説明

車両駆動システム

【課題】圧縮空気を利用して補助的な動力を発生する車両駆動システムであって、圧縮空気を蓄えるタンクを小型かつ軽量にできる車両駆動システムを提供すること。
【解決手段】車両駆動システム2は、駆動輪13に主動力を供給する主動力装置3と、主動力とは別の補助動力を駆動輪13に供給する補助動力装置4と、を備える。補助動力装置4は、圧縮空気を生成するエアコンプレッサ42と、圧縮空気を蓄えるエアタンク41と、エアタンク41に蓄えられた圧縮空気を動力源として補助動力を発生し、発生した補助動力を駆動輪に伝達するエアモータ46と、エアタンク41からエアモータ46へ供給される圧縮空気を加熱する廃熱回収装置43と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両駆動システムに関する。より詳しくは、車両の駆動輪に主動力を供給する第1動力装置と、主動力とは別の補助動力を駆動輪に供給する第2動力装置との2つ以上の動力発生源を備えた車両駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車や自動二輪車などの車両の車輪を回転駆動するための動力を発生する動力発生源としては、主に、化石燃料をエネルギー源とした内燃機関や電気エネルギーをエネルギー源とした電気モータが知られている。しかしながら、内燃機関で動力を発生する場合、化石燃料の大量消費を招いたり、排気を浄化するためにシステムにかかる負担が大きくなったりするおそれがある。一方、電気モータで動力を発生するには例えばバッテリに蓄えられた電力が用いられるため、その航続距離が課題となる。特に車両の発進時、登坂走行時、および加速走行時などには大きな動力が要求されるため、バッテリに蓄えられた電力の消費が著しい。
【0003】
そこで近年では、化石燃料や電気エネルギーとは別のエネルギーを用いて、上記内燃機関や電気モータに対し補助的に動力を発生する車両駆動システムが注目されている。このようなシステムとして、例えば特許文献1には、内燃機関とは別に、圧縮空気を供給することで動力を発生するエアモータを搭載した車両が示されている。この車両では、内燃機関で発生したエネルギーを利用して圧縮空気を生成し、これをタンクに蓄えておく。そして、必要に応じてタンク内の圧縮空気をエアモータに供給し、補助的に動力を発生することにより、内燃機関における燃料の消費を低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−067267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、エアモータの動力を利用した車両には圧縮空気を蓄えておくためのタンクが設けられる。また、車両の駆動を補助できる程度に大きな動力を発生するには、高圧の圧縮空気を大量に蓄えておく必要があるが、この場合、容積が大きくかつ頑強なタンクが必要となる。しかしながら、近年では、小型かつ軽量な車両が好まれる傾向があり、このような大きくて重厚なタンクを設けるのは困難である。
【0006】
本発明は、圧縮空気を利用して補助的な動力を発生する車両駆動システムであって、圧縮空気を蓄えるタンクを小型かつ軽量にできる車両駆動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、車両(例えば、後述の車両1,1A,1B)の駆動輪(例えば、後述の駆動輪13)に主動力を供給する第1動力装置(例えば、後述の主動力装置3,3A)と、前記主動力とは別の補助動力を前記駆動輪に供給する第2動力装置(例えば、後述の補助動力装置4,4A)と、を備えた車両駆動システム(例えば、後述の車両駆動システム2)を提供する。前記第2動力装置は、前記車両外部の空気を圧縮し、圧縮空気を生成する空気圧縮部(例えば、後述のエアコンプレッサ42)と、当該空気圧縮部で生成した圧縮空気を蓄える空気蓄積部(例えば、後述のエアタンク41)と、当該空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を動力源として補助動力を発生し、発生した補助動力を前記駆動輪に伝達する補助動力部(例えば、後述のエアモータ46)と、前記空気蓄積部から前記補助動力部へ供給される圧縮空気を加熱する圧縮空気加熱部(例えば、後述の廃熱回収装置43)と、を備える。
【0008】
本発明によれば、空気圧縮部により生成した圧縮空気を空気蓄積部に蓄えておき、この圧縮空気を動力源として補助動力部により補助動力を発生し、さらにこの補助動力を駆動輪に伝達する。また、この発明によれば、圧縮空気加熱部で、空気蓄積部から補助動力部へ供給される圧縮空気を加熱することにより、補助動力部に供給される圧縮空気を膨張させて高圧にできるので、その分だけ圧縮空気を蓄える空気蓄積部を小型かつ軽量なものにすることができる。
【0009】
この場合、前記圧縮空気加熱部は、前記車両の走行に伴い発生した廃熱で圧縮空気を加熱することが好ましい。
【0010】
