説明

車両支援装置及びその方法

【課題】
車両の位置評定に光ビーコン装置を利用することにより、車両の前進方向に対する角度を算出し、車両の位置評定の精度を向上させる車両支援装置を提供する。
【解決手段】
車両支援装置は、路側装置の発光手段1からの複数の拡散光線を受光手段2が受光し、光情報検出手段3が当該受光した光量を検出し、光情報記憶手段4がこの光量を記憶し、変化量演算手段5がこの光量の変化量を演算し、移動方向予測手段7が移動速度計測手段6により計測された移動速度及びこの変化量に基づいて車両の移動方向を予測し、表示手段8がこの予測結果を表示するものであり、発光装置1からの拡散光線の変化量により車両の移動角度を算出して移動方向を予測することで車両の位置評定の安定化及び高精度化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の安全な移動を支援する車両支援装置に関する。車両支援装置には、例えば、光ビーコン装置からの光を受光することにより車両の移動状況を高精度に評定して車両の安全な移動を支援する車両支援装置が含まれる。
【背景技術】
【0002】
昨今の車社会では、車両の移動時における安全を確保する為の先進安全サービスが注目を浴びている。当該先進安全サービスとしては、例えば、交差点付近などの事故多発地帯において、交通安全に関する交通情報を車両に提供することにより当該車両の運転者に注意を促し、交通事故を防止するサービスがある。当該交通情報を提供する手段としては、肉眼では見えない近赤外線を発光する光ビーコン装置が広く利用されている。
【0003】
従来の車両支援装置としては、自車両の死角を演算し、当該死角内に他の車両が存在するかを判定して警報を発する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、車両の右折時に、車両の状況から情報提供又は警報を知らせ、右折衝突防止のための走行制御を行う技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。交差点と交差点に入る車両の存在に関する右折衝突防止情報を交差点近傍の車両に提供する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、交差点近傍にて道路状況を撮影した画像を、車両の搭乗者へ提供して、車両事故を防止する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11―53690号公報
【特許文献2】特開2001―126199号公報
【特許文献3】特開2002―269699号公報
【特許文献4】特開2003―109199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車両支援装置では、車両の位置を評定する場合には、各種センサー、例えば、GPS、車速センサー又はジャイロセンサーが用いられる。しかし、当該各種センサーの位置評定の精度は、例えば、GPSでは電波の受信状態に影響され、車速センサーやジャイロセンサーでは道路状況にも影響され、十分ではないという課題を有する。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、車両の位置評定に少なくとも1台の光ビーコン装置を利用することにより車両の前進方向に対する角度を算出し、車両の位置評定の精度を向上させる車両支援装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する車両支援装置は、発光装置からの複数の拡散光線を受光し、当該受光した光量を検出して記憶し、当該光量の変化量に基づいて車両の移動方向を予測することで位置評定を行うものである。
【発明の効果】
【0008】
開示の車両支援装置は、受光した拡散光線の変化量により車両の移動角度を算出して移動方向を予測することで位置評定できることとなり、車両の位置評定の高精度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの全体構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの路側装置の発光装置として光ビーコン投受光機を用いた構成図の例
【図4】本発明の第1の実施形態に係る車両支援装置のフローチャート
【図5】本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの光ビーコン投受光機からの発光例
【図6】本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの赤外線受光からの位置予測の説明図
【図7】本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの位置予測例
【図8】本発明のその他の実施形態に係る車両支援システムの光ビーコン投受光機の発光例
