説明

車両のオイル供給装置

【課題】構造や制御の複雑化を招くことなく、電動オイルポンプの運転効率を高め、電力消費と製造コストの低減の図ることのできる車両のオイル供給装置を提供する。
【解決手段】高圧ポンプ機構部50から吐出されたオイルを、ライン圧通路33を通して回動操作機構11に供給し、低圧ポンプ機構部51から吐出されたオイルを潤滑・冷却通路34に供給する。ライン圧通路33の圧力を調圧弁35で調整し、余剰オイルを潤滑・冷却通路34に供給する。回動操作機構11の非作動時のリーク流量と潤滑・冷却通路34で必要とする流量を加算して総必要流量を求め、その流量を得るための必要回転速度N1を求める。リーク流量を補えなくなる限界の閾値回転速度N2を求める。N1≧N2のときには、電動モータ52をN1で駆動し、N1<N2のときには、電動モータ52をN2で駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動オイルポンプによって高圧系油路と低圧系油路にオイルを供給する車両のオイル供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の油圧アクチュエータを作動させるためのオイルの供給と、各種機器の冷却や潤滑のためのオイルの供給を一つの電動オイルポンプで賄うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電動オイルポンプは、共通の電動モータで駆動される高圧ポンプ機構部と低圧ポンプ機構部を有し、高圧ポンプ機構部から吐出されたオイルが主に油圧アクチュエータの作動に用いられ、低圧ポンプ機構部から吐出されたオイルが各種機器の冷却や潤滑に用いられるようになっている。
【0004】
この電動オイルポンプが採用される車両のオイル供給装置は、高圧ポンプ機構部が調圧弁を介してライン圧通路に接続され、低圧ポンプ機構部が冷却通路や潤滑通路等の低圧オイル通路に接続されている。高圧ポンプ機構部側の調圧弁は、ライン圧通路に供給するオイルを設定圧に調圧するとともに、余剰オイルを低圧オイル通路に供給するようになっている。
また、電動オイルポンプは、油圧アクチュエータで必要とするオイルの流量と、機器の冷却や潤滑で必要とするオイルの流量を求め、これらの各必要流量を得るのに要する駆動回転速度のうちの高い方の回転速度で電動モータを駆動する。これにより、油圧アクチュエータ側のライン圧通路と、冷却や潤滑のための低圧オイル通路において常に供給オイルの不足が生じなくなる。
【特許文献1】特開2000−27992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来のオイル供給装置においては、高圧側と低圧側で夫々必要流量を得るのに要する駆動回転速度のうちの高い方の回転速度で電動モータを駆動する構成となっているため、常に供給オイルの不足は生じなくなるものの、余剰オイルの流量が多くなり、電動モータの不要な電力消費が増大してしまう。具体的には、車両の運転時には前記の油圧アクチュエータを作動させない時間の方が圧倒的に多いにも拘わらず、冷却や潤滑のための供給オイルを確保するために、必要以上の流量のオイルを油圧アクチュエータ側にも流し続けることになり、このオイルを流すための駆動電力が無駄になってしまう。
【0006】
そこでこの発明は、構造や制御の複雑化を招くことなく、電動オイルポンプの運転効率を高め、電力消費の低減と製造コストの低減の両立を図ることのできる車両のオイル供給装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、共通の電動モータ(例えば、後述の実施形態における電動モータ52)で駆動される高圧ポンプ機構部(例えば、後述の実施形態における高圧ポンプ機構部50)と低圧ポンプ機構部(例えば、後述の実施形態における低圧ポンプ機構部51)を有する電動オイルポンプ(例えば、後述の実施形態における電動オイルポンプ32)と、前記高圧ポンプ機構部から吐出されたオイルを車両の油圧アクチュエータに供給するライン圧通路(例えば、後述の実施形態におけるライン圧通路33)と、前記低圧ポンプ機構部から吐出されたオイルを車両機器の低圧オイル利用部に供給する低圧オイル通路(例えば、後述の実施形態における潤滑・冷却通路34)と、前記高圧ポンプ機構部から吐出されて前記ライン圧通路に供給されるオイルを設定圧に調圧し、余剰オイルを前記低圧オイル通路に供給する調圧弁(例えば、後述の実施形態における調圧弁35)と、前記油圧アクチュエータの非作動時に、同油圧アクチュエータからリークするオイルの流量を算出するリーク流量算出手段(例えば、後述の実施形態におけるリーク流量算出手段60)と、前記低圧オイル通路で必要とするオイルの流量を算出する低圧必要流量算出手段(例えば、後述の実施形態における低圧必要流量算出手段61)と、前記油圧アクチュエータの非作動時に、前記リーク流量算出手段と低圧必要流量算出手段の算出結果からオイルの総合必要流量を算出する総合必要流量算出手段(例えば、後述の実施形態における総合必要流量算出手段62)と、前記総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度を算出する必要モータ速度算出手段(例えば、後述の実施形態における必要モータ速度算出手段63)と、前記高圧ポンプ機構部でのオイルの吐出流量が前記油圧アクチュエータからのオイルのリーク流量とほぼ同じになる電動モータの閾値回転速度を算出する閾値モータ速度算出手段(例えば、後述の実