説明

車載機器、車載機器の制御方法、及び、プログラム

【課題】撮影装置を備える車載機器において、容易に所望の被写体を撮影できるようにする。
【解決手段】撮影方向を変動可能に構成された撮影装置10と、推奨経路を検索する経路検索部30と、推奨経路を走行中に撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、被写体を撮影すべき撮影位置を特定する撮影位置特定部31と、車両が撮影位置に至ったときに被写体を撮影するための撮影装置10の撮影方向を特定する撮影方向特定部32と、車両が撮影位置に至ったときに、撮影方向を撮影装置10に撮影させることによって、被写体を撮影させる撮影制御部33と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車外を撮影可能な撮影装置を備える車載機器、この車載機器の制御方法、及び、この車載機器を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載され、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のナビゲーション装置に、車外を撮影可能な撮影装置を接続し、目的地に至る経路を走行中に、この撮影装置によって景勝地や観光施設等の被写体を撮影できるようにすると共に、撮影によって生成された撮影画像データをナビゲーション装置に出力できるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−19650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように撮影装置を備える車載機器では、運転手を含む車両の乗員が、容易に、所望の被写体を撮影できるようにしたいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、容易に所望の被写体を撮影できる車載機器、車載機器の制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車載機器において、車外を撮影可能な状態で車両に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置と、目的地までの経路を検索する経路検索部と、この経路検索部により検索された前記経路を走行中に前記撮影装置により撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、前記被写体指定部により指定された前記被写体を撮影すべき前記経路上の位置である撮影位置を特定する撮影位置特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに前記撮影装置によって前記被写体を撮影するための撮影方向を特定する撮影方向特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに、前記撮影方向特定部により特定された撮影方向を前記撮影装置に撮影させることによって、前記被写体を撮影させる撮影制御部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、上記発明の車載機器において、前記撮影位置特定部は、前記経路上を走行する前記車両と、前記被写体の位置とが近接するような前記経路上の位置を、前記撮影位置として特定してもよい。
【0007】
また、上記発明の車載機器において、前記撮影位置特定部は、前記経路上を走行する前記車両と、前記被写体との間に、前記撮影装置による撮影を妨げるオブジェクトが介在しない位置を、前記撮影位置として特定してもよい。
【0008】
また、上記発明の車載機器において、前記被写体を撮影する際に推奨される位置に関する情報を保持する外部サーバーにアクセス可能に構成され、前記撮影位置特定部は、前記外部アクセスサーバーから前記被写体を撮影する際に推奨される位置に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記撮影位置を特定してもよい。
【0009】
また、上記発明の車載機器において、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に近づいたときに、車速の低下を促す旨の報知をしてもよい。
【0010】
また、上記発明の車載機器において、前記車両が複数の車線を有する道路を走行している場合、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に近づいたときに、前記被写体に近い車線に前記車両を誘導するようにしてもよい。
【0011】
また、上記発明の車載機器において、前記車両が前記撮影位置の近傍に位置している間は、前記撮影装置の撮影方向が前記被写体を撮影する撮影方向となった状態が維持されるよう、前記撮影装置の撮影方向を制御する撮影方向制御部を備えてもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、車外を撮影可能な状態で車両に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置と、目的地までの経路を検索する経路検索部と、前記経路検索部により検索された前記経路を走行中に前記撮影装置により撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、を備える車載機器を制御して、前記被写体指定部により指定された前記被写体を撮影すべき前記経路上の位置である撮影位置を特定すると共に、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに前記撮影装置によって前記被写体を撮影するための撮影方向を特定し、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに、前記撮影方向特定部により特定された撮影方向を前記撮影装置に撮影させることによって、前記被写体を撮影させることを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、車外を撮影可能な状態で車両に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置と、目的地までの経路を検索する経路検索部と、前記経路検索部により検索された前記経路を走行中に前記撮影装置により撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、を備える車載機器を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、前記コンピューターを、前記被写体指定部により指定された前記被写体を撮影すべき前記経路上の位置である撮影位置を特定する撮影位置特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに前記撮影装置によって前記被写体を撮影するための撮影方向を特定する撮影方向特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに、前記撮影方向特定部により特定された撮影方向を前記撮影装置に撮影させることによって、前記被写体を撮影させる撮影制御部と、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容易に所望の被写体を撮影可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】撮影システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】車載ナビゲーション装置、及び、撮影装置の機能的構成を模式的に示す図である。
【図3】車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】オブジェクト指示画面の一例を模式的に示す図である。
【図5】車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図6】撮影位置特定部によって特定されるオブジェクト撮影位置を説明するための図である。
【図7】撮影方向特定部によって特定されるオブジェクト撮影方向を説明するための図である。
【図8】車載機器の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る撮影システム1の構成を概略的に示す図である。
図1において、円Xでは、後述する撮影装置10を上方から見た様子を模式的に示している。
図1に示すように、撮影システム1は、車両11に搭載された車載ナビゲーション装置12を備えており、この車載ナビゲーション装置12には、デジタルカメラを有する撮影装置10が接続されている。
撮影装置10は、撮影レンズ13(円X参照)及び、図示しない撮像素子を備え、車外を撮影し、撮影した画像を示す撮影画像データを車載ナビゲーション装置12に出力する。
この撮影装置10は、車両11の天部に設けられた台座14に載置されており、これら撮影装置10及び台座14を取り囲んで、撮影装置10に対する風雨の接触を防止するための透明なカバー10aが設けられている。本実施形態では、詳細は後述するが、撮影装置10は、中心軸T(円X参照)を中心に所望の回転角度分だけ水平方向(矢印Y1が示す方向)に回動可能な構成とされており、これにより撮影レンズ13の向く方向を変動させることができる。
本実施形態では、車載ナビゲーション装置12、及び、撮影装置10によって車載機器15が構成される。
【0017】
車載ナビゲーション装置12は、車両11内に持ち込まれた携帯電話16との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に準拠した近距離無線通信可能に構成されている。携帯電話16は、無線基地局17を介してインターネットや移動通信網等の通信ネットワーク18に接続可能であり、この通信ネットワーク18を介して、撮影位置情報提供サーバー19(外部サーバー)との間で各種データの送受信ができる。この撮影位置情報提供サーバー19は、詳細は後述するが、1の撮影対象オブジェクト(後述)について、当該撮影対象オブジェクトを撮影する位置として推奨される位置に関する情報を提供するサーバー装置である。
【0018】
図2は、車載機器15の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車載機器15において、車載ナビゲーション装置12は、制御部20と、絶対位置検出部21と、相対方位検出部22と、表示部23と、入力部24と、インターフェイス部25と、記憶部26と、台座駆動部27と、を備えている。
【0019】
制御部20は、車載ナビゲーション装置12の各部を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAM、その他周辺回路を備えている。制御部20は、経路検索部30と、撮影位置特定部31と、撮影方向特定部32と、撮影制御部33と、を備えているが、これらについては後述する。
絶対位置検出部21は、GPS衛星から送られてくるGPS電波をGPSアンテナやレシーバーなどで受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両11の絶対的な位置を検出し、制御部20に出力する。
相対方位検出部22は、ジャイロセンサー等を使って、車両11の相対的な方位を検出し、制御部20に出力する。
表示部23は、液晶表示パネル等の表示パネル35を備え、制御部20の制御の下、表示パネル35にナビゲーションのための地図等の各種情報を表示する。
