説明

車載機器、及び、車載機器の制御方法

【課題】ユーザーが地図の拡大、縮小を行うことを利用して、選択項目の選択における負担を軽減する。
【解決手段】表示領域に、複数の選択項目のそれぞれを、アイコン33によって表示し、複数のアイコン33のうち、CDアイコン35bを拡大して表示させることにより、CDアイコン35bに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される表示態様とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を表示する車載機器、及び、車載機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種情報を表示可能な表示パネルを備え、この表示パネルの表示領域に、経路誘導時や、車両の現在位置の報知時に利用する地図を表示する車載機器(ナビゲーション装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の車載機器では、ユーザーが、表示領域に表示した地図のスケールを、拡大、及び、縮小できるようにしたものがある。拡大した地図と、縮小した地図とでは、ユーザーに提供される情報が異なっており、ユーザーは、自身のニーズに応じて、地図の拡大、及び、縮小を行う。
また、車載機器では、表示領域に選択項目(例えば、ナビゲーション機能を有する機器では、目的地を入力する画面へ遷移することを選択するための選択項目)をアイコンによって表示するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−85207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、上述した車載機器において、表示領域に表示される選択項目は、階層構造となっており、上位の階層に属する選択項目から、下位の階層に属する選択項目へ向かって段階的に選択項目を選択する構造となっている。この場合、選択項目が多数存在する場合等、所望の選択項目を探すことが難しく、選択項目の選択が負担となることがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーが地図の拡大、縮小を行うことを利用して、選択項目の選択における負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車載機器において、表示領域内で拡大、及び、縮小自在に地図を表示する表示部を備え、前記表示領域に、複数の選択項目のそれぞれを、アイコンによって表示し、複数のアイコンのうち、1のアイコンを拡大して表示させることにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される表示態様としたことを特徴とする。
【0006】
また、上記発明の車載機器において、本発明は、アイコンを、選択可能なものとし、複数のアイコンのうち、1のアイコンが選択された場合、当該1のアイコンが徐々に拡大していく動きを表現した後、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面を表示することを特徴とする。
【0007】
また、上記発明の車載機器において、本発明は、1のアイコンを拡大して表示したときに表示される表示画面に、他の選択項目を、アイコンによって表示可能とし、当該他の選択項目に対応するアイコンを拡大して表示させることにより、さらに、当該他の選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される表示態様としたことを特徴とする。
【0008】
また、上記発明の車載機器において、本発明は、同一の表示画面に表示された1の選択項目に対応するアイコンと、他の選択項目に対応するアイコンとについて、当該1の選択項目を選択したときに表示される表示画面と、当該他の選択項目を選択したときに表示される表示画面との間で、表示画面を遷移可能に構成したことを特徴とする。
【0009】
また、上記発明の車載機器において、本発明は、同一の表示画面に表示された1の選択項目に対応するアイコンと、他の選択項目に対応するアイコンとの前記表示領域における位置関係を反映して、当該1の選択項目を選択したときに表示される表示画面と、当該他の選択項目を選択したときに表示される表示画面との間で、表示画面の遷移の指示をできる構成したことを特徴とする。
【0010】
