説明

車載機および車載機に対する無線通信設定方法

【課題】車両に搭載される車載機と当該車両内に存在する携帯端末との間での無線通信の設定作業の負荷を可及的に軽減する。
【解決手段】車両に搭載され、該車両内のユーザに対して情報を提供する車載機であって、車載機と車両内のユーザが有する一又は複数の携帯端末との間の無線通信を可能状態とするための初期応答指示を、該一又は複数の携帯端末に対して無線で送信する送信部と、送信部からの初期応答指示に応じた、一又は複数の携帯端末からの応答を受信する受信部と、受信部による受信結果に基づいてユーザが選択した、無線通信の接続認証を要求する所定の携帯端末を受け付ける選択受付部と、選択受付部によって受け付けられた所定の携帯端末と車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする無線通信設定部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、該車両のユーザに様々な情報を提供する車載機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の車両では、ユーザに地図情報や音楽等のコンテンツ情報を提供することで、該ユーザの車両操縦環境の充実を図る車載機が広く利用されている。一方で、ユーザ個人は、当該車両内だけではなく様々な環境化で使用できる携帯電話等の携帯端末を有している場合があり、それを利用して外部との連絡や情報の取得等を行っている。このような環境下において、ユーザが有する携帯端末と車両に搭載される車載機との相互通信が要求される場合がある。例えば、携帯端末内に記録されている情報を車載機側に転送して、目的に応じた情報処理を車載機で行う場合や、携帯電話の場合には、車両の安全運転の観点から車載機を利用して通話を行いたい場合がそれである。
【0003】
このようにユーザが有する携帯端末と車載機との間で相互通信を行う場合には、車載機に対して携帯端末を通信対象として認識させるための接続処理が必要となる。例えば、特許文献1に、携帯電話からの接続要求があったときに車載機のディスプレイに接続のための二次元コードを表示し、その二次元コードを携帯電話に備えられたカメラで撮像し、認証のための所定の処理を行う技術が開示されている。これにより、携帯電話と車載機との通信のための接続処理が比較的容易に行われる。
【0004】
また、車載機と携帯端末とを無線通信で接続する場合、車載機側に登録されている様々な情報、特に個人に関する情報が他人にアクセスされることがないように、車載機側のデータベースに携帯端末を認識するための識別情報も併せて記録する技術が公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。この技術によると、データベース内の所定の情報へのアクセスは、それに対応する携帯端末に限定されるため、不用意な情報の漏出を防ぐことが可能とされる。
【特許文献1】特開2007−258906号公報
【特許文献2】特開2002−288172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両に搭載される車載機によってユーザに対して様々な情報の提供が行われる。ここで、車載機とユーザが有する携帯端末との間で無線通信を行う場合、その無線通信の対象として当該携帯端末を車載機側に認識させる必要がある。このとき、従来からの技術では、携帯端末から車載機へのアクセスを契機として車載機が無線通信の対象となる携帯端末の存在を認識し、その上で所定の処理を行うことで両者の間での無線通信が可能となる。このような場合、ユーザは自己の有する携帯端末を車載機と無線通信可能な状態とするためには、該当する携帯端末毎に車載機に対して通信設定を行っていく必要があり、設定作業が比較的煩わしいものとなる。
【0006】
本発明では、上記した問題に鑑み、車両に搭載される車載機と当該車両内に存在する携帯端末との間での無線通信の設定作業の負荷を可及的に軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、車載機と無線端末との無線通信可能状態の設定に関しては、車載機側からの車両内の一又は複数の携帯端末に対する指示を契機とすることとした。このように車載機側からの指示を契機とすることで、車両内の携帯端末に対
する通信設定の作業をまとめて行うことが可能となる。その結果、ユーザの作業負荷を軽減することが可能となる。
【0008】
詳細には、本発明は、車両に搭載され、該車両内のユーザに対して情報を提供する車載機であって、前記車載機と前記車両内のユーザが有する一又は複数の携帯端末との間の無線通信を可能状態とするための初期応答指示を、該一又は複数の携帯端末に対して一度に無線で送信する送信部と、前記送信部からの初期応答指示に応じた、前記一又は複数の携帯端末からの応答を受信する受信部と、前記受信部による受信結果に基づいてユーザが選択した、無線通信の接続認証を要求する所定の携帯端末を受け付ける選択受付部と、前記選択受付部によって受け付けられた前記所定の携帯端末と前記車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする無線通信設定部と、を備える。
【0009】
