ相互混合層とされている。
【0020】
各層は、一般に、リムの最内層からリムの最外層にかけて順次的に増大するような強度および/または硬度と密度との比をリムが示すように、他の層とは異なるファイバどうしの組合せでもって構成されている。
【0021】
リムの層は、強度/硬度が『小さな』ファイバ、および/または、強度/硬度が『大きな』ファイバ、を備えており、各層内に含有されている強度および/または硬度が『小さな』ファイバの容積比率は、リムの最内層からリムの最外層にかけて、漸次的に減少するものとされあるいは一定のままとされ、一方、各層内に含有されている強度および/または硬度が『大きな』ファイバの容積比率は、リムの最内層からリムの最外層にかけて、漸次的に増大するものとされあるいは一定のままとされる。
【0022】
本発明の特別の見地においては、リムは、4つの層を具備し、強度および/または硬度が『小さな』ファイバの容積比率は、リムの第1層から、第2層にかけて、さらに第3層にかけて、さらに第4層にかけて、減少するものとされ、一方、強度および/または硬度が『大きな』ファイバの容積比率は、リムの第1層から、第2層にかけて、さらに第3層にかけて、さらに第4層にかけて、増大するものとされる。
【0023】
リムの各層の特定の組成を選択することによって、リムの強度および硬度が調整される。より詳細には、層間にわたって径方向応力および歪みが円滑な勾配とされる。
【0024】
層の組成を変更することにより、各層の強度および硬度が変更されるだけではなく、密度および弾性係数も変更される。密度および弾性係数の双方は、リム上における径方向応力および歪みの生成に対して影響し、ひいては、リム内における望ましくないクラックの形成に影響する。
【0025】
また、各層の硬度および密度を円滑に変更することにより、複合体ベースのリムは、実際に、一緒に回転する複数のリングの径方向連続体となり、この場合、内側のリングは、わずかの径方向圧縮によって外側リングを付帯し望ましい。従来技術による複合体ベースのリムは、このようなタイプの径方向応力や歪みの円滑化を行うことができず、そのため、本発明による複合体ベースのリムと比較して、クラック形成に対しての耐性が小さく、かつ、破損に対しての耐性が小さい。
【0026】
さらに、本発明によるリムにおいては、クラックが形成にくいものではあるけれども、クラックは、リムの最内層内に形成される傾向があり、また、リムの他の3つの層内へとまたそれら層を通して、伝搬されることがない。たとえクラックが伝搬しようとした場合であってさえも、そのような事象は、フライホイールシステムに不調状況および/または非平衡状況を引き起こし、そのような状況を、クラックがリムのすべての層を通して伝搬するよりも先に、検出するだけの時間が存在する。
【0027】
したがって、本発明によるリム構成に関する上記技術は、発生する径方向応力を管理可能なレベル内に制御することによってリム内におけるクラック生成を阻止し得るような構成的原理をもたらす。さらに、そのような技術は、リムをなす各層の組成が調整されていることのために、クラック(仮に形成されたとして)を、第1層内に初期的に形成させ、そのようなクラックが、第2層や第3層へと、特に第4層へと、伝搬し得ないものとする。これにより、本発明による複合体ベースリムを組み込んでいるフライホイールシステムを、悪影響(すなわち、リムの破損)を心配することなく自信を持って高速で動作させることができる。よって、フライホイールシステムが大きな運動エネルギーを生成することを可能とし、有利である。
【0028】
本発明は、また、例えばフィラメント巻回技術を使用した製造方法といったような、複合体ベースのリムの製造方法に関するものである。この方法の例示としての一見地においては、複数のファイバトウが、デバイス(例えば、クリール)内の1つまたは複数のラック/ホルダ内に貯蔵されてそのデバイスから導出され、所定のファイバ相互混合配置でもって互いに積層され、これにより、リムの各ファイバ層が事前形成される。
【0029】
この事前形成された層は、1つまたは複数の物理的調節デバイス(例えば、1つまたは複数のローラおよび/または1つまたは複数の櫛)を通して案内され、その後、装置の樹脂処理領域へと案内される。樹脂処理領域においては、回転ドラムが、収容領域(例えば、樹脂バス)内に収容された湿潤樹脂に対して、連続的に浸されている。層が樹脂処理領域を通して搬送される際には、樹脂コーティングドラムが、層を前進させる向きに回転駆動され、これにより、ファイバ層の底面を樹脂によって(ドラムを使用して)コーティングする。
【0030】
湿潤層は、その後、1つまたは複数の付加的な物理的調節デバイス(例えば、1つまたは複数のローラおよび/または1つまたは複数の櫛)を通して案内され、これにより、所定のバンド幅とされた一様なファイバ材料湿潤層が形成される。その後、層は、案内デバイス(例えば、アイレット、小穴)を通して、形状付与シェル上へと、供給される。形状付与シェルは、フライホイールシステムの複数層リムの中の1つの層を形成する。リムのすべての所望の層が巻回された後に、シェルを硬化させ、これにより、各層上の樹脂を乾燥させる。
【0031】
本発明の他の見地や実施形態については、後述する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による複合体ベースのリムを示す斜視図である。
【図1A】図1のリムを、図1におけるA−A線に沿って示す矢視断面図である。
【図2】図1のリムに関する製造装置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の本質や所望の目的に関する理解をより完全なものとするために、以下においては、添付図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を参照されたい。添付図面においては、複数の図面にわたって、対応する部材には、同一符号が付されている。
【0034】
図1および図1Aは、本発明による複合体ベースリム(100)の一例を示している。例えばフライホイールシステムといったような、応力および歪みが大きいような使用環境内に、このリム(100)を組み込むことにより、フライホイールシステムを高速回転させることができ、リム内に発生する歪みおよび径方向応力の量/レベルを管理しつつすなわちこれによってリム内におけるクラック形成やクラック伝搬を最小化しつつあるいは少なくとも信頼性高く制御しつつ、高レベルの運動エネルギーを生成することができる。
【0035】
リム(100)は、組成調整された、相互混合されたファイバをベースとした、複数の層から構成されている。各層は、例えば図2を参照して後述するような例示としてのフィラメント巻回技術といったような技術によって、他の層上に紡績あるいは巻回されている。リム(100)は、少なくとも2つのファイバ層を備えており、最大で10層といったようなあるいはそれを超えるような複数の層を備えることができる。各層は、その層全体として他の層とは異なるファイバ組合せでもって構成されている。この場合、リムは、最内層から最外層に向かうにつれて、各層内の強度(strength)および/または硬度(stiffness) が順次的に大きくなるものとされている。また、リムをなす各層は、最内層から最外層に向かうにつれて、密度が順次的に小さくなるものとされている。
【0036】
図1および図1Aに例示したリム(100)は、4つの層から構成されている。すなわち、最内に位置する第1層(110)と、第2層(120)と、第3層(130)と、最外に位置する第4層(140)と、から構成されている。リム(100)の最内層(110)の内方空間には、ギャップ(150)が形成されている。このギャップ(150)は、最終的には、例えば、フライホイールシステムのシャフト(図示せず)およびハブ(図示せず)を収容することとなる。
【0037】
リム(100)が、順次的な各層において順次的に増大する強度および/または硬度を有していることにより、リム(100)のうちの、最外に位置する第4層(140)は、リムの第3層(130)よりも、より強度が大きくおよび/または硬度が大きい。また、リムの第3層(130)は、リムの第2層(120)よりも、より強度が大きくおよび/または硬度が大きい。また、リムの第2層(120)は、リムの最内の第1層(110)よりも、より強度が大きくおよび/または硬度が大きい。
【0038】
この目的のために、本発明の一例示としての実施形態においては、リム(100)の最内の第1層(110)は、強度および/または硬度が比較的『小さな』ファイバから全体的に構成されており、リム(100)の最外の第4層(140)は、比較的『大きな』強度特性および/または硬度特性を有したファイバから全体的に構成されている。
【0039】
リム(100)の各層(110,120,130,140)内に含有されている強度および/または硬度が『小さな』ファイバの容積比率は、リムの第1層(110)からリムの第4層(140)へと向かうにつれて、順次的に減少しているあるいは一定のままとされている。一方、リム(100)の各層(110,120,130,140)内に含有されている強度および/または硬度が『大きな』ファイバの容積比率は、リムの第1層(110)からリムの第4層(140)へと向かうにつれて、順次的に増大している。
【0040】
