説明

負荷駆動装置

【課題】従来の負荷駆動装置は、電源が正常に接続された場合の待機時において消費電流が増大するという問題があった。
【解決手段】本発明にかかる負荷駆動装置は、電源端子PWRと出力端子OUTとの間に接続された出力トランジスタT1と、出力端子OUTと接地端子GND1との間に接続される負荷11と、出力トランジスタT1のゲートと接地端子GND2との間に接続され、出力トランジスタT1を非導通にする場合に出力トランジスタT1のゲートと接地端子GND2との間を導通する放電トランジスタMN1と、出力端子OUTと接地端子GND2との間に接続され、接地端子GND2の電位が所定値以上となった場合に導通し、出力トランジスタT1の非導通状態を維持する補償トランジスタMN7と、接地端子GND2と補償トランジスタMN7のバックゲートとの間に接続された第1の抵抗R3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は負荷駆動装置に関し、特に負荷への電源供給を制御する出力トランジスタを有する負荷駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給用半導体は、負荷に電源から電力を供給する負荷駆動装置として広く用いられている。応用分野の一つとして、自動車のアクチュエータやランプを駆動するために用いられている。
【0003】
負荷駆動装置では、負荷駆動装置の接地端子と負荷の接地端子とが離れた場所に配置される場合がある。このような場合、両端子間における導電体の抵抗成分によって負荷駆動装置の接地電圧と負荷の接地電圧とに電圧差が生じる場合がある。また、負荷駆動装置はユニットに搭載されることがある。このユニットでは、負荷駆動装置に向けた接地電圧の供給がコネクタを介して行われる。このような場合、コネクタの不良や配線の断線により、負荷駆動装置に接地電圧が供給されない場合がある。つまり、負荷駆動装置の接地端子がオープンな状態になる場合がある。それに加え、負荷駆動装置の接地端子には、構成素子に形成される寄生デバイスにより電圧が与えられる場合がある。
【0004】
接地端子がオープン状態となった場合において、負荷と電源との間のスイッチの役割を持つ出力トランジスタは、ゲート電圧が十分に上昇していないにもかかわらず導通する可能性がある。言い換えると、出力トランジスタはドレイン・ソース間の抵抗値が高い状態で導通する可能性がある。この場合、出力トランジスタは過熱状態となり破壊に至るという問題がある。そのため、接地端子がオープン状態となった場合には、出力トランジスタを非導通状態に維持することが求められる。
【0005】
さらに、負荷駆動装置が自動車等に用いられる場合において、負荷駆動装置が待機状態の場合には、スタンバイ電流をマイクロアンペアのオーダーにして無駄な消費電流を発生させないことが要求される。
【0006】
このような要求に対する解決策が特許文献1に開示されている。図14は、特許文献1に記載された負荷駆動装置1の回路図である。図14に示すように、負荷駆動装置1は、電源10、負荷11、ドライバ回路12、制御回路13、バックゲート制御回路15、補償回路16、出力トランジスタT1、抵抗R10、電源端子PWR、接地端子GND1、接地端子GND2、出力端子OUTを有する。負荷駆動装置の接続については、特許文献中に詳細な説明が記載されているので省略する。
【0007】
次に、負荷駆動装置1の動作について説明する。まず、正常動作のうち出力トランジスタT1が導通するモードについて説明する。導通モードでは、放電トランジスタMN1は、ロウレベルの制御信号S2がゲートに印加されることにより非導通状態となる。また、接地端子GND2には、電源10の負極側電圧VSS(例えば、0V)が供給されるため、補償トランジスタMN7も非導通となる。一方、出力トランジスタT1は、ドライバ回路12から出力されるハイレベルの制御信号S1がゲートに印加されることにより導通状態となる。従って、導通モードでは、出力端子OUTの電圧は電源10の正極側電圧VBとほぼ同じ値となる。また、導通モードでは、第2のスイッチ部15bのNMOSトランジスタMN5、MN6が導通して、第1のスイッチ部15aのNMOSトランジスタMN3、MN4が非導通になる。そのため、補償トランジスタMN7のバックゲートには接地端子GND2の電圧が印加される。このとき、補償トランジスタMN7は、出力端子OUTに接続される端子がドレインとなり、ノードAに接続される端子がソースとなる。
【0008】
次に、正常動作のうち出力トランジスタT1が非導通となる非導通モードについて説明する。非導通モードでは、放電トランジスタMN1は、ハイレベルの制御信号S2がゲートに印加されることにより導通状態となる。また、接地端子GND2には、電源10の負極側電圧VSS(例えば、0V)が供給されるため、補償トランジスタMN7は非導通となる。一方、出力トランジスタT1は、ロウレベルの制御信号S1がゲートに印加されることにより非導通状態となる。従って、非導通モードでは、出力端子OUTの電圧は負荷11の接地電圧GND1の電圧(例えば、0V)とほぼ同じ値となる。また、非導通モードでは、第1のスイッチ部15aのNMOSトランジスタMN3、MN4が非導通となり、第2のスイッチ部15bのNMOSトランジスタMN5、MN6も非導通となる。そのため、バックゲート制御回路15が補償トランジスタMN7のバックゲートに与える電圧は、接地端子GND2と出力端子OUTの電圧差である0Vとなる。
【0009】
続いて、配線の接続不良等により接地端子GND2がオープン状態を示すモード(GND接続不良モード)について説明する。GND接続不良モードでは、出力トランジスタT1が非導通状態であるものとする。そのため、出力端子OUTは0Vとなる。接地端子GND2の電圧が0Vよりも上昇し、補償トランジスタMN7の閾値を超える電圧となると、補償トランジスタMN7は導通して、ノードAと出力端子OUTとの間をショートする。これにより、ノードAには、出力端子OUTの電圧(例えば、0V)が供給される。そのため、放電トランジスタMN1のソース・ドレイン間電圧は実質的に無くなる。従って、放電トランジスタMN1を介して出力トランジスタT1のゲートにはリーク電流が流入することはない。つまり、出力トランジスタT1のゲートにはリーク電流による電圧上昇は発生することがない。それにより、出力トランジスタT1は非導通状態を維持する。また、GND接続不良モードでは、第1のスイッチ部15aのNMOSトランジスタMN3、MN4が導通して、第2のスイッチ部15bのNMOSトランジスタMN5、MN6が非導通となる。そのため、バックゲート制御回路が補償トランジスタMN7のバックゲートに与える電圧は、出力端子OUTの電圧となる。つまり、GND接続不良モードでは、補償トランジスタMN7のバックゲート電圧が0Vとなる。このとき、補償トランジスタMN7は、出力端子OUTに接続される端子がソースとなり、ノードAに接続される端子がドレインとなる。
【0010】
上記の説明により、従来の負荷駆動装置1は、接地配線の接続不良によって接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても、補償トランジスタMN7が導通することによって、ノードAに出力端子OUTの電圧を供給する。それにより、従来の負荷駆動装置1は、放電トランジスタMN1の両端に発生する電圧差を実質的に無くし、放電トランジスタMN1を非導通にする。それにより、放電トランジスタMN1を介して出力トランジスタT1のゲートに流れ込むリーク電流は抑制される。このような動作により、従来の負荷駆動装置1は、接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても、出力トランジスタT1の非導通状態を維持することができる。それにより、従来の負荷駆動装置1は、出力トランジスタT1の発熱を防止して、出力トランジスタT1の破壊を防ぐことができる。つまり、従来の負荷駆動装置1では、接地配線の断線等による不具合に対する信頼性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−165113公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
