車両用障害物検知装置
【課題】車両の運転者の運転により役立てることができる車両用障害物検知装置を提供する。
【解決手段】車両の4隅近傍に配置された超音波センサ4FL,4FR,4RL,4RRと信号送受信部11と位置検知部12とで障害物位置検出手段を構成している。接触判断手段たる接触予測部15は、位置検知部12による現時点の障害物の検出位置と進行軌跡予測部14により予測された車両1の進行軌跡とに基づいて車両1と障害物との接触可能性を判断し、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が有ると判断したときと、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が無いと判断したときとで表示器6の表示およびブザー5による警報音の周波数をそれぞれ変化させる。
【解決手段】車両の4隅近傍に配置された超音波センサ4FL,4FR,4RL,4RRと信号送受信部11と位置検知部12とで障害物位置検出手段を構成している。接触判断手段たる接触予測部15は、位置検知部12による現時点の障害物の検出位置と進行軌跡予測部14により予測された車両1の進行軌跡とに基づいて車両1と障害物との接触可能性を判断し、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が有ると判断したときと、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が無いと判断したときとで表示器6の表示およびブザー5による警報音の周波数をそれぞれ変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に接触する可能性のある障害物を検知して車両の乗員に認知させる車両用障害物検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の車両用障害物検知装置として、車両周辺の障害物を検知するために車両の4隅近傍にそれぞれ配置された4つの超音波センサと、車両の周辺に障害物が存在することを車両の乗員に認知させるための表示手段および報知手段(例えば、スピーカ、ブザーなど)とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1)。ここに、表示手段としては、車両の4隅それぞれにおける障害物までの距離に応じて分けられた危険領域および安全領域が互いに異なる色で適宜点滅することで危険領域と安全領域とを表示色により区別したものがある。また、報知手段としては、車両が障害物に接触する可能性が有る場合のみ車両と障害物との距離に応じて出力する警報音が変化するようにしたものがある。
【特許文献1】特開平6−331739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の車両用障害物検知装置は車両の運転者の運転に役立つものであるが、運転者によっては、駐車場での幅寄せなどを行うときに、障害物との接触可能性の有無にかかわらず障害物の有無を知りたいという要望があることが知られている。
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用障害物検知装置の警報手段では、接触の可能性が有る場合のみ車両と障害物との距離に応じて警報音を変えて報知するようになっているので、接触可能性が無い障害物の存否を認知するためには表示手段を確認する必要があり、駐車場での幅寄せには利用し難かった。
【0005】
また、上記従来の車両用障害物検知装置における表示手段は、車両と障害物との距離に応じて危険領域、安全領域のいずれかが点滅するものなので、運転者にとってはシフトレバーの位置およびハンドルの回転位置をそのまま維持した状態で進行してもよいのか悪いのかの是非が分からず、どのように運転したらよいのか分かり難いという不具合があった。特に、車両の4隅近傍(各コーナー部)にそれぞれ配置された超音波センサのうちの複数の超音波センサで障害物が検知された場合には大変分かり難いという不具合があった。また、上述の表示手段では、車両の進行方向およびハンドルの位置と障害物が検知された領域との関係が分かり難いという不具合があった。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、車両の運転者の運転により役立てることができる車両用障害物検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、車両の進行軌跡を予測する進行軌跡予測手段と、車両に搭載され車両に対する障害物の相対位置を検出する障害物位置検出手段と、進行軌跡予測手段の出力と障害物位置検出手段の出力とに基づいて障害物と車両との接触可能性を判断する接触判断手段と、上記車両に対する障害物の位置に関する情報を表示する表示手段と、上記車両の乗員に対する警報音を出力する報知手段とを備え、接触判断手段は、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が有ると判断したときと、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が無いと判断したときとで表示手段の表示および報知手段による警報音の周波数をそれぞれ変化させることを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、車両と障害物との接触可能性が車両の予測される進行軌跡と車両に対する障害物の相対位置とに基づいて判断され、接触判断手段が、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が有ると判断したときと、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が無いと判断したときとで表示手段の表示および報知手段による警報音の周波数をそれぞれ変化させるので、接触可能性が無いと判断されたときでも障害物を運転者に対して表示手段の表示および報知手段の警報音により認識させることができるから、駐車時などの幅寄せにも利用することができ、車両の運転者の運転により役立てることが可能となる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記接触判断手段は、接触可能性が低いと判断したときには表示手段に車両の進行方向への進行を許可する内容の表示を行わせることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、運転者が表示手段を確認することによって車両の進行の是非を認知することができるから、車両の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、上記接触判断手段は、進行軌跡予測手段により予測された車両の予測進行軌跡を表示手段へ表示させることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、運転者が表示手段を確認することによって車両の進行方向と障害物との位置関係を認識しやすくなり、車両の進行の是非を認知することができるから、車両の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、上記表示手段は、車両に対する障害物の存在する領域を示す複数の表示領域が設けられ、上記接触判断手段は、上記予測進行軌跡に応じて上記表示領域を変化させることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、車両の予測進行軌跡に対する障害物の位置を運転者がより理解しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、接触可能性が無いと判断されたときでも障害物を運転者に対して表示手段の表示および報知手段の警報音により認識させることができるから、駐車時などの幅寄せにも利用することができ、車両の運転者の運転により役立てることが可能となる。という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の車両用障害物検知装置は、図2に示すように、車両1の4隅近傍(各コーナー部)にそれぞれ配置された4つの超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLと、車両1のハンドル111の回転角度を検知する操舵角センサ3と、車両1のシフトレバー(図示せず)の位置(つまり、自動車のオートマチックトランスミッションの各モードであるパーキング,リバース,ニュートラル,ドライブなどのオートマチックトランスミッションのギヤポジションに対応する)を検出する(要するに、車両1の進行方向、停車状態などの情報を検出する)シフト位置センサ2と、車両1の運転者へ音による適宜の報知を行うためのブザー5と、車両1の運転者へ表示による適宜の報知を行うための表示器6と、これらに接続された制御部10とを備えている。なお、図2において、超音波センサ4FLは車両1の左前のコーナー部に搭載され、超音波センサ4FRは車両1の右前のコーナー部に搭載され、超音波センサ4RLは車両1の左後のコーナー部に搭載され、超音波センサ4RRは車両1の右後のコーナー部に搭載されている。
【0017】
