説明

貫通コンデンサ及び貫通コンデンサの製造方法

【課題】放熱性を向上させることができる貫通コンデンサを提供すること。
【解決手段】貫通コンデンサCは、複数の誘電体層10が積層されたコンデンサ素体Lと、コンデンサ素体Lの端面Lc,Ldに配置された信号用端子電極1,2と、コンデンサ素体Lの側面Le,Lfに配置された接地用端子電極3,4と、信号用端子電極1,2に接続された信号用内部電極20と、誘電体層10を介して信号用内部電極20に対向するように配置され且つ接地用端子電極3,4に接続された接地用内部電極30と、それぞれが接地用内部電極30と対向しないように配置され且つ信号用端子電極1に接続された複数のダミー電極40とを備えている。ダミー電極40それぞれは、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極30が配置される誘電体層10との間において順に積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通コンデンサ及び貫通コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貫通コンデンサとして、例えば特許文献1には、誘電体層が積層されたコンデンサ素体と、コンデンサ素体の外表面に配置された信号用端子電極及び接地用端子電極と、コンデンサ素体内に配置された信号用内部電極及び接地用内部電極とを有するコンデンサが開示されている。この貫通コンデンサは、信号用内部電極と同一平面上に更に放熱用電極を有しており、これにより、信号用内部電極で発生する熱を抑えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−252136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の貫通コンデンサでは、信号用内部電極と同一平面上に配置された放熱用電極により、信号用内部電極から平面上に広がる熱を放熱しやすいものの、信号用内部電極と接地用内部電極との間に滞留する熱を効率的に放熱することは難しい場合があった。特に信号用内部電極と接地用内部電極との間に滞留する熱は、貫通コンデンサの静電容量特性等に影響を与えてしまうため、かかる領域における熱を効率的に放熱することが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、放熱性を向上させることができる貫通コンデンサ及び当該貫通コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る貫通コンデンサは、複数の誘電体層が積層されたコンデンサ素体と、コンデンサ素体の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極と、コンデンサ素体の外表面に配置された接地用端子電極と、コンデンサ素体内に配置され且つ第1及び第2の信号用端子電極に接続された信号用内部電極と、複数の誘電体層の内の何れかの誘電体層を介して信号用内部電極に対向するようにコンデンサ素体内に配置され且つ接地用端子電極に接続された接地用内部電極と、複数のダミー電極を含みダミー電極それぞれが接地用内部電極と対向しないようにコンデンサ素体内に配置され且つ第1及び第2の信号用端子電極の一方に接続されたダミー電極群とを備えている。そして、この貫通コンデンサは、ダミー電極それぞれが、信号用内部電極が配置される誘電体層と接地用内部電極が配置される誘電体層との間において順に積層されていることを特徴としている。
【0007】
上述した貫通コンデンサでは、ダミー電極群が複数のダミー電極を含んで構成されており、それらダミー電極それぞれが、信号用内部電極が配置される誘電体層と接地用内部電極が配置される誘電体層との間において順に積層されるようになっている。この場合、信号用内部電極が配置される誘電体層と接地用内部電極が配置される誘電体層との間に、放熱に寄与するダミー電極が位置することになるため、信号用内部電極と接地用内部電極との間に滞留して貫通コンデンサの特性に影響を与えやすい熱等を効率的にコンデンサの外部に放熱させることできる。しかも、上述した貫通コンデンサによれば、かかるダミー電極の数を多くすることができるので、より効率的にコンデンサ内の熱を放熱させることが可能である。
【0008】
また、上述した貫通コンデンサでは、信号用内部電極が配置される誘電体層と接地用内部電極が配置される誘電体層との間に、複数のダミー電極が積層される構成となっている。この場合、信号用内部電極と接地用内部電極との層間を相対的に大きくすることができるので、貫通コンデンサにおける耐電圧性を向上させることもできる。更に、上述した貫通コンデンサでは、ダミー電極それぞれが接地用内部電極と対向しない構成となっている。この場合、ダミー電極と接地用内部電極との間で不要な静電容量を生じさせることがないため、貫通コンデンサの特性を一層、向上させることが可能となる。
【0009】
上述した貫通コンデンサにおいて、ダミー電極は、接続されている信号用端子電極よりもコンデンサ素体の内側に伸びていてもよい。この場合、信号用内部電極と接地用内部電極との間に滞留する熱の内、より内側にある熱も効率的にコンデンサの外部に伝導できるようになるため、貫通コンデンサの特性に影響を与えやすい熱を更に効率的にコンデンサの外部に放熱させることができる。
【0010】
上述した貫通コンデンサにおいて、信号用内部電極及びダミー電極のうち少なくとも一方が、コンデンサ素体の端面に露出する切欠部を有していてもよい。この場合、信号用内部電極やダミー電極の積層ズレを容易に確認することができる。
【0011】
上述した貫通コンデンサにおいて、ダミー電極は、信号用内部電極が引き出されるコンデンサ素体の端面とは異なるコンデンサ素体の側面に引き出され、当該側面において信号用端子電極に接続されるようにしてもよい。この場合、ダミー電極をコンデンサ素体の側面で端子電極に接続できるようになるため、コンデンサ素体の端面にダミー電極を引き出す必要がなくなり、誘電体層の端面寄りの部分に電極を形成しなくてもよくなる。その結果、隣接する誘電体層同士の端面寄りの部分の密着性が向上し、かかる部分の密着性が低下することによるデラミネーションを抑止することが可能となる。
【0012】
上述した貫通コンデンサにおいて、ダミー電極群は、第1の信号用端子電極に接続される第1のダミー電極群と第2の信号用端子電極に接続される第2のダミー電極群とを含み、第1及び第2の信号用端子電極の対向方向における接地用内部電極の幅は、第1及び第2のダミー電極群の同一面内におけるダミー電極の合計幅と略同じであるようにしてもよい。この場合、ダミー電極のそれぞれが接地用内部電極と対向せず且つその長さをより長めに設定することができるため、貫通コンデンサの特性を更に向上させることができる。即ち、ダミー電極の長さを長めに設定することができるので、コンデンサ素体内部の放熱性を向上でき、また、ダミー電極が接地用内部電極と対向しない構成とすることができるので、不要な静電容量を生じさせることもなく、静電容量のばらつきを低減することもできる。また、接地用内部電極とダミー電極との両方を大きく(長く)することができるので、上述した貫通コンデンサでは、静電容量の増大とダミー電極による放熱性の向上とを両立させることができる。
【0013】
上述した貫通コンデンサにおいて、複数の誘電体層の積層方向におけるコンデンサ素体の略中央部に、信号用内部電極を複数積層して通電部を形成するようにしてもよい。この場合、貫通コンデンサにより大きな電流を流すことができる。
【0014】
上述した貫通コンデンサにおいて、信号用内部電極が誘電体層を介して互いに対向するように二重に積層されていてもよい。この場合、信号用内部電極の直流抵抗(Rdc)を下げることができる。
