説明

車両用始動支援システム

前方を走行する車両(36)を位置測定するための長距離位置測定システム(10)と、始動プロセスを起動および制御するための始動制御器(24、26)と、を備える車両用始動支援システムにおいて、長距離位置測定システムが自己の車両(34)のすぐ前方の対象(46)を位置測定するための短距離位置測定システム(12)と組合されており、近距離位置測定システム(12)の信号に応じて始動プロセスを阻止するように決定装置(22)が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方を走行する車両を位置測定するための長距離位置測定システムと、始動プロセスを起動および制御するための始動制御器と、を備える車両用始動支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、車両の運転に際して運転手を支援し、かつ運転手から所定のタスクを引き受ける、支援システムがますます搭載されている。この種の支援システムの一例がACCシステム(Adaptive Cruise Control)であって、同システムは、自動速度制御および前方走行車両との自動間隔制御を可能にする。この種の進歩したシステムが開発されており、同システムは、例えば渋滞後尾への到達に際して自己の車両の自動的な制動停止も可能にし、前方車両の走行の再開に際して自動的な始動も可能にする。この種のシステムは、市街地交通用としても提案されている。始動支援システムとは、この種のシステムにおいて、停止状態の後に車両の自動的な再始動を制御する部分である。
【0003】
検出距離の長い位置測定システムとして、通常、レーダーシステム(LRR;Long Range Radar)が、場合によってはビデオ処理システムおよび画像処理システムと組合わされて使用される。
【0004】
さらに、多くの車両には駐車補助システムが搭載されており、その場合には超音波センサが近距離センサとして使用される。
【発明の開示】
【0005】
(発明の利点)
請求項1に記載される特徴を有する発明が交通安全性を向上する始動支援システムを提供する。
【0006】
本発明によれば、検出距離の長い位置測定システムとともに近距離位置測定システムが設けられており、対象が検出距離の長い位置測定システムの死角内に存在する場合でも、自己の車両のすぐ前方に存在する対象、例えば歩行者、自転車に乗る人等が位置測定可能となる。決定装置は、近距離位置測定システムの測定データを評価し、近距離位置測定システムにより自己の車両の前方に対象が位置測定されれば、始動プロセスを中止しまたは初めから起動しない。このようにして、車両のすぐ前方の対象が検出距離の長い位置測定システムの死角内に存在するという状況において、事故の危険性が著しく低下する。
【0007】
本発明の望ましい形態と展開が従属請求項から明らかにされる。
【0008】
近距離位置測定システムは、少なくとも1つの超音波センサを備えるようにしてもよい。特に、超音波センサは、駐車補助システムの構成部として予め車両に設けられている超音波センサであるようにしてもよい。このようにして、複雑なセンサを付加せずに交通安全性の著しい向上が図られる。
【0009】
近距離位置測定システムが、特に超音波センサであって、極めて小さな検出距離のみを有する場合には、検出距離の長い位置測定システムと近距離位置測定システムとが組合されていても、死角を完全に除去できない場合が生じる。この場合、最も望ましくないケースでは、衝突の危険性を伴う対象がレーダーセンサの死角内に存在し、かつ近距離位置測定システムにより位置測定不能な距離で車両から離れている場合がある。このような場合のために、本発明の展開によれば、初期始動制御器が設けられており、それは特に、車両が所定の始動区間を移動するまで始動プロセスの初期段階を制御する。初期始動制御器内では、速度の直接的な制限または始動加速度の制限によって、制限された最大速度のみを許容するアルゴリズムが使用される。この場合に最大速度は、この速度による停止距離が近距離測定システムの検出距離よりも小さくなるように選択される。残された死角内に対象が存在する場合に、この対象が遅かれ早かれ近距離位置測定システムの位置測定領域内に到達し、よって、その対象と衝突する前の遅すぎない時点で車両が再び停止状態に移行される。最大速度は、近距離位置測定システムの検出距離よりも所定の安全距離だけ小さくなるように停止距離が選択されるようにしてもよい。
【0010】
初期始動制御器は、始動プロセスの初期段階の間に対象が近距離位置測定システムの位置測定領域内に達した場合に、車両の制動システムに介入して自動的に制動プロセスを作動可能なように構成されるようにしてもよい。
【0011】
車両が前述した始動区間を移動すれば、より大きな加速度および速度を許容する通常の始動制御器に切り替えられるので、始動プロセスを速やかに続行可能であり、自己の車両が前方走行車両に後続する。
