説明

車両の障害物検知装置

【課題】レーダ波を複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能な障害物検知手段(レーダ装置1)を備えた車両の障害物検知装置において、自車両の走行状態等の条件に適した送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出するとともに、他の送信エリアに存在する障害物も出来る限り早期に検出して、その障害物に対して素早く対応できるようにする。
【解決手段】レーダ波送信手段(送信部2)に対して、レーダ波を所定時間内に複数の送信エリアに所定の時間比率でそれぞれ送信させるように制御するレーダ波送信制御手段(コントロールユニット11)を備え、そのレーダ波送信制御手段が、自車両の走行状態(走行速度等)又は自車両が現在走行している道路状況(道路幅等)に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両前方の障害物を検知する障害物検知手段を備えた車両の障害物検知装置に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーダ波を自車両前方に送信して、そのレーダ波が自車両前方の障害物に当たって反射してきた反射波を受信することで、障害物を検知するレーダ装置はよく知られている。このレーダ装置の中には、例えば特許文献1に示されているように、障害物を検知できる探知エリアを変更できるようにしたものがある。
【0003】
また、近年、電子スキャン式のレーダ装置が開発されており、このレーダ装置では、レーダ波の送信時のスキャン角度を変更することで、レーダ波の到達距離が変更され、これにより、複数の送信エリアにレーダ波を切り換えて送信することが可能になっている。すなわち、複数の送信エリアの自車両とは反対側の端と自車両との間の距離が互いに異なっており、スキャン角度を変更することで、上記距離が長い送信エリア(遠距離送信エリア)や、上記距離が短い送信エリア(近距離送信エリア)等にレーダ波を切り換えて送信することが可能になっている。尚、スキャン角度との関係から、遠距離送信エリアでは、車幅方向の幅が小さくなり、近距離送信エリアでは、車幅方向の幅が大きくなる。
【特許文献1】特開平7−129900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにレーダ波を複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能なレーダ装置を用いれば、自車両の走行状態等の条件に応じて送信エリアを切り換えることが容易にできるようになる。例えば自車両の走行速度が所定値よりも速いときには、レーダ波を遠距離送信エリアに送信することで、遠距離に存在する障害物を検出するようにする一方、走行速度が上記所定値以下であるときには、レーダ波を近距離送信エリアに送信することで、近距離に存在する障害物を検出するようにする。こうすれば、自車両の走行速度に適した送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出して、その障害物に対して、ブレーキ等の作動機器を適確に作動させるようにすることができる。
【0005】
しかし、自車両の走行状態等の条件に適した送信エリアのみにレーダ波を送信するだけでは、他の送信エリアに障害物が突然現れたときにその検出が遅れる虞れがある。例えば、自車両の走行速度が所定値よりも速いときに、レーダ波を遠距離送信エリアのみに送信した場合において、近距離送信エリアに障害物が突然現れたときに、その障害物に対して素早く対応できなくなる可能性があり、改良の余地がある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のようにレーダ波を複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能な障害物検知手段を備えた車両の障害物検知装置に対して、その構成に工夫を凝らすことによって、自車両の走行状態等の条件に適した送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出するとともに、他の送信エリアに存在する障害物も出来る限り早期に検出して、その障害物に対して素早く対応できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明では、レーダ波を所定時間内に複数の送信エリアに所定の時間比率でそれぞれ送信させるようにするとともに、自車両の走行状態又は自車両が現在走行している道路状況に応じて、上記所定の時間比率を変更するようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、自車両前方の障害物を検知する障害物検知手段と、該障害物検知手段による障害物の検知状態に応じて自車両の作動機器を制御する作動機器制御手段とを備えた車両の障害物検知装置を対象とする。
【0009】