より詳細には、第2層(120)および第3層(130)の各々は、一般に、強度および/または硬度が『小さな』ファイバ材料と『大きな』ファイバ材料との双方を、少なくとも20%という容積比率で含有している。ここで、第2層(120)は、強度および/または硬度が『大きな』ファイバよりも、強度および/または硬度が『小さな』ファイバを、より大きな容積比率で含有しており、第3層(130)は、強度および/または硬度が『小さな』ファイバよりも、強度および/または硬度が『大きな』ファイバを、より大きな容積比率で含有している。
【0041】
本発明に関して現時点で好ましい実施形態において、複合体ベースリム(100)の組成は、以下の表1に示されている。
【0042】
【表1】

【0043】
本発明の代替可能な実施形態においては、リム(100)の第1層(110)および第4層(140)が、リム(200)の4つの層(110,120,130,140)のすべてがファイバ混合型のものとなるよう、強度および/または硬度が『大きな』ファイバ材料と『小さな』ファイバ材料との双方から構成される。
【0044】
そのような実施形態においては、最内の第1層(110)内における強度および/または硬度が『大きな』ファイバの比率は、第2層(120)内におけるそのようなファイバの比率よりも少ないべきであり、なおかつ、最内の第1層(110)内における強度および/または硬度が『小さな』ファイバの比率は、第2層(120)内におけるそのようなファイバの比率よりも多いべきである。逆に、最外の第4層(140)内における強度および/または硬度が『大きな』ファイバの比率は、第3層(130)内におけるそのようなファイバの比率よりも多いべきであり、なおかつ、最外の第4層(140)内における強度および/または硬度が『小さな』ファイバの比率は、第3層(130)内におけるそのようなファイバの比率よりも少ないべきである。
【0045】
そのような実施形態においては、リムの最内の第1層(110)と最外の第4層(140)との各々において、強度および/または硬度が『小さな』ファイバと『大きな』ファイバとの合計は、100%である。ここで、リムの第1層内における強度および/または硬度が『小さな』ファイバの比率は、およそ81%〜100%という範囲とされ、リムの第1層内における強度および/または硬度が『大きな』ファイバの比率は、およそ19%〜0%という範囲とされ、さらに、リムの第4層内における強度および/または硬度が『小さな』ファイバの比率は、およそ0%〜19%という範囲とされ、リムの第4層内における強度および/または硬度が『大きな』ファイバの比率は、およそ100%〜81%という範囲とされる。
【0046】
この代替可能な実施形態の変形例においては、リムの第1層(110)内における強度および/または硬度が『小さな』ファイバの比率は、約90%とされ、リムの第1層内における強度および/または硬度が『大きな』ファイバの比率は、約10%とされ、さらに、リムの第4層(140)内における強度および/または硬度が『小さな』ファイバの比率は、約10%とされ、リムの第4層内における強度および/または硬度が『大きな』ファイバの比率は、約90%とされる。
【0047】
リム(100)の第1層(110)と第2層(120)と第3層(130)との中に部分的に含有されている強度および/または硬度が『小さな』ファイバの硬度(すなわち、硬度係数)は、一般に、およそ8Msi〜12Msiという範囲とされ、現時点で好ましくはおよそ10Msi〜11Msiという範囲とされ、現時点で最も好ましくは約10.5Msiとされる。強度および/または硬度が『小さな』ファイバの強度は、また、一般に、およそ300Ksi〜500Ksiという範囲とされ、(現時点で)好ましくはおよそ350Ksi〜400Ksiという範囲とされ、(現時点で)最も好ましくは約375Ksiとされる。
【0048】
強度および/または硬度が『小さな』ファイバを含有している複数の層(110,120,130)のうちの、1つの層またはいくつかの層またはすべての層は、特定タイプの1つだけの強度および/または硬度が『小さな』ファイバを備えることも、あるいは、様々なタイプの複数のそのようなファイバを備えることも、できる。しかしながら、各層内に含有される強度および/または硬度が『小さな』ファイバの各々は、一般に、上記範囲内に属するような強度特性および/または硬度特性を有している。
【0049】
強度および/または硬度が『小さな』ファイバとしては、多数の適切なものが公知である。しかしながら、限定するものではないが、強度および/または硬度が『小さな』ファイバの現時点での例には、多数の市販業者(例えば米国オハイオ州 Teledo 所在の Owens
Corning 社)から市販されているE−ガラスファイバや、多数の市販業者(例えば米国ジョージア州 Marietta 所在の Baekaert Corporation 社)から市販されているスチールワイヤ、がある。
【0050】
リム(100)の第2層(120)と第3層(130)との中に部分的に含有されているようなまたリムの第4層(140)の全体を構成しているような、強度および/または硬度が『大きな』ファイバの硬度は、一般に、およそ28Msi〜50Msiという範囲とされ、(現時点で)好ましくはおよそ28Msi〜37Msiという範囲とされ、(現時点で)さらに好ましくはおよそ32Msi〜35Msiという範囲とされ、最も好ましくはおよそ33Msi〜約34Msiとされる。強度および/または硬度が『大きな』ファイバの強度は、一般に、およそ400Ksi〜800Ksiという範囲とされ、(現時点で)好ましくはおよそ500Ksi〜800Ksiという範囲とされ、(現時点で)最も好ましくはおよそ600Ksi〜700Ksiとされる。
【0051】
リム(100)の複数の層(110,120,130,140)のうちの、1つの層またはいくつかの層またはすべての層は、特定タイプの1つだけの強度および/または硬度が『大きな』ファイバを備えることも、あるいは、様々なタイプの複数のそのようなファイバを備えることも、できる。しかしながら、各層内に含有される強度および/または硬度が『大きな』ファイバの各々は、一般に、上記範囲内に属するような強度特性および/または硬度特性を有している。
【0052】
強度および/または硬度が『大きな』ファイバとしては、多数の適切なものが公知である。一般に、強度および/または硬度が『大きな』ファイバは、カーボンベースのファイバである。限定するものではないが、強度および/または硬度が『大きな』ファイバの現時点での例には、例えば米国ワシントン州 Tacoma 所在の Toray Composites, Inc. 社といったような多数の業者から市販されている T-700(商標名)カーボンファイバ、がある。
【0053】
リム(100)の各層(110,120,130,140)の組成は、リムの強度および硬度を調整するために選択されるだけではなく、層間にわたっての径方向応力および歪みに関して円滑な勾配を形成するように選択される。
【0054】
より詳細には、層(110,120,130,140)の組成(すなわち、強度および/または硬度が『小さな』ファイバと『大きな』ファイバとの容積比率)を変更することにより、それら層の強度および硬度が変更されるだけでなく、密度および弾性係数も変更される。リム(100)の各層の密度および弾性係数(modulus) は、フライホイールシステムの動作を支配する式(後述)における重要な因子であり、より詳細には、リム内における径方向応力および歪みの生成に対して直接的に影響する。
【0055】
エネルギー=1/2×(リム密度)×(リム容積)×(回転子の旋回半径)×(リムの回転速度)
フープ応力=(リム密度)×(リム半径)×(リム回転速度)
=(歪み)×(弾性係数)
径方向応力〜(リム密度)×(リム厚さ)×(リム回転速度)
【0056】
リム(100)を、上記組成を有した4つの層(110,120,130,140)を備えたものとして構成することにより、リムは、(動作時には)リムの内側層からリムの外側層に向けて、径方向応力および歪みに関して、望ましい円滑な勾配を生成することができる。
【0057】
この『円滑な』勾配は、リム(100)の内側層から外側層に向けての組成における差異によって引き起こされ、これに加えて、強度/硬度が『小さな』ファイバの密度が、強度/硬度が『大きな』ファイバの密度よりも大きいことによって、また、強度/硬度が『小さな』ファイバのフープ弾性率が、強度/硬度が『大きな』ファイバのフープ弾性率よりも小さいことによって、引き起こされる。したがって、強度および/または硬度が『小さな』ファイバの量が、リムの最内の第1層からリムの最外の第4層に向けて減少していることにより、なおかつ、強度および/または硬度が『大きな』ファイバの量が、リムの最内の第1層からリムの最外の第4層に向けて増大していることにより、各層の弾性率も、また、リムの最内の第1層からリムの最外の第4層に向けて増大する。加えて、各層の密度は、最内層(110)から最外層(140)に向けて減少することができる。このことは、リムの内側層が、リムの外側層を径方向に負担することを可能とし、これにより、リムのすべての層において径方向応力および歪みを低減させる。
【0058】
各層の組成が層ごとに急激には変化していないことにより、各層の密度および弾性率は、層間にわたって急激には変化しない。このため、フープ応力と歪み勾配とが『円滑な』ものとなる。すなわち、リムのある層から次なる層へのフープ応力および歪みの増分は、急激な増分ではなく、比較的小さな段差をなす増分である。同時に、各層の径方向応力および歪みは、内層(110)から外層(140)に向けて境界を接したままである。
【0059】
上記の式によれば、リム(100)の1つまたは複数の層(110,120,130,140)の半径を変更することにより、リム内における径方向応力および歪みの勾配に関してのさらなる制御を得ることができる。
