説明

車載機器、及び、車載機器の制御方法

【課題】充電レーンの存在を考慮して、効果的に経路の探索を実行する。
【解決手段】車両に搭載され、目的地までの経路を探索可能な車載ナビゲーション装置1は、目的地に向かう途中で車両を充電する経路を探索する際、充電レーンを通過して目的地に至る経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索可能な車載機器、及び、車載機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の走行レーンに沿って充電レーンを設け、この充電レーンを走行する車両のバッテリーを非接触で充電する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−237890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような充電レーンを利用して車両のバッテリーを充電する場合、車両が充電レーン上を走行すれば、自動で車両のバッテリーの充電が行われる。このため、充電レーンには、充電に係る作業が容易である、という特徴があり、今後、充電レーンは、充電用の施設として、充電スタンドと共に、広く普及していくと考えられる。
しかしながら、従来の車載機器では、経路の探索に際し、上述したような特徴を有する充電レーンの存在を考慮した経路の探索を実行するようなものがなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、充電レーンの存在を考慮して、効果的に経路の探索を実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車両に搭載され、目的地までの経路を探索可能な車載機器において、目的地に向かう途中で前記車両を充電する経路を探索する際、充電レーンを通過して目的地に至る経路を探索可能としたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記発明において、探索した目的地までの経路を前記車両が走行するように誘導可能に構成され、当該誘導中に、充電のために経由すべき充電用の施設を検索する場合、充電スタンドよりも、充電レーンを、優先的に、経由すべき充電用の施設として検索することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記車両の誘導中に、充電用の施設を検索する場合、探索した目的地までの経路沿いに充電レーンが存在するか否かを判別し、存在する場合は、当該充電レーンを、経由すべき施設として検索することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、目的地までの経路沿いに充電レーンが存在しない場合であって、経由可能な充電用の施設に、充電レーン、及び、充電スタンドのいずれも含まれている場合は、充電レーンを通過して目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、充電スタンドにて充電した上で目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、を比較し、到達時刻が早いほうの施設を、経由すべき施設として検索することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記車両の充電を行うことなく目的地へ到達可能か否かを判別し、到達できない場合は、充電用の施設の検索を開始することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、車両に搭載され、目的地までの経路を探索可能な車載機器を制御して、目的地に向かう途中で前記車両を充電可能な経路の探索に際し、通過可能な充電レーンが存在するか否かを判別し、存在する場合は、当該充電レーンを通過して目的地に至る経路を探索することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、非接触式の充電が行われる充電施設の存在を考慮して、好適に、車両のバッテリーを充電すべき施設を検索できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】車載ナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】充電レーンの態様を説明するための図である。
【図3】車載ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1(車載機器)の機能的構成を示すブロック図である。
車載ナビゲーション装置1は、EV(electric vehicle)や、PHV(plug-in hybrid vehicle)等の充電可能なバッテリーを備える車両に搭載された装置であり、後述するように、指定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索機能、及び、探索した推奨経路を車両が走行するように経路誘導する経路誘導機能を備えている。
【0014】