ここにおいて、制御部10は、図1に示すように、超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLとの間で信号を送受信する信号送受信部11と、信号送受信部11により受信した信号に基づいて超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLに対する障害物の相対位置を演算する位置検出部12と、シフト位置センサ2の出力と操舵角センサ3の出力とに基づいて車両1の進行軌跡(ここに、進行軌跡とは、シフトレバーの位置およびハンドル111の回転角を維持したままで車両1が進行したと仮定した場合の車両1の進行軌跡としている)を予測する進行軌跡予測部14と、位置検出部12の出力と進行軌跡予測部14の出力とに基づいて車両1と障害物との接触可能性を判断する接触予測部15と、接触予測部15の出力に基づいてブザー5を駆動するブザー駆動部16と、接触予測部15の出力に基づいて表示器6を駆動する表示駆動部17とで構成されている。なお、表示駆動部17から表示器6への信号伝送に関しては、車両LAN等を利用した多重伝送を行ってもよいし、RS232C等のシリアル伝送、パラレル伝送を行ってもよい。また、表示器6にブザーを内蔵させ表示駆動部17の出力によって表示器6が表示されるとともに当該ブザーが鳴動されるようにすればブザー5を別途に設ける必要がない。また、信号送受信部11は、図3に示すように、超音波センサ4FL→超音波センサ4RR→超音波センサ4FR→超音波センサ4RL→超音波センサ4FL→超音波センサ4RR→…の順に時系列的に信号を送受信するようになっている。
【0018】
以下では、説明上4つの超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLを特に区別する必要がない場合にはいずれの超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLも超音波センサ4と称す。なお、超音波センサ4は車両1の周辺監視を行うために車両1のバンパーなどに取り付けられる。したがって、車両1周辺に存在する障害物を確実に検出するために路面に沿う横方向については超音波センサ4の指向性をブロードに設定し、路面を検出しないように縦方向については指向性を鋭く設定してある。
【0019】
超音波センサ4は、超音波送受信器たる送波/受波兼用の超音波センサ4aと、超音波受信器たる受波専用の超音波センサ4bと、両超音波センサ4a,4bを駆動する駆動回路(図示せず)とにより構成されており、位置検知部12では、超音波センサ4aから超音波が送波されてから超音波センサ4a,4bが反射波を受信するまでの各時間を信号送受信部11から得て超音波センサ4から障害物までの距離と角度を計算するようになっている。位置検知部12にて信号送受信部11からの信号に基づいて計算された距離、角度は接触予測部15に出力される。ここにおいて、超音波センサ4と信号送受信部11と位置検知部12とで障害物位置検出手段を構成している。なお、上述の送波/受波兼用の超音波センサ4aの方が受波専用の超音波センサ4bよりも車両1の中央よりに配置されている。
【0020】
ところで、本実施形態における接触予測部15は、位置検知部12による現時点の障害物の検出位置と進行軌跡予測部14により予測された車両1の進行軌跡とに基づいて車両1と障害物との接触可能性を判断するようになっている。なお、本実施形態では、進行軌跡予測部14が進行軌跡予測手段を構成し、接触予測部15が接触判断手段を構成している。
【0021】
上述の進行軌跡予測部14は、車両1の左前のコーナー部に配置されている超音波センサ4FLの超音波センサ4a,4bについて、図4に示すように、ハンドル111を基準位置から回転させない状態(ハンドル111の回転角が0°)で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線F0、ハンドル111が基準位置から右回りに0.5回転された状態(ハンドル111の回転角が右回りに180°)で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線FR1、ハンドル111が基準位置から右回りに最大角だけ回転された(1.3回転された)状態で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線FR2、ハンドル111が左回りに最大角だけ回転された(1.3回転された)状態で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線FL1、をそれぞれ予測する。ここにおいて、各進行軌跡線F0,FR1,FR2,FL1は、進行軌跡を直線近似した直線よりなる。
【0022】
接触予測部15は、超音波センサ4の検知エリアを、図4に示すように、上述の4つの進行軌跡線F0,FR1,FR2,FL1のうちの3つF0,FR1,FR2により分割される4つのエリアA1,A2,A3,A4のどこに障害物が存在するかという点と操舵角センサ3により検出されたハンドル111の回転角から求めたハンドル111の回転数とに基づいて下記表1のような基準で車両1と障害物との接触可能性を判断する。なお、エリアA1は図4において超音波センサ4の検知エリアのうち進行軌跡線F0よりも左側の領域、エリアA2は進行軌跡線F0と進行軌跡線FR1との間の領域、エリアA3は進行軌跡線FR1と進行軌跡線FR2との間の領域、エリアA3は進行軌跡線FR2よりも右側の領域である。
【0023】
【表1】
【0024】
表1について説明すると、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA1にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有り(つまり、接触可能性が高い)と判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数で回転されているときは接触可能性無し(つまり、接触可能性が低い)と判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性無しと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性無しと判断する。
【0025】
また、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA2にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数で回転されているときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性無しと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性無しと判断する。
【0026】
また、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA3にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数だけ回転されているときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性無しと判断する。
【0027】
また、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA4にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数だけ回転されているときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性有りと判断する。
【0028】
以上の説明は車両1の左前のコーナー部に配置されている超音波センサ4FLについての説明であるが、他の超音波センサ4FR,4RL,4RRについても同様にして接触可能性を判断する。
【0029】
ところで、接触予測部15は、上述の判断結果および位置検知部12にて求められた車体1から障害物までの距離Lに基づいてブザー駆動部16を制御してブザー5から出力される警報音を下記表2のように変化させるようになっている。
【0030】
【表2】
【0031】
表2について説明すると、接触予測部15は、接触可能性有りと判断した場合、例えば車両1と位置検知部12により検出された障害物との距離Lが20cm以下のときはブザー5から出力される警報音が連続音となり且つブザー5の鳴動周波数が4kHzとなるようにブザー駆動部16を制御する。
【0032】
また、上記距離Lが20cmよりも大きく50cm以下のときは、ブザー駆動部16により図5に示すような駆動電圧でブザー5を鳴動させて断続音からなる警報音を出力させる。このときの図5におけるON時間は50ms一定で、OFF時間を図6に示すように上記距離Lに応じて50〜150msの範囲で変化させる。つまり、距離Lが大きいほど接触可能性が低くなるので、距離Lが大きくなるほどOFF時間を長くする。また、ブザー5のON期間におけるブザー5の鳴動周波数は4kHzとしてある。
【0033】
また、上記距離Lが50cmよりも大きいときは、ブザー5をオフしたままで鳴動させない。
【0034】
これに対して、接触予測部15は、接触可能性無しと判断した場合、例えば車両1と位置検知部12により検出された障害物との距離Lが20cm以下のときはブザー5から出力される警報音が断続音となり且つブザー5の鳴動周波数が4kHzとなるようにブザー駆動部16を制御する。
【0035】
また、上記距離Lが20cmよりも大きく50cm以下のときは、ブザー駆動部16により図7に示すような駆動電圧でブザー5を鳴動させて断続音からなる警報音を出力させる。このときの図7におけるON時間は50ms一定で、OFF時間を図8に示すように上記距離Lに応じて50〜150msの範囲で変化させる。つまり、距離Lが大きいほど接触可能性が低くなるので、距離Lが大きくなるほどOFF時間を長くする。また、ブザー5のON期間におけるブザー5の鳴動周波数は1kHzとしてある。要するに、接触可能性有りと判断したときの鳴動周波数である4kHzに比べて低周波としてある。したがって、車両1の運転者はブザー5による警報音で接触可能性の有無を判断することができるのである。また、接触可能性無しであっても車両1と障害物との距離Lが20cm以下のときにはブザー5の鳴動周波数が4kHzとなるので、障害物が20cm以下の近距離内に存在することを運転者が認識することができる。
【0036】
また、上記距離Lが50cmよりも大きいときは、ブザー5をオフしたままで鳴動させない。
【0037】