施形態における閾値モータ速度算出手段64)と、前記必要モータ速度算出手段と閾値モータ速度算出手段の算出結果に基づき、前記油圧アクチュエータの非作動時に、前記総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度が前記閾値回転速度以上の場合には、電動モータを前記必要回転速度で駆動し、前記総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度が前記閾値回転速度よりも小さい場合には、電動モータを前記閾値回転速度以上の設定速度で駆動する駆動制御手段(例えば、後述の実施形態における駆動制御手段65)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、油圧アクチュエータの非作動時には、リーク流量算出手段で油圧アクチュエータからリークするオイルの流量が算出されるとともに、低圧必要流量算出手段で低圧オイル通路で必要とするオイルの流量が算出され、さらに、これらの算出結果に基づいて総合必要流量算出手段でオイルの総合必要流量が算出される。この後に必要モータ速度算出手段で前記の総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度が算出されるとともに、閾値モータ速度算出手段で電動モータの閾値回転速度が算出される。そして、このとき電動モータの必要回転速度が閾値回転速度以上であれば、電動モータが駆動制御手段によって必要回転速度で駆動され、電動モータの必要回転速度が閾値回転速度よりも小さいときには、電動モータが駆動制御手段によって閾値回転速度以上の設定速度で駆動される。したがって、電動オイルポンプは、基本的に低圧側と高圧側の総合必要流量を満たすように運転され、ライン圧通路のオイルの流量が油圧アクチュエータからのリーク流量を下回る可能性のあるときには、確実にリーク流量以上のオイルの流量が得られる閾値回転速度以上の設定速度で運転されることになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両のオイル供給装置において、前記調圧弁は、前記油圧アクチュエータの非作動時に電動モータを前記必要回転速度で駆動する場合に、前記高圧ポンプ機構部から吐出されたオイルの流量から前記油圧アクチュエータのリーク流量を差し引いた流量が前記低圧オイル通路に供給されるように設定されていることを特徴とする。
これにより、油圧アクチュエータの非作動時に電動モータが必要回転速度で駆動されている間は、高圧ポンプ機構部から吐出された余剰オイルが調圧弁を通して低圧オイル通路に供給され、車両機器の低圧オイル利用部で有効利用される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置において、前記ライン圧通路に供給されたオイルは駆動機構の油圧アクチュエータの作動に用いられ、前記低圧オイル通路に供給されたオイルは車両機器の冷却と潤滑の少なくともいずれかに用いられることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置において、前記高圧ポンプ機構部から吐出されるオイルの温度を検出する温度検出手段(例えば、後述の実施形態における温度センサ67)を備え、前記リーク流量算出手段は、前記温度検出手段での検出温度に基づいてリーク流量を算出することを特徴とする。
これにより、温度に応じて変化する油圧アクチュエータからのオイルのリーク流量がリーク流量算出手段によって正確に算出されるようになる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置において、前記高圧ポンプ機構部から吐出されるオイルの温度を検出する温度検出手段を備え、前記必要モータ速度算出手段と閾値モータ速度算出手段は、前記温度検出手段での検出温度に基づいて電動モータの必要回転速度と閾値回転速度を算出することを特徴とする。
これにより、温度に応じて変化する電動モータの必要回転速度と閾値回転速度が必要モータ速度算出手段と閾値モータ速度算出手段によって正確に算出されるようになる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置において、前記油圧アクチュエータは、円周方向に沿うように永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石9)が配設された内周側回転子(例えば、後述の実施形態における内周側回転子6)と、この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子(例えば、後述の実施形態における外周側回転子5)と、油圧によって前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段(例えば、後述の実施形態における回動操作機構11)とを備えた電動機(例えば、後述の実施形態における電動機1)の前記位相変更手段であることを特徴とする。