【0012】
本発明に基づく始動支援システムにより制御可能な典型的な状況は、例えば、市街地交通において、赤信号の前方に車両の長い列がある時に歩行者が道路を横断しようとしている状況、または例えば、渋滞した高速道路において、渋滞が解消された時に前方車両から降車した搭乗者が自己の車両の走行車線内に存在している状況等である。この種の状況は、始動プロセスの初期段階に最も頻繁に発生し、車両の長い列が移動し始めると発生頻度が著しく低下する。よって、初期始動制御器が能動状態となる始動区間を適切に選択することによって、事故の危険性が著しく低下する。
【0013】
特に望ましい実施形態では、近距離位置測定システムの位置測定領域の前方境界から始動区間の距離だけ離れている対象が検出距離の長い位置測定システムのレーダーローブ(間隔の増大とともに広くなる)により位置測定可能となるように、始動区間が選択される。このようにして、近距離位置測定システムの検出距離が制限されるにもかかわらず、死角が事実上完全に除去される。
【0014】
近距離位置測定システムには、位置測定結果の蓋然性を評価する蓋然性モジュールが対応づけられるようにしてもよい。蓋然性は、例えば、位置測定信号の強度、信号の継続期間、ならびに複数の超音波センサによる信号の場合には、複数の信号の一貫性および位置測定された対象の三角測量によって決定可能な横位置に依存する。始動プロセスの初期段階での制動プロセスの自動的な起動は、所定の蓋然性水準を上回る場合にのみ行われるようにしてもよく、よって、誤作動によって快適性を喪失したり、後続車両を戸惑わせたりすることが回避される。信号の蓋然性が低ければ、加速プロセスのみが一時的に中止され、および/または警告指示が、例えば音響信号の形式で運転者に出力される。
【0015】
(実施例の説明)
本発明の実施例を、図面に示し、以下で詳細に説明する。
【0016】
図1に示す始動支援システムは、レーダーセンサ10、複数の超音波センサ12およびデータ処理システム14を備えている。レーダーセンサ10は、車両の前面に搭載されており、到達距離の長い位置測定システムとして、前方走行車両および自己の車両から遠く離れたその他の対象を位置測定するために用いられる。
【0017】
複数の超音波センサ12は、全体として近距離位置測定システムを形成しており、車両のすぐ前方の対象を位置測定するために、例えば車両の前面バンパーに搭載されている。超音波センサ12は、同時に、不図示の駐車補助システムの一部であるようにしてもよい。
【0018】
データ処理システム14は、例えば、少なくとも1つのマイクロコンピュータ、付属ソフトウェアおよび周辺システムによって形成されており、ここで説明する機能以外にも、ACCシステムの枠内で他の機能を実行可能である。ここでは、本発明の説明において重要な、データ処理システム14のシステムコンポーネントのみが図示されて説明される。これらのコンポーネントは、専用のハードウェアまたはソフトウェアモジュールとしても実装可能である。詳細には、データ処理システム14は、レーダーセンサ10のためのデータ準備ユニット(Datenaufbereitungseinheit)16、超音波センサ12のためのデータ準備ユニット18、蓋然性モジュール20、決定装置(Entscheidungseinrichtung)22および2つの始動制御器24、26を備えている。
【0019】
データ準備ユニット16は、レーダーセンサ10のデータを評価し、それに基づいて、位置測定された対象、特に前方走行車両との間隔、相対速度およびアジマス角を計算する。データ準備ユニット18は、超音波センサ12のデータを評価し、それに基づいて、超音波センサによって位置測定された対象との間隔と、例えば三角測量によって相対的な横位置とを計算する。蓋然性モジュール20は、衝突の危険性を伴う現実かつ重要性の高い対象と見せ掛けかつ重要性の低い対象とを区別するために、データ準備ユニット18から入力されたデータの蓋然性および重要性を評価する。蓋然性評価の基準は、例えば、超音波センサ12により受信された信号の振幅、信号が所定の対象に留まる期間、および異なる(車両の同一側面側の)超音波センサにより受信された信号と対象の横位置との間の一貫性である。このようにして、例えば、道路上に存在する空き缶等のような極めて小さな対象、または近接して飛行する鳥のような一時的にのみ存在する対象が見せ掛けの対象として除外可能であり、車両から十分に離れた側方の対象が重要性の低い対象として除外可能である。位置測定された対象の蓋然性および重要性は、蓋然性パラメータPによって表されて決定装置22に報告される。
【0020】