【0060】
しかしながら、リム(100)の各層(110,120,130,140)は、図1Aに示すように、所定の変更不可能な直径/半径を有している。一般的に、ギャップ(150)は、約336.6mm(約13.25インチ)という直径(D )を有している。すなわち、約168.3mm(約6.625インチ)という半径を有している。リム(100)の第1層(110)のところにおける直径(D )は、約359.4mm(約14.15インチ)であり;リムの第2層(120)のところにおける直径(D )は、約416.6mm(約16.4インチ)であり;リムの第3層(130)のところにおける直径(D )は、約475.0mm(約18.7インチ)であり;リムの第4層(140)のところにおける直径(D )は、約535.9mm(約21.1インチ)である。したがって、現時点で好ましいような、第1〜第4層(110,120,130,140)のところにおけるリム(100)の非変更半径は、それぞれ、約179.7mm(約7.075インチ)、約208.3mm(約8.2インチ)、約237.5mm(約9.35インチ)、および、約268.0mm(約10.55インチ)である。
【0061】
これら半径は、リム(100)の層(110,120,130,140)の各組成をベースとして、(現時点で)好ましい。しかしながら、リム(100)の層(110,120,130,140)のうちの、1つの層またはいくつかの層またはすべての層に関し、本発明の範囲を逸脱することなく、半径/直径を、様々な理由に基づいて(例えば、リムの層間にわたっての径方向応力および歪みに関する勾配の修正や変更を可能としたりあるいは容易としたりするために)、現時点で好ましい半径/直径よりも大きいものとしたりあるいは小さいものとしたりし得ることは、理解されるであろう。
【0062】
従来の複合体ベースのリムは、層間にわたってのファイバ組成が一様であるようにしてファイバ製のより厚い複数の層を有していたことのために、このようなタイプの円滑な勾配を得ることができなかった。
【0063】
例えば、従来のリムが、各々が同一材料から形成された複数の個別の層から形成されていると仮定しても、径方向応力に関しても歪みに関しても、層間にわたって差異は生じない(すなわち、勾配が生じない)。また、そうではなく、従来のフライホイールシステムリムが、互いに異なる材料からなる複数の個別の層から形成されていると仮定した場合には、各層は、特定の材料を構成材料の100%として構成されており、この場合には、層間にわたっての径方向応力および歪みに関する差異は、かなり急激なものとなり、そのため、径方向応力および歪みに関する勾配は、急峻なものとなってしまう。
【0064】
したがって、従来の複合体ベースのリムとは異なり、本発明によるリム(100)は、第1層(110)から第4層(140)に向けて強度および硬度の増大化が漸次的であって、第1層から第4層に向けて径方向応力および歪みに関する境界を形成している。その結果、リム(100)においては、以下の比較実験において示すように、従来の複合体ベースリムと比較して、破損耐性がずっと大きい。
【0065】
[比較実験]
本発明による2つの4層型複合体ベースリムを試験し、従来技術による3つの2層型リムと比較した。従来的リムの各層は、全体的に T-700(商標名)カーボンファイバから構成され、従来的リムの2つの層は、ファイバ混合型のものではなかった。試験した5個のリムのすべては、全体寸法が同じであり(よって、2層型リムの各層の厚さは、本発明による5層型リムの径方向厚さの2.5倍となる)、試験の目的のために、同一のフライホイールシステム内に導入された。
【0066】
試験した3つの従来的2層型リムの各々においては、1つまたは複数のクラックが形成されたことが観測された。より詳細には、クラック形成は、試験した第1の従来的2層型リムにおいては、20.3KPMにおけるフライホイールシステム動作において14.17時間経過後に観測され、試験した第2の従来的2層型リムにおいては、15KPMにおけるフライホイールシステム動作において5時間経過後に観測され、試験した第3の従来的2層型リムにおいては、18.4KPMにおけるフライホイールシステム動作において3.23時間経過後に観測された。よって、平均的には、クラック形成は、従来的2層型リムにおいては、17.9KPMにおけるフライホイールシステム動作において、わずか7.47時間経過後に観測された。
【0067】
本発明に基づく特性を有し、かつ、試験した3つの従来的2層型リムと同じ全体寸法を有した、2つの4層型リム(100)は、試験のために3つの従来的2層型リムを組み込んだフライホイールシステムと同じフライホイールシステム内に組み込まれた。第1の4層型リムに関しては、23.5KPMにおけるフライホイールシステム動作において24時間経過後においても、クラックは観測されず、第2の4層型リムに関しては、22.5KPMにおけるフライホイールシステム動作において500時間経過後においても、クラックは観測されなかった。
【0068】
上記結果により、本発明による4層型リム(100)は、同一のフライホイールシステム内に組み込んだときに従来的リムの場合と比較してフライホイールシステムをずっと大きな回転速度で動作させかつずっと長時間にわたって動作させたにしても、同一寸法の従来的複合体ベースリムよりも、安全である。さらに、本発明による4層型リム(100)を組み込んだフライホイールシステムの動作における高速回転化と長時間化とは、試験した従来的2層型リムを組み込んだフライホイールシステムと比較して、ずっと大きな運動エネルギーを生成していることを意味している。
【0069】
さらに、上記試験により、4層型リムが、リム内にクラックを形成することなくフライホイールシステムの安全な動作を可能としていることが示されているにしても、本発明によるリムの構成は、クラックが形成されるにしてもクラックがリムの所定層内に形成される傾向があり、また、クラックが安全設備/モニタによって検出される前にリムの破損を引き起こすことがないよう、クラックを十分には伝搬させないことである。
【0070】
上述したように、リムの各層における強度および硬度と密度との比は、リム(100)の第1層(110)からリムの第4層(140)にかけて増大するとともに、径方向応力および歪みは、第1層から第4層にかけて減少する。よって、本発明による4層型リムにおいてクラックが形成されにくいにしても、最も形成される可能性が高いのは、相対的に最も弱い層をなす最内の第1層である。この第1層は、能力に関連して、最も大きなフープ応力および歪みを受ける。
【0071】
第1層内にクラックが形成されたと仮定した場合、そのクラックは、第2層内へと伝搬することがない。それは、各層が、互いに混合されたファイバを有しているからであり、また、第2層が、第1層よりも強度が大きく、そのため、第2層が、クラック発生/クラック伝搬に関して、より大きな耐性を有しているからである。また、仮に、クラックが何らかのはずみで第2層内へと伝搬したと仮定した場合、そのクラックは、より強度の大きな第3層内へと伝搬することがなく、また、それよりも強度の大きなさらなる外側の層へと伝搬することがない。リムの第4層は、クラック発生/クラック伝搬に関して、大きな耐性を有している。それは、第4層が、全体的に、1つまたは複数の強度および硬度が『大きな』ファイバから構成されているからである。
【0072】
したがって、リムの最内の第1層におけるクラックの兆候と、リムの半径全体にわたってのそのクラックの伝搬と、の間には、かなりの遅延が存在する。この遅延は、フライホイールシステムの安全設備/モニタがクラック発生を検出してフライホイールシステムに対しての電力を停止しフライホイールシステムが安全に減速して回転を停止することを可能とし得るに十分な時間的余裕をもたらすものであって、フライホイールシステムの停止前にリムが破損することはない。
【0073】
フライホイールシステムは、クラックの兆候を検出することができる。それは、そのような事象が、回転中のフライホイールシステムに不調状況および/または非平衡状況を引き起こし、そのような状況が、水平コントローラ(図示せず)によってあるいはフライホイールシステム内に組み込まれている他の設備によって、検出されるからである。そのような状況を検出したときには、水平コントローラは、フライホイールに対しての電力供給を中止させ、これにより、フライホイールは、次第に減速して停止する。
【0074】
したがって、本発明による4層型リム構成は、発生する径方向応力を管理可能なレベル内に制御することによってリム内におけるクラック生成を阻止し得るような構成的原理/方法論をもたらす。さらに、そのような構成的原理/方法論は、リムをなす各層の組成が調整されていることのために、クラック(仮に形成されたとして)を、第1層内に初期的に形成させ、そのようなクラックが、第2層や第3層へと、特に第4層へと、伝搬し得ないものとする。これにより、フライホイールシステムを、最大約22.5KPMという高速で、悪影響(すなわち、リムの破損)を心配することなく自信を持って動作させることができる。よって、フライホイールシステムが大きな運動エネルギーを生成することを可能とする。
【0075】
図2には、本発明に基づくフィラメント巻回技術によって複合体リムを製造するための装置(200)が示されている。この装置(200)は、ファイバ貯蔵とファイバ導出とが組み合わされたデバイス(210)(例えば、クリール)を備えている。このデバイス(210)には、当該技術分野においては周知なように、ファイバ材料からなるユニット(例えば、スプール)を保持するための、および、1つまたは複数のスプールからファイバのトウを導出するための、少なくとも1つのホルダ/ラック(図示せず)が設けられている。
