説明

警告弁装置

【課題】 既存の切替コックを利用可能として使用者にとっての経済性を向上することができると共に、非常にコンパクトかつ小型な構成で、混合水栓から水処理装置への熱水または温水(温熱水)の流入及び過給圧水の流入のいずれも防止し、かつ、使用者にかかる事態を明瞭に警告することができる警告弁装置の提供。
【解決手段】 警告弁装置100は、原水通路P2内の水温が所定温度以上となったときに温熱水制御弁131〜134を閉動作させ、その閉動作に連動して警告水通路P4の警告制御弁141〜143を開動作させて原水通路P2と警告水通路P4とを連通し、原水通路P2内の所定温度以上の温熱水を警告水通路P4から外部空間に放出することにより温熱水警告を外部から視認可能な状態で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水混合水栓と浄水器等の水処理装置との間に接続され、水処理装置に熱水や過給圧水が供給されるような場合に警告を発する警告弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、台所等の湯水混合水栓に、切換コック(切替コック)または分岐栓を介して、浄水器、活水器、整水器、浄活水器等の水処理装置乃至水処理器を接続することがある。この場合、切替コックまたは分岐栓を切替えることにより、混合水栓からの原水を切替コックまたは分岐栓の吐水口から直接吐出したり、浄水器等の水処理装置へ供給して浄化して浄水とした後に、その浄水を前記吐水口から吐出したりしている。ここで、混合水栓から原水(冷水)ではなく熱水または温水(熱水と冷水の混合水)が水処理装置に流入すると、水処理装置の活性炭等からなるカートリッジまたはフィルタ等の部品に悪影響を与える。よって、従来、混合水栓と水処理装置との間に流路切換装置を介装し、その流路切換装置によって、混合水栓からの熱水または温水が水処理装置の入水側の流路(給水路)に流入することを防止している。
【0003】
従来、この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【特許文献1】実開平7−24484号公報
【0004】
特許文献1は、蛇口から熱水が流れたときに流路を水処理器側から吐水口側へ自動的に切換える際の感熱応答性をよくし、しかも形状のコンパクト化を図るとともに、使い勝手の良い流路切換装置を開示している。この流路切換装置は、流路切換装置本体を有し、この流路切換装置本体を原水と熱水とを混合自在に流す蛇口(混合水栓)に接続している。また、流路切換装置本体には、上記蛇口に連通する流路を吐水口(原水及び浄水の吐水口)側と水処理器側とに選択的に切換える流路切換弁が介装されている。更に、上記吐水口側には、上記水処理器からの処理水を導入する導入路が連通している。更にまた、蛇口の直下流には、水処理器側に連通する熱水遮断室が設けられ、この熱水遮断室に連通する第2の流入口に熱水感知弁をスライド動作させる形状記憶合金製ばねが配設されている。熱水が上記第2の流入口から熱水遮断室に流入すると、熱水が直接上記形状記憶合金製ばねに接触するため、この形状記憶合金製ばねは直ちに変態温度に達し、上記熱水感知弁を動作させて、水処理器側に連通する流路を遮断するとともに、吐水口側に連通する流路を開弁する。即ち、特許文献1の流路切換装置は、流路切換弁にて上記熱水を感知したとき、熱水感知弁により、上記水処理器側に連通する流路を遮断すると共に、上記吐水口側へ上記蛇口からの流路をバイパスする。
【0005】
一方、混合水栓から、所定圧以上の原水(過給圧水)が水処理装置に流入すると、やはり、水処理装置の部品等に悪影響を与える。よって、従来、混合水栓と水処理装置との間に安全弁乃至リリーフ弁(圧力制御弁)を介装し、そのリリーフ弁によって、混合水栓からの過給圧水の圧力を逃がし、過給圧水が水処理装置の入水側の流路に流入することを防止している。例えば、特許文献1は、本体胴部にリリーフ弁室を外付けしている。このリリーフ弁室には、リリーフ弁体が介装されており、このリリーフ弁体が、その背面を押圧するリリーフばねの付勢力で上記熱水遮断室に連通するリリーフポートを閉塞する。このリリーフ弁体は上記熱水遮断室の内圧が設定圧力よりも高くなったときに開弁して、その内圧を低下させるもので、この設定圧力は上記リリーフばねのばね定数で設定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の流路切換装置は、混合水栓と水処理装置との間に介装され、レバーの切換により原水及び浄水を切替えて吐水口から吐出する、いわゆる切換コックタイプのものである。そして、特許文献1の流路切換装置は、熱水が水処理装置に流入するのを防止する構成として、流路切換弁や熱水感知弁等の専用の構成を既存の切換コックに追加している。よって、使用者が既に混合水栓と水処理装置との間に、原水及び浄水切換用の既存の切換コックを使用している場合でも、その既存の切換コックをそのまま利用することはできず、必ず、特許文献1の流路切換装置と置き換えなければならず、経済性の点で改善する余地がある。また、特許文献1の流路切換装置は、流路切換弁や熱水感知弁等の専用の構成を既存の切換コックに追加しているため、全体の構成がその分複雑になり大型化する。更に、特許文献1の流路切換装置は、流路切換弁にて熱水を感知したとき、熱水感知弁により水処理器側に連通する流路を遮断すると共に、吐水口側へ蛇口からの流路をバイパスするようにしているため、かかるバイパス用の流路やポートを構造上確保する必要があり、この点からも構成が複雑になり大型化する。更にまた、特許文献1の流路切換装置は、熱水が水処理装置に流入するのを防止する構成(流路切換弁及び熱水感知弁等)と、過給圧水が水処理装置に流入するのを防止する構成(リリーフ弁)とを並設しているため、この点からも構成が複雑になり大型化する。
【0007】
そこで、本発明は、既存の任意の切替コックに接続できるアダプタタイプとして具体化され、既存の切替コックを利用可能として使用者にとっての経済性を向上することができると共に、非常にコンパクトかつ小型な構成で、混合水栓から水処理装置への熱水または温水(温熱水)の流入及び過給圧水の流入のいずれも防止し、かつ、使用者にかかる事態を明瞭に警告することができる警告弁装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る警告弁装置は、混合水栓に接続して混合水栓からの原水が流入する流入口と、前記流入口と連通する吐水口と、前記流入口と連通すると共に前記水処理装置への給水側の配管に接続される給水口と、前記流入口と前記吐水口とを連通すると共に前記流入口と前記給水口との連通を遮断する第1の位置と、前記流入口と前記給水口とを連通すると共に前記流入口と前記吐水口との連通を遮断する第2の位置との間で切替自在な切替弁とを備える切替コックと前記水処理装置との間に介装して接続自在な警告弁装置であって、前記切替コックの給水口に接続自在なコック側接続口と、前記水処理装置の給水側の配管に接続自在な水処理装置側接続口と、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを直線的に連通する直線状の原水通路と、前記原水通路と略直交して延設されて外部空間に連通する警告水通路とを有する筒体と、前記筒体の警告水通路に配設され、前記原水通路内の水圧が所定圧未満のときは前記原水通路と前記警告水通路との連通を遮断すると共に、前記原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記原水通路と前記警告水通路とを連通するよう動作し、前記原水通路内の原水を前記警告水通路から外部空間に放出して過給圧水の警告を行うリリーフ弁と、前記筒体の原水通路に沿って配設され、前記原水通路内の水温が所定温度未満のときは前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通すると共に、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに、前記警告水通路のリリーフ弁と作用的に接続して前記リリーフ弁を動作させ、前記原水通路と前記警告水通路とを連通して、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に排出して温熱水の警告を行う温熱水制御弁とを備える。
【0009】
請求項2に係る警告弁装置は、切替コックと水処理装置との間に介装されて前記切替コックからの原水を前記水処理装置に中継する直線筒状をなし、前記切替コックに接続自在なコック側接続口と、前記水処理装置の給水側の配管に接続自在な水処理装置側接続口と、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを直線的に連通するよう軸心方向に延設された原水通路と、前記原水通路と略直交するよう延設されて外部空間に連通する警告水通路とを有する筒体と、前記筒体の警告水通路に配設され、前記原水通路内の水圧が所定圧未満のときは前記原水通路と前記警告水通路との連通を遮断すると共に、前記原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記原水通路と前記警告水通路とを連通するよう動作し、前記原水通路内の原水を前記警告水通路から外部空間に放出して前記原水通路内の水圧を制御すると共に、前記警告水通路からの放水により水圧警告を外部から視認可能な状態で行う警告制御弁と、前記筒体の原水通路に沿って配設され、前記原水通路内の水温が所定温度未満のときは前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通すると共に、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに動作して前記警告水通路の警告制御弁を連動させることにより前記原水通路と前記警告水通路とを連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出して、前記警告水通路からの温熱水の放出により温熱水警告を外部から視認可能な状態で行う温熱水制御弁とを備える。
【0010】
