説明

調光制御システム

【課題】室内に設けた照明装置の使用環境に応じて照明装置の照度を自動的に調節する調光制御システムを提供する。
【解決手段】車外の第一の光を検知する第一センサ21と、照明装置98に入射する第二の光を検知する第二センサ22と、フロントウィンドウガラス91越しにドライバを直接照らす第三の光を検知する第三センサ23と、照明装置98,40の使用環境に対応した照度を求めるための参照情報を備えており、使用環境を判断して照明装置98,40の照度を変える制御装置10と、を備え、制御装置10は第一センサ21からの第一の光の情報と第二センサ22からの第二の光の情報と第三センサ23からの第三の光の情報とヘッドランプスイッチのON或いはOFFのランプスイッチ情報とに基づいて使用環境を判断し、使用環境に対応した参照情報に基づいて照明装置98,40の照度を変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の室内に設けられたメータ装置用の照明装置、カーナビゲーションシステムのディスプレイ用の照明装置やスイッチボタンなどを点灯する照明装置(以下、これらを総称して照明装置と呼ぶ。)に係り、特に照明装置の使用環境に応じて照明装置の照度を自動的に調節する調光制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車外の明るさに応じて前照灯を自動的に点灯或いは消灯する装置(以下、オートライトシステムと呼ぶ。)が知られている。図8は、従来のオートライトシステム200の構成を示す概略ブロック図であり、オートライトシステム200は外光センサ210と制御部220とを備えている。
【0003】
外光センサ210は車外の光を検出する。制御部220は、外光センサ210によって検出される車外の光量に応じて車外の明るさを判定し、暗い場合にはヘッドランプを点灯させる。制御部220にはヘッドランプ装置300が接続されている。
【0004】
ヘッドランプの自動点灯(以下、この機能をオートライトと呼ぶ。)は、ドライバがオートライトシステム200を起動させているとき、例えば運転席に設けられたヘッドランプの状態を選択する操作つまみがオートライトシステムを有効にする設定がなされている状態(以下、オートライトスイッチがONの状態と呼ぶ。)で機能する。
【0005】
さらに近年では、ヘッドランプの自動点灯に連動して、車両室内に設けられる照明装置、例えばメータ装置用の照明装置、カーナビゲーションシステムのディスプレイ用の照明装置やスイッチボタンを点灯する照明装置の輝度を変えて視認性を向上させる輝度制御システムも知られている。
【0006】
図9は従来の輝度制御システム400の機能を説明するための概略図である。輝度制御システム400は制御部410を備えており、この制御部410にはヘッドランプスイッチ510の情報、オートライトスイッチ520の情報が入力される。制御部410は、以下の条件(A1),(A2)の何れかに該当する場合、車両室内に設けられる照明装置、例えばメータ装置やカーナビゲーションシステムのディスプレイ用の照明装置540を夜間用の照度に設定すると共に、例えばインストルメントパネルに設けられたエアコンシステムやオーディオシステムの操作ボタンを点灯する照明装置550をON状態に切り換えて光源を発光させる。
(A1)ヘッドランプスイッチ510がONの状態、つまりヘッドランプを点灯させている状態。
(A2)オートライトスイッチ520がONの状態、つまりオートライトシステムが起動している状態。
【0007】
従来の輝度制御システム400では、図10に示すように、ヘッドランプスイッチ510及びオートライトスイッチ520が何れも選択されていない、つまり各スイッチがOFFの状態では、制御部410は、メータ装置やディスプレイ用の照明装置540を昼用の照度に設定すると共に、エアコンシステムやオーディオシステムの操作ボタンの照明装置550をOFFにする。なお、照明装置540の昼用の照度は、夜用に比べて高く設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−328964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の輝度制御システム400では、昼間の走行時にドライバの目に直接入る太陽光、ナビゲーションシステムのディスプレイ、メータ装置の計器表示面を直接照らす太陽光によってディスプレイや計器表示面が見づらくなる場合があり得る。また、夜間走行時も、車両外の明るさによって、見づらくなる場合がある。ディスプレイや計器表示面の視認性を向上させるためには、例えばドライバはディスプレイや計器表示面に設けられた手動調光装置580、例えば調節つまみやタッチディスプレイを操作して照度を変える必要がある。この設定操作は車外の環境に応じて適宜行うことが必要となる。
【0010】
特許文献1には、車外の明るさの変化に応じて画面照度を変更する技術が開示されている。しかし、この特許文献1の技術は、図9の従来の輝度制御システムと同様に、ドライバの目に直接入る太陽光や計器表示面を直接照らす太陽光によってナビゲーションシステムのディスプレイ、メータ装置の計器表示面が見づらいといった課題を有する。
【0011】
本発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、室内に設けた照明装置の使用環境に応じて照明装置の照度を自動的に調節する調光制御システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような課題を解決するために、本発明は、車室内に設けた照明装置の照度を変える調光制御システムであって、車外の第一の光を検知する第一センサと、照明装置に入射する第二の光を検知する第二センサと、フロントウィンドウガラス越しにドライバを照らす第三の光を検知する第三センサと、照明装置の使用環境に対応した照度を求めるための参照情報を備えており、使用環境を判断して照明装置の照度を変える制御装置と、を備え、制御装置は、第一センサからの第一の光の情報と第二センサからの第二の光の情報と第三センサからの第三の光の情報とヘッドランプスイッチのON或いはOFFのランプスイッチ情報とに基づいて使用環境を判断し、使用環境に対応した参照情報に基づいて照明装置の照度を変えることを特徴としている。