入力部24は、車載ナビゲーション装置12に設けられた操作スイッチ36と、表示部23の表示パネル35に重ねて配設されたタッチパネル37とを備え、ユーザーの操作スイッチ36や、タッチパネル37に対する操作を検出し、制御部20に出力する。
インターフェイス部25は、撮影装置10に接続され、撮影装置10との間で通信規格に準拠した通信を行う。
記憶部26は、ハードディスクや、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部26には、地図データ40と、経路検索用データ41とが記憶されている。
【0020】
地図データ40は、地図に関するデータであり、車両11の現在位置を表示する際や、後述する経路誘導時に表示部23の表示パネル35に表示される表示用の地図に係るデータや、地図上の道路や施設等の情報に関するデータ等を含んでいる。
特に、本実施形態に係る地図データ40には、撮影対象オブジェクトに関する情報が含まれている。本実施形態では、ユーザーが、車両11の走行中に撮影を望む被写体を事前に指定できる構成となっているが(詳細は後述)、撮影対象オブジェクトとは、被写体として指定可能なオブジェクトとして予め選定されたもののことをいう。撮影対象オブジェクトは、ユーザーが撮影することを望む可能性があるか否かという基準、及び、道路を走行する車両11から物理的に撮影可能か否かという基準によって選定されており、例えば、タワーやビル等の建造物、古刹やエンターテイメント施設等の施設、山等の各種景勝地が撮影対象オブジェクトとして選定されている。
地図データ40に含まれた撮影対象オブジェクトに関する情報には、撮影対象オブジェクトの名称を示す情報のほか、撮影対象オブジェクトの位置(緯度・経度)を示す情報が含まれている。撮影対象オブジェクトの位置としては、撮影対象オブジェクトの形状や、特徴を踏まえ、例えば、撮影対象オブジェクトの中心に対応する位置や、また、撮影対象オブジェクトが特徴的なシンボルを有している場合におけるシンボルの位置に対応する位置等が、適宜、定められている。
また、地図データ40には、施設に関する情報が含まれている。施設とは、店舗や、ガソリンスタンド、ビル、観光施設等の、地図上に表示される建造物や設備のことである。
特に、本実施形態では、施設に関する情報には、施設の位置(経度・緯度)を示す情報のほか、施設の形状を示す情報、施設の高さを示す情報が含まれている。
【0021】
経路検索用データ41は、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ、及び、交差点(ノード)に関するノードデータを備えている。リンクデータ及びノードデータには道路種別、道路幅、車線数、一方通行か否か、及び、制限速度に関する情報や、各リンクのリンクコストを示すリンクコストデータが含まれている。各リンクのリンクコストは、リンク長やリンクの種別、平均旅行時間などから適切に算出されている。この経路検索用データ41は、制御部20が備える経路検索部30による推奨経路の検索に以下のようにして利用される。
【0022】
推奨経路とは、車両11の現在位置から目的地に至る経路のうち、最も走行することが推奨される経路のことである。
推奨経路の検索に際し、まず、ユーザーは、入力部24の操作スイッチ36やタッチパネル37によって目的地を指定した上で、推奨経路の検索が指示する。
当該指示をトリガーとして、制御部20の経路検索部30は、経路検索用データ41に基づいて、現在位置から目的地に至るまでの連続したリンクにおいて、各リンクのリンクコストの総和が最小になるような経路を推奨経路として検索する。
さらに、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置12は、推奨経路の検索後、当該推奨経路を誘導する経路誘導機能を有している。
経路誘導機能の実行時、経路検索部30は、表示部23の表示パネル35に表示された地図上に、車両11の現在位置、及び、車両11が走行すべき推奨経路を明示し、車両11の運転手に対して経路誘導を行う。経路誘導中、経路検索部30は、相対方位検出部22の検出値に基づいて自律航法により算出した自車位置を絶対位置検出部21により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を地図上に表示して、経路誘導を行う。
【0023】
台座駆動部27は、制御部20の制御の下、台座14に設けられたモーター(不図示)を駆動することにより、撮影装置10を回転し、撮影装置10の撮影レンズ13の方向を変動するものである。具体的には、撮影装置10は、台座14に内蔵されているモーターの動力を伝える回転軸に接続されており、モーターの駆動に応じて、図1の円Xに示すように、中心軸Tを中心に、回転方向Y1が示す方向に回転する構成となっている。そして、台座駆動部27は、撮影装置10の撮影レンズ13方向を所望の方向にすべく、制御部20の制御の下、モーターに制御信号を出力して撮影装置10を回動する。
このように、撮影装置10は、中心軸Tを中心に回転可能な構成となっているため、撮影装置10の撮影レンズ13の方向を、任意の方向とすることができ、これにより、撮影レンズ13の方向を正しく調整し、かつ、撮影の開始のタイミングを正しく制御することによって、車外に存在する撮影対象オブジェクトを撮影することができる。
【0024】
一方、撮影装置10は、撮影を実行し、静止画としての撮影画像データを生成する装置であり、カメラ側制御部50と、撮影部51と、インターフェイス部52とを備えている。
カメラ側制御部50は、撮影装置10の各部を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAM、その他周辺回路を備えている。
撮影部51は、撮影レンズ13のほか、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー等の撮像素子や、ズームやフォーカス等の調整を行うために撮影レンズ13を駆動するレンズ駆動部等を備え、カメラ側制御部50の制御の下、撮影を実行する。カメラ側制御部50は、撮影部51が備える撮像素子から出力されたデータを所定のファイル形式の画像データに変換することによって撮影画像データを生成し、生成した撮影画像データを車載ナビゲーション装置12の制御部20に出力する。