【0076】
デバイス内に存在するラック/ホルダの数は、リムの各個別層を形成するために装置によって組み合わされることとなるトウの数よりも多く、(現時点で)好ましくは、そのよなトウの数に等しい。本発明の実施に際しては、現時点では10個のラックが好ましい。この場合、リム(100)の各層は、(各層が、単一タイプのファイバから構成されるか、あるいは、2つ以上のファイバの組合せから構成されるか、にかかわらず)一般に、10個のトウを有しており、各トウは、複数のホルダの中の1つのホルダから供給することができる。しかしながら、当業者であれば、過度の実験を行う必要なく、ホルダの数を増減してもプロセスを実行し得ることにより、ホルダの数自体が重要ではないことは理解されるであろう。
【0077】
ファイバ材料は、各ラック/ホルダから供給され、所定のトウ配置でもって先に形成された層上に積層される。これにより、リムの各層内においてトウどうしの相互混合が引き起こされる。この事前的に形成された層(220)は、デバイス(210)の導出端(230)から導出され、1つまたは複数の位置合わせ/張力付与デバイス(例えば、1つまたは複数のローラ(240)および/または1つまたは複数の櫛(250))を通して案内される。このような位置合わせ/張力付与デバイスは、事前形成層内においてファイバどうしを位置合わせするのに効果的であり、および/または、層の張力を制御するのに効果的であり、および/または、事前形成層に対して所定のバンド幅(すなわち厚さ)を付与するのに効果的である。
【0078】
層(220)は、その後、装置(200)の樹脂処理領域(260)に導入される。この領域(260)においては、紡績ドラム(270)が、収容領域(290)(例えば、樹脂バス)からの湿潤樹脂(280)に対して、連続的に浸されている。湿潤樹脂(280)は、フィラメント巻回に適した任意のエポキシ樹脂とすることができる、あるいは、任意の適切な熱硬化性または熱可塑性樹脂類とすることができる。(現時点で)好ましくは、樹脂は、その樹脂が硬化された際に最小でも約4Ksiという抗張力を有するものであるように、選択される。
【0079】
層(220)が樹脂処理領域(260)を通して搬送される際には、樹脂コーティングドラム(270)は、層を前進させる向きに回転駆動され、これにより、ファイバ層の底面(300)を樹脂(280)によってコーティングする。付加的には、樹脂処理領域(260)は、さらに、器具(例えば、ナイフ(310))を有することができ、この器具を使用することによって、層(220)に対してコーティングされる樹脂混合物(280)の厚さを制御することができる。
【0080】
図2に図示しかつ上記において説明した技術とは異なる技術を使用することによっても、樹脂(280)を層(220)に対して導入し得ることは、理解されるであろう。限定するものではないけれども例示するならば、層(220)を、樹脂収容領域(290)内へと案内することによって、層に対して樹脂をコーティングすることができる。さらなる代替可能な技術は、当該技術分野においては周知である。
【0081】
湿潤層(220)は、その後、1つまたは複数の付加的な位置合わせ/張力付与デバイス(例えば、1つまたは複数のローラ(320)および/または1つまたは複数の櫛(330))を通して案内される。このような位置合わせ/張力付与デバイスは、所定のバンド幅とされた一様なファイバ材料湿潤層を形成する。一般に、各層のバンド幅は、およそ25.4mm〜33.0mm(およそ1.0インチ〜1.3インチ)であり、(現時点で)好ましくは、およそ26.7mm〜29.2mm(およそ1.05インチ〜1.15インチ)である。
【0082】
層(220)は、案内デバイス(340)(例えば、アイレット、小穴)を通して、形状付与シェル(350)(例えば、金属ベースのマンドレル)上へと、供給される。形状付与シェル(350)は、層を前進させる向きに回転駆動される。層(220)は、リムシェル/ベース(350)上に巻回され、フライホイールシステムの複数層リム(100)の中の1つの層が形成される。
【0083】
リム(100)のすべての層が所定に配置された後に、シェル(350)を(例えばオーブンを使用して)硬化させ、これにより、各層上の樹脂(280)を乾燥させて、マンドレル(350)を外向きに拡径させる。その後、マンドレル(350)をオーブンから取り出して、冷却させる。冷却時には、(リムではなく)マンドレル(350)が、元々の寸法へ収縮する。これにより、リム(100)をマンドレル(350)から容易に取り外すことができる。付加的には、当該技術分野において公知の器具(例えば、ピールプライおよび/またはブリーダクロス)を使用することによって、硬化後におけるシェル(350)からのリム(100)の取外しを容易とする/促進させることができる。
【0084】
本発明の例示としての実施形態においては、リム(100)の各層は、10個のファイバトウを含有しており、各層内に含有される特定のトウの選択は、各層内における所望の容積比率をベースとして、行われている。リム(100)の第4層(140)が、強度および硬度が『大きな』ファイバを構成要素の100%として構成されていることにより、この第4層は、一般に、強度および/または硬度が『大きな』10個のファイバトウを相互混合することによって形成されている。一方、リム(100)の第1層(110)は、強度および/または硬度が『小さな』ファイバを構成要素の100%として構成されていることにより、この第1層は、一般に、強度および/または硬度が『大きな』10個のファイバトウを相互混合することによって形成されている。
【0085】
リム(100)の残りの層(120,130)は、強度および/または硬度が『小さな』ファイバと強度および/または硬度が『大きな』ファイバとを備えて構成されていることにより、これらの層は、それらのタイプのファイバからなる複数のトウを、比率に応じつつ相互混合することによって形成されている。例えば、リム(100)の第2層(120)は、約80%の強度および/または硬度が『小さな』ファイバと、約20%の強度および/または硬度が『大きな』ファイバと、を備えて構成されている。したがって、この第2層は、一般に、強度および/または硬度が『小さな』8個のトウと、強度および/または硬度が『大きな』2個のトウと、から形成されている。また、リム(100)の第3層(130)は、約40%の強度および/または硬度が『小さな』ファイバと、約60%の強度および/または硬度が『大きな』ファイバと、を備えて構成されている。したがって、この第3層は、一般に、強度および/または硬度が『小さな』4個のトウと、強度および/または硬度が『大きな』6個のトウと、から形成されている。
【0086】
リム(100)の層(120,130)現時点で好ましいトウ配置順序を有している。例えば、リムの第2層(120)においては、強度および/または硬度の『大きな』2個のトウのうちの少なくとも一方のトウを、10個のトウのうちの最初のトウとするかあるいは最後のトウとするかのいずれかとされていることが、現時点で好ましい。また、強度の『小さな』トウと『大きな』トウとを、層(120,130)内にわたってランダムに分散させることが好ましい。そのような分散は、(現時点では)好ましくはランダムではあるけれども、これら層(120,130)内において強度が『小さな』ファイバや『大きな』ファイバがクラスタを形成しないようにして、トウを分散させることも、また、現時点で好ましい。つまり、層(120,130)内においては、同じ強度特性のトウが隣接して大きな『ブロック』や『塊』を形成しないことが、現時点で好ましい。
【0087】
本発明の1つまたは複数の現時点で好ましい実施形態について、特定の用語を使用して説明したけれども、そのような説明は、例示の目的のためのものに過ぎず、特許請求の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変形や修正を加え得ることを、理解されたい。
【符号の説明】
【0088】
100 複合体ベースリム
110 第1層
120 第2層
130 第3層
140 第4層
210 保持デバイス
240 ローラ
250 櫛
280 湿潤樹脂
350 形状付与シェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合体ベースのリムであって、
複数のファイバ層を具備してなり、
その中の少なくとも1つの層が、少なくとも1つの低弾性率ファイバと高弾性率ファイバとから形成されたファイバ相互混合層とされ、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さく、
各層のフープ応力に対する強度が、前記リムの最内層から前記リムの最外層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層のフープ応力に対する強度が、このファイバ相互混合層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項2】
請求項1記載のリムにおいて、
前記リムの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項3】
請求項1記載のリムにおいて、
前記リムが、
