説明

複数カメラの校正方法及び校正システム

【課題】カメラ校正における場所的な要求や演算負荷の要求をできるだけ低減し、車両の組み立てラインに組み込むことが容易となる、複数カメラの校正技術を提供する。
【解決手段】第1校正場の所定位置に当該車両を位置決めし、第1カメラによる基本撮影画像を取得し、基本撮影画像における基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定し、基本校正指標群のワールド座標と基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定する。第2校正場に移動し、第1カメラによる第1撮影画像から第1画像座標を算定し、第2カメラによる第2撮影画像から第2画像座標を算定し、第1画像座標及び第1校正関数及び第1校正指標群のワールド座標を用いて車両姿勢ずれを算定する。車両姿勢ずれと第2画像座標と第2校正指標群のワールド座標とに基づいて、第2画像座標と第2校正指標群のワールド座標との関係を表す第2校正関数を算定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1カメラと第2カメラを搭載した車両のための複数カメラの校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載カメラの校正方法として、従来から路面上に描かれた校正指標を校正対象となる車載カメラで撮像する方法が知られている。この方法は、得られた撮影画像における校正指標の画像座標から射影幾何学的演算によって算定される算定画像座標(以下単に画像座標と称する)と、校正指標の実際の存在座標位置との違いに基づいてこの車載カメラの取り付け姿勢などの外部パラメータの誤差を求め、校正を行うものである。例えば、この種の校正方法として特許文献1による方法では、回転調整用ターゲット及び位置調整用ターゲットの描かれた地面上で、その回転調整用ターゲット及び位置調整用ターゲットと所定の相対関係にある位置に車載カメラを搭載した車両を停車させる。その後、地面上で所望のカメラ光軸が地面と交わる点を通る該所望のカメラ光軸に垂直な線上に位置する2つの回転調整用ターゲットからなる実パターンと、表示画面上で画面中心を通る水平線上の2点を包含する回転調整用画面表示パターンとの表示画面上での相対位置を調整することにより、カメラ光軸回りの回転ずれを計測する。また、地面上で回転調整用ターゲットの位置よりも車両遠方に位置する位置調整用ターゲットからなる実パターンと、表示画面上で回転調整用画面表示パターンの位置よりも上方に位置する位置調整用画面表示パターンとの表示画面上での相対位置を調整することにより、カメラ光軸の方向ずれを計測する。従って、この校正方法であれば、複数の車載カメラの校正を行う場合は、カメラ毎に、対応するターゲットと所定の相対関係にある位置に車両を位置決めする必要があり、校正作業の場所的負担と作業者の作業負担が大きい。
【0003】
6箇所に設置されたパターン(校正指標)の間のおおよその位置(中央部付近)に車両を停車させて、この停車位置で複数(4つ)の車載カメラの校正を行う構成方法が特許文献2から知られている。この方法では、車両のおおよその位置での1回の停止で4台の車載カメラの校正が可能であるという利点がある。しかしながら、各カメラの校正作業毎に、逐次、ロール角、俯角を少しずつ変化させる処理を、誤差が最小となるロール角及び俯角を決定するまで繰り返す必要があるので、校正時間が長くなり、自動車の組み立てラインに適用することは困難である。さらに、収束演算の負荷が大きく、そのような演算ユニットを車両に組み込むことはコスト的にも負担が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005‐077107号公報(段落番号〔0044−0086〕、図5)
【特許文献2】特開2009‐288152号公報(段落番号〔0025−0053〕、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記実情に鑑み、本発明の目的は、カメラ校正における場所的な要求や演算負荷の要求をできるだけ低減し、車両の組み立てラインに組み込むことが容易となる、複数カメラの校正技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも第1カメラと第2カメラを搭載した車両のための複数カメラの校正方法において、上記目的を達成するために、本発明の方法は、前記車両を所定位置に位置決めすることで前記第1カメラにより撮像可能な複数の基本校正指標群を配置している第1校正場の前記所定位置に当該車両を位置決めするステップと、前記第1校正場において前記第1カメラによる基本撮影画像を取得するステップと、前記基本撮影画像における前記基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定するステップと、前記基本校正指標群の実際の位置であるワールド座標と前記基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定するステップと、前記第1カメラにより撮像可能な複数の第1校正指標群と前記第2カメラにより撮像可能な複数の第2校正指標群とを配置している第2校正場に、前記第1カメラによる前記第1校正指標群の撮像及び前記第2カメラによる前記第2校正指標群の撮像が可能となるように前記車両を移動させるステップと、前記第2校正場において前記第1カメラによる第1撮影画像を取得するステップと、前記第1撮影画像における前記第1校正指標群の画像上の位置である第1画像座標を算定するステップと、前記第2校正場において前記第2カメラによる第2撮影画像を取得するステップと、前記第2撮影画像における前記第2校正指標群の画像上の位置である第2画像座標を算定するステップと、前記第1画像座標及び前記第1校正関数及び前記第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれを算定するステップと、車両の姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数を算定するステップとからなる。
【0007】
さらに、少なくとも第1カメラと第2カメラを搭載した車両のための複数カメラの校正システムにおいて、上記目的を達成するために、本発明のシステムは、前記車両を所定位置に位置決めすることで前記第1カメラにより撮像可能な複数の基本校正指標群を配置している第1校正場の前記所定位置に位置決めされた前記車両の前記第1カメラによる基本撮影画像を取得する第1画像取得部と、前記基本撮影画像における前記基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定する第1画像座標算定部と、前記基本校正指標群の実際の位置であるワールド座標と前記基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定する第1校正関数算定部と、複数の第1校正指標群の前記第1カメラによる撮像及び複数の第2校正指標群の前記第2カメラによる撮像が可能となる第2校正場において前記第1カメラによる前記第1校正指標群を撮像した第1撮影画像を取得するとともに前記第2カメラによる前記第2校正指標群を撮像した第2撮影画像を取得する第2画像取得部と、前記第1撮影画像における前記第1校正指標群の画像上の位置である第1画像座標を算定するとともに前記第2撮影画像における前記第2校正指標群の画像上の位置である第2画像座標を算定する第2画像座標算定部と、前記第1画像座標及び前記第1校正関数及び前記第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれを算定する車両姿勢ずれ算定部と、前記車両姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数を算定する第2校正関数算定部とからなる。
