説明

車両用認証装置

【課題】本発明は、アンテナ部と基板部との距離が制限される近接無線通信装置をフロントガラス付近に搭載可能とすること、保安基準を守るように走行中の運転者の視界を確保すること、基板部の放熱性・冷却性を確保することなどを目的とする。
【解決手段】このため、車両の利用開始の際に、利用者の識別情報を取得する近接無線通信装置と、別に外部無線通信機能を有し、かつ認証後に利用者が予約車両を利用できるように制御する車両制御手段とを有する車両用認証装置において、近接無線通信装置はアンテナ部と基板部を有し、車両のフロントガラスとインパネ上面との空間に基板部がアンテナ部より下方となるように配置し、アンテナ部と基板部を相対的に回動させ、回動動作を付勢するアクチュエータモータを、認証時にはアンテナ部を基板部から離反、車両利用時にはアンテナ部を基板部に近接するように車両制御手段にて駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、共同利用する車両の使用を許可・不許可する際に用いられる認証装置に付属して設けられた無線通信装置に関し、特に、無線通信装置を車両の運転席周りに搭載し、その制御動作に関する技術、ないし、搭載状態の放熱性、冷却性に配慮する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両共同利用システムとは、車両を複数の利用者が共同で利用するシステムである。
また、前記車両共同利用システムは、車両に搭載したコントローラ(「車載機」ともいう。)で、車両の状態を取得し、無線通信インフラ(例えば、FOMA網)を経由して、その情報を管理センタに表示することで、管理者が複数の車両を遠隔で集中管理・運営可能となっている。
そして、前記車両共同利用システムにおいて、利用者は、インターネットを経由し、車両を予約する。
この予約の後、利用者は、個々のICカードを使用して、車両に搭載したICカードリーダ(「車両用認証装置」ともいう。)と近接通信で認証を行い、認証が完了した後に、車両を開始する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−123889号公報
【特許文献2】特開2003−233892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先ず、前記車両共同利用システムに関して追記する。
この車両共同利用システム303は、図7に示す如く、複数の車両301とこれらの車両301を遠隔で集中管理・運営可能な集中管理センタ(「総合管理センタ」ともいう。)372とをインターネット376を介して連絡する一方、前記集中管理センタ372と利用者のICカード386とをインターネット376を介して連絡する。
また、車両301と集中管理センタ372との間をパケット通信網(例えばFOMA(登録商標)など)384を介して連絡している。
そして、車両1の利用者は、インターネット376を経由して前記集中管理センタ372に車両1の予約を行う。
この予約の後、利用者は、個々のICカード386を使用して、車両301に搭載したICカードリーダである近接無線通信装置と近接通信で認証を行い、認証が完了した後に、車両301の利用を開始することとなる。
ところで、現在、利用者が車両と認証を行う際に使用する車両用認証装置のICカードリーダである近接無線通信装置は、車両の運転席側のリヤクウォータウィンドに配置されている。
しかし、現在の前記車両用認証装置の設置場所であるリヤクウォータウィンド部位は、利用性等の面から廃止傾向にある。
このとき、その他の前記車両用認証装置の設置候補位置としては、インスツルメントパネル上部が挙げられる。
しかし、インスツルメントパネル上部は、夏の炎天下で高温状態(環境や条件、素材によって異なるがMAX120度)になり、この温度状態下では、前記車両用認証装置が動作不能となってしまう。
この結果、従来までの車両用認証装置をインスツルメントパネル上部に設置しても、夏の高温下では、近接通信を開始できないという不都合がある。
また、前記インスツルメントパネル上部にコントローラ等を設置する場合に、保安基準(例えば、第29条 直接前方視界の技術基準)を満足しなければならないため、前記車両用認証装置を設置する際には、運転者の前方視界を妨げないように、形状を変更して設置しなければならないという不都合がある。
【0005】
ここで、近接通信にて認証を行う従来のICカードリーダである車両用認証装置について追記すれば、車両用認証装置としては、非接触型ICカード用通信技術(例えば、ソニー社製のFelica(登録商標))を用いている。
しかし、非接触型ICカード用通信技術であるソニー社製の車両用認証装置においては、以下の制限がある。
(1)ICカードリーダである車両用認証装置は、コントローラ基板(「基板部」ともいう。)とアンテナ部とで構成される。
コントローラ基板は、高温状態(100度程度)で動作不能となる。
また、コントローラ基板とアンテナ部間の配線の長さが10cmと決まっているため、コントローラ基板とアンテナ部とを10cm以上離間して設置できない。
(2)ICカードリーダである車両用認証装置の認識距離は、アンテナ部から10cm程度で、金属が周りにあると感度が低下する。
このため、アンテナ部は、金属部の無い窓ガラスに近づけて設置する必要があった。
【0006】