半導体基板上に図14に示す従来の負荷駆動装置を集積化した場合において、当該負荷駆動装置を動作条件範囲内の高電圧によって動作させた場合、トランジスタMN4、MN6及びMN7に形成される縦型の寄生バイポーラQ4〜Q7が導通し、消費電流が発生するという問題があった。この消費電流の発生について以下に説明する。
【0013】
従来の負荷駆動装置が待機状態の場合において、トランジスタMN4、MN6及びMN7のPウェル(寄生バイポーラQ4〜Q7のベース)は、トランジスタMN4、MN6及びMN7のドレイン/ソース(寄生バイポーラQ4〜Q7のエミッタ)と電気的な接続が取れない。そのため、当該寄生バイポーラのベースがオープンとなる。ここで、寄生バイポーラの降伏電圧は、ベースがオープンの場合のエミッタ−コレクタ間の耐圧BVceoとして表すことができる。
【0014】
図13は、バイポーラの耐圧特性を示した図である。一般に良く知られているように、ベースがオープンの場合のバイポーラの耐圧BVceoと、ベースに電位が与えられた場合のバイポーラの耐圧BVcboとは、電流増幅率hFEにより以下の関係が成り立つ。
【0015】
BVceo=BVcbo/√hFE ・・・(式1)
【0016】
デバイスの開発では、デバイスサイズと耐圧との関係がトレードオフの関係にある。このとき、耐圧BVcboは最適な値をとるように設計される。例えば、40Vの耐圧が必要な場合、通常、デバイスの耐圧BVcboは60V程度となるように設計される。
【0017】
図14に示す寄生バイポーラQ4〜Q7の電流増幅率hFEは、例えば100程度である。つまり(式1)より、耐圧BVceoは耐圧BVcboの約1/3程度である。
【0018】
そのため、従来の負荷駆動装置が待機状態の場合において、寄生バイポーラQ4〜Q7に対して耐圧BVceoよりも高い電圧が与えられると、寄生バイポーラQ4〜Q7がブレークダウンして当該寄生バイポーラに電流が流れる。それにより、従来の負荷駆動装置は消費電流が増大する。
【0019】
このように従来の負荷駆動装置では、補償回路16に設けられたトランジスタのバックゲート及びバックゲート制御回路15に設けられたトランジスタのバックゲートが、負荷駆動装置の待機時にいずれもオープン(ハイインピーダンス)になった。そのため、従来技術の負荷駆動装置では、寄生バイポーラに電流が流れ、消費電流が増大するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に一態様にかかる負荷駆動装置は、電源ラインと出力端子との間に接続された出力トランジスタと、前記出力端子と第1の接地ラインとの間に接続される負荷と、前記出力トランジスタのゲートと第2の接地ラインとの間に接続され、前記出力トランジスタを非導通にする場合に前記出力トランジスタのゲートと第2の接地ラインとの間を導通する放電トランジスタと、前記出力端子と前記第2の接地ラインとの間に接続され、前記第2の接地ラインの電位が所定値以上となった場合に導通し、前記出力トランジスタの非導通状態を維持する補償トランジスタと、前記第2の接地ラインと前記補償トランジスタのバックゲートとの間に接続された第1の抵抗と、を備える。
【0021】
また、本発明の別の態様にかかる負荷駆動装置は、電源ラインと出力端子との間に接続された出力トランジスタと、前記出力端子と第1の接地ラインとの間に接続される負荷と、前記電源ラインと前記第2の接地ラインとの間に接続される電源の極性が逆になった場合に前記出力トランジスタを導通状態にする保護トランジスタと、前記電源の極性が正常の場合に前記第2の接地ラインと前記保護トランジスタのバックゲートとを導通状態に制御するバックゲート制御回路と、前記出力端子と前記第2の接地ラインとの間に接続され、前記第2の接地ラインの電位が所定値以上となった場合に導通し、前記出力トランジスタの導通状態を維持する補償トランジスタと、前記第2の接地ラインと前記補償トランジスタのバックゲートとの間に接続された第1の抵抗と、を備える。
【0022】
上述のような回路構成により、電源が正常に接続された場合の待機時において、消費電流の増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、電源が正常に接続された場合の待機時において、消費電流の増大を抑制することが可能な負荷駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる負荷駆動装置の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる負荷駆動装置において形成される寄生素子を説明するための半導体装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる負荷駆動装置の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる負荷駆動装置において形成される寄生素子を説明するための半導体装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる負荷駆動装置において電源が逆接続された場合の回路図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる負荷駆動装置において形成される寄生素子を説明するための半導体装置の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる負荷駆動装置の回路図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかる負荷駆動装置において形成される寄生素子を説明するための半導体装置の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3にかかる負荷駆動装置において電源が逆接続された場合の回路図である。
【図10】本発明の実施の形態3にかかる負荷駆動装置において形成される寄生素子を説明するための半導体装置の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態4にかかる負荷駆動装置の回路図である。
【図12】本発明の実施の形態4にかかる負荷駆動装置において形成される寄生素子を説明するための半導体装置の断面図である。
【図13】バイポーラトランジスタの耐圧特性を示す図である。
【図14】従来の負荷駆動装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0026】
実施の形態1
図1に実施の形態1にかかる負荷駆動装置2の回路図を示す。図1に示すように、負荷駆動装置2は、電源10、負荷11、ドライバ回路12、制御回路13、バックゲート制御回路18、補償回路16、出力トランジスタT1、抵抗(第2の抵抗)R10、抵抗(第1の抵抗)R3、電源端子PWR、接地端子GND1、接地端子GND2、出力端子OUTを有する。抵抗R3は例えば拡散抵抗である。なお、本実施の形態では、電源10と出力端子OUTとを電源端子PWRを介して接続する配線ラインを電源ラインと称し、接地端子GND1と出力端子OUTとを負荷11を介して接続する配線ラインを第1の接地ラインと称し、電源10と出力端子OUTとを接地端子GND2を介して接続する配線ラインを第2の接地ラインと称す。
【0027】
電源10は、電源端子PWRと、接地端子GND1及びGND2との間に接続される。電源10は、正常接続時において、電源端子PWRに正極側電圧VBを供給し、接地端子GND1及びGND2に負極側電圧VSSを供給する。負荷11は、出力端子OUTと接地端子GND1との間に接続される。負荷11は、例えば、アクチュエータやランプ等であって、負荷駆動装置2において電力の供給先となるものである。
【0028】