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムにおける車両支援装置を、図1から図7に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施形態に係る車両支援システムの構成を示すブロック図、図2はこの図1に記載された車両支援システムの全体構成を示すブロック図、図3はこの図1に記載された車両支援システムの路側装置の発光装置として光ビーコン投受光機を用いた構成図の例を示す。本実施形態では、発光装置として光ビーコン投受光機を用いたが、特に光ビーコン投受光機に限定しない。
【0012】
また、図4はこの図1に記載された車両支援装置のフローチャート、図5はこの図1に記載された車両支援システムの光ビーコン投受光機からの発光例、図6はこの図1に記載された車両支援システムの赤外線受光からの位置予測の説明図を示す。また、図7はこの図1に記載された車両支援システムの位置予測例を示す。
【0013】
図1において、本実施形態に係る車両支援装置は、発光手段1を備える路側装置からの拡散光線を受光する受光手段2と、光情報検出手段3と、光情報記憶手段4と、変化量演算手段5と、移動速度計測手段6と、移動方向予測手段7と、表示手段8とを備える構成である。この発光手段1は、道路の近傍に設置された複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する。
【0014】
また、この受光手段2は、例えば、CCDのように複数の受光素子からなり、複数の受光素子が、この発光手段1の複数の前記発光部からの拡散光線を重畳して受光する。また、この光情報検出手段3は、前記受光手段により重畳して受光された光線密度を光情報として検出する。また、この光情報記憶手段4は、前記光情報検出手段により検出された前記光情報を記憶して蓄積する。また、この変化量演算手段5は、この光情報記憶手段4により記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列的な変化量を演算する。
【0015】
また、この移動速度計測手段6は、前記車両の移動速度を計測する。また、この移動方向予測手段7は、この変化量演算手段5により検出された前記光情報の変化量及びこの移動速度計測手段6により計測された移動速度に基づいて、前記車両の移動方向を予測する。また、この表示手段8は、この移動方向予測手段7により予測された前記車両の移動方向に応じた出力メッセージを画面出力する。
【0016】
また、本実施形態の車両支援システムは、図2(a)に示すように、前記車両支援装置としての車載装置10と、前記路側装置としての光ビーコン投受光機20とを備える。この車載装置10は、CCDセンサー部11と、センサーIF部12と、デジタル出力解析部13と、ECU14と、車両方向解析部15と、モニターIF部16と、車載モニター17とを備え、車両100に搭載される。
【0017】
このCCDセンサー部11は、前記受光手段2として機能し、この光ビーコン投受光機20から発光された赤外線を受光し、単位時間当たりの受光量を電気変換し蓄電量として電圧で出力する。また、このCCDセンサー部11は、画素と呼ばれる小さな受光素子がマトリクス上に配置されており、これらの素子一つ一つが受光量を電気変換して出力する。
【0018】
このため、このCCDセンサー部11は、素子が出力する電圧値の検出により、素子が受光した受光量を検出することができる。また、このCCDセンサー部11は、受光する画素数に関してCCDセンサーの種類により多種多様であるが、この画素数には限定されず、任意の画素数のCCDセンサーを使用することができる。また、このセンサーIF部12は、このCCDセンサー部11により受光された受光データを、このデジタル出力解析部13に送信するインターフェース機能を備える。
【0019】
また、このデジタル出力解析部13は、同図(b)に示すように、前記光情報検出手段3、前記光情報記憶手段4及び前記変化量演算手段5として機能し、このCCDセンサー部11から受信したデジタル信号を解析する。前記光情報検出手段3は、このセンサーIF部12からの受光データを受付ける。また、前記光情報記憶手段4は、前記光情報検出手段3及びこのECU14からのデータを受付けて記憶する。
【0020】
前記変化量演算手段5は、前記光情報記憶手段4にて記憶されたデータに基づいて光量の変化量を演算し、この車両方向解析部15にこの演算結果を送り、再度この車両方向解析部15から解析されたデータを受付け、解析結果をこのモニターIF部16に送信する。
【0021】
また、このECU14は、前記移動速度計測手段6として機能するEngine Control Unit;ECUであり、エンジンを制御するコンピュータとして機能し、車速パルス及びジャイロセンサー情報を取得し、この取得情報をこのデジタル出力解析部13に送信する。また、この車両方向解析部15は、前記移動方向予測手段7として機能し、このデジタル出力解析部13により解析された情報に基づいて、前記車両100の車両方向を解析し、このデジタル出力解析部13にこの解析結果を送信する
また、このモニターIF部16は、このデジタル出力解析部13及びこの車両方向解析部15により解析された結果をこの車載モニター17に送信するインターフェース機能を備える。また、この車載モニター17は、このモニターIF部16から送信された情報に基づいて、モニター表示を行う。
