説明

載置用部材

【課題】 比較的簡易な構成によって載置面に研削屑等が入り込むことを抑制することができる載置用部材を提供する。
【解決手段】 載置用部材は、試料を載置する載置面(2a)を備えた多孔質体からなる載置部(2)と、該載置部(2)を取り囲んで支持する支持部(3)とを有する。載置面(2a)の外周部に凹部(7a)が設けられ、該凹部(7a)の内面に沿って多孔質体の気孔を覆う被覆層(8)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウエハ等の試料を加工する際にその試料を載置する載置用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハ等の基板を研削する場合、基板を載置用部材に載置して保持するとともに、その加工面に研削液を常時供給しながら研削を行うことがある。このとき、載置用部材の一つとして、基板を載置する載置面が多孔質体からなる、いわゆる真空チャックが用いられる。
【0003】
このように真空チャックが用いられる場合、基板と載置用部材との間の隙間から研削液が流入し、多孔質体からなる載置面が研削液に含まれる研削屑等によって目詰まりを起こすという懸念が生じる。このように載置面が目詰まりを起こすと、基板の吸着力が低下するといった問題が生じる。
【0004】
例えば、従来の載置用部材には、多孔質体の真空吸引部を中央部に埋設するステージを有し、このステージの外周部に円環状溝が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。この載置用部材では、円環状溝に給水口が開けられ、この給水口に給水パイプが接続され、給水タンクから給水パイプを介して円環状溝に純水が供給される。この構成によれば、真空吸引部によって保持されるウエハと真空吸引部との間の隙間に侵入しようとする研削液の侵入を、供給される純水によって防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−135316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の載置用部材では、円環状溝に純水を供給する給水タンクや給水パイプ等必要であることから、装置全体が大型化するという問題があった。
【0007】
よって、より簡易な構成によって載置面に研削屑等が入り込むことを抑制することができる載置用部材が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る載置用部材によれば、試料を載置する載置面を備えた多孔質体からなる載置部と、該載置部を取り囲んで支持する支持部とを有する載置用部材であって、前記載置面の外周部に凹部が設けられ、該凹部の内面に沿って前記多孔質体の気孔を覆う被覆層が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る載置用部材によれば、試料を載置する載置面を備えた多孔質体からなる載置部と、該載置部を取り囲んで支持する支持部とを有する載置用部材であって、前記支持部は、上面が前記載置面と略同一面をなしており、
前記載置面の外周縁に切欠き部が設けられて前記支持部との間で外周縁凹部が形成されているとともに、前記切欠き部の内面に沿って前記多孔質体の気孔を覆う被覆層が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る載置用部材によれば、試料と載置面との間の隙間に例えば研削液が入り込んでも、研削液が載置面に設けた凹部に留まり、凹部に設けられた被覆層によって、研削液が載置部の内部まで入り込むことを抑制することができる。よって、比較的簡単な構成で、載置面の目詰まりを抑制することができ、その結果、基板の吸着力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態による載置用部材の構成例を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1の載置用部材の断面図であり、(b)は、(a)の載置用部材の部分拡大図である。
【図3】(a)は、図1の載置用部材における凹部の配置例を示す図であり、(b)は、(a)凹部の他の配置例を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の第2の実施形態による載置用部材の構成例を示す断面図であり、(b)は、(a)の載置用部材における凹部の配置例を示す上面図である。
【図5】(a)は、第2の実施形態による載置用部材の別の構成例を示す断面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
