説明

転写用感光性導体ペーストおよび感光性転写シート

【課題】露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが共に得られる転写用感光性導体ペーストを提供する。
【解決手段】 感光性導体ペースト12において、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、またはフッソ系分散剤を含むことから、感光性樹脂の含有量を減少させても露光・現像性能が確保されるとともに、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が高くなるので、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立した転写用感光性導体ペースト12が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のパターンで導体層を形成するための感光性転写シートの転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペースト、およびそれを用いた感光性転写シートに関する。
【背景技術】
【0002】
金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストが知られている。たとえば、特許文献1に記載されたものがそれである。このような転写用感光性導体ペーストは、たとえばチップ状の積層型セラミックコンデンサや積層型インダクタ等の積層型チップ素子の導体層或いは導体層を構成するために、その製造に際して、転写支持体の一面に塗布されて乾燥された後、露光・現像が施されることにより所定のパターンとされ、セラミックスシート上に転写されるとともに、それが繰り返されて積層された後、焼成される。
【特許文献1】特開2001−264965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記の転写用感光性導体ペーストは、感光性能を備えるための感光性樹脂を含むものであるが、印刷後に焼成される印刷用導体ペーストと比較すると樹脂量が多くなり、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が低下して電気的容量が得られ難くなるという不都合があった。これに対して、導体層の密度を確保するために感光性樹脂量の含有量を少なくすると、露光・現像が困難となり、残査が発生したり、シャープなパターンが得られずパターン精度が低下する。特に、積層型セラミックコンデンサや積層型インダクダ等の積層型チップ素子の小型化すなわち薄型化に対処する等のために誘電体層を薄くするほど大きくなる感光性導体ペーストのしみ込みの影響を低くするためにその転写用感光性導体ペーストの塗布厚みを小さくするほど、上記のような不都合が顕著となる。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが共に得られる転写用感光性導体ペースト、およびそれを用いた感光性転写シートを提供することにある。
【0005】
本発明者は、以上の事情を背景として種々研究を重ねた結果、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、フッソ系分散剤のいずれかを転写用感光性導体ペーストに混入させると、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが共に得られることを見いだした。すなわち、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、フッソ系分散剤が、露光・現像性能を確保しつつ感光性樹脂の量を低減させることができる感光性樹脂低減剤として機能することを見いだした。本発明はかかる知見に基づいて為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に係る発明の要旨とするところは、金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストであって、アクリル樹脂またはロジン系樹脂を含むことにある。
【0007】
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストであって、フッソ系分散剤を含むことにある。
【0008】
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記感光性樹脂、アクリル樹脂若しくはロジン系樹脂、重合開始剤は、1:0.1〜1.0:1.0〜2.0の割合で混合されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1に係る発明において、前記金属粉末は、Ni( ニッケル)粉末であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1に係る発明において、前記無機材料粉末は、チタン酸バリウムであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、請求項4または5に係る発明において、前記Ni( ニッケル)粉末は0.1〜0.4μmの粒径を有し、前記チタン酸バリウムは0.01〜0.1μmの粒径を有することを特徴とする。
【0012】