【0022】
また、この光ビーコン投受光機20は、図3に示すように、発光部20a及び発光部20bの2種類の発光部を備える。この発光部20a及び発光部20bは、地面に対して各々異なる角度で設置される。
【0023】
以下、前記構成に基づく本実施形態の車両支援装置の動作について説明する。
まず、前記車載装置10は、図4に示すように、前記光ビーコン投受光機20から発光された赤外線を、前記CCDセンサー部11により赤外線情報として受光する(S1)。
【0024】
ここで、前記光ビーコン投受光機20は、図3に示すように、前記発光部20aから赤外線Aが発光され、発光部20bから赤外線Bが発光される。赤外線A及び赤外線Bは、前記発光部20a及び発光部20bが地面に対して各々異なる角度で設置されることから、発光方向が各々異なる赤外線となる。
【0025】
ここで、前記光ビーコン投受光機20は、図5に示すように、破線で示された前記赤外線A及び実線で示された前記赤外線Bを同時に発光する。前記光ビーコン投受光機20は、前記発光部20a及び発光部20bの発光方向が各々異なるために、前記車載装置10の位置によって受光する赤外線の量が異なる。
【0026】
前記光ビーコン投受光機20は、例えば、同図において、位置Xでは、多くの赤外線が互いに重なり合うことから赤外線密度が高くなるが、位置Yでは、重なり合う赤外線が少ないことから赤外線密度が低くなる。
【0027】
次に、前記デジタル出力解析部13は、図4に示すように、前記光情報検出手段3により前記センサーIF部12を介し、この赤外線情報を光デジタル信号として受付け、この光デジタル信号からなる受光量データを蓄積する(S2)。次に、前記車両方向解析部15は、この受光量データを読み出して、前記車両100の車両方向を特定し、このデジタル出力解析部13にその結果を送信する(S3)。
【0028】
この車両方向の特定に関して、より具体的には、前記車両方向解析部15は、図6に示すように、地点(1)から地点(2)までの移動を、前記CCDセンサー部11により検出された赤外線受光量に基づいて判断する。前記CCDセンサー部11は、例えば、地点(1)では、前記赤外線Bからの赤外線のみを受光するが、地点(2)では、前記赤外線Bに加えて、前記赤外線A及び前記赤外線Bにより重なり合った赤外線を受光する。
【0029】
このように、前記車両方向解析部15は、赤外線受光量の増減を検出できることから、この赤外線受光量の増減に基づいて前記車両100の移動角度を判断できることとなり、前記車両100の移動方向Zを予測することができる。
【0030】
次に、前記デジタル出力解析部13は、前記S3にて前記車両方向解析部15から送信された結果、前記ECU14からの車速情報及びジャイロセンサー情報に基づいて前記車両100の将来位置を予測する(S4)。
【0031】
例えば、前記デジタル出力解析部13は、図7に示すように、第一車線に存在する前記車両100の基準点にて移動角度θAを検出した場合、このθAと前記車速情報及びジャイロセンサー情報により、前記車両100の移動軌跡M1から車両位置Mを予測できる。しかしながら、基準点にて誤った移動角度θBを検出した場合には、このθBと前記車速情報及びジャイロセンサー情報を併用して、前記車両100の移動軌跡L1から誤った車両位置Lが予測されることとなる。
【0032】
このように基準点における初期方位の算出は、正確な車両移動予測に対して重要である。前記デジタル出力解析部13は、この初期方位を赤外線受光量の増減に基づいて高精度に算出することにより、正確な車両移動予測を行うことができる。
【0033】
次に、前記デジタル出力解析部13は、図4に示すように、この予測結果に基づいて、前記モニターIF部16へ注意喚起に関する情報を送信する(S4)。前記車載モニター17は、運転手に対して、注意喚起に関するメッセージを画面表示する(S5)。
【0034】
この注意喚起の内容としては、例えば、交差点付近など、事故多発地帯において、前記車両100の予測された位置から、事故を起こし得る位置に移動することが予測される場合には、運転者に対して速度を落とす旨の注意を促すことができる。
【0035】
また、本実施形態において、前記車載装置10は、前記ECU14を含めないことも可能であり、カーナビゲーション等やその他の手段において、車速情報及びジャイロセンサー情報が得られる手段であればECU14に限ったことではないことは明白であろう。
また、本実施形態に係る車両支援装置の前記端末10のハードウェア構成は、CPU、メモリ、記憶装置、入力装置及び上記各部を接続するバスからなる。
【0036】
(本発明のその他の実施形態)
本発明のその他の実施形態に係る車両支援装置としては、前記第1の実施形態における前記光ビーコン投受光機20の発光部として、回折格子を用いて赤外線を発光させることも可能である。波長信号としての色信号を用いることも可能である。
【0037】
本車両支援装置は、前記第1の実施形態と同様に、前記発光手段1と、前記受光手段2と、前記光情報検出手段3と、前記光情報記憶手段4と、前記変化量演算手段5と、前記移動速度計測手段6と、前記移動方向予測手段7と、前記表示手段8とを備える。