なお、上述の表示器6は、車両1に対する障害物の位置に関する情報などを表示して運転者へ障害物の位置などを認知させるためのものであり、接触予測部15での接触可能性の判断結果に応じて表示を変化させることができればよく、例えば、ナビゲーションシステムのディスプレイ、発光ダイオード、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、蛍光管などを用いればよい。表示器6での表示内容については後述する。
【0038】
以下、本実施形態の車両用障害物検知装置の動作について図9を参照しながら説明する。
【0039】
接触予測部15は、シフト位置センサ2の出力によりシフトレバーがドライブ(D)またはリバース(R)にあるか否か判断し(S1)、DまたはRにある場合には4つの超音波センサ4のうち処理を行う超音波センサ4を確定して(S2)、信号送受信部11を介して超音波センサ4から超音波を送信させる(S3)。信号送受信部11にて反射波が受信され(S4)、位置検知部12にて障害物の有無が判定され(S5)、障害物が有る場合には車両1と障害物との距離Lが算出され(S6)、障害物の位置(角度)が算出される(S7)。そして、接触予測部15では、位置検知部12の出力に基づいて障害物がエリアA1にあるか否かを判定し(S8)、エリアA1にある場合には、操舵角センサ3の出力に基づいてハンドル111が左回りに回転されているか否かを判定し(S9)、ハンドル111が左回りに回転されているときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。一方、S9においてハンドル111が左回りに回転していないと判定したときには表示器6へ接触可能性が無いことを示す表示を行わせ(S12)、接触可能性が無いことを示す警報音を出力させる(S13)。
【0040】
また、S8において、障害物がエリアA1にない場合には、障害物がエリアA2にあるか否かを判定し(S14)、エリアA2にあるときには、操舵角センサ3の出力に基づいてハンドル111が左回りに回転されているか否かを判定し(S15)、ハンドル111が左回りに回転されているときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。また、S15にてハンドル111が左回りに回転していないと判定したときには、ハンドル111が回転されていない乃至右回りに0.5回転未満の回転数だけ回転されているか否かを判定し(S16)、ハンドル111の回転数がこの範囲にあるときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。一方、S16においてハンドル111の回転数が上記範囲にないときには表示器6へ接触可能性が無いことを示す表示を行わせ(S12)、接触可能性が無いことを示す警報音を出力させる(S13)。
【0041】
また、S14において、障害物がエリアA2にない場合には、障害物がエリアA3にあるか否かを判定し(S17)、エリアA3にある場合には、操舵角センサ3の出力に基づいてハンドル111が左回りに回転されているか否かを判定し(S18)、ハンドル111が左回りに回転されているときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。また、S18にてハンドル111が左回りに回転していないと判定したときには、ハンドル111が回転されていない乃至右回りに0.5回転未満の回転数だけ回転されているか否かを判定し(S19)、ハンドル111の回転数がこの範囲にあるときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。S19においてハンドル111の回転数が上記範囲にないときには、ハンドル111の回転数が0.5以上1.3未満であるか否かを判定し(S20)、ハンドル111の回転数がこの範囲にあるときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。また、S20においてハンドル111の回転数が上記範囲にないときには、表示器6へ接触可能性が無いことを示す表示を行わせ(S12)、接触可能性が無いことを示す警報音を出力させる(S13)。
【0042】
なお、S8,S9,S14〜S20については車両1の左前のコーナー部の超音波センサ4FLがS2にて処理センサとして確定されたときの判定条件を示したものであり、他のコーナー部の超音波センサ4RR,4FR,4RLが処理センサとして確定されたときの判定条件とは異なるが、当該他のコーナー部の超音波センサ4RR,4FR,4RLが処理センサとして確定されたときにも同様の判定条件が用いられることは勿論である。
【0043】
以下、表示器6の表示について下記表3および図10〜12を参照しながら説明する。なお、表示器6は、図10(b),図11(b),図12(b)に示すように、表示部6aに車両1の外観1aが表示され、車両1の各コーナー部ごとに障害物の存在する領域を示すための3つのゾーンZ1,Z2,Z3が表示されている。ここに、ゾーンZ1は車両1の左横または右横、ゾーンZ2は車両1の斜め、ゾーンZ3は車両1の前または後に表示されている。
【0044】
【表3】
【0045】
例えば、表3の第2列および図10(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図10(b)に示すように表示器6の表示部6aに予測進行軌跡たる進行軌跡Fのみ表示させ、障害物Bの位置は表示させない。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0046】
また、表3の第3列および図11(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図11(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0047】
また、表3の第4列および図12(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図12(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0048】
しかして、本実施形態の車両用障害物検知装置では、接触予測部15が、車両1の予測される進行軌跡と車両1に対する障害物Bの相対位置とに基づいて接触可能性を判断し、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が有ると判断したときと、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が無いと判断したときとで表示器6の表示およびブザー5による警報音の周波数をそれぞれ変化させるので、接触可能性が無いと判断されたときでも障害物を運転者に対して表示器5の表示およびブザー5の警報音により認識させることができるから、駐車時などの幅寄せにも利用することができ、車両の運転者の運転により役立てることが可能となる。
【0049】
また、接触予測部15が、進行軌跡予測部14により予測された車両1の予測進行軌跡を表示器6へ表示させるとともに、接触可能性が有る場合には障害物の位置する該当領域を橙色若しくは赤色で表示させるので、運転者が表示器6を確認することによって車両1の進行の是非を認知することができるから、車両1の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態では、1つのブザー5を設けたものについて説明したが、図13に示すように、2つのブザー5a,5bを設けて、一方のブザー5aの鳴動周波数を4kHz、他方のブザー5bの鳴動周波数を1kHzとして接触予測部15がブザー駆動部16を制御するようにしてもよい。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表4および図14〜図16を参照しながら説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
【表4】
【0053】
例えば、表4の第2列および図14(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図14(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を緑色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0054】
また、表4の第3列および図15(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図15(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0055】
また、表4の第4列および図16(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図16(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高く、橙色での表示は緑色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0056】
要するに、本実施形態では、障害物が検知されたときには障害物が存在する該当領域を表示し且つ危険度に応じて表示色が緑色、橙色、赤色で区別されるので、幅寄せなどへの利用がより一層しやすくなる。
【0057】
(実施形態3)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表5および図17〜図19を参照しながら説明する。ここにおいて、本実施形態では、図17(b),図18(b),図19(b)に示すように、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリア(20cm未満の近距離エリア、20cm〜50cmの中距離エリア、50cmを超えた遠距離エリア)に区分してある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
【表5】
【0059】
