説明

車両用情報提示装置

【課題】運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内ですごす時間を教養を高める時間とすることを可能にする。
【解決手段】本発明の車両用情報提示装置1は、問題提示時間及び考慮時間がそれぞれ定義されている問題を複数登録している問題データベース8を備えると共に、車両の走行パターンを推定する走行推定手段14を備え、更に、推定した走行パターンに基づいて問題を選択して提示する提示手段15を備える構成としたので、運転者に対話型の情報、即ち、問題を提示することができる。従って、問題として例えば、面白いクイズや、教養を高める問題等を提示可能となるから、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内ですごす時間を教養を高める時間とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内で楽しくすごしたり、教養を高めたりするのに役立つような情報を運転者に提示することが可能な車両用情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者に必要な時期に必要な情報を適切な量で提示するように構成した装置の一例が、特許文献1に記載されている。この構成においては、情報獲得モジュールにより様々な情報源から情報を獲得し、情報量調整モジュールにより情報の量を単位期間取得情報量になるように調整する。そして、情報提示タイミング調整モジュールによりユーザーの行動に合わせてタイミングを調整し、情報出力モジュールにより調整された情報を調整されたタイミングでユーザーに提示する。上記構成によれば、必要な時期に必要な情報が適切な量で提示されるから、運転者にとって便利な構成となる。
【特許文献1】特開2000−99441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内で教養を高めたりするための情報として、例えばクイズや問題などを運転者に提示することを考えている。この場合、クイズや問題などを運転者に提示しようとすると、運転者と対話しながら情報提示を行う必要がある。即ち、クイズや問題などを運転者に提示する時間の他に、運転者が提示されたクイズや問題を理解したり、考慮したりする時間を確保する必要がある。そこで、本発明者らは、クイズや問題などを運転者に提示する時間を、車両が停止している時間に割り当て、運転者が考慮する時間を、車両が走行している時間に割り当てたら、即ち、提示時間や考慮時間等を車両の走行パターンに対応させたら、クイズや問題などの情報を運転者に良好に提示することができることを発明した。
【0004】
これに対して、上記特許文献1に記載された装置においては、情報を必要な時期に適切な量で提示するだけであるから、運転者と対話しながら情報提示を行うことができない、即ち、クイズや問題などの情報を運転者に良好に提示することができない。このため、特許文献1に記載された装置では、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内で教養を高めたりするための情報(クイズや問題など)を提示することが困難である。しかしながら、近年、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内ですごす時間を教養を高める時間とすることが強く要望されている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内ですごす時間を教養を高める時間とすることができる車両用情報提示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、問題提示時間及び考慮時間がそれぞれ定義されている問題を複数登録している問題データベースと、車両の走行パターンを推定する走行推定手段と、前記推定した走行パターンに基づいて問題を選択して提示する提示手段とを備えるように構成したので、問題として例えば、面白いクイズや、教養を高める英語の問題等を運転者に提示することが可能な構成となり、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、車内ですごす時間を教養を高める時間とすることができる。
【0007】
請求項2の発明によれば、前記提示手段により、前記車両の走行パターンのうちの前記車両の走行中に、問題の考慮時間を割り付ける構成としたので、車両の走行中のように、運転者に情報を提示できない時間帯を、運転者が問題を考えて解く、即ち、考慮する時間として有効に利用することができる。
【0008】
請求項3の発明によれば、前記提示手段により、前記車両の走行パターンのうちの前記車両の停止中に、問題を提示するように構成したので、運転操作に支障を与えるおそれがなく、十分安全な構成となる。
【0009】