【0015】
上述した貫通コンデンサにおいて、接地用内部電極が誘電体層を介して互いに対向するように二重に積層されていてもよい。この場合、等価直列抵抗(ESR)を下げることができる。
【0016】
また、本発明にかかる貫通コンデンサの製造方法は、第1の方向に伸びる第1の内部電極が第1の方向に複数形成された第1のグリーンシートを準備する工程と、第1の方向と交差する第2の方向に伸び且つ第1の方向における幅が切断予定線間の全幅の半分以下である第2の内部電極が第1の方向に複数形成された第2のグリーンシートを少なくとも2つ準備する工程と、第1のグリーンシートの第1の内部電極と一方の第2のグリーンシートの第2の内部電極とが対向し且つ一方の第2のグリーンシートの第2の内部電極と他方の第2のグリーンシートの第2の内部電極とが対向しないように第1のグリーンシート及び少なくとも2つの第2のグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、積層体を切断予定線に沿って切断して複数の積層体チップに分離する工程と、複数の積層体チップそれぞれに信号用端子電極及び接地用端子電極を形成する工程と、を備えている。
【0017】
本発明に係る貫通コンデンサの製造方法では、第1及び第2のグリーンシートといった2種類のグリーンシートを準備すると共に2つの第2のグリーンシートを互いにずらして積層することにより、3つの異なる層を容易に形成することができるようになっている。この場合、2種類のグリーンシートによって、信号用内部電極(第1の内部電極に対応)や接地用内部電極(一方の第2の内部電極に対応)だけでなく、信号用端子電極に接続されるダミー電極(他方の第2の内部電極に対応)も有する貫通コンデンサを容易に製造することができる。
【0018】
また、上述した貫通コンデンサの製造方法では、第2のグリーンシート同士を内部電極のパターンの幅の半分ほどずらして積層することで、1種類のグリーンシートから接地用内部電極とダミー電極の両方を形成することもできる。更に、上述した貫通コンデンサの製造方法では、第2の内部電極を切断予定線間の全幅の半分以下としているため、第2のグリーンシート同士を内部電極のパターンの幅の半分ほどずらして積層することで、ダミー電極と接地用内部電極とが対向しない構成を容易に得ることができる。
【0019】
上述した貫通コンデンサの製造方法では、第2のグリーンシートを準備する工程において、他方の第2のグリーンシートを複数準備し、積層体を形成する工程において、複数の他方の第2のグリーンシートを積層方向に隣接するように順に積層するようにしてもよい。この場合、積層方向におけるダミー電極の数を大きくしつつ接地用内部電極と信号用内部電極との層間を大きくした貫通コンデンサを容易に得ることができる。このようにして製造された貫通コンデンサでは、ダミー電極の数が多くなるので、放熱性を高めることができる。また、接地用内部電極と信号用内部電極との層間が大きくもなるので、耐電圧性を向上させることもできる。
【0020】
上述した貫通コンデンサの製造方法では、第1のグリーンシートを準備する工程において、第1の方向における両端に切欠部を有するように第1の内部電極を形成し、第2のグリーンシートを準備する工程において、第1の方向における略中央部に切欠部を有するように第2の内部電極を形成し、積層体を形成する工程において、第1の内部電極の切欠部と他方の第2のグリーンシートの第2の内部電極の切欠部とが積層方向において重なるように、第1及び第2のグリーンシートを積層するようにしてもよい。この場合、各切欠部が積層方向において重なるように積層するので、第1の内部電極に対応する信号用内部電極と他方の第2の内部電極に対応するダミー電極との位置合わせが容易となり、積層ずれを抑止することができる。
【0021】
上述した貫通コンデンサの製造方法では、第2のグリーンシートを準備する工程において、第1及び第2の電極部分に分割されるように第2の内部電極を形成し、積層体を形成する工程において、切断予定線が他方の第2のグリーンシートの第2の内部電極における分割領域に位置するように、第1及び第2のグリーンシートを積層するようにしてもよい。この場合、コンデンサ素体の端面にダミー電極を引き出さなくてもよい貫通コンデンサを製造することができ、このような貫通コンデンサでは、隣接する誘電体層同士の端面寄りの部分の密着性を向上させて、デラミネーションを抑止することができる。
【0022】
上述した貫通コンデンサの製造方法では、第1のグリーンシートを準備する工程において、第1の方向における両端に切欠部を有するように第1の内部電極を形成し、積層体を形成する工程において、第1の内部電極の切欠部と他方の第2のグリーンシートの第2の内部電極における分割領域とが積層方向において重なるように、第1及び第2のグリーンシートを積層するようにしてもよい。この場合、切欠部と分割領域とが積層方向において重なるように積層するので、第1の内部電極に対応する信号用内部電極と他方の第2の内部電極に対応するダミー電極との位置合わせが容易になり、積層ずれを抑止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、放熱性を向上させることができる貫通コンデンサ及び当該貫通コンデンサの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る貫通コンデンサを示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った断面構成を説明するための図である。
【図3】コンデンサ素体の分解斜視図である。
【図4】信号用内部電極を示す平面図である。
【図5】接地用内部電極を示す平面図である。
【図6】ダミー電極を示す平面図である。
【図7】第1のグリーンシートを示す平面図である。
【図8】第2のグリーンシートを示す平面図である。
【図9】第1及び第2のグリーンシートを積層する際の位置関係を説明するための図である。
【図10】第2実施形態に係る貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
【図11】第2実施形態に係るコンデンサ素体の分解斜視図である。
【図12】第2実施形態に係る接地用内部電極を示す平面図である。
【図13】第2実施形態に係るダミー電極を示す平面図である。
【図14】第2実施形態において、第1及び第2のグリーンシートを積層する際の位置関係を説明するための図である。
【図15】貫通コンデンサの別の断面構成を説明するための図である。
【図16】貫通コンデンサの更に別の断面構成を説明するための図である。
【図17】貫通コンデンサの更に別の断面構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0026】
[第1実施形態]
まず、本実施形態に係る貫通コンデンサCの構成を説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る貫通コンデンサCは、誘電特性を有するコンデンサ素体Lと、コンデンサ素体Lの外表面に配置される第1及び第2の信号用端子電極1,2と、コンデンサ素体Lの外表面に配置される第1及び第2の接地用端子電極3,4とを備えている。
【0027】
コンデンサ素体Lは、図1に示されるように、直方体形状であり、その外表面として、対向する長方形状の第1及び第2の主面La,Lbと、対向する第1及び第2の端面Lc,Ldと、対向する第1及び第2の側面Le,Lfとを有する。第1及び第2の端面Lc,Ldは、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面La,Lbの短辺方向に伸びている。第1及び第2の側面Le,Lfは、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面La,Lbの長辺方向に伸びている。
