説明

車両のロアメンバ構造

【課題】型成形により製造されて、エンジン及び変速機ETとの干渉防止のために形成された逃げ部に十分な剛性を確保でき、もって前突時に当該逃げ部の箇所で早期に折損する事態を未然に防止できる車両のロアメンバ構造を提供する。
【解決手段】エンジン及び変速機との干渉を防止するための逃げ部17の前側位置を境界として、ロアメンバ12をフロントピース18とリアピース19とに分割して個別にダイカスト成形し、両ピース18,19を相互に溶接すると共に、フロントピース18から後方に延設された隔壁部18bによりリアピース19の逃げ部17の箇所を下方から閉鎖した状態で溶接して閉断面構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のロアメンバ構造に係り、詳しくはエンジン及び変速機の下側に配設されて、車両前突時に荷重を受けて変形しながら衝撃吸収作用を奏するロアメンバの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から普及しているスチール製のモノコック構造に加えて、近年では種々の車体構造が実用化されており、その一例としてアルミスペースフレーム構造を挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1のアルミスペースフレーム構造では、押出し成形やダイカスト成形により製造された各部材を溶接して車体フレームを構成し、この車体フレームにアウタパネルを適宜装着している。この種のアルミスペースフレーム構造では、エンジン及び変速機の下側に配設されるロアメンバ(スチールモノコック構造のサスクロスメンバに相当)をダイカスト成形により製造し、ロアメンバの左右前端にフロントサイドメンバやクラッシュボックス等の部材を介してフロントバンパのバンパビームを支持して構成されている。
【0003】
そして、この種のアルミスペースフレーム構造の車両においてもロアメンバは車両前突時に衝撃吸収作用を奏しており、バンパビームを介して入力される荷重によりクラッシュボックスが圧潰した後に、ロアメンバが変形しながら衝撃吸収して車体全体への被害の波及を防止するようになっている。
【特許文献1】特開2006−143178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来からのスチールモノコック構造のフロントサイドメンバと同じく、上記特許文献1に記載されたアルミスペースフレーム構造のロアメンバでも、エンジンルーム内でのエンジン及び変速機との干渉を防止する必要がある。このため、急加減速時の反力を受けてエンジン及び変速機がロールした場合を想定して、ロアメンバのエンジン及び変速機に対する最近接位置にはかなり大きな逃げ部が形成され、これにより逃げ部の箇所でロアメンバ101の断面積は大幅に減少する。スチールモノコック構造のフロントサイドメンバでは、鋼板を所定形状にプレス成形した部材をモナカ状に接合して閉断面構造を形成するため、上記逃げ部の箇所でもある程度の剛性は確保でき、車両前突時のロアメンバ101による衝撃吸収作用に支障を生じる虞はない。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のロアメンバは、ダイカスト成形される故に以下の問題が生じる。
図8は特許文献1の単体のロアメンバを斜め上方より見た斜視図、図9は同じく逃げ部の箇所を示す図8のIX−IX断面図である。ロアメンバ101は前後方向に延びる一対のサイドメンバ部101aをクロスメンバ部101bにより連結して、全体として平面視で略H状をなしている。この例では、クロスメンバ部101bより前側位置で左右のサイドメンバ部101aの対向面に逃げ部102が形成されており、左右のサイドメンバ部101aの後端は、例えばダッシュクロスメンバ等の構造材に連結される一方、上記のように左右のサイドメンバ部101aの前端には、フロントサイドメンバやクラッシュボックス等を介してバンパビームが支持されている。図9に示すように、この逃げ部102の箇所においてロアメンバ101の断面積は二点鎖線で示す本来の断面形状に比較して大幅に減少している。
【0006】
ロアメンバ101は型抜き方向を上下に設定したダイカスト成形により一体形成され、基本的に下方に開放された断面形状、即ち閉断面構造に比較して剛性面で不利な開断面構造であるため、断面積の減少による逃げ部102の箇所での剛性低下を抑制できずに、この逃げ部102の箇所が脆弱部となってしまう。なお、ロアメンバ101内には適宜補強用リブ103が一体形成されているが、断面積の減少に伴ってリブ高さが縮小することから十分な剛性確保は期待できない。
