説明

車両位置通信方法、車両位置通信システム

【課題】特定車両の現在地を逐次送信して、その現在地を特定表示装置で表示する車両位置通信方法、車両位置通信システムにおいて、特定車両の現在地の通信の無駄を低減すること。
【解決手段】携帯電話機で表示する地図データの縮尺に応じた送信間隔で、特定車両の現在地を車載器から携帯電話機に送信する。この送信間隔は、特定車両が時速60kmで走行している場合に、特定車両の現在地の今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなるような送信間隔である。これにより、表示位置が区別できないのに何回も通信することがないので、通信の無駄を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定車両の現在地を特定表示装置に逐次送信して、その特定表示装置に特定車両の現在地を表示させる車両位置通信方法及び車両位置通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定車両の現在地を特定表示装置で表示させる発明が知られている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1の発明によれば、特定車両に設けられた移動局(車載器)は、特定車両の現在地を逐次検出する。そして、移動局はその現在地をセンタの制御局(特定表示装置)に逐次送信する。制御局は、その現在地を受信して、その現在地を現在地周辺の地図データに重畳させて表示する。この発明を例えばタクシー車両に適用すれば、センタにおいて、タクシー車両の現在地が表示されるので、そのタクシー車両の位置を管理しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−40899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1では、移動局が特定車両の現在地を制御局に送信する際の送信間隔については何ら記載されていない。したがって、例えば、特定車両の現在地を制御局に送信する送信間隔が極端に短い場合、特定車両が移動しているにもかかわらず、地図データ上で特定車両の現在地の変化が区別できないことが起こり得る。この場合、地図データ上で特定車両の現在地の変化が把握できないにもかかわらず、何回も移動局から制御局への現在地を送信することになるので、通信の無駄が大きいと言える。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、特定車両の現在地の通信の無駄を低減できる車両位置通信方法及び車両位置通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の車両位置通信方法は、特定車両の現在地を逐次検出する現在地検出ステップと、
その現在地検出ステップで逐次検出した前記現在地を特定表示装置に逐次送信する送信ステップと、
地図データを記憶する地図データ記憶手段から、前記送信ステップで送信した前記現在地を含む地図データを取得する地図データ取得ステップと、
前記送信ステップで送信した前記現在地を前記地図データ取得ステップで取得した前記地図データに重畳させて、前記特定表示装置に逐次表示する表示ステップとを備える車両位置通信方法において、
前記送信ステップは、前記特定車両が移動している場合の前記表示ステップで表示する前記現在地の前記地図データにおける今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できる送信間隔で、前記現在地を前記特定表示装置に送信するステップであることを特徴とする。
【0007】
これによれば、送信ステップにおいて、特定車両が移動している場合の表示ステップで表示する今回の現在地と前回の現在地の地図データにおける表示位置とが区別できる送信間隔で、特定車両の現在地が特定表示装置に送信される。換言すれば、地図データ上で特定車両の現在地の推移が把握できないような短い送信間隔では、特定車両の現在地は特定表示装置に送信されない。よって、特定車両の現在地の通信の無駄を低減できる。特に、通信が有料の場合には、この車両位置通信方法によれば通信費を低減できるので効果的である。
【0008】
また請求項2の車両位置通信方法は、請求項1において、前記地図データの縮尺を取得する縮尺取得ステップと、
その縮尺取得ステップで取得した前記縮尺に基づいて前記送信間隔を決定する送信間隔決定ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
特定車両の現在地の地図データのおける今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できるか否かは、地図データの縮尺によって変わってくる。例えば、ある縮尺の地図データ上では、表示位置の区別ができる場合であっても、その縮尺よりも小さい縮尺の地図データ上では区別できないことがある。そこで請求項2では、送信間隔決定ステップで地図データの縮尺に基づいて送信間隔を決定している。これによって、どの縮尺の地図データで特定車両の現在地を表示させる場合であっても、その現在地の通信の無駄を低減できる。
【0010】
また請求項3の車両位置通信方法は、請求項1又は2において、前記特定車両のユーザの入力操作に基づいて、複数の表示装置の中から1又は複数の表示装置を指定する表示装置指定ステップを備え、
前記特定表示装置は、前記表示装置指定ステップで指定した表示装置であることを特徴とする。
【0011】
これによれば、特定車両のユーザは、自車の現在地を表示させる表示装置を特定表示装置として指定できるので、特定車両のユーザが意図しない表示装置に自車の現在地が表示されてしまうことを防止できる。
【0012】
また請求項4の車両位置通信方法は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記特定表示装置のユーザの入力操作に基づいて、前記特定車両の現在地が前記特定表示装置に表示されることを、前記特定表示装置のユーザが希望しているか否かを判断する第一判断ステップを備え、
前記送信ステップは、前記第一判断ステップで希望していないと判断した場合には、前記現在地の送信をしないことを特徴とする。
【0013】
これによれば、特定車両の現在地が特定表示装置に表示されることを、特定表示装置のユーザが希望していない場合には、その現在地は送信されない。したがって、希望していないにもかかわらず特定表示装置に現在地が表示されることによる煩わしさを防止できる。
【0014】
また請求項5の車両位置通信方法は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記特定表示装置のユーザの入力操作に基づいて、複数の車両の中から1又は複数の車両を指定する車両指定ステップを備え、
前記特定車両は、前記車両指定ステップで指定した車両であることを特徴とする。
【0015】
これによれば、特定表示装置のユーザは、その特定表示装置に現在地を表示させる車両を特定車両として指定できるので、特定表示装置のユーザが意図しない車両の現在地がその特定表示装置に表示されてしまうことを防止できる。
【0016】
また請求項6の車両位置通信方法は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記特定車両のユーザの入力操作に基づいて、前記特定車両の現在地が前記特定表示装置に表示されることを、前記特定車両のユーザが希望しているか否かを判断する第二判断ステップを備え、
前記送信ステップは、前記第二判断ステップで希望していないと判断した場合には、前記現在地の送信をしないことを特徴とする。
【0017】
これによれば、特定車両の現在地が特定表示装置に表示されることを、特定車両のユーザが希望していない場合には、その現在地は送信されない。したがって、特定車両のユーザが意図しない特定表示装置に自車の現在地が表示されてしまうことを防止できる。
【0018】