【0013】
本発明の調光制御システムにおいて、好ましくは、使用環境が複数の環境カテゴリーに区分されて管理され、環境カテゴリー毎に参照情報が設定されており、制御装置は、使用環境が環境カテゴリーの何れかに該当するか判断し、判断した環境カテゴリーに対応する参照情報に基づいて照明装置の照度を変えることを特徴とする。
【0014】
本発明の調光制御システムにおいて、好ましくは、第一の光が複数の第一カテゴリーに区分されて管理され、第二の光が複数の第二カテゴリーに区分されて管理され、第三の光が複数の第三カテゴリーに区分されて管理され、環境カテゴリーが、第一カテゴリーの何れかと第二カテゴリーの何れかと第三カテゴリーの何れかとヘッドランプスイッチのON状態及びOFF状態のいずれかの組み合わせによって特定されており、制御装置は、第一センサからの第一の光の情報に基づいて第一の光が第一カテゴリーの何れかに該当するか判断し、第二センサからの第二の光の情報に基づいて第二の光が第二カテゴリーの何れかに該当するか判断し、第三センサからの第三の光の情報に基づいて第三の光が第三カテゴリーの何れかに該当するか判断し、ランプスイッチ情報に基づいてヘッドランプのON或いはOFFの状態を判断して、使用環境が複数の環境カテゴリーの何れかに該当するか判断することを特徴とする。
【0015】
本発明の調光制御システムにおいて、好ましくは、第一カテゴリーが下記の4つのカテゴリー(B1)〜(B4)に区分され、第二カテゴリーが下記の5つのカテゴリー(C1)〜(C5)に区分され、第三カテゴリーが下記の5つのカテゴリー(D1)〜(D5)に区分され、環境カテゴリーが下記の8つのカテゴリー(S1)〜(S8)に区分されていて、制御装置は、上記(B1)〜(B4)、(C1)〜(C5)、(D1)〜(D5)とランプスイッチ情報とに基づいて、環境カテゴリー(S1)〜(S8)を判断し、照明装置の照度を下記の(T1)〜(T5)の何れかに設定することを特徴とする。
(B1)第一の光の照度X1が0≦X1≦v1である。
(B2)第一の光の照度X1がv1<X1≦v2である。
(B3)第一の光の照度X1がv2<X1≦v3である。
(B4)第一の光の照度X1がv3<X1である。
(C1)第二の光の照度X2が0≦X2≦v4である。
(C2)第二の光の照度X2がv4<X2≦v5である。
(C3)第二の光の照度X2がv5<X2≦v6である。
(C4)第二の光の照度X2がv6<X2≦v7である。
(C5)第二の光の照度X2がv7<X2である。
(D1)第三の光の照度X3が0≦X3≦v8である。
(D2)第三の光の照度X3がv8<X3≦v9である。
(D3)第三の光の照度X3がv9<X3≦v10である。
(D4)第三の光の照度X3がv10<X3≦v11である。
(D5)第三の光の照度X3がv11<X3である。
(S1)第一の光がB4であり、第二の光がC3であり、第三の光がD3であり、ヘッドランプスイッチがOFFである。
(S2)第一の光がB4であり、第二の光がC5であり、第三の光がD3であり、ヘッドランプスイッチがOFFである。
(S3)第一の光がB4であり、第二の光がC3であり、第三の光がD5であり、ヘッドランプスイッチがOFFである。
(S4)第一の光がB3であり、第二の光がC2であり、第三の光がD2であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S5)第一の光がB3であり、第二の光がC4であり、第三の光がD1であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S6)第一の光がB3であり、第二の光がC1であり、第三の光がD4であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S7)第一の光がB2であり、第二の光がC1であり、第三の光がD1であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S8)第一の光がB1であり、第二の光がC1であり、第三の光がD1であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(T1)環境カテゴリーがS8のとき、照度Zを0≦Z≦L1の範囲に設定する。
(T2)環境カテゴリーがS7のとき、照度ZをL1≦Z≦L2の範囲に設定する。
(T3)環境カテゴリーがS4のとき、照度ZをL2≦Z≦L3の範囲に設定する。
(T4)環境カテゴリーがS1のとき、照度ZをL3≦Z≦L4の範囲に設定する。
(T5)環境カテゴリーがS2、S3、S5、S6のとき、照度Zを、Z=L5(>L4)の範囲に設定する。
【0016】
本発明の調光制御システムにおいて、好ましくは、前記制御装置は、前記使用環境に応じて、車室内に設けた操作ボタンの照明装置の照度を変える。
【0017】
本発明の調光制御システムにおいて、好ましくは、前記制御装置は、前記使用環境に応じて、テールランプの照度を変える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車室内に設けたメータ照明装置、ディスプレイ照明装置などの照明装置の使用環境を判断し、使用環境に応じて照明装置の照度が自動で変わる。車外が明るい場合に限らず、直射光や逆光にも対応して照明装置の照度が調節される。よって、メータ照明装置、ディスプレイ照明装置などの照明装置の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置用の調光制御システムのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る外光評価部で評価される外光のカテゴリーを説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る直射光評価部で評価される直射光のカテゴリーを説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態に係る逆光評価部で評価される逆光のカテゴリーを説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態に係る使用環境判断部で評価される使用環境と、メータ装置及びディスプレイ照明装置の照度との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態に係る使用環境判断部で評価される使用環境と、スイッチ照明装置の照度との関係を示すグラフである。