また、上記構成の場合、請求項4の発明のように、過去に出題した問題の分野毎の運転者の正答率や回答時間に基づいて前記運転者の得意分野を推定する分野推定手段を備えることが好ましい。更に、請求項5の発明のように、前記提示手段は、問題に定義されている考慮時間が割り付ける予定の時間よりも長い問題であっても、前記問題が分野推定手段により推定した得意分野のものであれば、前記問題を選択可能なように構成されていることが良い構成である。
【0010】
更にまた、請求項6の発明のように、
前記提示手段は、車両の停止時間が長い場合には、複数の問題の出題時間の積算時間が前記停止時間以下となるように、複数の問題を選択して出題するように構成されていることがより一層好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の車両用情報提示装置の全体概略構成を示すブロック図である。この図1に示すように、車両用情報提示装置1は、マイクロコンピュータ等の制御回路から構成された処理部2を中心に構成されている。この処理部2には、個人特定装置3、ナビゲーション装置4、受信機5、情報提示装置6、入力装置7、問題データベース8、解答履歴データベース9、走行履歴データベース10が接続されている。
【0012】
個人特定装置3は、車室内(運転者の顔等)を撮影する車内カメラや、運転者の携帯電話機と通信する通信端末や、運転者のIDカードを読み取るカード読取装置等を備えており、これら車内カメラ、通信端末、カード読取装置からの情報に基づいて運転者を特定し、特定情報を処理部2へ与える。尚、個人特定装置3においては、車内カメラ、通信端末、カード読取装置からの情報(即ち、運転者を特定するための情報)を収集し、これら収集した情報を処理部2へ与え、処理部2側で運転者を特定する構成としても良い。
【0013】
ナビゲーション装置4は、周知のナビゲーション装置で構成されており、自車位置情報や、目的地までの経路案内情報や、時刻情報や、自車周辺情報や、地図情報等を処理部2へ与える。受信機5は、外部の情報センター(交通管制センターや種々の情報を提供するサーバー等)11から、目的地までの経路及びその周辺の道路上に設けられた信号機の信号情報や、交通渋滞の情報や、運転者に提示するための種々の問題の情報等を受信して、処理部2へ与える。
【0014】
情報提示装置6は、ディスプレイとスピーカ等を備えており、処理部2から与えられた制御信号により駆動制御される。入力装置7は、各種の操作スイッチ(メカスイッチやタッチパネルやリモコン等)と、音声認識装置等とから構成されており、ユーザーにより操作(音声指示)されると、操作されたスイッチの信号(音声認識結果等)を処理部2へ与える。
【0015】
問題データベース8は、ハードディスク等で構成されており、各種の問題が多数記憶されている。この場合、図2に示すように、問題はジャンル(分野)毎に分類されていると共に、運転者(Aさん、Bさん等)毎にも分類されている。そして、各問題の具体的内容(問題文・画像や解答文・画像等)は、問題No(番号)で検索可能になっている。更に、各問題には、問題提示時間(出題時間)、標準の考慮時間(問題を考える時間)、解答提示時間、全出題時間、検索済みフラグ、出題済みフラグが定義されている。尚、時間の単位は秒(s)である。問題データベース8に対する問題の追加、削除、更新等の処理は、処理部2により実行可能になっている。
【0016】
解答履歴データベース9には、問題のジャンル(分野)毎に、ジャンルの名称のデータと、各ジャンルの正答率のデータと、各ジャンルの平均解答余裕度のデータとが、運転者(Aさん、Bさん等)毎に分類して記憶されている。図3に、1人の運転者についてのデータの一例を示す。尚、解答履歴データベース9に対するジャンルの追加、削除、更新等の処理は、処理部2により実行可能になっている。
【0017】
また、上記平均解答余裕度とは、標準解答時間(即ち、標準考慮時間)に対して、運転者がどれくらい余裕をもって解答できたかを示すデータであり、次のようにして算出される。
【0018】
{1−(運転者解答時間)/(標準解答時間)}*100[%]
但し、運転者解答時間≦標準解答時間の場合、即ち、標準解答時間内で解答した場合だけ、算出するデータである。例えば、運転者解答時間が6秒、標準解答時間が10秒であれば、
{1−(6)/(10)}*100=40[%]
となる。
【0019】
走行履歴データベース10には、車両の走行履歴のデータが、運転者(Aさん、Bさん等)毎に分類して記憶されている。この走行履歴のデータの中に、高速道路のサービスエリアでの駐車時間の履歴情報も含まれている。尚、走行履歴データベース10に対する走行履歴のデータの追加、削除、更新等の処理は、処理部2により実行される。
【0020】
処理部2は、自車進路推定部(走行推定手段)12、運転者得意ジャンル推定部(分野推定手段)13、自車走行パターン推定部14、問題選択部(提示手段)15、正答率・解答時間算出部16としての各機能を有している。自車進路推定部12は、ナビゲーション装置4からの経路案内情報に基づいて自車の進路を推定する。運転者得意ジャンル推定部13は、解答履歴データベース9からの正答率と平均解答余裕度の情報に基づいて、例えば正答率90%以上且つ平均解答余裕度60%以上のジャンルを得意ジャンルと推定する。例えば、図3に示すデータにおいては、「英語」を得意ジャンルと推定する。
