説明

農産物の包装装置

【課題】空の包装箱を複数個貯留させつつその包装箱の取り出しを簡易な構成にて容易に行わせることができる農産物の包装装置を提供する。
【解決手段】農産物Nを順次搬送する農産物貯留コンベア4と、空の包装箱Hを順次搬送する空箱搬送コンベア7と、農産物貯留コンベア4の下流側にそれぞれに配設され、包装箱Hを載置し得るとともに、その包装箱Hに順次搬送された農産物を箱詰めするための箱詰め部6と、空箱搬送コンベア7で搬送される空の包装箱Hを箱詰め部6近傍の取出位置まで搬送するとともに複数個の包装箱Hを貯留させ得る空箱供給手段8とを具備した農産物の包装装置において、空箱供給手段8の取出位置の包装箱Hを押圧して位置ずれさせる位置ずれ用押圧手段31を具備したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野菜や果実等の農産物を包装箱に収容して箱詰めすべく、農産物及び空の包装箱をそれぞれ順次搬送するための農産物の包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、選別装置から仕分け排出された農産物と、空の包装箱とをそれぞれ順次搬送し、当該包装箱に農産物を収容して箱詰めするための農産物の包装装置は、例えば特許文献1にて開示されている。かかる農産物の包装装置は、空の包装箱を載置して作業者が箱詰め作業し得る箱詰め部(箱詰め台)を具備しており、当該箱詰め部に向かって、農産物を搬送する農産物貯留コンベア(引き出しコンベア)と、空箱供給コンベア(滑り台)とが延設されていた。
【0003】
また、空の包装箱を上下に段積みし、複数個の包装箱を貯留するとともに、最下段の包装箱を取り出すよう構成されたものが、例えば特許文献2にて開示されている。かかる空箱供給手段にて包装箱を取り出すには、最下段より上段の包装箱を挟持するとともに、最下段の包装箱の底部を揺動させ、そこから当該最下段の包装箱を取り出すことができるようになっていた。
【特許文献1】特開昭63−12421号公報
【特許文献2】特開昭54−120172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の農産物の包装装置(特許文献1にて開示されたもの)に上記の空箱供給手段(特許文献2にて開示されたもの)を適用した場合、最下段より上段の包装箱を挟持する必要があり、構成が複雑になってしまうという問題があった。即ち、底部を揺動させて最下段の包装箱を取り出す際、その上段の包装箱が下方へ落下しないよう、硬く挟持する必要があり、その構成が複雑化してしまうのである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、空の包装箱を複数個貯留させつつその包装箱の取り出しを簡易な構成にて容易に行わせることができる農産物の包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、農産物を所定の仕分区分別に仕分ける選別コンベアと、該選別コンベアから仕分けられた農産物を貯留する農産物貯留コンベアと、該農産物貯留コンベア上に貯留した農産物を包装するための空の包装箱を順次搬送する空箱搬送コンベアと、前記農産物貯留コンベアの下流側にそれぞれに配設され、前記包装箱を載置し得るとともに、その包装箱に順次搬送された農産物を箱詰めするための箱詰め部と、前記空箱搬送コンベアで搬送される空の包装箱を前記箱詰め部近傍の取出位置まで搬送するとともに複数個の包装箱を貯留させ得る空箱供給手段とを具備した農産物の包装装置において、前記空箱供給手段の取出位置の包装箱を押圧して位置ずれさせる位置ずれ用押圧手段を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の農産物の包装装置において、前記空箱供給手段は、前記空箱搬送コンベアから落下する包装箱を上下複数段に段積みして貯留可能とされ、最下段の包装箱が取出位置とされることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の農産物の包装装置において、前記農産物貯留コンベアは、前記選別コンベアと直交する方向に且つ所定寸法離間して複数並列に配設され、それぞれの下流に箱詰め部が配設されるとともに、隣接する箱詰め部の略中間に前記空箱供給手段の取出位置が設定されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の農産物の包装装置において、前記空箱供給手段の取出位置には、包装箱の側面に所定の印字を行い得る印字手段が設けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の農産物の包装装置において、前記印字手段は、複数種の印字を選択的に行い得