説明

複数部分口内剤形及びその使用

本発明は、少なくとも1つの部分が速崩壊性であり、少なくとも1つの部分が遅崩壊性であり、最遅崩壊成分の崩壊時間が、最速崩壊性成分の崩壊時間よりも少なくとも2倍長い、複数部分口内剤形に関する。被験体に対する概念的治補助として感覚マーカー/シグナルを使用すること特に注目される。また、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにこれらの混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物等の活性剤を送達するための方法及びシステムと、その製剤の使用及び製造も意図される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの部分が速崩壊性であり、かつ少なくとも1つの部分が遅崩壊性であり、最遅崩壊性部分の崩壊時間が、最速崩壊性部分の崩壊時間よりも少なくとも2倍長い、複数部分口内剤形に関する。被験体に対する概念的補助として感覚マーカー/シグナルを使用することに特に注目する。
【0002】
また、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド及びこれらの混合物、異性体、塩及び錯体等のニコチン及び/又はその代謝産物等の、活性剤を送達するための方法及びシステム、並びにその製剤の使用及び製造も意図される。
【背景技術】
【0003】
タバコ依存及びその緩和が望ましい目的である。近年、喫煙の有害性が認識されるにつれて、喫煙の健康への悪影響に関する情報を広めるための行政機関及び種々の健康推進団体並びに他の関連組織により、多数のキャンペーン活動及び催しが行われている。更に、この有害性が認識された結果として、喫煙の頻度を低減する試みに関する多くの問題が存在する。
【0004】
ニコチンは、有機化合物であり、タバコの主なアルカロイドである。ニコチンは、巻き煙草、葉巻、嗅ぎ煙草等で用いられるタバコの主な中毒性成分である。ニコチンはまた、中毒性薬物であり、喫煙者は、ある期間禁煙に成功した後、再び喫煙を始める強い傾向を特徴的に示す。ニコチンは、コーヒー及び紅茶のカフェインに次いで、世界で2番目に多く用いられている薬物である。
【0005】
喫煙に関する主な問題は、その健康への甚大な影響である。喫煙関連疾患により、1年当たり3〜4百万人程度が死亡していると推定される。Centers for Disease Control and Prevention,cigarette smoking among adults−United States,1995.MMWR 1997;46:1217〜1220によれば、タバコ使用の結果として毎年米国で約500,000人が死亡している。実際、過剰な喫煙は、世界中で主な健康問題の1つとして現在認識されている。この喫煙による残酷な結果を受けて、多くの医師会及び保健機関がタバコの使用に対して断固たる処置をとるようになっている。
【0006】
喫煙が多くの先進国で今日減少しているにもかかわらず、社会から世界で2番目に多く用いられている薬物を一掃し得る方法を見出すことは困難である。喫煙の頻度は、多くの国々、特に発展途上国で未だに増え続けている。
【0007】
ヘビースモーカーができる最も有利なことは、完全に喫煙する、又は少なくとも喫煙を減らすことである。しかし、経験上、大部分の喫煙者は、これが極めて困難であることを知っている、その理由は、大抵、喫煙は依存障害又は渇望を生じさせるためである。世界保健機関(「WHO」)の国際疾患分類には、タバコ依存と呼ばれる分類が存在する。米国精神医学会等の他の機関は、その嗜癖をニコチン依存と呼んでいる。一般に、禁煙が困難であるのは、ヘビースモーカーがニコチンに依存しているという事実に起因すると認められている。しかし、健康に関連する最も重要な危険因子は、発癌性タール製品、一酸化炭素、N−ニトロソアミン、アルデヒド、及びシアン化水素酸等の、タバコの燃焼中に形成される物質である。
【0008】
ニコチンの作用
ニコチンは、タバコ植物に由来する中毒性有毒アルカロイドCNCNCHである。ニコチンは、殺虫剤としても用いられる。ニコチンの投与(例えば、巻き煙草、葉巻又はパイプの煙の形態で)は、喫煙者に快感を与え得る。しかし、喫煙は健康上有害であるため、禁煙を促進するために及び/又は喫煙の代替品として用いることができる、心地よくかつ無害な方法でニコチンを投与する代替物を処方することが望ましい。
【0009】
巻き煙草を吸っているとき、ニコチンは、喫煙者の血液に急速に吸収され、吸入後約10秒以内に脳に達する。ニコチンの急速な取り込みは、消費者に対して速やかな満足感、又は興奮を与える。満足感は、通常、巻き煙草の喫煙中、及びその後一定の期間持続する。喫煙の有毒性、毒性、発癌性、及び中毒性は、巻き煙草の喫煙習慣を絶つために用い得る、方法、組成物及び装置を開発する強い動機付けとなる。
【0010】
ニコチン代替製品
喫煙を減らす方法の1つは、喫煙以外の形態又は方法でニコチンを提供することであり、この要求を満たすために幾つかの製品が開発されている。ニコチン含有製剤は、現在タバコ依存の主な治療法である。ニコチンの有無にかかわらず、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド及びこれらの混合物等のニコチン代謝産物を含む製剤も、この目的のために有用であることが見出されている。
【0011】
現在知られている製品を用いた場合の喫煙の頻度の減少は、それほど成功していない。当該技術分野の現在の状況は、行動性アプローチと薬理学的アプローチの両方を含んでいる。単に喫煙の頻度を減らすために幾つかの行動性又は薬理学的アプローチを用いた後、当初は禁煙していた喫煙者の80%超が、概して、喫煙を再開し、約1年以内に以前の喫煙量の喫煙習慣に戻る。
【0012】
禁煙する意志のある人々に対する助けとして、市場で入手可能な幾つかの方法、及びニコチン代替製品の形態が存在する。タバコを使用する被験体の欲求を弱めるための幾つかの方法及び手段が記載されており、これらは、例えば米国特許第5,810,018号(口用ニコチン含有スプレー)、同第5,939,100号(ニコチン含有微粒子)及び同第4,967,773号(ニコチン含有ロゼンジ剤)に記載されているように、被験体に、ニコチン又はその誘導体を投与する工程を含む。
【0013】
ニコチン含有点鼻剤が報告されている(Russell et al.,British Medical Journal,Vol.286,p.683(1983);Jarvis et al.,Brit.J.of Addiction,Vol.82,p.983(1987))。しかし、点鼻剤は、投与が困難であり、就業中又は他の公の場で使用するのに不便である。噴霧により鼻腔に直接送達することによりニコチンを投与する方法は、米国特許第4,579,858号、独国特許第32 41 437号及び国際特許公開第93/12764号から知られている。しかし、鼻用ニコチン製剤の使用により、局所的な鼻の炎症が生じる恐れがある。また投与が困難であることにより、投与されるニコチンの投与量もまた予測不可能である。
【0014】
ニコチンの経皮投与用皮膚貼付剤の使用が報告されている(Rose,in Pharmacologic Treatment of Tobacco Dependence,(1986)pp.158〜166,Harvard Univ.Press)。今日広く用いられているニコチン含有皮膚貼付剤は、局所的な炎症を引き起こす恐れがあり、ニコチンの吸収が緩徐であり、かつ皮膚の血流に影響を受ける。
【0015】
また、米国特許第5,167,242号に提唱されているように、ニコチン蒸気を取り込むための巻き煙草に類似した吸入装置も知られている。この手段及び方法は、ニコチン中毒に関連する問題に対処している。
【0016】
喫煙代替物及び/又は喫煙休止補助具として用いられており、かつニコチンに基づく、成功した製品の1つは、チューインガムNicorette(登録商標)である。この製品は、食品医薬局(FDA)により承認された最初のニコチン代替形態の1つであり、未だに最も広く用いられているニコチン代替製品の1つである。Nicorette(登録商標)チューインガムは、ここ数年間で約60ヶ国で販売されている。このチューインガムでは、ニコチンは、ガムベースに分散している不溶性カチオン交換体(ポラクリレックス)との錯体の形態で存在する。ニコチンは、咀嚼することによりガムから緩徐に放出され、咀嚼の仕方(即ち緩徐に又は活発に)によって巻き煙草を喫煙した約30分後と同程度の血漿濃度に達する。この製品に関する特許は、例えば、米国特許第3,877,468号、同第3,901,248号及び同第3,845,217号である。
【0017】
他の成功したニコチン代替製品は、Nicorette(登録商標)マイクロタブ及びその後継品であるマイクロタブレモンである。これら錠剤は、舌下錠剤であり、ニコチンを徐放させ、Nicorette(登録商標)チューインガムの血漿プロファイルと同様(生物学的に同等)のニコチン血漿プロファイルを得るのを補助する。
【0018】
経口投与を目的とする薬剤は、典型的には、錠剤、カプセル剤、丸剤、ロゼンジ剤、又は粒剤のような固体形態で提供される。速崩壊性錠剤は、例えば小児患者等、錠剤全体を嚥下することができない場合の薬剤投与で使用されることが多い。この分野における幾つかの研究で、速崩壊性錠剤について調べられている(例えば、米国特許第6,106,861号及び同第6,024,981号並びに国際公開第99/47126号)。
【0019】
出願人の発明は、例えば遅崩壊性硬質部分とともに製薬学的に活性な剤を含む、例えば速崩壊性部分を併用する口内複数部分剤形、例えば、ロゼンジに関する。したがって、この剤形は、速崩壊性部分に含有される製薬学的に活性な化合物(1つ又は複数)の速送達効果と、別の又は同じ製薬学的に活性な化合物(1つ又は複数)を含み得る遅崩壊性部分からの徐放/持続放出効果とを両方提供し得る。この剤形は、ロゼンジ、錠剤、カプセル剤、経口フィルム、舌下錠剤、トローチ、棒付きキャンディー、ハードボイルドキャンディー、チョコレートレンズ、マイクロビーズ、ゼリー、ゼリービーン、半固体、中心充填剤形、これらの組み合わせ又は任意の他の口内剤形であり得るが、これらに限定されない。
【0020】
更に、この剤形は、異なる層の含有物、例えば速崩壊性部分のメントール又はシナモンと、遅崩壊性部分のエバーグリーンミントフレーバを、被験体に示すための感覚助剤として感覚マーカー/シグナル又は感覚刺激性感覚の使用を促進する。更なる実施形態では、例えば製薬学的に活性な化合物(1つ又は複数)が放出され始めた/始めるとき、又は活性剤の約4分の1が放出されたとき等に、感覚シグナルを被験体に輸送することも予想され得る。
【0021】
先行技術
米国特許第5,879,710号は、メラトニンを投与するための特定の粘膜付着性二重層製剤について開示している。
【0022】
米国特許第5,236,713号は、活性剤を断続的に放出するための積層調製品について開示している。
【0023】
国際公開第1992/01445号は、口腔粘膜を通してニコチン基剤を制御放出するための浸透性装置について開示している。
【0024】
米国特許出願公開第20060073189A1号は、ニコチンの二相送達のための単層経口調製品について開示している。
【0025】
米国特許第5,681,583号は、活性物質を投与するために嚥下される二重層錠剤であって、1層が活性物質を速やかに放出し、一方、他層は活性物質をよりゆっくりと放出する錠剤について開示している。嚥下される錠剤は、消化管に活性物質を取り込むことを意図し、これは、活性物質を口内に取り込むための剤形とは完全に異なる。
【0026】
米国特許出願公開第20030118648A1号は、製薬学的に活性な成分を含む圧縮環状錠剤により取り囲まれた成形粉薬部分を含む医薬組成物について開示している。
【0027】
国際公開第2001/037814号は、典型的には、最初に急激に放出され、続いて長期間にわたって制御放出される、多相方式で物質を放出する、頬粘膜に付着可能な錠剤について開示している。しかし、国際公開第2001/037814号は、この概念に関する有用性の証拠を全く含んでいない。
【0028】
米国特許第6,248,760号は、非毒性マトリクス層が制酸剤を含むが、ニコチンを含有しない、多層ニコチン含有錠剤について開示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
以下の定義は、以下に定義されるものと類似の表現に、必要な変更を加えて適用される。
【0030】
用語「感覚刺激性感覚」とは、本明細書では、風味、冷却感、灼熱感、温感、刺痛、泡立ち、発泡、沸騰感、加熱感、食欲をそそる感覚、サクサク感、粘性、物理的形態、質感、例えば硬さ、柔らかさ、粗さ、及び凸凹であるが、これらに限定されない、被験体の味覚、口あたり、臭覚、聴覚及び/又は視覚で識別可能な実施形態の特徴を意味することを意図する。
【0031】
用語「ニコチン模倣成分」は、本明細書では、幾つかの観点で、ニコチンの形態にかかわらず、ニコチンの任意の感覚刺激性特徴を共有する又はそれに類似するとみなし得る成分を意味することを意図する。