また請求項7の車両位置通信方法は、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記特定車両の目的地を取得する目的地取得ステップを備え、
前記送信ステップでは、前記目的地取得ステップで取得した前記目的地も前記特定表示装置に送信しており、
前記表示ステップでは、前記送信ステップで送信した前記目的地も前記地図データに重畳させて前記特定表示装置に表示することを特徴とする。
【0019】
これによれば、特定車両の目的地も特定表示装置に表示されるので、特定表示装置のユーザは、特定車両がどこに向かっているのかを把握することができる。そして、その目的地は地図データに重畳して表示されるので、特定表示装置のユーザは、地図データに表示されている現在地と目的地との位置関係から、特定車両が目的地に到着するまでの距離や時間を感覚的に把握することができる。
【0020】
また請求項8の車両位置通信方法は、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記地図データ記憶手段には、縮尺が異なる複数の地図データが記憶されており、
前記地図データ取得ステップでは、前記表示ステップで前記現在地と前記目的地の両方が表示できる地図データのうちの最も縮尺が大きい地図データを前記地図データ記憶手段から取得することを特徴とする。
【0021】
これによれば、特定車両が目的地に近づくにつれて、特定表示装置に表示される地図データの縮尺が大きくなるので、特定表示装置のユーザは、特定車両が徐々に目的地に近づいていることを容易に把握できる。また、特定表示装置にユーザにとって、特定車両の現在地と目的地との位置関係、特定車両が目的地に到着するまでの距離や時間等を最も把握しやすい縮尺の地図データが表示されることになる。
【0022】
また請求項9の車両位置通信方法は、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記特定車両が目的地に到着したか否かを判断する到着判断ステップと、
その到着判断ステップで到着したと判断したことに基づいて、前記特定車両目的地に到着したことを、前記特定表示装置のユーザに報知する報知ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
これにより、特定表示装置のユーザは、特定車両が目的地に到着したことを知ることができる。
【0024】
また請求項10の車両位置通信方法は、請求項1〜9のいずれかにおいて、前記特定車両が目的地に到着する到着予想時刻を取得する予想時刻取得ステップを備え、
前記送信ステップでは、前記予想時刻取得ステップで取得した前記到着予想時刻も前記特定表示装置に送信しており、
前記表示ステップでは、前記送信ステップで送信した前記到着予想時刻も前記特定表示装置に表示することを特徴とする。
【0025】
これによれば、特定車両が目的地に到着する到着予想時刻が特定表示装置に表示されるので、特定表示装置にユーザは、特定車両があとどれくらいで目的地に到着するのかを把握することができる。
【0026】
請求項11の車両位置通信システムは、特定車両に設けられた車載器と、特定表示装置とを備える車両位置通信システムであって、
前記車載器は、
前記特定車両の現在地を逐次検出する現在地検出手段と、
その現在地検出手段が逐次検出した前記現在地を前記特定表示装置に逐次送信する送信手段とを有し、
前記特定表示装置は、
地図データを記憶する地図データ記憶手段から、前記送信手段によって送信された前記現在地を含む地図データを取得する地図データ取得手段と、
前記送信手段によって送信された前記現在地を、前記地図データ取得手段が取得した前記地図データに重畳させて表示する表示手段とを有し、
前記車載器の前記送信手段は、前記特定車両が移動している場合の前記表示手段が表示する前記現在地の前記地図データにおける今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できる送信間隔で、前記現在地を前記特定表示装置に送信するものであることを特徴とする。これによれば、請求項1と同じ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】車両位置通信システム5の概略構成を示したブロック図である。
【図2】送信間隔決定テーブル120を示した図である。
【図3】送信間隔決定テーブル120を示した図である。
【図4】第一実施形態における第一車載器処理を示したフローチャートである。
【図5】第一実施形態における第一表示装置処理を示したフローチャートである。
【図6】第二車載器処理を示したフローチャートである。
【図7】第二表示装置処理を示したフローチャートである。
【図8】第二実施形態における第一表示装置処理を示したフローチャートである。
【図9】第二実施形態における第一車載器処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一実施形態)
続いて、本発明に係る車両位置通信方法及び車両位置通信システムの第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の車両位置通信システム5の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態の車両位置通信システム5は、特定車両に設けられた車載器1、複数の携帯電話機2及び基地局200を備えている。以下、それぞれの要素について詳細に説明する。
【0029】
図1に示すように、車載器1は、制御回路10、ナビゲーション装置20、GPS受信機30、入力装置40、通信モジュール50及びアンテナ51を有している。制御回路10は、内部でCPU11、ROM12及びRAM13が図示しないバスで相互に接続されて構成されている。そしてCPU11は、情報を一時的に記憶するRAM13を利用しつつ、ROM12に記憶されているプログラムにしたがって各種演算処理を実行する。具体的には、特定車両の現在地を送信する携帯電話機2(特定表示装置)を登録する第一車載器処理を実行するとともに、その処理で登録された携帯電話機2に特定車両の現在地を送信する第二車載器処理を実行する。なお、上記第一車載器処理と第二車載器処理の詳細は、フローチャートを参照して後述する。
【0030】
ここでCPU11は、第二車載器処理において、携帯電話機2で表示する地図データの縮尺に基づいて、携帯電話機2に送信する現在地の送信間隔を決定している。そこで、ROM12には、CPU11が実行するプログラムが記憶されているとともに、その送信間隔を決定するための送信間隔決定テーブル120が記憶されている。
【0031】
図2は、その送信間隔決定テーブル120を示した図である。図2に示すように、送信間隔決定テーブル120には、縮尺欄121と送信間隔欄122とが設けられている。縮尺欄121には、携帯電話機2で表示する地図データの縮尺がそれぞれ記憶されている。具体的には、「1/1500」、「1/3000」、「1/8000」、「1/21000」、「1/75000」及び「1/15万」の縮尺が記憶されている。なお「1/1500」の縮尺の地図データとは、「実距離×(1/1500)=地図データ上の長さ」の関係が成立する地図データである。他の縮尺の地図データについても、同様の関係が成立する。また縮尺の分母に相当する数値を縮尺分母としたときに、その縮尺分母が大きい場合「縮尺が小さい」と言い、縮尺分母が小さい場合「縮尺が大きい」と言う。すなわち、上記各縮尺の中では、「1/15万」の縮尺は最も縮尺が小さく、「1/1500」の縮尺は最も縮尺が大きいことになる。
【0032】
