説明

車両制御装置

【課題】複数種類の走行制御による所定区間の相互に異なる分割要求に対して、記憶容量の制限を考慮しつつ適切に所定区間を分割することができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、前記リンクが分割された分割区間毎に前記走行負荷情報を記憶する為のメモリ部82の記憶容量が不足する場合に、分割調停部84によりその異なる分割要求が取捨選択されてその異なる分割要求が調停されるので、メモリ部82の記憶容量の制限を考慮しつつ適切にそのリンクを分割することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図情報により特定される複数の区間のうちの所定区間を所定の走行制御からの要求に応じて分割する車両制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
走行制御に用いる走行負荷情報を記憶する為の道路地図情報により特定される所定区間を、その走行制御からの要求に応じて分割する車両制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両制御装置がそれである。この特許文献1には、公知の車載用ナビゲーションシステム(以下、ナビと称す)に記憶されている道路地図情報として所定間隔で設定されている各ノードの座標や標高データから、所定区間内の平均曲率と平均勾配とを算出し、変速段制御の必要性を判断すると共に、その平均曲率と平均勾配との積に基づいて所定区間を更に分割して同様の判断を行うことにより、より精密な区間道路情報を取得して、不必要な変速段の変更を抑制する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−61759号公報
【特許文献2】特開2005−35533号公報
【特許文献3】特開平9−318374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、走行路における曲率の変化と勾配の変化とはそれら相互間に関連性はなく、平均曲率や平均勾配などのデータを同一の区間で取得・記憶すると、一方は精度の高いデータが再現できる反面、他方は精度の低いデータしか再現できない可能性がある。具体的には、図13は、同一の区間毎に平均曲率と平均勾配とを取得・記憶した一例を示す概念図である。図13において、(a)は走行路の概略図、(b)はナビに記憶された道路地図情報に関連して各ノードにより分割された各区間の平面図、(c)は走行中に逐次取得されたヨーレートなどの実測値から算出・記憶された各区間毎の平均曲率のデータ、(d)は走行中に逐次取得された駆動力源トルクや加速度などの実測値から算出・記憶された各区間毎の平均勾配のデータを示している。図13から分かるように、このナビではカーブにおいてノード間隔が細かく設定されて各区間が短く設定されており、各区間毎の平均曲率のデータを実曲率の変化に合った適度な精度で取得・記憶することが可能である。その反面、実勾配変化が大きな区間では各区間が長く設定されており、その区間の平均勾配は精度の低いデータが取得・記憶される可能性がある。また、実勾配変化が小さな区間では各区間が短く設定されており、その区間の平均勾配は過剰に精度の高いデータが取得・記憶される可能性がある。
【0005】
その為、平均曲率のデータを主に利用する制御にとっては、このような区間の分割は適切なものである一方、平均勾配のデータを主に利用する制御にとっては、このような区間の分割は分割の不足や分割の余剰となる可能性がある。これに対して、ある制御において、分割の不足となる区間が生じた場合には、他の制御にとっては分割の余剰となるものの、その区間を更に分割することが考えられる。しかしながら、コストや車載性等を考慮すると記憶できるデータ容量は自ずと限られ、そのデータ容量の範囲内において、いかなる制御においても分割の不足が生じないように各区間を設定することは困難となる可能性がある。尚、上述したような課題は未公知であり、データの記憶容量に制限がある中で、複数の制御に対応して区間を適切に分割することについて未だ提案されていない。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、複数種類の走行制御による所定区間の相互に異なる分割要求に対して、記憶容量の制限を考慮しつつ適切に所定区間を分割することができる車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成する為の本発明の要旨とするところは、(a) 道路地図情報により特定される複数の区間のうちの所定区間を、所定の走行制御からの要求に応じて分割し、分割後の区間毎にその走行制御に用いる走行負荷情報を記憶させる車両制御装置であって、(b) 複数種類の走行制御による前記所定区間の相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求を調停することにある。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、複数種類の走行制御による前記所定区間の相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求が調停されるので、記憶容量の制限を考慮しつつ適切に所定区間を分割することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記異なる分割要求を調停することとは、前記所定区間が分割された分割区間毎に前記走行負荷情報を記憶する為の記憶容量が不足する場合に、その異なる分割要求を取捨選択することにある。このようにすれば、複数種類の走行制御による前記所定区間の相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求を適切に調停することができる。
【0010】
また、好適には、燃費向上効果、安全性、前記走行負荷情報の信頼度、及びその走行負荷情報の利用頻度のうちの少なくとも1つに基づいて前記異なる分割要求を調停することにある。このようにすれば、複数種類の走行制御による前記所定区間の相互に異なる分割要求に対して、記憶容量に制限がある中で、一層適切に所定区間を分割することができる。
【0011】
また、好適には、前記燃費向上効果が低い順に前記異なる分割要求を取り消すか、前記安全性への影響が小さい順に前記異なる分割要求を取り消すか、前記信頼度が低い順に前記異なる分割要求を取り消すか、或いは前記利用頻度が低い順に前記異なる分割要求を取り消すことで前記異なる分割要求を調停することにある。このようにすれば、燃費向上効果、安全性、前記走行負荷情報の信頼度、及びその走行負荷情報の利用頻度のうちの少なくとも1つに基づいて前記異なる分割要求を適切に調停することができる。
【0012】
また、好適には、前記利用頻度は、前記走行制御を実施するか否かの判断に前記走行負荷情報が用いられた場合、及びその走行制御の実施にその走行負荷情報が用いられた場合の各場合毎に高められることにある。このようにすれば、前記利用頻度の低い順に前記異なる分割要求を適切に取り消すことができる。
【0013】
また、好適には、2つの前記異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができるか否かを判断し、その同一の分割要求と見ることができると判断した場合には、前記2つの異なる分割要求を共通化することで前記異なる分割要求を調停することにある。このようにすれば、複数種類の走行制御による前記所定区間の相互に異なる分割要求に対して、記憶容量に制限がある中で、一層適切に所定区間を分割することができる。