ドライバ回路12は、負荷駆動装置2の制御装置である。ドライバ回路12は、出力トランジスタT1のゲートに制御信号S1を供給し、制御回路13に制御信号S2を供給する。本実施の形態においては、制御信号S1、S2は、互いに逆相となる信号であるものとする。ドライバ回路12は制御信号S1、S2によって出力トランジスタT1の導通状態を制御する。
【0029】
制御回路13は、出力トランジスタT1のゲートに接続されるとともに、抵抗R10を介して接地端子GND2に接続される。なお、抵抗R10と制御回路13とは、ノードAを介して接続されている。つまり、制御回路13は、出力トランジスタT1のゲートとノードAとの間に接続される。制御回路13の導通/非導通は、制御信号S2によって制御される。制御回路13は、制御信号S2がハイレベルの場合に導通状態となり、出力トランジスタT1のゲートから電荷の引き抜きを行う。また、制御回路13は、制御信号S2がロウレベルの場合に非導通状態となり、出力トランジスタT1のゲートから電荷の引き抜きを行わない。
【0030】
より具体的には、制御回路13は、放電トランジスタMN1を有する。本実施例の形態では、放電トランジスタMN1としてN型MOSトランジスタを用いる。放電トランジスタMN1では、ドレインが出力トランジスタT1のゲートが接続され、ソース及びバックゲートがノードAに接続される。なお、放電トランジスタMN1のゲートには、制御信号S2が入力される。
【0031】
放電トランジスタMN1のバックゲート及びドレインの間には、寄生素子として、寄生ダイオードD1が形成される。より具体的には、寄生ダイオードD1では、放電トランジスタMN1のバックゲートにアノードが接続され、出力トランジスタT1のゲートにカソードが接続される。ここで、寄生ダイオードD1は、ソース電圧がドレイン電圧よりも高くなった場合に導通する。例えば、ソース電圧がドレイン電圧より0.7V以上高くなった場合に導通する。
【0032】
補償回路16は、出力端子OUTとノードAとの間に接続され、接地端子GND2の電圧が所定の電圧よりも高くなった場合に、ノードAと出力端子OUTとをショートする。補償回路16は、補償トランジスタMN7を有する。本実施例の形態では、補償トランジスタMN7としてN型MOSトランジスタを用いる。補償トランジスタMN7では、ソース/ドレインの一方が出力端子OUTに接続され、ソース/ドレインの他方がノードAに接続され、ゲートが接地端子GND2に接続され、バックゲートが抵抗R3の一方の端子に接続される。
【0033】
なお補償回路16には、寄生素子として、寄生バイポーラQ6、Q7及び寄生ダイオードD3c、D3dが形成される。より具体的には、寄生バイポーラQ6では、補償トランジスタMN7のバックゲートにベースが接続され、補償トランジスタMN7のノードA側のソース/ドレイン拡散領域にエミッタが接続され、電源端子PWRにコレクタが接続される。寄生バイポーラQ7では、補償トランジスタMN7のバックゲートにベースが接続され、補償トランジスタMN7における出力端子OUT側のソース/ドレイン拡散領域にエミッタが接続され、電源端子PWRにコレクタが接続される。寄生ダイオードD3cでは、補償トランジスタMN7のバックゲートにアノードが接続され、補償トランジスタMN7におけるノードA側のソース/ドレイン拡散領域にカソードが接続される。寄生ダイオードD3dでは、補償トランジスタMN7のバックゲートにアノードが接続され、補償トランジスタMN7における出力端子OUT側のソース/ドレイン拡散領域にカソードが接続される。
【0034】
出力トランジスタT1では、ドレインが電源端子PWRに接続され、ソースが出力端子OUTに接続される。なお、出力トランジスタT1のゲートには制御信号S1が供給される。出力トランジスタT1は、制御信号S1がハイレベルの場合に導通状態となり、制御信号S1がロウレベルの場合に非導通状態となる。
【0035】
抵抗R3では、一方の端子が補償トランジスタMN7のバックゲートに接続され、他方の端子がバックゲート制御回路18に接続される。なお抵抗R3には、抵抗の両端と電源端子PWRとの間に、寄生素子として、それぞれ寄生ダイオードD3a、D3bが形成される。より具体的には、寄生ダイオードD3aでは、抵抗13のバックゲート制御回路18側の端子にアノードが接続され、電源端子PWRにカソードが接続される。寄生ダイオードD3bでは、抵抗13の補償回路16側の端子にアノードが接続され、電源端子PWRにカソードが接続される。
【0036】
バックゲート制御回路18は、抵抗R3の他方の端子とノードAとの間に設けられる。そして、バックゲート制御回路18は、抵抗R3を介して、補償トランジスタMN7のバックゲートを制御する。バックゲート制御回路18は、電源10が電源端子PWRに正極側電圧VBが接続されている状態において、接地端子GND2に負極側電圧VSSが接続されているか否かによらず、補償トランジスタMN7のバックゲートにノードAの電圧を与える。
【0037】
より具体的には、バックゲート制御回路18は、第1のNMOSトランジスタMN9を有する。本実施の形態では、第1のNMOSトランジスタMN9としてN型MOSトランジスタを用いる。第1のNMOSトランジスタMN9では、ドレインがノードAに接続され、ソースが抵抗R3の他方の端子に接続され、ゲートが電源端子PWRに接続され、バックゲートがソースに接続される。
【0038】
なお、バックゲート制御回路18には、寄生素子として、寄生バイポーラQ4が形成される。より具体的には、寄生バイポーラQ4では、第1のNMOSトランジスタMN9のバックゲートにベースが接続され、第1のNMOSトランジスタMN9におけるノードA側のドレイン拡散領域にエミッタが接続され、電源端子PWRにコレクタが接続される。
【0039】
次に、電源10が正常に接続されている場合における負荷駆動装置2の動作について説明する。まず、制御信号S1がハイレベルであり、制御信号S2がロウレベルである場合、放電トランジスタMN1が非導通状態、出力トランジスタT1が導通状態となる。そのため、負荷11には電源10が出力する正極側電源VBが電力として供給される。
【0040】
一方、制御信号S1がロウレベルであり、制御信号S2がハイレベルである場合、放電トランジスタMN1が導通状態となり、出力トランジスタT1のゲートから出力端子OUTに対して電荷を引き抜く。そのため、出力トランジスタT1のゲート放電が完了すると、出力トランジスタT1のゲートは0Vとなる。つまり、出力トランジスタT1のゲート・ソース間電圧が0Vとなり、出力トランジスタT1は非導通状態となる。そのため、負荷11には電源10からの電力が供給されず、出力端子OUTの電圧はほぼ0Vとなる。
【0041】
また、電源10が正常に接続されている状態では、第1のNMOSトランジスタMN9は導通状態となるため、補償トランジスタMN7のバックゲートには抵抗R10及び抵抗R3を介して負極側電圧VSSが印加される。このとき、寄生ダイオードD3a〜D3dは逆バイアスされているため非導通状態となる。また、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7はエミッタ・ベース間電圧が実質的に0Vになるようにショートする。そのため、第1のNMOSトランジスタMN9の導通によって、寄生素子からノードAへ流れ込む電流はほとんど発生しない。また、ノードAと接地端子GND2の電圧は実質的に同じになる。そのため、ノードAと出力端子OUTとの間に接続されている補償トランジスタMN7は導通しない。すなわち、補償トランジスタMN7は無効な状態となる。
【0042】
ここで、寄生素子についてより具体的に説明するため、制御回路13、補償回路16、バックゲート制御回路18及び抵抗R3の断面図を図2に示す。図2に示す断面図では、制御回路13、補償回路16、バックゲート制御回路18及び抵抗R3が1つのN型半導体基板に形成される例を示す。
【0043】
図2に示すように、抵抗R3は、N型半導体基板上にP型の拡散領域を用いて形成される。例えば、抵抗R3では、両端に不純物濃度の高いP拡散領域によって抵抗の接続端子が形成される。そして、その接続端子間を接続する不純物濃度の低いP拡散領域によって抵抗部分が形成される。