図1に示すように、車載ナビゲーション装置1は、制御部10と、絶対位置検出部11と、相対方位検出部12と、表示部13と、入力部14と、バッテリー残量検出部15と、記憶部16と、音声出力部17と、を備えている。
制御部10は、車載ナビゲーション装置1の各部を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAM、その他周辺回路を備えている。
絶対位置検出部11は、GPS衛星から送られてくるGPS電波をGPSアンテナやレシーバーなどで受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の絶対的な位置を算出し、制御部10に出力する。
相対方位検出部12は、ジャイロセンサー等を使って、車両の相対的な方位を検出し、制御部10に出力する。
表示部13は、液晶表示パネル等の表示パネル13aを備え、制御部10の制御の下、表示パネル13aにナビゲーションのための地図等の各種情報を表示する。
入力部14は、車載ナビゲーション装置1に設けられた操作スイッチ14aと、表示部13の表示パネル13aに重ねて配設されたタッチパネル14bとを備え、ユーザーの操作スイッチ14aや、タッチパネル14bに対する操作を検出し、制御部10に出力する。
バッテリー残量検出部15は、車両側からバッテリーの残量を示す信号が入力され、当該信号に基づいて、車両のバッテリーの残量を検出し、制御部10に出力する。
記憶部16は、ハードディスクや、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部16には、地図データベース20と、経路探索用データ21とが記憶されている。
【0015】
地図データベース20は、地図に関するデータであり、車両の現在位置を表示する際や、後述する経路誘導時に表示部13の表示パネル13aに表示される表示用の地図に係るデータや、地図上の道路や施設等の情報に関するデータ等を含んでいる。
特に、本実施形態では、地図データベース20には、充電スタンド、及び、充電レーン(いずれも後述)に関する情報(少なくともこれら施設の位置を示す情報を含む情報)が含まれており、制御部10は、地図データベース20を参照することにより、1の道路沿いに存在する充電スタンドや、充電レーンを検索可能である。
【0016】
経路探索用データ21は、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ、及び、交差点(ノード)に関するノードデータを備えている。
リンクデータには、各リンクに対応する道路の道路種別や、道路幅、道路長、車線数、一方通行か否か、制限速度等に関する情報や、各リンクのリンクコストを示す情報が含まれている。各リンクのリンクコストは、リンク長やリンクの種別、平均旅行時間などから算出される。
【0017】
この経路探索用データ21は、経路探索機能の実行時に利用される。
経路探索機能は、ユーザーにより、入力部14の操作スイッチ14aやタッチパネル14bによって目的地が指定された上で、当該目的地までの経路の探索が指示されたことをトリガーとして実行される。
経路探索機能の実行時、制御部10は、経路探索用データ21に基づいて、現在位置から目的地に至るまでの連続したリンクにおいて、各リンクのリンクコストの総和が最小になるような経路を推奨経路として探索する。
さらに、制御部10は、推奨経路の探索後、表示部13の表示パネル13aに表示された地図上に、車両の現在位置、及び、車両が走行すべき経路を明示し、車両の運転手に対して経路誘導を行う。経路誘導中、制御部10は、相対方位検出部12の検出値に基づいて自律航法により算出した自車位置を、絶対位置検出部11により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を算出し、算出した自車位置に基づいて、車両の現在位置を地図上に明示しつつ、経路誘導を行う。
なお、本実施形態では、制御部10は、経路探索用データ21のリンクデータに基づいて、車両が、現在位置から所定の経路を経由して所定の位置に至った場合に、当該所定の位置に車両が到着する時刻を予測することが可能である。
【0018】
音声出力部17は、車両内に設けられたスピーカーに接続され、制御部10の制御の下、スピーカーから各種音声を出力する。
【0019】
ところで、充電可能なバッテリーを備える車両(以下「電気自動車等」という)のバッテリーを充電するための施設としては、以下のような施設が存在しており、また、今後普及していくと考えられる。
1つは、充電スタンドである。この充電スタンドは、従来のガソリンスタンドと同様、道路を走行する電気自動車等が進入可能な状態で道路沿いに設けられた施設である。
この充電スタンドを利用して車両のバッテリーを充電する場合、ユーザーは、充電スタンドの所定の停車位置に自身の電気自動車等を停車させた後、当該停車位置に対応して設けられた充電器を利用して、接触式の充電を行う。接触式の充電とは、車両と、充電に係る設備との間での物理的な接続を伴う充電のことであり、例えば、専用の充電器から延出するケーブルのコネクターと、車両に設けられたコネクターとを物理的に接続した上で、充電器からバッテリーに対して電力を供給することにより、バッテリーを充電することをいう。