本発明に係る車載機においては、送信部による車両内の携帯端末に対する初期応答指示の送信が、車載機と携帯端末との間の無線通信の設定の契機となる。この初期応答指示の送信は、車両内の特定の一つの携帯端末に対して行うものではなく、車両内に存在する任意の携帯端末に対して行い得るものであり、換言すると、携帯端末側が初期応答指示に対応可能であるか不可能であるかにかかわらず、車両内に存在し得る携帯端末に到達するように実行されるものである。なお、送信部による送信は、その一つの送信処理過程において、初期応答指示が車両内の携帯端末に到達しさえすれば、どのような送信形態であっても構わない。
【0010】
そして、この初期応答指示の送信が行われ、それを受信した携帯端末から発せられた応答は、受信部によって受信され、これにより車載機と無線通信を行う対象となり得る携帯端末の存在を車載機が知ることができる。また、場合によっては、車載機側からの初期応答指示に対して応答しないように設定されている携帯端末が存在する場合もあり、このような携帯端末については、無線通信の対象として車載機側では認識できない。そして、この受信部の受信結果に基づいて、無線通信の設定に関するユーザの所定の携帯端末の選択を選択部受付部が受け付け、その後、無線通信設定部によって当該所定の携帯端末と車載機との間に無線通信が設定される。
【0011】
このように、本発明に係る車載機においては、送信部による初期応答指示の送信を契機として、ユーザが車載機との間に無線通信を設定したい所定の携帯端末に対して、当該設定のための処理が行われることになる。そのため、ユーザが無線通信のために行うべき作業は、車載機側に無線通信の対象として認識されている携帯端末の中から所定の携帯端末を選択することであり、ユーザの作業を軽減しながら無線通信の設定を確実に行うことができる。なお、本発明に係る車載機では、無線通信の設定のために必要なその他の作業を排除するものではない。例えば、無線通信設定部によって無線通信が所定の携帯端末との間に設定されるために、通信の安全を確保する等の観点からユーザに対してパスワード等の入力を要求するようにしてもよい。
【0012】
ここで、上記車載機において、前記無線通信設定部によって前記車載機との間の無線通信が承認された携帯端末を識別可能に記憶する記憶部を、更に備えるように構成してもよく、そのような場合、前記受信部による受信結果に基づいて、前記送信部からの初期応答指示に応じた携帯端末のうち前記記憶部に記憶されていたと判断される携帯端末に対しては、自動的に前記車載機との無線通信が設定される。
【0013】
以前に無線通信設定部によって無線通信が設定されたことがある無線端末については、初期応答指示に対する応答結果によってその存在が車載機側で認識された場合には、車載機と当該無線端末との間に無線通信を設定しても、通信の安全が脅かされる可能性は低い。一方で、その存在をもって自動的に無線通信が設定されるようにすることで、既に当該
携帯端末と車載機とを接続したことがあるユーザの利便性は高くなると考えられる。
【0014】
ここで、上述までの車載機において、ユーザに提供する情報を表示する表示部と、前記受信部によって受信された前記一又は複数の携帯端末からの応答結果を前記表示部に表示する応答結果表示部と、を更に備えるようにしてもよい。このように応答結果表示部を備えることで、ユーザが車載機との間に無線通信の設定を行いたいと考える、所定の携帯端末の選択が容易に行える。なお、表示される一又は複数の携帯端末からの応答結果について、初期応答指示に応答しないように設定されている携帯端末については、応答はあり得ないため当然ながら応答結果表示部によって表示部に表示されることはない。また、初期応答指示に対して応答は可能であるが、無線通信の設定を行わないように設定されている携帯端末については、応答があった結果だけを表示すればよく、好ましくは無線通信の設定が禁止されているというステータスが表示される。このように応答結果として、車載機を使用するユーザの利便性を考慮して、様々な表示形態が採用できる。
【0015】
また上記車載機において、前記応答結果表示部は、前記初期応答指示に対する応答があった複数の前記携帯端末を同時に前記表示部に表示し、ユーザによる前記所定の携帯端末の選択を可能とするようにしてもよい。いわば無線通信設定の候補となる携帯端末を同時に表示することで、ユーザによる所定の携帯端末の選択が容易に行うことができる。
【0016】
ここで、上述までの車載機では、送信部による初期応答指示の送信が契機となって、携帯端末と車載機との間での無線通信の設定が行われることになる。この送信部による初期応答指示の送信を前提としながら、携帯端末からの無線通信の設定要求を契機として、同様に無線通信の設定を行う構成を備えるようにしてもよい。すなわち、上記車載機において、前記車両内のユーザが有する一の携帯端末と前記車載機間の無線通信を設定するための、該一の携帯端末から該車載機へ出される接続承認要求を受け付ける接続承認要求受付部と、前記接続承認要求受付部が接続承認を受け付けたとき、前記一の携帯端末と前記車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする補助的無線通信設定部と、を更に備える構成も採用できる。これにより、送信部からの初期応答指示に応答しない携帯端末に対しても、当該携帯端末からの接続承認要求に対し車載機側が応答する形態で、両者の間に無線通信を設定することが可能となる。
【0017】
