超低速薄膜を用いた弾性表面波基板及び弾性波基板とその基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子
【課題】伝搬損失の小さい、小型で高性能な弾性表面波機能素子及び弾性機能素子を提供する。
【解決手段】圧電性基板1上に、すだれ状電極金属薄膜7、8を付着させ、その上にグレーティング構造からなる伝搬速度が1000m/s以下の超低速薄膜、或いはTeO2薄膜9を付着させる。これにより、非常に薄い膜厚で大きな反射係数をもつ弾性表面波機能素子を得る。また、構成として、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の分散型機能素子、或いはこの薄膜をグレーティング構造とし、大きな反射係数をもつ弾性表面波基板、或いはこの薄膜と高インピーダンス薄膜を組み合わせた弾性波共振器を用いた弾性機能素子を得る。
【解決手段】圧電性基板1上に、すだれ状電極金属薄膜7、8を付着させ、その上にグレーティング構造からなる伝搬速度が1000m/s以下の超低速薄膜、或いはTeO2薄膜9を付着させる。これにより、非常に薄い膜厚で大きな反射係数をもつ弾性表面波機能素子を得る。また、構成として、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の分散型機能素子、或いはこの薄膜をグレーティング構造とし、大きな反射係数をもつ弾性表面波基板、或いはこの薄膜と高インピーダンス薄膜を組み合わせた弾性波共振器を用いた弾性機能素子を得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電性基板表面に超低速薄膜を付着させることにより得られる、大きな速度分散性をもつ基板、或いは大きな反射係数をもつ弾性表面波基板及び弾性波機能素子を得ることを目的としている。
【背景技術】
【0002】
圧電薄膜を用いた共振器型フィルタや弾性波機能素子、或いは圧電性基板表面にすだれ状電極を設けた弾性表面波変換器を用いた弾性表面波フィルタ及び弾性表面波機能素子は、移動体通信用のフィルタ、テレビの中間周波数帯のフィルタとして、広く応用されている。これらのフィルタでは、高性能、小型、軽量、多量生産に優れていること、比較的帯域幅が広いこと、温度の変化に対する周波数特性の変化の小さいこと、などの特性が要求される。
圧電性単結晶、圧電性薄膜基板表面に薄膜を付着させた複合性材料を用いた弾性波、弾性表面波デバイスが広く用いられている。これらの複合性基板では、その薄膜の特性により特性が大きく異なる。従来は、その薄膜の伝搬速度が、ほぼ圧電基板の速度とほぼ等しい材料が用いられており、種々の欠陥がある。本特許はこれらの欠陥を取り除くために考案されたものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの複合性基板では、その薄膜の特性により特性が大きく異なる。従来は、その薄膜の伝搬速度が、ほぼ圧電性基板の速度とほぼ等しい材料が用いられており、良好な特性を得るためには、厚い薄膜が必要であり、膜の伝搬損失による特性の劣化、膜厚制御が難しくなる、素子サイズが大きくなる、などの欠陥がある。本特許はこれらの欠陥を取り除くために考案されたものである。
【発明が解決するための手段】
【0004】
本発明は、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板を得ることにより、基板の伝搬速度を小さくした小型のデバイス及び分散型遅延線を得る方法、またこの薄膜をグレーティング構造とすることにより、反射係数の大きな基板を得ることにより、伝搬損失の小さい、小型、高性能の素子を得ることを目的としている。
【実施例】
【0005】
【実施例1】
実施例の1は、図1のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びこれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の1である。
【実施例2】
実施例の2は、図2のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは図3のように、圧電性基板或いは圧電薄膜基板上に金属膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは図4のように圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、或いは図5のように、図3において、金属膜3が無い構造、或いは図6のように、図4の金属膜3が無い構造の弾性表面波基板及び弾性波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の2である。
【実施例3】
実施例の3は、本特許の膜厚として、1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜の構造として、弾性波及び弾性表面波の波長をλ、その膜厚をHとして、その膜厚H/λ=0.001〜1.2を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の3である。
【実施例4】
実施例の4は、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面にすだれ状電極を付着させた基板上、或いは反射器をもつすだれ状を付着させた基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板、或いはすだれ状電極金属薄膜上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の4である。
【実施例5】