また請求項7に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至6のいずれか1の転写用感光性導体ペーストが転写支持体の一面に塗布された感光性転写シートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明は、金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストであって、アクリル樹脂またはロジン系樹脂を含むことから、感光性樹脂の含有量を減少させても露光・現像性能が確保されるとともに、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が高くなるので、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の高密度とが両立した転写用感光性導体ペーストが得られる。
【0014】
請求項2に係る発明は、金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストであって、フッソ系分散剤を含むことから、感光性樹脂の含有量を減少させても露光・現像性能が確保されるとともに、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が高くなるので、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立した転写用感光性導体ペーストが得られる。
【0015】
請求項3に係る発明の転写用感光性導体ペーストによれば、前記感光性樹脂、アクリル樹脂若しくはロジン系樹脂、重合開始剤は、1:0.1〜1.0:1.0〜2.0の割合( 重量比) で混合されていることから、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立した転写用感光性導体ペーストが得られる。アクリル樹脂若しくはロジン系樹脂の割合が0.1を下まわると感光性樹脂低減効果が不十分となり、1.0を上まわると感光性樹脂或いは重合開始剤の量が不足して露光・現像性能が十分に得られなくなる。
【0016】
請求項4に係る発明の転写用感光性導体ペーストによれば、前記金属粉末はNi( ニッケル)粉末であるので、焼成後において導電性および耐久性に優れた導体層が得られる。
【0017】
請求項5に係る発明の転写用感光性導体ペーストによれば、前記無機材料粉末はチタン酸バリウムであるので、乾燥後或いは焼成後の導体層の収縮が抑制されてクラック等の発生が防止されるとともに、転写先のセラミックスシートが積層型チップコンデンサ用のチタン酸バリウムであれば、焼成時の結合力が高められる。
【0018】
請求項6に係る発明の転写用感光性導体ペーストによれば、前記Ni( ニッケル)粉末は0.1〜0.4μmの粒径を有し、前記チタン酸バリウムは0.01〜0.1μmの粒径を有するので、セラミックスシート上に転写されて焼結された後において、緻密で強固に結合された導体層が得られる。上記Ni等の金属粉末の平均粒径が0.1μmを下まわると転写用感光性導体ペーストの粘性( チクソトロピー) が大きくなり、0.4μmを上まわると光の透過が低下し、露光時の透過性やパターン精度が低下する。上記チタン酸バリウム等の無機材料粉末の平均粒径が0.01μmを下回ると露光時の光透過性低下するとともに収縮抑制効果が不十分となり、0.1μmを超えると金属粉間の導通を低下させる。
【0019】
また請求項7に係る発明の感光性転写シートによれば、請求項1乃至6のいずれか1の転写用感光性導体ペーストが転写支持体の一面に塗布されたものであるから、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の高密度とが共に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の最良の形態について説明する。
【0021】
前記金属粉末は、ニッケルに限らず、銀、金、銅、アルミニウム等の1種、または2種以上の混合粉等の金属導電体の粉体であってもよい。
【0022】
前記無機材料粉末は、チタン酸バリウムに限らず、アルミヤ、ジルコニア、酸化珪素、硼珪酸系や結晶化系等のガラスなどのセラミックス粉であってもよい。要するに、共材( ともざい) 或いはフィラーとして機能し、転写用感光性導体ペーストの乾燥時或いは焼結時の収縮を緩和するものであればよい。
【0023】
前記転写支持体は、PET( ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の乾燥後の転写用感光性導体ペーストの剥離可能な可撓性或いは硬質の合成樹脂シート、シリコン樹脂或いは油脂等の剥離剤がコーティングされた紙などが用いられる。好適には、転写用感光性導体ペーストの塗布面の反対側からの露光が可能なように、露光の用いられる光たとえば紫外光が容易に透過可能な透光性シートが用いられる。その透光性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルホン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、セロハン、トリアセチルセルロース等のセルロース誘導体、アイオノマー等が挙げられる。
【0024】
前記感光性樹脂としては、反応により樹脂の骨格を構成する高分子であり、たとえばアルカリ現像型バインダーポリマーおよび/またはモノマーから構成され、焼成によって消失する物質が選択される。ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレン重合体、1−ビニル−2−ビロリドン重合体等の非アルカリ現像型ポリマーが上記アルカリ現像型バインダーポリマーに混合されてもよい。