ここで、上記の車載機と無線通信の設定が可能な携帯端末として、ユーザが有する携帯電話が挙げられる。その場合、前記無線通信設定部は、ユーザが自己の携帯電話を介した通話を前記車載機に備えられるスピーカを通して行うためのハンズフリーモードを含む複数のモードによる無線通信を設定可能であってもよい。更に、当該無線通信設定部は、前記選択受付部によって受け付けられた前記所定の携帯端末と前記車載機との間において、前記複数のモードの無線通信を一括して設定し、両者間での該複数のモードによる無線通信を可能としてもよい。無線通信設定部が複数の無線通信のモードを一括して設定することで、ユーザが各モード毎に車載機に対して無線通信の設定処理を行う必要がなくなり、以てユーザの利便性が高まる。
【0018】
また、前記無線通信設定部は、前記ハンズフリーモードの他に、前記ユーザの携帯電話内に記録されている音楽データを前記車載機に転送し、該音楽データの再生を該車載機に備えられるスピーカを通して行う音楽再生モードによる無線通信を設定可能とするようにしてもよい。この結果、無線通信設定部の設定により、ユーザは、一台の携帯電話に対して、ハンズフリーモードと音楽再生モードとを一連の処理の中で行うことができるため、煩わしさを覚える可能性が低くなる。
【0019】
なお、上述までの車載機と携帯端末との無線通信には様々な無線形態を採用できるが、その一例として、Bluetooth規格による通信も採用できる。
【0020】
ここで、本発明を、車両に搭載され該車両内のユーザに対して情報を提供する車載機と、該ユーザが有する一又は複数の携帯端末との間の無線通信を可能状態とする無線通信設定方法の側面から捉えることもできる。この場合、当該無線通信設定方法は、前記車載機側から前記一又は複数の携帯端末に対して、無線通信を可能状態とするための初期応答指示を無線で送信する送信ステップと、前記初期応答指示に応じた、前記一又は複数の携帯端末からの応答を受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された受信結果をユーザに表示する表示ステップと、前記表示ステップにおける表示結果に基づいてユーザが選択した、無線通信の接続認証を要求する所定の携帯端末を受け付ける選択受付ステップと、前記選択受付ステップにおいて受け付けられた前記所定の携帯端末と前記車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする無線通信設定ステップと、を含む。
【0021】
また、上記無線通信設定方法において、前記表示ステップでは、前記車両内に存在する複数の携帯端末の中から、ユーザが前記所定の携帯端末を選択できるように、ユーザに対して前記受信結果を表示するようにしてもよい。このように表示することで、ユーザの利便性が向上する。
【0022】
なお、上記車載機に関して出願人が開示した技術的思想は、技術的矛盾が生じない限り、当該無線通信設定方法にも適用可能であり、適用された場合、上述した作用効果が十分に予期できる。
【発明の効果】
【0023】
車両に搭載される車載機と当該車両内に存在する携帯端末との間での無線通信の設定作業の負荷を可及的に軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ここで、本発明に係る車載機の実施例について、明細書添付の図面に基づいて説明する。尚、当該実施例は本発明に係る車載機の一例を示すものであり、本発明の権利範囲を限定するものではない。ここで、図1は、車載機20が搭載された車両12の概略構成を示す図である。車両12では、ステアリングおよびシフトレバーが設けられている操縦席(右前方席)と助手席(左前方席)の間に、車載機20が搭載されている。この車載機20は、スピーカ11(左前方スピーカを11a、右前方スピーカを11b、操縦者用左右スピーカを11c、11d、後部席用左右スピーカを11e、11fと番号付けするとともに、各スピーカを総括してスピーカ11と称する。)から出力される音声やディスプレイ26に表示される映像等を利用して、車両12内の空間(車内空間)13にいるユーザに対して様々な情報を提供する機器であり、その詳細については後述する。
【0025】
また、図1に示す車内空間13には、操縦者であるユーザ1をはじめ、ユーザ2、3、4の合計四人が座っており、各ユーザは携帯端末としての携帯電話1a、2a、3a、4aをそれぞれ有している。これらの携帯電話は、いわゆるBluetooth規格による無線通信(以下、単に「無線通信」と言う。)を可能としており、当該無線通信を利用して、同様にBluetooth規格による無線通信が可能な外部の装置と情報の送受信を行うことが可能である。なお、このBluetooth規格による無線通信は既によく知られている技術であるから、本明細書ではその詳細の記載は省略する。
【0026】
ここで、上述した車載機20による情報提供は、該車載機20の一部を構成する制御装置40によって制御されている。そこで、図2に基づいて、車載機20のより詳細な構成と、車両12に搭載される様々な機器と車載機20との相関について説明する。車載機20は、主に、各種制御を司る制御装置40、ディスプレイ26、制御装置40に対してユ
ーザからの指示を入力する入力部25、再生コンテンツを格納するハードディスクドライブ(HDD)23およびCD/DVDデッキ24、制御装置40がその制御において必要なデータやプログラム等を格納するための図示しないRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備えている。さらに、車載機20は、Bluettoth規格による外部機器との無線通信を可能とする送受信センサ27を備えており、この送受信センサ27を介して制御装置40が、上述した車内空間13にいるユーザが有する携帯電話と無線通信を行うことが可能である。
【0027】