【図6】(a)は、本発明の第3の実施形態による載置用部材の構成例を示す断面図であり、(b)は、(a)の載置用部材における凹部の配置例を示す上面図である。
【図7】(a)は、第3の実施形態による載置用部材の別の構成例を示す断面図であり、(b)は、(a)の載置用部材における凹部の配置例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態による載置用部材1Aは、試料Sを載置する載置面2aを備えた載置部2と、載置部2を取り囲んで支持する支持部3とを有する。載置部2は、例えば炭化珪素の多孔質体からなり、支持部3は、例えば炭化珪素の緻密質体からなる。支持部3は、載置部2を収容する凹形状の収容部4と、この収容部4の底面に開口を有する貫通孔5とを有している。貫通孔5は、真空吸引口6およびパイプ(図示せず)を介して、真空吸引装置である真空ポンプ(図示せず)に接続されている。この載置用部材1Aを使用する際には、載置部2の載置面2a上に試料Sを載置して、載置部2の気孔および貫通孔5を介して吸引を行うことにより、試料Sを載置面2a上に保持することができる。なお、載置用部材1Aは、支持部3の上面3aが載置面2aと略同一面をなしており、試料Sを水平により安定して保持することができる。ここで、支持部3の上面3aとは、収容部4が設けられた面をいい、載置面2aの周囲にある面のことである。支持部3は、載置用部材1Aを各種装置にネジ止め等によって取り付けるために、フランジ部3dが設けられていてもよい。
【0014】
また、本実施形態の形態による載置用部材1Aは、載置面2aの外周部に2つの凹部7a1,7a2が設けられ(以下、これらを区別しないときには、それぞれを単に凹部7aという。)、該凹部7aの内面に沿って、多孔質体の気孔を被覆する被覆層8が設けられている。この被覆層8は、例えば樹脂からなり、試料の研削に用いられる研削液等が気孔から多孔質体に浸透することを抑制することができる。なお、凹部7aは、載置部2aの内側に研削液等が入り込むことを抑制するために、環状の溝であることが好ましい。
【0015】
以下に、載置用部材1Aに試料Sとしてシリコン基板を載置し、このシリコン基板を研削する場合について説明する。シリコン基板を研削する場合には、図2に示すように、載置用部材1Aの載置面2aにシリコン基板の研削しようとする面(以下、研削面)に対向
する面(以下、裏面)を載置する。そして、シリコン基板の研削面に研削液Lを供給しながら研削面の研削を行う。ここで、研削過程においては、シリコン基板と載置面2aとの間に存在する隙間に研削液Lが流入する可能性がある。しかし、本実施形態による載置用部材1Aによれば、シリコン基板と載置面2aとの間の隙間に研削液Lが入り込んでも、研削液Lが載置面2aに設けた凹部7aに留まり、その凹部7aに設けられた被覆層8によって、研削液Lが載置部2の内部にまで入り込むことを抑制することができる。よって、比較的簡単な構成で、載置面2aの目詰まりを抑制することができ、その結果、シリコン基板の吸着力の低下を抑制することができる。
【0016】
また、一方で凹部7aに研削液Lが溜まってしまった場合には、凹部7aの溜まった研削液Lの表面張力によって試料Sが載置面2aに貼り付き、試料Sと載置面2aとの間に隙間が発生することを抑制することができる。従って、本実施形態による載置用部材1Aによれば、載置部2の内部に研削液Lが入り込むことを抑制するとともに、研削液Lが入り込んでしまった場合にも、それ以上、研削液Lが入り込むことを抑制することができる。
【0017】
凹部7aは、載置部2aの内側に研削液Lが入り込むことを抑制するという観点からすれば、環状の溝であることが好ましい。この場合、環状の溝である凹部7aは、1つだけ設けられても、図2,図3(a)に示すように、複数設けられてもよい。凹部7aを複数設けると、研削液Lが入り込むことをより効果的に抑制することができるが、あまり多く設けると、吸着面積が小さくなり、また試料Sが薄い場合等は、試料Sが凹部7aの上方で撓む可能性があるため、凹部7aの数は、これらを考慮して適宜設定すればよい。
【0018】
また、図3(b)に示すように、凹部7aが環状でなくても、載置面2aの外周縁に沿って複数の凹部7aが設けられ、その外周縁に沿って隣接する凹部7aが、載置面2aの中央部から外周部に向かう方向において異なる位置にあるとともに、中央部から見たときに外周縁に沿った方向において連続するように配置されていてもよい。このように、複数の凹部7aが、中央部から見たときに外周縁に沿った方向において連続するように配置されていていれば、研削液Lが載置面2aの全周囲方向から入り込むことを抑制することができる。
【0019】