また送信間隔決定テーブル120の送信間隔欄122には、各縮尺に対応する携帯電話機2に送信する現在地の送信間隔が記憶されている。本実施形態では、特定車両が時速60kmで走行しているときに、その特定車両の現在地の地図データにおける今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなるような送信間隔となっている。例えば縮尺が「1/1500」の地図データの場合、0.5cmに相当する実距離は「7.5m」となる。そして時速60kmの車両が「7.5m」進むのに要する時間は、7.5/60000×60×60(秒)=0.45(秒)となる。したがって、0.45秒の送信間隔で特定車両の現在地を送信すれば、特定車両の現在地の地図データにおける今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなる。他の縮尺に対応する送信間隔も同様にして定められている。すなわち、縮尺が「1/3000」に対応する送信間隔は「0.9秒」となっており、縮尺が「1/8000」に対応する送信間隔は「2.4秒」となっており、縮尺が「1/21000」に対応する送信間隔は「6.3秒」となっている。また縮尺が「1/75000」に対応する送信間隔は「22.5秒」となっており、縮尺が「1/15万」に対応する送信間隔は「45秒」となっている。
【0033】
ここで、今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとしているのは、その間隔が十分短くなるように、且つ、それら表示位置が区別できるようにするためである。すなわち、車両が移動しているときに、その車両の現在地の推移を精密に把握できるようにするために、今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が十分短くなるように、送信間隔が短く定められている。一方で、その送信間隔があまりに短いと、例えば、現在地の今回の表示位置と前回の表示位置とが同じ位置となることがある。このように、表示位置が重複するにもかかわらず、現在地の送信を何回も行うことは、通信の無駄となる。そこで、今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmあれば、それら表示位置が区別できるとして、その間隔(0.5cm)を実現するために、送信間隔が短くなりすぎないようにしている。
【0034】
説明を図1に戻り、ナビゲーション装置20は、公知のナビゲーション装置であって、特定車両の現在地を逐次検出して、その現在地周辺の地図データを表示するとともに、その地図データに重畳して現在地マークを表示する。また、特定車両のユーザは、ナビゲーション装置20で目的地を設定することができる。そしてナビゲーション装置20は、目的地が設定された場合には、地図データに基づいて現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、その目的地に到着する到着予想時刻を予想する。その後、ナビゲーション装置20は、その最適経路で目的地に到着するように特定車両を誘導する。
【0035】
GPS受信機30は、ナビゲーション装置20が特定車両の現在地を検出するためのその現在地に相当するGPS信号をGPS衛星から逐次受信する。そして、そのGPS信号をナビゲーション装置20に出力する。
【0036】
入力装置40は、特定車両のユーザが各種信号を制御回路10に入力するための装置であり、例えばスイッチ、リモコン、タッチパネルが用いられる。本実施形態では、特定車両の現在地を送信する対象となる携帯電話機2には、アドレス(例えば電話番号やメールアドレス)が定められている。そして、入力装置40でそのアドレスを入力して、特定車両の現在地を送信する携帯電話機2を指定することができる。
【0037】
通信モジュール50は、携帯電話機2との間で通信をするための装置であり、制御回路10から入力された信号を所定の形式に変調してアンテナ51で携帯電話機2に送信するとともに、携帯電話機2から送信されアンテナ51で受信した所定の形式に変調された信号を元の信号に復調して制御回路10に入力する。
【0038】
次に、図1に示す携帯電話機2の構成について説明する。携帯電話機2は、いわゆる携帯型の電話機であり、公知の携帯電話機としての機能を有している。すなわち携帯電話機2は、電話番号やメールアドレスが割り当てられており、他の電話機との間で通話することができたり、他の電話機やPC等の間で電子メールの送受信をすることができたりする。このような携帯電話機2は、図1に示すように、制御回路60、ディスプレイ70、通信モジュール80、アンテナ81、地図データ記憶装置90及び入力装置100を有している。制御回路60は、内部でCPU61、ROM62及びRAM63が図示しないバスで相互に接続されて構成されている。そしてCPU61は、情報を一時的に記憶するRAM63を利用しつつ、ROM62に記憶されているプログラムにしたがって通話処理やメール送受信処理等の各種演算処理を実行する。また本実施形態の制御回路60は、車載器1が特定車両の現在地を送信してよいか否かを決定する第一表示装置処理を実行するとともに、その第一表示装置処理で送信してよいと決定した場合には、特定車両の現在地を地図データに重畳して表示する第二表示装置処理を実行する。なお第一表示装置処理と第二表示装置処理の詳細についてはフローチャートを参照して後述する。
【0039】
ここでCPU61は、第二表示装置処理において、表示する地図データの縮尺を、特定車両の現在地と目的地の距離に応じて変えている。そこで、ROM62には、CPU61が実行するプログラムが記憶されているとともに、表示する地図データの縮尺を決定するための縮尺決定テーブル620が記憶されている。
【0040】
図3は、その縮尺決定テーブル620を示した図である。図3に示すように、縮尺決定テーブル620には、残距離欄621と縮尺欄622とが設けられている。残距離欄621には、特定車両の現在地と目的地との残距離の範囲が記憶されており、具体的には「0m〜45m」、「46m〜90m」、「91m〜240m」、「241m〜630m」、「631m〜2250m」及び「2251m〜」の範囲が記憶されている。
【0041】
また縮尺欄622には、残距離欄621に記憶されている特定車両の現在地と目的地との残距離の範囲ごとに、地図データの縮尺が記憶されている。具体的には、残距離「0m〜45m」は「1/1500」の縮尺に対応付けられており、残距離「46m〜90m」は「1/3000」の縮尺に対応付けられており、残距離「91m〜240m」は「1/8000」の縮尺に対応付けられている。また残距離「241m〜630m」は「1/21000」の縮尺に対応付けられており、残距離「631m〜2250m」は「1/75000」の縮尺に対応付けられており、残距離「2251m〜」は「1/15万」の縮尺に対応付けられている。このように、残距離が小さくなるほど、大きな縮尺の地図データが対応付けられている。
【0042】
ここで、残距離「0m〜45m」の45mは、「1/1500」の縮尺の地図データの3cmに相当する距離となっている。したがって残距離が「0m〜45m」の範囲で、「1/1500」の縮尺の地図データに特定車両の現在地と目的地が表示された場合には、その地図データ上での現在地と目的地の表示位置の差は3cm未満となる。すなわち、携帯電話機2のディスプレイ60の大きさ(一辺が3cm程度と想定)を考慮すると、「1/1500」の縮尺の地図データは、残距離が「0m〜45m」の範囲における現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データである。
【0043】
また残距離「46m〜90m」の90mは、「1/3000」の縮尺の地図データの3cmに相当する距離となっている。したがって残距離が「46m〜90m」の範囲で、「1/3000」の縮尺の地図データに特定車両の現在地と目的地が表示された場合には、その地図データ上での現在地と目的地の表示位置の差は3cm未満となる。すなわち、携帯電話機2のディスプレイ60の大きさ(一辺が3cm程度と想定)を考慮すると、「1/3000」の縮尺の地図データは、残距離が「46m〜90m」の範囲における現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データである。
【0044】