【0028】
第1の信号用端子電極1は、コンデンサ素体Lの第1の端面Lcに配置されている。第1の信号用端子電極1は、第1の端面Lcの全面を覆うように、第1及び第2の主面La,Lb並びに第1及び第2の側面Le,Lfの端部(第1の端面Lc側の端部)に亘って形成されている。第2の信号用端子電極2は、コンデンサ素体Lの第2の端面Ldに配置されている。第2の信号用端子電極2は、第2の端面Ldの全面を覆うように、第1及び第2の主面La,Lb並びに第1及び第2の側面Le,Lfの端部(第2の端面Ld側の端部)に亘って形成されている。第1及び第2の信号用端子電極1,2は、第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向に対向している。
【0029】
第1の接地用端子電極3は、コンデンサ素体Lの第1の側面Leに配置されている。第1の接地用端子電極3は、第1の側面Leの第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向の略中央を、第1及び第2の主面La,Lbの対向方向に沿って横断するように覆っている。第1の接地用端子電極3は、更に第1及び第2の主面La,Lbの第1の側面Le側の端部の一部も覆っている。
【0030】
第2の接地用端子電極4は、コンデンサ素体Lの第2の側面Lfに配置されている。第2の接地用端子電極4は、第2の側面Lfの第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向の略中央を、第1及び第2の主面La,Lbの対向方向に沿って横断するように覆っている。第2の接地用端子電極4は、更に第1及び第2の主面La,Lbの第2の側面Lf側の端部の一部も覆っている。第1及び第2の接地用端子電極3,4は、第1及び第2の側面Le,Lfの対向方向に対向している。
【0031】
第1及び第2の信号用端子電極1,2と第1及び第2の接地用端子電極3,4とは、例えば導電性金属粉末及びバインダを含む導電性ペーストをコンデンサ素体の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。信号用端子電極1,2及び接地用端子電極3,4は、コンデンサ素体Lの表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
【0032】
貫通コンデンサCでは、第1の主面La又は第2の主面Lbを、電子機器(例えば回路基板や電子部品)に対する実装面として電子機器に実装することが好ましい。コンデンサ素体Lの第2の主面Lbが実装面として回路基板と対向するように貫通コンデンサCを実装する場合、第1及び第2の信号用端子電極1,2を、回路基板上に形成された信号配線に接続されたランド電極に接続し、第1及び第2の接地用端子電極3,4を、回路基板上に形成されたグランド配線に接続されたグランド電極に接続する。
【0033】
コンデンサ素体Lは、図2及び図3に示されるように、第1及び第2の主面La,Lbの対向方向(以下、積層方向ともいう)に複数の誘電体層10が積層されて構成されている。各誘電体層10は、例えば誘電体セラミック(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際のコンデンサ素体Lでは、各誘電体層10の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0034】
また、コンデンサ素体Lの内部には、誘電体層10上に形成される信号用内部電極20と、別の誘電体層10上に形成される接地用内部電極30と、更に別の誘電体層10上に形成されるダミー電極40,42とが配置されている。即ち、貫通コンデンサCは、信号用内部電極20と、接地用内部電極30と、ダミー電極40,42とを更に備えている。信号用内部電極20と接地用内部電極30とダミー電極40,42とは、例えば導電性ペーストの焼結体から構成される。
【0035】
このような各内部電極は、コンデンサ素体Lの内部において、図3に示されるように、例えば、下から、誘電体層10及び当該誘電体層10上に形成された接地用内部電極30からなる接地用内部電極層が一層、誘電体層10及び当該誘電体層10上に形成されたダミー電極40,42からなるダミー電極層が三層、誘電体層10及び当該誘電体層10上に形成された信号用内部電極20からなる信号用内部電極層が一層、ダミー電極層が三層、及び、接地用内部電極層が一層、といった順で積層されている。
【0036】
即ち、コンデンサ素体Lの内部では、複数の誘電体層10を介して信号用内部電極20と対向するように接地用内部電極30が配置されることになる。そして、このように所定の距離離間している信号用内部電極層と接地用内部電極層との間に、三層のダミー電極層(複数のダミー電極群)が形成されるようになっている。
【0037】
信号用内部電極20は、図3及び図4に示されるように、信号用主電極部20aと、第1及び第2の信号用引き出し電極部20b,20cとを有する。第1の信号用引き出し電極部20bは、信号用主電極部20aからコンデンサ素体Lの第1の端面Lcに引き出されるように伸びる。第2の信号用引き出し電極部20cは、信号用主電極部20aからコンデンサ素体Lの第2の端面Ldに引き出されるように伸びる。信号用主電極部20aと、第1及び第2の信号用引き出し電極部20b,20cとは、一体的に形成されている。
【0038】
信号用主電極部20aは、第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向を長辺方向とし、第1及び第2の側面Le,Lfの対向方向を短辺方向とする長方形状を呈する。第1の信号用引き出し電極部20bは、信号用主電極部20aの第1の端面Lc側の端部から主電極部と同じ幅で第1の端面Lcまで伸びている。第1の信号用引き出し電極部20bは、その端が第1の端面Lcに露出し、当該露出した端部で第1の信号用端子電極1に接続される。第2の信号用引き出し電極部20cは、信号用主電極部20aの第2の端面Ld側の端部から主電極部と同じ幅で第2の端面Ldまで伸びている。第2の信号用引き出し電極部20cは、その端が第2の端面Ldに露出し、当該露出した端部で第2の信号用端子電極2に接続される。
【0039】
第1の信号用端子電極1は、第1の信号用引き出し電極部20bの第1の端面Lcに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の信号用引き出し電極部20bは、第1の信号用端子電極1に物理的且つ電気的に接続される。これにより、信号用内部電極20は、第1の信号用端子電極1に接続されることとなる。第2の信号用端子電極2は、第2の信号用引き出し電極部20cの第2の端面Ldに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の信号用引き出し電極部20cは、第2の信号用端子電極2に物理的且つ電気的に接続される。これにより、信号用内部電極20は、第2の信号用端子電極2に接続されることとなる。
【0040】
接地用内部電極30は、図3及び図5に示されるように、接地用主電極部30aと、第1及び第2の接地用引き出し電極部30b,30cとを有する。第1の接地用引き出し電極部30bは、接地用主電極部30aからコンデンサ素体Lの第1の側面Leに引き出されるように伸びる。第2の接地用引き出し電極部30cは、接地用主電極部30aからコンデンサ素体Lの第2の側面Lfに引き出されるように伸びる。接地用主電極部30aと、第1及び第2の接地用引き出し電極部30b,30cとは、一体的に形成されている。