【0044】
制御回路13の放電トランジスタMN1は、N型半導体基板上にP型半導体領域で形成されるPウェル(以下、場合に応じて放電トランジスタMN1のバックゲートと称す)を有する。そして、Pウェル上にP拡散領域とN拡散領域を有する。P拡散領域は、Pウェルへの電位供給端子となり、放電トランジスタMN1のバックゲート電圧をPウェルに与える。N拡散領域は、放電トランジスタMN1のソースまたはドレイン領域を形成する。ドレインを形成するN拡散領域の周りには、不純物濃度の低いN拡散領域が形成される。このN拡散領域により、放電トランジスタMN1のドレイン・バックゲート間が高耐圧を有する。そして、N型半導体基板の上層であって、2つのN拡散領域に跨る領域には、ゲート酸化膜を介してゲート電極が形成される。
【0045】
補償回路16の補償トランジスタMN7及びバックゲート制御回路18の第1のNMOSトランジスタMN9は、それぞれ、放電トランジスタMN1と実質的に同じ構造を有する素子によって形成される。ただし、補償トランジスタMN7は、ソース及びドレインを形成するいずれのN拡散領域の周りにもN拡散領域が形成され、ドレイン・バックゲート間及びソース・バックゲート間に高耐圧を有する構造を有する。
【0046】
そして、寄生バイポーラQ4は、第1のNMOSトランジスタMN9のバックゲートをベースとし、第1のNMOSトランジスタMN9においてノードAに接続される側のN拡散領域をエミッタとし、N型半導体基板をコレクタとして形成される。寄生バイポーラQ6は、補償トランジスタMN7のバックゲートをベースとし、補償トランジスタMN7においてノードAに接続される側のN拡散領域をエミッタとし、N型半導体基板をコレクタとして形成される。寄生バイポーラQ7は、補償トランジスタMN7のバックゲートをベースとし、補償トランジスタMN7において出力端子OUTに接続される側のN拡散領域をエミッタとし、N型半導体基板をコレクタとして形成される。
【0047】
寄生ダイオードD1は、放電トランジスタMN1のバックゲートをアノードとし、放電トランジスタMN1において出力トランジスタT1のゲートに接続される側のN拡散領域をカソードとして形成される。寄生ダイオードD3aは、抵抗R3において第1のNMOSトランジスタMN9のバックゲートに接続される側のN拡散領域をアノードとし、N型半導体基板をカソードとして形成される。寄生ダイオードD3bは、抵抗R3において補償トランジスタMN7のバックゲートに接続される側のN拡散領域をアノードとし、N型半導体基板をカソードとして形成される。寄生ダイオードD3cは、補償トランジスタMN7のバックゲートをアノードとし、補償トランジスタMN7においてノードAに接続される側のN拡散領域をカソードとして形成される。寄生ダイオードD3dは、補償トランジスタMN7のバックゲートをアノードとし、補償トランジスタMN7において出力端子OUTに接続される側のN拡散領域をカソードとして形成される。
【0048】
一般に、NPNバイポーラは、ベースがオープンの場合よりも、ベースに固定電位が与えられた場合の方が、コレクタ・エミッタ間の耐圧が高い。ここで、従来技術では、寄生バイポーラのベースがオープンになる場合があった。そのため、従来技術では、当該寄生バイポーラのコレクタ・エミッタ間耐圧BVceoが電源10の最大印加電圧以下まで低下してしまう可能性があった。
【0049】
そこで、本実施の形態では、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7のベースに固定電位を与える。それにより、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7のコレクタ・エミッタ間は高耐圧を有する。なお、このときの寄生バイポーラのコレクタ・エミッタ間耐圧は、予め電源10の最大印加電圧よりも高くなるようにデバイス設計される。それにより、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7は、電源10の最大印加電圧まで非導通状態を維持する。
【0050】
図1及び図2に示すように、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7のベースは、いずれも補償トランジスタMN7のバックゲートの配線ラインに接続されている。また、負荷駆動装置2が待機状態(スタンバイ状態で、出力トランジスタT1から負荷11への電力供給を行わない場合)の場合、第1のNMOSトランジスタMN9は導通状態である。このとき、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7のベースには、接地端子GNDを介して電源10の負極側電圧VSSが供給される。これにより、寄生バイポーラQ4、Q6及びQ7は、最大印加電圧まで非導通状態を維持する。つまり、負荷駆動装置2は、当該寄生バイポーラに電流が流れないため、消費電流の増大を抑制することができる。
【0051】
続いて、配線接続不良等により接地端子GND2がオープン状態(以下、単にGND接続不良モードと称す)となった場合における、負荷駆動装置2の動作について説明する。GND接続不良モードでは、出力トランジスタT1が非導通状態であるものとする。そのため、出力端子OUTは0Vとなる。そして、接地端子GND2の電圧が0Vよりも上昇し、補償トランジスタMN7の閾値を超える電圧となると、補償トランジスタMN7は導通して、ノードAと出力端子OUTとの間をショートする。
【0052】
より具体的には、GND接続不良モードでは、バックゲート制御回路18の第1のNMOSトランジスタMN9が導通する。したがって、接地端子GND2から抵抗R10及び抵抗R3を介して、補償トランジスタMN7のバックゲートへ電流が流れる。この電流は寄生ダイオードD3dを介して出力端子OUTに向けて流れる。一方、寄生ダイオードD3cは、カソードがノードAに接続されているので、実質的にアノードとカソードとが同じ電圧になる。したがって、寄生ダイオードD3cには電流が流れない。なお、寄生ダイオードD3a、D3bは、カソード側の電圧が正極側電圧VBであるため順方向電圧が発生しない。
【0053】
ここで、抵抗R3の抵抗値を予め調整することにより、寄生ダイオードD3dの順方向電圧が寄生バイポーラQ7の閾値電圧を超えないようにしておく。それにより、寄生ダイオードD3dの順方向電圧は例えば約0.5V程度となる。寄生バイポーラQ7は、エミッタ・ベース間電圧が0.7V程度以下となるため、非導通状態となる。つまり、補償トランジスタMN7のバックゲートの電圧は、出力端子OUTの電圧(例えば0V)から約0.5V程度高い電圧となる。このとき、補償トランジスタMN7は、出力端子OUTに接続されている側がソース、ノードAが接続されている側がドレインとなる。そして、補償トランジスタMN7のゲートには、ノードAの電圧とほぼ同じ電圧が印加される。そのため、補償トランジスタMN7は導通状態となる。
【0054】
これにより、ノードAには出力端子OUTの電圧(例えば0V)が供給される。そのため、放電トランジスタMN1のソース・ドレイン間の電位差は実質的に無くなる。従って、放電トランジスタMN1を介して出力トランジスタT1のゲートにリーク電流が流入することはない。つまり、出力トランジスタT1は非導通状態を維持する。
【0055】
上記の説明により、本実施の形態にかかる負荷駆動装置2は、接地配線の接続不良によって接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても、補償トランジスタMN7が導通することによって、ノードAに出力端子OUTの電圧を供給する。それにより、本実施の形態にかかる負荷駆動装置2は、放電トランジスタMN1の両端に発生する電位差を実質的になくし、放電トランジスタMN1を非導通状態にする。それにより、放電トランジスタMN1を介して出力トランジスタT1のゲートに流れ込むリーク電流は防止される。このような動作により、本実施の形態にかかる負荷駆動装置2は、接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても、出力トランジスタT1の非導通状態を維持することができる。それにより、本実施の形態にかかる負荷駆動装置2は、接地端子GND2の電圧上昇による出力トランジスタT1の発熱を防止し、出力トランジスタT1の破壊を防ぐことができる。つまり、本実施の形態にかかる負荷駆動装置2では、接地配線の断線等による不具合に対する信頼性を向上することができる。