【0014】
また、好適には、前記2つの異なる分割要求のうちの一方を他方に置き換えたことにより、制御効果の違いが所定範囲内となるか或いは前記走行負荷情報の変化が所定変化以内となる場合に、前記2つの異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができると判断することにある。このようにすれば、2つの前記異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができるか否かを適切に判断することができる。
【0015】
また、好適には、前記異なる分割要求の調停によりその分割要求が取り消された走行制御を実行する際は、その分割要求が取り消された区間では、その分割要求が取り消されていない区間と比較して、その走行制御の制御ゲインを小さくすることにある。このようにすれば、分割要求が取り消された区間では分割要求が取り消されていない区間と比較して分割不足となって制御精度が低下する恐れがあることに対して、制御ゲインを小さくすることでその走行制御の制御精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明が適用される車両を構成する動力伝達経路の概略構成、及びその車両に設けられた制御系統の要部の一例を説明する図である。
【図2】ナビの記憶媒体に記憶されている内容の一例を示す概念図である。
【図3】電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】電子制御装置のメモリ部に記憶されている内容の一例を示す概念図である。
【図5】走行制御の分割要求に対する分割点の設定方法の一例を示す概念図である。
【図6】制御A,Bによる各分割要求に基づく各分割点の追加候補を例示した概念図である。
【図7】走行負荷情報の利用頻度を判断する方法の一例を示す概念図である。
【図8】電子制御装置による走行負荷情報の利用頻度を判断する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【図9】各走行負荷情報を収集する為の各分割点候補から最終分割点候補を設定する分割点調整処理の方法を例示した概念図である。
【図10】電子制御装置の制御作動の要部すなわち複数種類の走行制御によるリンクの相互に異なる分割要求に対してメモリ容量の制限を考慮しつつ適切にリンクを分割する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【図11】電子制御装置による分割点の取捨選択を実行する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【図12】本実施例を実現するデータテーブルの一例を示す図である。
【図13】同一の区間毎に平均曲率と平均勾配とを取得・記憶した従来制御の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明において、好適には、前記車両制御装置を備える車両は、例えば駆動力源の動力を変速機などの動力伝達装置を介して駆動輪へ伝達するものである。また、前記変速機としては、例えば複数の変速段を有する公知の遊星歯車式自動変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤの何れかを同期装置によって択一的に動力伝達状態とする同期噛合型平行2軸式手動変速機、同期噛合型平行2軸式変速機ではあるが油圧アクチュエータにより駆動される同期装置によって変速段が自動的に切換られることが可能な同期噛合型平行2軸式自動変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機であるが入力軸を2系統備えて各系統の入力軸にクラッチがそれぞれつながり更にそれぞれ偶数段と奇数段へと繋がっている型式の変速機である所謂DCT(Dual Clutch Transmission)、伝動ベルトが一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機、エンジンからの動力を第1電動機及び出力軸へ分配する例えば遊星歯車装置で構成される差動機構とその差動機構の出力軸に設けられた第2電動機とを備えてその差動機構の差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪側へ機械的に伝達しエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより電気的に変速比が変更される電気式無段変速機として機能する自動変速機、或いはエンジン軸や出力軸などに動力伝達可能に電動機が備えられる所謂パラレル式のハイブリッド車両に搭載される自動変速機などにより構成される。また、前記駆動力源としては、例えば燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が好適に用いられるが、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジンと組み合わせて採用することもできる。特に、駆動力源として電動機が単独で用いられる場合には、前記車両は前記変速機を備えていないこともある。
【0018】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明が適用される車両10を構成するエンジン12から駆動輪24までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、エンジン12の出力制御、自動変速機16の変速制御、ナビゲーションシステム30(以下、ナビ30という)における所定区間の分割制御などの為に車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。図1において、公知の遊星歯車式自動変速機などの変速機である自動変速機16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース内において、走行用の駆動力源としてのエンジン12のクランク軸にトルクコンバータ14を介して作動的に連結されている。エンジン12により発生させられた動力は、トルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、自動変速機16の出力軸18から差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)20や一対の車軸(ドライブシャフト)22等を順次介して左右の駆動輪24へ伝達される。また、車両10には、例えば上述したナビ30の他に、ホイールブレーキ装置40や電子制御装置80等が備えられている。
【0020】
ナビ30は、例えばCD−ROMやDVD−ROMやHDD(hard disk drive)などの記憶媒体32を備え、記憶媒体32に記憶された道路地図情報を用いて公知のナビゲーション制御を実行する機能を有している。図2は、記憶媒体32に記憶されている内容の一例を示す概念図である。図2において、(a)は道路地図情報により特定される任意のポイントとしての複数のノード、及び道路地図情報により特定される各ノード間を結ぶ複数の区間としてのリンクを示す図であり、(b)は各リンク毎に記憶されている走行路情報等のデータテーブルを示す図である。図2に示すように、各リンク毎にIDアドレス(リンクID)が決められており、各リンクID毎に、ノードにより定義される始点座標及び終点座標、走行路情報としての平均曲率、一般道や高速道路や一方通行などの道路種別、交差点や直線路における通過点などの各ノードにおける情報、などが記憶されている。尚、記憶媒体32に記憶された各ノードやリンクIDや走行路情報などの道路地図情報は、例えば通常は書き換え不能な固定情報であるが、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディアを取り替えたり、更新ソフトを用いてHDDの内容を書き換えることにより更新が可能である。