実施例の5は、上に示した本特許の実施例を含めて、図7のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の基板上に、弾性表面波の波長をλとして、超低速薄或いはTeO2薄膜の周期をp、幅をbとして、伝搬路方向の周期がp/λ=0.5であり、超低速グレーティング薄膜或いはグレーティングTeO2薄膜の幅がb/λ=0.25の開放型或いは短絡型の反射器からなる弾性表面波基板、或いは図8のように、金属薄膜の周期をp、その幅をa,超低速グレーティング薄膜或いはグレーティングTeO2薄膜の周期をp、その幅をbとして、金属薄膜の周期がp/λ=0.5、電極幅がa/λ=0.25である開放型、或いは短絡型の反射器の上に,周期がp/λ=0.5であり、その幅がb/λ=0.25の超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の反射器からなる弾性表面波基板、或いはその周期p/λが0.2〜2.0の間で変化する構造の反射器であり、またその幅a/λ及びb/λが0.1〜0.8の間で変化する構造の反射器からなる弾性表面波基板及びその基板を用いた弾性表面波機能素子が実施例の5である。
【実施例6】
実施例の6は、上に示した本特許の実施例を含めて、図9のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上にすだれ状電極金属薄膜を付着させ、その上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた弾性表面波基板であって、弾性表面波の波長をλとして、正負のすだれ状電極金属薄膜の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25であり、その電極の上にその周期がp1/λ=0.5であり、その幅がb1/λ=0.25の超低速グレーティング薄膜或いはグレーティングTeO2薄膜をその位置が、すだれ状金属薄膜の中心と超低速薄膜の中心が一致した位置をδ=0.0として、そのδの値が、波の伝搬方向にδ/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、或いは、図10のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた、その周期がp1/λ=0.5、その幅がb1/λ=0.25の超低速薄膜を付着させ、その上に正負のすだれ状電極の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25をその位置が、超低速反射器の中心と金属膜の中心が一致した位置をδ1=0.0として、δ1/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、あるいはa1/λの値が0.05から0.45、及びb1/λの値が0.05から0.45の値からなる弾性表面波基板,その周期p1/λの値が伝搬方向に0.2から2.0の値で変化した構造、或いは超低速薄膜の膜厚H/λ=0.005〜0.25が範囲の構造の低の弾性表面波基板の弾性表面波基板およびその基板を用いた弾性表面波機能素子が実施例の6である。
【実施例7】
実施例の7は、上に示した本特許の実施例を含めて、圧電性基板として、128°Y−X LiNbO3、0°〜70°Y−X LiNbO3、Y−Z LiNbO3、25°〜45°Y−X LiNbO3、X−112°Y LiTaO3、回転Y−X伝搬KNbO3、ランガサイト、リチュウムテトラボレート、水晶、BGO,BSO、ZnO/基板、AlN/基板からなる弾性表面波基板およびその基板を用いた弾性表面波機能素子が実施例の7である。
【実施例8】
実施例の8は、上に示した本特許の実施例を含めて、図11のように、電極/圧電薄膜/電極の下に、低インピーダンス薄膜/高インピーダンス層を繰り返した薄膜の下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器、或いは圧電薄膜の下に、高インピーダンス薄膜/低インピーダンス層を繰り返した薄膜の下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器において、多層構造の低インピーダンス薄膜として、超低速薄膜或いはTeO2薄膜を用いた弾性波共振器及びこの共振器を用いた弾性波機能素子。
【実施例9】
実施例の9は、上に示した本特許の実施例を含めて、上記の薄膜基板を用いた高周波帯の多位相型一方向性“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ、集積型のすだれ状電極を用いたフィルタ、内部反射型の一方向性すだれ状電極弾性表面波変換器を用いたフィルタ、共振器構造の“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ或いはこの共振器をラダー型に用いたフィルタ或いはラティス型に用いたフィルタ、分散型遅延線、コンボルバー、或いは、すだれ状電極がタップ電極からなるマッチドフィルタが実施例の9である。
【発明の効果】
【0006】
128°Y−X LiNbO3単結晶表面にTeO2薄膜を付着させた弾性表面波基板のH/λに対する伝搬速度を図12に示す。図からH/λ=0.01の増加に対して、ほぼ100m/s速度が低下しており、非常に大きな速度分散性が得られる。また、この膜を用いた速度差を用いたインピーダンス比r=Zo/Zm(Zo:基板のインピーダンス、Zm:基板上にTeO2薄膜がある場合のインピーダンス)を示したのが図13であり、非常に薄い膜厚で大きな反射係数が得られることが判る。
図14は、図12の構造の一方向性変換器の実験値であり、電極幅a/λ=0.25、TeO2幅=0.25、δ/λ=0.15、TeO2膜厚=0.015で挿入損失1.6dB、方向性として順方向と逆方向の差が−20dBが得られている。非常に薄い膜厚で大きな方向性が得られる。また、TeO2/Alすだれ状電極共振器の特性を図15に示す。Al電極のみの場合に較べて、大きな反射係数により大きな振幅比と広い帯域幅が得られている。図16は、多層構造の薄膜共振器の特性のシュミレーション結果であり、ZnO/W/TeO2/W/TeO2/Si基板構造(2層構造)で良好な共振特性が得られている。