また、上記発明の車載機器において、本発明は、複数のアイコンのうち、1のアイコンを拡大して表示させることにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面を表示することを、前記表示領域の表示を1段階拡大したこととし、現時点で、表示領域に表示されている表示画面が、前記表示領域の表示を何段階拡大したものであるかを明示的に示すインジケーターを表示することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、表示領域内で拡大、及び、縮小自在に地図を表示する表示部を備えた車載機器を制御して、前記表示領域に、複数の選択項目のそれぞれをアイコンによって表示し、複数のアイコンのうち、1のアイコンを拡大して表示することにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザーが地図の拡大、縮小を行うことを利用して、選択項目の選択における負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る車載ナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】表示パネルに表示された地図を拡大、縮小した様子を示す図である。
【図3】メイン画面を示す図である。
【図4】メイン画面のCDアイコンが拡大する様子を示す図である。
【図5】CDアイコン選択画面を示す図である。
【図6】楽曲選択アイコンが拡大する様子を示す図である。
【図7】楽曲情報画面を示す図である。
【図8】CDアイコン選択画面が右方向へスクロールしていく様子を示す図である。
【図9】ナビ設定アイコン選択画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1(車載機器)の機能的構成を示すブロック図である。
車載ナビゲーション装置1は、車両に搭載される装置であり、ナビゲーション部11と、CD再生部12と、ラジオ受信部13と、テレビ受信部14と、音声出力部15と、表示部16と、操作部17と、記憶部18と、を備えている。
制御部10は、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路を備え、車載ナビゲーション装置1の各部を中枢的に制御する。
ナビゲーション部11は、制御部10の制御の下、所定の目的地までの経路案内を行う。ナビゲーション部11は、図示しないGPS受信機やジャイロセンサなどの自車両位置検出手段を備え、自車両位置検出手段により自車両の現在位置を順次取得し、記憶部18に記憶された地図データ18aを利用して、地図上に自車両の現在を明示しつつ、目的地に至るまでの経路を明示し、経路案内を行う。
CD再生部12は、制御部10の制御の下、CDに記録された音楽データを読み取り、音声信号として、制御部10に出力する。
【0015】
ラジオ受信部13は、図示しないアンテナ及びAM/FMチューナー等を備え、制御部10の制御の下、ユーザーにより選択されたチャンネルに係るラジオ放送波を受信してラジオ放送の音声信号を制御部10に出力する。
テレビ受信部14は、図示しないアンテナ及びデジタルテレビチューナー等を備え、制御部10の制御の下、ユーザーにより選択されたチャンネルに係るテレビ放送波を受信してテレビ放送の音声信号、映像信号を制御部10に出力する。
音声出力部15は、D/Aコンバーターや、アンプ等を備え、制御部10の制御の下、車両に設けられたスピーカーから各種音声を出力する。
表示部16は、液晶表示パネル等の表示パネル16aを備え、制御部10の制御の下、各種情報を表示する。表示パネル16aには、経路案内に利用される地図や、テレビ放送に係る映像のほか、後述するメイン画面30を表示可能である。
操作部17は、車載ナビゲーション装置1に設けられた操作スイッチ17aと、表示パネル16aに重ねて配置されたタッチパネル17bを備え、操作スイッチ17aに対する操作、及び、タッチパネル17bに対するタッチ操作を検出し、制御部10に出力する。
記憶部18は、ハードディスクや、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部18には、地図データ18aが記憶される。地図データ18aは、表示パネル16aに表示される地図に係る情報のほか、地図上に存在する施設や、道路に係る情報が含まれている。
【0016】
図2は、表示パネル16aに表示される地図の表示態様を示す図である。
本実施形態では、表示パネル16aに表示した地図について、そのスケールを拡大、縮小できる。
例えば、表示パネル16aの表示領域に、図2(A)に示す地図が表示されているものとする。なお、図2(A)において、自車両マーク31は、地図上の自車両の位置を示すマークである。
この場合において、ユーザーによって、地図のスケールを拡大することが指示された場合、図2(B)に示すように、自車両の位置が地図の中心である状態が維持されたまま、表示された地図が拡大される。この図2(B)に示す地図では、図2(A)に示す地図と比較して、自車両の周辺の施設や、道の状態等がより詳細に表示されるため、ユーザーは、これら情報をより詳細に認識することができる。
また、表示パネル16aの表示領域に、図2(A)に示す地図が表示されている場合において、ユーザーによって、地図のスケールを縮小することが指示された場合、図2(C)に示すように、自車両の位置が地図の中心である状態が維持されたまま、表示された地図が縮小される。この図2(C)に示す地図では、図2(A)に示す地図と比較して、自車両の遠方の地理、地形等がより多く表示されることとなるため、ユーザーは、これら情報を効率よく取得できる。