【図8】従来のオートライトシステムの構成を示す概略ブロック図である。
【図9】従来の輝度制御システムの機能を説明するための図である。
【図10】従来の輝度制御システムの機能を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る照明装置用の調光制御システム(以下、調光制御システムと呼ぶ。)1のブロック図である。調光制御システム1は、制御装置10と外光センサ21と直射光センサ22と逆光センサ23とを備えている。図に示すように、制御装置10には、メータ照明装置30、ナビゲーションシステム用ディスプレイの照明装置(以下、ディスプレイ照明装置と呼ぶ。)40、スイッチ照明装置51,52、ヘッドランプスイッチ装置60が繋げられている。図1では、フロントウィンドウガラス91、ルーフ92、インストルメントパネル93、ドライバシートを構成するシートクッション94、シートバック95、ヘッドレスト96、さらにハンドル97やメータ装置98、その透明カバー98Aを二点鎖線で概略的に表している。
【0021】
メータ照明装置30は、インストルメントパネル93に設置したメータ装置98の光源、例えばアナログメータの発光式針の光源、液晶表示装置のバックライト、デジタル表示装置の光源であり、ランプやLEDなどが該当する。メータ照明装置30の光源(図示省略)は照度を可変に構成されている。メータ装置98は、図示を省略するスピードメータ、オドメータ部及び水温計等を含む。
【0022】
ディスプレイ照明装置40は、カーナビゲーションシステムのディスプレイ装置、例えば液晶表示装置のバックライトとして構成されている。バックライトは照度を可変に構成されている。
【0023】
スイッチ照明装置51,52は、車両に設けたエアコンシステムやオーディオシステムを操作するためにインストルメントパネル93に設けた操作ボタン(図示を省略)を照明する光源、例えば操作ボタンの内側からボタン表面のマークを照らすランプやLEDなどの光源である。図示例では、スイッチ照明装置51,52を2つ描いたが、スイッチ照明装置の数はこれに限定されるものではない。また、スイッチ照明装置の用途もエアコンシステムやオーディオシステムに限定されるものではない。例えば、サイドステップ照明、ドアミラー格納スイッチ、レベリングスイッチ、イグニッションスイッチ、横滑りを抑える車両安定制御システムを起動させるスイッチ、前輪駆動と四輪駆動とを切り替えるスイッチなどでもよい。
【0024】
ヘッドランプスイッチ装置60は、ヘッドランプ(図示を省略)のON或いはOFF状態を切り替える装置で、例えばハンドル97脇の操作ノブ(図示を省略)に設けられている。この操作ノブを操作することで、ヘッドランプを点灯させることができる。
【0025】
制御装置10は、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52を使用する環境に応じて、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52を調光する。これらの照明装置を使用する環境の情報を取得するために、本実施形態の調光制御システム1は、第一センサとしての外光センサ21と、第二センサとしての直射光センサ22と、第三センサとしての逆光センサ23とを備えている。
【0026】
外光センサ21は、第一の光としての車外の光(以下、外光と呼ぶ。)を検知する。この外光センサ21として照度センサを利用することができ、この照度センサはフォトダイオードを備えている。この外光センサ21が検出した信号は電流値または電圧値として制御装置10へ送信される。外光センサ21は、例えば図1に示すようにフロントウィンドウガラス91の下側であると共に外光に照らされるインストルメントパネル93の上部93Aに設置されている。本実施形態では、人間の視覚に近似するよう、可視光領域に感度特性を有する外光センサ21を利用する。
【0027】
直射光センサ22は、メータ装置98に入射する第二の光としての光(以下、直射光と呼ぶ。)を検知する。この直射光センサ22も、上記外光センサ21と同様に照度センサを利用することができる。この直射光センサ22が検出した信号が電流値または電圧値として制御装置10へ送信される。直射光センサ22は、例えば図1に示すようにメータ装置98の透明カバー98Aの内側、つまり透明カバー98Aとそれより奥側に設置されるメータ値などの表示面(図示を省略)との間に設置されており、透明カバー98Aを通過する光を検知する。本実施形態では、人間の視覚に近似するよう、可視光領域に感度特性を有する直射光センサを利用する。
【0028】
逆光センサ23は、フロントウィンドウガラス91越しにドライバを直接照らす第三の光としての光(以下、逆光と呼ぶ。)、すなわち、ドライバの目に直接入射する光を検知する。言い換えれば、この逆光センサ23は、フロントウィンドウガラス91越しに入射する光によってドライバが感じる眩しさを検出する。この逆光センサ23も、上記外光センサ21及び直射光センサ22と同様に照度センサを利用することができる。この逆光センサ23が検出した信号が電流値または電圧値として制御装置10へ送信される。逆光センサ23は、例えば図1に示すようにドライバシートのヘッドレスト23に設けられており、前方からの光、つまりフロントウィンドウガラス91越しの光を検知するように構成されている。なお、逆光センサ23は、ドライバの頭部に隠れずにフロントウィンドウガラス91を臨むことができるようヘッドレスト96に設置される。
