説明

角度検出装置

【課題】光センサを用いた角度検出装置において、角度検出対象の角度変化をリニアに検出することができるとともに、その検出精度の向上を図ることができる角度検出装置を提供する。
【解決手段】角度検出装置1は、対向配置された投光部12a及び受光部12bからなる光センサ12を備えている。投光部12aと受光部12bとの間には、角度検出対象の角度変化に従動して投光部12aと該受光部12bとを結ぶ中心線を開口中心として開度が徐変する可変開口部を有する遮光板8a,8bが介在されている。そして、角度検出部13は、受光部12bによる投光部12aからの光の受光量に基づいて、角度検出対象の変化角度を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のステアリングホイールの回転角度などを検出する角度検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両におけるステアリングホイールやシフトレバー等の検出対象の回転角度や傾斜角度などを検出する角度検出装置として、光センサを用いた光検出式角度検出装置や、磁気センサを用いた磁気検出式角度検出装置が提案されている。
【0003】
一般に、光検出式角度検出装置では、複数の光センサを用いるとともに、それら光センサの投光部と受光部との間を遮蔽する遮蔽板に所定形状のスリットを設け、その遮蔽板による遮光に伴う光センサの受光パターンに基づいて検出対象の角度変化を検出するようになっている。
【0004】
また、磁気検出式角度検出装置では、例えば検出対象の角度変化に連動して角度が変化する磁石との相対的な角度変化を磁気センサによって検出し、その検出値に基づいて該検出対象の角度変化を検出するようになっている。
【0005】
これら2種の角度検出装置を対比すると、光検出式角度検出装置では、複数の光センサが必要であるとともに、受光パターンに基づいて角度変化を検出することから、ディジタル的な角度変化しか検出することができず、検出対象の角度変化をリニアに検出することができない。一方、磁気検出式角度検出装置では、検出対象の角度変化をリニアに検出することができるもの、外乱に対する耐性が低いという問題がある。
【0006】
そこで従来、例えば特許文献1に示されるような角度検出装置が提案されている。
この角度検出装置は、角度検出対象の角度変化に従動して回転する遮光板が、光センサを構成する投光部と受光部との間に配置された構造をなしている。この遮光板は回転中心に対して徐々に半径が変化する形状をなし、回転に伴って受光部の受光量がリニアに増減するようになっている。このため、光検出式角度検出装置ではあるものの、角度検出対象のリニアな角度変化を検出可能となる。また、光検出式であるが故に外乱に対する耐性も高く、高い検出信頼性も得られる。
【特許文献1】特開平9−269214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示される角度検出装置では、例えば図6に示すように、遮光板51は、角度検出対象の角度変化に連動して、同図に示す矢印F1,F2方向に中心Oを回転軸心として回転する。すると、同図に斜線で示すように、受光部52は、月の満ち欠けのような態様で外周部から順に遮光されるようになる。このため、遮光板51による該受光部52の遮蔽面積は、遮光板51の回転角度に対して非常に不均一に変化する。よって、受光部52によって受光される光量は、遮光板51の角度変化に対して不均一となる。したがって、受光部52の検出電圧は、遮光板51の回転位置に応じて変動差が大きい箇所と小さい箇所とが存在することとなるため、該遮光板51の角度変化、すなわち角度検出対象の角度変化を検出するためには、複雑な演算が必要となったり、各角度に対する検出電圧のマップが必要となったりしてしまう。それゆえ、こうした観点から、角度変化をリニアに検出可能な光検出式角度検出装置としては、改善の余地が残されている。
【0008】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光センサを用いた角度検出装置において、角度検出対象の角度変化をリニアに検出することができるとともに、その検出精度の向上を図ることができる角度検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、対向配置された投光部及び受光部からなる光センサと、前記投光部と前記受光部との間に介在され、角度検出対象の角度変化に従動して該投光部と該受光部とを結ぶ中心線を開口中心として開度が徐変する可変開口部を有する絞り機構と、前記受光部による前記投光部からの光の受光量に基づいて前記角度検出対象の変化角度を求める角度検出手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