【0007】
従って、車両前突時の荷重がバンパビームを介してロアメンバ101に入力されたときには、本来先行して圧潰すべきクラッシュボックスより先にロアメンバ101の逃げ部102の箇所が折損する現象が発生する。結果として、クラッシュボックスとロアメンバ101との連携による所期の衝撃吸収作用が得られない上に、軽度の前突でも逃げ部を折損したロアメンバ101全体を交換する必要が生じて、その補修費用が著しく高騰してしまうという問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、型成形により製造されて、エンジン及び変速機との干渉防止のために形成された逃げ部に十分な剛性を確保でき、もって前突時に当該逃げ部の箇所で早期に折損する事態を未然に防止でき、これにより良好な衝撃吸収作用を実現できると共に、補修費用を低減することができる車両のロアメンバ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、型成形により形成されて一側方に向けて開放された開断面構造をなすロアメンバを車両のエンジンルーム内の下側に配設し、ロアメンバの一側にエンジンまたは変速機との干渉を防止する逃げ部を形成した車両のロアメンバ構造において、逃げ部近傍においてロアメンバを、逃げ部を含む第1の分割ピースと逃げ部を含まない第2の分割ピースとに分割して個別に型成形し、第2の分割ピースから隔壁部を延設して第1の分割ピースの開断面構造をなす開放端を閉鎖した状態で相互に接合したものである。
【0010】
従って、ロアメンバは逃げ部を含む第1の分割ピースと逃げ部を含まない第2の分割ピースとに分割されて個別に型成形され、第2の分割ピースから延設された隔壁部により第1の分割ピースの開放端を閉鎖した状態で相互に接合される。例えば接合手法としては溶接が適用され、第1及び第2の分割ピースの分割された端部が相互に溶接されると共に、第2の分割ピースから延設された隔壁部の外周と第1の分割ピースの対応箇所とが溶接される。これにより第2の分割ピースの隔壁部に対応する領域においてロアメンバは閉断面構造をなし、この閉断面構造の領域内に逃げ部が位置する。
【0011】
逃げ部の形成により逃げ部の箇所でロアメンバの断面積は減少しているものの、閉断面構造とすることで剛性が向上するため、車両前突時には、ロアメンバより前側に位置するクラッシュボックス等の衝撃吸収用の部材に先行してロアメンバの逃げ部の箇所が早期に折損する事態が未然に防止される。また、軽衝突の場合にはロアメンバが破損しないため、その補修費用を低減可能となる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1において、ロアメンバが下方に向けて開放された開断面構造をなし、第2の分割ピースの隔壁部により第1の分割ピースの下面を閉鎖したものである。
従って、第1の分割ピースの下面が第2の分割ピースの隔壁部により閉鎖されて閉断面構造が形成される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように請求項1,2の発明の車両のロアメンバ構造によれば、型成形により製造されて、エンジン及び変速機との干渉防止のために形成された逃げ部に十分な剛性を確保でき、もって前突時に当該逃げ部の箇所で早期に折損する事態を未然に防止でき、これにより良好な衝撃吸収作用を実現できると共に、補修費用を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明をアルミスペースフレーム構造の車両のロアメンバ構造に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のロアメンバ構造が適用された車両のフロント部分を示す平面図、同じく車両のフロント部分を示す正面図である。
車両の左右両側にはサイドシル1が前後方向に延設され、両サイドシル1の前端はフロントピラーロア2の下端が連結されると共に、左右方向に架設されたダッシュクロスメンバロア3により相互に連結されている。フロントピラーロア2の上端はフロントピラーアッパ4へと上方に連続すると共に、二点鎖線で示す左右方向に架設されたカウルトップ5により相互に連結されている。左右のフロントピラーロア2の上端にはフロントサイドメンバアッパ6の後端がそれぞれ連結され、両フロントサイドメンバアッパ6は前方に延設されて、その前部を下方且つ車両内方に向けて屈曲させている。