ここで、制御装置40は、車載機20が果たす様々な機能毎に対応する制御部を有している。車載機20は、ユーザへの音楽提供、車両12のナビゲーション情報の提供、そしてユーザが有する携帯電話1a〜4aとの無線通信を行うことができ、これらの各機能毎に対応する制御部が、音声再生制御部41、ナビ制御部42、無線通信制御部43として、制御装置40内に形成されている。以下に、各制御部の説明を行う。
【0028】
音声再生制御部41は、主に、ユーザに対して音楽サービスを提供するために、車載機20を、音楽データを処理する装置として機能させるための制御を司る。それにより、車載機20は、いわゆる音楽データをコンテンツデータとして車内空間13で再生する機能を有する。この音楽データの処理については、HDD23やCD/DVDデッキ24に格納されている音楽データが、入力部25を介して入力されたユーザからの再生指示に従って再生されることになる。尚、入力部25の構成としては、車載機20に設けられた機械的な入力ボタンや、ディスプレイ26に表示される、いわゆるタッチパネル式の入力ボタン等が挙げられ、以下の制御部に対する入力においても同様である。
【0029】
この音声再生制御部41はDSP(Digital Signal Processor)を含み、各音楽データの格納先から送られてくる音楽データに対して演算処理を施し、車載機20の外部(車内空間13)に設けられたパワーアンプ30に音楽演奏のための電気信号を送り、それがスピーカ11によって音声として再生される。尚、音声再生制御部41に送られる音楽データは、図示されてはいないが車両12に搭載されているTVチューナ、AM/FMチューナ、カセットデッキからの音声データでもよい。尚、これらの送られてくる音声データがアナログデータであるときは、上記DSPによる演算処理は行われない。また、後述するナビ制御部42、無線通信制御部43からの音声信号の処理も、音声再生制御部41が処理する。
【0030】
次にナビ制御部42は、主に、ユーザに対して車両12のナビゲーションサービスを提供するために、車載機20を、地図データを処理する装置として機能させるための制御を司る。また、車両12には、ナビゲーション用のGPS受信機31と車両の速度を検出する速度センサ32が備えられ、それぞれの検出信号がナビ制御部42に送られる。更に、上述した音楽データと同様に車両12のナビゲーションに必要な地図データ等がHDD23に記憶されている。そこでナビ制御部42は、HDD23にアクセスして、GPS受信機31および速度センサ32からの信号と、HDD23内に記憶されている地図データ等に基づいて、車両12のナビゲーションを行う。尚、該ナビゲーションは、ディスプレイ26において、車両12の現在位置が表示されるとともに、スピーカ11を通して車内空間13に音声でガイドがアナウンスされる。
【0031】
次に、無線通信制御部43は、車内空間13にいるユーザ1〜4が有している携帯電話1a〜4aと車載機20との間で無線通信を行うべく、車載機20の制御を行う。なお、携帯電話1a〜4aにおいても、車載機20を含む外部機器と無線通信を行うための制御部がそれぞれに備えられている。本実施例においては、無線通信制御部43は、ユーザが携帯電話に触れずに、車載機20に接続されているスピーカ11を利用して通話を行うための、いわゆるハンズフリーモードによる無線通信と、携帯電話内に記憶されている音楽
データを車載機20に転送し、上述した音声再生制御部41による処理を利用して、車内空間13で再生させるための音楽再生モードによる無線通信とを実現するものである。
【0032】
また、制御装置40は、RAM、ROMとも電気的に接続されており、必要に応じてこれらのメモリに記憶されている情報に、制御装置40がアクセスする。このように車載機20では、各制御部よって様々な機能を発揮してユーザに有用なサービスを提供することが可能である。何れかの機能を発揮させるかは、ユーザが入力部25を介して車載機20に指示を出せばよい。
【0033】
ここで、車載機20と携帯電話1a〜4aとの間で上記ハンズフリーモード及び音楽再生モードによる無線通信を行うためには、車載機20に対して無線通信を行うことが可能である携帯端末であることを認証し、各携帯電話と車載機20との間に無線通信を設定する必要がある。この場合、携帯電話1a〜4aからの無線通信設定要求毎に、車載機20との無線通信の設定を行おうとすると、ユーザがその都度に車載機20や携帯電話の操作をしなければならず、作業性が必ずしもよいとはいえない。
【0034】
そこで、本実施例に係る車載機20では、車内空間13に存在する携帯電話1a〜4aに対して速やかに無線通信を設定することを可能とし、以下に車載機20での無線通信の設定のための処理について、図3〜図7に基づいて詳細に説明する。
【0035】
図3は、無線通信制御部43による制御を機能ブロックで表示しイメージ化したものである。尚、この各機能ブロックの果たす制御内容は、無線通信制御部43を構成する専用のプロセッサや該無線通信制御部43で実行されるプログラム等、様々な手法により実現されるものである。
【0036】
ここで、無線通信制御部43には、上記ハンズフリーモードによる無線通信を行い、携帯電話1a〜4aを介した通話を可能とする通話制御部60と、上記音楽再生モードによる無線通信を行い、携帯電話1a〜4a内に記録されている音楽データの再生を可能とする音楽再生制御部70が形成されている。さらに、これら通話制御部60と音楽再生制御部70による無線通信を行うための前段階となる、無線通信の設定を行うための設定部として、第一無線通信設定部50と第二無線通信設定部56が形成されており、前者は車載機20を起点とした無線通信の設定を行い、後者は各携帯電話を起点とした無線通信の設定を行うものである。以下に、その詳細を説明する。