また残距離「91m〜240m」の240mは、「1/8000」の縮尺の地図データの3cmに相当する距離となっている。したがって残距離が「91m〜240m」の範囲で、「1/8000」の縮尺の地図データに特定車両の現在地と目的地が表示された場合には、その地図データ上での現在地と目的地の表示位置の差は3cm未満となる。すなわち、携帯電話機2のディスプレイ60の大きさ(一辺が3cm程度と想定)を考慮すると、「1/8000」の縮尺の地図データは、残距離が「91m〜240m」の範囲における現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データである。
【0045】
また残距離「241m〜630m」の630mは、「1/21000」の縮尺の地図データの3cmに相当する距離となっている。したがって残距離が「241m〜630m」の範囲で、「1/21000」の縮尺の地図データに特定車両の現在地と目的地が表示された場合には、その地図データ上での現在地と目的地の表示位置の差は3cm未満となる。すなわち、携帯電話機2のディスプレイ60の大きさ(一辺が3cm程度と想定)を考慮すると、「1/21000」の縮尺の地図データは、残距離が「241m〜630m」の範囲における現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データである。
【0046】
また残距離「631m〜2250m」の2250mは、「1/75000」の縮尺の地図データの3cmに相当する距離となっている。したがって残距離が「631m〜2250m」の範囲で、「1/75000」の縮尺の地図データに特定車両の現在地と目的地が表示された場合には、その地図データ上での現在地と目的地の表示位置の差は3cm未満となる。すなわち、携帯電話機2のディスプレイ60の大きさ(一辺が3cm程度と想定)を考慮すると、「1/75000」の縮尺の地図データは、残距離が「631m〜2250m」の範囲における現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データである。
【0047】
このように、各残距離「0m〜45m」、「46m〜90m」、「91m〜240m」、「241m〜630m」、「631m〜2250m」において、現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データが対応付けられている。
【0048】
ディスプレイ70は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、通話する際の相手先の電話番号を表示したり、電子メールを表示したりするなど、各種情報を表示する。また本実施形態のディスプレイ70は、地図データを表示することができ、さらにその地図データに重畳して特定車両の現在地も表示することができる。
【0049】
通信モジュール80は、通話する際に他の電話機との間で通信をするための装置であり、制御回路60から入力された音声信号を所定の形式に変調してアンテナ81で他の電話機に送信するとともに、他の電話機から送信されアンテナ81で受信した所定の形式に変調された音声信号を元の音声信号に復調して制御回路60に入力する。また他の電話機やPC等との間で電子メールを送受信する場合も、通信モジュール80でその電子メールを変復調して通信を行っている。さらに本実施形態の携帯電話機2は、車載器1との間でも通信することができ、通信モジュール80はその通信の際に変復調等の処理を実行している。
【0050】
地図データ記憶装置90は、本発明の「地図データ記憶手段」として機能し、ディスプレイ70に表示する地図データを記憶する装置である。また地図データ記憶装置90には、縮尺が異なる複数の地図データが記憶されており、具体的には図2に示す縮尺と同じ、「1/1500」、「1/3000」、「1/8000」、「1/21000」、「1/75000」及び「1/15万」の縮尺の地図データが記憶されている。
【0051】
入力装置100は、携帯電話機2のユーザが各種信号を制御回路60に入力するための装置であり、例えば数字やアルファベットが割り当てられたプッシュスイッチや十字キーが用いられる。その入力装置100で、例えば通話の際に相手先の電話番号を入力したり、電子メールの送受信の際に送信先のメールアドレスを入力したり、メール文を入力したりできる。また本実施形態では、携帯電話機2のユーザは、入力装置100で、ディスプレイ70に表示されている地図データをスクロールさせることができ、また表示する地図データの縮尺を指定することもできる。
【0052】
そして本実施形態の車両位置通信システム1は、上記構成の携帯電話機2を複数備えており、各携帯電話機2はそれぞれ固有のアドレス(電話番号やメールアドレス等)が割り当てられている。
【0053】
図1に示す基地局200は、車載器1と携帯電話機2との間の通信を中継する役割を担っている。この基地局200で通信を中継させることにより、通信距離が長くなっても、通信が途切れないようにしている。また車載器1から特定の携帯電話機2にデータを送信する場合に、基地局200で携帯電話機2のアドレスを参照して、携帯電話機2だけがデータを受信できるように、そのデータを変調している。また、基地局200は、その通信範囲が数kmとなっている。そして基地局200は、広範囲に点在して複数設置されており、広範囲で車載器1と携帯電話機2が通信できるようになっている。
【0054】
続いて車載器1が実行する、特定車両の現在地を送信する携帯電話機2(特定表示装置)を登録する第一車載器処理についてフローチャートを参照して説明する。また携帯電話機2が実行する、その第一車載器処理に応答する処理であって、車載器1が特定車両の現在地を送信してよいか否かを決定する第一表示装置処理についてもフローチャートを参照して説明する。
【0055】
図4は第一車載器処理を示したフローチャートであり、図5は第一表示装置処理を示したフローチャートである。なお、図4の第一車載器処理は、入力装置40で開始信号が入力される度に実行され、図5の第一表示装置処理は一定時間おきに実行される。
【0056】
先ず、車載器1の制御回路10は、図4のステップS11で、複数の携帯電話機2の中から、特定車両の現在地を送信する携帯電話機2を指定する。具体的には、特定車両のユーザに、特定車両の現在地を送信する携帯電話機2のアドレスを入力装置40で入力するように促す。そして、その入力装置40から入力されたアドレスに対応する携帯電話機2を指定する。なお、ステップS11は、本発明の「表示装置指定ステップ」に相当する処理である。
【0057】
続くステップS12で、車載器1の制御回路10は、ステップS11で指定した携帯電話機2に、特定車両の現在地の送信を希望する送信通知信号を送信する。この際、携帯電話機2のアドレスを付して、その送信通知信号を送信する。すると、基地局200によって、送信通知信号に付されたアドレスに応じてその送信通知信号が変調される。そして、指定された携帯電話機2だけが送信通知信号を受信できるようになる。
【0058】
一方、携帯電話機2の制御回路60は、図5のステップS21で、その送信通知信号を受信したか否かを判断する。送信通知信号を受信するまでは待機状態となる(S21:NO)。そして送信通知信号を受信した場合は(S21:YES)、ステップS22で、送信通知信号を受信したことをディスプレイ70等で携帯電話機2のユーザに知らせて、そのユーザに、特定車両の現在地を車載器1が送信してよいか否かの判断を求める(S22)。この際、携帯電話機2のユーザは、入力装置100で送信してよいか否かを示した送信可否信号を入力することができる。続くステップS23で、その送信可否信号を車載器1に送信する。なお、図4のステップS12、S13及び図5のステップS21〜S23は、本発明の「第一判断ステップ」に相当する処理である。
【0059】
車載器1の制御回路10は、図4のステップS13で、その送信可否信号を受信する。そしてステップS14で、その送信可否信号が、特定車両の現在地を送信してよいことを示した送信可信号か、送信してはいけないことを示した送信否信号かを判断する。送信可否信号が送信否信号の場合は、図4の第一車載器処理を終了する。この場合、後述する第二車載器処理が実行されず、特定車両の現在地は携帯電話機2に送信されない。