【0038】
また、本実施形態の車両支援装置は、前記第1の実施形態と同様に、前記車載装置10と、前記光ビーコン投受光機20とを備える。この車載装置10は、前記第1の実施形態と同様に、前記CCDセンサー部11と、前記センサーIF部12と、前記デジタル出力解析部13と、前記ECU14と、前記車両方向解析部15と、前記モニターIF部16と、前記車載モニター17とを備える。
【0039】
前記車載装置10は、前記第1の実施形態にて記載した図6に示すように、地点(1)から地点(2)の移動を、回折光としての赤外線の受光量から検知する。このように、前記車両方向解析部15は、受光した回折光の強度を、前記第1の実施形態における赤外線受光量に相当する情報として移動角度を予測することができる。このように、前記車両方向解析部15は、受光した回折光の強度用いることから、発光信号が同一の周波数の場合よりもきめ細かい受光量(周波数)の変化を検知できることとなり、より高精度に前記車両100の位置を予測することができる。
【0040】
また、発光信号の周波数が異なれば十分であることから、前記光ビーコン投受光機20に、異なる設置角度で設置される前記発光部20a及び発光部20bを備えてもよいし、備えなくてもよい。このため、前記光ビーコン投受光機20は、前記発光部20a及び発光部20bを備えない場合には、より容易に装置設計を行えることとなり、装置作成の負担を軽減することができる。
さらに、本発明のその他の実施形態に係る車両支援装置として、図8に基づいて説明する。
【0041】
この図8は、本発明のその他の実施形態に係る車両支援装置の光ビーコン投受光機の発光例を示す。本発明のその他の実施形態に係る車両支援装置は、図8(a)に示すように、前記第1の実施形態における前記光ビーコン投受光機20の発光部として、赤外線の代わりに、波長信号としての色信号を用いることも可能である。この色信号は、隣接相互で異なる周波数を設定することができ、視覚的には、例えば、赤色信号(図中のR)、緑色信号(図中のG)及び青色信号(図中のB)を含むことができる。本発明のその他の実施形態に係る車両支援装置は、前記第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
【0042】
前記車載装置10は、前記第1の実施形態にて記載した図6に示すように、地点(1)から地点(2)の移動を、赤外線の受光量の代わりに、受光した色信号の周波数にて検知する。このように、前記車両方向解析部15は、受光した色信号の周波数を用いて移動角度を予測することから、発光信号が単色の場合よりもきめ細かい受光量(周波数)の変化を検知できることとなり、より高精度に前記車両100の位置を予測することができる。
【0043】
また、発光信号の周波数が異なれば十分であることから、前記光ビーコン投受光機20に、異なる設置角度で設置される前記発光部20a及び発光部20bを備えてもよいし、全て同じ設置角度の発光部のみを備えてもよい。このため、前記光ビーコン投受光機20は、全て同じ設置角度の発光部を備える場合には、装置が簡素化され、より容易に装置設計を行えることとなり、装置作成の負担を軽減することができる。
【0044】
なお、前記色信号は、隣接相互で異なる周波数を設定すれば十分であるため、その配色は制限されず、RGB、CMYKなどの原色系を配色してもよいし、原色系以外の色を配色してもよい。
【0045】
また、前記光ビーコン投受光機20は、図8(b)に示すように、各発光部から、赤外線や色信号の他に、隣接相互で異なる内容のデジタル化されたデータ信号(図中のA、B、C、D、E)を発信することもできる。前記車載装置10は、このデータ信号を受信し、このデータ信号に基づいて、上記記載した赤外線や色信号の場合と同様に、位置を予測することができる。
【0046】
この場合には、受信した複数のデータ信号の内容に基づいて位置予測できることとなり、赤外線や色信号と比較して、アナログ量である受光量をデジタル信号化する手間を省くことができ、装置の簡素化及びデジタル信号使用による高精度化を図ることができる。
【0047】
[付記] 以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)道路の近傍に設置され、信号光を受発光する路側装置と、当該路側装置との間で受発光して車両の安全な移動を支援する車両支援装置とを備える車両支援システムにおいて、前記路側装置が、複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光手段を備え、前記車両支援装置が、前記発光手段の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光手段と、前記受光手段により受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出手段と、前記光情報検出手段により検出された前記光情報を時系列に記憶して蓄積する光情報記憶手段と、前記光情報記憶手段により時系列に記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算手段と、前記変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測手段とを備える車両支援システム。