決定装置22は、入力信号として蓋然性パラメータP以外に、レーダーセンサ10により位置測定された対象についてデータ準備ユニット16により計算された位置測定データと、始動プロセスの開始からの車両による移動距離を表す距離信号Dとを取得する。これらのデータに基づいて、決定装置22が2つの始動制御器24、26の能動化および非能動化を決定し、レーダーセンサ10により位置測定された対象の位置測定データの各々が起動された始動制御器に伝達される。
【0021】
始動制御器24は、既知の始動支援システムでも使用されるような「通常」の始動制御器であって、レーダーセンサ10の位置測定データに応じて始動プロセスを開ループ制御(steuert)ないし閉ループ制御(regelt)する。このために、始動制御器24が車両の駆動システム28に介入する。
【0022】
必要な場合、例えば前方走行車両が再停止した場合に、始動制御器24が車両の制動システム30にも介入する。自動変速装置を伴う車両では、車両ブレーキは、停止状態、従って始動プロセス前でも、車両がローリングを開始しないように起動されている必要がある。
【0023】
第2の始動制御器26は、特に、始動プロセスの初期段階のために設けられており、従って初期始動制御器と称される。この制御器は、通常の始動制御器と同様にして始動プロセスを制御するが、さらに詳しく後述するように、より小さな始動加速度および始動速度のみを許容する。さらに、初期始動制御器26は、始動プロセスの初期段階の間に超音波センサ12により近距離内の対象が位置測定された場合に、車両が比較的大きな減速率で制動されて停止状態になるように、従ってある種の非常制動を行うように形成されている。
【0024】
対象が近距離内で位置測定された場合に、決定装置22の指令に応じて運転者のために警告信号を発生させる、例えば音響的な警告信号発生器12が設けられている。
【0025】
図2は、前述の始動支援システムを搭載した車両34と、同一の走行車線内ですぐ前方を走行またはすぐ前方に停止している、レーダーセンサ10によって位置測定された他の車両36とを示す。ここで、レーダーセンサ10の位置測定領域38が斜線で示される。高速走行に際して通常のACC機能のためにも利用される、このレーダーセンサの到達距離は、実際には100m以上である。位置測定領域38は、「棍棒」の形状を有しており、通常の車間距離に相当する間隔に際しては、車両34の走行車線40の全幅を覆う。走行車線40の境界は、図2の破線で示される。走行車線は、安全上の理由から、車両34の幅よりも幾分広く想定される。位置測定領域38は、車両34に近接するほど細くなり、もはや走行車線の全幅を覆わないので、レーダーローブの左右に死角42が生じる。
【0026】
図2には、さらに、超音波センサ12の位置測定領域44が示される。この位置測定領域は、走行車線40の全幅を覆うが、例えば4mと比較的小さな到達距離を有する。死角42は、図2に示すように、超音波センサ12によって限定されるが、完全には除去されない。
【0027】
始動支援システムの動作方法を説明するために、図2を用いて始動プロセスを説明する。ここで、まず2台の車両34、36が停止しており、その後に車両36が始動したと仮定する。これがレーダーセンサ10により確認されて決定装置22に報告される。決定装置は、超音波センサ12が対象を近距離内で、従って位置測定領域44内で位置測定したかを検査する。該当する場合には、決定装置22が2つの始動制御器24、26を非能動化するので、車両34が停止状態を保つ。選択的に、光学的または音響的信号によってこの状況が運転者に示唆される。
【0028】
近距離内に対象が存在しない場合には、決定装置22が初期始動制御器26を能動化し、車両34が始動する。しかし、この状況で、対象46、例えば歩行者が死角42内かつ位置測定領域44の外側に存在する可能性がある。よって、対象46は、車両34が始動後に図2にILSDで示す所定の距離を移動した後に初めて超音波センサによって位置測定される。
【0029】
よって、初期始動制御器26は、始動時に車両34が所定の最大速度Vimaxを上回らないように設計されており、その最大速度は、超音波センサ12が対象46を初めて位置測定し、それに応じて初期始動制御器26が前述した「非常制動」を起動した場合に、遅過ぎない時点で車両34を再停止可能なように選択される。このようにして、残された死角にもかかわらず、対象46との衝突が確実に回避される。
【0030】
図2に示す状況では、対象46は、走行車線40の内側に存在し、かつ同時にレーダーセンサの位置測定領域38の外側に存在するという条件下で、車両34に対して確保可能な最大間隔を有する。すなわち、対象46は、車両34からさらに遠ざかれば、レーダーセンサ10により位置測定されて車両36の代りに始動制御のための目標対象を形成するので、車両34が通常の始動制御器の機能に基づいて始動されることはない。
【0031】