【0015】
左右のフロントサイドメンバアッパ6の前端にはフロントサイドメンバ7の後端がフランジ部8を介して図示しないボルトで固定され、フロントサイドメンバ7はそれぞれ前方に向けて延設されている。左右のフロントサイドメンバ7の前端はフランジ部9を介して図示しないボルトによりクラッシュボックス10の後端と連結され、左右のクラッシュボックス10の前端はバンパビーム11により相互に連結されている。クラッシュボックス10は車両前突時の衝撃吸収を目的とした部材であり、前突時の荷重を受けたときに後述するロアメンバ12に先行して圧潰しながら衝撃吸収するように剛性が設定されている。
【0016】
上記バンパビーム11とダッシュクロスメンバロア3との間にはロアメンバ12が配設されている。図1に示す平面視においてロアメンバ12は、前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ部12aをクロスメンバ部12bにより相互に連結してなり、全体として略H状をなしている。両サイドメンバ部12aの後端はダッシュクロスメンバロア3の下面に連結され、一方、両サイドメンバ部12aの前端は、上記フロントサイドメンバアッパ6の前端の下方に位置して上記フランジ部8に連結されている。これによりロアメンバ12の左右のサイドメンバ部12aは、フロントサイドメンバ7とダッシュクロスメンバロア3とを連結するフロントサイドメンバロアとして機能する。
【0017】
以上のスペースフレームを構成する各部材は、その形状に応じた最適な手法により製造されている。例えば、長手方向に同一断面形状のサイドシル1はアルミ押出し成形により製造され、長手方向に断面形状を変化させるフロントサイドメンバアッパ6はアルミダイカスト成形により製造されている。そして、ロアメンバ12上において、左右のフロントサイドメンバアッパ6、バンパビーム11、ダッシュクロスメンバロア3に囲まれてエンジンルームRが区画され、エンジンルームR内に図1に二点鎖線で示すようにエンジン及び変速機ETが搭載されている。
【0018】
次に、上記ロアメンバ12の構成について詳述する。
図3は単体のロアメンバ12を斜め上方より見た斜視図、図4は同じく単体のロアメンバ12を斜め下方より見た斜視図、図5はフロントピースとリアピースとの結合部を示す図3のV−V線断面図である。
ロアメンバ12は型抜き方向を上下に設定したダイカスト成形により形成されている。ロアメンバ12の外周全体は下方に向けて延設され、これにより基本的にロアメンバ12は下方に開放された開断面構造をなし、その内部には剛性確保のための多数の補強用リブ13が一体形成されている。左右のサイドメンバ部12aの前端には前部フランジ14が一体形成され、この前部フランジ14が上記のようにボルトによりフランジ部8に連結されている。同様に左右のサイドメンバ部12aの後端には後部フランジ15が一体形成され、この後部フランジ15がボルトによりダッシュクロスメンバロア3の下面に連結されている。
【0019】
ロアメンバ12の各部にはボルト孔16が形成され、これらのボルト孔16は、ロアメンバ12上に配設された上記エンジン及び変速機ETの固定、或いはロアメンバ12の下側に配設される図示しないアンダカバーの固定に利用される。エンジン及び変速機ETとの干渉を防止すべくロアメンバ12には逃げ部17が形成され、逃げ部17の位置や形状は図7,8図に示す特許文献1のものと同様である。即ち、ロアメンバ12の逃げ部17は、クロスメンバ部12bより前側位置で左右のサイドメンバ部12aの対向面に形成されており、特に図5に示すように、急加減速時の反力を受けてエンジン及び変速機ETがロールした場合を想定して逃げ部17は大きく抉られており、これにより逃げ部17の箇所においてロアメンバ12の断面積は二点鎖線で示す本来の断面形状に比較して大幅に減少している。
【0020】
そして、本実施形態では逃げ部17の剛性を確保するための対策として、逃げ部17近傍を境界としてロアメンバ12を複数部品に分割してダイカスト成形し、各部品を溶接接合する際に逃げ部17周辺を部分的に閉断面構造としている。