なお、ユーザーは、例えば、地図のスケールを明示すると共に、スケールの拡大、縮小を指示可能なインジケーター(図2では不図示)を表示パネル16aに表示させ、このインジケーターをタッチ操作することにより、地図のスケールの拡大、縮小を指示でき、また、車載ナビゲーション装置1の操作スイッチ17aを操作することにより、地図のスケールの拡大、縮小を指示できる。
【0017】
さらに、本実施形態では、表示パネル16aに表示した地図について、上下左右にスクロール可能である。詳細には、地図における北−南の方角と、地図における上−下の方向とが対応しており、また、地図における東−西の方角と、地図における右−左の方向とが対応しており、ユーザーが、現在表示されている地図を1の方向(例えば、「上」)にスクロールすることを指示した場合、地図が当該1の方向(例えば、「上」)にスクロールし、当該スクロールに伴って、地図が当該1の方向に対応する方角(例えば、「上」に対応する「北」)に遷移する。スクロールと同時に、スケールの拡大、縮小は行われず、スクロール前に表示されていた地図と、スクロール後に表示されていた地図とは、同じスケールである。
図2を参照し、例えば、表示パネル16aの表示領域に、図2(A)に示す地図が表示されている場合において、ユーザーによって、地図を右方向にスクロールすることが指示されたとする。この場合、図2(D)に示すように、地図が右方向にスクロールし、これに伴って表示されている地図が東に遷移し、図2(A)と比較して、自車両のより東側が表示された状態となる。
なお、地図のスクロールは、例えば、上下左右にスクロールすることを指示するためのタッチ操作可能なスイッチを地図上に表示し、このスイッチに対するタッチ操作により行えるようにしてもよく、また、操作スイッチ17aを操作することによって行えるようにしてもよい。
【0018】
ところで、上述したように、スケールが異なる地図では、ユーザーが認識可能な情報が異なる。従って、ユーザーは、自身が認識したいとする情報に応じて、地図のスケールを変更することが多い。例えば、自車両の周辺の施設をより詳しく知りたいと考えたユーザーが、地図のスケールを拡大して周辺の施設に係る情報をより詳細に認識し、その後、再び、地図のスケールを、道路の状態が把握しやすいスケールに変更する、といったことは、しばしば行われる。従って、ユーザーは、地図のスケールを拡大、縮小することに慣れている場合が多いと言える。
また、ユーザーは、車両の運転中、自車両の周辺のみならず、目的地の周辺や、自車両から離れた場所を参照したいと考える場合も多く、また、目的地の周辺や、自車両から離れた場所を参照する必要が生じる場合も多い。このため、ユーザーが、地図を上下左右にスクロールすることは、しばしばあり、ユーザーは、地図をスクロールすることに慣れている場合が多いと言える。
このことを利用して、本実施形態では、ユーザーが、各種の選択項目の状況について直感的、かつ、容易に把握できるようにし、選択項目の選択にかかるユーザーの負担を軽減している。
【0019】
図3は、メイン画面30の一例を模式的に示す図である。
このメイン画面30は、ユーザーの指示に応じて、表示パネル16aの表示領域に適宜表示される画面であり、車載ナビゲーション装置1が備える各種機能の実行を選択するための選択項目や、各種設定を行うための選択項目毎に、各選択項目に対応するアイコン33が表示される。従って、メイン画面30は、ユーザーが、各種機能を実行したり、また、各種設定を行ったりする際に、最初に、表示される画面である。
図3に示すように、メイン画面30は、ナビ領域34と、オーディオ領域35と、設定領域36との3つの領域に区分されている。
ナビ領域34には、マイリストアイコン34aと、電話番号アイコン34bと、住所アイコン34cと、施設名称アイコン34dと、ジャンルアイコン34eと、登録リストアイコン34fと、の6つのアイコンが表示されている。図3に示すように、各アイコンは、略正方形の枠の中に、シンボルマークと、識別用の簡単な名称と、が表示された態様となっており、正方形の枠に囲まれた領域をタッチ操作することにより、各アイコンに対応する選択項目を選択可能な構成となっている。なお、後述するインジケーター50のプラススイッチ53を利用して、アイコンを選択することもできるが、これについては後述する。
各アイコンについて、簡単に説明すると、マイリストアイコン34aは、経路案内用の目的地を設定する場合において、ユーザー自身が登録した目的地の中から、目的地を選択する際にユーザーによって選択される選択項目に対応するアイコンである。また、電話番号アイコン34bは、電話番号を利用して目的地を設定する際に、住所アイコン34cは、住所を利用して目的地を設定する際に、施設名称アイコン34dは、施設の名称を利用して目的地を設定する際に、ジャンルアイコン34eは、施設のジャンルを利用して目的地を設定する際に、登録リストアイコン34fは、選択可能な目的地として登録された施設を一覧表示する際に、それぞれ、ユーザーによって選択される選択項目に対応するアイコンである。