この発明は、アンテナ部と基板部との距離が制限される近接無線通信装置を車両のフロントガラス付近に搭載可能とすること、その際、保安基準を守るように走行中の運転者の視界を確保すること、強い日射の下でも動作可能なように基板部の放熱性・冷却性を確保することなどを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、利用者が予約した車両の利用を開始する際に、当該利用者から近接無線通信によってその利用者の識別情報(ID)を取得する近接無線通信装置と、この近接無線通信とは別に外部と無線通信する機能を有し、かつ取得した利用者の識別情報(ID)の認証が肯定結果となった場合に利用者が当該予約車両を利用できるように制御する車両に搭載された車両制御手段とを有する車両用認証装置において、前記近接無線通信装置は、近接無線通信を行うためのアンテナ部と、このアンテナ部を通じて送受信するデータ信号を処理する基板部とを有し、これらアンテナ部と基板部とをともに車両のフロントガラスとインストルメントパネル上面とに挟まれて想起される空間にその基板部がアンテナ部より下方となるように配置し、アンテナ部と基板部とを相対的に離反するように回動可能に設けるとともに、その回動動作を付勢するアクチュエータモータを設け、前記車両制御手段は、認証時には、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部から離反するようにアクチュエータモータを駆動制御する一方、車両利用時には、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部に近接するようにアクチュエータモータを駆動制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、利用者が予約した車両の利用を開始する際に、当該利用者から近接無線通信によってその利用者の識別情報(ID)を取得する近接無線通信装置と、この近接無線通信とは別に外部と無線通信する機能を有し、かつ取得した利用者の識別情報(ID)の認証が肯定結果となった場合に利用者が当該予約車両を利用できるように制御する車両に搭載された車両制御手段とを有する車両用認証装置において、近接無線通信装置は、近接無線通信を行うためのアンテナ部と、アンテナ部を通じて送受信するデータ信号を処理する基板部とを有し、これらアンテナ部と基板部とをともに車両のフロントガラスとインストルメントパネル上面とに挟まれて想起される空間にその基板部がアンテナ部より下方となるように配置し、アンテナ部と基板部とを相対的に離反するように回動可能に設けるとともに、その回動動作を付勢するアクチュエータモータを設け、車両制御手段は、認証時には、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部から離反するようにアクチュエータモータを駆動制御する一方、車両利用時には、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部に近接するようにアクチュエータモータを駆動制御する。
従って、直射を受け易いアンテナ部と、基板部とが別体となっているので、熱伝導が抑制でき、さらに離反させることによって、通風可能な空間を大きくでき、より多くの放熱を可能とできる。
そして、比較的高温でも動作が可能であるアンテナ部と、動作可能環境温度の制限が大きい基板部とを分離して、動作を安定させることができる。
また、アンテナ部をガラス内面に近づけられるので、近接無線通信の感度が高く感じられるようにでき、利便性を向上できる。
更に、走行中は、アンテナ部を格納して、運転者の視界を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図1〜図6はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1は車両である。
この車両1には、ボディエレクトリカル制御入出力装置2が搭載されている一方、複数の前記車両1が車両共同利用システム3によって集中管理される。
【0011】
まず、前記車両1は、図2に示す如く、車体4の前側に形成される図示しないエンジンルームをボンネットフード5によって覆い、車体4にフロントガラス6やリヤガラス7、ドア8を取り付けて車室9を形成している。
このとき、ドア8は、例えば運転席側である右側フロントドア10と右側リヤドア11、及び助手席側である左側フロントドア12と左側リヤドア13、そしてバックドア14との5ドアからなる。
また、前記フロントガラス6後側かつ車室9内には、フロントガラス6から車室9内に突出するインスツルメントパネル15が設けられている。
【0012】
また、前記車両1に搭載される前記ボディエレクトリカル制御入出力装置2は、図3に示す如く、入力手段16と、制御手段17と、出力手段18とを備えている。
そして、前記入力手段16は、ルームランプスイッチ19や各ドアスイッチ20、運転席キーロックスイッチ21、ドアロックマニュアルスイッチ22、バックドアオーブナスイッチ23、イグニッションスイッチ24、キースイッチ25、エアバッグコントローラ26、デアイサスイッチ27、リヤデフォッガ(&ミラーヒータ)スイッチ28、リヤワイパ&ウォッシャスイッチ29、オイルプレッシャスイッチ30、ジェネレータ31、運転席シートベルトスイッチ32、ブレーキフルードレベルスイッチ33、ライティングスイッチ34、パーキングブレーキスイッチ35、3レンジスイッチ36、エアコン(「A/C」ともいう。)スイッチ37、外気温センサ38、バッテリ39、ECM40、ATコントローラ41、車両制御手段(「車両共同利用コントローラ」ともいう。)42、近接無線通信装置(「ICカードリーダ」ともいう。)43を有している。
また、前記制御手段17は、BCM&J/Bアッシ44として統合的に車体電装を制御(BCM)したり、電力を分配(J/B)したりするよう構成し、ルームランプ制御機能45やドアロック制御機能46、バックドアオーブナ制御機能47、デアイサ制御機能48、リヤデフォッガ制御機能49、リヤワイパ制御機能50、ウォーニングブザー51の制御を行うウォーニングブザー制御機能52、セキュリティアラーム(「盗難防止警報」ともいう。)制御機能53、セルフダイアグノーシス54、CAN通信機能55、シリアル通信機能56をも有している。