(a)全体が前記低弾性率ファイバから形成された1つの層と、
(b)全体が前記高弾性率ファイバから形成された他の層と、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層と、
から構成され、
前記リムが、前記少なくとも1つのファイバ相互混合層が前記1つの層と前記他の層との間に介装されているようにして、構成されていることを特徴とするリム。
【請求項4】
請求項1記載のリムにおいて、
前記低弾性率ファイバが、55200MPa〜82800MPa(8Mpsi〜12Mpsi)という範囲の弾性率を有し、
前記高弾性率ファイバが、193200MPa〜345000MPa(28Mpsi〜50Mpsi)という範囲の弾性率を有していることを特徴とするリム。
【請求項5】
請求項3記載のリムにおいて、
さらに、少なくとも2つのファイバ相互混合層を具備し、
これら少なくとも2つのファイバ相互混合層の各々が、前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの双方から形成され、
これら少なくとも2つのファイバ相互混合層のうちの1つの層が、前記高弾性率ファイバを、前記低弾性率ファイバよりも大きな容積比率でもって含有しており、
それら少なくとも2つのファイバ相互混合層のうちの他の層が、前記低弾性率ファイバを、前記高弾性率ファイバよりも大きな容積比率でもって含有しており、
前記少なくとも2つのファイバ相互混合層の各々のフープ応力に対する強度が、当該ファイバ相互混合層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項6】
請求項5記載のリムにおいて、
前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの双方から形成された各層が、少なくとも20%という容積比率の前記低弾性率ファイバと、少なくとも20%という容積比率の前記高弾性率ファイバと、を含有して形成されていることを特徴とするリム。
【請求項7】
複合体ベースのリムであって、
4つのファイバ相互混合層を具備してなり、
それら各層のフープ応力に対する強度が、前記リムの最内に位置した第1層から前記リムの最外に位置した第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大し、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、少なくとも10%という容積比率の低弾性率ファイバと、少なくとも10%という容積比率の高弾性率ファイバと、を含有して形成され、
前記リムの前記4つの層の各々が、少なくとも10%という容積比率の前記高弾性率ファイバを含有して形成され、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記4つの層のうちの前記少なくとも1つの層のフープ応力に対する強度が、当該層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項8】
請求項7記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項9】
請求項7記載のリムにおいて、
前記リムの第2層が、前記リムの前記第1層を囲んでおり、
前記リムの第3層が、前記リムの前記第2層を囲んでおり、
前記リムの前記第4層が、前記リムの前記第3層を囲んでおり、
前記低弾性率ファイバの容積比率が、前記リムの第1層から前記リムの前記第2層にかけて、前記リムの第2層から前記リムの前記第3層にかけて、さらに、前記リムの第3層から前記リムの前記第4層にかけて、減少しており、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々のフープ応力に対する強度が、当該層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項10】
複合体ベースのリムであって、
最内に位置した第1層であるとともに、100%という容積比率の低弾性率ファイバと0%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成された第1層と;
この第1層を囲んで位置した第2層であるとともに、80%という容積比率の前記低弾性率ファイバと20%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第2層と;
この第2層を囲んで位置した第3層であるとともに、40%という容積比率の前記低弾性率ファイバと60%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第3層と;
この第3層を囲むとともに最外に位置した第4層であるとともに、0%という容積比率の前記低弾性率ファイバと100%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第4層と;
を具備してなり、
前記各層のフープ応力に対する強度が、前記第1層から前記第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記第2層および前記第3層の各々のフープ応力に対する強度が、当該層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項11】
請求項10記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項12】
請求項11記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層の各々が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
前記4つの層の各々のフープ応力に対する強度が、当該層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項13】
複合体ベースのリムであって、
最内に位置した第1層であるとともに、81%〜100%という容積比率の低弾性率ファイバと19%〜0%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成された第1層と;
この第1層を囲んで位置した第2層であるとともに、80%という容積比率の前記低弾性率ファイバと20%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第2層と;
この第2層を囲んで位置した第3層であるとともに、40%という容積比率の前記低弾性率ファイバと60%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第3層と;
この第3層を囲むとともに最外に位置した第4層であるとともに、0%〜19%という容積比率の前記低弾性率ファイバと81%〜100%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第4層と;
を具備してなり、
前記各層のフープ応力に対する強度が、前記第1層から前記第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々のフープ応力に対する強度が、当該層の全体にわたって実質的に一様なものとされていることを特徴とするリム。
【請求項14】
請求項13記載のリムにおいて、
前記リムの前記第1層が、90%という容積比率の低弾性率ファイバと10%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成され、
前記リムの前記第4層が、10%という容積比率の低弾性率ファイバと90%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成されていることを特徴とするリム。
【請求項15】
複合体ベースのリムの製造方法であって、
保持デバイスから複数のファイバトウを導出することによってファイバ相互混合層をなすファイバ層を形成し;
前記ファイバ層を、湿潤樹脂に対して当接するように、案内し;
前記ファイバ層を、形状付与シェルの周囲に巻回し;
上記3つのステップを所定回数だけ繰り返すことにより、複数の付加的な層を形成し;
その際、複数の付加的な層の少なくとも1つの層を、低弾性率ファイバからなるトウと高弾性率ファイバとからなるトウとの双方から形成し、
前記付加的な複数の層のフープ応力に対する強度を、前記リムの最内に位置した層から前記リムの最外に位置した層に向けて、各層ごとに順次的に増大するものとし、
前記低弾性率ファイバの弾性率を、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとし、
前記巻回および前記繰り返しに際しては、前記少なくとも1つの付加的な層のフープ応力に対する強度を当該層の全体にわたって実質的に一様なものとすることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、
上記3つのステップを所定回数だけ繰り返すという前記ステップの後に、
前記シェルを硬化させ;
前記リムを前記シェルから取り外す;
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法において、
保持デバイスから複数のファイバトウを導出することによってファイバ層を形成するという前記ステップと、前記ファイバ層を湿潤樹脂に対して当接するように案内するという前記ステップと、の間において、前記ファイバ層の幅を調節することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、