例えば、表5の第2列および図17(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図17(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fのみを表示させる。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0060】
また、表5の第3列および図18(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図18(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の中距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0061】
また、表5の第4列および図19(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図19(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の近距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0062】
しかして、本実施形態では、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリアに区分してあるので、車両1から障害物Bまでの距離を運転者が認識しやすくなり、障害物Bの位置を運転者が理解しやすくなる。
【0063】
(実施形態4)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表6および図20〜図22を参照しながら説明する。ここにおいて、本実施形態では、図20(b),図21(b),図22(b)に示すように、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリア(20cm未満の近距離エリア、20cm〜50cmの中距離エリア、50cmを超えた遠距離エリア)に区分してある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
【表6】
【0065】
例えば、表6の第2列および図20(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図20(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を緑色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の中距離エリアであって進行軌跡線Fよりも左側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0066】
また、表6の第3列および図21(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図21(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の中距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0067】
また、表6の第4列および図22(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図22(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の近距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0068】
要するに、本実施形態では、障害物が検知されたときには障害物が存在する該当領域を表示し且つ危険度に応じて表示色が緑色、橙色、赤色で区別されるので、幅寄せなどへの利用がより一層しやすくなる。しかも、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリアに区分してあるので、障害物Bまでの距離を運転者が認識しやすくなり、障害物Bの位置を運転者が理解しやすくなる。
【0069】
(実施形態5)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表7および図23〜図25を参照しながら説明する。ここにおいて、本実施形態では、図23(b),図24(b),図25(b)に示すように、表示部6aにおいて車両の外観1aに重なる部分に車両1の前進方向を示す前進矢印8a、後進方向を示す後進矢印8bを設け、車両1の各コーナー部ごとに障害物の有無を示すための表示エリア7FL,7FR,7RL,7RRを設けてある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
【表7】
【0071】
例えば、表7の第2列および図23(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図23(b)に示すように表示エリア7FLを緑色で表示させるとともに、前進矢印8aを点灯表示させる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0072】
また、表7の第3列および図24(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図24(b)に示すように表示エリア7FLを赤色で点滅表示させるが、前進矢印8aは点灯させない。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0073】
また、表5の第4列および図25(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図25(b)に示すように表示エリア7FLを赤色で点滅表示させるが、前進矢印8aは点灯させない。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0074】
しかして、本実施形態では、車両1の前進方向を示す前進矢印8a、後進方向を示す後進矢印8bを用いて前進時、後進時の接触可能性の有無を積極的に運転者に知らしめることができる。要するに、接触予測部15が、接触可能性が低いと判断したときには表示器6に車両1の進行方向への進行を許可する内容の表示を行わせるので、運転者が表示器6の表示内容を確認することによって車両1の進行の是非を認知することができるから、車両1の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】同上の概略構成図である。
【図3】同上の要部動作説明図である。
【図4】同上の要部動作説明図である。
【図5】同上の要部動作説明図である。
【図6】同上の要部動作説明図である。
【図7】同上の要部動作説明図である。
【図8】同上の要部動作説明図である。
【図9】同上の要部動作説明図である。
【図10】同上の要部動作説明図である。
【図11】同上の要部動作説明図である。
【図12】同上の要部動作説明図である。
【図13】同上の他の構成例を示す概略構成図である。
【図14】実施形態2の要部動作説明図である。
【図15】同上の要部動作説明図である。
【図16】同上の要部動作説明図である。
【図17】実施形態3の要部動作説明図である。
【図18】同上の要部動作説明図である。
【図19】同上の要部動作説明図である。
【図20】実施形態4の要部動作説明図である。
【図21】同上の要部動作説明図である。
【図22】同上の要部動作説明図である。
【図23】実施形態5の要部動作説明図である。
【図24】同上の要部動作説明図である。
【図25】同上の要部動作説明図である。
【符号の説明】
【0076】
2 シフト位置センサ
3 操舵角センサ
4FR 超音波センサ
4FL 超音波センサ
4RR 超音波センサ
4RL 超音波センサ
5 ブザー
6 表示器
10 制御部
11 信号送受信部
12 位置検知部
14 進行軌跡予測部
15 接触予測部
16 ブザー駆動部
17 表示駆動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に接触する可能性のある障害物を検知して車両の乗員に認知させる車両用障害物検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の車両用障害物検知装置として、車両周辺の障害物を検知するために車両の4隅近傍にそれぞれ配置された4つの超音波センサと、車両の周辺に障害物が存在することを車両の乗員に認知させるための表示手段および報知手段(例えば、スピーカ、ブザーなど)とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1)。ここに、表示手段としては、車両の4隅それぞれにおける障害物までの距離に応じて分けられた危険領域および安全領域が互いに異なる色で適宜点滅することで危険領域と安全領域とを表示色により区別したものがある。また、報知手段としては、車両が障害物に接触する可能性が有る場合のみ車両と障害物との距離に応じて出力する警報音が変化するようにしたものがある。
【特許文献1】特開平6−331739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の車両用障害物検知装置は車両の運転者の運転に役立つものであるが、運転者によっては、駐車場での幅寄せなどを行うときに、障害物との接触可能性の有無にかかわらず障害物の有無を知りたいという要望があることが知られている。
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用障害物検知装置の警報手段では、接触の可能性が有る場合のみ車両と障害物との距離に応じて警報音を変えて報知するようになっているので、接触可能性が無い障害物の存否を認知するためには表示手段を確認する必要があり、駐車場での幅寄せには利用し難かった。
【0005】
