説明

車載用ナビゲーション装置および自車位置表示方法

【課題】道路交通情報を考慮した経路誘導が行われない場合であっても、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することができる「車載用ナビゲーション装置および自車位置表示方法」を提供すること。
【解決手段】道路交通情報取得手段14,15によって取得された道路交通情報の中から、自車位置の進行方向前方の道路交通情報、自車位置の進行方向前方の直近の交差点に対する左折方向の道路交通情報および前記交差点に対する右折方向の道路交通情報を抽出する抽出手段26と、自車位置表示手段22に対して、自車位置マークを、前記抽出された各道路交通情報を把握可能な表示態様で表示するための制御を行う自車位置表示制御手段27とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置および自車位置表示方法に係り、特に、自車位置の周辺の道路状況を把握するのに好適な車載用ナビゲーション装置および自車位置表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、ユーザが目的地を設定した場合に、渋滞情報や規制情報を考慮した目的地までの経路を探索し、探索された経路に沿って自車両を目的地まで経路誘導(換言すれば、ルート案内)することによって、自車位置の周辺の道路状況に対応した走行を行わせることが可能とされていた。
【0003】
また、このような車載用ナビゲーション装置においては、ユーザが目的地を設定しなかった場合には、図8に示すように、表示部に表示された自車位置の周辺の所定の領域を示す地図(以下、自車位置周辺地図と称する)1上に、自車位置を示す自車位置マーク6とともに、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)センタから提供された道路交通情報(以下、VICS情報と称する)を重畳表示することによって、自車位置の周辺の道路状況をユーザに提示するようになっていた。なお、図8においては、自車位置周辺地図1中の該当する道路上に、道路に渋滞が発生していることを示す矢印状の渋滞マーク2、道路が混雑していることを示す矢印状の混雑マーク3および道路に交通規制(図8においては通行止め)が発生していることを示す交通規制マーク4が、VICS情報としてそれぞれ重畳表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−345430号公報
【特許文献2】特開2008−298511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザは、自分が普段よく利用する道路等の地理に明るい道路においては、おおよその道路状況が分かっているため、目的地を設定しないことが多い。このような場合に、ユーザは、図8に示したような自車位置周辺地図1上に重畳表示されるVICS情報に基づいて、自車位置の周辺の道路状況に対応した走行を行うことは可能である。
【0006】
しかしながら、都心等の道路が込み入った場所等においては、VICS情報を一度に把握することは困難であり、また、VICS情報を把握するために画面を凝視することも危険であった。
【0007】
すなわち、従来は、道路交通情報を考慮した経路誘導が行われていない場合には、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することが困難であるといった問題が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、道路交通情報を考慮した経路誘導が行われない場合であっても、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することができ、ひいては、自車位置の周辺の道路状況の突発的な変化に機動的に対応することができる車載用ナビゲーション装置および自車位置表示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、地図データが記憶された地図データ記憶手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データに基づいて、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置の周辺の所定の領域を示す地図を表示部に表示する地図表示手段と、この地図表示手段によって表示される前記地図上に、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置を示す自車位置マークを重畳表示する自車位置表示手段と、道路交通情報を取得する道路交通情報取得手段とを備えた車載用ナビゲーション装置であって、前記道路交通情報取得手段によって取得された前記道路交通情報の中から、特定の道路交通情報として、前記自車位置の進行方向前方の道路交通情報、前記自車位置の進行方向前方の直近の交差点に対する左折方向の道路交通情報および前記交差点に対する右折方向の道路交通情報を抽出する抽出手段と、前記自車位置表示手段に対して、前記自車位置マークをユーザが前記抽出手段によって抽出された前記特定の道路交通情報を把握可能な表示態様で表示するための制御を行う自車位置表示制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
そして、このような構成によれば、自車位置表示制御手段の制御により、自車位置マークを、ユーザが抽出手段によって抽出された特定の道路交通情報を把握可能な表示態様で表示することができるので、道路交通情報を考慮した経路誘導が行われない場合であっても、ユーザが、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することができ、ひいては、自車位置の周辺の道路状況の突発的な変化に機動的に対応することができる。
【0011】
また、前記進行方向前方の道路交通情報は、前記自車位置から進行方向前方に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とされ、前記左折方向の道路交通情報は、前記交差点から左折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とされ、前記右折方向の道路交通情報は、前記交差点から右折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とされていてもよい。