【0008】
上述した本発明の方法及びシステムでは、複数の車載カメラのうちの1つだけが、4点の基本校正指標群を配置している第1校正場で校正される。第1校正場では1つの車載カメラ(第1カメラ)のみを校正するだけなので、そのカメラの校正に必要な基本校正指標群だけを用意しておけばよい。車両もこの基本校正指標群に対する正確な相対位置が得られるように位置決めすればよい。これは、全てのカメラの校正するための複数の基本校正指標群を配置する場所を確保することや、それらの基本校正指標群に対する正確な相対位置が得られるように位置決めすることに比べて容易である。従って、車両の組み立て工程中に第1校正場を構築し、第1カメラだけを校正することが容易となる。その後、第1カメラ以外の残りのカメラの校正は第2校正場で行われる。この第2校正場での校正作業では、既に校正が完了している第1カメラと第1校正指標群とを用いた車両の位置決め誤差、つまり車両姿勢ずれを算定し、この算定された車両姿勢ずれを用いて校正対象となっているカメラの撮影画像ないしは当該撮影画像から算定される画像座標が補正される。なお、ここでの車両姿勢ずれは、例えば位置変換行列と回転変換行列との組み合わせで表すことができる車両停止誤差の解消演算子などを含む概念である。従って、第2校正場における校正指標群に対する車両の位置決めは、厳密な正確さは要求されず、校正対象となっているカメラに対応する撮影画像に校正指標群が写されるという条件さえ満たされると良い。車両の位置決め条件が緩いということから、この第2校正場を車両の組み立て工程中に構築することは容易となる。
【0009】
前述したように、前記車両姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて前記第2校正関数を算定するための好適な実施形態は、前記車両姿勢ずれに基づいて前記ワールド座標を補正し、補正された前記ワールド座標と前記第2画像座標との比較によって前記第2校正関数を算定することである。つまり、予め求められている校正指標の既知の値を第2校正場における車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれに基づいて補正する。そして、この補正された第2校正指標群のワールド座標と第2画像座標とを比較することで、第2校正場における車両の姿勢ずれを吸収した、第2カメラを校正する第2校正関数が算定される。この方法では、車両の姿勢ずれに応じて第2校正指標群のワールド座標が補正されるので、第2校正関数の算定プログラムは従来の算定プログラムをそのまま流用することができる。
【0010】
第1カメラによる撮影画像は、第1校正場においてはその撮影内容が基本校正指標群であり、第1カメラの校正のために利用されるが、第2校正場においてはその撮影内容が第1校正指標群であり、車両姿勢ずれに用いられる。従って、前記基本校正指標群と前記第1校正指標群とは同じ指標位置を有するようにすれば、撮影画像から校正指標の画像座標を算定するプログラムを共通化することか可能となって、好都合である。
【0011】
本発明で用いられる校正指標群の構成要素としての校正指標は種々のものを利用できるが、撮影画像から画像処理でその校正指標の位置(指標位置)としての1つのワールド座標を簡単かつ正確で高速で検知するためには、交差するエッジを用いることが好都合である。従って、前記第1校正指標群は前記第1校正場に形成された路面に描画された、交差するエッジを有するマーカ群であり、前記第2校正指標群は前記第2校正場に形成された路面に描画された、交差するエッジを有するマーカ群であることが好ましい。なお、ここでの校正指標(マーカ)の路面への描画は、指標それ自体を路面に直接描画することや、プレート体の表面に指標を描画してこのプレート体を任意に移動設置することを含む用語として用いられている。
【0012】
さらに、車両の全周囲を上方視点から眺める俯瞰画像を生成するため、車両の後方、前方、左側方、右側方を撮影視界とする4つのカメラからなる車載カメラシステムに本発明を適用することも効果的である。つまり、車両のリアとフロントと左サイドと右サイドに取り付けられた第1カメラと第2カメラと第3カメラと第4カメラとによって全周囲監視を行う、本発明による複数カメラの校正システムは、前記車両を所定位置に位置決めすることで前記第1カメラにより撮像可能な複数の基本校正指標群を配置している第1校正場の前記所定位置に位置決めされた前記車両の前記第1カメラによる基本撮影画像を取得する第1画像取得部と、前記基本撮影画像における前記基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定する第1画像座標算定部と、前記基本校正指標群の実際の位置であるワールド座標と前記基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定する第1校正関数算定部と、複数の第1校正指標群の前記第1カメラによる撮像及び複数の第2校正指標群の前記第2カメラよる撮像及び複数の第3校正指標群の前記第3カメラよる撮像及び複数の第4校正指標群の前記第4カメラよる撮像が可能となる第2校正場において前記第1カメラによる前記第1校正指標群を撮像した第1撮影画像及び前記第2カメラによる前記第2校正指標群を撮像した第2撮影画像及び前記第3カメラによる前記第3校正指標群を撮像した第3撮影画像及び前記第4カメラによる前記第4校正指標群を撮像した第4撮影画像を取得する第2画像取得部と、前記第1撮影画像における前記第1校正指標群の画像上の位置である第1画像座標と、前記第2撮影画像における前記第2校正指標群の画像上の位置である第2画像座標と、前記第3撮影画像における前記第3校正指標群の画像上の位置である第3画像座標と、前記第4撮影画像における前記第4校正指標群の画像上の位置である第4画像座標とを算定する第2画像座標算定部と、前記第1画像座標及び前記第1校正関数及び前記第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれを算定する車両姿勢ずれ算定部と、前記車両姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数と、車両の姿勢ずれと前記第3画像座標と前記第3校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第3画像座標と前記第3校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第3校正関数と、車両の姿勢ずれと前記第4画像座標と前記第4校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第4画像座標と前記第4校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第4校正関数とを算定する第2校正関数算定部とからなる。
【0013】