また、上記従来の車両用障害物検知装置における表示手段は、車両と障害物との距離に応じて危険領域、安全領域のいずれかが点滅するものなので、運転者にとってはシフトレバーの位置およびハンドルの回転位置をそのまま維持した状態で進行してもよいのか悪いのかの是非が分からず、どのように運転したらよいのか分かり難いという不具合があった。特に、車両の4隅近傍(各コーナー部)にそれぞれ配置された超音波センサのうちの複数の超音波センサで障害物が検知された場合には大変分かり難いという不具合があった。また、上述の表示手段では、車両の進行方向およびハンドルの位置と障害物が検知された領域との関係が分かり難いという不具合があった。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、車両の運転者の運転により役立てることができる車両用障害物検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、車両の進行軌跡を予測する進行軌跡予測手段と、車両に搭載され車両に対する障害物の相対位置を検出する障害物位置検出手段と、進行軌跡予測手段の出力と障害物位置検出手段の出力とに基づいて障害物と車両との接触可能性を判断する接触判断手段と、上記車両に対する障害物の位置に関する情報を表示する表示手段と、上記車両の乗員に対する警報音を出力する報知手段とを備え、接触判断手段は、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が有ると判断したときと、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が無いと判断したときとで表示手段の表示および報知手段による警報音の周波数をそれぞれ変化させることを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、車両と障害物との接触可能性が車両の予測される進行軌跡と車両に対する障害物の相対位置とに基づいて判断され、接触判断手段が、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が有ると判断したときと、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が無いと判断したときとで表示手段の表示および報知手段による警報音の周波数をそれぞれ変化させるので、接触可能性が無いと判断されたときでも障害物を運転者に対して表示手段の表示および報知手段の警報音により認識させることができるから、駐車時などの幅寄せにも利用することができ、車両の運転者の運転により役立てることが可能となる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記接触判断手段は、接触可能性が低いと判断したときには表示手段に車両の進行方向への進行を許可する内容の表示を行わせることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、運転者が表示手段を確認することによって車両の進行の是非を認知することができるから、車両の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、上記接触判断手段は、進行軌跡予測手段により予測された車両の予測進行軌跡を表示手段へ表示させることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、運転者が表示手段を確認することによって車両の進行方向と障害物との位置関係を認識しやすくなり、車両の進行の是非を認知することができるから、車両の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、上記表示手段は、車両に対する障害物の存在する領域を示す複数の表示領域が設けられ、上記接触判断手段は、上記予測進行軌跡に応じて上記表示領域を変化させることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、車両の予測進行軌跡に対する障害物の位置を運転者がより理解しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、接触可能性が無いと判断されたときでも障害物を運転者に対して表示手段の表示および報知手段の警報音により認識させることができるから、駐車時などの幅寄せにも利用することができ、車両の運転者の運転により役立てることが可能となる。という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の車両用障害物検知装置は、図2に示すように、車両1の4隅近傍(各コーナー部)にそれぞれ配置された4つの超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLと、車両1のハンドル111の回転角度を検知する操舵角センサ3と、車両1のシフトレバー(図示せず)の位置(つまり、自動車のオートマチックトランスミッションの各モードであるパーキング,リバース,ニュートラル,ドライブなどのオートマチックトランスミッションのギヤポジションに対応する)を検出する(要するに、車両1の進行方向、停車状態などの情報を検出する)シフト位置センサ2と、車両1の運転者へ音による適宜の報知を行うためのブザー5と、車両1の運転者へ表示による適宜の報知を行うための表示器6と、これらに接続された制御部10とを備えている。なお、図2において、超音波センサ4FLは車両1の左前のコーナー部に搭載され、超音波センサ4FRは車両1の右前のコーナー部に搭載され、超音波センサ4RLは車両1の左後のコーナー部に搭載され、超音波センサ4RRは車両1の右後のコーナー部に搭載されている。
【0017】
ここにおいて、制御部10は、図1に示すように、超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLとの間で信号を送受信する信号送受信部11と、信号送受信部11により受信した信号に基づいて超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLに対する障害物の相対位置を演算する位置検出部12と、シフト位置センサ2の出力と操舵角センサ3の出力とに基づいて車両1の進行軌跡(ここに、進行軌跡とは、シフトレバーの位置およびハンドル111の回転角を維持したままで車両1が進行したと仮定した場合の車両1の進行軌跡としている)を予測する進行軌跡予測部14と、位置検出部12の出力と進行軌跡予測部14の出力とに基づいて車両1と障害物との接触可能性を判断する接触予測部15と、接触予測部15の出力に基づいてブザー5を駆動するブザー駆動部16と、接触予測部15の出力に基づいて表示器6を駆動する表示駆動部17とで構成されている。なお、表示駆動部17から表示器6への信号伝送に関しては、車両LAN等を利用した多重伝送を行ってもよいし、RS232C等のシリアル伝送、パラレル伝送を行ってもよい。また、表示器6にブザーを内蔵させ表示駆動部17の出力によって表示器6が表示されるとともに当該ブザーが鳴動されるようにすればブザー5を別途に設ける必要がない。また、信号送受信部11は、図3に示すように、超音波センサ4FL→超音波センサ4RR→超音波センサ4FR→超音波センサ4RL→超音波センサ4FL→超音波センサ4RR→…の順に時系列的に信号を送受信するようになっている。
【0018】
以下では、説明上4つの超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLを特に区別する必要がない場合にはいずれの超音波センサ4FR,4FL,4RR,4RLも超音波センサ4と称す。なお、超音波センサ4は車両1の周辺監視を行うために車両1のバンパーなどに取り付けられる。したがって、車両1周辺に存在する障害物を確実に検出するために路面に沿う横方向については超音波センサ4の指向性をブロードに設定し、路面を検出しないように縦方向については指向性を鋭く設定してある。
【0019】
超音波センサ4は、超音波送受信器たる送波/受波兼用の超音波センサ4aと、超音波受信器たる受波専用の超音波センサ4bと、両超音波センサ4a,4bを駆動する駆動回路(図示せず)とにより構成されており、位置検知部12では、超音波センサ4aから超音波が送波されてから超音波センサ4a,4bが反射波を受信するまでの各時間を信号送受信部11から得て超音波センサ4から障害物までの距離と角度を計算するようになっている。位置検知部12にて信号送受信部11からの信号に基づいて計算された距離、角度は接触予測部15に出力される。ここにおいて、超音波センサ4と信号送受信部11と位置検知部12とで障害物位置検出手段を構成している。なお、上述の送波/受波兼用の超音波センサ4aの方が受波専用の超音波センサ4bよりも車両1の中央よりに配置されている。
【0020】
ところで、本実施形態における接触予測部15は、位置検知部12による現時点の障害物の検出位置と進行軌跡予測部14により予測された車両1の進行軌跡とに基づいて車両1と障害物との接触可能性を判断するようになっている。なお、本実施形態では、進行軌跡予測部14が進行軌跡予測手段を構成し、接触予測部15が接触判断手段を構成している。
【0021】
上述の進行軌跡予測部14は、車両1の左前のコーナー部に配置されている超音波センサ4FLの超音波センサ4a,4bについて、図4に示すように、ハンドル111を基準位置から回転させない状態(ハンドル111の回転角が0°)で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線F0、ハンドル111が基準位置から右回りに0.5回転された状態(ハンドル111の回転角が右回りに180°)で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線FR1、ハンドル111が基準位置から右回りに最大角だけ回転された(1.3回転された)状態で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線FR2、ハンドル111が左回りに最大角だけ回転された(1.3回転された)状態で前進した場合における車両1の左側の進行軌跡線FL1、をそれぞれ予測する。ここにおいて、各進行軌跡線F0,FR1,FR2,FL1は、進行軌跡を直線近似した直線よりなる。