次に、対象46が存在しないと仮定する。ここで、車両34が距離ILSDを移動したが超音波センサ12により対象が位置測定されなかった場合は、死角内に対象が存在せず、従って走行車線が空いていることを意味する。この理由から、決定装置22は、車両が距離ILSD(初期低速走行安全距離:Initiale Langsamfahrt-Sicherheitsdestanz)を移動した時点を距離信号Dを用いて検査し、移動した場合には即座に、初期始動制御器26から、より大きな加速度を許容する通常の始動制御器24に切り替えるので、始動プロセスが速やかに続行される。
【0032】
超音波センサ12の到達距離Rおよび距離ILSDの合計が、レーダーセンサ10のレーダーローブの配置および走行車線40の幅によって与えられ、図2に示す例では7mとなる。この場合に初期走行制御器26のための最大速度Vimaxは、超音波センサの到達距離Rおよび以下の他のパラメータに依存する:初期始動制御器によって制御される制動プロセスの間で達成可能な最大の制動加速度、始動プロセスの初期段階の間における始動加速度(より正確には:対象46が初めて位置測定された瞬間の加速度)、「制動衝撃」、すなわち加速度もしくは制動加減速の許容される最大変化、対象46が位置測定された時点と制動プロセスが実際に能動化される時点との間の回避不能な遅延時間、および停止状態に達した後に車両34と対象46との間で確保されるべき所望の安全距離。
【0033】
図3は、このようにして得られた、最大速度Vimaxと超音波センサの到達距離Rとの関係の一例を示す。この場合に前述のパラメータは、以下の値に基づく:
・制動加減速:−2.0m/s
・始動加速度: 1.5m/s
・制動衝撃 :−7.0m/s
・遅延時間 : 0.3s
・安全距離 : 0.2m
【0034】
図3の曲線48は、前述した安全距離0.2mの場合の関係を示す。曲線50は、安全距離0.0mの場合の関係を示す。よって、図3の領域IIIでは、車両が対象46の前方0.2m以上の距離で停止する。領域IIでは、いまだ衝突が回避可能であるが、車両が対象46の前方0.2m未満の距離で停止する。領域Iでは、衝突が生じる。
【0035】
レーダーセンサ12の到達距離Rが4mであると、図3からは約1.8m/sの最大速度Vimaxが読取られる。始動プロセスの初期段階の間の始動加速度は、車両が距離ILSDを移動した時点で最大速度が達成されるように選択されてもよい。
【0036】
実際には、最大速度および初期の始動加速度を任意に小さく選択することはできない。これらの変量について所定の現実的な設定を行う場合には、超音波センサ12または他の適切な近距離位置測定システムが有するべき到達距離Rが図3から逆に読取られる。
【0037】
図4には、前述したプロセスがフロー図として再び示される。
【0038】
ステップS1では、レーダーセンサ(LRR)により検出された目標対象が始動したか検査される。このステップは、対象が始動するまで周期的に繰返される。その後ステップS2では、超音波センサ(USS)が対象を検出したか検査される。この場合に対象の蓋然性は、まだ考慮されないか、または極めて低い蓋然性閾値が用いられる。対象が検出されていれば、ステップS3では、運転者に警告が出力されてステップS1に復帰され、すなわち車両が始動しない。ステップS2で対象が検出されなければ、ステップS4では、始動プロセスが初期始動制御器26によって制御される。しかし、この始動プロセスの初期段階の間に超音波センサにより対象が検出されれば(ステップS5)、ステップS6では、始動プロセスが即座に中止され、すなわちそれ以上の加速が行われず、制動プロセスも起動されない。その後ステップS7では、位置測定された対象の蓋然性が検査される。蓋然性が低ければ、ステップS3に分岐され、運転者に警告信号が出力される。始動プロセスは、対象が消滅するかまたは運転者が介入するまで中止状態に維持される。ステップS7で蓋然性が高ければ、ステップS8では、初期始動制御器26によって非常制動プロセスが起動される。その後ステップS1に復帰されるので、走行車線が空いていれば、車両が新たに始動可能となる。
【0039】
始動プロセスの初期段階の間に近距離内で対象が検出されなければ(ステップS5)、ステップS9では、始動プロセスの開始からの車両34による移動距離Dが距離ILSDよりも大きいか検査される。該当しない場合には、ステップS5に復帰される。該当する場合には、ステップS10で通常の始動制御器24に始動プロセスの制御が委ねられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に基づく始動支援システムを示すブロック図である。
【図2】始動支援システムの動作方法を示す説明図である。
【図3】近距離位置測定システムの到達距離と始動プロセスの初期段階で許容可能な最大速度との関係を示すグラフ図である。
【図4】始動支援システム内における決定装置の動作方法を説明するフロー図である。
【符号の説明】