【0041】
接地用主電極部30aは、第1及び第2の端面Lc、Ldの対向方向を長辺方向とし、第1及び第2の側面Le、Lfの対向方向を短辺方向とする長方形状を呈し、誘電体層10上における略中央部に配置される。接地用主電極部30aは、その長辺方向の幅L1が、誘電体層10の幅L2に対して、その略半分程度となるように設定されている。第1の接地用引き出し電極部30bは、接地用主電極部30aの第1の側面Le側の端部である長辺の略中央から第1の側面Leまで所定の幅で伸びている。第1の接地用引き出し電極部30bは、その端が第1の側面Leに露出し、当該露出した端部で第1の接地用端子電極3に接続される。
【0042】
第2の接地用引き出し電極部30cは、接地用主電極部30aの第2の側面Lf側の端部である長辺の略中央から第2の側面Lfまで所定の幅で伸びている。第2の接地用引き出し電極部30cは、その端が第2の側面Lfに露出し、当該露出した端部で第2の接地用端子電極4に接続される。なお、本実施形態では、第1及び第2の接地用引き出し電極部30b,30cの幅が略同等となっているが両方の幅が異なっていてもよい。
【0043】
第1の接地用端子電極3は、第1の接地用引き出し電極部30bの第1の側面Leに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の接地用引き出し電極部30bは、第1の接地用端子電極3に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極30は、第1の接地用端子電極3に接続されることとなる。第2の接地用端子電極4は、第2の接地用引き出し電極部30cの第2の側面Lfに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の接地用引き出し電極部30cは、第2の接地用端子電極4に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極30は、第2の接地用端子電極4に接続されることとなる。
【0044】
ダミー電極40,42は、図3及び図6に示されるように、それぞれ、ダミー用主電極部40a,42aと、ダミー用引き出し電極部40b,42bとを有する。ダミー電極40,42は、第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向における中心線を基準として線対称な形状を呈しており、その幅L3が、誘電体層10の幅L2に対して、それぞれ1/4程度となるように比較的、長めに設定されている。このため、本実施形態では、第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向におけるダミー電極40,42の合計幅(L3×2)が、接地用内部電極30の幅L1と略同じになっている。また、図2に示されるように、ダミー電極40,42は、接続される信号用端子電極1,2よりもコンデンサ素体Lの内側に伸びるように形成されている。
【0045】
なお、本実施形態では後述する製造方法により接地用内部電極30とダミー電極40,42とを同じ電極パターンから構成するようにしているため、接地用内部電極30の図示右側半分(図5参照)とダミー電極40とが同一形状であり、また、接地用内部電極30の図示左側半分(図5参照)とダミー電極42とが同一形状となっている。
【0046】
ダミー電極40のダミー用引き出し電極部40bは、ダミー用主電極部40aからコンデンサ素体Lの第1の端面Lcに引き出されるように伸びる。また、ダミー用引き出し電極部40bは、第1の端面Lc側の第1及び第2の側面Le,Lfにも引き出されるように伸びており、第1及び第2の側面Le,Lfの対向方向において、その引き出し幅が、ダミー用主電極部40aよりも広くなっている。ダミー用主電極部40aと、ダミー用引き出し電極部40bとは、一体的に形成されている。
【0047】
ダミー電極42のダミー用引き出し電極部42bは、ダミー用主電極部42aからコンデンサ素体Lの第2の端面Ldに引き出されるように伸びる。また、ダミー用引き出し電極部42bは、第2の端面Ld側の第1及び第2の側面Le,Lfにも引き出されるように伸びており、第1及び第2の側面Le,Lfの対向方向において、その引き出し幅が、ダミー用主電極部42aよりも広くなっている。ダミー用主電極部42aと、ダミー用引き出し電極部42bとは、一体的に形成されている。
【0048】
第1の信号用端子電極1は、ダミー用引き出し電極部40bの第1の端面Lcと第1及び第2の側面Le,Lfとに露出した部分をすべて覆うように形成されており、ダミー用引き出し電極部40bは、第1の信号用端子電極1に物理的且つ電気的に接続される。これにより、ダミー電極40は、信号用内部電極20と共に、第1の信号用端子電極1に接続されることとなる。第2の信号用端子電極2は、ダミー用引き出し電極部42bの第2の端面Ldと第1及び第2の側面Le,Lfとに露出した部分をすべて覆うように形成されており、ダミー用引き出し電極部42bは、第2の信号用端子電極2に物理的且つ電気的に接続される。これにより、ダミー電極42は、信号用内部電極20と共に、第2の信号用端子電極2に接続されることとなる。
【0049】
続いて、上述した構成を有する貫通コンデンサCの製造方法について説明する。
【0050】
貫通コンデンサCの製造にあたり、まず、誘電体層10を形成するためのセラミックペーストP1や、各内部電極20,30,40,42を形成するための内部電極ペーストP2を準備する。セラミックペーストP1は、誘電体層10を構成する誘電体材料の原料に、有機ビヒクルなどを混合・混錬することによって得られる。誘電体材料として、例えばBaTiO系、B(Ti,Zr)O系、(Ba,Ca)TiO系といった複合酸化物に含まれる各金属原子の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などの組み合わせが挙げられる。有機ビヒクルは、バインダ及び溶剤を含むものである。バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などが挙げられる。溶剤としては、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、キシレン、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤が挙げられる。
【0051】
内部電極ペーストP2中には、適宜、可塑剤を含有させてもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、リン酸エステル、グリコール類などを適用できる。
【0052】
上述したセラミックペーストP1及び内部電極ペーストP2を準備した後、例えばドクタブレード法を用いることにより、PETなどからなるキャリアシート上にセラミックペーストP1を塗布し、誘電体層10の前駆体である第1及び第2のグリーンシート12,14を生成する。
【0053】
続いて、図7に示されるように、第1のグリーンシート12上に、信号用内部電極20が横方向(第1の方向)に連続して3個形成された電極パターンPT1を縦方向(第2の方向)に3列形成するように、例えばスクリーン印刷等を用いて内部電極ペーストP2を印刷する。この製造方法では、後述する積層工程での積層ずれを抑止するため、位置合わせの目印として、縦方向の切断予定線S1にかかる電極パターンPT1の略中央に切欠部20dを形成するよう印刷を行っているが、かかる切欠部20dを設けなくてももちろんよい。隣接する縦方向の切断予定線S1,S1と隣接する横方向の切断予定線S2,S2とによって区切られる各領域が誘電体層10に対応する。信号用内部電極20の電極パターンPT1をこのように形成して、第1のグリーンシート12の準備工程が終了する。