TeO2薄膜類似のTeOxなどの超低速薄膜も本特許に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】圧電基板表面に超低速薄膜を付着させた基板の断面図
【図2】超低速薄膜/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図3】超低速薄膜/誘電体/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図4】誘電体/超低速薄膜/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図5】超低速薄膜/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図6】金属膜超/低速薄膜/圧電性基板構造の基板のの断面図
【図7】グレーティング構造の超低速薄膜反射器をもつ弾性表面波基板の断面図
【図8】グレーティング構造の金属膜/超低速薄膜/圧電性基板構造の反射器からなる弾性表面波基板の断面図
【図9】グレーティング構造超低速薄膜/すだれ状電極/圧電性基板の弾性表面波基板の断面図と平面図
【図10】すだれ状電極/グレーティング構造超低速薄膜/圧電性基板の弾性表面波基板の断面図と平面図
【図11】圧電性薄膜/多層構造反射器/基板からなる多層構造弾性波共振器の断面図
【図12】128°Y−XLiNbO3基板表面にTeO2を付着させた場合のH/λに対する伝搬速度
【図13】128°Y−XLiNbO3基板表面にTeO2を付着させた場合のH/λに対するフリーのインピーダンスZoに対するTeO2を付着させたインピーダンスZmの比
【図14】図9の構造の一方向性フィルタの挿入損失の実験値
【図15】図12の構造の弾性表面波共振器の周波数特性の実験値
【図16】図11の構造の弾性波共振器の周波数特性の計算値
【符号の説明】
1−圧電体基板、2−超低速薄膜、3−金属膜、4−誘電体膜、5−グレーティング構造超低速薄膜、6−グレーティング構造金属膜、7−正のすだれ状電極、8−負のすだれ状電極、9−グレーティング構造超低速薄膜、10−取り出し電極、11−圧電性薄膜、12−電極、13−電極、14−高インピーダンス膜、15−低インピーダンス膜、16−基板
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電性基板表面に超低速薄膜を付着させることにより得られる、大きな速度分散性をもつ基板、或いは大きな反射係数をもつ弾性表面波基板及び弾性波機能素子を得ることを目的としている。
【背景技術】
【0002】
圧電薄膜を用いた共振器型フィルタや弾性波機能素子、或いは圧電性基板表面にすだれ状電極を設けた弾性表面波変換器を用いた弾性表面波フィルタ及び弾性表面波機能素子は、移動体通信用のフィルタ、テレビの中間周波数帯のフィルタとして、広く応用されている。これらのフィルタでは、高性能、小型、軽量、多量生産に優れていること、比較的帯域幅が広いこと、温度の変化に対する周波数特性の変化の小さいこと、などの特性が要求される。
圧電性単結晶、圧電性薄膜基板表面に薄膜を付着させた複合性材料を用いた弾性波、弾性表面波デバイスが広く用いられている。これらの複合性基板では、その薄膜の特性により特性が大きく異なる。従来は、その薄膜の伝搬速度が、ほぼ圧電基板の速度とほぼ等しい材料が用いられており、種々の欠陥がある。本特許はこれらの欠陥を取り除くために考案されたものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの複合性基板では、その薄膜の特性により特性が大きく異なる。従来は、その薄膜の伝搬速度が、ほぼ圧電性基板の速度とほぼ等しい材料が用いられており、良好な特性を得るためには、厚い薄膜が必要であり、膜の伝搬損失による特性の劣化、膜厚制御が難しくなる、素子サイズが大きくなる、などの欠陥がある。本特許はこれらの欠陥を取り除くために考案されたものである。
【発明が解決するための手段】
【0004】
本発明は、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板を得ることにより、基板の伝搬速度を小さくした小型のデバイス及び分散型遅延線を得る方法、またこの薄膜をグレーティング構造とすることにより、反射係数の大きな基板を得ることにより、伝搬損失の小さい、小型、高性能の素子を得ることを目的としている。
【実施例】
【0005】
【実施例1】
実施例の1は、図1のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びこれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の1である。
【実施例2】
実施例の2は、図2のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは図3のように、圧電性基板或いは圧電薄膜基板上に金属膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは図4のように圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、或いは図5のように、図3において、金属膜3が無い構造、或いは図6のように、図4の金属膜3が無い構造の弾性表面波基板及び弾性波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の2である。
【実施例3】
実施例の3は、本特許の膜厚として、1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜の構造として、弾性波及び弾性表面波の波長をλ、その膜厚をHとして、その膜厚H/λ=0.001〜1.2を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の3である。
【実施例4】