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、位置ずれ用押圧手段にて空箱供給手段の取出位置の包装箱を押圧して位置ずれさせ、位置ずれした包装箱を掴んで取り出しが容易とされているので、空の包装箱を複数個貯留させつつその包装箱の取り出しを簡易な構成にて容易に行わせることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、空箱供給手段は、空箱搬送コンベアから落下する包装箱を上下複数段に段積みして貯留可能とされ、最下段の包装箱が取出位置とされるので、包装箱の貯留空間を兼ねる搬送路が上下方向に延びることとなり、空箱供給手段の設置面積を小さくすることができる。また、包装箱の自重により自然と落下して貯留されるので、装置構成をより簡素化することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、農産物貯留コンベアは、所定寸法離間して複数並列に配設され、それぞれの下流に箱詰め部が配設されるとともに、隣接する箱詰め部の略中間に空箱供給手段の取出位置が設定されているので、隣接する箱詰め部を1組として包装箱の取出位置を共有させることができる。従って、多数の農産物貯留コンベアが並列に設置された場合であっても、設置コストの増大を抑制することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、空箱供給手段の取出位置には、包装箱の側面に所定の印字を行い得る印字手段が設けられているので、例えば箱詰めされる農産物の種類や等級階級などを確実に包装箱に印字して表示させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、印字手段は、複数種の印字を選択的に行い得るので、例えば箱詰め部に対応した任意の印字を容易に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る農産物の包装装置は、例えば野菜や果物等の農産物を包装箱に収容して箱詰めすべく、農産物及び空の包装箱をそれぞれ順次搬送するためのものであり、図1〜図5に示すように、選別コンベア1と、農産物貯留コンベア4と、箱詰め部6と、空箱搬送コンベア7と、空箱供給手段8と、空箱送出手段9とから主に構成されている。
【0017】
選別コンベア1は、農産物N(例えばりんご等)を載置させたトレイTを搬送させる搬送コンベアから成り、搬送途中に外観測定手段2及び内部品質測定手段3が配設されている。同図中符号Aは、トレイTに農産物Nを載置させる供給部を示しているとともに、符号10は、選別コンベア1から排出される農産物Nが載置されていないトレイTを迂回搬送するための空トレイ用コンベアを示している。
【0018】
農産物貯留コンベア4は、仕分け排出領域の選別コンベア1と直交する方向に且つ所定寸法離間して複数並列に配設され、選別コンベア1から排出されたトレイに載置される農産物Nを順次搬送するよう構成されたもので、各農産物貯留コンベア4の上流側には振分手段5が配設され、外観測定手段2及び内部品質測定手段3で得られた測定値に基づき判定された仕分区分別に、選別コンベア1を搬送される農産物Nを所定の農産物貯留コンベア4に排出して選別を行うよう構成されている。
【0019】
また、農産物貯留コンベア4は、同図中左右2つのライン(右ライン4a及び左ライン4b)を並設して具備しており、振分手段5は、所定の仕分区分に応じて農産物Nを左右何れかのライン(4a、4b)に搬送するよう構成されている。更に、各農産物貯留コンベア4の下流側には、包装箱Hを載置し得るとともに、その包装箱Hに順次搬送された農産物Nを作業者が箱詰めするための箱詰め部6が配設され、本実施形態ではライン4a、4bのそれぞれの下流側に箱詰め部6が並設されている。
【0020】
かかる箱詰め部6は、図6に示すように、上昇及び下降可能な載置台6aを具備しており、包装箱H内に所定量の農産物Nを収容し終わると、載置台6aが下降し、製品搬送コンベアBにて当該農産物Nが収容された包装箱Hを搬送し得るよう構成されている。そして、載置台6aを再び上昇させ、空の包装箱Hを載置した後、その包装箱Hに農産物貯留コンベア4で順次搬送される農産物Nを収容することとなる。
【0021】
空箱搬送コンベア7は、農産物貯留コンベア4の上方で交差して略直交する方向に配設され、当該農産物貯留コンベア4に貯留された農産物Nを収容するための空の包装箱Hを順次搬送するための搬送コンベアから成る。即ち、空箱搬送コンベア7は、仕分け排出領域の選別コンベア1と略平行な方向に設けられ、農産物貯留コンベア4よりも高い位置に懸架され、全ての農産物貯留コンベア4の上方を横切るよう延設されているのである。尚、搬送される空の包装箱Hは、空箱搬送コンベア7の上流側で組み立てられ、上方が開放した農産物Nを収容し得る状態のものである。
