説明

貨幣回収システム、貨幣収納装置および管理装置、貨幣回収処理プログラムおよび貨幣回収情報管理プログラム

【課題】
貨幣回収状況の管理が容易に行えるとともに、貨幣回収に際して発生したトラブルや不正に対しても対応できるようにした貨幣回収システム、貨幣収納装置および管理装置、貨幣回収処理プログラムおよび貨幣回収情報管理プログラムを提供する。
【解決手段】
従業員がセキュリティカードを島端金庫30のカードモジュール部にかざすと、セキュリティカードの認証が行なわれ、認証に成功した場合、島端金庫30の扉のロックが解除される。このとき、カードに回収データが書き込まれる。その後、従業員は、紙幣を回収し、事務所11内に設置された紙幣計数装置50に回収した紙幣を投入するとともに、紙幣計数装置50に設けられたカードモジュール部53にセキュリティカードをかざす。すると、管理装置70では、紙幣計数装置50から送られてきた計数データとカードデータとに基づく回収結果データを記憶管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体(パチンコ、メダル等)の貸出により回収された貨幣を回収する貨幣回収システム、貨幣収納装置および管理装置、貨幣回収処理プログラムおよび貨幣回収情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコやスロット等の遊技台を通して遊技サービスを提供する遊技場においては、島と称されるグループ毎に複数の遊技台が配設される。島には、遊技台の他、玉貸し処理機や玉計数機などが適宜設けられており、島端部には、玉貸しにより遊技客から回収された貨幣(紙幣、硬貨)を収納するための貨幣収納装置が設置される。貨幣収納装置に収納された貨幣の回収に際しては、現金がからむためその取扱に細心の注意を払う必要がある。
【0003】
このような貨幣収納装置に関する技術としては、例えば、貨幣の回収に際して、扉の開閉時刻、回収金額等をプリンタで印字するものや、また、回収した貨幣を高額貨幣と低額貨幣とに分けて別個の収納部に収納するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−197511号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通り、貨幣収納装置に関する技術は種々提案されているが、貨幣回収状況を確認するには、紙媒体へ出力された情報(扉の開閉時刻、回収金額等)を参照するくらいしか方法がなく、現金を扱う上で管理が十分であるとは言い難かった。
【0005】
また、上述した扉の開閉時刻や回収時刻等の情報だけでは、回収を行なった従業員を特定することもできず、貨幣の回収に際してトラブルや不正が発覚したとしても、十分に対応することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、貨幣回収状況の管理が容易に行えるとともに、貨幣回収に際して発生したトラブルや不正に対しても対応できるようにした貨幣回収システム、貨幣収納装置および管理装置、貨幣回収処理プログラムおよび貨幣回収情報管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の貨幣回収システムの発明は、貨幣を収納する貨幣収納装置と、前記貨幣収納装置から回収された貨幣を計数する計数装置と、管理装置とを具備し、前記貨幣収納装置は、遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する収納部と、ロック状態で前記貨幣収納装置の扉の開閉を禁止し、ロック解除により前記扉を開閉自在にするロック機構と、外部記録媒体に対してデータの読取りと書込みとを行なう外部記録媒体処理部と、各種制御を行なう制御部とを具備し、前記制御部は、前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体の認証を行なう認証処理手段と、前記認証処理手段による認証に成功した場合に、前記ロック機構による前記扉のロックを解除させる制御を行なうロック制御手段と、前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体に前記収納部からの貨幣の回収に係わる情報の書込みを行なう書込処理手段とを具備し、前記管理装置は、前記貨幣収納装置から回収された貨幣に基づく前記計数装置による計数結果を取得する第1の取得手段と、前記外部記録媒体に書込まれた情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報とに基づく情報の管理を行なう管理手段とを具備する。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記管理装置は、前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報に含まれた前記貨幣の回収に係わる情報とに基づき貨幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なう判定手段を更に具備する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記計数装置は、前記貨幣収納装置から回収された貨幣の計数結果と、前記書込処理手段により前記外部記録媒体に書込まれた前記貨幣の回収に係わる情報とに基づき貨幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なう判定手段を具備する。