【0012】
そして、このような構成によれば、自車位置表示制御手段の制御により、自車位置マークを、ユーザが重要な道路交通情報のみを把握可能な表示態様で表示することができるので、自車位置表示手段による自車位置の表示処理を簡素化することができるとともにユーザの監視負担を軽減することができる。
【0013】
さらに、前記自車位置表示制御手段は、前記制御として、前記自車位置マークを、前記抽出手段によって抽出された前記特定の道路交通情報に対応する方向を示すように配置された当該特定の道路交通情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示するための制御を行うようにしてもよい。
【0014】
そして、このような構成によれば、自車位置表示制御手段の制御により、自車位置マークを、抽出手段によって抽出された特定の道路交通情報に対応する方向を示すように配置された当該特定の道路交通情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示することができるので、ユーザが、自車位置の周辺の道路状況をさらに簡便かつ迅速に把握することができる。
【0015】
さらにまた、前記地図表示手段によって表示される地図上に、前記道路交通情報取得手段によって取得された前記道路交通情報における前記地図によって示される領域内についての道路交通情報を重畳表示する道路交通情報表示手段を備え、前記自車位置表示制御手段は、前記制御として、前記自車位置マークを、前記マーク形成パターンがこれに対応する前記道路交通情報表示手段によって表示される前記特定の道路交通情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示するための制御を行うようにしてもよい。
【0016】
そして、このような構成によれば、自車位置表示制御手段の制御により、自車位置マークを、マーク形成パターンがこれに対応する道路交通情報表示手段によって表示される特定の道路交通情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示することができるので、ユーザが、自車位置マークから地図上に重畳表示された特定の道路交通情報へと視線を移した場合に、自車位置マークにおけるマーク形成パターンと地図上の特定の道路交通情報との対応関係を即時に把握することができ、ひいては、マーク形成パターンに示される道路交通情報に対する信頼性を向上させて地図上の道路交通情報を凝視することにともなう交通事故の危険性を低減することができる。
【0017】
また、前記自車位置表示制御手段は、前記自車位置表示手段に対して、前記自車位置マークを、ユーザが前記抽出手段によって抽出された前記特定の道路交通情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示するための制御を行うようにしてもよい。
【0018】
そして、このような構成によれば、自車位置表示制御手段の制御により、自車位置マークを、ユーザが抽出手段によって抽出された特定の道路交通情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示することができるので、ユーザが、自車位置の周辺の道路状況をさらに的確に把握することができる。
【0019】
本発明に係る自車位置表示方法は、自車位置を検出し、検出された前記自車位置の周辺の所定の領域を示す地図を地図データに基づいて表示部に表示する際に、前記地図上に、前記検出された前記自車位置を示す自車位置マークを重畳表示する自車位置表示方法であって、道路交通情報を取得し、取得された前記道路交通情報の中から、特定の道路交通情報として、前記自車位置の進行方向前方の道路交通情報、前記自車位置の進行方向前方の直近の交差点に対する左折方向の道路交通情報および前記交差点に対する右折方向の道路交通情報を抽出し、前記自車位置マークを、ユーザが前記抽出された前記特定の道路交通情報を把握可能な表示態様で表示することを特徴としている。
【0020】
そして、このような方法によれば、自車位置マークを、ユーザが特定の道路交通情報を把握可能な表示態様で表示することができるので、道路交通情報を考慮した経路誘導が行われない場合であっても、ユーザが、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することができ、ひいては、自車位置の周辺の道路状況の突発的な変化に機動的に対応することができる。
【0021】
また、前記進行方向前方の道路交通情報を、前記自車位置から進行方向前方に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とし、前記左折方向の道路交通情報を、前記交差点から左折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とし、前記右折方向の道路交通情報を、前記交差点から右折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報としてもよい。
【0022】
そして、このような方法によれば、自車位置マークを、ユーザが重要な道路交通情報のみを把握可能な表示態様で表示することができるので、自車位置の表示処理を簡素化することができるとともにユーザの監視負担を軽減することができる。
【0023】
さらに、前記自車位置マークを、前記抽出された前記特定の道路交通情報に対応する方向を示すように配置された当該特定の道路交通情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示してもよい。
【0024】
そして、このような方法によれば、自車位置マークを、抽出された特定の道路交通情報に対応する方向を示すように配置された当該特定の道路交通情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示することができるので、自車位置の周辺の道路状況をさらに簡便かつ迅速に把握することができる。
【0025】
さらにまた、前記地図上に、前記取得された前記道路交通情報における前記地図によって示される領域内についての道路交通情報を重畳表示し、前記自車位置マークを、前記マーク形成パターンがこれに対応する前記地図上に重畳表示される前記特定の道路交通情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示してもよい。