また、図2(b)に示すように、凹部7aは、その深さhが幅W以上の大きさであることが好ましい。載置部2aの目詰まりを抑制するためには、凹部7aが研削液Lを収容できる量、すなわち凹部7aの容積が大きいことが好ましいが、そのためにあまり凹部7aの幅Wを大きくしすぎると、試料Sの吸着面積が小さくなる恐れがある。mがた、試料Sが薄く、比較的軟らかい材質からなる場合には、凹部7a上の試料Sの撓む可能性がある。よって、凹部7aの幅Wの大きさは、深さhよりも小さいか、又は深さhと同じ大きさにするのがよい。
【0020】
なお、凹部7aの深さhをあまり大きくしすぎると、載置部2の強度が低下する恐れがある。よって、載置部2の強度等、その他の条件に応じて、凹部7aの深さhを、実質的に幅Wと同じ大きさにするとよい。
【0021】
以下に、本実施形態による最置用部材1Aの製造方法について説明する。
【0022】
(1)まず、α型炭化珪素粉末、珪素粉末及び成形助剤となるフェノール樹脂を均一に混合し、調合原料を作製する。この調合原料を転動造粒機に投入し、顆粒とした後、乾式加圧成形にて成形体を得る。次に、この成形体を窒素雰囲気中、500℃〜700℃で脱脂処理した後、1420℃〜1900℃で同じく窒素雰囲気中で熱処理して、図1に示す載置部2を作製する。
【0023】
なお、載置部2の主成分がアルミナの場合には、主原料に対し、3〜20重量%の範囲で焼失材を添加混合する。ここで、焼失材とは焼成時に燃えてなくなる材質のことであり、例えば、粉末ポリエチレン、酢酸ビニール、セルロース、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂などの樹脂剤、あるいは炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどを好適に用いることができる。一軸方向加圧成形機の金型中に、焼失材を添加した原料を充填し、圧縮成形する。このようにして得た成形体を1600〜1750℃の焼成温度で焼成すれば、原料中の焼失材が燃えてなくなり、その跡が気孔となって残るため、載置部2を得ることができる。
【0024】
(2)また、中央に円形の凹形状の収容部4を有する略円盤状の緻密質な枠体である支持部3を準備する。まず、主成分をなすセラミック粉末に、所定の焼結助剤あるいは安定化剤とバインダーをそれぞれ添加したセラミック原料を用意する。例えば主成分がSiCである場合には、SiCに対してC、B、BC、Al、Y等のうち少な
くとも一種を焼結助剤として添加する。硬質ゴムからなる型の中にセラミック原料を充填したあと、均一に静水圧をかけて成形するCIP(冷間静水圧プレス)により成形する。このようにして得た成形体を、1700〜1900℃の焼成温度で、各セラミック粉末を完全に焼結させる温度にて焼成すれば、緻密質な支持部3を得ることができる。
【0025】
アルミナを主成分とする場合、セラミック粉末に、所定の焼結助剤あるいは安定化剤とバインダーをそれぞれ添加したセラミック原料を用意する。例えば、Alに対しては焼結助剤としてMgO、CaO、SiOのうち少なくとも一種を添加する。硬質ゴムからなる型の中にセラミック原料を充填したあと、均一に静水圧をかけて成形するCIPにより成形する。このようにして得た成形体を、1600〜1750℃の焼成温度で焼成すれば、支持部3を得ることができる。
【0026】
(3)次に、支持部3の収容部4の内面にペースト状のガラスを塗布する。ガラス塗布後、載置部2を収容部4に置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧した後、900〜1300℃で熱処理する。これにより、載置部2と支持部3とが接合される。なお、載置部2と支持部3は、ガラスの代わりに樹脂によって接合してもよい。その場合は、支持部3の収容部4の内面に硬化剤を混ぜ合わせた樹脂接着剤を塗布する。樹脂接着剤塗布後、載置部2を収容部4に置き、専用の加圧装置で厚み方向から加圧した後、常温〜70℃で2〜24時間乾燥させる。これにより、載置部2と支持部3とが接合される。
【0027】
(4)載置部2と支持部3を接合後、載置面2aおよび上面3aとの間の段差をなくすように載置面2aおよび上面3aを研磨する。
【0028】
(5)さらに、載置面2aの外周部にブラスト加工によって凹部7aを形成する。このとき、加工箇所以外はマスキングして削れないようにする。なお、凹部7aが環状の場合には、ブラスト加工の代わりに、グラインディング加工によって凹部7aを形成してもよい。
【0029】
(6)ブラスト加工、またはグラインディング加工後は、載置部2および支持部3の接合体を十分に洗浄し、多孔質体からなる載置部2の内部に存在する不純物を取り除く。その後、上記接合体を乾燥させる。
【0030】