【0032】
用語「口内剤形」は、本明細書では、口腔の任意の組織により、活性成分、即ち製薬学的に活性な化合物を吸収させることによって、全身血液循環に投与することを意図する剤形を意味することを意図する。
【0033】
用語「経口製剤」又は類似の用語は、本明細書では、本質的に口腔組織にニコチンを送達するために、口腔内に定置するのに好適な全ての製剤を意味することを意図する。
【0034】
用語「完全な減少」又は「完全」は、本明細書では、完全又は実質的に完全な減少を意味することを意図する。
【0035】
用語「制御放出」は、被験体の口腔内における経口製剤からのニコチンの放出であって、経口製剤の活性物質吸引又は他の操作が、放出されるニコチンの量を制御している放出を意味することを意図する。
【0036】
用語「崩壊」は、ある部分の粒子への崩壊及びその後の可溶化、並びにある部分の溶解、又はある部分の融解及び液体の拡散を意味することを意図する。
【0037】
用語「部分」とは、剤形の別々の実体を意味することを意図する。部分の例は、例えば錠剤層、ハードボイルドキャンディー層、融解層、フィルム、液体、カプセル、コーティング、及びワインガムである。
【0038】
用語「徐放」は、例えばニコチンが、ある期間、例えば、数分から1時間にわたって、吸引又は他の操作時に経口製剤から放出されることを意味する。
【0039】
用語「単位処方」は、1つの複数部分口内製剤単位を意味することを意図する。
【0040】
用語「一時的」は、非永続的変化であって、特定の期間後、関連する状態、例えば生物学的又は生理学的状態が、その変化の前の値又は挙動に戻ることを意味することを意図する。
【0041】
用語「頬」及び「頬に」は、本明細書では、口腔組織の全て又は任意の部分に関連することを意味することを意図する。
【0042】
用語「コーティング」又は「コーティング層」又は類似用語は、本明細書では、固体又は半固体物体、例えば固体又は半固体医薬剤形を完全に囲い込む層を意味することを意図する。本発明に係る複数部分口内剤形は、コーティングされてもよく、されなくてもよい。
〔課題を解決するための手段〕
【0043】
本発明は、少なくとも1つの部分が速崩壊性であり、少なくとも1つの部分が遅崩壊性であり、最遅崩壊成分の崩壊時間が、最速崩壊性成分の崩壊時間よりも少なくとも2倍長い、複数部分口内剤形に関する。
【0044】
少なくとも1つの部分が感覚刺激性感覚を生じさせる成分を含み得る、被験体用の概念的補助として感覚マーカー/シグナルを用いることを特に対象とする。また、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにこれらの混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を送達するための方法及びシステムと、その製剤の使用及び製造も意図される。任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物並びに/又はニコチン模倣化合物は、剤形の1つの部分又は幾つかの部分に含まれ得る。
【0045】
したがって、本発明の目的は、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を被験体の口腔内に経粘膜的に取り込むために、例えば任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物並びに/又はニコチン模倣化合物と、所望により、被験体に感覚刺激性感覚を生じさせるための成分(1つ又は複数)とを送達する、効率的かつ有効な製品、並びに方法及びシステムを提供することである。したがって、本発明は、例えば任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を被験体に送達する方法であって、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を含有する経口製剤を被験体の口腔内に投与する工程と、必要に応じて、その経口製剤中の、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を、口腔内の唾液中に放出させ、被験体の体循環に吸収させる工程と、を含む、方法と、その経口製剤を製造する方法とを提供する。
【0046】
本発明はまた、喫煙若しくはタバコ含有物質の使用に対する衝動を減少させる方法、及び/又は喫煙することなく喫煙の満足感を提供する方法であって、タバコ含有物質を、上記経口製剤で少なくとも部分的に置換する工程と、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を含有する経口製剤を被験体の口腔内に投与する工程と、必要に応じて、その経口製剤中の、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を、口腔内の唾液中に放出させ、被験体に吸収させる工程と、を含む、方法を提供する。
【0047】
更に、本発明は、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を被験体に送達するシステムであって、その経口製剤、及び喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させる少なくとも1つの他の手段を含むシステム並びに喫煙若しくはタバコの使用に対する衝動を減少させるシステム及び/又は喫煙することなく喫煙の満足感を提供するシステムであって、上記経口製剤、及び喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させる少なくとも1つの他の方法を含むシステムとを提供する。そのシステムは、少なくとも1つの他の方法が、例えば、口用スプレー、鼻用スプレー、経皮貼付剤、吸入装置、ロゼンジ剤、錠剤並びに非経口法、皮下法、及び経粘膜法であるが、これらに限定されない方法を通して、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を被験体に投与すること、又はタバコの他の使用からなる群から選択されるシステムであり得る。
【0048】
更に、本発明はまた、療法に用いるための、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を含み、その療法が、タバコ又はニコチン依存、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎、及び禁煙後の体重管理からなる群から選択される疾患の治療である、製剤の製造のために用い得る。
【0049】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0050】
製薬学的に活性な剤
速崩壊性部分(1つ又は複数)及び/又は遅崩壊性部分(1つ又は複数)に含まれる製薬学的に活性な剤は、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物等であるが、これらに限定されない禁煙化合物、バレニクリン、ブプロピオン、ノルトリプチリン、ドクサピン、フルオキセチン、イミプラミン、モクロベミド、及び/又はシチシン並びにこれらの製薬学的に許容可能な塩、包接錯体及びプロドラッグであり得る。
【0051】
1つ又は2つ以上の製薬学的に活性な剤(1つ又は複数)はまた、以下:
○抗炎症剤:ジクロフェナク、ケトロラク、インドメタシン、トルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ケトプロフェン、セレコキシブ及びロフェコキシブ、
○筋弛緩剤:オルフェナドリン及びバクロフェン、
○骨石灰化に作用する薬剤:アレンドロン酸及びリセドロン酸、
○鎮痛剤:プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ケトベニドン、ヒドロモルフォン、トラマドール、モルヒネ、及びタペンタドール、
○抗偏頭痛薬:ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、エレトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン及びゾルミトリプタン、
○抗パーキンソン病薬:プラミペキソール、ロピニロール及びセレギリン、
○抗不安薬:アルプラゾラム、ジアゼパム、ロラゼパム及びオキサゼパム、
○睡眠薬:フルニトラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、トリアゾラム、ザレプロン、ゾピクロン、ゾルピデム、クロメチアゾール及びプロピオマジン、
○精神刺激薬:カフェイン、
○物質依存に対する薬:ブプロピオン、ロベリン、ナルトレキソン及びメタドン、
○胃潰瘍治療薬:ファモチジン、
○鎮痙薬:ヒヨスチアミン、
○制吐薬:メトクロプラミド、オンダンセトロン、スコポラミン、ヒヨスチン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン及びハロペリドール、
○抗糖尿病薬:ロシグリタゾン、
○心血管作動薬:エチレフリン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド及び一硝酸イソソルビド、
○抗高血圧剤:ヒドララジン、
○利尿薬:フロセミド及びアミロリド、
○β受容体遮断薬:プロプラノロール及びチモロール、
○カルシウムチャネル遮断薬:アムロジピン、
○ACE阻害剤:カプトプリル、リシノプリル及びホシノプリル、
○血清脂質低減剤:シンバスタチン、
○乾癬治療薬:アシトレチン、
●抗喘息薬:テルブタリン、
●鎮咳剤:コデイン及びノスカピン、
●抗ヒスタミン剤:クレマスチン、クロルフェニラミン、シプロヘプタジン、ロラタジン、アクリバスチン、抗鬱剤及び抗性的機能不全薬:ダポキサティン、
●抗性的機能不全薬:シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル、バルデナフィル、カベルゴリン及びプラミペキソール、
●抗てんかん薬:トピラメート、並びに
●口内及び/又は胃腸及び/又は全身健康促進剤:ラクトバチルスロイテリ。
ここで、所定の治療領域は、上述の薬剤(1つ又は複数)に好適な治療領域の非限定的な例とみなされることを特徴とする、から選択し得る。
【0052】
1つの実施形態では、二重部ロゼンジ薬剤送達システムは、例えばタバコ依存を治療するために、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を被験体に、送達するために用いられ得る。薬物送達システムは、速崩壊性部分が、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を、口腔内の唾液中に速やかに放出するのを促進し、その後被験体の体循環に吸収させ、続いて、遅崩壊性部分(1つ又は複数)から長期間放出され、体循環に吸収させる、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を送達するための、潜在的に有利な薬物送達システムを提供する。多数のニコチン代替形が入手可能であるが、本薬物送達システムは、禁煙製品を製造し、服薬率を上げ、かつ潜在的に、初期のニコチン渇望及び長期間にわたる渇望を低下させて、タバコ含有物質の使用に対する衝動を減少させるための新規手段を提供する。
【0053】
部分(1つ又は複数)はまた、例えば、亜鉛、クロルヘキシジン、L.ロイテリ、ナイスタチン、アンフォテリシン、ミコナゾール、フェニレフリン、デキストロメトルファン、偽性エフェドリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロペラミド、ファモチジン、炭酸カルシウム、シメチコン、偽性エフェドリン、クロルフェニラミン、メトカルバモール、クロフェジアノール、アスコルビン酸、メントール、チモール、サリチル酸メチル及びオイカリプトール、ペクチン、ジクロニン、ベンゾカイン、並びにその製薬学的に許容可能な塩及び誘導体等であるが、これらに限定されない物質を含み得る。
【0054】
ニコチン
ニコチンとは、その塩基形態を有するニコチン、3−(1−メチル−2−ピロリジニル)−ピリジン、例えば、合成ニコチン、及びタバコ属のみ若しくは組み合わせ等のタバコ植物体若しくはその一部からのニコチン抽出物;又はその製薬学的に許容可能な塩、包接錯体、異性体及びプロドラッグを含むことを意図する。
【0055】
好ましい実施形態では、任意の形態のニコチンは、ニコチンの遊離塩基形態、ニコチン塩、ニコチン誘導体、例えばニコチンカチオン交換体、ニコチン包接錯体又は任意の非共有結合しているニコチン、ゼオライトに結合しているニコチン、セルロース又はデンプン微粒子に結合しているニコチン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0056】
多数のニコチン塩が知られており、例えば表1に提示される塩、好ましくは、一酒石酸塩、酒石酸水素塩(重酒石酸塩又は重酒石酸塩二水和物とも呼ばれる)、クエン酸塩、リンゴ酸塩、及び/又は塩酸塩が用いられ得る。
【表1】