この校正システムでは、上述した校正システムと同様な作用効果が得られる。さらには、本発明の好適な実施形態の1つとして、前記第2校正指標群には前記基本校正指標群の間に及び前記第1校正指標群の間に共通の指標位置が設定され、前記第3校正指標群には前記基本校正指標群の間に及び前記第1校正指標群の間に共通の指標位置が設定されることが提案される。この構成では、第1カメラから第4カメラの校正のために利用される第1校正指標群から第4校正指標群に含まれている校正指標がそれぞれ隣接するカメラ同士で兼用されている。このことは、第1カメラの誤差を第3カメラと第4カメラが吸収し、第3カメラと第4カメラの誤差を第2カメラが吸収するように働く。従って、この4つのカメラによる撮像画像から俯瞰画像を作成する際、それぞれの撮像画像のつながり感が良好であり、仕上がった俯瞰画像につなぎ領域での違和感が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による複数カメラ校正技術の基本原理を2カメラシステムで説明する模式図である。
【図2】車両姿勢ずれに基づく座標変換を説明する模式図である。
【図3】4カメラシステムでの特徴的な基本原理を説明する模式図である。
【図4】路面に配置された校正指標と車両とカメラ視界との関係を示す説明図である。
【図5】本発明のカメラ校正モジュールを組み込んだ車両における車両周辺監視のための機能を示す機能ブロック図である。
【図6】カメラ校正モジュールの機能を示す機能ブロック図である。
【図7】4つの撮影画像から俯瞰画像を生成する過程を説明する模式図である。
【図8】カメラ校正の流れを説明するフローチャートである。
【図9】図1で示された模式図の一部が異なる、複数カメラ校正技術の基本原理を説明する模式図である。
【図10】図3で示された模式図の一部が異なる、4カメラシステムの基本原理を説明する模式図である。
【図11】図8のフローチャートとは一部が異なるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のカメラ校正システムの具体的な実施形態を説明する前に、その基本的な概念を図1と図2の模式図を用いて説明する。ここではカメラは自動車の車載カメラであり、第1カメラは自動車の後方を撮影するリアカメラであり、第2カメラは自動車の前方を撮影するフロントカメラである。
カメラ校正作業は自動車の製造工程に組み込まれており、カメラ校正のための場所として第1校正場と第2校正場が用意されている。第1校正場の路面には、カメラ校正のために利用される複数の指標(マーカー)が基本校正指標群として、第2校正場の路面にはカメラ校正のために利用される複数の指標(マーカー)が第1校正指標群と第2校正指標群として、描画もしくは配置されている。この例では、各校正指標群に含まれる指標の数は4つであり、各指標(指標点)の3次元空間における実際の位置であるワールド座標位置が既知であるので、この基本校正指標群を撮像してその指標位置のワールド座標位置からカメラ(カメラ視点)の外部パラメータを求めることができる。
【0016】
第1校正場は、自動車を予め決められた所定の位置に所定の向きで停車させることで第1カメラによって基本校正指標群を撮像することができるように形成されている。つまり、この第1校正場では、第1カメラを取り付けている自動車は予め決められている基本校正指標群との位置関係を容易に作り出される。
第2校正場は、第1校正指標群が第1カメラによって撮像されるとともに第2校正指標群が第2カメラによって撮像されるように形成されている。但し、第2校正場では、正確に自動車を所定の位置に停止させることは要求されない。後で説明するように、自動車が実際に停止した位置と向きが予め設定されている位置と向きと異なっていてもこのずれが算定することができるので、ずれ補正が可能となるからである。
【0017】
まず、第1校正場において、ガイドやストッパを用いて自動車を所定の位置に正確に停止させる(#01)。第1カメラによって基本校正指標群を写し出した基本撮影画像を取得する(#02)。取得した基本撮影画像において、基本校正指標群を構成する4つの校正指標が表している画像座標を基本画像座標として算定する(#03)。予め記録されている基本校正指標群の各校正指標(指標点)の基本撮影画像における基本座標を読み出す(#04)。この基本ワールド座標は、第1カメラが正確に位置決めされた場合にその基本撮影画像に生じる各校正指標(指標点)のワールド座標である。このワールド座標と基本画像座標とから、第1カメラの外部パラメータの誤差(取り付け誤差など)を解消するためのカメラ校正のための関係式が導出される(#05)。ここでは、この関係式は一般的にはテーブル化されるが、そのようなテーブル化された関係式を含め、ここではこの関係式を第1校正関数:H1と呼ぶことにする。
【0018】
第2カメラの校正は、車両が第2校正場に移動してから行われる(#11)。第2校正場では、車両は第1校正場ほど正確に位置決めする必要はない。第1カメラの撮影視野に第1校正指標群が入っており、第2カメラの撮影視野に第2校正指標群が入っていればよい。第1校正指標群は、基本校正指標群と実質的に同じであり、それぞれの各校正指標のワールド座標位置関係は同一である。第1校正指標群や第2校正指標群は4つの校正指標を含んでいれば、基本校正指標群と同じでなくともよいが、演算等の共通化を図るためには同一であることが望ましい。
【0019】
まず、第1カメラによって第1校正指標群を写し出した第1撮影画像を取得する(#12)。取得した第1撮影画像における各校正指標のワールド座標を、第1画像座標と第1校正関数とに基づいて第1算定ワールド座標として算定する(#13)。ここで、第1算定ワールド座標は、第1撮影画像を取得したときの車両位置に対する第1校正指標群の各校正指標(指標点)の相対座標として算出される。次に、予め記録されている、車両が正規の停止位置に正しく位置決めされた際(すなわち、車両が所定の位置に所定の向きで位置決めされた際)の第1校正指標群の各校正指標(指標点)のワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#15)。なお、ワールド座標は、正規の停止位置に正しく位置決めされた車両に対する相対座標としてワールド座標テーブルに格納されている。このワールド座標と第1算定ワールド座標の座標値としての相違は、車両が第2校正場で所定の位置と所定の向きからずれて停車していることに起因する。従って、このワールド座標と第1ワールド座標からこの第2校正場での正規の停止位置に対する現在の車両の位置と向きのずれ(ここではこれを車両姿勢ずれ:Mと称する)を算定することができる(#16)。車両姿勢ずれ:Mは、回転ベクトル(回転行列):Rと並進ベクトル(並進行列):Tの組み合わせで表すことができる。
【0020】
次に、第2カメラによって第2校正指標群を写し出した第2撮影画像を取得する(#22)。取得した第2撮影画像における各校正指標の画像座標を第2画像座標として算定する(#23)。さらに、予め記録されている、第2カメラが正確に位置決めされた際、すなわち、車両が正確に位置決めされた際の第2校正指標群の各校正指標(指標点)のワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#24)。この読み出されたワールド座標を、先に導出した車両姿勢ずれ:Mに基づいて、補正する(#25)。すなわち、この読み出されたワールド座標に対してその車両姿勢ずれ分が補正されることとなる。