(7)次に、載置部2における凹部7aの内面以外の部位にマスキングを施し、凹部7aの内面に樹脂接着剤を塗布するか、又はテフロン(登録商標)コーティングを施す。樹脂接着剤の場合、接着剤に硬化剤を混合させ、溝部の多孔質部を埋める。目視で全周に塗布が完了したら、20〜80℃で2時間硬化乾燥する。テフロンコーティングの場合、4
00〜500℃で下地処理後、コート材を溝部に噴きつけ多孔質部を封孔する。膜圧は多孔質部を封孔するのに50μm以上が望ましい。
【0031】
(8)樹脂接着後は、載置部2より樹脂接着剤、又はコーティングの飛び出しがないように上面3aを研磨する。
【0032】
(第2の実施形態)
図4に示すように、本発明の第2の実施形態による載置用部材1Bは、載置面2aの外周縁に切欠き部7bが設けられている。載置用部材1Bでは、支持部3の上面3aが載置部2の載置面2aと略同一面をなしており、切欠き部7bと支持部3との間で凹部(以下、「外周縁凹部」という。)9が形成されている。
【0033】
この外周縁凹部9は、環状の溝であることが好ましい。しかし、複数の切欠き部7bを設けることにより、載置面2aの外周縁に沿って複数の外周縁凹部9を形成し、それらをできるだけ隙間を空けずに配置することによっても、研削液Lの流入を抑制することができる。その場合、研削液Lが載置面2aの全周囲方向から入り込むことを等しく抑制するために、外周縁凹部9は、載置面2aの外周縁に沿って等間隔に配置されていることが好ましい。また、第1の実施形態による載置用部材1Aと同様に、外周縁凹部9は、その深さhが幅W以上の大きさであることが好ましい。
【0034】
また、本実施の形態による載置用部材1Bでは、切欠き部7bの内面に沿って多孔質体の気孔を被覆する被覆層8が設けられている。この被覆層8は、少なくとも載置部2に設けられた切欠き部7bの表面に設けられるが、支持部3の収容部4の内面において外周縁凹部9を構成する領域に同様に設けることができる。
【0035】
その他の構成は、第1の実施形態による載置用部材1Aの構成と同様であるため、図面では同一の符号を付し、説明を省略する。
【0036】
本実施形態による載置用部材1Bによれば、外周縁凹部9が載置用部材1Aにおける凹部7aよりも外側にあるため、第1の実施形態による載置用部材1Aと比較して、研削液Lが入り込むことを外側で阻止することができる。よって、研削液Lが載置部2の内部にまで入り込むことをより効果的に抑制することができる。
【0037】
なお、載置用部材1Bでは、載置面2aの外周縁にのみ切欠き部7bが設けたが、図5に載置用部材1B’として示すように、支持部3の収容部4の内面に切欠き部10を設けてもよい。その場合は、切欠き部7bと切欠き部10との間で「外周縁凹部」9が形成される。
【0038】
本実施形態による載置用部材1Bの製造方法は、第1の実施形態による載置用部材1Aの製造方法とほぼ同様である。しかし、本実施の形態による載置用部材1Bでは、切欠き部7bと支持部3との間で外周縁凹部を形成しているため、(5)の工程において、以下のように切欠き部7bおよび切欠き部10を形成する。すなわち、ブラスト加工の場合には、外周縁凹部に対応する領域のみにブラスト粒子が当たるように開口部が設けられたシートを載置面2aおよび上面3aに載せて加工を行う。また、グライディング加工の場合には、外周縁凹部に対応させて任意に設計された幅および深さのダイヤモンドツールを用いて、載置面2aおよび上面3aを研削することにより、外周縁凹部を形成する。
【0039】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態による載置用部材1Cは、図6に示すように、切欠き部7bとともに、載置面2aの外周部に凹部7a1,7a2が設けられている。載置用部材1Cでは
、支持部3の上面3aが載置部2の載置面2aと略同一面をなしており、切欠き部7bと支持部3とによって外周縁凹部9が形成されている。
【0040】
好ましくは、凹部7a1,7a2は、環状の溝であることが好ましい。この場合、環状の溝である凹部7aは、1つだけ設けられてもよいが、図6(b)に示すように、複数設けられてもよい。複数設けられると、研削液Lが載置部2の内部に入り込むことをより効果的に抑制することができるが、あまり多く設けると、吸着面積が小さくなり、また試料Sが薄い場合等は、試料Sが凹部7aの上方で撓む可能性があるため、これらを考慮して適宜設定すればよい。
【0041】
また、図7(b)に示すように、外周縁に沿って隣接する外周縁凹部9および凹部7aが、載置面2aの中央部から外周部に向かう方向において異なる位置にあるとともに、中央部から見たときに載置面2aの外周縁に沿った方向において連続するように配置されていてもよい。このように、外周縁凹部9および凹部7aが、中央部から見たときに外周縁に沿った方向において連続するように配置されていていれば、研削液Lが載置面2aの全周囲方向から入り込むことを抑制することができる。