請求項3に係る警告弁装置は、混合水栓からの原水が流入する流入口、前記原水を水処理装置へ給水する給水口及び前記原水をそのまま吐出する吐水口間で通水路を選択的に形成する切替コックと前記水処理装置との間に介装されて、前記切替コックからの原水を前記水処理装置に中継する筒状をなし、前記切替コックに接続自在なコック側接続口と、前記水処理装置の給水側の配管に接続自在な水処理装置側接続口と、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通する原水通路と、前記原水通路と連通すると共に外部空間に連通する警告水通路とを有する筒体と、前記筒体の警告水通路に配設され、前記原水通路内の水圧が所定圧未満のときは、前記原水通路と前記警告水通路との連通を遮断すると共に、前記原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記原水通路と前記警告水通路とを連通するよう開動作し、前記原水通路内の原水を前記警告水通路から外部空間に放出して前記原水通路内の水圧を制御する警告制御弁と、前記筒体の原水通路に配設され、前記原水通路内の水温が所定温度未満のときは、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通すると共に、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を遮断する方向に閉動作する温熱水制御弁とを備え、前記筒体の原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記警告制御弁を開動作させ、前記原水通路内の所定圧以上の水を前記警告水通路から外部空間に放出することにより水圧警告を外部から視認可能な状態で行う一方、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに前記温熱水制御弁を閉動作させ、前記温熱水制御弁の閉動作に連動して前記警告水通路の警告制御弁を開動作させて前記原水通路と前記警告水通路とを連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出することにより温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようにした。
【0011】
請求項4に係る警告弁装置は、請求項1乃至3のいずれか1項の構成において、前記温熱水制御弁が、形状記憶合金製の圧縮コイルばねからなる感温ばねと、前記感温ばねの軸方向一端に取着された制御コマと、前記制御コマに保持されて前記感温ばねから離間する方向に突出する弁体と、圧縮コイルばねからなるバイアスばねとを有し、前記制御コマを挟んで前記感温ばねと前記バイアスばねとを対向させた状態で、前記感温ばね、制御コマ、弁体及びバイアスばねを直線状に配置した二方向性素子からなり、前記警告制御弁は、圧縮コイルばねからなる圧力ばねと、前記圧力ばねの軸方向一端から突出する弁体とを有し、前記筒体は、前記原水通路の軸方向一端側に、前記温熱水制御弁の弁体と対応する第1の弁座を有すると共に、前記警告水通路の前記原水通路側に、前記警告制御弁の弁体と対応する第2の弁座を有し、前記筒体は、前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねにより付勢して前記第2の弁座に着座させると共に、前記警告制御弁の弁体の先端を前記原水通路内に突出させた状態で、前記警告制御弁を前記警告水通路内に収容配置する一方、前記温熱水制御弁の弁体を前記第1の弁座に対向させた状態で前記温熱水制御弁を前記原水通路内に収容配置すると共に、前記温熱水制御弁の弁体が前記第1の弁座から最も離間する最後退位置では、前記制御コマが前記原水通路に突出する前記警告制御弁の弁体から前記コック側接続口側に離間して配置されるようにし、前記原水通路内の水温が前記所定温度以上となったとき、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して前記制御コマを前記第1の弁座に向かう方向に前進させ、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に当接して前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを連通するようにし、これにより、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出して温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようにした。
【0012】
請求項5に係る警告弁装置は、請求項3の構成において、前記筒体が、アダプタ本体及びアダプタソケットを有し、前記アダプタ本体は、前記原水通路を軸方向に延設した筒状をなし、その軸方向一端に前記水処理装置側接続口を形成すると共に、軸方向他端に連結凹部を形成し、前記アダプタソケットは、前記アダプタ本体に対応する筒状をなし、その軸方向一端に前記コック側接続口を形成すると共に、軸方向他端には前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着自在な連結凸部を形成し、前記アダプタソケットの連結凸部を前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着することにより、前記アダプタソケットを前記アダプタ本体の軸方向他端に一体化すると共に、前記アダプタソケットのコック側接続口と前記アダプタ本体の原水通路とを連通し、前記アダプタソケットのコック側接続口を切替コックの給水口に連結することにより、切替コックの給水口を前記アダプタ本体の原水通路に連通するようにした。
【0013】
請求項6に係る警告弁装置は、請求項5の構成において、前記アダプタソケットとして、複数の異なる切替コックの給水口の口径及び口形状に対応する口径及び口形状のコック側接続口を有する複数の異なるアダプタソケットを用意する一方、前記複数の異なるアダプタソケットの前記連結凸部は同一の口径及び口形状とすると共に、前記アダプタ本体としては同一の口径及び口形状の連結凹部を有する単一のアダプタ本体を用意し、接続する切替コックの給水口の口径及び口形状に対応して、前記複数の異なる構成のアダプタソケットから、合致する口径及び口形状のコック側接続口を有するアダプタソケットを選択して、該アダプタソケットの連結凸部を前記アダプタ本体の連結凹部に連結すると共に、該アダプタソケットのコック側接続口を前記切替コックの給水口に連結するようにした。
【0014】
請求項7に係る警告弁装置は、請求項4の構成において、前記筒体が、アダプタ本体及びアダプタソケットを有し、前記アダプタ本体は、前記原水通路を軸方向に延設した筒状をなし、その軸方向一端に前記水処理装置側接続口を形成すると共に、軸方向他端に連結凹部を形成したものであり、前記アダプタソケットは、前記アダプタ本体に対応する筒状をなし、その軸方向一端に前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着自在な連結凸部を形成すると共に、軸方向他端に前記コック側接続口を形成したものであり、前記アダプタ本体の原水通路の軸方向一端側に前記感温ばねを配置すると共に軸方向他端側に前記バイアスばねを配置した状態で、前記温熱水制御弁を前記アダプタ本体の原水通路の軸方向に沿って直線状に収容して配置する一方、前記アダプタソケットの連結凸部を前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着することにより、前記アダプタソケットを前記アダプタ本体の軸方向他端に一体化して、前記アダプタソケットにより前記アダプタ本体の原水通路内の前記感温ばねの基端を当接支持し、前記温熱水制御弁を前記アダプタ本体の原水通路内に保持すると共に、前記アダプタソケットのコック側接続口と前記アダプタ本体の原水通路とを連通し、前記アダプタソケットのコック側接続口を切替コックの給水口に連結することにより、切替コックの給水口を前記アダプタ本体の原水通路に連通するようにした。
【0015】
請求項8に係る警告弁装置は、請求項7の構成において、前記アダプタ本体が、前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねにより付勢して前記警告水通路部の警告水通路内の第2の弁座に着座させると共に、前記警告制御弁の弁体の先端を前記原水通路部の原水通路内に突出させた状態で、前記警告制御弁を前記警告水通路内に収容配置する一方、前記温熱水制御弁の弁体を前記原水通路部の原水通路内の第1の弁座に対向させた状態で前記温熱水制御弁を前記原水通路内に収容配置すると共に、前記温熱水制御弁の最後退位置では、前記制御コマが前記原水通路に突出する前記警告制御弁の弁体より前記原水通路内の軸方向他端側に離間して位置するようにし、前記原水通路内の水温が前記所定温度以上となったとき、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して前記制御コマを前記第1の弁座に向かう方向に前進させ、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に当接して前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出することにより温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようにした。
【0016】
請求項9に係る警告弁装置は、請求項3の構成において、前記温熱水制御弁が、前記筒体の原水通路内の水温が前記所定温度以上の一定温度範囲にあるときは、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を一部遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して前記警告水通路の警告制御弁を一部開動作させて前記原水通路と前記警告水通路とを一部連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水の一部を前記原水通路から前記水処理装置側接続口へと供給すると共に、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水の他部を前記警告水通路から外部空間に放出する。
【0017】