この補正の概念が図2で模式的に示されている。上述したように、第2校正場に停車した車両は、予め設定されている正規の停止位置に対して、一般的には、回転ずれ:R(回転ベクトル)と平行位置ずれ:T(並進ベクトル)とによって表すことができる車両姿勢ずれ:M(R+T)を生じて、停止する。この車両姿勢ずれ:Mは、図1のステップ#12からステップ#16の処理によって算定できる。なお、図2では、この車両姿勢ずれ:Mを規定するための車両上の基準位置として車両後端中央部を用いているが、車両上の他の位置でもよい。ここでは、ワールド座標テーブルから読み出された第2校正指標群の各校正指標のワールド座標位置:Q11,Q21,Q31,Q41が、車両姿勢ずれ:Mに基づいて補正され、補正されたワールド座標位置はQ10,Q20,Q30,Q40で示されている。例えば、元のワールド座標位置:Q11(X11,Y11)はQ10(X10,Y10)に補正されている。このずれ補正の具体的処理を説明すると、車両姿勢ずれ:Mが正規の停止位置に対する現在の車両の位置と向きのずれであるので、読み出されたワールド座標に対して、車両姿勢ずれ:Mと反対方向の回転処理及び並進処理を施すものである。すなわち、補正されたワールド座標位置であるQ10,Q20,Q30,Q40は、図2において姿勢ずれした状態で停止した車両に対する、第2校正指標群の各校正指標(指標点)の実際の位置を指し示す相対座標値となる。
この補正されたワールド座標(補正ワールド座標)と、第2画像座標とが比較され、第2カメラの外部パラメータの誤差(取り付け誤差など)を解消するためのカメラ校正のための関係式が導出される(#26)。ここでも、この関係式は第2校正関数:H2と呼ぶことにする。
【0021】
図1を用いて説明した、本発明の基本概念では、車載カメラとしてリアカメラである第1カメラとフロントカメラである第2カメラが採用されていたが、次は、車両の全周囲を上方視点から眺める俯瞰画像を生成するため車載カメラシステムの校正を説明する。この車載カメラシステムでは、さらに自動車の左側方を撮影する左サイドカメラである第3カメラと、自動車の右側方を撮影する右サイドカメラである第4カメラが備えられている。このカメラ校正においても、第1校正場での第1カメラの校正、つまり第1校正関数の算定は、図1を用いて説明された先のカメラ校正手法と同じであるので、それが流用される。また、第2校正場での車両姿勢ずれの算定も、図1と図2とを用いて説明された先のカメラ校正手法と同じであるので、それが流用される。従って、ここでは、第1校正場での第1カメラの第1校正関数の算定及び第2校正場での車両姿勢ずれの算定が完了した後の手順が図3を用いて説明される。
【0022】
第2校正場での車両姿勢ずれの算定が終了すると、次に、第3カメラによって第3校正指標群を写し出した第3撮影画像を取得する(#32)。なお、図3から理解できるように、第3校正指標群は、第1校正指標群の左側の2つの校正指標と第2校正指標群の左側の2つの校正指標からなる。つまり、第3校正指標群は第1校正指標群と第2校正指標群との間で兼用されている。取得した第3撮影画像における各校正指標のワールド座標を第3画像座標として算定する(#33)。さらに、予め記録されている第3校正指標群の各校正指標(指標点)の第3撮影画像における、第3カメラが正確に位置決めされた際のワールド座標であるワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#34)。この読み出されたワールド座標が、先に導出した車両姿勢ずれ:Mに基づいてその車両姿勢ずれ分が補正される(#35)。この補正されたワールド座標(補正ワールド座標)と、第3画像座標とが比較され、第3カメラの外部パラメータの誤差(取り付け誤差など)を解消するためのカメラ校正のための関係式が導出される(#36)。ここでも、この関係式は第3校正関数:H3と呼ぶことにする。
【0023】
さらに、第4カメラによって第4校正指標群を写し出した第4撮影画像を取得する(#42)。なお、図3から理解できるように、第4校正指標群は、第1校正指標群の右側の2つの校正指標と第2校正指標群の右側の2つの校正指標からなる。つまり、第4校正指標群も第3校正指標群と同様に、第1校正指標群と第2校正指標群との間で兼用されている。取得した第4撮影画像における各校正指標のワールド座標を第4画像座標として算定する(#43)。さらに、予め記録されている第4校正指標群の各校正指標(指標点)の第4撮影画像における、第4カメラが正確に位置決めされた際の座標であるワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#44)。この読み出されたワールド座標が、先に導出した車両姿勢ずれ:Mに基づいてその車両姿勢ずれ分が補正される(#45)。この補正されたワールド座標(補正ワールド座標)と、第4画像座標とが比較され、第4カメラの外部パラメータの誤差(取り付け誤差など)を解消するためのカメラ校正のための関係式が導出される(#46)。ここでも、この関係式は第4校正関数:H4と呼ぶことにする。
【0024】
次に行われる第2カメラの校正は、図1を用いて説明した手順と同じであるから、ここでの説明は省略するが、以上の処理過程を通じて、第1カメラから第4カメラまでの校正が完了する。この校正によって得られた第1校正関数:H1から第4校正関数:H4は、一般的にはテーブル化され、撮像画像を表示画像に変換する際に利用される。なお、第1撮像画像から第4撮像画像までの撮像画像を組み合わせて俯瞰画像を生成する際に、俯瞰画像用マッピングテーブルが用いられるが、この俯瞰画像用マッピングテーブルに第1校正関数:H1から第4校正関数:H4による校正を組み込むことができる。
なお、第3カメラのための第3校正関数:H3を算定する際に第3校正指標群として第1校正指標群の一部を利用し、第4カメラのための第4校正関数:H4を算定する際にも第4校正指標群として第1校正指標群の一部を利用している。さらには、第2カメラのための第2校正関数:H2を算定する際には、第2校正指標群として第3校正指標群の一部と第4校正指標群の一部とを利用していることになる。これにより、第1校正関数:H1から第4校正関数:H4の相互間の整合性がよく、各撮影画像から合成によって作り出される俯瞰画像のつながりも良好となる利点が得られる。
【0025】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態での複数カメラシステムは、自動車製造施設において、自動車である車両に搭載された4つのカメラを校正するものである。
図4の(a)は、製造工程の間に組み込まれた第1校正場の所定位置に正確に停止した車両と、第1校正場の路面に描画された校正指標9とカメラ視界との関係を示す説明図である。図4の(b)は、第1校正場でのカメラ校正工程の後工程に組み込まれた第2校正場に停止した車両と、第2校正場の路面に描画された校正指標9とカメラ視界との関係を示す説明図である。
ここでは車載カメラ1として、車両後方をカメラ視界とする第1カメラ11と、車両前方をカメラ視界とする第2カメラ12と、車両左側方をカメラ視界とする第3カメラ13と、車両右側方をカメラ視界とする第4カメラ14とがカメラ校正工程の前工程ですでに取り付けられている。なお、各カメラを特に区別しない場合には共通的にカメラ1と呼ぶことにする。
【0026】
なお、カメラ1はCCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)などの撮像素子を用いて、毎秒15〜30フレームの2次元画像を時系列に撮影し、デジタル変換してその撮影画像をリアルタイムに出力するデジタルカメラである。カメラ1は、広角レンズを備えて構成される。特に、本実施形態においては、水平方向に140〜190°の視野角が確保されているとともに、光軸に約30度程度の俯角を有して車両に設置されている。