【0060】
一方、ステップS14において、送信可否信号が送信可信号の場合は、ステップS15で、携帯電話機2のディスプレイ70に表示される地図データの縮尺を問い合わせる縮尺要求信号を、携帯電話機2に送信する。
【0061】
携帯電話機2の制御回路60は、図5のステップS24で、ステップS23で車載器1に送信した送信可否信号が、特定車両の現在地を送信してもよいことを示した送信可信号か、送信してはいけないこと示した送信否信号かを判断する。そして送信可否信号が送信否信号の場合は、そのまま図5の第一表示装置処理は終了する。一方、送信可否信号が送信可信号の場合は、ステップS25で、車載器1から送信された縮尺要求信号を受信する。そして、その縮尺要求信号に基づいて、特定車両の現在地を表示するときの地図データの縮尺を取得する。この際に取得する縮尺は、携帯電話機2のユーザが選択した縮尺でもよいし、デフォルトとして予め定められた縮尺でもよい。続くステップS26で、取得した縮尺を示した縮尺応答信号を車載器1に送信して、図5の第一表示装置処理が終了する。
【0062】
一方、車載器1の制御回路10は、図4のステップS16で、その縮尺応答信号を受信する。なお、図4のステップS15、S16及び図5のステップS25、S26は、本発明の「縮尺取得ステップ」に相当する処理である。
【0063】
続くステップS17は、本発明の「送信間隔決定ステップ」に相当する処理であり、その縮尺応答信号で示される縮尺に対応する送信間隔を、図2の送信間隔決定テーブル130を参照して決定する。例えば、縮尺応答信号で示される縮尺が「1/3000」の縮尺の場合には、「0.9秒」の送信間隔が決定されることになる。続くステップS18で、RAM13に携帯電話機2のアドレスとステップS17で決定した送信間隔とを記憶することで、携帯電話機2を登録する。その後、図4の第一車載器処理は終了する。
【0064】
次に、車載器1が実行する、第一車載器処理で登録された携帯電話機2に特定車両の現在地を送信する第二車載器処理について、フローチャートを参照して説明する。また同時に、携帯電話機2が実行する、車載器1から送信される特定車両の現在地を地図データに重畳して表示する第二表示装置処理について、フローチャートを参照して説明する。図6は第二車載器処理を示したフローチャートであり、図7は第二表示装置処理を示したフローチャートである。なお、第二車載器処理は、第一車載器処理で、登録した携帯電話機2がある場合に、それ以降、一定時間おきに実行される。また第二表示装置処理は、第一表示装置処理で、特定車両の現在地を送信してよいと決定した場合に、それ以降、一定時間おきに実行される。
【0065】
先ず、車載器1の制御回路10は、図6のステップS31で、図示しないタイマーをセットして時間の計測を開始する。続くステップS32は、本発明の「現在地検出ステップ」及び「現在地検出手段」に相当する処理であり、車載器1のナビゲーション装置20は、GPS受信機30からのGPS信号に基づいて、特定車両の現在地を検出して、その現在地を制御回路10に出力する。続くステップS33は、本発明の「目的地取得ステップ」に相当する処理であり、制御回路10は、特定車両の目的地をナビゲーション装置20から取得する。続くステップS34は、本発明の「予想時刻取得ステップ」に相当する処理であり、制御回路10は、特定車両の目的地への到着予想時刻をナビゲーション装置20から取得する。そして、ステップS35で、タイマーの計測時間がRAM13に記憶されている送信間隔の時間を経過しているか否かを判断する。ここで、タイマーの計測時間が送信間隔の時間を経過するまでは(S35:NO)、特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を取得し続ける(S32〜S34)。そして、タイマーの計測時間が送信間隔の時間を経過した場合は(S35:YES)、ステップS36でタイマーをリセットして時間の計測を停止する。続くステップS37で、RAM13に記憶されている携帯電話機2のアドレスを参照して、最新の特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を携帯電話機2に送信する。その後、ステップS38の処理に進む。なお、ステップS31、S35、S36、S37は、本発明の「送信ステップ」及び「送信手段」に相当する処理である。
【0066】
一方、携帯電話機2の制御回路60は、図7のステップS51で、車載器1から送信される特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を受信したか否かを判断する。そして、受信した場合は(S51:YES)、ステップS52で、ステップS51で受信した現在地周辺の地図データを地図データ記憶装置90から取得する。この際、図3の縮尺決定テーブル620を参照して、後述するステップS54で算出した残距離に対応する縮尺の地図データを取得する。例えば、残距離が300mの場合には、図3の縮尺決定テーブル620の残距離「241m〜630m」に対応する縮尺「1/21000」の地図データが取得されることになる。なお、第二表示装置処理が開始されて初期の段階では、ステップS52の実行前にステップS54が実行されていないことがある。この場合は、ステップS52では、デフォルトの縮尺の地図データを取得する。又は携帯電話機2のユーザが入力装置100で地図データの縮尺を指定した場合は、ステップS52では、その縮尺の地図データを取得する。なお、ステップS52は、本発明の「地図データ取得ステップ」及び「地図データ取得手段」に相当する処理である。
【0067】
そしてステップS53で、ステップS52で取得した地図データを表示するとともに、その地図データに重畳して特定車両の現在地と目的地も表示する。なお、ステップS53は、本発明の「表示ステップ」及び「表示手段」に相当する処理である。なお、先のステップS52で、現在地と目的地の両方が同時に表示できる縮尺の地図データが取得されている。また、表示される地図データは、現在地と目的地を同時に表示できる最大の縮尺となっている。これによって、携帯電話機2のユーザは、特定車両の現在地と目的地を同時に地図データ上で把握でき、さらに地図データの縮尺も大きいので、現在地、目的地の周辺や、現在地と目的地の位置関係を把握しやすくなる。
【0068】
なお、先のステップS52で、デフォルトの縮尺の地図データや携帯電話機2のユーザが指定した縮尺の地図データを取得した場合は、現在地と目的地の両方が同時に地図データ上に表示できないことがある。この場合には、ステップS53では、特定車両の現在地がディスプレイ70の中心にくるように、地図データを表示する。そして、携帯電話機2のユーザが入力装置100で、表示されている地図データをスクロールできるようにする。その際、ディスプレイ70に表示される地図データに目的地が含まれる場合には、その地図データに重畳して目的地を表示する。これによって、携帯電話機2のユーザは、特定車両の現在地や目的地を地図データ上で把握できる。
【0069】
またステップS53で、ステップS51で受信した到着予測時刻もディスプレイに表示する。これによって、携帯電話機2のユーザは、特定車両があとどれくらいで目的地に到着するのかを時間で把握することができる。
【0070】
その後、ステップS54で、現在地と目的地との残距離を算出する。そしてステップS55で、ディスプレイ70で表示する地図データの縮尺を変更するか否かを判断する。具体的には、先のステップS52で取得した地図データの縮尺と、ステップS54で算出した残距離に対応する縮尺(図3参照)とを比較して、それらの縮尺が異なっている場合には縮尺を変更すると判断する。すなわち、残距離が変わるにつれて、自動的に縮尺が変更されることになる。そして、その変更後の縮尺は、現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺であるので、携帯電話機2のユーザは、残距離が変わっても、常に特定車両の現在地と目的地を同時に地図データ上で把握できる。さらに地図データの縮尺も大きいので、現在地、目的地の周辺や、現在地と目的地の位置関係を把握しやすくなる。