請求項10に係る警告弁装置は、請求項4乃至6のいずれかの構成において、前記温熱水制御弁が、前記筒体の原水通路内の水温が前記所定温度としての前記感温ばねの形状回復開始温度未満にあるときは、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力により最収縮状態となり、前記弁体が前記最後退位置に配置され、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体から前記コック側接続口側に離間して配置されて、前記原水通路内の全部の水が前記第1の弁座を介して前記水処理装置側接続口へと供給されるようにし、前記筒体の原水通路内の水温が前記感温ばねの最大形状回復温度以上にあるときは、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して最伸張状態となり、前記弁体が前記筒体の第1の弁座に完全に着座する最前進位置に配置されて前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を完全に遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に完全に当接し、前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から完全に離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを完全に連通し、前記原水通路内の全ての水が前記第2の弁座を介して前記警告水通路から外部空間に放出されるようにし、前記筒体の原水通路内の水温が前記感温ばねの形状回復開始温度以上で前記最大形状回復温度未満の一定温度範囲にあるときは、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して前記最収縮状態と前記最伸張状態との略中間状態となり、前記弁体が前記筒体の第1の弁座に近接配置されて前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を一部遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に一部当接して前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から一部離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを一部連通し、前記原水通路内の一部の水が前記第1の弁座を介して前記水処理装置側接続口へと供給されると共に、前記原水通路内の残りの水が前記第2の弁座を介して前記警告水通路から外部空間に放出されるようにした。
【0018】
請求項11に係る警告弁装置は、請求項4,7,8及び10のいずれかの構成において、前記警告制御弁の弁体が、前記筒体の第2の弁座に着座する着座部を弾性材料により形成すると共に、前記筒体の原水通路部内に突出する部分を高耐久剛性材料により形成した。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る警告弁装置は、既存の任意の切替コックに接続できるアダプタタイプとして具体化され、既存の切替コックを利用可能として使用者にとっての経済性を向上することができると共に、非常にコンパクトかつ小型な構成で、混合水栓から水処理装置への熱水または温水(温熱水)の流入及び過給圧水の流入のいずれも防止し、かつ、使用者にかかる事態を明瞭に警告することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を切替コックに接続した状態を示す断面図である。図2は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を切替コックに接続した状態を示す斜視図である。図3は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を異なるタイプの切替コックに接続した状態を示す斜視図である。図4は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を切替コックに接続した状態を示す平面図である。図5は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を一部破断して示す分解斜視図である。図6は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の組立状態を一部破断して示す斜視図である。
【0021】
本実施の形態に係る警告弁装置100は、図1及び図2に示すように、切替コック10と、浄水器、活水器、整水器、浄活水器等の水処理装置(図示略)との間に介装して接続自在とされる。まず、本実施の形態に係る警告弁装置100の接続対象としての一般的な切替コック10について説明する。切替コック10は、混合水栓(図示略)からの原水が流入する流入口、前記原水を水処理装置へ給水する給水口及び前記原水をそのまま吐出する吐水口間で通水路を選択的に形成するものである。より詳細には、切替コック10は、コック本体11を備える。コック本体11には、弁体12が外周面から中心へと向かって放射方向に挿着されている。また、弁体12の内部には、その軸方向に延びるスピンドル13が挿着されている。弁体12の基端(外端)には、コア14及びレバーハンドル15が、ビス16により固着され、弁体12の基端部(コック本体11より外側の部分)を外周を包囲している。更に、スピンドル13の先端(内端)には円盤状のスピンドルパッキン17が固着されている。一方、コック本体11の上端の取付凹部11aには、リング状のパッキン22を介して取付止ナット21が螺着されている。なお、取付止ナット21(中央の円形開口を含む)により、切替コック10の流入口が構成されている。また、コック本体11の下端には、泡沫金具25が螺着されると共に、泡沫金具25内には、泡沫内芯26及び泡沫リング27が内装されている。なお、泡沫金具25等により、切替コック10の吐水口が構成されている。更に、コック本体11の前記弁体12と放射方向反対側には、略円筒状の配管接続部31が放射方向外方に突出するよう一体形成されている。なお、配管接続部31の先端部(給水路31aの先端の円形開口を含む)により、切替コック10の給水口が構成されている。
【0022】
切替コック10は、取付止ナット21をアダプタ(図示略)を介して混合水栓(図示略)の吐水口に螺着することにより、混合水栓の吐水口に取付けられ、混合水栓の吐水口からの原水としての冷水または温熱水(温水または熱水)が、切替コック10の取付止ナット21からパッキン22を介して内部に流入するようになっている。また、切替コック10は、通常、水処理装置の給水側の配管としての給水ホース等を、その配管接続部31の先端側の装着部に外嵌して装着し、その上から押さえナットを配管接続部31の基端側の雄ねじに螺着することで、混合水栓からの原水を配管接続部31の給水路31aを介して水処理装置の給水管に供給するようになっている。ここで、切替コック10は、レバーハンドル15を正逆回転することにより、スピンドル13が弁体12に対して相対的に伸縮し、スピンドルパッキン17が配管接続部31の給水路31aの基端の円形開口を水密に遮蔽する遮蔽位置と、スピンドルパッキン17が配管接続部31の給水路31aの基端の円形開口を開放する開放位置との間で往復動するようになっている。そして、図1に示すスピンドルパッキン17の遮蔽位置では、コック本体11内において弁体12が前記泡沫金具25に至る流路を開放する。よって、混合水栓の吐水口から切替コック10の流入口としての取付止ナット21の円形開口を介してコック本体11内に流入した原水は、泡沫内芯26及び泡沫リング27により泡沫状とされた状態で、切替コック10の吐水口としての泡沫金具25の円形開口から吐出される。一方、スピンドルパッキン17の開放位置では、コック本体11内において弁体12が前記泡沫金具25に至る流路を水密に遮蔽する。よって、混合水栓の吐水口から取付止ナット21の円形開口を介してコック本体11内に流入した原水は、給水路31aを通って切替コック10の給水口としての給水路31aの他端の円形開口から放出される。このように、本実施の形態に係る警告弁装置100を接続する切替コック10は、シングルタイプのものであり、混合水栓の原水を水処理装置の給水側(給水ホース等)に向かって一方向にのみ供給し、水処理装置からの還流用の水路を有するものではない。よって、混合水栓から切換コックを経て水処理装置に供給された原水は、水処理装置内で浄水処理等を施された後、水処理装置の吐水用の配管(可撓配管等)から吐出され、切替コック10に還流されることはない。
【0023】
このように、切替コック10は、混合水栓と水処理装置との間に介装され、混合水栓の吐水口にアダプタ等を介して接続され、混合水栓からの原水が流入する流入口(取付止ナット21の開口)と、前記流入口と連通して原水を吐出する吐水口(泡沫金具25の開口)と、前記流入口と連通すると共に前記水処理装置の原水供給側(給水側)の配管(給水ホース等)に接続される給水口(給水路31aの先端開口)と、前記流入口と前記吐水口とを連通すると共に前記流入口と前記給水口との連通を遮断する第1の位置(原水位置)と、前記流入口と前記給水口とを連通すると共に前記流入口と前記吐水口との連通を遮断する第2の位置(浄水位置)との間で切替自在な切替弁(弁体12、スピンドル13、コア14、レバーハンドル15、ビス16及びスピンドルパッキン17)とを備える。そして、切替コック10は、切替弁により、前記流入口、給水口及び吐水口間で通水路を選択的に形成する。
【0024】
なお、本実施の形態に係る警告弁装置100は、図3に示す切替コック50に接続して使用することもできる。図3に示す切替コック50は、切替コック10のコック本体11と同様のコック本体51にエルボ状連結部52を設け、エルボ状連結部52を介して水処理装置の警告弁装置100を接続するものである。なお、エルボ状連結部52の先端に前記配管接続部31が一体形成されている。即ち、切替コック50は、通常、水処理装置の給水ホース等を、エルボ状連結部52の先端の配管接続部31の装着部に外嵌して装着し、その上から押さえナットを配管接続部31の基端側の雄ねじに螺着することで、混合水栓からの原水を配管接続部31の給水路31aを介して水処理装置の給水管に供給するようになっている。
【0025】