本発明によれば、例えば車両の制動時に発生した熱や第1動力装置で動力を供給することにより発生した熱などの、車両の走行に伴い発生した廃熱で圧縮空気を加熱する。これにより、圧縮空気を加熱するための加熱装置を設ける必要がないので、車両駆動システムをさらに小型かつ軽量なものにすることができる。また、廃熱を利用することにより、車両駆動システム全体のエネルギー効率を向上することができる。
【0011】
この場合、前記車両駆動システムは、前記車両の駆動輪の回転数を検出する回転数検出部(例えば、後述の回転数センサ71)と、前記車両に対する加速要求量(例えば、後述のアクセル開度)を検出する加速要求量検出部(例えば、後述のアクセル開度センサ72)と、前記回転数および前記加速要求量の検出値に基づいて前記第1動力装置および前記第2動力装置を制御する制御装置(例えば、後述のECU6)と、をさらに備え、前記制御装置は、前記回転数および前記加速要求量の検出値に基づいて前記車両の運転状況(例えば、後述の加速運転、クルーズ運転、減速運転、後進運転)を判定し、当該運転状況の判定結果に応じて前記補助動力部で発生した補助動力を前記駆動輪に供給することが好ましい。
【0012】
本発明によれば、駆動輪の回転数および車両に対する加速要求量の検出値に基づいて車両の運転状況を判定し、この運転状況の判定結果に応じて補助動力部で発生した補助動力を駆動輪に供給する。これにより、例えば、車両の発進時の他、低速運転状態、クルーズ運転状態、あるいは減速運転状態から加速要求された時などといった、駆動輪に大きな動力が要求される時に合わせて補助動力を供給することができるので、第1動力装置の負担を軽減することができる。結果として、車両駆動システム全体のエネルギー効率を向上することができる。
【0013】
この場合、前記第2動力装置は、前記空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を前記補助動力部に供給する供給流路(例えば、後述の供給流路451)と、前記補助動力部の回生運転時に生成された圧縮空気を前記空気蓄積部に供給する回生流路(例えば、後述の回生流路452)と、前記供給流路および前記回生流路を開閉する流路開閉装置(例えば、後述の流路切替装置47)と、をさらに備え、前記制御装置は、前記回転数の検出値が減少している場合には、前記回生流路を開くことが好ましい。
【0014】
本発明によれば、空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を補助動力部に供給する供給流路と、補助動力部の回生運転時に生成された圧縮空気を空気蓄積部に供給する回生流路と、を設けた。さらに、回転数の検出値が減少している場合、すなわち車両の減速時には上記回生流路を開くことにより、回生運転時に補助動力部で生成した圧縮空気を空気蓄積部に蓄えることができる。これにより、空気圧縮部を頻繁に駆動することなく空気蓄積部内の圧力を高く維持することができる。また、空気圧縮部を駆動するためのエネルギーの消費を抑制し、かつ使用頻度を抑えることで空気圧縮部の寿命を長くすることもできる。
【0015】
この場合、前記車両駆動システムは、前記空気蓄積部の空気圧を検出する空気圧検出部(例えば、後述の空気圧センサ73)をさらに備え、前記制御装置は、前記空気圧の検出値(例えば、後述のエアタンク残圧値Pr)が第1閾値(例えば、後述の閾値Pt_thr3)より小さい場合には、前記回生流路を開くことが好ましい。
【0016】
本発明によれば、空気蓄積部の空気圧の検出値が第1閾値より小さい場合には、回生流路を開いておくことにより、補助動力部で生成した圧縮空気を空気蓄積部に供給し、この空気蓄積部内の空気圧を高く維持することができる。これにより、補助動力が必要となったときには、これに応じて速やかに空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を補助動力部に供給し、補助動力を発生することができる。
【0017】
この場合、前記車両駆動システムは、前記空気蓄積部の空気圧を検出する空気圧検出部をさらに備え、前記制御装置は、前記空気圧の検出値が第2閾値(例えば、後述の閾値Pt_thr2)より小さい場合には、前記空気圧縮部で圧縮空気を生成し、前記空気蓄積部に供給することが好ましい。
【0018】
本発明によれば、空気蓄積部の空気圧の検出値が第2閾値より小さい場合には、空気圧縮部で圧縮空気を生成し、これを空気蓄積部に供給することにより、空気蓄積部内の空気圧を高く維持することができる。これにより、補助動力が必要となったときには、これに応じて速やかに空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を補助動力部に供給し、補助動力を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両駆動システム、およびこの車両駆動システムが適用された小型車両の構成を示す模式図である。
【図2】上記実施形態に係る補助動力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施形態に係る2つの動力装置の制御のメインフローチャートである。