【0021】
自車走行パターン推定部14は、ナビゲーション装置4からの経路案内情報と、情報センター11からの信号機の信号情報及び渋滞情報等とに基づいて、自車の走行パターンを推定する。ここで、推定した走行パターンの具体的な例を、図4、図5、図6に示す。図4の走行パターンは、信号で10秒停止し、30秒走行し、次の信号で30秒停止するパターンである。図5の走行パターンは、信号で60秒停止し、3分走行し、次の信号で30秒停止するパターンである。図6の走行パターンは、渋滞により停止(STOP)と走行(GO)を繰り返すパターンであり、例えば、10秒停止し、20秒走行し、10秒停止し、15秒走行し、以下、停止と走行を繰り返すパターンである。
【0022】
問題選択部15は、上記推定した走行パターンに基づいて問題を選択し、選択した問題を情報提示装置6に提示する。具体的には、図4の走行パターンの場合、出題時間が10秒(停止)以内、且つ、考慮時間が30秒(走行)以内である問題を選択し、この問題を、(1)の10秒(停止)間で出題し(問題を読み上げ、または、表示し)、(2)の30秒(走行)間で運転者に上記問題を考えさせ(考慮時間)、(3)の30秒(停止)間で上記問題の解答を提示する。
【0023】
図5の走行パターンの場合には、出題時間が60秒(停止)以内、且つ、考慮時間が3分(走行)以内である問題を選択する。この場合、考慮時間が3分と長いことから、問題として、例えば英語の単語を記憶するような問題(英単語記憶トレーニング)を選択することが好ましい。即ち、この英語単語記憶問題を、(1)の30秒(停止)間で出題し(単語を読み上げ、または、表示し)、(2)の3分(走行)間で運転者に上記単語を記憶保持させ(考慮時間)、(3)の30秒(停止)間で上記問題の解答、即ち、上記(1)を再提示して(単語を読み上げて、または、表示して)、確認する。
【0024】
図6の走行パターンの場合は、出題時間が10秒(停止)以内、且つ、考慮時間が20秒(走行)以内である問題、出題時間が10秒(停止)以内、且つ、考慮時間が15秒(走行)以内である問題、・・・を適宜選択し、最初の問題を、(1)の10秒(停止)間で出題し(問題を読み上げ、または、表示し)、(2)の20秒(走行)間で運転者に上記問題を考えさせると共に、上記問題の解答を提示(音声等で出力)し、次の問題を、(3)の10秒(停止)間で出題し(問題を読み上げ、または、表示し)、(4)の15秒(走行)間で運転者に上記問題を考えさせると共に、上記問題の解答を提示(音声等で出力)し、以下、同様の処理(問題の出題、考慮及び解答の提示)を繰り返す。尚、このような同じパターンの繰り返しに適した問題としては、例えばTOEICのPARTII等がある。
【0025】
また、問題選択部15は、運転者の得意ジャンルの問題を選択する場合、標準の解答時間を短くする補正したものを、解答時間の判定値として用いる。具体的には、標準解答時間に平均解答余裕度を乗じた値を、解答時間の判定値として用いる。例えば、標準解答時間が10秒、平均解答余裕度が0.6である場合、
10*0.6=6
であるから、6秒を解答時間の判定値として、上記した問題の選択の際に用いる。
【0026】
また、正答率・解答時間算出部16は、運転者の解答と、問題の正解とを比較検証して正解したか否かを判定すると共に、問題のジャンル毎に正答率を算出し、解答履歴データベース9の対応するデータを更新する。更に、正答率・解答時間算出部16は、運転者の解答時間と、標準問題の解答時間とに基づいて、平均解答余裕度を算出し、解答履歴データベース9の対応するデータを更新する。
【0027】
次に、上記構成の動作を、図7ないし図9のフローチャートを参照して簡単に説明する。図7ないし図9のフローチャートは、処理部2の制御内容を示している。まず、図7のステップS10において、自車情報(自車位置情報等)と経路案内情報を収集する。続いて、ステップS20へ進み、車両がパーキングエリアに進入中であるか否かを判断する。ここで、パーキングエリアに進入中でない場合は、ステップS30へ進む。尚、パーキングエリアに進入中である場合、即ち、ステップS20において、ステップS410へ進む場合の制御動作については後述する。
【0028】
ステップS30においては、運転者に問題のジャンルを選択させる(尚、サービス起動を提案し、その選択も可能とする)。続いて、ステップS40へ進み、ジャンルを選択したか否かを判断し、ジャンルを選択していないときには、ステップS10へ戻る。
【0029】
ステップS40にて、ジャンルを選択したときは、ステップS50へ進み、解答履歴データベース9を参照する。そして、ステップS60へ進み、選択したジャンルが得意ジャンルであるかどうかを判定する。選択したジャンルが得意ジャンルであるときには、ステップS70において、ステップS80へ進み、得意ジャンルフラグをセットする。また、選択したジャンルが得意ジャンルでないときには、ステップS70において、ステップS90へ進み、得意ジャンルフラグをクリアする。尚、得意ジャンルフラグは、処理部2に内蔵されたメモリ(RAM)内に設けられている。