一方、警告弁装置100は、図4〜図6に示すように、筒体110,120を備えている。筒体110,120は、切替コック10の給水口を構成する配管接続部31に接続自在なコック側接続口と、水処理装置の給水側の配管としての給水ホース等に接続自在な水処理装置側接続口と、コック側接続口と水処理装置側接続口とを直線的に連通するよう軸心方向に延設された直線状の原水通路P2と、原水通路P2と略直交して延設されて外部空間に連通する警告水通路P4とを有する。即ち、筒体110,120は、切替コック10と水処理装置との間に介装されて切替コック10からの原水を水処理装置に中継する直線筒状をなす。より詳細には、筒体は、アダプタ本体110及びアダプタソケット120からなる。アダプタ本体110は、直線筒状をなし、円筒状の原水通路部111、円筒状の警告水通路部112及び配管接続部113,114を有している。原水通路部111は、原水通路P2を軸方向に延設した円筒状をなしている。警告水通路部112は、原水通路部111の軸方向一端(図4中左端)寄りの位置に、原水通路部111の軸方向と直交する方向(放射方向)へと原水通路部111から外方に突出するよう延設して一体形成されている。また、警告水通路部112は、警告水通路P4を軸方向に延設した短円筒状をなしている。配管接続部は、原水通路部111の軸方向一端に同軸状に順次一体形成された雄ねじ部113及び配管装着部114からなる。雄ねじ部113は、原水通路部111より小径の円筒状をなす。雄ねじ部113の外周面には雄ねじ113aが形成されている。また、配管装着部114は、雄ねじ部113より小径の段付円錐台形状(二段コーン状)をなす。更に、前記雄ねじ部113には押さえナット150が螺合して着脱自在に取付られるようになっている。なお、配管装着部114(先端の円形開口を含む)により、アダプタ本体110乃至筒体の軸方向一端の水処理装置側接続口が形成されている。そして、警告弁装置100の水処理装置側接続口(配管装着部114)に水処理装置の給水ホースの一端部を外嵌して装着し、押さえナット150を雄ねじ部113に螺合していくことにより、水処理装置の給水ホースの一端部を配管装着部114に固定すると共に、押さえナット150を雄ねじ部113から螺退して取外すことにより、水処理装置の給水ホースの一端部を配管装着部114から取外せるようになっている。このように、アダプタ本体110は、原水通路部111、警告水通路部112並びに配管接続部としての雄ねじ部113及び配管装着部114を一体形成した略円筒状をなす。
【0026】
原水通路部111の内部の軸方向一端側には、その内周面との間に若干の間隙を置いて、小径の円筒状のばね取付部115が、同軸状に突出するよう一体形成されている。また、ばね取付部115の先端面(リング状面)により、アダプタ本体110の第1の弁座115aが構成されている。なお、第1の弁座115aは、リング状テーパ面となっている。更に、警告水通路部112の軸方向一端(基端)側の内周には、アダプタ本体110の第2の弁座112aが一体形成されている。なお、第2の弁座112aは、リング状テーパ面となっている。
【0027】
原水通路部111の軸方向他端部(図4中右端部)の一定範囲は段付(二段)内周面111aとされている。原水通路部111の段付内周面111aの軸方向内側の小径部には雌ねじ111bが形成されている。即ち、アダプタ本体110は、軸方向他端の雌ねじ111bを有する段付内周面111a部分により連結凹部(雌ねじ状連結部)を構成している。一方、アダプタソケット120は、アダプタ本体110に対応する筒状をなし、その軸方向一端にコック側接続口を形成すると共に、軸方向他端にはアダプタ本体110の連結凹部(段付内周面111a)に密嵌して挿着自在な連結凸部(雄ねじ状連結部)を形成している。詳細には、アダプタソケット120は、短円筒状のソケット基部121と、ソケット基部121の軸方向一端(図4中左端)に同軸上に一体形成された小径の短円筒状をなす連結凸部122とを有する。アダプタソケット120のソケット基部121は、アダプタ本体110の原水通路部111と同一直径である。また、ソケット基部121の内周面には、雌ねじ121aが形成されている。更に、連結凸部(雄ねじ状連結部)122は、アダプタ本体110の連結凹部(段付内周面)111aに螺入して密嵌自在な長さ及び直径の円筒状をなしている。また、連結凸部122の外周面には、前記原水通路部111の段付内周面111aの雌ねじ111bと螺合する雄ねじ122aが形成されている。更に、連結凸部122の雄ねじ122a部分とソケット基部121との間には、段差面(二段)が形成され、その小径側部分によりリング溝122bが構成されている。連結凸部122のリング溝122bにはOリング123が装着され、水密を維持するようになっている。なお、前記ソケット基部121の軸方向一端(図4中右端)の雌ねじ121a部分(中央の円形開口を含む)により、切替コック10の給水口(配管接続部31の先端部)に接続自在なコック側接続口が構成されている。また、アダプタソケット120の軸心に沿って延びる断面円形の通路により、切替コック10の給水路31aに連通する導水通路P1が構成されている。更に、原水通路部111の軸心に沿って延びる断面円形の通路により、導水通路P1と同軸状に連通する原水通路P2が構成されている。更にまた、配管接続部(雄ねじ部113及び配管装着部114)の軸心に沿って延びる断面円形の通路により、原水通路P2と同軸状に連通する給水通路P3が構成されている。即ち、本実施の形態の警告弁装置は、導水通路P1、原水通路P2及び給水通路P3が筒体(アダプタソケット120及びアダプタ本体110)の軸心に沿って一直線上に連通して延びている。
【0028】
そして、アダプタソケット120の連結凸部122をアダプタ本体110の連結凹部としての段付内周面111aに密嵌して挿着(螺入)することにより、アダプタソケット120をアダプタ本体110の軸方向他端に一体化(一体的に固定)するようになっている。即ち、アダプタソケット120は、雄ねじ122aを形成した連結凸部122を、アダプタ本体110の原水通路部111の軸方向他端から、雌ねじ111bを形成した段付内周面111aに螺入することにより、アダプタ本体110の軸方向他端に一体的に固定される。このとき、ソケット基部121と連結凸部122との間の段差面は、その大径側部分の端面が、原水通路部111の軸方向他端面(段付内周面111aの端面)に密接し、その小径側部分であるリング溝122bと原水通路部111の段付内周面111aの大径側部分との間に、リング状の空間が形成される。そして、かかるリング状の空間に前記Oリング123が配置され、アダプタ本体110の原水通路部111とアダプタソケット120との間の水密を維持するようになっている。これにより、アダプタソケット120のコック側接続口乃至導水通路P1とアダプタ本体110の原水通路P2とを連通するようになっている。また、アダプタソケット120のソケット基部121の雌ねじ121aを切替コック10の配管接続部31の外周面に形成した雄ねじに螺合して連結することにより、切替コック10の給水口乃至給水路31aを、アダプタソケット120の導水通路P1を介して、アダプタ本体110の原水通路P2に連通するようになっている。
【0029】
筒体を構成するアダプタ本体110の原水通路部111には、温熱水制御弁131〜134が内装して配置されている。温熱水制御弁は、感温ばね131、制御コマ132、弁体133及びバイアスばね134を有する。感温ばね131は、TiNi合金等の形状記憶合金製の圧縮コイルばねからなる。制御コマ132は、感温ばね131の軸方向一端(図1中左端)乃至先端に取着されている。具体的には、制御コマ132は、ABS樹脂等の材料を一体成形したものであり、基部132a、ばね保持部132b、弁体保持部132d及び当接部132eを有している。基部132aは、図5に示すように、下側に平坦面132xを形成した変形短円筒状乃至円弧筒状をなしている。基部132aは、原水通路部111の内径と略同一の外径を有し、原水通路部111内を軸方向に摺動自在となっている。また、基部132aは、軸方向一端(図1中左端)に端壁132yを一体形成すると共に、端壁132yに複数の通水孔132zを形成している。更に、基部132aの軸方向他端(図1中右端)には、ばね保持部132bが、軸方向に延設して一体形成されている。ばね保持部132bは、基部132aの前記平坦面を除く外周面に、左右一対(基部132aの放射方向に一対)となるよう突出形成されたフランジ状をなし、前記感温ばね131の外径と略同一の内径を有している。これにより、基部132aの端壁132yと左右一対のばね保持部132bとにより囲まれる空間内に、感温ばね131の軸方向一端部乃至先端部を嵌合して挿着自在となっている。
【0030】
基部132aの上側(平坦面132xと放射方向に対向する位置)には、キー溝状(直線溝状)の案内支持溝132cが、基部132aの軸心と平行に延びるよう基部132aの全長にわたって形成されている。なお、アダプタ本体110の原水通路部111の内周面には、前記キー溝状の案内支持溝132cに摺動自在に嵌合するキー状の突条116が一体形成されている。これにより、制御コマ132を原水通路部111に挿入するときに、制御コマ132の案内支持溝132cを原水通路部111の突条116に嵌合することで、制御コマ132を原水通路部111内における周方向の所定角度位置に容易に位置決めして、原水通路部111内に挿着できるようになっている。また、制御コマ132を原水通路部111内に挿着した後は、制御コマ132の案内支持溝132cが原水通路部111の突条116に案内支持されて、制御コマ132が原水通路P2内を軸方向に円滑に摺動自在となると共に、周方向への回動を規制されて所定角度位置に位置決めされた状態で摺動(往復動)するようになっている。更に、弁体保持部132dは、制御コマ132の端壁132yの中央に一体形成され、弁体133を保持して固定するようになっている。具体的には、弁体133は、軸部の一端(図1中左端)に半球状部を一体形成した形状を有し、感温ばね131の先端側の制御コマ132に取付けられている。即ち、弁体133は、その基端側の軸部が弁体保持部132dに挿着して固定され、先端側の半球状部が端壁132y乃至弁体保持部132dから突出して配置されている。これにより、弁体133は、制御コマ132において感温ばね131から離間する方向に突出している。
【0031】