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記認証処理手段および前記書込処理手段は、前記外部記録媒体処理部を介した前記外部記録媒体に対する処理を並列して行なう。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記貨幣の回収に係わる情報は、前記収納部に収納された貨幣の合計金額、前記収納部に収納された各貨幣の枚数、前記外部記録媒体に書込みを行なった時刻、前記貨幣収納装置を識別するための識別情報、の内の少なとも1つを含む。
【0012】
また、請求項6の貨幣収納装置の発明は、遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する収納部と、ロック状態で自装置の扉の開閉を禁止し、ロック解除により前記扉を開閉自在にするロック機構と、外部記録媒体に対してデータの読取りと書込みとを行なう外部記録媒体処理部と、各種制御を行なう制御部とを具備し、前記制御部は、前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体の認証を行なう認証処理手段と、前記認証処理手段による認証に成功した場合に、前記ロック機構による前記扉のロックを解除させる制御を行なうロック制御手段と、前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体に前記収納部からの貨幣の回収に係わる情報の書込みを行なう書込処理手段とを具備する。
【0013】
また、請求項7の管理装置の発明は、遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する貨幣収納装置から回収された貨幣に基づく計数装置による計数結果を取得する第1の取得手段と、前記回収に際して前記貨幣収納装置により貨幣の回収に係わる情報が書込まれた外部記録媒体から該外部記録媒体に書込まれた情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報とに基づく情報の管理を行なう管理手段とを具備する。
【0014】
また、請求項8の貨幣回収処理プログラムの発明は、遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する収納部と、ロック状態で自装置の扉の開閉を禁止し、ロック解除により前記扉を開閉自在にするロック機構と、外部記録媒体に対してデータの読取りと書込みとを行なう外部記録媒体処理部とを具備する貨幣収納装置に内蔵されたコンピュータを、前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体の認証を行なう認証処理手段、前記認証処理手段による認証に成功した場合に、前記ロック機構による前記扉のロックを解除させる制御を行なうロック制御手段、前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体に前記収納部からの貨幣の回収に係わる情報の書込みを行なう書込処理手段として機能させる。
【0015】
また、請求項9の貨幣回収情報管理プログラムの発明は、コンピュータを、遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する貨幣収納装置から回収された貨幣に基づく計数装置による計数結果を取得する第1の取得手段、前記回収に際して前記貨幣収納装置により貨幣の回収に係わる情報が書込まれた外部記録媒体から該外部記録媒体に書込まれた情報を取得する第2の取得手段、前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報とに基づく情報の管理を行なう管理手段として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、貨幣回収状況の管理が容易に行なえることになる。また、貨幣の回収に際してトラブルや不正が発覚したとしても、それに対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係わる貨幣回収システム、貨幣収納装置および管理装置、貨幣回収処理プログラムおよび貨幣回収情報管理プログラムの実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、パチンコホールの全体構成の一例を示す図である。
【0019】
パチンコホール10には、島20と称されるグループが1または複数設けられる。島20には、複数の遊技台12が配設されており、各遊技台12には、遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出す処理を行う玉貸し処理機13が設けられている。島20には、遊技台12や玉貸し処理機13の他、玉計数機14なども適宜配設されている。
【0020】
島20の端部には、島端金庫30が設置されている。島端金庫30には、玉貸し処理機13等において回収された紙幣(硬貨であってもよい)が遊技台12や貸出機12等の背面側に設置された搬送機構21により搬送される。これにより、遊技者の目に触れることなく、玉貸し処理機13等から回収された紙幣が島端金庫30に収納されることになる。