【0020】
また、オーディオ領域35には、FM/AMアイコン35aと、CDアイコン35bと、TVアイコン35cと、マイアルバムアイコン35dと、MCTアイコン35eと、の5つのアイコンが表示されている。
各アイコンについて、簡単に説明すると、FM/AMアイコン35aは、ラジオ放送を聴取する際に、CDアイコン35bは、CDに記録された音楽の再生の指示等、CD再生部12に対する各種指示を行う際に、TVアイコン35cは、テレビ放送を視聴する際に、マイアルバムアイコン35dは、録音したアルバムCDに係る楽曲を再生する際に、MCTアイコン35eは、録音した楽曲を再生する際に、それぞれ、ユーザーによって選択される選択項目に対応するアイコンである。CDアイコン35bを選択した場合における表示内容については、後に詳述する。なお、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1では、音楽に係る楽曲データを記憶部18の所定の記憶領域に記憶可能である。
【0021】
また、設定領域36には、ナビ設定アイコン36aと、オーディオ設定アイコン36bと、録音設定アイコン36cと、モニター設定アイコン36dと、データ編集設定アイコン36eと、メニュー設定アイコン36fと、の6つのアイコンが表示されている。
各アイコンについて、簡単に説明すると、ナビ設定アイコン36aは、上述した経路案内に係る各種設定を行う際に、オーディオ設定アイコン36bは、CD再生部12の機能を含む各種オーディオに係る機能に係る各種設定を行う際に、録音設定アイコン36cは、CDに記録された音楽の録音を含む録音に係る各種設定を行う際に、モニター設定アイコン36dは、表示パネル16aの各種設定を行う際に、それぞれ、ユーザーによって選択される選択項目に対応するアイコンである。
【0022】
ここで、上記メイン画面30に表示された各アイコンのうち、CDアイコン35bが選択された場合を例にして、アイコンが選択された場合の表示態様について具体的に説明する。上述したように、CDアイコン35bの選択は、CDアイコン35bを構成する略正方形の枠に囲まれた領域をタッチ操作することにより可能である。
【0023】
図4は、CDアイコン35bが選択された直後の、表示パネル16aの表示領域の状態を示す図であり、より具体的には、拡大中のCDアイコン35bを示す図である。図5は、CDアイコン35bが選択された後の最終的な表示領域の状態を示す図である。
本実施形態では、CDアイコン35bがタッチ操作により選択された場合、CDアイコン35bが徐々に拡大していく様子が表現されたアニメーションが表示される。より具体的には、図4に示すように、あたかもCDアイコン35bに対してズームインするように、CDアイコン35bの略正方形の矩形の枠(図3)が、徐々に拡大していき(図4)、最終的に、CDアイコン35bの枠が、表示領域に沿って表示領域の略全域に延在した状態となる(図5)。この表示領域の略全域に延在した枠の内部には、再生可能な楽曲の一覧が表示される。この「再生可能な楽曲の一覧」は、CDアイコン35bに対応する選択項目が選択された場合に、表示すべき情報(表示内容)である。
以下、CDアイコン35bが選択された後に、最終的に表示領域に表示される画面のことを、「CDアイコン選択画面」といい、図5において符号40を付す。
【0024】
このように、本実施形態では、アイコンが選択された場合、あたかも当該アイコンにズームインするように、当該アイコンが徐々に拡大していく動きが表現された後、当該アイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される構成となっている。
ここで、図2を用いて説明したように、表示パネル16aの表示領域に地図を表示した場合、この地図のスケールを拡大することにより、より詳細に自車両の周辺の情報(周辺に存在する施設の情報や、道路の形状等)が表示されることとなる。
そして、本実施形態では、1のアイコンを選択し、当該1のアイコンを拡大表示することにより、当該1のアイコンに関するより詳細な情報(当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容)が表示される構成となっている。
このように、表示領域の表示を拡大することにより、より詳細な情報が表示される、という表示態様が、地図を拡大する場合と、アイコンを選択する場合とで同様であるため、ユーザーは、地図を拡大するのと同様の感覚で、1のアイコンを選択でき、かつ、1のアイコンを選択した後に表示された表示画面(例、図5のCDアイコン選択画面40)が、当該1のアイコンに関するより詳細な情報(当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容)であることを、直感的に把握でき、これにより、選択項目の選択におけるユーザーの負担が軽減する。
【0025】