更に、前記出力手段18は、ルームランプ57や各ドアロックモータ58、バックドアオーブナモータ59、ターンシグナルリレー60、デアイサリレー61、リヤデフォッガ(&ミラーヒータ)62、リヤワイパリレー63、ホーンリレー64、セキュリティアラームインジケータ65、ECM66、ATコントローラ67、コンピネーションメータ68、キーレススタートコントローラ69、インフォメーションディスプレイ70、オートA/Cパネル/コントローラ71を有している。
このとき、前記入力手段16のECM40及びATコントローラ41、車両制御手段42は、CAN(コントローラエリアネットワーク)通信によって前記制御手段17に連絡されている。
そして、この制御手段17と前記出力手段18のECM66及びATコントローラ67、コンピネーションメータ68、キーレススタートコントローラ69とは、CAN通信によって連絡されている一方、前記制御手段17と前記出力手段18のインフォメーションディスプレイ70及びオートA/Cパネル/コントローラ71とは、シリアル通信によって連絡されている。
また、前記入力手段16において、前記車両制御手段42には前記近接無線通信装置43が接続されている。
【0013】
前記車両共同利用システム3は、図4に示す如く、集中管理センタ72と車両ステーション73とを有している。
そして、前記車両共同利用システム3において、利用者は携帯電話74を使用して携帯電話ネットワーク75及びインターネット76を介して前記集中管理センタ72と通信を行う。
このとき、前記集中管理センタ72は、サーバとコンピュータとからなるコンピュータシステム77、予約データベース78、会員データベース79、車両データベース80、運行管理端末81等によって構成されている。
また、前記車両ステーション73は、図4に示す如く、例えば3つの第1〜第3車両ステーション73x、73y、73zからなる。
そして、これらの第1〜第3車両ステーション73x、73y、73zには、複数台の車両1a、1b、1c、1d………が保管(管理)されている。
このとき、各車両1a、1b、1c、1d………には、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42を含む車載機82a、82b………が夫々搭載されている。
このため、前記利用者の使用する前記携帯電話74は、第1〜第3車両ステーション73x、73y、73zに保管(管理)されている各車両1a、1b、1c、1d………に取り付けられている車載用の通信装置である前記車載機82a、82b………に対して、ドアキーの開閉を指示するキーレスシステムを有している。
なお、前記車載機82a、82b………は、主に、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42とICカードリーダである近接無線通信装置43からなる。
第1〜第3車両ステーション73x、73y、73zには、各車両1a、1b、1c、1d………に積まれている走行用のバッテリ39(図3参照)を充電するための充電機83が複数台配設されている。
そして、利用者は車両1a、1b、1c、1d………を返却するときに、例えば前記充電機83の充電パドルを返却車両の充電用パドル差し込み口に接続し、充電可能状態にする利用規程としている。
【0014】
また、前記車両共同利用システム3は、携帯電話パケット通信網84を介して各車両1a、1b、1c、1d………に取り付けられている前記車載機82a、82b………とデータ通信を行い、第1〜第3車両ステーション73x、73y、73zに保管(管理)されている各車両1a、1b、1c、1d………の状態管理及び状態制御を行う。
上記携帯電話パケット通信網84としては、Dopaを考慮することができる。
Dopaは、NTTドコモが提供する携帯電話パケット通信サービスであり、「どぅーぱ」と呼ばれる通信網である。
この携帯電話パケット通信網は、通信回線を3スロット使うことで最大28.8kbpsのデータ通信が可能であり、無線部分の通信には「パケット通信方式」を採用している。
1パケットは128バイトであり、通信したパケットの量に応じて料金を支払う「データ量課金」が基本になっている。
したがって、車載機82a、82b………と集中管理センタ72との間でつなぎっぱなしにすることができるため、第1〜第3車両ステーション73x、73y、73zで管理している各車両1a、1b、1c、1d………の状態のチェックが簡便である。
【0015】
上述のように構成されている前記本実施の形態の集中管理センタ72は、図4に示す如く、例えば複数の運営団体A、B、C………を管理している。
これは、電気自動車の共同利用システムで車両を管理する場合には、上述したように、ある程度以上の会員がいないと運営がコスト的に成り立たないからである。
例えば、車両数100台、会員数500人以上の規模でないと、運営がコスト的に困難であるとされている。
そこで、本実施例の形態においては、複数の運営団体A、B、C………を1つの集中管理センタ72により集中管理することで、集中管理センタ72の運営コストを複数で分担し、一つの小規模な運営団体にとっての運営コストを低減するようにしている。
これにより、運営する団体(企業)が小規模の運営団体に対して、車両管理・会員管理の業務を受託することにより、自前で管理することによる負担を軽減することが可能である。
【0016】