【0021】
ホイールブレーキ装置40は、例えばディスクブレーキやドラムブレーキのように各車輪(不図示の前輪,駆動輪(後輪)24)を制動する装置である。具体的には、ホイールブレーキ装置40は、ブレーキペダル50の操作などに関連して、上記各車輪に設けられた不図示の各ホイールシリンダへ制動油圧を供給し、それら各車輪に制動力に相当するホイールブレーキトルク(以下、ブレーキトルクTBという)を付与するフットブレーキ装置である。このホイールブレーキ装置40では、通常は、不図示のマスタシリンダにおいて発生させられるブレーキペダル50の踏力に対応した大きさの制動油圧が各ホイールシリンダへ直接供給される。一方で、例えば旋回走行時の制動力制御、ABS制御、或いはヒルホールド制御時などには、旋回走行時のブレーキトルクTBの発生、低μ路での車両10の制動、或いは坂路途中の車両停止の保持或いは維持の為に、ブレーキペダル50の踏力に対応しない制動液圧が各車輪毎に制御されて各ホイールシリンダへ供給されるようになっている。
【0022】
電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン14の出力制御、自動変速機16の変速制御、ナビ30に記憶された複数のリンクのうちの所定区間(以下、この所定区間もリンクと称す)を分割するリンク分割制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用のエンジン制御装置、変速機14の変速制御用の油圧制御装置、走行制御に用いる走行負荷情報を記憶する為のリンクをその走行制御からの要求に応じて分割する車両制御装置等に分けて構成される。
【0023】
図1に示すように、電子制御装置80には、例えばフットブレーキスイッチ52により検出されたホイールブレーキ装置40の作動中を示すブレーキペダル50が操作されたブレーキオンBONを表すブレーキ操作信号、エンジン回転速度センサ54により検出されたエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Nを表す信号、タービン回転速度センサ56により検出されたトルクコンバータ14のタービン回転速度Nすなわち自動変速機16の入力回転速度である変速機入力回転速度NINを表す信号、出力軸回転速度センサ58により検出された車速Vに対応する出力軸18の回転速度である変速機出力回転速度NOUTを表す信号、車輪速センサ60により検出された各車輪(不図示の前輪,駆動輪(後輪)24)の回転速度である車輪速Nを表す信号、アクセル開度センサ62により検出された運転者による車両10に対する要求量(ドライバ要求量)としてのアクセルペダル64の操作量であるアクセル開度Accを表す信号、スロットルセンサ66により検出された不図示の電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θTHを表す信号、吸入空気量センサ68により検出されたエンジン12の吸入空気量QAIRを表す信号、シフトポジションセンサ70により検出されたシフト操作装置72におけるシフトレバー74のレバーポジション(シフト操作位置、シフトポジション、操作ポジション)PSHを表す信号、加速度センサ76により検出された車両10の前後加速度Gを表す信号、ヨーレイトセンサ78により検出された車両10の回転角速度であるヨーレイトRを表す信号、車両10に搭載されたナビ30からの道路地図情報を表すカーナビ情報信号Snaviなどが、それぞれ供給される。尚、車輪速センサ60は、例えば少なくとも左右一対の前輪の何れか一方及び少なくとも左右一対の後輪の何れか一方に備えられておれば良いが、左右の前輪及び左右の後輪の全ての車輪に備えられていても良い。この場合には4つの車輪速N(左前車輪速NWFL、右前車輪速NWFR、左後車輪速NWRL、右後車輪速NWRR)が電子制御装置80に供給されるので、例えば車両10としての車速Vは4つの車輪速Nの平均車輪速としたり、前輪の車輪速NWFは1対の前輪の平均車輪速としたり、後輪の車輪速NWRは1対の後輪の平均車輪速としたり、ブレーキオンBON時の車輪ロックを検出の為の車輪速は最低車輪速としたりする。
【0024】
また、電子制御装置80からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号S、自動変速機16の変速段(変速比)を切り換える為の変速制御指令信号S、ホイールブレーキ装置40を作動させる為のホイールブレーキ作動信号Sなどが出力される。
【0025】
図3は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図3において、エンジン出力制御部すなわちエンジン出力制御手段100は、例えばスロットル制御の為にスロットルアクチュエータにより電子スロットル弁74を開閉制御する他、燃料噴射量制御の為に燃料噴射装置による燃料噴射量を制御し、点火時期制御の為にイグナイタ等の点火装置を制御するエンジン出力制御指令信号Sを出力する。例えば、エンジン出力制御手段100は、ドライバ要求量に対応するアクセル開度Accに基づいてそのアクセル開度Accが大きい程大きくされる駆動トルクとなるようにエンジントルクTの出力制御を実行する。
【0026】
変速制御部すなわち変速制御手段102は、例えば車速V及びスロットル弁開度θTHを変数として予め記憶された公知の関係(変速マップ、変速線図)から実際の車速V及びスロットル弁開度θTHで示される車両10の走行状態に基づいて変速判断を行い、その判断した変速段(変速比)が得られるように自動変速機16の自動変速制御を実行する変速制御指令信号Sを出力する。例えば、変速制御手段102は、上記判断した変速段(変速比)が得られる為の変速制御指令信号Sとして、油圧制御回路26内のソレノイド弁の励磁、非励磁などを制御する為のバルブ指令信号、ライン油圧PLを調圧するリニアソレノイド弁を駆動する為のライン油圧制御指令信号などを油圧制御回路26へ出力する。
【0027】
ナビ協調制御部すなわちナビ協調制御手段104は、例えば前記リンクに関連付けられて記憶された平均曲率ρave[1/m]や平均勾配θave[%]などの走行負荷情報に基づいて、エンジン12の出力制御や自動変速機16の変速制御やホイールブレーキ装置40による制動制御などの複数種類の走行制御を実行する。
【0028】
具体的には、ナビ協調制御手段104は、変速マップを用いた変速制御手段102による変速制御とは別に、走行制御の1つとして、現在走行中の走行路や車両進行方向の走行路の平均勾配θaveに基づいて自動変速機16の変速を制御する勾配シフト制御を実行する。例えば、ナビ協調制御手段104は、走行路の平均勾配θaveに応じて自動変速機16の高速側変速段(ハイギヤ比)への変速を制限する。より具体的には、ナビ協調制御手段104は、登坂路では常に適切な駆動力が得られるように走行路の平均勾配θaveに応じて最高速ギヤ段(最ハイギヤ比)などの高速側ギヤ段(ハイギヤ比)へのアップシフトを禁止或いは抑制し、降坂路では適切なエンジンブレーキが得られるように走行路の平均勾配θaveに応じて自動的に現在の変速段(変速比)よりも低速側変速段(ローギヤ比)へダウンシフトする。また、ナビ協調制御手段104は、登坂路でのアクセルペダル64の踏増し時には、上記変速制限に加え、走行制御の1つとして、一層適切な駆動力が得られるように走行路の平均勾配θaveに応じて、エンジントルクTをアクセル開度Accに基づいて出力する通常時のエンジントルクTよりも増大させても良い。