さらに、図5を参照し、CDアイコン選択画面40には、再生可能な楽曲のそれぞれが、選択項目として、5つのアイコン(楽曲選択アイコン41−楽曲選択アイコン45)によって表示されている。これら楽曲選択アイコン41−45は、タッチ操作によって選択可能な構成となっており、楽曲選択アイコン41−45のいずれかがタッチ操作された場合、当該タッチ操作された楽曲選択アイコンに対応する選択項目が選択されたと判別され、当該選択項目が選択されたときの機能、具体的には、選択された楽曲選択アイコンに対応する楽曲の再生が実行される。
ここで、図5における楽曲選択アイコン41がタッチ操作された場合における表示態様について説明する。この楽曲選択アイコン41がタッチ操作された場合、当該楽曲選択アイコン41に対応する楽曲(便宜的に「トラック01」と称する)の再生が実行される。
【0026】
図6は、楽曲選択アイコン41が選択された直後の、表示パネル16aの表示領域の状態を段階的に示す図である。図7は、楽曲選択アイコン41が選択された後の最終的な表示領域の状態を示す図である。
図6に示すように、楽曲選択アイコン41が選択された場合、上述したCDアイコン35bを選択した場合と同様、あたかも楽曲選択アイコン41にズームインするように、楽曲選択アイコン41が徐々に拡大していく様子が表現されたアニメーションが表示される。そして、図7に示すように、最終的に、トラック01に関する基本情報、具体的には、トラック01(再生中の楽曲)が記録されているアルバム名、当該アルバムにおけるトラック名、及び、トラック01に係るアーティスト名を表示内容とする表示画面(以下、「楽曲情報画面」というものとし、図7において符号46を付す)が表示される。当該表示内容は、楽曲選択アイコン41に対応する選択項目が選択された場合に表示すべき情報である。
このように、本実施形態では、1のアイコンを拡大表示して表示された表示画面に、さらに、他のアイコンが存在した場合において、当該他のアイコンを拡大表示した場合、当該他のアイコンに対応する選択項目が選択された場合に表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される構成となっている。つまり、アイコンを、順次、拡大表示していくことと、各アイコンに対応する選択項目の階層を、順次、下っていくことと、が対応した処理となっている。つまり、本実施形態では、アイコンを、順次、拡大表示していくほど、各アイコンに対応する選択項目の階層が、順次、下がっていき、より詳細な情報(各アイコンを選択したときに表示すべき表示内容)が、順次、表示されていくこととなる。
このように、表示領域の表示を拡大することにより、より詳細な情報が表示される、という表示態様が、地図の場合と、アイコンの場合とで同様であるため、ユーザーは、地図を拡大するのと同様の感覚で、1のアイコンを選択でき、かつ、1のアイコンを選択した後に表示された表示画面が、当該1のアイコンに関するより詳細な情報(当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容)であることを、直感的に把握でき、これにより、選択項目の選択におけるユーザーの負担が軽減する。
【0027】
さて、図3〜図7を参照し、表示領域の左端には、上下に延びるインジケーター50が表示される。
このインジケーター50は、現在表示されている表示画面が、アイコンをメイン画面30を起点として何段階拡大した後に表示されたものであるのかを明示するインジケーターであり、上下方向に所定の間隔をあけて複数の目盛り51が形成されており、複数の目盛り51のうち、1つの目盛り51が排他的に点灯(他の目盛りと異なる色による表示)する。そして、マイナススイッチ52に最も近い目盛り51が、メイン画面30を表示している場合に点灯する目盛り51であり、アイコンを拡大表示するごとに(=アイコンを、段階的に、順次、選択するごとに)、点灯する目盛り51が、プラススイッチ53方向へ1つずつ遷移する。
例えば、図5に示すように、CDアイコン選択画面40は、メイン画面30のCDアイコン35bを拡大する(=選択する)ことによって表示される表示画面であり、換言すれば、メイン画面30を起点として、1段階、アイコンを拡大することによって表示される表示画面である。このため、CDアイコン選択画面40では、インジケーター50において、点灯する目盛り51が、マイナススイッチ52に2番目に近い目盛り51となる。
また、図7に示すように、楽曲情報画面46は、CDアイコン選択画面40の楽曲選択アイコン41を拡大する(=選択する)ことによって表示される表示画面であり、換言すれば、メイン画面30を起点として、2段階、アイコンを拡大することによって表示される表示画面である。このため、楽曲情報画面46では、インジケーター50において、点灯する目盛り51が、マイナススイッチ52に3番目に近い目盛り51となる。
【0028】
また、インジケーター50のプラススイッチ53をタッチ操作することにより、アイコンの選択、及び、このアイコンの選択に伴うアイコンの拡大を実行することもできる。
具体的には、本実施形態では、選択の候補となっているアイコンであることを明示するカーソル(例えば、図5で符号54を付したカーソル)を、アイコンと対応づけて表示可能となっている。