【図4】運転状況が加速運転であると判定されたときにおける2つの動力装置の制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】運転状況がクルーズ運転または後進運転であると判定されたときにおける2つの動力装置の制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】運転状況が減速運転であると判定されたときにおける2つの動力装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両駆動システム、およびこの車両駆動システムが適用された小型車両の構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る車両駆動システム、およびこの車両駆動システムが適用された小型車両の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る車両駆動システム2、およびこの車両駆動システム2を適用した小型の車両1の構成を示す模式図である。
車両1は、2つの前輪11,12と、1つの後輪13と、運転者が操作可能な操作系14とを含んで構成された3輪の小型車両である。本実施形態では、車両駆動システム2で発生した動力を、車輪11〜13のうち後輪13のみに供給し、これを回転駆動する。したがって以下では後輪を駆動輪ともいう。
操作系14は、運転者が回動操作可能なアクセルグリップの他、ブレーキレバーやイグニッションスイッチなどの各種スイッチを備える(図示せず)。
【0021】
車両駆動システム2は、駆動輪13に主動力を供給する第1動力装置としての主動力装置3と、この主動力とは別の補助動力を駆動輪13に供給する第2動力装置としての補助動力装置4と、これら主動力装置3および補助動力装置4を制御する電子制御ユニット(以下「ECU(Electric Control Unit)」という)6と、を備える。
【0022】
主動力装置3は、バッテリ32と、インバータ33を介して接続された電気モータ31とを含んで構成される。電気モータ31は、その出力軸が駆動輪13のホイールに直結された所謂インホイールモータである。バッテリ32には、例えばリチウムイオンバッテリが用いられる。
【0023】
インバータ33は、バッテリ32から供給(放電)される直流電力を三相交流電力に変換するとともに電気モータ31に供給する。バッテリ32からの電力を供給することにより電気モータ31で発生した動力は、この車両1における主動力として駆動輪13を回転駆動し、車両1が走行する。
また、車両1の減速時において、駆動輪13から電気モータ31に動力が伝達すると、電気モータ31は発電機として機能し、回生制動力を発生する。インバータ33は、この電気モータ31の回生運転時に発生した三相交流電力を直流電力に変換するとともにバッテリ32に供給し、これを充電する。
【0024】
補助動力装置4は、エアタンク41と、エアモータ46と、これらエアタンク41およびエアモータ46を接続するエア流路45と、このエア流路45に接続された廃熱回収装置43および流路切替装置47と、を備える。
【0025】
エアタンク41は、圧縮空気を蓄える。エアタンク41の素材には、軽量かつ耐腐食性に優れたFRPが用いられる。また、エアタンク41には、エアコンプレッサ42が接続されている。エアコンプレッサ42は、車両1外部の空気を圧縮することにより圧縮空気を生成し、この圧縮空気をエアタンク41に供給する。このエアコンプレッサ42は、バッテリ32を電源として動作する。
【0026】
エアモータ46は、その出力軸464が駆動輪13のホイールに直結されたインホイールモータである。エアモータ46は、内径が偏心したハウジング461と、複数枚のベーンが組み込まれたロータ(図示せず)と、このロータに連結された出力軸464と、を含んで構成される。
【0027】
エアモータ46は、エア供給部462から圧縮空気が供給されると、圧縮空気の圧力を受けてベーンがロータとともにハウジング461内を回転し、このロータに連結された出力軸464を回転し、上記主動力に対する補助動力を発生する。また、エア供給部462から供給され出力軸464を回転させた空気は、エア排出部463から排出される。
【0028】
図2は、補助動力装置4の詳細な構成を示すブロック図である。
エアタンク41とエアモータ46とを接続するエア流路45は、図2中実線で示す供給流路451と、図2中破線で示す回生流路452との2つの流路により構成される。また、これら供給流路451および回生流路452は、3つの弁471,474,477を含んで構成された流路切替装置47により開閉される。
【0029】
供給流路451は、エアタンク41に接続されたエアタンク用三方切替弁471の吐出口472から廃熱回収装置43の後述の熱交換器433を経由し、エアモータ46のエア供給部462に至る。この供給流路451のうち熱交換器433とエアモータ46のエア供給部462との間には、分岐流路453が接続されている。また、この分岐流路453は、開放弁477を介して大気に開放されている。
回生流路452は、エアモータ46のエア排出部463に接続されたエアモータ用三方切替弁474の第1吐出口475から、エアタンク用三方切替弁471の吸入口473に至る。また、エアモータ用三方切替弁474の第2吐出口476は、大気に開放されている。