インターフェイス部52は、車載ナビゲーション装置12に接続され、車載ナビゲーション装置12との間で通信規格に準拠した通信を行う。
【0025】
このように、車載機器15は、撮影装置10を備えており、この撮影装置10によって車外に存在する被写体を撮影可能である。
そして、本実施形態に係る車載機器15は、上述した推奨経路の走行中に、所望の撮影対象オブジェクトを自動で撮影可能な構成となっており、これにより撮影に伴ってユーザーが煩雑な作業を行わなくてもよいようにし、ユーザーの利便性を向上している。
以下、所望の撮影対象オブジェクトを自動で撮影する際の車載機器11の動作について、詳述する。
【0026】
図3は、車載機器15の動作を示すフローチャートであり、特に、オブジェクト撮影位置、及び、オブジェクト撮影方向(いずれも後述)を特定する際の動作に係るフローチャートである。
まず、ユーザーにより、ある目的地に至る推奨経路の検索が指示され、経路検索部30により推奨経路の検索が行われる(ステップSA1)。
次いで、制御部20は、表示部23を制御して、ユーザーが推奨経路の走行中に撮影すべき撮影対象オブジェクトを指示するための、オブジェクト指示画面60を表示する。
【0027】
図4は、オブジェクト指示画面60の一例を模式的に示す図である。
図4に示すように、オブジェクト指示画面60では、画面全体に地図が表示されると共に、地図上に、太線によって現在地から目的地に至る推奨経路が示される。
そして、オブジェクト指示画面60では、地図上に、推奨経路を走行する車両11の撮影装置10によって撮影可能と判別された撮影対象オブジェクトがアイコン61によって表示されると共に、各アイコンの近傍には、対応する撮影対象オブジェクトの名称が表示される。
このオブジェクト指示画面60に表示される撮影対象オブジェクトは、制御部20により例えば、以下のようにして選択される。すなわち、制御部20は、地図データ40を参照して、地図データ40に含まれる撮影対象オブジェクトの位置を示す情報に基づいて、ステップSA1で検索した推奨経路に対する離間距離の最小値が所定の閾値(例えば、1km)を下回る撮影対象オブジェクトを特定し、これら撮影対象オブジェクトを、オブジェクト指示画面60にアイコン61として表示すべき撮影対象オブジェクトとする。この方法によって、撮影対象オブジェクトを選別すれば、推奨経路に近接しており、従って、推奨経路を走行する車両11の撮影装置10から撮影可能である蓋然性が非常に高い撮影対象オブジェクトを選別することが可能である。
なお、オブジェクト指示画面60に表示すべき撮影対象オブジェクトの選別は、この方法に限らず、推奨経路を走行する車両11により撮影可能か否かという観点に基づいて各種手段により選別が可能である。
オブジェクト指示画面60に表示された撮影対象オブジェクトのアイコン61は、タッチ操作可能となっている。ユーザーは、推奨経路を走行中に撮影したい撮影対象オブジェクトがある場合は、当該撮影対象オブジェクトに対応するアイコン61をタッチ操作する。これにより、推奨経路を走行中に撮影すべき撮影対象オブジェクトの指定が行われる。
本実施形態では、このオブジェクト指示画面60が、被写体指定部に該当する。
【0028】
前掲図3に戻り、ステップSA2でオブジェクト指示画面60を表示した後、制御部20は、ユーザーによるオブジェクト指示画面60に対するタッチ操作に基づいて、推奨経路を走行中に撮影すべき撮影対象オブジェクトを特定する(ステップSA3)。
次いで、制御部20の撮影位置特定部31は、オブジェクト撮影位置を特定する(ステップSA4)。
オブジェクト撮影位置とは、推奨経路上において、指定された撮影対象オブジェクトを撮影すべき位置であり、本実施形態では、推奨経路上を走行する車両11が、オブジェクト撮影位置に至ったときに、撮影装置10による撮影対象オブジェクトの撮影が実行される。このオブジェクト撮影位置は、推奨経路と、撮影対象オブジェクトとの位置関係や、撮影対象オブジェクトの周囲の環境等を考慮して適切に定められている。
以下、撮影位置特定部31の動作について詳述する。
【0029】
図5は、撮影位置特定部31の動作を示すフローチャートである。
この撮影位置特定部31の動作は、制御部20のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働によって実現される。
まず、撮影位置特定部31は、オブジェクト撮影位置の特定にあたり、撮影位置情報提供サーバー19の情報を利用するか否かを判別する(ステップSB1)。
撮影位置情報提供サーバー19の情報を利用するか否かは、ユーザーが操作スイッチ36やタッチパネル37等を操作して、専用のユーザーインターフェイスを利用して、事前に指示しているものとする。
【0030】
ここで、撮影位置情報提供サーバー19には、少なくとも、複数の撮影対象オブジェクトについて、各撮影対象オブジェクトを撮影すべき位置として推奨される道路上の位置を示す情報が記憶されている。1の撮影対象オブジェクトについて、当該撮影対象オブジェクトを撮影可能な道路が複数存在する場合は、道路ごとに当該位置を示す情報が記憶されている。撮影対象オブジェクトを撮影すべき位置として推奨される道路上の位置は、例えば、撮影対象オブジェクトを見栄え良く撮影できる位置か否か、また、撮影対象オブジェクトを人気のある角度から撮影できる位置か否か等の基準に基づいて、サーバーの管理者や、サーバーの利用者によって、適切に定められている。
なお、撮影位置情報提供サーバー19では、全ての撮影対象オブジェクトに関する情報を記憶しているわけではない。
【0031】