【0037】
第一無線通信設定部50には、携帯電話サーチ部51、サーチ結果表示部52、携帯電話選択部53、パスワード受付部54、携帯電話登録部55が形成される。ここで携帯電話サーチ部51は、車載機20との無線通信が可能な携帯電話の存在を検出するための初期応答指示を、送受信センサ27を介して車内空間13に送信する。この初期応答指示が届いた携帯電話1a〜4aにおいては、当該携帯電話側で指示への応答が禁止されていない限り、該指示への応答を意味する応答信号を車載機20に対して送信する。そこで、携帯電話サーチ部51は、再び送受信センサ27を介してこの応答信号を受信し、以て車内空間13内に車載機20との無線通信が可能である携帯電話の存在を認識する。ここで、この応答信号には、該応答信号を送信した携帯電話の機種情報、シリアル番号、電話番号等の情報も含まれている。したがって、携帯電話サーチ部51は、車内空間13に存在する無線通信可能な携帯電話の存在を個々に識別することが可能である。
【0038】
そして、携帯電話サーチ部51によって識別された無線通信可能な携帯電話に関するサーチ結果を、サーチ結果表示部52がディスプレイ26を介してユーザに表示する。これにより、ユーザは当該サーチ結果を見ることができる。そのため、ユーザは、サーチ結果表示部52によって表示された携帯電話の中から、無線通信を設定したい特定の携帯電話
(本発明に係る所定の携帯電話に相当する)を選択することができ、その選択結果を携帯電話選択部53が取得する。なお当該ユーザによる選択は、入力部25を介して行われる。
【0039】
その後、パスワード受付部54は、携帯電話選択部53によって受け付けられた特定の携帯電話と車載機20との間に無線通信を設定するためのパスワードの、ユーザからの入力を入力部25を介して受け付け、その入力に問題がなければ携帯電話登録部55によって、当該特定の携帯電話は車載機20との無線通信の設定に問題がない携帯端末として登録され、両者の間に無線通信が設定されることになる。この際、登録される携帯電話の情報は、当該携帯電話を個別に識別可能とするような識別情報(例えば、電話番号やシリアル番号等)とともに登録される。
【0040】
このように、第一無線通信設定部50は、携帯電話サーチ部51による携帯電話のサーチを起点として、すなわち車載機20の能動的なサーチを起点として、車内空間13に存在する携帯電話との無線通信の設定を行うものである。そのため、ユーザが携帯電話ごとに車載機20との無線通信の設定を行う必要がなくなるため、ユーザの作業負担が軽くなる。
【0041】
また、第二無線通信設定部56には、接続要求受付部57、パスワード受付部58、携帯電話59が形成される。ここで、接続要求受付部57は、車内空間13に存在する携帯電話1a〜4aから車載機20に向けて出される、無線通信設定のための接続承認要求を送受信センサ27を介して受け付ける。この場合、第一無線通信設定部50の場合とは異なり、当該接続承認要求を発した携帯電話はその受付時に車載機20側にその存在を認識されているため、接続承認要求の受付後は、サーチ結果表示部52や携帯電話選択部53による処理に類する処理は行われず、パスワード受付部58(上記パスワード受付部54と実質的に同一)によるパスワードの受け付けと、携帯電話登録部59(上記携帯電話登録部55と実質的に同一)による携帯電話の登録、無線通信の設定が行われることになる。
【0042】
このように、第二無線通信設定部56は、携帯電話からの要求を起点として、すなわち車載機20側の視点では受動的なサーチを起点として、車内空間13に存在する携帯電話と車載機20との間の無線通信の設定を行うものである。本実施例においては、第一無線通信設定部50による無線通信の設定をメインの設定とし、第二無線通信設定部56による無線通信の設定を補助的な設定とする。このように無線通信制御部43が二種類の無線通信設定部を備えることで、車内空間13内の携帯電話に対して漏れなく無線通信の設定が可能となる。特に、携帯電話側において、外部からの無線通信の要求(本実施例では、上記初期応答指示に相当する要求)に対して応答しないように設定されている場合には、第二無線通信設定部56を補助的な通信設定部として備えていることは非常に有用である。
【0043】
ここで、上記無線通信制御部43による携帯電話1a〜4aと車載機20との間の無線通信の設定処理の流れについて、図4および図7に基づいて説明する。図4に示す設定処理は、上記第一無線通信設定部50によって実行される処理であり、以降、第一携帯電話通信設定処理と言う。この第一携帯電話通信設定処理は、車両12のエンジン始動時に車載機20に対して電力供給が行われ、該車載機20が起動されると同時に実行されるようにしてもよく、ユーザからの指示に従って任意の時に実行されてもよい。
【0044】
また、第一携帯電話通信設定処理を行うために、予め車載機20側に設定される設定処理条件を図5に示す。なお、図5に示す設定処理条件はディスプレイ26に表示され、ユーザはその条件を適宜、変更することが可能である。本実施例においては、設定処理条件