【0022】
空箱供給手段8は、空箱搬送コンベア7で搬送される空の包装箱Hを箱詰め部6近傍の取出位置(本実施形態においては最下段の位置)まで搬送するとともに複数個の包装箱Hを貯留させ得るものである。具体的には、空箱供給手段8は、図3及び図4に示すように、上下方向に筒状に延びた本体8aが形成され、空箱搬送コンベア7から落下する包装箱Hを上下複数段に段積みして貯留可能とされるとともに、最下段の包装箱が取出位置とされている。
【0023】
空箱供給手段8の取出位置は、図1に示すように、隣接する箱詰め部6の間であって、互いの箱詰め部6からの距離が略等しくなる位置となるよう設定されており、これにより、隣接する(空箱供給手段8の両側に位置する)箱詰め部6を1組として空の包装箱Hの取出位置を共有させることができる。即ち、隣接する箱詰め部6でそれぞれ箱詰め作業する作業者は、その間に位置する1の取出位置にある空の包装箱Hをそれぞれ取り出すことができ、取り出した包装箱Hを自分が担当する箱詰め部6の載置台6aに載置することができるのである。
【0024】
更に、空箱供給手段8の上部には、図2に示すように、一対の羽根部材14が形成されており、後述する空箱送出手段9で送り出された包装箱Hを支持した後、揺動して下方へ落下させ得るよう構成されている。即ち、一対の羽根部材14は、それぞれ揺動軸Lを中心として揺動可能とされており、包装箱Hを支持した状態からリンク機構15の動作により揺動し、当該包装箱Hを下方に落下させるようになっているのである。
【0025】
リンク機構15は、同図及び図4に示すように、揺動軸Lと一体の回動部材19、20に対して連結されたシリンダ16、作動ロッド17及び連結棒18から主に構成されており、シリンダ16が作動して作動ロッド17を伸縮させることにより回動部材19、20を回動し、それに伴って羽根部材14を揺動させ得るよう構成されている。例えば、作動ロッド17が伸長すると、回動部材19が図4中矢印方向に回動し、一方の揺動軸Lを回転させるとともに、その回動力が連結棒18を介して回動部材20に伝達されて、回動部材20が同図中矢印方向に回動し、他方の揺動軸Lを回転させ、一対の羽根部材14を略同時に揺動させ得るようになっている。
【0026】
また、空箱供給手段8の下部には、図4及び図5に示すように、包装箱Hの側面に所定の印字を行い得る印字手段21が配設されている。かかる印字手段21は、選択用シリンダ22と、該選択用シリンダ22により上下動するフレーム23と、該フレーム23に固定された一対のスタンプ用シリンダ24、25と、所定の印字が可能なスタンプ26、27とから主に構成されている。
【0027】
上記構成により、スタンプ26又は27が選択的に包装箱Hの側面に押圧されて印字し得るようになっている。スタンプ26、27は、対応する箱詰め部6にて箱詰めされる農産物Nの種類や等級などを文字又は記号として印字し表示し得るものであり、複数種(本実施形態の場合は2種類)の印字を選択的に行い得るよう、印字が異なる2つのものが用意されている。
【0028】
即ち、印字手段21は、図示しない一対の操作ボタンの操作に応じて制御されるものであり、例えば一方の操作ボタンが操作されると、スタンプ27が取出位置にある包装箱Hの側面に対向した状態となるよう選択用シリンダ22が作動した後、スタンプ用シリンダ25が作動してスタンプ27が包装箱Hの側面に押圧されて印字がなされる一方、他方の操作ボタンが操作されると、スタンプ26が取出位置にある包装箱Hの側面に対向した状態となるよう選択用シリンダ22が作動した後、スタンプ用シリンダ24が作動してスタンプ26が包装箱Hの側面に押圧されて印字がなされる。
【0029】
また、包装箱Hにおけるスタンプ21、22の押圧面と反対の面(側面)と対向する位置には、印字の際、その押圧力にて当該包装箱Hが逃げないよう押さえ部材28が配設されている。かかる押さえ部材28は、シリンダ29の作動により動作するよう構成されており、印字手段21の動作と連動して当該シリンダ29が作動し、包装箱Hの側面を押さえ得るようになっている。これにより、スタンプ26又は27の押圧時に包装箱Hが逃げてしまうのを回避し、確実に印字を行わせることができる。
【0030】
ここで、本実施形態における空箱供給手段8の下部には、取出位置の包装箱Hを押圧して位置ずれさせる位置ずれ用押圧手段31が配設されている。かかる位置ずれ用押圧手段31は、シリンダ30の作動により動作するよう構成されており、印字手段21による印字動作の終了と共に当該シリンダ30が作動し、包装箱Hの側面を押圧し得るようになっている。
【0031】