そして、上記障害物検知手段は、レーダ波を自車両前方に送信するレーダ波送信手段と、該レーダ波送信手段により送信されたレーダ波の上記障害物からの反射波を受信するレーダ波受信手段とを有し、上記レーダ波送信手段は、上記レーダ波を、予め設定された複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能に構成されており、自車両の走行状態又は自車両が現在走行している道路状況を検出する検出手段と、上記レーダ波送信手段に対して、上記レーダ波を所定時間内に上記複数の送信エリアに所定の時間比率でそれぞれ送信させるように制御するレーダ波送信制御手段とを備え、上記レーダ波送信制御手段は、上記検出手段による検出結果に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されているものとする。
【0010】
上記の構成により、レーダ波送信制御手段は、レーダ波送信手段に対して、レーダ波を所定時間内に複数の送信エリアに所定の時間比率でそれぞれ送信させるように制御するとともに、その所定の時間比率を、自車両の走行状態(走行速度や旋回半径等)又は自車両が現在走行している道路状況(道路幅や歩行者の存在等)に応じて変更する。例えば、複数の送信エリアが、自車両とは反対側の端と自車両との間の距離が互いに異なる遠距離送信エリア及び近距離送信エリアである場合において、自車両の走行速度が所定値よりも速いときには、レーダ波を遠距離送信エリアに送信する時間比率を、近距離送信エリアに送信する時間比率よりも大きくし、自車両の走行速度が上記所定値以下であるときには、レーダ波を近距離送信エリアに送信する時間比率を、遠距離送信エリアに送信する時間比率よりも大きくするようにする。この結果、自車両の走行状態や道路状況に適した送信エリアにレーダ波を送信する時間比率を比較的大きくすることで、その送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができる。また、自車両の走行状態や道路状況に適した送信エリアだけでなく、他の送信エリアにもレーダ波を送信するので、該他の送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出して素早く対応することができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記複数の送信エリアの自車両とは反対側の端と自車両との間の距離が互いに異なっているものとする。
【0012】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、上記複数の送信エリアは、遠距離送信エリア及び該遠距離送信エリアよりも上記距離が短い近距離送信エリアであるか、又は、上記距離が最も長い遠距離送信エリア及び上記距離が最も短い近距離送信エリア並びに上記距離が遠距離送信エリアと近距離送信エリアとの間にある中距離送信エリアであるものとする。
【0013】
これら請求項2及び3の発明により、自車両の走行状態や道路状況に適した遠近位置に存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができるとともに、それ以外の位置に存在する障害物も検出することができる。特にレーダ波を遠距離送信エリアや中距離送信エリアに送信する時間比率を大きくしている場合、近距離送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物に対して、ブレーキ等の作動機器を適確に作動させることができるようになる。
【0014】
請求項4の発明では、請求項2又は3の発明において、上記検出手段は、自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段により構成され、上記レーダ波送信制御手段は、上記走行速度検出手段により検出された自車両の走行速度に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されているものとする。
【0015】
このことで、自車両の走行速度に適した送信エリアにレーダ波を送信する時間比率を大きくすることで、その送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができる。すなわち、走行速度が遅いほど、近距離側の送信エリアに対するレーダ波送信の時間比率を大きくし、遠距離側の送信エリアに対するレーダ波送信の時間比率を小さくする。そして、時間比率を大きくする送信エリア以外の送信エリアにもレーダ波を送信するので、その送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。
【0016】
請求項5の発明では、請求項2又は3の発明において、上記検出手段は、自車両が現在走行している道路の幅を検出する道路幅検出手段により構成され、上記レーダ波送信制御手段は、上記道路幅検出手段により検出された、自車両が走行している道路幅に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されているものとする。
【0017】
このことにより、道路幅に適した送信エリアにレーダ波を送信する時間比率を大きくすることで、その送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができる。すなわち、道路幅が小さい場合には、自車両前方の近傍に障害物が突然現れる可能性が高いので、道路幅が小さいほど、近距離側の送信エリアに対するレーダ波送信の時間比率を大きくする。これにより、道路幅が小さい場合に、近距離側の送信エリアに突然現れる可能性が高い障害物を早期にかつ確実に検出することができる。そして、時間比率を大きくする送信エリア以外の送信エリアにもレーダ波を送信するので、その送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。