撮影位置情報提供サーバー19の情報を利用する場合(ステップSB1:YES)、撮影位置特定部31は、撮影位置情報提供サーバー19にアクセスし、サーバー上に、指定された撮影対象オブジェクトを撮影すべき位置として推奨される位置であって、推奨経路上に存在する位置を示す情報が記憶されているか否かを判別する(ステップSB2)。
撮影位置情報提供サーバー19に、指定された撮影対象オブジェクトを撮影すべき位置として推奨される位置であって、推奨経路上に存在する位置を示す情報が記憶されている場合(ステップSB2:YES)、撮影位置特定部31は、撮影位置情報提供サーバー19から当該位置を示す情報を取得し(ステップSB3)、当該位置を、オブジェクト撮影位置として特定する(ステップSB4)。
なお、車載ナビゲーション装置12と、撮影位置情報提供サーバー19との間でデータをやり取りするために定義されたプロトコルに基づいて、車載ナビゲーション装置12は、撮影対象オブジェクトに関する情報についての問い合わせや、各種情報の取得を実行する。
【0032】
一方で、ステップSB1において撮影位置情報提供サーバー19の情報を利用しない場合(ステップSB1:NO)、又は、ステップSB2において撮影位置情報提供サーバー19に、指定された撮影対象オブジェクトを撮影すべき位置として推奨される位置であって、推奨経路上に存在する位置を示す情報が記憶されていない場合(ステップSB2:NO)、撮影位置特定部31は、地図データ40を参照し、推奨経路上で、撮影対象オブジェクトとの離間距離が最も小さい位置(以下、「最短位置」という)を特定する(ステップSB5)。
次いで、撮影位置特定部31は、地図データ40を参照し、撮影対象オブジェクトと、上述の最短位置とを結ぶ線上に、最短位置において撮影装置10により撮影対象オブジェクトを撮影した場合に、撮影を妨げるような施設(オブジェクト)が存在しているか否かを判別する(ステップSB6)。1の施設が、撮影を妨げるか否かは、当該施設の形状、及び、当該施設の高さが考慮された上で判別される。
【0033】
撮影対象オブジェクトと、上述の最短位置とを結ぶ線上に、最短位置において撮影装置10により撮影対象オブジェクトを撮影した場合に、撮影を妨げるような施設(オブジェクト)が存在していない場合(ステップSB6:NO)、撮影位置特定部31は、最短位置を、オブジェクト撮影位置として特定する(ステップSB7)。
撮影対象オブジェクトと、上述の最短位置とを結ぶ線上に、最短位置において撮影装置10により撮影対象オブジェクトを撮影した場合に、撮影を妨げるような施設(オブジェクト)が存在している場合(ステップSB6:YES)、撮影位置特定部31は、当該施設を含め、撮影を妨げる施設が、撮影対象オブジェクトと、オブジェクト撮影位置とを結ぶ線上に存在しないような道路上の位置であって、撮影対象オブジェクトとオブジェクト撮影位置との離間距離が最も小さくなるような位置を、オブジェクト撮影位置として特定する(ステップSB8)。
【0034】
図6は、撮影位置特定部31によって特定されるオブジェクト撮影位置を具体的に説明するための図である。
図6において、符号R1は、推奨経路に含まれる道路を示しており、この道路R1を矢印Y2が示す方向に走行することにより、車両11は目的地に至るものとする。
また、符号S1は、撮影すべきオブジェクトとして指定された撮影対象オブジェクトを示しており、道路R1上の符号P1は、上述した最短位置を示している。
また、符号S2は、最短位置P1から撮影対象オブジェクトS1を撮影する場合に、当該撮影を妨げるような施設である。
また、道路R1上のポイントP2は、撮影対象オブジェクトS1と、道路R1とを結ぶ線上に撮影対象オブジェクトS1の撮影を妨げるような施設が存在しない道路上の位置であって、かつ、撮影対象オブジェクトS1との離間距離が最も小さい位置を示している。
上述したような状況では、撮影位置特定部31は、ポイントP2を、オブジェクト撮影位置として特定する。
なお、図6の例において、施設S2が存在しないとすると、最短位置P1が、撮影位置特定部31により、オブジェクト撮影位置として特定されることとなる。
【0035】
以上のようにして、撮影位置特定部31は、オブジェクト撮影位置を特定するが、オブジェクト撮影位置が位置している道路に、複数の車線が存在している場合がある。この場合、撮影位置特定部31は、車線のそれぞれについて、オブジェクト撮影位置を特定する。これは、車両11がどの車線を走行するのかは状況に応じて変わるため、車両11がどの車線を走行した場合であっても、オブジェクト撮影位置を通過するようにするためである。
【0036】
さて、前掲図4に戻り、オブジェクト撮影位置を特定した後、制御部20の撮影方向特定部32は、オブジェクト撮影方向を特定する(ステップSA5)。
以下、撮影方向特定部32の動作について詳述する。
【0037】
オブジェクト撮影方向とは、車両11がステップSA4で特定されたオブジェクト撮影位置に至ったときに、指定された撮影対象オブジェクトを撮影するための撮影レンズ13の向きのことである。特に、以下の説明では、オブジェクト撮影方向とは、車両11の前後方向に延びる仮想直線と、撮影レンズ13が向く方向に延びる仮想直線とによって形成される角度のことを言うものとする。車両11の前後方向に延びる仮想直線の向きは、車両11の進行方向等に基づいて、制御部20により適宜算出される。また、制御部20は、台座駆動部27を制御して、撮影装置10の撮影レンズ13の向きをオブジェクト撮影方向とすることができる。
【0038】
図7は、撮影方向特定部32によって特定されるオブジェクト撮影方向を具体的に説明するための図である。
なお、本実施形態では、車両11がオブジェクト撮影位置に至ったと判別されたときに、撮影装置10の中心軸T1が、当該オブジェクト撮影位置に至るように、各種処理や、値が調整される。
図7を参照し、符号P3がオブジェクト撮影位置であり、指定された撮影対象オブジェクトが撮影対象オブジェクトS3であり、車両11の前後方向に延びる仮想直線が仮想直線K1であるとする。この場合において、仮想直線K1と、オブジェクト撮影位置P3から撮影対象オブジェクトS3へ延びる直線K2との間に形成される角度α(オブジェクト撮影方向)は、一意に定まる。