そして、カーソルによって選択候補のアイコンが選択された状態で、プラススイッチ53をタッチ操作することにより、当該カーソルに対応するアイコンが選択されたこととなり、当該アイコンが拡大するアニメーションが実行される。
また、インジケーター50のマイナススイッチ52をタッチ操作することにより、現在の表示画面の前に表示されていた表示画面、すなわち、現在の表示画面に移行するためのアイコンが表示された表示画面へ、表示画面を移行することができる。
具体的には、ある1の表示画面が表示されている状況下で、マイナススイッチ52がタッチ操作されると、あたかも、当該1の表示画面からズームアウトしていくように、表示領域の表示が、縮小していき、最終的に、当該1の表示画面に移行するための表示画面が表示される。これは、地図のスケールを縮小したときの表示態様と同様の表示態様であり、ユーザーは、感覚的に、表示画面が、当該1の表示画面へと移行する際に選択されるアイコンが表示された表示画面へと移行していることを、直感的、かつ、容易に把握できる。
また、上述したように、本実施形態では、地図のスケールの拡大、縮小を、専用のインジケーターで行えるようになっているが、アイコンの選択(拡大)、及び、前の表示画面への移行を、地図の拡大、縮小と同様に、インジケーター50によって行えるようにすることにより、地図のスケールの拡大、縮小とより同様の感覚で、アイコンに対応する選択項目の選択を行うことができ、よりユーザーの選択項目の負担が軽減する。
【0029】
また、図5を参照し、CDアイコン選択画面40には、上スクロール指示スイッチ55、下スクロール指示スイッチ56、右スクロール指示スイッチ57、及び、左スクロール指示スイッチ58の各スイッチがタッチ操作可能に表示される。なお、これらスクロール指示スイッチは、メイン画面30に表示された各アイコンを選択した後の、各表示画面上に適宜表示される。
これらスクロール指示スイッチは、メイン画面30に表示された1のアイコンを、メイン画面30を起点として所定の段階拡大したときに表示される表示画面から、メイン画面30に表示された他のアイコンを、メイン画面30を起点として上記と同一の所定の段階拡大したときに表示される表示画面へと遷移することを指示するためのスイッチである。
以下、スクロール指示スイッチを操作したときの表示態様について、具体的に例を挙げて説明する。
【0030】
図8は、CDアイコン選択画面40の右スクロール指示スイッチ57をタッチ操作した直後の表示領域の状態を段階的に示す図である。図9は、CDアイコン選択画面40の右スクロール指示スイッチ57をタッチ操作した後の、最終的な表示領域の状態を示す図である。
図8に示すように、CDアイコン選択画面40が表示されている状況で、右スクロール指示スイッチ57を操作した場合、表示領域の略全域に延在するCDアイコン35bが左方向へ移動していくと共に、画面が右方向へスクロールしていくアニメーションが表示される。そして、最終的にナビ設定アイコン選択画面60が表示される。
このナビ設定アイコン選択画面60は、メイン画面30において、ナビ設定アイコン36aを選択した場合に表示される表示画面である。つまり、メイン画面30のCDアイコン35bを選択することによって表示される(=メイン画面30を1段階拡大することによって表示される)CDアイコン選択画面40を右方向にスクロールすることにより、メイン画面30のナビ設定アイコン36aを選択した場合に表示される(=メイン画面30を1段階拡大することによって表示される)表示画面が表示される。
このように、本実施形態では、メイン画面30に表示された1のアイコンをメイン画面30を起点として所定の段階拡大したときに表示される表示画面(以下、「1のアイコンに対応する表示画面」という)におけるスクロール指示スイッチを操作することにより、当該表示画面から、メイン画面30に表示された他のアイコンをメイン画面30を起点として上記と同一の所定の段階拡大したときに表示される表示画面(以下、「他のアイコンに対応する表示画面」という)へと遷移できる構成となっている。
【0031】
さらに、本実施形態では、メイン画面30における1のアイコンと、他のアイコンとの位置関係を踏まえた上で、当該1のアイコンに対応する表示画面をスクロールすることにより、他のアイコンに対応する表示画面へと遷移可能な構成となっている。具体的には、メイン画面30において、1のアイコンの上、下、左、又は、右側に他のアイコンが配置されている場合は、1のアイコンに対応する表示画面を上、下、左、又は、右にスクロールすることにより、他のアイコンに対応する表示画面への遷移できる構成となっている。例えば、図3を参照して、メイン画面30において、ナビ設定アイコン36aは、CDアイコン35bの右隣に配置されているが、CDアイコン35bを選択することによって表示されるCDアイコン選択画面40(CDアイコン35bに対応する画面)における右スクロール指示スイッチ57を操作して、CDアイコン選択画面40を右方向へスクロールすることにより、CDアイコン選択画面40が、ナビ設定アイコン36aを選択することによって表示されるナビ設定アイコン選択画面60(ナビ設定アイコン36aに対応する画面)へ遷移する。