【0025】
上記反応性のバインダーポリマーしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の二量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物の1種以上と、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニル−2−ピロリドンの1種以上とから成るコポリマー等が挙げられる。
【0026】
上記反応性のモノマーとしては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する有機化合物、たとえば、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルグリコールアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エトキシエチレングリコールアクリレート、エノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、プチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに替えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等の、1種、または2種以上の混合物が挙げられる。
【0027】
前記重合開始剤は、結果的には転写用感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の一部を構成するものであるが、専ら、光たとえば紫外線を吸収して光ラジカル( ラジカル重合の連鎖担体( 成長鎖) の始端となる遊離基) を発生させることにより重合を開始させるための物質であり、たとえば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス( ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス( ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノイン、2,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tetr−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、アントラキノン、tetr−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズアントロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス( p−アジドベンジリデン) シクロヘキサン、2,6−ビス( p−アジドベンジリデン) −4−メチルシクロヘキサン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−( o−エトキシカルボニル) オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−( o−エトキシカルボニル) オキシム、1,3−エトキシ−プロパントリオン−2−( o−ベンゾイル) オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[ 4−( メチルチオ) フェニル] −2−モルフォリノ−1−プロパン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイドブリロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリプロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。
【0028】
上記のような感光性樹脂成分( 感光性樹脂および重合開始剤) 、或いはそれを含む転写用感光性導体ペースト中には、必要に応じて、良く知られた、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤等の増感剤、重合停止剤等の保存安定剤( ゲル化防止剤) 、連鎖移動剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、ポリカルボン酸系やカルボン酸系として知られるペースト分散性向上剤等が含まれる。
【0029】
前記アクリル樹脂としては、感光性樹脂( ビヒクル) 用として、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、ビニル酸等の−20℃から100℃における分子量が150000〜300000のポリメタクリル酸エステルが用いられる。また、ペースト添加用として、たとえば有機溶剤中において重合する、−20℃から100℃における分子量が150000〜300000のタイプのポリメタクリル酸エステル等が、ターピオネール、ジヒドロターピオネール等の有機溶剤と共に、好適に用いられる。
【0030】
前記ロジン系樹脂としては、天然ロジンを始め、合成ロジンとして、ロジンエステル、水添ロジン、重合ロジン、重合ロジンエステル、ロジンアミン等が、好適に用いられる。
【0031】
前記フッソ系分散剤としては、たとえば、分子量が10000〜100000であってモノマー比率が小が30%以下、中が30〜60%、大が60%以上のノニオン系オリゴマーが、好適に用いられる。また、転写用感光性導体ペーストのペースト分散性を向上させるために、ポリカルボン酸系、カルボン酸系などのその他の分散剤が用いられる。