即ち、左右のサイドメンバ部12aは逃げ部17より若干前側の位置を境界として前後に分割され、この境界線より前側の左右一対の部材をフロントピース18(第2の分割ピース)と称し、後側のクロスメンバ部12bで結合された単一の部材をリアピース19(第1の分割ピース)と称し、逃げ部17はリアピース19側の左右のサイドメンバ部12aの前端近傍に形成されている。これによりロアメンバ12は左右のフロントピース18とリアピース19との3部材からなり、各部材毎に個別にダイカスト成形される。なお、本実施形態では、フロントピース18とリアピース19とに同一種類のアルミ材を適用している。
【0021】
図6はフロントピース18とリアピース19との結合部を示す図3のVI−VI線断面図、図7はフロントピース18とリアピース19との結合前を示す分解斜視図である。
左右のフロントピース18の後端とリアピース19の前端とは共に境界線に沿って直線状に形成され、これらの後端及び前端は相互に突き合せた状態で配置されている。リアピース19の前端が前方に向けて開放されているのに対し、フロントピース18の後端は側壁18aが形成されて後方に対し閉鎖されており、側壁18aの下縁からは後方に向けて隔壁部18bが延設されている。隔壁部18bは逃げ部17が形成された箇所のリアピース19の下面と対応する形状をなし、当該下面を下方から閉鎖するように配設されている。なお、隔壁部18bはリアピース19に形成されたボルト孔16との干渉を防止すべく切り欠かれている。
【0022】
左右のフロントピース18の後端とリアピース19の前端との突き合わせ箇所、及びフロントピース18の隔壁部18bの外周とリアピース19の下面との対応箇所は、相互に溶接により接合されている。これにより図6に示すように、フロントピース18の隔壁部18bに対応する前後方向の領域Lにおいてロアメンバ12は閉断面構造をなし、この閉断面構造の前後領域L内に逃げ部17が位置している。上記のように逃げ部17の形成による断面積の減少はロアメンバ12の剛性低下の要因になるものの、一方では逃げ部17を含む前後領域Lで形成される閉断面構造が剛性向上に寄与し、結果として逃げ部17の箇所はロアメンバ12の他の部分に比較して遜色ない剛性が確保されている。このため、逃げ部17の箇所を含めたロアメンバ12の何れの箇所の剛性も、上記クラッシュボックスの剛性より十分に高くなっている。
【0023】
次に、以上のように構成された本実施形態の車両のロアメンバ構造による作用を説明する。
フルラップ衝突やオフセット衝突等の前突時には、バンパビーム11を介してクラッシュボックス10やロアメンバ12に荷重が入力される。ロアメンバ12に入力された荷重はその逃げ部17の箇所にも作用するが、逃げ部17の箇所は十分な剛性が確保されているため特許分文献1の技術のようなクラッシュボックスの圧潰に先行してロアメンバ101が折損する事態が未然に防止される。このため、前突当初には、まずクラッシュボックス10が圧潰して衝撃吸収作用を奏し、その後にロアメンバ12が変形しながら衝撃吸収作用を奏し、このロアメンバ12の変形時においても逃げ部17の箇所は折損することなく、ロアメンバ12全体が効果的に衝撃吸収に貢献する。従って、設計時に想定した順序に従ってクラッシュボックス10やロアメンバ12の変形が連携して進行し、これにより最大限の衝撃吸収作用が得られ、車体全体への被害の波及を効果的に抑制することができる。
【0024】
また、軽衝突の場合にはクラッシュボックス10は圧潰するもののロアメンバ12は破損しないため、バンパビーム11と共にクラッシュボックス10を交換するだけで比較的容易に補修でき、ロアメンバ101全体の交換を要する特許文献1の技術に比較して補修費用を大幅に低減することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、アルミダイカスト成形したロアメンバ12をスペースフレーム構造の車両に適用したが、型成形により製造される開断面構造のロアメンバ12を用いた車両であれば、フレーム構造やロアメンバ12の材質はこれに限ることはない。例えばスチールモノコック構造の車両に対して上記実施形態と同様のアルミダイカスト成形によるロアメンバ12を適用してもよいし、アルミダイカスト成形に代えてFRPやカーボンファイバによる型成形でロアメンバ12を製造してもよい。これらの場合でも上記実施形態のように逃げ部17の箇所を閉断面構造とすることにより同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