【0029】
また、ナビ協調制御手段104は、変速マップを用いた変速制御手段102による変速制御とは別に、走行制御の1つとして、現在走行中の走行路や車両進行方向の走行路の平均曲率ρaveに基づいて自動変速機16の変速を制御する曲率シフト制御を実行する。例えば、ナビ協調制御手段104は、走行路の平均曲率ρave、アクセルペダル64の操作の有無、ブレーキペダル50の操作の有無などに応じて、予め定められた関係から適切な変速段を選択する。より具体的には、ナビ協調制御手段104は、アクセルオフのコーナー進入時には、適切なエンジンブレーキ力を獲得する為に、走行路の平均曲率ρaveに応じて変速段を選択し、ダウンシフトを実行したり、或いは車両10がコーナーのピーク位置周辺を通過するまでアクセルオフに伴うアップシフトを禁止する。また、ナビ協調制御手段104は、コーナー進入時やコーナー走行中には、走行制御の1つとして、走行路の平均曲率ρaveに応じて、トルクコンバータ14のロックアップクラッチを係合するロックアップ制御を実行しても良い。また、ナビ協調制御手段104は、ブレーキオンのコーナー進入時には、走行制御の1つとして、走行路の平均曲率ρaveに応じて、ブレーキペダル50の踏力に対応しないブレーキトルクTBを発生するアシストブレーキ制御を実行しても良い。
【0030】
また、ナビ協調制御手段104は、走行制御の1つとして、ナビ30から取得した高速道路等の自動車専用道路のインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリア等の情報に基づいて、本線への合流時例えば合流路走行区間中は、加速しやすさを向上する為に、自動変速機16のアップシフトを抑制する。また、ナビ協調制御手段104は、走行制御の1つとして、ナビ30から取得した高速道路等の自動車専用道路のインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリア等の情報に基づいて、本線からの退出時は、減速しやすさを向上する為に、アクセルオフやブレーキオンに連動して自動変速機16のダウンシフトを実行したり、或いはアクセルオフに伴うアップシフトを禁止する。また、ナビ協調制御手段104は、走行制御の1つとして、走行制御の1つとして、ナビ30から取得した高速道路等の自動車専用道路における本線上の料金所・検札所等の情報に基づいて、その料金所・検札所までの距離が所定距離以下となったときは、減速しやすさを向上する為に、アクセルオフに連動して自動変速機16のダウンシフトを実行したり、或いはアクセルオフに伴うアップシフトを禁止する。また、ナビ協調制御手段104は、走行制御の1つとして、ナビ30から取得した一旦停止の情報に基づいて、一旦停止位置に向かって走行する際のブレーキオンに連動して、ブレーキペダル50の踏力に対応しないブレーキトルクTBを発生するアシストブレーキ制御を実行する。
【0031】
ここで、ナビ協調制御手段104による複数種類の走行制御の実行に利用される走行負荷情報としては、ナビ30に記憶された固定の走行路情報を用いても良いが、走行路の形状が固定の走行路情報まま不変ではないことを鑑みると、車両走行毎に検出(或いは収集)した走行負荷情報をリンクIDにヒモ付けして(関連付けて)記憶しておくことが望ましい。また、ナビ30の道路地図情報により特定されるリンクでは、各走行制御にとって区間長が長すぎることから走行負荷情報の精度が悪くなり、制御精度や制御効果が低下する可能性がある。そこで、電子制御装置80は、各走行制御にとって最適な走行負荷情報が得られるように、各走行制御における区間分割の必要度に合わせてすなわち各走行制御からの要求に応じて上記リンクを分割する。そして、電子制御装置80は、車両走行の際に、そのリンクを分割した各分割区間毎に走行負荷情報を収集し、電子制御装置80が有するメモリ部82(図1,3参照)にその収集した走行負荷情報をリンクIDにヒモ付けして記憶する。
【0032】
図4は、メモリ部82に記憶されている内容の一例を示す概念図である。図4において、(a)は図2に示されたリンク(リンクID:1)において走行制御からの要求に応じて設定された各分割点A,B,Cを例示する図であり、(b)は分割点により分割された各リンク毎における各分割区間に関連して記憶されている走行負荷情報等のデータテーブルを示す図である。図4に示すように、各リンク(リンクID)毎に関連付けられて、ノード及び分割点により定義される分割区間の始点座標及び終点座標、各分割区間毎の平均曲率ρaveや平均勾配θaveなどの走行負荷情報、などが記憶されている。
【0033】
図3に戻り、走行負荷情報収集部すなわち走行負荷情報収集手段106は、例えば車両走行時には走行路の曲率ρや勾配θなどの実測値を逐次収集する。具体的には、走行負荷情報収集手段106は、逐次検出されたヨーレイトRと車速Vとに基づいて曲率ρ(=R/V)を逐次算出し、曲率ρの実測値を逐次収集する。また、走行負荷情報収集手段106は、スロットル弁開度θTHと車速Vとエンジン回転速度Nとをパラメータとして平坦路走行時において発生させられるべき基準加速度Gを求める為の予め求められて記憶された関係(基準加速度マップ)からスロットル弁開度θTHと車速Vとエンジン回転速度Nとに基づいて基準加速度Gを逐次算出する。次いで、走行負荷情報収集手段106は、上記基準加速度Gと逐次検出された車両10の前後加速度Gとの加速度差G’(=G−G)を算出し、加速度差G’の絶対値が大きい程勾配θの絶対値が大きくなる予め求められて記憶された関係(路面勾配マップ)からその加速度差G’に基づいて走行路の勾配θを逐次算出し、勾配θの実測値を逐次収集する。そして、走行負荷情報収集手段106は、逐次収集された曲率ρや勾配θなどの実測値に基づいて上記各分割区間毎に平均曲率ρaveや平均勾配θaveなどの走行負荷情報を算出し、それら各分割区間毎の走行負荷情報をリンクIDに関連付けてメモリ部82に記憶する。
【0034】
分割点設定部すなわち分割点設定手段108は、例えば複数種類の走行制御毎に各リンクにおける分割点を設定する。すなわち、各走行制御毎に区間分割の必要度(分割必要度)すなわちリンクの分割要求が異なるので、各走行制御の分割要求に対して、各々分割点を設定する。例えば、ナビ協調制御手段104による前記勾配シフト制御では、専ら平均勾配θaveを利用して制御が行われるので、勾配θが変化する走行路でリンクの分割要求が為され易い。一方で、ナビ協調制御手段104による前記曲率シフト制御では、専ら平均曲率ρaveを利用して制御が行われるので、曲率ρが変化する走行路でリンクの分割要求が為され易い。その為、分割点設定手段108は、各走行制御の分割要求に対して、各々分割点を設定するのである。
【0035】
具体的には、図5は、走行制御の分割要求に対する分割点の設定方法の一例を示す概念図である。図5において、(a)はリンク開始(ノードの始点)或いは分割点(1つ前の分割区間の終点)から分割点を追加する距離(すなわち必要分割間隔D)の概念図であり、(b)は勾配シフト制御における分割必要度マップの一例であり、(c)は曲率シフト制御における分割必要度マップの一例である。上記分割必要度マップは、各走行制御に影響が出ると判断される時点で分割点を追加する際の必要分割間隔Dを求める為の予め実験的(或いは設計的)に求められて設定された関係である。