この充電スタンドは、充電器からバッテリーに対して直接電力を供給する仕組みであるため充電効率がよいという特徴がある一方、バッテリーの充電に際し、電気自動車等を充電スタンドの所定の位置に停車したり、充電器のコネクターと車両のコネクターとを接続したりする必要があり、運転手等の作業が煩雑であるという特徴がある。
【0020】
また、その他の施設としては、非接触式の充電が可能な充電レーン30がある。
【0021】
図2は、充電レーン30の態様を説明するための図である。
充電レーン30は、当該充電レーン30上を走行する車両のバッテリーを、充電レーン30に対応して設けられた充電設備31による非接触式の充電によって、自動で充電するための施設である。従って、車両が充電レーン30を走行するだけで、当該車両のバッテリーの充電が行われる。非接触式の充電とは、車両と、充電に係る設備との間で、物理的な接続を行うことなく、バッテリーを充電することであり、例えば、電磁誘導式や、マイクロ波式、磁気共鳴式、レーザー式等の非接触式の充電がある。
図2に例示するように、充電レーン30は、例えば、電気自動車等が走行する道路に沿って延在して設けられる。そして、充電レーン30を利用してバッテリーの充電を行いたいと考えた運転手等は、電気自動車等を、走行中の走行レーンから充電レーン30に進入させ、充電レーン30上を走行させた後、再び、走行レーンに戻す。その際、充電レーン30の走行に伴って、電気自動車等のバッテリーが自動で充電される。
このように、充電レーン30を利用して、バッテリーを充電した場合、運転手等は、車両を停車したり、車両から降車したりする必要がなく、また、充電器のコネクターと車両のコネクターとを接続するといった作業を行う必要がない。このため、充電レーン30を利用した充電は、運転手にとって利便性が高い充電である、と言うことができる。
【0022】
なお、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1が搭載された車両は、充電スタンドを利用した接触式の充電、及び、充電レーン30を利用した非接触式の充電の双方の充電が可能な構成であるものとする。
【0023】
図3は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、車載ナビゲーション装置1は、上述した経路探索機能により目的地までの推奨経路を探索しており、かつ、探索した推奨経路を車両が走行するように誘導しているものとする。
推奨経路の誘導中、制御部10は、絶対位置検出部11の検出値に基づいて現在位置を取得すると共に、バッテリー残量検出部15の検出値に基づいて、バッテリーの残量を検出する(ステップS01)。
次いで、制御部10は、現在位置と目的地とを結ぶ経路に係るリンクデータに基づいて、現在位置と目的地との間の走行距離を検出する。さらに、制御部10は、バッテリーの残量と、現在位置と目的地との間の走行距離と、に基づいて、バッテリーの充電を行うことなく目的地に到達できるか否かを判別する(ステップS02)。ここで、本実施形態では、バッテリーの残量と、バッテリーの残量に応じた走行可能距離と、が対応づけて記憶されており、バッテリーの残量が判明すれば、当該バッテリーの残量のときに車両が走行可能な距離が検出できる構成となっている。
【0024】
バッテリーの充電を行うことなく目的地に到達できる場合(ステップS02:YES)、制御部10は、処理手順をステップS01へ戻す。
バッテリーの充電を行うことなく目的地に到達できない場合(ステップS02:NO)、制御部10は、表示部13を制御して、表示パネル13aに、バッテリーの残量が低下している旨、及び、バッテリーを充電するために経由すべき充電用の施設を検索する旨の表示を行い(ステップS03)、充電用の施設の検索を開始する(ステップS04)。なお、ステップS03では、上記情報を音声によって、又は、音声と併せて通知するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、目的地までの誘導中、バッテリーの充電を行うことなく目的地に到達できるか否かを監視し、目的地に到達できない場合は、充電用の施設の検索を、自動で、開始する構成となっている。このような構成のため、運転手等は、バッテリーの残量を監視しつつ車両を走行させる必要がなくなり、運転手等の負担が軽減すると共に、バッテリーの残量の低下に起因して目的地まで到達できないといった事態が発生することを防止できる。
【0025】
充電用の施設の検索に際し、制御部10は、地図データベース20を参照し、推奨経路沿いに、充電レーン30が存在するか否かを判別する(ステップS05)。
充電レーン30が存在する場合(ステップS05:YES)、制御部10は、経由すべき充電用の施設として当該充電レーン30を特定(検索)し、表示部13を制御して、表示パネル13aに、当該充電レーン30を通過して充電を行う旨表示する(ステップS06)。
なお、ステップS05では、推奨経路沿いに「充電スタンド」が存在する場合であっても、推奨経路沿いに充電レーン30が存在する場合は、当該充電レーン30を、経由すべき充電用の施設として優先的に特定(検索)する。
このように、本実施形態では、推奨経路沿いに充電レーン30が存在する場合は、当該充電レーン30を、優先的に、経由すべき充電用の施設として特定する。これは、以下の理由による。