【0042】
さらに、載置面2aの外周縁に沿って複数の外周縁凹部9および複数の凹部7aが設けられ、これら複数の外周縁凹部9および該複数の凹部7aが、外周縁に沿って等間隔に配置されていてもよい。
【0043】
なお、凹部7aおよび外周縁凹部9は、その深さhが幅W以上の大きさであることが好ましい。
【符号の説明】
【0044】
1A、1B,1B’1C,1C’:載置用部材
2;載置部
2a:載置面
3:支持部
3a:上面
4:収容部
5:貫通孔
6:真空吸引口
7a:凹部
7b:切欠き部
8:被覆層
9:外周縁凹部
S:試料
L:研削液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を載置する載置面を備えた多孔質体からなる載置部と、該載置部を取り囲んで支持する支持部とを有する載置用部材であって、
前記載置面の外周部に凹部が設けられ、該凹部の内面に沿って前記多孔質体の気孔を覆う被覆層が設けられていることを特徴とする載置用部材。
【請求項2】
前記凹部は、環状の溝であることを特徴とする請求項1に記載の載置用部材。
【請求項3】
前記載置面の外周縁に沿って複数の前記凹部が設けられ、前記外周縁に沿って隣接する前記凹部は、前記載置面の中央部から外周部に向かう方向において異なる位置にあるとともに、前記中央部から見たときに前記外周縁に沿った方向において連続するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の載置用部材。
【請求項4】
前記載置面の外周縁に沿って複数の前記凹部が設けられ、該複数の凹部は、前記外周縁に沿って等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の載置用部材。
【請求項5】
前記支持部は、上面が前記載置面と略同一面をなしていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の載置用部材。
【請求項6】
前記凹部は、深さが幅以上の大きさである請求項1から請求項5のいずれかに記載の載置用部材。
【請求項7】
試料を載置する載置面を備えた多孔質体からなる載置部と、該載置部を取り囲んで支持する支持部とを有する載置用部材であって、
前記支持部は、上面が前記載置面と略同一面をなしており、
前記載置面の外周縁に切欠き部が設けられて前記支持部との間で外周縁凹部が形成されているとともに、前記切欠き部の内面に沿って前記多孔質体の気孔を覆う被覆層が設けられていることを特徴とする載置用部材。
【請求項8】
前記外周縁凹部は、環状の溝であることを特徴とする請求項7に記載の載置用部材。
【請求項9】
前記載置面の外周縁に沿って複数の前記外周縁凹部が設けられ、該複数の外周縁凹部は、前記外周縁に沿って等間隔に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の載置用部材。
【請求項10】
前記外周縁凹部は、深さが幅以上の大きさである請求項7から請求項9のいずれかに記載の載置用部材。
【請求項11】
前記載置面の外周縁に沿って複数の前記外周縁凹部が設けられているとともに、前記載置面の外周部に外周縁に沿って複数の凹部が設けられ、該凹部の内面に沿って前記多孔質体の気孔を覆う被覆層が設けられており、前記外周縁に沿って隣接する前記外周縁凹部および前記凹部は、前記載置面の中央部から外周部に向かう方向において異なる位置にあるとともに、前記中央部から見たときに前記外周縁に沿った方向において連続するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の載置用部材。
【請求項12】
前記載置面の外周縁に沿って複数の前記外周縁凹部および複数の前記凹部が設けられ、該複数の外周縁凹部および該複数の凹部は、前記外周縁に沿って等間隔に配置されていることを特徴とする請求項11記載の載置用部材。
【請求項13】
前記外周縁凹部および前記凹部は、深さが幅以上の大きさである請求項11または請求項12に記載の載置用部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−135838(P2012−135838A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290227(P2010−290227)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】