【0018】
請求項6の発明では、請求項2又は3の発明において、上記検出手段は、自車両前方を撮像する撮像手段を有しかつ該撮像手段により撮像された画像データに基づいて、自車両が走行している道路において上記全送信エリアの外側に存在する歩行者及び該歩行者と自車両との間の距離を検出する歩行者検出手段により構成され、上記レーダ波送信制御手段は、上記歩行者検出手段により検出された歩行者と自車両との間の距離に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されているものとする。
【0019】
このことで、歩行者検出手段により検出された歩行者が、例えば近距離送信エリアに対応する位置に存在していれば、近距離送信エリアにレーダ波を送信する時間比率を他の送信エリアよりも大きくすることで、その歩行者が近距離送信エリアに進入したとしても、早期にかつ確実に検出することができる。また、複数の送信エリアに対応する位置にそれぞれ歩行者が存在する場合には、例えば、その複数の送信エリアに対応する位置の歩行者の人数比に基づいて、複数の送信エリアにレーダ波を送信する時間比率を変更する。これにより、歩行者が進入し易い送信エリアにレーダ波を送信する時間比率を大きくして、歩行者(障害物)を早期にかつ確実に検出することができる。そして、時間比率を大きくする送信エリア以外の送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明の車両の障害物検知装置によると、レーダ波送信手段に対して、レーダ波を所定時間内に複数の送信エリアに所定の時間比率でそれぞれ送信させるように制御するレーダ波送信制御手段を備え、そのレーダ波送信制御手段が、自車両の走行状態又は自車両が走行している道路状況に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成したことにより、自車両の走行状態や道路状況に適した送信エリアに存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができるとともに、他の送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出して素早く対応することができ、よって、安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る障害物検知装置を搭載した車両W(自車両に相当し、本実施形態では自動車である)を示し、この車両Wの前端部に、車両Wの前方に存在する障害物を検知する障害物検知手段としてのレーダ装置1が設けられている。このレーダ装置1は、電子スキャン方式のミリ波レーダ装置であって、図2に示すように、ミリ波(レーダ波)を車両Wの前方に向けて略水平方向に所定角度範囲をスキャンしながら送信するレーダ波送信手段としての送信部2と、そのミリ波が車両Wの前方の障害物に当たって反射してきた反射波を受信するレーダ波受信手段としての受信部3と、この受信部3で受信したデータに基づいて、後述の如く障害物の検知処理を行う処理部4とを有している。
【0023】
上記送信部2は、ミリ波を、予め設定された複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能に構成されている。本実施形態では、上記スキャンの所定角度範囲(スキャン角度)を小(θ1)、中(θ3)及び大(θ2)の3段階に切り換えることで、ミリ波を3つの送信エリアに切り換えて送信するようになっている(スキャン角が小さいほど、ミリ波をより遠くに送信できる)。このことから、上記3つの送信エリアは、図3に示すように、平面視で、頂角が車両W側に位置する略二等辺三角形状をなしていて、車両Wの前端から、車両W前方に向かってその幅が大きくなるように延びている。また、上記頂角は、上記スキャン角と同じであり、頂角が小さい送信エリアほど、送信エリアの車両Wとは反対側の端と車両Wとの間の距離が長くなる。すなわち、頂角が最も小さいθ1である送信エリア(図3に実線で示す)は、車両Wとは反対側の端と車両Wとの間の距離が最も長い遠距離送信エリアAであり、頂角が最も大きいθ2である送信エリア(図3に破線で示す)は、上記距離が最も短い近距離送信エリアBであり、頂角が遠距離送信エリアと近距離送信エリアとの間のθ3である送信エリア(図3に二点鎖線で示す)は、上記距離が遠距離送信エリアAと近距離送信エリアBとの間にある中距離送信エリアCである。これら各送信エリアA,B,Cの車両Wとは反対側の端と車両Wとの間の距離(つまり各送信エリアA,B,Cの長さ)の具体的な値としては、近距離送信エリアB、中距離送信エリアC及び遠距離送信エリアAの順に、例えば10m、50m、100mである。
【0024】
尚、中距離送信エリアCの車両W側の部分は、近距離送信エリアBの幅方向中央部と重なり、遠距離送信エリアAの車両W側の部分は、近距離送信エリアB及び中距離送信エリアCの各幅方向中央部と重なっている。
【0025】
上記車両Wには、上記レーダ装置1の処理部4からの障害物検知情報を受けて障害物の検知状態に応じて車両Wの作動機器を制御する作動機器制御手段としてのコントロールユニット11が設けられている。上記作動機器としては、本実施形態では、後述するブレーキ作動手段21及びシートベルトプリテンショナ22である。