つまり、前記車両共同利用システム3は、基本的に、「車両1の貸し渡しについて、利用者から予約を受け付ける予約受付手段(集中管理センタ72のサーバ内手段であるコンピュータシステム77)と、この予約受付手段によって受け付けられた予約を予約情報として記憶する、車両1から隔てて配置された予約情報記憶手段(集中管理センタ72の予約データベース78)と、利用者が予約車両の利用を開始する際に、当該利用者から、その利用者の識別情報を取得する識別情報取得手段(車載機82a、82b………のICカードリーダである近接無線通信装置43)と、識別情報を無線通信網である携帯電話パケット通信網84を介して受信し、その利用者が実際に予約を行った者であるかどうかを、前記予約情報記憶手段に記憶された予約情報を用いて判断し、当該利用者が実際に予約を行った者であると判断した場合に、少なくとも当該予約情報を含む所定のメッセージを、無線通信網を介して車両1に送信する、車両1から隔てて配置された認証手段(集中管理センタ72の会員データベース79)と、当該所定のメッセージを受信した場合に、利用者が当該予約車両を利用できるように制御する、車両1に搭載された車両制御手段(「車両共同利用コントローラ」ともいう。)42と、当該予約情報を無線通信網を介して受信し、車両利用時に当該予約情報を出力するよう制御する予約情報出力手段(図示せず)とを有し、車両1の貸し出し、返却を無人で行うことができる」システムです。
また、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、前記近接無線通信装置43を介した認証によって、車両1の使用許可と使用不可とを選択し、車上の有線通信網(CAN等)を介して別な制御装置(車体制御装置)を通じて車両1のドア8の施錠・解錠の切換を行う装置である。すなわち、車両使用許可の是非を制御する機能を有する。
【0017】
前記車載機82a、82b………の車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、車体4に設けられたリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85が人為的に操作される(押される)と起動し、ICカードリーダである近接無線通信装置43を動作させ、データ信号の通信を行う。
前記車載機82a、82b………の車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、近接通信用アンテナなどの無線通信端末(図示せず)を内蔵し、外部インフラを通じて外部機関の装置との送受信を無線で行う機能を有する。
この外部装置とは、同じく無線通信端末を備えたサーバ端末などでも良い。
この無線通信により、予め登録された登録情報(予約情報も含む。)を通信する。
IDを含む予約情報は、予約後かつ車両利用前の任意の時間に前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42にも送られているので、認証時間は非常に短い。
また、ICカードリーダ等の認証用入力装置、つまり前記近接無線通信装置43を併設しているので、無線通信により得られる情報データと、それら認証用入力装置たる近接無線通信装置43からのデータとを照合して、使用許可の是非を判断する。
前記ICカードリーダ等の認証用入力装置たる近接無線通信装置43は、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42からの信号に基づいて、動作し、通信可能範囲(約10cm)の範囲にあるICカード86(図2参照)との通信を試行ないし実行する。
この通信ではキャリアを生成し、ICカード86によってICカードリーダである近接無線通信装置43を起動して、キャリアに対するICカードレスポンスを取得することにより、認証用IDの取得等のデータ通信を行う。
【0018】
ここで、前記ボディエレクトリカル制御入出力装置2におけるドアロック制御機能46に関するドアロック施解錠機能について説明する。
前記車両1の右側フロントドア10に設けられるリクエストスイッチ85を押す(「動作1」、図2では「M1」と表記する。)と、図2に示す如く、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、ICカードリーダである近接無線通信装置43を起動させ、ICカード86にリクエスト信号を送信する。
このリクエスト信号を受信したICカード86は、ICカードリーダである近接無線通信装置43を介して、車両共同利用コントローラである車両制御手段42に暗証コードを送信(M2)する。
車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、登録済暗証コードとの照合ができた場合、ハザードを点滅する。
再度ICカード86をかざすと、ハザードの点滅を停止し、ロック/アンロック要求信号をCAN通信によりBCM&J/Bアッシ44に出力(M3)し、前記各ドアロックモータ58を駆動させてドアロック機構を作動(M4)させる。
【0019】
つまり、前記車両共同利用システム3における車両用認証装置87は、利用者(「運転者」とも換言できる。)が予約した車両1の利用を開始する際に、当該利用者から近接無線通信によってその利用者の識別情報(「ID」ともいう。)を取得する近接無線通信装置43(前記車載機82a、82b………のICカードリーダ)と、この近接無線通信とは別に外部と無線通信する機能を有し、かつ取得した利用者の識別情報の認証が肯定結果となった場合に利用者が当該予約車両を利用できるように制御する車両に搭載された車両制御手段42(車載機82a、82b………の車両共同利用コントローラないし車両の車体制御装置)とを有する。