【0036】
そして、分割点設定手段108は、車両走行の際に、例えば上記勾配シフト制御における分割必要度マップから走行負荷情報収集手段106により逐次収集された勾配θの絶対値及び勾配θの変化率に基づいて必要分割間隔Dを求め、上記勾配シフト制御における分割点を順次設定する。また、分割点設定手段108は、車両走行の際に、例えば上記曲率シフト制御における分割必要度マップから走行負荷情報収集手段106により逐次収集された曲率ρの絶対値及び曲率ρの変化率に基づいて必要分割間隔Dを求め、上記曲率シフト制御における分割点を順次設定する。
【0037】
上述のように設定された分割点での分割区間では、分割不足或いは分割余剰が生じる可能性がある。そこで、分割点設定手段108は、例えば分割不足であるか或いは分割余剰であるかを判定し、分割不足であると判定した場合には分割点が不足している分割区間でその分割点を追加する一方、分割余剰であると判定した場合には分割点が過剰となっている分割区間でその分割点を削除する。
【0038】
具体的には、分割不足の判定方法としては、(1)分割点の設定に関与した走行制御において、分割後の制御で制御効果がでなかった場合に分割不足であると判定する。例えば、分割後の今回走行時におけるブレーキ操作やアクセル操作などのドライバの反応が走行制御を実行したときの予め想定された制御効果が得られなかった場合に分割不足であると判定する。また、前回走行時の燃費に対して分割後の今回走行時の燃費が想定よりも向上せず、予め想定された制御効果が得られなかった場合に分割不足であると判定する。また、(2)逐次算出された勾配θや曲率ρなどの演算結果の絶対値や変化率と、前回算出された平均曲率ρaveや平均勾配θaveなどの走行負荷情報の絶対値や変化率とに所定値を超える大きな差が生じた場合で、逐次算出された演算結果がノイズ(例えばブレーキ操作やアクセル操作などのドライバ操作)の影響ではないと判断した場合に分割不足であると判定する。例えば、演算対象が勾配θの場合に上記所定値を超える大きな差が生じた場合で、アクセル踏み増しによる急加速、ブレーキ操作による急減速、カーブ走行中のレーンチェンジなどでない場合に、分割不足であると判定する。また、(3)一度試行的に分割点を追加してみて、上記(2)で述べた上記所定値を超える大きな差が生じる現象が確認されなかったときに前回の分割区間では分割不足であると判定する。
【0039】
一方、分割余剰の判定方法としては、(1)隣接する分割区間における各々の平均曲率ρaveや平均勾配θaveなどの走行負荷情報の絶対値や変化率が略同じであると判断した場合に分割余剰であると判定する。また、(2)結果として何れの走行制御にも分割区間の走行負荷情報が利用されなかった場合に、すなわちその分割区間の走行負荷情報が記憶されているメモリ部82の領域にアクセスされなかった場合に分割余剰であると判定する。また、(3)分割点を設定した結果、各分割区間の走行負荷情報の算出に想定以上の演算時間を要する場合に分割余剰であると判定する。また、(4)分割点を設定した結果、分割し過ぎで、逐次算出された演算結果と前回算出された走行負荷情報とのばらつきがかえって大きくなったり、隣接する分割区間における走行負荷情報の値が増減を繰り返す(すなわちハンチングする)場合に分割余剰であると判定する。
【0040】
そして、分割不足であると判定した場合には、例えば分割点が不足している分割区間の距離的な略中間地点に分割点を追加する。一方で、分割余剰であると判定した場合には、分割点が過剰となっている分割区間で隣接する分割区間を定めている境界点となる分割点を削除する。
【0041】
ところで、コストや車載性等を考慮すると走行負荷情報などのデータをメモリ部82に記憶できるデータ容量は自ずと限られる。従って、走行毎に取得した走行負荷情報等のデータは、全て記憶しても良いが、データ容量を考えると、同一の分割区間のデータは、ある程度古いものから順に削除したり、順次上書きにより書き換えることが好ましい。それでも、複数種類の走行制御による分割要求により分割区間を設定する程、データ量は増大してしまう。その為、メモリ部82の限られたデータ容量の範囲内において、複数種類の走行制御に対応して分割区間を適切に設定することすなわち分割点を適切に設定することが望まれる。そこで、本実施例の電子制御装置80は、複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求を調停する分割調停部84を備える。尚、メモリ部82のデータ容量(メモリ容量)に空きがある限りは、上記異なる分割要求により設定された複数の分割点による分割区間毎の全てにおいて走行負荷情報を記憶することができるので、分割調停部84による上記異なる分割要求の調停は行われない。つまり、分割調停部84は、上記走行負荷情報を記憶する為のメモリ部82のメモリ容量(記憶容量)が不足する場合に、上記異なる分割要求を調停するすなわち異なる分割要求を取捨選択してメモリ部82のメモリ容量の範囲内に記憶すべき走行負荷情報などのデータを収める。
【0042】
具体的には、分割調停部84は、例えばメモリ容量空き判定部すなわちメモリ容量空き判定手段110と分割点調整処理部すなわち分割点調整処理手段112とを備えている。メモリ容量空き判定手段110は、例えば分割点設定手段108により分割不足であると判定された場合には、分割不足を解消する為に分割点が追加されることによる新たな分割区間とその分割区間における走行負荷情報とを記憶する為の空きがメモリ部82のメモリ容量にあるか否かを判定する。分割点設定手段108は、メモリ容量空き判定手段110によりメモリ部82のメモリ容量に空きがあると判定された場合には、分割点が不足している分割区間でその分割点を追加する。一方、分割点設定手段108は、メモリ容量空き判定手段110によりメモリ部82のメモリ容量に空きがないと判定された場合には、分割余剰であるか否かを判定し、分割余剰であると判定した場合には分割点が過剰となっている分割区間でその分割点を削除すると共に、分割点が不足している分割区間でその分割点を追加する。他方、分割点調整処理手段112は、メモリ容量空き判定手段110によりメモリ部82のメモリ容量に空きがないと判定された場合に、更に分割点設定手段108により分割余剰でないと判定された場合には、複数種類の走行制御による相互に異なる分割要求に基づいて分割点設定手段108により設定された複数の分割点を、所定の分割点調整処理によってそのまま維持したり或いは削除したりする。
【0043】
分割点調整処理手段112による上記所定の分割点調整処理について、以下に詳細に説明する。本実施例では、所定の分割点調整処理として、「分割点調整処理(1)」と「分割点調整処理(2)」とを用いる。これらの所定の分割点調整処理は、各々独立に一方のみを実行しても良いし、両方を実行しても良い。
【0044】
「分割点調整処理(1)」
図6は、走行制御として勾配θのデータを専ら用いる制御Aによる分割要求に基づく分割点の追加候補(以下分割点候補)と、走行制御として曲率ρのデータを専ら用いる制御Bによる分割要求に基づく分割点候補とを例示した概念図である。図6において、分割点調整処理手段112は、例えば燃費向上効果、安全性、前記走行負荷情報の信頼度、及びその走行負荷情報の利用頻度のうちの少なくとも1つに基づいて、制御A,Bによる分割点候補を取捨選択する(すなわち制御A,Bによる異なる分割要求を調停する)。
【0045】