【0026】
また、上記車両には、図2に示すように、車両Wの走行速度を検出する走行速度検出手段としての車速センサ12と、車両Wに生じるヨーレートを検出するヨーレートセンサ13と、車両Wの障害物への衝突を検出するGセンサ14とが設けられており、これら各センサ12〜14からの検出情報が上記コントロールユニット11に入力されるようになっている。
【0027】
上記ブレーキ作動手段21は、車両Wのブレーキを作動させて各車輪31に制動力を付与するものである。また、シートベルトプリテンショナ22は、車両Wのシート41に着座している乗員が着用しているシートベルト51を巻き取って該シートベルト51に所定張力を付与することで、該乗員を拘束するものである。
【0028】
ここで、車両Wに搭載されているシートベルト装置について説明する。このシートベルト装置は、図1に示すように、上記シートベルト51を巻き取るリトラクタ部53と、このリトラクタ部53から引き出されたシートベルト51の先端部が取り付けられたラップアンカー部54と、シートベルト51の長さ方向中間部に配設されたタング52が着脱可能に係合するバックル部55とを有する3点式に構成されている。上記バックル部55は、シート41の車幅方向内側で車体に固定されている一方、リトラクタ部53及びラップアンカー部54は、シート41を挟んでバックル部55とは反対側である車幅方向外側で車体に固定されている。上記リトラクタ部53から引き出されたシートベルト51は、シート41の車幅方向外側の上方位置に設けられたスリップガイド57により、その引き出し方向が上向きから下向きに変換されて、その先端部が上記ラップアンカー部54に取り付けられている。上記タング52は、上記スリップガイド57とラップアンカー部54との間でシートベルト51に対して摺動可能に設けられており、このタング52が上記バックル部55に係合されることで、シートベルト51の着用状態となる。
【0029】
上記シートベルト装置のリトラクタ部53内に、上記シートベルトプリテンショナ22が設けられている。本実施形態では、シートベルトプリテンショナ22は、図2に示すように、電動モータ等により上記シートベルト51を巻き取る第1プリテンショナ機構22aと、インフレータで発生するガスにより上記シートベルト51を巻き取る第2プリテンショナ機構22bとからなっており、上記コントロールユニット11が上記レーダ装置1の処理部4からの障害物検知情報に基づいて、車両Wの障害物への衝突を予知したとき(例えば、車両Wが障害物に衝突するまでの予測時間が、予め決めた基準時間よりも短いとき)には、第1プリテンショナ機構22aを作動させることで、シートベルト51に所定張力を付与する一方、コントロールユニット11がGセンサ14により車両Wの障害物への衝突を検出したときには、第2プリテンショナ機構22bを作動させることで、上記第1プリテンショナ機構22aを作動させたときよりも大きな張力をシートベルト51に付与するようになっている。
【0030】
上記コントロールユニット11は、上記車速センサ12及びヨーレート検出センサ13の検出値に基づいて車両Wの旋回半径を求める。具体的には、車両Wの旋回半径Rは、ヨーレートをφとし、車両Wの速度をVとして、
R=V/φ
より求める。
【0031】
尚、車両Wの横加速度を検出する横加速度検出センサ、又は車両Wのステアリングホイールの操舵角を検出する舵角センサを設けて、この横加速度検出センサ又は舵角センサの検出値を、上記ヨーレート検出センサ13の検出値の代わりに用いて車両Wの旋回半径を求めるようにしてもよい。
【0032】
上記レーダ装置1の処理部4は、図2に示すように、受信部3で受信したデータに対してフィルタ処理やFFT処理等のデータ処理を行って、障害物の検知を行うデータ処理部4aと、このデータ処理部4aより、上記処理されたデータを入力し、かつ、上記コントロールユニット11より車両Wの車速及び旋回半径を入力して、これら入力情報に基づいて、上記検知された障害物の、予め設定した設定時間(ミリ波のスキャン時間に対応する時間)経過後の位置を推定する位置推定部4bと、この位置推定部4bにより推定された位置を基準にしてその周囲に所定の大きさの領域を設定するとともに、上記設定時間経過後に検知された障害物が、上記設定された領域内に存在するときには、上記位置を推定した障害物と同一であると判定する一方、領域外に存在するときには、新規な障害物であると判定する同一判定部4cとを有している。同一判定部4cは、こうして検知した障害物の情報(障害物の車両Wとの距離、車両Wに対する方位、相対速度ベクトル(向き及び大きさ)等)を、障害物検知情報として上記コントロールユニット11に送信する。
【0033】
ここで、上記コントロールユニット11による上記作動機器(ブレーキ作動手段21及びシートベルトプリテンショナ22)の制御処理動作について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
先ず、最初のステップS1で、車速センサ12及びヨーレートセンサ13の各検出値である車速及びヨーレートを入力し、次のステップS2で、車速及びヨーレートに基づいて車両Wの旋回半径を求め、次のステップS3で、その車速及び旋回半径をレーダ装置1の処理部4における位置推定部4bへ出力する。