前記ファイバ層の幅を調節するという前記ステップを、
少なくとも1つのローラと、少なくとも1つの櫛と、これらの組合せと、からなるグループの中から選択された器具を使用して行うことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項15記載の方法において、
前記ファイバ層を湿潤樹脂に対して当接するように案内するという前記ステップと、前記ファイバ層を形状付与シェルの周囲に巻回するという前記ステップと、の間において、前記ファイバ層の幅を調節することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、
前記ファイバ層の幅を調節するという前記ステップを、
少なくとも1つのローラと、少なくとも1つの櫛と、これらの組合せと、からなるグループの中から選択された器具を使用して行うことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19記載の方法において、
前記湿潤樹脂を乾燥させた後においては、その乾燥樹脂は、少なくとも27.6MPa(4Kpsi)という抗張力すなわちフープ応力に対する強度を有していることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19記載の方法において、
前記形状付与シェルを、金属ベースのマンドレルとすることを特徴とする方法。
【請求項23】
複合体ベースのリムであって、
複数のファイバ層を具備してなり、
その中の少なくとも1つの層が、少なくとも1つの低弾性率ファイバと高弾性率ファイバとから形成されたファイバ相互混合層とされ、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さく、
各層のフープ応力に対する強度が、前記リムの最内層から前記リムの最外層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項24】
請求項23記載のリムにおいて、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項25】
請求項23記載のリムにおいて、
前記リムの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項26】
請求項23記載のリムにおいて、
前記リムが、
(a)全体が前記低弾性率ファイバから形成された1つの層と、
(b)全体が前記高弾性率ファイバから形成された他の層と、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層と、
から構成され、
前記リムが、前記少なくとも1つのファイバ相互混合層が前記1つの層と前記他の層との間に介装されているようにして、構成されていることを特徴とするリム。
【請求項27】
請求項23記載のリムにおいて、
前記低弾性率ファイバが、55200MPa〜82800MPa(8Mpsi〜12Mpsi)という範囲の弾性率を有し、
前記高弾性率ファイバが、193200MPa〜345000MPa(28Mpsi〜50Mpsi)という範囲の弾性率を有していることを特徴とするリム。
【請求項28】
請求項26記載のリムにおいて、
さらに、少なくとも2つのファイバ相互混合層を具備し、
これら少なくとも2つのファイバ相互混合層の各々が、前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの双方から形成され、
これら少なくとも2つのファイバ相互混合層のうちの1つの層が、前記高弾性率ファイバを、前記低弾性率ファイバよりも大きな容積比率でもって含有しており、
それら少なくとも2つのファイバ相互混合層のうちの他の層が、前記低弾性率ファイバを、前記高弾性率ファイバよりも大きな容積比率でもって含有しており、
前記少なくとも2つのファイバ相互混合層の各々における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項29】
請求項28記載のリムにおいて、
前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの双方から形成された各層が、少なくとも20%という容積比率の前記低弾性率ファイバと、少なくとも20%という容積比率の前記高弾性率ファイバと、を含有して形成されていることを特徴とするリム。
【請求項30】
複合体ベースのリムであって、
4つのファイバ相互混合層を具備してなり、
それら各層のフープ応力に対する強度が、前記リムの最内に位置した第1層から前記リムの最外に位置した第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大し、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、少なくとも10%という容積比率の低弾性率ファイバと、少なくとも10%という容積比率の高弾性率ファイバと、を含有して形成され、
前記リムの前記4つの層の各々が、少なくとも10%という容積比率の前記高弾性率ファイバを含有して形成され、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記4つの層のうちの前記少なくとも1つの層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項31】
請求項30記載のリムにおいて、
前記4つの層のうちの前記少なくとも1つの層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項32】
請求項30記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項33】
請求項30記載のリムにおいて、
前記リムの第2層が、前記リムの前記第1層を囲んでおり、
前記リムの第3層が、前記リムの前記第2層を囲んでおり、
前記リムの前記第4層が、前記リムの前記第3層を囲んでおり、
前記低弾性率ファイバの容積比率が、前記リムの第1層から前記リムの前記第2層にかけて、前記リムの第2層から前記リムの前記第3層にかけて、さらに、前記リムの第3層から前記リムの前記第4層にかけて、減少しており、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項34】
複合体ベースのリムであって、
最内に位置した第1層であるとともに、100%という容積比率の低弾性率ファイバと0%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成された第1層と;
この第1層を囲んで位置した第2層であるとともに、80%という容積比率の前記低弾性率ファイバと20%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第2層と;
この第2層を囲んで位置した第3層であるとともに、40%という容積比率の前記低弾性率ファイバと60%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第3層と;
この第3層を囲むとともに最外に位置した第4層であるとともに、0%という容積比率の前記低弾性率ファイバと100%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第4層と;
を具備してなり、
前記各層のフープ応力に対する強度が、前記第1層から前記第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記第2層および前記第3層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項35】
請求項34記載のリムにおいて、
前記第2層および前記第3層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項36】
請求項34記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項37】
請求項36記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層の各々が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
前記第2層および前記第3層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項38】
複合体ベースのリムであって、
最内に位置した第1層であるとともに、81%〜100%という容積比率の低弾性率ファイバと19%〜0%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成された第1層と;
この第1層を囲んで位置した第2層であるとともに、80%という容積比率の前記低弾性率ファイバと20%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第2層と;
この第2層を囲んで位置した第3層であるとともに、40%という容積比率の前記低弾性率ファイバと60%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第3層と;