そして、前記近接無線通信装置43は、図5に示す如く、近接無線通信を行うためのアンテナ部88と、このアンテナ部88を通じて送受信するデータ信号を処理する基板部89とを有し、これらアンテナ部88と基板部89とをともに車両1のフロントガラス6とインスツルメントパネル15上面とに挟まれて想起される空間90に、図1に示す如く、その基板部89がアンテナ部88より下方となるように配置し、アンテナ部88と基板部89とを相対的に離反するように回動可能に設けるとともに、その回動動作を付勢するアクチュエータモータ91を設け、前記車両制御手段42は、認証時には、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89から離反するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する一方、車両利用時には、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する構成を有する。
【0020】
詳述すれば、前記近接無線通信装置43は、図5に示す如く、アンテナ部88と基板部89とを有する一方、これらアンテナ部88と基板部89とを連絡するギヤ部92を有する。図示はしないが、ギヤ部92とアクチュエータモータ91をケースで覆っている。
そして、このギヤ部92を前記アクチュエータモータ91に連絡し、このアクチュエータモータ91によってアンテナ部88と基板部89とを相対的に離反するように回動させるとともに、その回動動作を付勢する。
このとき、前記アクチュエータモータ91によるアンテナ部88の回動の際の最大角θを30度に設定する。
つまり、アクチュエータモータ91によってアンテナ部88を回動させて車両1のフロントガラス6に近接させた際に、図1に示す如く、かざしたICカード86との距離を10cm程度とし、前記近接無線通信装置43の通信可能範囲を確保している。
なお、このアンテナ部88の回動範囲においては、約15度〜75度程度の範囲で選択可能とすれば、フロントガラス6の傾斜状態や種々の設定寸法の相違に対応できるため、汎用性を高めることが可能である。
【0021】
また、前記車両制御手段42によってアクチュエータモータ91を駆動制御すると、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89から離反させる車両停車中の認証時(図1(b)参照。)と、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接させる車両走行中の収納時である車両利用時(図1(a)参照。)との2形態とすることができる。
これにより、直射を受け易いアンテナ部88と、基板部89とを別体として熱伝導を抑制し、さらに離反させることによって、通風可能な空間を大きくでき、より多くの放熱を可能とできる。
また、アンテナ部88をフロントガラス6内面に近づけられるので、近接無線通信の感度が高く感じられるようにでき、利便性を向上できる。
更に、走行中は、アンテナ部88を格納して、運転者の視界(図1の運転者の視線EL参照。)を確保できる。
【0022】
そして、前記車両制御手段42に起動スイッチであるリクエストスイッチ85を併設し、車両制御手段42は、この起動スイッチであるリクエストスイッチ85が操作された場合に、近接無線通信装置43を起動するとともに、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89から離反するようにアクチュエータモータ91を駆動するよう制御し、認証が肯定結果となった後、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する。
つまり、起動スイッチであるリクエストスイッチ85を押すことによって認証期間とし、無駄な待機電力の消費を回避している。
また、認証期間中は、近接無線通信装置43のアンテナ部88が起き上がった状態となり、認証が終わると自動的にアンテナ部88を格納するようになるので、利用者等が、一目で動作状態を確認でき、利便性が良いものである。
【0023】
また、前記車両制御手段42は、認証が肯定結果となった後で近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する際には、車両ドアロック装置である前記ボディエレクトリカル制御入出力装置2におけるドアロック制御機能46に関するドアロック施解錠機能による施錠と解錠を切り換えるように制御する。
従って、認証期間のみ、近接無線通信装置43のアンテナ部88が起き上がった状態となるよう制御を単純化できる。
また、利用者等が、一目で動作状態を認識できる(特に、ハザードランプの点滅ステップを省略した場合)。
【0024】
次に、図6の前記車両用認証装置87の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
この車両用認証装置87の制御用フローチャートである認証フローチャートは、利用開始認証フロー(100)と返却認証フロー(200)とを有している。
【0025】
まず、利用開始認証フロー(100)において、利用者が車両1を予約する処理(101)をスタートさせる際には、車体4に設けられたリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を利用者が押圧する処理(102)が必要となる。
そして、利用者がリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を押圧する処理(102)を行うと、前記ICカードリーダである近接無線通信装置43が起動し、かつ前記アンテナ部88も起動する処理(103)に移行する。
この処理(103)において、ICカードリーダである近接無線通信装置43の起動とは、ICカード86からの受信及びICカード86への送信を可能とする状態である。