この場合、例えば、電動機の内周側回転子と外周側回転子の相対的な位相を任意位置で固定するときには、オイルのリークを補うように位相変更手段にオイルの供給が続けられる。このとき、位相変更手段には電動オイルポンプからオイルが供給されるが、電動オイルポンプはライン圧通路のオイルの流量が位相変更手段でのリーク流量を常に上回るように運転されるため、内周側回転子と外周側回転子の相対的な位相は確実に一定位置に保持される。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、基本的に、低圧側と高圧側の総合必要流量が得られるように電動モータの駆動速度を制御し、ライン圧通路のオイルの流量が油圧アクチュエータからのリーク流量を下回る可能性のあるときだけ、確実にリーク流量以上のオイルの流量が得られる閾値回転速度以上の設定速度に電動モータの駆動速度を制御するため、極めて簡単な構成でありながら、電動オイルポンプの動力ロスを確実に低減することができる。したがって、これによって電動モータの消費電力の低減と製造コストの低減が可能になる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、高圧ポンプ機構部から吐出された余剰オイルを車両機器の低圧オイル利用部で有効利用することができるため、電動モータの動力ロスを低減しつつ、油圧アクチュエータでのオイルのリーク分を確実に補償することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、油圧アクチュエータのオイルリークを補償して駆動機構の保持圧を維持しつつ、車両機器の冷却や潤滑を充分に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、油圧アクチュエータからのオイルのリーク流量をオイルの温度変化を反映して正確に算出することができるため、電動モータの駆動制御をより正確に行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、電動モータの必要回転速度と閾値回転速度をオイルの温度変化を反映して正確に算出することができるため、電動モータの駆動制御をより正確に行うことができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、電動オイルポンプでの電力消費の低減を図りつつ、電動機の誘起電圧定数を設定値に安定的に保持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、ハイブリッド車両や電動車両等の走行駆動源として用いられる電動機1を示す。この電動機1は、円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータである。固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。また、電動機1の回転力はトランスミッション(図示せず)を介して車輪の駆動軸(図示せず)に伝達されるようになっている。この場合、電動機1は車両の減速時に発電機として機能させれば、回生エネルギーとして蓄電器に回収することもできる。また、ハイブリッド車においては、電動機1の回転軸4をさらに内燃機関のクランクシャフト(図示せず)に連結することにより、内燃機関による発電にも利用することができる。
【0021】
回転子ユニット3は、円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6が設定角度の範囲で回動可能とされている。
【0022】
外周側回転子5と内周側回転子6は、回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
【0023】
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9…が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(図4,図5(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(図2,図5(a)参照)を得ることができる。
【0024】
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6が回動操作機構11によって相対的に回動操作されるようになっている。回動操作機構11は、図6に示す油圧回路の油圧によって操作され、この発明に係るオイル供給装置の油圧アクチュエータを構成するようになっている。
【0025】
回動操作機構11は、図1〜図4に示すように回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の軸方向両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
【0026】
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数のベーン18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応するベーン18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、ベーン18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の仕切壁21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、ベーン18が一方の仕切壁21と他方の仕切壁21の間を変位し得るようになっている。この実施形態の場合、仕切壁21はベーン18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制するストッパとしても機能する。なお、各ベーン18の先端部と仕切壁21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によってベーン18と凹部19の底壁20、仕切壁21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