上記構成によると、角度検出対象の角度変化に従動して絞り機構の可変開口部の開度が徐々に変化する。これにより、受光部によって受光される光量はリニアに変化するため、該受光部による検出値もリニアに変化することとなる。よって、光センサを用いて角度検出対象の角度変化をリニアに検出可能となる。また、可変開口部は、光センサを構成する投光部と受光部とを結ぶ中心線を開口中心として開度が徐変するため、角度検出対象の角度変化に対する開度の制御を容易に行うことができる。よって、角度検出対象の角度変化を高い精度で検出可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の角度検出装置において、前記絞り機構は、前記角度検出対象の角度変化に従動する複数枚の遮光板を備え、それら遮光板同士の重なり量が変化することによって生じる間隙が前記可変開口部となることを要旨とする。
【0012】
上記構成によると、可変開口部は、複数の遮光板同士の重なり量が変化することによって生じる間隙によって構成される。このため、該遮光板によって可変開口部を確実に構成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の角度検出装置において、前記絞り機構は、それぞれ一側部同士が重なり合うように配置された2枚の前記遮光板を備え、それら遮光板における該一側部には、互いに重なり合った際に略菱形をなす前記可変開口部が構成される切欠き部が設けられていることを要旨とする。
【0014】
上記構成によると、絞り機構は、互いに重なり合う一側部に切欠き部が設けられた2枚の遮光板を備え、それら切欠き部により略菱形をなす可変開口部が構成されている。こうした可変開口部は、両遮光板の重なり量の変化に伴って同軸・同形の菱形が大きくなったり小さくなったりするため、角度検出対象の角度変化に対する開度の制御が確実に容易となる。よって、角度検出対象の角度変化を高い精度で検出可能となる。しかも、絞り機構を構成する遮光板を2枚で構成することができるため、角度検出装置を単純な構成とすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の角度検出装置において、前記絞り機構は、前記角度検出対象の角度変化に対して、前記可変開口部の開口面積を比例的に増減させることを要旨とする。
【0016】
上記構成によると、可変開口部の開口面積は、角度検出対象の角度変化に対して比例的に増減する。このため、受光部による検出値の変化が、角度検出対象の角度変化に対して一定となる。よって、光センサによる角度検出対象の角度変化を高い精度でリニアに検出可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上詳述したように、本発明によれば、光センサを用いた角度検出装置において、角度検出対象の角度変化をリニアに検出することができるとともに、その検出精度の向上を図ることができる角度検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、角度検出装置1は、図示しない角度検出対象(例えば車両におけるステアリングシャフト等)の角度変化動作(回動等)に従動する絞り機構2を備えている。この絞り機構2は、ハウジング(図示略)等に固定された4つの支承部(第1〜第4支承部3a〜3d)によって支承された状態で該ハウジング内に配設されている。
【0019】
こうした絞り機構2は、角度検出対象に連動して回動する回転体4と、その回転体4の回転軸心上に延びる連動軸部5と、該連動軸部5の先端に連結された連結バー6と、該連結バー6における連動軸部5と両端との間にそれぞれ設けられた作用軸7a,7bと、それら作用軸7a,7bに遊嵌された複数(ここでは2枚)の遮光板(第1遮光板8a及び第2遮光板8b)とを備えている。
【0020】
詳しくは、回転体4は、例えば角度検出対象に歯合されたギア部などによって構成された円盤状物からなり、該角度検出対象の角度変化に伴って回動する。
連動軸部5は略円柱状をなし、基端が回転体4の一面(図1及び図2における下面)において回転軸心Oと同軸となるように固定されるとともに、先端が下方に延びている。
【0021】
連結バー6は、連動軸部5の軸心方向と直交する方向に延びる略直方体状の棒状物からなり、その長手方向における中心箇所が連動軸部5の先端に固定されている。このため、連結バー6は、該連動軸部5との固定箇所、すなわち回転体4の回転軸心Oを中心として、回転体4とともに回動する。
【0022】