【0054】
続いて、図8に示されるように、第2のグリーンシート14上に、接地用内部電極30が横方向に並列して3個形成された電極パターンPT2を縦方向に3列形成するように、例えばスクリーン印刷等を用いて内部電極ペーストP2を印刷する。印刷によって形成される各接地用内部電極30の幅L1は、隣接する切断予定線T1,T1間の幅L2の略半分となっている。この製造方法では、後述する積層工程での積層ずれを抑止するため、位置合わせの目印として、接地用内部電極30の略中央部に切欠部40dを形成するよう印刷を行っているが、かかる切欠部40dを設けなくてももちろんよい。隣接する縦方向の切断予定線T1,T1と隣接する横方向の切断予定線T2,T2とによって区切られる各領域が誘電体層10に対応する。接地用内部電極30の電極パターンPT2をこのように形成して、第2のグリーンシート14の準備工程が終了する。
【0055】
なお、本実施形態では、ダミー電極40,42を接地用内部電極30と同じ電極パターンから構成するようにしているため、接地用内部電極30が形成された誘電体層10に対応する一方の第2のグリーンシート14aと、ダミー電極40,42が形成された誘電体層10に対応する他方の第2のグリーンシート14bとをそれぞれ準備する。
【0056】
続いて、図9に示されるように、第1のグリーンシート12の切断予定線S1(同図(a)参照)と、一方の第2のグリーンシート14aの切断予定線T1(同図(c)参照)と、他方の第2のグリーンシート14bの切断予定線T1,T1の中間線T3(同図(b)参照)とが、積層方向において一致するように、他方の第2のグリーンシート14bを切断予定線T1,T1間の幅L2の半分(L4)ほど図示左側にずらして、第1のグリーンシート12と、一方の第2のグリーンシート14aと、他方の第2のグリーンシート14bとを順次積層する。なお、図9では、説明の便宜上、各グリーンシート12,14a,14bにおける一列のみを取り出して、積層する際の位置関係を説明している。
【0057】
グリーンシート12,14a,14bの積層は、具体的には、まず、一方の第2のグリーンシート14aを一層積層し、その上に、他方の第2のグリーンシート14bを三層積層する。次に、第1のグリーンシート12を一層積層し、その上に、他方の第2のグリーンシート14bを三層積層する。その後、再び、一方の第2のグリーンシート14を一層積層し、コンデンサ素体Lとなった際に図2に示される断面構成となるように、上述した積層を繰り返す。このような積層により、第1のグリーンシート12上に形成された信号用内部電極20と一方の第2のグリーンシート14aの接地用内部電極30とが対向し、且つ、一方の第2のグリーンシート14aの接地用内部電極30と他方の第2のグリーンシート14bのダミー電極40,42とが対向しないように、第1のグリーンシート12及び第2のグリーンシート14a,14bが積層される。
【0058】
続いて、積層されたグリーンシート12,14a,14bを積層方向から加圧してグリーン積層体を得る。その後、グリーン積層体を切断機で切断予定線S1,S2に沿って切断し、グリーンチップを得る。そして、グリーンチップの脱バインダ処理を行い、その後、グリーンシートを焼成する。この焼成により、グリーンシート12,14a,14bがそれぞれの誘電体層10となり、また、各電極パターンPT1,PT2が信号用内部電極20、接地用内部電極30又はダミー電極40,42となり、コンデンサ素体Lが得られる。脱バインダ処理は、グリーンチップを空気中、又は、N及びHの混合ガスなどの還元雰囲気中で、200〜600℃程度に加熱することにより行われる。焼成は、脱バインダ処理後のグリーンチップを、例えば還元雰囲気下で1100〜1300℃程度に加熱することにより行われる。グリーンチップの焼成後、得られた焼成物に、必要に応じて800〜1100℃、2〜10時間程度のアニール処理を施す。
【0059】
続いて、コンデンサ素体Lの端面Lc,Ld及び側面Le,Lfに導電性ペーストを塗布して焼付けし、更にめっきを施すことにより、信号用端子電極1,2及び接地用端子電極3,4を形成する。導電性ペーストは、例えばCuを主成分とする金属粉末に、ガラスフリット及び有機ビヒクルを混合したものを用いることができる。金属粉末は、Ni,Ag−PdあるいはAgを主成分とするものであってもよい。めっきは、Ni,Sn,Ni−Sn合金,Sn−Ag合金,Sn−Bi合金などの金属めっきが用いられる。また、金属めっきは、例えば、NiとSnとで2層以上形成した多層構造としてもよい。以上により、図1及び図2に示した貫通コンデンサCが複数得られる。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る貫通コンデンサCでは、複数のダミー電極40又は42からそれぞれダミー電極群が構成され、それらダミー電極40及び42それぞれが、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極30が配置される誘電体層10との間において順に積層されるようになっている。このため、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極30が配置される誘電体層10との間に、放熱に寄与するダミー電極40,42が位置することになり、信号用内部電極20と接地用内部電極30との間に滞留して貫通コンデンサCの特性に影響を与えやすい熱を、効率的にコンデンサCの外部に放熱させることできる。しかも、本実施形態における貫通コンデンサCによれば、かかるダミー電極40,42の数はそれぞれ3層ずつであるが、この数を適宜増やすことができるので、より効率的にコンデンサ内の熱を放熱させることも可能である。
【0061】
また、貫通コンデンサCでは、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極30が配置される誘電体層10との間に、複数のダミー電極40,42が積層される構成となっている。この場合、信号用内部電極20と接地用内部電極30との層間を相対的に大きくすることができるので、貫通コンデンサCにおける耐電圧性を向上させることもできる。更に、貫通コンデンサCでは、ダミー電極40,42それぞれが接地用内部電極30と対向しない構成となっている。このため、ダミー電極40,42と接地用内部電極30との間で不要な静電容量を生じさせることがなく、これにより、貫通コンデンサCの特性を一層、向上させることが可能となる。
【0062】
貫通コンデンサCにおいて、ダミー電極40,42は、接続されている信号用端子電極1,2よりもコンデンサ素体Lの内側に伸びる構成になっている。このため、信号用内部電極20と接地用内部電極30との間に滞留する熱の内、より内側にある熱も効率的にコンデンサCの外部に伝導できるようになり、貫通コンデンサCの特性に影響を与えやすい熱を更に効率的にコンデンサCの外部に放熱させることができる。
【0063】
貫通コンデンサCにおいて、信号用内部電極20及びダミー電極40,42のうち少なくとも一方が、コンデンサ素体Lの端面Lc,Ldに露出する切欠部20d又は40dを有する構成とすることもできる。この場合、信号用内部電極20やダミー電極40,42の積層ズレを容易に確認することができる。
【0064】