【0056】
実施の形態2
上記負荷駆動装置2では、接地端子GND2の電圧の上昇による出力トランジスタT1のオフ状態に関する不具合を解決できる。しかしながら、電源10が逆接続された場合における負荷駆動装置の保護を実現することはできない。そこで、実施の形態2では、接地端子GND2の電圧の上昇による出力トランジスタT1のオフ状態に関する不具合の解決に加え、電源10の逆接続時の保護も実現する。
【0057】
さらに、本実施の形態では次の問題も解決する。前述のように、負荷駆動装置が自動車等に用いられる場合、負荷11側の接地端子GND1と、制御回路13側の接地端子GND2とは、それぞれ異なる場所で接地される。そのため、両端子間に電位差が存在することがある。ここで、実施の形態1の負荷駆動装置2では、電源10が正常に接続された場合の待機時において、接地端子GND1の電位よりも接地端子GND2の電位が高い場合、出力トランジスタT1を確実に非導通にすることができない可能性がある。一方、本実施の形態の負荷駆動装置3では、電源10が正常に接続された場合の待機時において、接地端子GND1の電位と接地端子GND2の電位とが異なる場合でも、確実に出力トランジスタT1を非導通にすることが可能である。
【0058】
図3に実施の形態2にかかる負荷駆動装置3の回路図を示す。図3に示す負荷駆動装置3は、図1に示す負荷駆動装置2と比較して、保護ダイオード(例えば、クランプダイオード)D10と、抵抗(第3の抵抗)R2と、抵抗(第4の抵抗)R11と、逆接続保護回路17と、をさらに備える。抵抗R2は例えば拡散抵抗である。なお、以下の説明では、実施の形態1と同様のものについては実施の形態1と同様の符号を付して説明は省略する。
【0059】
制御回路13は、実施の形態1における制御回路13と同様のものであるが、放電トランジスタMN1のソース及びバックゲートの接続先が実施の形態1とは異なる。実施の形態2では、放電トランジスタMN1のソースは、出力端子OUTに接続される。また、放電トランジスタMN1のバックゲートは抵抗R2を介して出力端子OUTに接続される。
【0060】
放電トランジスタMN1には、寄生素子として、寄生ダイオードD1に加え、さらに寄生バイポーラQ1が形成される。より具体的には、寄生バイポーラQ1では、放電トランジスタMN1のバックゲートにベースが接続され、出力トランジスタT1のゲートにエミッタが接続され、電源端子PWRにコレクタが接続される。なお、図1に示す負荷駆動装置2の場合にも、放電トランジスタMN1に寄生バイポーラQ1が形成されている。しかし、寄生バイポーラQ1の動作は、電源10が逆接続された場合にのみ問題となるため、図1には寄生バイポーラQ1を図示していない。
【0061】
また抵抗R2には、寄生素子として、寄生ダイオードD1a、D1bが形成される。寄生ダイオードD1aでは、アノードが抵抗R2の出力端子OUT側の端子に接続され、カソードが電源端子PWRに接続される。寄生ダイオードD2bでは、アノードが抵抗R2における放電トランジスタMN1のバックゲート側の端子に接続され、カソードが電源端子PWRに接続される。
【0062】
ダイオードD10では、カソードが電源端子PWRに接続され、アノードが抵抗R10を介して接地端子GND2に接続される。なお、ダイオードD10のアノード側のノードをノードBと称す。つまり、実施の形態1でノードAと称していたものは、実施の形態2ではノードBと称す。
【0063】
逆接続保護回路17は、出力トランジスタT1のゲートに接続されるとともに、抵抗R11を介して接地端子GND2に接続される。なお、抵抗R11と逆接続保護回路17とは、ノードCを介して接続されている。つまり、逆接続保護回路17は、出力トランジスタT1のゲートとノードCとの間に接続される。逆接続保護回路17は、電源10が逆接続された場合に出力トランジスタT1のゲートに電荷を供給して、出力トランジスタT1を導通させる。
【0064】
逆接続保護回路17は保護トランジスタMN8を有する。本実施例の形態では、保護トランジスタMN8としてN型MOSトランジスタを用いる。保護トランジスタMN8では、ソース/ドレインの一方が出力トランジスタT1のゲートに接続され、ゲート及びソース/ドレインの他方がノードCに共通接続され、バックゲートが抵抗R3の一方の端子に接続される。
【0065】
逆接続保護回路17には、寄生素子として、寄生バイポーラQ8、Q9及び寄生ダイオードD3e、D3fが形成される。より具体的には、寄生バイポーラQ8では、保護トランジスタMN8のバックゲートにベースが接続され、保護トランジスタMN8においてノードC側のソース/ドレイン拡散領域にエミッタが接続され、電源端子PWRにコレクタが接続される。寄生バイポーラQ9では、保護トランジスタMN8のバックゲートにベースが接続され、保護トランジスタMN8において出力トランジスタT1のゲート側のソース/ドレイン拡散領域にエミッタが接続され、電源端子PWRにコレクタが接続される。寄生ダイオードD3eでは、保護トランジスタMN8のバックゲートにアノードが接続され、保護トランジスタMN7においてノードC側のソース/ドレイン拡散領域にカソードが接続される。寄生ダイオードD3fでは、保護トランジスタMN8のバックゲートにアノードが接続され、保護トランジスタMN8において出力トランジスタT1のゲート側のソース/ドレイン拡散領域にカソードが接続される。
【0066】
補償回路16は、実施の形態1における補償回路16と同様のものであるが、補償トランジスタMN7のソース/ドレインの他方の端子及びゲートの接続先が実施の形態1とは異なる。実施の形態2の補償トランジスタMN7では、ソース/ドレインの一方の端子が出力端子OUTに接続され、ソース/ドレインの他方の端子がノードCに接続され、ゲートがノードBに接続され、バックゲートが抵抗R3の一方の端子に接続される。また、寄生バイポーラQ6のエミッタは、実施の形態1と異なり、ノードCに接続される。抵抗R11は、接地端子GND2とノードCとの間に直列に接続される。
【0067】
次に、電源10が正常に接続されている場合における負荷駆動装置3の動作について説明する。まず、制御信号S1がハイレベルであり、制御信号S2がロウレベルである場合、放電トランジスタMN1が非導通状態であり、出力トランジスタT1は導通状態となる。そのため、負荷11には電源10が出力する正極側電源VBが電力として供給される。
【0068】
一方、制御信号S1がロウレベルであり、制御信号S2がハイレベルである場合、放電トランジスタMN1が導通状態となり、出力トランジスタT1のゲートから出力端子OUTに対して電荷を引き抜く。そのため、出力トランジスタT1のゲート放電が完了すると、出力トランジスタT1のゲートは0Vとなる。つまり、出力トランジスタT1のゲート・ソース間電圧が0Vとなり、出力トランジスタT1は非導通状態となる。そのため、負荷11には電源10からの電力が供給されず、出力端子OUTの電圧はほぼ0Vとなる。
【0069】
また、電源10が正常に接続されている状態では、第1のNMOSトランジスタMN9は導通状態となるため、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲートには抵抗R10及び抵抗R3を介して負極側電圧VSSが印加される。このとき、寄生ダイオードD3a〜D3fは逆バイアスされているため非導通となる。また、寄生バイポーラQ4、Q6〜Q9はエミッタ・ベース間電圧が実質的に0Vになるようにショートする。そのため、第1のNMOSトランジスタMN9の導通によって、寄生素子からノードBへ流れ込む電流はほとんど発生しない。また、ノードBと接地端子GND2の電圧は実質的に同じになる。つまり、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8は、負極側電圧VSSに応じた電圧がバックゲートに供給されるため、非導通状態となる。すなわち、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8は無効な状態となる。