各作用軸7a,7bは、連結バー6における連動軸部5との固定箇所が対称位置となるように該連結バー6に固定された略円柱状物からなり、連結バー6において連動軸部5との固定面とは逆側の面(下方)に突設されている。
【0023】
第1遮光板8a及び第2遮光板8bは、それぞれ平面視で略長方形状をなす板状物によって構成され、連結バー6の下方において、一側部同士が重なり合うように配置されている。図3(a)〜(c)にも併せ示すように、各遮光板8a,8bの略中央には、それぞれ対応する作用軸7a,7bが遊嵌される長孔9a,9bが透設されている。また、各遮光板8a,8bにおいて互いに重なり合う一側部には、互いに重なり合った状態において正方形状の菱形からなる可変開口部10を構成する切欠き部10a,10bが設けられている。すなわち、これら切欠き部10a,10bは、各遮光板8a,8bにおいて互いに重なり合う一側部において、互いに対応する箇所に設けられた直角二等辺三角形状の切欠きによって構成されている。
【0024】
そして、第1遮光板8aにおける切欠き部10aが設けられた一側部と直交する側の両側部が、前記第1支承部3a及び第2支承部3bによって支承されるとともに、第2遮光板8bにおける切欠き部10bが設けられた一側部と直交する側の両側部が、前記第3支承部3c及び第4支承部3dによって支承されている。詳しくは、各支承部3a〜3dにおいて互いに対向する面には、それぞれ各遮光板8a,8bの側部と合致するガイド溝11が凹設され、それらガイド溝11に対応する遮光板8a,8bの両側部が挿入されることにより、該遮光板8a,8bが第1〜第4支承部3a〜3dに支承された状態となっている。このため、連結バー6が回転体4とともに回動すると、各作用軸7a,7bが各長孔9a,9b内を移動することにより、各遮光板8a,8bは、ガイド溝11に沿って互いに対向する方向(図3(a)〜(c)に示す矢印F1,F2方向)に直線移動する。そして、これら遮光板8a,8bの移動により、互いに重なり合う量が変化するとともに、各切欠き部10a,10bによって構成される可変開口部10の開口面積が増減することとなる。より詳しくは、例えば図4に模式的に示すように、可変開口部10は、遮光板8a,8bの移動に伴い、回転体4の回転軸心Oを中心とした同形の菱形形状が大小することにより開口面積が増減することとなる。
【0025】
なお、図3(a)〜(c)に示すように、本実施形態においてこれら長孔9a,9bは、予め設定された曲線形状をなしている。具体的には、各長孔9a,9bは、互いに回転軸心Oに対して点対称となる形状をなし、回転体4の角度変化に対して可変開口部10の開口面積が比例的に増減するように、各遮光板8a,8bの移動量を調整する形状をなしている。換言すれば、各長孔9a,9bは、回転体4の角度変化率に対する開口面積の増減率が一定となるように各遮光板8a,8bの移動量を調整する形状をなしている。
【0026】
ところで、図1及び図2に示すように、連結バー6の下面において連動軸部5と対応する箇所には、光センサ12を構成する投光部12aが固定されている。この投光部12aは、例えばLEDや半導体レーザ等の指向性を有する光源からなり、遮光板8a,8b方向に光を放射するように固定されている。また、各遮光板8a,8bの下方において該投光部12aと対向する箇所には、光センサ12を構成する受光部12bが配設されている。こうした受光部12bは、第1〜第4支承部3a〜3dやハウジング等に固定された基板(図示略)上に実装されており、投光部12aから放射される光の受光量を検出する。このため、各遮光板8a,8bは、投光部12aと受光部12bとの間に介在された状態となっている。また、可変開口部10は、投光部12aと受光部12bとを結ぶ中心線(回転軸心O)を開口中心として開度が徐変することとなる。
【0027】
こうした投光部12a及び受光部12bは、前記基板に実装された角度検出手段としての角度検出部13に電気的に接続されている。投光部12aは角度検出部13からの制御信号に基づいて作動し、受光部12bは受光量を電圧変換して該角度検出部13に出力する。そして、該角度検出部13は、投光部12aの発光制御を行うとともに、受光部12bから入力される電圧値に基づいて回転体4の回動角度、すなわち角度検出対象の変化角度を求める。
【0028】
次に、このように構成された角度検出装置1の動作をより詳細に説明する。
図3(a)に示すように、回動可能範囲(回動許容角度)における中間位置(中立位置)に連結バー6が位置している状態において、各遮光板8a,8bは、可変開口部10の開口面積は、最大開口面積Smax と最小開口面積Smin との差分の半分の面積となるように位置するようになっている。
【0029】