製造時に推奨される
【0057】
包接錯体は、シクロデキストリンと製薬学的に活性な化合物との錯体等の、シクロデキストリン錯体を含み得、好ましくは、用いられるシクロデキストリンは、α−、β−及びγ−シクロデキストリン、α−、β−及びγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル誘導体、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン等のスルホアルキルエーテルシクロデキストリン、ランダムにメチル化したβ−シクロデキストリン等のアルキル化したシクロデキストリン、並びにグルコシル−及びマルトシル−β−シクロデキストリン等の様々な分岐シクロデキストリンの中から選択される。
【0058】
幾つかの好適なカチオン交換体を以下の表2に示し、更に米国特許第3,845,217号に開示する。Rohm & Haas製のAmberliteコレクション等のポリアクリレートのニコチンカチオン交換体が好ましい。
【表2】

【0059】
経口製剤中のニコチンの量及び分布
用語「ニコチン」は、以下、文脈がニコチン自体のみを意味する場合でない限り、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド等のニコチン代謝産物、並びにその混合物、異性体、塩及び錯体を含むことを意図する。
【0060】
効果を得るための用量を被験体に提供するために、本発明に係る任意の形態のニコチンが配合される。その効果は、喫煙することなしに、喫煙の満足感を提供するものであり得る。任意の形態の投与されるニコチンの別の効果は、喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させることであり得る。
【0061】
その効果はまた、その衝動の減少と、喫煙することなしに喫煙の満足感を提供することとの組み合わせであってもよい。ニコチンの量は、被験体においてこのような効果を提供するのに十分であるべきである。この量は、無論、人によって異なり得る。
【0062】
本発明によれば、経口製剤の実施形態は、任意の形態のニコチンが、経口製剤の1単位用量当たりのニコチンの遊離塩基形態として算出したとき、0.05〜12mgの量で存在する実施形態を含む。これは、異なる実施形態では、1単位用量当たりのニコチンの遊離塩基形態として算出したとき、0.05、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12mg、好ましくは0.1〜6mg、より好ましくは1〜6mg、最も好ましくは2〜5mgを含み得る。
【0063】
任意の形態のニコチンは、異なる実施形態において、経口製剤中に分布し得る。経口製剤全体にわたるニコチンの分布の違いは、異なる方法で被験体にニコチンが投与されることを意味する。次いで、これは、被験体の喫煙又はタバコの使用に対する衝動に依存して、異なる被験体の異なる要求に応じて経口製剤の組成を調節するための幾つかの可能性を提供し得る。以下の実施例では、このような異なる実施形態を開示する。
【0064】
緩衝剤
速崩壊性部分(1つ又は複数)及び/又は遅崩壊性部分(1つ又は複数)はまた、ニコチン投与を促進する好適な緩衝剤(1つ又は複数)システムを含み得る。口腔から体循環へのニコチンの吸収は、唾液のpH、血漿のpH、及びニコチンのpKa(約7.8である)に依存する。したがって、緩衝剤(1つ又は複数)及び/又はその組み合わせの量及び種類は、唾液のpH、ひいては粘膜を通して主に吸収される形態である遊離塩基形態のニコチンの吸収に影響を与える。経口製剤の融解、崩壊又は溶解中、被験体の唾液を一時的に緩衝するために、緩衝が設計される。変化は一時的であるため、pHは、特定の期間後、正常値に戻る。
【0065】
緩衝剤は、炭酸塩(炭酸水素塩又はセスキ炭酸塩を含む)、トロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、並びにトロメタミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びTRISとも称される)、グリシン酸塩、例えばリン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等の様々なリン酸塩システム、及びリン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、アルカリ金属(例えばカリウム若しくはナトリウム、又はアンモニウム)のグリセロリン酸塩若しくはクエン酸塩、例えばクエン酸三ナトリウム及びクエン酸三カリウム、様々な水酸化物、アミノ酸、例えば以下の表3に示すもの、並びにこれらの混合物からなる群からの緩衝剤であり得るが、これらに限定されない。
【表3】