【0027】
図4(a)から明らかなように、第1校正場には第1カメラ11の校正のために利用される4つの校正指標9が、予め設定された座標位置(例えばワールド座標系)で路面に描画されている。この4つの校正指標9を基本校正指標群90と総称する。車両が第1校正場の所定停止位置に正確な姿勢(位置及び向き)で停止することで、第1カメラ11の撮影視野内に4つの校正指標9が入る。この校正指標9の一例が、図5に示されており、白黒の市松模様のパターンからなる。この校正指標9は白の矩形(10mm×10mm)2個、黒の矩形(10mm×10mm)2個の計4個の矩形により構成された市松模様パターンであり、そのパターン中央の点Qのワールド座標位置が実際に用いられる校正指標9のワールド座標位置(紛らわしくない限りワールド座標位置は単にワールド座標と呼ぶ)である。従って、点Qのワールド座標を画像処理的に検出するために、市松模様パターンのエッジ検出を行い、それによって得られた直交する直線の交点(指標点)Qを校正指標9のワールド座標とする。
【0028】
また、図4(b)から明らかなように、第2校正場には第1カメラ11に撮像されるよる4つの校正指標9と、第2カメラ12の校正のために利用される4つの校正指標9が、予め設定された座標位置(例えばワールド座標系)で路面に描画されている。車両が第2校正場の所定停止位置にほぼ正確に停止することで、リアカメラである第1カメラ11の撮影視野内に入る4つの校正指標9を第1校正指標群91と総称し、フロントカメラである第2カメラ12の撮影視野内に入る4つの校正指標9を第2校正指標群92と総称する。第1校正指標群91における第1カメラ11に対する各校正指標の位置関係及び第2校正指標群92における第2カメラ12に対する各校正指標の位置関係は、基本校正指標群90における第1カメラ11に対する各校正指標の位置関係と同じである。
【0029】
同様に、第3カメラ13の撮影視野内には、第1校正指標群91の左側の2つ校正指標9と第2校正指標群92の左側の2つ校正指標9が入る。この4つの校正指標9を総称して第3校正指標群93と呼ぶ。さらに、第4カメラ14の撮影視野内には、第1校正指標群91の右側の2つ校正指標9と第2校正指標群92の右側の2つ校正指標9が入る。この4つの校正指標9を総称して第4校正指標群94と呼ぶ。つまり、第2校正場の車両停止位置の周囲に配置された8つの校正指標9が、第1校正指標群91、第2校正指標群92、第3校正指標群93、第4校正指標群94を作り出す。
【0030】
第1校正場の車両停止位置に正確に停止された車両と校正指標9とカメラ撮影画像との関係から、第1カメラの校正が実行される。また、各カメラ1の撮影視野内に対応する校正指標9が入っているという条件下において、第2校正場の車両停止位置にそれほど正確にではなく停止された車両と校正指標9とカメラ撮影画像との関係から、第2カメラ12、第3カメラ13、第4カメラ14の校正が実行される。
【0031】
次に、このようなカメラ1を備えた車両周辺監視系の機能ブロック図の一例が図5に示されている。車両内部に配置されている車両周辺監視コントローラ2は車両周辺監視系の中核をなす。この車両周辺監視コントローラ2は、入力情報を処理するマイクロプロセッサや、DSP(digital signal processor)を備え、入出力インターフェースとして用いられている通信インターフェース70を介して、各種車載機器との間でデータ交換可能である。図示されていないが、車両周辺監視コントローラ2には、障害物検知機能や障害物検知に基づく車両制御指令の生成機能も構築可能である。従って、通信インターフェース70と接続されている車載LANには、センサコントローラSC、モニタ21、タッチパネル21T、パワーステアリングユニットPS、変速機構T、ブレーキ装置BKなどが接続されている。センサコントローラSCは、車両状態検出センサ群からの信号入力をそのまま、あるいは評価して車両周辺監視コントローラ2の内部に転送する。センサコントローラSCに接続されている車両状態検出センサ群は、運転操作や車両走行の状態を検出する。車両状態検出センサ群には、図示していないが、ステアリング操作方向(操舵方向)と操作量(操舵量)とを計測するステアリングセンサ、シフトレバーのシフト位置を判別するシフト位置センサ、アクセルペダルの操作量を計測するアクセルセンサ、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ、自車の走行距離を検出する距離センサなどが含まれる。
【0032】
車両周辺監視コントローラ2はコンピュータシステムであり、ハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方の形態で構築される種々の機能部が備えられているが、本発明に特に関係する機能部としては、カメラ校正モジュール40と、車両周辺監視画像生成モジュール50と、先に述べた通信インターフェース70と、表示制御部71と、音声処理モジュール72とが挙げられる。車両周辺監視画像生成モジュール50で生成されたモニタ表示画像は表示制御部71でビデオ信号に変換されてモニタ21に送られる。音声処理モジュール72で生成された音声ガイドや緊急時の警告音などはスピーカ22で鳴らされる。
【0033】
カメラ校正モジュール40は、図6に示すように、画像取得部41と、画像座標算定部42と、校正関数算定部43と、ワールド座標テーブル44と、車両姿勢ずれ算定部45と、校正テーブル管理部46と、校正関数テーブル47とを備えている。
【0034】
画像取得部41は、各カメラ1から送られてくる撮影画像を選択的に取得して、必要な前処理を施してワーキングメモリに展開する。画像取得部41には、第1校正場でのカメラ校正処理にために用いられる第1画像取得部41aと、第2校正場でのカメラ校正処理にために用いられる第2画像取得部41bとが含まれている。第1画像取得部41aは、車両が第1校正場の所定位置に正確に位置決めされた際に、第1カメラ11による基本校正指標群90の基本撮影画像を取得する。第2画像取得部41bは、車両が第2校正場の所定位置に正確に位置決めされた際に、第1カメラ11による第1校正指標群91を撮像した第1撮影画像、及び第2カメラ12による第2校正指標群92を撮像した第2撮影画像、及び前記第3カメラ13による第3校正指標群を撮像した第3撮影画像、及び前記第4カメラ14による第4校正指標群を撮像した第4撮影画像を取得する。
【0035】
画像座標算定部42は、ワーキングメモリに展開されている撮影画像における校正指標9の撮影画像座標上での座標位置を画像座標として求める処理を行う。この処理では、図4における点Qを検出するために、水平線検出及び垂直線検出のためのエッジ検出フィルタをかけ、RANSACを用いて直線を求め、その直線の交点の座標位置を画像座標とする。画像座標算定部42には、第1画像座標算定部42aと第2画像座標算定部42bが含まれている。第1画像座標算定部42aは基本撮影画像における基本校正指標群の画像上の位置を表している各画像座標を基本画像座標として算定する。第2画像座標算定部42bは、第1撮影画像における第1校正指標群91の画像上の位置を表している各画像座標を第1画像座標として算定する。同様に、第2撮影画像における第2校正指標群92の画像上の位置を表している各画像座標を第2画像座標として算定する。前記第3撮影画像における第3校正指標群93の画像上の位置を表している各画像座標を第3画像座標として算定する。第4撮影画像における第4校正指標群94の画像上の位置を表している各画像座標を第4画像座標として算定する。