【0021】
また、ホール内には、事務所11が設けられる。事務所11には、島端金庫30から回収された紙幣を計数するための紙幣計数装置50や、計数された紙幣の枚数等を含む回収結果データの管理を行なう管理装置70等が設けられる。
【0022】
ここで、本実施例における貨幣回収システムの説明を分かり易くするために、島端金庫30に収納された紙幣を回収する際の流れについて簡単に説明する。
【0023】
図2に示すように、島端金庫30には、紙幣収納部33の引き出しを禁止すべく扉36が設けられている。この扉はロック機構37によりその開放が禁止されている。島端金庫30からの紙幣の回収に際しては、ICカード(以下、このカードのことをセキュリティカードと言う)を用いてロック機構37による扉36のロックを解除させる。ここで、セキュリティカードは、図3に示すように、記録部としてのICチップと、送受信部としてのアンテナとを具備して構成される。記録部には、従業員を識別するための従業員IDに対応して、島端金庫を識別するための号機名、セキュリティカードに書込みを行なった時刻(回収時刻)、各紙幣の枚数、合計金額、等を含む回収データが記録されるエリアがある。従業員IDは、カードに固定で記録されているデータであるが、回収データは、島端金庫30の開放時に島端金庫30により書き込まれるデータである。なお、カードに固定で従業員IDを記録させずに、例えば、島端金庫30の開閉に際して、従業員IDの入力を促し、当該入力されたIDをカードに書き込むようにしてもよい。
【0024】
さて、従業員がセキュリティカードを島端金庫30のカードモジュール部35にかざすと、当該かざされたセキュリティカードの認証が行なわれる。ここで、認証に成功した場合、ソレノイド等のロック機構37が解除され、島端金庫30の扉36が開閉自在となる。このとき、カードには上記説明した回収データが書き込まれる。
【0025】
扉36のロックが解除されると、これを受けた従業員は、扉36を開放させ紙幣収納部33から紙幣の回収を行なう。紙幣の回収が済むと、紙幣収納部33を元に戻した後、扉36を閉じる。ここで、島端金庫30の扉36は再びロック状態となる。
【0026】
島端金庫30からの紙幣の回収が済むと従業員は次に、事務所11内に設置された紙幣計数装置50に回収した紙幣を投入するとともに、紙幣計数装置50に設けられたカードモジュール部53に島端金庫30のロック解除に用いたセキュリティカードをかざす。すると、カード内に記録されたカードデータ(従業員ID、回収データを含む)が紙幣計数装置50に送信される。これを受けた紙幣計数装置50は、投入された紙幣を計数し、その計数データとカードから読取られたカードデータとを管理装置70に送信する。管理装置70では、紙幣計数装置50から送られてきた計数データとカードデータ内における回収データとを比較し、紙幣の回収が問題なく行なわれか否かの判定を行なう。なお、この判定を管理装置70で行なわず紙幣計数装置50側で行なってもよい。その後、管理装置70は、この判定結果とともに、計数データとカードデータとに基づく回収結果データを作成しこれを記憶管理する。これにより、一連の紙幣回収業務が終了する。
【0027】
次に、図4を用いて、図1、図2で説明した島端金庫30の機能的な構成の一部について説明する。
【0028】
島端金庫30は、その機能構成として、紙幣入金部31と、紙幣識別部32と、紙幣収納部33と、記憶部34と、カードモジュール部35と、扉36と、ロック機構37と、表示部38aと、操作部38bと、制御部39とを具備して構成される。
【0029】
紙幣入金部31は、搬送機構21により搬送されてきた紙幣を受け入れ、島端金庫30内に玉貸し処理機13等から回収された紙幣を入金する機能を果たし、紙幣識別部32は、紙幣入金部31から入金された紙幣の真偽や金種の識別を行う機能を果たし、紙幣収納部33は、紙幣識別部32により識別された紙幣を収納する機能を果たし、記憶部34は、各種データを記憶する機能を果たす。また、カードモジュール部35は、セキュリティカードに対して読取りと書込みとを行なう機能を果たし、扉36は、紙幣収納部33に収納された紙幣の取り出しを禁止させる機能を果たし、ロック機構37は、扉36をロックしその開閉を禁止する機能を果たし、表示部38aは、各種情報の表示を行なう機能を果たし、操作部38bは、操作者からの指示を装置内に入力する機能を果たし、制御部39は、島端金庫30における処理を統括制御する機能を果たす。なお、記憶部34には各種プログラムの他、紙幣収納部33に収納された紙幣の金種や枚数、合計金額等を含む金銭データが記憶される。
【0030】
続いて、上述した制御部39の機能的な構成の一部について説明する。
【0031】
制御部39は、その機能構成として、認証処理部41と、回収データ書込み処理部42と、ロック制御部43とを具備して構成される。
【0032】
認証処理部41は、カードモジュール部35で読み取られたセキュリティカードの認証を行う機能を果たす。この認証によりセキュリティカードが真正のカードであるか否か等の判別が行なわれることになる。
【0033】