この第3層を囲むとともに最外に位置した第4層であるとともに、0%〜19%という容積比率の前記低弾性率ファイバと81%〜100%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第4層と;
を具備してなり、
前記各層のフープ応力に対する強度が、前記第1層から前記第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項39】
請求項38記載のリムにおいて、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項40】
請求項38記載のリムにおいて、
前記リムの前記第1層が、90%という容積比率の低弾性率ファイバと10%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成され、
前記リムの前記第4層が、10%という容積比率の低弾性率ファイバと90%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成されていることを特徴とするリム。
【請求項41】
複合体ベースのリムの製造方法であって、
保持デバイスから複数のファイバトウを導出することによってファイバ相互混合層をなすファイバ層を形成し;
前記ファイバ層を、湿潤樹脂に対して当接するように、案内し;
前記ファイバ層を、形状付与シェルの周囲に巻回し;
上記3つのステップを所定回数だけ繰り返すことにより、複数の付加的な層を形成し;
その際、複数の付加的な層の少なくとも1つの層を、低弾性率ファイバからなるトウと高弾性率ファイバとからなるトウとの双方から形成し、
前記付加的な複数の層のフープ応力に対する強度を、前記リムの最内に位置した層から前記リムの最外に位置した層に向けて、各層ごとに順次的に増大するものとし、
前記低弾性率ファイバの弾性率を、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとし、
前記巻回および前記繰り返しに際しては、前記少なくとも1つの付加的な層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率を径方向において実質的に不変とすることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41記載の方法において、
前記巻回および前記繰り返しに際しては、前記少なくとも1つの付加的な層における前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの容積比率を径方向と軸方向との双方において実質的に不変とすることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項41記載の方法において、
上記3つのステップを所定回数だけ繰り返すという前記ステップの後に、
前記シェルを硬化させ;
前記リムを前記シェルから取り外す;
ことを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項41記載の方法において、
保持デバイスから複数のファイバトウを導出することによってファイバ層を形成するという前記ステップと、前記ファイバ層を湿潤樹脂に対して当接するように案内するという前記ステップと、の間において、前記ファイバ層の幅を調節することを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項44記載の方法において、
前記ファイバ層の幅を調節するという前記ステップを、
少なくとも1つのローラと、少なくとも1つの櫛と、これらの組合せと、からなるグループの中から選択された器具を使用して行うことを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項41記載の方法において、
前記ファイバ層を湿潤樹脂に対して当接するように案内するという前記ステップと、前記ファイバ層を形状付与シェルの周囲に巻回するという前記ステップと、の間において、前記ファイバ層の幅を調節することを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項46記載の方法において、
前記ファイバ層の幅を調節するという前記ステップを、
少なくとも1つのローラと、少なくとも1つの櫛と、これらの組合せと、からなるグループの中から選択された器具を使用して行うことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項46記載の方法において、
前記湿潤樹脂を乾燥させた後においては、その乾燥樹脂は、少なくとも27.6MPa(4Kpsi)という抗張力すなわちフープ応力に対する強度を有していることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項46記載の方法において、
前記形状付与シェルを、金属ベースのマンドレルとすることを特徴とする方法。
【請求項50】
複合体ベースのリムであって、
複数のファイバ層を具備してなり、
その中の少なくとも1つの層が、少なくとも1つの低弾性率ファイバと高弾性率ファイバとから形成されたファイバ相互混合層とされ、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さく、
各層のフープ応力に対する強度が、前記リムの最内層から前記リムの最外層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項51】
請求項50記載のリムにおいて、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層のフープ応力に対する強度が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項52】
請求項50記載のリムにおいて、
前記リムの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項53】
請求項50記載のリムにおいて、
前記リムが、
(a)全体が前記低弾性率ファイバから形成された1つの層と、
(b)全体が前記高弾性率ファイバから形成された他の層と、
前記少なくとも1つのファイバ相互混合層と、
から構成され、
前記リムが、前記少なくとも1つのファイバ相互混合層が前記1つの層と前記他の層との間に介装されているようにして、構成されていることを特徴とするリム。
【請求項54】
請求項50記載のリムにおいて、
前記低弾性率ファイバが、55200MPa〜82800MPa(8Mpsi〜12Mpsi)という範囲の弾性率を有し、
前記高弾性率ファイバが、193200MPa〜345000MPa(28Mpsi〜50Mpsi)という範囲の弾性率を有していることを特徴とするリム。
【請求項55】
請求項53記載のリムにおいて、
さらに、少なくとも2つのファイバ相互混合層を具備し、
これら少なくとも2つのファイバ相互混合層の各々が、前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの双方から形成され、
これら少なくとも2つのファイバ相互混合層のうちの1つの層が、前記高弾性率ファイバを、前記低弾性率ファイバよりも大きな容積比率でもって含有しており、
それら少なくとも2つのファイバ相互混合層のうちの他の層が、前記低弾性率ファイバを、前記高弾性率ファイバよりも大きな容積比率でもって含有しており、
前記少なくとも2つのファイバ相互混合層の各々のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項56】
請求項55記載のリムにおいて、
前記低弾性率ファイバと前記高弾性率ファイバとの双方から形成された各層が、少なくとも20%という容積比率の前記低弾性率ファイバと、少なくとも20%という容積比率の前記高弾性率ファイバと、を含有して形成されていることを特徴とするリム。
【請求項57】
複合体ベースのリムであって、
4つのファイバ相互混合層を具備してなり、
それら各層のフープ応力に対する強度が、前記リムの最内に位置した第1層から前記リムの最外に位置した第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大し、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、少なくとも10%という容積比率の低弾性率ファイバと、少なくとも10%という容積比率の高弾性率ファイバと、を含有して形成され、
前記リムの前記4つの層の各々が、少なくとも10%という容積比率の前記高弾性率ファイバを含有して形成され、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記4つの層のうちの前記少なくとも1つの層のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項58】
請求項57記載のリムにおいて、
前記4つの層のうちの前記少なくとも1つの層のフープ応力に対する強度が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項59】
請求項57記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項60】
請求項57記載のリムにおいて、
前記リムの第2層が、前記リムの前記第1層を囲んでおり、
前記リムの第3層が、前記リムの前記第2層を囲んでおり、
前記リムの前記第4層が、前記リムの前記第3層を囲んでおり、