実施例の4は、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面にすだれ状電極を付着させた基板上、或いは反射器をもつすだれ状を付着させた基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板、或いはすだれ状電極金属薄膜上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子が実施例の4である。
【実施例5】
実施例の5は、上に示した本特許の実施例を含めて、図7のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の基板上に、弾性表面波の波長をλとして、超低速薄或いはTeO2薄膜の周期をp、幅をbとして、伝搬路方向の周期がp/λ=0.5であり、超低速グレーティング薄膜或いはグレーティングTeO2薄膜の幅がb/λ=0.25の開放型或いは短絡型の反射器からなる弾性表面波基板、或いは図8のように、金属薄膜の周期をp、その幅をa,超低速グレーティング薄膜或いはグレーティングTeO2薄膜の周期をp、その幅をbとして、金属薄膜の周期がp/λ=0.5、電極幅がa/λ=0.25である開放型、或いは短絡型の反射器の上に,周期がp/λ=0.5であり、その幅がb/λ=0.25の超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の反射器からなる弾性表面波基板、或いはその周期p/λが0.2〜2.0の間で変化する構造の反射器であり、またその幅a/λ及びb/λが0.1〜0.8の間で変化する構造の反射器からなる弾性表面波基板及びその基板を用いた弾性表面波機能素子が実施例の5である。
【実施例6】
実施例の6は、上に示した本特許の実施例を含めて、図9のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上にすだれ状電極金属薄膜を付着させ、その上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた弾性表面波基板であって、弾性表面波の波長をλとして、正負のすだれ状電極金属薄膜の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25であり、その電極の上にその周期がp1/λ=0.5であり、その幅がb1/λ=0.25の超低速グレーティング薄膜或いはグレーティングTeO2薄膜をその位置が、すだれ状金属薄膜の中心と超低速薄膜の中心が一致した位置をδ=0.0として、そのδの値が、波の伝搬方向にδ/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、或いは、図10のように、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた、その周期がp1/λ=0.5、その幅がb1/λ=0.25の超低速薄膜を付着させ、その上に正負のすだれ状電極の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25をその位置が、超低速反射器の中心と金属膜の中心が一致した位置をδ1=0.0として、δ1/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、あるいはa1/λの値が0.05から0.45、及びb1/λの値が0.05から0.45の値からなる弾性表面波基板,その周期p1/λの値が伝搬方向に0.2から2.0の値で変化した構造、或いは超低速薄膜の膜厚H/λ=0.005〜0.25が範囲の構造の低の弾性表面波基板の弾性表面波基板およびその基板を用いた弾性表面波機能素子が実施例の6である。
【実施例7】
実施例の7は、上に示した本特許の実施例を含めて、圧電性基板として、128°Y−X LiNbO3、0°〜70°Y−X LiNbO3、Y−Z LiNbO3、25°〜45°Y−X LiNbO3、X−112°Y LiTaO3、回転Y−X伝搬KNbO3、ランガサイト、リチュウムテトラボレート、水晶、BGO,BSO、ZnO/基板、AlN/基板からなる弾性表面波基板およびその基板を用いた弾性表面波機能素子が実施例の7である。
【実施例8】
実施例の8は、上に示した本特許の実施例を含めて、図11のように、電極/圧電薄膜/電極の下に、低インピーダンス薄膜/高インピーダンス層を繰り返した薄膜の下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器、或いは圧電薄膜の下に、高インピーダンス薄膜/低インピーダンス層を繰り返した薄膜の下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器において、多層構造の低インピーダンス薄膜として、超低速薄膜或いはTeO2薄膜を用いた弾性波共振器及びこの共振器を用いた弾性波機能素子。
【実施例9】
実施例の9は、上に示した本特許の実施例を含めて、上記の薄膜基板を用いた高周波帯の多位相型一方向性“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ、集積型のすだれ状電極を用いたフィルタ、内部反射型の一方向性すだれ状電極弾性表面波変換器を用いたフィルタ、共振器構造の“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ或いはこの共振器をラダー型に用いたフィルタ或いはラティス型に用いたフィルタ、分散型遅延線、コンボルバー、或いは、すだれ状電極がタップ電極からなるマッチドフィルタが実施例の9である。
【発明の効果】
【0006】
128°Y−X LiNbO3単結晶表面にTeO2薄膜を付着させた弾性表面波基板のH/λに対する伝搬速度を図12に示す。図からH/λ=0.01の増加に対して、ほぼ100m/s速度が低下しており、非常に大きな速度分散性が得られる。また、この膜を用いた速度差を用いたインピーダンス比r=Zo/Zm(Zo:基板のインピーダンス、Zm:基板上にTeO2薄膜がある場合のインピーダンス)を示したのが図13であり、非常に薄い膜厚で大きな反射係数が得られることが判る。