【0036】
車両姿勢ずれ算定部45は、第2校正場における所定の停止姿勢(位置と向き)に対して実際の停止した際の位置ずれ:Tと向き(回転)ずれ:Rとで表される車両姿勢ずれ:Mを算定する。TとRとMはベクトル(行列)で表すことができる。具体的には、車両姿勢ずれ算定部45は、射影幾何学やコンピュータビジョンの分野ではよく知られたアルゴリズムを用いて、第1カメラ11の校正パラメータである第1校正関数:H1、第1画像座標及び第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて、車両姿勢ずれを算定する。ワールド座標はワールド座標テーブル44に登録されている。なお、ここでは、ワールド座標テーブル44に登録される第1校正指標群等のワールド座標は、車両に対する相対的な位置情報で登録されている。
【0037】
校正関数算定部43は、校正指標群の実際の位置であるワールド座標と、処理対象となっている校正指標群の実際の位置であるワールド座標とから、射影幾何学やコンピュータビジョンの分野ではよく知られたアルゴリズムを用いて校正関数を算定する。ワールド座標はワールド座標テーブル44から読み出される。校正関数算定部43には、第1校正関数算定部43aと、第2校正関数算定部43bが含まれている。第1校正関数算定部43aは、基本校正指標群90の実際の位置であるワールド座標と基本画像座標との関係を表す第1校正関数:H1を算定する。つまり第1校正関数:H1は、第1カメラ11を校正するための関数となる。第2校正関数算定部43bでは、車両姿勢ずれと第2画像座標と第2校正指標群92の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、第2画像座標と前記第2校正指標群92の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数:H2を算定する。つまり第2校正関数:H2は、第2カメラ12を校正するための関数となる。さらに、車両姿勢ずれと前記第3画像座標と前記第3校正指標群93の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第3画像座標と前記第3校正指標群93の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第3校正関数:H3を算定する。つまり第3校正関数:H3は、第3カメラ13を校正するための関数となる。さらに、車両姿勢ずれと前記第4画像座標と前記第4校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、第4画像座標と第4校正指標群94の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第4校正関数:H4とを算定する。つまり第4校正関数:H4は、第4カメラ14を校正するための関数となる。ここでいう校正関数は、数学的な意味の関数に限定されるのではなく、一方の事象データを他方の事象データに関係付けるための数式やテーブルなど全ての関係付け機能を含むものである。
【0038】
校正テーブル管理部46は、校正関数算定部43で算定された各カメラ1の校正関数を校正関数テーブル47に記録して、管理する。校正関数テーブル47に記録された校正関数は、車両周辺監視画像生成モジュール5によって利用される。車両周辺監視画像生成モジュール5は、校正関数テーブル47から適切な校正関数を読み出して、各カメラ1からの撮影画像からモニタ21に表示するための表示画像を生成する際に用いる。
【0039】
車両周辺監視画像生成モジュール5は、画像修正部51と、通常画像生成部52と、俯瞰画像生成部53と、マッピングテーブル54とを備えている。画像修正部51は、各カメラ1から送られてくる撮影画像を画像処理して種々の表示画像形態でモニタ21に表示するための前処理として、カメラ校正モジュール40の校正関数テーブル47にアクセスして、適合するカメラ1の校正関数を読み出し、撮影画像を修正する。通常画像生成部52は、画像修正部51で前処理された撮影画像をそのまま車両周辺画像としてモニタ表示するために適した画質に調整する。モニタ表示される車両周辺画像としては、第1カメラ(バックカメラ)11、第2カメラ(フロントカメラ)12、第3・第4カメラ(左・右サイドカメラ)13,14によるリアビュー、フロントビュー、左・右サイドビューから運転者によって選択された1つでもよいし、複数ビューの組み合わせでもよい。
【0040】
俯瞰画像生成部53は、図7で模式的に示されているように、画像修正部51で各カメラ1の校正関数を用いて修正された撮影画像から視点変換処理を通じて俯瞰画像を生成する。なお、俯瞰画像を生成する際に実行される視点変換処理は、マッピングテーブルを用いたマップ変換によって行われるので、ここで使用される射影変換のための種々のマッピングテーブルが選択可能にマッピングテーブル54に予め格納されている。マッピングテーブル54を構成する各マップは種々の形態で構築することができるが、ここでは、撮影画像の画素データと射影変換画像(通常は俯瞰撮影画像)の画素データとの対応関係が記述されたマップとして構築されている。
【0041】
上述したように構成されたカメラ校正システムによる複数カメラ1の校正処理の流れを図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、校正すべきカメラ1を取り付けている車両が第1校正場に移動させられるか、あるいは組み立てラインに組み込まれた第1校正場にその車両が搬送されてくることで、このルーチンはスタートする(#51)。まず、第1校正場において、位置決め機構等を用いて車両を所定の姿勢(位置と向き)に正確に停止させる(#52)。ここで停止とは完全な停止ではなく、正確な所定位置で基本校正指標群90の撮影が可能な速度で移動する状態も含むものである。第1カメラによって基本校正指標群90を写し出した基本撮影画像を取得する(#53)。取得した基本撮影画像から、4つの校正指標9の指標点Qが表している座標である基本画像座標を算定する(#54)。基本校正指標群の各校正指標(指標点)のワールド座標である基本座標を読み出す(#55)。このワールド座標と基本画像座標とから、第1校正関数:H1を算定して(#56)、校正関数テーブル47に記録する(#57)。これでこの複数カメラ1の校正処理の第1段階が終了する。
【0042】
次に、車両が第2校正場に移動させられるか、あるいは組み立てラインに組み込まれた第2校正場にその車両が搬送されてくることで、校正処理の第2段階が始まる(#61)。第2校正場でも車両は所定位置に停止されるが、車両は第1校正場ほど正確に位置決めする必要はない(#62)。
【0043】
次いで、第1カメラ11によって第1校正指標群を写し出した第1撮影画像を取得する(#63)。取得した第1撮影画像から第1画像座標を算定する(#64)。第1カメラ11を校正するための第1校正関数:H1を校正関数テーブル47から読み出す(#65)。ワールド座標テーブル44から第1校正指標群91のワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#67)。このワールド座標と第1画像座標からこの第2校正場での車両の位置と向きのずれである車両姿勢ずれ:Mとを算定する(#68)。