【0030】
エアモータ46は、流路切替装置47を制御することにより、駆動運転と、回生運転と、空転運転との、3種類のモードで運転することが可能となっている。以下、これら3つの運転モードについて詳細に説明する。
【0031】
駆動運転では、エアタンク41に蓄えられた圧縮空気を、供給流路451を介してエアモータ46に供給し補助動力を発生する。例えば車両の加速運転時など電気モータ21に大きな負荷がかかる時には、この電気モータ21の負担を軽減するべくエアモータ46を駆動運転することが好ましい。
より具体的には、エアモータ46を駆動運転する場合、エアタンク用三方切替弁471を吐出口472側にするとともに開放弁477を閉じ、供給流路451を介して圧縮空気をエアモータ46に供給する。また、エアモータ用三方切替弁474を第2吐出口476側にすることにより、エアモータ46のエア排出部463を大気に開放する。これにより、エアモータ46の出力軸464から補助動力が出力される。
【0032】
エアモータ46は、車両1の減速時において駆動輪13からの動力が伝達すると、コンプレッサとして機能し、回生制動力を発生する。回生運転では、エアモータ46で圧縮空気を生成し、この圧縮空気を、回生流路452を介してエアタンク41に供給する。例えば車両の減速時には、エアコンプレッサ42の負担を軽減するべくエアモータ46を回生運転することが好ましい。
より具体的には、エアモータ46を回生運転する場合、エアタンク用三方切替弁471を吸入口473側にするとともに開放弁477を開き、エアモータ46のエア供給部462を大気に開放する。また、エアモータ用三方切替弁474を第2吐出口476側にする。これにより、エアモータ42はコンプレッサとして機能し、生成した圧縮空気をエアタンク41に供給する。
【0033】
空転運転では、出力軸464を空転させることにより、上述のような回生制動力が発生するのを防止する。例えばエアタンクの空気圧が低くエアモータを駆動運転できない時や、エアタンクの空気圧が上限値に達しておりエアモータを回生運転できない時には、エアモータ46を空転運転することが好ましい。
より具体的には、エアモータ46を空転運転する場合、エアタンク用三方切替弁471を吸入口473側にし、開放弁477を開き、さらにエアモータ用三方切替弁474を第2吐出口476側にする。これにより、エアモータ46のエア供給部462およびエア排出部463は、ともに大気に開放された状態となるため、出力軸464は駆動輪の回転に抗することなく空転する。
【0034】
廃熱回収装置43は、冷媒が循環する冷媒循環路431と、この冷媒循環路431に設けられた冷媒ポンプ432および熱交換器433と、を備える。
冷媒循環路431は、電気モータ31やバッテリ32などの車両の走行に伴い廃熱が発生する機器をその経路に含んでおり、冷媒を循環させることでこれら電気モータ31やバッテリ32を冷却する。冷媒ポンプ432は、冷媒循環路431内に冷媒を圧送する。
【0035】
熱交換器433は、冷媒循環路431内を循環する冷媒と熱交換することにより冷媒を冷却する。また、この熱交換器433は、エア流路45の供給流路451に接続されているため、この供給流路451を流通する圧縮空気を加熱することが可能となっている。
したがって、この廃熱回収装置43によれば、車両の走行に伴い電気モータ31やバッテリ32で発生した廃熱を、冷媒循環路431を循環する冷媒を介して回収し、この廃熱でエアモータ46に供給される圧縮空気を加熱する。
【0036】
図1に戻って、ECU6には、回転数センサ71、アクセル開度センサ72、空気圧センサ73、バッテリ電流センサ74、およびバッテリ電圧センサ75などの各種センサの他、バッテリ警告灯76が接続されている。回転数センサ71は、駆動輪13の回転数を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。アクセル開度センサ72は、運転者の車両1に対する加速要求量、すなわちアクセルグリップのアクセル開度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。空気圧センサ73は、エアタンク41の空気圧を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。バッテリ電流センサ74は、バッテリ32の出力電流を検出し、この検出値に略比例した信号をECU6に送信する。バッテリ電圧センサ75は、バッテリ32の出力電圧を検出し、この検出値に略比例した信号をECU6に送信する。バッテリ警告灯76は、ECU6から送信された制御信号に応じて点灯し、運転者にバッテリ32の残量が少ないことを報知する。
【0037】
ECU6は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU6は、CPUで実行される各種演算プログラムおよび演算結果などを記憶する記憶回路と、インバータ33、冷媒ポンプ432、エアコンプレッサ42、エアタンク用三方切替弁471、エアモータ用三方切替弁474、開放弁477、およびバッテリ警告灯76などに制御信号を出力する出力回路とを備える。