a)非ニコチン含有医薬製剤中の緩衝剤として報告される。
b)水への溶解度が低い又は不明な値。
【0066】
アミノ酸に関する表題のデータは、「Handbook of Chemistry and Physics」,85theditionの表7−1(「20 standard amino acids that are the basic constituents of proteins」)及び表7−2(「Amino acids and related compounds of biochemical importance」)から得られる。
【0067】
経口製剤の他の添加剤
他の添加剤を所望により経口製剤に添加し得る。任意の添加物は、エタノール及び水等の溶媒、プロピレングリコール等の共溶媒、防腐剤(例えば酸化防止剤)等の安定剤、ソルビトール及びグリセリン等の軟化剤、コロイド性二酸化ケイ素等の増粘剤、キサンタンガム等の結合剤、マンニトール、イソマルト、ココアパウダー及びクロスポビドン等の充填剤、Polysorbat 80及びAtmos 300等の可溶化剤、スクロース脂肪酸エステル及び水素添加植物油等のゴム、脂質バリア、豚ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム及びキサンタンガム等のフィルム形成剤、ペクチン、ダイズレシチン、グリセロールモノステアレート、ヒマシ油及びポロキサマー等の乳化剤、コロイド性二酸化ケイ素等の流動促進剤、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ヒマシ油及びソルビトール等のコーティング剤、植物油等の融解媒体、甘味料、フレーバ、芳香剤、冷却剤、エンハンサ、着色剤、ビタミン、ミネラル、フッ素、口臭清新剤、歯用ホワイトニング剤並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上の添加物を含む。本発明に従って、このような添加剤の少なくとも1種が、所望により製品に添加される。
【0068】
エンハンサは、本質的に、口腔からのニコチンの経粘膜的取り込みを増加させるために添加され得る。
【0069】
甘味剤は、本質的に、味を改善するために添加される。甘味剤は、1種又は2種以上の合成又は天然糖、即ち甘味料としての使用に好適な炭水化物の任意の形態、並びにサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、例えばNutraSweet(登録商標)、アセスルファム又はアセスルファムK、アセスルファムカリウム、タウマチン、グリチルリチン、スクラロース、ジヒドロカルコン、アリターム、ミラクリン、モネリン、ステビシド及びネオテーム等のいわゆる人工甘味料を含む。
【0070】
好適な甘味料は、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール、サトウキビ及びテンサイから抽出された糖(スクロース)、デキストロース(グルコースとも称される)、フルクトース(果糖とも称される)、及びラクトース(乳糖とも称される)を含む単糖、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、キシリトール、エリスリトール、マルチトールシロップ(又は水素添加デンプン加水分解物)、イソマルト、ラクチトール、並びにグルコースシロップ、例えばデキストロース、マルトース及び複合糖類の範囲の混合物を含有するデンプン加水分解産物を含む糖の混合物、転化糖シロップ、例えばデキストロース及びフルクトースの混合物を含有するインベルターゼ(スクラーゼ又はサッカラーゼとも称される)により転化されたスクロース、例えば特定の果糖、デキストロース、マルトース、ラクチトール、スクロース、樹脂、デキストリン及び高級糖の混合物を含有する糖蜜及びハチミツ等の糖高含有シロップ、並びに麦芽又は麦芽抽出物からなる群から選択され得る。
【0071】
フレーバ及び芳香添加物は、1種又は2種以上の、合成若しくは天然の、味マスキング剤、着香剤又は芳香化剤を含んでよく、液体及び/又は粉末として添加され得る。フレーバ及び芳香剤は、刻んだ花、葉、果皮若しくはアルコール、エステル、アルデヒド及びラクトンの混合物を含むどろどろにした果物全体の蒸留物、溶媒抽出物、又は冷圧搾物を含む精油、精油の希釈溶液、又は果物、例えばイチゴ、キイチゴ及び黒スグリの天然の香りに合わせてブレンドされた合成化学薬品の混合物のいずれかを含むエッセンス、醸造酒及び蒸留酒、例えばコニャック、ウイスキー、ラム、ジン、シェリー、ポートワイン、及びワインの人工及び天然フレーバ、タバコ、コーヒー、茶、ココア、及びミント、水洗し、こすり洗いした、レモン、オレンジ、及びライム等の果物から絞ったジュースを含む果物ジュース、スペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、シナモン、カカオ/ココア、バニラ、カンゾウ、メントール、ユーカリ、アニスの果実、ナッツ(例えばピーナッツ、ココナツ、ヘーゼルナッツ、クリ、クルミ、コーラの実)、アーモンド、干しブドウ、並びに粉末、粉、又はニコチン濃度に有意には寄与しない量の例えばタバコ属のタバコ植物体の一部、及びショウガを含む、植物性材料の一部から選択され得る。
【0072】
着色添加剤は、食品添加物として承認されている染料から選択され得る。
【0073】
安定剤は、ビタミンE、即ちトコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸及びエデト酸塩を含む酸化防止剤、並びにクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、及びソルビン酸を含む防腐剤からなる群から選択され得る。好ましい実施形態は、安定剤として酸化防止剤を含み、更により好ましくは、酸化防止剤であるビタミンE及び/又はブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む。
【0074】
圧縮性賦形剤
1つの実施形態では、少なくとも1種の速崩壊性錠剤部分は、1種又は2種以上の圧縮性賦形剤を含む。1つの実施形態では、少なくとも1種の速崩壊性口内錠剤部分は、少なくとも40重量%のこのような圧縮性賦形剤を含む。「圧縮性賦形剤」とは、本明細書では、他の結合剤を添加することなしに、錠剤形状に圧縮され得る成分を意味する。特定の実施形態では、圧縮性賦形剤は、水和物の形態であり、デキストロース一水和物、マルトデキストリン、ラクトース一水和物、及びデキストリン等の有機化合物、並びに第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸ナトリウム二水和物、第二リン酸ナトリウム七水化物、第二リン酸ナトリウム十二水化物、リン酸ナトリウム一水和物及びリン酸ナトリウム二水和物を含む無機化合物から選択され得る。1つの実施形態では、速崩壊性錠剤部分は、イソマルト、デキストロース一水和物、マルトデキストリン、ラクトース一水和物、デキストリン、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、及びラクトースからなる群から選択される圧縮性賦形剤を含む。
【0075】
1つの実施形態では、圧縮性賦形剤(1つ又は複数)は、約50〜約500マイクロメートル、例えば約75〜約400マイクロメートルの平均粒径を有する粒子の形態である。
【0076】
1つの実施形態では、速崩壊性錠剤部分は、約5〜約90重量%、例えば約15〜約75重量%の、1種又は2種以上の圧縮性賦形剤を含む。1つの実施形態では、崩壊性錠剤部分は、崩壊性錠剤部分の総重量に基づいて、少なくとも40重量%の、1種又は2種以上の圧縮性賦形剤を含む。
【0077】
水膨潤性賦形剤
1つの実施形態では、速崩壊性錠剤部分は、1種又は2種以上の水膨潤性賦形剤を更に含む。「水膨潤性賦形剤」とは、本明細書では、液体媒質との接触時に膨潤し又は液体を吸い取り、かつ圧縮錠剤の崩壊を補助するよう設計された物質を意味する。水膨潤性賦形剤は、クロスポビドン、クロスカルメロース、グリコール酸ナトリウムデンプン、微結晶性セルロース等のセルロース化合物、デンプン、アルギン酸並びにベントナイト、アタパルジャイト、及びケイ酸アルミニウムマグネシウム等の無機粘土等の超崩壊体から選択され得る。1つの実施形態では、水膨潤性賦形剤は、少なくとも部分的に水和され、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスポビドン、クロスカルメロース、微結晶性セルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びアルギン酸からなる群から選択される。
【0078】
1つの実施形態では、速崩壊性錠剤部分中の水膨潤性賦形剤(1つ又は複数)の量は、速崩壊性錠剤部分の総重量に基づいて、約0.1〜約5重量%、例えば約0.5〜約3重量%である。
【0079】
1つの実施形態では、圧縮性賦形剤(1つ又は複数)は、水膨潤性賦形剤(1つ又は複数)よりも多い量存在する。1つの実施形態では、崩壊性錠剤部分中の圧縮性賦形剤(1つ又は複数)と水膨潤性賦形剤(1つ又は複数)との比は、約1:1〜約150:1、例えば約10:1〜約100:1、約25:1〜約75:1等である。
【0080】
沸騰性カップル剤
1つの実施形態では、崩壊性錠剤部分は、1種又は2種以上の沸騰性カップル剤を更に含む。1つの実施形態では、沸騰性カップル剤は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウムからなる群から選択される部分と、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、リン酸、アルギン酸からなる群から選択される部分とを含む。
【0081】
1つの実施形態では、崩壊性錠剤部分中の沸騰性カップル剤(1つ又は複数)の量は、崩壊性錠剤部分の総重量に基づいて、約0.1〜約20重量%、例えば約2〜約10重量%である。
【0082】
成分に関する更なる情報
速崩壊性錠剤部分は、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクトース、及びこれらの混合物等の水溶性圧縮性炭水化物を含む、他の充填剤、ポリビニルピロリドン等の他の従来の乾燥結合剤、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、及びサッカリン等の甘味料、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、及びろう等の潤滑剤、防腐剤、フレーバ、崩壊剤、酸化防止剤、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、及びフマル酸等であるが、これらに限定されない酸味料、界面活性剤、並びに着色剤を含む、従来の成分を含み得る。
【0083】
遅崩壊性部分(1つ又は複数)は、イソマルト、スクロース、デキストロース、デキストロース一水和物、コーンシロップ、ラクチトール、リカシン(lycasin)、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、デンプン、ゼラチン化デンプン、マルトデキストリン、ラクトース、ラクトース一水和物、デキストリン並びにこれらの混合物及び/又は誘導体からなる群から選択されるが、これらに限定されない賦形剤を含み得る。遅崩壊性部分(1つ又は複数)は、イソマルト、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、ラクチトール、及びリカシン、並びにこれらの混合物及び/又は誘導体からなる群から選択されるが、これらに限定されない賦形剤を含み得る。
【0084】
特に、速崩壊性部分(1つ又は複数)は、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸ナトリウムからなる群から選択される部分と、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、及びアルギン酸からなる群から選択される部分とを含み得る。
【実施例】
【0085】
当業者は、以下の実施例に基づいて、本発明の他の実施形態も予想することができる。以下の製剤を製造するためのバッチサイズは、実際の必要性、及び実際の生産設備によって変更してよい。
【0086】
(実施例1)
速崩壊性錠剤部分が、0.5mgのニコチン(NRC)とメントールフレーバとを含有し、遅崩壊性部分が、1.5mgのニコチン(NRC)とレモンフレーバとを含有する、二重部分錠剤の調製
【0087】
方法
以下の表A1及び表A2に列挙する成分を篩った後、例えば二重コーンブレンダを用いる当該技術分野において既知である方法に従って、それぞれを別個にブレンドする。次いで、ブレンドした材料の2つの部分を、直接圧縮を用いて錠剤に圧縮する。粉末の圧縮は、例えば、2層のそれぞれ、即ち速崩壊性錠剤部分及び遅崩壊性部分に、それぞれ予圧及び本圧を印加して二重部分ロゼンジ剤を形成する、個々の充填所を備える、両面回転打錠機を用いて、実施し得る。
【表4】

0.5mgのニコチン用量と等価である。
【表5】

1.5mgのニコチン用量と等価である。
【0088】
(実施例2)
遅崩壊性部分が粗い幾何学模様又は形態又は形状を有し、速崩壊性錠剤部分が平滑表面を有する二重部分錠剤の調製
方法
用いた打ち抜き機の形状を除いて、実施例1と同じ方法である。
【表6】

1.0mgのニコチン用量と等価である。
【表7】

2.0mgのニコチン用量と等価である。
【0089】
(実施例3)
唾液との接触時に、速崩壊性部分がより柔らかくかつ崩壊するときにパサパサ/ボロボロと感じられ得、遅崩壊性部分がより硬くかつボロボロ/パサパサしない、二重部分錠剤の調製
方法
フレーバを添加したこと以外、実施例1及び2と同じ方法及び処方を用いる。それにより、部分間のパサパサ/ボロボロ感の違いが、実施例1及び2よりも顕著になる。
【0090】
(実施例4)
一方が1mgのニコチンを含み、他方がシナモンフレーバを含む2つの速崩壊性部分と、3mgのニコチンを含む1つの遅崩壊性部分とを有する三重部分錠剤の調製
方法
前述の実施例に係る製造原理を用いる。
【表8】

1.0mgのニコチン用量と等価である。
【表9】

【表10】

3.0mgのニコチン用量と等価である。
【0091】
(実施例5)
予圧縮遅崩壊性部分が、本圧縮実施後に速崩壊性部分の粉末が充填される円環体の形状を有すること以外、実施例1と同様の二重部分錠剤の調製
【0092】
(実施例6)
2mgのニコチンを含有する遅崩壊性ボイルドシュガー部分と、速崩壊性錠剤部分とを有する二重部分錠剤の調製
方法
遅崩壊性ボイルドシュガー部分の調製方法は、以下の通りである:表D1に示される乾燥材料を篩う。精製水、イソマルト及びマルチトール溶液をステンレス鋼のビーカーに添加する。混合し、水が蒸発するまで連続混合中、約170℃に加熱する。加熱をやめ、135〜140℃に冷却する。重酒石酸ニコチン二水和物を添加し、完全に分散するまで混合する。緩衝剤成分を添加し、分散するまで120℃で混合し、その後フレーバを添加し、均一になるまで混合する。流動可能な状態にある間に、ハードキャンディー部分のブレンドを、二重平面を有する円形ステンレス鋼成形型に入れる。得られたボイルドシュガー部分を冷却し、約15分間室温で硬化させる。次いで、ハードキャンディー部分をゴムの成形型に入れる。約30ミリグラムの粉末化ポリエチレングリコール(PEG)3350は、ハードキャンディー部分の1つの表面に沿って均一に分散する。
【表11】