【0026】
そして、このような方法によれば、自車位置マークを、マーク形成パターンがこれに対応する地図上に重畳表示される特定の道路交通情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示することができるので、ユーザが、自車位置マークから地図上に重畳表示された特定のの道路交通情報へと視線を移した場合に、自車位置マークにおけるマーク形成パターンと地図上の特定の道路交通情報との対応関係を即時に把握することができる。
【0027】
また、前記自車位置マークを、ユーザが前記抽出された前記特定の道路交通情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示してもよい。
【0028】
そして、このような方法によれば、自車位置マークを、ユーザが抽出された特定の道路交通情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示することができるので、ユーザが、自車位置の周辺の道路状況をさらに的確に把握することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、道路交通情報を考慮した経路誘導が行われない場合であっても、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することができ、ひいては、自車位置の周辺の道路状況の突発的な変化に機動的に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すハードウエア構成図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、ナビCPUを示す機能ブロック図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、(a)〜(d)の4種類の自車位置マークの表示例を示す図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、自車位置の変位にともなう自車位置マークの表示態様の変化を示す模式図
【図5】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、自車位置マークの表示態様の第1の変形例を示す図
【図6】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、自車位置マークの表示態様の第2の変形例を示す図
【図7】本発明に係る自車位置表示方法の実施形態を示すフローチャート
【図8】従来から採用されていた自車位置の表示方法を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0032】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置5は、大別して、ナビゲーションメインユニット9と、このナビゲーションメインユニット9にそれぞれ接続されたGPSレシーバ7、自律航法センサ8、入力操作部10、ディスプレイ11、スピーカ12、道路交通情報取得手段としてのビーコン受信機14およびFM多重レシーバ15とによって構成されている。
【0034】
GPSレシーバ7は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット9側に出力するようになっている。
【0035】
自律航法センサ8は、自車両の加速度、車速および自車方位等を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット9側に出力するようになっている。この自律航法センサ8は、ジャイロセンサや車速センサ(車速パルス)等からなるものであってもよい。
【0036】
入力操作部10は、車載用ナビゲーション装置5に対する種々の入力操作に用いられるようになっている。この入力操作部10は、リモコン、ディスプレイ11のタッチパネル、リニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等であってもよい。
【0037】
ビーコン受信機14は、主として高速道路に設置された電波ビーコンまたは主として一般道に設置された光ビーコンによって送信された道路交通情報としてのVICS情報を受信(取得)するようになっている。
【0038】
FM多重レシーバ15は、車載用ナビゲーション装置5側において選局されたFM放送局からFM多重放送によって送信された当該FM放送局に対応する領域についてのVICS情報を受信(取得)するようになっている。
【0039】
なお、電波ビーコン、光ビーコンおよびFM放送局には、最新のVICS情報がVICSセンタから所定時間間隔で逐次配信されるようになっており、この配信されたVICS情報が電波ビーコン、光ビーコンまたはFM放送局によって車載用ナビゲーション装置5側に送信されるようになっている。
【0040】
また、ナビゲーションメインユニット9には、ビーコン受信機14およびFM多重レシーバ15以外の道路交通情報取得手段として、携帯電話機等のインターネットを介してVICS情報を取得する通信手段が接続されていてもよい。
【0041】
次に、ナビゲーションメインユニット9について詳述すると、図1に示すように、ナビゲーションメインユニット9は、システムバス13にそれぞれ接続されたナビCPU16、ROM17、RAM18およびハードディスクドライブ(HDD)19によって構成されている。
【0042】
ここで、ナビCPU16は、地図表示機能、自車位置算出機能、経路探索機能および経路誘導機能等の車載用ナビゲーション装置5の各種の機能を実行するようになっている。
【0043】
また、ROM17には、ナビCPU16の実行プログラムが記憶されており、ナビCPU16は、この実行プログラムを実行することによって車載用ナビゲーション装置5の機能を実行するようになっている。
【0044】
さらに、RAM18は、ナビCPU16による処理結果等のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
【0045】