【0032】
前記転写用感光性導体ペーストの粘度調整等のために、アルコール類、テルペン類、芳香族炭化水素等の通常の溶剤の他に、ターピオネール、ジヒドロターピオネール、ドリデカノール、デカノール、ベンジルアルコール、2エチルヘキサノール、アルコールエステル系エチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルアセテートなどのビヒクル用溶剤が用いられる。
【実施例】
【0033】
図1は、たとえば図6に示す、感光性導体転写シート10を用いた積層型チップコンデンサ30の製造工程を説明する工程図である。図1において、導体ペースト調整工程P1では、金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤等に加えて、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、或いはフッソ系分散剤が所定の割合となるように秤量された後、適量の溶剤と共に3本ローラ等によって混練されることにより、所定粘度の感光性導体ペースト12が調整される。次いで、導体ペースト塗工工程P2では、ドクターブレードを用いたブレードコート法、塗工ローラを用いたロールコート法などを用いて、上記感光性導体ペースト12がたとえばPETフィルム製の転写支持体14の一面に所定厚みの層状に塗布され、続く乾燥工程P3では、転写支持体14上に塗布された感光性導体ペースト12が乾燥され、層状に固着される。図2はこの状態を示している。
【0034】
次に、露光・現像工程P4では、上記感光性導体ペースト12が一面に固着された転写支持体14の片面または両面に所定のパターンのマスクが重ねられた状態でその転写支持体14の片面または両面から紫外線がキセノンランプ等から照射されて露光が行われるとともに、その露光後には、感光性導体ペースト12のうちの未露光部分がたとえば炭酸ソーダNa2 C03 水溶液に代表されるアルカリ液を用いて洗い流されて現像が行われる。これにより、転写支持体14上に所定パターンの感光性導体ペースト12が固着された感光性導体転写シート10が製造される。図3はこの状態を示している。
【0035】
一方、誘電体ペースト調整工程P5では、チタン酸バリウム等の高誘電率を備えた誘電体粉末、樹脂等が所定の割合となるように秤量された後、適量の溶剤と共に混練されることにより、所定粘度の誘電体ペースト16が調整される。次いで、誘電体ペースト塗工工程P6では、ドクターブレードを用いたブレードコート法、塗工ローラを用いたロールコート法などを用いて、上記誘電体ペースト16がたとえばPETフィルム製の転写支持体18の一面に所定厚みにて層状に塗布され、続く乾燥工程P7では、転写支持体18上に塗布された誘電体ペースト16が乾燥され、層状に固着される。これにより誘電体転写シート20が製造される。図4の下側部分はこの状態を示している。
【0036】
続いて、導体層転写工程P8では、図4に示されるように、誘電体転写シート20の転写支持体18上に層状に固着された誘電体ペースト16の上に、所定の位置決め操作を経て感光性導体転写シート10が押圧されて、その誘電体ペースト16の上に転写支持体14上に固着された感光性導体ペースト12が所定の面圧で押しつけられ、必要に応じて加熱される。次いで、転写支持体14が剥離されることにより、導体層の転写が完了させられる。また、誘電体層転写工程P9では、図5に示されるように、上記感光性導体ペースト12の転写が完了した上記誘電体ペースト16の上に、所定の位置決め操作を経て他の誘電体転写シート20が押圧されて、その誘電体ペースト16の上に他の誘電体転写シート20の転写支持体18上に固着された誘電体ペースト16が、すでに転写されている感光性導体ペースト12を挟んで所定の面圧で押しつけられ、必要に応じて加熱される。次いで、転写支持体18が剥離されることにより、誘電体層の転写が完了させられる。そして、上記導体層転写工程P8と誘電体層転写工程P9とが繰り返し実行されることにより、製造しようとする積層型チップコンデンサ30に必要な層数が積層される。上記導体層転写工程P8と誘電体層転写工程P9は積層工程でもある。
【0037】
外部電極塗布工程P10では、上記積層型チップコンデンサ30の外部電極32を設けるために、上記導体層転写工程P8および誘電体層転写工程P9における転写により積層された誘電体層の端縁部に導体ペーストが塗布されて、それが乾燥される。そして、焼成工程P11において、端縁部に導体ペーストが塗布された誘電体層の積層体が焼成炉において焼結させられ、分割工程P12において所定の大きさに分割されることにより、図6に示す積層型チップコンデンサ30が得られる。
【0038】
本発明者等が作成したデータによれば、図7に示すように、一般に、導体ペーストでは、金属粉末たとえばニッケル粉末に対する樹脂量たとえば感光性樹脂および重合開始剤の割合( wt%)は、少なくなるほど乾燥密度ρD (g/cm3 )が増加する性質がある。露光・現像を必要としない印刷用導体ペーストであれば金属粉末に対して3wt%程度とされ得ることから、5g/cm3 以上の乾燥密度ρD が得られるため、たとえば薄く塗布したとしても、焼成後において十分な緻密な導体が得られる。しかしながら、露光・現像を可能とするために感光性樹脂および重合開始剤を含有させる感光性導体ペースト12では、その露光・現像性能を維持するために、金属粉末に対する割合を20wt%以下とすることができなかったので、塗布厚みを薄くすると乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が不十分となり、たとえば積層型チップコンデンサ30の容量が得られ難かった。感光性導体ペーストの塗布厚みを小さくすることが要請される理由は、焼成後の導体層の厚みを小さくすることだけでなく、乾燥後の誘電体層の厚みがたとえば1μm程度に小さくされていることから、金属粉末に対する樹脂量が多いと、積層以後においてしみ込みにより導体層間の絶縁が劣化することもあるからである。