これを踏まえ、撮影方向特定部32は、オブジェクト撮影方向の特定に際し、オブジェクト撮影位置、撮影対象オブジェクトの位置、及び、車両11がオブジェクト撮影位置に至ったときの車両11の進行方向を取得し、これらに基づいて、車両11の前後方向に延びる仮想直線と、オブジェクト撮影位置から撮影対象オブジェクトへ延びる仮想直線との間に形成される角度を算出し、算出した値を撮影方向として特定する。
【0039】
次いで、推奨経路を走行する車両11の撮影装置10により、指定された撮影対象オブジェクトを撮影する際の動作について詳述する。当該動作は、制御部20が備える撮影制御部33により行われる。
【0040】
図8は、推奨経路を走行する車両11の撮影装置10により、指定された撮影対象オブジェクトを撮影する際の撮影制御部33の動作を示すフローチャートである。
この撮影制御部33の機能は、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行する等、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現される。
まず、撮影制御部33は、絶対位置検出部21の検出値、及び、オブジェクト撮影位置に基づいて、車両11と、オブジェクト撮影位置との距離が、所定の距離(例えば、500m)以内となったか否かを監視する(ステップSC1)。
車両と、オブジェクト撮影位置との距離が、所定の距離以内となった場合(ステップSC1:YES)、撮影制御部33は、表示部23を制御して、車速を落とすことを推奨する旨の表示を表示パネル35に行う(ステップSC2)。これは、撮影対象オブジェクトの撮影にあたり、車両11の速度が遅い方が、撮影時におけるブレが少ない傾向があるからである。
【0041】
次いで、撮影制御部33は、オブジェクト撮影位置が位置する道路に複数の車線が存在するか否かを判別する(ステップSC3)。
車線が複数存在する場合(ステップSC3:YES)、撮影制御部33は、表示部23を制御して、当該道路において、複数の車線のうち、最も撮影対象オブジェクト側に位置する車線を車両11が走行するように車両11を誘導するための表示を表示パネル35に表示する(ステップSC4)。これは、撮影対象オブジェクトの撮影に際し、当該撮影対象オブジェクト側に位置する車線を走行した方が、他の車線を走行する場合と比較して、撮影対象オブジェクトを撮影しやすく、また、他の車線を走行する他の車両により、撮影が妨げられることを防止できるからである。
なお、車線の混雑の状況、道路における事故や工事の状況によっては、車両11が、撮影対象オブジェクト側に位置する車線を走行できない場合もある。この場合であっても、上述したように、車線ごとに、オブジェクト撮影位置が特定されているため、車両11がオブジェクト撮影位置に至らない、といった事態が発生することが好適に防止されている。
【0042】
ステップSC3において、オブジェクト撮影位置が位置する道路に複数の車線が存在しない場合(ステップSC3:NO)、又は、ステップSC4において、車両11の誘導に係る表示を行った後、撮影制御部33の撮影方向制御部38は、台座駆動部27を制御して、撮影装置10の撮影方向が、撮影方向特定部32により特定されたオブジェクト撮影方向となるように、撮影装置10の撮影レンズ13の向きを変動する(ステップSC5)。
次いで、撮影制御部33は、車両11が、オブジェクト撮影位置に近接した位置に至ったか否かを監視する(ステップSC6)。オブジェクト撮影位置に近接した位置とは、例えば、オブジェクト撮影位置から5m離間した位置である。
車両11が、オブジェクト撮影位置に近接した位置に至った場合、撮影制御部33の撮影実行制御部39は、カメラ側制御部50を制御して、撮影装置10による静止画の撮影を開始する(ステップSC7)。その際、撮影実行制御部39は、絶対位置検出部21及び相対方位検出部22の検出値、及び、オブジェクト撮影位置に基づいて、車両11の現在位置と、オブジェクト撮影位置との位置関係を把握しつつ、少なくとも、車両11が、オブジェクト撮影位置に至ったときに静止画の撮影を行うと共に、当該撮影の前後において、複数回の静止画の撮影を行う。これは、例えば、偶発的に、車両11と、撮影対象オブジェクトとの間に、他の車両が介在した場合であっても、撮影対象オブジェクトが収まった静止画をできるだけ撮影できるようにするためである。
なお、車両11が、オブジェクト撮影位置に至ったときの前後における撮影は、車両11の速度に応じて、及び/又は、車両11の位置とオブジェクト撮影位置との位置関係に応じて、その枚数や、撮影タイミング等が適切に制御されるようにしてもよい。
【0043】
このように、本実施形態に係る車載機器15では、車両11がオブジェクト撮影位置に至ったときに、予め求められたオブジェクト撮影方向を向いた撮影装置10により撮影が行われ、これにより、自動で、撮影対象オブジェクトの撮影が実行される。
これにより、ユーザーは、例えば、撮影対象オブジェクトを撮影するために、一旦、自動車を停車したり、また、シャッタースイッチの操作に対応する操作を行ったりする必要がなくなる。すなわち、ユーザーは、煩雑な作業を行うことなく、容易に、所望の撮影対象オブジェクトを撮影できる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る車載機器15は、車外を撮影可能な状態で車両11に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置10を備えている。さらに、車載機器15が備える車載ナビゲーション装置12は、目的地までの推奨経路を検索する経路検索部30と、この経路検索部30により検索された推奨経路を走行中に撮影装置10により撮影すべき撮影対象オブジェクト(被写体)を指定するオブジェクト指示画面60と、オブジェクト指示画面60を利用して指定された撮影対象オブジェクトを撮影すべき推奨経路上の位置であるオブジェクト撮影位置を特定する撮影位置特定部31と、推奨経路上を走行する車両11がオブジェクト撮影位置に至ったときに撮影装置10によって撮影対象オブジェクトを撮影するためのオブジェクト撮影方向を特定する撮影方向特定部32と、推奨経路上を走行する車両がオブジェクト撮影位置に至ったときに、撮影方向特定部32により特定された撮影方向を撮影装置10に撮影させることによって、撮影対象オブジェクトを撮影させる撮影制御部33と、を備えている。