【0070】
ここで、寄生素子についてより具体的に説明するため、制御回路13、補償回路16、バックゲート制御回路18、逆接続保護回路17、抵抗2及び抵抗R3の断面図を図4に示す。図4に示す断面図では、制御回路13、補償回路16、バックゲート制御回路18、逆接続保護回路17、抵抗2及び抵抗R3が1つのN型半導体基板に形成される例を示す。なお、以下の説明では、実施の形態1と同様のものについては実施の形態1と同様の符号を付して説明は省略する。
【0071】
図4に示すように、放電トランジスタMN1、補償トランジスタMN7、保護トランジスタMN9及び抵抗R3は、それぞれ、図2に示した負荷駆動装置2と実質的に同じ構造を有する。
【0072】
逆接続保護回路17の保護トランジスタMN8は、放電トランジスタMN1と実質的に同じ構造を有する素子によって形成される。ただし、保護トランジスタMN8は、ソース及びドレインを形成するいずれのN拡散領域の周りにもN拡散領域が形成され、ドレイン・バックゲート間及びソース・バックゲート間に高耐圧を有する構造を有する。また、抵抗R2は、抵抗R3と実質的に同じ構造を有する素子によって形成される。
【0073】
そして、寄生バイポーラQ1は、放電トランジスタMN1のバックゲートをベースとし、放電トランジスタMN1において出力トランジスタT1のゲートに接続される側のN拡散領域をエミッタとし、N型半導体基板をコレクタとして形成される。寄生ダイオードD1aは、抵抗R2において出力端子OUTに接続される側のP拡散領域をアノードとし、N型半導体基板をカソードとして形成される。寄生ダイオードD1bは、抵抗R2において放電トランジスタQ1のバックゲートに接続される側のP拡散領域をアノードとし、N型半導体基板をカソードとして形成される。
【0074】
寄生バイポーラQ8は、保護トランジスタMN8のバックゲートをベースとし、保護トランジスタMN8においてノードCに接続される側のN拡散領域をエミッタとし、N型半導体基板をコレクタとして形成される。寄生バイポーラQ9は、保護トランジスタMN8のバックゲートをベースとし、保護トランジスタMN8において出力トランジスタT1のゲートに接続される側のN拡散領域をエミッタとし、N型半導体基板をコレクタとして形成される。寄生ダイオードD3eは、保護トランジスタMN8のバックゲートをアノードとし、保護トランジスタMN8においてノードCに接続される側のN拡散領域をカソードとして形成される。寄生ダイオードD3fは、保護トランジスタMN8のバックゲートをアノードとし、保護トランジスタMN8において出力トランジスタT1のゲートに接続される側のN拡散領域をカソードとして形成される。
【0075】
ここで図3及び図4に示すように、寄生バイポーラQ4、Q6〜Q9のベースは、いずれも補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲートの配線ライン上に接続されている。また、負荷駆動装置3が待機状態の場合、第1のNMOSトランジスタMN9は導通状態である。したがって、寄生バイポーラQ4、Q6〜Q9のベースには、接地端子GNDを介して電源10の負極側電圧VSSが供給される。これにより、寄生バイポーラQ4、Q6〜Q9は、実施の形態1の場合と同様に、最大印加電圧まで非導通状態を維持する。つまり、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、当該寄生バイポーラに電流が流れないため、消費電流の増大を抑制することができる。
【0076】
続いて、配線接続不良等により接地端子GND2がオープン状態(GND接続不良モード)となった場合における、負荷駆動装置3の動作について説明する。なお、GND接続不良モードでは、出力トランジスタT1が非導通状態であるものとする。ここで、放電トランジスタMN1は出力トランジスタT1のゲートと出力端子OUTとの間に接続されている。そのため、放電トランジスタMN1は、GND接続不良モードにおいて、補償トランジスタMN7の状態に関わらず、接地端子GND2からのリーク電流を出力トランジスタT1のゲートへ流すことはない。そのため、寄生バイポーラQ1も非導通状態を示す。すなわち、寄生バイポーラQ1は無効な状態となっている。
【0077】
補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲートは、第1のNMOSトランジスタMN9が導通することにより、実施の形態1の場合と同様に約0.5V程度の電圧となる。そのため、保護トランジスタMN8は、出力端子OUTに接続されている側がソース、ノードCに接続されている側がドレインとなり、導通状態を示す。また、補償トランジスタMN7も、実施の形態1と同様の理由で導通状態となるため、ノードCの電圧が出力端子OUTの電圧(例えば0V)となる。これにより、保護トランジスタMN8のドレインとソースは同じ電圧となり、保護トランジスタMN8を介して出力トランジスタT1のゲートに電流が流れ込まない。つまり、出力トランジスタT1は非導通状態を維持する。
【0078】
上記の説明により、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、接地配線の接続不良によって接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても、補償トランジスタMN7が導通することによって、ノードCに出力端子OUTの電圧を供給する。それにより、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、保護トランジスタMN8の両端に発生する電位差を実質的になくし、保護トランジスタMN8を非導通状態にする。それにより、保護トランジスタMN8を介して出力トランジスタT1のゲートに流れ込むリーク電流は防止される。このような動作により、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても出力トランジスタT1の非導通状態を維持することができる。それにより、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、接地端子GND2の電圧上昇による出力トランジスタT1の発熱を防止し、出力トランジスタT1の破壊を防ぐことができる。つまり、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3では、接地配線の断線等による不具合に対する信頼性を向上することができる。
【0079】
続いて、電源10が誤って逆接続された場合の動作モード(以下逆接続モードと称す)での、負荷駆動装置3の動作について説明する。図5に逆接続モードにおける負荷駆動装置3の回路図を示す。また、図6に逆接続モードにおける負荷駆動装置3を構成するデバイスの断面図を示す。
【0080】
逆接続モードでは、電源10の正極側電圧VBと負極側電圧VSSの接続が逆になる。また、それにより寄生バイポーラQ1、Q4、Q6〜Q9のエミッタとコレクタがそれぞれ逆になる。これは、電源10の逆接続により、高電位側と低電位側が逆になるためである。なお各寄生バイポーラは、電源10が正常に接続されている場合と比較して、エミッタとコレクタが異なるが、電源10が正常に接続されている場合と同じ記号を付している。
【0081】