具体的には、分割点調整処理手段112は、(a)図6の地点A−Dのうちで、メモリ容量の空きに応じて、燃費向上効果の高かったものから順に残す、換言すれば燃費向上効果が低い順に分割点候補を取り消す(すなわち異なる分割要求を取り消す)。或いは、分割点調整処理手段112は、(b)図6の地点A−Dのうちで、メモリ容量の空きに応じて、安全性への影響が大きいものから順に残す、換言すれば安全性への影響が小さい順に分割点候補を取り消す。上記安全性への影響とは、例えば走行制御が安全性をどれだけ向上する制御であるかということである。従って、コーナーやコーナー前後での走行制御が安全性をより向上する制御であり、且つ登坂路での走行制御が動力性能をより向上する制御である場合には、安全性をより向上する走行制御による分割点候補の方が、動力性能をより向上する走行制御による分割点候補に比べて、安全性への影響が大きいとされる。或いは、分割点調整処理手段112は、(c)図6の地点A−Dのうちで、メモリ容量の空きに応じて、走行負荷情報の信頼度が高いものから順に残す、換言すれば走行負荷情報の信頼度が低い順に分割点候補を取り消す。上記走行負荷情報の信頼度は、例えば走行毎に取得される走行負荷情報のリアルタイム値と記憶値(学習値)とのばらつきが小さかったり、記憶値がある値に収束している程、高められる。或いは、分割点調整処理手段112は、(d)図6の地点A−Dのうちで、メモリ容量の空きに応じて、走行負荷情報の利用頻度が高いものから順に残す、換言すれば走行負荷情報の利用頻度が低い順に分割点候補を取り消す。上記走行負荷情報の利用頻度は、例えば走行制御を実施するか否かの判断にその走行負荷情報が用いられた場合、及び走行制御の実施にその走行負荷情報が用いられた場合の各々の場合毎に順次高められる。尚、分割点調整処理手段112による上記(a)−(d)の調停方法は、少なくとも1つが実行されれば良く、何れか1つが単独で或いは複数を組み合わせて実行されれば良い。また、ここでは、地点を調停の対象としたが、もちろん分割点そのものを調停の対象としても良い。
【0046】
分割点調整処理手段112による上記(d)の調停方法について、更に詳細に説明する。図7は、走行負荷情報の利用頻度を判断する方法の一例を示す概念図である。また、図8は、電子制御装置80(例えば分割点調整処理手段112)による走行負荷情報の利用頻度を判断する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図7及び図8において、ある走行制御を実行する為に、進行方向前方の区間X(或いは区間X’)すなわち制御1(或いは制御2)を実施できるかの判定に必要な区間X(或いは区間X’)内の各分割区間に対応する記憶データである走行負荷情報(例えば平均勾配θaveや平均曲率ρave)が取得される(図7の四角囲み区間、図8のステップS1参照)。次いで、制御1(或いは制御2)が実際に実施された区間である制御1実施区間Y(或いは制御2実施区間Y’)が判定される(図7の黒矢印の区間、図8のステップS2参照)。次いで、制御1(或いは制御2)の実施の判断、或いは制御1(或いは制御2)に用いられる制御パラメータの変更の判断に使用された区間であるか否かが判定される(図8のステップS3参照)。このステップS3の判定が肯定される場合には、区間X(或いは区間X’)内の各分割区間に対応する走行負荷情報に「制御に影響ありフラグ」(すなわち「分割優先度フラグ」)が加算される(図7の白抜き矢印や黒星印、図8のステップS4参照)。一方、上記ステップS3の判定が否定される場合には、実際に制御1(或いは制御2)が実施された区間であるか否かが判定される(図8のステップS5参照)。このステップS5の判定が否定される場合には本ルーチンが終了されられるが肯定される場合には、制御1実施区間Y(或いは制御2実施区間Y’)内の各分割区間に対応する走行負荷情報に「制御に影響ありフラグ」が加算される(図7の白抜き矢印や白抜き星印、図8のステップS6参照)。そして、分割点調整処理手段112は、メモリ容量の空きに応じて、走行負荷情報の利用頻度としての分割優先度フラグの数値が大きい分割区間に対応する分割点、或いはそのような分割点を含む地点から順に残す。
【0047】
また、ナビ協調制御手段104は、分割点調整処理手段112による異なる分割要求の調停により分割要求すなわち分割点候補やそれを含む地点が取り消された走行制御を実行する際には、その分割要求が取り消された区間では、その分割要求が取り消されていない区間と比較して、その走行制御の制御ゲインを小さくする。これは、分割要求が取り消された区間では分割要求が取り消されていない区間と比較して分割不足となり、その区間の走行負荷情報などの精度が低下して走行制御の制御精度が低下する恐れがある為である。
【0048】
「分割点調整処理(2)」
図9は、ある走行負荷情報である記憶値としての学習データA(例えば平均勾配θave)を収集する為の分割点候補と、ある走行負荷情報である記憶値としての学習データB(例えば平均曲率ρave)を収集する為の分割点候補とから最終分割点候補を設定する分割点調整処理の方法を例示した概念図である。図9において、分割点調整処理手段112は、例えば複数の異なる分割要求(例えば分割点候補)を同一の分割要求と見ることができるか否かを判断し、同一の分割要求と見ることができると判断した場合には、その複数の異なる分割要求を共通化する。
【0049】
具体的には、分割点調整処理手段112は、例えば2つの異なる分割要求のうちの一方の分割要求による分割点候補を他方の分割要求による分割点候補に置き換えたことにより、その置き換えに伴う燃費向上効果やドライバの反応(ブレーキ操作やアクセル操作など)などの走行制御実行時の制御効果の違いが、制御効果から見て上記2つの分割点候補が近いとすることができる為の予め求められて設定された所定範囲内となる場合に、それら2つの分割点候補を同一の分割点候補と見ることができると判断する。或いは、分割点調整処理手段112は、例えば上記同様に一方の分割点候補を他方の分割点候補に置き換えたことにより、その置き換えに伴う分割区間の走行負荷情報(例えば平均勾配θaveや平均曲率ρave)の変化が、上記2つの分割点候補が近いとすることができる為の予め求められて設定された所定変化以内となる場合に、それら2つの分割点候補を同一の分割点候補と見ることができると判断する。図9に示すように、学習データAの分割点候補が学習データBの分割点候補と比較して、制御効果から見て「近い」ときには、学習データAの分割点候補を学習データBの分割点候補と共通化する。従って、実質的には、学習データAの分割点候補が取り消される。また、学習データAの分割点候補が学習データBの分割点候補と比較して、制御効果から見て「遠い」ときには、学習データAの分割点候補は学習データBの分割点候補と共通化されず、それぞれの分割点は各々維持される。
【0050】
図10は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわち複数種類の走行制御によるリンクの相互に異なる分割要求に対してメモリ部82の記憶容量(メモリ容量)の制限を考慮しつつ適切にリンクを分割する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0051】