そして、こうした状態において連結バー6は矢印R1,R2方向に回動可能となっており、該連結バー6の回動に伴い、各遮光板8a,8bが矢印F1,F2方向に直線移動する。
【0030】
詳しくは、図3(b)に示すように、連結バー6が矢印R1方向に回動すると、第1遮光板8aは矢印F2方向に、第2遮光板8bは矢印F1方向に移動し、互いに重なり合う量が増大して可変開口部10の開口面積が減少する。そして、矢印R1方向への回動限界まで連結バー6が回動された状態にあっては、可変開口部10がちょうど閉じた状態となり、「最小開口面積Smin =0」となる。
【0031】
一方、図3(c)に示すように、連結バー6が矢印R2方向に回動すると、第1遮光板8aは矢印F1方向に、第2遮光板8bは矢印F2方向に移動し、互いに重なり合う量が減少して可変開口部10の開口面積が増大する。そして、矢印R2方向への回動限界まで連結バー6が回動された状態にあっては、各遮光板8a,8bの一側縁同士が合致して可変開口部10がちょうど全開した状態となり、最大開口面積Smax となる。
【0032】
そして、投光部12aから放射される光のうち、可変開口部10を通過した光が受光部12bによって検出されるとともに、その受光量に応じた検出電圧が角度検出部13に入力され、該角度検出部13によって回転体4の回動角度、すなわち角度検出対象の変化角度が求められる。
【0033】
なお、上述したように、各遮光板8a,8bに設けられた各長孔9a,9bは、回転体4の角度変化に対して可変開口部10の開口面積が比例的に増減するように、各遮光板8a,8bの移動量を調整する形状をなしている。このため、図5に示すように、回転体4の回動角度と可変開口部10の開口面積とは比例関係となる。また、可変開口部10は、投光部12aと受光部12bとを結ぶ中心線(ここでは回転軸心O)を開口中心として開度が徐変するため、該可変開口部10を通過する光量も開口面積にほぼ比例するため、該開口面積と受光部12bによる検出電圧との関係も比例関係となる。よって、回転体4の回動角度と該検出電圧とが比例関係となる。それゆえ角度検出部13は、受光部12bから入力される検出電圧に基づき、角度検出対象の角度変化をリニアに検出可能となるとともに、容易且つ確実に求めることができる。しかも、回転体4の回動角度と検出電圧とが比例関係にあるため、角度検出対象の角度変化を高い分解能で高精度に検出可能となる。
【0034】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)角度検出対象の角度変化に従動して絞り機構2の可変開口部10の開度が徐々に変化する。これにより、受光部12bによって受光される光量はリニアに変化するため、該受光部12bによる検出値もリニアに変化することとなる。よって、光センサ12を用いて角度検出対象の角度変化をリニアに検出することができる。また、可変開口部10は、光センサ12を構成する投光部12aと受光部12bとを結ぶ中心線を開口中心として開度が徐変するため、角度検出対象の角度変化に対する開度の制御を容易に行うことができる。よって、角度検出対象の角度変化を高い精度で検出することができる。
【0035】
(2)可変開口部10は、2枚の遮光板8a,8bの互いに重なり合う一側部に設けられた切欠き部10a,10bによって構成され、両遮光板8a,8bの重なり量の変化に伴って同軸・同形の菱形が大きくなったり小さくなったりする。このため、角度検出対象の角度変化に対する開度の制御が確実に容易となる。よって、角度検出部13は、角度検出対象の角度変化を高い精度で検出可能となる。しかも、絞り機構2を構成する遮光板を2枚で構成することができるため、角度検出装置1を単純な構成とすることができる。
【0036】
(3)可変開口部10の開口面積は、角度検出対象の角度変化に対して比例的に増減する。このため、受光部12bによる検出電圧値の変化が、角度検出対象の角度変化に対して一定となる。よって、光センサ12による角度検出対象の角度変化を高い精度でリニアに検出することができる。
【0037】
(4)長孔9a,9bの形状を工夫するだけで、上記(3)の効果を得ることができる。すなわち、上記(3)の効果を、簡単な構成で確実に得ることができる。このため、角度検出装置1の設計及び製造を容易に行うことができるとともに、部品点数が過剰に増大してしまうこともない。
【0038】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 遮光板は2枚(第1遮光板8a及び第2遮光板8b)によって構成されていることに限らず、例えば一般的なカメラ等に用いられている絞り機構のように、3枚以上の遮光板によって構成されてもよい。このようにすれば、略円形の可変開口部10とすることができる。