【0030】
そして、ステップS100へ進み、インフラ情報(目的地までの経路及びその周辺地域の信号機の信号情報や渋滞情報等)を収集する。続いて、ステップS110へ進み、走行パターンを推定する(図4〜図6参照)。
【0031】
続いて、図8のステップS210へ進み、未出題問題があるか否かを判断する。ここで、未出題問題があれば、ステップS220へ進み、未検索問題があるか否かを判断する。未検索問題があれば、ステップS220において、ステップS230へ進み、問題データベース8から出題候補を選択する。そして、ステップS240へ進み、問題提示時間(出題時間)と車両の最初の停車(停止)時間とを比較する。
【0032】
ここで、問題提示時間が停車時間以下であれば、ステップS250にて、ステップS260へ進み、このステップS260では、標準考慮時間と車両の走行時間を比較する。この場合、得意ジャンルフラグがセットされているときには、標準考慮時間に平均解答余裕度を乗じた値を比較用の標準考慮時間として用いる。そして、標準考慮時間が走行時間以下であれば、ステップS270において、ステップS280へ進み、解答提示時間と車両の次の停車(停止)時間とを比較する。ここで、解答提示時間が次の車両の停車時間以下であれば、ステップS290において、ステップS330へ進む。
【0033】
このステップS330では、選択した問題の出題済みフラグをセットする。続いてステップS340へ進み、出題済み問題以外の検索済みフラグをクリアする。そして、ステップS350へ進み、選択した問題を出題(提示)する。続いて、ステップS360へ進み、解答提示済みか否かを判断する。ステップS360において、解答提示済みであれば、ステップS370へ進み、解答結果(即ち、正誤や解答時間等)を解答履歴データベース9にする反映させる。尚、ステップS360にて、解答提示済みでなければ、解答提示完了まで待つ。
【0034】
また、ステップS250にて、問題提示時間が停車時間以下でないとき、または、ステップS270にて、標準考慮時間が走行時間以下でないとき、また、ステップS290にて、解答提示時間が停車時間以下でないときには、それぞれステップS300へ進む。このステップS300では、検索済みフラグをセットし、ステップS220へ戻る。
【0035】
一方、前記ステップS210において、未出題問題がなければ、また、ステップS220にて、未検索問題がなければ、それぞれステップS310へ進む。このステップS310では、「問題データベースを更新します」というメッセージを出力(表示または音声出力)する。続いて、ステップS320へ進み、情報センター11から問題をダウンロードする(この問題ダウンロードは自動更新機能である)。
【0036】
さて、図7のステップS20において、車両がパーキングエリアに進入中であれば、図9のステップS410へ進む。このステップS410では、サービス起動を提案し、運転者により上記提案が受け入れられれば、ステップS420において、ステップS430へ進む。このステップS430では、走行履歴データベース10内の駐車時間履歴を読み出す。尚、運転者により上記提案が受け入れられなければ、ステップS420にて「NO」へ進み、処理を終了する。
【0037】
そして、ステップS440へ進み、未出題問題があるか否かを判断し、ここで、未出題問題があれば、ステップS450へ進み、問題データベース8から出題候補を選択する。続いて、ステップS460へ進み、選択した問題の出題時間を、問題セットに入っている問題の全出題時間に積算する。次に、ステップS470へ進み、積算時間(全出題時間)と車両の停車(駐車)時間とを比較する。
【0038】
積算時間が停車時間以下であれば、ステップS470において、ステップS480へ進む。このステップS480では、選択した問題を問題セットに追加し、ステップS490へ進み、選択した問題の出題済みフラグをセットする。続いて、ステップS500へ進み、未出題問題があるか否かを判断する。このステップS500において、未出題問題があれば、ステップS450へ戻る。
【0039】
一方、ステップS500において、未出題問題がなければ、ステップS530へ進み、問題セットを出題する。出題が完了したら、ステップS540において、ステップS550へ進み、駐車時間を測定し、更に、ステップS560へ進み、走行履歴データベース10を更新する。
【0040】
一方、前記ステップS440において、未出題問題(未提示問題)がなければ、ステップS510へ進む。このステップS510では、「問題データベースを更新します」というメッセージを出力(表示または音声出力)する。続いて、ステップS520へ進み、情報センター11から問題をダウンロードする(この問題ダウンロードは自動更新機能である)。
【0041】
このような構成の本実施例によれば、問題提示時間及び考慮時間がそれぞれ定義されている問題を複数登録している問題データベース8を備え、車両の走行パターンを推定し、この推定した走行パターンに基づいて問題を選択して提示するように構成したので、運転者と対話しながら情報提示、即ち、問題提示を行うことが達成できる。このため、問題として例えば、面白いクイズや、教養を高める英語の問題等を提示することができるから、運転者が車内で楽しく快適にすごしたり、運転者が車内ですごす時間を教養を高める時間とすることが可能となる。