これによれば、車両11がオブジェクト撮影位置に至ったときに、予め求められたオブジェクト撮影方向を向いた撮影装置10により撮影が行われ、これにより、自動で、撮影対象オブジェクトの撮影が実行される。このため、ユーザーは、例えば、撮影対象オブジェクトを撮影するために、一旦、自動車を停車したり、また、シャッタースイッチの操作に対応する操作を行ったりする必要がなくなる。すなわち、ユーザーは、煩雑な作業を行うことなく、容易に、所望の撮影対象オブジェクトを撮影できる。
【0045】
また、本実施形態では、撮影位置特定部31は、推奨経路上を走行する車両11と、撮影すべきオブジェクトとして指定された撮影対象オブジェクトと、が近接するような推奨経路上の位置を、オブジェクト撮影位置として特定する。
これによれば、オブジェクト撮影位置を、撮影オブジェクトとの離間距離が小さく、従って、撮影オブジェクトをより確実に撮影できる位置、とすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、撮影位置特定部31は、推奨経路上を走行する車両11と、撮影対象オブジェクトとの間に、撮影装置10による撮影を妨げる施設(オブジェクト)が介在しない位置を、オブジェクト撮影位置として特定する。
これによれば、撮影対象オブジェクトの撮影を妨げるような施設がある位置で、当該撮影対象オブジェクトの撮影が行われる、といった事態が発生することを防止できる。
【0047】
また、本実施形態に係る車載機器15は、撮影対象オブジェクトを撮影する際に推奨される位置に関する情報を保持する撮影位置情報提供サーバー19にアクセス可能に構成されている。そして、撮影位置特定部31は、撮影位置情報提供サーバー19から撮影対象オブジェクトを撮影する際に推奨される位置に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、オブジェクト撮影位置を特定することが可能である。
これによれば、撮影位置情報提供サーバー19上の情報を利用して、好適に、オブジェクト撮影位置を特定することができる。
【0048】
また、本実施形態では、推奨経路上を走行する車両11がオブジェクト撮影位置に近づいたときに、車速の低下を促す旨の報知をする。
これにより、ユーザーに対して、ブレの少ない撮影を実現するために、車速を低下すべきことを認識させることができ、また、ユーザーが車速を低下させることにより、ブレの少ない撮影を実現できる。
【0049】
また、本実施形態では、車両11が複数の車線を有する道路を走行する場合、推奨経路上を走行する車両11がオブジェクト撮影位置に近づいたときに、撮影対象オブジェクト側の車線に車両11を誘導する。
これは、撮影対象オブジェクトの撮影に際し、当該撮影対象オブジェクト側に位置する車線を走行した方が、他の車線を走行する場合と比較して、撮影対象オブジェクトを撮影しやすく、また、他の車線を走行する他の車両により、撮影が妨げられることを防止できるからである。
【0050】
次いで、他の実施形態について説明する。
上述した実施形態では、車両11がオブジェクト撮影位置に至る前に、予め、撮影装置10の撮影方向がオブジェクト撮影方向となるように、撮影装置10の撮影レンズ13の向きが変動されていた。
一方で、本実施形態では、制御部20の撮影制御部33は、少なくとも、車両11がオブジェクト撮影位置の近傍に位置し静止画の撮影が行われる間は、撮影装置10の撮影レンズ13が、撮影対象オブジェクトを向いている状態が維持されるように、撮影装置10の撮影方向を制御する。
詳述すると、少なくとも車両11がオブジェクト撮影位置の近傍に位置し静止画の撮影が行われる間、随時、撮影制御部33は、地図データ40を参照した上で、絶対位置検出部21、相対方位検出部22、及び、撮影対象オブジェクトの位置に基づいて、撮影装置10の撮影レンズ13が撮影対象オブジェクトを向くような、オブジェクト撮影方向を算出する。そして、上記の間、撮影制御部33は、撮影装置10の撮影方向が、算出した撮影方向となるように、台座駆動部27を制御して、撮影装置10の撮影レンズ13の向きを変動する。これにより、撮影装置10の撮影レンズ13が、撮影対象オブジェクトを向いている状態が維持される。
そして、撮影制御部33は、車両11がオブジェクト撮影位置の近傍に至ったときに、上述した実施形態と同様の手段により、複数の静止画を撮影する。
本実施形態では、この複数の静止画の撮影に際し、上述したように、撮影装置10の撮影レンズ13が、撮影対象オブジェクトを向いている状態が維持される。これにより、撮影対象オブジェクトを静止画として確実に撮影でき、かつ、よりブレが少ない状況で撮影することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、撮影装置10は、車両11の天部に設けられていたが、撮影装置10が設けられる位置はこれに限らず、車内であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 撮影装置
11 車両
15 車載機器
18 通信ネットワーク
19 撮影位置情報提供サーバー(外部サーバー)
30 経路検索部
31 撮影位置特定部
32 撮影方向特定部
33 撮影制御部
38 撮影方向制御部