すなわち、推奨経路沿いに充電レーン30が存在する場合は、当該充電レーン30を利用してバッテリーの充電を行うのが、運転手等にとって最も利便性の高い充電方法であると考えられるからである。なぜなら、推奨経路沿いに存在する充電レーン30を利用して充電を行った場合、目的地に向かう走行、及び、バッテリーの充電を同時並行的に実行できることとなり、目的地への到着の遅延を極力防止でき、さらに、上述したように、充電レーン30を利用してバッテリーを充電した場合、運転手等は、車両を停車した上で、車両から降車する必要がなく、また、充電器のコネクターと車両のコネクターとを接続するといった作業を行う必要がないため、充電に係る作業負担が軽いからである。
【0026】
一方、ステップS05において、推奨経路沿いに充電レーン30が存在しない場合(ステップS05:NO)、制御部10は、処理手順をステップS07に移行する。
なお、発明の説明の明確化のため、以下の説明では、推奨経路沿いに充電レーン30が存在しない場合は、車両が経由可能な位置に、充電レーン30、及び、充電スタンドの双方が存在しているものとする。
ステップS07では、制御部10は、現在位置から充電スタンドを経由して目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、現在位置から充電レーン30を経由(通過)して目的地に至った場合における目的地への到達時刻とを算出し、これら到達時刻を比較する。なお、経由可能な充電レーン30や、充電スタンドが複数存在する場合もあるが、その場合は、それぞれの充電レーン30、及び、充電スタンドについて、経由したときの目的地への到達時刻を算出する。
なお、各到達時刻の算出にあたっては、充電スタンドにおける充電時間や、充電レーン30の走行時間(=充電レーン30を利用したときの充電時間)が必要となる。これら充電時間は、地図データベース20において、事前の調査等に基づいて、各施設に係る情報と対応づけて記憶するようにしてもよく、また、充電スタンドや充電レーンにおける充電時間に係る情報を提供するサーバーが存在する場合は、車載ナビゲーション装置1をサーバーにアクセス可能に構成した上で、当該サーバーから充電時間に係る情報を取得するようにしてもよい。
また、各到着時刻の算出に際し、各充電用の施設にて、目的地に到着するのに十分なだけの充電を行うものとしてもよく、また、最大限の充電をおこなうものとしてもよい。
【0027】
到着時刻を比較した結果、最も早い到達時刻が、充電スタンドを経由して目的地に至る経路を走行したときの場合(ステップS08:NO)、制御部10は、経由すべき充電用の施設として当該充電スタンドを特定(検索)し、現在位置から当該充電スタンドを経由して目的地に至る経路を計算すると共に、表示部13を制御して、表示パネル13aに、当該経路を明示し(ステップS09)、処理手順をステップS11へ移行する。その際、音声によって、その旨、音声出力するようにしてもよい。
一方、到達時刻を比較した結果、最も早い到達時刻が、充電レーン30を経由して目的地に至経路を走行したときの場合(ステップS08:YES)、制御部10は、経由すべき充電用の施設として当該充電レーン30を特定(検索)し、現在位置から当該充電レーン30を通過して目的地に至る経路を計算すると共に、表示部13を制御して、表示パネル13aに、当該経路を明示し(ステップS10)、処理手順をステップS11へ移行する。その際、音声によって、その旨、音声出力するようにしてもよい。
【0028】
次いで、制御部10は、車両が走行すべき経路について、ステップS09又はステップS10において表示パネル13aに明示された経路への変更が指示されたか否かを監視する(ステップS11)。
表示パネル13aに明示された経路への変更が指示された場合(ステップS11:YES)、制御部10は、当該経路を車両が走行するよう、車両の誘導を開始する(ステップS12)。
一方、表示パネル13aに明示された経路へ変更しないことが指示された場合(ステップS11:NO)、制御部10は、処理手順をステップS03へ戻す。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1(車載機器)は、車両に搭載され、目的地までの経路を探索可能である。そして、車載ナビゲーション装置1は、目的地に向かう途中で車両を充電する経路を探索する際、充電レーン30を通過して目的地に至る経路を探索可能である。
これによれば、車両のバッテリーを充電する施設として、充電レーン30が存在することを考慮して、効果的な経路検索が可能となる。
【0030】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、探索した目的地までの経路(推奨経路)を車両が走行するように誘導可能に構成されている。そして、車載ナビゲーション装置1は、誘導中に、充電のために経由すべき充電用の施設を検索する場合、充電スタンドよりも、充電レーン30を、優先的に、経由すべき充電用の施設として検索する。
より具体的には、充電のために経由すべき充電用の施設の検索に際し、推奨経路沿いに充電レーン30が存在するか否かを判別し、存在する場合は、当該充電レーン30を、経由すべき施設として特定(検索)する。
これは、以下の理由による。