【0029】
制御装置10は、これらの外光センサ21、直射光センサ22及び逆光センサ23からの情報と、ヘッドランプスイッチ装置60からの情報とに基づいて、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52を調光する。
【0030】
制御装置10は、上記照明装置の照度を調光するために、当該照明装置の使用環境を判断し、この判断結果に応じて照明装置の照度を変更する。このため、制御装置10は、図2に示すように、入力インターフェース部(以下、入力I/Fと呼ぶ。)110と、演算処理部120と、記憶部130と、出力インターフェース部(以下、出力I/Fと呼ぶ。)140と、を備えている。
【0031】
入力I/F110は、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40を使用する環境の情報、つまり外光センサ21、直射光センサ22及び逆光センサ23からの検出信号とヘッドランプスイッチ装置60からの信号とを受信して演算処理部120へ出力する。
【0032】
演算処理部120は、外光の明るさを評価する外光評価部121と、直射光の明るさを評価する直射光評価部122と、逆光の明るさを評価する逆光評価部123と、ヘッドランプスイッチのON−OFF状態を判断するスイッチ判断部124と、照明装置を使用する環境を判断する使用環境判断部125と、照明装置を使用する環境に応じてメータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40やスイッチ照明装置51,52の照度の変更を行う変更部126と、を備えている。
【0033】
外光評価部121は、図3に示すように、外光の明るさX1[lx]を本実施形態では4つのカテゴリーB1〜B4の何れかに該当するか評価する。
【0034】
カテゴリーB1は車外が真っ暗である状態を示し、これは外光センサ21によって検出された明るさX1[lx]がv1[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーB2は車外が暗いが真っ暗ではない状態を示し、これは外光センサ21によって検出された明るさX1[lx]がv1[lx]より大きくv2[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーB3は車外が少し暗い状態を示し、これは外光センサ21によって検出された明るさX1[lx]がv2[lx]より大きくv3[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーB4は普通に明るい状態を示し、これは外光センサ21によって検出された明るさX1[lx]がv3[lx]より大きい場合を対象とする。
【0035】
これらの、v1〜v3の情報は、外光評価用の参照値として、記憶部130に保存されている。本実施形態では、例えばv1は1[lx]、v2は50[lx]、v3は200[lx]に設定されている。
【0036】
外光評価部121は、外光センサ21から受信した信号、つまり電流値或いは電圧値を明るさX1[lx]に換算し、この検出した明るさX1[lx]を記憶部130に保存されている外光評価用の参照値[lx]と比較することで、検出された外光が属するカテゴリーB1〜B4を判断する。
【0037】
直射光評価部122は、図4に示すように、この実施形態では、直射光の明るさX2[lx]を5つのカテゴリーC1〜C5の何れかに該当するか評価する。
【0038】
カテゴリーC1は直射光が暗い状態を示し、これは直射光センサ22によって検出された明るさX2[lx]がv4[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーC2は直射光が少し暗い状態を示し、これは直射光センサ22によって検出された明るさX2[lx]がv4[lx]より大きくv5[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーC3は直射光が普通に明るい状態を示し、これは直射光センサ22によって検出された明るさX2[lx]がv5[lx]より大きくv6[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーC4は直射光が明るい状態を示し、これは直射光センサ22によって検出された明るさX2[lx]がv6[lx]より大きくv7[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーC5は直射光が非常に明るい状態を示し、これは直射光センサ22によって検出された明るさX2[lx]がv7[lx]より大きい場合を対象とする。
【0039】
これらの、v4〜v7の情報は、直射光評価用の参照値として、記憶部130に保存されている。本実施形態では、例えばv4は200[lx]、v5は500[lx]、v6は1000[lx]、v7は2000[lx]に設定されている。
【0040】
直射光評価部122は、直射光センサ22から受信した信号、つまり電流値或いは電圧値を明るさX2[lx]に換算し、この検出した明るさX2[lx]を記憶部130に保存されている直射光評価用の参照値[lx]と比較することで、検出された直射光が属するカテゴリーC1〜C5を判断する。
【0041】
逆光評価部123は、図5に示すように、逆光の明るさX3[lx]を5つのカテゴリーD1〜D5の何れかに該当するか評価する。
【0042】