さらにまた、ハードディスクドライブ19は、地図データ記憶手段として機能するようになっており、このハードディスクドライブ19には、地図データが記憶されている。地図データは、道路データ(形状補間点、セグメント、リンク、ノード、リンク列、道路名称、通行条件および交通看板等を構成要素とするデータ)、背景データ(点、ポリライン、ポリゴンおよびテキスト等を構成要素とするデータ)、道路ネットワークデータ(ノード、リンクおよび通行条件等を構成要素とするデータ)および検索データ(エリア名称、住所、郵便番号およびPOI(Points OF Interest)等を構成要素とするデータ)によって構成されている。このように構成された地図データは、ナビCPU16の各種の機能の実行に適宜用いられるようになっている。
【0046】
次に、ナビCPU16について詳述すると、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、自車位置検出手段としての自車位置算出部20を有しており、この自車位置算出部20には、GPSレシーバ7から出力されたGPS情報および自律航法センサ8から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部20は、GPSレシーバ7側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(検出)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部20は、自律航法センサ8側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出(検出)する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部20は、ハードディスクドライブ19に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部20は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0047】
また、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、地図表示手段としての地図描画部21を有している。この地図描画部21は、自車位置算出部20の算出結果およびハードディスクドライブ19に記憶されている地図データに基づいて、自車位置算出部20によって算出された自車位置の周辺の所定の領域を示す自車位置周辺地図を生成するようになっている。そして、地図描画部21は、生成された地図をディスプレイ11に表示するようになっている。
【0048】
さらに、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、自車位置表示手段としての自車位置描画部22を有している。この自車位置描画部22は、地図描画部21によって表示される前記自車位置周辺地図上に、自車位置算出部20によって算出された自車位置を示す自車位置マークを重畳表示するようになっている。
【0049】
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとしての経路探索部23を有している。この経路探索部23は、ハードディスクドライブ19に記憶されている地図データ(主として、道路ネットワークデータ)に基づいて、自車位置算出部20によって算出された自車位置から入力操作部10を用いた目的地設定操作にともなってナビCPU16が設定した目的地までの経路を探索するルート計算を行うようになっている。この経路探索部23によって探索される経路には、目的地まで最短距離を通る経路、目的地まで最短時間で到達する経路、一般道を優先的に通行する経路および渋滞や規制情報を考慮した経路等の種々の探索条件に応じた経路が含まれている。なお、渋滞や規制情報を考慮した経路は、ビーコン受信機14またはFM多重レシーバ15によって受信されたVICS情報に基づいて探索することができるようになっており、このような経路としては、例えば、渋滞や規制情報を可及的に回避して目的地まで最短時間で到達することができる経路を挙げることができる。このような渋滞や規制情報を考慮した経路は、いわゆるオートリルート機能によって道路交通情報の変化に応じて逐次探索されるものであってもよい。
【0050】
また、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、経路誘導手段としての経路誘導部24を有しており、この経路誘導部24は、経路探索部23によって探索された経路に沿って自車両を目的地へと誘導する経路誘導(ルート案内)を行うようになっている。この経路誘導は、例えば、ディスプレイ11に交差点拡大図を表示することや、地図描画部21によってディスプレイ11に表示された地図上に、経路探索部23によって探索された経路の画像を重畳表示すること、あるいは、スピーカ12を介して交差点右左折案内用の音声を出力すること等によって行われるようになっている。
【0051】
さらに、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、道路交通情報表示手段としてのVICS情報描画部25を有しており、このVICS情報描画部25は、ビーコン受信機14またはFM多重レシーバ15によって受信されたVICS情報をディスプレイ11に表示するようになっている。このとき、VICS情報描画部25は、入力操作部10を用いた入力操作によってユーザが選択したレベルのVICS情報を表示するようになっている。具体的には、VICS情報描画部25は、レベル1が選択された場合には、VICS情報を文字情報として表示し、レベル2が選択された場合には、VICS情報を簡易図形を用いて表示し、レベル3が選択された場合には、VICS情報を地図描画部21によって表示される前記自車位置周辺地図上に重畳表示するようになっている。
【0052】
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、抽出手段としての特定VICS情報抽出部26を有している。この特定VICS情報抽出部26は、ビーコン受信機14またはFM多重レシーバ15によって受信されたVICS情報の中から、特定のVICS情報として、自車位置の進行方向前方のVICS情報(以下、前方VICS情報と称する)、自車位置の進行方向前方の直近の交差点(以下、直近交差点と称する)に対する左折方向の道路交通情報(以下、左折方向VICS情報と称する)および当該直近交差点に対する右折方向の道路交通情報(以下、右折方向VICS情報と称する)を抽出するようになっている。