図14は、図12の構造の一方向性変換器の実験値であり、電極幅a/λ=0.25、TeO2幅=0.25、δ/λ=0.15、TeO2膜厚=0.015で挿入損失1.6dB、方向性として順方向と逆方向の差が−20dBが得られている。非常に薄い膜厚で大きな方向性が得られる。また、TeO2/Alすだれ状電極共振器の特性を図15に示す。Al電極のみの場合に較べて、大きな反射係数により大きな振幅比と広い帯域幅が得られている。図16は、多層構造の薄膜共振器の特性のシュミレーション結果であり、ZnO/W/TeO2/W/TeO2/Si基板構造(2層構造)で良好な共振特性が得られている。
TeO2薄膜類似のTeOxなどの超低速薄膜も本特許に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】圧電基板表面に超低速薄膜を付着させた基板の断面図
【図2】超低速薄膜/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図3】超低速薄膜/誘電体/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図4】誘電体/超低速薄膜/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図5】超低速薄膜/金属膜/圧電性基板構造の基板の断面図
【図6】金属膜超/低速薄膜/圧電性基板構造の基板のの断面図
【図7】グレーティング構造の超低速薄膜反射器をもつ弾性表面波基板の断面図
【図8】グレーティング構造の金属膜/超低速薄膜/圧電性基板構造の反射器からなる弾性表面波基板の断面図
【図9】グレーティング構造超低速薄膜/すだれ状電極/圧電性基板の弾性表面波基板の断面図と平面図
【図10】すだれ状電極/グレーティング構造超低速薄膜/圧電性基板の弾性表面波基板の断面図と平面図
【図11】圧電性薄膜/多層構造反射器/基板からなる多層構造弾性波共振器の断面図
【図12】128°Y−XLiNbO3基板表面にTeO2を付着させた場合のH/λに対する伝搬速度
【図13】128°Y−XLiNbO3基板表面にTeO2を付着させた場合のH/λに対するフリーのインピーダンスZoに対するTeO2を付着させたインピーダンスZmの比
【図14】図9の構造の一方向性フィルタの挿入損失の実験値
【図15】図12の構造の弾性表面波共振器の周波数特性の実験値
【図16】図11の構造の弾性波共振器の周波数特性の計算値
【符号の説明】
1−圧電体基板、2−超低速薄膜、3−金属膜、4−誘電体膜、5−グレーティング構造超低速薄膜、6−グレーティング構造金属膜、7−正のすだれ状電極、8−負のすだれ状電極、9−グレーティング構造超低速薄膜、10−取り出し電極、11−圧電性薄膜、12−電極、13−電極、14−高インピーダンス膜、15−低インピーダンス膜、16−基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びこれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項2】
特許請求の範囲の請求項1において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは、圧電性基板或いは圧電薄膜基板上に金属膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、或いは、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、或いは圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に誘電体膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項3】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2において、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜の膜厚として、弾性波及び弾性表面波の波長をλ、その膜厚をHとして、その膜厚H/λ=0.001〜1.2を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項4】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面にすだれ状電極基板上、或いはグレーティング反射器をもつすだれ状電極を付着させた基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板、或いはすだれ状電極金属薄膜上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項5】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の基板上に、弾性表面波の波長をλとして、超低速薄膜或いはTeO2薄膜の周期をp、幅をbとして、伝搬路方向の周期がp/λ=0.5であり、超低速薄膜或いはTeO2薄膜の幅がb/λ=0.25の開放型或いは短絡型のグレーティング反射器からなる弾性表面波基板、或いは、金属薄膜の周期をp、その幅をa,超低速薄膜或いはTeO2薄膜の周期をp、その幅をbとして、金属薄膜の周期がp/λ=0.5、電極幅をa/λ=0.25である開放型、或いは短絡型の反射器の上に,周期がp/λ=0.5であり、その幅がb/λ=0.25の超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の反射器からなる弾性表面波基板、或いはその周期p/λが0.2〜2.0の間で変化する構造のグレーティング反射器であり、またその幅a/λ及びb/λが0.1〜0.8の間で変化する構造のグレーティング反射器からなる弾性表面波基板及びその基板を用いた弾性表面波機能素子。