逆接続モードでは、接地端子GND2からダイオードD10を介して電源端子PWRに向けて電流が流れることにより、ノードBの電圧はダイオードD10の順方向電圧(例えば0.7V)となる。また、負荷11及び出力トランジスタT1のバックゲート・ドレイン間のダイオードを介して接地端子GND1から電源端子PWRに向けて電流が流れることにより、出力端子OUTの電圧は出力トランジスタT1の寄生ダイオード(バックゲート・ドレイン間のダイオード)の順方向電圧(例えば0.7V)となる。ここで、保護トランジスタMN8を導通させることができれば、正極側電圧VBが供給される接地端子GND2から、出力トランジスタT1のゲートに対して電荷が供給され、出力トランジスタT1を導通させることができる。それにより負荷駆動装置3は、出力トランジスタT1の発熱を抑制して当該負荷駆動装置の破壊を防止することができる。
【0082】
第1のNMOSトランジスタMN9は、ゲートに負極側電圧VSSが印加されるため、非導通状態となる。このとき、補償トランジスタMN7のバックゲート電圧は、寄生ダイオードD3dにより、出力端子OUTの電圧より0.7V以下だけ高い電圧となる。同様に、保護トランジスタMN8のバックゲートの電圧は、寄生ダイオードD3fにより、出力端子OUTの電圧より0.7V以下だけ高い電圧となる。これは、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲート電圧が低電圧になることを意味している。このとき、補償トランジスタMN7では、ゲート(ノードB)が0.7V程度、ドレイン(ノードC)は高電位、ソース(出力端子OUT)及びバックゲートは0.7V程度となり、非導通状態となる。一方、保護トランジスタMN8では、ゲートとドレイン(ノードC)が高電位、ソース(出力端子OUT)、バックゲートが0.7V程度となり、導通状態となる。これにより、接地端子GND2から保護トランジスタMN8を介して、出力トランジスタT1のゲートに電荷が供給される。
【0083】
このとき、放電トランジスタMN1に形成される寄生バイポーラQ1が導通すると、出力トランジスタT1のゲート電荷を引き抜いて、出力トランジスタT1の導通を妨げる可能性がある。つまり逆接続モードにおいては、接地端子GND1から負荷11及び放電トランジスタMN1のバックゲートを介して電源端子PWRへ電流が流れる経路が存在する。そこで、抵抗R2の両端に形成される寄生ダイオードD1a、D1bによって、寄生バイポーラQ1の導通を防ぐ。
【0084】
つまり、逆接続モードにおいて、抵抗R2を介して寄生ダイオードD1へ電流が流れるとき、抵抗R2の影響により寄生ダイオードD1bには寄生ダイオードD1aよりも小さな電流が流れる。このとき、寄生ダイオードD1aには0.7V程度の順方向電圧が、寄生ダイオードD2bには0.5V程度の順方向電圧が発生する。寄生ダイオードD1bの順方向電圧は、寄生バイポーラQ1のベース・エミッタ間電圧と同じであるため、寄生バイポーラQ1は非導通となる。これにより、保護トランジスタMN8から出力トランジスタT1のゲートへ供給される電荷は、寄生バイポーラQ1によって引き抜かれることはなく、出力トランジスタT1は導通状態となる。
【0085】
このように本実施の形態では、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、電源10の逆接続時に出力トランジスタT1を導通することにより、当該出力トランジスタT1の発熱を抑制して負荷駆動装置3の破壊を防止することができる。さらに、本実施の形態にかかる負荷駆動装置3は、電源10が正常に接続されている場合の待機時において、出力トランジスタT1のゲート及びドレインをショートするため、接地端子GND1及び接地端子GND2の電位差に関わらず、確実に出力トランジスタT1を非導通にすることができる。
【0086】
実施の形態3
図7に実施の形態3にかかる負荷駆動装置4の回路図を示す。また、図8に実施の形態3にかかる負荷駆動装置4を構成するデバイスの断面図を示す。さらに、図9及び図10に電源逆接続時の負荷駆動装置4の回路図及び負荷駆動装置4を構成するデバイスの断面図を示す。負荷駆動装置4は、負荷駆動装置3のバックゲート制御回路18の変形例としてバックゲート制御回路18bを有する。負荷駆動装置4において負荷駆動装置3と同様のものについては、負荷駆動装置3と同じ符号を付して説明を省略する。
【0087】
負荷駆動装置4のバックゲート制御回路18bは、負荷駆動装置3のバックゲート制御回路18と比較して、逆接続モードにおいて、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲートを低インピーダンスで出力端子OUTの電位にショートすることにより、より安定な動作を得ることができる。
【0088】
負荷駆動装置4のバックゲート制御回路18bは、第1のNMOSトランジスタMN9に加え、さらに第2のNMOSトランジスタMN10を有する。第2のNMOSトランジスタMN10では、ノードCにゲートが接続され、出力端子OUTにドレインが接続され、第1のNMOSトランジスタMN9のソースにソース及びバックゲートが接続される。
【0089】
次に、負荷駆動装置4の動作について説明する。ここで、第2のNMOSトランジスタは、正常時の動作及びGND接続不良モードにおいてゲートに負極側電圧VSSが印加されるため、非導通状態を示す。つまり、正常時の動作及びGND接続不良モードにおける負荷駆動装置4の動作は、負荷駆動装置3の動作と実質的に同じであるため、説明を省略する。
【0090】
逆接続モードにおいて、第2のNMOSトランジスタMN10は、ゲート(ノードC)が高電位、ドレインが0.7V程度(出力端子OUT)、ソース及びバックゲートが0.7V程度となるため導通する。第2のNMOSトランジスタMN10の導通により、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲートは出力端子OUTの電圧と同じになる。つまり、補償トランジスタMN7及び保護トランジスタMN8のバックゲートに対して出力端子OUTの電圧を低インピーダンスで供給する。これにより、保護トランジスタMN8が導通し、出力トランジスタT1を導通することができる。このように本実施の形態では、実施の形態2の場合と同様の効果を得ることができる。
【0091】
実施の形態4
図11に実施の形態4にかかる負荷駆動装置5の回路図を示す。また、図12に実施の形態4にかかる負荷駆動装置5を構成するデバイスの断面図を示す。負荷駆動装置5は、負荷駆動装置2と比較して、バックゲート制御回路18を有しない。そのため、負荷駆動装置5は、負荷駆動装置2よりも少ない構成素子で機能を実現できる。
【0092】
負荷駆動装置5の動作について説明する。正常時の動作では、補償トランジスタMN7のバックゲートには抵抗R3及び抵抗R10を介して接地端子GND2の電圧(負極側電圧VSS)が供給される。そのため、補償トランジスタMN7は非導通状態となる。同様に寄生バイポーラQ6、Q7のベースには、負極側電圧VSSが供給されるため、電源10が高電圧の状態においても、寄生バイポーラQ6、Q7は非導通状態を維持する。つまり負荷駆動装置5は、待機状態の場合において、寄生バイポーラQ6、Q7に電流が流れないため、消費電流の増大を抑制することができる。また、寄生ダイオードD3a、D3bも逆バイアスされており、非導通状態となっている。
【0093】
GND接続不良モードでは、接地端子GND2の電圧が高くなると、接地端子GND2から抵抗R10及び抵抗R3を介して寄生ダイオードD3dに電流経路が形成される。この電流は寄生ダイオードD3dを介して出力端子OUTに向けて流れる。一方、寄生ダイオードD3cは、カソードがノードAに接続されているので、実質的にアノードとカソードとが同じ電圧になる。したがって、寄生ダイオードD3cには電流が流れない。なお、寄生ダイオードD3a、D3bは、カソード側の電圧が正極側電圧VBであるため順方向電圧が発生しない。ここで、抵抗R3の抵抗値を予め調整することにより、実施の形態1にかかる負荷駆動装置2と同じ理由で、寄生ダイオードD3dの順方向電圧が寄生バイポーラQ7の閾値電圧を超えないようにしておくことができる。それにより、寄生バイポーラQ7は非導通状態となる。このとき、補償トランジスタMN7は、出力端子OUTに接続されている側がソース、ノードAが接続されている側がドレインとなり、ノードAの電圧とほぼ同じ電圧がゲートに印加される。そのため、補償トランジスタMN7は導通状態となる。このように本実施の形態では、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0094】