カテゴリーD1は逆光が暗い状態を示し、これは逆光センサ23によって検出された明るさX3[lx]がv8[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーD2は逆光が少し暗い状態を示し、これは逆光センサ23によって検出された明るさX3[lx]がv8[lx]より大きくv9[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーD3は逆光が普通に明るい状態を示し、これは逆光センサ23によって検出された明るさX3[lx]がv9[lx]より大きくv10[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーD4は逆光が明るい状態を示し、これは逆光センサ23によって検出された明るさX3[lx]がv10[lx]より大きくv11[lx]以下の場合を対象とする。カテゴリーD5は逆光が非常に明るい状態を示し、これは逆光センサ23によって検出された明るさX3[lx]がv11[lx]より大きい場合を対象とする。
【0043】
これらの、v8〜v11の情報は、逆光評価用の参照値として、記憶部130に保存されている。本実施形態では、例えばv8は400[lx]、v9は800[lx]、v10は2000[lx]、v11は4000[lx]に設定されている。
【0044】
逆光評価部123は、逆光センサ23から受信した信号、つまり電流値或いは電圧値を明るさX3[lx]に換算し、この検出した明るさX3[lx]を記憶部130に保存されている逆光評価用の参照値[lx]と比較することで、検出された逆光が属するカテゴリーD1〜D5を判断する。
【0045】
スイッチ判断部124は、ヘッドランプの状態、つまりヘッドランプを点灯するためにスイッチがONの状態であるか、或いは点灯させないためにスイッチがOFFの状態であるかを判断する。スイッチ判断部124は、ヘッドランプスイッチ装置60からの信号に基づいてスイッチの状態を判断する。
【0046】
使用環境判断部125は、各センサやスイッチからの入力情報、つまり外光センサ21、直射光センサ22、逆光センサ23の各検出信号とヘッドランプスイッチのON或いはOFF状態を示す信号とに基づいて、使用環境を判別する。例えば、外光評価部121が評価した外光の状態と、直射光評価部122が評価した直射光の状態と、逆光評価部123が評価した逆光の状態と、ヘッドランプのスイッチの状態と、に基づいて使用環境を判別する。具体的には、使用環境判断部125は、外光評価部121で判別されたカテゴリーの情報と、直射光評価部122で判別されたカテゴリーの情報と、逆光評価部123で判別されたカテゴリーの情報と、スイッチ判断部124からのスイッチの状態の情報とに基づいて、使用環境を決定する。
【0047】
使用環境判断部125は、使用環境を、表1に示すように8つのカテゴリーS1〜S8の何れかに該当するか判断する。
【表1】

【0048】
表1は各センサやスイッチからの入力情報と使用環境の状態との関係を示す。さらに、表1中のB1〜B4は前述のカテゴリーB1〜B4に該当し、C1〜C5は前述のカテゴリーC1〜C5に該当し、D1〜D5は前述のカテゴリーD1〜D5に該当し、ONはヘッドランプスイッチがONの状態を、OFFはスイッチOFFの状態を示している。
【0049】
カテゴリーS1は、昼間の通常の状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB4に属し、直射光がカテゴリーC3に属し、逆光がカテゴリーD3に属し、ヘッドランプスイッチがOFFである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS1である、と判断する。
【0050】
カテゴリーS2は、昼間の直射光が眩しい状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB4に属し、直射光がカテゴリーC5に属し、逆光がカテゴリーD3に属し、ヘッドランプスイッチがOFFである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS2である、と判断する。
【0051】
カテゴリーS3は、昼間の逆光が眩しい状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB4に属し、直射光がカテゴリーC3に属し、逆光がカテゴリーD5に属し、ヘッドランプスイッチがOFFである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS3である、と判断する。
【0052】
カテゴリーS4は、夕暮れ時の通常の状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB3に属し、直射光がカテゴリーC2に属し、逆光がカテゴリーD2に属し、ヘッドランプスイッチがONである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS4である、と判断する。
【0053】
カテゴリーS5は、夕暮れ時の直射光が眩しい状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB3に属し、直射光がカテゴリーC4に属し、逆光がカテゴリーD1に属し、ヘッドランプスイッチがONである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS5である、と判断する。
【0054】
カテゴリーS6は、夕暮れ時の逆光が眩しい状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB3に属し、直射光がカテゴリーC1に属し、逆光がカテゴリーD4に属し、ヘッドランプスイッチがONである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS6である、と判断する。
【0055】
カテゴリーS7は、夜間で少し明るい状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB2に属し、直射光がカテゴリーC1に属し、逆光がカテゴリーD1に属し、ヘッドランプスイッチがONである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS7である、と判断する。
【0056】