また、上記実施形態では、ロアメンバ12の逃げ部17が、左右のサイドメンバ部12aのクロスメンバ部12bより前側位置に形成されている関係で、当該逃げ部17の箇所でフロントピース18及びリアピース19を分割したが、当然ながらエンジン及び変速機ETの形式、搭載位置、ロアメンバ12との位置関係等に応じて、ロアメンバ12に形成される逃げ部17の位置も変化し、それに応じてフロントピース18及びリアピース19の分割位置も相違する。従って、当然ながらフロントピース18及びリアピース19との分割位置は上記実施形態に限ることはなく任意に変更可能である。例えば、ロアメンバ12のクロスメンバ部12b上でエンジン及び変速機ETとの干渉が懸念される場合には、当該位置に逃げ部17が形成されるため、クロスメンバ部12bを左右に分割して何れか一方に隔壁部18bを延設し、この隔壁部18bにより他方の下面を閉鎖する構成とすればよい。
【0026】
また、上記実施形態では、フロントピース18とリアピース19とを逃げ部17の前側で分割したが、これに代えて逃げ部17の後側で分割してもよく、この場合でもリアピース19から前方に向けて隔壁部18bを延設してフロントピース18の下面を覆うことで、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態では、フロントピース18とリアピース19とに同一種類のアルミ材を適用したが、両部材18,19を個別にダイカスト成形する本発明の特徴から別種類のアルミ材を適用することも容易に実現できる。そこで、ロアメンバ12のフロントピース18部分とリアピース19部分とで異なる機械的性質が要求される場合には、それぞれの要求に応じたアルミ材を適用してもよく、これにより前突時のロアメンバ12による衝撃吸収作用を一層向上できる。
【0027】
また、上記実施形態では、フロントピース18の後端とリアピース19の前端とを突合せ溶接したが、接合手法はこれに限ることはなく、例えば相互に重ね合わせて溶接してもよいし、ボルトを利用して締結してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態のロアメンバ構造が適用された車両のフロント部分を示す平面図である。
【図2】同じく車両のフロント部分を示す正面図である。
【図3】単体のロアメンバを斜め上方より見た斜視図である。
【図4】同じく単体のロアメンバを斜め下方より見た斜視図である。
【図5】フロントピースとリアピースとの結合部を示す図3のV−V線断面図である。
【図6】フロントピースとリアピースとの結合部を示す図3のVI−VI線断面図である。
【図7】フロントピースとリアピースとの結合前を示す分解斜視図である。
【図8】特許文献1の単体のロアメンバを斜め上方より見た斜視図である。
【図9】同じく逃げ部の箇所を示す図8のIX−IX断面図である。
【符号の説明】
【0029】
12 ロアメンバ
17 逃げ部
18 フロントピース(第2の分割ピース)
18b 隔壁部
19 リアピース(第1の分割ピース)
R エンジンルーム
ET エンジン、変速機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
型成形により形成されて一側方に向けて開放された開断面構造をなすロアメンバを車両のエンジンルーム内の下側に配設し、上記ロアメンバの一側にエンジンまたは変速機との干渉を防止する逃げ部を形成した車両のロアメンバ構造において、
上記逃げ部近傍において上記ロアメンバを、上記逃げ部を含む第1の分割ピースと該逃げ部を含まない第2の分割ピースとに分割して個別に型成形し、上記第2の分割ピースから隔壁部を延設して上記第1の分割ピースの開断面構造をなす開放端を閉鎖した状態で相互に接合したことを特徴とする車両のロアメンバ構造。
【請求項2】
上記ロアメンバは下方に向けて開放された開断面構造をなし、上記第2の分割ピースの隔壁部により上記第1の分割ピースの下面を閉鎖したことを特徴とする請求項1記載の車両のロアメンバ構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−51449(P2009−51449A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222177(P2007−222177)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176707)三菱アルミニウム株式会社 (446)
【出願人】(000006943)リョービ株式会社 (471)
【Fターム(参考)】