また、処理(103)において、アンテナ部88の起動とは、図1及び図5(a)、図5(b)に示す如く、近接無線通信装置43を格納時(走行中)の状態から認証時(駐車中)の状態とするものである。
つまり、前記車両制御手段42によってアクチュエータモータ91を駆動制御し、このアクチュエータモータ91によってアンテナ部88を回動させて車両1のフロントガラス6に近接させ、近接無線通信装置43の通信可能範囲を確保する。
なお、上述の処理(103)における前記アンテナ部88の起動を省略することが可能である。
例えば、直射日光や外気温度、車内温度、装置内温度などを考慮した際に、アンテナ部88に熱がたまっていると推察される場合には、このアンテナ部88から基板部89を離間させ、アンテナ部88からの熱伝導を抑制するという効果が期待できる。
【0026】
そして、上述の処理(103)の後に、利用者がICカード86を車両1のフロントガラス6に近接させて、前記近接無線通信装置43のアンテナ部88にかざす処理(104)に移行する。
この処理(104)が行われた後には、「認証OK」か否かの判断(105)に移行する。
この「認証OK」か否かの判断(105)においては、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42によって、ICカードリーダである近接無線通信装置43からICカード86にリクエスト信号を送信し、このリクエスト信号を受信したICカード86は、ICカードリーダである近接無線通信装置43を介して、車両共同利用コントローラである車両制御手段42に暗証コードを送信(M2)し、車両共同利用コントローラである車両制御手段42によって登録済暗証コードとの照合を行うものである。
【0027】
上述の判断(105)において、判断(105)がNOの場合には、車体4に設けられたリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を利用者が押圧する処理(102)に戻る。
また、判断(105)がYESの場合には、ICカード86をICカードリーダである近接無線通信装置43のアンテナ部88に2回かざしたか否か判断(106)に移行する。
【0028】
この判断(106)において、判断(106)がNOの場合には、ハザードを点滅する処理(107)に移行し、その後に、車体4に設けられたリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を利用者が押圧する処理(102)に戻る。
また、判断(106)がYESの場合には、ハザードの点滅を停止、ドアロック解除、ICカードアンテナ格納の処理(108)に移行する。
つまり、この処理(108)においては、利用者が前記ICカード86をICカードリーダである近接無線通信装置43のアンテナ部88に2回かざした際に、車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、ハザードの点滅を停止する一方、ロック/アンロック要求信号をCAN通信によりBCM&J/Bアッシ44に出力(M3)し、前記各ドアロックモータ58を駆動させてドアロック機構を作動(M4)させ、ドアロック解除を行う。
また、前記車両制御手段42によってアクチュエータモータ91を駆動制御し、このアクチュエータモータ91によってアンテナ部88を回動させて車両1のフロントガラス6から離反させ、図5(a)及び図5(b)に示す如く、近接無線通信装置43を認証時(駐車中)の状態から格納時(走行中)の状態とする。
この処理(108)の後には、利用者が車両1を利用する利用開始の処理(109)となる。
【0029】
また、利用者による車両1の利用が終了し、車両1を返却する際には、上述の返却認証フロー(200)となる。
【0030】
この返却認証フロー(200)においては、まず、返却条件OKの処理(201)に移行する。
そして、ICカード起動スイッチを押す処理(202)に移行する。
つまり、この処理(202)は、利用者が車体4に設けられたリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を押圧する処理(202)である。
【0031】
この処理(202)の後には、ICカードリーダ起動、アンテナ部88も起動の処理(203)に移行する。
この処理(203)は、上述の処理(202)にて利用者がリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を押圧したため、前記ICカードリーダである近接無線通信装置43が起動し、ICカード86からの受信及びICカード86への送信を可能とする状態である。
同時に、前記アンテナ部88も起動させ、図5(a)及び図5(b)に示す如く、近接無線通信装置43を格納時(走行中)の状態から認証時(駐車中)の状態とする。
つまり、前記車両制御手段42によってアクチュエータモータ91を駆動制御し、このアクチュエータモータ91によってアンテナ部88を回動させて車両1のフロントガラス6に近接させ、近接無線通信装置43の通信可能範囲を確保する。
【0032】
そして、上述の処理(203)の後に、利用者がICカード86を車両1のフロントガラス6に近接させて、前記近接無線通信装置43のアンテナ部88にかざす処理(204)に移行する。
この処理(204)が行われた後には、「認証OK」か否かの判断(205)に移行する。