以上により、上記実施の形態にかかる負荷駆動装置は、接地配線の接続不良によって接地端子GND2の電圧が上昇した場合であっても、出力トランジスタT1の非導通状態を維持し、出力トランジスタT1の過熱による破壊を防止することができる。さらに、上記実施の形態にかかる負荷駆動装置は、電源10が正常に接続された場合の待機時において、当該負荷駆動装置が許容する最大電源電圧で動作した場合でも、寄生バイポーラの非導通状態を維持し、消費電力の増大を抑制することができる。
【0095】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記実施の形態では、各素子が1つの半導体基板上に形成される例を説明したが、これに限られない。つまり本発明は、1つの半導体基板に各素子が形成されるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0096】
2〜5 負荷駆動装置
10 電源
11 負荷
12 ドライバ回路
13 制御回路
16 補償回路
17 逆接続保護回路
18、18b バックゲート制御回路
D10 保護ダイオード
T1 出力トランジスタ
R2、R3、R10、R11 抵抗
MN1 放電トランジスタ
MN7 補償トランジスタ
MN8 保護トランジスタ
MN9 第1のNMOSトランジスタ
MN10 第2のNMOSトランジスタ
Q1、Q4、Q6〜Q9 寄生バイポーラ
D1、D1a、D1b、D4 寄生ダイオード
D3a〜D3f 寄生ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ラインと出力端子との間に接続された出力トランジスタと、
前記出力端子と第1の接地ラインとの間に接続される負荷と、
前記出力トランジスタのゲートと第2の接地ラインとの間に接続され、前記出力トランジスタを非導通にする場合に前記出力トランジスタのゲートと第2の接地ラインとの間を導通する放電トランジスタと、
前記出力端子と前記第2の接地ラインとの間に接続され、前記第2の接地ラインの電位が所定値以上となった場合に導通し、前記出力トランジスタの非導通状態を維持する補償トランジスタと、
前記第2の接地ラインと前記補償トランジスタのバックゲートとの間に接続された第1の抵抗と、を備えた負荷駆動装置。
【請求項2】
前記電源ラインと前記第2の接地ラインとの間に接続される電源の極性が正常の場合に、前記第2の接地ラインと前記保護トランジスタのバックゲートとを導通状態に制御するバックゲート制御回路をさらに備えた請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項3】
電源ラインと出力端子との間に接続された出力トランジスタと、
前記出力端子と第1の接地ラインとの間に接続される負荷と、
前記電源ラインと前記第2の接地ラインとの間に接続される電源の極性が逆になった場合に前記出力トランジスタを導通状態にする保護トランジスタと、
前記電源の極性が正常の場合に前記第2の接地ラインと前記保護トランジスタのバックゲートとを導通状態に制御するバックゲート制御回路と、
前記出力端子と前記第2の接地ラインとの間に接続され、前記第2の接地ラインの電位が所定値以上となった場合に導通し、前記出力トランジスタの導通状態を維持する補償トランジスタと、
前記第2の接地ラインと前記補償トランジスタのバックゲートとの間に接続された第1の抵抗と、を備えた負荷駆動装置。
【請求項4】
前記バックゲート制御回路は、
さらに、前記電源の極性が正常の場合に前記第2の接地ラインと前記補償トランジスタのバックゲートとを導通状態に制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の負荷駆動装置。
【請求項5】
前記バックゲート制御回路と前記第2の接地ラインとの間に設けられた第2の抵抗と、
前記第2の抵抗と前記バックゲート制御回路との間のノードにアノードが接続され、前記電源ラインにカソードが接続された保護ダイオードと、をさらに備えた請求項2〜4のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項6】
前記バックゲート制御回路は、
前記第2の接地ラインと前記保護トランジスタのバックゲートとの間の導通/非導通を前記電源ラインの電圧に応じて制御する第1のトランジスタを備えた請求項2〜5のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項7】
前記バックゲート制御回路は、
前記保護トランジスタのバックゲートと前記出力端子との間の導通/非導通を前記第2の接地ラインの電圧に応じて制御する第2のトランジスタをさらに備えた請求項6に記載の負荷駆動装置。
【請求項8】
前記出力トランジスタのゲート及びソースの間に接続され、前記出力トランジスタを非導通にする場合に前記出力トランジスタのゲート及びソースの間を導通する放電トランジスタと、
前記放電トランジスタのバックゲートと前記出力トランジスタのソースとの間に接続された第3の抵抗と、をさらに備えた請求項3〜7のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項9】
前記第3の抵抗は拡散抵抗であることを特徴とする請求項8に記載の負荷駆動装置。
【請求項10】
前記補償トランジスタは、
ソースまたはドレインの一方が前記出力端子に接続され、ソースまたはドレインの他方が前記第2の抵抗を介して前記第2の接地ラインに接続され、ゲートが前記第2の接地ラインに接続され、バックゲートが前記第1及び前記第2の抵抗を介して前記第2の接地ラインに接続されたことを特徴とする請求項1、2及び4〜7のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項11】
前記補償トランジスタは、
ソースまたはドレインの一方が前記出力端子に接続され、ソースまたはドレインの他方が前記第2の抵抗を介して前記第2の接地ラインに接続され、ゲートが前記第2の接地ラインに接続され、バックゲートが前記第1の抵抗を介して前記バックゲート制御回路に接続されたことを特徴とする請求項2及び4〜7のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項12】
前記補償トランジスタは、
ソースまたはドレインの一方が前記出力端子に接続され、ソースまたはドレインの他方が第4の抵抗を介して前記第2の接地ラインに接続され、ゲートが前記第2の抵抗を介して前記第2の接地ラインに接続され、バックゲートが前記第1の抵抗を介して前記バックゲート制御回路に接続されたことを特徴とする請求項3〜9のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項13】
前記保護トランジスタは、
ダイオード接続されたトランジスタであって、カソード側端子が前記出力トランジスタのゲートに接続され、アノード側端子が第4の抵抗を介して前記第2の接地ラインに接続されたことを特徴とする請求項3〜9及び12のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項14】
前記第1の抵抗は拡散抵抗であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−101187(P2011−101187A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254360(P2009−254360)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】