【0071】
なおステップS55では、先のステップS52で取得した地図データの縮尺と異なる縮尺を、携帯電話機2のユーザが入力装置100で指定した場合も、縮尺を変更すると判断する。これは、残距離に基づいて自動的に地図データの縮尺が変更されるのを、携帯電話機2のユーザが望まない場合もあることを考慮したものである。
【0072】
そしてステップS55において、縮尺を変更する場合には(S55:YES)、ステップS56で変更後の縮尺を車載器1に通知して、ステップS57の処理に進む。なおステップS55で縮尺を変更しない場合は(S55:NO)、そのままステップS57の処理に進む。
【0073】
また、ステップS51において、車載器1から特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を受信しない間は(S51:NO)、先に説明したステップS52〜ステップS54の処理を実行しないで、前回の表示を維持することになる。ただし、携帯電話機2のユーザによって、表示する地図データの縮尺を変更される場合もある。そこで、車載器1から特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を受信しない場合も(S51:NO)、ステップS55、S56の処理を実行している。
【0074】
一方、車載器1の制御回路10は、図6のステップS38で、携帯電話機2から地図データの縮尺を変更する通知がされたか否かを判断する。地図データの縮尺を変更する通知がされた場合は(S38:YES)、ステップS39で、変更後の縮尺に対応する送信間隔を図2の送信間隔決定テーブル120を参照して決定する。例えば、地図データの縮尺が「1/8000」から「1/3000」に変わった場合には、送信間隔は「2.4秒」から「0.9秒」に変わることになる。ステップS39の処理の後、ステップS40の処理に進む。またステップS38において、地図データの縮尺を変更する通知がされなかった場合は(S38:NO)、ステップS40の処理に進む。なお、図6のステップS38、図7のステップS55、S56も、本発明の「縮尺取得ステップ」に相当する処理である。またステップS39も本発明の「送信間隔決定ステップ」に相当する処理である。
【0075】
そしてステップS40は、本発明の「到着判断ステップ」に相当する処理であり、特定車両の現在地と目的地とを比較することによって、特定車両が目的地に到着したか否かを判断する。特定車両が未だ目的地に到着していない場合は(S40:NO)、ステップS31の処理に戻って、先に説明したステップS31〜ステップS40の処理を実行する。すなわち、送信間隔おきに、特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を携帯電話機2に送信する。この送信間隔は、携帯電話機2で表示する地図データの縮尺に基づいて決定されたものであり、特定車両が時速60kmで走行している場合に、特定車両の現在地の今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなるような送信間隔である。このように、表示位置の間隔「0.5cm」が、あまりに大きくなっていないので、携帯電話機2のユーザは、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができる。また、表示位置の間隔「0.5cm」は、今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できる間隔であると考えられる。したがって、表示位置が区別できないのに何回も通信することがないので、通信の無駄を低減できる。
【0076】
また、携帯電話機2で表示する地図データの縮尺が変更された場合には(S38:YES)、変更後の縮尺に基づいて送信間隔が決定される(S39)。したがって、縮尺が変更されたとしても、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができるとともに、通信の無駄を低減できる。
【0077】
一方ステップS40において、特定車両が目的地に到着した場合は(S40:YES)、ステップS41で、携帯電話機2に到着通知をする。そして、ステップS42で、RAM13に記憶されている携帯電話機2のアドレスを削除することによって、携帯電話機2の登録を解除する。その後、図6の第二車載器処理を終了する。
【0078】
一方、携帯電話機2の制御回路60は、図7のステップS57で、特定車両が目的地に到着した到着通知が、車載器1からなされたか否かを判断する。到着通知がなされない間は(S57:NO)、ステップS51の処理に戻って、先に説明したステップS51〜ステップS57の処理を実行する。すなわち、車載器1から逐次送信されてくる特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻を受信して(S51:YES)、その現在地と目的地との残距離に応じた縮尺の地図データに重畳させて、現在地、目的地を表示する(S52、S53)。この際、特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻が送信される送信間隔は、表示する地図データの縮尺に基づいて決定されたものである。つまり、特定車両が時速60kmで走行している場合に、特定車両の現在地の今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなる。このように、表示位置の間隔「0.5cm」が、あまりに大きくなっていないので、携帯電話機2のユーザは、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができる。また、表示位置の間隔「0.5cm」が小さくなりすぎていないので、通信の無駄を低減できる。
【0079】
そしてステップS57において、車載器1から到着通知がなされた場合は(S57:YES)、ステップS58で、表示、音、振動等で特定車両が目的地に到着したことを携帯電話機2のユーザに報知する。これによって、携帯電話機2のユーザは、特定車両が目的地に到着したことを知ることができる。その後、図7の第二表示装置処理を終了する。なお、ステップS57、S58は、本発明の「報知ステップ」に相当する処理である。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の車両位置通信システム1によれば、携帯電話機2において、特定車両の現在地と目的地の両方が同時に地図データに重畳されて表示される。したがって、携帯電話機2のユーザは、特定車両の現在地と目的地を同時に地図データ上で把握できるので、現在地と目的地の位置関係を把握しやすくなる。
【0081】
また、携帯電話機2で表示する地図データの縮尺に応じた送信間隔で、特定車両の現在地、目的地、到着予想時刻が車載器1から携帯電話機2に送信されている。この送信間隔は、特定車両が時速60kmで走行している場合に、特定車両の現在地の今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなるような送信間隔である。このように、表示位置の間隔「0.5cm」が、あまりに大きくなっていないので、携帯電話機2のユーザは、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができる。また、表示位置の間隔「0.5cm」は、今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できる間隔であると考えられる。したがって、表示位置が区別できないのに何回も通信することがないので、通信の無駄を低減できる。
【0082】
また、携帯電話機2で表示する地図データの縮尺が変更された場合には、変更後の縮尺に基づいて送信間隔が決定される。したがって、縮尺が変更されたとしても、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができるとともに、通信の無駄を低減できる。