【0041】
10 長距離位置測定システム(レーダーセンサ)
12 短距離位置測定システム(超音波センサ)
14 データ処理装置
16、18 データ準備ユニット
20 蓋然性モジュール
22 決定装置
24 通常の始動制御器
26 初期始動制御器
28 車両駆動システム
30 制動システム
32 警告信号発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方を走行する車両(36)を位置測定するための長距離位置測定システム(10)と、始動プロセスを起動および制御するための始動制御器(24、26)と、を備える車両用始動支援システムにおいて、
前記長距離位置測定システムが自己の車両(34)のすぐ前方の対象(46)を位置測定するための短距離位置測定システム(12)と組合されており、
前記近距離位置測定システム(12)の信号に応じて前記始動プロセスを阻止するように決定装置(22)が形成されていることを特徴とする車両用始動支援システム。
【請求項2】
前記近距離位置測定システムが少なくとも1つ以上の超音波センサ(12)によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用始動支援システム。
【請求項3】
前記超音波センサ(12)が駐車補助システムの一部であることを特徴とする、請求項2に記載の車両用始動支援システム。
【請求項4】
前記始動プロセスの初期段階のために初期始動制御器(26)が設けられており、前記初期始動制御器は、前記車両(34)の制動距離が前記近距離位置測定システムの検出距離(R)よりも小さくなるように、前記始動プロセスの前記初期段階のための最大速度(Vimax)を決定することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用始動支援システム。
【請求項5】
前記初期始動制御器(26)は、前記近距離位置測定システム(12)により対象(46)が検出された場合に、前記車両(34)を制動して停止させるように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の車両用始動支援システム。
【請求項6】
前記決定装置(22)は、前記始動プロセスの開始からの前記車両(34)による移動距離(D)が所定の距離(ILSD)よりも大きい場合に、前記初期始動制御器(26)から、より高い速度を許容する通常の始動制御器(24)に前記始動プロセスの制御を委ねるように形成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の車両用始動支援システム。
【請求項7】
前記近距離位置測定システムの前記検出距離(R)および前記距離(ILSD)の合計は、前記車両の走行車線(40)の内側かつ前記長距離位置測定システム(10)の前記検出領域(38)の外側に前記対象(46)が存在する場合に、前記車両(34)と前記対象(46)との間で確保可能な最大間隔に相当することを特徴とする、請求項6に記載の車両用始動支援システム。
【請求項8】
前記近距離位置測定システム(12)の位置測定データを蓋然性評価するための蓋然性モジュール(20)が設けられており、
前記決定装置(22)は、前記位置測定データの前記蓋然性(P)が所定の閾値以上である場合にのみ、前記初期始動制御器(26)に制動プロセスを促すように形成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の車両用始動支援システム。
【請求項9】
前記決定装置(22)は、前記近距離位置測定システム(12)が対象を位置測定し、かつ前記位置測定データの前記蓋然性(P)が前記閾値より低い場合に、前記初期段階の間に加速プロセスを中止するように形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の車両用始動支援システム。
【請求項10】
前記近距離位置測定システム(12)が対象を位置測定した場合に、運転者に警告信号を出力するための警告信号発生器(32)を特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の車両用始動支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−514937(P2008−514937A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533970(P2007−533970)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053498
【国際公開番号】WO2006/034893
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】