1.75mgのニコチン用量と等価である。
【0093】
平面圧縮錠を、以下の表D2による成分を用いて、実施例1に従って製造する。
【表12】

0.25mgのニコチン用量と等価である。
【0094】
速崩壊性錠剤部分を、以下のようにボイルドハードキャンディー部分に隣接させる:上記平面圧縮錠をハードキャンディー部分上に置き、得られた剤形を、PEG3350が融解し、圧縮錠とハードキャンディー部分とを接着させるような高温を提供するオーブン内に入れる。次いで、得られた二重部分錠剤を室温で30分間冷却し、ゴムの成形型から取り出す。
【0095】
(実施例7)
遅崩壊性ハードボイルドキャンディー部分と、速崩壊性融解錠剤部分とを有する、2mgのニコチンを含有する二重部分錠剤の調製
方法
遅崩壊性ハードボイルドキャンディー部分を、実施例6に従って調製する。
【0096】
以下の表E1aのような組成を有する融解錠剤部分を調製するために、水素添加ダイズ油の一部を先ず融解させる。次いで、固体成分、即ちココア粉末、マンニトール、アセスルファム−K、及び着香剤(固体である場合)を添加し、混合する。ロール精製機で粉砕することにより、固体成分の粒径を小さくする。例えば油と混合する前に粉砕することにより、固体成分がすでに必要な粒径を得ている場合、ロール精製を行う。ロール精製機で処理した後、混合物を残りの融解脂質成分と混合し、固化している場合、再融解させ、融解水素添加ダイズ油の残りと混合する。融解物を好適なミキサ内で混合する。液体成分、即ちダイズレシチン及び着香剤(液体である場合)を、この段階で添加する。
【0097】
次いで、2つの部分、ハードボイルドキャンディー及び融解錠剤を、好適な成形型内の冷却及び硬化したハードボイルドキャンディー部分の上に融解物を分配することにより組み合わせる。次いで、融解物を、8〜15℃で2時間冷却することにより固化させる。次いで、完成した二重剤形を型から取り外し、好適に包装する。
【表13】

【0098】
(実施例8)
継ぎ目のないソフトゲル同心三重部分口内カプセル
【表14】

【0099】
方法
継ぎ目のないソフトゲルカプセルを、表F1のような成分を用いて、2層又は3層以上の同心円層からなる液滴を形成することにより製造する。液滴は、同心ノズルを通して異なる液体を供給することにより形成される。最外ノズルは、ゼラチン及び添加剤、例えば可塑剤からなる親水性溶液を供給する。1つ又は2つ以上の内側ノズルは、1種又は2種以上の活性物質が分散し得る親油性液体(例えば油、トリグリセリド)を供給する。形成された液滴の親油性中心及び親水性周辺部は、シェル及びコア含有物間に良好な相分離を保証する。次いで、形成されたカプセルを、冷却、乾燥、洗浄並びに大きさ及び形状の選択等、その後の処理工程に供する。
【0100】
(実施例9)
糖を含まないチューイングシートの調製
速崩壊性部分が1mgのニコチン(NRC)とメントールフレーバとを含有し、遅崩壊性部分が、2mgのニコチン(NRC)とレモンフレーバとを含有する、チューイー二重部分製剤は、米国特許第6,372,271 B1号に記載の方法を本質的に用いることにより調製し得る。所望により、安定化層をソフトキャラメル混合物に添加してよい。
【0101】
中心用ソフトゲルカプセルの調製
方法
ISOMALT.RTM.(M型)、マルチトールシロップ及び水を、ボイラー中で125〜135℃、好ましくは131℃に加熱した。ゼラチン溶液を添加する。均質な混合物が得られるまで、2〜3分間高速で混合しながら、所与の順序で、植物性脂肪、乳化剤、クエン酸、ISOMALT.RTM.(PF型)を添加する。果実フレーバを添加し、混合し、ボイラーを空にする。好適なホモジナイザを用いて均質化する。混合物を42〜48℃に冷却する。中心用混合物の牽引時間:1〜15分間、好ましくは8分間。ソフトキャラメル混合物の調製は、バッチ調理器又は連続調理設備で実施し得る。混合物の牽引は、標準的な牽引機若しくは連続牽引機、又は通気の場合は、標準的な通気装置を用いて実施する。
【0102】
混合物の形成:混合物の加工を、充填物の形成をエンボス加工機により実施するという通常の方法で実施する。刻印操作前のロープの表面温度は、35℃を超えない。刻印後、充填物は冷却トンネルを通過する。その後、温度は10〜30℃、好ましくは25℃である。
【0103】
予備ガミング:冷却トンネルを離れた直後、充填物を容器に回収し、予備ガミングする。この目的のために、10%の二酸化チタンを含む50%のQuick Coat溶液(アラビアゴム、Wolff & Olsen、Hamburg)を調製し、充填物が十分保湿されるように充填物にある量を適用し、次いで、充填物が乾燥するまで、適用された溶液にQuick Coat粉末を振りかける。充填物が体積変化に対して安定化され、相互に密着しないように、このプロセスを2〜3回繰り返す。
【表15】

3.0mgのニコチン用量と等価である。
【0104】
甘味コーティング:溶液の調製ISOMALT.RTM.(M型)を温水中で混合し、溶液中に結晶が存在しなくなるまで70〜80℃に加熱する。懸濁液の調製:上記のように調製した溶液を60℃に冷却する。アスパルテーム、アセスルファム−K、アラビアゴム溶液、TiO及びISOMALT.RTM.(PF型)を添加し、均質な混合物が得られるまで撹拌する。懸濁液の温度は、プロセス中60℃に維持する。
【表16】

1.0mgのニコチン用量と等価である。
【0105】
ソフトキャラメル混合物からなる安定化層を含んでもよい。
【0106】
(実施例10)
2mgのニコチン及び10×10cfuのラクトバチルスロイテリATCC PTA−5289を含有する錠剤の調製
速崩壊性部分が、口腔健康を改善するためのラクトバチルスロイテリと、果実フレーバとを含有し、遅崩壊性部分が、2.0mgのニコチン(NRC)とミントフレーバとを含有する二重部分錠剤の調製
方法
実施例1と同じ方法を用いる。
【表17】