貫通コンデンサCにおいて、ダミー電極40,42からなるダミー電極群は、第1の信号用端子電極1に接続される第1のダミー電極群(ダミー電極40)と第2の信号用端子電極2に接続される第2のダミー電極群(ダミー電極42)とを含み、第1及び第2の信号用端子電極1,2の対向方向における接地用内部電極30の幅は、第1及び第2のダミー電極群の同一面内におけるダミー電極40,42の合計幅と略同じである。このため、ダミー電極40,42のそれぞれが接地用内部電極30と対向せず且つその長さをより長めに設定することができ、これにより、貫通コンデンサCの特性を更に向上させることができる。即ち、ダミー電極40,42の長さを長めに設定することができるので、コンデンサ素体Lの内部の放熱性を向上でき、また、ダミー電極40,42が接地用内部電極30と対向しない構成とすることができるので、不要な静電容量を生じさせることもなく、静電容量のばらつきを低減することもできる。また、接地用内部電極30とダミー電極40,42との両方を大きく(長く)することができるので、貫通コンデンサCでは、静電容量の増大とダミー電極40,42による放熱性の向上とを両立させることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る貫通コンデンサCの製造方法では、第1及び第2のグリーンシート12,14といった2種類のグリーンシートを準備すると共に2つの第2のグリーンシート14a,14bを互いにずらして積層することにより、3つの異なる層を容易に形成することができるようになっている。このため、2種類のグリーンシート12,14によって、信号用内部電極20や接地用内部電極30だけでなく、信号用端子電極1,2に接続されるダミー電極40,42も有する貫通コンデンサCを容易に製造できる。
【0066】
また、貫通コンデンサCの製造方法では、第2のグリーンシート14a,14b同士を内部電極のパターンPT2の幅の半分ほどずらして積層することで、1種類のグリーンシート14から接地用内部電極30とダミー電極40,42の両方用のグリーンシート14a,14bを形成することができる。更に、貫通コンデンサCの製造方法では、接地用内部電極30を切断予定線T1,T1間の全幅L2の半分程度としているため、第2のグリーンシート14a,14b同士を内部電極のパターンPT2の幅の半分ほどずらして積層することで、ダミー電極40,42と接地用内部電極30とが対向しない構成を容易に得ることができる。
【0067】
貫通コンデンサCの製造方法では、第2のグリーンシート14を準備する工程において、他方の第2のグリーンシート14bを複数準備し、積層体を形成する工程において、複数の第2のグリーンシート14bを積層方向に隣接するように順に積層するようにしている。このため、積層方向におけるダミー電極40,42の数を大きくしつつ接地用内部電極30と信号用内部電極20との層間を大きくした貫通コンデンサCを容易に得ることができる。このようにして製造された貫通コンデンサCでは、ダミー電極40,42の数が多くなるので、放熱性を高めることができる。また、接地用内部電極30と信号用内部電極20との層間が大きくもなるので、耐電圧性を向上させることもできる。
【0068】
貫通コンデンサCの製造方法では、第1のグリーンシート12を準備する工程において、横方向における両端に切欠部20dを有するように信号用内部電極20を形成し、第2のグリーンシート14を準備する工程において、横方向における略中央部に切欠部40dを有するように接地用内部電極30を形成し、積層体を形成する工程において、信号用内部電極20の切欠部20dと第2のグリーンシート14bの切欠部40dとが積層方向において重なるように、第1及び第2のグリーンシート12,14a,14bを積層するようにしている。このため、各切欠部20d,40dが積層方向において重なるように積層するので、信号用内部電極20とダミー電極40,42との位置合わせが容易となり、積層ずれを抑止することができる。
【0069】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る貫通コンデンサC1について説明する。貫通コンデンサC1は、図10に示されるように、誘電特性を有するコンデンサ素体Lと、コンデンサ素体Lの外表面に配置される第1及び第2の信号用端子電極1,2と、コンデンサ素体Lの外表面に配置される第1及び第2の接地用端子電極3,4(図1参照)とを備えている。また、コンデンサ素体Lの内部には、誘電体層10上に形成される信号用内部電極20と、別の誘電体層10上に形成される接地用内部電極32,34と、更に別の誘電体層10上に形成されるダミー電極44,46とが配置されており、本実施形態では、接地用内部電極32,34とダミー電極44,46の形状が第1実施形態と異なっている。以下、相違する点を中心に説明する。
【0070】
接地用内部電極32,34は、図11及び図12に示されるように、第1実施形態における接地用内部電極30の第1及び第2の端面Lc,Ldの対向方向における中央にスリット36を設けて2つの内部電極(電極部分)に分割された形状を呈している。接地用内部電極32は、接地用主電極部32aと、第1及び第2の接地用引き出し電極部32b,32cとを有する。第1の接地用引き出し電極部32bは、接地用主電極部32aからコンデンサ素体Lの第1の側面Leに引き出されるように伸びる。第2の接地用引き出し電極部32cは、接地用主電極部32aからコンデンサ素体Lの第2の側面Lfに引き出されるように伸びる。接地用主電極部32aと、第1及び第2の接地用引き出し電極部32b,32cとは、一体的に形成されている。
【0071】
接地用主電極部32aは、長方形状を呈し、誘電体層10上における略中央部の左側に配置される。第1の接地用引き出し電極部32bは、接地用主電極部32aの第2の端面Ld寄りの第1の側面Le側の端部から第1の側面Leまで所定の幅で伸びている。第1の接地用引き出し電極部32bは、その端が第1の側面Leに露出し、当該露出した端部で第1の接地用端子電極3に接続される。第2の接地用引き出し電極部32cは、接地用主電極部32aの第2の端面Ld寄りの第2の側面Lf側の端部から第2の側面Lfまで所定の幅で伸びている。第2の接地用引き出し電極部32cは、その端が第2の側面Lfに露出し、当該露出した端部で第2の接地用端子電極4に接続される。
【0072】
接地用内部電極34は、スリット36を基準として接地用内部電極32と線対称な形状を呈しており、接地用主電極部34aと、第1及び第2の接地用引き出し電極部34b,34cとを有する。第1の接地用引き出し電極部34bは、接地用主電極部34aからコンデンサ素体Lの第1の側面Leに引き出されるように伸びる。第2の接地用引き出し電極部34cは、接地用主電極部34aからコンデンサ素体Lの第2の側面Lfに引き出されるように伸びる。接地用主電極部34aと、第1及び第2の接地用引き出し電極部34b,34cとは、一体的に形成されている。
【0073】
第1の接地用端子電極3は、第1の接地用引き出し電極部32b,34bの第1の側面Leに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の接地用引き出し電極部32b,34bは、第1の接地用端子電極3に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極32,34は、第1の接地用端子電極3に接続されることとなる。第2の接地用端子電極4は、第2の接地用引き出し電極部32c,34cの第2の側面Lfに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の接地用引き出し電極部32c,34cは、第2の接地用端子電極4に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極32,34は、第2の接地用端子電極4に接続されることとなる。
【0074】