【請求項6】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上にすだれ状電極金属薄膜を付着させ、その上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた弾性表面波基板であって、弾性表面波の波長をλとして、正負のすだれ状電極金属薄膜の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25であり、その電極の上にその周期がp1/λ=0.5であり、その幅がb1/λ=0.25の超低速グレーティング薄膜或いはTeO2薄膜を、その位置が、すだれ状電極の中心と超低速薄膜の中心が一致した位置をδ=0.0として、そのδの値が、波の伝搬方向にδ/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、或いは、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた、その周期がp1/λ=0.5、その幅がb1/λ=0.25の超低速薄膜を付着させ、その上に正負のすだれ状電極金属薄膜の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25をその位置が、超低速反射器の中心と金属膜の中心が一致した位置をδ1=0.0として、δ1/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、あるいはa1/λの値が0.05から0.45、及びb1/λの値が0.05から0.45の値からなる弾性表面波基板,その周期p1/λの値が伝搬方向に0.2から2.0の値で変化した構造であり、超低速薄膜の膜厚H/λ=0.005〜0.25の範囲の構造の弾性表面波基板及びその基板を用いた弾性表面波機能素子。
【請求項7】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6において、圧電性基板として、128°Y−X LiNbO3、0°〜70°Y−X LiNbO3、Y−Z LiNbO3、25°〜45°Y−X LiNbO3、X−112°Y LiTaO3、回転Y−X伝搬KNbO3、ランガサイト、リチュウムテトラボレート、水晶、BGO,BSO、ZnO/基板、AlN/基板からなる弾性表面波基板およびその基板を用いた弾性表面波機能素子。
【請求項8】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7において電極/圧電薄膜/電極の下に、低インピーダンス薄膜/高インピーダンス薄膜層を繰り返した構造の下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器、或いは圧電薄膜の下に、高インピーダンス薄膜/低高インピーダンスを繰り返した下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器において、多層構造の低インピーダンス薄膜として、超低速薄膜或いはTeO2薄膜を用いた弾性波共振器及びこの共振器を用いた弾性波機能素子。
【請求項9】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8において上記の薄膜基板を用いた高周波帯の多位相型一方向性“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ、集積型のすだれ状電極を用いたフィルタ、内部反射型の一方向性すだれ状電極弾性表面波変換器を用いたフィルタ、共振器構造の“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ或いはこの共振器をラダー型に用いたフィルタ或いはラティス型に用いたフィルタ、分散型遅延線、コンボルバー、或いは、すだれ状電極がタップ電極からなるマッチドフィルタ。
【請求項1】
圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜、或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びこれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項2】
特許請求の範囲の請求項1において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは、圧電性基板或いは圧電薄膜基板上に金属膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造、或いは圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に金属膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、或いは、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させ、その上に誘電体薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、或いは圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面に誘電体膜を付着させ、その上に弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項3】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2において、弾性表面波の伝搬速度が1000m/s以下の速度からなる超低速薄膜或いはTeO2薄膜の膜厚として、弾性波及び弾性表面波の波長をλ、その膜厚をHとして、その膜厚H/λ=0.001〜1.2を付着させた構造の弾性表面波基板及び弾性波基板、及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項4】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面にすだれ状電極基板上、或いはグレーティング反射器をもつすだれ状電極を付着させた基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板、或いはすだれ状電極金属薄膜上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の弾性表面波基板及びそれらの基板を用いた弾性表面波機能素子及び弾性波機能素子。