【0039】
本発明者等は、金属粉末に対する樹脂量( 感光性樹脂、重合開始剤、有機酸等) を従来の印刷用導体ペーストと同等とすることを前提として、感光性導体ペースト12として十分な現像・露光性能が得られるようにするペースト組成について種々研究を重ねた結果、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、またはフッソ系分散剤を含有させると、樹脂量を少なくしても好適な露光・現像性能が得られることを見いだした。以下、本発明者等が行った実験例を、図8、図9、図10を用いて説明する。
【0040】
図8の表1は、アクリル樹脂( ポリメタクリル酸エステル) を感光性導体ペースト12中に入れたことの効果を示す試料および評価結果を示している。本実験では、感光性導体ペースト試料T1乃至T8が表1に示す組成によりそれぞれ作成された。次いで、図1のP2乃至P4に示す工程において、転写支持体としてのフッソ系のPETフィルム上に塗工、乾燥され、所定のテストパターンで、300〜1200mjの片面露光および600〜2400mjの両面露光が行われるとともに、0.2〜2%のNa2 C03 水溶液を用いて現像が行われた。そして、その露光・現像されたパターンを用いて評価した。本試験では、現像後に残査( パターンの汚れ) が存在するか否かに基づいて、感光性導体ペースト試料T1乃至T8の露光・現像性能が評価された。未露光或いは未現像部分に残査が発生することを利用したものである。
【0041】
図8の表1によれば、アクリル樹脂を含まない感光性導体ペースト試料T1乃至T2は、いずれも残査が発生し、露光・現像性能が不十分であった。これに対し、アクリル樹脂を含む感光性導体ペースト試料T3乃至T8は、いずれも残査が発生せず、十分な露光・現像性能が得られた。これら感光性導体ペースト試料T3乃至T8の中で、感光性導体ペースト試料T5は、ニッケル粉末に対して20.4wt%の樹脂量を含む点で十分な乾燥密度或いは焼成密度が得られない。感光性導体ペースト試料T3、T4、T6乃至T8において、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立する。それら感光性導体ペースト試料T3、T4、T6乃至T8では、ニッケル粉末に対して5.1乃至10.2wt%の範囲で樹脂が含まれており、感光性導体ペースト試料に対して0.75乃至1.9wt%の範囲でアクリル樹脂が含まれている。十分な露光・現像性能が得られる感光性導体ペースト試料T3、T4、T6乃至T8の中で、感光性導体ペースト試料T6は、他の試料のアクリル樹脂の範囲0.75乃至1.13wt%に比較して、やや多い1.9wt%アクリル樹脂を含むせいか、露光・現像性能がやや劣る。また、十分な露光・現像性能が得られる感光性導体ペースト試料T3、T4、T7、T8の中で、感光性導体ペースト試料T8は、他の試料の無機材料粉末( BT:BaTiO3 )に比較して倍の平均粒径0.1μmを有するものが用いられている。
【0042】
上記表1において、感光性樹脂とアクリル樹脂と重合開始剤との比は、1:0.375〜0.75:1.5とされている。
【0043】
図9の表2は、ロジン系樹脂( ロジンアミン) を感光性導体ペースト12中に入れたことの効果を示す試料および評価結果を示している。本実験では、感光性導体ペースト試料T9乃至T11が表2に示す組成によりそれぞれ作成された。次いで、図1のP2乃至P4に示す工程において塗工、乾燥され、所定のテストパターンで、露光・現像が行われた。そして、その露光・現像されたパターンを用いて評価した。本試験では、表1の場合と同様に、現像後に残査( パターンの汚れ) が存在するか否かに基づいて、感光性導体ペースト試料T9乃至T11の露光・現像性能が評価された。
【0044】
図9の表2によれば、ロジン系樹脂を含む感光性導体ペースト試料T9乃至T11は、いずれも残査が発生せず、十分な露光・現像性能が得られた。これら感光性導体ペースト試料T9乃至T11は、ニッケル粉末に対して5.1乃至20.4wt%の範囲で樹脂が含まれおり、感光性導体ペースト試料に対して0.75乃至1.5wt%の範囲でロジン系樹脂が含まれている。しかし、十分な露光・現像性能が得られる感光性導体ペースト試料T9乃至T11の中で、感光性導体ペースト試料T11は、ニッケル粉末に対して20.4wt%の樹脂量を含む点で十分な乾燥密度が得られず、上記感光性導体ペースト試料T9乃至T10において、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立する。
【0045】
上記表2において、感光性樹脂とロジン系樹脂と重合開始剤との比は、1:0.375〜0.75:1.5とされている。
【0046】