【表18】

2.0mgのニコチン用量と等価である。
【0107】
(実施例11)
硫酸テルブタリン5mg及びロラタジン10mgを含有する錠剤の調製
【表19】

【表20】

【0108】
速崩壊性部分が、βアドレナリン作動薬気管支拡張薬としての硫酸テルブタリンと、メントールとを含有し、遅崩壊性部分が、ロラタジンとレモンフレーバとを含有する二重部分錠剤の調製
方法
実施例1と同じ方法を用いる。
【0109】
また、表題の実施例で提示されたものとは別の多くの実施形態が、本発明に包含される。
【0110】
このような他の実施形態の1つは、例えばハードコーティングを有するチューイー調製品である。このような調製品の中心は、ニコチン樹脂複合体、イソマルト、マルチトールシロップ、植物性脂肪、ゼラチン、乳化剤、緩衝剤及び着香剤を含む、ソフトキャラメル混合物であり得る。このソフト中心は、従来の技術を用いて製造され得る。中心は、次に、重酒石酸ニコチン二水和物、イソマルト、アラビアゴム、緩衝剤、甘味剤、及びフレーバを含む、コーティング溶液でコーティングされる。ニコチンの1つの形態が中心に用いられ、ニコチンの別の形態がコーティングに用いられることに留意すべきである。所望により、ソフトキャラメル混合物からなる安定化薄層を、ソフト中心とハードコーティングとの間に置いてよい。
【0111】
〔実施の態様〕
(1) 少なくとも1つの部分が速崩壊性であり、かつ少なくとも1つの部分が遅崩壊性であり、最遅崩壊性部分の崩壊時間が、最速崩壊性部分よりも少なくとも2倍長く、それぞれの部分が、以下の成分:製薬学的に活性な成分、ニコチン模倣成分、pH緩衝成分、pH調節成分、フレーバ、バリア成分、着色成分、接着成分、味マスキング剤、歯ホワイトニング剤、口臭清新剤、口腔健康促進剤、虫歯予防剤、及び抗炎症剤、から選択される少なくとも1つの成分を含む、複数部分口内剤形。
(2) 製薬学的に活性な成分が、タバコ依存を治療するための成分である、実施態様1に記載の複数部分口内剤形。
(3) チューインガム又は粉薬ではない、実施態様1又は2に記載の複数部分口内剤形。
(4) 速崩壊性部分を被験体に投与したとき、前記被験体の唾液のpHを、0.2〜3.5 pH単位、好ましくは0.5〜2.0 pH単位、一時的に上昇させる緩衝剤及び/又はpH調節剤を含む、実施態様1〜3のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(5) 遅崩壊性部分を被験体に投与したとき、前記被験体の唾液のpHを、0.2〜3.5 pH単位、好ましくは0.5〜2.0 pH単位、一時的に上昇させる緩衝剤及び/又はpH調節剤を含む、実施態様1〜3のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(6) 被験体に投与したとき、前記被験体の唾液のpHを、0.2〜3.5 pH単位、好ましくは0.5〜2.0 pH単位、一時的に上昇させる緩衝剤及び/又はpH調節剤を含む、実施態様1〜5のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(7) 前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分の少なくとも1つが、顕著な感覚刺激性感覚を生じさせるための成分を含む、実施態様2〜6のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(8) 前記感覚刺激性感覚(1つ又は複数)が、前記剤形を用いる被験体が前記剤形の異なる部分を識別することを促進するようなものである、実施態様7に記載の複数部分口内剤形。
(9) 前記感覚刺激性感覚(1つ又は複数)が、風味、冷却感、灼熱感、温感、加熱感、サクサク感、刺痛、泡立ち、発泡、沸騰感、食欲をそそる感覚、物理的形態、粘性、及び質感、例えば硬さ、柔らかさ、粗さ、及び凸凹の知覚又は知覚の変化の1つ又は2つ以上の形態である、実施態様7又は8に記載の複数部分口内剤形。
(10) 前記感覚刺激性感覚が、風味の知覚又は風味の知覚変化である、実施態様9に記載の複数部分口内剤形。
【0112】
(11) ある部分中に最初に存在する製薬学的に活性な成分のある割合、例えば4分の3超、全て又はほぼ全てが、前記部分から放出された前記剤形を用いて、前記感覚刺激性感覚が、シグナルとして前記部分から送達され、被験体に情報を提供する、実施態様7〜10のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(12) ある部分中に存在する製薬学的に活性な成分が、前記部分から放出され始めた前記剤形を用いて、前記感覚刺激性感覚が、シグナルとして前記部分から送達されて、被験体に情報を提供する、実施態様7〜11のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(13) I.前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分が、同じ製薬学的に活性な剤を含む、又は
II.前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分が、異なる製薬学的に活性な剤を含む、又は
III.前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分が、それぞれの崩壊時間にかかわらず、同じ若しくは異なる製薬学的に活性な剤を有する、並びに/又は
IV.非適合性であるフレーバ成分、緩衝剤、及び製薬学的に活性な剤等の非適合性成分を別々の部分に配合することにより、このような成分を含むための前記剤形を提供する、実施態様1〜12のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(14) 最遅崩壊性部分の崩壊時間が、最速崩壊性部分よりも3〜10倍長い、好ましくは3〜5倍長い、実施態様1〜13のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(15) 前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、沸騰性剤を含む、実施態様1〜14のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(16) 少なくとも2つの部分が、速崩壊性である、実施態様1〜15のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(17) 前記少なくとも2つの速崩壊性部分が、前記少なくとも1つの遅崩壊性部分を少なくとも部分的に被覆する、実施態様16に記載の複数部分口内剤形。
(18) 前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、前記速崩壊性部分の表面を少なくとも部分的に被覆する、実施態様1〜17のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(19) ロゼンジ剤、錠剤、経口フィルム、舌下錠剤、トローチ、棒付きキャンディー、ハードボイルドキャンディー、チョコレートレンズ、マイクロビーズ、ゼリー、ゼリービーン、ワインガム、半固体、中心充填剤形又はこれらの組み合わせである、実施態様1〜18のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(20) それぞれの崩壊性部分が、2つ又は3つ以上のサブ部分で構成され、それぞれのサブ部分が製薬学的に活性な剤を含み、前記サブ部分の少なくとも1つ中の前記製薬学的に活性な剤が、コーティングされる、実施態様1〜19のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
【0113】
(21) 任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等のニコチン及び/又はその代謝産物であり、好ましくは、ニコチン塩、ニコチンの遊離塩基形態、ニコチン誘導体、例えばニコチンカチオン交換体、ニコチン包接錯体、又は任意の非共有結合しているニコチン、ゼオライトに結合しているニコチン、セルロース又はデンプン微粒子に結合しているニコチン、ニコチンプロドラッグ、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される、タバコ依存を治療するための成分を含む、実施態様1〜20のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(22) 前記ニコチン包接錯体が、シクロデキストリン錯体であり、用いられるシクロデキストリンが、α−、β−及びγ−シクロデキストリン、α−、β−及びγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル誘導体、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン等のスルホアルキルエーテルシクロデキストリン、ランダムにメチル化したβ−シクロデキストリン等のアルキル化したシクロデキストリン、並びにグルコシル−及びマルトシル−β−シクロデキストリン等の分岐シクロデキストリンから選択される、実施態様21に記載の複数部分口内剤形。
(23) 前記ニコチンカチオン交換体が、ポリアクリレートカチオン交換体である、実施態様21に記載の複数部分口内剤形。
(24) 前記ニコチン塩が、一酒石酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩及び/又は塩酸塩であり得るが、これらに限定されない、実施態様21に記載の複数部分口内剤形。
(25) 任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド及びこれらの混合物等の前記ニコチン及び/又はその代謝産物が、単位用量当たりのニコチンの遊離塩基形態として算出したとき、0.05〜12mgの量、好ましくは0.1〜6mgの量、より好ましくは1〜6mgの量、最も好ましくは2〜5mgの量存在する、実施態様21に記載の複数部分口内剤形。
(26) バレニクリン、ブプロピオン、ノルトリプチリン、ドクサピン、フルオキセチン、イミプラミン、モクロベミド、及び/又はシチシンの1種又は2種以上から選択される、タバコ依存を治療するための成分を含む、実施態様1〜25のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(27) 任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を被験体に送達する方法であって、
a)前記被験体の口腔内に、実施態様1〜26のいずれかに記載の複数部分口内剤形を投与する工程と、
b)必要に応じて、前記剤形中の任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、前記ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を、口腔内の唾液中に放出させ、前記被験体の体循環に吸収させる工程と、を含む、方法。
(28) 任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を被験体に送達する方法であって、
実施態様27に記載の工程、並びに行動療法を含む、方法。
(29) 実施態様1〜26のいずれかに記載の複数部分口内剤形と、喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させるための少なくとも1つの他の手段又は方法とを含む、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を被験体に送達するためのシステム。
(30) 喫煙若しくはタバコの使用に対する衝動を減少させる及び/又は喫煙することなしに喫煙の満足感を提供するためのシステムであって、実施態様1〜26のいずれかに記載の複数部分口内剤形と、喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させるための少なくとも1つの他の手段又は方法とを含む、システム。
【0114】
(31) 前記少なくとも1つの他の手段又は方法が、口用スプレー、鼻用スプレー、経皮貼付剤、吸入装置、ロゼンジ剤、錠剤、並びに非経口法、皮下法、及び経粘膜法による投与、タバコの使用、及び/又は行動療法からなる群から選択される同時又は並行手段又は方法である、実施態様29又は30に記載のシステム。
(32) 前記少なくとも1つの他の手段又は方法が、ニコチンの投与を含む、実施態様31に記載のシステム。
(33) 喫煙若しくはタバコの使用に対する衝動を速やかに及び/若しくは持続的に及び/若しくは完全に減少させる、並びに/又は喫煙することなしに喫煙の満足感を提供するための、実施態様1〜26のいずれかに記載の複数部分口内剤形の使用。
(34) 少なくとも1つの速崩壊性部分が、イソマルト、デキストロース一水和物、マルトデキストリン、ラクトース一水和物、デキストリン、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、及びラクトース、並びにこれらの混合物又は誘導体から選択される圧縮性賦形剤を含む、実施態様1〜26のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(35) 前記速崩壊性部分が、少なくとも40重量%の、イソマルト、デキストロース一水和物、マルトデキストリン、ラクトース一水和物、デキストリン、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、及びラクトース、並びにこれらの混合物から選択される圧縮性賦形剤を含む、実施態様34に記載の複数部分口内剤形。
(36) 前記圧縮性賦形剤が、約50〜約400マイクロメートルの平均粒径を有する粒子の形態である、実施態様35に記載の複数部分口内剤形。
(37) 少なくとも1つの速崩壊性部分が、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスポビドン、クロスカルメロース、微結晶性セルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びアルギン酸から選択される水膨潤性賦形剤を更に含む、実施態様1〜26、34及び35のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(38) 前記圧縮性賦形剤と前記水膨潤性賦形剤との重量比が、約10:1〜約500:1である、実施態様37に記載の複数部分口内剤形。
(39) 少なくとも1つの速崩壊性部分が、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、及び水酸化カルシウム、グリシン酸ナトリウム、トロメタモール、又はアミノ酸、並びにこれらの混合物を含む、カリウム若しくはナトリウム、又はアンモニウム等のアルカリ金属の、重炭酸塩若しくはセスキ炭酸塩を含む炭酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、又はクエン酸塩から選択される、pH緩衝成分及び/又はpH調節成分を更に含む、実施態様1〜26のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(40) 前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、約1471kPa(約15kp/cm)未満の硬度を有し、前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、約1471kPa(約15kp/cm)超の硬度を有する、実施態様1〜26及び34〜39のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
【0115】
(41) 前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、イソマルト、スクロース、デキストロース、デキストロース一水和物、コーンシロップ、ラクチトール、リカシン、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、デンプン、ゼラチン化デンプン、マルトデキストリン、ラクトース、ラクトース一水和物、デキストリン、並びにこれらの混合物及び/又は誘導体からなる群から選択されるが、これらに限定されない賦形剤を含む、実施態様1〜26及び34〜40のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(42) 前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、少なくとも50重量%の、イソマルト、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、ラクチトール及びリカシン、並びにこれらの混合物及び/又は誘導体から選択される糖を含む、実施態様1〜26及び34〜41のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(43) 前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸ナトリウムからなる群から選択される部分と、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、及びアルギン酸からなる群から選択される部分とを含む、沸騰性カップル剤を更に含む、実施態様42に記載の複数部分口内剤形。