弁体133(球パッキン)は、全体を合成ゴム等の弾性材料により一体形成されているが、これ以外の材料により形成することもできる。しかし、弁体133は、少なくとも前記半球状部の着座部分(半球状部の基端側のリング状部分)を合成ゴム等の弾性材料より形成することが好ましい。なお、弁体保持部132dは、端壁132yの外側面から若干隆起するリング状部分を有している。当接部132eは、基部132aの平坦面132xの中央から下方に突出するよう平坦面132xに一体形成された小半球状をなす。当接部132eは、原水通路部111の原水通路P2において下側に配置され、制御コマ132が基部132aの外周面を原水通路部111の対応する内周面部分に当接して摺動するときに、原水通路部111の対向する位置の内周面部分に当接して摺動自在となっている。バイアスばね134は、軸方向一端部乃至先端部(図1中の左端部)を原水通路部111内のばね取付部115に外嵌して装着されると共に、軸方向他端乃至基端(図1中の右端)を基部132aの端壁132yから隆起する弁体保持部132dのリング状部分の外周に係止して位置決めされ、制御コマ132に接続されるようになっている。なお、バイアスばね134は、圧縮コイルばねからなり、制御コマ132を介して、感温ばね131に外部応力を負荷するものである。このように、温熱水制御弁131〜134は、制御コマ132を挟んで感温ばね131とバイアスばね134とを対向させた状態で、感温ばね131、制御コマ132、弁体133及びバイアスばね134を直線状(軸方向)に配置した二方向性素子からなる。
【0032】
筒体を構成するアダプタ本体110の警告水通路部112には、警告制御弁141〜143が内装して配置されている。警告制御弁は、キャップ141と、弁体142と、圧縮コイルばねからなる圧力ばね143とを有する。キャップ141は、警告水通路部112の下端に螺着して固定される。なお、キャップ141の底壁には複数の小円形孔等からなる散水口が形成され、警告水通路部112に固定された状態で、警告水通路P4に流入した原水は、キャップ141の散水口から散水状態で放出されるようになっている。弁体142は、軸部の一端(図1中上端)に半球状部を一体形成した形状を有し、圧力ばね143の軸方向一端乃至先端(図1中上端)に取付けられている。即ち、弁体142は、その基端側の軸部が圧力ばね143に挿着して保持され、先端側の半球状部が圧力ばね143の先端から突出している。なお、弁体(球パッキン)142は、前記半球状部の着座部142a(半球状部の基端側のリング状部分)を合成ゴム等の弾性材料より形成し、半球状部のそれ以外の部分並びに軸部を快削黄銅等の高耐久剛性材料により一体形成することが好ましいが、これ以外の材料構成で形成することもできる。しかし、弁体142は、少なくとも前記半球状部の着座部142aを合成ゴム等の弾性材料より形成して着座時の水密性を向上する一方、少なくとも半球状部の着座部分より先端側の部分を高耐久性剛性材料より形成して制御コマ132の当接部132eの接触摩擦等に対する耐久性等の特性を向上することが好ましい。そして、警告制御弁は、圧力ばね143の先端に弁体142を取付けた状態で警告水通路部112の警告水通路P4内に収容し、警告水通路部112の先端(下端)にキャップ141を螺着することにより、警告水通路P4内の所定位置に配置されるようになっている。なお、警告水通路部112とキャップ141との間にはOリング144が介装され、それらの間の水密を維持するようになっている。また、警告制御弁の弁体142の前記原水通路P2内への突出部(着座部142aより先端側部分)は、温熱水制御弁の制御コマ132の当接部132eの移動経路上に配置されている。
【0033】
ここで、上記のように、アダプタ本体110の第1の弁座115aは、原水通路P2の軸方向一端側に配置され、温熱水制御弁の弁体133と対応する構成(形状、寸法等)を有し、弁体133が着座自在となっている。そして、アダプタ本体110の原水通路部111は、感温ばね131を原水通路P2の軸方向一端側に配置すると共に、バイアスばね134を原水通路P2の軸方向他端側に配置し、温熱水制御弁の弁体133を第1の弁座115aに対向させて温熱水制御弁を原水通路P2内に収容配置し、その状態で、アダプタソケット120の連結凸部122を原水通路部111の連結凹部としての段付内周面111aに螺着することにより、温熱水制御弁を原水通路P2の所定位置に配置保持するようになっている。また、アダプタ本体110の第2の弁座112aは、警告水通路P4の原水通路P2側(キャップ141と反対側)に配置され、警告制御弁の弁体142と対応する構成(形状、寸法等)を有し、弁体142が着座自在となっている。そして、アダプタ本体110の警告水通路部112は、警告制御弁の弁体142を圧力ばね143により付勢して、その半球状部の着座面を構成する着座部142aを第2の弁座112aに着座させると共に、警告制御弁の弁体142の先端(半球状部の着座部142aより先端側の部分)を原水通路部111の原水通路P2内に突出させた状態で、警告制御弁を警告水通路P4内に収容配置して、警告制御弁の弁体142を常には第2の弁座112aに着座する閉位置に維持するようになっている。そして、温熱水制御弁の弁体133が第1の弁座115aから最も離間する最後退位置(開位置)では、制御コマ132が原水通路P2に突出する警告制御弁の弁体142からコック側接続口側(段付内周面111a側)乃至原水通路P2内の軸方向他端側に離間して配置されるようになっている。即ち、温熱水制御弁の弁体133を、アダプタ本体110の第1の弁座115aに対向するよう(原水通路P2の軸方向一端側に位置するよう)原水通路P2内に収容し、アダプタソケット120の連結凸部122をアダプタ本体110の連結凹部としての断付内周面111aに螺入して連結するときに、アダプタソケット120の連結凸部122の先端により(最収縮状態にある)感温ばね131の基端(軸方向他端)を当接支持し、温熱水制御弁を原水通路P2内に保持するようになっている。なお、感温ばね131は、常温(形状回復温度であるAs点または形状回復開始温度であるMs点未満の温度)では、連結凸部122の螺入に伴い、感温ばね131及び制御コマ132を介して(伸長状態にある)バイアスばね134を圧縮する。そして、連結凸部122を完全に螺入したときに、バイアスばね134が制御コマ132を介して感温ばね131を付勢し、温熱制御弁が所定の配置状態(弁体133が最後退位置にある状態)となるよう、感温ばね131のばね荷重やバイアスばね134のばね荷重等が設定されている。即ち、温熱水制御弁は、アダプタ本体110の原水通路P2に沿って配設され、原水通路P2内の水温が所定温度(形状回復開始温度、例えば、Ms点)未満のときは、バイアスばね134により制御コマ132を介して弁体133を最後退位置に配置し、第1の弁座115aを開放して原水通路P2と給水通路P3とを連通し、コック側接続口と水処理装置側接続口とを連通して、切替コック10からの原水を水処理装置へと供給するようになっている。なお、弁体133の最後退位置では、制御コマ132の当接部132eは、警告制御弁の弁体142の突出部と若干の隙間をおいた直前位置に配置されるようになっている。
【0034】
一方、温熱水制御弁は、原水通路P2内の水温が所定温度(形状回復開始温度、例えば、Ms点)以上となったときに、感温ばね131に形状回復力を発生させて伸長させ、バイアスばね134の付勢力に抗して、制御コマ132を介して弁体133を前進させ、弁体133を第1の弁座115aに近接させ、最終的に着座させるようになっている。即ち、このとき、温熱制御弁は、アダプタ本体110の原水通路P2内で、弁体133により第1の弁座115aを遮蔽して原水通路P2と給水通路P3との連通を遮断すべく、コック側接続口と水処理装置側接続口との連通を遮断する方向に前進して閉動作して、弁体133を最後退位置から最前進位置に配置する。この一方、温熱水制御弁は、前進する弁体133を警告水通路P4の警告制御弁の弁体142と作用的に接続して警告水通路の警告制御弁を連動させることにより警告制御弁を開動作させる。即ち、このとき、温熱水制御弁の制御コマ132の当接部132eが、制御コマ132の前進動作に伴って警告制御弁の弁体142の突出部(半球状部の着座部142aより先端側部分)の中央に乗り上げて当接する最押圧位置となり、圧力ばね143の付勢力に抗して弁体142を最も下方(突出部先端が原水通路部111の内周面と面一となる位置、または、突出部が警告水通路P4の基端内に完全に没入する位置)に押圧し、第2の弁座112aから最も離間させるようになっている。これにより、警告弁装置100は、原水通路P2と警告水通路P4とを連通して、原水通路P2内の所定温度以上の温熱水を警告水通路P4から外部空間に放出して警告水通路P4からの温熱水の放出により温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようになっている。更に、警告弁装置100は、アダプタ本体110の原水通路P2内の水圧が所定圧(例えば、0.6MPa)以上となったときに警告制御弁を開動作させる。即ち、このとき、警告制御弁の弁体142が、アダプタ本体110の原水通路P2内の水圧により下方に押圧され、圧力ばね143の付勢力に抗して第1の弁座112aから離間する。そして、警告弁装置100は、アダプタ本体110の原水通路P2内の所定圧以上の水(冷水または温熱水からなる過給圧水)を警告水通路P4から外部空間に放出することにより水圧警告(過給圧水の警告)を外部から視認可能な状態で行うようになっている。
【0035】
ここで、本実施の形態に係る警告弁装置100は、アダプタソケット120として、複数の異なる切替コック10の給水口の口径及び口形状に対応する口径及び口形状のコック側接続口を有する複数の異なるアダプタソケット120を用意する一方、複数の異なるアダプタソケット120の連結凸部122は同一の口径及び口形状とすると共に、アダプタ本体110としては同一の口径及び口形状の連結凹部(断付内周面)111aを有する単一のアダプタ本体110を用意することができる。こうすると、接続する切替コック10の給水口の口径及び口形状に対応して、複数の異なる構成のアダプタソケット120から、合致する口径及び口形状のコック側接続口を有するアダプタソケット120を選択して、該アダプタソケット120の連結凸部122をアダプタ本体110の連結凹部(断付内周面)111aに連結すると共に、該アダプタソケット120のコック側接続口を切替コック10の給水口に連結することができる。
【0036】
次に、上記のように構成した本実施の形態に係る警告弁装置100の使用方法並びに作用及び効果について説明する。図7は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の通常モードを示す断面図である。図8は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の温熱水警告モードを示す断面図である。図9は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の圧力警告モードを示す断面図である。
【0037】