として、(1)通信接続パスワード、(2)接続種類、(3)探索時間が設定されている。通信接続パスワードは、上記パスワード受付部54によって受け付けられるパスワードであって、ユーザが変更ボタンを押下することでその値を変更できる。また、接続種類は、車載機20側からの能動的な無線通信設定を行うにあたり、当該無線通信がハンズフリーモードによる無線通信であるか、音楽再生モードによる無線通信であるかを予め決定しておく条件である。本実施例では、図5に示すようにユーザにより「両方」が選択されており、これは両モードの無線通信を設定することがユーザにより予め決定されていることを意味する。次に、探索時間は、上記携帯電話サーチ部51による無線通信可能な携帯電話をサーチするために送受信センサ27を介した初期応答指示の送信およびその応答信号の受信を継続する時間である。この値が長くなると携帯電話の存在をより確実にサーチすることができるが、第一携帯電話通信設定処理に要する時間が長くなる可能性があるため、ユーザがその値を適切に決定すればよい。
【0045】
このような設定処理条件の下で実行される第一携帯電話通信設定処理の流れについて説明する。先ず、S101では、車載機20から初期応答指示が車内空間13に存在する携帯電話に対して送信され、さらに携帯電話からの応答を受信することで、車載機20との無線通信が可能な携帯電話の存在のサーチが開始される。すなわち、S101の処理は上記携帯電話サーチ部51によって実行される処理であり、その実行継続時間は、図5に示すように本実施例では30秒である。
【0046】
次に、S102では、S101でサーチされた携帯電話の一つずつに対して、それらが以前に車載機20と無線通信の設定がされ、その識別情報が携帯電話登録部55によって登録されているか否かが判定される。ここで、否定判定されるとS103へ進み、肯定判定されるとS110へ進む。S103では、該当する携帯電話が車載機20側に未登録であること、すなわち以前に車載機20との間で無線通信の設定が行われていないことをディスプレイ26上に表示し、S110では、該当する携帯電話が車載機20側に登録済みであること、すなわち以前に車載機20との間で無線通信の設定が行われたことをディスプレイ26上に表示する。両表示は上記サーチ結果表示部52によって行われるものであり、その表示結果の一例を図6に示す。なお、既に登録済みの携帯電話については、ディスプレイ26への表示とともに、過去の履歴に従って無線通信の設定が自動的に行われる。
【0047】
図6に示すサーチ結果の表示例では、携帯電話サーチ部51によってサーチされた携帯電話を同時に三台まで表示することができる。このとき、各携帯電話の個々の情報として、携帯電話の機種番号と、既に車載機20側に登録されている携帯電話については、ハンズフリーモードによる無線通信の設定登録か、音楽再生モードによる無線通信の設定登録かを示すアイコンとが表示されている。前者のモードに関するアイコンはサーチされた携帯電話のセルの右上に表示される携帯マークであり、後者のモードに関するアイコンは同セルの右上に表示される音符マークである。したがって、図6に示す状態では、携帯電話1aについては、以前にハンズフリーモードによる無線通信の設定登録がされていたことを意味し、携帯電話3aについては、以前に音楽再生モードによる無線通信の設定登録がされていたことを意味する。また、携帯電話2aについては、以前に車載機20に対して何ら無線通信の設定登録はされていないことを意味する。なお、携帯電話4aのサーチ結果については、画面上のスクロールボタンを押下することで表示される。
【0048】
また、セル上の携帯電話の機種番号だけでは特定の携帯電話を認識できない場合には、画面上の詳細情報表示ボタンを押下すればよい。それにより、携帯電話サーチ部51によって取得された各携帯電話の電話番号やシリアル番号をユーザは知ることができる。また、図6に示す画面上の再探索ボタンを押下すると、再びS101からの処理が実行され、設定ボタンを押下すると、図5に示す設定処理条件の画面が表示されユーザはその条件を
変更することができる。S103およびS110の処理が終了すると、S104へ進み、ユーザによる無線通信の設定指示を待ち受けることになる。具体的には、ユーザが、サーチ結果で表示された携帯電話に対応するセルを押下することを設定指示と認識し、当該押下を待ち受ける。なお、図6に示す状態では、ユーザが携帯電話2aに対応するセルを押下して、携帯電話2aを車載機20との間に無線通信を設定する携帯電話として選択しており、そのため当該セルの周辺がハイライト状態となっている。この携帯電話の選択は、上記携帯電話選択部53によって実行される。
【0049】
S105では、携帯電話選択部53によって特定の携帯電話の選択が受け付けられたか否かが判定される。ここで肯定判定されるとS106へ進み、否定判定されると再びS104の処理が行われる。次に、S106では通話制御部60による通話制御を行うためのパスワード、すなわちハンズフリーモードによる無線通信の設定を行うためのパスワードの受け付けが、パスワード受付部54によって行われる。当該受け付けられたパスワードが問題がなければ、S107の処理によってハンズフリーモードによる無線通信の設定が行われる。このS107の処理は上記携帯電話登録部55によって実行される。
【0050】
さらに、S108では音楽再生制御部70による音楽再生制御を行うためのパスワード、すなわち音楽再生モードによる無線通信の設定を行うためのパスワードの受け付けが、パスワード受付部54によって行われる。当該受け付けられたパスワードが問題がなければ、S109の処理によって音楽再生モードによる無線通信の設定が行われる。このS109の処理は上記携帯電話登録部55によって実行される。
【0051】