図10において、先ず、分割点設定手段108に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、分割不足であるか否かが判定される。例えば、分割不足となっているある地点Aがあるか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はメモリ容量空き判定手段110に対応するS20において、メモリ部82のメモリ容量に空きがあるか否かが判定される。例えば、分割不足となっているある地点Aにおける分割不足を解消する為に分割点が追加されることによる新たな分割区間とその分割区間における走行負荷情報とを記憶する為の空きがメモリ部82のメモリ容量にあるか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は分割点設定手段108に対応するS30において、分割点が不足している分割区間でその分割点が追加される。例えば、地点Aにおける分割点が追加される。これに対して、上記S20の判断が否定される場合は分割点設定手段108に対応するS40において、分割余剰であるか否かが判定される。例えば、分割余剰となっているある地点Bがあるか否かが判定される。このS40の判断が肯定される場合は分割点設定手段108に対応するS50において、分割点が過剰となっている分割区間でその分割点が削除され、分割点が不足している分割区間でその分割点が追加される。例えば、地点Bにおける分割点及び分割区間の走行負荷情報等のデータが削除され、そのデータの削除に伴って空いたメモリ領域が地点Aにおける分割点の追加やそれに伴って収集される分割区間の走行負荷情報等のデータの記憶に利用される。一方、上記S40の判断が否定される場合は分割点調整処理手段112に対応するS60において、複数種類の走行制御による相互に異なる分割要求に基づいて設定された複数の分割点が、所定の分割点調整処理によってそのまま維持されたり或いは削除される。また、分割点が不足している分割区間でその分割点が追加される。例えば、所定の分割点調整処理としての「分割点調整処理(1)」及び「分割点調整処理(2)」が、各々単独で或いは組み合わされて実行される。より具体的には、分割点調整処理(1)により、地点Aでの走行制御よりの燃費向上効果が低いある地点Cが探索され、そのような地点Cがあれば、その地点Cにおける区間分割に関わるメモリ領域が削除される。また、削除されたそのメモリ領域に地点Aにおける分割点が追加される。或いは、分割点調整処理(2)により、地点Aの近傍にある分割点の内で結合可能な(共通化可能な)ある地点Dが探索され、そのような地点Dがあれば、その地点Dにおける区間分割に関わるメモリ領域が削除される。また、削除されたそのメモリ領域に地点Aにおける分割点が追加される。
【0052】
上述のように、本実施例によれば、複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、分割調停部84によりその異なる分割要求が調停されるので、メモリ部82の記憶容量の制限を考慮しつつ適切にそのリンクを分割することができる。
【0053】
また、本実施例によれば、前記異なる分割要求を調停することとは、前記リンクが分割された分割区間毎に前記走行負荷情報を記憶する為のメモリ部82の記憶容量が不足する場合に、その異なる分割要求を取捨選択することであるので、複数種類の走行制御によるそのリンクの相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求を適切に調停することができる。
【0054】
また、本実施例によれば、燃費向上効果、安全性、前記走行負荷情報の信頼度、及びその走行負荷情報の利用頻度のうちの少なくとも1つに基づいて前記異なる分割要求を調停するので、複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、メモリ部82の記憶容量に制限がある中で、一層適切にリンクを分割することができる。
【0055】
また、本実施例によれば、前記燃費向上効果が低い順に前記異なる分割要求を取り消すか、前記安全性への影響が小さい順に前記異なる分割要求を取り消すか、前記信頼度が低い順に前記異なる分割要求を取り消すか、或いは前記利用頻度が低い順に前記異なる分割要求を取り消すことで前記異なる分割要求を調停するので、燃費向上効果、安全性、前記走行負荷情報の信頼度、及びその走行負荷情報の利用頻度のうちの少なくとも1つに基づいて前記異なる分割要求を適切に調停することができる。
【0056】
また、本実施例によれば、前記利用頻度は、前記走行制御を実施するか否かの判断に前記走行負荷情報が用いられた場合、及びその走行制御の実施にその走行負荷情報が用いられた場合の各場合毎に高められるので、前記利用頻度の低い順に前記異なる分割要求を適切に取り消すことができる。
【0057】
また、本実施例によれば、2つの前記異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができるか否かを判断し、その同一の分割要求と見ることができると判断した場合には、前記2つの異なる分割要求を共通化することで前記異なる分割要求を調停するので、複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、メモリ部82の記憶容量に制限がある中で、一層適切にリンクを分割することができる。
【0058】
また、本実施例によれば、前記2つの異なる分割要求のうちの一方を他方に置き換えたことにより、制御効果の違いが所定範囲内となるか或いは前記走行負荷情報の変化が所定変化以内となる場合に、前記2つの異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができると判断するので、2つの前記異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができるか否かを適切に判断することができる。
【0059】
また、本実施例によれば、前記異なる分割要求の調停によりその分割要求が取り消された走行制御を実行する際は、その分割要求が取り消された区間では、その分割要求が取り消されていない区間と比較して、その走行制御の制御ゲインを小さくするので、分割要求が取り消された区間では分割要求が取り消されていない区間と比較して分割不足となって制御精度が低下する恐れがあることに対して、制御ゲインを小さくすることでその走行制御の制御精度の低下を抑制することができる。
【0060】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0061】
前述の実施例1では、電子制御装置80は、複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求を調停することで、メモリ部82のメモリ容量の制限を考慮しつつ適切にそのリンクを分割した。本実施例では、それに替えて或いは加えて、分割点を消去する方法を提案する。
【0062】
図11は、電子制御装置80による分割点の取捨選択を実行する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図11において、リンクの分割点すなわち分割区間の走行負荷情報が走行制御に使用されているか否かが判定される(図11のS100参照)。このS100の判定が肯定される場合には現状維持されて上記分割点がそのまま維持される(図11のS200参照)。一方、上記S100の判定が否定される場合にはその分割点が消去される(図11のS300参照)。つまり、ある時点では、走行制御による分割条件には適合していても、実際の環境では走行制御に使われなくなる状況も発生する。或いは、実際の走行環境の中で、勾配θの条件は満たしていても、速度条件などのその他の走行制御実行条件が満たされない場所などもある。このような場合には、設定した分割点を消去する。
【実施例3】
【0063】