カテゴリーS8は、夜間で車外が真っ暗な状態を示す。使用環境判断部125は、外光がカテゴリーB1に属し、直射光がカテゴリーC1に属し、逆光がカテゴリーD1に属し、ヘッドランプスイッチがONである場合に、使用環境が属する分類がカテゴリーS8である、と判断する。
【0057】
変更部126は、使用環境判断部125で判断された使用環境に基づいて、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及び各スイッチ照明装置51,52を調光する。表2は、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40、各スイッチ照明装置51,52の照度と使用環境のカテゴリーS1〜S8との関係を示す。なお、表2では、メータ照明装置30とディスプレイ照明装置40とを総称してディスプレイ系と表記し、各スイッチ照明装置51,52を総称してスイッチ系と表記している。
【表2】

【0058】
使用環境判断部125が使用環境の分類をカテゴリーS1と評価したとき、変更部126は、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度を昼照明用の明るさに設定する。具体的には、図6に示すL3〜L4[lx]の照度範囲が昼照明用の照度として割り当てられており、例えば外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度はL3〜L4[lx]の照度範囲で無段階に設定される。
【0059】
カテゴリーS2、S3、S5、S6のとき、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度はMAX輝度[lx]に設定される。具体的には、図5に示すL5(>L4)がMAX輝度として設定されている。
【0060】
使用環境判断部125が使用環境の分類をカテゴリーS4と評価したとき、変更部126は、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度を『夜照明で明るめ』に設定する。具体的には、図6に示すL2〜L3[lx]の照度範囲が『夜照明で明るめ』の照度として割り当てられており、例えば外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度はL2〜L3[lx]の照度範囲で無段階に設定される。
【0061】
使用環境判断部125が使用環境の分類をカテゴリーS7と評価したとき、変更部126は、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度は『夜照明で普通』に設定する。具体的には、図6に示すL1〜L2[lx]の照度範囲が『夜照明で普通』の照度として割り当てられており、外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度はL1〜L2[lx]の照度範囲で無段階に設定される。
【0062】
使用環境判断部125が使用環境の分類をカテゴリーS8と評価したとき、変更部126は、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度を『夜照明で暗め』に設定する。具体的には、図6に示す0〜L1[lx]の照度範囲が『夜照明で暗め』の照度として割り当てられており、例えば外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、メータ照明装置30及びディスプレイ照明装置40の照度は0〜L1[lx]で無段階に設定される。
【0063】
変更部126は、使用環境の分類(上記カテゴリーS1〜S8)に応じて、以下に述べるように、スイッチ照明装置51,52の照度を設定する。
スイッチ照明装置51,52の照度は、カテゴリーS1〜S8毎に設定されており、表2に示すように、使用環境の状態がカテゴリーS8からカテゴリーS4へ変わるにつれて、照度が高くなる。具体的には『夜照明で暗め』の輝度より高い『夜照明で普通』へ向けて、輝度が段階的に高くなるように設定されている。さらに、表2に示すように、使用環境の状態がカテゴリーS4からカテゴリーS1へ変わるにつれて、スイッチ照明装置51,52の照度が低くなる。具体的には『夜照明の普通』の輝度より低い『照明OFF』、つまり輝度0へ向けて、輝度が段階的に低くなるように設定されている。
【0064】
カテゴリーS7のとき、スイッチ照明装置51,52の照度は『夜照明で暗め』より明るい範囲に設定される。具体的には、図7に示すL7〜L8[lx]の照度範囲が割り当てられており、例えば外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、スイッチ照明装置51,52の照度はL7〜L8[lx]の照度範囲で無段階に設定される。
【0065】
カテゴリーS8のとき、スイッチ照明装置51,52の照度は『夜照明で暗め』に設定される。具体的には、図7に示すL6〜L7[lx]の照度範囲が割り当てられており、外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、スイッチ照明装置51,52の照度はL6〜L7[lx]の照度範囲で無段階に設定される。
【0066】
さらに、本実施形態では、変更部126は、テールランプ(図示を省略)の照度も制御する。使用環境の状態がカテゴリーS7或いはカテゴリーS8のとき、テーランプはONの状態になる。つまり、テーランプが発光する。カテゴリーS7,S8のとき、テールランプの照度は図7に示すL6〜L8[lx]の範囲を割り当てられており、外光センサ21で検出した外光の明るさに比例して照度が高くなるように制御される。例えば線形補間によって、テールランプの照度はL6〜L8[lx]の範囲で無段階に設定される。なお、カテゴリーS7,S8以外のときは、テールランプはOFFの状態に維持される。つまり、テールランプは発光しない。
【0067】