【0048】
(付記2)道路の近傍に設置された複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光手段を備えた路側装置と連携可能で、車両に搭載可能な車両支援装置であって、前記路側装置の前記発光手段の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光手段と、前記受光手段により受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出手段と、前記光情報検出手段により検出された前記光情報を時系列に記憶して蓄積する光情報記憶手段と、該光情報記憶手段により時系列に記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算手段と、該変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測手段とを備える車両支援装置。
【0049】
(付記3)前記車両の移動速度を計測する移動速度計測手段を備え、前記移動方向予測手段が、前記変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量及び前記移動速度計測手段により計測された移動速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度及び移動量を演算し、前記車両の移動方向を予測する付記2記載の車両支援装置。
【0050】
(付記4)前記発光手段が、回折格子として複数配設された前記発光部を有し、前記発光部から各々異なる方向に拡散された回折光を隣接相互で重畳された状態で照射し、前記光情報検出手段が、受光した回折光を前記光情報として検出する付記2又は付記3記載の車両支援装置。
【0051】
(付記5)前記発光手段が、隣接相互で周波数の異なる前記拡散光線を、複数の前記発光部から隣接相互で重畳された状態で各々異なる方向に照射し、前記光情報検出手段が、受光した前記拡散光線の周波数を前記光情報として検出する付記2又は付記3記載の車両支援装置。
【0052】
(付記6) 複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光工程を備え、道路の近傍に設置される路側装置と連携可能で、車両に搭載可能な車両支援装置として機能する車両支援方法であって、前記発光工程の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光工程と、前記受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出工程と、前記検出された光情報を記憶して蓄積する光情報記憶工程と、前記記憶された光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算工程と、前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測工程とを備える車両支援方法。
【0053】
(付記8)道路の近傍に設置された複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光手段を備えた路側装置と連携可能で、車両に搭載可能なコンピュータを機能させる車両支援プログラムであって、前記路側装置の前記発光手段の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光手段、前記受光手段により受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出手段、前記光情報検出手段により検出された前記光情報を時系列に記憶して蓄積する光情報記憶手段、該光情報記憶手段により時系列に記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算手段、該変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測手段としてコンピュータを機能させる車両支援プログラム。
【符号の説明】
【0054】
1 発光手段
2 受光手段
3 光情報検出手段
4 光情報記憶手段
5 変化量演算手段
6 移動速度計測手段
7 移動方向予測手段
8 表示手段
10 車載装置
11 CCDセンサー部
12 センサーIF部
13 デジタル出力解析部
14 ECU
15 車両方向解析部
16 モニターIF部
17 車載モニター
20 光ビーコン投受光機
20a、20ab 発光部
100 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の近傍に設置され、信号光を受発光する路側装置と、当該路側装置との間で受発光して車両の安全な移動を支援する車両支援装置とを備える車両支援システムにおいて、
前記路側装置が、
複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光手段を備え、