【0027】
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、図1に示すように内周側回転子6や仕切壁21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
【0028】
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、オイルが導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各ベーン18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。進角側作動室24は、内部に導入されたオイルの圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入されたオイルの圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図2,図4中の矢印Rで示す電動機1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、電動機1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
【0029】
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対するオイルの給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、図6に示す油圧回路の進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧回路の遅角側給排通路27に接続されているが、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、図1に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした位置に形成された環状溝26b,27bに接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c…,27c…に接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
【0030】
ここで、この実施形態の電動機1の場合、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(図2,図5(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(図4,図5(b)参照)になるように設定されている。
なお、この電動機1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動油の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、こうして磁界の強さが変更されると、それに伴って誘起電圧定数が変化し、その結果、電動機1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数が大きくなると、電動機1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数が小さくなると、電動機1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
【0031】
図6は、この発明に係る車両のオイル供給装置13を示す油圧回路図である。オイル供給装置13は、油圧供給源として電動オイルポンプ32を備え、この電動オイルポンプ32から吐出されたオイルが高圧系油路と低圧系油路とに供給されるようになっている。電動オイルポンプ32は高圧ポンプ機構部50と低圧ポンプ機構部51を備え、これらのポンプ機構部50,51が共通の電動モータ52の出力軸によって回転駆動されるようになっている。高圧ポンプ機構部50は高圧系油路であるライン圧通路33に接続され、低圧ポンプ機構部51は低圧系油路である潤滑・冷却通路34(低圧オイル通路)に接続されている。
【0032】
高圧ポンプ機構部50とライン圧通路33の間には、ライン圧通路33への供給圧を調圧する調圧弁35が介装されており、調圧弁35で余剰分として排出されるオイルはドレン通路53を通して潤滑・冷却通路34に供給されるようになっている。また、ライン圧通路33の調圧弁35の近傍位置には、高圧ポンプ機構部50から吐出されるオイルの温度を検出する油温センサ67(温度検出手段)が設けられ、この温度センサ67による検出温度信号がコントローラ38に入力されるようになっている。
【0033】
ライン圧通路33には、スプール式の流路切換弁37を介して電動機1の回動操作機構11の進角側給排通路26と遅角側給排通路27が接続されている。流路切換弁37は、ライン圧通路33に導入された作動油を進角側給排通路26と遅角側給排通路27に振り分けるとともに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27で不要な作動油をドレン通路36に排出するものであり、油圧操作されるスプールの位置に応じてこれらの操作が行われる。そして、流路切換弁37の操作圧はライン圧通路33の圧力を基に電磁式の調圧弁39によって作られ、この調圧弁39がコントローラ38によって制御されるようになっている。したがって、回動操作装置11による回転子ユニット3の位相制御はコントローラ38による調圧弁39の制御を通して行われる。