出力I/F140は、変更部126からの制御信号を、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40、各スイッチ照明装置51,52、テールランプに出力する。メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40、各スイッチ照明装置51,52、テールランプでは、変更部126からの制御信号に基づいて、光源が発光する。なお、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40、各スイッチ照明装置51,52、テールランプは、変更部126からの制御信号に基づいて照度を変更するための図示省略する装置を備えている。
【0068】
制御装置10を構成する、外光評価部121、直射光評価部122、逆光評価部123、スイッチ判断部124、使用環境判断部125、変更部125は、いずれもCPU(Central Processing Unit)が記憶部130に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。例えば、外光評価部121、直射光評価部122、逆光評価部123、スイッチ判断部124、使用環境判断部125、変更部125の機能はソフトウェアとして、或いは外光評価部121、直射光評価部122、逆光評価部123、スイッチ判断部124、使用環境判断部125、変更部125はハードウェアとして構成されている。例えばメータを制御するメータETCとして構成されてもよい。また、外光評価部121、直射光評価部122、逆光評価部123、スイッチ判断部124、使用環境判断部125、変更部125の各機能を、分散して配置された複数のETCが協働して発揮するように構成されてもよい。例えば一部の機能をメータETCで実行し、他の機能をエアコンETCで実行させる。なお、プログラムを記憶する記憶部130を構成する媒体は、磁気記録装置などの媒体に限定されるものではない。
【0069】
このように構成された調光制御システム1では、外光、直射光及び逆光の各光量とヘッドランプスイッチのON−OFF状態とを管理することで、自動車室内のメータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52の照度を変えることができる。特に制御装置10が外光、直射光及び逆光の各光量とヘッドランプスイッチのON−OFF状態とに基づいてメータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52の使用環境を判断し、使用環境に応じてメータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52の照度を自動で変える。調光制御システム1によれば、車外が明るい場合に限らず、直射光や逆光にも対応したメータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52の照度が調節される。よって、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52の視認性が向上する。
【0070】
以上詳述したが、本発明はその発明の趣旨を逸脱しない範囲において実施することができる。
【0071】
テールランプの照度変更機能とスイッチ照明装置51,52の照度変更機能を省略して構成されてもよい。
例えば上記説明では、スイッチ照明装置51,52の照度も使用環境に応じて変更する構成を説明したが、スイッチ照明装置の照度の変更を、メータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40、テールランプの照度の変更に連動させる必要は必ずしもない。
また、上記説明では、テールランプの照度も使用環境に応じて変更する構成を説明したが、テールランプの照度の変更をメータ照明装置30、ディスプレイ照明装置40、スイッチ照明装置51,52の照度の変更に連動させないようにしてもよい。
【0072】
上記説明中のv1〜v11の数値は例示であり、これに限定されるものではない。
【0073】
外光のカテゴリーをB1〜B4の4つに区分し、直射光のカテゴリーをC1〜C5の5つに区分し、逆光のカテゴリーをD1〜D5の5つに区分し、環境カテゴリーをS1〜S8の8つに区分しているが、各カテゴリーの区分数は上記説明に限定されるものではない。また、環境カテゴリー毎に設定されるメータ照明装置30やディスプレイ照明装置40及びスイッチ照明装置51,52の照度も上記説明に限定されるものではない。
照明装置はメータ照明装置,ディスプレイ照明装置だけに限定されるものでない。この場合、上記説明と同様に、メータ照明装置に入る直射光を考慮して他のディスプレイ照明装置などの照度がメータ照明装置の照度の変更に連動して制御装置によって調節される。
【符号の説明】
【0074】
1 照明装置用の調光制御システム
10 制御装置
110 入力インターフェース部
120 演算処理部
121 外光評価部
122 直射光評価部
123 逆光評価部
124 スイッチ判断部
125 使用環境判断部
126 変更部
130 記憶部
140 出力インターフェース部
21 外光センサ
22 直射光センサ
23 逆光センサ
30 メータ照明装置
40 ディスプレイ照明装置
51,52 スイッチ照明装置
91 フロントウィンドウガラス
92 ルーフ
93 インストルメントパネル
94 ドライバシートのシートクッション
95 ドライバシートのシートバック
96 ドライバシートのヘッドレスト
97 ハンドル
98 メータ装置
98A メータ装置の透明カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けた照明装置の照度を変える調光制御システムであって、
車外の第一の光を検知する第一センサと、
上記照明装置に入射する第二の光を検知する第二センサと、
フロントウィンドウガラス越しにドライバを照らす第三の光を検知する第三センサと、
上記照明装置の使用環境に対応した照度を求めるための参照情報を備えており、上記使用環境を判断して上記照明装置の照度を変える制御装置と、を備え、