【0022】
接触予測部15は、超音波センサ4の検知エリアを、図4に示すように、上述の4つの進行軌跡線F0,FR1,FR2,FL1のうちの3つF0,FR1,FR2により分割される4つのエリアA1,A2,A3,A4のどこに障害物が存在するかという点と操舵角センサ3により検出されたハンドル111の回転角から求めたハンドル111の回転数とに基づいて下記表1のような基準で車両1と障害物との接触可能性を判断する。なお、エリアA1は図4において超音波センサ4の検知エリアのうち進行軌跡線F0よりも左側の領域、エリアA2は進行軌跡線F0と進行軌跡線FR1との間の領域、エリアA3は進行軌跡線FR1と進行軌跡線FR2との間の領域、エリアA3は進行軌跡線FR2よりも右側の領域である。
【0023】
【表1】
【0024】
表1について説明すると、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA1にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有り(つまり、接触可能性が高い)と判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数で回転されているときは接触可能性無し(つまり、接触可能性が低い)と判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性無しと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性無しと判断する。
【0025】
また、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA2にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数で回転されているときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性無しと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性無しと判断する。
【0026】
また、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA3にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数だけ回転されているときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性無しと判断する。
【0027】
また、接触予測部15は、位置検知部12により検出された障害物の位置が例えばエリアA4にある場合、ハンドル111が左回りに回転されている(左1.3≧回転数>0)ときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が回転されていない乃至ハンドル111が右回りに0.5回転未満(0≦回転数<右0.5)の回転数だけ回転されているときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに回転され且つその回転数が0.5以上1.3未満(0.5≦回転数<右1.3)のときは接触可能性有りと判断し、ハンドル111が右回りに1.3回転されている(回転数=右1.3)のときは接触可能性有りと判断する。
【0028】
以上の説明は車両1の左前のコーナー部に配置されている超音波センサ4FLについての説明であるが、他の超音波センサ4FR,4RL,4RRについても同様にして接触可能性を判断する。
【0029】
ところで、接触予測部15は、上述の判断結果および位置検知部12にて求められた車体1から障害物までの距離Lに基づいてブザー駆動部16を制御してブザー5から出力される警報音を下記表2のように変化させるようになっている。
【0030】
【表2】
【0031】
表2について説明すると、接触予測部15は、接触可能性有りと判断した場合、例えば車両1と位置検知部12により検出された障害物との距離Lが20cm以下のときはブザー5から出力される警報音が連続音となり且つブザー5の鳴動周波数が4kHzとなるようにブザー駆動部16を制御する。
【0032】
また、上記距離Lが20cmよりも大きく50cm以下のときは、ブザー駆動部16により図5に示すような駆動電圧でブザー5を鳴動させて断続音からなる警報音を出力させる。このときの図5におけるON時間は50ms一定で、OFF時間を図6に示すように上記距離Lに応じて50〜150msの範囲で変化させる。つまり、距離Lが大きいほど接触可能性が低くなるので、距離Lが大きくなるほどOFF時間を長くする。また、ブザー5のON期間におけるブザー5の鳴動周波数は4kHzとしてある。
【0033】
また、上記距離Lが50cmよりも大きいときは、ブザー5をオフしたままで鳴動させない。
【0034】
これに対して、接触予測部15は、接触可能性無しと判断した場合、例えば車両1と位置検知部12により検出された障害物との距離Lが20cm以下のときはブザー5から出力される警報音が断続音となり且つブザー5の鳴動周波数が4kHzとなるようにブザー駆動部16を制御する。
【0035】
また、上記距離Lが20cmよりも大きく50cm以下のときは、ブザー駆動部16により図7に示すような駆動電圧でブザー5を鳴動させて断続音からなる警報音を出力させる。このときの図7におけるON時間は50ms一定で、OFF時間を図8に示すように上記距離Lに応じて50〜150msの範囲で変化させる。つまり、距離Lが大きいほど接触可能性が低くなるので、距離Lが大きくなるほどOFF時間を長くする。また、ブザー5のON期間におけるブザー5の鳴動周波数は1kHzとしてある。要するに、接触可能性有りと判断したときの鳴動周波数である4kHzに比べて低周波としてある。したがって、車両1の運転者はブザー5による警報音で接触可能性の有無を判断することができるのである。また、接触可能性無しであっても車両1と障害物との距離Lが20cm以下のときにはブザー5の鳴動周波数が4kHzとなるので、障害物が20cm以下の近距離内に存在することを運転者が認識することができる。
【0036】
また、上記距離Lが50cmよりも大きいときは、ブザー5をオフしたままで鳴動させない。
【0037】
なお、上述の表示器6は、車両1に対する障害物の位置に関する情報などを表示して運転者へ障害物の位置などを認知させるためのものであり、接触予測部15での接触可能性の判断結果に応じて表示を変化させることができればよく、例えば、ナビゲーションシステムのディスプレイ、発光ダイオード、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、蛍光管などを用いればよい。表示器6での表示内容については後述する。
【0038】
以下、本実施形態の車両用障害物検知装置の動作について図9を参照しながら説明する。
【0039】
接触予測部15は、シフト位置センサ2の出力によりシフトレバーがドライブ(D)またはリバース(R)にあるか否か判断し(S1)、DまたはRにある場合には4つの超音波センサ4のうち処理を行う超音波センサ4を確定して(S2)、信号送受信部11を介して超音波センサ4から超音波を送信させる(S3)。信号送受信部11にて反射波が受信され(S4)、位置検知部12にて障害物の有無が判定され(S5)、障害物が有る場合には車両1と障害物との距離Lが算出され(S6)、障害物の位置(角度)が算出される(S7)。そして、接触予測部15では、位置検知部12の出力に基づいて障害物がエリアA1にあるか否かを判定し(S8)、エリアA1にある場合には、操舵角センサ3の出力に基づいてハンドル111が左回りに回転されているか否かを判定し(S9)、ハンドル111が左回りに回転されているときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。一方、S9においてハンドル111が左回りに回転していないと判定したときには表示器6へ接触可能性が無いことを示す表示を行わせ(S12)、接触可能性が無いことを示す警報音を出力させる(S13)。
【0040】
また、S8において、障害物がエリアA1にない場合には、障害物がエリアA2にあるか否かを判定し(S14)、エリアA2にあるときには、操舵角センサ3の出力に基づいてハンドル111が左回りに回転されているか否かを判定し(S15)、ハンドル111が左回りに回転されているときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。また、S15にてハンドル111が左回りに回転していないと判定したときには、ハンドル111が回転されていない乃至右回りに0.5回転未満の回転数だけ回転されているか否かを判定し(S16)、ハンドル111の回転数がこの範囲にあるときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。一方、S16においてハンドル111の回転数が上記範囲にないときには表示器6へ接触可能性が無いことを示す表示を行わせ(S12)、接触可能性が無いことを示す警報音を出力させる(S13)。
【0041】