この「認証OK」か否かの判断(205)においては、前記車両共同利用コントローラである車両制御手段42によって、ICカードリーダである近接無線通信装置43からICカード86にリクエスト信号を送信し、このリクエスト信号を受信したICカード86は、ICカードリーダである近接無線通信装置43を介して、車両共同利用コントローラである車両制御手段42に暗証コードを送信(M2)し、車両共同利用コントローラである車両制御手段42によって登録済暗証コードとの照合を行う。
【0033】
上述の判断(205)において、判断(205)がNOの場合には、車体4に設けられたリクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)85を利用者が押圧する処理(202)に戻り、判断(205)がYESの場合には、ドアロック施錠、ICカードアンテナ格納の処理(206)に移行する。
つまり、前記判断(205)において、「認証OK」と判断された際に、車両共同利用コントローラである車両制御手段42は、ロック/アンロック要求信号をCAN通信によりBCM&J/Bアッシ44に出力(M3)し、前記各ドアロックモータ58を駆動させてドアロック機構を作動(M4)させ、ドアロック施錠を行う。
また、前記車両制御手段42によってアクチュエータモータ91を駆動制御し、このアクチュエータモータ91によってアンテナ部88を回動させて車両1のフロントガラス6から離反させ、図5(a)及び図5(b)に示す如く、近接無線通信装置43を認証時(駐車中)の状態から格納時(走行中)の状態とする。
なお、上述の処理(206)における前記アンテナ部88の格納を省略することが可能である。
つまり、上述の利用開始認証フロー(100)中の処理(103)における前記アンテナ部88の起動の省略と対となって行われる処理であり、例えば、直射日光や外気温度、車内温度、装置内温度などを考慮した際に、アンテナ部88に熱がたまっていると推察される場合には、このアンテナ部88から基板部89を離間させ、アンテナ部88からの熱伝導を抑制するという効果が期待できる。
この処理(206)の後には、利用者による車両1の利用が終了する、利用終了の処理(207)となる。
【0034】
これにより、利用者が予約した車両1の利用を開始する際に、当該利用者から近接無線通信によってその利用者の識別情報(ID)を取得する近接無線通信装置43(車載機のICカードリーダ)と、この近接無線通信とは別に外部と無線通信する機能を有し、かつ取得した利用者の識別情報(ID)の認証が肯定結果となった場合に利用者が当該予約車両を利用できるように制御する車両に搭載された車両制御手段42(車載機82a、82b………の車両共同利用コントローラないし車両の車体制御装置)とを有する車両用認証装置87において、前記近接無線通信装置43は、近接無線通信を行うためのアンテナ部88と、このアンテナ部88を通じて送受信するデータ信号を処理する基板部89とを有し、これらアンテナ部88と基板部89とをともに車両1のフロントガラス6とインストルメントパネル15上面とに挟まれて想起される空間90にその基板部89がアンテナ部88より下方となるように配置し、アンテナ部88と基板部89とを相対的に離反するように回動可能に設けるとともに、その回動動作を付勢するアクチュエータモータ91を設け、前記車両制御手段42は、認証時には、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89から離反するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する一方、車両利用時には、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する。
従って、直射を受け易いアンテナ部88と、基板部89とが別体となっているので、熱伝導が抑制でき、さらに離反させることによって、通風可能な空間を大きくでき、より多くの放熱を可能とできる。
また、アンテナ部88をガラス内面に近づけられるので、近接無線通信の感度が高く感じられるようにでき、利便性を向上できる。
更に、走行中は、アンテナ部88を格納して、運転者の視界を確保できる。
【0035】
また、前記車両制御手段42に起動スイッチであるリクエストスイッチ85を併設し、車両制御手段42は、この起動スイッチであるリクエストスイッチ85が操作された場合に、近接無線通信装置43を起動するとともに、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89から離反するようにアクチュエータモータ91を駆動するよう制御し、認証が肯定結果となった後、近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する。
従って、起動スイッチであるリクエストスイッチ85を押すことによって認証期間とすることができ、無駄な待機電力を消費することがない。
また、認証期間中は、近接無線通信装置43のアンテナ部88が起き上がった状態となり、認証が終わると自動的にアンテナ部88を格納するようになるので、利用者等が、一目で動作状態を確認でき、利便性が良い。
【0036】
更に、前記車両制御手段42は、認証が肯定結果となった後で近接無線通信装置43のアンテナ部88を基板部89に近接するようにアクチュエータモータ91を駆動制御する際には、車両ドアロック装置46の施錠と解錠を切り換えるように制御する。
従って、認証期間のみ、近接無線通信装置43のアンテナ部88が起き上がった状態となるよう制御を単純化できる。
また、利用者等が、一目で動作状態を認識できる(特に、ハザードランプの点滅ステップを省略した場合)。
【0037】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0038】
例えば、この発明の実施例においては、車両共同利用システムのICカードを用いた車両用認証装置について説明したが、ICカードを用いた近接通信を行うもの全般に利用することも可能である。