【0044】
次に、第2カメラ12、第3カメラ13、第4カメラ14の校正処理が行われるが、実質的には同じ処理であるので、図8にも示すように任意数N(N=2,3,4)を用いて共通的に説明する。まず、第Nカメラ1によって第N校正指標群を写し出した第N撮影画像を取得する(#70)。取得した第N撮影画像から第N画像座標を算定する(#71)。先に導出した車両姿勢ずれ:Mを読み込む(#72)。さらに、第N校正指標群のワールド座標をワールド座標テーブル44から読み出す(#73)。このワールド座標を車両姿勢ずれ:Mを用いて第N画像座標を補正する(#74)。次に、この補正された第N校正指標群のワールド座標(補正ワールド座標と第N画像座標とを比較して、第Nカメラのカメラ校正のための第N校正関数:HNを算定する(#75)。算定された第N校正関数:HNを校正関数テーブル47に記録する(#76)。
【0045】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施の形態での説明では、車両姿勢ずれと第2画像座標と第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて第2校正関数を算定する際に、前記車両姿勢ずれに基づいて前記ワールド座標を補正し、補正された前記ワールド座標と前記第2画像座標との比較によって第2校正関数を算定する方法が採用されていた。この方法に代えて、前記車両姿勢ずれに基づいて第2画像座標を補正し、補正された第2画像座標と既知のワールド座標との比較によって第2校正関数を算定することも可能である。このことを、図1に対応する図9を用いて、その相違する点だけを以下に説明する。
第2画像座標が算定されると(#23)、算定された第2画像座標に対して先に導出した車両姿勢ずれ:Mに基づいて補正第2画像座標を算定する(#23a)。次に、予め記録されている第2校正指標群の各校正指標(指標点)の第2撮影画像における、第2カメラが正確に位置決めされた際の座標であるワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#24)。このワールド座標と補正第2画像座標とから、第2カメラの外部パラメータの誤差(取り付け誤差など)を解消するためのカメラ校正のための関係式が導出される(#26a)。
もちろん、この別実施形態を4カメラシステムに適用することもできる。つまり、図3に対応する図10で示すように、第3画像座標が算定されると(#33)、予め記録されている第3校正指標群の各校正指標(指標点)の第3撮影画像における、第3カメラが正確に位置決めされた際の座標であるワールド座標をワールド座標テーブルから読み出す(#34)。次に、算定された第3画像座標に対して先に導出した車両姿勢ずれ:Mを用いて補正第3画像座標を算定する(#35a)。このワールド座標と補正第3画像座標とから、第3カメラの外部パラメータの誤差(取り付け誤差など)を解消するためのカメラ校正のための関係式である第3校正関数:H3が導出される(#36a)。
第4校正関数も同様の手法で導出することができる。つまり、第4画像座標が算定されると(#43)、第4校正指標群の各校正指標(指標点)のワールド座標をワールド座標テーブルから(#44)。次に、算定された第3画像座標に対して先に導出した車両姿勢ずれ:Mを用いて補正第4画像座標を算定する(#45a)。このワールド座標と補正第3画像座標とから、第4カメラのカメラ校正のための関係式である第4校正関数:H4が導出される(#46)。
この別実施形態でのカメラ校正システムによる複数カメラ1の校正処理の流れは図11に示されているが、ここでは、先の実施形態における対応する図8との相違する部分だけを説明する。
まずは、ステップ#65とステップ#67との間で第1画像座標の補正が行われる(#66)。
更に、ステップ#71で第N撮影画像から第N画像座標を算定し、ステップ#72で先に導出した車両姿勢ずれ:Mを読み込む(#72)と、次にこの車両姿勢ずれ:Mを用いて第N画像座標を補正する(#73a)。次に、第N校正指標群のワールド座標をワールド座標テーブル44から読み出す(#74a)。このワールド座標と補正第N画像座標との比較から、第Nカメラのカメラ校正のための第N校正関数:HNを算定して(#75)、校正関数テーブル47に記録する(#76)。
【0046】
(2)上述した実施形態では、算定された校正関数:H1、H2、H3、H3はカメラ校正モジュール40の校正関数テーブル47に記録しておき、カメラ校正モジュール40側で利用している。これに代えて、算定された校正関数をカメラ1側に返して、各カメラ1側で設定しておき、各カメラ1からカメラ校正モジュール40にはこの校正関数で補正された撮影画像が送られるような構成を採用してもよい。その場合は、本発明の校正システムはカメラ1も含めたシステムとなる。いずれにしても、この実施形態で述べられている各機能部は、説明のために便宜上区分けされているので、これらの各機能部の統合や分割は自由である。
(3)上述した実施形態では、本発明による複数カメラ校正の基準となる第1カメラ11をリアカメラとしていたが、第2カメラ12をフロントカメラ、あるいは左右のサイドカメラとしてよい。
(4)校正指標群に含まれる校正指標9の形態は、上述した以外種々な変更が可能である。またそのパターン模様の形成はペンキ等を用いた描画に限られず、例えば光学的、照明的な方法によるパターン模様形成を採用してもよい。
(5)上述した実施形態では校正指標群に含まれる校正指標9の数は4つであったが、所定の条件を規定した上で、射影幾何学的な演算が成立する限りにおいて、校正指標9の数は任意である。例えば、校正指標9は2つであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、異なる複数の校正場を利用して、複数カメラを校正する全てのカメラ校正技術に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1:カメラ(車載カメラ)
11:第1カメラ(リアカメラ)
12:第2カメラ(フロントカメラ)
13:第3カメラ(左サイドカメラ)
14:第4カメラ(右サイドカメラ)
2:車両周辺監視コントローラ
40:カメラ校正モジュール
41:画像取得部
41a:第1画像取得部
41b:第2画像取得部
42:画像座標算定部
42a:第1画像座標算定部
42b:第2画像座標算定部
43:校正関数算定部
43a:第1校正関数算定部
43b:第2校正関数算定部
44:ワールド座標テーブル
45:車両姿勢ずれ算定部
46:校正テーブル管理部
47:校正関数テーブル
50:車両周辺監視画像生成モジュール
9:校正指標
90:基本校正指標群
91:第1校正指標群
92:第2校正指標群
93:第3校正指標群
94:第4校正指標群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1カメラと第2カメラを搭載した車両のための複数カメラの校正方法において、
前記車両を所定位置に位置決めすることで前記第1カメラにより撮像可能な複数の基本校正指標群を前記位置決めされた車両に対して予め定められた位置に配置している第1校正場の前記所定位置に当該車両を位置決めするステップと、
前記第1校正場において前記第1カメラによる基本撮影画像を取得するステップと、
前記基本撮影画像における前記基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定するステップと、