【0032】
ここで、上述したように、地図を表示している場合、画面を上、下、左、右方向へスクロールすることにより、表示された地図が北、南、西、東方向へ遷移する。さらに、当該地図の遷移に際し、地図のスケールは変わらない。これを踏まえ、上述したように、1のアイコンに対応する表示画面から、他のアイコンに対応する表示画面へ、メイン画面30における1のアイコンと他のアイコンとの位置関係を反映した上でスクロール指示スイッチを操作することにより、遷移可能な構成とすることにより、地図をスクロールするのと同様の感覚で、表示画面を遷移することができ、ユーザーの操作性が向上すると共に、ユーザーは、現在表示されている表示画面を、遷移可能な他の表示画面との関係で把握でき、利便性が向上する。
特に、本実施形態では、スクロール指示スイッチを操作した場合、1のアイコンに対応する表示画面から、他のアイコンに対応する表示画面へとスクロールしていく様子が表現されたアニメーションが表示されるため、ユーザーは、表示画面が、メイン画面30を起点として同一の段階だけ拡大した他の表示画面へと移行していることを直感的、かつ、容易に把握できる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、メイン画面30の1のアイコンを拡大して表示させることにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される。例えば、メイン画面30のCDアイコン35bを拡大して表示させることにより、当該CDアイコン35bに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき情報である「再生可能な楽曲の一覧」が表示される。
このように、表示領域の表示を拡大することにより、より詳細な情報が表示される、という表示態様が、地図の場合と、アイコンの場合とで同様であるため、ユーザーは、地図を拡大するのと同様の感覚で、1のアイコンを選択でき、かつ、1のアイコンを選択した後に表示された表示画面(例、図5のCDアイコン選択画面40)が、当該1のアイコンに関するより詳細な情報(当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容)であることを、直感的に把握でき、これにより、選択項目の選択におけるユーザーの負担が軽減する。
【0034】
また、本実施形態では、1のアイコンが選択された場合、当該1のアイコンが徐々に拡大していく動きが表現されたアニメーションが表示された後、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される。
これにより、1のアイコンを拡大することにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容が表示されている、というイメージをユーザーに抱かせることができると共に、ユーザーは、1のアイコンを選択した後に表示された表示画面が、当該1のアイコンに関するより詳細な情報(当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容)であることを、直感的に把握でき、これにより、選択項目の選択におけるユーザーの負担が軽減する。
【0035】
また、本実施形態では、1のアイコンを拡大表示して表示された表示画面に、さらに、他のアイコンが存在した場合において、当該他のアイコンを拡大表示した場合、当該他のアイコンに対応する選択項目が選択された場合に表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される構成となっている。つまり、アイコンを、順次、拡大表示していくことと、各アイコンに対応する選択項目の階層を、順次、下っていくことと、が対応した処理となっている。つまり、本実施形態では、アイコンを、順次、拡大表示していくほど、各アイコンに対応する選択項目の階層が、順次、下がっていき、より詳細な情報(各アイコンを選択したときに表示すべき表示内容)が、順次、表示されていくこととなる。
このように、表示領域の表示を拡大することにより、より詳細な情報が表示される、という表示態様が、地図の場合と、アイコンの場合とで同様であるため、ユーザーは、地図を拡大するのと同様の感覚で、1のアイコンを選択でき、かつ、1のアイコンを選択した後に表示された表示画面が、当該1のアイコンに関するより詳細な情報(当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容)であることを、直感的に把握でき、これにより、選択項目の選択におけるユーザーの負担が軽減する。
【0036】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、1のアイコンに対応する表示画面から、他のアイコンに対応する表示画面へ、メイン画面30における1のアイコンと他のアイコンとの位置関係を反映した上でスクロール指示スイッチを操作することにより、遷移可能な構成となっている。