【0035】
次のステップS4では、レーダ装置1の処理部4における同一判定部4cより障害物検知情報を入力し、次のステップS5で、その障害物検知情報に基づいて車両Wの障害物への衝突が予知されるか否かを判定する。
【0036】
上記ステップS5の判定がNOであるときには、そのままリターンする一方、ステップS5の判定がYESであるときには、ステップS6に進んで、ブレーキ作動手段21を作動させることで、各車輪31のブレーキを作動させるとともに、シートベルトプリテンショナ22の第1プリテンショナ機構22aを作動させることで、シートベルト51に所定張力を付与する。
【0037】
そして、次のステップS7で、Gセンサ15からの情報に基づいて車両Wの障害物への衝突があったか否かを判定し、このステップS7の判定がNOであるときには、そのままリターンする一方、ステップS7の判定がYESであるときには、ステップS8に進んで、シートベルトプリテンショナ22の第2プリテンショナ機構22bを作動させることで、シートベルト51に更に大きな張力を付与し、しかる後にリターンする。
【0038】
上記コントロールユニット11は、上記レーダ装置1の送信部2に対して、上記ミリ波を所定時間内に上記3つの送信エリア(遠距離送信エリアA、近距離送信エリアB及び中距離送信エリアC)に所定の時間比率でそれぞれ送信させるように制御する。そして、コントロールユニット11は、車両の走行状態に応じて上記所定の時間比率を変更する。本実施形態では、車両Wの走行状態として、上記車速センサ12により車両Wの走行速度(車速)を検出して、その車速に応じて上記所定の時間比率を変更する。このことで、コントロールユニット11は、レーダ波送信制御手段を構成し、車速センサ12(走行速度検出手段)は、車両の走行状態を検出する検出手段を構成することになる。
【0039】
上記所定の時間比率と車速との関係は、図5に示すようなマップ形式でコントロールユニット11に記憶されている。このマップに示されているように、車速が小さくなるに連れて、遠距離送信エリアAに対するミリ波送信の時間比率を小さくし、近距離送信エリアBに対するミリ波送信の時間比率を大きくする。
【0040】
上記所定時間は、いずれの送信エリアA,B,Cに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出する観点から、出来る限り短くてかつ上記所定の時間比率が最低である送信エリアに対してミリ波を少なくとも1回スキャン(1往復)して送信する時間に設定することが好ましい。例えば、所定時間が1回分のスキャン時間の10倍の時間であれば、図5の例で、車速が10km/h未満であるとき、上記所定時間の間に、遠距離送信エリアAに対してミリ波を1回スキャンして送信することになる。このとき、上記所定時間の間に、中距離送信エリアCに対しては、ミリ波を4回スキャンして送信し、近距離送信エリアBに対しては、ミリ波を5回スキャンして送信することになるが、中距離送信エリアCに対して4回連続して、近距離送信エリアBに対して5回連続して、それぞれスキャンするのではなくて、各送信エリアA,B,Cに対して出来る限り分散させてミリ波を送信するようにする。尚、上記所定時間が、上記の例のように短ければ、該所定時間の間に、1つの送信エリアに対して連続的にスキャンしてミリ波を送信するようにしても問題はない。
【0041】
上記コントロールユニット11によるミリ波送信制御処理動作について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
先ず、最初のステップS11で、車速センサ12により車速を検出し、次のステップS12で、上記マップより、上記車速に対応する、各送信エリアA,B,Cに対するミリ波送信の時間比率を決定し、次のステップS13で、その決定した時間比率でミリ波のスキャンを実行する。
【0043】
上記コントロールユニット11によるミリ波送信制御処理動作により、車速が50km/h以上であるときには、遠距離送信エリアA及び中距離送信エリアCにミリ波が重点的に送信される。この結果、これら送信エリアA,Cに存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができるようになる。一方、近距離送信エリアBにもミリ波が僅かではあるが送信されるので、近距離送信エリアAに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。特に近距離送信エリアBの幅が遠距離送信エリアA及び中距離送信エリアCよりも大きいことから、遠距離送信エリアA及び中距離送信エリアCのみにミリ波を送信する場合に比べて、車両Wに対して側方から近付く障害物を早期に検出することができ、このような障害物に対して、ブレーキ作動手段21等を適確に作動させることができるようになる。
【0044】
また、車速が小さくなるに連れて、遠距離送信エリアAにミリ波を送信する時間比率が小さくなるとともに、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率が大きくなるので、車速が小さくなることに対応して、車両Wの近くに存在する障害物がより検出され易くなる。そして、車速が20km/h未満であるときには、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率が最も大きくなるが、遠距離送信エリアAにもミリ波が僅かではあるが送信されるので、遠距離送信エリアAに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。