【0083】
また、特定車両の現在地と目的地との残距離が変わるにつれて、携帯電話機2に表示される地図データの縮尺は自動的に変更される。そして、その変更後の縮尺は、現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺であるので、携帯電話機2のユーザは、残距離が変わっても、常に特定車両の現在地と目的地を同時に地図データ上で把握できる。さらに地図データの縮尺も大きいので、現在地、目的地の周辺や、現在地と目的地の位置関係を把握しやすくなる。
【0084】
また、携帯電話機2のディスプレイ70には、特定車両が目的地に到着する到着予測時刻も表示される。これによって、携帯電話機2のユーザは、特定車両があとどれくらいで目的地に到着するのかを時間で把握することができる。
【0085】
また、特定車両のユーザは、現在地を送信する携帯電話機2を指定することができる。そして、車載器1は、指定された携帯電話機2だけに特定車両の現在地を送信している。したがって、特定車両のユーザが意図しない携帯電話機2に自車の現在地が表示されてしまうことを防止できる。
【0086】
また、特定車両の現在地が携帯電話機2に表示されることを、携帯電話機2のユーザが希望していない場合には、その現在地は送信されない。したがって、希望していないにもかかわらず携帯電話機2に現在地が表示されることによる煩わしさを防止できる。
【0087】
また、特定車両が目的地に到着した場合は、携帯電話機2によって、そのことが携帯電話機2のユーザに報知される。これによって、携帯電話機2のユーザは、特定車両が目的地に到着したことを知ることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明に係る車両位置通信方法及び車両位置通信システムの第二実施形態について図面を参照して説明する。上記第一実施形態では、特定車両のユーザが、特定車両の現在地を送信する携帯電話機2を指定していたが、本実施形態では、携帯電話機2のユーザが、現在地の送信を希望する車両を指定できるようにしたものである。以下、本実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0088】
本実施形態の車両位置通信システム5の構成は、図1に示す第一実施形態のそれの構成と同じである。ただし、本実施形態の車両には、他の車両と識別する識別情報が割り当てられている。そして基地局200は、携帯電話機2から送信される情報を、その識別情報に応じて変調する。車載器1の通信モジュール50は、自身が設けられている車両の識別情報に対応した情報だけを基地局200から受信する。このようにして、携帯電話機2は特定の車両とだけ通信をしている。その他の構成は、第一実施形態と同じなので、説明を省略する。
【0089】
また、本実施形態の車両位置通信システムでは、車載器1の制御回路10は、図4の第一車載器処理の代わりに、図9の第一車載器処理を実行する。また携帯電話機2の制御回路60は、図5の第一表示装置処理の代わりに、図8の第一表示装置処理を実行する。以下、図8の第一表示装置処理と図9の第一車載器処理を説明する。なお、図8の第一表示装置処理は携帯電話機2のユーザによって開始スイッチが操作される度に実行される。また図9の第一表示装置処理は一定期間おきに実行される。なお、図8、図9中、第一実施形態と同じ処理には同じ符号を付している。
【0090】
先ず、携帯電話機2の制御回路60は、図8のステップS61で、複数の車両の中から、現在地の送信を希望する車両(特定車両)を指定する。具体的には、携帯電話機2のユーザに、現在地の送信を希望する車両の識別情報を入力装置100で入力するように促す。そして、その入力装置100から入力された識別情報に対応する車両を指定する。なお、ステップS61は、本発明の「車両指定ステップ」に相当する処理である。
【0091】
続くステップS62で、ステップS61で指定した特定車両に、現在地の送信を希望していること通知する送信通知信号を送信する。この際、特定車両の識別情報を付して、その送信通知信号を送信する。すると、基地局200によって、送信通知信号に付された識別情報に応じてその送信通知信号が変調される。そして、指定された特定車両だけが送信通知信号を受信できるようになる。その後、ステップS63の処理に進む。
【0092】
一方、特定車両の制御回路10は、図9のステップS71で、その送信通知信号を受信したか否かを判断する。送信通知信号を受信するまでは待機状態となる(S71:NO)。そして送信通知信号を受信した場合は(S71:YES)、ステップS72で、送信通知信号を受信したことをナビゲーション装置20のディスプレイ等で特定車両のユーザに知らせて、そのユーザに、特定車両の現在地を送信するか否かの判断を求める(S72)。この際、特定車両のユーザは、入力装置40で送信するか否かを示した送信可否信号を入力することができる。続くステップS73で、その送信可否信号を車載器1に送信する。その後、第一実施形態と同じ処理を実行する。すなわち、送信可否信号が送信可信号の場合には、携帯電話機2から地図データの縮尺を取得して、その縮尺に応じた送信間隔を決定する(S15〜S17)。そして、携帯電話機2を登録する(S18)。
【0093】
携帯電話機2の制御回路60は、図8のステップS63で、その送信可否信号を受信する。その後、第一実施形態と同じ処理を実行する。すなわち、送信可否信号が送信可信号の場合には、車載器1に縮尺を送信することになる(S25、S26)。なお、図8のステップS62、S63及び図9のステップS71〜S73は、本発明の「第二判断ステップ」に相当する処理である。
【0094】
その後、車載器1は、図6示す第一実施形態と同じ第二車載器処理を実行し、携帯電話機2は、図7に示す第一実施形態と同じ第二表示装置処理を実行する。すなわち、特定車両の現在地が携帯電話機2に表示されることになる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態の車両位置通信システム1によれば、携帯電話機2のユーザは、現在地の送信を希望する車両を指定することができる。これにより、携帯電話機2のユーザが意図しない車両の現在地がその携帯電話機2に表示されてしまうことを防止できる。
【0096】
また、特定車両の現在地が携帯電話機2に表示されることを、特定車両のユーザが希望していない場合には、その現在地は送信されない。したがって、特定車両のユーザが意図しない携帯電話機2に自車の現在地が表示されてしまうことを防止できる。
【0097】
なお、本発明に係る車両位置通信システム、車両位置通信方法は、上記実施形態に限定されるわけではなく、発明の範囲内で変形することができる。例えば、特定表示装置として、携帯電話機2の代わりに他の表示装置に適用してもよい。例えば、特定表示装置として車両に設置される表示装置であってもよい。この場合、車載器1を特定表示装置としての機能も持たせ、その表示装置を車載器1としての機能も持たせることによって、自動車でツーリング等するときに、互いに他の車両の現在地を把握することができる。
【0098】
また上記実施形態では、特定車両の現在地をGPS信号による電波航法で検出していたが、車速センサや操舵角センサ等を用いた自立航法で検出してもよい。
【0099】
また上記実施形態では、携帯電話機2に送信する現在地の送信間隔として、特定車両が時速60kmで走行している場合に、特定車両の現在地の今回の表示位置と前回の表示位置との間隔が0.5cmとなるような送信間隔で、現在地を携帯電話機2に送信していた。この「0.5cm」は、携帯電話機2のユーザが、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができ、且つ、今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できるとして定められた値である。したがって、このような趣旨を逸脱しない限り、「0.5cm」に限定されるわけではない。また、上記時速60kmの代わりに、他の速度に基づいて送信間隔を定めてもよい。すなわち、特定車両の現在地の推移を精密に把握することができ、且つ、通信の無駄を低減できるならば、どのように送信間隔を定めてもよい。