また、S14において、障害物がエリアA2にない場合には、障害物がエリアA3にあるか否かを判定し(S17)、エリアA3にある場合には、操舵角センサ3の出力に基づいてハンドル111が左回りに回転されているか否かを判定し(S18)、ハンドル111が左回りに回転されているときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。また、S18にてハンドル111が左回りに回転していないと判定したときには、ハンドル111が回転されていない乃至右回りに0.5回転未満の回転数だけ回転されているか否かを判定し(S19)、ハンドル111の回転数がこの範囲にあるときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。S19においてハンドル111の回転数が上記範囲にないときには、ハンドル111の回転数が0.5以上1.3未満であるか否かを判定し(S20)、ハンドル111の回転数がこの範囲にあるときには表示器6へ接触可能性が有ることを示す内容の表示を行わせ(S10)、ブザー5へ接触可能性が有ることを示す警報音を出力させる(S11)。また、S20においてハンドル111の回転数が上記範囲にないときには、表示器6へ接触可能性が無いことを示す表示を行わせ(S12)、接触可能性が無いことを示す警報音を出力させる(S13)。
【0042】
なお、S8,S9,S14〜S20については車両1の左前のコーナー部の超音波センサ4FLがS2にて処理センサとして確定されたときの判定条件を示したものであり、他のコーナー部の超音波センサ4RR,4FR,4RLが処理センサとして確定されたときの判定条件とは異なるが、当該他のコーナー部の超音波センサ4RR,4FR,4RLが処理センサとして確定されたときにも同様の判定条件が用いられることは勿論である。
【0043】
以下、表示器6の表示について下記表3および図10〜12を参照しながら説明する。なお、表示器6は、図10(b),図11(b),図12(b)に示すように、表示部6aに車両1の外観1aが表示され、車両1の各コーナー部ごとに障害物の存在する領域を示すための3つのゾーンZ1,Z2,Z3が表示されている。ここに、ゾーンZ1は車両1の左横または右横、ゾーンZ2は車両1の斜め、ゾーンZ3は車両1の前または後に表示されている。
【0044】
【表3】
【0045】
例えば、表3の第2列および図10(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図10(b)に示すように表示器6の表示部6aに予測進行軌跡たる進行軌跡Fのみ表示させ、障害物Bの位置は表示させない。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0046】
また、表3の第3列および図11(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図11(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0047】
また、表3の第4列および図12(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図12(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0048】
しかして、本実施形態の車両用障害物検知装置では、接触予測部15が、車両1の予測される進行軌跡と車両1に対する障害物Bの相対位置とに基づいて接触可能性を判断し、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が有ると判断したときと、上記障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物Bとの接触可能性が無いと判断したときとで表示器6の表示およびブザー5による警報音の周波数をそれぞれ変化させるので、接触可能性が無いと判断されたときでも障害物を運転者に対して表示器5の表示およびブザー5の警報音により認識させることができるから、駐車時などの幅寄せにも利用することができ、車両の運転者の運転により役立てることが可能となる。
【0049】
また、接触予測部15が、進行軌跡予測部14により予測された車両1の予測進行軌跡を表示器6へ表示させるとともに、接触可能性が有る場合には障害物の位置する該当領域を橙色若しくは赤色で表示させるので、運転者が表示器6を確認することによって車両1の進行の是非を認知することができるから、車両1の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態では、1つのブザー5を設けたものについて説明したが、図13に示すように、2つのブザー5a,5bを設けて、一方のブザー5aの鳴動周波数を4kHz、他方のブザー5bの鳴動周波数を1kHzとして接触予測部15がブザー駆動部16を制御するようにしてもよい。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表4および図14〜図16を参照しながら説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
【表4】
【0053】
例えば、表4の第2列および図14(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図14(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を緑色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0054】
また、表4の第3列および図15(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図15(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0055】
また、表4の第4列および図16(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図16(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高く、橙色での表示は緑色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0056】
要するに、本実施形態では、障害物が検知されたときには障害物が存在する該当領域を表示し且つ危険度に応じて表示色が緑色、橙色、赤色で区別されるので、幅寄せなどへの利用がより一層しやすくなる。
【0057】
(実施形態3)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表5および図17〜図19を参照しながら説明する。ここにおいて、本実施形態では、図17(b),図18(b),図19(b)に示すように、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリア(20cm未満の近距離エリア、20cm〜50cmの中距離エリア、50cmを超えた遠距離エリア)に区分してある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
【表5】
【0059】
例えば、表5の第2列および図17(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図17(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fのみを表示させる。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0060】
また、表5の第3列および図18(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図18(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の中距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0061】
また、表5の第4列および図19(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図19(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の近距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0062】
しかして、本実施形態では、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリアに区分してあるので、車両1から障害物Bまでの距離を運転者が認識しやすくなり、障害物Bの位置を運転者が理解しやすくなる。
【0063】
(実施形態4)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表6および図20〜図22を参照しながら説明する。ここにおいて、本実施形態では、図20(b),図21(b),図22(b)に示すように、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリア(20cm未満の近距離エリア、20cm〜50cmの中距離エリア、50cmを超えた遠距離エリア)に区分してある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
【表6】
【0065】
例えば、表6の第2列および図20(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図20(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を緑色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の中距離エリアであって進行軌跡線Fよりも左側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0066】
また、表6の第3列および図21(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図21(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を橙色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の中距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0067】