ダミー電極44,46は、図11及び図13に示されるように、それぞれ、ダミー用主電極部44a,46aと、第1のダミー用引き出し電極部44b,46bと、第2のダミー用引き出し電極部44c,46cとを有する。ダミー電極44,46は、第1実施形態と同様に、接地用内部電極32,34と同様の形状をしており、ダミー電極44が接地用内部電極34と、ダミー電極46が接地用内部電極32と同じ形状になっている。各ダミー電極44,46は、スリット36の幅の半分ほど、各端面Lc又はLdから離間するように配置されている。
【0075】
ダミー電極44の第1のダミー用引き出し電極部44bは、ダミー用主電極部44aからコンデンサ素体Lの第1の側面Leに引き出されるように伸び、第1の端面Lcには引き出されないようになっている。第2のダミー用引き出し電極部44cは、ダミー用主電極部44aからコンデンサ素体Lの第2の側面Lfに引き出されるように伸び、第1の端面Lcには引き出されないようになっている。ダミー用主電極部44aと、ダミー用引き出し電極部44b,44cとは、一体的に形成されている。
【0076】
ダミー電極46の第1のダミー用引き出し電極部46bは、ダミー用主電極部46aからコンデンサ素体Lの第1の側面Leに引き出されるように伸び、第2の端面Ldには引き出されないようになっている。第2のダミー用引き出し電極部46cは、ダミー用主電極部46aからコンデンサ素体Lの第2の側面Lfに引き出されるように伸び、第2の端面Ldには引き出されないようになっている。ダミー用主電極部46aと、ダミー用引き出し電極部46b,46cとは、一体的に形成されている。
【0077】
第1の信号用端子電極1は、ダミー用引き出し電極部44b,44cの第1及び第2の側面Le,Lfに露出した部分をすべて覆うように形成されており、ダミー用引き出し電極部44b,44cは、第1の信号用端子電極1に物理的且つ電気的に接続される。これにより、ダミー電極44は、信号用内部電極20と共に、第1の信号用端子電極1に接続されることとなる。第2の信号用端子電極2は、ダミー用引き出し電極部46b,46cの第1及び第2の側面Le,Lfに露出した部分をすべて覆うように形成されており、ダミー用引き出し電極部46b,46cは、第2の信号用端子電極2に物理的且つ電気的に接続される。これにより、ダミー電極46は、信号用内部電極20と共に、第2の信号用端子電極2に接続されることとなる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る貫通コンデンサC1では、第1実施形態と同様に、複数のダミー電極44又は46からそれぞれダミー電極群が構成され、それらダミー電極44及び46それぞれが、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極32,34が配置される誘電体層10との間において順に積層されるようになっている。このため、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極32,34が配置される誘電体層10との間に、放熱に寄与するダミー電極44,46が位置することになり、信号用内部電極20と接地用内部電極32,34との間に滞留して貫通コンデンサCの特性に影響を与えやすい熱を、効率的にコンデンサC1の外部に放熱させることできる。
【0079】
また、貫通コンデンサC1では、信号用内部電極20が配置される誘電体層10と接地用内部電極32,34が配置される誘電体層10との間に、複数のダミー電極44,46が積層される構成となっている。このため、信号用内部電極20と接地用内部電極32,34との層間を相対的に大きくすることができ、貫通コンデンサC1における耐電圧性を向上させることもできる。更に、貫通コンデンサC1では、ダミー電極44,46それぞれが接地用内部電極32,34と対向しない構成となっている。このため、ダミー電極44,46と接地用内部電極32,34との間で不要な静電容量を生じさせることがなく、これにより、貫通コンデンサC1の特性を一層、向上させることが可能となる。
【0080】
また、貫通コンデンサC1では、ダミー電極44,46は、コンデンサ素体Lの側面Le,Lfに引き出され、当該側面Le,Lfにおいて信号用端子電極1,2に接続されるようになっている。このため、ダミー電極44,46をコンデンサ素体Lの側面Le,Lfで端子電極1,2に接続できるようになるため、コンデンサ素体Lの端面Lc,Ldにダミー電極44,46を引き出す必要がなくなり、誘電体層10の端面Lc,Ld寄りの部分36a,36bに電極を形成しなくてもよくなる。その結果、隣接する誘電体層10同士の端面Lc,Ld寄りの部分36a,36bの密着性が向上し、かかる部分36a,36bの密着性が低下することによるデラミネーションを抑止することができる。
【0081】
また、貫通コンデンサC1の製造方法は、接地用内部電極32,34とダミー電極44,46の形状が異なる以外は、第1実施形態での製造方法と略同一である。そして、積層工程では、図14に示されるように、第1のグリーンシート12の切断予定線S1(同図(a)参照)と、一方の第2のグリーンシート14aの切断予定線T1(同図(c)参照)と、他方の第2のグリーンシート14bの切断予定線T1,T1の中間線T3(同図(b)参照)とが、積層方向において一致するように、他方の第2のグリーンシート14bを幅L2の半分(L4)ほど図示左側にずらして、第1のグリーンシート12と、第2のグリーンシート14a,14bとを順次積層する。
【0082】
なお、この製造方法では、第2のグリーンシート14を準備する工程において、2つの電極部分に分割されるように接地用内部電極32,34を形成し、積層体を形成する工程において、切断予定線S1が第2のグリーンシート14bの内部電極におけるスリット36に位置するように、第1及び第2のグリーンシート12,14を積層させている。このため、コンデンサ素体Lの端面Lc,Ldにダミー電極44,46を引き出さなくてもよい貫通コンデンサC1を製造することができ、このような貫通コンデンサC1では、隣接する誘電体層10同士の端面Lc,Ld寄りの部分の密着性を向上させて、デラミネーションを抑止することができる。
【0083】
また、貫通コンデンサC1の製造方法では、第1のグリーンシート12を準備する工程において、第1実施形態と同様に、両端に切欠部20dを有するように信号用内部電極20を形成し、積層体を形成する工程において、当該切欠部20dと第2のグリーンシート12bのスリット36とが積層方向において重なるように、第1及び第2のグリーンシート12,14a,14bを積層するようにしている。このように切欠部20dとスリット36とが積層方向において重なるように積層するので、信号用内部電極20とダミー電極44,46との位置合わせが容易になり、積層ずれを抑止することができる。
【0084】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、接地用内部電極30等の幅は、同一面内におけるダミー電極40,42等の合計幅と略同じであるように設定していたが、ダミー電極40,42等が接地用内部電極30等と対向しない状態であれば、適宜、その幅を調整するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、接地用内部電極30、ダミー電極40,42、信号用内部電極20、ダミー電極40,42、接地用内部電極30…の順に積層した貫通コンデンサC等を説明したが、各電極の積層数や積層順序はこれに限定されるものではない。例えば、図15に示されるように、積層方向における上下部分では他の実施形態と同様の積層順序とするものの、積層方向の略中央部において、信号用内部電極20を連続して複数積層するようにして通電部25を形成するようにしてもよい。このようにすれば、貫通コンデンサC2に、より大きな電流を流すことが可能となる。