回収データ書込み処理部42は、カードモジュール部35を介してセキュリティカード内に回収データの書込みを行なう機能を果たす。回収データは、セキュリティカード内に予め記録された従業員IDに関連付けて書き込まれる。なお、回収データは、セキュリティカードに書込みを行なった時刻、島端金庫の号機名、記憶部34に記憶された金銭データ、の内のいずれか若しくはその全てを含む情報で構成される。
【0034】
ロック制御部43は、ロック機構37を制御し、扉36のロック/ロック解除を制御する機能を果たす。
【0035】
以上が、島端金庫30についての説明である。なお、上記説明した島端金庫30の構成はあくまで一例であり、これに限られるものではない。例えば、上記構成から操作部38bを除いてもよい。
【0036】
次に、図5を用いて、図1で説明した紙幣計数装置50、管理装置70の機能的な構成の一部について説明する。
【0037】
まず、紙幣計数装置50について説明する。
【0038】
紙幣計数装置50は、その機能構成として、計数部51と、紙幣収納部52と、カードモジュール部53と、通信部54と、制御部55とを具備して構成される。
【0039】
計数部51は、紙幣投入口から投入された紙幣の真偽や金種を識別し、各紙幣の枚数を計数する機能を果たし、紙幣収納部52は、計数された紙幣を収納する機能を果たす。
【0040】
カードモジュール部53は、セキュリティカードに対して読取りと書込みとを行なう機能を果たす。なお、カードモジュール部53は、外付け、内蔵のいずれであってもよい。
【0041】
通信部54は、紙幣計数装置50と他装置との間の通信を制御する機能を果たし、制御部55は、紙幣計数装置50における処理を統括制御する機能を果たす。
【0042】
続いて、上述した制御部55の機能的な構成の一部について説明する。
【0043】
制御部55は、その機能構成として、認証処理部61と、カードデータ読取り処理部62と、回収データ消去処理部63と、データ送信処理部64とを具備して構成される。
【0044】
認証処理部61は、カードモジュール部53で読み取られたセキュリティカードの認証を行う機能を果たす。この認証によりセキュリティカードが真正のカードであるか否か等の判別が行なわれることになる。
【0045】
カードデータ読取り処理部62は、カードモジュール部53を介してセキュリティカード内からカードデータ(従業員ID、回収データを含む)の読取りを行なう機能を果たし、回収データ消去処理部63は、セキュリティカード内から回収データを消去させる機能を果たす。
【0046】
データ送信処理部64は、セキュリティカードから読み取られたカードデータ、計数部51により計数された計数データを管理装置70に送信する機能を果たす。
【0047】
以上が、紙幣計数装置50についての説明である。なお、上記説明した紙幣計数装置50の構成はあくまで一例であり、これに限られるものではない。例えば、紙幣を収納する機能はなくてもよく、上記構成から紙幣収納部52を除いてもよい。
【0048】
次に、管理装置70について説明する。
【0049】
管理装置70は、その機能構成として、表示部71と、操作部72と、通信部73と、記憶部74と、制御部75とを具備して構成される。
【0050】
表示部71は、各種情報の表示を行う機能を果たし、操作部72は、操作者からの指示を装置内に入力する機能を果たし、通信部73は、管理装置70と他装置との間の通信を制御する機能を果たし、記憶部74は、各種データを記憶する機能を果たし、制御部75は、管理装置70における処理を統括制御する機能を果たす。記憶部74には各種プログラムの他、回収結果データが記憶される。なお、回収結果データについての説明は後述する。
【0051】
続いて、上述した制御部75の機能的な構成の一部について説明する。
【0052】
制御部75は、カードデータ取得部81と、計数データ取得部82と、回収結果精査判定部83と、回収結果データ管理部85とを具備して構成される。
【0053】
カードデータ取得部81は、カードデータを取得する機能を果たし、計数データ取得部82は、計数データを取得する機能を果たす。本実施例におけるカードデータ取得部81、計数データ取得部82におけるカードデータ、計数データの取得は、これらデータを紙幣計数装置50から通信部73を介して受信することで行なわれる。
【0054】
回収結果精査判定部83は、回収データと計数データとに基づき島端金庫30からの紙幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なう機能を果たす。なお、本実施例における回収結果精査判定部83においては、回収データ、計数データ内における各紙幣の枚数が一致するか否かに基づき紙幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なうことになる。
【0055】
回収結果データ作成部84は、カードデータ、計数データおよび回収結果精査判定部83による判定結果に基づき回収結果データを作成する機能を果たし、回収結果データ管理部85は、回収結果データ作成部84により作成された回収結果データの管理を行なう機能を果たす。ここで、回収結果データは、上記記憶部74に記憶されて管理されることになり、例えば、図6に示すデータ構成を採る。回収結果データは、カードデータ、計数データ、回収結果、を含んで構成される。カードデータは、セキュリティカードに記録されたデータに基づくものであり、計数データは、紙幣計数装置70における計数結果に基づくものである。また、回収結果は、回収結果精査判定部83における判定結果に基づき設定されたものである。この場合、項目番号2番のデータに関しては、回収データと計数データとにおける紙幣の枚数に不一致が生じているため、回収結果に異常が設定されている。