【0100】
また上記実施形態では、現在地と目的地の両方が同時に表示できる最大の縮尺の地図データを携帯電話機2で表示していたが、どの縮尺の地図データを表示してもよいのは言うまでもない。つまり、残距離と表示する地図データの縮尺の関係は、図3の縮尺決定テーブル620に限定されない。図3の縮尺決定テーブル620は、携帯電話機2のディスプレイ70の大きさ(一辺がおよそ3cmを想定)を考慮して定められたものであるが、特定表示装置として他の表示装置を用いた場合には、ディスプレイの大きさが変わるので、残距離と表示する地図データの縮尺の関係も変わることになる。
【0101】
また、上記実施形態では、地図データ記憶装置90を携帯電話機2内に設けていたが、携帯電話機2は外部の装置からネットワークを通じて地図データを取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 車載器
2 携帯電話機(特定表示装置)
5 車両位置通信システム
10 制御回路
20 ナビゲーション装置
30 GPS受信機
40 入力装置
50 通信モジュール
51 アンテナ
60 制御回路
70 ディスプレイ
80 通信モジュール
81 アンテナ
90 地図データ記憶装置(地図データ記憶手段)
100 入力装置
200 基地局
S11 表示装置指定ステップ
S12、S13、S21〜S23 第一判断ステップ
S15、S16、S25、S26、S55、S56 縮尺取得ステップ
S17、S39 送信間隔決定ステップ
S32 現在地検出ステップ、現在地検出手段
S33 目的地取得ステップ
S34 予想時刻取得ステップ
S31、S35、S36、S37 送信ステップ、送信手段
S52 地図データ取得ステップ、地図データ取得手段
S53 表示ステップ、表示手段
S40 到着判断ステップ
S57、S58 報知ステップ
S61 車両指定ステップ
S62、S63、S71〜S73 第二判断ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定車両の現在地を逐次検出する現在地検出ステップと、
その現在地検出ステップで逐次検出した前記現在地を特定表示装置に逐次送信する送信ステップと、
地図データを記憶する地図データ記憶手段から、前記送信ステップで送信した前記現在地を含む地図データを取得する地図データ取得ステップと、
前記送信ステップで送信した前記現在地を前記地図データ取得ステップで取得した前記地図データに重畳させて、前記特定表示装置に逐次表示する表示ステップとを備える車両位置通信方法において、
前記送信ステップは、前記特定車両が移動している場合の前記表示ステップで表示する前記現在地の前記地図データにおける今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できる送信間隔で、前記現在地を前記特定表示装置に送信するステップであることを特徴とする車両位置通信方法。
【請求項2】
前記地図データの縮尺を取得する縮尺取得ステップと、
その縮尺取得ステップで取得した前記縮尺に基づいて前記送信間隔を決定する送信間隔決定ステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両位置通信方法。
【請求項3】
前記特定車両のユーザの入力操作に基づいて、複数の表示装置の中から1又は複数の表示装置を指定する表示装置指定ステップを備え、
前記特定表示装置は、前記表示装置指定ステップで指定した表示装置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両位置通信方法。
【請求項4】
前記特定表示装置のユーザの入力操作に基づいて、前記特定車両の現在地が前記特定表示装置に表示されることを、前記特定表示装置のユーザが希望しているか否かを判断する第一判断ステップを備え、
前記送信ステップは、前記第一判断ステップで希望していないと判断した場合には、前記現在地の送信をしないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両位置通信方法。
【請求項5】
前記特定表示装置のユーザの入力操作に基づいて、複数の車両の中から1又は複数の車両を指定する車両指定ステップを備え、
前記特定車両は、前記車両指定ステップで指定した車両であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両位置通信方法。
【請求項6】
前記特定車両のユーザの入力操作に基づいて、前記特定車両の現在地が前記特定表示装置に表示されることを、前記特定車両のユーザが希望しているか否かを判断する第二判断ステップを備え、
前記送信ステップは、前記第二判断ステップで希望していないと判断した場合には、前記現在地の送信をしないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両位置通信方法。
【請求項7】
前記特定車両の目的地を取得する目的地取得ステップを備え、
前記送信ステップでは、前記目的地取得ステップで取得した前記目的地も前記特定表示装置に送信しており、
前記表示ステップでは、前記送信ステップで送信した前記目的地も前記地図データに重畳させて前記特定表示装置に表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両位置通信方法。
【請求項8】
前記地図データ記憶手段には、縮尺が異なる複数の地図データが記憶されており、
前記地図データ取得ステップでは、前記表示ステップで前記現在地と前記目的地の両方が表示できる地図データのうちの最も縮尺が大きい地図データを前記地図データ記憶手段から取得することを特徴とする請求項7に記載の車両位置通信方法。
【請求項9】
前記特定車両が目的地に到着したか否かを判断する到着判断ステップと、
その到着判断ステップで到着したと判断したことに基づいて、前記特定車両目的地に到着したことを、前記特定表示装置のユーザに報知する報知ステップとを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両位置通信方法。
【請求項10】
前記特定車両が目的地に到着する到着予想時刻を取得する予想時刻取得ステップを備え、
前記送信ステップでは、前記予想時刻取得ステップで取得した前記到着予想時刻も前記特定表示装置に送信しており、
前記表示ステップでは、前記送信ステップで送信した前記到着予想時刻も前記特定表示装置に表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両位置通信方法。
【請求項11】
特定車両に設けられた車載器と、特定表示装置とを備える車両位置通信システムであって、
前記車載器は、
前記特定車両の現在地を逐次検出する現在地検出手段と、
その現在地検出手段が逐次検出した前記現在地を前記特定表示装置に逐次送信する送信手段とを有し、
前記特定表示装置は、
地図データを記憶する地図データ記憶手段から、前記送信手段によって送信された前記現在地を含む地図データを取得する地図データ取得手段と、
前記送信手段によって送信された前記現在地を、前記地図データ取得手段が取得した前記地図データに重畳させて表示する表示手段とを有し、
前記車載器の前記送信手段は、前記特定車両が移動している場合の前記表示手段が表示する前記現在地の前記地図データにおける今回の表示位置と前回の表示位置とが区別できる送信間隔で、前記現在地を前記特定表示装置に送信するものであることを特徴とする車両位置通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−191773(P2010−191773A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36502(P2009−36502)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】