【請求項5】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の基板上に、弾性表面波の波長をλとして、超低速薄膜或いはTeO2薄膜の周期をp、幅をbとして、伝搬路方向の周期がp/λ=0.5であり、超低速薄膜或いはTeO2薄膜の幅がb/λ=0.25の開放型或いは短絡型のグレーティング反射器からなる弾性表面波基板、或いは、金属薄膜の周期をp、その幅をa,超低速薄膜或いはTeO2薄膜の周期をp、その幅をbとして、金属薄膜の周期がp/λ=0.5、電極幅をa/λ=0.25である開放型、或いは短絡型の反射器の上に,周期がp/λ=0.5であり、その幅がb/λ=0.25の超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた構造の反射器からなる弾性表面波基板、或いはその周期p/λが0.2〜2.0の間で変化する構造のグレーティング反射器であり、またその幅a/λ及びb/λが0.1〜0.8の間で変化する構造のグレーティング反射器からなる弾性表面波基板及びその基板を用いた弾性表面波機能素子。
【請求項6】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5において、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上にすだれ状電極金属薄膜を付着させ、その上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた弾性表面波基板であって、弾性表面波の波長をλとして、正負のすだれ状電極金属薄膜の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25であり、その電極の上にその周期がp1/λ=0.5であり、その幅がb1/λ=0.25の超低速グレーティング薄膜或いはTeO2薄膜を、その位置が、すだれ状電極の中心と超低速薄膜の中心が一致した位置をδ=0.0として、そのδの値が、波の伝搬方向にδ/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、或いは、圧電性基板或いは圧電性薄膜基板表面、或いは溝構造の弾性表面波基板上に超低速薄膜或いはTeO2薄膜を付着させた、その周期がp1/λ=0.5、その幅がb1/λ=0.25の超低速薄膜を付着させ、その上に正負のすだれ状電極金属薄膜の正負間の周期をp1/λ=0.5、その幅がa1/λ=0.25をその位置が、超低速反射器の中心と金属膜の中心が一致した位置をδ1=0.0として、δ1/λ=−0.25から+0.25の値からなる構造の弾性表面波基板、あるいはa1/λの値が0.05から0.45、及びb1/λの値が0.05から0.45の値からなる弾性表面波基板,その周期p1/λの値が伝搬方向に0.2から2.0の値で変化した構造であり、超低速薄膜の膜厚H/λ=0.005〜0.25の範囲の構造の弾性表面波基板及びその基板を用いた弾性表面波機能素子。
【請求項7】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6において、圧電性基板として、128°Y−X LiNbO3、0°〜70°Y−X LiNbO3、Y−Z LiNbO3、25°〜45°Y−X LiNbO3、X−112°Y LiTaO3、回転Y−X伝搬KNbO3、ランガサイト、リチュウムテトラボレート、水晶、BGO,BSO、ZnO/基板、AlN/基板からなる弾性表面波基板およびその基板を用いた弾性表面波機能素子。
【請求項8】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7において電極/圧電薄膜/電極の下に、低インピーダンス薄膜/高インピーダンス薄膜層を繰り返した構造の下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器、或いは圧電薄膜の下に、高インピーダンス薄膜/低高インピーダンスを繰り返した下に基板をもつ構造の多層薄膜構造弾性波共振器において、多層構造の低インピーダンス薄膜として、超低速薄膜或いはTeO2薄膜を用いた弾性波共振器及びこの共振器を用いた弾性波機能素子。
【請求項9】
特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8において上記の薄膜基板を用いた高周波帯の多位相型一方向性“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ、集積型のすだれ状電極を用いたフィルタ、内部反射型の一方向性すだれ状電極弾性表面波変換器を用いたフィルタ、共振器構造の“すだれ状電極”弾性表面波変換器を用いたフィルタ或いはこの共振器をラダー型に用いたフィルタ或いはラティス型に用いたフィルタ、分散型遅延線、コンボルバー、或いは、すだれ状電極がタップ電極からなるマッチドフィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−295504(P2007−295504A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147426(P2006−147426)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000179454)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000179454)
【Fターム(参考)】
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