【0056】
以上が、管理装置70についての説明である。なお、上記図5を用いて、紙幣計数装置50、管理装置70の機能的な構成について説明したが、これら各装置に設けられた機能的な構成は、必ずしも上記図示した通りに実現される必要はなく、いずれかの装置にその全部若しくは一部が実現されていればよい。例えば、カードモジュール部53を管理装置70の構成要素の一つとしてもよいし、また例えば、回収結果精査判定部83を紙幣計数装置50の構成要素の一つとしてもよい。
【0057】
ここで、図7、図8を用いて、島端金庫30、紙幣計数装置50、管理装置70における処理の流れについて説明する。
【0058】
まず、図7を用いて、島端金庫30から紙幣を回収する際の島端金庫30における処理の流れの一例について説明する。
【0059】
島端金庫30では、セキュリティカードがカードモジュール部35に接触されるまで待機している(ステップS101でNO)。ここで、従業員がセキュリティカードをカードモジュール部35に接触させると(ステップS101でYES)、これを受けた島端金庫30は、認証処理部41において、セキュリティカードの認証を行なう(ステップS102)。
【0060】
認証の結果、認証に失敗した場合には(ステップS103でNO)、島端金庫30は再び、ステップS101の処理に戻ることになるが、認証に成功した場合には(ステップS103でYES)、島端金庫30は、回収データ書込み処理部42において、セキュリティカードに回収データの書込みを行なうとともに(ステップS104)、ロック制御部43において、ロック機構37による扉36のロックを解除させる(ステップS105)。
【0061】
扉36のロックが解除されると、これを受けた従業員は、扉36を開放し紙幣収納部33から紙幣の回収を行なう(ステップS106)。紙幣の回収が済み扉36が閉じられると(ステップS107でYES)、これを受けた島端金庫30は、ロック制御部43において、ロック機構37による扉36のロックを再開させる(ステップS108)。そして、この処理は終了する。
【0062】
次に、図8を用いて、島端金庫30から回収された紙幣を計数する際の紙幣計数装置50、管理装置70における処理の流れの一例について説明する。なお、ここに示す処理の流れはあくまで一例であり、ここに示す順序通りに処理が実行される必要はなく、処理順後は前後してもよい。
【0063】
紙幣回収装置70では、紙幣投入口に紙幣が投入されるまで待機している(ステップS201でNO)。ここで、回収された紙幣が投入されると(ステップS201でYES)、これを受けた紙幣回収装置70は、紙幣の回収に際して用いられたセキュリティカードの接触を要求する(ステップS202)。この要求に応じて従業員がセキュリティカードをカードモジュール部53に接触させると(ステップS203でYES)、これを受けた紙幣回収装置70は、認証処理部61において、セキュリティカードの認証を行なう(ステップS204)。
【0064】
認証の結果、認証に失敗した場合には(ステップS205でNO)、紙幣計数装置50は再び、ステップS201の処理に戻ることになるが、認証に成功した場合には(ステップS205でYES)、紙幣計数装置50は、カードデータ読取り処理部62において、セキュリティカードからカードデータの読取りを行なうとともに(ステップS206)、回収データ消去処理部63において、セキュリティカードから回収データを消去させる(ステップS207)。
【0065】
上述したセキュリティカードに対しての処理が済むと、紙幣計数装置50は次に、計数部51において、投入された紙幣の計数を行う(ステップS208)。そして、計数が済むと、データ送信処理部64において、当該計数により得られた計数データと、セキュリティカードから読み取られたカードデータとを管理装置70に向けて送信する(ステップS209)。
【0066】
管理装置70は、カードデータ取得部81、計数データ取得部82において、紙幣計数装置50から送られてきたカードデータと計数データとを取得する。そして、回収結果精査判定部83において、計数データと当該カードデータ内に含まれた回収データとに基づき島端金庫30からの紙幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なう(ステップS211)。判定の結果、紙幣の回収に異常があったと判定された場合(ステップS212でNO)、その旨が従業員に通知された後(ステップS213)、回収結果データ作成部84において、回収結果データが作成され(ステップS214)、それが回収結果データ管理部85において管理されることになるが(ステップS215)、紙幣の回収が正常に行なわれたと判定された場合には(ステップS212でYES)、そのまま回収結果データの作成とその管理とが開始され(ステップS214およびステップS215)、この処理は終了する。
【0067】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記および図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0068】