図10の表3−1および図11の表3−2で合成される表3は、フッソ系分散剤( ノニオン系オリゴマー) を感光性導体ペースト12中に入れたことの効果を示す試料および評価結果を示している。本実験では、図1のP1に示す工程と同様に、感光性導体ペーストの比較例試料H1乃至H3と実験例試料T1乃至T16が表3−1および表3−2に示す組成によりそれぞれ作成され、比較例試料H1乃至H3が現像時の残査が相対的に流れ易いフッソ系のPETフィルムを転写支持体として用い、実験例試料T1乃至T16が現像時の残査が相対的に流れ難いSi系のPETフィルムを転写支持体として用いた。次いで、図1のP2乃至P4に示す工程と同様の工程において、フッソ系或いはSi系のPETフィルム上に塗工、乾燥され、所定のテストパターンで、300〜1200mjの片面露光および600〜2400mjの両面露光が行われるとともに、0.2〜2%のNa2 C03 水溶液を用いて露光・現像が行われた。そして、その露光・現像されたパターンを用いて評価した。本試験では、現像後に残査( パターンの汚れ) が存在するか否かに基づいて、感光性導体ペースト試料T1乃至T16の露光・現像性能が評価された。図9の表3内において、フッソ系分散剤として、3段階の級のモノマー比率のものが用いられている。A級はモノマー比率が30%以下のものであり、B級はモノマー比率が30〜60%のものであり、C級はモノマー比率が60%以上のものである。
【0047】
図10および図11の表3によれば、A級のフッソ系分散剤が0.5wt%、3.5wt%、7.0wt%それぞれ混入されてフッソ系のPETフィルム上に塗工された比較例H1乃至H3はいずれも残査が発生せず、十分な露光・現像性能が得られたが、転写時におけるフッソ系のPETフィルムから成る転写支持体の剥離性が極めて低いため、転写歩留りが十分に得られない。感光性導体ペースト12に対して3.5〜10.0wt%の範囲内で、A級、B級、C級のフッソ系分散剤がそれぞれ混入されてSi系のPETフィルム上に塗工された感光性導体ペースト試料T1乃至T16は、現像性において上記比較例H1乃至H3よりもやや劣るが、剥離性において優れているとともに、ニッケル粉末に対して5.2乃至10.2wt%の範囲で樹脂が含まれおり、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立する。感光性導体ペースト試料T2乃至T4、T5乃至T8に示すように、フッソ系分散剤の割合およびモノマー比率が小さくなるほど残査が少なくなる。感光性導体ペースト試料T9は、T1乃至T8に対して樹脂量をペースト全体の5.1wt%から2.6wt%へ半減させたものであり、感光性導体ペースト試料T10は、T1乃至T8に対して無機材料粉末( BT:BaTiO3 )をペースト全体の10.0wt%から5.0wt%へ半減させたものであり、感光性導体ペースト試料T11は、T1乃至T8に対して無機材料粉末( BT:BaTiO3 )をペースト全体の10.0wt%から5.0wt%へ半減させ且つC級フッソ系分散剤をペースト全体の10.0wt%としたものであるが、それぞれT1乃至T8と同様の評価結果が得られている。また、感光性導体ペースト試料T12は、T10に対してニッケル粉末の平均粒径を0.3μmから2μmと大きくし、無機材料粉末( BT:BaTiO3 )の平均粒径を0.1μmから0.5μmと大きくしたものであり、感光性導体ペースト試料T13は、そのT12に対してC級フッソ系分散剤をペースト全体の7.0wt%から10.0wt%へ増加させたものであるが、それぞれT1乃至T8と同様の評価結果が得られている。また、感光性導体ペースト試料T14は、T12に対して樹脂量をペースト全体の5.1wt%から2.6wt%へ半減させたものであり、感光性導体ペースト試料T15は、そのT12に対して溶剤をペースト全体の7.0wt%から10.0wt%へ増加させたものであり、感光性導体ペースト試料T16は、T15に対してC級フッソ系分散剤をペースト全体の7.0wt%から10.0wt%へ増加させたものであるが、それぞれT1乃至T8と同様の評価結果が得られている。
【0048】
上記表3において、感光性樹脂とフッソ系分散剤と重合開始剤との比は、1:0.25〜7.0:1.5とされている。なお、上記ニッケル粉末の平均粒径は、堀場製作所製のLA−920型レーザ回折散乱式粒度分布計による測定値である。
【0049】
上述のように、本実施例の感光性導体ペースト12によれば、アクリル樹脂またはロジン系樹脂を含むことから、感光性樹脂の含有量を減少させても露光・現像性能が確保されるとともに、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が高くなるので、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立した感光性導体ペースト12が得られる。
【0050】
また、本実施例の感光性導体ペースト12によれば、フッソ系分散剤を含むことから、感光性樹脂の含有量を減少させても露光・現像性能が確保されるとともに、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が高くなるので、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立した転写用感光性導体ペースト12が得られる。
【0051】
また、本実施例の感光性導体ペースト12によれば、感光性樹脂、アクリル樹脂若しくはロジン系樹脂、重合開始剤は、1:0.1〜1.0:1.0〜2.0の割合( 重量比) で混合されていることから、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立した感光性導体ペースト12が得られる。
【0052】