また、表6の第4列および図22(a)に示すように障害物Bまでの距離(L)が20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図22(b)に示すように表示器6の表示部6aに進行軌跡Fを表示させるとともに、同図中にハッチングを施した領域(該当領域)を赤色で表示する。ここに、該当領域は、ゾーンZ3の近距離エリアであって進行軌跡線Fよりも右側の部分である。このときの進行軌跡Fは車両1の直進方向よりも右斜めに傾いた直線となる。赤色での表示は橙色での表示に比べて接触可能性が高いことを示している。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0068】
要するに、本実施形態では、障害物が検知されたときには障害物が存在する該当領域を表示し且つ危険度に応じて表示色が緑色、橙色、赤色で区別されるので、幅寄せなどへの利用がより一層しやすくなる。しかも、各ゾーンZ1〜Z3を車両1からの距離に応じて3つのエリアに区分してあるので、障害物Bまでの距離を運転者が認識しやすくなり、障害物Bの位置を運転者が理解しやすくなる。
【0069】
(実施形態5)
本実施形態の車両用障害物検知装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、表示器6の表示が相違するだけなので、表示器6の表示について下記表7および図23〜図25を参照しながら説明する。ここにおいて、本実施形態では、図23(b),図24(b),図25(b)に示すように、表示部6aにおいて車両の外観1aに重なる部分に車両1の前進方向を示す前進矢印8a、後進方向を示す後進矢印8bを設け、車両1の各コーナー部ごとに障害物の有無を示すための表示エリア7FL,7FR,7RL,7RRを設けてある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
【表7】
【0071】
例えば、表7の第2列および図23(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA2にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進しても障害物Bに接触しないので、接触予測部15は、図23(b)に示すように表示エリア7FLを緑色で表示させるとともに、前進矢印8aを点灯表示させる。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は1kHzとする。
【0072】
また、表7の第3列および図24(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20〜50cmで障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図24(b)に示すように表示エリア7FLを赤色で点滅表示させるが、前進矢印8aは点灯させない。また、接触予測部15は、ブザー5から断続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0073】
また、表5の第4列および図25(a)に示すように障害物Bまでの距離Lが20cm未満の近距離で障害物BがエリアA4にある場合には、ハンドル111が右回りに最大に回転された状態で車両1が前進すると接触するので、接触予測部15は、図25(b)に示すように表示エリア7FLを赤色で点滅表示させるが、前進矢印8aは点灯させない。また、接触予測部15は、ブザー5から連続音が出力されるようにブザー駆動部16を制御する。連続音での報知は断続音での報知に比べて接触可能性が高いことを示している。なお、このときのブザー5の鳴動周波数は4kHzとする。
【0074】
しかして、本実施形態では、車両1の前進方向を示す前進矢印8a、後進方向を示す後進矢印8bを用いて前進時、後進時の接触可能性の有無を積極的に運転者に知らしめることができる。要するに、接触予測部15が、接触可能性が低いと判断したときには表示器6に車両1の進行方向への進行を許可する内容の表示を行わせるので、運転者が表示器6の表示内容を確認することによって車両1の進行の是非を認知することができるから、車両1の運転者の運転により一層役立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】同上の概略構成図である。
【図3】同上の要部動作説明図である。
【図4】同上の要部動作説明図である。
【図5】同上の要部動作説明図である。
【図6】同上の要部動作説明図である。
【図7】同上の要部動作説明図である。
【図8】同上の要部動作説明図である。
【図9】同上の要部動作説明図である。
【図10】同上の要部動作説明図である。
【図11】同上の要部動作説明図である。
【図12】同上の要部動作説明図である。
【図13】同上の他の構成例を示す概略構成図である。
【図14】実施形態2の要部動作説明図である。
【図15】同上の要部動作説明図である。
【図16】同上の要部動作説明図である。
【図17】実施形態3の要部動作説明図である。
【図18】同上の要部動作説明図である。
【図19】同上の要部動作説明図である。
【図20】実施形態4の要部動作説明図である。
【図21】同上の要部動作説明図である。
【図22】同上の要部動作説明図である。
【図23】実施形態5の要部動作説明図である。
【図24】同上の要部動作説明図である。
【図25】同上の要部動作説明図である。
【符号の説明】
【0076】
2 シフト位置センサ
3 操舵角センサ
4FR 超音波センサ
4FL 超音波センサ
4RR 超音波センサ
4RL 超音波センサ
5 ブザー
6 表示器
10 制御部
11 信号送受信部
12 位置検知部
14 進行軌跡予測部
15 接触予測部
16 ブザー駆動部
17 表示駆動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の進行軌跡を予測する進行軌跡予測手段と、車両に搭載され車両に対する障害物の相対位置を検出する障害物位置検出手段と、進行軌跡予測手段の出力と障害物位置検出手段の出力とに基づいて障害物と車両との接触可能性を判断する接触判断手段と、上記車両に対する障害物の位置に関する情報を表示する表示手段と、上記車両の乗員に対する警報音を出力する報知手段とを備え、接触判断手段は、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が有ると判断したときと、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が無いと判断したときとで表示手段の表示および報知手段による警報音の周波数をそれぞれ変化させることを特徴とする車両用障害物検知装置。
【請求項2】
上記接触判断手段は、接触可能性が低いと判断したときには表示手段に車両の進行方向への進行を許可する内容の表示を行わせることを特徴とする請求項1記載の車両用障害物検知装置。
【請求項3】
上記接触判断手段は、進行軌跡予測手段により予測された車両の予測進行軌跡を表示手段へ表示させることを特徴とする請求項1記載の車両用障害物検知装置。
【請求項4】
上記表示手段は、車両に対する障害物の存在する領域を示す複数の表示領域が設けられ、上記接触判断手段は、上記予測進行軌跡に応じて上記表示領域を変化させることを特徴とする請求項3記載の車両用障害物検知装置。
【請求項1】
車両の進行軌跡を予測する進行軌跡予測手段と、車両に搭載され車両に対する障害物の相対位置を検出する障害物位置検出手段と、進行軌跡予測手段の出力と障害物位置検出手段の出力とに基づいて障害物と車両との接触可能性を判断する接触判断手段と、上記車両に対する障害物の位置に関する情報を表示する表示手段と、上記車両の乗員に対する警報音を出力する報知手段とを備え、接触判断手段は、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が有ると判断したときと、障害物位置検出手段により相対位置が検出された障害物との接触可能性が無いと判断したときとで表示手段の表示および報知手段による警報音の周波数をそれぞれ変化させることを特徴とする車両用障害物検知装置。
【請求項2】
上記接触判断手段は、接触可能性が低いと判断したときには表示手段に車両の進行方向への進行を許可する内容の表示を行わせることを特徴とする請求項1記載の車両用障害物検知装置。
【請求項3】
上記接触判断手段は、進行軌跡予測手段により予測された車両の予測進行軌跡を表示手段へ表示させることを特徴とする請求項1記載の車両用障害物検知装置。
【請求項4】
上記表示手段は、車両に対する障害物の存在する領域を示す複数の表示領域が設けられ、上記接触判断手段は、上記予測進行軌跡に応じて上記表示領域を変化させることを特徴とする請求項3記載の車両用障害物検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−216066(P2006−216066A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35683(P2006−35683)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【分割の表示】特願2000−137101(P2000−137101)の分割
【原出願日】平成12年5月10日(2000.5.10)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【分割の表示】特願2000−137101(P2000−137101)の分割
【原出願日】平成12年5月10日(2000.5.10)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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