【0038】
以下、ECU6による主動力装置3および補助動力装置4の制御について詳細に説明する。
図3は、2つの動力装置の制御のメインフローチャートである。このメインフローチャートで示される一連の処理は、イグニッションスイッチをオンにしてからオフにされるまで繰り返し実行される。
【0039】
ステップS1では、バッテリ電圧センサおよびバッテリ電流センサの検出値に基づいてバッテリの残量Brを算出し、ステップS2に移る。ステップS2では、バッテリ残量Brが閾値B_emptyであるか否かを判別する。ステップS2の判別がYESの場合には、バッテリの電力を用いた走行が困難であると判断し、ステップS3に移る。そして、ステップS3では、バッテリ残量警告灯を点灯し、運転者にバッテリの充電を促した後、この処理を直ちに終了する。一方、ステップS2の判別がNOの場合には、バッテリの電力を用いた走行が可能であると判断し、ステップS4に移る。
【0040】
ステップS4では、回転数センサおよびアクセル開度センサの検出値に基づいて車両の運転状況を判定し、ステップS5に移る。本実施形態では、車両の運転状況を、加速運転と、クルーズ運転と、減速運転と、後進運転とに分ける。より具体的には、アクセル開度が所定の閾値を超えた場合には、駆動輪の回転数にかかわらず、車両の運転状況は加速運転であると判定し、駆動輪の回転数が略一定である場合には、車両の運転状況はクルーズ運転であると判定する。また、駆動輪の回転数が減少側へ変化している場合には、車両の運転状況は減速運転であると判定し、駆動輪が逆転している場合には、車両の運転状況は後進運転であると判定する。
【0041】
ステップS5では、上記ステップS4における運転状況の判定結果に応じた主動力装置および補助動力装置の制御を実行する。以下では、運転状況ごとにおける制御の手順について、図4から図6を参照して詳細に説明する。
【0042】
図4は、運転状況が加速運転であると判定されたときにおける2つの動力装置の制御の手順を示すフローチャートである。以下、詳細に説明するように、運転状況が加速運転であると判定された場合には、電動モータの出力を軽減するべく、基本的にはエアモータの出力を最大限に利用する。
【0043】
ステップS11では、運転者からの要求駆動力Ddを算出し、ステップS12に移る。要求駆動力Ddは、運転者が駆動輪に発生させたい駆動力を示すものであり、駆動輪の回転数およびアクセル開度に基づいて所定のマップを検索することにより算出される。
ステップS12では、空気圧センサの出力値に基づいてエアタンク残圧値Prを取得し、ステップS13では、このエアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr1以上であるか否かを判別する。
【0044】
ステップS13における判別がNOであり、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr1より小さい場合には、エアタンクから圧縮空気を供給しても有意な補助動力を発生できないと判断し、ステップS14に移る。ステップS14では、電気モータのみを駆動し要求駆動力Ddに応じた主動力を発生させる。
【0045】
ステップS13における判別がYESであり、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr1以上である場合には、エアタンクから圧縮空気を供給することで有意な補助動力を発生できると判断し、ステップS15に移る。ステップS15では、エアモータの駆動力Daを算出し、ステップS16に移る。このエアモータの駆動力Daは、エアタンクから圧縮空気をエアモータに供給しエアモータで補助動力を発生させたときに駆動輪で発生する駆動力に相当し、上記ステップS12で取得したエアタンク残圧値Prに基づいて算出される。ステップS16では、エアモータの駆動力Daが要求駆動力Dd以上であるか否かを判別する。この判別がYESである場合には、ステップS17に移り、エアモータのみを駆動し要求駆動力Ddに応じた補助動力を発生させる。
【0046】
ステップS16における判別がNOである場合には、電気モータとエアモータの両方を駆動し、要求駆動力Ddに応じた動力を発生させる。この場合、エアモータでは、上記駆動力Daに相当する補助動力を発生させ、電気モータでは、上記要求駆動力Ddからエアモータの駆動力Daを除した駆動力(Dd−Da)に相当する主動力を発生させる。
【0047】
図5は、運転状況がクルーズ運転または後進運転であると判定されたときにおける2つの動力装置の制御の手順を示すフローチャートである。以下、詳細に説明するように、運転状況がクルーズ運転であると判定された場合には、基本的には、エアモータによる電気モータの補助を行わず、バッテリの残量に応じてエアコンプレッサを駆動しエアタンクに圧縮空気を供給する。
【0048】
ステップS21では、運転者からの要求駆動力Ddを算出し、ステップS22に移る。ステップS22では、バッテリ電流センサおよびバッテリ電圧センサの検出値に基づいてバッテリ残量Brを算出し、ステップS23に移る。ステップS23では、電気モータを駆動可能か否か、すなわち、要求駆動力Ddに応じた主動力を電気モータで発生させることができるか否かを、バッテリ残量Brに基づいて判別する。この判別がNOである場合には、ステップS29に移り、バッテリ警告灯を点灯させた後、この処理を終了する。