また、本実施例の感光性導体ペースト12によれば、金属粉末はNi( ニッケル)粉末であるので、焼成後において導電性および耐久性に優れた導体層が得られる。
【0053】
また、本実施例の感光性導体ペースト12によれば、無機材料粉末はチタン酸バリウムであるので、乾燥後或いは焼成後の導体層の収縮が抑制されてクラック等の発生が防止されるとともに、転写先のセラミックスシートが積層型チップコンデンサ用のチタン酸バリウムであれば、焼成時の結合力が高められる。
【0054】
また、本実施例の感光性導体ペースト12によれば、Ni( ニッケル)粉末は0.1〜0.4μmの粒径を有し、前記チタン酸バリウムは0.01〜0.1μmの粒径を有するので、セラミックスシート上に転写されて焼結された後において、緻密で強固に結合された導体層が得られる。上記Ni等の金属粉末の平均粒径が0.1μmを下まわると転写用感光性導体ペーストの粘性( チクソトロピー) が大きくなり、0.4μmを上まわると光の透過が低下し、露光時の透過性やパターン精度が低下する。上記チタン酸バリウム等の無機材料粉末の平均粒径が0.01μmを下回ると露光時の光透過性低下するとともに収縮抑制効果が不十分となり、0.1μmを超えると膜密度を低下させる。
【0055】
また、本実施例の感光性転写シート10によれば、転写用感光性導体ペースト12が転写支持体14の一面に塗布されたものであるから、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが共に得られる。
【0056】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例の感光性導体転写シートを用いた積層型チップコンデンサの製造工程の要部を説明する工程図である。
【図2】図1の導体ペースト塗工工程および乾燥工程により、感光性導体ペーストが転写支持体上に塗布され且つ固着された状態を模式的に示す図である。
【図3】図1の露光・現像工程により転写支持体上の感光性導体ペーストが所定のパターンに現像された状態を模式的に示す図である。
【図4】図1の導体層転写工程により、転写支持体上の誘電体層に所定パターンの導体層がそれぞれ積層された状態を模式的に示す図である。
【図5】図1の誘電体層転写工程により、転写支持体上の誘電体層に所定パターンの導体層を介して誘電体層が積層された状態を模式的に示す図である。
【図6】図1の工程により製造される積層型チップコンデンサの一例を示す斜視図である。
【図7】導体ペーストにおいて、金属粉末に対する樹脂量の割合( wt%) と乾燥密度ρD との関係を示す図である。
【図8】アクリル樹脂を感光性導体ペースト中に入れたことの効果を示すために作成された複数の試料の組成およびその評価結果を示す表1を示す図である。
【図9】ロジン系樹脂を感光性導体ペースト中に入れたことの効果を示すために作成された複数の試料の組成およびその評価結果を示す表2を示す図である。
【図10】フッソ系分散剤を感光性導体ペースト中に入れたことの効果を示すために作成された複数の試料の組成およびその評価結果を示す表の一部である表3−1を示す図である。
【図11】フッソ系分散剤を感光性導体ペースト中に入れたことの効果を示すために作成された複数の試料の組成およびその評価結果を示す表の他の一部である表3−2を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10:感光性導体転写シート
12:感光性導体ペースト( 転写用感光性導体ペースト)
14:転写支持体
30:積層型チップコンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストであって、
アクリル樹脂またはロジン系樹脂を含むことを特徴とする転写用感光性導体ペースト。
【請求項2】
金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含み、転写支持体の一面に塗布される転写用感光性導体ペーストであって、
フッソ系分散剤を含むことを特徴とする転写用感光性導体ペースト。
【請求項3】
前記感光性樹脂、アクリル樹脂若しくはロジン系樹脂、重合開始剤は、1:0.1〜1.0:1.0〜2.0の割合で混合されていることを特徴とする請求項1の転写用感光性導体ペースト。
【請求項4】
前記金属粉末は、Ni( ニッケル)粉末であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の転写用感光性導体ペースト。
【請求項5】
前記無機材料粉末は、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の転写用感光性導体ペースト。
【請求項6】
前記Ni( ニッケル)粉末は0.1〜0.4μmの粒径を有し、前記チタン酸バリウムは0.01〜0.1μmの粒径を有することを特徴とする請求項4または5の転写用感光性導体ペースト。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1の転写用感光性導体ペーストが転写支持体の一面に塗布された感光性転写シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−186522(P2009−186522A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23379(P2008−23379)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】