【0053】
ただし、本実施形態において、前記前方VICS情報は、自車位置から自車両の進行方向前方に向かう実在の道路(以下、前方道路と称する)上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示すVICS情報とされている。なお、前記前方道路は、自車位置から進行方向前方に向かう1リンク分または複数リンク分の道路として定義してもよい。また、この場合に、自車位置が該当するリンクに相当する道路については前記前方道路に含めてもよいし、含めなくてもよい。
【0054】
また、前記左折方向VICS情報は、前記直近交差点から現在の自車両の進行方向に対して左折方向に向かう実在の道路(以下、左折道路と称する)上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示すVICS情報とされている。なお、前記左折道路は、前記直近交差点から左折方向に向かう1リンク分の道路として定義してもよい。
【0055】
さらに、前記右折方向VICS情報は、前記直近交差点から現在の自車両の進行方向に対して右折方向に向かう実在の道路(以下、右折道路と称する)上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示すVICS情報とされている。なお、前記右折道路は、前記直近交差点から右折方向に向かう1リンク分の道路として定義してもよい。
【0056】
このような特定のVICS情報の抽出は、例えば、VICSセンタから地図上の座標との対応関係を有した状態で配信されたVICS情報の座標と、自車位置算出部20によって算出された自車位置の座標と、自車位置の前方側の所定領域内の道路データ(道路形状)とを比較することによって行うようにしてもよい。
【0057】
また、図2に示すように、ナビCPU16は、その機能ブロックの1つとして、自車位置表示制御手段としての自車位置描画制御部27を有している。この自車位置描画制御部27は、自車位置描画部22に対して、前記自車位置マークを、ユーザが特定VICS情報抽出部26によって抽出された前記特定のVICS情報(以下、抽出VICS情報と称する)を把握可能な表示態様で表示するための制御(以下、自車位置表示制御と称する)を行うようになっている。
【0058】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、自車位置描画制御部27は、前記自車位置表示制御として、前記自車位置マークを、前記抽出VICS情報に対応する方向を示すように配置された前記抽出VICS情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示するための制御を行うようになっている。ここで、図3(a)〜(d)は、このような自車位置描画制御部27による前記自車位置表示制御の結果としての自車位置描画部22による前記自車位置の表示状態の一例を示したものである。
【0059】
図3(a)は、特定VICS情報抽出部26によって前記前方VICS情報のみが抽出され、前記左折方向VICS情報および前記右折方向VICS情報は抽出されなかった場合に自車位置描画部22によって表示される自車位置マーク6を示すものである。この図3(a)に示す自車位置マーク6は、円形の破線からなる外形枠30と、この外形枠30によって囲まれる範囲内における前記前方VICS情報に対応する方向(進行方向前方)を示すような位置(前端部)に配置された扇形のマーク形成パターン(以下、前方側マーク形成パターンと称する)31とによって形成されている。この前方側マーク形成パターン31は、前記前方VICS情報に応じた外観を呈するような前記前方VICS情報に対応するマーク形成パターン31とされている。より具体的には、図3(a)における前方側マーク形成パターン31は、前記前方VICS情報が前記前方道路上に渋滞が発生していることを示す場合に対応する外観としての色(例えば、赤色)を呈している。このような図3(a)の自車位置マーク6が表示されれば、ユーザは、前記前方道路上に渋滞が発生しているとともに、前記左折道路上および前記右折道路上においては渋滞や混雑等が発生していない(順調である)ことを簡便かつ迅速に把握することができる。なお、VICS情報に対応するマーク形成パターンの外観については、車載用ナビゲーション装置5の取扱説明書に予め記載しておいてユーザが事前に知得可能な状態にしておけばよい。
【0060】
図3(b)は、特定VICS情報抽出部26によって前記前方VICS情報および前記左折方向VICS情報が抽出され、前記右折方向VICS情報は抽出されなかった場合に自車位置描画部22によって表示される自車位置マーク6を示すものである。この図3(b)に示す自車位置マーク6は、外形枠30と、前方側マーク形成パターン31と、外形枠30によって囲まれる範囲内における前記左折方向VICS情報に対応する方向(左方向)を示すような位置(左端部)に前方側マーク形成パターン31に隣接するように配置されたマーク形成パターン(以下、左折方向側マーク形成パターンと称する)32とによって形成されている。左折方向側マーク形成パターン32は、前記左折方向VICS情報に応じた外観を呈するような前記左折方向VICS情報に対応するマーク形成パターン32とされている。より具体的には、図3(b)における左折方向側マーク形成パターン32は、前記左折方向VICS情報が前記左折道路上に混雑が発生していることを示す場合に対応する外観としての色(例えば、黄色)を呈している。このような図3(b)の自車位置マーク6が表示されれば、ユーザは、前記前方道路上に渋滞が発生しており、また、前記左折道路上に混雑が発生しており、さらに、前記右折道路上においては渋滞や混雑等が発生していないことを簡便かつ迅速に把握することができる。
【0061】