【0086】
また、上記実施形態では、接地用内部電極30や信号用内部電極20を1層ずつ積層するようにしていたが、図16に示されるように、信号用内部電極20が誘電体層10を介して互いに対向するように二重に積層される構成としてもよい。このようにすれば、貫通コンデンサC3における信号用内部電極20の直流抵抗(Rdc)を下げることが可能となる。また、図17に示されるように、接地用内部電極30が誘電体層10を介して互いに対向するように二重に積層される構成としてもよい。このようにすれば、貫通コンデンサC4の等価直列抵抗(ESR)を下げることができる。
【符号の説明】
【0087】
1,2…信号用端子電極、3,4…接地用端子電極、10…誘電体層、20…信号用内部電極、20d,40d…切欠部、25…通電部、30,32,34…接地用内部電極、36…スリット、40,42,44,46…ダミー電極、C,C1〜C4…貫通コンデンサ、L…コンデンサ素体、Lc,Ld…端面、Le,Lf…側面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層が積層されたコンデンサ素体と、
前記コンデンサ素体の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極と、
前記コンデンサ素体の外表面に配置された接地用端子電極と、
前記コンデンサ素体内に配置され、且つ、前記第1及び第2の信号用端子電極に接続された信号用内部電極と、
前記複数の誘電体層の内の何れかの誘電体層を介して前記信号用内部電極に対向するように前記コンデンサ素体内に配置され、且つ、前記接地用端子電極に接続された接地用内部電極と、
複数のダミー電極を含み、前記ダミー電極それぞれが前記接地用内部電極と対向しないように前記コンデンサ素体内に配置され、且つ、前記第1及び第2の信号用端子電極の一方に接続されたダミー電極群と、を備え、
前記ダミー電極それぞれは、前記信号用内部電極が配置される誘電体層と前記接地用内部電極が配置される誘電体層との間において順に積層されていることを特徴とする貫通コンデンサ。
【請求項2】
前記ダミー電極は、接続されている前記信号用端子電極よりも前記コンデンサ素体の内側に伸びていることを特徴とする請求項1に記載の貫通コンデンサ。
【請求項3】
前記信号用内部電極及び前記ダミー電極のうち少なくとも一方は、前記コンデンサ素体の端面に露出する切欠部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の貫通コンデンサ。
【請求項4】
前記ダミー電極は、前記信号用内部電極が引き出される前記コンデンサ素体の端面とは異なる前記コンデンサ素体の側面に引き出され、当該側面において前記信号用端子電極に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の貫通コンデンサ。
【請求項5】
前記ダミー電極群は、前記第1の信号用端子電極に接続される第1のダミー電極群と前記第2の信号用端子電極に接続される第2のダミー電極群とを含み、
前記第1及び第2の信号用端子電極の対向方向における前記接地用内部電極の幅は、前記第1及び第2のダミー電極群の同一面内における前記ダミー電極の合計幅と略同じであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の貫通コンデンサ。
【請求項6】
前記複数の誘電体層の積層方向における前記コンデンサ素体の略中央部に、前記信号用内部電極を複数積層して通電部を形成したことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の貫通コンデンサ。
【請求項7】
前記信号用内部電極が前記誘電体層を介して互いに対向するように二重に積層されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の貫通コンデンサ。
【請求項8】
前記接地用内部電極が前記誘電体層を介して互いに対向するように二重に積層されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の貫通コンデンサ。
【請求項9】
第1の方向に伸びる第1の内部電極が前記第1の方向に複数形成された第1のグリーンシートを準備する工程と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に伸び且つ前記第1の方向における幅が切断予定線間の全幅の半分以下である第2の内部電極が前記第1の方向に複数形成された第2のグリーンシートを少なくとも2つ準備する工程と、
前記第1のグリーンシートの前記第1の内部電極と一方の前記第2のグリーンシートの前記第2の内部電極とが対向し、且つ、前記一方の第2のグリーンシートの前記第2の内部電極と他方の前記第2のグリーンシートの前記第2の内部電極とが対向しないように、前記第1のグリーンシート及び少なくとも2つの前記第2のグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体を前記切断予定線に沿って切断して複数の積層体チップに分離する工程と、
前記複数の積層体チップそれぞれに信号用端子電極及び接地用端子電極を形成する工程と、を備えた貫通コンデンサの製造方法。
【請求項10】
前記第2のグリーンシートを準備する工程において、前記他方の第2のグリーンシートを複数準備し、
前記積層体を形成する工程において、複数の前記他方の第2のグリーンシートを積層方向に隣接するように順に積層することを特徴とする請求項9に記載の貫通コンデンサの製造方法。
【請求項11】
前記第1のグリーンシートを準備する工程において、前記第1の方向における両端に切欠部を有するように前記第1の内部電極を形成し、
前記第2のグリーンシートを準備する工程において、前記第1の方向における略中央部に切欠部を有するように前記第2の内部電極を形成し、
前記積層体を形成する工程において、前記第1の内部電極の切欠部と前記他方の第2のグリーンシートの前記第2の内部電極の切欠部とが積層方向において重なるように、前記第1及び第2のグリーンシートを積層することを特徴とする請求項9又は10に記載の貫通コンデンサの製造方法。
【請求項12】
前記第2のグリーンシートを準備する工程において、第1及び第2の電極部分に分割されるように前記第2の内部電極を形成し、
前記積層体を形成する工程において、前記切断予定線が前記他方の第2のグリーンシートの前記第2の内部電極における分割領域に位置するように、前記第1及び第2のグリーンシートを積層することを特徴とする請求項9又は10に記載の貫通コンデンサの製造方法。
【請求項13】
前記第1のグリーンシートを準備する工程において、前記第1の方向における両端に切欠部を有するように前記第1の内部電極を形成し、
前記積層体を形成する工程において、前記第1の内部電極の切欠部と前記他方の第2のグリーンシートの前記第2の内部電極における分割領域とが積層方向において重なるように、前記第1及び第2のグリーンシートを積層することを特徴とする請求項12に記載の貫通コンデンサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−253057(P2012−253057A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122131(P2011−122131)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】