(44) 前記製薬学的に活性な剤が、味マスキングポリマーで更にコーティングされた粒子の形態であり、前記粒子の平均粒径が、約50マイクロメートル〜約1000マイクロメートルである、実施態様1〜26及び34〜43のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(45) 前記遅崩壊性部分の少なくとも1つが、前記部分(1つ又は複数)の表面領域を露出させる複数の開口部を含み、前記速崩壊性部分の少なくとも1つの表面領域を実質的に被覆し、前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、口腔内で液体と接触したとき、前記速崩壊性部分(1つ又は複数)の表面領域を溶解及び露出させるよう適合された複数のくぼみを更に含む、実施態様1〜26及び34〜44のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(46) 前記速崩壊性部分中の製薬学的に活性な剤が、亜鉛、クロルヘキシジン、L.ロイテリ、ナイスタチン、アンフォテリシン、ミコナゾール、フェニレフリン、デキストロメトルファン、偽性エフェドリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロペラミド、ファモチジン、炭酸カルシウム、シメチコン、偽性エフェドリン、クロルフェニラミン、メトカルバモール(methocarbomal)、クロフェジアノール、アスコルビン酸、メントール、ペクチン、ジクロニン、ベンゾカイン、及びメントール、並びにこれらの製薬学的に許容可能な塩及び誘導体からなる群から選択される、実施態様1〜26及び34〜45のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(47) 少なくとも1つの部分の面が凸状形状を有し、隣接部分の面が凹状形状を有する、実施態様1〜26及び34〜46のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(48) 球形、開放又は閉鎖楕円形物体、サンドイッチ形、ハンバーガー形又は円環体に対して幾何学的相似性を有する、実施態様1〜26及び34〜47のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(49) 可食性接着剤様物質を含む部分間層(1つ又は複数)を有する、実施態様1〜26及び34〜48のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(50) 前記可食性接着剤様物質が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン、カルナウバろう、微結晶ろう、オパノール(oppanol)、セラックろう及び蜜ろうからなる群から選択される成分を含む、実施態様49に記載の複数部分口内剤形。
【0116】
(51) 少なくとも1つの速崩壊性部分が、フェニレフリン、デキストロメトルファン、クロルフェニラミン、クロフェジアノール、及び偽性エフェドリンからなる群から選択される少なくとも1種の製薬学的に活性な剤を含み、少なくとも1つの遅崩壊性部分が、メントール、ニコチン、ジクロニン、ペクチン、ベンゾカイン、チモール、サリチル酸メチル及びオイカリプトールからなる群から選択される少なくとも1種の製薬学的に活性な剤を含む、実施態様1〜26及び34〜50のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(52) 少なくとも1つの速崩壊性部分が、実質的にニコチンを含まず、実質的に含まないとは、単位用量当たり0.05mg以下を含有すると定義される、実施態様1〜26及び34〜51のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(53) 少なくとも1つの速崩壊性部分が、圧縮部分であり、少なくとも1つの遅崩壊性部分が、ハードキャンディーガラスであるマトリクスを有する、実施態様1〜26及び34〜52のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(54) 前記遅崩壊性部分又は前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、他の崩壊性部分(1つ又は複数)により充填されるくぼみ(1つ又は複数)及び/又は穴を有する、実施態様1〜53のいずれかに記載の複数部分口内剤形。
(55) 療法に用いるための、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩、及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を含み、前記療法が、タバコ又はニコチン依存、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎、及び禁煙後の体重管理からなる群から選択される疾患の治療である、実施態様1〜26及び34〜54のいずれかに記載の製剤。
(56) 前記1種又は2種以上の製薬学的に活性な剤(1つ又は複数)が、以下:
○抗炎症剤:ジクロフェナク、ケトロラク、インドメタシン、トルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ケトプロフェン、セレコキシブ及びロフェコキシブ(roficoxib)、
○筋弛緩剤:オルフェナドリン及びバクロフェン、
○骨石灰化に作用する薬剤:アレンドロン酸及びリセドロン酸、
○鎮痛剤:プロポキシフェン、ブプレノルフィン(buprenorfin)、ケトベニドン(ketobenidon)、ヒドロモルフォン、トラマドール、モルヒネ、及びタペンタドール、
○抗偏頭痛薬:ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、エレトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン及びゾルミトリプタン、
○抗パーキンソン病薬:プラミペキソール、ロピニロール及びセレギリン、
○抗不安薬:アルプラゾラム、ジアゼパム、ロラゼパム及びオキサゼパム、
○睡眠薬:フルニトラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、トリアゾラム、ザレプロン、ゾピクロン(zopiclone)、ゾルピデム(zolpiderm)、クロメチアゾール(clometiazole)及びプロピオマジン、
○精神刺激薬:カフェイン、
○物質依存に対する薬:ブプロピオン(bupropione)、ロベリン、ナルトレキソン及びメタドン、
○胃潰瘍治療薬:ファモチジン、
○鎮痙薬:ヒヨスチアミン、
○制吐薬:メトクロプラミド、オンダンセトロン、スコポラミン、ヒヨスチン、ペルフェナジン(perfenazine)、プロクロルペラジン(procloperazine)及びハロペリドール、
○抗糖尿病薬:ロシグリタゾン、
○心血管作動薬:エチレフリン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド及び一硝酸イソソルビド、
○抗高血圧剤:ヒドララジン、
○利尿薬:フロセミド及びアミロリド、
○β受容体遮断薬:プロプラノロール及びチモロール、
○カルシウムチャネル遮断薬:アムロジピン、
○ACE阻害剤:カプトプリル(kaptopril)、リシノプリル及びホシノプリル、
○血清脂質低減剤:シンバスタチン、
○乾癬治療薬:アシトレチン、
○抗喘息薬:テルブタリン、
●鎮咳剤:コデイン及びノスカピン、及び抗ヒスタミン剤:クレマスチン、クロルフェニラミン、シプロヘプタジン、ロラタジン及びアクリバスチン、
●抗鬱剤及び抗性的機能不全薬:ダポキサティン、
●抗性的機能不全薬:シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル、バルデナフィル、カベルゴリン及びプラミペキソール、
●抗てんかん薬:トピラメート、並びに
●口内及び/又は胃腸及び/又は全身健康促進剤:ラクトバチルスロイテリ
から選択され、
ここで、所定の治療領域は、上述の薬剤(1つ又は複数)に好適な治療領域の非限定的な例とみなされることを特徴とする、実施態様1〜55のいずれかに記載の製剤。
(57) ニコチン及びラクトバチルスロイテリを含むことを特徴とする、実施態様56に記載の製剤。
(58) テルブタリン及びロラタジンを含むことを特徴とする、実施態様56に記載の製剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの部分が速崩壊性であり、かつ少なくとも1つの部分が遅崩壊性であり、最遅崩壊性部分の崩壊時間が、最速崩壊性部分よりも少なくとも2倍長く、それぞれの部分が、以下の成分:製薬学的に活性な成分、ニコチン模倣成分、pH緩衝成分、pH調節成分、フレーバ、バリア成分、着色成分、接着成分、味マスキング剤、歯ホワイトニング剤、口臭清新剤、口腔健康促進剤、虫歯予防剤、及び抗炎症剤、から選択される少なくとも1つの成分を含む、複数部分口内剤形。
【請求項2】
製薬学的に活性な成分が、タバコ依存を治療するための成分である、請求項1に記載の複数部分口内剤形。
【請求項3】
チューインガム又は粉薬ではない、請求項1又は2に記載の複数部分口内剤形。
【請求項4】
速崩壊性部分を被験体に投与したとき、前記被験体の唾液のpHを、0.2〜3.5 pH単位、好ましくは0.5〜2.0 pH単位、一時的に上昇させる緩衝剤及び/又はpH調節剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項5】
遅崩壊性部分を被験体に投与したとき、前記被験体の唾液のpHを、0.2〜3.5 pH単位、好ましくは0.5〜2.0 pH単位、一時的に上昇させる緩衝剤及び/又はpH調節剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項6】
被験体に投与したとき、前記被験体の唾液のpHを、0.2〜3.5 pH単位、好ましくは0.5〜2.0 pH単位、一時的に上昇させる緩衝剤及び/又はpH調節剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項7】
前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分の少なくとも1つが、顕著な感覚刺激性感覚を生じさせるための成分を含む、請求項2〜6のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項8】
前記感覚刺激性感覚(1つ又は複数)が、前記剤形を用いる被験体が前記剤形の異なる部分を識別することを促進するようなものである、請求項7に記載の複数部分口内剤形。
【請求項9】
前記感覚刺激性感覚(1つ又は複数)が、風味、冷却感、灼熱感、温感、加熱感、サクサク感、刺痛、泡立ち、発泡、沸騰感、食欲をそそる感覚、物理的形態、粘性、及び質感、例えば硬さ、柔らかさ、粗さ、及び凸凹の知覚又は知覚の変化の1つ又は2つ以上の形態である、請求項7又は8に記載の複数部分口内剤形。
【請求項10】
前記感覚刺激性感覚が、風味の知覚又は風味の知覚変化である、請求項9に記載の複数部分口内剤形。
【請求項11】
ある部分中に最初に存在する製薬学的に活性な成分のある割合、例えば4分の3超、全て又はほぼ全てが、前記部分から放出された前記剤形を用いて、前記感覚刺激性感覚が、シグナルとして前記部分から送達され、被験体に情報を提供する、請求項7〜10のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項12】
ある部分中に存在する製薬学的に活性な成分が、前記部分から放出され始めた前記剤形を用いて、前記感覚刺激性感覚が、シグナルとして前記部分から送達されて、被験体に情報を提供する、請求項7〜11のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項13】
I.前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分が、同じ製薬学的に活性な剤を含む、又は
II.前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分が、異なる製薬学的に活性な剤を含む、又は
III.前記速崩壊性部分及び前記遅崩壊性部分が、それぞれの崩壊時間にかかわらず、同じ若しくは異なる製薬学的に活性な剤を有する、並びに/又は
IV.非適合性であるフレーバ成分、緩衝剤、及び製薬学的に活性な剤等の非適合性成分を別々の部分に配合することにより、このような成分を含むための前記剤形を提供する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項14】
最遅崩壊性部分の崩壊時間が、最速崩壊性部分よりも3〜10倍長い、好ましくは3〜5倍長い、請求項1〜13のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項15】
前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、沸騰性剤を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項16】
少なくとも2つの部分が、速崩壊性である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項17】
前記少なくとも2つの速崩壊性部分が、前記少なくとも1つの遅崩壊性部分を少なくとも部分的に被覆する、請求項16に記載の複数部分口内剤形。
【請求項18】
前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、前記速崩壊性部分の表面を少なくとも部分的に被覆する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項19】
ロゼンジ剤、錠剤、経口フィルム、舌下錠剤、トローチ、棒付きキャンディー、ハードボイルドキャンディー、チョコレートレンズ、マイクロビーズ、ゼリー、ゼリービーン、ワインガム、半固体、中心充填剤形又はこれらの組み合わせである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項20】
それぞれの崩壊性部分が、2つ又は3つ以上のサブ部分で構成され、それぞれのサブ部分が製薬学的に活性な剤を含み、前記サブ部分の少なくとも1つ中の前記製薬学的に活性な剤が、コーティングされる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項21】
任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等のニコチン及び/又はその代謝産物であり、好ましくは、ニコチン塩、ニコチンの遊離塩基形態、ニコチン誘導体、例えばニコチンカチオン交換体、ニコチン包接錯体、又は任意の非共有結合しているニコチン、ゼオライトに結合しているニコチン、セルロース又はデンプン微粒子に結合しているニコチン、ニコチンプロドラッグ、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される、タバコ依存を治療するための成分を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項22】
前記ニコチン包接錯体が、シクロデキストリン錯体であり、用いられるシクロデキストリンが、α−、β−及びγ−シクロデキストリン、α−、β−及びγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル誘導体、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン等のスルホアルキルエーテルシクロデキストリン、ランダムにメチル化したβ−シクロデキストリン等のアルキル化したシクロデキストリン、並びにグルコシル−及びマルトシル−β−シクロデキストリン等の分岐シクロデキストリンから選択される、請求項21に記載の複数部分口内剤形。
【請求項23】
前記ニコチンカチオン交換体が、ポリアクリレートカチオン交換体である、請求項21に記載の複数部分口内剤形。
【請求項24】
前記ニコチン塩が、一酒石酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩及び/又は塩酸塩であり得るが、これらに限定されない、請求項21に記載の複数部分口内剤形。
【請求項25】