前記基本校正指標群の実際の位置であるワールド座標と前記基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定するステップと、
前記第1カメラにより撮像可能な複数の第1校正指標群と前記第2カメラにより撮像可能な複数の第2校正指標群とを予め定められた位置に配置している第2校正場に、前記第1カメラによる前記第1校正指標群の撮像及び前記第2カメラによる前記第2校正指標群の撮像が可能となるように前記車両を移動させるステップと、
前記第2校正場において前記第1カメラによる第1撮影画像を取得するステップと、
前記第1撮影画像における前記第1校正指標群の画像上の位置である第1画像座標を算定するステップと、
前記第2校正場において前記第2カメラによる第2撮影画像を取得するステップと、
前記第2撮影画像における前記第2校正指標群の画像上の位置である第2画像座標を算定するステップと、
前記第1画像座標及び前記第1校正関数及び前記第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれを算定するステップと、
前記車両姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数を算定するステップと、
からなる車両のための複数カメラの校正方法。
【請求項2】
前記第2校正関数を算定するステップにおいて、前記車両姿勢ずれに基づいて前記ワールド座標を補正し、補正された前記ワールド座標と前記第2画像座標との比較によって前記第2校正関数を算定する請求項1に記載の複数カメラの校正方法。
【請求項3】
少なくとも第1カメラと第2カメラを搭載した車両のための複数カメラの校正システムにおいて、
前記車両を所定位置に位置決めすることで前記第1カメラにより撮像可能な複数の基本校正指標群を前記位置決めされた車両に対して予め定められた位置に配置している第1校正場の前記所定位置に位置決めされた前記車両の前記第1カメラによる基本撮影画像を取得する第1画像取得部と、
前記基本撮影画像における前記基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定する第1画像座標算定部と、
前記基本校正指標群の実際の位置であるワールド座標と前記基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定する第1校正関数算定部と、
複数の第1校正指標群の前記第1カメラによる撮像及び複数の第2校正指標群の前記第2カメラによる撮像が可能となる第2校正場において前記第1カメラによる前記第1校正指標群を撮像した第1撮影画像を取得するとともに前記第2カメラによる前記第2校正指標群を撮像した第2撮影画像を取得する第2画像取得部と、
前記第1撮影画像における前記第1校正指標群の画像上の位置である第1画像座標を算定するとともに前記第2撮影画像における前記第2校正指標群の画像上の位置である第2画像座標を算定する第2画像座標算定部と、
前記第1画像座標及び前記第1校正関数及び前記第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれを算定する車両姿勢ずれ算定部と、
前記車両姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数を算定する第2校正関数算定部と、
からなる車両のための複数カメラの校正システム。
【請求項4】
前記基本校正指標群と前記第1校正指標群とは同じ指標座標を有する請求項3に記載の複数カメラの校正システム。
【請求項5】
前記第1校正指標群は前記第1校正場に形成された路面に描画された、交差するエッジを有するマーカ群であり、前記第2校正指標群は前記第2校正場に形成された路面に描画された、交差するエッジを有するマーカ群である請求項3又は4に記載の複数カメラの校正システム。
【請求項6】
車両のリアとフロントと左サイドと右サイドに取り付けられた第1カメラと第2カメラと第3カメラと第4カメラとによって全周囲監視を行う複数カメラの校正システムにおいて、
前記車両を所定位置に位置決めすることで前記第1カメラにより撮像可能な複数の基本校正指標群を前記位置決めされた車両に対して予め定められた位置に配置している第1校正場の前記所定位置に位置決めされた前記車両の前記第1カメラによる基本撮影画像を取得する第1画像取得部と、
前記基本撮影画像における前記基本校正指標群の画像上の位置である基本画像座標を算定する第1画像座標算定部と、
前記基本校正指標群の実際の位置であるワールド座標と前記基本画像座標との関係を表す第1校正関数を算定する第1校正関数算定部と、
複数の第1校正指標群の前記第1カメラによる撮像及び複数の第2校正指標群の前記第2カメラよる撮像及び複数の第3校正指標群の前記第3カメラよる撮像及び複数の第4校正指標群の前記第4カメラよる撮像が可能となる第2校正場において、前記第1カメラによる前記第1校正指標群を撮像した第1撮影画像及び前記第2カメラによる前記第2校正指標群を撮像した第2撮影画像及び前記第3カメラによる前記第3校正指標群を撮像した第3撮影画像及び前記第4カメラによる前記第4校正指標群を撮像した第4撮影画像を取得する第2画像取得部と、
前記第1撮影画像における前記第1校正指標群の画像上の位置である第1画像座標と、前記第2撮影画像における前記第2校正指標群の画像上の位置である第2画像座標と、前記第3撮影画像における前記第3校正指標群の画像上の位置である第3画像座標と、前記第4撮影画像における前記第4校正指標群の画像上の位置である第4画像座標とを算定する第2画像座標算定部と、
前記第1画像座標及び前記第1校正関数及び前記第1校正指標群の実際の位置であるワールド座標を用いて車両の姿勢ずれを表す車両姿勢ずれを算定する車両姿勢ずれ算定部と、
前記車両姿勢ずれと前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第2画像座標と前記第2校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第2校正関数と、車両の姿勢ずれと前記第3画像座標と前記第3校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第3画像座標と前記第3校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第3校正関数と、車両の姿勢ずれと前記第4画像座標と前記第4校正指標群の実際の位置であるワールド座標とに基づいて、前記第4画像座標と前記第4校正指標群の実際の位置であるワールド座標との関係を表す第4校正関数とを算定する第2校正関数算定部と、
からなる車両のための複数カメラの校正システム。
【請求項7】
前記第2校正指標群には前記基本校正指標群の間に及び前記第1校正指標群の間に共通の指標座標が含まれ、前記第3校正指標群には前記基本校正指標群の間に及び前記第1校正指標群の間に共通の指標座標が含まれている請求項6に記載の複数カメラの校正システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−24712(P2013−24712A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159343(P2011−159343)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】