前記低弾性率ファイバの容積比率が、前記リムの第1層から前記リムの前記第2層にかけて、前記リムの第2層から前記リムの前記第3層にかけて、さらに、前記リムの第3層から前記リムの前記第4層にかけて、減少しており、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項61】
複合体ベースのリムであって、
最内に位置した第1層であるとともに、100%という容積比率の低弾性率ファイバと0%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成された第1層と;
この第1層を囲んで位置した第2層であるとともに、80%という容積比率の前記低弾性率ファイバと20%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第2層と;
この第2層を囲んで位置した第3層であるとともに、40%という容積比率の前記低弾性率ファイバと60%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第3層と;
この第3層を囲むとともに最外に位置した第4層であるとともに、0%という容積比率の前記低弾性率ファイバと100%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第4層と;
を具備してなり、
前記各層のフープ応力に対する強度が、前記第1層から前記第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記第2層および前記第3層のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項62】
請求項61記載のリムにおいて、
前記第2層および前記第3層のフープ応力に対する強度が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項63】
請求項61記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層のうちの少なくとも1つの層が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
それら複数のファイバトウの相互混合が、径方向において不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項64】
請求項63記載のリムにおいて、
前記リムの前記4つの層の各々が、複数のファイバトウが相互混合されて構成されており、
前記第2層および前記第3層のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項65】
複合体ベースのリムであって、
最内に位置した第1層であるとともに、81%〜100%という容積比率の低弾性率ファイバと19%〜0%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成された第1層と;
この第1層を囲んで位置した第2層であるとともに、80%という容積比率の前記低弾性率ファイバと20%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第2層と;
この第2層を囲んで位置した第3層であるとともに、40%という容積比率の前記低弾性率ファイバと60%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第3層と;
この第3層を囲むとともに最外に位置した第4層であるとともに、0%〜19%という容積比率の前記低弾性率ファイバと81%〜100%という容積比率の前記高弾性率ファイバとから形成された第4層と;
を具備してなり、
前記各層のフープ応力に対する強度が、前記第1層から前記第4層に向けて、各層ごとに順次的に増大しており、
前記低弾性率ファイバの弾性率が、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとされ、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々のフープ応力に対する強度が、径方向において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項66】
請求項65記載のリムにおいて、
前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層の各々のフープ応力に対する強度が、径方向と軸方向との双方において実質的に不変とされていることを特徴とするリム。
【請求項67】
請求項65記載のリムにおいて、
前記リムの前記第1層が、90%という容積比率の低弾性率ファイバと10%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成され、
前記リムの前記第4層が、10%という容積比率の低弾性率ファイバと90%という容積比率の高弾性率ファイバとから形成されていることを特徴とするリム。
【請求項68】
複合体ベースのリムの製造方法であって、
保持デバイスから複数のファイバトウを導出することによってファイバ相互混合層をなすファイバ層を形成し;
前記ファイバ層を、湿潤樹脂に対して当接するように、案内し;
前記ファイバ層を、形状付与シェルの周囲に巻回し;
上記3つのステップを所定回数だけ繰り返すことにより、複数の付加的な層を形成し;
その際、複数の付加的な層の少なくとも1つの層を、低弾性率ファイバからなるトウと高弾性率ファイバとからなるトウとの双方から形成し、
前記付加的な複数の層のフープ応力に対する強度を、前記リムの最内に位置した層から前記リムの最外に位置した層に向けて、各層ごとに順次的に増大するものとし、
前記低弾性率ファイバの弾性率を、前記高弾性率ファイバの弾性率よりも、少なくとも34500MPa(5Mpsi)だけ小さいものとし、
前記巻回および前記繰り返しに際しては、前記少なくとも1つの付加的な層のフープ応力に対する強度を径方向において実質的に不変とすることを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68記載の方法において、
前記巻回および前記繰り返しに際しては、前記少なくとも1つの付加的な層のフープ応力に対する強度を径方向と軸方向との双方において実質的に不変とすることを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項68記載の方法において、
上記3つのステップを所定回数だけ繰り返すという前記ステップの後に、
前記シェルを硬化させ;
前記リムを前記シェルから取り外す;
ことを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項68記載の方法において、
保持デバイスから複数のファイバトウを導出することによってファイバ層を形成するという前記ステップと、前記ファイバ層を湿潤樹脂に対して当接するように案内するという前記ステップと、の間において、前記ファイバ層の幅を調節することを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項71記載の方法において、
前記ファイバ層の幅を調節するという前記ステップを、
少なくとも1つのローラと、少なくとも1つの櫛と、これらの組合せと、からなるグループの中から選択された器具を使用して行うことを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項68記載の方法において、
前記ファイバ層を湿潤樹脂に対して当接するように案内するという前記ステップと、前記ファイバ層を形状付与シェルの周囲に巻回するという前記ステップと、の間において、前記ファイバ層の幅を調節することを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項73記載の方法において、
前記ファイバ層の幅を調節するという前記ステップを、
少なくとも1つのローラと、少なくとも1つの櫛と、これらの組合せと、からなるグループの中から選択された器具を使用して行うことを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項73記載の方法において、
前記湿潤樹脂を乾燥させた後においては、その乾燥樹脂は、少なくとも27.6MPa(4Kpsi)という抗張力すなわちフープ応力に対する強度を有していることを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項73記載の方法において、
前記形状付与シェルを、金属ベースのマンドレルとすることを特徴とする方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−167786(P2010−167786A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44315(P2010−44315)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【分割の表示】特願2003−530498(P2003−530498)の分割
【原出願日】平成14年8月22日(2002.8.22)
【出願人】(503009188)ビーコン・パワー・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】