図3(c)は、特定VICS情報抽出部26によって前記前方VICS情報、前記左折方向VICS情報および前記右折方向VICS情報がすべて抽出された場合に自車位置描画部22によって表示される自車位置マーク6を示すものである。この図3(c)に示す自車位置マーク6は、外形枠30と、前方側マーク形成パターン31と、左折方向側マーク形成パターン32と、外形枠30によって囲まれる範囲内における前記右折方向VICS情報に対応する方向(右方向)を示すような位置(右端部)に前方側マーク形成パターン31に隣接するように配置されたマーク形成パターン(以下、右折方向側マーク形成パターンと称する)33とによって形成されている。右折方向側マーク形成パターン33は、前記右折方向VICS情報に応じた外観を呈するような前記右折方向VICS情報に対応するマーク形成パターン33とされている。より具体的には、図3(c)における右折方向側マーク形成パターン33は、前記右折方向VICS情報が前記右折道路上に交通規制(図3においては通行止め)が発生していることを示す場合に対応する外観としての色および図柄(例えば、白地に赤の十字線)を呈している。このような図3(c)の自車位置マーク6が表示されれば、ユーザは、前記前方道路上に渋滞が発生しており、また、前記左折道路上に混雑が発生しており、さらに、前記右折道路上に交通規制が発生していることを簡便かつ迅速に把握することができる。
【0062】
図3(d)は、特定VICS情報抽出部26によって前記前方VICS情報のみが抽出された場合に表示される自車位置マーク6であって、図3(a)の変形例を示すものである。この図3(d)の自車位置マーク6を形成する前方側マーク形成パターン31は、前記前方VICS情報が前記前方道路上に渋滞および交通規制の双方が発生していることを示す場合に対応する外観としての色および図柄(赤地に交通規制情報のロゴマーク)を呈している。なお、例えば、特定VICS情報抽出部26によって前記右折方向VICS情報が抽出された場合であって、この右折方向VICS情報が、前記右折道路上に渋滞および交通規制の双方が発生していることを示す場合には、図3(d)の前方側マーク形成パターン31と同様の外観のマーク形成パターンを右折方向側マーク形成パターン33として表示すればよい。
【0063】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、自車位置描画制御部27は、前記自車位置表示制御として、更に、前記自車位置マークを、前記マーク形成パターンがこれに対応するVICS情報描画部25によって表示される前記抽出VICS情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示するための制御を行うようになっている。ここで、図4(a)および(b)は、このような自車位置描画制御部27による前記自車位置表示制御の結果としての自車位置描画部22による前記自車位置の表示状態の一例を示したものである。
【0064】
図4(a)においては、地図描画部21によって表示された自車位置周辺地図1における該当する道路上に、VICS情報描画部25によってレベル3のVICS情報としての渋滞マーク2、混雑マーク3および交通規制マーク4が重畳表示されているとともに、自車位置描画部22によって自車位置マーク6が重畳表示されている。ここで、図4(a)の渋滞マーク2は、前記前方道路上に渋滞が発生していることを示しており、この渋滞マーク2は、前記抽出VICS情報としての前記前方VICS情報に該当する。ただし、図4(a)における前記前方道路は、自車位置から進行方向前方に延びる複数リンク分の道路として定義されたものである。また、図4(a)における前記前方道路上には、渋滞の先に不図示の交通規制が発生しているが、この交通規制を示す情報(前記前方VICS情報の一部)は、画面のサイズ上、自車位置周辺地図1上には表示されていない。さらに、図4(a)の混雑マーク3は、前記直近交差点の1つ先の交差点に対する左折方向の道路上に混雑が発生していることを示しているが、この混雑マーク3は、図4(a)の時点においては前記抽出VICS情報には該当しない。さらにまた、図4(a)の交通規制マーク4は、前記直近交差点の1つ先の交差点に対する右折方向の道路上に交通規制が発生していることを示しているが、この交通規制マーク4も、図4(a)の時点においては前記抽出VICS情報には該当しない。なお、図4(a)においては、前記左折道路および前記右折道路に対応する渋滞マーク2、混雑マーク3または交通規制マーク4は表示されていない。そして、このようなVICS情報2,3,4の表示状態に応じて、図4(a)の自車位置マーク6は、自車位置描画制御部27の前記自車位置表示制御によって、前方側マーク形成パターン31が、これに対応する渋滞マーク2と部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示されている。具体的には、図4(a)の前方側マーク形成パターン31は、扇形の部分と交通規制を示すロゴマークの部分とによって形成されており、扇形の部分(マーク形成パターン31の一部)が、渋滞マーク2と共通の色(外観)を呈している。
【0065】
また、図4(b)は、図4(a)の状態から、自車両が前記前方道路上を進行した場合における自車位置マーク6の表示状態を示す図である。この図4(b)においては、図4(a)における前記直近交差点の1つ先の交差点が、自車位置の変位にともなって前記直近交差点になっている。これにより、混雑マーク3は、前記抽出VICS情報に該当するものとなり、また、交通規制マーク4も、前記抽出VICS情報に該当するものとなっている。なお、図4(b)においては、図示はしないが、図4(a)の時点において発生していた前記前方道路上の交通規制は解除されている。そして、このようなVICS情報2,3,4の表示状態に応じて、図4(b)の自車位置マーク6は、自車位置描画制御部27の前記自車位置表示制御によって、前方側マーク形成パターン31が、これに対応する渋滞マーク2と全体的に共通の外観を呈し、左折方向側マーク形成パターン32が、これに対応する混雑マーク3と全体的に共通の外観を呈し、右折方向側マーク形成パターン33が、これに対応する交通規制マーク4と全体的に共通の外観を呈している。具体的には、前方側マーク形成パターン31は、その全体が、渋滞マーク2と共通の色(外観)を呈している。また、左折方向側マーク形成パターン32は、その全体が、混雑マーク3と共通の色(外観)を呈している。さらに、右折方向側マーク形成パターン33は、その全体が、交通規制マーク4と共通の図柄もしくは色合い(外観)を呈している。
【0066】
そして、これら図4(a)および(b)のような自車位置マーク6が表示されれば、ユーザは、自車位置マーク6から地図1上に重畳表示された前記抽出VICS情報へと視線を移した場合に、自車位置マーク6におけるマーク形成パターンと前記抽出VICS情報との対応関係を即時に把握することができる。
【0067】