【0049】
ステップS23の判別がYESの場合には、ステップS24に移り、電気モータの駆動に加えて、エアコンプレッサが駆動可能であるか否かを、バッテリ残量Brに基づいて判別する。この判別がNOである場合には、ステップS28に移り、エアコンプレッサを駆動せずに電気モータのみを駆動し、上記要求駆動力Ddに相当する主動力を発生させる。
【0050】
ステップS24の判別がYESである場合には、ステップS25に移り、エアタンク残圧値Prを取得し、ステップS26に移る。ステップS26では、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr2以上であるか否かを判別する。本実施形態では、この閾値Pt_thr2を、エアタンクの許容圧力値Pt_maxよりもやや小さな値に設定するが、これに限らず許容圧力値Pt_maxと等しくしてもよい。閾値Pt_thr2を許容圧力値Pt_maxよりもやや小さな値にすることにより、エアタンクにかかる負荷を軽減することができるので、その分エアタンクの寿命を確保することができる。この判別がYESの場合には、エアタンクには十分な量の圧縮空気が蓄えられていると判断し、ステップS28に移り、エアコンプレッサを駆動せずに電気モータのみを駆動し、上記要求駆動力Ddに相当する主動力を発生させる。
一方、ステップS26の判別がNOであり、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr2よりも小さく、エアタンクに圧縮空気を供給する必要があると判断し、ステップS27に移りエアコンプレッサを駆動し圧縮空気をエアタンクに供給する。さらにステップS28に移り電気モータを駆動し、上記要求駆動力Ddに相当する主動力を発生させる。
【0051】
図6は、運転状況が減速運転であると判定されたときにおける2つの動力装置の制御の手順を示すフローチャートである。以下、詳細に説明するように、運転状況が減速運転であると判定された場合には、バッテリの残量およびエアタンクの残圧値に応じて、電気モータおよびエアモータの回生運転を実行する。
【0052】
ステップS31では、アクセルグリップがアクセル戻し方向に操作された状態であるか否かを、アクセル開度に基づいて判別する。この判別がYESの場合には、ステップS32に移り、NOの場合には、この処理を直ちに終了する。
【0053】
ステップS32では、バッテリ残量Bを算出し、ステップS33に移る。ステップS33では、バッテリ残量Brが閾値B_thr以上であるか否かを判別する。本実施形態では、閾値B_thrをバッテリの容量B_maxよりもやや小さな値に設定するが、これに限らずバッテリの容量B_maxと等しくしてもよい。この判別がYESの場合には、ステップS35に移る。この判別がNOの場合には、ステップS34に移り電気モータの回生運転を行い、ステップS35に移る。
【0054】
ステップS35では、エアタンク残圧値Prを取得し、ステップS36に移る。ステップS36では、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr3以上であるか否かを判別する。本実施形態では、閾値Pt_thr3をエアタンクの許容圧力値Pt_maxよりもやや小さな値に設定するが、これに限らず許容圧力値Pt_maxと等しくしてもよい。ここでも、閾値Pt_thr3を許容圧力値Pt_maxよりもやや小さな値に設定することにより、エアタンクにかかる負担を軽減できるので、その分エアタンクの寿命を確保することができる。この判別がYESの場合には、この処理を直ちに終了する。この判別がNOの場合には、ステップS37に移りエアモータの回生運転を行い、この処理を終了する。
【0055】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、エアコンプレッサ42により生成した圧縮空気をエアタンク41に蓄えておき、この圧縮空気を動力源としてエアモータ46により補助動力を発生し、さらにこの補助動力を駆動輪13に伝達する。また、本実施形態によれば、廃熱回収装置43で、エアタンク41からエアモータ46へ供給される圧縮空気を加熱することにより、エアモータ46に供給される圧縮空気を膨張させて高圧にできるので、その分だけ圧縮空気を蓄えるエアタンク41を小型かつ軽量なものにすることができる。
【0056】
(2)本実施形態によれば、例えば車両1の制動時に発生した熱や主動力装置3で動力を供給することにより発生した熱などの、車両1の走行に伴い発生した廃熱で圧縮空気を加熱する。これにより、圧縮空気を加熱するための加熱装置を設ける必要がないので、車両駆動システム2をさらに小型かつ軽量なものにすることができる。また、廃熱を利用することにより、車両駆動システム2全体のエネルギー効率を向上することができる。
【0057】