まず、警告弁装置100は、上記のようにアダプタ本体110に温熱水制御弁131〜134及び警告制御弁141〜143を所定態様で取付け、アダプタ本体110にアダプタソケット120を連結して一体化した状態で、混合水栓に接続した切替コック10,50等の給水口に、アダプタソケット120のコック側接続口を接続して使用される。なお、このとき、切替コック10,50等の給水口の口径及び口形状に適合する口径及び口形状のコック側接続口(雌ねじ121a部分)を有するアダプタソケット120を選択して使用する。これにより、警告弁装置100は、全ての型(タイプ)乃至種類の切替コックに取付可能となる。次に、切替コック10,50等に取付けた警告弁装置100の水処理装置側接続口(配管装着部114)に水処理装置の給水ホースの一端部を外嵌して装着し、押さえナット150を雄ねじ部113に螺合していくことにより、水処理装置の給水ホースの一端部を配管装着部114に固定する。この状態で、混合水栓から水処理装置に給水する場合、混合水栓の冷水側を開栓して、冷水CW(原水)を水処理装置に供給する。
【0038】
すると、混合水栓からの冷水CWが、切替コック10,50等の流入口から内部に流入し、給水路31a及び給水口を介して、警告弁装置100のアダプタソケット120の導水通路P1からアダプタ本体110の原水通路P2に流入する。このとき、アダプタ本体110の原水通路P2内を常温(所定温度未満)の冷水CWが流れると、図7に示すように、バイアスばね134の荷重により、感温ばね131が圧縮されて制御コマ132が最後退位置となり、弁体133が最後退位置に配置維持され、第1の弁座115aは開放状態にある。一方、原水通路P2内の冷水CWの水圧が所定圧未満のときは、警告制御弁も作動しない。よって、アダプタ本体110の原水通路P2内の冷水CWは、第1の弁座115aを介して給水通路P3内に流入し、給水通路P3から水処理装置の配管ホース内に供給される。なお、図7中の矢印は、この場合の冷水CWの流れを示す。
【0039】
一方、使用者が、誤って混合水栓の冷水側ではなく温熱水側を開栓すると、混合水栓からの温熱水HW(温水または熱水)が、切替コック10,50等の流入口から内部に流入し、給水路31a及び給水口を介して、警告弁装置100のアダプタソケット120の導水通路P1からアダプタ本体110の原水通路P2に流入する。このとき、アダプタ本体110の原水通路P2内を常温を超える所定温度以上の温熱水HWが流れ、原水通路P2内の感温ばね131に接触すると、図8に示すように、感温ばね131が形状回復力(発生力)を発揮して、バイアスばね134のばね荷重に抗して伸長する。すると、感温ばね131の伸長に合せて、制御コマ132が原水通路部111の内周面に沿って摺動して原水通路P2内を前進し、制御コマ132に固着した弁体133も、制御コマ132により押圧されて、その最後退位置から、原水通路P2内を第1の弁座115aに向かって前進する。そして、原水通路P2内の温熱水HWの温度が、前記所定温度としての感温ばね131の形状回復開始温度(Ms点)を超え、更に、最大形状回復温度(Af点)以上の温度となると、感温ばね131が最大の形状回復力を発生して最大の伸長状態となり、これにより、弁体133は、最前進位置となり、第1の弁座115aに着座して給水通路P3を完全に遮蔽する。このとき、制御コマ132の前進に伴い、当接部132eも最前進位置となり、原水通路P2内に突出する警告制御弁の弁体142の突出部(着座部142aより先端側部分)に完全に乗り上げてその中央に当接し、圧力ばね143の付勢力に抗して弁体142を下方に最も押圧し、第2の弁座112aから最も離間させる。これにより、警告弁装置100は、原水通路P2と警告水通路P4とを連通して、原水通路P2内の温熱水HWの全部を、警告水通路P4から外部空間に放出して警告水通路P4からの多量の温熱水HWの放出により、温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うことができる。なお、図8中の矢印は、この場合の温熱水HWの流れを示す。したがって、使用者は、警告弁装置100の警告水通路P4から放出される温熱水HWを容易に視認することができ、誤って混合水栓から温熱水HWを流したことの警告を受けることができる。その結果、使用者が、混合水栓のレバー等を操作して給水を停止した後、再度混合水栓の冷水側を開栓したり、或いは、そのまま温熱水側から冷水側に切替えたりすることにより、通常通り冷水CWを切替コック10,50等から警告弁装置100を介して水処理装置に供給することができる。
【0040】
更に、警告弁装置100は、アダプタ本体110の原水通路P2内の水圧が所定圧(例えば、0.6MPa)以上となったときにも警告制御弁を開動作させる。即ち、このとき、図9に示すように、警告制御弁の弁体142が、アダプタ本体110の原水通路P2内の水圧により下方に押圧され、圧力ばね143の付勢力に抗して第1の弁座112aから離間する。したがって、警告弁装置100は、アダプタ本体110の原水通路P2内の所定圧以上の水(過給圧水)を警告水通路P4から外部空間に放出することにより水圧警告(過給圧水の警告)を外部から視認可能な状態で行うことができる。なお、図9中の矢印は、この場合の原水の流れを示す。
【0041】
一方、原水通路P2内の原水(温水)の温度が、感温ばね131の形状回復開始温度(Ms点)以上であるが最大形状回復温度(Af点)未満であるときは、感温ばね131が中程度の形状回復力を発生して中間の伸長状態(図7と図8との中間の状態)となり、制御コマ132及び弁体133が最後退位置と最前進位置との中間位置(図7と図8との中間の位置)となる。これにより、弁体133は、第1の弁座115aに着座する直前の状態(第1の弁座115aに若干隙間をおいて近接する状態)になり、給水通路P3を完全に遮蔽することがなく、原水通路P2内の温水の一部が、第1の弁座115aを介して給水通路P3内に流入する。一方、制御コマ132の当接部132eは、最後退位置と最前進位置との中間位置(図7と図8との中間の位置)となり、警告制御弁の弁体142の突出部(着座部132aより先端側部分)の外周縁と中央との中間位置に乗り上げた状態となる。よって、制御コマ132の当接部132eは、圧力ばね143の付勢力に抗して弁体142を下方に中程度(最下位置より若干手前の位置まで)押圧し、第2の弁座112aから若干離間させる。これにより、警告弁装置100は、原水通路P2と警告水通路P4とを一部連通して、原水通路P2内の所定温度以上の温熱水HWの一部を、警告水通路P4から外部空間に放出して警告水通路P4からの少量の温熱水HWの放出により、温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うことができる。このように、本実施の形態に係る警告弁装置100は、原水通路P2内の原水の温度が高く、水処理装置に大きな影響を与える可能性がある場合は、警告水通路P4から多量の熱水を放出する一方、原水通路P2内の原水の温度がそれほど高くない場合は、熱水の場合とは異なる量(少量)の温水を放出することにより、原水通路P2内の原水の温度の識別を行えるようにもなっている。
【0042】
ここで、前記感温ばね131の形状回復開始温度及び最大形状回復温度は、使用する水処理装置へ影響を与える可能性のある水温範囲を考慮して適宜設定される。本実施の形態に係る警告弁装置100では、例えば、アダプタ本体110の原水通路P2内の水温が、感温ばね131の最大形状回復温度(Af点)未満の一定温度範囲、例えば、形状回復開始温度以上で最大形状回復温度未満の温度(As点以上Af点未満の2相範囲またはR相のときの温度)にあるときは、弁体133を第1の弁座115aの直近に配置して、コック側接続口と水処理装置側接続口との連通を一部遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、制御コマ132の当接部132eにより警告水通路P4の警告制御弁の弁体142を一部押圧して一部開動作させるよう構成することができる。これにより、原水通路P2と警告水通路P4とが一部連通し、原水通路P2内の所定温度(形状回復開始開始温度)以上の温熱水HWの一部が原水通路P2から水処理装置側接続口乃至給水通路P3へと供給されると共に、原水通路P2内の所定温度以上の温熱水HWの他部が、警告水通路P4から外部空間に放出される。
【0043】
この場合、アダプタ本体110の原水通路P2内の水温が前記所定温度(Ms点)未満にあるときは、通常通り、感温ばね131がバイアスばね134の付勢力により最収縮状態となり、弁体133が最後退位置に配置され、制御コマ132が原水通路P2内に突出する警告制御弁の弁体142からコック側接続口側に離間して配置されて、原水通路P2内の全部の水が第1の弁座115aを介して水処理装置側接続口へと供給される。また、原水通路P2内の水温が感温ばね131の最大形状回復温度(Af点)以上にあるときは、感温ばね131がバイアスばね134の付勢力に抗して最伸張状態となり、弁体133が第1の弁座115aに完全に着座する最前進位置に配置されてコック側接続口と水処理装置側接続口との連通を完全に遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、制御コマ132が原水通路P2内に突出する警告制御弁の弁体142に完全に当接し、警告制御弁の弁体142を圧力ばね143の付勢力に抗して第2の弁座112aから完全に離間させて原水通路P2と警告水通路P4とを完全に連通し、原水通路P2内の全ての水が第2の弁座112aを介して警告水通路P4から外部空間に放出される。更に、原水通路P2内の水温が感温ばね131の形状回復開始温度以上で最大形状回復温度未満の一定温度範囲にあるときは、感温ばね131がバイアスばね134の付勢力に抗して最収縮状態と最伸張状態との略中間状態となり、弁体133が第1の弁座115aに近接配置されてコック側接続口と水処理装置側接続口との連通を一部遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、制御コマ132が原水通路P2内に突出する警告制御弁の弁体142に一部当接し、警告制御弁の弁体142を圧力ばね143の付勢力に抗して第2の弁座112aから一部離間させて原水通路P2と警告水通路P4とを一部連通し、原水通路P2内の一部の水が第1の弁座115aを介して水処理装置側接続口へと供給されると共に、原水通路P2内の残りの水が第2の弁座112aを介して警告水通路P4から外部空間に放出される。
【0044】
なお、例えば、感温ばね131の材質(TiとNiとの混合割合等)を選択することにより、前記最大形状回復温度(Af点)は約45〜50℃に設定し、形状回復開始温度は、最大形状回復温度(Af)未満の一定温度範囲、例えば、30〜35℃に設定することができる。