上記構成の他にも、自車位置描画制御部27は、特定VICS情報抽出部26によって前記特定のVICS情報が抽出されなかった場合には、図8に示したものと同様の自車位置マーク6(以下、通常の自車位置マークと称する)を表示させるようにすればよい。
【0068】
また、図4に示した自車位置マーク6においては、自車両の進行にともなう自車位置周辺地図1上における自車位置マーク6の変位に基づいて自車両の進行方向を把握することができるが、自車位置マーク6の外観のみによって自車位置の進行方向を明確に把握することができるように構成してもよい。すなわち、その場合には、自車位置描画制御部27が、自車位置描画部22に対して、更に、自車位置マークを、ユーザが前記抽出VICS情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示するための制御を行うように構成する。図5は、このような制御の下で自車位置描画部22によって表示される自車位置マーク6の一例を示すものである。図5の自車位置マーク6は、自車両の進行方向を示す矢印状の破線からなる外形枠35と、この外形枠35によって囲まれる領域内に、前記抽出VICS情報に対応する方向を示すように適宜配置されたマーク形成パターン31,32,33とによって形成されている。このような図5の自車位置マーク6が表示された場合には、ユーザは、自車両が前方に進行していることを自車位置マーク6の外観のみによって明確に把握することができる。
【0069】
上記構成に加えて、さらに、マーク形成パターン31,32,33の外観に関するデータを、VICS情報の種類と対応関係を有したテーブル形式のデータとしてハードディスクドライブ19に格納しておき、自車位置描画制御部27が、前記抽出VICS情報に応じたマーク形成パターンの外観に関するデータをハードディスクドライブ19から一義的に抽出して自車位置描画部22による自車位置マーク6の表示に利用させるように構成してもよい。
【0070】
さらにまた、図3および図4の自車位置マーク6においては、渋滞、混雑および交通規制がいずれも発生していない方向については、マーク形成パターン31,32,33を非表示としていたが、これだけでは、マーク形成パターン31,32,33が非表示なのは、その非表示の方向の道路が順調であることによるものなのか、あるいは、そもそもそのような道路が実在しないことによるものなのかを即時に判別することが困難な場合もある。そこで、例えば、図6に示すように、道路が実在しないために特定VICS情報抽出部26によってVICS情報が抽出されないような方向については、黒塗りのマーク形成パターン31を配置するように構成してもよい。なお、図6の自車位置マーク6は、図6に示すように、前記直近交差点が前記前方道路(ただし、図6において定義されている前方道路は、自車位置が該当するリンクに対応する道路を含まない)が実在しないT形道路の交差点である場合に表示すればよい。
【0071】
また、自車位置マークとして、渋滞、混雑および交通規制がいずれも発生していない方向については、道路が順調であることを示すVICS情報の表示色(例えば、緑色)と同色のマーク形成パターンが配置された自車位置マークを表示するように構成してもよい。
【0072】
さらに、図3〜図6に示したような自車位置マーク6の表示は、経路誘導部23による経路誘導(VICS情報を考慮した経路に沿った経路誘導を含む)が行われている場合または自車位置周辺地図1の表示のみが行われている場合のいずれにおいても行うようにしてもよい。
【0073】
次に、前述した車載用ナビゲーション装置5を適用した本発明に係る自車位置表示方法の実施形態について、図7を参照して説明する。
【0074】
本実施形態においては、自車位置描画部22による自車位置の表示処理を開始した後、まず、図7のステップ1(ST1)において、地図描画部21により、前記自車位置周辺地図をディスプレイ11に表示する。
【0075】
次いで、ステップ2(ST2)において、ビーコン受信機14またはFM多重レシーバ15により、VICS情報を受信する。
【0076】
次いで、ステップ3(ST3)において、特定VICS情報抽出部26により、ステップ2(ST2)において受信されたVICS情報の中から、前記前方VICS情報、前記左折方向VICS情報および前記右折方向VICS情報を抽出する。
【0077】
次いで、ステップ4(ST4)において、自車位置描画制御部27により、特定VICS情報抽出部26によって前記前方VICS情報、前記左折方向VICS情報および前記右折方向VICS情報の少なくとも1つが抽出されたか否かを判定する。そして、このステップ4(ST4)の判定において肯定的な判定結果が得られた場合にはステップ5(ST5)に進み、否定的な判定結果が得られた場合にはステップ7(ST7)に進む。
【0078】
ステップ5(ST5)においては、自車位置描画制御部27の前記自車位置表示制御の下で、自車位置描画部22により、ステップ3(ST3)において抽出されたVICS情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなる自車位置マークを生成してステップ6(ST6)に進む。
【0079】
一方、ステップ7(ST7)においては、自車位置描画制御部27の制御により、自車位置描画部22によって、図8に示したような通常の表示態様の自車位置マークを生成してステップ6(ST6)に進む。
【0080】
次いで、ステップ6(ST6)においては、自車位置描画部22により、生成した自車位置マークを前記自車位置周辺地図上に重畳表示して処理を終了する。
【0081】
以上述べたように、本実施形態によれば、自車位置マーク6を、自車位置との関係において特に重要とみなされる前記特定のVICS情報をユーザが把握可能な表示態様で表示することができるので、道路交通情報を考慮した経路誘導が行われない場合であっても、ユーザが、自車位置の周辺の道路状況を簡便かつ迅速に把握することができ、ひいては、自車位置の周辺の道路状況の突発的な変化に機動的に対応することができる。
【0082】
なお、本発明は、前述した構成に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
5 車載用ナビゲーション装置
14 ビーコン受信機
15 FM多重レシーバ
20 自車位置算出部
21 地図描画部
22 自車位置描画部
26 特定VICS情報抽出部