なお、回転子ユニット3の位相変更を行わない場合には、回動操作機構11でのオイルリークを補うだけのオイルの補給がライン圧通路33を通して行われるようになっている。
【0034】
また、低圧ポンプ機構部51に接続された潤滑・冷却通路34は、電動機1や周囲の動力伝達系機器等を潤滑する潤滑通路51Aと、電動機1内の冷却部1aや周囲の機器に作動油を冷却液として供給する冷却通路51Bとに分岐し、冷却通路51Bへの作動油の供給が制御弁56によって適宜コントロールされるようになっている。なお、図6中57は、オイルクーラ圧制御弁であり、58は、オイルクーラである。
【0035】
ところで、電動オイルポンプ32を制御するコントローラ38は、電動機1の回動操作機構11が非作動状態のときに電動モータ52の駆動速度を制御するための以下の(a)〜(f)の構成を備えている(図7参照)。
(a)回動操作機構11の非作動時に、同操作機構11からリークするオイルの流量Qleakを算出するリーク流量算出手段60。
(b)潤滑・冷却通路34で必要とするオイルの流量Qcoolを算出する低圧必要流量算出手段61。
(c)回動操作機構11の非作動時に、リーク流量算出手段60と低圧必要流量算出手段61の算出結果を加算してオイルの総合必要流量Qleak+Qcoolを求める総合必要流量算出手段62。
(d)総合必要流量Qleak+Qcoolを得るための電動モータ52の必要回転速度N1を算出する必要モータ速度算出手段63。
(e)高圧ポンプ機構部50でのオイルの吐出流量が回動操作機構11のオイルのリーク流量Qleakとほぼ同じになる電動モータ52の閾値回転速度N2を算出する閾値モータ速度算出手段64。
(f) 必要モータ速度算出手段63と閾値モータ速度算出手段64の算出結果を受け、その算出結果に応じて電動モータ52の駆動速度を制御する駆動制御手段65。
【0036】
リーク流量算出手段60は、例えば、図8に示すようなオイル温度tとリーク流量Qleakの相関マップ1をコントローラ38の記憶部に記憶させておき、油温センサ37による検出温度tに対応するリーク流量Qleakを、相関マップ1を参照して求める。
【0037】
低圧必要流量算出手段61は、電動機1内の冷却部1aの温度や潤滑する機器の作動速度等の検出信号が図示しないセンサを通してコントローラ38に入力され、これらの検出信号を基にして、潤滑・冷却通路34で必要とするオイルの流量Qcoolを算出する。この場合も、相関マップを参照する等によって流量Qcoolを求めるようにしても良い。
【0038】
また、必要モータ速度算出手段63は、総合必要流量算出手段62で求めた総合必要流量Qleak+Qcoolのデータを受け、低圧ポンプ機構部51の吐出流量Qlと高圧ポンプ機構部50の吐出流量Qhを合計したオイル流量Ql+Qhが現在の総合必要流量Qleak+Qcoolに等しくなるような電動モータ52の必要回転速度N1を求める。具体的には、例えば、図9に示すような電動オイルポンプ32の総合吐出流量Ql+Qhと電動モータ52の必要回転速度N1の相関マップ2をコントローラ38の記憶部に記憶させておき、Ql+Qh=Qleak+Qcoolであるとして、総合必要流量の算出データQleak+Qcoolに対応する必要回転速度N1を、相関マップ2を参照して求める。この場合、相関マップ2の総合吐出流量Ql+Qhと必要回転速度N1の相関データはオイルの温度毎(例えばt1,t2,t3毎。(t1>t2>t3))に設けておき、油温センサ37による検出温度に対応する相関データを用いて必要回転速度N1を求める。
【0039】
閾値モータ速度算出手段64は、リーク流量算出手段60で求めた回動操作機構11のリーク流量Qleakのデータを受け、高圧ポンプ機構部50の吐出流量Qhが回動操作機構11の現在のリーク流量Qleakと等しいときの電動モータ52の回転速度である閾値回転速度N2を求める。具体的には、例えば、図10に示すような高圧ポンプ機構部50の吐出流量Qhと電動モータ52の閾値回転速度N2の相関マップ3をコントローラ38の記憶部に記憶させておき、Qleak=Qhであるとして、リーク流量の算出データQleakに対応する閾値回転速度N2を、相関マップ3を参照して求める。この場合も、相関マップ3の吐出流量Qhと閾値回転速度N2の相関データはオイルの温度毎(例えばt1,t2,t3毎。(t1>t2>t3))に設けておき、油温センサ37による検出温度に対応する相関データを用いて閾値回転速度N2を求める。
【0040】
駆動制御手段65は、必要モータ速度算出手段63の算出データN1と閾値モータ速度算出手段64の算出データN2の大小を比較し、N1≧N2のとき、つまり、必要回転速度N1で電動モータ52を駆動したときに回動操作機構11のリーク流量Qleakを補うのに不足が生じない場合には、電動モータ52の駆動速度を必要回転速度N1に制御し、N1<N2のとき、つまり、必要回転速度N1で電動モータ52を駆動したときに回動操作機構11のリーク流量Qleakを補うのに不足が生じる場合には、電動モータ52の駆動速度を閾値回転速度N2以上の設定回転速度、例えば、閾値回転速度N2と同回転速度に制御する。以下では、設定回転速度は閾値回転速度N2と同回転速度であるものとして説明する。