これにより、取出位置にある最下段の包装箱Hは、図3に示すように、空箱供給手段8の本体8aから作業者が取出し作業を行う方向に所定寸法tだけ突出した状態となり、位置ずれした包装箱Hを掴んで取り出しが容易とされている。従って、空の包装箱Hを複数個貯留させつつその包装箱Hの取り出しを簡易な構成にて容易に行わせることができる。また、空箱供給手段8は、空箱搬送コンベア7から落下する包装箱Hを上下複数段に段積みして貯留可能とされ、最下段の包装箱が取出位置とされるので、包装箱Hの貯留空間を兼ねる搬送路が上下方向に延びることとなり、平面的に必要となる面積が小さくなるため、空箱供給手段8の設置面積を小さくすることができる。更に、包装箱Hの自重により自然と落下して貯留されるので、装置構成をより簡素化することができる。
【0032】
一方、空箱送出手段9は、空箱搬送コンベア7で搬送される包装箱Hを空箱供給手段8に順次送り出すためのものである。かかる空箱送出手段9は、図2に示すように、空箱搬送コンベア7の搬送面上に選択的に突出又は没入し得るストッパ13と、シリンダ11と、該シリンダ11の駆動により動作する押出し部12とから主に構成されている。
【0033】
そして、ストッパ13が空箱搬送コンベア7の搬送面上に突出して包装箱Hの搬送を停止させた状態で、シリンダ11が駆動されると、その作動ロッドに接続された押出し部12が停止した包装箱Hの側面を押圧し、空箱供給手段8の上部(具体的には一対の羽根部材14上)に送り出すようになっている。尚、包装箱Hの移送後は、ストッパ13が没入しつつ押出し部12が元の位置となるまでシリンダ11が駆動する。
【0034】
次に、上記実施形態における作用について説明する。
選別コンベア1を搬送される農産物Nは、外観測定手段2及び内部品質測定手段3にて測定された測定値に基づき判定された仕分区分に応じて振分手段5にて各農産物貯留コンベア4に排出される。農産物貯留コンベア4の左右何れかのライン4a、4bを搬送される農産物Nは、その下流端にて一定量貯留され、作業者により箱詰め部6の包装箱Hに収容される。尚、箱詰めにより空となったトレイTは、ライン4a、4bから折り返し延設された空トレイラインに送り出され、空トレイ用コンベア10にて合流搬送されて供給部Aに返還される。
【0035】
箱詰め作業する作業者は、自分の担当する箱詰め部6に包装箱Hを載置し、その中に農産物Nを所定量収容する。空の包装箱Hは、空箱搬送コンベア7にて搬送され、その途中に配設された複数の空箱送出手段9のうち所定のものの動作により空箱供給手段8上部の一対の羽根部材14上に移送される。一対の羽根部材14は、空箱送出手段9で送り出された包装箱Hを略水平状態で受けて支持した後、リンク機構15による動作により揺動し、当該包装箱Hを本体8a内で下方へ落下させる。
【0036】
しかして、空箱供給手段8内を落下した包装箱Hは、下端の取出位置で待機することとなる。尚、それ以降落下された包装箱Hは、空箱供給ライン8の本体8a内で順次段積みされ、段積み状態にて貯留されることとなる。ここで、本実施形態においては、包装箱Hの取出位置が隣接する箱詰め部6の略中間の位置に設けられているため、隣接する箱詰め部6を1組として包装箱Hの取出位置を共有させている。
【0037】
即ち、空箱供給手段8が各箱詰め部6のそれぞれに対応して設置されたものに比べ、隣接する箱詰め部6を1組として包装箱Hの取出位置を共有させれば、約半分の空箱供給手段の設置で済むこととなるので、本実施形態の如く多数の農産物貯留コンベア4が並列に設置された場合であっても、設置コスト(イニシャルコスト及びランニングコスト)の増大を抑制することができるのである。
【0038】
そして、作業者が空箱取出部8aにある包装箱Hを取り出す際には、その作業者が箱詰め部6の仕分区分に対応した操作ボタンを操作することにより、押さえ部材28が取出位置(最下段)にある包装箱Hの一方の側面を押さえるとともに、他方の側面に対し印字手段21にて所定の印字が行われる。これにより、例えば箱詰めされる農産物Nの種類や等級階級などの仕分区分を確実に包装箱Hに印字して表示させることができる。また、印字手段21は、複数種の印字を選択的に行い得るので、例えば隣接する箱詰め部6で異なる仕分区分の農産物を箱詰する場合にも対応した任意の印字を容易に行わせることができる。また、印字手段21と押さえ部材28が取出位置の両側に配置されているので、取出し作業の妨げになることはない。
【0039】
上記印字手段21による印字が終了すると、シリンダ30が作動し、位置ずれ用押圧手段31が取出位置にある包装箱Hを後方から押圧する。これにより、押圧された包装箱Hは、空箱供給手段8の本体8aから所定寸法tだけ突出した状態となり、作業者が包装箱Hの位置ずれした箇所を掴んで引き出すことができるので、包装箱Hの取り出しが容易となる。最下段の包装箱Hが取り出されると、その上段に貯留された包装箱Hが自重により落下し、取出位置に待機することとなる。
【0040】