例えば、図7におけるステップS102の認証、ステップS104の回収データの書込みは、セキュリティカードがカードモジュール部35に1度接触されたタイミングで同時に並列して行なうようにしてもよいし、認証のために1度接触された後、回収データの書込みのために再度接触を要求するようにしてもよい。なお、このことは、図8におけるステップS204の認証、ステップS206のカードデータの読取り、ステップS207の回収データの消去、に対しても同様のことが言える。
【0069】
また、上記説明した通り、図8におけるステップS211の判定を紙幣計数装置50側で行なうようにしてもよい。
【0070】
また、図8においては、セキュリティカードからカードデータを読み取ると直ぐに、回収データを消去しているが、この消去処理を行うか否かやそのタイミングは変更することができる。
【0071】
また、上記実施例においては、紙幣を収納する装置の一例として島端金庫30を例に挙げて説明したが、この装置は島端金庫30に限られず、例えば、両替機(元詰めタイプ)、スタック式の玉貸し処理機、スタック式のメダル貸し処理機等であってもよい。
【0072】
また、上記実施例においては、セキュリティカードによる認証により扉36のロックを解除させる場合について説明したが、扉36のロックは鍵(図2参照)を用いて手動で解除できるようにしてもよい。この場合にも例えば、島端金庫30内の記憶部34に回収データを記憶させる等して紙幣が回収された記録を残すこととなる。
【0073】
また、上記実施例においては、セキュリティカードがICカードである場合を例に挙げて説明したが、セキュリティカードは持ち運びが可能でかつ、所定の記録領域を有する記録媒体であればよく、例えば、磁気式のカードであってもよいし、また、カードではなく携帯電話機等であってもよい。なお、セキュリティカードは、従業員のデータ等を記録する従業員カードと兼用してもよい。その際は、島端金庫30の開閉を行なう権限のない従業員のカードでは開閉できなくすることもできる。
【0074】
また、上記実施例においては、紙幣の回収を例に挙げて説明したが、特に、紙幣に限定されるわけではなく、硬貨の回収に際しても上記実施例同様の処理が行える。
【0075】
また、回収した紙幣を束ねるバンドにICチッブを内蔵させ、紙幣回収時に当該ICチップに回収データを記録させるようにしてもよい。
【0076】
また、上記説明した島端金庫30、紙幣計数装置50、管理装置70における処理は、専用の回路に組み込まれたプログラムにより実施するように構成してもよいし、コンピュータにインストールされたプログラムにより実施するように構成してもよい。なお、プログラムは、ネットワーク等の通信手段により提供することは勿論、CD−ROM等の記録媒体に記録して提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】パチンコホールの全体構成の一例を示す図である。
【図2】島端金庫30の外観構成の一例を示す図である。
【図3】セキュリティカードの概要の一例を示す図である。
【図4】島端金庫30の機能的な構成の一部を示す図である。
【図5】紙幣計数装置50、管理装置70の機能的な構成の一部を示す図である。
【図6】回収結果データのデータ構成の一例を示す図である。
【図7】島端金庫30における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】紙幣計数装置50、管理装置70における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 パチンコホール
11 事務所
12 遊技台
13 玉貸し処理機
14 玉計数機
15 両替機
20 島
21 搬送機構
30 島端金庫
31 紙幣入金部
32 紙幣識別部
33 紙幣収納部
34 記憶部
35 カードモジュール部
36 扉
37 ロック機構
38a 表示部
38b 操作部
39 制御部
41 認証処理部
42 回収データ書込み処理部
43 ロック制御部
50 紙幣計数装置
51 計数部
52 紙幣収納部
53 カードモジュール部
54 通信部
55 制御部
61 認証処理部
62 カードデータ読取り処理部
63 回収データ消去処理部
64 データ送信処理部
70 管理装置
71 表示部
72 操作部
73 通信部
74 記憶部
75 制御部
81 カードデータ取得部
82 計数データ取得部
83 回収結果精査判定部
84 回収結果データ作成部
85 回収結果データ管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を収納する貨幣収納装置と、
前記貨幣収納装置から回収された貨幣を計数する計数装置と、
管理装置と
を具備し、
前記貨幣収納装置は、
遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する収納部と、
ロック状態で前記貨幣収納装置の扉の開閉を禁止し、ロック解除により前記扉を開閉自在にするロック機構と、
外部記録媒体に対してデータの読取りと書込みとを行なう外部記録媒体処理部と、
各種制御を行なう制御部と
を具備し、
前記制御部は、
前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体の認証を行なう認証処理手段と、