図5に示すように本実施例では、第一携帯電話通信設定処理ではハンズフリーモードと音楽再生モードの両モードによる無線通信を設定するように、条件が予め決定されていたが、例えば図5に示す条件画面で、接続種類がハンズフリーモードのみ、もしくは音楽再生モードのみに決定されていれば、第一携帯電話通信設定処理においてそれぞれS106とS107、又はS108とS109の処理の何れかの処理が行われることになる。
【0052】
次に、図7に示す設定処理は、上記第二無線通信設定部56によって実行される処理であり、以降、第二携帯電話通信設定処理と言う。この第二携帯電話通信処理は、車載機20に対して電力供給が行われている状態で、携帯電話からの接続承認要求を契機として実行される。なお、携帯電話から接続承認要求が出される場合、ハンズフリーモードによる無線通信の設定に関する要求か、音楽再生モードによる無線通信の設定に関する要求かのいずれかを決定した上で当該接続承認要求が出されることになる。
【0053】
先ず、S201では、車内空間13内の携帯電話から接続承認要求があるか否かが判定される。ここで肯定判定されるとS202へ進み、否定判定されると第二携帯電話通信設定処理を終了する。S202では、上記S102と同様に、接続承認要求を出した携帯電話が、以前に車載機20と無線通信の設定がされ、その識別情報が携帯電話登録部59によって登録されているか否かが判定される。ここで肯定判定されると既に当該携帯電話は登録されていることを意味するため第二携帯電話通信設定処理を終了し、否定判定されるとS203へ進む。S203では、接続承認要求を出した携帯電話は、ハンズフリーモードによる無線通信の設定を要求しているか、音楽再生モードによる無線通信の設定を要求しているかが判定される。上述のように、第二携帯電話通信設定処理が行われる場合、接続承認要求とともに当該情報が携帯電話側から車載機20側に送信されている。その送信内容に基づいて、S203の判定が行われる。S203でハンズフリーモードによる無線通信の設定が要求されていると判定されるとS204、S205の処理が行われ、音楽再生モードによる無線通信の設定が要求されていると判定されるとS206、S207の処理が行われる。なお、S204、S205、S206、S207の各処理は、上記S106、S107、S108、S109のそれぞれの処理に相当するため、詳細な説明は割愛
する。
【0054】
このように車載機20においては、無線通信の設定手段としてメインの設定が第一携帯電話通信設定処理によって行われ、その補助として第二携帯電話通信設定処理による設定が行われる。これにより、車内空間13における携帯電話の無線通信の設定が円滑に行われるため、ユーザの設定に関する負担を軽減できる。また、以前に無線通信の設定を行った携帯電話に対しては、パスワードの入力等を省略することで、ユーザの負担は更に軽減される。
【0055】
<変形例>
上述までの実施例においては、携帯電話サーチ部51による携帯電話のサーチ結果として、当該携帯電話のシリアル番号や電話番号等の識別情報も表示される。ここで、さらに車載機20の送受信センサ27と携帯電話との距離、または該送受信センサ27と携帯電話との角度等の送受信センサ27に対する携帯電話の相対位置に関する情報を、サーチ結果として表示し、また無線通信の設定のための処理に供してもよい。なお、当該距離や角度は送受信センサ27から出される初期応答指示の時間や、携帯電話からのそれに対する応答信号の応答時間等に基づいて算出可能である。
【0056】
この送受信センサ27に対する携帯電話の相対位置に関する情報は、応答信号のあった携帯電話が車内空間13内に位置する携帯電話であるか否かを判断するのに有用である。すなわち、無線通信を介して携帯電話の識別情報が車載機20に集約されるため、目的としない場所に位置する携帯電話の識別情報をいたずらに車載機20に集約することは、携帯電話が有する情報の管理の点からも好ましくない。例えば、車両12の横に並ぶ別の車両内に車載機20と無線通信が可能な携帯電話が偶然に存在する場合が考えられる。このような場合には、上記相対位置に関する情報を利用して、偶然に並んでしまった携帯電話については、車載機20との無線通信は可能ではない携帯端末であるとして処理すればよい。これにより、当該携帯電話の情報を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例に係る車載機が搭載される車両の概略構成を表す図である。
【図2】本発明の実施例に係る車載機の概略構成と、該車載機に接続される各種要素との接続関係を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る車載機において、外部の携帯電話との無線通信を設定する制御部の処理をイメージ化した機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係る車載機において、図3に示す無線通信の第一の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4に示すフローチャート中の処理で使用される設定処理条件の一例を示す図である。
【図6】図4に示すフローチャート中の処理で行われた、携帯電話のサーチ結果の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係る車載機において、図3に示す無線通信の第二の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1、2、3、4・・・・ユーザ
1a、2a、3a、4a・・・・携帯電話