【0045】
また、上記のように、警告弁装置100は、従来の温熱水制御機能を有する切替コックとは異なり、アダプタタイプとして具体化され、切替コック10のタイプ(型式等)に対応して、その給水口(給水部31の先端部)の形状に適合するコック側接続口(連結凹部)を有するアダプタソケット120を用意することにより、全ての切替コック用として実施することが可能となる。
【0046】
ところで、本発明に係る警告弁装置は、ダブルタイプの切替コックの給水側に接続して使用することも可能である。この場合、警告弁装置は、切替コックの原水供給側(水処理装置への給水側)と、水処理装置の原水供給側(給水側)の配管ホース等との間に介装して接続される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を切替コックに接続した状態を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を切替コックに接続した状態を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を異なるタイプの切替コックに接続した状態を示す斜視図である。
【図4】図4は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を切替コックに接続した状態を示す平面図である。
【図5】図5は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置を一部破断して示す分解斜視図である。
【図6】図6は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の組立状態を一部破断して示す斜視図である。
【図7】図7は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の通常モードを示す断面図である。
【図8】図8は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の温熱水警告モードを示す断面図である。
【図9】図9は本発明の一実施の形態に係る警告弁装置の圧力警告モードを示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10:切替コック、50:切替コック
100:警告弁装置、110:アダプタ本体、111a:断付内周面(連結凹部)
112a:第2の弁座、115a:第1の弁座
120:アダプタソケット(筒体)、122:連結凸部
131:感温ばね、132:制御コマ、133:弁体、134:バイアスばね
142:弁体(警告制御弁、リリーフ弁)、142a:着座部
143:圧力ばね(警告制御弁、リリーフ弁)
CW:冷水、HW:温熱水、P2:原水通路、P4:警告水通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合水栓に接続して混合水栓からの原水が流入する流入口と、前記流入口と連通する吐水口と、前記流入口と連通すると共に前記水処理装置への給水側の配管に接続される給水口と、前記流入口と前記吐水口とを連通すると共に前記流入口と前記給水口との連通を遮断する第1の位置と、前記流入口と前記給水口とを連通すると共に前記流入口と前記吐水口との連通を遮断する第2の位置との間で切替自在な切替弁とを備える切替コックと前記水処理装置との間に介装して接続自在な警告弁装置であって、
前記切替コックの給水口に接続自在なコック側接続口と、前記水処理装置の給水側の配管に接続自在な水処理装置側接続口と、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを直線的に連通する直線状の原水通路と、前記原水通路と略直交して延設されて外部空間に連通する警告水通路とを有する筒体と、
前記筒体の警告水通路に配設され、前記原水通路内の水圧が所定圧未満のときは前記原水通路と前記警告水通路との連通を遮断すると共に、前記原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記原水通路と前記警告水通路とを連通するよう動作し、前記原水通路内の原水を前記警告水通路から外部空間に放出して過給圧水の警告を行うリリーフ弁と、
前記筒体の原水通路に沿って配設され、前記原水通路内の水温が所定温度未満のときは前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通すると共に、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに、前記警告水通路のリリーフ弁と作用的に接続して前記リリーフ弁を動作させ、前記原水通路と前記警告水通路とを連通して、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に排出して温熱水の警告を行う温熱水制御弁と
を備えることを特徴とする警告弁装置。
【請求項2】
切替コックと水処理装置との間に介装されて前記切替コックからの原水を前記水処理装置に中継する直線筒状をなし、前記切替コックに接続自在なコック側接続口と、前記水処理装置の給水側の配管に接続自在な水処理装置側接続口と、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを直線的に連通するよう軸心方向に延設された原水通路と、前記原水通路と略直交するよう延設されて外部空間に連通する警告水通路とを有する筒体と、
前記筒体の警告水通路に配設され、前記原水通路内の水圧が所定圧未満のときは前記原水通路と前記警告水通路との連通を遮断すると共に、前記原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記原水通路と前記警告水通路とを連通するよう動作し、前記原水通路内の原水を前記警告水通路から外部空間に放出して前記原水通路内の水圧を制御すると共に、前記警告水通路からの放水により水圧警告を外部から視認可能な状態で行う警告制御弁と、
前記筒体の原水通路に沿って配設され、前記原水通路内の水温が所定温度未満のときは前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通すると共に、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに動作して前記警告水通路の警告制御弁を連動させることにより前記原水通路と前記警告水通路とを連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出して、前記警告水通路からの温熱水の放出により温熱水警告を外部から視認可能な状態で行う温熱水制御弁と
を備えることを特徴とする警告弁装置。
【請求項3】
混合水栓からの原水が流入する流入口、前記原水を水処理装置へ給水する給水口及び前記原水をそのまま吐出する吐水口間で通水路を選択的に形成する切替コックと前記水処理装置との間に介装されて、前記切替コックからの原水を前記水処理装置に中継する筒状をなし、前記切替コックに接続自在なコック側接続口と、前記水処理装置の給水側の配管に接続自在な水処理装置側接続口と、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通する原水通路と、前記原水通路と連通すると共に外部空間に連通する警告水通路とを有する筒体と、
前記筒体の警告水通路に配設され、前記原水通路内の水圧が所定圧未満のときは、前記原水通路と前記警告水通路との連通を遮断すると共に、前記原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記原水通路と前記警告水通路とを連通するよう開動作し、前記原水通路内の原水を前記警告水通路から外部空間に放出して前記原水通路内の水圧を制御する警告制御弁と、
前記筒体の原水通路に配設され、前記原水通路内の水温が所定温度未満のときは、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口とを連通すると共に、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を遮断する方向に閉動作する温熱水制御弁とを備え、
前記筒体の原水通路内の水圧が所定圧以上となったときに前記警告制御弁を開動作させ、前記原水通路内の所定圧以上の水を前記警告水通路から外部空間に放出することにより水圧警告を外部から視認可能な状態で行う一方、前記原水通路内の水温が所定温度以上となったときに前記温熱水制御弁を閉動作させ、前記温熱水制御弁の閉動作に連動して前記警告水通路の警告制御弁を開動作させて前記原水通路と前記警告水通路とを連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出することにより温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようにしたことを特徴とする警告弁装置。
【請求項4】
前記温熱水制御弁は、形状記憶合金製の圧縮コイルばねからなる感温ばねと、前記感温ばねの軸方向一端に取着された制御コマと、前記制御コマに保持されて前記感温ばねから離間する方向に突出する弁体と、圧縮コイルばねからなるバイアスばねとを有し、前記制御コマを挟んで前記感温ばねと前記バイアスばねとを対向させた状態で、前記感温ばね、制御コマ、弁体及びバイアスばねを直線状に配置した二方向性素子からなり、
前記警告制御弁は、圧縮コイルばねからなる圧力ばねと、前記圧力ばねの軸方向一端から突出する弁体とを有し、
前記筒体は、前記原水通路の軸方向一端側に、前記温熱水制御弁の弁体と対応する第1の弁座を有すると共に、前記警告水通路の前記原水通路側に、前記警告制御弁の弁体と対応する第2の弁座を有し、
前記筒体は、前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねにより付勢して前記第2の弁座に着座させると共に、前記警告制御弁の弁体の先端を前記原水通路内に突出させた状態で、前記警告制御弁を前記警告水通路内に収容配置する一方、前記温熱水制御弁の弁体を前記第1の弁座に対向させた状態で前記温熱水制御弁を前記原水通路内に収容配置すると共に、前記温熱水制御弁の弁体が前記第1の弁座から最も離間する最後退位置では、前記制御コマが前記原水通路に突出する前記警告制御弁の弁体から前記コック側接続口側に離間して配置されるようにし、