前記認証処理手段による認証に成功した場合に、前記ロック機構による前記扉のロックを解除させる制御を行なうロック制御手段と、
前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体に前記収納部からの貨幣の回収に係わる情報の書込みを行なう書込処理手段と
を具備し、
前記管理装置は、
前記貨幣収納装置から回収された貨幣に基づく前記計数装置による計数結果を取得する第1の取得手段と、
前記外部記録媒体に書込まれた情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報とに基づく情報の管理を行なう管理手段と
を具備する貨幣回収システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報に含まれた前記貨幣の回収に係わる情報とに基づき貨幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なう判定手段
を更に具備する請求項1記載の貨幣回収システム。
【請求項3】
前記計数装置は、
前記貨幣収納装置から回収された貨幣の計数結果と、前記書込処理手段により前記外部記録媒体に書込まれた前記貨幣の回収に係わる情報とに基づき貨幣の回収が正常に行なわれたか否かの判定を行なう判定手段
を具備する請求項1記載の貨幣回収システム。
【請求項4】
前記認証処理手段および前記書込処理手段は、
前記外部記録媒体処理部を介した前記外部記録媒体に対する処理を並列して行なう
請求項1記載の貨幣収納システム。
【請求項5】
前記貨幣の回収に係わる情報は、
前記収納部に収納された貨幣の合計金額、前記収納部に収納された各貨幣の枚数、前記外部記録媒体に書込みを行なった時刻、前記貨幣収納装置を識別するための識別情報、の内の少なとも1つを含む
請求項1記載の貨幣収納システム。
【請求項6】
遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する収納部と、
ロック状態で自装置の扉の開閉を禁止し、ロック解除により前記扉を開閉自在にするロック機構と、
外部記録媒体に対してデータの読取りと書込みとを行なう外部記録媒体処理部と、
各種制御を行なう制御部と
を具備し、
前記制御部は、
前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体の認証を行なう認証処理手段と、
前記認証処理手段による認証に成功した場合に、前記ロック機構による前記扉のロックを解除させる制御を行なうロック制御手段と、
前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体に前記収納部からの貨幣の回収に係わる情報の書込みを行なう書込処理手段と
を具備する貨幣収納装置。
【請求項7】
遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する貨幣収納装置から回収された貨幣に基づく計数装置による計数結果を取得する第1の取得手段と、
前記回収に際して前記貨幣収納装置により貨幣の回収に係わる情報が書込まれた外部記録媒体から該外部記録媒体に書込まれた情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報とに基づく情報の管理を行なう管理手段と
を具備する管理装置。
【請求項8】
遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する収納部と、
ロック状態で自装置の扉の開閉を禁止し、ロック解除により前記扉を開閉自在にするロック機構と、
外部記録媒体に対してデータの読取りと書込みとを行なう外部記録媒体処理部と
を具備する貨幣収納装置に内蔵されたコンピュータを、
前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体の認証を行なう認証処理手段、
前記認証処理手段による認証に成功した場合に、前記ロック機構による前記扉のロックを解除させる制御を行なうロック制御手段、
前記外部記録媒体処理部を介して前記外部記録媒体に前記収納部からの貨幣の回収に係わる情報の書込みを行なう書込処理手段
として機能させるための貨幣回収処理プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
遊技場における遊技により使用された貨幣を収納する貨幣収納装置から回収された貨幣に基づく計数装置による計数結果を取得する第1の取得手段、
前記回収に際して前記貨幣収納装置により貨幣の回収に係わる情報が書込まれた外部記録媒体から該外部記録媒体に書込まれた情報を取得する第2の取得手段、
前記第1の取得手段により取得された貨幣の計数結果と、前記第2の取得手段により取得された情報とに基づく情報の管理を行なう管理手段
として機能させるための貨幣回収情報管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−9485(P2009−9485A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172248(P2007−172248)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】