【0042】
また、上記実施例においては、車両の走行パターンのうちの車両の走行中に、問題の考慮時間を割り付ける構成としたので、車両の走行中のように、運転者に情報を提示できない時間帯を、運転者が問題を考えて解く、即ち、考慮する時間として有効に利用することができる。更に、上記実施例では、車両の走行パターンのうちの車両の停止中に、問題を提示するように構成したので、運転操作に支障を与えるおそれがなく、十分安全な構成となる。
【0043】
また、上記実施例の場合、過去に出題した問題の分野毎の運転者の正答率や回答時間に基づいて運転者の得意分野を推定するように構成したので、問題を出題するに際して、運転者の得意な分野の問題を出題できる、または、不得意な分野の問題を避けて出題できる。更に、上記実施例によれば、問題に定義されている考慮時間が割り付ける予定の時間よりも長い問題であっても、問題が推定した得意分野のものであれば、その問題を選択可能なように構成したので、得意な分野の問題であれば、考慮時間が長いものであっても、出題し易くなる。
【0044】
更にまた、上記実施例では、車両の停止時間が長い場合には、複数の問題の出題時間の積算時間が停止時間以下となるように、複数の問題を選択して出題するように構成したので、車両の停止時間が長いときでも、運転者は車内で楽しく快適にすごすことができると共に、教養を高めることができる。
【0045】
尚、上記実施例において、推定した走行時間(即ち、考慮時間)よりも短い時間で走行が完了し、次の問題(または解答)の提示を実行するタイミングになったような場合には、「考慮時間がまだ残っています」等のメッセージを報知して、問題(または解答)の提示を次のタイミングまで保留するように制御(補正処理)しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用情報提示装置のブロック図
【図2】問題データベースのデータ構造を示す図
【図3】解答履歴データベースのデータ構造を示す図
【図4】走行パターンの一例を示す図
【図5】走行パターンの他の例を示す図
【図6】走行パターンの他の例を示す図
【図7】フローチャート(その1)
【図8】フローチャート(その2)
【図9】フローチャート(その3)
【符号の説明】
【0047】
図面中、1は車両用情報提示装置、2は処理部、3は個人特定装置、4はナビゲーション装置、5は受信機、6は情報提示装置、7は入力装置、8は問題データベース、9は解答履歴データベース、10は走行履歴データベース、11は情報センター、12は自車進路推定部、13は運転者得意ジャンル推定部(分野推定手段)、14は自車走行パターン推定部(走行推定手段)、15は問題選択部(提示手段)、16は正答率・解答時間算出部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題提示時間及び考慮時間がそれぞれ定義されている問題を複数登録している問題データベースと、
車両の走行パターンを推定する走行推定手段と、
前記推定した走行パターンに基づいて問題を選択して提示する提示手段とを備えてなる車両用情報提示装置。
【請求項2】
前記提示手段は、前記車両の走行パターンのうちの前記車両の走行中に、問題の考慮時間を割り付けるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提示装置。
【請求項3】
前記提示手段は、前記車両の走行パターンのうちの前記車両の停止中に、問題を提示するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用情報提示装置。
【請求項4】
過去に出題した問題の分野毎の運転者の正答率や回答時間に基づいて前記運転者の得意分野を推定する分野推定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用情報提示装置。
【請求項5】
前記提示手段は、問題に定義されている考慮時間が割り付ける予定の時間よりも長い問題であっても、前記問題が分野推定手段により推定した得意分野のものであれば、前記問題を選択可能なように構成されていることを特徴とする請求項4記載の車両用情報提示装置。
【請求項6】
前記問題データベースに未提示問題がなくなったときには、外部の情報センターから問題をダウンロードして前記問題データベースを更新するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用情報提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−233200(P2008−233200A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68739(P2007−68739)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】