【0039】
また、この発明の実施例においては、近接無線通信装置のアンテナ部をアクチュエータモータの駆動制御にて行う構成としたが、基板部からのアンテナ部の離反をばねの付勢力による跳ね上げ方式とする一方、基板部へのアンテナ部の近接をアクチュエータモータにて駆動する方式とすることも可能である。
さすれば、係合爪の係合によって格納状態で保持し、係合を開示するアクチュエータ(例えば、ソレノイドなど)によって瞬時に認証状態とすることができる。
そして、アクチュエータモータの駆動回路を簡素化(回転・方向)できる一方、長期待機後の利用での出力消費を避けることができる。
【0040】
更に、この発明の実施例においては、前記近接無線通信装置のアンテナ部を格納する際に、基板部に近接させて密着するように格納したが、必ずしもアンテナ部を基板部に密着させる必要ない。
例えば、アンテナ部の回動を途中部位で停止させ、基板部との間に間隙を現出させることが可能であるとともに、基板部を断面U字状や断面波形状に形成する一方、アンテナ部を平板状に形成し、格納時にアンテナ部と基板部との間に間隙を現出させる特別構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施例を示す近接無線通信装置の配設状態の概略説明図である。
【図2】車両の概略平面図である。
【図3】車両のボディエレクトリカル制御入出力図である。
【図4】車両共同利用システムの全体構成図である。
【図5】近接無線通信装置を示し、(a)は近接無線通信装置の格納時(走行中)の状態を示す概略斜視図、(b)は近接無線通信装置の認証時(駐車中)の状態を示す概略斜視図である。
【図6】車両用認証装置の制御用フローチャートである。
【図7】この発明の従来技術を示す車両用集中管理システムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0042】
1 車両
1a、1b、1c、1d……… 車両
2 ボディエレクトリカル制御入出力装置
3 車両共同利用システム
4 車体
5 ボンネットフード
6 フロントガラス
15 インスツルメントパネル
16 入力手段
17 制御手段
18 出力手段
42 車両制御手段(「車両共同利用コントローラ」ともいう。)
43 近接無線通信装置(「ICカードリーダ」ともいう。)
44 BCM&J/Bアッシ
55 CAN通信機能
56 シリアル通信機能
72 集中管理センタ
73 車両ステーション
73x、73y、73z 第1〜第3車両ステーション
82a、82b……… 車載機
85 リクエストスイッチ(「起動スイッチ」ともいう。)
86 ICカード
87 車両用認証装置
88 アンテナ部
89 基板部
91 アクチュエータモータ
92 ギヤ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が予約した車両の利用を開始する際に、当該利用者から近接無線通信によってその利用者の識別情報(ID)を取得する近接無線通信装置と、この近接無線通信とは別に外部と無線通信する機能を有し、かつ取得した利用者の識別情報(ID)の認証が肯定結果となった場合に利用者が当該予約車両を利用できるように制御する車両に搭載された車両制御手段(車載機の車両共同利用コントローラないし車両の車体制御装置)とを有する車両用認証装置において、前記近接無線通信装置は、近接無線通信を行うためのアンテナ部と、このアンテナ部を通じて送受信するデータ信号を処理する基板部とを有し、これらアンテナ部と基板部とをともに車両のフロントガラスとインストルメントパネル上面とに挟まれて想起される空間にその基板部がアンテナ部より下方となるように配置し、アンテナ部と基板部とを相対的に離反するように回動可能に設けるとともに、その回動動作を付勢するアクチュエータモータを設け、前記車両制御手段は、認証時には、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部から離反するようにアクチュエータモータを駆動制御する一方、車両利用時には、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部に近接するようにアクチュエータモータを駆動制御することを特徴とする車両用認証装置。
【請求項2】
前記車両制御手段に起動スイッチを併設し、車両制御手段は、この起動スイッチが操作された場合に、近接無線通信装置を起動するとともに、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部から離反するようにアクチュエータモータを駆動するよう制御し、認証が肯定結果となった後、近接無線通信装置のアンテナ部を基板部に近接するようにアクチュエータモータを駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用認証装置。
【請求項3】
前記車両制御手段は、認証が肯定結果となった後で近接無線通信装置のアンテナ部を基板部に近接するようにアクチュエータモータを駆動制御する際には、車両ドアロック装置の施錠と解錠を切り換えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−286372(P2009−286372A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144179(P2008−144179)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FOMA
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】