前記原水通路内の水温が前記所定温度以上となったとき、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して前記制御コマを前記第1の弁座に向かう方向に前進させ、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に当接して前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを連通するようにし、これにより、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出して温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の警告弁装置。
【請求項5】
前記筒体は、アダプタ本体及びアダプタソケットを有し、
前記アダプタ本体は、前記原水通路を軸方向に延設した筒状をなし、その軸方向一端に前記水処理装置側接続口を形成すると共に、軸方向他端に連結凹部を形成し、
前記アダプタソケットは、前記アダプタ本体に対応する筒状をなし、その軸方向一端に前記コック側接続口を形成すると共に、軸方向他端には前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着自在な連結凸部を形成し、
前記アダプタソケットの連結凸部を前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着することにより、前記アダプタソケットを前記アダプタ本体の軸方向他端に一体化すると共に、前記アダプタソケットのコック側接続口と前記アダプタ本体の原水通路とを連通し、前記アダプタソケットのコック側接続口を切替コックの給水口に連結することにより、切替コックの給水口を前記アダプタ本体の原水通路に連通するようにしたことを特徴とする請求項3記載の警告弁装置。
【請求項6】
前記アダプタソケットとして、複数の異なる切替コックの給水口の口径及び口形状に対応する口径及び口形状のコック側接続口を有する複数の異なるアダプタソケットを用意する一方、前記複数の異なるアダプタソケットの前記連結凸部は同一の口径及び口形状とすると共に、前記アダプタ本体としては同一の口径及び口形状の連結凹部を有する単一のアダプタ本体を用意し、
接続する切替コックの給水口の口径及び口形状に対応して、前記複数の異なる構成のアダプタソケットから、合致する口径及び口形状のコック側接続口を有するアダプタソケットを選択して、該アダプタソケットの連結凸部を前記アダプタ本体の連結凹部に連結すると共に、該アダプタソケットのコック側接続口を前記切替コックの給水口に連結するようにしたことを特徴とする請求項5記載の警告弁装置。
【請求項7】
前記筒体は、アダプタ本体及びアダプタソケットを有し、
前記アダプタ本体は、前記原水通路を軸方向に延設した筒状をなし、その軸方向一端に前記水処理装置側接続口を形成すると共に、軸方向他端に連結凹部を形成したものであり、
前記アダプタソケットは、前記アダプタ本体に対応する筒状をなし、その軸方向一端に前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着自在な連結凸部を形成すると共に、軸方向他端に前記コック側接続口を形成したものであり、
前記アダプタ本体の原水通路の軸方向一端側に前記感温ばねを配置すると共に軸方向他端側に前記バイアスばねを配置した状態で、前記温熱水制御弁を前記アダプタ本体の原水通路の軸方向に沿って直線状に収容して配置する一方、前記アダプタソケットの連結凸部を前記アダプタ本体の連結凹部に密嵌して挿着することにより、前記アダプタソケットを前記アダプタ本体の軸方向他端に一体化して、前記アダプタソケットにより前記アダプタ本体の原水通路内の前記感温ばねの基端を当接支持し、前記温熱水制御弁を前記アダプタ本体の原水通路内に保持すると共に、前記アダプタソケットのコック側接続口と前記アダプタ本体の原水通路とを連通し、前記アダプタソケットのコック側接続口を切替コックの給水口に連結することにより、切替コックの給水口を前記アダプタ本体の原水通路に連通するようにしたことを特徴とする請求項4記載の警告弁装置。
【請求項8】
前記アダプタ本体は、前記原水通路を軸方向に延設した略円筒状の原水通路部と、前記原水通路部の軸方向と直交する方向に延びるよう前記原水通路部に一体形成されると共に、前記警告水通路をその軸方向に延設した略円筒状の警告水通路部とを有し、
前記筒体の第1の弁座は、前記アダプタ本体の原水通路部内の原水通路の軸方向一端側に設けられ、
前記筒体の第2の弁座は、前記アダプタ本体の警告水通路部の警告水通路の基端側に設けられ、
前記温熱水制御弁の弁体を前記アダプタ本体の第1の弁座に対向するよう前記原水通路内に収容し、前記アダプタソケットの連結凹部を前記アダプタ本体の連結凸部に連結するときに、前記アダプタソケットの連結凹部の先端により前記感温ばねの基端を当接支持して、前記温熱水制御弁を前記原水通路内に保持すると共に、
前記アダプタ本体は、前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねにより付勢して前記警告水通路部の警告水通路内の第2の弁座に着座させると共に、前記警告制御弁の弁体の先端を前記原水通路部の原水通路内に突出させた状態で、前記警告制御弁を前記警告水通路内に収容配置する一方、前記温熱水制御弁の弁体を前記原水通路部の原水通路内の第1の弁座に対向させた状態で前記温熱水制御弁を前記原水通路内に収容配置すると共に、前記温熱水制御弁の最後退位置では、前記制御コマが前記原水通路に突出する前記警告制御弁の弁体より前記原水通路内の軸方向他端側に離間して位置するようにし、前記原水通路内の水温が前記所定温度以上となったとき、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して前記制御コマを前記第1の弁座に向かう方向に前進させ、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に当接して前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水を前記警告水通路から外部空間に放出することにより温熱水警告を外部から視認可能な状態で行うようにしたことを特徴とする請求項7記載の警告弁装置。
【請求項9】
前記温熱水制御弁は、前記筒体の原水通路内の水温が前記所定温度以上の一定温度範囲にあるときは、前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を一部遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して前記警告水通路の警告制御弁を一部開動作させて前記原水通路と前記警告水通路とを一部連通し、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水の一部を前記原水通路から前記水処理装置側接続口へと供給すると共に、前記原水通路内の所定温度以上の温熱水の他部を前記警告水通路から外部空間に放出することを特徴とする請求項3記載の警告弁装置。
【請求項10】
前記温熱水制御弁は、
前記筒体の原水通路内の水温が前記所定温度としての前記感温ばねの形状回復開始温度未満にあるときは、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力により最収縮状態となり、前記弁体が前記最後退位置に配置され、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体から前記コック側接続口側に離間して配置されて、前記原水通路内の全部の水が前記第1の弁座を介して前記水処理装置側接続口へと供給されるようにし、
前記筒体の原水通路内の水温が前記感温ばねの最大形状回復温度以上にあるときは、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して最伸張状態となり、前記弁体が前記筒体の第1の弁座に完全に着座する最前進位置に配置されて前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を完全に遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に完全に当接し、前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から完全に離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを完全に連通し、前記原水通路内の全ての水が前記第2の弁座を介して前記警告水通路から外部空間に放出されるようにし、
前記筒体の原水通路内の水温が前記感温ばねの形状回復開始温度以上で前記最大形状回復温度未満の一定温度範囲にあるときは、前記感温ばねが前記バイアスばねの付勢力に抗して前記最収縮状態と前記最伸張状態との略中間状態となり、前記弁体が前記筒体の第1の弁座に近接配置されて前記コック側接続口と前記水処理装置側接続口との連通を一部遮断するよう閉動作すると共に、その閉動作に連動して、前記制御コマが前記原水通路内に突出する前記警告制御弁の弁体に一部当接して前記警告制御弁の弁体を前記圧力ばねの付勢力に抗して前記第2の弁座から一部離間させて前記原水通路と前記警告水通路とを一部連通し、前記原水通路内の一部の水が前記第1の弁座を介して前記水処理装置側接続口へと供給されると共に、前記原水通路内の残りの水が前記第2の弁座を介して前記警告水通路から外部空間に放出されるようにしたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の警告弁装置。
【請求項11】
前記警告制御弁の弁体は、前記筒体の第2の弁座に着座する着座部を弾性材料により形成すると共に、前記筒体の原水通路部内に突出する部分を高耐久剛性材料により形成したことを特徴とする請求項4,7,8及び10のいずれか1項記載の警告弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−250246(P2006−250246A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67702(P2005−67702)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(590006309)株式会社早川バルブ製作所 (18)
【Fターム(参考)】