前述の実施例1では、電子制御装置80は、複数種類の走行制御による前記リンクの相互に異なる分割要求に対して、その異なる分割要求を調停することで、メモリ部82のメモリ容量の制限を考慮しつつ適切にそのリンクを分割した。本実施例では、それに替えて或いは加えて、メモリ領域を適切に確保する方法を提案する。
【0064】
本実施例の電子制御装置80は、優先度が比較的高い第1優先制御に必要な第1制御用データと優先度が比較的低い付加的な制御に必要な第2制御用データとに走行負荷情報を分け、メモリ容量が不足してきたら、必要度がより低い第2制御用データから削除していく。これにより、第1優先制御は道路地図情報にある全体の走行路での実行が保障されると共に、メモリ部82のメモリ領域を有効に利用することができる。
【0065】
図12は、本実施例を実現するデータテーブルの一例を示す図である。図12(a)において、このメモリ空間(メモリ領域)では、車両走行時にリンク1から順に、同一のリンクに第1制御用データと第2制御用データとが記憶される。このようなメモリ空間(メモリ領域)にすることで、例えばリンク1000までを使い切り、リンク1001を走行した場合には、第2制御用データが記憶されている第2制御用メモリ領域からその第2制御用データを消去し、その第2制御用メモリ領域にリンク1001の第1制御用データを上書きする。このとき、第2制御用データは、例えばリンク1001から距離が遠い場所、人口の少ない場所、走行回数が少ない場所、制御効果の低い場所などのリンクに対応する第2制御用メモリ領域から先に消去(上書)していく。尚、図12(a)の各リンク(メモリ領域)は、道路地図情報のリンクにはヒモ付けされていない。
【0066】
図12(b)において、このメモリ空間(メモリ領域)では、道路地図情報のリンクにヒモ付けされた形式で、第1制御用データが記憶される第1制御用メモリ領域のみを有している。そして、第1制御用メモリ領域には、各リンクに対応する第1制御用データ(シンプル制御用データ)が記憶されると共に、ドライバが日常走行している道路よりも所定距離以上離れた地点のリンクに対応する形で第2制御用データ(詳細制御用データ)が記憶される。このようなメモリ空間(メモリ領域)にすることで、例えば日常走行時(近距離走行時)に遠方地域の第1制御用メモリ領域が空いている間は、第1制御用データと共に第2制御用データも記憶される。そして、第2制御用データが記憶されているリンクに対応する遠方地域の走行時には、そのリンクの第1制御用メモリ領域からその第2制御用データを消去し、その第1制御用メモリ領域に現走行路の第1制御用データを上書きする。従って、走行地域が多い程、結果的に第1制御用データのみが残っていく。
【0067】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は実施例相互を組み合わせて実施可能であると共にその他の態様においても適用される。
【0068】
例えば、前述の実施例において、各実施例が独立して実施されているが、上記各実施例は必ずしも独立して実施する必要はなく、例えば優先順位を設けるなどして、適宜組み合わせて実施しても構わない。
【0069】
また、前述の実施例では、走行制御の分割要求に対する分割点の設定方法(図5参照)として、分割必要度マップから必要分割間隔Dを求め、分割点を順次設定したが、これに限らず、例えば必要分割間隔Dは走行制御毎に一定間隔としても良い。
【0070】
また、前述の実施例では、分割点調整処理(2)の一例として、制御効果から見て「近い」ときには、学習データAの分割点候補を学習データBの分割点候補と共通化して、学習データAの分割点候補を実質的に消去したが、これに限らず、例えば反対に、学習データBの分割点候補を学習データAの分割点候補と共通化して、学習データBの分割点候補を実質的に消去しても良い。
【0071】
また、前述の実施例では、走行制御の具体例として、勾配シフト制御、曲率シフト制御、アシストブレーキ制御などを挙げたが、走行制御は前記リンクに関連付けられて記憶された平均曲率ρaveや平均勾配θaveなどの走行負荷情報を利用する制御であれば本発明は適用され得る。
【0072】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
80:電子制御装置(車両制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図情報により特定される複数の区間のうちの所定区間を、所定の走行制御からの要求に応じて分割し、分割後の区間毎に該走行制御に用いる走行負荷情報を記憶させる車両制御装置であって、
複数種類の走行制御による前記所定区間の相互に異なる分割要求に対して、該異なる分割要求を調停することを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記異なる分割要求を調停することとは、前記所定区間が分割された分割区間毎に前記走行負荷情報を記憶する為の記憶容量が不足する場合に、該異なる分割要求を取捨選択することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
燃費向上効果、安全性、前記走行負荷情報の信頼度、及び該走行負荷情報の利用頻度のうちの少なくとも1つに基づいて前記異なる分割要求を調停することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記燃費向上効果が低い順に前記異なる分割要求を取り消すか、前記安全性への影響が小さい順に前記異なる分割要求を取り消すか、前記信頼度が低い順に前記異なる分割要求を取り消すか、或いは前記利用頻度が低い順に前記異なる分割要求を取り消すことで前記異なる分割要求を調停することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記利用頻度は、前記走行制御を実施するか否かの判断に前記走行負荷情報が用いられた場合、及び該走行制御の実施に該走行負荷情報が用いられた場合の各々の場合毎に順次高められることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
2つの前記異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができるか否かを判断し、該同一の分割要求と見ることができると判断した場合には、前記2つの異なる分割要求を共通化することで前記異なる分割要求を調停することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記2つの異なる分割要求のうちの一方を他方に置き換えたことにより、制御効果の違いが所定範囲内となるか或いは前記走行負荷情報の変化が所定変化以内となる場合に、前記2つの異なる分割要求を同一の分割要求と見ることができると判断することを特徴とする請求項6に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記異なる分割要求の調停により該分割要求が取り消された走行制御を実行する際は、該分割要求が取り消された区間では、該分割要求が取り消されていない区間と比較して、該走行制御の制御ゲインを小さくすることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−81829(P2012−81829A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228363(P2010−228363)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】