上記制御装置は、上記第一センサからの上記第一の光の情報と上記第二のセンサからの上記第二の光の情報と第三センサからの上記第三の光の情報とヘッドランプスイッチのON或いはOFFのランプスイッチ情報とに基づいて上記使用環境を判断し、当該使用環境に対応した参照情報に基づいて上記照明装置の照度を変えることを特徴とする、調光制御システム。
【請求項2】
前記使用環境が複数の環境カテゴリーに区分されて管理され、
上記環境カテゴリー毎に前記参照情報が設定されており、
前記制御装置は、前記使用環境が上記環境カテゴリーの何れかに該当するか判断し、判断した環境カテゴリーに対応する参照情報に基づいて前記照明装置の照度を変えることを特徴とする、請求項1に記載の調光制御システム。
【請求項3】
前記第一の光が複数の第一光カテゴリーに区分されて管理され、
前記第二の光が複数の第二光カテゴリーに区分されて管理され、
前記第三の光が複数の第三光カテゴリーに区分されて管理され、
前記環境カテゴリーが、上記第一光カテゴリーの何れかと上記第二光カテゴリーの何れかと上記第三の光カテゴリーの何れかと前記ヘッドランプスイッチのON状態及びOFF状態のいずれかの組み合わせによって特定されており、
前記制御装置は、
前記第一センサからの第一の光の情報に基づいて前記第一の光が上記第一光カテゴリーの何れかに該当するか判断し、
前記第二センサからの第二の光の情報に基づいて前記第二の光が上記第二光カテゴリーの何れかに該当するか判断し、
前記第三センサからの第三の光の情報に基づいて前記第三の光が上記第三の光カテゴリーの何れかに該当するか判断し、
ランプスイッチ情報に基づいてヘッドランプのON或いはOFFの状態を判断して、
前記使用環境が上記複数の環境カテゴリーの何れかに該当するか判断することを特徴とする、請求項2に記載の調光制御システム。
【請求項4】
前記第一光カテゴリーが下記の4つのカテゴリー(B1)〜(B4)に区分され、
前記第二光カテゴリーが下記の5つのカテゴリー(C1)〜(C5)に区分され、
前記第三光カテゴリーが下記の5つのカテゴリー(D1)〜(D5)に区分され、
前記環境カテゴリーが下記の8つのカテゴリー(S1)〜(S8)に区分されていて、
前記制御装置は、上記(B1)〜(B4)、(C1)〜(C5)、(D1)〜(D5)と前記ランプスイッチ情報とに基づいて、環境カテゴリー(S1)〜(S8)を判断し、前記照明装置の照度を下記の(T1)〜(T5)の何れかに設定することを特徴とする、請求項3に記載の調光制御システム。
(B1)第一の光の照度X1が0≦X1≦v1である。
(B2)第一の光の照度X1がv1<X1≦v2である。
(B3)第一の光の照度X1がv2<X1≦v3である。
(B4)第一の光の照度X1がv3<X1である。
(C1)第二の光の照度X2が0≦X2≦v4である。
(C2)第二の光の照度X2がv4<X2≦v5である。
(C3)第二の光の照度X2がv5<X2≦v6である。
(C4)第二の光の照度X2がv6<X2≦v7である。
(C5)第二の光の照度X2がv7<X2である。
(D1)第三の光の照度X3が0≦X3≦v8である。
(D2)第三の光の照度X3がv8<X3≦v9である。
(D3)第三の光の照度X3がv9<X3≦v10である。
(D4)第三の光の照度X3がv10<X3≦v11である。
(D5)第三の光の照度X3がv11<X3である。
(S1)第一の光がB4であり、第二の光がC3であり、第三の光がD3であり、ヘッドランプスイッチがOFFである。
(S2)第一の光がB4であり、第二の光がC5であり、第三の光がD3であり、ヘッドランプスイッチがOFFである。
(S3)第一の光がB4であり、第二の光がC3であり、第三の光がD5であり、ヘッドランプスイッチがOFFである。
(S4)第一の光がB3であり、第二の光がC2であり、第三の光がD2であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S5)第一の光がB3であり、第二の光がC4であり、第三の光がD1であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S6)第一の光がB3であり、第二の光がC1であり、第三の光がD4であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S7)第一の光がB2であり、第二の光がC1であり、第三の光がD1であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(S8)第一の光がB1であり、第二の光がC1であり、第三の光がD1であり、ヘッドランプスイッチがONである。
(T1)環境カテゴリーがS8のとき、照度Zを0≦Z≦L1の範囲に設定する。
(T2)環境カテゴリーがS7のとき、照度ZをL1≦Z≦L2の範囲に設定する。
(T3)環境カテゴリーがS4のとき、照度ZをL2≦Z≦L3の範囲に設定する。
(T4)環境カテゴリーがS1のとき、照度ZをL3≦Z≦L4の範囲に設定する。
(T5)環境カテゴリーがS2、S3、S5、S6のとき、照度ZをZ=L5(>L4)の範囲に設定する。
【請求項5】
前記制御装置は、前記使用環境に応じて、車室内に設けた操作ボタンの照明装置の照度を変えることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の調光制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記使用環境に応じて、テールランプの照度を変えることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の調光制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−144165(P2012−144165A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4426(P2011−4426)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】