以上、本実施形態に係る農産物の包装装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば一対の羽根部材14を揺動させるリンク機構15に代えて他の駆動源(それぞれの羽根部材14にシリンダを具備させたもの等)としてもよく、或いは羽根部材14に代えて他の支持部材(包装箱を支持した後、落下させ得る構成のもの)としてもよい。
【0041】
また更に、本実施形態においては、農産物貯留コンベア4が左右のライン4a、4bを有しているが、それぞれの農産物貯留コンベア4が単一のラインで構成されつつ所定寸法離間して複数並列に配設されたものとしてもよい。尚、本実施形態においては、農産物Nの仕分区分に応じて農産物Nを農産物貯留コンベア4の左右のラインに振り分けるようにしているが、同じ仕分区分であれば均等に振り分けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
空箱供給手段の取出位置の包装箱を押圧して位置ずれさせる位置ずれ用押圧手段を具備した農産物の包装装置であれば、各搬送ラインの配置等が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの、または農産物以外に選別を行わない物品を包装するもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る農産物の包装装置を示す全体概略図
【図2】同農産物の包装装置における空箱搬送コンベア及び空箱供給手段を上面から見た概略図
【図3】同農産物の包装装置における空箱搬送コンベア及び空箱供給手段を側面から見た概略図
【図4】同農産物の包装装置における空箱供給手段を正面から見た概略図
【図5】同農産物の包装装置における空箱供給手段における印字手段及び位置ずれ用押圧手段を示す概略図
【図6】同農産物の包装装置における農産物貯留コンベア及び箱詰め部を側面から見た概略図
【符号の説明】
【0044】
1 選別コンベア
2 外観測定手段
3 内部品質測定手段
4 農産物貯留コンベア
5 振分手段
6 箱詰め部
7 空箱搬送コンベア
8 空箱供給手段
8a 本体
9 空箱送出手段
10 空トレイ用コンベア
11 シリンダ
12 押出し部
13 ストッパ
14 羽根部材
15 リンク機構
16 シリンダ
17 作動ロッド
18 連結棒
19、20 回動部材
21 印字手段
22 選択用シリンダ
23 フレーム
24、25 スタンプ用シリンダ
26、27 スタンプ
28 押さえ部材
29 シリンダ
30 シリンダ
31 位置ずれ用押圧手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物を所定の仕分区分別に仕分ける選別コンベアと、
該選別コンベアから仕分けられた農産物を貯留する農産物貯留コンベアと、
該農産物貯留コンベア上に貯留した農産物を包装するための空の包装箱を順次搬送する空箱搬送コンベアと、
前記農産物貯留コンベアの下流側にそれぞれに配設され、前記包装箱を載置し得るとともに、その包装箱に順次搬送された農産物を箱詰めするための箱詰め部と、
前記空箱搬送コンベアで搬送される空の包装箱を前記箱詰め部近傍の取出位置まで搬送するとともに複数個の包装箱を貯留させ得る空箱供給手段と、
を具備した農産物の包装装置において、
前記空箱供給手段の取出位置の包装箱を押圧して位置ずれさせる位置ずれ用押圧手段を具備したことを特徴とする農産物の包装装置。
【請求項2】
前記空箱供給手段は、前記空箱搬送コンベアから落下する包装箱を上下複数段に段積みして貯留可能とされ、最下段の包装箱が取出位置とされることを特徴とする請求項1記載の農産物の包装装置。
【請求項3】
前記農産物貯留コンベアは、前記選別コンベアと直交する方向に且つ所定寸法離間して複数並列に配設され、それぞれの下流に箱詰め部が配設されるとともに、隣接する箱詰め部の略中間に前記空箱供給手段の取出位置が設定されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の農産物の包装装置。
【請求項4】
前記空箱供給手段の取出位置には、包装箱の側面に所定の印字を行い得る印字手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の農産物の包装装置。
【請求項5】
前記印字手段は、複数種の印字を選択的に行い得ることを特徴とする請求項4記載の農産物の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−68875(P2008−68875A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246337(P2006−246337)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】