12・・・・車両
13・・・・車内空間
20・・・・車載機
25・・・・入力部
26・・・・ディスプレイ
40・・・・制御装置
43・・・・無線通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、該車両内のユーザに対して情報を提供する車載機であって、
前記車載機と前記車両内のユーザが有する一又は複数の携帯端末との間の無線通信を可能状態とするための初期応答指示を、該一又は複数の携帯端末に対して無線で送信する送信部と、
前記送信部からの初期応答指示に応じた、前記一又は複数の携帯端末からの応答を受信する受信部と、
前記受信部による受信結果に基づいてユーザが選択した、無線通信の接続認証を要求する所定の携帯端末を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって受け付けられた前記所定の携帯端末と前記車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする無線通信設定部と、
を備える車載機。
【請求項2】
前記無線通信設定部によって前記車載機との間の無線通信が承認された携帯端末を識別可能に記憶する記憶部を、更に備え、
前記受信部による受信結果に基づいて、前記送信部からの初期応答指示に応じた携帯端末のうち前記記憶部に記憶されていたと判断される携帯端末に対しては、自動的に前記車載機との無線通信が設定される、
請求項1に記載の車載機。
【請求項3】
ユーザに提供する情報を表示する表示部と、
前記受信部によって受信された前記一又は複数の携帯端末からの応答結果を前記表示部に表示する応答結果表示部と、
を更に備える請求項1又は請求項2に記載の車載機。
【請求項4】
前記応答結果表示部は、前記初期応答指示に対する応答があった複数の前記携帯端末を同時に前記表示部に表示し、ユーザによる前記所定の携帯端末の選択を可能とする、
請求項3に記載の車載機。
【請求項5】
前記車両内のユーザが有する一の携帯端末と前記車載機間の無線通信を設定するための、該一の携帯端末から該車載機へ出される接続承認要求を受け付ける接続承認要求受付部と、
前記接続承認要求受付部が接続承認を受け付けたとき、前記一の携帯端末と前記車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする補助的無線通信設定部と、
を更に備える、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の車載機。
【請求項6】
前記携帯端末は、携帯電話であって、
前記無線通信設定部は、ユーザが自己の携帯電話を介した通話を前記車載機に備えられるスピーカを通して行うためのハンズフリーモードを含む複数のモードによる無線通信を設定可能であって、
更に、前記無線通信設定部は、前記選択受付部によって受け付けられた前記所定の携帯端末と前記車載機との間において、前記複数のモードの無線通信を一括して設定し、両者間での該複数のモードによる無線通信を可能とする、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の車載機。
【請求項7】
前記無線通信設定部は、前記ハンズフリーモードの他に、前記ユーザの携帯電話内に記録されている音楽データを前記車載機に転送し、該音楽データの再生を該車載機に備えられるスピーカを通して行う音楽再生モードによる無線通信を設定可能とする、
請求項6に記載の車載機。
【請求項8】
前記携帯端末と前記車載機との間の無線通信は、Bluetooth規格による通信である、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の車載機。
【請求項9】
車両に搭載され該車両内のユーザに対して情報を提供する車載機と、該ユーザが有する一又は複数の携帯端末との間の無線通信を可能状態とする無線通信設定方法であって、
前記車載機側から前記一又は複数の携帯端末に対して、無線通信を可能状態とするための初期応答指示を無線で送信する送信ステップと、
前記初期応答指示に応じた、前記一又は複数の携帯端末からの応答を受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された受信結果をユーザに表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおける表示結果に基づいてユーザが選択した、無線通信の接続認証を要求する所定の携帯端末を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップにおいて受け付けられた前記所定の携帯端末と前記車載機との間に無線通信を設定し、両者間での無線通信を可能とする無線通信設定ステップと、
を含む、車載機に対する無線通信設定方法。
【請求項10】
前記表示ステップでは、前記車両内に存在する複数の携帯端末の中から、ユーザが前記所定の携帯端末を選択できるように、ユーザに対して前記受信結果を表示する、
請求項9に記載の車載機に対する無線通信設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−63053(P2010−63053A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229337(P2008−229337)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】