【0045】
尚、上記実施形態1では、車両Wの走行状態として車両Wの走行速度を検出したが、車両Wの走行状態としては、走行速度に限らず、例えば車両Wの旋回半径であってもよく、車速センサ12及びヨーレート検出センサ13の検出値に基づいて求められた車両Wの旋回半径に応じて上記所定の時間比率を変更するようにしてもよい。この場合、旋回半径が大きくなるに連れて、遠距離送信エリアAにミリ波を送信する時間比率を小さくするとともに、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率を大きくすることが好ましい。
【0046】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2を示し、上記実施形態1に対して、車両Wの現在位置を検出するGPSセンサ15と、道路地図情報(道路の幅の情報を含む)を記憶するDVD−ROM16とを追加したものである。その他のハード構成は、上記実施形態1と同じであるので、説明は省略する。尚、GPSセンサ15及びDVD−ROM16は、ナビゲーション装置17の構成要素の一部であり、ナビゲーション装置17に設けた制御部が、GPSセンサ15により検出された車両Wの現在位置情報と、DVD−ROM16に記憶された道路地図情報とに基づいて、ナビゲーションを行うようになっている。
【0047】
本実施形態では、コントロールユニット11が、GPSセンサ15からの情報とDVD−ROM16からの情報とを入力して、これらの情報に基づいて、車両Wが現在走行している道路状況として、車両Wが現在走行している道路の幅を検出する。そして、その道路幅に応じて、各送信エリアA,B,Cにミリ波を送信する時間比率(上記所定の時間比率)を変更する。このことで、GPSセンサ15及びDVD−ROM16は、車両Wが現在走行している道路の幅を検出する道路幅検出手段を構成するとともに、車両Wが現在走行している道路状況を検出する検出手段を構成することになる。
【0048】
上記所定の時間比率と道路幅との関係は、上記実施形態1と同様に、図8に示すようなマップ形式でコントロールユニット11に記憶されている。このマップに示されているように、道路幅が小さくなるに連れて、遠距離送信エリアAに対するミリ波送信の時間比率を小さくし、近距離送信エリアBに対するミリ波送信の時間比率を大きくする。
【0049】
そして、コントロールユニット11は、GPSセンサ15及びDVD−ROM16により道路幅を検出し、上記マップより、上記道路幅に対応する、各送信エリアA,B,Cに対するミリ波送信の時間比率を決定し、その決定した時間比率でミリ波のスキャンを実行する。
【0050】
したがって、本実施形態では、道路幅が15m以上であるときには、遠距離送信エリアA及び中距離送信エリアCにミリ波が重点的に送信される。この結果、これら送信エリアA,Cに存在する障害物を早期にかつ確実に検出することができるようになる。一方、近距離送信エリアBにもミリ波が送信されるので、近距離送信エリアAに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。
【0051】
また、道路幅が小さくなるに連れて、遠距離送信エリアAにミリ波を送信する時間比率が小さくなるとともに、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率が大きくなるので、道路幅が小さくなることに対応して、車両Wの近くに存在する障害物がより検出され易くなる。すなわち、道路幅が小さい場合には、車両W前方の近傍に障害物が突然現れる可能性が高いので、道路幅が小さいほど、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率を大きくする。そして、道路幅が5m未満であるときには、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率が最も大きくされるので、近距離送信エリアBに突然現れる可能性が高い障害物を早期にかつ確実に検出することができる。そして、遠距離送信エリアAにもミリ波が僅かではあるが送信されるので、遠距離送信エリアAに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出することができる。
【0052】
尚、上記実施形態2では、GPSセンサ15からの情報とDVD−ROM16からの情報とに基づいて、車両Wが現在走行している道路の幅を検出したが、これに限らず、例えば後述の実施形態3におけるCCDカメラ19(図9参照)により道路幅を検出することも可能である。
【0053】
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3を示し、上記実施形態1に対して、車両W前方を撮像する撮像手段としてのCCDカメラ19を追加したものである。その他のハード構成は、上記実施形態1と同じであるので、説明は省略する。
【0054】