前記車両支援装置が、
前記発光手段の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出手段と、
前記光情報検出手段により検出された前記光情報を時系列に記憶して蓄積する光情報記憶手段と、
前記光情報記憶手段により時系列に記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算手段と、
前記変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測手段とを備える
車両支援システム。

【請求項2】
道路の近傍に設置された複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光手段を備えた路側装置と連携可能で、車両に搭載可能な車両支援装置であって、
前記路側装置の前記発光手段の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出手段と、
前記光情報検出手段により検出された前記光情報を時系列に記憶して蓄積する光情報記憶手段と、
該光情報記憶手段により時系列に記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算手段と、
該変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測手段とを備える
車両支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両支援装置において、
前記車両の移動速度を計測する移動速度計測手段を備え、
前記移動方向予測手段が、前記変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量及び前記移動速度計測手段により計測された移動速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度及び移動量を演算し、前記車両の移動方向を予測する
車両支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車両支援装置において、
前記発光手段が、回折格子として複数配設された前記発光部を有し、前記発光部から各々異なる方向に拡散された回折光を隣接相互で重畳された状態で照射し、
前記光情報検出手段が、受光した回折光を前記光情報として検出する
車両支援装置。
【請求項5】
請求項2に記載の車両支援装置において、
前記発光手段が、隣接相互で周波数の異なる前記拡散光線を、複数の前記発光部から隣接相互で重畳された状態で各々異なる方向に照射し、
前記光情報検出手段が、受光した前記拡散光線の周波数を前記光情報として検出する
車両支援装置。
【請求項6】
複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光工程を備え、道路の近傍に設置される路側装置と連携可能で、車両に搭載可能な車両支援装置として機能する車両支援方法であって、
前記発光工程の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光工程と、
前記受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出工程と、
前記検出された光情報を記憶して蓄積する光情報記憶工程と、
前記記憶された光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算工程と、
前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測工程とを備える
車両支援方法。
【請求項7】
道路の近傍に設置された複数の発光部を有し、当該発光部から各々異なる方向に拡散された拡散光線を隣接相互で重畳された状態で照射する発光手段を備えた路側装置と連携可能で、車両に搭載可能なコンピュータを機能させる車両支援プログラムであって、
前記路側装置の前記発光手段の複数の前記発光部からの拡散光線を受光する受光手段、
前記受光手段により受光された拡散光線の光量を光情報として検出する光情報検出手段、
前記光情報検出手段により検出された前記光情報を時系列に記憶して蓄積する光情報記憶手段、
該光情報記憶手段により時系列に記憶された前記光情報に基づいて、前記光情報の時系列に対する変化量を演算する変化量演算手段、
該変化量演算手段により検出された前記光情報の変化量に基づいて、前記車両の進行方向に対する移動角度を演算し、前記車両の移動方向を予測する移動方向予測手段としてコンピュータを機能させる
車両支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−191819(P2010−191819A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37058(P2009−37058)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】