任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド及びこれらの混合物等の前記ニコチン及び/又はその代謝産物が、単位用量当たりのニコチンの遊離塩基形態として算出したとき、0.05〜12mgの量、好ましくは0.1〜6mgの量、より好ましくは1〜6mgの量、最も好ましくは2〜5mgの量存在する、請求項21に記載の複数部分口内剤形。
【請求項26】
バレニクリン、ブプロピオン、ノルトリプチリン、ドクサピン、フルオキセチン、イミプラミン、モクロベミド、及び/又はシチシンの1種又は2種以上から選択される、タバコ依存を治療するための成分を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項27】
任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を被験体に送達する方法であって、
a)前記被験体の口腔内に、請求項1〜26のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形を投与する工程と、
b)必要に応じて、前記剤形中の任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、前記ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を、口腔内の唾液中に放出させ、前記被験体の体循環に吸収させる工程と、を含む、方法。
【請求項28】
任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を被験体に送達する方法であって、
請求項27に記載の工程、並びに行動療法を含む、方法。
【請求項29】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形と、喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させるための少なくとも1つの他の手段又は方法とを含む、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩及び錯体等の、ニコチン及び/若しくはその代謝産物、又は任意の他の禁煙剤、若しくはニコチン模倣剤を被験体に送達するためのシステム。
【請求項30】
喫煙若しくはタバコの使用に対する衝動を減少させる及び/又は喫煙することなしに喫煙の満足感を提供するためのシステムであって、請求項1〜26のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形と、喫煙又はタバコの使用に対する衝動を減少させるための少なくとも1つの他の手段又は方法とを含む、システム。
【請求項31】
前記少なくとも1つの他の手段又は方法が、口用スプレー、鼻用スプレー、経皮貼付剤、吸入装置、ロゼンジ剤、錠剤、並びに非経口法、皮下法、及び経粘膜法による投与、タバコの使用、及び/又は行動療法からなる群から選択される同時又は並行手段又は方法である、請求項29又は30に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの他の手段又は方法が、ニコチンの投与を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
喫煙若しくはタバコの使用に対する衝動を速やかに及び/若しくは持続的に及び/若しくは完全に減少させる、並びに/又は喫煙することなしに喫煙の満足感を提供するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形の使用。
【請求項34】
少なくとも1つの速崩壊性部分が、イソマルト、デキストロース一水和物、マルトデキストリン、ラクトース一水和物、デキストリン、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、及びラクトース、並びにこれらの混合物又は誘導体から選択される圧縮性賦形剤を含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項35】
前記速崩壊性部分が、少なくとも40重量%の、イソマルト、デキストロース一水和物、マルトデキストリン、ラクトース一水和物、デキストリン、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、及びラクトース、並びにこれらの混合物から選択される圧縮性賦形剤を含む、請求項34に記載の複数部分口内剤形。
【請求項36】
前記圧縮性賦形剤が、約50〜約400マイクロメートルの平均粒径を有する粒子の形態である、請求項35に記載の複数部分口内剤形。
【請求項37】
少なくとも1つの速崩壊性部分が、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスポビドン、クロスカルメロース、微結晶性セルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びアルギン酸から選択される水膨潤性賦形剤を更に含む、請求項1〜26、34及び35のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項38】
前記圧縮性賦形剤と前記水膨潤性賦形剤との重量比が、約10:1〜約500:1である、請求項37に記載の複数部分口内剤形。
【請求項39】
少なくとも1つの速崩壊性部分が、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、及び水酸化カルシウム、グリシン酸ナトリウム、トロメタモール、又はアミノ酸、並びにこれらの混合物を含む、カリウム若しくはナトリウム、又はアンモニウム等のアルカリ金属の、重炭酸塩若しくはセスキ炭酸塩を含む炭酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、又はクエン酸塩から選択される、pH緩衝成分及び/又はpH調節成分を更に含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項40】
前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、約1471kPa(約15kp/cm)未満の硬度を有し、前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、約1471kPa(約15kp/cm)超の硬度を有する、請求項1〜26及び34〜39のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項41】
前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、イソマルト、スクロース、デキストロース、デキストロース一水和物、コーンシロップ、ラクチトール、リカシン、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、デンプン、ゼラチン化デンプン、マルトデキストリン、ラクトース、ラクトース一水和物、デキストリン、並びにこれらの混合物及び/又は誘導体からなる群から選択されるが、これらに限定されない賦形剤を含む、請求項1〜26及び34〜40のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項42】
前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、少なくとも50重量%の、イソマルト、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、ラクチトール及びリカシン、並びにこれらの混合物及び/又は誘導体から選択される糖を含む、請求項1〜26及び34〜41のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項43】
前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸ナトリウムからなる群から選択される部分と、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、及びアルギン酸からなる群から選択される部分とを含む、沸騰性カップル剤を更に含む、請求項42に記載の複数部分口内剤形。
【請求項44】
前記製薬学的に活性な剤が、味マスキングポリマーで更にコーティングされた粒子の形態であり、前記粒子の平均粒径が、約50マイクロメートル〜約1000マイクロメートルである、請求項1〜26及び34〜43のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項45】
前記遅崩壊性部分の少なくとも1つが、前記部分(1つ又は複数)の表面領域を露出させる複数の開口部を含み、前記速崩壊性部分の少なくとも1つの表面領域を実質的に被覆し、前記遅崩壊性部分(1つ又は複数)が、口腔内で液体と接触したとき、前記速崩壊性部分(1つ又は複数)の表面領域を溶解及び露出させるよう適合された複数のくぼみを更に含む、請求項1〜26及び34〜44のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項46】
前記速崩壊性部分中の製薬学的に活性な剤が、亜鉛、クロルヘキシジン、L.ロイテリ、ナイスタチン、アンフォテリシン、ミコナゾール、フェニレフリン、デキストロメトルファン、偽性エフェドリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロペラミド、ファモチジン、炭酸カルシウム、シメチコン、偽性エフェドリン、クロルフェニラミン、メトカルバモール、クロフェジアノール、アスコルビン酸、メントール、ペクチン、ジクロニン、ベンゾカイン、及びメントール、並びにこれらの製薬学的に許容可能な塩及び誘導体からなる群から選択される、請求項1〜26及び34〜45のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項47】
少なくとも1つの部分の面が凸状形状を有し、隣接部分の面が凹状形状を有する、請求項1〜26及び34〜46のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項48】
球形、開放又は閉鎖楕円形物体、サンドイッチ形、ハンバーガー形又は円環体に対して幾何学的相似性を有する、請求項1〜26及び34〜47のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項49】
可食性接着剤様物質を含む部分間層(1つ又は複数)を有する、請求項1〜26及び34〜48のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項50】
前記可食性接着剤様物質が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン、カルナウバろう、微結晶ろう、オパノール、セラックろう及び蜜ろうからなる群から選択される成分を含む、請求項49に記載の複数部分口内剤形。
【請求項51】
少なくとも1つの速崩壊性部分が、フェニレフリン、デキストロメトルファン、クロルフェニラミン、クロフェジアノール、及び偽性エフェドリンからなる群から選択される少なくとも1種の製薬学的に活性な剤を含み、少なくとも1つの遅崩壊性部分が、メントール、ニコチン、ジクロニン、ペクチン、ベンゾカイン、チモール、サリチル酸メチル及びオイカリプトールからなる群から選択される少なくとも1種の製薬学的に活性な剤を含む、請求項1〜26及び34〜50のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項52】
少なくとも1つの速崩壊性部分が、実質的にニコチンを含まず、実質的に含まないとは、単位用量当たり0.05mg以下を含有すると定義される、請求項1〜26及び34〜51のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項53】
少なくとも1つの速崩壊性部分が、圧縮部分であり、少なくとも1つの遅崩壊性部分が、ハードキャンディーガラスであるマトリクスを有する、請求項1〜26及び34〜52のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項54】
前記遅崩壊性部分又は前記速崩壊性部分(1つ又は複数)が、他の崩壊性部分(1つ又は複数)により充填されるくぼみ(1つ又は複数)及び/又は穴を有する、請求項1〜53のいずれか一項に記載の複数部分口内剤形。
【請求項55】
療法に用いるための、任意の形態の、コチニン、ニコチンN’−オキシド、ノルニコチン、(S)−ニコチン−N−β−グルクロニド並びにその混合物、異性体、塩、及び錯体等の、ニコチン及び/又はその代謝産物を含み、前記療法が、タバコ又はニコチン依存、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎、及び禁煙後の体重管理からなる群から選択される疾患の治療である、請求項1〜26及び34〜54のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項56】
前記1種又は2種以上の製薬学的に活性な剤(1つ又は複数)が、以下:
○抗炎症剤:ジクロフェナク、ケトロラク、インドメタシン、トルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ケトプロフェン、セレコキシブ及びロフェコキシブ、
○筋弛緩剤:オルフェナドリン及びバクロフェン、
○骨石灰化に作用する薬剤:アレンドロン酸及びリセドロン酸、
○鎮痛剤:プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ケトベニドン、ヒドロモルフォン、トラマドール、モルヒネ、及びタペンタドール、
○抗偏頭痛薬:ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、エレトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン及びゾルミトリプタン、
○抗パーキンソン病薬:プラミペキソール、ロピニロール及びセレギリン、
○抗不安薬:アルプラゾラム、ジアゼパム、ロラゼパム及びオキサゼパム、
○睡眠薬:フルニトラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、トリアゾラム、ザレプロン、ゾピクロン、ゾルピデム、クロメチアゾール及びプロピオマジン、
○精神刺激薬:カフェイン、
○物質依存に対する薬:ブプロピオン、ロベリン、ナルトレキソン及びメタドン、
○胃潰瘍治療薬:ファモチジン、
○鎮痙薬:ヒヨスチアミン、
○制吐薬:メトクロプラミド、オンダンセトロン、スコポラミン、ヒヨスチン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン及びハロペリドール、
○抗糖尿病薬:ロシグリタゾン、
○心血管作動薬:エチレフリン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド及び一硝酸イソソルビド、
○抗高血圧剤:ヒドララジン、
○利尿薬:フロセミド及びアミロリド、
○β受容体遮断薬:プロプラノロール及びチモロール、
○カルシウムチャネル遮断薬:アムロジピン、
○ACE阻害剤:カプトプリル、リシノプリル及びホシノプリル、
○血清脂質低減剤:シンバスタチン、
○乾癬治療薬:アシトレチン、
○抗喘息薬:テルブタリン、
●鎮咳剤:コデイン及びノスカピン、及び抗ヒスタミン剤:クレマスチン、クロルフェニラミン、シプロヘプタジン、ロラタジン及びアクリバスチン、
●抗鬱剤及び抗性的機能不全薬:ダポキサティン、
●抗性的機能不全薬:シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル、バルデナフィル、カベルゴリン及びプラミペキソール、
●抗てんかん薬:トピラメート、並びに
●口内及び/又は胃腸及び/又は全身健康促進剤:ラクトバチルスロイテリ
から選択され、
ここで、所定の治療領域は、上述の薬剤(1つ又は複数)に好適な治療領域の非限定的な例とみなされることを特徴とする、請求項1〜55のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項57】
ニコチン及びラクトバチルスロイテリを含むことを特徴とする、請求項56に記載の製剤。
【請求項58】
テルブタリン及びロラタジンを含むことを特徴とする、請求項56に記載の製剤。

【公表番号】特表2012−505878(P2012−505878A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532041(P2011−532041)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/SE2009/051163
【国際公開番号】WO2010/044736
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(507362719)マクニール アーベー (8)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL AB
【Fターム(参考)】