上記CCDカメラ19による画像データは、コントロールユニット11内の歩行者認識部11aに入力されて、この歩行者認識部11aが、その画像データに基づいて、車両Wが走行している道路において上記全送信エリアA,B,Cの外側(例えば歩道や道路の端)に存在する歩行者及び該歩行者と車両Wとの間の距離を検出する。すなわち、車両Wが現在走行している道路状況として、上記歩行者の存在を検出するとともに、該歩行者と車両Wとの間の距離を検出する。歩行者であるか否かは、人の特徴形状等から判断し、歩行者と車両Wとの間の距離は、その歩行者が画像上下のどの位置に写っているかで判断する。そして、コントロールユニット11は、その検出された歩行者と車両Wとの間の距離に応じて、各送信エリアA,B,Cにミリ波を送信する時間比率(上記所定の時間比率)を変更する。このことで、CCDカメラ19及び歩行者認識部11aは、歩行者検出手段を構成するとともに、車両Wが現在走行している道路状況を検出する検出手段を構成することになる。
【0055】
例えば、上記検出された歩行者と車両Wとの間の距離が、近距離送信エリアBの長さよりも小さくて、該歩行者が近距離送信エリアBに対応する位置に存在していれば、近距離送信エリアBにミリ波を送信する時間比率を他の送信エリアA,Cよりも大きくする。また、複数の送信エリアに対応する位置にそれぞれ歩行者が存在する場合には、その複数の送信エリアに対応する位置の歩行者の人数比に基づいて、複数の送信エリアにミリ波を送信する時間比率を変更する。
【0056】
したがって、本実施形態では、歩行者が進入する可能性が高い送信エリアにミリ波を送信する時間比率を大きくすることで、その歩行者が当該送信エリアに進入したとしても、早期にかつ確実に検出することができる。また、その他の送信エリアにもミリ波を送信するので、その送信エリアに障害物が突然現れても、その障害物を早期に検出して素早く対応することができる。
【0057】
尚、上記実施形態1〜3では、車両Wの走行速度、車両Wが現在走行している道路幅、及び、歩行者と車両Wとの間の距離のいずれか1つに応じて、各送信エリアA,B,Cにミリ波を送信する時間比率(上記所定の時間比率)を変更するようにしたが、それら複数の組み合わせに応じて、上記所定の時間比率を変更するようにしてもよい。また、優先順位をつけて上記所定の時間比率を変更するようにしてよい。例えば、車両Wが走行している道路において上記全送信エリアA,B,Cの外側に存在する歩行者が検出されたときには、その歩行者と車両Wとの間の距離に応じて上記所定の時間比率を変更し、上記歩行者が全く検出されないときには、車両Wの走行速度若しくは道路幅又はその両方に応じて上記所定の時間比率を変更する。
【0058】
また、上記各実施形態では、ミリ波を送信する送信エリアを、遠距離送信エリアA、近距離送信エリアB及び中距離送信エリアCの3つとしたが、長さ(車両Wとは反対側の端と車両Wとの間の距離)が互いに異なる遠距離送信エリア及び近距離送信エリア(近距離送信エリアの長さ方が遠距離送信エリアよりも短い)の2つとしてもよく、長さが互いに異なる4つ以上の送信エリアとしてもよい。
【0059】
上記のようにミリ波を遠距離送信エリア及び近距離送信エリアに切り換えて送信する場合、近距離送信エリアの長さは、近距離送信エリアBよりも大きくするとともに、遠距離送信エリアの長さは、遠距離送信エリアAよりも小さくすることが好ましい。そして、例えば、車両Wの走行速度(又は道路幅)が所定値よりも大きいときには、ミリ波を遠距離送信エリアに送信する時間比率を、近距離送信エリアに送信する時間比率よりも大きくし、車両Wの走行速度(又は道路幅)が上記所定値以下であるときには、ミリ波を近距離送信エリアに送信する時間比率を、遠距離送信エリアに送信する時間比率よりも大きくするようにする。
【0060】
また、複数の送信エリアは、上記送信エリアA,B,Cのように一部が互いに重なっていてもよく、重なる部分が存在しないように車幅方向に並ぶように設定してもよい。この場合、各送信エリアの長さは、同じであってもよく、異なっていてもよい(例えば、車幅方向中央に位置する送信エリアの長さを、その両側に位置する送信エリアよりも長くする)。そして、各送信エリアにミリ波を送信する時間比率を、例えば車両Wの旋回半径に応じて変更する。すなわち、車両Wの旋回半径が大きいほど、車両wが旋回する側の端に位置する送信エリアに対するミリ波送信の時間比率を大きくし、その反対側の端に位置する送信エリアに対するミリ波送信の時間比率を小さくする。
【0061】
さらに、上記各実施形態では、電子スキャン方式のミリ波レーダ装置を用いて、ミリ波を複数の送信エリアに切り換えて送信するようにしたが、これに限らず、レーダ波(ミリ波以外であってもよい)を複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能なものであれば、どのようなレーダ装置であってもよい。例えば、レーダ波を機械的にスキャンして送信するレーダ装置を用いて、レーダ波を複数の送信エリアに切り換えて送信するようにしてもよい。
【0062】
さらにまた、コントロールユニット11(作動機器制御手段)によって制御される作動機器は、ブレーキ作動手段21及びシートベルトプリテンショナ22に限らず、例えば警報装置等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、レーダ波を複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能な障害物検知手段を備えた車両の障害物検知装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1に係る障害物検知装置を搭載した車両前側の概略構成図である。