(3)本実施形態によれば、駆動輪13の回転数およびアクセル開度に基づいて車両1の運転状況を判定し、この運転状況の判定結果に応じてエアモータ46で発生した補助動力を駆動輪13に供給する。これにより、例えば、車両1の発進時の他、低速運転状態、クルーズ運転状態、あるいは減速運転状態から加速要求された時などといった、駆動輪13に大きな動力が要求される時に合わせて補助動力を供給することができるので、主動力装置3の負担を軽減することができる。結果として、車両駆動システム2全体のエネルギー効率を向上することができる。
【0058】
(4)本実施形態によれば、エアタンク41に蓄えられた圧縮空気をエアモータ46に供給する供給流路451と、エアモータ46の回生運転時に生成された圧縮空気をエアタンク41に供給する回生流路452と、を設けた。さらに、車両1の減速時には回生流路452を開くことにより、回生運転時にエアモータ46で生成した圧縮空気をエアタンク41に蓄えることができる。これにより、エアコンプレッサ42を頻繁に駆動することなくエアタンク41内の圧力を高く維持することができる。また、エアコンプレッサ42を駆動するためのエネルギーの消費を抑制し、かつ使用頻度を抑えることでエアコンプレッサ42の寿命を長くすることもできる。
【0059】
(5)本実施形態によれば、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr3より小さい場合には、回生流路452を開いておくことにより、エアモータ46で生成した圧縮空気をエアタンク41に供給し、このエアタンク41内の空気圧を高く維持することができる。これにより、補助動力が必要となったときには、これに応じて速やかにエアタンク41に蓄えられた圧縮空気をエアモータ46に供給し、補助動力を発生することができる。
【0060】
(6)本実施形態によれば、エアタンク残圧値Prが閾値Pt_thr2より小さい場合には、エアコンプレッサ42で圧縮空気を生成し、これをエアタンク41に供給することにより、エアタンク41内の空気圧を高く維持することができる。これにより、補助動力が必要となったときには、これに応じて速やかにエアタンク41に蓄えられた圧縮空気をエアモータ46に供給し、補助動力を発生することができる。
【0061】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図7は、本実施形態に係る車両駆動システム2A、およびこの車両駆動システム2Aが適用された小型の車両1Aの構成を示す模式図である。
【0062】
図7に示すように、主動力装置3Aは、第1実施形態の主動力装置と異なり太陽電池パネル34Aをさらに備える。太陽電池パネル34Aは、インバータ33を介してバッテリ32に接続されており、太陽電池パネル34Aで発電した電力を、車両1Aの運転状況によらずバッテリ32に充電することができる。
また、補助動力装置4Aのエアモータ46の出力軸464は、減速機465Aを介して駆動輪13に接続されている。
【0063】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について、図8を参照して説明する。
以下の第3実施形態の説明にあたって、第2実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図8は、本実施形態に係る車両駆動システム2B、およびこの車両駆動システム2Bが適用された小型の車両1Bの構成を示す模式図である。
【0064】
図8に示すように、補助動力装置4Bは、第2実施形態の補助動力装置4Aと比較して、さらに2つのエアモータ48B,49Bを備える。これら2つのエアモータ48B,49Bの出力軸484B,494B、それぞれ、前輪11,12に接続されている。また、これらエアモータ48B,49Bのエア供給部およびエア排出部(図示せず)は、エア流路45に、エアモータ46と並列に接続されている。
本実施形態によれば、駆動輪13のエアモータ46に加えて、前輪11,12のエアモータ48B,49Bでも回生運転を行うことができるので、より効率的に圧縮空気を生成し、エアタンク41に供給することができる。
【0065】
また、このように全車輪にエアモータの出力軸を連結することにより、流路切替装置47を制御することで、例えば、2つの前輪11,12に連結されたエアモータ48B,49Bと後輪13に連結されたエアモータ46とを、それぞれ独立して駆動運転したり回生運転したりすることもできる。
より具体的には、電気モータ31の運転状態に応じて前輪11,12のエアモータ48B,49Bと後輪13のエアモータ46とを独立して運転することで、より安定した走行が可能となる。例えば、電気モータ31によって後輪13を駆動している場合、前輪11,12のエアモータ48B,49Bを空転運転し、後輪13のエアモータ46を駆動運転することにより、前輪11,12の回転数と後輪13の回転数とで差が発生するのを防止できるので、安定した走行が可能となる。また、例えば、電気モータ31で後輪13を駆動していない場合、前輪11,12のエアモータ48B,49Bを駆動運転し、後輪13のエアモータ46を空転運転することにより、前輪11,12のみで走行できるので、安定した走行が可能となる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、主動力装置3における動力発生源として電気モータ31を用いたが、これに限らず内燃機関を用いてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、電気モータ31の出力軸を駆動輪13のホイールに直結したが、これに限らない。例えば、電気モータの出力軸を、変速機やクラッチなどの動力伝達装置を介して駆動輪のホイールに連結してもよい。