【0041】
つづいて、回動操作機構11が非作動状態のときの電動オイルポンプ32の具体的な制御を、図11のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップS101において、回動操作機構11が作動状態であるかどうかを判定し、回動操作機構11が作動状態であるときには、この制御の処理を抜けて説明を省略を回動操作機構11を作動させるときの電動オイルポンプ32の制御を行い、回動操作機構11が非作動状態であるときには、ステップS102に進んで油温センサ67の検出データの読み込みを行う。
つづく、ステップS103においては、相関マップ1を参照して現在のオイルの温度に応じたリーク流量Qleakを求め、ステップS104においては、図示しないマップを参照して現在、潤滑・冷却通路34で必要とするオイルの流量Qcoolを求める。そして、次のステップS105においては、ステップS103とS104で求めたリーク流量Qleakと必要流量Qcoolを加算して総合必要流量Qleak+Qcoolを求める。
次のステップS106においては、相関マップ2を参照して現在の総合必要流量Qleak+Qcoolとオイルの温度に応じた電動モータ52の必要回転速度N1を求め、さらにつづくステップS107においては、相関マップ3を参照して現在のリーク流量Qleakとオイルの温度に応じた電動モータ52の閾値回転速度N2を求める。
そして、つづくステップS108においては、ステップS106で求めた電動モータ52の必要回転速度N1がステップS107で求めた閾値回転速度N2以上であるかどうかを判定し、必要回転速度N1が閾値回転速度N2以上であるときにはステップS109に進み、必要回転速度N1が閾値回転速度N2よりも小さい場合にはステップS110に進む。ステップS109に進んだ場合には、駆動回転速度が必要回転速度N1になるように電動モータ52の駆動を制御する。なお、このとき調圧弁39では、高圧ポンプ機構部50から吐出されたオイルの流量のうちの、回動操作機構11でのリーク流量Qleakを差し引いた流量のオイルが潤滑・冷却通路34に供給される。また、ステップS110に進んだ場合には、駆動回転速度が、閾値回転速度N2になるように電動モータ52の駆動を制御する。
【0042】
以上のように、このオイル供給装置13においては、基本的に、低圧側と高圧側の総合必要流量Qleak+Qcoolが得られるように電動モータ52を必要回転速度N1で駆動し、必要回転速度N1が閾値回転速度N2よりも小さい場合にだけ、閾値回転速度N2で駆動するため、極めて簡単な構成でありながら、電動オイルポンプ32の動力損失を確実に抑制することができる。
特に、このオイル供給装置13では、必要回転速度N1が閾値回転速度N2以上である場合には、高圧ポンプ機構部50から吐出された余剰オイルが調圧弁39を介して潤滑・冷却通路34に導入され、ここで導入される流量と低圧ポンプ機構部51からの吐出流量が加算されたオイルの総流量が必要流量Qcoolを満たすように電動オイルポンプ32が駆動されるため、電動オイルポンプ32から吐出されたオイルの殆どを、高圧側と低圧側のいずれかで有効に利用することができる。
したがって、このオイル供給装置13によれば、電動モータ52の消費電力低減と製造コストの低減の両立を高レベルで図ることができる。
【0043】
さらに、このオイル供給装置13においては、油温センサ67で高圧ポンプ機構部50から吐出されたオイルの温度を検出し、現在のオイルの温度状況を反映した回動操作機構11のリーク流量を求めるようにしているため、オイルの温度変化によるリーク流量Qleakの算出誤差を少なくすることができる。
【0044】
また、このオイル供給装置13では、油温センサ67で検出したオイルの温度に応じて、総合必要流量Qleak+Qcoolを得るための電動モータ52の必要回転速度N1と、電動モータ52の閾値回転速度N2を求めるようにしているため、オイルの温度変化による必要回転速度N1と閾値回転速度N2の算出誤差を少なくすることができる。
【0045】
また、この実施形態においては、上記のオイル供給装置13によって電動機1の回動操作機構11を制御するようにしているため、電動オイルポンプ32の電力消費の低減を図りつつ、電動機1の誘導起電圧定数を安定的に保持することができる。
【0046】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、オイル供給装置13のライン圧通路33に電動機1の回動操作機構11が接続されているが、ライン圧通路33を通してオイルを使用する油圧アクチュエータは電動機1以外の車両の種々の駆動機器等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の一実施形態で用いる電動機の要部断面図。
【図2】同実施形態の電動機の最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図。
【図3】同実施形態の電動機の回転子ユニットの分解斜視図。
【図4】同実施形態の電動機の最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図。
【図5】内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図。
【図6】同実施形態のオイル供給装置の油圧回路図。
【図7】同実施形態のオイル供給装置の機能ブロック図。