【図2】上記障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
【図3】各送信エリアの位置を示す平面図である。
【図4】コントロールユニットによる作動機器の制御処理動作を示すフローチャートである。
【図5】所定の時間比率と車速との関係を表したマップを示す図である。
【図6】コントロールユニットによるミリ波送信制御処理動作を示すフローチャートである。
【図7】実施形態2を示す図2相当図である。
【図8】所定の時間比率と道路幅との関係を表したマップを示す図である。
【図9】実施形態3を示す図2相当図である。
【符号の説明】
【0065】
W 車両(自車両)
1 レーダ装置(障害物検知手段)
2 送信部(レーダ波送信手段)
3 受信部(レーダ波受信手段)
11 コントロールユニット(作動機器制御手段)(レーダ波送信制御手段)
11a 歩行者認識部(歩行者検出手段)
12 車速センサ(走行速度検出手段)
15 GPSセンサ(道路幅検出手段)
16 DVD−ROM(道路幅検出手段)
19 CCDカメラ(撮像手段)(歩行者検出手段)
21 ブレーキ作動手段(作動機器)
22 シートベルトプリテンショナ(作動機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両前方の障害物を検知する障害物検知手段と、該障害物検知手段による障害物の検知状態に応じて自車両の作動機器を制御する作動機器制御手段とを備えた車両の障害物検知装置であって、
上記障害物検知手段は、レーダ波を自車両前方に送信するレーダ波送信手段と、該レーダ波送信手段により送信されたレーダ波の上記障害物からの反射波を受信するレーダ波受信手段とを有し、
上記レーダ波送信手段は、上記レーダ波を、予め設定された複数の送信エリアに切り換えて送信することが可能に構成されており、
自車両の走行状態又は自車両が現在走行している道路状況を検出する検出手段と、
上記レーダ波送信手段に対して、上記レーダ波を所定時間内に上記複数の送信エリアに所定の時間比率でそれぞれ送信させるように制御するレーダ波送信制御手段とを備え、
上記レーダ波送信制御手段は、上記検出手段による検出結果に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されていることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両の障害物検知装置において、
上記複数の送信エリアの自車両とは反対側の端と自車両との間の距離が互いに異なっていることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項3】
請求項2記載の車両の障害物検知装置において、
上記複数の送信エリアは、遠距離送信エリア及び該遠距離送信エリアよりも上記距離が短い近距離送信エリアであるか、又は、上記距離が最も長い遠距離送信エリア及び上記距離が最も短い近距離送信エリア並びに上記距離が遠距離送信エリアと近距離送信エリアとの間にある中距離送信エリアであることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の車両の障害物検知装置において、
上記検出手段は、自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段により構成され、
上記レーダ波送信制御手段は、上記走行速度検出手段により検出された自車両の走行速度に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されていることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項5】
請求項2又は3記載の車両の障害物検知装置において、
上記検出手段は、自車両が現在走行している道路の幅を検出する道路幅検出手段により構成され、
上記レーダ波送信制御手段は、上記道路幅検出手段により検出された、自車両が走行している道路幅に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されていることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項6】
請求項2又は3記載の車両の障害物検知装置において、
上記検出手段は、自車両前方を撮像する撮像手段を有しかつ該撮像手段により撮像された画像データに基づいて、自車両が走行している道路において上記全送信エリアの外側に存在する歩行者及び該歩行者と自車両との間の距離を検出する歩行者検出手段により構成され、
上記レーダ波送信制御手段は、上記歩行者検出手段により検出された歩行者と自車両との間の距離に応じて、上記所定の時間比率を変更するように構成されていることを特徴とする車両の障害物検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−25959(P2009−25959A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186910(P2007−186910)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】