27 自車位置描画制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データが記憶された地図データ記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データに基づいて、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置の周辺の所定の領域を示す地図を表示部に表示する地図表示手段と、
この地図表示手段によって表示される前記地図上に、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置を示す自車位置マークを重畳表示する自車位置表示手段と、
道路交通情報を取得する道路交通情報取得手段と
を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
前記道路交通情報取得手段によって取得された前記道路交通情報の中から、特定の道路交通情報として、前記自車位置の進行方向前方の道路交通情報、前記自車位置の進行方向前方の直近の交差点に対する左折方向の道路交通情報および前記交差点に対する右折方向の道路交通情報を抽出する抽出手段と、
前記自車位置表示手段に対して、前記自車位置マークをユーザが前記抽出手段によって抽出された前記特定の道路交通情報を把握可能な表示態様で表示するための制御を行う自車位置表示制御手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記進行方向前方の道路交通情報は、前記自車位置から進行方向前方に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とされ、
前記左折方向の道路交通情報は、前記交差点から左折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とされ、
前記右折方向の道路交通情報は、前記交差点から右折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とされていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記自車位置表示制御手段は、前記制御として、前記自車位置マークを、前記抽出手段によって抽出された前記特定の道路交通情報に対応する方向を示すように配置された当該特定の道路交通情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示するための制御を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地図表示手段によって表示される地図上に、前記道路交通情報取得手段によって取得された前記道路交通情報における前記地図によって示される領域内についての道路交通情報を重畳表示する道路交通情報表示手段を備え、前記自車位置表示制御手段は、前記制御として、前記自車位置マークを、前記マーク形成パターンがこれに対応する前記道路交通情報表示手段によって表示される前記特定の道路交通情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示するための制御を行うこと
を特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記自車位置表示制御手段は、前記自車位置表示手段に対して、前記自車位置マークを、ユーザが前記抽出手段によって抽出された前記特定の道路交通情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示するための制御を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
自車位置を検出し、検出された前記自車位置の周辺の所定の領域を示す地図を地図データに基づいて表示部に表示する際に、前記地図上に、前記検出された前記自車位置を示す自車位置マークを重畳表示する自車位置表示方法であって、
道路交通情報を取得し、
取得された前記道路交通情報の中から、特定の道路交通情報として、前記自車位置の進行方向前方の道路交通情報、前記自車位置の進行方向前方の直近の交差点に対する左折方向の道路交通情報および前記交差点に対する右折方向の道路交通情報を抽出し、
前記自車位置マークを、ユーザが前記抽出された前記特定の道路交通情報を把握可能な表示態様で表示すること
を特徴とする自車位置表示方法。
【請求項7】
前記進行方向前方の道路交通情報を、前記自車位置から進行方向前方に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とし、
前記左折方向の道路交通情報を、前記交差点から左折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とし、
前記右折方向の道路交通情報を、前記交差点から右折方向に向かう実在の道路上に渋滞、混雑および交通規制の少なくとも1つが発生していることを示す道路交通情報とすること
を特徴とする請求項6に記載の自車位置表示方法。
【請求項8】
前記自車位置マークを、前記抽出された前記特定の道路交通情報に対応する方向を示すように配置された当該特定の道路交通情報に応じた外観を呈するマーク形成パターンによって形成されてなるような表示態様で表示すること
を特徴とする請求項6または請求項7に記載の自車位置表示方法。
【請求項9】
前記地図上に、前記取得された前記道路交通情報における前記地図によって示される領域内についての道路交通情報を重畳表示し、前記自車位置マークを、前記マーク形成パターンがこれに対応する前記地図上に重畳表示される前記特定の道路交通情報と全体的または部分的に共通の外観を呈するような表示態様で表示すること
を特徴とする請求項8に記載の自車位置表示方法。
【請求項10】
前記自車位置マークを、ユーザが前記抽出された前記特定の道路交通情報とともに自車両の進行方向を把握可能な表示態様で表示すること
を特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の自車位置表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−281589(P2010−281589A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132986(P2009−132986)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】