すなわち、推奨経路沿いに充電レーン30が存在する場合は、当該充電レーン30を利用してバッテリーの充電を行うのが、運転手等にとって最も利便性の高い充電方法であると考えられるからである。なぜなら、推奨経路沿いに存在する充電レーン30を利用して充電を行った場合、目的地に向かう走行、及び、バッテリーの充電を同時並行的に実行できることとなり、目的地への到着の遅延を極力防止でき、さらに、上述したように、充電レーン30を利用してバッテリーを充電した場合、運転手等は、車両を停車した上で、車両から降車する必要がなく、また、充電器のコネクターと車両のコネクターとを接続するといった作業を行う必要がないため、充電に係る作業負担が軽いからである。
【0031】
また、本実施形態では、目的地までの経路沿いに充電レーン30が存在しない場合であって、経由可能な充電用の施設に、充電レーン30、及び、充電スタンドのいずれも含まれている場合は、充電レーン30を通過して目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、充電スタンドにて充電した上で目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、を比較し、到達時刻が早いほうの施設を、経由すべき施設として検索する。
これによれば、充電レーン30を通過して目的地に至る経路も考慮した上で、最も到達時刻の早い経路に係る情報を提供可能である。
【0032】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、車両の充電を行うことなく目的地へ到達可能か否かを判別し、到達できない場合は、充電用の施設の検索を開始する。
これにより、運転手等は、バッテリーの残量を監視しつつ車両を走行させる必要がなくなり、運転手等の負担が軽減すると共に、バッテリーの残量の低下に起因して目的地まで到達できないといった事態が発生することを防止できる。
【0033】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、充電レーン30の態様は、図2に示すものに限らず、例えば、道路に隣接して設けられるのではなく、道路から独立したレーンとして設けられたものでもよく、また、通常の走行レーンに設けられるものであってもよい。
また、本実施形態では、充電スタンドや、充電レーン30の情報は、地図データベース20に含まれていたが、車載ナビゲーション装置1をインターネット上の専用のサーバーにアクセス可能に構成し、当該サーバーからこれら情報を取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 車載ナビゲーション装置(車載機器)
30 充電レーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、目的地までの経路を探索可能な車載機器において、
目的地に向かう途中で前記車両を充電する経路を探索する際、充電レーンを通過して目的地に至る経路を探索可能としたことを特徴とする車載機器。
【請求項2】
探索した目的地までの経路を前記車両が走行するように誘導可能に構成され、
当該誘導中に、充電のために経由すべき充電用の施設を検索する場合、充電スタンドよりも、充電レーンを、優先的に、経由すべき充電用の施設として検索することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記車両の誘導中に、充電用の施設を検索する場合、
探索した目的地までの経路沿いに充電レーンが存在するか否かを判別し、存在する場合は、当該充電レーンを、経由すべき施設として検索することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項4】
目的地までの経路沿いに充電レーンが存在しない場合であって、経由可能な充電用の施設に、充電レーン、及び、充電スタンドのいずれも含まれている場合は、充電レーンを通過して目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、充電スタンドにて充電した上で目的地に至った場合における目的地への到達時刻と、を比較し、到達時刻が早いほうの施設を、経由すべき施設として検索することを特徴とする請求項2又は3に記載の車載機器。
【請求項5】
前記車両の充電を行うことなく目的地へ到達可能か否かを判別し、到達できない場合は、充電用の施設の検索を開始することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の車載機器。
【請求項6】
車両に搭載され、目的地までの経路を探索可能な車載機器を制御して、
目的地に向かう途中で前記車両を充電可能な経路の探索に際し、通過可能な充電レーンが存在するか否かを判別し、存在する場合は、当該充電レーンを通過して目的地に至る経路を探索することを特徴とする車載機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−47670(P2012−47670A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191981(P2010−191981)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】