【図8】同実施形態で用いるリーク流量Qleak−油温tマップ。
【図9】同実施形態で用いる必要回転速度N1−総合必要流量Ql+Qhマップ。
【図10】同実施形態で用いる閾値回転速度N2−高圧側必要流量Qhマップ。
【図11】同実施形態のオイル供給装置のモータ駆動制御の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0048】
1…電動機
5…外周側回転子
6…内周側回転子
9…永久磁石
11…回動操作機構(油圧アクチュエータ,位相変更手段)
13…オイル供給装置
32…電動オイルポンプ
33…ライン圧通路
34…潤滑・冷却通路(低圧オイル通路)
35…調圧弁
50…高圧ポンプ機構部
51…低圧ポンプ機構部
52…電動モータ
60…リーク流量算出手段
61…低圧必要流量算出手段
62…総合必要流量算出手段
63…必要モータ速度算出手段
64…閾値モータ速度算出手段
65…駆動制御手段
67…温度センサ(温度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の電動モータで駆動される高圧ポンプ機構部と低圧ポンプ機構部を有する電動オイルポンプと、
前記高圧ポンプ機構部から吐出されたオイルを車両の油圧アクチュエータに供給するライン圧通路と、
前記低圧ポンプ機構部から吐出されたオイルを車両機器の低圧オイル利用部に供給する低圧オイル通路と、
前記高圧ポンプ機構部から吐出されて前記ライン圧通路に供給されるオイルを設定圧に調圧し、余剰オイルを前記低圧オイル通路に供給する調圧弁と、
前記油圧アクチュエータの非作動時に、同油圧アクチュエータからリークするオイルの流量を算出するリーク流量算出手段と、
前記低圧オイル通路で必要とするオイルの流量を算出する低圧必要流量算出手段と、
前記油圧アクチュエータの非作動時に、前記リーク流量算出手段と低圧必要流量算出手段の算出結果からオイルの総合必要流量を算出する総合必要流量算出手段と、
前記総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度を算出する必要モータ速度算出手段と、
前記高圧ポンプ機構部でのオイルの吐出流量が前記油圧アクチュエータからのオイルのリーク流量とほぼ同じになる電動モータの閾値回転速度を算出する閾値モータ速度算出手段と、
前記必要モータ速度算出手段と閾値モータ速度算出手段の算出結果に基づき、前記油圧アクチュエータの非作動時に、前記総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度が前記閾値回転速度以上の場合には、電動モータを前記必要回転速度で駆動し、前記総合必要流量を得るための電動モータの必要回転速度が前記閾値回転速度よりも小さい場合には、電動モータを前記閾値回転速度以上の設定速度で駆動する駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両のオイル供給装置。
【請求項2】
前記調圧弁は、前記油圧アクチュエータの非作動時に電動モータを前記必要回転速度で駆動する場合に、前記高圧ポンプ機構部から吐出されたオイルの流量から前記油圧アクチュエータのリーク流量を差し引いた流量が前記低圧オイル通路に供給されるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のオイル供給装置。
【請求項3】
前記ライン圧通路に供給されたオイルは駆動機構の油圧アクチュエータの作動に用いられ、前記低圧オイル通路に供給されたオイルは車両機器の冷却と潤滑の少なくともいずれかに用いられることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置。
【請求項4】
前記高圧ポンプ機構部から吐出されるオイルの温度を検出する温度検出手段を備え、
前記リーク流量算出手段は、前記温度検出手段での検出温度に基づいてリーク流量を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置。
【請求項5】
前記高圧ポンプ機構部から吐出されるオイルの温度を検出する温度検出手段を備え、
前記必要モータ速度算出手段と閾値モータ速度算出手段は、前記温度検出手段での検出温度に基づいて電動モータの必要回転速度と閾値回転速度を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置。
【請求項6】
前記油圧アクチュエータは、円周方向に沿うように永久磁石が配設された内周側回転子と、この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように永久磁石が配設された外周側回転子と、油圧によって前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段とを備えた電動機の前記位相変更手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両のオイル供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−63947(P2008−63947A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239502(P2006−239502)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】