これにより、地図をスクロールするのと同様の感覚で、表示画面を遷移することができ、ユーザーの操作性が向上すると共に、ユーザーは、現在表示されている表示画面を、遷移可能な他の表示画面との関係で把握でき、利便性が向上する。
【0037】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、メイン画面30のアイコンの態様は、図3に示したものに限らず、任意に設定可能である。すなわち、本発明は、拡大、縮小可能に地図を表示する車載機器に対して、広く適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 車載ナビゲーション装置(車載機器)
10 制御部
11 ナビゲーション部
30 メイン画面(同一の表示画面)
33 アイコン
35b CDアイコン(1のアイコン)
36a ナビ設定アイコン(他のアイコン)
40 CDアイコン選択画面(1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面)
41 楽曲選択アイコン(他の選択項目に対応するアイコン)
46 楽曲情報画面(他の選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面)
50 インジケーター
60 ナビ設定アイコン選択画面(他の選択項目を選択したときに表示される表示画面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域内で拡大、及び、縮小自在に地図を表示する表示部を備え、
前記表示領域に、複数の選択項目のそれぞれを、アイコンによって表示し、
複数のアイコンのうち、1のアイコンを拡大して表示させることにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される表示態様としたことを特徴とする車載機器。
【請求項2】
アイコンを、選択可能なものとし、
複数のアイコンのうち、1のアイコンが選択された場合、当該1のアイコンが徐々に拡大していく動きを表現した後、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
1のアイコンを拡大して表示したときに表示される表示画面に、他の選択項目を、アイコンによって表示可能とし、
当該他の選択項目に対応するアイコンを拡大して表示させることにより、さらに、当該他の選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面が表示される表示態様としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載機器。
【請求項4】
同一の表示画面に表示された1の選択項目に対応するアイコンと、他の選択項目に対応するアイコンとについて、当該1の選択項目を選択したときに表示される表示画面と、当該他の選択項目を選択したときに表示される表示画面との間で、表示画面を遷移可能に構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車載機器。
【請求項5】
同一の表示画面に表示された1の選択項目に対応するアイコンと、他の選択項目に対応するアイコンとの前記表示領域における位置関係を反映して、当該1の選択項目を選択したときに表示される表示画面と、当該他の選択項目を選択したときに表示される表示画面との間で、表示画面の遷移の指示をできる構成したことを特徴とする請求項4に記載の車載機器。
【請求項6】
複数のアイコンのうち、1のアイコンを拡大して表示させることにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面を表示することを、前記表示領域の表示を1段階拡大したこととし、
現時点で、表示領域に表示されている表示画面が、前記表示領域の表示を何段階拡大したものであるかを明示的に示すインジケーターを表示することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車載機器。
【請求項7】
表示領域内で拡大、及び、縮小自在に地図を表示する表示部を備えた車載機器を制御して、
前記表示領域に、複数の選択項目のそれぞれをアイコンによって表示し、複数のアイコンのうち、1のアイコンを拡大して表示することにより、当該1のアイコンに対応する選択項目が選択されたときに表示すべき表示内容を有する表示画面を表示することを特徴とする車載機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−98873(P2012−98873A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245404(P2010−245404)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】