【0039】
・ 各遮光板8a,8bに設けられた切欠き部10a,10bは、必ずしも菱形形状の可変開口部10を構成する形状となっている必要はなく、例えば略半楕円形状をなしていたり、他の多角形状の可変開口部10を構成する形状となっていたりしてもよい。
【0040】
・ 回転体4の角度変化と可変開口部10の開口面積の増減とは、必ずしも比例関係である必要はない。すなわち、回転体4の一方向への角度変化に対して可変開口部10の開口面積が必ず増加または減少するようになっていればよい。
【0041】
・ 各長孔9a,9bを直線状に構成してもよい。このようにしても、回転体4の回動角度と可変開口部10の開口面積の増減とが比例関係に近い関係となる。このため、前記実施形態ほどではないものの、前記背景技術で述べた特許文献1に記載の角度検出装置に比べて、角度検出対象の角度変化を高精度に検出することができる。また、このように変更した場合、各長孔9a,9bの設計が容易となる。
【0042】
・ 光センサ12を構成する投光部12a及び受光部12b、並びに、可変開口部10の開口中心は、必ずしも回転体4の回転軸心O上に配設されている必要はなく、投光部12aと受光部12bとを結ぶ中心線上に可変開口部10の開口中心が位置する条件を満たしていればよい。
【0043】
・ 角度検出対象はステアリングシャフトのような回転体に限らず、例えばアクセル・バイ・ワイヤのアクセルペダルなど、角度変化を生じ、且つその角度変化の検出が必要なものであれば、何でも適用可能である。
【0044】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項2または請求項3に記載の角度検出装置において、前記可変開口部は、同形状の開口部が、前記角度検出対象の角度変化に応じて同心で大小するように設定されていること。この(1)に記載の技術的思想によれば、角度検出対象の角度変化に対する可変開口部の開口面積の増減比率を制御しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態の角度検出装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態の角度検出装置の概略構成を模式的に示す正面図。
【図3】(a)〜(c)は、同実施形態の動作例を概略的に示す平面図。
【図4】同実施形態の角度検出装置の可変開口部の動作を模式的に示す図。
【図5】角度検出対象の角度変化と可変開口部の開口面積との関係を示すグラフ。
【図6】従来の光センサ式角度検出装置の角度検出原理を模式的に示す図。
【符号の説明】
【0046】
1…角度検出装置、2…絞り機構、8a,8b…遮光板、10…可変開口部、10a,10b…切欠き部、12…光センサ、12a…投光部、12b…受光部、13…角度検出手段としての角度検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された投光部及び受光部からなる光センサと、
前記投光部と前記受光部との間に介在され、角度検出対象の角度変化に従動して該投光部と該受光部とを結ぶ中心線を開口中心として開度が徐変する可変開口部を有する絞り機構と、
前記受光部による前記投光部からの光の受光量に基づいて前記角度検出対象の変化角度を求める角度検出手段とを備えたことを特徴とする角度検出装置。
【請求項2】
前記絞り機構は、前記角度検出対象の角度変化に従動する複数枚の遮光板を備え、それら遮光板同士の重なり量が変化することによって生じる間隙が前記可変開口部となることを特徴とする請求項1に記載の角度検出装置。
【請求項3】
前記絞り機構は、それぞれ一側部同士が重なり合うように配置された2枚の前記遮光板を備え、それら遮光板における該一側部には、互いに重なり合った際に略菱形をなす前記可変開口部が構成される切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の角度検出装置。
【請求項4】
前記絞り機構は、前記角度検出対象の角度変化に対して、前記可変開口部の開口面積を比例的に増減させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の角度検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−64710(P2008−64710A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245505(P2006−245505)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】