また、上記実施形態では、エアモータ46の出力軸464を駆動輪13に連結したが、これに限らず、電気モータの出力軸に連結してもよい。この場合、エアモータの出力軸と電気モータの出力軸とを断続するために、これら出力軸はクラッチを介して連結してもよい。
また、上記実施形態では、2つの前輪と1つの後輪とで構成された3輪の小型車両に車両駆動システムを適用した例で説明したが、これに限らない。本発明の車両駆動システムは、1つの前輪と1つの後輪とで構成された2輪車両、あるいは2つの前輪と2つの後輪とで構成された4輪車両など、駆動輪で走行する車両であればどのような車両でも適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1,1A,1B…車両
13…駆動輪
2,2A,2B…車両駆動システム
3,3A…主動力装置(第1動力装置)
31…電気モータ
4,4A,4B…補助動力装置(第2動力装置)
41…エアタンク(空気蓄積部)
42…エアコンプレッサ(空気圧縮部)
43…廃熱回収装置(圧縮空気加熱部)
45…エア流路
451…供給流路
452…回生流路
46,48B,49B…エアモータ(補助動力部)
47…流路切替装置(流路開閉装置)
6…ECU(制御装置)
71…回転数センサ(回転数検出部)
72…アクセル開度センサ(加速要求量検出部)
73…空気圧センサ(空気圧検出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動輪に主動力を供給する第1動力装置と、
前記主動力とは別の補助動力を前記駆動輪に供給する第2動力装置と、を備えた車両駆動システムであって、
前記第2動力装置は、
前記車両外部の空気を圧縮し、圧縮空気を生成する空気圧縮部と、
当該空気圧縮部で生成した圧縮空気を蓄える空気蓄積部と、
当該空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を動力源として補助動力を発生し、発生した補助動力を前記駆動輪に伝達する補助動力部と、
前記空気蓄積部から前記補助動力部へ供給される圧縮空気を加熱する圧縮空気加熱部と、を備えることを特徴とする車両駆動システム。
【請求項2】
前記圧縮空気加熱部は、前記車両の走行に伴い発生した廃熱で圧縮空気を加熱することを特徴とする請求項1に記載の車両駆動システム。
【請求項3】
前記車両の駆動輪の回転数を検出する回転数検出部と、
前記車両に対する加速要求量を検出する加速要求量検出部と、
前記回転数および前記加速要求量の検出値に基づいて前記第1動力装置および前記第2動力装置を制御する制御装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記回転数および前記加速要求量の検出値に基づいて前記車両の運転状況を判定し、当該運転状況の判定結果に応じて前記補助動力部で発生した補助動力を前記駆動輪に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の車両駆動システム。
【請求項4】
前記第2動力装置は、
前記空気蓄積部に蓄えられた圧縮空気を前記補助動力部に供給する供給流路と、
前記補助動力部の回生運転時に生成された圧縮空気を前記空気蓄積部に供給する回生流路と、
前記供給流路および前記回生流路を開閉する流路開閉装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記回転数の検出値が減少している場合には、前記回生流路を開くことを特徴とする請求項3に記載の車両駆動システム。
【請求項5】
前記空気蓄積部の空気圧を検出する空気圧検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記空気圧の検出値が第1閾値より小さい場合には、前記回生流路を開くことを特徴とする請求項4に記載の車両駆動システム。
【請求項6】
前記空気蓄積部の空気圧を検出する空気圧検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記空気圧の検出値が第2閾値より小さい場合には、前記空気圧縮部で圧縮空気を生成し、前記空気蓄積部に供給することを特徴とする請求項4に記載の車両駆動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−102095(P2011−102095A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258035(P2009−258035)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】