39 撮影実行制御部
60 オブジェクト指示画面(被写体指定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外を撮影可能な状態で車両に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置と、目的地までの経路を検索する経路検索部と、この経路検索部により検索された前記経路を走行中に前記撮影装置により撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、前記被写体指定部により指定された前記被写体を撮影すべき前記経路上の位置である撮影位置を特定する撮影位置特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに前記撮影装置によって前記被写体を撮影するための撮影方向を特定する撮影方向特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに、前記撮影方向特定部により特定された撮影方向を前記撮影装置に撮影させることによって、前記被写体を撮影させる撮影制御部と、を備えることを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記撮影位置特定部は、
前記経路上を走行する前記車両と、前記被写体の位置とが近接するような前記経路上の位置を、前記撮影位置として特定することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記撮影位置特定部は、
前記経路上を走行する前記車両と、前記被写体との間に、前記撮影装置による撮影を妨げるオブジェクトが介在しない位置を、前記撮影位置として特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載機器。
【請求項4】
前記被写体を撮影する際に推奨される位置に関する情報を保持する外部サーバーにアクセス可能に構成され、
前記撮影位置特定部は、
前記外部アクセスサーバーから前記被写体を撮影する際に推奨される位置に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記撮影位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項5】
前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に近づいたときに、車速の低下を促す旨の報知をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車載機器。
【請求項6】
前記車両が複数の車線を有する道路を走行している場合、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に近づいたときに、前記被写体に近い車線に前記車両を誘導することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車載機器。
【請求項7】
前記車両が前記撮影位置の近傍に位置している間は、前記撮影装置の撮影方向が前記被写体を撮影する撮影方向となった状態が維持されるよう、前記撮影装置の撮影方向を制御する撮影方向制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車載機器。
【請求項8】
車外を撮影可能な状態で車両に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置と、目的地までの経路を検索する経路検索部と、前記経路検索部により検索された前記経路を走行中に前記撮影装置により撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、を備える車載機器を制御して、
前記被写体指定部により指定された前記被写体を撮影すべき前記経路上の位置である撮影位置を特定すると共に、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに前記撮影装置によって前記被写体を撮影するための撮影方向を特定し、
前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに、前記撮影方向特定部により特定された撮影方向を前記撮影装置に撮影させることによって、前記被写体を撮影させることを特徴とする車載機器の制御方法。
【請求項9】
車外を撮影可能な状態で車両に設けられ、撮影方向を変動可能に構成された撮影装置と、目的地までの経路を検索する経路検索部と、前記経路検索部により検索された前記経路を走行中に前記撮影装置により撮影すべき被写体を指定する被写体指定部と、を備える車載機器を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、
前記コンピューターを、
前記被写体指定部により指定された前記被写体を撮影すべき前記経路上の位置である撮影位置を特定する撮影位置特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに前記撮影装置によって前記被写体を撮影するための撮影方向を特定する撮影方向特定部と、前記経路上を走行する前記車両が前記撮影位置に至ったときに、前記撮影方向特定部により特定された撮影方向を前記撮影装置に撮影させることによって、前記被写体を撮影させる撮影制御部と、として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−46129(P2012−46129A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191980(P2010−191980)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】